JP2617310B2 - 水車発電機の始動制御方式 - Google Patents

水車発電機の始動制御方式

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JP2617310B2 JP62122015A JP12201587A JP2617310B2 JP 2617310 B2 JP2617310 B2 JP 2617310B2 JP 62122015 A JP62122015 A JP 62122015A JP 12201587 A JP12201587 A JP 12201587A JP 2617310 B2 JP2617310 B2 JP 2617310B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水車発電機の始動制御方式に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
第3図は揚水発電所の系統要部を示す単線結線図であ
る。誘導発電電動機(以下発電機という)G/Mの回転子
(2次巻線)2には可変速ポンプ水車(以下水車とい
う)8及び回転速度検出器11が連結されている。発電機
G/Mの電機子(1次巻線)1は並列用遮断器5、相切換
断路器6及び主要変圧器7を介して図示しない電力系統
と接続されている。
電機子1と並列用遮断器5とを接続する回路途中には
変成器10の1次側が接続されている。主要変圧器7の1
次側は電源変圧器4の1次側と接続されており、その2
次側はサイクロコンバータ3の入力側と接続されてい
る。サイクロコンバータ3の出力側は前記回転子2と接
続されている。電機子1と並列用遮断器5とを接続する
回路には電圧変成器10の1次側が接続されており、その
出力はサイクロコンバータ制御部12に入力されている。
前記回転速度検出器11の出力はサイクロコンバータ制御
部12及びガバナ14に入力されている。ガバナ14の出力は
ガイドベーンサーボモータ13に入力されており、このガ
イドベーンサーボモータ13の出力は、水車8への水量を
調整するガイドベーン9に与えられている。
第4図は従来の発電機の始動制御方式による水車の制
御装置のブロック図である。始動制御部20は、並列用遮
断器5が投入されると閉路する常開接点15a1,15a2及び
遮断されると開路する常閉接点16bと、発電出力設定器1
7と、回転速度設定器18と、発電電圧設定器19とで構成
されている。そして発電電圧設定器19と変成器10との差
の出力をサイクロコンバータ制御部12に入力しており、
また回路速度設定器18と回転速度検出器11との差の出力
を常開接点15a1を介してサイクロコンバータ制御部12に
入力し、サイクロコンバータ制御部12の出力をサイクロ
コンバータ3に入力している。そしてサイクロコンバー
タ3により発電機G/Mの発電電圧を制御している。この
発電機G/Mの発電電圧は変成器10に入力されている。回
転速度設定器18と回転速度検出器11との差の出力は常閉
接点16bを介してガバナ14に入力しており、またガバナ1
4には発電出力設定器17の出力が常介接点15a2を介して
入力されている。ガバナ14の出力はガイドベーンサーボ
モータ13に入力されていて、ガイドベーンサーボモータ
13によりガイドベーン9を開度制御して水車8の回転速
度を制御するようになっている。この水車8の回転速度
は回転速度検出器11により検出している。
発電機G/Mを始動すべくガバナ14によりガイドベーン
サーボモータ13を制御してガイドベーン9を開くと、水
車8に水が供給され水車が回転を始めて回転速度が上昇
していく。この回転速度は回転速度設定器18により予め
設定された所定値となすべくガバナ14により制御され
る。
回転速度が定格速度に近づいたときにサイクロコンバ
ータ3により、発電機G/Mに励磁電流が供給されて発電
機G/Mは電圧を誘起する。
発電機G/Mの発電電圧は発電電圧設定器19により定格
電圧になすべきサイクロコンバータ制御部12を制御して
サイクロコンバータ3により制御される。また発電電圧
の周波数を定格周波数になすべくサイクロコンバータの
出力周波数がサイクロコンバータ制御部12により制御さ
れる。これは回転子2のすべり速度を回転速度検出器11
により検出して、そのすべり周波数をサイクロコンバー
タ制御部12に与えて発電機G/Mの発電電圧の周波数を定
格周波数に保つ。このようにして発電機G/Mの周波数及
び位相が電力系統と同期したときに並列用遮断器5を投
入して発電機G/Mを電力系統に並入する。そしてこの同
期を確認するための同期検出器は従来の一般の水力発電
所で用いている同様のものを用いている。
次に発電機を電力系統に同期並入した後に、ガイドベ
ーン9の開度を大きくして水車8の出力を所要値まで高
める。このような調整は第4図における発電出力設定器
17を操作することにより行っている。また水車8は可変
速であることから発電機の出力に応じた最適の回転数に
設定すべく回転速度設定器18を操作して修正している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述した水車の運転特性は第5図に示すように流量を
縦軸に、また回転速度を横軸にとるとガイドベーンの開
度一定(100,80,60,40%につき図示)では略並行な右下
りの略直線となる。
一方、効率をパラメータとする流量と回転速度との関
係は互いに同心状であって左下りの楕円状をなし、内側
が高効率のもの、外側が低効率のものとなっている。同
図にな80,75,70,65%の4種類のものを示している。
ところで、従来の始動制御方式によれば発電機の始動
開始時点から電力系統への同期並入までは、始動点O点
から同期速度N1の点Aまでは破線で示す如く、流量及び
回転速度をともに増加し40%弱の開度とした後は回転速
度のみを増すようにしている。そしてA点で同期並入
し、ここから目標出力点Pまでは破線で示す如く、回転
速度を一定として流量を増大させる制御をしている。と
ころがO点からA点に達するまでの期間は第5図から明
らかな如く水車の効率が低効率の領域での運転であり、
水車にキャビテーションが生じ、また回転軸の振動が大
きく、このために水車の機械的寿命が短縮する虞れがあ
るという問題がある。
本発明は前述した問題点を解消すべく、水車をその最
高効率に保持しつつ、その回転速度及びガイドベーンの
開度を制御して、発電機の出力を所要値に上昇させて、
水車の機械的寿命を短縮することがない発電機の始動制
御方式を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の水車発電機の始動制御方式は、発電機をその
同期速度以下の速度で電力系統に並入し、並入時の速度
において水車の最高効率となすガイドベーンの開度と
し、以降は水車の最高効率を保持しつつガイドベーンの
開度及び速度を制御して発電機の出力を上昇させる。
〔作用〕
ガイドベーンを開くと水車が回転を始めて水車発電機
が回り始める。発電機の同期速度以下の速度で発電機が
電力系統に並入される。ガイドベーンの開度が徐々に大
きくなり、並入時の速度における水車の最高効率を得る
開度になる。
以降は水車の最高効率を保持しつつガイドベーンの開
度及び速度が制御され、発電機の出力が上昇する。
これにより水車の回転軸に過大な振動及び騒音が生じ
ず、水車は長寿命となる。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面によって詳述す
る。第1図は本発明に係る発電機の始動制御方式を適用
するための水車の制御装置のブロック図である。
始動制御部20は、並列用遮断器5が投入されると閉路
する常開接点15a1,15a2及び遮断されると開路する常閉
接点16bと、発電出力設定器17と、回転速度設定器18
と、発電電圧設定器19とで構成されている。そして発電
電圧設定器19と変成器10との差の出力をサイクロコンバ
ータ制御部12に入力しており、また回路速度設定器18と
回転速度検出器11との差の出力を常開接点15a1を介して
サイクロコンバータ制御部12に入力している。サイクロ
コンバータ制御部12の出力はサイクロコンバータ3に入
力している。そしてサイクロコンバータ3により発電機
G/Mの発電電圧を制御している。この発電機G/Mの発電電
圧は変成器10に入力されている。ガイドベーンサーボモ
ータ13及び回転速度検出器11の出力が入力されるシーケ
ンスコントローラ21の出力は回転速度設定器18及び発電
出力設定器17に入力されている。回転速度検出器11と回
転速度設定器18との差の出力は常閉接点16bを介してガ
バナ14に入力しており、ガバナ14には発電出力設定器17
の出力が常開接点15a2を介して入力されている。
ガバナ14の出力はガイドベーンサーボモータ13に入力
され、ガイドベーンサーボモータ13によりガイドベーン
9を開度制御して水車8の回転速度を制御している。水
車8の回転速度を回転速度検出器11により検出してい
る。
前記シーケンスコントローラ21は、水車発電機の始動
時には第5図に示すように、水車8への水の流量が一定
である場合に水車8の始動点(O)→同期速度以下の回
転速度N2であるB点→回転速度N2における最高効率のC
点→効率を表している楕円の長軸上の動作点を辿り、目
標出力点Pに至るようにプログラム制御をする構成とな
っている。ところで、発電出力設定器17の出力はガバナ
14に与えられてガイドベーン9の開度を制御するもので
あり、この開度は第5図から明らかなように流量と略比
例する。したがって、発電出力設定器17及び回転速度設
定器18を相互に最適な状態として関連した制御をするこ
とにより第5図に点B→C→Pを通る実線で示す始動特
性を得ることが可能である。シーケンスコントローラ21
の制御プログラムとしては水車8の回転速度の上昇に応
じて水の流量、つまりガイドベーンの開度の補正値が最
適値にあるか否かを確認しつつ徐々に回転速度を上昇さ
せて発電機をその目標出力点Pになすものを用い得る。
第2図はシーケンスコントローラ21のこの制御内容を
示すフローチャートである。
先ず、回転速度設定器18にて回転速度設定値NSに増速
すべき速度補正値ΔNSを加算設定する。増速された水車
8の実回転数nはΔNSの増加によりΔnだけ増し、これ
が回転速度検出器11で検出される。その実回転数nはシ
ーケンスコントローラ21に入力され予め設定してある関
数F(n)により水車8の水の最適流量Qが算出され
る。一方、ガイドベーン9の開度量はガイドベーンサー
ボモータ13の駆動量から検出されるが、その信号gvと水
車8の実回転数nとの関数F(gv,n)により実流量qを
算出する。そして最適流量Qと実流量qとの差と、許容
値εとを大小比較し、許容値ε以下であると再び同様に
して増速させる。最適流量Qと実流量qとの差が許容値
εを超えた場合は、ガイドベーン開度設定値PSに流量を
増加すべき流量補正値ΔPSを加算する。これによりガイ
ドベーンサーボモータの信号はΔgv増加することとな
る。これによって流量が増えた状態で実流量qを算出す
るステップに戻る。このようにして、水車の回転速度の
制御とガイドベーンの開度の制御とを併用しつつ水車の
最高効率を保持できるように水車発電機の出力を高めて
いく。
本実施例においてはシーケンスコントローラ21のプロ
グラム制御により、水車の回転速度と水車に供給する水
の流量との関係を水車の最高効率を保持して発電機の出
力を上昇させたが、これ以外に例えば予め水車を試運転
して、回転速度設定値NSと流量設定値PSの最適操作パタ
ーンを求めておき、夫々の設定値を独立させたパターン
に沿って制御する方法も可能であり、この場合はプログ
ラムの簡略化が可能である。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明によれば、水車発電機を同
期速度以下の速度で電力系統に並入し、その後は水車を
その最高効率を保持しつつガイドベーンの開度及び回転
速度を制御して水車発電機の出力を高めるから、水車の
回転軸の過大な振動及び騒音が生じない。
したがって、本発明は水車の長寿命化を図り得る優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る水車発電機の始動制御方式を適用
するための水車の制御装置のブロック図、第2図はシー
ケンスコントローラの制御内容を示すフローチャート、
第3図は揚水発電所の系統要部を示す単線結線図、第4
図は水車発電機の従来の始動制御方式による水車の制御
装置のブロック図、第5図は水車の特性曲線図である。 8……可変速ポンプ水車、9……ガイドベーン 11……回転速度検出器、17……発電出力設定器 18……回転速度設定器、19……発電電圧設定器 21……シーケンスコントローラ、G/M……誘導発電電動
機 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変速水車で駆動される水車発電機を適宜
    速度で電力系統に並入し、次いでその出力を上昇させる
    水車発電機の始動制御方式において、 前記水車発電機をその同期速度以下の速度で電力系統に
    並入し、前記可変速水車へ供給する水の流量を調整する
    ガイドベーンの開度を徐々に大きくして並入時の速度に
    おいて可変速水車の最高効率となす開度にし、以降は最
    高効率を保持しつつガイドベーンの開度及び速度を制御
    して水車発電機の出力を上昇させることを特徴とする水
    車発電機の始動制御方式。
  2. 【請求項2】水車発電機の電力系統への並入時点が可変
    速水車の可変速域の最低速度である特許請求の範囲第1
    項記載の水車発電機の始動制御方式。
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JP2575629B2 (ja) * 1985-10-02 1997-01-29 関西電力株式会社 可変速発電電動装置及び制御方法

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