JP5773964B2 - エンジン発電機並列運転システムおよびエンジン発電機並列運転方法 - Google Patents

エンジン発電機並列運転システムおよびエンジン発電機並列運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統に電力を供給する複数の発電機を有するエンジン発電機並列運転システムに関する。特には、負荷対象(外部電力系統)に接続するのに先立ち、エンジン側で調整を行うようにして、安定的な複数の発電機の立上げを実現した、エンジン発電機並列運転システムおよびエンジン発電機並列運転方法に関するものである。
従来、外部負荷対象(原動機等)としての電力系統に、電力を供給する複数の発電機を備えた電源供給システム1がある(特許文献1)。
この電源供給システム1は、図10に示すように、電源からの電力を変換し該変換電力を外部負荷対象2に供給する静止型変換器3と、複数の発電機4(ここではエンジン発電機4)とを具備する。そして、この電源供給システム1では、複数の発電機4のうち少なくとも1台と静止型変換器3とが外部負荷対象2に連系されているときに更に発電機4を外部負荷対象2に並入するに際し、静止型変換器3の出力電圧を増加させるように制御している。
すなわちこのような電源供給システム1では、例えば二つの発電機4を並列運転(同期運転)させるには、両機の出力電圧の周波数、位相、電圧振幅が一致している必要があるとしている。
このために、原動機(電動機)の速度(回転数)制御、極整合、励磁装置による自動電圧調整器(AVR:Automatic Voltage Regulator)が設けられている。
しかしながら、このような電源供給システム1では、二つの発電機4を併入する際に、周波数や電圧が変動することがある。
そのために、AVRの励磁制御や、商用電源に接続された静止型変換器3を用いて、投入される発電機4からの電力の変動分を吸収、調整するようにしている。
特許第4351873号公報
しかながら、そもそも、非常用電源を使用する場合には、母線電圧は0であり、少なくとも静止型変換器3を使用することができない。
一方、非常用エンジン発電機を使用する場合には、発電容量の関係から複数台のエンジン発電機セットで電力を供給する必要がある。
その際には母線電圧は0であり、先ず、複数台のエンジン発電機セットのみでの並列運転(立上げ)を行い、複数台のエンジン発電機セットが立ち上った段階で、その後に負荷対象への電力供給を行っている。
ところで、複数台のエンジン発電機セットのみでの並列運転(立上げ)を行うと、エンジン発電機の回転数が不安定になることがある。その原因としては、
(1)系統接続時に、横流電力による外乱が発生する。これは、複数台の発電機を同期運転する場合、両機の出力電圧の周波数、位相、電圧振幅が一致している必要があるが、両機の電圧の位相差を一致させるのは難しく、その電圧の位相差から両機間に電力のやり取り(横流電力)が生じて、外乱となり、双方のエンジン発電機の回転数が不安定となるのである。
(2)エンジンにおけるガバナのゲインが高すぎる。すなわち、エンジン発電機のガバナゲイン調整は、負荷がかかっている状態を前提に行っているため、負荷がかかっていない複数台のエンジン発電機セットのみでの並列運転時ではゲインが高すぎ、安定性に欠く結果となる。
(3)系統接続時の外乱(トルク変動)が大きすぎる。
が挙げられる。
本発明は以上のような課題を改善するために提案されたものであって、発電機側の立上げ時、外部調整手段で発電機接続時の調整を行うのではなく、エンジン側で調整を行うようにして、安定的な複数の発電機の立上げを実現した、エンジン発電機並列運転システムおよびエンジン発電機並列運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明にかかる請求項1では、負荷対象に電力を供給するエンジン駆動型のマスタ発電装置と、該マスタ発電装置と連系可能に設けられ、負荷対象に併入可能な少なくとも一台のエンジン駆動型のスレーブ発電装置と、を具備し、スレーブ発電装置は、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系され、またはマスタ発電装置とスレーブ発電装置とが負荷対象に併入される際に、スレーブ発電装置におけるエンジンのガバナゲインを切り換えるゲイン信号生成器と、を具備することを特徴とする。
マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際、またはマスタ発電装置とスレーブ発電装置とが負荷対象に併入される際に、スレーブ発電装置におけるエンジンのガバナゲインを切り換えることで、エンジン回転数制御の安定性を向上させることができる。
また、請求項2にかかる発明では、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際に、マスタ発電装置とスレーブ発電装置との電圧位相差が規定値以下になるようスレーブ発電装置のエンジンを制御する構成とすることができる。
これにより、マスタ発電装置とスレーブ発電装置との速度差を小さくすることで、同期投入による衝撃力(外乱)の発生を抑制することができる。
また、請求項3にかかる発明では、マスタ発電装置に対し、スレーブ発電装置を、動作指令により作動する遮断器を介して連系させる構成とし、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際に、動作指令発信から作動完了までの遮断器の応答遅れに相当する電圧位相差を算出し、マスタ発電装置とスレーブ発電装置との電圧位相差が算出値に到達した段階で、遮断器に対し動作指令を与えるようにした、ことを特徴とする。
これにより、遮断器の応答速度を考慮し、その時間分を先行させて指令出力させることができる。
したがって、同期投入時に行きすぎによる位相差の発生を抑制し、同期投入による、衝撃力(外乱)の発生を抑制することができる。
さらに、請求項4にかかる発明では、負荷対象に電力を供給するエンジン駆動型のマスタ発電装置と、該マスタ発電装置と連系可能に設けられ、負荷対象に併入可能な少なくとも一台のエンジン駆動型のスレーブ発電装置と、を具備し、スレーブ発電装置は、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系され、またはマスタ発電装置とスレーブ発電装置とが負荷対象に併入される際に、スレーブ発電装置におけるエンジンのガバナゲインを切り換えるゲイン信号生成器と、を具備するエンジン発電機並列運転システムにおいて、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際に、スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを下げるように切り換え、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが負荷対象に併入される際に、スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを上げるように切り換えて負荷対象に電力を供給するようにすることができる。
スレーブ発電装置の接続時に、スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを下げるように切り換えることで、制御応答性を緩和し、外乱の影響を受けにくくすることができる。
また、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが負荷対象に併入される際に、スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを上げるように切り換えることで、回転数の制御応答性が高められ、急激な変動があっても十分に追従性をもたせることができる。
本発明によれば、マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際、またはマスタ発電装置とスレーブ発電装置とが負荷対象に併入される際に、スレーブ発電装置におけるエンジンのガバナゲインを切り換えることで、エンジン回転数制御の安定性を向上させ、外乱の影響を受けにくくすることができる。
また、外乱の発生そのものを抑えることで、エンジン回転数制御の不安定要因を削除し、安定して負荷対象に接続することができる。
本発明の第1実施形態にかかるエンジン発電機並列運転システムの構成ブロック図である。 図1に示すエンジン発電機並列運転システムにおいて実施される、スレーブ発電装置に設けられるゲイン信号生成器のガバナゲイン切換え条件にかかる、ガバナゲインと遮断器との関係の一例を示す表である。 図2に示すゲイン信号生成器において、ゲインを比較的低い値から高い値に、比較的高い値から低い値に切換える際における、ゲインの切換え応答特性の一例を示した、グラフである。 第1実施形態にかかるエンジン発電機並列運転システムにおける、エンジン発電機並列運転方法を実行するための一例を説明するためのフローチャートである。 図1に示すエンジン発電機並列運転システムにおいて、スレーブ発電装置と母線との遮断器と母線と負荷対象との遮断器のオンオフ状態におけるスレーブ発電装置に設けられるゲイン信号生成器のガバナゲインの状態を示した、一例を示す表である。 本発明の第2実施形態にかかる、エンジン発電機並列運転方法の一例を説明するための、マスタ発電装置およびスレーブ発電装置の駆動電圧の位相を示した、模式的なグラフである。 図6に示すマスタ発電装置およびスレーブ発電装置の駆動電圧のそれぞれの位相の状態から、スレーブ発電装置の位相から、マスタ発電装置の位相にスレーブ発電装置の位相を近づける際の説明に供する、位相差と回転目標値との関係を示したグラフである。 第2実施形態にかかるエンジン発電機並列運転方法を実行するための一例を説明するためのフローチャートである。 第3実施形態にかかるエンジン発電機並列運転方法を実行するための一例を説明するためのフローチャートである。 従来のエンジン発電機並列運転システムの一例を示す構成ブロック図である。
以下、本発明にかかるエンジン発電機並列運転システムについて、種々の実施形態を挙げ、添付図に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態にかかるエンジン発電機並列運転システム10を示す。
このエンジン発電機並列運転システム10では、負荷対象Lに電力を供給するエンジン駆動型のマスタ発電装置11と、マスタ発電装置11と共に、負荷対象Lに併入可能なエンジン駆動型のスレーブ発電装置12とを具備する。なお、スレーブ発電装置12は、複数台設けることもできるが、ここでは、説明の簡単化のために、1台のみ示している。
マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12とは、順次、遮断器13m、13sを介して母線Pに接続され、該母線Pには、負荷対象Lが、遮断器13Lを介して接続される。
そして、スレーブ発電装置12は、詳細は後述するがスレーブ発電装置12のエンジンにおける電子ガバナ12egに、ガバナゲインを切り換えるゲイン信号生成器14を備える。
マスタ発電装置11は、エンジン11eの出力軸と発電機11gとが動力的に連結して構成される。エンジン11eには、設定された目標回転数で回転するようにエンジン11eの回転数を調節するスロットル弁(図示省略)に制御指令を与える電子ガバナ11egが設けられる。
発電機11gは、発電機11gの出力電圧を検出して、電圧設定器による規定値との偏差を求め、励磁電流を調整して発電機11gによって生じる発電電圧を制御する自動電圧調整器11v(AVR)を具備する。
スレーブ発電装置12は、マスタ発電装置11同様、エンジン12eの出力軸と発電機12gとが動力的に連結して構成される。発電機12gは、発電機12gの出力電圧を検出して、電圧設定器による規定値との偏差を求め、励磁電流を調整して発電機12gによって生じる発電電圧を制御する自動電圧調整器12v(AVR)を具備する。
そしてスレーブ発電装置12のエンジン12eにおける電子ガバナ12egのゲイン信号生成器14は、設定された目標回転数で回転するようにエンジン12eの回転数を調節するスロットル弁(図示省略)に制御指令としてのガバナゲインを決定するものである。そのために、ゲイン信号生成器14は、エンジン12eに対して、スレーブ発電装置12における遮断器13s、及び負荷対象Lと母線P間の遮断器13Lからのオンオフ信号、並びにスレーブ発電装置12のエンジン12eの実際の回転数に係る信号をフィードバックしている。
ここでゲイン信号生成器14により生成されるガバナゲインは、その値が比較的大きいと制御応答性が高く、値が比較的小さいと制御応答性が低下することは周知のとおりである。
一般に、エンジン発電機のガバナゲインは、負荷が十分にかかった状態で設定されているため、制御システムにおいて負荷が比較的軽い場合や負荷がかかっていないときにゲインが大きくすぎると、いわゆるハンチングを起こし、発振してしまう虞があるため、ゲインの大きさを制御システムの動作状態に応じて切り換える必要がある。
そこでこのエンジン発電機並列運転システム10では、ガバナゲインの切り換えは、例えば図2に示す、ゲイン信号生成器14のガバナゲインの切換条件を基に実行されている。
すなわち、図2においては、スレーブ発電装置12における遮断器13sと、母線Pから負荷対象Lに至る遮断器13Lの開閉状態(open/close)時のゲイン信号生成器14によるガバナゲインの値を高低で示し、その結果のスレーブ発電装置12のエンジン12eの速度変動幅を大小で示している。
その際、エンジン発電機並列運転システム10の状態は、
(1)遮断器13s(open)、13L(open)→マスタ発電装置およびスレーブ発電装置立上げ前、マスタ発電装置立上げ後にスレーブ発電装置立上げ
(2)遮断器13s(close)、13L(open)→マスタ発電装置とスレーブ発電装置とを接続
(3)遮断器13s(close)、13L(close)→マスタ発電装置とスレーブ発電装置とを立上げ後に負荷対象Lと接続
ゲイン信号生成器14のガバナゲインを下げるように(高→低)、上げるように(低→高)切換える場合、例えば図3のような時間的な変化率で切り換わるようになっている。なお、ゲインの値はそのエンジン発電機に応じた値であり、その際の値を高低で示している。
本発明の第1の実施形態は、以上のように構成されるものであり、次にエンジン発電機並列運転システム10の動作について図4に示すフローチャートを基に説明する。すなわち、マスタ発電装置11、スレーブ発電装置12の立上げから、双方の接続、次いで負荷対象Lへ接続して電力供給までの一連の動作を説明する。なお、ここでは、マスタ発電装置11に対し、スレーブ発電装置12を一台組み合わせて構成された系統について説明する。複数のスレーブ発電装置12を併入する際も同手順で立上げ、負荷対象Lに電力を供給するようになっている。
エンジン発電機並列運転システム10を立ち上げる前は、スレーブ発電装置12におけるゲイン信号生成器14のガバナゲインを上げて(高く)(図3で示す高レベルに)しておく。勿論、マスタ発電装置11から母線Pにつながる遮断器13mはopen状態にある。
マスタ発電装置11のエンジン11eが起動されると(ステップS1)、該エンジン11eの回転数は上昇していき(ステップS2)、エンジン回転数が定格値に到達したか否かが判定される(ステップS3)。エンジン回転数が定格値に到達すると、エンジン11eの回転数が一定の回転数となる(整定する)ように制御する(ステップS4)。ここでは、エンジン11eの目標回転数と実際の回転数との偏差が一定値内に収束するように、電子ガバナ11egによりスロットル弁に制御指令を送出してエンジン11eの回転数を調節する。
次いで、発電電圧が規定値に達したか否かが判定される(ステップS5)。
エンジン11eの回転により、発電機11gは電力を発生し、発電機11gは、自動電圧調整器11vにより、発電機11gの出力電圧が検出され、電圧設定器による規定値との偏差を求め、励磁電流を調整して発電機11gにおける発電電圧を制御することができる。
発電電圧が規定値に達すると、遮断器13mが投入され(ステップS6)、これによりマスタ発電装置11と母線Pとが電気的に接続される。
次に、スレーブ発電装置12のエンジン12eが起動されると(ステップS7)、該エンジン12eの回転数は上昇していき(ステップS8)、エンジン回転数が定格値に到達したか否かが判定される(ステップS9)。そして、エンジン回転数が定格値に到達すると、エンジン12eの回転数が一定の回転数となる(整定する)ように制御する(ステップS10)。エンジン11eの目標回転数と実際の回転数との偏差が一定値内に収束するように、電子ガバナ12egによりスロットル弁に制御指令を送出してエンジン12eの回転数を調節する。
以上のようにしてスレーブ発電装置12のエンジン12eが一定の回転数となる整定状態となることで、エンジン発電機並列運転システム10の立上げは完了する。この際、スレーブ発電装置12と母線Pとをつなぐ遮断器13s、並びに母線Pと負荷対象Lとをつなぐ遮断器13Lはopen状態にある。
ここで、エンジン12eの電子ガバナ12egガバナゲインを、ゲイン信号生成器14により下げるように(高から低に)切り換える(ステップS11、図5参照)。このようにすることで、エンジン12eにおける回転数の制御応答性が緩和される。
そのため、マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12とが母線Pを介して接続されても、双方の発電電圧の違いから生ずる外乱によるエンジン回転数のハンチングを抑えることができる。
次にエンジン12eの回転により、発電機12gは、電力を発生する。発電機12gにおいては、自動電圧調整器12vにより、発電機12gの出力電圧が検出され、電圧設定器による規定値との偏差を求め、励磁電流を調整して発電機12gにおける発電電圧を制御することができる。
そして、発電電圧が規定値に達したか否かが判定される(ステップS12)。発電電圧が規定値に達すると、この発電電圧が母線Pとの電圧位相差が規定値以内か否か判定がなされる(ステップS13)。発電電圧が母線Pとの電圧位相差が規定値以内であれば、遮断器13sが投入され(ステップS14)、これによりスレーブ発電装置12と母線Pとが電気的に接続される。ここで、スレーブ発電装置12のエンジン12eにおける電子ガバナ12egのガバナゲインは、ゲイン信号生成器14により低に切り換えられているので、マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12による発電電圧が干渉しあって、横流が発生しても、マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12とにおけるエンジン間の回転数のアンバランスを発生するのを抑制することができる(図5参照)。
そして、母線Pと負荷対象Lとをつなぐ遮断器13Lが投入され(ステップS15)、全てのスレーブ発電装置12のエンジン12eにおける電子ガバナ12egのガバナゲインは、ゲイン信号生成器14により上げるように(低から高へ)切り換えられる(ステップS16、図5参照)。これによりエンジン12eにおける回転数の制御応答性が高められ、負荷対象Lに接続することで、急激な変動があっても十分に追従性をもたせることができ、負荷対象Lに電力供給して安定した運転に寄与することができる(ステップS17)。
以上のように、本発明の第1の実施形態では、発電機側の立上げ時、外部調整手段で発電機接続時の調整を行うのではなく、エンジン側(エンジンのガバナ)でゲイン信号生成器14を用いて調整を行うようにして、安定的な複数の発電機の立上げが可能となる。したがって、従来のような外部調整手段は不要であり、構成も簡単で製造コスト上も有利である。
(第2実施形態)
本発明にかかるエンジン発電機並列運転システムは、第2実施形態のように実施することもできる。
一般に、スレーブ発電装置12の同期投入時は、マスタ発電装置11に比較してスレーブ発電装置12の速度が速い(図6参照)。すなわち、マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12とが速度差を有することで位相差を調整している。
しかしながら、その速度差は位相角度差によらず一定のため、スレーブ発電装置12を母線Pにつなぐ遮断器13sを投入するときに衝撃力が発生する。
かかる衝撃力の発生を抑制するために、スレーブ発電装置12を投入するのは、位相差が0のときを目指して、スレーブ発電装置12のエンジン12eの回転数を制御すればよい。
そこで第2実施形態では、図4に示す、スレーブ発電装置12における発電電圧が母線Pとの電圧位相差が規定値以内か否かの判定ステップ13において、この時点で母線Pには、マスタ発電装置11による電力が供給されているので、この電力の電圧位相に合わせて(位相差0となるように)スレーブ発電装置12を投入するのである。
すなわちスレーブ発電装置12を投入するタイミングとして、本実施形態では、エンジン回転数制御の目標値を、位相角度差の関数として変化させ、エンジンの回転数を制御するようにしている。
すなわち、図8に示すように、マスタ発電装置11の発電機11gの発電電力を取り込み(ステップS18)、スレーブ発電装置12の発電機12gの発電電力を取り込む(ステップS19)。次いで、位相差=マスタ発電装置電圧位相−スレーブ発電装置電圧位相を算出し(ステップS20)、位相差をエンジン11eの目標回転数と実際の回転数との偏差とする(ステップS21)。
この偏差が0に収束するように、電子ガバナ12egによりスロットル弁に制御指令を送出してエンジン12eの回転数を調節する(ステップS22)。
そして位相差が規定値以内であるか判定し(ステップS23)、位相差が規定値以内であれば遮断器13sを投入する(ステップS24)。
以上のような本実施形態を、図7に概念的に示して説明する。
すなわち、同期投入前のスレーブ発電装置12の速度目標値、回転数目標値(増速分)を定め、位相差を0に近づけるときは、概ね5度の位相差から緩慢に近づけていく(エンジン12eの回転数を調節)。同期投入ができなかった場合は、次の段階での同期までの時間を短縮するために、速度差を大きく(エンジン12eの回転数を調節)するようにする。
これにより、スレーブ発電装置12のエンジン12eの回転数を制御し、マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12との速度差を小さくすることで、位相差を極力小さくした状態でスレーブ発電装置12を投入することができる。
これにより、同期投入による衝撃力(外乱)の発生を抑制することができ、エンジン回転数の変動、すなわち電圧変動の抑制が可能となる。
(第3実施形態)
本発明にかかるエンジン発電機並列運転システムは、第3実施形態のように実施することもできる。
すなわち、第3実施形態では、電圧変動現象が、非常に速い現象のため、遮断器の動作指令から実際の遮断機動作完了までの応答時間が生じてしまう。すなわち、電圧位相差が0(一致)した条件で、遮断器の動作指令を与えたとしても、遮断器自体の応答遅れにより、遮断器が実際に閉じたときは、電圧位相差が発生するためである。電圧位相差が発生すると、エンジンに外乱(衝撃力)が加わり、エンジン回転数制御が不安定なものとなる。
そこで、遮断器の応答速度を勘案し、その時間分を先行させて指令を与えればよい。
すなわち、本実施形態では、マスタ発電装置11とスレーブ発電装置12を同期投入する際において、図9に示すように、遮断器作動時間に相当する位相差を算出し(ステップS25)、電圧位相差がその値に到達した段階(ステップS26)で、遮断器動作指令(ステップS27)を与えるように設定する。
例えば、遮断器応答速度:ΔT(s),マスタ発電装置とスレーブ発電装置の速度差:ΔV(rpm)とすると、指令出力から実際の遮断器投入までの位相Δiは、
Δi=ΔV/60×ΔT×360°
となる。
ΔT=0.1s,ΔV=1(rpm)とすると、
Δi=ΔV/60×0.1×360°=0.6°
すなわち、遮断器投入の指令は、位相差が0になった時点で出力するのではなく、位相差が0.6°になったときに投入すればよい。
以上、本実施形態によれば、遮断器の応答速度を考慮し、その時間分を先行させて指令出力させることができる。
したがって、同期投入時に行きすぎによる位相差の発生を抑制し、同期投入による、衝撃力(外乱)の発生を抑制することができる。これにより、一層、エンジン回転数、すなわち電圧変動の抑制が可能となる。
本発明によれば、スレーブ発電装置の接続時に、スレーブ発電装置のゲインを下げ、外乱の影響を受けにくくする、あるいは、外乱の発生そのものを抑えることで、エンジン回転数制御の不安定要因を削除することができる。また、負荷対象(電力系統)にマスタ発電装置とスレーブ発電装置とを併入する際には、スレーブ発電装置のゲインを上げることで、回転数の制御応答性が高められ、急激な変動があっても十分に追従性をもたせることができる。
このため、様々な規模のエンジン発電機システムに適用可能であることは勿論である。
10 エンジン発電機並列運転システム
11 マスタ発電装置
11e エンジン
11eg 電子ガバナ
11g 発電機
11v 自動電圧調整器
12 スレーブ発電装置
12e エンジン
12eg 電子ガバナ
12g 発電機
12v 自動電圧調整器
13m、13s、13L 遮断器
14 ゲイン信号生成器
P 母線
L 負荷対象

Claims (4)

  1. 負荷対象に電力を供給するエンジン駆動型のマスタ発電装置と、
    該マスタ発電装置と連系可能に設けられ、前記負荷対象に併入可能な少なくとも一台のエンジン駆動型のスレーブ発電装置と、を具備し、
    前記スレーブ発電装置は、前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際、または前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが前記負荷対象に併入される際に、前記スレーブ発電装置におけるエンジンのガバナゲインを切り換えるゲイン信号生成器を有し、
    前記ゲイン信号生成器は、
    前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際に、前記スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを下げるように切り換えるとともに、
    前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが前記負荷対象に併入される際に、前記スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを上げるように切り換えるように構成されていることを特徴とするエンジン発電機並列運転システム。
  2. 前記マスタ発電装置と前記スレーブ発電装置とが連系される際に、前記マスタ発電装置と前記スレーブ発電装置との電圧位相差が規定値以下になるよう前記スレーブ発電装置のエンジンを制御する構成とした、ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン発電機並列運転システム。
  3. 前記マスタ発電装置に対し、前記スレーブ発電装置を、動作指令により作動する遮断器を介して連系させる構成とし、
    前記マスタ発電装置と前記スレーブ発電装置とが連系される際に、動作指令発信から作動完了までの前記遮断器の応答遅れに相当する電圧位相差を算出し、前記マスタ発電装置と前記スレーブ発電装置との電圧位相差が前記算出値に到達した段階で、前記遮断器に対し動作指令を与えるようにした、ことを特徴とする請求項2に記載のエンジン発電機並列運転システム。
  4. 負荷対象に電力を供給するエンジン駆動型のマスタ発電装置と、該マスタ発電装置と連系可能に設けられ、前記負荷対象に併入可能な少なくとも一台のエンジン駆動型のスレーブ発電装置と、を具備し、前記スレーブ発電装置は、前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系され、または前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが前記負荷対象に併入される際に、前記スレーブ発電装置におけるエンジンのガバナゲインを切り換えるゲイン信号生成器と、を具備するエンジン発電機並列運転システムにおいて、
    前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが連系される際に、前記スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを下げるように切り換え、
    前記マスタ発電装置とスレーブ発電装置とが前記負荷対象に併入される際に、
    前記スレーブ発電装置におけるゲイン信号生成器のガバナゲインを上げるように切り換えて前記負荷対象に電力を供給するようにした、ことを特徴とするエンジン発電機並列運転方法。
JP2012226598A 2012-10-12 2012-10-12 エンジン発電機並列運転システムおよびエンジン発電機並列運転方法 Expired - Fee Related JP5773964B2 (ja)

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