JP2009055395A - 通信装置におけるピーク電力低減装置 - Google Patents

通信装置におけるピーク電力低減装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009055395A
JP2009055395A JP2007220751A JP2007220751A JP2009055395A JP 2009055395 A JP2009055395 A JP 2009055395A JP 2007220751 A JP2007220751 A JP 2007220751A JP 2007220751 A JP2007220751 A JP 2007220751A JP 2009055395 A JP2009055395 A JP 2009055395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase rotation
phase
pattern
peak power
symbol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007220751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4932641B2 (ja
Inventor
Koichi Sueda
康一 末田
Atsushi Nagate
厚史 長手
Teruya Fujii
輝也 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SoftBank Corp
Original Assignee
SoftBank Mobile Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SoftBank Mobile Corp filed Critical SoftBank Mobile Corp
Priority to JP2007220751A priority Critical patent/JP4932641B2/ja
Publication of JP2009055395A publication Critical patent/JP2009055395A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4932641B2 publication Critical patent/JP4932641B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 高速かつ高性能の処理装置を必要としないと共に、伝送品質を劣化させることなくピーク電力を低減する。
【解決手段】 位相制御部26は、位相パターンテーブル25から順次位相回転パターンを選択し、選択された位相回転パターンでIFFT22a〜22kにより変換された時間軸の各ブロック毎の合成波形の位相が、位相回転部23で回転される。位相回転された各ブロックの合成波形が加算器24で加算されてOFDMシンボルが生成される。OFDMシンボル毎のピーク値が検出されて、ピーク値が第1しきい値以下になったことが検出された際に、そのOFDMシンボルを出力しPTS処理を終了する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マルチキャリアを利用する通信装置において送信ピーク電力を低減するようにしたピーク電力低減装置に関するものである。
現在、マルチキャリアを用いる通信システムとしてMC−CDMA(multi-carrier code division multiple access )方式やOFDM(Orthogoal Frequency Division Multiplex )方式が知られている。MC−CDMA方式では時間領域で拡散しているため同一チャネル干渉が低減され、OFDMシステムはディジタル放送や無線LANシステムとして使用され、また次世代移動通信システムの候補として有力視されている。このOFDMシステムはマルチキャリア伝送のため、周波数利用効率が高く、周波数選択性フェージングに強い。また、ガードインターバル(GI:GuardInterval)を付与することでマルチパスの影響を軽減することができる。ところで、マルチキャリアを用いる通信システムにおいては、複数のサブキャリアの変調信号が合成されるため、シングルキャリアの変調信号に比べて送信ピーク電力が高い値となる。特に、互いに直交するサブキャリアが合成されるOFDM信号のピーク電力は従来のシングルキャリア変調信号と比べて大きなピーク電力値を示すようになることから、送信信号のピーク電力対平均電力(PAPR)が大きくなり、伝送品質が劣化してしまう。さらに、ピーク電力が大きくなると電力増幅器に送信信号電力の平均値と電力増幅器の最大送信電力との差であるバックオフ(back-off )を大きくすることが要求されることから、OFDM方式においては電力増幅器として最大送信電力の大きなものを使用する必要があり、電力効率が低下し、消費電力が増加するとともに、コストアップを招いてしまうようになる。
そこで、この問題を解決するために、従来様々なピーク電力低減法が検討されてきた。例えば、ピーク電力値が設定値となるようにあらかじめ信号を歪ませるクリッピング法、ピーク電力の高い符号語が検出されないように誤り訂正符号を用いた符号化方法、各サブキャリアの変調信号を位相回転させて複数の位相回転パターン候補から最適な位相回転をさせる選択マッピング法(Selected Mapping) 、選択マッピング法の計算処理数を軽減するためにサブキャリアをブロック毎に分割して逆高速フーリエ変換(IFFT)後に位相回転させる部分系列伝送方法(PTS:Partial Transmit Sequence)、送信信号の振幅を線形的に圧縮や増幅を行うリニアスケーリング法などがある。
部分系列伝送(PTS)の処理内容を説明すると、PTSではまず一次変調した送信シンボルで変調したサブキャリアをB個のブロックに分割する。次に分割したサブキャリアをブロック毎にIFFTを行い各ブロックのサブキャリアを合成する。合成した時間軸波形に対してブロック毎に位相回転を行い、位相回転を行った時間軸波形を加算してOFDMシンボルを生成し、そのOFDMシンボル波形をメモリに保存する。
ここで位相回転の候補数をL個とすると、位相回転のパターン数としてLB(=U)個が得られる。そこで、IFFT後の時間軸波形に対してUパターンの全てにおいて位相回転を行った後、各パターンにおける時間軸波形を加算したOFDMシンボル波形をメモリに保存していく。メモリに保存した各パターンのOFDMシンボル波形の中から、最も高いピーク電力値Pi,uMAX(i:シンボル番号、u:パターン番号(u=1,2…U))のサンプルを選択し、U個の各パターンにおけるPi,uMAXを比較して、その内で最小のピーク電力値PiMAX(=MIN[Pi,uMAX])を選択し、選択されたパターンのOFDMシンボルを送信する。このOFDMシンボルは受信機側で位相回転前の波形信号に戻すために、位相回転のパターンを受信機側に伝えるようにしている。受信機側では送信側から送られた位相回転パターンの制御情報を基に、送信側とは逆の位相回転を施すことにより元の位相の波形信号に戻している。
次に、リニアスケーリング方法の説明を行う。OFDM方式で線形圧縮のみを行うと、受信シンボルの受信電力がそのまま低下するため受信特性が劣化する。しかし、誤り訂正符号を構成するフレーム内で、OFDMシンボルのピーク値が所望のしきい値に達するまで線形圧縮及び線形増幅を行い受信電力を向上させることで、伝送品質の改善を図ることができる。リニアスケーリングを行う場合、送信シンボルにIFFTを施し時間軸の送信波形を求める。次に、得られた送信波形から各シンボルのピーク電力PiMAX(i:シンボル番号)と所定のしきい値Pcを比較し、ピーク電力PiMAXがしきい値Pcより大きい場合には、該当するシンボル毎に係数αi(<1)を乗算し、送信電力を下げることによりピーク電力PiMAXがしきい値Pcとなるように送信電力を各シンボル毎に線形的に圧縮する。また、ピーク電力PiMAXがしきい値Pcより低い場合には、シンボル毎に係数αi(>1)を乗算することで、各シンボルのピーク電力PiMAXがしきい値Pcとなるように送信電力を各シンボル毎に線形的に増幅する。ここで、αi=Pc/PiMAXである。このように、リニアスケーリングでは各送信シンボルのピーク電力PiMAXがしきい値Pcと同じになるように各OFDMシンボルを線形圧縮または線形増幅するため、帯域外輻射の影響を及ぼすことなくPAPRの低減を図ることができる。
従来のPTS法の場合には、位相の組み合わせを最適化するために、位相係数のステップサイズを小さく設定したり、ブロック数を多く設定することにより、ピーク電力の低減効果を改善することができるが、ステップサイズを小さく設定したり、ブロック数を多く設定すると、位相回転の候補数が増加して乗算回数が指数関数的に著しく増加するようになる。そのため、PTS法を実際に適用しようとすると、位相回転の候補の乗算を行う演算回路として非常に大型のものが必要となり、特に装置の小型化や消費電力の低減が強く求められる移動局への適用が困難になる。
これを解決するために、位相回転の候補の乗算回数を低減することができ、演算回路の小型化や消費電力の低減が可能なピーク電力の低減方法が提案されている。このピーク電力の低減方法では、全サブキャリア変調信号を所定数ずつ逐次的に加算していくことにより合成する際に、所定数のサブキャリア変調信号に複数の候補の位相係数をそれぞれ乗算して被加算サブキャリア変調信号と加算するとともに、当該加算結果の中からピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択し、選択されたサブキャリア変調信号の組み合わせを次の被加算サブキャリア変調信号とする処理を、全サブキャリア変調信号について行うようにしている。
特開2006−229746号公報
しかしながら、従来提案されているPTS法を用いるピーク電力の低減方法においては、最適なピーク電力を導出するために、サブキャリアを分割するためのブロック数を多くしたり、位相回転量の位相回転のパターン数を増やすと、全サブキャリア変調信号を所定数ずつ逐次的に加算していく加算器や加算結果の中からピーク電力が最小となるサブキャリア変調信号の組み合わせを選択する選択器の数が指数関数的に増加することになる。従って、演算処理量の増大に対応するために高速かつ高性能の処理装置が必要になるという問題点があった。また、リニアスケーリング方法は、ピーク電力値によって線形圧縮や線形増幅を行うため、ピーク電力値が高い送信シンボルにおいては所望のしきい値まで線形圧縮させると圧縮率が大きくなり過ぎることになる。そのため、その送信シンボルの送信電力の平均値が低下して伝送品質が劣化することから、BER(Bit Error Rate)特性が劣化してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は高速かつ高性能の処理装置を必要としないと共に、伝送品質を劣化させることなくピーク電力を低減することのできる通信装置におけるピーク電力低減装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成することのできる本発明の通信装置におけるピーク電力低減装置は、各ブロックに対応する合成波形の位相を、合成波形におけるピーク値が低減されるように合成波形毎に制御する位相制御手段と、シンボル波形におけるピーク値が、予め定められた第2しきい値になるように、シンボル波形のゲインを前記各OFDMシンボル毎に調整するリニアスケーリング手段とを備え、位相制御手段においては、位相回転の少なくとも2つの候補をそれぞれ各ブロックに与えた組み合わせとされる複数の位相回転パターンの内から順次位相回転パターンを選択する選択手段と、該選択手段で選択された位相回転パターンに応じて各合成波形の位相を位相回転させる位相回転手段と、加算手段から出力されるシンボル波形のピーク電力値を検出する検出手段とを有し、検出手段がシンボル波形のピーク電力値が予め設定した第1しきい値以下になったことを検出した際に、位相回転パターンの選択を終了させてその時に加算手段から出力されるシンボル波形をリニアスケーリング手段に送るようにしたことを最も主要な特徴としている。
このような本発明によれば、検出手段がシンボル波形のピーク電力値が第1しきい値以下になったことを検出した際に位相回転パターンの選択が終了することから、演算処理量を削減することができる。さらに、第1しきい値以下になった各シンボル波形のピーク電力値は、リニアスケーリング手段により調整されるが、リニアスケーリング手段に入力されるシンボル波形のピーク電力値は第1しきい値以下となるよう調整されていることから、PAPRが低減されてバックオフを小さくすることができるため、伝送品質を劣化させることなくピーク電力を低減させることができるようになる。
本発明の実施例の通信装置におけるピーク電力低減装置を備えるOFDM方式の送信機1の構成を示すブロック図を図1に示す。
図1に示す送信機1において、送信データ10は符号器&インタリーバ11に供給されて、誤り訂正符号の符号化が行われると共に、符号化された送信データがインターリーブされる。インターリーブとは、符号を入れ替えることで、誤りが発生した時に誤った符号を分散させて誤り訂正を行いやすくする手法である。符号器&インタリーバ11から出力される符号化およびインタリーブされた送信データは、直列−並列変換器(S/P変換器)12において、サブキャリア数にマッピングされる。
S/P変換器12からの出力は変調器14においてサブキャリア毎に変調される。変調器14から並列に出力される変調されたサブキャリア毎のシンボルは、IFFT&PTS15に供給されて、IFFT処理およびPTS(部分系列伝送:Partial Transmit Sequence)処理が実行されることによりOFDMシンボルが生成されると共に、OFDMシンボルのピーク電力がOFDMシンボル毎に低減される。IFFT&PTS15では、サブキャリアを所定数ずつ含むブロックに分割され、各ブロックのサブキャリアが逆高速フーリエ変換(IFFT)されて各ブロック毎にサブキャリアを合成した時間軸の合成波形とされ、各ブロックの合成波形は、後述するが位相回転角の複数の候補をそれぞれ各ブロックに与える組み合わせとされる複数の位相回転パターンの内から選択された位相回転パターンに基づいて位相制御され、位相制御された各ブロックの合成波形が加算されてOFDMシンボルが生成される。
そして、位相回転パターンを順次替えながらその際に生成されたOFDMシンボルのピーク電力値を検出し、例えばピーク電力値が予め定められた第1しきい値以下となった際に当該OFDMシンボルをIFFT&PTS15から出力する。IFFT&PTS15から出力されたピーク電力値が低減されたOFDMシンボルは、リニアスケーリング部16に供給されてOFDMシンボルのピーク電力値が所望の第2しきい値に達するまで線形圧縮及び線形増幅が行われて出力される。リニアスケーリング部16から出力されたOFDMシンボルは、ガードインターバル部17に供給されて、例えば、後端の1/4が切り出されてガードインターバル(GI:Guard Interval)としてOFDMシンボルの先頭に付加されることにより、送信シンボルが生成される。このように、ガードインターバルを付与することでマルチパスを軽減することができる。
本発明にかかる通信装置におけるピーク電力低減装置は、IFFT&PTS15およびリニアスケーリング部16により構成される。
次に、IFFT&PTS15の構成を示すブロック図を図2に示す。図2に示すIFFT&PTS15において、変調器14から並列に出力される変調されたサブキャリア毎のシンボルは、ブロック化部21においてサブキャリアを所定数ずつ含むブロックに分割される。この一例を図3に示すが、例えば、サブキャリア数が「4」のブロックB1,B2,・・・,Bkのk個のブロックに分割される。この場合、全サブキャリア数が「32」とされている場合は8つのブロックに分割されることになる。ブロック化されたサブキャリアはIFFT22a、IFFT22b、・・・、IFFT22kによりそれぞれ時間軸の合成波形に変換される。k個のブロックの合成波形は位相回転部23により位相制御部26から与えられている位相回転パターンに基づいてそれぞれ位相回転される。ここで、位相回転パターンのパターン数は各ブロックの位相回転の候補数をL個とし、サブキャリアのブロック数をk個とすると、ブロックkに対する候補Lの組み合わせとなり位相回転パターン数はLk(=U)個となる。位相回転パターンに基づいて位相回転されたk個のブロックの合成波形は、加算器(Σ)24において加算されてOFDMシンボルが生成される。図示されていないが、このOFDMシンボルはテンポラリメモリに一時記憶されると共に、位相制御部26に供給されてピーク電力値PiMAX(i:シンボル番号)が検出される。
位相制御部26において実行されるPTS処理はしきい値設定型処理あるいは探索回数設定型処理とされており、いずれの処理も送信シンボル毎に実行される。
まず、しきい値設定型処理について説明すると、位相制御部26では、ピーク電力の上限とされる第1しきい値Ppが予め設定されている。この第1しきい値Ppは、検出されたOFDMシンボルのピーク電力値PiMAXと対比され、検出されたOFDMシンボルのピーク電力値PiMAXが第1しきい値Ppを超えている場合は、位相制御部26はピーク電力値PiMAXが大きすぎると判断し、次の位相回転パターンを位相パターンテーブル25から読み出して位相回転部23に供給する。ここで、図4にOFDMシンボルの時間軸波形の一例を示す。図4の横軸は時間、縦軸は送信電力とされ破線で示す時間軸波形W2のピーク値はP2とされ、ピーク電力値P2は第1しきい値Ppを超えている。これにより、位相回転部23において次に選択された位相回転パターンに基づいてk個のブロックの合成波形がそれぞれ位相回転され、位相回転されたk個のブロックの合成波形は、加算器(Σ)24において加算されてOFDMシンボルが再度生成される。このOFDMシンボルはテンポラリメモリに一時記憶されると共に、位相制御部26に供給されてピーク電力値PiMAXが検出され第1しきい値Ppと対比される。このように、位相パターンテーブル25から順次位相回転パターンを読み出し、読み出した位相回転パターンに基づいてk個のブロックの合成波形それぞれの位相回転を行い、位相回転されたk個のブロックの合成波形からOFDMシンボルを生成する処理は、生成されたOFDMシンボルのピーク電力値PiMAXが第1しきい値Pp以下となったことが検出されるまで繰り返し実行される。繰り返し実行される処理の最大繰り返し回数を設定することができ、ここでは最大繰り返し回数がN(<U=Lk)に設定されている。
そして、位相制御部26において生成されたOFDMシンボルのピーク電力値PiMAXが第1しきい値Pp以下となったことが検出されると、位相制御部26はピーク電力を低減することのできる位相回転パターンが選択されたと判断して、順次位相回転パターンを読み出していく処理を終了させ、生成されたOFDMシンボルがテンポラリメモリから読み出されてリニアスケーリング部16に送られる。ここで、図4を参照すると実線で示す時間軸波形W1のピーク電力値はP1とされ、ピーク電力値P1は第1しきい値Pp以下に低減されている。また、Pavは波形W1の平均電力値である。但し、最大繰り返し回数はN回と設定されているため、N回処理を行っても第1しきい値Ppより小さなピーク電力値PiMAXが検出されない場合は、処理したN回の中で最小のピーク電力値PiMAXのOFDMシンボルをテンポラリメモリから読み出してリニアスケーリング部16に送る。このように、位相制御部26において生成されたOFDMシンボルのピーク電力値PiMAXが第1しきい値Pp以下となったことが検出された際には、繰り返し行われる上記した処理は終了することから、PTS処理における演算量を削減することができるようになる。なお、最大繰り返し回数Nに達するまで繰り返し処理を行っても第1しきい値Ppより小さなピーク電力値PiMAXが検出されない場合もあることから、演算量は少なくともN/Uにまで削減することができる。
次に、位相制御部26において実行されるPTS処理のうちの探索回数設定型処理を説明する。探索回数設定型処理では、位相制御部26において行うピーク電力値の最小値を探索する処理における探索回数の上限値Mを設定している。そして、探索回数が上限値Mに達した際にそれまでに生成されたM個のOFDMシンボルのピーク電力値が最小のOFDMシンボルを検出して、リニアスケーリング部16に送るようにしている。
探索回数設定型処理において、位相制御部26は全位相回転パターンの中からランダムに定数個の位相回転パターンを選択して位相パターンテーブル25から順次読み出して処理を行う。定数個の位相回転パターンの数は探索回数の上限値Mと同数となり、位相回転パターン数(探索回数)がM(<U=Lk)に設定される。そして、位相パターンテーブル25からランダムな順序で読み出された位相回転パターンに基づいてk個のブロックの合成波形が位相回転部23によりそれぞれ位相回転される。位相制御されたk個のブロックの合成波形は、加算器(Σ)24において加算されてOFDMシンボルが生成される。このOFDMシンボルはテンポラリメモリに一時記憶されると共に、位相制御部26に供給されてピーク電力値Pi,uMAX(i:シンボル番号、u:パターン番号(u=1,2…M))が検出される。このような処理がM回繰り返し実行された時点において、それまでに得られたM個のOFDMシンボルのうちの最小のピーク電力値Pi,uMAXを有するOFDMシンボルを位相制御部26が検出し、そのOFDMシンボルをテンポラリメモリから読み出してリニアスケーリング部16に送るようにする。この探索回数設定型処理においては、演算量をM/U に減らすことができる。
次に、リニアスケーリング部16においてOFDMシンボルのピーク値が所望の第2しきい値に達するまで線形圧縮あるいは線形増幅が行われる態様を図5および図6を参照して説明する。
図5にはリニアスケーリング部16に入力される1フレーム分のOFDMシンボルの時間軸波形が示されており、図5の横軸は時間、縦軸は送信電力とされている。図示する例では、1フレームは4つのOFDMシンボルからなっており、1番目のOFDMシンボルのピーク値はP1aとされ予め定められた第2しきい値Pcを下回っており、2番目のOFDMシンボルのピーク値はP2aとされ第2しきい値Pcを上回っている。また、3番目のOFDMシンボルのピーク値はP3aとされ第2しきい値Pcを下回っており、4番目のOFDMシンボルのピーク値はP4aとされ第2しきい値Pcを上回っている。1フレームの平均電力値はPav1とされ、OFDMシンボルの周期はTsとされている。
図6にはリニアスケーリング部16において線形圧縮あるいは線形増幅が行われて出力される1フレーム分のOFDMシンボルの時間軸波形が示されており、図6の横軸は時間、縦軸は送信電力とされている。図5に示す1フレーム分のOFDMシンボルにリニアスケーリング処理が施されると、ピーク値が第2しきい値Pcを下回っていた1番目のOFDMシンボルは、そのピーク値P1bが第2しきい値Pcになるよう増幅され、ピーク値が第2しきい値Pcを上回っていた2番目のOFDMシンボルは、そのピーク値P2bが第2しきい値Pcになるよう圧縮される。また、ピーク値が第2しきい値Pcを下回っていた3番目のOFDMシンボルは、そのピーク値P3bが第2しきい値Pcになるよう増幅され、ピーク値が第2しきい値Pcを上回っていた4番目のOFDMシンボルは、そのピーク値P4bが第2しきい値Pcになるよう圧縮される。これにより、1フレームの平均電力値を変化させなければ、伝送品質は変化することなくPAPRを小さくすることができる。
なお、リニアスケーリング部16に入力されるOFDMシンボルのピーク電力P1a〜P4aは、IFFT&PTS15により第1しきい値Pp以下となるようにPTS処理されていることから、電力増幅器において送信信号電力の平均値と電力増幅器の最大送信電力との差であるバックオフ(back-off )を小さくすることができ、電力効率を向上することができると共に、消費電力を低減させてコストを低減することができるようになる。これにより、本発明にかかるピーク電力低減装置を組み込んだOFDM方式の送信機を、小型化や消費電力の低減が強く求められる移動局へ適用することが可能となる。また、第2しきい値Pcより上回っているピーク電力が発生した場合は、リニアスケーリング部16によって補償することができ、帯域外輻射の影響を小さくすることができる。
次に、IFFT&PTS15において変調器14にしきい値設定型のアルゴリズムが組み込まれて、1シンボル単位の送信シンボルが入力される毎に起動されるしきい値設定型処理のフローチャートを図7に示す。
変調器14から1シンボル単位の送信シンボルが入力されて、しきい値設定型処理がスタートされると、送信シンボルで変調されたサブキャリアがステップS10にて複数のブロックに分割され、分割された各ブロックのサブキャリアがIFFTされて時間軸の合成波形とされる。次いで、ステップS11にて初期設定が行われ、繰り返し回数の上限値をN(<U)に、送信電力の第1しきい値をPpに設定すると共に、繰り返し回数jを「1」に設定する。そして、ステップS12にて位相パターンテーブル25から最初の位相回転パターンu(1,2,・・・N)を選択し、ステップS13にて選択した位相回転パターンに基づいてブロック毎にIFFTした合成波形の位相を合成波形毎に回転する。そして、位相が回転されたIFFTされた全合成波形についてステップS14にて加算を行うことにより、OFDMシンボルを生成して記憶する。次いで、生成されたOFDMシンボルのピーク電力値Pi,uMAXをステップS15にて検出し、検出されたピーク電力値Pi,uMAXが第1しきい値Pp以下となっているか否かがステップS16にて判断される。ここで、検出されたピーク電力値Pi,uMAXが第1しきい値Ppを超えていると判断された場合は、ステップS17に進み最小MIN[Pi,u-1MAX]とピーク電力値Pi,uMAXとが対比されて小さい値が最小MIN[Pi,u-1MAX]とされる。ここで、最小MIN[Pi,u-1MAX]は今までに検出されたピーク電力値のうちの最小のピーク電力値であるが、この場合は繰り返し回数jが「1」にセットされていたことからステップS15で検出されたピーク電力値Pi,uMAXが最小MIN[Pi,u-1MAX]とされる。次いで、ステップS18にて繰り返し回数jがNに達したか否かが判断される。
ここでは、繰り返し回数jが「1」にセットされていたことからNOと判断されてステップS19に分岐する。ステップS19では繰り返し回数jが1だけインクリメントされ「2」とされてステップS12に戻り、ステップS12ないしステップS18の処理が繰り返し実行されるようになる。そして、次の位相回転パターンにより位相回転された合成波形を加算したOFDMシンボルのピーク電力値Pi,uMAXが第1しきい値Pp以下になったことがステップS16において検出されると、ステップS20に分岐して生成したOFDMシンボルがリニアスケーリング部16に出力されてしきい値設定型処理は終了する。このように、ステップS12ないしステップS19の処理は、OFDMシンボルのピーク電力値Pi,uMAXが第1しきい値Pp以下になったことが検出されるまで繰り返し実行される。また、位相回転パターンを順次選択していきステップS12ないしステップS16の処理がN回繰り返し実行されてもステップS16において検出されたピーク電力値Pi,uMAXが第1しきい値Pp以下となったことが検出されない場合は、ステップS18において繰り返し回数jがNに達したと判断されてステップS21に進み、ステップS17において検出されている最小MIN[Pi,u-1MAX]のOFDMシンボルがリニアスケーリング部16に出力されて、しきい値設定型処理は終了する。この場合、ステップS17では繰り返し行われた処理で得られたOFDMシンボルの内の最小のピーク電力値である最小MIN[Pi,u-1MAX]が検出されている。これにより、テンポラリメモリに記憶するOFDMシンボルとしては、ステップS17において検出されている最小MIN[Pi,u-1MAX]のOFDMシンボルと現在の処理で得られたOFDMシンボルの2シンボルだけを記憶しておけばよいことになる。なお、ステップS17の処理を行うことに替えて、ステップS21において記憶されているN個のOFDMシンボルの内の最小のピーク電力値Pi,uMAXを有するOFDMシンボルを検出してリニアスケーリング部16に出力するようにしてもよい。
次に、IFFT&PTS15に変調器14に探索回数設定型のアルゴリズムが組み込まれて、1シンボル単位の送信シンボルが入力される毎に起動される探索回数設定型処理のフローチャートを図8に示す。
変調器14から1シンボル単位の送信シンボルが入力されて、探索回数設定型処理がスタートされると、ステップS30にて送信シンボルで変調されたサブキャリアが複数のブロックに分割され、分割された各ブロックのサブキャリアがIFFTされて時間軸の合成波形とされる。次いで、ステップS31にて初期設定が行われ、探索回数の上限値をM(<U)に、探索回数hを「1」に設定する。次いで、ステップS32にて位相パターンテーブル25から位相回転パターンu(1,2,・・・M)をランダムに選択し、ステップS33にて選択した位相回転パターンに基づいてブロック毎にIFFTした合成波形の位相を合成波形毎に回転する。そして、位相が回転されたIFFTされた全合成波形についてステップS34にて加算を行うことにより、OFDMシンボルを生成して記憶する。次いで、生成したOFDMシンボルのピーク電力値Pi,uMAXをステップS35にて検出し、ステップS36にて最小MIN[Pi,u-1MAX]とピーク電力値Pi,uMAXとが対比されて小さい値が最小MIN[Pi,u-1MAX]とされる。ここで、最小MIN[Pi,u-1MAX]は今までに検出されたピーク電力値のうちの最小のピーク電力値であるが、この場合は繰り返し回数hが「1」にセットされていたことからステップS35で検出されたピーク電力値Pi,uMAXが最小MIN[Pi,u-1MAX]とされて記憶される。さらに、ステップS37にて探索回数hがMに達したか否かが判断される。
ここでは、探索回数hが「1」にセットされていたことからNOと判断されてステップS38に分岐する。ステップS38では探索回数hが1だけインクリメントされて「2」とされてステップS32に戻り、ステップS32ないしステップS37の処理が繰り返し実行されるようになる。そして、次にランダムに選択された位相回転パターンにより位相回転された合成波形を加算したOFDMシンボルとそのピーク電力値Pi,uMAXが検出されると共に、最小MIN[Pi,u-1MAX]が検出されて記憶される処理がM回繰り返し実行されると、ステップS37において探索回数hがMに達したと判断されてステップS39に進み、ステップS36にて記憶された最小MIN[Pi,u-1MAX]のOFDMシンボルがリニアスケーリング部16に出力されて、探索回数設定型処理は終了する。
この場合、ステップS36では繰り返し行われた処理で得られたOFDMシンボルの内の最小のピーク電力値である最小MIN[Pi,u-1MAX]が検出されて記憶されている。これにより、テンポラリメモリに記憶するOFDMシンボルとしては、ステップS36において検出されている最小MIN[Pi,u-1MAX]のOFDMシンボルと現在の処理で得られたOFDMシンボルの2シンボルだけを記憶しておけばよいことになる。なお、ステップS36の処理を行うことに替えて、ステップS39において記憶されたM個のOFDMシンボルの内の最小のピーク電力値Pi,uMAXを有するOFDMシンボルを検出してリニアスケーリング部16に出力するようにしてもよい。
次に、位相パターンテーブル25に記憶される位相回転パターンの一例であるテーブルAの構成を図9に示す。
図9に示すテーブルAは、サブキャリア数が32、ブロック数が8、位相回転パターン数が128とされ、1ブロックから8ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角の候補数が「0」と「π」の2位相とされたテーブルとされている。この位相回転パターンのテーブルAは、送信側と受信側とに共通して用意されており、128通りの位相回転パターンにはそれぞれ「0」ないし「127」の7ビットで表されるユニークなパターン番号が順番に付与されている。パターン番号「0」の位相回転パターンでは、1ブロックから8ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされいずれのブロックの位相も回転されない。また、パターン番号「1」の位相回転パターンでは、1ブロックから7ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、8ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。さらに、パターン番号「2」の位相回転パターンでは、1ブロック〜6ブロックおよび8ブロックの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、7ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。さらにまた、パターン番号「3」の位相回転パターンでは、1ブロックから6ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、7ブロックおよび8ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。
さらにまた、パターン番号「126」の位相回転パターンでは、1ブロックおよび8ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、2ブロック〜7ブロックの各ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。さらにまた、パターン番号「127」の位相回転パターンでは、1ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、2ブロック〜8ブロックの各ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。IFFT&PTS15からリニアスケーリング部16に出力されるOFDMシンボルの各ブロックに与えられている位相回転パターンはOFDMシンボル毎に選択され、選択された位相回転パターンのユニークなパターン番号を表す7ビットの制御情報は、送信側から受信側へ送信される。受信側では、この7ビットの制御情報から送信側と共通に備えられているテーブルAを参照して、受信したOFDMシンボルの各ブロックに与えられている位相回転を1OFDMシンボル毎に元に戻すようにしている。
次に、位相パターンテーブル25に記憶される位相回転パターンの他の例であるテーブルBの構成を図10に示す。
図10に示すテーブルBは、サブキャリア数が32、ブロック数が8、位相回転パターン数が4とされ、1ブロックから8ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角の候補数が「0」と「π」の2位相とされたテーブルとされている。この位相回転パターンのテーブルBは、送信側と受信側とに共通して用意されており、4通りの位相回転パターンにはそれぞれ「0」ないし「3」の2ビットで表されるユニークなパターン番号が順番に付与されている。パターン番号「0」の位相回転パターンでは、1ブロックから8ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされいずれのブロックの位相も回転されない。また、パターン番号「1」の位相回転パターンでは、1ブロックから7ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、8ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。
さらに、パターン番号「2」の位相回転パターンでは、1ブロック〜6ブロックおよび8ブロックの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、7ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。さらにまた、パターン番号「3」の位相回転パターンでは、1ブロックから6ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角が「0」とされ、7ブロックおよび8ブロックに与えられる位相回転角が「π」とされている。ただし、図10に示すテーブルBは一例であり、テーブルAにおける128パターンの内から無作為に選択した位相回転パターンでテーブルBを構成することができる。ここで、IFFT&PTS15からリニアスケーリング部16に出力されるOFDMシンボルの各ブロックに与えられている位相回転パターンはOFDMシンボル毎に選択され、選択された位相回転パターンのユニークなパターン番号を表す2ビットの制御情報は、送信側から受信側へ1OFDMシンボル毎に送信される。受信側では、この2ビットの制御情報から送信側と共通に備えられているテーブルBを参照して、受信したOFDMシンボルの各ブロックに与えられている位相回転を1OFDMシンボル毎に元に戻すようにしている。テーブルBの制御情報は2ビットすることができるため、テーブルAの制御情報より5ビット削減することができる。
次に、位相パターンテーブル25に記憶される位相回転パターンのさらに他の例であるランダムパターンテーブルの構成を図11に示す。
図11に示すランダムパターンテーブルは、サブキャリア数が32、ブロック数が8、位相回転パターン数が128とされ、1ブロックから8ブロックまでの各ブロックに与えられる位相回転角の候補数が「0」と「π」の2位相とされた図9に示すテーブルAから位相回転パターンをランダムに選択するテーブルとされている。このランダムパターンテーブルは、位相回転パターンをランダムに選択する乱数パターンからなる行が4行用意されており、各行の列数は同数とされている。各行にはそれぞれ「0」ないし「3」の2ビットで表されるユニークなランダムパターン番号が順番に付与されている。
ランダムパターン番号「0」の乱数パターンでは、位相回転パターンが「4」「103」「24」「56」「32」とされている。位相回転パターンを示す数字は、テーブルAにおけるパターン番号である。また、乱数パターンの各列は時系列に並べられているシンボル1、シンボル2、シンボル3、シンボル4、シンボル5・・・にそれぞれ対応している。また、ランダムパターン番号「1」の乱数パターンでは、位相回転パターンが「55」「127」「34」「99」「20」とされている。さらに、ランダムパターン番号「2」の乱数パターンでは、位相回転パターンが「107」「9」「70」「36」「1」とされている。さらにまた、ランダムパターン番号「3」の乱数パターンでは、位相回転パターンが「67」「91」「43」「11」「29」とされている。このテーブルAにおけるパターン番号の並びからランダムに選択された位相回転パターンからなるランダムパターンテーブルとされていることがわかる。
図11に示すランダムパターンテーブルが位相パターンテーブル25とされている場合においてIFFT&PTS15においてPTS処理が行われる際には、まずシンボル1についてのPTS処理が行われる。この場合、ランダムパターン番号「0」の第1列の「4」が選択され、テーブルAのパターン番号「4」の位相回転パターンがシンボル1の各ブロックに与えられて位相回転される。そして、位相回転された各ブロックからなるOFDMシンボルのピーク電力値Pi,uMAXが検出される。次いで、ランダムパターン番号「1」の第1列の「55」が選択され、テーブルAのユニークな番号「55」の位相回転パターンがシンボル1の各ブロックに与えられて同様の処理が行われ、さらに、ランダムパターン番号「2」の第1列の「107」が選択され、テーブルAのユニークな番号「107」の位相回転パターンがシンボル1の各ブロックに与えられて同様の処理が行われ、さらにまた、ランダムパターン番号「3」の第1列の「67」が選択され、テーブルAのユニークな番号「67」の位相回転パターンがシンボル1の各ブロックに与えられて同様の処理が行われる。
次いで、4種類のランダムな位相回転パターンによる位相回転が、それぞれシンボル1の各ブロックに与えられた4つのOFDMシンボルの内の最小のピーク電力値Pi,uMAXのOFDMシンボルが検出され、検出された最小のピーク電力値Pi,uMAXのOFDMシンボルがシンボル1のピーク電力値が低減されたOFDMシンボルとしてリニアスケーリング部16に出力される。そして、出力されたOFDMシンボルに与えられていた位相回転パターンの制御情報として、ランダムパターンテーブルにおける2ビットのユニークなランダムパターン番号が送信側から受信側に送られる。受信側では、この2ビットの制御情報から送信側と共通に備えられているランダムパターンテーブルからテーブルAを参照して、受信したシンボル1のOFDMシンボルの各ブロックに与えられている位相回転を元に戻すようにしている。
また、シンボル2においても同様のPTS処理が行われ、ランダムパターンテーブルからランダムパターン番号「0」の第2列の「103」、ランダムパターン番号「1」の第2列の「127」、ランダムパターン番号「2」の第2列の「9」、ランダムパターン番号「3」の第2列の「91」が順次選択され、テーブルAのパターン番号「103」「127」「9」「91」の位相回転パターンが順次シンボル2の各ブロックに与えられる。次いで、得られた4つのOFDMシンボルの内の最小のピーク電力値Pi,uMAXのOFDMシンボルが検出され、検出された最小のピーク電力値Pi,uMAXのOFDMシンボルがシンボル2のピーク電力値を低減したOFDMシンボルとしてリニアスケーリング部16に出力される。そして、出力されたシンボル2のOFDMシンボルの各ブロックに与えられていた位相回転パターンの制御情報として、ランダムパターンテーブルにおける2ビットのランダムパターン番号が送信側から受信側に送られる。受信側では、この2ビットの制御情報から送信側と共通に備えられているランダムパターンテーブルからテーブルAを参照して、受信したシンボル2のOFDMシンボルの各ブロックに与えられている位相回転を元に戻している。シンボル3以降のシンボルにおいてもランダムパターン番号「0」ないし「3」の各シンボルに対応する第3列以降のパターン番号が順次選択されて同様のPTS処理が行われる。
なお、ランダムパターンテーブルを用いてPTS処理を行う場合は、送信側と受信側においてOFDMシンボルの同期がとられていることから、シンボル1,シンボル2,・・・の各シンボルにおいて誤ることなくPTS処理された位相回転を元に戻すことができる。また、図11に示すように乱数パターンの各列は各シンボルに対応していることから、乱数パターンの列数はシンボル数と同数必要となり現実的ではない。そこで、位相回転パターンがランダムとされることを条件に有限の列数としてもよい。例えば、乱数パターンの列数を数フレームないし数十フレームのシンボル数に相当する列数として、繰り返し乱数パターンの各列を各シンボルに割り当てるようにすることができる。
次に、位相回転パターンの制御情報とパイロットシンボルとを伝送する手段について説明する。位相回転パターンの制御情報は、上述したPTS処理を行った際に各OFDMシンボル毎に採用された位相回転パターンを示すパターン番号である。また、パイロットシンボルはチャネル推定を行うための既知のコードとされており、受信側において既知のコードからなるパイロットシンボルを再生することによって、伝搬路の振幅や位相のフェージング変化を受けたチャネル伝達関数を送信シンボル毎に求めることが可能となる。
位相回転パターンの制御情報とパイロットシンボルとを伝送する手段の一例を図12に示す。図12に示す伝送手段においては、例えば、サブキャリア数が32とされ、ブロック数が8とされた例が示されている。チャネル推定を行うためのパイロットシンボルは4シンボル(1フレーム)毎に全てのサブキャリアに配置されて伝送され、位相回転パターンの制御情報はパイロットシンボルが配置されていないシンボルにおける1番目のブロックにそれぞれ配置されて伝送される。パイロットシンボルにおける既知のコードは、シンボルのピーク電力を低くすることができるコードとされてパイロットシンボルに関してはPTS処理が行われず、そのブロックは位相回転されることなく伝送される。このため、全サブキャリアに周期的に配置された既知のコードのパイロットシンボルを受信側において受信することにより、フェージングやマルチパス環境の伝搬路のチャネル伝達関数をサブキャリア毎に求めることができる。また、位相回転の制御情報で変調される1番目のサブキャリアが含まれる1ブロックは、図9および図10に示す位相回転パターンのようにいずれの位相回転パターンが採用されても位相回転は与えられない。このことから、PTS処理されたシンボル毎に伝送される位相回転パターンの制御情報を、受信側において受信することにより、PTS処理により各ブロックに与えられた位相回転をシンボル毎に元に戻すことができる。
なお、位相回転パターンの制御情報の配置は位相回転されない1番目のブロックに限られるものではなく、位相回転されることのないブロックであれば位相回転パターンの制御情報を配置することができる。
位相回転パターンの制御情報とパイロットシンボルとを伝送する手段の他の例を図13に示す。図13に示す伝送手段においては、例えば、サブキャリア数が32とされ、ブロック数が8とされた例が示されている。チャネル推定を行うためのパイロットシンボルは高速フェージングに対応できるよう全サブキャリア(周波数)及び全シンボル(時間)の2次元において離散的にスキャッタード配置されて伝送される。また、位相回転パターンの制御情報はパイロットシンボルが配置されていないシンボルにおける1番目のサブキャリアに配置されるが、1番目のサブキャリアにパイロットシンボルが配置されているシンボルにおいては2番目のサブキャリアに配置されて伝送される。パイロットシンボルおよび位相回転パターンの制御情報が配置される1ブロックは位相回転することなく伝送される。このため、スキャッタード配置された既知のコードのパイロットシンボルを受信側において受信することにより、高速フェージング環境の伝搬路のチャネル伝達関数を送信シンボル毎に求めることができる。また、PTS処理されたシンボル毎に伝送される位相回転パターンの制御情報を、受信側において受信することにより、PTS処理により各ブロックに与えられた位相回転をシンボル毎に元に戻すことができる。
次に、本発明にかかる通信装置におけるピーク電力低減装置をシミュレーションした特性のグラフを図14ないし図19に示す。この場合のシミュレーション条件は、サブキャリア間隔が40kHzとされ、変調器14における変調方式はQPSKとされ、OFDMシンボルのサブキャリア数は32とされる。また、フレーム長を16OFDMシンボルとし、符号器&インタリーバ11における誤り訂正符号として畳み込み符号を、受信側における復号には軟判定ビタビ復号を使用するものとする。また、ガードインターバル長を6.25μsとし、パスモデルは3パスのレイリーフェージングとし、パスの傾きは3dB、遅延スプレッドは1.3μSとし、ドップラー周波数は40Hzとしている。なお、位相回転のパターンは1シンボルの32サブキャリアを8ブロックに分割(k=8)し、位相回転角は2位相(L=2(0、π))としている。また、リニアスケーリング部16に予め定められる第2しきい値Pcは、リニアスケーリング前の平均送信電力Pav1を基準として5dBに設定する。
まず、探索回数設定型処理において、探索回数Mを128,32,16,8,4,1と変化させた際のPTS処理後の各シンボルのピーク電力値PiMAXの検出を行うことにより得た、ピーク電力値PiMAXに対するCCDF(相補累積分布関数)特性を図14に示す。図14において、横軸は送信信号のピーク電力対平均電力であるPAPR0であり、縦軸はPAPR0を超えるPAPRとなる確率Pr(PAPR>PAPR0)である。図14を参照すると、探索回数Mを128回とすると約5dBを超えるPAPRが生じる確率Prは約0.1%(0.001)以下となり、M=128の場合は約5dBを超えるPAPRがほとんど生じないことが分かる。また、探索回数Mを4回とした場合は、約7.5dBを超えるPAPRが生じる確率Prが約0.1%(0.001)以下となり、約6.8dBを超えるPAPRが生じる確率Prが約1%(0.01)以下となることがわかる。なお、探索回数M=1はPTS処理を行わない場合であり、これを理論値(Theory)として対比して示している。
図14を参照すると、探索回数Mを128回とした場合のPAPRと理論値を比較すると、探索回数Mを128回とするとPAPRを約4.6dBも低減させることができる。また、探索回数Mを32回とした場合のPAPRを理論値と比較すると、PAPRを約4dBも低減させることができる。したがって、演算量を1/4に低減してもPAPRはわずか約0.6dBしか高くならず、ほとんどPAPRを劣化させることなく演算量を削減できることがわかる。
また、図15に探索回数Mに対する確率Prが1%(0.01)となるPAPR0特性を示す。図15を参照すると、探索回数Mを増やすにつれPAPRが小さくなるが、探索回数Mを約16回以下としていくにつれてPAPRが急激に増加していくことがわかる。このことから、探索回数Mは4回以上とするのが好適とされる。なお、探索回数Mと位相回転パターン数Uとは等しい数とされている。
図16に探索回数設定型のPTS処理とリニアスケーリング処理とを組み合わせ、探索回数Mを変化させた場合のBER(Bit Error Rate)特性を示す。図16の横軸はリニアスケーリング部16に入力される信号に基づく受信Eb/N0であり、縦軸はBERとされている。
図16を参照すると、探索回数Mを増やしていくにつれてBER特性が改善されていくことがわかる。これは、図14および図15に示すように、PTS処理を行った際に探索回数Mを増やしていくと各シンボルのピーク電力値PiMAXが小さくなるため、その状態でリニアスケーリング部16においてリニアスケーリング処理を行うと線形圧縮より線形増幅を行うシンボルの割合が多くなるため、送信電力が向上しBER特性が改善されたものと考えられる。
このように、PTS処理とリニアスケーリング処理とを組み合わせることにより、リニアスケーリング部16における第2しきい値Pc=5dBとし、探索回数Mを4回とした場合では、探索回数Mを128回とした場合と比較して演算量を1/32まで削減することができるにもかかわらず、理論値とほぼ同等のBER特性が得られるようになる。
次に、しきい値設定型処理において、第1しきい値Ppより小さいピーク電力値PiMAXとなる位相回転パターンの繰り返し回数uにおけるCCDF特性を図17に示す。図17に示すCCDF特性は第1しきい値をPp=5dBとし、繰り返し回数の上限値Nを4、8、16、32と変化させた場合にピーク電力値PiMAXが第1しきい値Pp以下となる確率Prを示す特性である。
図17を参照すると、繰り返し回数uが4回目、つまり位相回転パターンを4回繰り返した場合は全シンボルの約50%において第1しきい値Pp以下のピーク電力値PiMAXが得られる確率Prとなること、および、繰り返し回数uが16回目になると全シンボルの約90%において第1しきい値Pp以下のピーク電力値PiMAXが得られる確率Prとなることがわかる。
さらに、繰り返し回数の上限値Nに対する平均繰り返し回数の表を図18に示す。ここでは、第1しきい値をPp=5dB、Pp=6dBとした例を上げている。図18を参照すると、繰り返し回数の上限値Nを32回とすると平均約7回で第1しきい値Pp以下のピーク電力値PiMAXが得られ、上限値Nを4回とした場合においても平均約3回で第1しきい値Pp以下のピーク電力値PiMAXが得られる。さらに、第1しきい値Ppを6dBとした場合においては上限値Nが4、8、16、32のいずれとされても平均約2回で第1しきい値Pp以下のピーク電力値PiMAXが得られることがわかる。
上記したように、探索回数設定型処理では、どのシンボルにおいても定数個の位相回転パターンを演算するようにしたが、しきい値設定型処理では定数個以下の演算で所定の第1しきい値Ppを下回るPAPR値を発生させるシンボルの割合が高くなるため、探索回数設定型処理よりも演算量の削減が可能となる。
次に、図19にしきい値設定型のPTS処理とリニアスケーリング処理とを組み合わせ、PTSの第1しきい値Ppを変化させた場合のBER特性を示す。図19ではリニアスケーリング処理のみを用いた場合を理論値(Theory)として対比して示している。図19の横軸はリニアスケーリング部16に入力される信号に基づく受信Eb/N0であり、縦軸はBERとされている。
図19を参照して、第1しきい値Ppを約6dBとしたBER特性を理論値と対比すると、0.5dB程度の劣化が見られるが第1しきい値Ppを約5dBとした場合は理論値とほぼ同等のBER特性が得られている。このように、PTS処理とリニアスケーリング処理とを組み合わせた構成とすることで、繰り返し回数と上限値N=4とし、第1しきい値をPp=5dBとした場合、BER特性を劣化させることなく探索回数設定型処理よりも約25%の演算量を削減することができる。
PTS処理における第1しきい値とリニアスケーリング処理における第2しきい値の設定は演算量削減効果とBER特性とのトレードオフの関係があることから、繰り返し回数の上限値Nと第1しきい値Ppとをチューニングすることにより、さらにPAPR低減および演算量の削減が見込まれる。なお、PTS処理における第1しきい値Ppとリニアスケーリング処理における第2しきい値Pcとを同じ値としてもよい。
本発明にかかるピーク電力低減装置は、OFDM方式に適用することができるだけでなくMC−CDMA(multi-carrier code division multiple access )やMC−CDM等のマルチキャリアを用いる通信方式に適用することができる。
本発明にかかる以上の説明では、位相回転角の候補として「0」と「π」の2位相としたが、本発明はこれに限るものではなく、位相回転角の候補を4位相として0、π/2、π、3π/2としたり、位相回転角の候補を6位相として、0、π/6、π/3、π/2、4π/6、5π/6としてもよい。さらに、位相回転角の候補数を8位相や12位相等に増やすようにしてもよい。また、サブキャリア数も32本に限らず送信データの帯域に応じて512本や1024本等に増やすことができる。さらに、サブキャリアを分割するブロック数も8ブロックに限らず、16ブロックや32ブロック等とすることができる。このように、位相回転角の候補数、サブキャリア数、ブロック数を増やすことにより、位相回転パターン数は指数関数的に増大する。しかしながら、本発明においては、上述したように全ての位相回転パターンのうちから設定された数の位相回転パターンを選択してPTS処理を行うようにしていることから、位相回転角の候補数、サブキャリア数、ブロック数を増やしても、演算量の増加量を低減することができる。
本発明の実施例の通信装置におけるピーク電力低減装置を備えるOFDM方式の送信機の構成を示すブロック図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSの構成を示すブロック図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおいてサブキャリアを所定数ずつ含むブロックに分割する例を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおけるOFDMシンボルの時間軸波形の一例を示す図である。 本発明の送信機にかかるリニアスケーリング部に入力される1フレーム分のOFDMシンボルの時間軸波形を示す図である。 本発明の送信機にかかるリニアスケーリング部において線形圧縮あるいは線形増幅が行われて出力される1フレーム分のOFDMシンボルの時間軸波形を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおいて変調器から1シンボル単位の入力がされる毎に行われるしきい値設定型処理のフローチャートである。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおいて変調器から1シンボル単位の入力がされる毎に行われる探索回数設定型処理のフローチャートである。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSの位相パターンテーブルに記憶される位相回転パターンの一例であるテーブルAの構成を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSの位相パターンテーブルに記憶される位相回転パターンの他の例であるテーブルBの構成を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSの位相パターンテーブルに記憶される位相回転パターンのさらに他の例であるランダムパターンテーブルの構成を示す図である。 本発明の送信機における位相回転の制御情報とパイロットシンボルとの伝送方法の一例を示す図である。 本発明の送信機における位相回転の制御情報とパイロットシンボルとの伝送方法の他の例を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおける探索回数設定型処理において、探索回数Mを変化させた際のピーク電力値PiMAXに対するCCDF特性を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおける探索回数設定型処理において、探索回数Mに対する確率Prが1%となるPAPR0特性を示す図である。 本発明の送信機において探索回数設定型のPTS処理とリニアスケーリング処理とを組み合わせ、探索回数Mを変化させた場合のBER特性を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおけるしきい値設定型処理において、第1しきい値Ppより小さいピーク電力値PiMAXとなる位相回転パターンの繰り返し回数uにおけるCCDF特性を示す図である。 本発明の送信機にかかるIFFT&PTSにおけるしきい値設定型処理において、繰り返し回数の上限値Nに対する平均繰り返し回数を示す表である。 本発明の送信機においてしきい値設定型のPTS処理とリニアスケーリング処理とを組み合わせ、PTSの第1しきい値Ppを変化させた場合のBER特性を示す図である。
符号の説明
1 送信機、10 送信データ、11 符号記&インタリーバ、12 S/P変換器、14 変調器、16 リニアスケーリング部、17 ガードインターバル部、21 ブロック化部、22a〜22k IFFT、23 位相回転部、24 加算器、25 位相パターンテーブル、26 位相制御部

Claims (7)

  1. 並列の送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調する変調手段と、
    変調された所定数の前記サブキャリアを含むブロックに、変調された前記複数のサブキャリアを分割するブロック化手段と、
    前記ブロックに含まれる前記所定数のサブキャリアを前記各ブロックごとに合成して時間軸の合成波形を生成する合成手段と、
    該合成手段から出力される前記合成波形の位相を、前記ブロックの合成波形毎に制御する位相制御手段と、
    該位相制御手段において位相制御された前記各ブロックの前記合成波形を加算することによりOFDM(直交周波数多重)シンボルを生成する加算手段と、
    該加算手段から出力された前記OFDMシンボルのシンボル波形におけるピーク電力値が、予め定められた第2しきい値になるように、前記シンボル波形のゲインを前記各OFDMシンボル毎に調整するリニアスケーリング手段とを備え、
    前記位相制御手段においては、位相回転角の少なくとも2つの候補をそれぞれ前記各ブロックに与える組み合わせとされる複数の位相回転パターンの内から順次位相回転パターンを選択する選択手段と、該選択手段で選択された位相回転パターンに応じて前記各合成波形の位相を位相回転させる位相回転手段と、前記加算手段から出力される前記シンボル波形のピーク電力値を検出する検出手段とを有し、前記検出手段が前記シンボル波形のピーク電力値が予め設定された第1しきい値以下になったことを検出した際に、前記位相回転パターンの選択を終了させてその時に前記加算手段から出力されるOFDMシンボルを前記リニアスケーリング手段に送るようにしたことを特徴とする通信装置におけるピーク電力低減装置。
  2. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調する変調手段と、
    変調された所定数の前記サブキャリアを含むブロックに、変調された前記複数のサブキャリアを分割するブロック化手段と、
    前記ブロックに含まれる前記所定数のサブキャリアを前記各ブロックごとに合成して時間軸の合成波形を生成する合成手段と、
    該合成手段から出力される前記合成波形の位相を、前記ブロックの合成波形毎に制御する位相制御手段と、
    該位相制御手段において位相制御された前記各ブロックの前記合成波形を加算することによりOFDM(直交周波数多重)シンボルを生成する加算手段と、
    該加算手段から出力された前記OFDMシンボルのシンボル波形におけるピーク電力値が、予め定められた第2しきい値になるように、前記シンボル波形のゲインを前記各OFDMシンボル毎に調整するリニアスケーリング手段とを備え、
    前記位相制御手段においては、位相回転角の少なくとも2つの候補をそれぞれ前記各ブロックに与える組み合わせとされる複数の位相回転パターンの内から順次位相回転パターンを選択する選択手段と、該選択手段で選択された位相回転パターンに応じて前記各合成波形の位相を位相回転させる位相回転手段と、前記加算手段から出力される前記シンボル波形のピーク電力値を検出する検出手段とを有し、前記選択手段が選択した前記位相回転パターンの選択数が予め定めた所定数に達した際に、前記検出手段において検出された前記シンボル波形のピーク電力値の内の最小のピーク電力値が得られる位相回転パターンに対応するOFDMシンボルを前記リニアスケーリング手段に送るようにしたことを特徴とする通信装置におけるピーク電力低減装置。
  3. 送信シンボルを複数のサブキャリアを用いて変調する変調手段と、
    変調された所定数の前記サブキャリアを含むブロックに、変調された前記複数のサブキャリアを分割するブロック化手段と、
    前記ブロックに含まれる前記所定数のサブキャリアを前記各ブロックごとに合成して時間軸の合成波形を生成する合成手段と、
    該合成手段から出力される前記合成波形の位相を、前記ブロックの合成波形毎に制御する位相制御手段と、
    該位相制御手段において位相制御された前記各ブロックの前記合成波形を加算することによりOFDM(直交周波数多重)シンボルを生成する加算手段と、
    該加算手段から出力された前記OFDMシンボルのシンボル波形におけるピーク電力値が、予め定められた第2しきい値になるように、前記シンボル波形のゲインを前記各OFDMシンボル毎に調整するリニアスケーリング手段とを備え、
    前記位相制御手段においては、位相回転角の少なくとも2つの候補をそれぞれ前記各ブロックに与える組み合わせとされる複数の位相回転パターンの内から順次位相回転パターンを選択する選択手段と、該選択手段で選択された位相回転パターンに応じて前記各合成波形の位相を位相回転させる位相回転手段と、前記加算手段から出力される前記シンボル波形のピーク電力値を検出する検出手段とを有し、前記検出手段が前記シンボル波形のピーク電力値が予め設定された第1しきい値以下になったことを検出した際に、前記位相回転パターンの選択を終了させてその時に前記加算手段から出力されるOFDMシンボルを前記リニアスケーリング手段に送るようにし、前記選択手段が選択した前記位相回転パターンの選択数が予め定めた所定数に達しても前記検出手段が前記シンボル波形のピーク電力値が前記第1しきい値以下になったことを検出しない場合は、前記検出手段において検出された前記シンボル波形のピーク電力値の内の最小のピーク電力値が得られる位相回転パターンに対応するOFDMシンボルを前記リニアスケーリング手段に送るようにしたことを特徴とする通信装置におけるピーク電力低減装置。
  4. 前記複数の位相回転パターンのテーブルが用意されており、該テーブルにおいては前記各位相回転パターン毎にユニークなパターン番号が付与されて、前記位相回転パターンに付与されている前記パターン番号の情報を、前記テーブルと同じテーブルが用意されている受信側に送ることにより、位相制御されていた前記シンボル波形の位相を、受信側において元に戻せるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置におけるピーク電力低減装置。
  5. 前記各位相回転パターン毎にユニークなパターン番号が付与されているテーブルと、前記パターン番号をランダムに選択する乱数が複数の行と列に配列されているランダムパターンテーブルとが用意されており、前記選択手段において位相回転パターンを選択する際に、前記ランダムパターンテーブルの所定の前記列の乱数に対応する位相回転パターンが列方向に順次選択されると共に、次のシンボル波形では次の列の乱数に対応する位相回転パターンが列方向に順次選択され、前記ランダムパターンテーブルにおける前記位相回転パターンの当該パターン番号が含まれている前記行を示すユニークなランダムパターン番号の情報を、前記テーブルおよび前記ランダムパターンテーブルと同じテーブルおよびランダムパターンテーブルが用意されていると共に同期がとられている受信側に送ることにより、前記位相回転パターンに応じて位相制御されていた前記シンボル波形の位相を、受信側において元に戻せるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置におけるピーク電力低減装置。
  6. 前記位相回転パターンでは少なくとも1つのブロックに位相回転が与えられないようにされており、当該ブロックに前記OFDMシンボルに与えられている位相回転パターンの制御情報を配置すると共に、チャネル推定を行うためのパイロットシンボルを、所定期間毎に前記複数のサブキャリアにそれぞれ配置して伝送するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置におけるピーク電力低減装置。
  7. 前記位相回転パターンでは少なくとも1つのブロックに位相回転が与えられないようにされており、当該ブロックに前記OFDMシンボルに与えられている位相回転パターンの制御情報を配置すると共に、チャネル推定を行うためのパイロットシンボルを、所定期間毎に前記複数のサブキャリア毎に順次時間をずらしてスキャッタード配置して伝送するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置におけるピーク電力低減装置。
JP2007220751A 2007-08-28 2007-08-28 通信装置におけるピーク電力低減装置 Expired - Fee Related JP4932641B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007220751A JP4932641B2 (ja) 2007-08-28 2007-08-28 通信装置におけるピーク電力低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007220751A JP4932641B2 (ja) 2007-08-28 2007-08-28 通信装置におけるピーク電力低減装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009055395A true JP2009055395A (ja) 2009-03-12
JP4932641B2 JP4932641B2 (ja) 2012-05-16

Family

ID=40506044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007220751A Expired - Fee Related JP4932641B2 (ja) 2007-08-28 2007-08-28 通信装置におけるピーク電力低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4932641B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011160264A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号処理回路とこの回路を有する通信装置
JP2012124694A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Fujitsu Semiconductor Ltd 通信装置,送信装置及び受信装置
JP2012531127A (ja) * 2009-06-22 2012-12-06 アルカテル−ルーセント 送信のためにアグリゲートされるコンポーネント・キャリアを処理するための方法および装置
WO2012176495A1 (ja) * 2011-06-22 2012-12-27 三菱電機株式会社 送信装置、受信装置、通信システムおよび通信方法
JP2016506125A (ja) * 2012-11-29 2016-02-25 インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド Ofdmシステムにおけるスペクトル漏れの低減
JP2016535960A (ja) * 2013-08-30 2016-11-17 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン 信号を送信する方法及び装置
US10270636B2 (en) 2015-02-23 2019-04-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication apparatus, integrated circuit, transmission method, reception method, and communication method

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003522433A (ja) * 1998-11-27 2003-07-22 ノーテル・ネットワークス・リミテッド ピーク電力調整器および包絡線大きさ調整器、およびそのような調整器を使用したcdma送信器
JP2004135274A (ja) * 2002-08-30 2004-04-30 Alcatel 信号におけるピーク電力振幅をスケーリングするための方法および対応する送信機
JP2004173258A (ja) * 2002-11-01 2004-06-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd マルチキャリア通信装置およびマルチキャリア通信方法
JP2006187009A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Samsung Electronics Co Ltd 誤警報確率を減らすための信号取得装置及びその方法
WO2006082675A1 (ja) * 2005-02-03 2006-08-10 National University Corporation NARA Institute of Science and Technology 送信装置、送信補助装置、受信装置、受信補助装置及び送受信システム並びに通信方法
JP2006229746A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Japan Telecom Co Ltd ピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機
WO2007052965A2 (en) * 2005-11-03 2007-05-10 Lg Electronics Inc. Method and apparatus for producing/recovering ofdm/ofdma signals

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003522433A (ja) * 1998-11-27 2003-07-22 ノーテル・ネットワークス・リミテッド ピーク電力調整器および包絡線大きさ調整器、およびそのような調整器を使用したcdma送信器
JP2004135274A (ja) * 2002-08-30 2004-04-30 Alcatel 信号におけるピーク電力振幅をスケーリングするための方法および対応する送信機
JP2004173258A (ja) * 2002-11-01 2004-06-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd マルチキャリア通信装置およびマルチキャリア通信方法
JP2006187009A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Samsung Electronics Co Ltd 誤警報確率を減らすための信号取得装置及びその方法
WO2006082675A1 (ja) * 2005-02-03 2006-08-10 National University Corporation NARA Institute of Science and Technology 送信装置、送信補助装置、受信装置、受信補助装置及び送受信システム並びに通信方法
JP2006229746A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Japan Telecom Co Ltd ピーク電力の低減方法並びに装置、及びこれを用いた移動体通信システム、並びにこの移動体通信システムに用いる送信機
WO2007052965A2 (en) * 2005-11-03 2007-05-10 Lg Electronics Inc. Method and apparatus for producing/recovering ofdm/ofdma signals

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012531127A (ja) * 2009-06-22 2012-12-06 アルカテル−ルーセント 送信のためにアグリゲートされるコンポーネント・キャリアを処理するための方法および装置
JP2011160264A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 信号処理回路とこの回路を有する通信装置
JP2012124694A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Fujitsu Semiconductor Ltd 通信装置,送信装置及び受信装置
WO2012176495A1 (ja) * 2011-06-22 2012-12-27 三菱電機株式会社 送信装置、受信装置、通信システムおよび通信方法
JP5484637B2 (ja) * 2011-06-22 2014-05-07 三菱電機株式会社 送信装置、受信装置および通信方法
US9319168B2 (en) 2011-06-22 2016-04-19 Mitsubishi Electric Corporation Transmitting apparatus, receiving apparatus, communication system, and communication method
JP2016506125A (ja) * 2012-11-29 2016-02-25 インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド Ofdmシステムにおけるスペクトル漏れの低減
US9692629B2 (en) 2012-11-29 2017-06-27 Idac Holdings, Inc. Resource block based multicarrier modulations for agile spectrum
JP2016535960A (ja) * 2013-08-30 2016-11-17 フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン 信号を送信する方法及び装置
US9813276B2 (en) 2013-08-30 2017-11-07 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Method and apparatus for transmitting a signal
US10103921B2 (en) 2013-08-30 2018-10-16 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Method and apparatus for transmitting a signal
US10270636B2 (en) 2015-02-23 2019-04-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Wireless communication apparatus, integrated circuit, transmission method, reception method, and communication method

Also Published As

Publication number Publication date
JP4932641B2 (ja) 2012-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7376074B2 (en) Apparatus and method for transmitting and receiving side information of a partial transmit sequence in an OFDM communication system
US7649950B2 (en) OFDM transmitter that performs a peak reduction process on a transmission signal sequence
JP4303288B2 (ja) 直交周波数分割多元通信システムにおけるピーク電力対平均電力比を減少させる装置及び方法
US7583738B2 (en) Apparatus and method for reducing peak-to-average power ratio in orthogonal frequency division multiplexing communication system
KR100854830B1 (ko) 위상 벡터들을 사용하는 통신 시스템 및 방법
JP4932641B2 (ja) 通信装置におけるピーク電力低減装置
US20050089109A1 (en) Apparatus and method for PAPR reduction in an OFDM communication system
KR20070077622A (ko) 톤 예약 방식을 적용한 직교 주파수 분할 다중화 송신 장치및 방법
JP2005210708A (ja) 無線通信システム、無線送信装置、無線受信装置及び無線通信方法
KR20070045343A (ko) 송신 장치, 수신 장치, 통신 시스템 및 통신 방법
US20040141458A1 (en) Apparatus and method for reducing peak to average power ratio in an orthogonal frequency division multiplexing system
KR20030038270A (ko) 직교주파수분할다중 방식의 이동통신시스템에서시공간-주파수 부호화/복호화 장치 및 방법
JPWO2006082675A1 (ja) 送信装置、送信補助装置、受信装置、受信補助装置及び送受信システム並びに通信方法
JP4863262B2 (ja) 送信機,通信システム及び送信方法
US20090225895A1 (en) Transmission architecture of transmitter
Li et al. A low complexity partition dummy sequence insertion PAPR reduction method for the OFDM system
Manhas et al. OFDM PAPR reduction using recurring SLM with cyclic and linear block codes schemes
JP2007028092A (ja) 送信装置、送信方法、受信装置及び受信方法
JP4303048B2 (ja) 送信装置及び送信方法
KR100637710B1 (ko) 최대전력 대 평균전력비 및/또는 연산량 감소를 위한선택사상기법의 직교 주파수 분할 다중 반송파 통신 방법
JP2011229090A (ja) プリアンブル信号生成装置、プリアンブル信号生成方法、プリアンブル信号生成プログラムおよびプリアンブル信号を記録した記録媒体
Hou et al. A novel modulation with parallel combinatory and high compaction multi-carrier modulation
JP4539969B2 (ja) マルチキャリアスペクトル拡散通信装置及びマルチキャリアスペクトル拡散通信方法
Liang Combining block-coded modulation codes and improved constellation extended schemes to reduce peak-to-average power ratio in orthogonal frequency-division multiplexing systems
Kase et al. Study on characteristics of MC-CDMA communication system

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120213

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees