JP4783217B2 - 符号分割多重通信システム、符号分割多重通信方法および送信装置ならびに受信装置 - Google Patents
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このようなCDM伝送方式では、受信側において情報データを復元する過程において施される逆拡散処理によって、処理利得が得られるため、搬送波電力対雑音電力比(CNR:Carrier to Noise Ratio)が低い環境(以下、低CNR環境と称する)においても、安定したリンクを確保することができる他、拡散次元におけるダイバーシチ効果が期待できる。
同期型CDM方式では、各拡散符号の同期ずれに伴う符号間干渉は発生しないため、直交符号を利用することで符号分離を理想的に実現することができる。直交符号をPN符号として用いた拡散処理を適用した場合は、符号間の同期が確立されていれば各拡散符号は直交しており、符号長N(Nは自然数)に対応してN種のPN符号を使用可能であるため伝送効率も高い。
一方、PN符号によって個々の利用者を識別するCDMA(Code Division Multiple Access)方式では、加入者局から基地局方向への上りリンクにおいては、各加入者局の送信信号を基地局到達時点で同期させることが難しいため、非同期CDM方式が一般的である。
また、OVSF符号を生成するコードツリーの構造上の限定から(非特許文献1のFig.3参照)、符号拡散率は2倍ずつしか変化させられない。このため、例えば、受信側の通信路状態観測回路705による観測結果から数割増程度の伝送速度の増大が許容される場合などには、見込まれる伝送速度の増大に一致する符号拡散率が得られるOVSF符号を生成できない場合がある。
その一方、特許文献1の技法は、使用する拡散符号数を制御することにより可変容量伝送を実現するので、非直交符号を利用する上りリンク非同期CDMA方式にも適用することができる。その反面、例えば、低CNR環境のため符号多重数に制限が生じる場合や、CDMA方式のように個々の加入者に割り振ることのできる拡散符号総数に制限が生じる場合には、伝送速度の可変幅を十分に確保することができない。このため、特許文献1の技法によっても、受信CNRに対して所定の所要品質を満足する最大の伝送速度を提供することが難しく、送信電力の利用効率が低下してしまっていた。
符号分割多重通信システムに備えられる送信装置において、可変変調手段は、変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分割された入力情報系列について、当該入力情報系列を多重化して送信したときに得られる伝送速度を所望の伝送速度としたときに、当該分割された入力情報系列のそれぞれを所望の伝送速度に対応する符号多重数と変調方式によって符号多重数系列の変調信号に変換する際に、前記所望の伝送速度に対応して適用すべき符号多重数とそれぞれの多重対象の符号に適用する変調方式の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された変調方式で前記入力情報系列を変調する。前記可変変調手段における前記変調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含む。符号拡散手段は、符号多重数系列の変調信号にそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散変調信号を生成する。重み付け手段は、符号拡散手段によって得られる符号多重数系列の拡散変調信号に、前記可変変調手段が取得した前記変調方式の組み合わせについて、平均送信電力を一定とする条件の下で、変調多値数が大きい変調方式に対して大きな重みを割り当て、変調多値数が小さい変調方式に対して小さな重みを割り当てることによって、当該システムにおいて必要とされる伝送品質に定められた目標BERを満たし、かつ、平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された重み係数を乗算する。送信手段は、重み付けがなされた符号多重数系列の拡散変調信号を多重化して送信する。
送信装置に備えられた可変変調手段において、符号多重数の情報系列それぞれに適用される変調方式は、所望の伝送速度を実現するために複数の変調方式から適切な変調方式が選択される。したがって、上述した各情報系列は、必要に応じて、互いに異なる変調方式で変調され、符号拡散手段において、互いに異なる拡散符号を用いて符号拡散処理が実行される。このようにして得られた符号多重数の拡散変調信号それぞれに、重み付け手段において適切な重み係数をそれぞれ乗じることにより、例えば、これらの拡散変調信号を送信手段によって多重化して送信した際のビット誤り率(BER:Bit Error Rate)特性を最良とすることができる。
本発明にかかわる第2の符号分割多重通信システムの原理は、以下の通りである。
上述した第1の符号分割多重通信システムに備えられる送信装置および受信装置において、パラメータ保持手段は、想定される伝送速度に対応する変調モードそれぞれに対応して、適切な符号多重数の拡散符号に対応させるべき変調方式および適用すべき重み係数の組み合わせを含む共通パラメータを保持する。送信装置に備えられる変調制御手段において、可変変調手段は、共通パラメータで示された変調方式の組み合わせに関する情報に従って、符号多重数の情報系列それぞれについて適切な変調方式を選択する。符号拡散手段において、拡散符号割当手段は、共通パラメータで示される拡散符号の組み合わせに従って、符号多重数の変調信号それぞれについて各拡散符号を割り当てる。重み付け手段において、重み設定手段は、共通パラメータで示される重み係数の組み合わせに従って、符号多重数の拡散変調信号それぞれについて重み係数を設定する。また、受信装置に備えられる符号逆拡散手段において、逆拡散符号割当手段は、共通パラメータで示される拡散符号の組み合わせに従って、符号多重数の逆拡散符号を受信信号の逆拡散処理に供する。解除手段において、解除係数設定手段は、共通パラメータで示される重み係数の組み合わせに従って、符号逆拡散手段によって得られる符号多重数の逆拡散結果に適用する重み解除係数を設定する。可変復調手段において、復調制御手段は、共通パラメータで示された変調方式の組み合わせに関する情報に従って、符号多重数の変調信号それぞれについて適切な復調方式を選択する。
符号多重数の各情報系列に適用する変調方式の組み合わせは、変調制御手段により、共通パラメータに従って変更される。同様に、これらの情報系列に対応して得られる変調信号に適用される拡散符号の組み合わせおよび拡散変調信号に適用される重み係数の組み合わせも、共通パラメータに従って割り当てられる。このようにして、可変変調手段、符号分散手段および重み付け手段の機能が実現され、上述した各変調手段において適用する変調方式の組み合わせを変更することにより、同一の符号多重数の拡散符号を適用するCDM方式でありながら、異なる伝送速度を実現することができる。
本発明にかかわる第3の符号分割多重通信システムの原理は、以下の通りである。
このように構成された第3の符号分割多重通信システムの動作は、下記の通りである。
上述した第1の符号分割多重通信システムの送信装置に備えられる重み付け手段において、重み係数保持手段は、符号多重数それぞれに対応する各拡散符号について、所定の目標ビット誤り率に対して、適用される変調方式の特性を考慮して平均搬送波電力対雑音電力を最小とするように算出された重み係数を保持し、拡散符号に対応する拡散変調信号の重み付け処理に供する。
上述したように、変調方式の特性を考慮した重み係数を適用することにより、各拡散変調信号の伝送にかかわるBERを平均化することができる。もちろん、全ての情報系列に対して同一の変調方式が適用される場合には、重み付け手段によって各拡散変調信号に適用する重み係数を数値「1」として、各拡散符号に対応する拡散変調信号を同等に扱うことも可能である。
上述した第2の符号分割多重通信システムにおいて、共通パラメータにおいて各変調モードに対応して示される変調方式の組み合わせは、想定される最大の符号多重数の範囲内で、各変調方式による同時伝送可能なビット数の総和が各変調モードに対応する伝送速度に相当するシンボルあたりの情報ビット数以上であって、かつ、選択される変調方式の種類で示される変調多値数の合計を最小とするように決定される。
上述した第6の符号分割多重通信システムにおいて、共通パラメータにおいて各変調モードに対応して示される変調方式の組み合わせは、伝送速度に相当するシンボルあたりの情報ビット数B0が、想定される最大の符号多重数Mと4位相シフトキーイング方式における同時伝送可能ビット数である2との積で示される閾値以下である変調モードでは、適用する変調方式として4位相シフトキーイング方式を優先的に選択し、閾値を超えるシンボルあたりの情報ビット数B0に相当する伝送速度に対応する変調モードでは、想定される最大の符号多重数の範囲内で、各変調方式による同時伝送可能なビット数の総和Bがシンボルあたりの情報ビット数B0以上であって、かつ、各変調方式における変調多値数の合計を最小とするように決定される。
送信装置において、入力情報系列を、所望の伝送速度に対応して予め決定された符号多重数とこの符号多重数の系列それぞれに対応して予め複数の変調方式の中から選択された変調方式の組み合わせに、前記組み合わせに含まれる各変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分配することにより、前記符号多重数分の情報系列を形成し、分配手段によって形成される情報系列それぞれを、所望の伝送速度に対応して前記所望の伝送速度に対応して適用すべき符号多重数におけるそれぞれの多重対象の符号に適用する変調方式の組み合わせに従ってそれぞれ指定された変調方式で変調し、各情報系列に対応する変調信号にそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散変調信号を生成し、各情報系列に対応する符号拡散手段によって並列に得られる拡散変調信号に、前記変調方式の組み合わせについて、平均送信電力を一定とする条件の下で、変調多値数が大きい変調方式に対して大きな重みを割り当て、変調多値数が小さい変調方式に対して小さな重みを割り当てることによって、当該システムにおいて必要とされる伝送品質に定められた目標BERを満たし、かつ、平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された重み係数を乗算し、重み付けがなされた複数系列の拡散変調信号を多重化して送信し、前記変調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含む。一方、受信装置において、送信装置から受け取った受信信号に、符号多重数の逆拡散符号をそれぞれ適用して、符号多重数の重み付けされた変調信号の系列を復元し、符号逆拡散手段によって得られる各系列の重み付けされた変調信号に、送信装置の重み付け手段において適用された重み係数に対応する重み解除係数を乗算し、符号多重数の変調信号の系列を復元し、符号多重数の変調信号の系列それぞれを、所望の伝送速度に対応して系列ごとに予め定められた復調方式の組み合わせに従ってそれぞれ復調し、可変復調手段によって得られる符号多重数の復調信号を合流させて入力情報系列を再生し、前記復調方式の組み合わせは、互いに異なる復調方式による組み合わせを含む。
可変変調手段は、変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分割された入力情報系列について、当該入力情報系列を多重化して送信したときに得られる伝送速度を所望の伝送速度としたときに、当該分割された入力情報系列のそれぞれを所望の伝送速度に対応する符号多重数と変調方式によって符号多重数系列の変調信号に変換する際に、前記所望の伝送速度に対応して適用すべき符号多重数とそれぞれの多重対象の符号に適用する変調方式の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された変調方式で前記入力情報系列を変調する。前記可変変調手段における前記変調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含む。符号拡散手段は、符号多重数系列の変調信号にそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散変調信号を生成する。重み付け手段は、符号拡散手段によって得られる符号多重数系列の拡散変調信号に、前記可変変調手段が取得した前記変調方式の組み合わせについて、平均送信電力を一定とする条件の下で、変調多値数が大きい変調方式に対して大きな重みを割り当て、変調多値数が小さい変調方式に対して小さな重みを割り当てることによって、当該システムにおいて必要とされる伝送品質に定められた目標BERを満たし、かつ、平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された重み係数を乗算する。送信手段は、重み付けがなされた符号多重数系列の拡散変調信号を多重化して送信する。
送信装置に備えられた可変変調手段において、符号多重数の情報系列それぞれに適用される変調方式は、所望の伝送速度を実現するために複数の変調方式から適切な変調方式が選択される。したがって、上述した各情報系列は、必要に応じて、互いに異なる変調方式で変調され、符号拡散手段において、互いに異なる拡散符号を用いて符号拡散処理が実行される。このようにして得られた符号多重数の拡散変調信号それぞれに、重み付け手段において適切な重み係数をそれぞれ乗じることにより、例えば、これらの拡散変調信号を送信手段によって多重化して送信した際のビット誤り率(BER:Bit Error Rate)特性を最良とすることができる。
符号逆拡散手段は、上述した送信装置から受け取った受信信号に、符号多重数の逆拡散符号をそれぞれ適用して、符号多重数の重み付けされた変調信号の系列を復元する。解除手段は、符号逆拡散手段によって得られる各系列の重み付けされた変調信号に、送信装置において各系列の変調信号に適用された重み係数に対応する重み解除係数を乗算し、符号多重数の変調信号の系列を復元する。可変復調手段は、符号多重数の変調信号の系列それぞれを、所望の伝送速度に対応して系列ごとに予め定められた復調方式に従ってそれぞれ復調することにより、前記変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分割された各入力情報系列に相当する前記符号多重数の復調信号を生成する。合流手段は、可変復調手段によって得られる符号多重数の復調信号を合流させて入力情報系列を再生する。前記可変復調手段における前記復調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含む。
受信装置に到達した信号に対して、符号逆拡散手段により、符号多重数の逆拡散符号を適用し、更に、解除手段によって重み付けを解除することにより、符号多重数の変調信号が復元され、可変復調手段の処理に供される。この可変復調手段において、送信装置において各情報系列の変調に用いられた変調方式に対応する復調方式に従って復調処理を行うことにより、各情報系列に対応する復調信号を得ることができ、これらの復調信号を合流手段によって合流させることにより、元の入力情報系列を再生することができる。
したがって、本発明にかかわる異種変調多重CDM方式は、CDMA方式の移動通信システムにおける上りリンクのような非同期CDM伝送にも適用可能であり、また、使用可能な符号数に関する制限にかかわらず、符号系列ごとに変調方式を可変としたことにより、非常に柔軟な可変容量伝送を実現することができる。
更に、本発明にかかわる符号分割多重通信システムは、優れたBER特性を実現することができる。
(送信装置の実施形態)
図1に、本発明にかかわる符号分割多重通信システムの送信装置の実施形態を示す。
図1に示した送信装置において、可変変調処理部402は、想定される最大の符号多重数に対応するk個の変調回路4031〜403kから形成されている。また、図1に示した直列並列変換回路401は、変調制御回路409からの指示に応じて、入力情報系列を上述した指示で指定された符号多重数の情報系列に適切な比で分配し、これらの情報系列を上述した指示で指定された変調回路403(後述する)による変調処理に供する。
図1に示したk個の符号拡散回路4051〜405kは、上述したk個の変調回路4031〜403kに対応して設けられており、これらの符号拡散回路4051〜405kには、それぞれ対応する変調回路4031〜403kによる変調信号が入力される。また、図1に示した重み付け処理部408には、上述したk個の符号拡散回路4051〜405kに対応する重み付け回路4071〜407kが備えられており、これらの重み付け回路4071〜407kには、変調制御回路409からの指示に応じてそれぞれ適切な拡散符号または重み係数が設定される。そして、これらの重み付け回路4071〜407kによって重み付けされた拡散変調信号は、多重化部411によって多重化されて送信される。
図1に示した変調制御部409は、実現しようとする伝送速度を示すシンボル当たりの伝送ビット数それぞれに対応する変調モードごとに、送信装置において多重化すべき符号それぞれに適用する変調方式の組み合わせおよびこれらの変調方式によって得られる変調信号に適用すべき重み係数の組み合わせを格納したルックアップテーブル410を備えている。この変調制御部409は、このルックアップテーブル410に格納された情報に基づいて、上述した直列並列変換回路401による並列化処理、各変調回路403における変調方式の切り替え、各符号拡散回路405への拡散符号の割り当ておよび重み付け回路408における重み係数の設定の制御を行う。
図2に示した例では、使用可能な最大の符号の数(最大符号多重数)k=4とし、これらの符号ごとに割り当てるべき変調方式の組み合わせと重み係数の組み合わせが、シンボル当たりの伝送ビット数が数値「1」である伝送速度から同じく数値「24」である伝送速度に対応して番号1〜番号16が付された変調モードに対応して示されている。なお、図2において、変調方式および重み係数の組み合わせにおける空欄は、該当する符号が使用されないことを示している。
図1に示した変調制御部409は、所望の伝送速度に対応する変調モードの指定を受け、ルックアップテーブル410を参照して、適用すべき符号多重数とそれぞれの多重対象の符号に適用すべき変調方式および重み係数の組み合わせからなる設定情報を得る(図3のステップ101)。なお、各変調モードに対応する符号多重数は、ルックアップテーブル410において、それぞれの変調モードに対応して変調方式が設定されている符号(図2においては、Code1、Code2、Code3、Code4として示した)の数として得ることができる。また、各変調モードにおける符号多重数をルックアップテーブル410に格納しておくことも可能である。
その後、まだ送信すべき情報系列がある場合は(ステップ107の否定判定)、ステップ108に進んで、変調モードの変更が指示されたか否かを判定し、このステップ108の肯定判定の場合は、ステップ101に戻って新たな変調モードに対応する設定情報を読み込んでから新たな入力情報系列の送信処理を行う。一方、ステップ108の否定判定の場合は、設定情報をそのまま引き継いでステップ102に戻り、新たな入力情報系列の送信処理が行われる。
これにより、変調方式を固定とした場合に比べて、限られた符号多重数で幅広い伝送速度をしかも非常にきめ細かな可変幅で実現することができる。
更に、上述したルックアップテーブル410に登録する変調方式および対応する重み係数の組み合わせを工夫することにより、単に所望の伝送速度を実現するのみならず、BER特性の向上を図ることが可能である。
図4に、変調方式の割り当て方法を示す流れ図を示す。
ここでは、BPSK方式、QPSK方式、16QAM方式および64QAM方式を最大符号数k(例えばk=4)の範囲内で組み合わせて所望の伝送速度B0を実現するように決定する場合について説明する。
まだ変調方式が割り当てられていない符号がある場合には(ステップ112の肯定判定)、まず、ステップ113において、実現済みの伝送速度Bと所望の伝送速度B0との差が数値「1」よりも大きいか否かが判定され、肯定判定の場合には、変調方式が割り当てられていない符号の一つ(望ましくは先頭の符号)にQPSK方式を割り当て(ステップ115)、次いで、未割り当ての符号数kEをデクリメントする(ステップ115)。
このようにして求められた実現済み伝送速度Bが、所望の伝送速度B0未満である場合は(ステップ117の否定判定)、ステップ112に戻り、未割り当て符号がなくなるまで、上述したステップ112〜ステップ117が繰り返される。
このように、既に未割り当ての符号がないにもかかわらず、所望の伝送速度B0が実現されない場合は、ステップ112の否定判定となってステップ119に進み、各符号に割り当てられた変調方式がすべて同一であるか否かを判定する。
例えば、上述したステップ113の判定結果にかかわらず未割り当ての符号にQPSK方式を割り当てることにより、シンボル当たりの伝送ビット数が2i−1(i=1〜4)である伝送速度に対応する変調モードと同じく2i(i=1〜4)である伝送速度に対応する変調モードとが、同一の変調方式の組み合わせで実現される。また、予め、各変調モードに対応する伝送速度を、シンボル当たりの伝送ビット数が2ビット刻みとなるように決定しておくこともできる。
上述したようにして得られた変調方式の組み合わせを適用して、図1に示した送信装置によってCDM伝送を行うことにより、平均送信電力一定という条件の下で、大きな信号点間距離を確保することが可能となり、後述するように、良好なBER特性を実現することができる。
このようにして決定された変調方式の組み合わせを用いて得られた変調信号について、例えば、各変調信号に対応する平均送信電力を一定とする条件の下で、様々な重み係数を適用する実験あるいはシミュレーションを行って、伝送システムにおいて必要とされる伝送品質に基づく目標BERが達成されたときの平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを探索することにより、各変調モードにおいて適用される各変調方式に対応する重み係数を最適化することができる。
また、上述した重み係数は、変調多値数が異なる変調方式が適用されて得られた変調信号間で生じるビット誤り率特性の不均等を解消する目的で適用されるので、使用される全ての符号系列に同種の変調方式が適用される変調モード(例えば、図2に示した変調モード8)では、各拡散変調信号に適用される重み係数A1〜Akは等しく数値「1」となり、事実上重み付けは行われない。
図5に示した例では、図1に示した送信装置において、図2に示した変調モード10を適用し、QPSK変調による伝送速度(2bits/symbol)と16QAM変調による伝送速度(4bits/symbol)との中間の伝送速度(3bits/symbol)を実現した際のCNR−BER特性(図5において、太い実線で示す)を、OVSF符号を用いたCDM伝送におけるCNR−BER特性(図5において、太い破線で示す)および特許文献1の技法によるCDM伝送におけるCNR−BER特性(図5において、細い実線で示す)と対照させて示した。
また、図6および図7に、図2に示した変調モード6および変調モード4に対応する伝送速度(6bits/symbol、4bits/symbol)をそれぞれの変調モードを適用した際に得られたCNR−BER特性と、同一の伝送速度をそれぞれ64QAM変調1多重および16QAM変調1多重によって実現した場合に得られるCNR−BER特性とを対照させて示した。
平均送信電力一定の条件の下でCNR−BER特性を比較すれば、図5に示した64QAM変調1多重を適用した場合よりも、本発明にかかわる変調方式の組み合わせ(上述した64QAM変調と比較して平均電力が3分の1であるQPSK変調3多重)を適用した送信装置では、BER=10-6点において8.2dBのCNR利得があることが分かる。同様に、図6に示した16QAM変調1多重を適用した場合よりも、本発明にかかわる変調方式の組み合わせ(上述した16QAM変調と比較して平均電力が2分の1であるQPSK変調2多重)を適用した送信装置では、同じくBER=10-6点において3.9dBのCNR利得があることが分かる。
本発明にかかわる最適重み付け異種変調多重化伝送のCNR−BER特性は、等電力異種変調多重化伝送のCNR−BER特性に比べて、BER=10-6点において3.5dBのCNR利得があることが分かる。このように、本発明にかかわる異種変調多重化方式に、更に、上述した最適重み付けを適用することにより、高い送信電力利用効率を実現することができる。
(受信装置の実施形態)
図9に、本発明にかかわる符号分割多重通信システムの受信装置の実施形態を示す。また、図10に、受信動作を表す流れ図を示す。
このルックアップテーブル510に格納される設定情報は、図1に示したルックアップテーブル410と同一の設定情報でも良いし、また、例えば、各変調モードに対応する重み係数A1〜Akの組み合わせに代えて、振幅調整処理部503の各調整回路5041〜504kにおいて適用すべき重み解除係数(例えば、1/A1、…、1/Ak)を格納しておくことも可能である。
その後、まだ受信信号がある場合は(ステップ207の否定判定)、ステップ208に進んで、変調モードの変更が指示されたか否かを判定し、このステップ208の肯定判定の場合は、ステップ201に戻って新たな変調モードに対応する設定情報を読み込んでから新たな受信信号についての受信処理を行う。一方、ステップ208の否定判定の場合は、設定情報をそのまま引き継いでステップ202に戻り、新たな受信信号に関する受信処理が行われる。
上述した送信装置と受信装置とを組み合わせて利用することにより、本発明にかかわる符号分割多重通信方法を適用した異種変調多重CDM伝送を行う符号分割多重通信システムを実現することができる。
また、本発明にかかわる符号分割多重通信システムは、CDMA方式で一般に実装される送信電力制御とは独立な技術であり、かつ、この送信電力制御技術と組み合わせて適用可能な技術である。
402 可変変調処理部
4031〜403k 変調回路
4051〜405k 符号拡散回路
4071〜407k 重み付け回路
408 重み付け処理部
409 変調制御回路
410、510 ルックアップテーブル
411 多重化部
501 逆拡散処理部
5021〜502k 符号逆拡散回路
503 振幅調整処理部
5041〜504k 調整回路
505 可変復調処理部
5061〜506k 復調回路
508 並列直列変換回路
509 復調制御回路
601、701 分割回路
602、702 符号分割多重回路
603、703 符号分割逆多重回路
605、705 通信路状態観測回路
604、704 合流回路
606 符号多重数決定回路
706 符号拡散率決定回路
707 割当符号決定回路
Claims (9)
- 変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分割された入力情報系列について、当該入力情報系列を多重化して送信したときに得られる伝送速度を所望の伝送速度としたときに、当該分割された入力情報系列のそれぞれを所望の伝送速度に対応する符号多重数と変調方式によって符号多重数系列の変調信号に変換する際に、前記所望の伝送速度に対応して適用すべき符号多重数とそれぞれの多重対象の符号に適用する変調方式の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された変調方式で前記入力情報系列を変調する可変変調手段と、
前記符号多重数系列の変調信号にそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散変調信号を生成する符号拡散手段と、
前記符号拡散手段によって得られる前記符号多重数系列の拡散変調信号に、前記可変変調手段が取得した前記変調方式の組み合わせについて、平均送信電力を一定とする条件の下で、変調多値数が大きい変調方式に対して大きな重みを割り当て、変調多値数が小さい変調方式に対して小さな重みを割り当てることによって、当該システムにおいて必要とされる伝送品質に定められた目標BERを満たし、かつ、平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された重み係数を乗算する重み付け手段と、
前記重み付けがなされた前記符号多重数系列の拡散変調信号を多重化して送信する送信手段と
を備えた送信装置と、
前記送信装置から受け取った受信信号に、前記符号多重数の逆拡散符号をそれぞれ適用して、前記符号多重数の重み付けされた変調信号の系列を復元する符号逆拡散手段と、
前記符号逆拡散手段によって得られる各系列の重み付けされた変調信号に、前記送信装置の重み付け手段において適用された重み係数に対応する重み解除係数を乗算し、前記符号多重数の変調信号の系列を復元する解除手段と、
前記符号多重数の変調信号の系列それぞれを、前記所望の伝送速度に対応して系列ごとに予め定められた復調方式の組み合わせに従ってそれぞれ復調する可変復調手段と、
前記可変復調手段によって得られる前記符号多重数の復調信号を合流させて前記入力情報系列を再生する合流手段と
を備えた受信装置と
を備え、
前記可変変調手段における前記変調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含み、前記可変復調手段における前記復調方式の組み合わせは、互いに異なる復調方式による組み合わせを含む
ことを特徴とする符号分割多重通信システム。 - 請求項1に記載の符号分割多重通信システムにおいて、
前記送信装置および前記受信装置は、ともに、想定される伝送速度に対応する変調モードそれぞれに対応して、適切な符号多重数の拡散符号に対応させるべき変調方式および適用すべき重み係数の組み合わせを含む共通パラメータを保持するパラメータ保持手段を備え、
前記送信装置において、前記可変変調手段は、前記共通パラメータで示された変調方式の組み合わせに関する情報に従って、前記符号多重数の情報系列それぞれについて適切な変調方式を選択する変調制御手段を備え、
前記符号拡散手段は、前記共通パラメータで示される拡散符号の組み合わせに従って、前記符号多重数の変調信号それぞれについて前記各拡散符号を割り当てる拡散符号割当手段を備え、
前記重み付け手段は、前記共通パラメータで示される重み係数の組み合わせに従って、前記符号多重数の拡散変調信号それぞれについて前記重み係数を設定する重み設定手段を備え、
前記受信装置において、前記符号逆拡散手段は、前記共通パラメータで示される拡散符号の組み合わせに従って、前記符号多重数の逆拡散符号を前記受信信号の逆拡散処理に供する逆拡散符号割当手段を備え、
前記解除手段は、前記共通パラメータで示される重み係数の組み合わせに従って、前記符号逆拡散手段によって得られる前記符号多重数の逆拡散結果に適用する前記重み解除係数を設定する解除係数設定手段を備え、
前記可変復調手段は、前記共通パラメータで示された変調方式の組み合わせに関する情報に従って、前記符号多重数の変調信号それぞれについて適切な復調方式を選択する復調制御手段を備え、
ことを特徴とする符号分割多重通信システム。 - 請求項2に記載の符号分割多重通信システムにおいて、
前記受信装置に備えられる重み解除手段は、前記共通パラメータにおいて、適用された変調方式の組み合わせが定包絡線の位相シフトキーイング方式に含まれる変調方式のみである場合に、前記符号多重数系列の逆拡散結果をそのまま対応する変調信号として前記可変復調手段の処理に供する解除制御手段を備えた
ことを特徴とする符号分割多重通信システム。 - 請求項1に記載の符号分割多重通信システムにおいて、
前記重み付け手段は、符号多重化数それぞれに対応する各拡散符号について、所定の目標ビット誤り率に対して、適用される変調方式の特性を考慮して平均搬送波電力対雑音電力を最小とするように算出された重み係数を保持し、前記拡散符号に対応する拡散変調信号の重み付け処理に供する重み係数保持手段を備えた
ことを特徴とする符号分割多重通信システム。 - 請求項2に記載の符号分割多重通信システムにおいて、
前記共通パラメータにおいて各変調モードに対応して示される変調方式の組み合わせは、
想定される最大の符号多重数の範囲内で、各変調方式による同時伝送可能なビット数の総和が各変調モードに対応する伝送速度に相当するシンボルあたりの情報ビット数以上であって、かつ、選択される変調方式の種類で示される変調多値数の合計を最小とするように決定される
ことを特徴とする符号分割多重通信システム。 - 請求項2に記載の符号分割多重通信システムにおいて、
前記共通パラメータにおいて各変調モードに対応して示される変調方式の組み合わせは、
伝送速度に相当するシンボルあたりの情報ビット数B0が、想定される最大の符号多重数Mと4位相シフトキーイング方式における同時伝送可能ビット数である2との積で示される閾値以下である変調モードでは、適用する変調方式として前記4位相シフトキーイング方式を優先的に選択し、
前記閾値を超えるシンボルあたりの情報ビット数B0に相当する伝送速度に対応する変調モードでは、想定される最大の符号多重数の範囲内で、各変調方式による同時伝送可能なビット数の総和Bが前記シンボルあたりの情報ビット数B0以上であって、かつ、各変調方式における変調多値数の合計を最小とするように決定される
ことを特徴とする符号分割多重通信システム。 - 送信装置において、
入力情報系列を、所望の伝送速度に対応して予め決定された符号多重数とこの符号多重数の系列それぞれに対応して予め複数の変調方式の中から選択された変調方式の組み合わせに、前記組み合わせに含まれる各変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分配することにより、前記符号多重数分の情報系列を形成し、
前記情報系列それぞれを、前記所望の伝送速度に対応して適用すべき符号多重数におけるそれぞれの多重対象の符号に適用する変調方式の組み合わせに従ってそれぞれ指定された変調方式で変調し、
前記各情報系列に対応する変調信号にそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散変調信号を生成し、
前記各情報系列に対応する符号拡散手段によって並列に得られる拡散変調信号に、前記変調処理において適用した前記変調方式の組み合わせについて、平均送信電力を一定とする条件の下で、変調多値数が大きい変調方式に対して大きな重みを割り当て、変調多値数が小さい変調方式に対して小さな重みを割り当てることによって、当該システムにおいて必要とされる伝送品質に定められた目標BERを満たし、かつ、平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された重み係数を乗算し、
前記重み付けがなされた複数系列の拡散変調信号を多重化して送信し、
受信装置において、
前記送信装置から受け取った受信信号に、前記符号多重数の逆拡散符号をそれぞれ適用して、前記符号多重数の重み付けされた変調信号の系列を復元し、
前記符号逆拡散手段によって得られる各系列の重み付けされた変調信号に、前記送信装置の重み付け手段において適用された重み係数に対応する重み解除係数を乗算し、前記符号多重数の変調信号の系列を復元し、
前記符号多重数の変調信号の系列それぞれを、前記所望の伝送速度に対応して系列ごとに予め定められた復調方式の組み合わせに従ってそれぞれ復調し、
前記復調処理によって得られる前記符号多重数の復調信号を合流させて前記入力情報系列を再生し、
前記変調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含み、前記復調処理における前記復調方式の組み合わせは、互いに異なる復調方式による組み合わせを含む
ことを特徴とする符号分割多重通信方法。 - 変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分割された入力情報系列について、当該入力情報系列を多重化して送信したときに得られる伝送速度を所望の伝送速度としたときに、当該分割された入力情報系列のそれぞれを所望の伝送速度に対応する符号多重数と変調方式によって符号多重数系列の変調信号に変換する際に、前記所望の伝送速度に対応して適用すべき符号多重数とそれぞれの多重対象の符号に適用する変調方式の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された変調方式で前記入力情報系列を変調する可変変調手段と、
前記符号多重数系列の変調信号にそれぞれ異なる拡散符号を用いて拡散変調信号を生成する符号拡散手段と、
前記符号拡散手段によって得られる前記符号多重数系列の拡散変調信号に、前記可変変調手段が取得した前記変調方式の組み合わせについて、平均送信電力を一定とする条件の下で、変調多値数が大きい変調方式に対して大きな重みを割り当て、変調多値数が小さい変調方式に対して小さな重みを割り当てることによって、当該システムにおいて必要とされる伝送品質に定められた目標BERを満たし、かつ、平均CNRが最小となる重み係数の組み合わせを取得し、当該組み合わせに従ってそれぞれ指定された重み係数を乗算する重み付け手段と、
前記重み付けがなされた前記符号多重数系列の拡散変調信号を多重化して送信する送信手段と
を備え、
前記可変変調手段における前記変調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含む
ことを特徴とする送信装置。 - 請求項8に記載の送信装置から受け取った受信信号に、符号多重数の逆拡散符号をそれぞれ適用して、前記符号多重数の重み付けされた変調信号の系列を復元する符号逆拡散手段と、
前記符号逆拡散手段によって得られる各系列の重み付けされた変調信号に、前記送信装置において前記各系列の変調信号に適用された重み係数に対応する重み解除係数を乗算し、前記符号多重数の変調信号の系列を復元する解除手段と、
前記符号多重数の変調信号の系列それぞれを、所望の伝送速度に対応して系列ごとに予め定められた復調方式の組み合わせに従ってそれぞれ復調することにより、前記変調方式により定められる同時に伝送可能なビット数に基づいて分割された各入力情報系列に相当する前記符号多重数の復調信号を生成する可変復調手段と、
前記可変復調手段によって得られる前記符号多重数の復調信号を合流させて前記入力情報系列を再生する合流手段と
を備え、
前記可変復調手段における前記復調方式の組み合わせは、互いに異なる変調方式による組み合わせを含む
ことを特徴とする受信装置。
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