JP2006229746A - ピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機 - Google Patents

ピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機 Download PDF

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Abstract

【課題】 重み係数の組み合わせからなるオーバーヘッドの送信が不要であって、伝送効率の低下を防止でき、しかも重み係数の乗算回数を低減することができ、演算回路の小型化や消費電力の低減が可能なピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機を提供する。
【解決手段】 全サブキャリア変調信号を所定数ずつ逐次的に加算していくことにより合成する際に、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算するとともに、当該加算結果の中からピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択し、前記選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせを次の被加算サブキャリア変調信号とする処理を、全サブキャリア変調信号について行うことによって課題を解決した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、第4世代移動体通信システムの一候補として開発されているMC−CDMA方式やMC−CDM方式におけるピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機に関し、特にサブキャリア毎の位相を逐次的に最適化することによりピーク電力を低減するピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機に関するものである。
S.Muller and J.Huber,OFDM with reduced peak−to−average power ratio by optimum combination of partial transmit sequence,Electronics Letters,vol.33,no.5,pp.368−369,1997
現在、第4世代移動体通信システムの侯補としては、MC−CDMA(multi-carrier code division multiple access )方式が既に提案されている。本発明者等は、時間領域で拡散するCDMA方式を採用することにより同一チャネル干渉を低減し、且つOFDM(Orthogoal Frequency Division Multiplex )方式を採用することによりマルチパス干渉を低減することを可能としたサブキャリア可変割当てSCS−MC−CDMA(sub-carrier selecting multi-carrier code division multiple access )方式を既に提案している。この提案に係るSCS−MC−CDMA方式では、端末の信号処理量を低減するために、伝送速度が遅いユーザーに対しては、少数のサブキャリアを割当てるサブキャリア選択法を採用している。また、このSCS−MC−CDMA方式で用いる多元接続方式を、CDM/TDMAに変更したSCS−MC−CDM−TDMA方式も第4世代移動体通信システムの侯補のひとつと考えられる。
上記SCS−MC−CDMA方式やSCS−MC−CDM方式では、OFDM方式を採用するとともに、ガードインターバル(Guard Interval)を付加することにより、マルチパス干渉を低減することができる。
しかし、上記SCS−MC−CDMA方式やSCS−MC−CDM方式における変調信号のピーク電力は、複数のサブキャリアの変調信号が合成されるため、シングルキャリアの変調信号に比べて高い値となる。OFDM信号のピーク電力が高くなる理由は、ランダムな周波数軸上の情報データを逆高速フーリエ変換(IFFT)処理することにより時間軸信号が生成されることに起因している。上記OFDM信号の時間軸信号は、振幅の確率密度分布が正規分布に従うランダム雑音とみなすことができる。そのため、平均電力が等しいOFDM信号の時間軸信号は、サブキャリアで利用する変調方式にかかわらず、振幅確率の密度分布特性は、正規分布特性となる。これらの理由から、OFDM信号は従来のシングルキャリア変調信号と比べて大きなピーク電力を有することになる。その結果、ピーク電力が高い変調信号を送信のために電力増幅する場合には、電力増幅器に高いピーク電力に応じた大きなバックオフが要求され、電力増幅器の電力効率が低下するという問題点を有していた。
更に説明すると、上記電力増幅器によって変調信号を電力増幅する場合には、変調信号のピーク電力が高いと、当該電力増幅器は、高いピーク電力を増幅可能とするため、送信信号電力の平均値と電力増幅器の最大送信電力との差であるバックオフ(back−off )として、大きなバックオフを満たすように設計する必要がある。したがって、上記電力増幅器では、平均的な変調信号の電力値がそれ程高くない場合であっても、高いピーク電力に対応可能とするために、電力増幅器として最大送信電力の大きなものを使用する必要があり、電力効率が低下し、消費電力が増加するとともに、コストアップを招くという問題点を有していた。
そこで、かかる問題点を解決し得る技術としては、OFDM方式における変調信号のピーク電力を低減する方法として、PTS(Partia1 transmit sequence)法が既に提案されている(非特許文献1)。このPTS法では、サブキャリア乃至サブキャリアブロックに種々の重み係数を乗算して、変調信号のピーク電力を求める処理を、サブキャリア乃至サブキャリアブロックと重み係数のすべての組み合わせに対して実行し、位相を最適化することによりピーク電力を低減するように構成したものである。
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記従来のPTS法の場合には、PTS法でピーク電力が低減された送信信号から元の変調信号を再生するために、各サブキャリア乃至サブキャリアブロックに対する重み係数の組み合わせからなるオーバーヘッドを、受信機に送信する必要があり、送信データが増大して、伝送効率が低下するという問題点を有している。
また、上記従来のPTS法の場合には、位相の組み合わせを最適化するために、位相を変化させるステップサイズを小さく設定したり、ブロック数を多く設定することにより、ピーク電力の低減効果を改善することができるが、ステップサイズを小さく設定したり、ブロック数を多く設定すると、重み係数の乗算回数が指数関数的に著しく増加するという問題点を有している。そのため、上記PTS法を実際に適用しようとすると、重み係数の乗算を行う演算回路として非常に大型のものが必要となり、特に装置の小型化や消費電力の低減が強く求められる移動局への適用を考えると、大きな問題点を有している。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、重み係数の組み合わせからなるオーバーヘッドの送信が不要であって、伝送効率の低下を防止でき、しかも重み係数の乗算回数を低減することができ、演算回路の小型化や消費電力の低減が可能なピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機を提供することにある。
すなわち、請求項1に記載された発明は、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、前記全サブキャリア変調信号を所定数ずつ逐次的に加算していくことにより合成する際に、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算するとともに、当該加算結果の中からピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択し、前記選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせを次の被加算サブキャリア変調信号とする処理を、全サブキャリア変調信号について行うことを特徴とするピーク電力の低減方法である。
なお、上記全サブキャリア変調信号は、所定数ずつ逐次的に加算する際に、例えば、サブキャリア変調信号の番号が小さいものから順番に、所定数ずつ逐次的に加算されるが、これに限定される訳ではなく、加算していく順序は、特に限定されるものではなく、偶数のサブキャリア変調信号や、奇数のサブキャリア変調信号ごと、あるいは1つ置きや2つ置きなど、全サブキャリア変調信号が加算されれば、その順番は、任意であって良い。
また、請求項2に記載された発明は、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、ピーク電力制御の開始点をI番目のサブキャリア変調信号とし、I+1番目のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して前記I番目のサブキャリア変調信号と加算し、当該加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+1番目のサブキャリア変調信号をI番目のサブキャリア変調信号に加算し、更に、I+2番目のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して前段(I+1番目)で得られた信号と加算し、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+2番目のサブキャリア変調信号を前段(I+1番目)で得られた信号に加算し、以後全サブキャリア変調信号について同様の処理を行うことを特徴とするピーク電力の低減方法である。
さらに、請求項3に記載された発明は、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、ピーク電力制御の開始点をI番目のサブキャリアブロック変調信号とし、I+1番目のサブキャリアブロック変調信号に複数の重み係数を乗算して前記I番目のサブキャリアブロック変調信号と加算し、当該加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+1番目のサブキャリアブロック変調信号をI番目のサブキャリアブロック変調信号に加算し、更に、I+2番目のサブキャリアブロック変調信号に複数の重み係数を乗算して前段(I+1番目)で得られた信号と加算し、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+2番目のサブキャリアブロック変調信号を前段(I+1番目)で得られた信号に加算し、以後全サブキャリアブロック変調信号について同様の処理を行うことを特徴とするピーク電力の低減方法である。
又、請求項4に記載された発明は、請求項2又は3に記載のピーク電力の低減方法において、
前記ピーク電力制御の開始点を複数設定し、前記処理を複数のピーク電力制御の開始点に対応した回数だけ行い、得られた複数の結果からピーク電力が最小となる結果を選択することを特徴とするピーク電力の低減方法である。
さらに、請求項5に記載された発明は、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減装置において、
所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、
前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続したことを特徴とするピーク電力の低減装置である。
又、請求項6に記載された発明は、請求項5に記載のピーク電力の低減装置において、
前記サブキャリア加算選択部を全サブキャリア変調信号又は全サブキャリアブロック変調信号の数よりも1つ少ない数だけ備えたピーク電力低減部を複数設けるとともに、
前記複数のピーク電力低減部では、最初の被加算サブキャリア変調信号又は被加算サブキャリアブロック変調信号である加算開始点が異なるように設定し、
且つ、前記複数のピーク電力低減部の出力結果から、ピーク電力が最小となるピーク電力低減部の出力結果を選択する出力選択手段を設けたことを特徴とするピーク電力の低減装置である。
更に、請求項7に記載された発明は、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信機から送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減して送信するとともに、前記複数のサブキャリア変調信号を受信機によって受信して復調することにより通信を行う移動体通信システムにおいて、
前記受信機は、所定の周期で伝搬路の伝搬特性を補償する伝搬路補償部を有し、
前記送信機は、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続したピーク電力の低減装置を有し、
前記ピーク電力の低減装置における前記重み係数は、前記受信機における伝搬特性補償の周期と等しい周期で更新されることを特徴とする移動体通信システムである。
また、請求項8に記載された発明は、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減して送信する送信機において、
所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続したピーク電力の低減装置を有することを特徴とする送信機である。
さらに、請求項9に記載された発明は、所定の周期で伝搬路の伝搬特性を補償する伝搬路補償部を有する受信機に、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、所定数のサブキャリア変調信号毎に重み係数を乗算して合成することにより、ピーク電力を低減する送信機において、前記重み係数の更新周期が前記伝搬路補償周期と等しいことを特徴とする送信機である。
本発明によれば、重み係数の組み合わせからなるオーバーヘッドの送信が不要であって、伝送効率の低下を防止でき、しかも重み係数の乗算回数を低減することができ、演算回路の小型化や消費電力の低減が可能なピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機を提供することができる。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2及び図3は本発明の実施の形態1に係るピーク電力の低減方法並びに装置を適用したMC−CDM方式の移動体通信システムにおける送信機及び受信機の概略的な構成を示すものである。更に説明すると、図2は時間領域で拡散するMC−CDM方式の移動体通信システムにおける送信機の構成を示すブロック図である。ここで、送信機は個々のユーザが使用する移動局として配備される送信機を、受信機は基地局としての受信機を、それぞれ想定しており、本発明は、主にアップリンク(移動局から基地局へ)の通信において適用されるものである。但し、これに限定されるものではなく、ダウンリンク、即ち基地局から移動局への通信において適用しても良いことは勿論である。
図2において、符号100は送信機を示すものであり、この送信機100は、主として、S/P(Serial/Parallel)変換器101と、複数の拡散器1020 〜102M-1 と、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform )器103と、ガードインターバル付加器104とを備えている。
上記S/P変換器101には、図示しない1次変調器によって1次変調された送信データシンボル列105が入力される。1次変調器では、音声信号や文字、あるいは画像信号などのディジタル情報からなる送信データが、1bit毎又は数bit毎に1次変調され、シリアル信号としての送信データシンボル列105が生成される。上記1次変調器では、例えば、送信データに対して、位相変調の一種であるBPSK(Binary Phase Shift Keying )変調、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調や、振幅変調の一種である16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調、64QAM変調等の変調が施されるが、他の変調が施されるように構成しても勿論良い。上記1次変調器によって1次変調された送信データシンボル列105は、シリアル/パラレル変換器101によってパラレル信号であるサブチャネル信号1060 〜106M-1 に変換される。上記シリアル/パラレル変換器101によってパラレル信号に変換された各サブチャネル信号1060 〜106M-1 は、当該各サブチャネル信号1060 〜106M-1 にそれぞれ対応して接続された拡散器1020 〜102M-1 により拡散符号を用いて時間領域で拡散された後、逆高速フーリエ変換器103によってマルチキャリア変調信号107に変換される。その際、上記拡散器1020 〜102M-1 では、サブチャネル信号1060 〜106M-1 に所定のパイロットシンボル108が符号多重される。更に、上記マルチキャリア変調信号107には、ガードインターバル付加器104によってガードインターバル(GI)信号が付加されることにより、送信シンボル109が生成される。上記送信シンボル109は、図示しない電力増幅器によって増幅されるとともに、図示しないフィルター等を介して送信アンテナから送信される。
上記ガードインターバル付加器104は、逆高速フーリエ変換器103の出力の一部、例えば、後端の1/4の切出して、当該切出したガードインターバル(GI:Guard Interval)信号を、逆高速フーリエ変換器103の出力107の先頭に付加することにより、送信シンボル109を構成するようになっている。このように、上記ガードインターバル(GI)は、例えば、図4に示すように、OFDMのシンボル長の1/4の長さに設定され、送信される全シンボル長は、OFDMシンボル長の5/4となる。但し、上記ガードインターバル(GI) 長は、OFDMのシンボル長の1/4の長さに限定されるものではなく、他の値に設定しても良いことは勿論である。
図3は時間領域で拡散するMC−CDM方式の移動体通信システムにおける受信機の構成を示すブロック図である。
上記受信機200は、主として、ガードインターバル除去器201と、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform )器202と、1/H(t)乗算器203と、複数の逆拡散器2040 〜204M-1 と、P/S(Parallel/Serial)変換器205とを備えている。
上記受信機200では、図示しない受信アンテナで受信されフィルターを介した受信信号206がガードインターバル除去器201に入力され、当該ガードインターバル除去器201では、受信信号206からガードインターバル(GI)が除去される。その後、ガードインターバル(GI)が除去された受信信号207は、高速フーリエ変換器202によりサブキャリア毎の受信信号2080 〜208M-1 が求められる。上記高速フーリエ変換器202によってサブキャリア毎に求められた受信信号2080 〜208M-1 には、乗算器203によって、チャネル伝達関数H(f)の逆数が乗算されることにより、チャネル補償が行われる。上記チャネル伝達関数H(f)は、逆拡散器204によって時間領域で逆拡散された信号に基づいて、チャネル推定器209によって得られる。そして、得られたサブキャリア毎の復調信号2100 〜210M-1 は、逆拡散器2040 〜204M-1 によって時間領域で逆拡散された後、P/S変換器205によりシリアル信号に変換されて、受信シンボル列211が得られる。こうして得られた受信シンボル列211は、図示しない判定器によって1/0が判定される。
図5は上記の如く時間領域で拡散を行うMC−CDMシステムにおける送信シンボルの配置を模式的に示したものである。
上述したMC−CDMシステムにおける送信シンボル300は、図5に示すように、OFDM方式を用いて多重化されており、互いに直交関係にある多数のサブキャリア301によって構成されている。サブキャリア301の数Mは、例えば、1024に設定されるが、これに限定されるものではないことは勿論である。ここで、M個のサブキャリア301が占める帯域幅は、例えば、40.96MHzとなる。
また、上記M個のサブキャリア信号301は、複数(例えば、32個)のサブキャリア信号301毎に、複数(例えば、32個)のブロック302に分割されており、サブキャリア信号301が各ブロック302毎にユーザに割当てられている。なお、各ユーザにすべて等しい数のブロック302を割当てる必要は必ずしもなく、ユーザが要求する伝送速度に応じて、適宜数のブロックのサブキャリア信号301を割当てるように構成しても良い。
また、上記各サブキャリア信号301は、拡散器102によって時間領域で拡散されており、拡散率は、例えば、16に設定されている。上記拡散器102で用いられる拡散符号としては、例えば、直交符号を用いることにより、同一サブキャリアで多重化した信号を送信することが可能となる。なお、MC−CDMシステムにおいては、各サブキャリアに同一の拡散符号を用いることができる。
さらに、パイロットシンボル303は、データシンボル304と共に時間軸方向へ拡散されており、符号多重化されている。ここで、パイロットシンボル303は、例えば、オール「1」のコードで拡散され、パイロットシンボル303の時間波形は、時間軸で連続するすべてのOFDMシンボルで等しく設定される。
このように、時間領域で拡散された送信シンボルは、全サブキャリア信号301上でパイロットシンボル303と符号多重される。また、同期及びチャネル推定は、受信されたパイロットシンボル303を用いて行われる。その際、上記の如くパイロットシンボル303として既知の信号を用いることによって、受信機200側でパイロットシンボル303の受信信号を再生することによって、伝搬路のチャネル伝達関数H(f)を送信シンボル毎に求めることが可能となる。
そして、時間軸方向へ拡散された個々のキャリア信号を、逆高速フーリエ変換器103によって逆高速フーリエ変換して合成することにより、ベースバンドOFDM信号が生成される。
ところで、時間領域で拡散するMC−CDMシステムの送受信機の構成は、基本的に、時間領域で拡散するMC−CDMAシステムの送受信機の構成と同様であるが、多元接続の方式がMC−CDMAシステムと異なる。すなわち、MC−CDMAシステムでは、ユーザーは、符号分割で多元接続されるのに対し、MC−CDMシステムでは、時間分割で多元接続される。このように、多元接続の方式が異なるのみで、本発明は、MC−CDMシステム以外に、MC−CDMAシステムにも同様に適用できるものである。
図6はMC−CDMシステムにおける多元接続の方式を示したものである。
1つの基地局が受け持つべき範囲であるセル内の複数のユーザー1,2,3・・・9(図示例では、9であるが、同一セル内のユーザー数は任意である)には、図6に示すように、ユーザ1、4、7と、ユーザ2、5、8と、ユーザ3、6、9とに異なったタイムスロットを割当てることにより時間分割されて、多元接続される。また、上記ユーザ1、4、7と、ユーザ2、5、8と、ユーザ3、6、9には、異なったブロック302のサブキャリアが割当てられており、SCS−MC−CDM方式を採用している。なお、サブキャリアブロック間の干渉は、サブキャリア選択フィルタにより低減するように構成されている。
また、上記SCS−MC−CDM方式の諸元は、図7に示した通りである。システムの帯域幅は40.96MHz、サブキャリア間隔は40kHzに設定されている。ユーザーに割当てるサブキャリア数は32の倍数とする。フレーム長は10msecである。OFDMシンボル長は25μsとし、ガードインターバル長はその1/4とした。また、拡散は時間領域で行い、拡散率は16である。ショートコードはWalsh系列、ロングコードはランダム系列を用いた。
ところで、本実施の形態では、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、前記全サブキャリア変調信号を所定数ずつ逐次的に加算していくことにより合成する際に、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算するとともに、当該加算結果の中からピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択し、前記選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせを次の被加算サブキャリア変調信号とする処理を、全サブキャリア変調信号について行うように構成されている。
また、本実施の形態では、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、ピーク電力制御の開始点をI番目のサブキャリア変調信号とし、I+1番目のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して前記I番目のサブキャリア変調信号と加算し、当該加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+1番目のサブキャリア変調信号をI番目のサブキャリア変調信号に加算し、更に、I+2番目のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して前段(I+1番目)で得られた信号と加算し、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+2番目のサブキャリア変調信号を前段(I+1番目)で得られた信号に加算し、以後全サブキャリア変調信号について同様の処理を行うように構成されている。
さらに、本実施の形態では、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減装置において、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続するように構成されている。
又、本実施の形態では、サブキャリア加算選択部を全サブキャリア変調信号又は全サブキャリアブロック変調信号の数よりも1つ少ない数だけ備えたピーク電力低減部を複数設けるとともに、前記複数のピーク電力低減部では、最初の被加算サブキャリア変調信号又は被加算サブキャリアブロック変調信号である加算開始点が異なるように設定し、且つ、前記複数のピーク電力低減部の出力結果から、ピーク電力が最小となるピーク電力低減部の出力結果を選択する出力選択手段を設けるように構成されている。
図1は本発明の実施の形態1に係るピーク電力の低減装置を示すブロック図である。
上記ピーク電力低減装置400は、図1に示すように、所定数(図示例では、1つ)のサブキャリア変調信号106に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段としての加算器4011 〜401x と、前記複数の加算器4011 〜401x による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段としての選択器402とからなるサブキャリア加算選択部403を、全サブキャリア変調信号の数よりも1つ少ない複数(M−1)だけ備えている。
また、上記複数のサブキャリア加算選択部4031 〜403M-1 は、前段のサブキャリア加算選択部4031 〜403M-1 によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部4031 〜403M-1 の被加算サブキャリア変調信号となるように、信号線410によって互いに接続されている。
また、上記サブキャリア加算選択部4031 〜403M-1 は、全サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 の数よりも1つ少ない数だけ集まって、1つのピーク電力低減部404を構成しており、当該ピーク電力低減部4040 〜404M-1 は、複数設けられている。これら複数のピーク電力低減部4040 〜404M-1 では、最初の被加算サブキャリア変調信号106である加算開始点が互いに異なるように設定されているとともに、複数のピーク電力低減部4040 〜404M-1 の出力結果から、ピーク電力が最小となるピーク電力低減部4040 〜404M-1 の出力結果を選択する出力選択手段としての出力選択器405を備えるように構成されている。
上記ピーク電力低減装置400には、図1に示すように、IFFT器103を構成するサブキャリア変調器4060 〜406M-1 によって変調されたサブキャリア変調信号1060 〜106M-1 が入力される。これらの各サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 は、乗算器からなる位相回転器4070 〜407M-1 によって複数の重み係数wが乗算されて位相が回転される。
上記各サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 に乗算される複数の重み係数w(=exp(j2πi/k))としては、サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 の位相を、例えば、0、π/8、π/4、3π/8、π/2、5π/8、3π/4、7π/8、・・・だけ回転させるものが用いられる。ただし、上記複数の重み係数wは、これに限定されるものではなく、これよりも数の少ないものや多いものなど、他のものを用いても良い。
また、上記ピーク電力低減装置400では、ピーク電力を制御する際の開始点となるサブキャリア変調信号には、位相回転器407によって重み係数wが乗算されずに、そのまま被加算サブキャリア変調信号として加算器401に入力される。図示例では、0番目のサブキャリア変調信号1060 をピーク電力を制御する際の開始点とする場合、0番目のサブキャリア変調信号1060 には、位相回転器4070 によって重み係数wが乗算されずに、そのまま被加算サブキャリア変調信号として用いられる。したがって、開始点が0番目のサブキャリアの場合には、図1中に「*」で示したように、位相回転器4070 とメモリ4080 は不要であるが、開始点が他のサブキャリアの場合には必要である。そのため、図1では全てのサブキャリアに対して位相回転器とメモリにより位相回転が可能なように構成されている。
上記位相回転器4070 〜407M-1 によって複数の重み係数wが乗算されて位相が回転されたサブキャリア変調信号1060 〜106M-1 は、メモリ4080 〜408M-1 に一旦記憶された後、加算器4011 〜401x によって被加算サブキャリア変調信号と加算される。上記加算器4011 〜401x は、各サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 に乗算される重み係数の数だけ設けられている。上記加算器4011 〜401x によって演算された加算結果は、対応する選択器4021 〜402M-1 に入力される。これらの選択器4021 〜402M-1 では、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数wが乗算されているI+1番目のサブキャリア変調信号をI番目のサブキャリア変調信号に加算したものを選択して出力するように構成されている。
また、上記選択器4021 〜402M-1 によって選択されたI+1番目のサブキャリア変調信号をI番目のサブキャリア変調信号に加算した信号は、I+2番目のサブキャリア変調信号のサブキャリア加算選択手段の加算器401〜401に、信号線410を通して被加算サブキャリア変調信号としてそれぞれ入力されるようになっている。
そして、上記最終段の選択器4021 〜402M-1 では、全サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 の位相を最適化して加算し、ピーク電力を最小としたベースバンド信号107が得られるようになっている。
また、複数設けられたピーク電力低減部4040 〜404M-1 からは、ピーク電力制御の開始点を、順に0番目、1番目、・・・M−1番目としたピーク電力を最小としたベースバンド信号107が得られ、これらの複数のベースバンド信号107のうち、ピーク電力が最小のベースバンド信号107が、出力選択器405によって選択され出力される。上記出力選択器405によって選択されたベースバンド信号107は、ガードインターバル付加器104に送られ、ガードインターバル信号が付加されて送信される。
以上の構成において、この実施の形態に係るピーク電力低減方法及び装置を適用した移動体通信システムでは、次のようにして、重み係数の組み合わせからなるオーバーヘッドの送信が不要であって、伝送効率の低下を防止でき、しかも重み係数の乗算回数を低減することができ、演算回路の小型化や消費電力の低減が可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る移動体通信システム1では、図2に示すように、送信機100によって、送信データシンボル列105が複数のサブキャリアを用いて変調され、送信される。
その際、上記送信機100では、図1に示すように、ピーク電力低減装置400によりサブキャリアの位相を最適化してピーク電力が低減された状態で、拡散シンボル毎の送信データシンボル列107が送信されるとともに、受信機200によって位相最適化前の信号を拡散シンボル毎に再生するようになっている。上記ピーク電力低減装置400では、位相を最適化した信号を再生するために、オーバーヘッドを送信せずに位相最適化前の信号を再生可能とすることができる。
ところで、位相最適化前の信号は、通常のチャネル推定プロセスによって再生することができるため、ここでは、まず、SCS−MC−CDM方式におけるチャネル推定について説明する。
このチャネル推定は、図5に示すように、全サブキャリア信号301上に符号多重されて重畳されたパイロットシンボル303を復調することによって行われる。受信機200によって受信されたパイロットシンボル303は、既知の信号であり、受信されたパイロットシンボル303のチャネル伝達関数H(f)は、データシンボル304と同一であるため、受信されたパイロットシンボル303を用いてチャネル推定器209によってチャネル伝達関数H(f)を推定することができる。
そのため、上記受信機200では、図3に示すように、チャネル推定器209によって推定したチャネル伝達関数H(f)の逆数を、フーリエ変換された受信信号2080 〜208M-1 に1/H(f)乗算器203によって乗算することにより、位相最適化前の送信信号を再生することができる。
本実施の形態では、送信機100によって各サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 に重み係数が乗算されることにより位相が回転されている。この各サブキャリア変調信号1060 〜106M-1 の位相回転は、送信機100で発生する新たなチャネル伝達関数w(f)の乗算と解釈することができ、受信機200からみた場合には、伝搬路で発生した位相変化と同一視することができる。
図8に示すように、各サブキャリアに対応したパイロットシンボル303とデータシンボル304に同一の重み係数w0 、w1 、w2 、・・・を乗算することによって、送信機100で発生する新たなチャネル伝達関数w(f)と、伝搬路で発生する伝搬特性の双方を補償することができる。そのため、上記受信機200では、チャネル伝達関数H1 (f)として、総チャネル伝達関数H1 (f)=H(f)w(f)の逆数を乗算するようになっている。この総チャネル伝達関数H1 (f)=H(f)w(f)は、受信機200においてパイロットシンボル303を復調することにより、チャネル推定部208によって推定されたものに他ならない。したがって、受信機200では、受信信号2070 〜207M-1 に1/H1 (f)を乗算することにより、最適化された位相とマルチパスフェーディングの両方を補償することが可能となっている。そのため、受信機200では、拡散シンボル毎にチャネル伝達関数H1 (f)の逆数を乗算して、チャネル補償を行うことによって、ピーク電力を低減するために、逐次的に位相が最適化された受信信号を、位相情報からなるオーバーヘッドを用いることなく、再現することが可能となっている。
したがって、本実施の形態に係るピーク電力低減方法を実行するには、位相最適化前の信号を再生するためのオーバーヘッドを送信する必要がなく、チャネル伝達関数H1 (f)を用いて拡散シンボル毎にチャネル伝達関数の補償を行うだけでよい。そのため、上記移動体通信システムでは、送信機100から受信機200へのオーバーヘッドの伝送を考慮せずに、位相回転のステップサイズ等の制御パラメータを送信機100側で任意に決定することができる。
また、本実施の形態に係るピーク電力低減方法では、重み係数の乗算回数を低減するため、被加算サブキャリア変調信号を定めて、当該被加算サブキャリア変調信号に基づいて、逐次的にピーク電力を低減する手法を採用している。
図9は上記逐次的なピーク電力の低減方法を模式的に示したものである。
上記送信機100から送信される送信データシンボル列107に乗算される重み係数は、拡散シンボル毎に更新される。図9では、ピーク電力低減装置400において、制御開始点を0番目のサブキャリアとし、m番目までピーク電力の制御が完了していると仮定して、次のサブキャリア変調信号に対するピーク電力の低減方法について説明する。
図9のAは、0番目からm番目のサブキャリア変調信号1060 〜106m まで、ピーク電力の低減制御を既に行った結果として合成された信号波形を示すものである。図9のBは、複数の重み係数wを乗算した後のm+1番目のサブキャリア変調信号106m+1 の信号波形を示したものである。このm+1番目のサブキャリア変調信号106m+1 は、乗算する重み係数wの数に対応した数だけ存在する。また、図9のCは、図9のAと図9のBの信号とを加算器401によって加算した結果をそれぞれ示したものである。よって、この図9のCに示す信号も、乗算する重み係数wの数に対応した数だけ存在する。
これらの加算結果からピーク電力が最小となる信号が選択器402によって選択される。この選択器402によって選択された信号をm+1番目の制御結果として、次のm+2番目のサブキャリアにおいて同じプロセスを繰り返すようになっている。このプロセスは、加算するサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して位相を回転させ、局所的に最小なピーク電力をもつ信号を逐次的に求めることを意味する。逐次的なピーク電力低減プロセスでは、制御開始点を変えて制御を繰り返すことにより特性を改善することができる。
これは、図10に示すように、制御開始点を変えることによりピーク電力の異なる複数の制御結果が得られ、その中からピーク電力が最小となる信号を選択することにより、更にピーク電力の低い信号が得られるためである。上記プロセスでは、K*(M−1)*L回の重み係数の乗算が必要となる。ここでMはサブキャリア数、Lは制御開始点数、2 π/Kは位相回転のステップサイズである。サブキャリア数Mから1を減算しているのは、制御開始点となるサブキャリア変調信号に対しては、乗算演算が不要だからである。
これに対して、従来のPTS法では全サブキャリア数Mと全ステップサイズKの組み合わせ数であるKM-1 回の乗算が必要となるため、KとMの値が大きい場合には、乗算回数が指数関数的に増加する。よって、両者を比較すると、本実施の形態に係るピーク電力低減方法を適用することによって、著しく乗算回数を低減することができることがわかる。
以下に、送信機100における逐次的ピーク電力低減のアルゴリズムについて説明する。次の式(1) はピーク電力の低減処理を施していない場合における信号波形を示したものである。l番目のチップのk番目のサンプルをAklとすると、このAklは、
Figure 2006229746
と表すことができる。ここで、Mはサブキャリア数、Nm はm番目のサブキャリアにおけるコード割当てを示すものである。また、Dmnはm番目のサブキャリアにおけるn番目のショートコードの送信シンボルである。Snlはn番目のショートコードにおけるl番目のチップを示している。ここでは、ピーク電力を低減するため、m番目のサブキャリア信号に対して重み係数wm を乗算する。次の式(2) はピーク電力低減後のl番目のチップのk番目のサンプルの信号波形Bklを、式(3) はステップサイズが2π/Kの場合の重み係数をそれぞれ示したものである。
Figure 2006229746
Figure 2006229746
ここで、0番目からh番目のサブキャリアまで逐次的にピーク電力の低減が完了していると仮定し、式(4) に制御結果のl番目のチップのk番目のサンプルの信号波形Cklh を示す。なお、0番目からh番目のサブキャリアまで逐次的にピーク電力の低減が完了しているとは、0番目からh番目のサブキャリアに対して、逐次的にピーク電力の最も小さい合成信号を選択する処理が完了していることを意味する。
Figure 2006229746
式(5) はh+1番目のサブキャリアまで逐次的ピーク電力低減が完了した場合の制御結果のl番目のチップのk番目のサンプルの信号波形Ckl(h+1) を示したものである。信号波形Ckl(h+1) は、Cklh とh+1番目のサブキャリア信号と重み係数の乗算結果を加算することにより得られる。式(6) はCkl(h+1) のピーク電力を示したものである。Nfはコード長である。ピーク電力は1CDMシンボル内の全てのチップの全てのサンプル点において計算される。全てのiについて式(5) ,(6) を計算し、Ckl(h+1) のピーク電力最小を与えるiを求め、重み係数を決定する。
Figure 2006229746
Figure 2006229746
上記プロセスを全てのサブキャリア変調信号1060 〜106N-1 において繰り返し、制御開始点が0番目のサブキャリアの場合の逐次的ピーク電力低減の結果が得られる。更に、制御開始点を1、2・・・と変えて逐次的にピーク電力低減プロセスを繰り返すようになっている。制御開始点をp番目のサブキャリアとした場合において、逐次的ピーク電力の低減方法を適用した結果の信号波形のピーク電力をPk(q) とする。そして、式(7) に示すように、制御開始点が異なるPk(q) (q=0、1、2・・・M−1)を比較し、ピーク電力が最小となる制御開始点の重み係数を選択する。
Figure 2006229746
以上は送信信号の位相最適化をサブキャリア毎に行った場合のアルゴリズムであるが、後述するように、最適化のための信号処理量を低減するため、最適化をサブキャリア毎ではなく所定数として複数のサブキャリアを1ブロックとしたブロック単位で行うことも可能である。この場合には、ブロック内で重み係数を一定値として、ブロック毎に逐次的にピーク電力低減を行えばよい。式(8) にg番目のブロックのs番目の重み係数wSg+sを示す。ここでSはブロック当りのサブキャリア数、Gはブロック数である。
Figure 2006229746
次に、受信機200における位相最適化前の信号の再生について述べる。式(9) にl番目のチップのk番目のサンプルの受信信号Rklを示す。送信された信号は、マルチパスフェーディングチャネルを通り受信されるため、受信信号にはm番目のサブキャリアに対してチャネル伝達関数Hm が乗算される。Rklは式(1O)に示すチャネル伝達関数Hl m をもつマルチパスフェーディングチャネルを通り受信された信号と解釈できるため、パイロットシンボル303を復調することにより、Hl m を推定することが可能となる。このHl m は、Hm とwm を乗算したものであるため、1/Hl m の乗算により位相最適化とマルチパスフェーディングチャネルの両方の効果を補償できる。そのため、位相最適化前の信号は、受信機200におけるチャネル推定プロセスにより再生できる。
Figure 2006229746
Figure 2006229746
実験例
次に、本発明者等は、上記実施の形態に係るピーク電力低減方法及び装置の効果を確認するため、次に示すような計算機シミュレーションを行った。
図11は計算機シミュレーションの条件を示したものである。1次変調はQPSKとした。ユーザー数は1とした。また、サブキャリア数は一例として32とする。下りリンクとしてはこのサブキャリア数は少ないが、例えば、上りリンクヘの適用を考えた場合には、十分妥当な値といえる。サブキャリア毎に1個のショートコードをパイロットシンボルに割当て、残りの15個のショートコードをデータシンボルに割当てている。パイロットシンボルの送信電力は、データシンボルの2倍とした。さらに、チャネル推定は、パイロットシンボルを復調することにより行った。なお、同期は理想的に行えるものとする。
チャネル条件は準静的レーリーフェーディングとし、遅延プロファイルはダブルスパイクモデルとする。各パスの平均信号電力は等しいとし、遅延時間差はOFDMシンボル長の1/8とする。孤立セルを想定し、セル間干渉は考慮していない。
まず、従来のPTS法において重み係数の乗算回数が実行可能な範囲で、本実施の形態に係るピーク電力低減方法とPTS法を比較する。これは、上記PTS法では、位相回転のステップサイズが小さく、且つサブキャリアのブロック数が多い条件では、重み係数の乗算回数が著しく増加し、実行不可能となるからである。例えば、ステップサイズがπ/8でブロック数が32の場合、乗算回数は1631となり、実行困難となる。そこで、本実施の形態に係るピーク電力低減方法とPTS法を比較するに際しては、32個のサブキャリアを8ブロックに分割し、4サブキャリアを1ブロックとしてブロック毎に重み係数を乗算することとした。また、位相を回転させるステップサイズはπ/2とした。この条件ではPTS法の乗算回数は47 となり、実行可能となる。
図12に上述の条件での瞬時送信電力の累積分布を示したものである。
図12の横軸は平均送信電力で正規化した瞬時送信電力を示したものである。また、縦軸は累積確率である。破線は本実施の形態で制御開始点数を1とした場合の特性を示したものである。2点鎖線は本実施の形態において制御開始点数がブロック数と等しい場合の特性を示す。以下では前者を提案方式1、後者を提案方式2と称する。点線はピーク電力低減なしの場合の特性を、実線はPTS法の特性をそれぞれ示している。
図12から明らかなように、累積確率10-5で比較すると、提案方式1ではピーク電力低減なしの場合に比べて2.3dB、提案方法2は3.3dBピーク電力を低減することができることがわかる。制御開始点数を増やすことよりピーク電力を低減できる理由は、異なるピーク電力をもつ候補信号の数が増加し、より低いピーク電力が得られる確率が増加するためである。これに対して、PTS法のピーク電力は提案方式2に比べ0.6dBだけ低い値となっており、提案方式2では、PTS法に近いピーク電力の低減効果を得られることがわかった。
図13は提案方法とPTS法の重み係数の所要乗算回数を示したものである。
図13の横軸はブロック数を、縦軸は乗算回数を示している。位相回転のステップサイズはπ/2とした。図13よりPTS法における重み係数の乗算回数は、ブロック数の増加に伴って著しく増加することがわかる。これに対して、提案方式1、2ともブロック数が2より多い場合には、PTS法より大幅に少ない乗算回数で実行できることがわかる。
図14は提案方式1、2とPTS法の累積確率10-5における正規化瞬時送信電力を示したものである。図14の縦軸は正規化瞬時送信電力を、横軸はブロック数をそれぞれ示したものである。
図14よりブロック数を増加させることにより、ピーク電力を低減できることがわかる。提案方式2とPTS法は同様の傾向を示している。以下では提案方式2とPTS法を比較する。図14よりPTS法のピーク電力はブロック数が8の場合6.6dbである。一方、提案方式2でブロック数が32の場合、ピーク電力は6.3dBとなった。図13より前者と後者の重み係数の乗算回数はそれぞれ47 ≒1.6*104 と4*31*32≒4*103 であるため、提案方式2はPTS法と比べ、1/4の乗算回数で0.3dB低いピーク電力を実現できることがわかる。更に、PTS法のピーク電力低減の傾向からブロック数が16の場合のピーク電力は6dB付近になると考えられる。一方、後述するように、提案方式2においてブロック数が32で位相回転のステップサイズがπ/8の場合、ピーク電力は6.1dBとなる。前者と後者の乗算回数はそれぞれ415≒109 と16*31*32≒1.6*104 であるため、提案方式2 はPTS法の0.0016%の乗算回数で同等のピーク電力を得ることができることがわかる。
さらに、本実施の形態に係る提案方式2の特性について説明する。
図15は位相回転のステップサイズがπ、π/2, π/4, π/8, π/16の場合の正規化瞬時送信電力累積分布を示すものである。位相最適化は、サブキャリア毎(ブロック数32)に行った。ステップサイズを小さくするにつれてピーク電力は低減する。これは位相最適化の精度が改善されるためである。累積分布はステップサイズπ/8で収束した。これより位相最適化の精度は、π/8で十分であると考えられる。収束した分布においては累積確率10-5において6.1dBのピーク電力が得られた。
図16は提案方式1、2の誤り率特性を示したものである。図の横軸はEb/N0、縦軸はBERである。実線は周波数選択性がない場合のレーリーフェーディング時の理論誤り率特性を示す。
この図16から明らかなように、信号再生のためのオーバーヘッドを送信機100から受信機200に送ることなく位相最適化前の信号を再生することができることがわかる。上述したように、信号再生はパイロット信号の復調によるチャネル推定プロセスにより行われる。提案方式1、2の誤り率特性は、ピーク電力を低減しない場合と等しく、その理想値との差であるパワーペナルティは1.7dBとなった。これは熱雑音によるチャネル推定の位相ジッタに起因しており、パイロット信号電力の増加により低減が可能である。
なお、本発明は、1次変調として位相変調方式に限らず、他の振幅変調方式など任意の方式に適用できることは勿論である。
また、図示の実施の形態では、主に、サブキャリア変調信号を1つずつ位相を最適化して加算していく場合について説明し、サブキャリア変調信号をブロック毎に位相を最適化して加算していく場合については、適宜説明したが、サブキャリア変調信号をブロック毎に位相を最適化して加算していく場合をまとめれば次の通りである。
すなわち、サブキャリア変調信号をブロック毎に位相を最適化して加算していく実施の形態では、拡散シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、ピーク電力制御の開始点をI番目のサブキャリアブロック変調信号とし、I+1番目のサブキャリアブロック変調信号に複数の重み係数を乗算して前記I番目のサブキャリアブロック変調信号と加算し、当該加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+1番目のサブキャリアブロック変調信号をI番目のサブキャリアブロック変調信号に加算し、更に、I+2番目のサブキャリアブロック変調信号に複数の重み係数を乗算して前段(I+1番目)で得られた信号と加算し、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+2番目のサブキャリアブロック変調信号を前段(I+1番目)で得られた信号に加算し、以後全サブキャリアブロック変調信号について同様の処理を行うように構成される。
図1はこの発明の実施の形態1にピーク電力低減装置を示すブロック図である。 図2はこの発明の実施の形態1にピーク電力低減装置を適用した移動体通信システムに用いる送信機を示すブロック図である。 図3はこの発明の実施の形態1にピーク電力低減装置を適用した移動体通信システムに用いる受信機を示すブロック図である。 図4はガードインターバルが付加されたOFDMシンボルを示す説明図である。 図5は送信データのシンボル配置を示す説明図である。 図6はMC−CDM方式における多元接続の方式を示す説明図である。 図7はこの発明の実施の形態1にピーク電力低減装置を適用した移動体通信システムの諸元を示す図表である。 図8は送信データシンボルに対して重み係数を乗算した状態を示す説明図である。 図9はこの発明の実施の形態1にピーク電力の低減方法のプロセスを示す説明図である。 図10はこの発明の実施の形態1にピーク電力の低減方法のプロセスを示す説明図である。 図11はこの発明の実施の形態1にピーク電力低減装置を適用した移動体通信システムの実験例の諸元を示す図表である。 図12は実験例を示す図表である。 図13は実験例を示す図表である。 図14は実験例を示す図表である。 図15は実験例を示す図表である。 図16は実験例を示す図表である。
符号の説明
400:ピーク電力低減装置、401:加算器、402:選択器、403:サブキャリア加算選択器、404:ピーク電力低減部、407:位相回転器。

Claims (9)

  1. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、
    前記全サブキャリア変調信号を所定数ずつ逐次的に加算していくことにより合成する際に、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算するとともに、当該加算結果の中からピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択し、前記選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせを次の被加算サブキャリア変調信号とする処理を、全サブキャリア変調信号について行うことを特徴とするピーク電力の低減方法。
  2. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、
    ピーク電力制御の開始点をI番目のサブキャリア変調信号とし、I+1番目のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して前記I番目のサブキャリア変調信号と加算し、当該加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+1番目のサブキャリア変調信号をI番目のサブキャリア変調信号に加算し、更に、I+2番目のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して前段(I+1番目)で得られた信号と加算し、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+2番目のサブキャリア変調信号を前段(I+1番目)で得られた信号に加算し、以後全サブキャリア変調信号について同様の処理を行うことを特徴とするピーク電力の低減方法。
  3. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減方法において、
    ピーク電力制御の開始点をI番目のサブキャリアブロック変調信号とし、I+1番目のサブキャリアブロック変調信号に複数の重み係数を乗算して前記I番目のサブキャリアブロック変調信号と加算し、当該加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、前記ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+1番目のサブキャリアブロック変調信号をI番目のサブキャリアブロック変調信号に加算し、更に、I+2番目のサブキャリアブロック変調信号に複数の重み係数を乗算して前段(I+1番目)で得られた信号と加算し、加算して得られた複数の信号のピーク電力を計算し、ピーク電力の最小値を求め、ピーク電力の最小値を与える重み係数が乗算されているI+2番目のサブキャリアブロック変調信号を前段(I+1番目)で得られた信号に加算し、以後全サブキャリアブロック変調信号について同様の処理を行うことを特徴とするピーク電力の低減方法。
  4. 請求項2又は3に記載のピーク電力の低減方法において、
    前記ピーク電力制御の開始点を複数設定し、前記処理を複数のピーク電力制御の開始点に対応した回数だけ行い、得られた複数の結果からピーク電力が最小となる結果を選択することを特徴とするピーク電力の低減方法。
  5. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減するピーク電力の低減装置において、
    所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、
    前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続したことを特徴とするピーク電力の低減装置。
  6. 請求項5に記載のピーク電力の低減装置において、
    前記サブキャリア加算選択部を全サブキャリア変調信号又は全サブキャリアブロック変調信号の数よりも1つ少ない数だけ備えたピーク電力低減部を複数設けるとともに、
    前記複数のピーク電力低減部では、最初の被加算サブキャリア変調信号又は被加算サブキャリアブロック変調信号である加算開始点が異なるように設定し、
    且つ、前記複数のピーク電力低減部の出力結果から、ピーク電力が最小となるピーク電力低減部の出力結果を選択する出力選択手段を設けたことを特徴とするピーク電力の低減装置。
  7. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信機から送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減して送信するとともに、前記複数のサブキャリア変調信号を受信機によって受信して復調することにより通信を行う移動体通信システムにおいて、
    前記受信機は、所定の周期で伝搬路の伝搬特性を補償する伝搬路補償部を有し、
    前記送信機は、所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続したピーク電力の低減装置を有し、
    前記ピーク電力の低減装置における前記重み係数は、前記受信機における伝搬特性補償の周期と等しい周期で更新されることを特徴とする移動体通信装置。
  8. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、複数のサブキャリア変調信号のピーク電力を低減して送信する送信機において、
    所定数のサブキャリア変調信号に複数の重み係数を乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算する複数の加算手段と、前記複数の加算手段による加算結果の中から、ピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択手段とからなるサブキャリア加算選択部を複数備えるとともに、前記複数のサブキャリア加算選択部を、前段のサブキャリア加算選択部によって選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせが、次段のサブキャリア加算選択部の被加算サブキャリア変調信号となるように接続したピーク電力の低減装置を有することを特徴とする送信機。
  9. 所定の周期で伝搬路の伝搬特性を補償する伝搬路補償部を有する受信機に、送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調することにより送信する際に、所定数のサブキャリア変調信号毎に重み係数を乗算して合成することにより、ピーク電力を低減する送信機において、
    前記重み係数の更新周期が前記伝搬路補償周期と等しいことを特徴とする送信機。
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