JP2006225646A - ビニル−ポリウレタンウレア樹脂水分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機ポリイソシアネート化合物(a)、高分子ポリオール(b)、および必要に応じて、少なくとも一つの親水性官能基と少なくとも2個の活性水素含有基を有する化合物(c)を反応させてなるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と、親水性官能基を有するビニル系樹脂(B)を含有する組成物(C)を調製する工程の後に、該組成物(C)を分散媒に分散させる工程と、該組成物(C)中のウレタンプレポリマー(A)を鎖伸長剤で伸長する工程を、同時にまたはこの順で設けることを特徴とする、ビニル−ポリウレタンウレア樹脂水分散液の製造方法による。
【選択図】 なし
Description
有機ポリイソシアネート化合物(a)、高分子ポリオール(b)、および、必要に応じて、少なくとも一つの親水性官能基と少なくとも2個の活性水素含有基を有する化合物(c)を反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)(以下、プレポリマー(A)という)と、
親水性官能基を有するビニル系樹脂(B)(以下、ビニル系樹脂(B)という)を含有する組成物(C)を調製する工程の後に、
該組成物(C)を分散媒に分散させる工程と、
該組成物(C)中の該プレポリマー(A)を鎖伸長剤で伸長する鎖伸長反応工程を、
同時にまたはこの順で設けることを特徴とする、
ビニル−ポリウレタンウレア樹脂水分散液(以下、樹脂水分散液(I)という)の製造方法;
プレポリマー(A)を構成する有機ポリイソシアネート化合物(a)としては、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。具体的には、有機ジイソシアネート化合物として、例えば、芳香族系有機ジイソシアネート化合物〔1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等〕;脂肪族系有機ジイソシアネート化合物〔ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等〕;脂環族系有機ジイソシアネート化合物〔シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート等〕等を例示できる。また、有機トリイソシアネート化合物として、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネートやポリメチレンポリフェニルイソシアネート等を例示できる。なお、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2) ビニル系樹脂(B)の存在下で、ウレタンプレポリマー(A)を製造することにより、組成物(C)を得る方法。
(2’) 攪拌状態にある分散媒へ、組成物(C)を徐々に滴下しつつ、反応系全体を混合する方法。
(3’) 静置状態にある組成物(C)へ、いったん分散媒を供給しておき、その後反応系全体を混合する方法。
(4’) 静置状態にある分散媒へ、組成物(C)をいったん供給しておき、その後反応系全体を混合する方法。
(2’’) 攪拌状態にある組成物(C)へ、鎖伸長剤水溶液を徐々に滴下しつつ、反応系全体を混合する方法。
(3’’) 攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液へ、組成物(C)を徐々に滴下して、反応系全体を混合する方法。
(4’’) 静置状態にある組成物(C)へ、鎖伸長剤水溶液をいったん供給しておき、その後反応系全体を混合する方法。
(5’’) 静置状態にある鎖伸長剤水溶液へ、組成物(C)をいったん供給しておき、その後反応系全体を混合する方法。
(2’’’) 攪拌状態にある組成物(C)の分散液へ、鎖伸長剤(水溶液)を徐々に滴下しつつ、反応系全体を混合する方法。
本発明では、樹脂水分散液(I)の前記製造方法において、さらに非親水性ラジカル重合性モノマーを添加する工程(以下、添加工程という)と、ラジカル重合反応工程(以下、重合工程という)を設けることにより、貯蔵安定性や耐加水分解性等に優れるほか特に被膜の耐水性に優れた樹脂水分散液(II)を得ることができる。
(2’’’’) 組成物(C)を調製する工程と同時に添加工程を設け、次いで分散工程と鎖伸長工程を同時に設け、その後重合工程を設ける。
(3’’’’) 組成物(C)を調製する工程の後に添加工程を設け(組成物(C)に、非親水性ラジカル重合性モノマーを添加することを意味する)、次いで分散工程、鎖伸長工程をこの順で設け、その後重合工程を設ける。
(4’’’’) 組成物(C)を調製する工程の後に添加工程を設け、次いで分散工程と鎖伸長工程を同時に設け、その後重合工程を設ける。
本発明では、樹脂水分散液(II)の前記製造方法において、前記プレポリマー(A)として、前記炭素−炭素二重結合含有ウレタンプレポリマー(A’)(以下、プレポリマー(A’)という)を用いることによって、固形成分中にグラフト結合が導入された樹脂水分散液(III)を得ることができる。該樹脂水分散液(III)は、貯蔵安定性や耐加水分解性が特に優れ、また被膜の耐水性に優れる。なお、該炭素−炭素二重結合は、プレポリマー(A’)の分子末端、分子鎖中、あるいはその両方に存在できる。
(5’’’’) プレポリマー(A’)を用いて組成物(C)を調製する工程と同時に添加工程を設け(前記組成物(C’)を非親水性ラジカル重合性モノマーの存在下で調製する)、次いで分散工程を設け、続いて鎖伸長工程を設け、その後重合工程を設ける。
(6’’’’) プレポリマー(A’)を用いて組成物(C)を調製する工程と同時に添加工程を設け、次いで分散工程と鎖伸長工程を同時に設け、その後重合工程を設ける。
(7’’’’) プレポリマー(A’)を用いて組成物(C)を調製する工程の後に、添加工程を設け、次いで分散工程、鎖伸長工程をこの順で設け、その後重合工程を設ける。
(8’’’’) プレポリマー(A’)を用いて組成物(C)を調製する工程の後に、添加工程を設け、次いで分散工程と鎖伸長工程を同時に設け、その後重合工程を設ける。
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルジオール(製品名「クラレポリオールP2010」、クラレ(株)製、数平均分子量2000)を1113.4重量部、イソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基の含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを得た。次いで同フラスコに、分子内にカルボキシル基を有するビニル系樹脂(製品名「ジョンクリル680」、ジョンソンポリマー(株)製、カルボキシル基の含有量が3.8meq/g、数平均分子量4900)を375重量部仕込み、110℃まで昇温して攪拌混合し、組成物を得た。次いで、当該組成物1250部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン132.8重量部、イソプロピルアルコール200重量部、イソホロンジアミン46重量部、水2691重量部)へ徐々に滴下して、反応系全体を混合した。その後、反応系を60℃で2時間攪拌保持して、鎖伸長反応を完了させた。こうして固形分が約30重量%の樹脂水分散液(I)−1を得た。このものの数平均分子量は16000、粘度は200mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「クラレポリオールP2010」を1113.4重量部、イソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを得た。次いで同フラスコに前記「ジョンクリル680」を375重量部仕込み、110℃まで昇温して攪拌混合し、組成物を得た。次いで、当該組成物1250部を、攪拌状態にある分散媒(トリエチルアミン132.8重量部、イソプロピルアルコール200重量部、水2691重量部)へ徐々に滴下して、反応系全体を混合した。次いで、攪拌状態にある分散液へ、イソホロンジアミン46重量部を徐々に滴下しつつ、反応系全体を混合した後、反応系を60℃で2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(I)−2を得た。このものの数平均分子量は15000、粘度は150mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「ジョンクリル680」を375重量部、前記「クラレポリオールP2010」を1113.4重量部仕込み、110℃で1時間混合した後、80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを含む組成物を得た。次いで当該組成物1250部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン132.8重量部、イソプロピルアルコール200重量部、イソホロンジアミン46重量部、水2691重量部)へ徐々に滴下して、反応系全体を混合した。その後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(I)−3を得た。このものの数平均分子量は17000、粘度は250mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、分子内にカルボキシル基を有するビニル系樹脂(製品名「ジョンクリル586」、ジョンソンポリマー(株)製、カルボキシル基の含有量が1.9meq/g、数平均分子量4600)を375重量部、前記「クラレポリオールP2010」を1113.4重量部仕込み、110℃で30分間混合した後、80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを含む組成物を得た。次いで当該組成物1250部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン85重量部、イソプロピルアルコール200重量部、イソホロンジアミン46重量部、水2739重量部)へ徐々に滴下して、反応系全体を混合した。その後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(I)−4を得た。このものの数平均分子量は17000、粘度は200mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「ジョンクリル680」を375重量部、ポリエーテルジオール(製品名「PTMG2000」、三菱化学(株)製、数平均分子量2000)を1113.4重量部仕込み、110℃で30分間混合した後、80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを含む組成物を得た。次いで当該組成物1250部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン132.8重量部、イソプロピルアルコール200重量部、イソホロンジアミン46重量部、水2691重量部)へ徐々に滴下して、反応系全体を混合した。その後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。こうして固形分約30重量%のビニル−ポリウレタンウレア樹脂樹脂水分散液(I)−5を得た。このものの数平均分子量は17000、粘度は300mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、分子内にカルボキシル基を有するビニル系樹脂(製品名「ジョンクリル682」、ジョンソンポリマー(株)製、カルボキシル基の含有量が4.2meq/g、数平均分子量1700)を375重量部、前記「クラレポリオールP2010」を1227.5重量部仕込み、110℃で30分間混合した後80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジイソシアネート272.5重量部仕込み、90℃で6時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が3.4重量%のプレポリマーを含む組成物を得た。次いで当該組成物1250部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン107重量部、イソプロピルアルコール300重量部、イソホロンジアミン79重量部、水2694重量部)へ徐々に滴下して反応系全体を混合した後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(I)−6を得た。このものの数平均分子量は16000、粘度は50mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「ジョンクリル682」を375重量部、前記「クラレポリオールP2010」を1227.5重量部仕込み、110℃で30分間混合した後80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジシソシアネート272.5重量部、ブチルメタクリレート300重量部を仕込み、80℃で6時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が3.4重量%のプレポリマーを含む組成物を得た。次いで、当該組成物1450部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン107重量部、イソプロピルアルコール300重量部、イソホロンジアミン79重量部、水2694重量部)へに徐々に滴下して反応系全体を混合した後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。次いで、得られた水分散液を80℃に昇温し、過硫酸カリウムを4部加え、同温度で5時間保持して重合反応を行った。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(II)−1を得た。このものの数平均分子量は100000、粘度は60mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「ジョンクリル682」を375重量部、前記「クラレポリオールP2010」を1227.5重量部仕込み、110℃で30分間混合した後80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジシソシアネート272.5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート33重量部、ブチルメタクリレート375重量部を仕込み、80℃で6時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が2.6重量%のプレポリマーを含む組成物を得た。次いで、当該組成物の1522部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン107重量部、イソプロピルアルコール300重量部、イソホロンジアミン55重量部、水3273重量部)中へ攪拌下に徐々に加えて機械分散した後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた次いで、得られた水分散液を80℃に昇温し、過硫酸カリウムを4部加え、同温度で5時間保持して重合反応を行った。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(III)−1を得た。このものの数平均分子量は120000、粘度は60mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「ジョンクリル682」を375重量部、前記「クラレポリオールP2010」を1113.4重量部仕込み、110℃で30分間混合した後80℃まで冷却した。次いで同フラスコにイソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート33重量部、ブチルメタクリレート375重量部を仕込み、80℃で6時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/g(酸価20)のプレポリマーを含む組成物を得た。次いで、当該組成物の1522部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン143重量部、イソプロピルアルコール300重量部、イソホロンジアミン23重量部、水3162重量部)へ攪拌下に徐々に加えて機械分散した後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた次いで、得られた水分散液を80℃に昇温し、過硫酸カリウムを4部加え、同温度で5時間保持して重合反応を行った。こうして固形分約30重量%の樹脂水分散液(III)−1を得た。このものの数平均分子量は120000、粘度は80mPa・s/25℃であった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「クラレポリオールP2010」を742.3重量部、イソホロンジイソシアネート210重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸47.8重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを得た。次いで当該プレポリマーに、前記「ジョンクリル680」を250重量部仕込み、110℃まで昇温して機械攪拌して混合し、組成物を得た。次いで、機械攪拌下にイソホロンジアミン46重量部を徐々に滴下し鎖伸長反応を行ったが、滴下途中より反応系がゲル状となり、攪拌不能となった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「クラレポリオールP2010」を1113.4重量部、イソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部を仕込み、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを得た。次いで当該混合物の1000部を、攪拌状態にある鎖伸長剤水溶液(トリエチルアミン36重量部、イソプロピルアルコール200重量部、イソホロンジアミン46重量部、水2205重量部)へ徐々に加えて反応系全体を混合した後、2時間系を攪拌保持して鎖伸長反応を完了させ、固形分約30重量%のポリウレタン樹脂の水分散液を調製した。一方、前記「ジョンクリル680」250重量部を、トリエチルアミンを97重量部含む水486重量部の中に溶解し、固形分約30重量%のビニル樹脂水溶液を調製した。次いで、当該ポリウレタン樹脂の水分散液1000重量部と当該ビニル樹脂水溶液250重量部とを攪拌下に混合した。しかし、混合直後から樹脂成分の析出による不溶物が発生してしまい、均質な分散液とはならなかった。
実施例1と同様の4つ口フラスコに、前記「クラレポリオールP2010」を1113.4重量部、イソホロンジイソシアネート315重量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸71.7重量部、ブチルメタアクリレート260部、アクリル酸116部を仕込み、80℃で6時間ウレタン化反応を行い、遊離イソシアネート基含有量が1.8重量%、カルボキシル基の含有量が0.36meq/gのプレポリマーを含む組成物を得た。次いで当該組成物の1250部をトリエチルアミン144重量部、イソプロピルアルコール200重量部、イソホロンジアミン23重量部、水2626重量部中へ攪拌下に徐々に加えて機械分散した後、反応系を60℃にて、2時間攪拌保持して鎖伸長反応を完了させた。次いで、得られた水分散液を80℃に昇温し、過硫酸カリウムを5部加え、同温度にて系を5時間保持して重合反応を行った。こうして固形分約30重量%のビニル−ポリウレタンウレア樹脂の水分散液を得た。このものの数平均分子量は50000、粘度は1000mPa・s/25℃であった。
上記実施例および比較例で得られた各樹脂水分散液を、40℃にて30日間放置した後、状態の変化を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
◎:外観変化無し。実質的に粘度変化無し。
○:外観変化無し。ほとんど粘度変化無し。
△:外観変化無し。やや粘度変化あり。
×:不溶物の析出がみられる。
上記実施例1で得られた各樹脂水分散液40部、チタン白(ルチル型)30部、水20部およびイソプロピルアルコール10部をペイントシェーカーにて1時間練肉し、次いでイソプロピルアルコール15部、水15部を加えてよく混合し、白色の印刷インキを調製した。次いで、得られた印刷インキを、No.8のバーコーターを用いて、コロナ放電処理ポリプロピレンフィルム(OPP)の放電処理面およびコロナ放電処理ポリエチレンテレフタレート(PET)の放電処理面にそれぞれ塗工し、40〜50℃で乾燥させて塗工フィルムを作製した。実施例2〜8、および比較例3についても同様にして、印刷インキと塗工フィルムを作製した。
その後、各フィルムに対する印刷インキ被膜の密着性および耐水性を、得られた塗工フィルムを24時間放置したのち、印刷面にセロハン粘着テープを貼り付けたのちに剥離し、塗工フィルムの外観を観察し、以下の基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
○:75%より多く皮膜が残った
○△:50〜75%の皮膜が残った
△:25〜50%の皮膜が残った
×:25%未満の皮膜しか残らなかった
また、別途、各塗工フィルムを24時間放置したのち、該フィルムを水に1時間浸漬した。この塗工フィルムの表面を、水を含ませた綿棒でこすり、塗工フィルムの外観を観察した。評価基準を以下に示す。結果を表2に示す。
○:75%より多く皮膜が残った
○△:50〜75%の皮膜が残った
△:25〜50%の皮膜が残った
×:25%未満の皮膜しか残らなかった
各印刷インキを、バーコーターNo.8を用いてガラス板に塗工し、ハンドドライヤーで数秒間乾燥させた。次いで、ガラス板を2.5%アンモニア水に数秒間浸漬し、塗膜の溶出状態を目視観察した。結果を表2に示す。
○:3回以下の浸漬で塗膜がほぼ溶解する
△:3〜10回の浸漬で塗膜が50%以上溶解する
×:10回より多く浸漬しても塗膜が溶解しない
Claims (7)
- 有機ポリイソシアネート化合物(a)、高分子ポリオール(b)、および必要に応じて、少なくとも一つの親水性官能基と少なくとも2個の活性水素含有基を有する化合物(c)を反応させてなるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と、親水性官能基を有するビニル系樹脂(B)を含有する組成物(C)を調製する工程の後に、
該組成物(C)を分散媒に分散させる工程と、
該組成物(C)中のウレタンプレポリマー(A)を鎖伸長剤で伸長する工程を、
同時にまたはこの順で設けることを特徴とする、
ビニル−ポリウレタンウレア樹脂水分散液の製造方法。 - さらに、非親水性ラジカル重合性モノマーを添加する工程と、ラジカル重合反応工程を設けることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- ラジカル重合反応工程を、前記鎖伸長反応工程の後に設けることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
- 前記ウレタンプレポリマー(A)として、水酸基含有ラジカル重合性モノマー、有機ポリイソシアネート化合物(a)、高分子ポリオール(b)、および必要に応じて前記化合物(c)を反応させてなる、炭素−炭素二重結合含有ウレタンプレポリマー(A’)を用いることを特徴とする、請求項2または3に記載の製造方法。
- 化合物(c)の親水性官能基が、カルボキシル基またはその中和塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 化合物(c)が、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸中和塩、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールブタン酸中和塩からなる群より選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- ビニル系樹脂(B)の親水性官能基が、カルボキシル基またはその中和塩である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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