JP4731055B2 - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタル通信システムに用いられる無線通信装置及び無線通信方法に関し、特にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式等のマルチキャリア変調方式とCDMA(Code Division Multiple Access)方式とを組み合わせて無線通信を行う無線通信装置及び無線通信方法に適用し得る。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信、特に移動体通信では、音声以外に画像やデータ等の様々な情報が伝送の対象となっている。今後は、様々なコンテンツの伝送に対する需要がますます高くなることが予想されるため、高信頼かつ高速な伝送に対する必要性がさらに高まるであろう。
【0003】
この高信頼かつ高速な伝送を実現するディジタル変調方法として、OFDM変調方式やCDMA変調方式がある。OFDM変調方式は、1つのOFDMシンボル内でマルチパスが収まるように狭帯域化したサブキャリアを複数用いてデータを伝送することにより、結果的に高速伝送を行う。
【0004】
またOFDM変調方式は、データが配置される複数のサブキャリアが相互に直交しているので、マルチキャリア変調方式の中で最も周波数利用効率が高い方式である。またOFDM変調方式は、比較的簡単なハードウエア構成で実現することができる。CDMA変調方式は、元信号をPN符号と呼ばれる拡散符号によって周波数軸上に拡散して、拡散利得を得ることによって耐干渉性及び耐雑音性を高める方式である。
【0005】
これらOFDM変調方式とCDMA方式とを組み合わせたOFDM−CDMA方式が、最近注目されている。OFDM−CDMA方式には、大別して、時間領域拡散方式と周波数領域拡散方式とがある。以下、時間領域拡散方式と周波数領域拡散方式について説明する。
【0006】
先ず、時間領域拡散方式について説明する。図13は、変調処理前のディジタルシンボルの状態を示す模式図であり、図14は、周波数領域拡散方式での変調処理後の各チップの配置を示す模式図である。周波数領域拡散方式では、直列データ系列であるN個のディジタルシンボル(図13)が1シンボルづつ拡散率Mの拡散符号を乗算される。拡散後のチップはM個並列的に、1シンボルづつ順次IFFT処理がなされる。この結果、MサブキャリアのOFDMシンボルがN個生成される。つまり、周波数領域拡散方式では、拡散後のチップが、それぞれの時間において周波数軸上に配置される形になる(図14)。換言すれば、拡散後のチップが、それぞれ異なるサブキャリアに配置される形になる。
【0007】
上記同様に変調処理前の1ディジタルシンボルが、時間幅T、周波数帯域幅Bの無線リソースを使用すると仮定すると(図13)、変調処理後では、1チップが時間幅N×T、周波数帯域幅B/Nを使用することになる。したがって、時間−周波数領域に占める1ディジタルシンボル当たりの面積は、時間領域拡散方式と同様M×T×Bとなり、変調処理前の1ディジタルシンボルが占める面積のM倍となる。
【0008】
ここで、例えば、ディジタルシンボル数N=8、拡散率M=8とした場合、周波数領域拡散方式により生成されるOFDMシンボルの信号パターンは、図15に示すようになる。この図に示すように、周波数領域拡散方式では、時間軸上の白黒の濃淡で区別する8個のディジタルシンボルに対応して、t0〜t7で8個のOFDMシンボルが順次生成される。その際、各ディジタルシンボルにおける8個のチップが、それぞれ異なるサブキャリアf1〜f8に割り当てられる。
【0009】
以上説明したようなOFDM変調方式とCDMA変調方式を組み合わせることにより、効率の良いリユースを実現したり、統計多重効果を得ることができる。尚かつ、シングルキャリアのCDMAより高速なデータ伝送も実現することができる。なお、リユースとは、隣接セルにおいて同一周波数を使用可能とすることである。また、統計多重効果とは、データ有無がユーザによってランダムに生じる場合に、互いに送信しない区間のエネルギー低減によって、連続送信する場合に比べ、より多くのユーザの信号を収容できることである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したOFDM−CDMA方式では、時間軸上で見れば、マルチパス等に起因する遅延波の影響を受けないが、周波数軸上で見ると周波数フェージングを受けることにより通信品質が劣化する場合がある。
【0011】
先ず、マルチパスの無い環境下を考えると、周波数特性は全てのサブキャリアにおいてほぼ一定となる。受信レベルが高い場合には問題とならないが、全周波数領域において一様のフラットフェージングを受けているときには、全てのサブキャリアの受信レベルが低くなる。このような場合、通信が成立しなくなり、かつそれを回避するための方法もないという問題がある。
【0012】
またフラットフェージングが生じている場合には、受信側において全てのサブキャリアの受信レベルが低くなるために、受信時において周波数ダイバーシチによる効果が低くなり、データの復元率が低下する問題がある。
【0013】
さらにマルチパスがある場合においても、マルチパスの遅延スプレッドが比較的少ない場合、例えば主波と遅延波の時間間隔が1チップ分や2チップ分といったように短い場合、全サブキャリアの周波数特性(受信レベル)はほぼ一定となる。この結果受信側での逆拡散利得が十分に得られないことにより、所望の周波数ダイバーシチ効果が得られない。従って、受信側でのデータ復元率も低下する問題がある。
【0014】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、送信信号を複数のサブキャリアに周波数分割多重して送受信する場合に、フェージングによる悪影響を抑制して高品質の無線通信を行うことができる簡易な構成の無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線通信装置は、送信信号を直並列変換するシリアルパラレル変換手段と、前記シリアルパラレル変換手段から並列出力された各送信信号に対して位相回転量をランダムに変化させる位相回転処理を施す位相回転手段と、前記各送信信号に対して周波数変換処理を施すことにより、各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に振り分けて周波数分割多重する第1の直交周波数分割多重手段と、前記位相回転手段により形成された各位相回転信号に対して周波数変換処理を施すことにより、位相が回転した各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する第2の直交周波数分割多重手段と、前記第1の直交周波数分割多重手段により形成されたマルチキャリア信号を発信する第1のアンテナと、前記第2の直交周波数分割多重手段により形成されたマルチキャリア信号を発信する第2のアンテナとを具備する構成を採る。
【0034】
この構成によれば、第2のアンテナから発信されるマルチキャリア信号は、第1のアンテナから発信されるマルチキャリア信号に対して位相が異なるので、受信される際には、これら2つの信号の間に周波数選択性フェージングが生じる。この結果、受信側では、周波数分割多重処理による、データが周波数軸上に広く分布しているといった特徴を有効に利用して、大きな周波数ダイバーシチ利得を得て受信信号を復元できる。
【0035】
また本発明の無線通信装置は、マルチキャリア信号の受信側において受信信号の主波に対する遅延波の遅延量を求め、当該遅延量に基づいて位相回転手段の位相回転量を選定する構成を採る。
【0036】
この構成によれば、現在の伝送路がマルチパスの少ない経路であることを示すような遅延量であった場合(すなわち遅延量が小さい場合)には、送信信号は周波数選択性フェージングをあまり受けていないと考えられるので、位相回転手段による位相回転量を大きくして周波数選択性フェージングを生じさせる。かくして、伝送路の状態に応じて適応的に周波数選択性フェージングを生じさせることができるようになる。
【0037】
また本発明の無線通信装置は、マルチキャリア信号の受信側においてマルチキャリア信号のドップラー周波数を測定するドップラー周波数測定手段を設け、ドップラー周波数が低い場合には、位相回転手段の位相回転量をランダムに変化させる構成を採る。
【0038】
この構成によれば、ドップラー周波数が低い場合には受信信号は周波数選択性フェージングの影響を受け、受信レベルの低いところは低いまま、受信レベルが高いところは高いままとなり、受信レベルの低いところのみで通信しているユーザを救うために位相回転量をランダムに変化させる。位相回転量をランダムに変化させれば送信信号に異なる周波数選択性フェージングを生じさせることができ、受信レベルの低いところのレベルを変化させることができる。この結果、単にドップラー周波数の大きさを測定し、それに応じて位相回転量をランダムに変えるといった簡易な構成で送信信号に異なる周波数選択性フェージングを生じさせることができる。
【0041】
本発明の無線通信方法は、送信信号を直並列変換する第1のステップと、前記第1のステップにより並列出力された各送信信号に対して位相回転量をランダムに変化させる位相回転処理を施す第2のステップと、前記各送信信号に対して周波数変換処理を施すことにより、各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に振り分けて周波数分割多重する第3のステップと、前記第2のステップにより形成された各位相回転信号に対して周波数変換処理を施すことにより、位相が回転した各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する第4のステップと、前記第3のステップにより形成されたマルチキャリア信号を発信する第5のステップと、前記第4のステップにより形成されたマルチキャリア信号を発信する第6のステップと、を有する。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、送信信号を周波数の異なる複数のサブキャリアに周波数分割多重して形成した変調信号に対して、意図的に周波数選択性フェージングを生じさせることである。これにより周波数軸上で見ると、ある周波数では利得は小さくなるが、周波数全体で考えると一様に利得が小さくなることを回避できる。この結果、受信側では、マルチキャリア信号における周波数軸上にデータが広く分散しているといった特徴を十分に活用したデータ復元処理を行なうことができ、伝送劣化の小さい良好な復元データを得ることができるようになされている。
【0043】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0044】
(実施の形態1)
図1において、1は全体として無線通信装置を示し、無線基地局に設けられている。無線通信装置1は送信部2と受信部3とにより構成されている。この実施の形態の場合、下り回線では、OFDM変調方式とCDMA方式とを組み合わせたOFDM−CDMA方式のうちの周波数領域拡散方式(以下、この方式をマルチキャリアCDMA方式と呼び、この方式により形成された信号をマルチキャリアCDMA信号と呼ぶ)で変調した信号を移動局に対して送信する。これに対して、上り回線では、CDMA方式で変調した信号を基地局に対して送信する。
【0045】
このため無線通信装置1においては、送信部2がマルチキャリアCDMA方式により入力信号を変調して送信する構成となっているのに対して、受信部3がCDMA方式で変調された信号を復調する構成となっている。
【0046】
送信部2は、送信信号D1を拡散手段である乗算回路4に入力する。乗算回路4は送信データD1に拡散符号PNを乗じることにより、送信信号D1をチップ単位で拡散する。
【0047】
乗算回路4により得られた拡散信号D2は続くシリアルパラレル変換(S/P変換)回路5によってサブキャリア数と同じ数に並列変換された後、逆フーリエ変換回路6に送出される。逆フーリエ変換回路6はパラレルデータに対して逆フーリエ変換処理を施すことにより、図2に示すように、拡散信号の各チップを周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する。
【0048】
逆フーリエ変換回路6から出力された周波数分割多重信号D2Aは、パラレルシリアル変換(P/S変換)回路7により直列変換された後、ガードインターバル挿入回路(+GI)8に送出される。そしてガードインターバル挿入回路8でガードインターバルが挿入され、図示しないディジタルアナログ変換回路を介して、マルチキャリアCDMA信号D3が形成される。
【0049】
ガードインターバル挿入回路8は入力信号に対して所定間隔毎にガードインターバルを挿入する。これにより送信信号の受信側への到達時点がマルチパスにより異なった場合でも、異なる信号同士の干渉を防止できるようになされている。
【0050】
具体的には、図3に示すように、有効シンボル長Tでなる各シンボルi、j、kの間にガードインターバルΔtを挿入する。この結果、それぞれの経路長の違いにより、図3(a)、(b)、(c)、(d)のように時間差のある信号を受信した場合でも、図3(e)に示すように、それらの信号を異なるもの同士が混ざり合わないかたちで合成できる。そして図3(f)に示すように、ガードインターバルΔtに相当する時間分の信号を削除すれば、元の各シンボルi、j、kが復元される。
【0051】
無線通信装置1の送信部2はこのようにガードインターバル挿入回路8でガードインターバルΔtを挿入すると、続く送信RF回路9によりマルチキャリアCDMA信号D3に対してアップコンバート処理や増幅処理を施すことにより送信マルチキャリアCDMA信号D4を形成する。
【0052】
ここで送信部2は2つのアンテナAN1、AN2を有し、送信マルチキャリアCDMA信号D4を、アンテナAN1には直接供給すると共に、アンテナAN2には遅延器10を介して供給する。遅延器10は、後述する送信マルチキャリアCDMA信号D4を受信する無線通信装置20により求められる遅延データに基づいて遅延量が選定される。これによりアンテナAN2からはアンテナAN1に対して遅延器10の遅延量分だけ遅延された送信マルチキャリアCDMA信号D4が発信される。
【0053】
一方、受信部3は、移動局の送信部から発信された送信CDMA信号をアンテナAN1により受信した後、受信RF回路11に入力する。受信RF回路は入力したCDMA信号に対してダウンコンバートやAGC(自動利得制御)処理を施した後、合成回路12に送出する。
【0054】
合成回路12はRAKE合成器でなり、CDMA信号をチップ単位で位相合わせすると共に変調時と同じ拡散符号を用いることにより、チップ単位で拡散した信号から元のデータを復元する。遅延データ抽出回路13は復元データに含まれる遅延データD10を抽出し、この遅延データD10を遅延器10に送出する。ここでこの遅延データD10は、移動局側で送信部2から発信される送信マルチキャリアCDMA信号を受信したときに、主波と遅延波の到達時間差を検出した結果である。なお遅延器10は遅延データD10に応じて遅延時間を変えることができる構成となっており、遅延データD10に応じて遅延量を変化させる。
【0055】
次に、図4に示す移動局側の無線通信装置20の構成について説明する。無線通信装置20の受信部21は基地局の送信部2のアンテナAN1、AN2から発信された送信マルチキャリアCDMA信号をアンテナAN10で受信し、受信RF回路23によりダウンコンバートやAGC等の処理を行なった後、続くガードインターバル削除回路(−GI)によって余分となったガードインターバルを削除する。ガードインターバルが削除されたマルチキャリアCDMA信号はシリアルパラレル変換(S/P)回路25を介してフーリエ変換回路26に送出される。
【0056】
フーリエ変換回路26はマルチキャリアCDMA信号をフーリエ変換することにより、各サブキャリアにより伝送された信号を取り出す。そして各サブキャリアにより伝送された信号は、それぞれチャネル推定回路c1〜cMにより、信号に付加されているパイロット信号に基づいて、伝送路で生じた位相変動等が推定され、当該推定結果に基づいて各信号の位相補償がなされる。
【0057】
位相補償された信号は続く合成回路27により合成される。合成回路27は、パラレルシリアル変換回路及び逆拡散器でなり、入力される並列データを直列化し、逆拡散することによりCDMA信号を得る。
【0058】
また受信RF回路23の出力は遅延量検出回路28に入力される。遅延量検出回路28は相関演算などにより主波と遅延波の時間差を所定間隔で求め、これを遅延データD10として遅延データ付加回路30に送出する。
【0059】
ところで、意図的に発生させた周波数選択性フェージングの影響については、確かにマルチキャリアCDMA信号の複数のサブキャリアのうちある周波数のサブキャリでは周波数選択性フェージングの影響を受けて利得が小さくなる。しかしマルチキャリアCDMA方式では、CDMA信号の各チップは1つのサブキャリアにまとめるようにして伝送するのではなく、複数のサブキャリアに振り分けるようにして伝送しているので、全てのチップの利得が下がるのではなく、一部分のチップの利得のみが下がる。エネルギー保存則により、一部分のチップの利得が下がるということは、1部分のチップの利得が上がることを意味し、合成回路27でこれらのチップを合成(逆拡散)することでほぼ元の状態と同じシンボル波形を再生することができる。
【0060】
送信部22は送信信号をCDMA変調して基地局に発信する。すなわち送信部22は送信信号D20及び遅延データD10を乗算回路29に入力させると、乗算回路29によって送信信号D20の各シンボルごとに所定の拡散符号PNを乗じることにより拡散信号D21を形成する。拡散信号D21は続く送信RF回路31によってアップコンバート処理や増幅処理が施される。このようにして形成された送信CDMA信号D22はアンテナAN10によって発信される。
【0061】
以上の構成において、送信部2に入力された入力信号D1の各シンボルは、拡散部4によって拡散符号PNが乗じられることによりチップ単位で周波数軸上に拡散された拡散信号D2とされる。次に拡散信号D2は逆フーリエ変換回路6によって逆フーリエ変換処理され、互いに直交関係にあるサブキャリア上に各チップ単位で振り分けられるように重畳される。
【0062】
次にこの信号に対してガードインターバル挿入回路8でガードインターバルが挿入され、送信RF回路9でアップコンバート処理が施される。そしてこのようにして形成された送信マルチキャリアCDMA信号D4はアンテナAN1から発信される。
【0063】
また送信マルチキャリアCDMA信号D4は遅延器10により遅延された後、アンテナAN2から発信される。ここで遅延器10は遅延データ抽出回路13から抽出された遅延データD10に応じて遅延量を適応的に変化させる。
【0064】
遅延データD10はマルチキャリアCDMA信号の受信側において、主波と遅延波の到達時間差として求められたものであり、遅延器10はこの到達時間差がガードインターバルの範囲内で最大となる遅延量を選択する。これにより2つのアンテナAN1、AN2から発信された同一のマルチキャリアCDMA信号は、受信復調の際に、異なる信号同士がガードインターバルに保護されて干渉し合わない範囲内で、周波数選択性フェージングを最も大きく受けるようになされている。
【0065】
アンテナAN1及びAN2から出力されたマルチキャリアCDMA信号は受信部21により受信され、送信部2と逆の処理が施されることにより復元される。このときアンテナAN1から発信された送信マルチキャリアCDMA信号とアンテナAN2から発信された送信マルチキャリアCDMA信号は、互いに干渉し合った後受信される。この結果、これら2つの信号は恰もマルチパス干渉を受けた信号のように周波数選択性フェージングを受けた受信信号となる。
【0066】
すなわち、互いに直交関係にある複数のサブキャリアのうち、ある周波数のサブキャリアはフェージングを受けて利得が小さくなるが、別の周波数のサブキャリアはフェージングの影響が小さく、さらにはフェージングの影響を受けることにより強め合って利得が大きくなる。
【0067】
ここでマルチキャリアCDMA方式では、CDMA信号の各チップを1つのサブキャリアにまとめるようにして伝送するのではなく、複数のサブキャリアに振り分けるようにして伝送しているので、全てのチップの利得が下がるのではなく、一部分のチップの利得のみが下がる。エネルギー保存則により、一部分のチップの利得が下がるということは、1部分のチップの利得が上がることを意味し、合成回路27でこれらのチップを合成(逆拡散)することでほぼ元の状態と同じシンボル波形を再生することができる。
【0068】
かくして周波数軸上にデータを拡散すると共にこの拡散したデータを異なる周波数のサブキャリアに周波数分割多重して発信するといったマルチキャリアCDMA方式の特徴を有効に利用して、大きな周波数ダイバーシチ利得を得ることができる。
【0069】
ここでマルチキャリアCDMA信号が伝送路上で受けるフェージングについて考える。説明上、先ずアンテナAN2を設けない場合について考える。マルチキャリアCDMA信号にはシンボル間隔毎にガードインターバルが挿入されているので、時間軸上で見ると遅延波の影響を受けない。
【0070】
しかし、周波数軸上で見ると周波数選択性フェージングを受ける。これについて説明する。受信側では、図2に示すような周波数方向に拡散されたマルチキャリアCDMA信号を受信する。ここで無線伝送路においてマルチパスが無く、受信レベルが比較的高い場合には、図5(A)に示すように、マルチキャリアCDMA信号に無線伝搬路や受信回路のノイズのみが加わって受信される。またフェージング変動が落ち込んでいる場合には、図5(B)に示すように、各サブキャリアの受信レベルは一様に低くなる。
【0071】
マルチパスが存在し、その遅延スプレッドが小さい場合(主波と遅延波の時間相関がある場合)には、フェージングの受け方の周波数特性は緩やかに変化する。この場合、図6に示すように、隣接するサブキャリア間での周波数相関は大きなものとなり、図5で示したフラットフェージングと同じように一様の周波数特性となる。このような場合には、本来マルチキャリアCDMAで得られるべき、拡散による効果が少なくなる。
【0072】
一方、マルチパスが存在し、その遅延スプレッドが大きい場合(主波と遅延波の時間相関が無い場合)には、図7に示すように、フェージングの受け方の周波数特性は大きく変化し、ノッチもマルチパスの数に比例して多くなる。この場合、隣接するサブキャリア間での周波数相関は小さなものとなり、図5のフラットフェージングとは異なってくる。
【0073】
本発明では、これらを考慮して、マルチパスCDMA信号に対して積極的に大きな遅延スプレッドを生じさせることで隣接するサブキャリア間の相関を小さくし、周波数ダイバーシチ効果を大きくする。
【0074】
すなわち本発明では、マルチキャリアCDMA方式がそれぞれ周波数の異なる複数のサブキャリアに拡散信号の各チップを周波数分割多重していることに着目して、全ての周波数のサブキャリアに亘って一様にフェージングが生じると信号の復元率が低下するので、マルチキャリアCDMA信号に対して積極的に周波数選択性フェージングを生じさせようとするものである。このために本発明では、できるだけマルチパスが多くなるような送受信を行なう。
【0075】
次に、マルチキャリアCDMA信号の周波数ダイバーシチについて説明する。図8の上図にマルチパスが多い場合の受信信号のインパルス応答とフーリエ変換後の周波数特性を示し、図8の下図にマルチパスが少ない場合の受信信号のインパルス応答とフーリエ変換後の周波数特性を示す。図8からも明らかなようにマルチパスが多いほど、ノッチの数が多くかつノッチの幅が狭い。これに対してマルチパスが少ないほど、ノッチの数が少なくかつ緩やかなノッチとなる。
【0076】
ここで複数のマルチパスが存在している場合を想定して、図9に示すように、1つのサブキャリアに注目してみる。1つのサブキャリアはレイリーフェージング変動しており、離れたサブキャリアもレイリーフェージング変動している。しかし、このレイリーフェージング変動は周波数が離れているほど相関がなくなる。またノッチが多いほど隣り合うサブキャリア間のレイリーフェージング変動は相関がなくなる。かくして、マルチキャリアCDMA方式では、サブキャリアの周波数ダイバーシチを行なっているため、相関がないほど合成利得が得られる。
従ってマルチパスが多いほど利得が得られる。
【0077】
かくして以上の構成によれば、送信マルチキャリアCDMA信号を時間差をもたせて発信することで意図的に周波数選択性フェージングを生じさせるようにしたことにより、マルチキャリアCDMA信号の特徴を有効に活用して大きな周波数ダイバーシチ利得を得ることができ、この結果伝送劣化の少ない復元データを得ることができる。
【0078】
またアンテナAN2から発信する送信マルチキャリアCDMA信号の遅延時間を、受信復調の際に異なる信号同士がガードインターバルに保護されて干渉し合わない範囲内で、かつ周波数選択性フェージングを最も大きく生じさせることができる値に選定したことにより、一段とマルチキャリアCDMA信号の特徴を活かした高品質の復元データを得ることができる。
【0079】
(実施の形態2)
図1及び図4との対応部分に同一符号を付して示す図10及び図11は、本発明の実施の形態2による無線通信装置の構成を示す。図10に示す無線通信装置40は無線基地局に設けられており、送信部41により通常のマルチキャリアCDMA信号を形成して発信すると共に受信部42によりCDMA信号を受信するようになっている。つまり図11に示す移動局側の無線通信装置50は、受信部51により送信部41(図10)から発信されたマルチキャリアCDMAを復調すると共に送信部52によりCDMA信号を形成して受信部42(図10)に発信するようになっている。
【0080】
無線通信装置40の送信部41は、送信信号D1を拡散手段である乗算回路4に入力する。乗算回路4は送信信号D1に拡散符号PNを乗じることにより、送信信号D1をチップ単位に拡散する。乗算回路4により得られた拡散信号D2は続くシリアルパラレル変換(S/P変換)回路5によってサブキャリア数と同じ数に並列変換された後、逆フーリエ変換回路6に送出される。
【0081】
逆フーリエ変換回路6はパラレルデータに対して逆フーリエ変換処理を施すことにより、図2に示すように、拡散信号D2の各チップを周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する。
【0082】
逆フーリエ変換回路6から出力された信号は、パラレルシリアル変換回路7により直列変換された後、ガードインターバル挿入回路8に送出され、ここで所定間隔毎にガードインターバルが挿入され、図示しないディジタルアナログ変換回路を介してマルチキャリアCDMA信号D3が形成される。送信RF回路9は入力信号に対してアップコンバート処理や増幅処理を施し、これにより送信マルチキャリアCDMA信号D4が形成され、これをアンテナAN1に出力する。
【0083】
アンテナAN1から発信された送信マルチキャリアCDMA信号D4は移動局である図11の無線通信装置50の受信部51に受信される。受信部51は送信マルチキャリアCDMA信号D4を2つのアンテナAN20、AN21により受信する。アンテナAN20で受信された信号はそのまま加算回路53に入力される。これに対してアンテナAN21で受信された信号は遅延器54により所定時間遅延された後、加算回路53に入力される。
【0084】
遅延器54の遅延時間は、遅延量検出回路28により得られる遅延データD10に基づいて選定される。この結果、加算回路53には同一のマルチキャリアCDMA信号が時間差をもって入力されることにより、加算回路53からは恰も伝送路上で周波数選択性フェージングを受けたかのようなマルチキャリアCDMA信号が出力される。実際には、加算回路53に入力されるマルチキャリアCDMA信号は、単に、遅延器54で与えられた時間差だけでなく、マルチパスによる遅延時間差も有している。
【0085】
加算回路53の出力は受信RF回路23に入力され、受信RF回路23によりダウンコンバートやAGC処理が施された後、ガードインターバル削除回路24に送出される。ガードインターバル削除回路24は余分となったガードインターバルを削除し、ガードインターバル削除後の信号をシリアルパラレル変換(S/P変換)回路25を介してフーリエ変換回路26に送出する。
【0086】
フーリエ変換回路26はマルチキャリアCDMA信号をフーリエ変換することにより、各サブキャリアにより伝送された信号を取り出す。そして各サブキャリアにより伝送された信号はそれぞれチャネル推定回路c1〜cMにより、信号に付加されているパイロット信号に基づいて、伝送路で生じた位相変動等が推定され、当該推定結果に基づいて各信号の位相補償がなされる。
【0087】
位相補償された信号は続く合成回路27により合成される。合成回路27は、パラレルシリアル変換回路及び逆拡散器でなり、入力される並列データを直列化し、逆拡散することによりCDMA信号を得る。
【0088】
ここで遅延量検出回路28は受信RF回路23の出力を入力し、相関演算などにより主波と遅延波の時間差を所定間隔で求め、この検出結果を遅延データD10として遅延器54に送出する。
【0089】
すなわち遅延データD10は、主波と遅延波の時間差を表すものであり、遅延器54はこの時間差がガードインターバルの範囲内で最大となる遅延量を選択する。これにより加算回路53から出力されるマルチキャリアCDMA信号は、異なる信号同士がガードインターバルに保護されて干渉し合わない範囲内で、周波数選択性フェージングが最も大きく生じたものとなる。
【0090】
送信部52は送信信号D20をCDMA変調して基地局に発信する。すなわち送信部52は送信信号D20を乗算回路29に入力すると、当該乗算回路29によって送信信号D20の各シンボル毎に所定の拡散符号PNを乗じることにより拡散信号D21を形成する。拡散信号D21は送信RF回路31によってアップコンバート処理や増幅処理が施される。このようにして形成された送信CDMA信号D22はアンテナAN20によって発信される。
【0091】
一方、受信部42(図10)は移動局の送信部52から発信されたCDMA信号をアンテナAN1により受信した後、受信RF回路11に入力する。受信RF回路11は入力したCDMA信号に対してダウンコンバートやAGC処理を施した後、合成回路12に送出する。そして合成回路12のRAKE合成器により元のデータが復元される。
【0092】
以上の構成において、移動局を構成する無線通信装置50(図11)の受信部51は、送信マルチキャリアCDMA信号を2つのアンテナAN20、AN21で受信し、その一方を所定時間遅延させる。この結果、アンテナAN20からフラットフェージングを受けた信号を受信した場合でも、加算回路53からは恰もマルチパス干渉を受けたかのような、換言すれば周波数選択性フェージングを受けたかのような出力信号が得られる。
【0093】
かくして、受信部51ではこのような周波数選択性フェージングを受けた信号に対してデータの復元処理を行なうことができるので、実施の形態1で上述した場合と同様に大きな周波数ダイバーシチ利得を得ることができ、この結果伝送劣化の少ない復元データを得ることができる。
【0094】
かくして以上の構成によれば、マルチキャリアCDMA信号を2つのアンテナAN20、AN21で受信すると共に一方の信号を遅延させ、これら時間差のあるマルチキャリアCDMA信号からデータを復元するようにしたことにより、マルチキャリアCDMA信号の特徴を有効に活用して大きな周波数ダイバーシチ利得を得ることができる。この結果、劣化の少ない復元データを得ることができる。
【0095】
(実施の形態3)
図1との対応部分に同一符号を付して示す図12は、実施の形態3の無線通信装置60を示す。無線通信装置60の送信部61はシリアルパラレル変換(S/P変換)回路5から出力されるサブキャリア数分の並列信号を逆フーリエ変換回路6Aに送出すると共に、サブキャリア数分だけ設けられた位相器H1〜HMにそれぞれ送出する。
【0096】
各位相器H1〜HMはサブキャリアに対応した拡散信号D2のチップを入力すると共に、受信部62の遅延データ抽出回路13により抽出された遅延データD10を入力する。各位相器H1〜HMは遅延データD10に応じて入力信号の位相を回転させて出力する。
【0097】
実際上、各位相器H1〜HMは、現在の無線伝送路がマルチパスの少ない経路であることを意味する遅延データD10を得た場合には、送信マルチキャリアCDMA信号は無線伝送路上で周波数選択性フェージングをあまり受けていないと考えられるので、位相回転量を大きくして周波数選択性フェージングのある信号を形成させる。これにより、無線伝送路の状態に応じて適応的に周波数選択性フェージングを形成することができるようになる。
【0098】
位相が回転された並列信号は逆フーリエ変換回路6B、パラレルシリアル変換回路7B、ガードインターバル挿入回路8B及び送信RF回路9Bを順次介してアンテナAN31に供給される。ここで逆フーリエ変換回路6B、パラレルシリアル変換回路7B、ガードインターバル挿入回路8B及び送信RF回路9Bは、逆フーリエ変換回路6A、パラレルシリアル変換回路7A、ガードインターバル挿入回路8A及び送信RF回路9Aと同様の構成となっている。
【0099】
この結果、アンテナAN31からはアンテナAN30から発信される送信マルチキャリアCDMA信号に対して位相の異なる送信マルチキャリアCDMA信号が発信されるので、受信される際には、これら2つの信号は互いに干渉し合い周波数選択性フェージングをもった信号となる。これにより受信側では実施の形態1と同様に大きな周波数ダイバーシチ利得を得ることができるので、伝送による劣化の少ない復元データを得ることができる。
【0100】
因みにこの無線通信装置60と通信する無線通信装置は、図4の無線通信装置20と同様の構成とすればよい。
【0101】
(他の実施の形態)
なお上述した実施の形態においては、マルチキャリアCDMA信号に周波数選択性フェージングを生じさせる手法として、受信信号の主波と遅延波の時間差に応じて、実施の形態1では送信する際に一方の信号を遅延させ、実施の形態2では受信する際に一方の信号を遅延させ、実施の形態3では送信する際に一方の信号の位相を回転させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別の情報に基づいて周波数選択性フェージングを生じさせてもよい。
【0102】
例えば、図4に示す無線通信装置20の受信部21に受信マルチキャリアCDMA信号のドップラー周波数を測定する回路を設け、測定結果を送信部22により図1の無線通信装置1の受信部2に送出する。そして無線通信装置1はこのドップラー周波数測定結果に基づいて遅延器10の遅延量を変化させるようにする。
【0103】
実際には、ドップラー周波数が所定値より低い場合には、遅延器10の遅延量をランダムに変化させるようにする。つまり、ドップラー周波数が低い場合には受信信号は周波数選択性フェージングの状態があまり変化しないと考えられるので、このような場合は遅延量をランダムに変化させる。遅延量をランダムに変化させれば、異なる周波数選択性フェージングが生じて近傍の変調信号同士の相関が変わりフェージングもランダム化される。従って、受信側で劣化の少ない復元データを得ることができる。
【0104】
また同様に、図11に示す無線通信装置50の受信部51に受信マルチキャリアCDMA信号のドップラー周波数を測定する回路を設け、ドップラー周波数が所定値より低い場合には、遅延器54の遅延量をランダムに変化させるようにしてもよい。
【0105】
さらに図12の位相器H1〜HMの位相回転量を受信側でのドップラー周波数測定結果に応じて変化させてもよい。この場合、ドップラー周波数が所定値より低い場合に、位相回転量をランダムに変化させれば、所望の周波数選択性フェージングが生じたマルチキャリアCDMA信号を形成することができる。
【0106】
また上述した実施の形態1においては、遅延器10により遅延された送信マルチキャリアCDMA信号をアンテナAN2から発信した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、遅延器10の出力端をアンテナAN1に接続して、遅延されていない送信マルチキャリアCDMA信号と一緒にアンテナAN1から発信するようにしてもよい。この場合、アンテナAN2を省略できるので構成を簡単化できる。
【0107】
同様に、上述した実施の形態2においては、2つのアンテナAN20、AN21を設け、一方のアンテナAN21で受信したマルチキャリアCDMA信号を遅延器で遅延させた後、加算回路53に供給した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、アンテナAN21を省略して、遅延器54にアンテナAN20の出力を入力させるようにしてもよい。
【0108】
また上述した実施の形態においては、周波数軸上に拡散した拡散信号の各チップを、周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する場合、換言すればOFDM変調方式とCDMA変調方式を組み合わせた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、マルチキャリア信号は互いに直交していなくてもよい。つまり、周波数軸上に拡散した拡散信号の各チップを、周波数が異なるマルチキャリア信号に周波数分割多重するようにしても、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0109】
また上述した実施の形態においては、遅延量の算出やドップラー周波数の算出を受信機側で行っていたが、上り回線と下り回線の搬送波周波数が異なっても遅延量やドップラーはそれほど変化しないので、受信機側が送信する信号を受信する送信機側の受信部(例えば図1の受信部3)で測定することもでき、このようにした場合も上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
さらに上述した実施の形態においては、下り回線用としてマルチキャリアCDMA信号を形成し、上り回線用としてCDMA信号を形成する場合について述べたが、本発明の無線通信装置はこれに限らず、上下両回線共にマルチキャリアCDMA信号で送信するようにしてもよい。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送信信号を周波数が異なるマルチキャリア信号に周波数分割多重した信号に対して、意図的に周波数選択性フェージングを生じさせるようにしたことにより、フェージングによる悪影響を抑制して高品質の無線通信を行うことができる簡易な構成の無線通信装置及び無線通信方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の無線通信装置の構成を示すブロック図
【図2】OFDM−CDMA方式により形成した信号の説明に供する略線図
【図3】ガードインターバルの説明に供する略線図
【図4】図1の無線通信装置と通信する無線通信装置の構成を示すブロック図
【図5】フェージングの説明に供する略線図
【図6】周波数選択性フェージングの説明に供する略線図
【図7】周波数選択性フェージングの説明に供する略線図
【図8】実施の形態1の動作の説明に供する略線図
【図9】実施の形態1の動作の説明に供する略線図
【図10】実施の形態2の無線通信装置の構成を示すブロック図
【図11】図10の無線通信装置と通信する無線通信装置の構成を示すブロック図
【図12】実施の形態3の無線通信装置の送信部の構成を示すブロック図
【図13】変調前のディジタルシンボルの状態を示す略線図
【図14】周波数領域拡散方式の各チップの配置を示す略線図
【図15】周波数領域拡散方式の各チップの配置を示す略線図
【符号の説明】
1、20、40、50、60 無線通信装置
2、22、41、52、61 送信部
3、21、42、51、62 受信部
4、29 乗算回路
6 逆フーリエ変換回路
8 ガードインターバル挿入回路
10 遅延器
12、27 合成回路
13 遅延データ抽出回路
26 フーリエ変換回路
28 遅延量検出回路
30 遅延データ付加回路
53 加算回路
D1、D20 送信信号
D2、D21 拡散信号
D3 マルチキャリアCDMA信号
D4 送信マルチキャリアCDMA信号
D10 遅延データ
PN 拡散符号
AN1、AN2、AN10、AN20、AN21、AN30、AN31 アンテナ

Claims (4)

  1. 送信信号を直並列変換するシリアルパラレル変換手段と、
    前記シリアルパラレル変換手段から並列出力された各送信信号に対して位相回転量をランダムに変化させる位相回転処理を施す位相回転手段と、
    前記各送信信号に対して周波数変換処理を施すことにより、各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に振り分けて周波数分割多重する第1の直交周波数分割多重手段と、
    前記位相回転手段により形成された各位相回転信号に対して周波数変換処理を施すことにより、位相が回転した各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する第2の直交周波数分割多重手段と、
    前記第1の直交周波数分割多重手段により形成されたマルチキャリア信号を発信する第1のアンテナと、
    前記第2の直交周波数分割多重手段により形成されたマルチキャリア信号を発信する第2のアンテナと、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  2. マルチキャリア信号の受信側において受信信号の主波に対する遅延波の遅延量を求め、当該遅延量に基づいて位相回転手段の位相回転量を選定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. マルチキャリア信号の受信側においてマルチキャリア信号のドップラー周波数を測定するドップラー周波数測定手段を設け、ドップラー周波数が所定値よりも低い場合には、位相回転手段の位相回転量をランダムに変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 送信信号を直並列変換する第1のステップと、
    前記第1のステップにより並列出力された各送信信号に対して位相回転量をランダムに変化させる位相回転処理を施す第2のステップと、
    前記各送信信号に対して周波数変換処理を施すことにより、各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に振り分けて周波数分割多重する第3のステップと、
    前記第2のステップにより形成された各位相回転信号に対して周波数変換処理を施すことにより、位相が回転した各送信信号を周波数が異なりかつ互いに直交関係にあるマルチキャリア信号に周波数分割多重する第4のステップと、
    前記第3のステップにより形成されたマルチキャリア信号を発信する第5のステップと、
    前記第4のステップにより形成されたマルチキャリア信号を発信する第6のステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
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