JP2006225599A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 氷雪上性能と耐磨耗性との高度な両立を図ることのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 ゴムラテックスと、カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固して得られるゴムマスターバッチからなるゴム成分と、独立気泡とを含有するゴム組成物を、トレッドに用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤの氷雪上性能を向上させるために、発泡ゴムが多用されている。これは、発泡ゴムの内部に独立気泡が設けられていることによって、排水性を得、氷雪上性能を向上させることができるからである(例えば、特許文献1参照)。
また、加工性に優れたゴムの製造方法としてマスターバッチを用いることが知られている。これは、カーボンブラック、シリカ等の充填材と水とをあらかじめ一定の割合で混合し機械的な力で充填材を水中に微分散させたスラリーと、ゴムラテックスを混合し、その後、酸、無機塩、アミン等の凝固剤を加えて凝固させたものを、回収、乾燥して得られるものである(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−191831号公報 特開2002−99625号公報
ところで、近年、市場における氷雪上性能と耐摩耗性の高度な両立に対する要求が年々高まっている。
上述したマスターバッチを用いた空気入りタイヤにおいて、ゴムを発泡させることにより、排水性が得られ、氷雪上性能が向上している。しかしながら、発泡ゴムは、ブロックの剛性を低下し、それに伴い、耐磨耗性を低下するため、氷雪上性能と耐摩耗性との高度な両立を図ることは困難であった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、氷雪上性能と耐磨耗性との高度な両立を図ることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、マスターバッチによる製法を用い、空気入りタイヤに用いられるゴム組成物中に特定の化合物を含有することにより、上記目的を達成することが可能であるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明の特徴は、ゴムラテックスと、カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固して得られるゴムマスターバッチからなるゴム成分と、独立気泡とを含有するゴム組成物を、トレッドに用いることを特徴とする空気入りタイヤであることを要旨とする。
本発明の特徴に係る空気入りタイヤによると、氷雪上性能と耐磨耗性との高度な両立を図ることのできる。
また、本発明の特徴に係る独立気泡は、ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の発泡剤を含有することによって作られることが好ましく、2〜20重量部の発泡剤を含有することによって作られることがより好ましい。発泡剤が、ゴム成分100重量部に対して1重量部より少ないと、充分に発泡反応が得られず、氷雪上性能の効果が小さい。また、30重量部を超えると、大幅に発泡率が上昇し、耐磨耗性が低下する。
また、本発明の特徴に係るゴム組成物は、ゴムラテックスと、カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが好ましい。粒径が大きすぎると、ゴム中の充填材分散が悪化し、補強性、耐磨耗性が悪化することがある。また、24M4DBP給油量の保持が93%より小さいと、目標の補強性を得ることができない。
また、ゴムマスターバッチは、ゴムラテックス又はスラリー溶液に界面活性材を加えて混合されることが好ましい。
また、凝固後のゴムマスターバッチを乾燥させる工程において、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行うことが好ましい。機械的なせん断力をかけることにより、さらに充填材の分散性が向上する。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行うことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いて乾燥を行うことが好ましい。さらには、同方向回転あるいは異方向回転などの複軸混練押出機を用いることが好ましい。
また、本発明の特徴に係るゴム組成物において、シリカの含有量が、総充填材の10〜90重量%であることが好ましい。シリカの含有量は、多いほど低温で柔らかくなり、スノータイヤには好適である。シリカの含有量が、総充填材の10重量%より小さいと、スノータイヤに対する効果が低下する。また、シリカの含有量が、総充填材の90重量%を超えると、製造工程における押出作業での効率が著しく悪化する。ここで、使用するシリカのNSAは、特に限定されないが、190〜270m/gが好ましい。シリカのNSAが190m/gより小さくなると、WET性能が十分得られない可能性がある。また、シリカのNSAが270m/gを超えると、マスターバッチではなく、後に添加する場合に、工場作業性が著しく悪化する。
また、本発明の特徴に係るゴム成分が、ブタジエンゴムを20重量%以上含むことが好ましい。20重量%以上のブタジエンゴムが、ゴム成分に含有されることによって、低温での弾性率の低下を防ぎ、耐磨耗性を向上させることができる。
また、本発明の特徴に係る発泡剤の発泡率は、5〜50%であることが好ましい。発泡剤の発泡率が5%より小さいと、発生する水膜に対して絶対的な凹部体積の不足により十分な排水効果を得ることができず、氷雪上性能の効果はあまりない。また、発泡率が50%を超えると、氷雪上性能効果は十分だがゴム内部の空隙が多すぎるために、コンパウンドの破壊限界が大幅に低下し耐磨耗性が著しく低下する。
また、本発明の特徴に係るゴム組成物は、ゴム成分100重量部に対して0.5〜20重量部の短繊維を更に含有することが好ましい。短繊維の含有量が、0.5重量部より少ないと、トレッド部の剛性が充分に向上せず、排水効果をも期待することができず、氷雪上性能の向上効果が得られないことがある。また、短繊維の含有量が、20重量部を超えると、ゴム混練り時の分散不良が起こり、押出加工が困難になるのみではなく、弾性率の上昇が著しいため、氷雪上性能が低下する。また、短繊維の平均長さは、10mmより小さいことが好ましく、1〜4mmがより好ましい。この平均長さが10mmを超えると、ゴム混練り時の分散不良や、押出時の肌荒れや配向乱れが発生し、トレッド部の剛性が充分に向上せず、氷雪上性能の向上効果が充分でないことがある。また、平均長さが1mmより小さいと、長繊維からの機械的な切断が困難になり、短繊維を製造する工程の生産性が悪化し、また、短繊維を配合した効果が充分に得られない傾向がある。さらに、短繊維の平均径は、0.01〜0.1mmが好ましく、0.015〜0.05mmがより好ましい。この平均径が、0.01mmより小さいと、短繊維の製造時に糸切れが多く発生し、また、短繊維を配合した効果が充分に得られない傾向があり、トレッド部の剛性が充分に向上せず、氷雪上性能の向上効果が充分でないことがある。また、平均径が、0.1mmを超えると、短繊維の平均径が大きくなり過ぎ、ゴム混練り時の分散不良や、押出し時の肌荒れや配向乱れが発生することがあり、トレッド部の剛性が充分に向上せず、氷雪上性能の向上効果が充分でないことがある。
また、本発明の特徴に係る短繊維は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維の少なくとも1種であることが好ましい。ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維は、加硫中に溶け、繊維そのものが発泡するため、排水効果をより高めることができる。
また、本発明の特徴に係るゴム組成物において、ゴムマスターバッチは、天然ゴムマスターバッチであることが好ましい。天然ゴムは、機械的特性、低発熱性、耐磨耗性に優れたゴムであり、環境に優しい素材としても注目されている。
本発明によれば、氷雪上性能と耐磨耗性との高度な両立を図ることのできる空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明を詳細に説明する。
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、ゴムラテックスと、カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固して得られるゴムマスターバッチからなるゴム成分と、独立気泡とを含有する。
また、ゴム組成物は、ゴム成分と独立気泡以外に、短繊維を含むことが好ましい。
カーボンブラックは、マスターバッチからなるゴム成分を製造する段階において配合してもよく、また、ゴム成分を製造した後にドライミルを用いて添加してもよい。
以下において、ゴム成分と、独立気泡と、短繊維とについて詳述する。
(ゴム成分)
ゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系ゴムのうちで、主に天然ゴムが用いられる。また、ジエン系ゴムとして、ブタジエンゴムが20重量%以上用いられることが好ましい。20重量%以上のブタジエンゴムが、ゴム成分に含有されることによって、低温での弾性率の低下を防ぎ、耐磨耗性を向上させることができる。他のジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、これらは単独でもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
このゴム成分のマスターバッチの製造方法については、後に詳述する。
(独立気泡)
本発明における独立気泡は、ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の特定量の発泡剤を含有することによって作られることが好ましい。
本発明のゴム組成物に用いる発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これら発泡剤の中でも、製造加工性の観点から、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。また、これら発泡剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
上記発泡剤の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて粒子状、液状等の中から適宜選択することができる。なお、発泡剤の形態は、例えば顕微鏡等を用いて観察することができる。また、粒子状の発泡剤の平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用いて測定することができる。
また、上記発泡剤には、発泡助剤として尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等を併用するのが好ましい。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。発泡助剤を併用することにより、発泡反応を促進して反応の完結度を高め、経時的に不要な劣化を抑制することができる。
また、本発明のゴム組成物において用いられる発泡剤の全量は、ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、2〜20重量部であることがより好ましい。発泡剤が、ゴム成分100重量部に対して1重量部より少ないと、十分に発泡反応が得られず、氷雪上性能の効果が小さい。また、30重量部を超えると、大幅に発泡率が上昇し、耐磨耗性が低下する。
(短繊維)
本発明の短繊維の平均径としては、0.01〜0.1mmが好ましく、0.015〜0.05mmがより好ましい。
この平均径が、0.01mmより小さいと、短繊維の製造時に糸切れが多く発生し、また、短繊維を配合した効果が充分に得られない傾向があり、トレッド部の剛性が充分に向上せず、氷雪上性能の向上効果が充分でないことがあり、0.1mmを超えると、短繊維の平均径が大きくなり過ぎ、ゴム混練り時の分散不良や、押出し時の肌荒れや配向乱れが発生することがあり、トレッド部の剛性が充分に向上せず、氷雪上性能の向上効果が充分でないことがある。なお、短繊維の平均径は、光学顕微鏡を用いて測定することができる。
本発明の短繊維の平均長さとしては、10mmより短いことが好ましく、1〜4mmがより好ましい。
この平均長さが10mmを超えると、ゴム混練り時の分散不良や、押出時の肌荒れや配向乱れが発生し、トレッド部の剛性が充分に向上せず、氷雪上性能の向上効果が充分でないことがある。また、平均長さが1mmより小さいと、長繊維からの機械的な切断が困難になり、短繊維を製造する工程の生産性が悪化し、また、短繊維を配合した効果が充分に得られない傾向がある。短繊維の平均長さは、例えば、光学顕微鏡等により測定できる。
短繊維としては、有機短繊維及び無機短繊維が挙げられ、いずれも使用できる。無機短繊維は、無機材料で形成されたものであり、例えば、炭素繊維、硝子ファイバー、鋼材ファイバー等が挙げられる。有機短繊維は、合成或は天然高分子で形成されたものであり、結晶性高分子短繊維、非結晶性高分子短繊維等が挙げられる。
結晶性高分子短繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン系短繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との重縮合体等の脂肪族ポリアミド短繊維、ケブラー等の芳香族ポリアミド短繊維或はアラミド短繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、芳香族ポリエステル等のポリエステル短繊維、ビニロン等のポリビニルアルコール系短繊維、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)短繊維、ポリエーテル系短繊維、ポリウレア系短繊維、ポリウレタン系短繊維、ポリエチレンスルフィド短繊維、ポリ塩化ビニル短繊維等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非結晶性高分子短繊維としては、例えば、ポリメチルメタクリレート短繊維、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体短繊維、ポリスチレン短繊維、ポリアクリロニトリル短繊維、などが挙げられる。これらも、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
短繊維が有機短繊維である場合、該有機短繊維を構成する樹脂の分子量としては、該樹脂の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概に規定することはできないが、ゴム成分の加硫最高温度における粘度(流動粘度)よりも該樹脂の粘度(溶融粘度)が高くならないような範囲で選択するのが好ましい。
短繊維の中でも、熱溶融性乃至熱軟化性である有機短繊維が好ましく、結晶性高分子短繊維がより好ましく、ポリエチレン短繊維、ポリプロピレン短繊維、芳香族ポリアミド短繊維、脂肪族ポリアミド短繊維、ポリエステル短繊維及びポリビニルアルコール短繊維から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
短繊維が熱溶融性乃至熱軟化性である場合、ゴム成分の混練り温度では溶融乃至軟化せず、ゴム成分の加硫温度で溶融乃至軟化して、短繊維としての形状を保持しながら、ゴムマトリックスと強固に接着するのが好ましい。従って、該短繊維の融点乃至軟化点としては、ゴム成分の加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましく、具体的には、100〜190℃が好ましく、135〜180℃がより好ましい。
融点が低いという観点からは、ポリエチレン短繊維(135℃)とポリプロピレン短繊維(170℃)が好ましい。
なお、融点乃至熱軟化点は、それ自体公知の融点/軟化点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を融点乃至熱軟化点とすることができる。
短繊維のゴム組成物における含有量としては、ゴム成分100重量部に対し、0.5〜20重量部であることが好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜5.0重量部が更に好ましい。
短繊維の含有量が、0.5重量部より少ないと、トレッド部の剛性が充分に向上せず、排水効果をも期待することができず、氷雪上性能の向上効果が得られないことがあり、20重量部を超えると、ゴム混練り時の分散不良が起こり、押出加工が困難になるのみではなく、弾性率の上昇が著しいため、氷雪上性能が低下する。
短繊維としては、適宜製造したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前者の場合、短繊維の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の紡糸法の中から適宜選択することができるが、短繊維が有機短繊維である場合には、例えば、溶液紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法などが好適に挙げられる。
これらの紡糸法の場合、所定の加熱温度の下、有機溶媒に有機短繊維を構成する樹脂を溶解乃至分散させて得た紡糸原液を紡糸ノズルから押し出してなる糸状体を急冷し、脱溶媒等を行って紡糸することにより有機短繊維を製造することができる。
加熱温度(有機短繊維の製造工程における温度)としては、40〜180℃が好ましく、40〜150℃がより好ましく、40〜130℃が特に好ましい。なお、有機短繊維がポリエチレン短繊維である場合、加熱温度としては100〜150℃が好ましい。
有機溶媒としては、樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、デカリン、アセトン、ベンゼンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
紡糸原液は、樹脂を有機溶媒に溶解乃至分散させることにより得られる。溶解及び分散は、公知の機器、装置、例えば攪拌装置等を用いて行うことができる。溶解乃至分散を行う時間、具体的には攪拌等を行う時間としては、紡糸原液における各成分の種類や量、攪拌速度、フィン形状、攪拌装置の内壁材質等に応じて異なり一概に規定することはできないが、5〜60分間程度が好ましい。
なお、溶融紡糸法又はゲル紡糸法による場合には、紡糸原液は、紡糸ノズルから水等の液体中に(湿式)、あるいは空気中に(乾式)等に押し出され、糸状体の形態に紡糸(成形)され、紡糸された糸状体は、例えば巻き取り機等を用いて巻き取られる。
紡糸ノズルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該紡糸ノズルの吹出口の直径としては、例えば、0.05〜1mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。なお、紡糸ノズルは、通常、紡糸装置や押出装置における紡糸原液の吹出口に装着される。紡糸装置としては、特に制限はなく、公知の紡糸装置やスクリュー型押出装置等の押出装置の中から適宜選択することができる。
以上により得られた糸状体は、急冷されて固化される。この急冷速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、水中で急冷する場合には、糸状体は瞬間的に冷却される。冷却中又は冷却後に糸状体は脱溶媒される。脱溶媒の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノール浴を用いる方法、熱風筒を用いる方法などが好適に挙げられる。
脱溶媒の前後いずれかに糸状体を延伸するのが好ましいが、脱溶媒の前に糸状体を延伸するのが、該糸状体の延伸倍率を上げられる点で好ましい。延伸の際の温度としては、40〜180℃の加熱下であるのが好ましく、40〜150℃の加熱下であるのがより好ましい。なお、延伸を行う装置としては、特に制限はなく、公知の延伸装置の中から適宜選択することができる。
こうして得られた有機短繊維は、通常、長繊維であるため、適宜選択した切断具を用いて所望の長さに切断することにより短繊維化することができる。
(シリカ)
次に、本発明のゴム組成物に含まれるシリカについて、より詳しく説明する。
本発明では、マスターバッチからなるゴム成分を製造する段階において、シリカを配合してもよい。また、ゴム成分を製造した後にシリカを配合するドライミルを用いてもよい。本発明のゴム組成物に含まれるシリカの含有量としては、総充填材の10〜90重量%であるのが好ましい。シリカの含有量が、総充填材の10重量%より小さいと、スノータイヤに対する効果が低下し、シリカの含有量が、総充填材の90重量%を超えると、製造工程における押出作業での効率が著しく悪化する。
なお、本発明で上記シリカを配合する場合には、シリカ−ゴム成分間の結合を強化し、耐摩耗性を確保するために、更に、シランカップリング剤を添加することが望ましい。
この目的に使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルポリスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルポリスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールポリスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールポリスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)ポリスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルポリスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールポリスルフィド等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールポリスルフィドなどが好ましい。
上記シランカップリング剤の配合量としては、シリカの配合量に対して、5〜20重量%が好ましく、10〜15重量%がより好ましい。
(その他の成分)
本発明のゴム組成物には、カーボンブラックを配合することができる。この際、カーボンブラックとシリカとの総配合量としては、ゴム成分100重量部に対し、30〜99重量部が好ましい。総配合量が、30重量部より少ないと、剛性不足になる恐れがあり、99重量部を超えると、耐摩耗性、及び、転がり摩擦抵抗が悪化することがある。また、カーボンとシリカを併用して充填する際には、シリカの配合量としては、カーボンブラックとシリカとの総配合量の10〜90重量%が好ましい。シリカの配合量が、10重量%より少ないと、湿潤スキッド性能が劣ることがある。
また、シリカ及びカーボンブラックの他にも、充填材として、本発明の効果を損なわない限りにおいて、例えば、活性化炭酸カルシウム、超微粒子珪酸マグネシウム、ハイスチレン樹脂、フェノール樹脂、リグニン樹脂、変性メラミン樹脂、クマロンインデン樹脂及び石油系樹脂などの補強材、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、リサージュ、珪藻土、再生ゴム及び粉末ゴムなどを目的に応じて配合することができる。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫材、加硫促進材、加硫促進助材、老化防止材、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられるゴム薬品を、目的に応じて適宜選択して混練してもよい。
加硫材としては、公知の加硫材、例えば硫黄、有機過酸化物、樹脂加硫材、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。
加硫促進材としては、公知の加硫促進材、例えばアルデヒド類、アンモニア類、アミン類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。
老化防止材としては、アミン−ケトン系、イミダゾール系、アミン系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
プロセスオイルは、アロマ系、ナフテン系、パラフィン系のいずれを用いてもよい。
(マスターバッチの製造方法)
本発明のゴム組成物のゴム成分は、ゴムマスターバッチからなる。以下において、天然ゴムラテックスを用いる天然ゴムマスターバッチの製造方法について説明するが、本発明は、天然ゴムマスターバッチに限らず、ジエン系合成ゴムなど合成ゴムを用いるマスターバッチにも適用可能である。
変性ラテックスとスラリー溶液とを混合する工程においては、あらかじめ、水中にカーボンブラックが分散したスラリー溶液を製造しておくことが必要であるが、このスラリー溶液の製造方法は公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、ホモミキサーに所定量の充填材と水を入れ、一定時間攪拌することで、当該スラリー溶液を調製することができる。
本発明における天然ゴムマスターバッチの製造方法では、充填材のスラリー溶液の製造に際しては、水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布と、充填材の24M4DBP吸油量とが特定範囲のものに限定される。すなわち、本発明における天然ゴムマスターバッチの製造方法は、天然ゴムラテックスと、カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることが必要である。ここで、24M4DBP吸油量は、ISO 6894に準拠して測定される値である。
さらに好ましくは、体積平均粒子径(mv)が20μm以下、かつ90体積%粒径(D90)が25μm以下である。粒度が大きすぎるとゴム中の充填材分散が悪化し、補強性、耐摩耗性が悪化することがある。
他方、粒度を小さくするためにスラリーに過度のせん断力をかけると、充填材のストラクチャーが破壊され、補強性の低下を引き起こす。水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、スラリーに投入する前の充填材の24MDBP吸油量の93%以上であることが必要である。さらに好ましくは96%以上である。
充填材の水分散スラリー溶液の製造には、ローター・ステータータイプのハイシアーミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等が用いられる。
例えば、コロイドミルに所定量の充填材と水を入れ、高速で一定時間攪拌することで、当該スラリー溶液を調製することができる。
本発明の天然ゴムマスターバッチの製造方法において、用いられるカーボンブラックとしては、通常ゴム工業に用いられるものが使用できる。例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独にまたは混合して使用することができる。また、ゴムマスターバッチに含まれるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が30〜200m2/g、もしくは、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が60〜160ml/100gであり、ゴム成分100重量部当たり、当該カーボンブラックを20〜100重量部含有することが望ましい。また、カーボンブラックは、30〜60重量部含有することがさらに望ましい。
また、本発明で用いるシリカとしては特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。また、このゴムマスターバッチに含まれるシリカ、あるいは、後に添加されるシリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、130〜300m2/gであることが望ましい。また、シリカの含有量は、総充填材の10〜90重量%であることが好ましい。
なお、上記カーボンブラックを含む充填材のスラリー濃度は、スラリーに対して0.5重量%〜60重量%が好ましく、1重量%〜30重量%がより好ましい。
充填材は、天然ゴムマスターバッチのゴム成分100重量部に対して、5〜100重量部添加されるのが好ましく、特には10〜70重量部の範囲であることが好ましい。充填材の量が5重量部より少ないと充分な補強性が得られない場合があり、また100重量部を超えると加工性が悪化する場合があるからである。
次に、スラリー溶液とアミド結合分解工程を経た天然ゴムラテックスとの混合方法としては、例えば、ホモミキサー中に該スラリー溶液を入れ、攪拌しながら、ラテックスを滴下する方法や、逆にラテックスを攪拌しながら、これに該スラリー溶液を滴下する方法がある。また、一定の流量割合をもったスラリー流とラテックス流とを、激しい水力攪拌の条件下で混合する方法などを用いることもできる。
マスターバッチの凝固方法としては、通常と同様、蟻酸、硫酸等の酸や、塩化ナトリウム等の塩の凝固剤を用いて行われる。また、本発明においては、凝固剤を添加せず、天然ゴムラテックスとスラリーとを混合することによって、凝固がなされる場合もある。
また、マスターバッチには、所望に応じて、カーボンブラック以外に、界面活性材、加硫材、老化防止材、着色材、分散材等の薬品など種々の添加材を加えることができる。
マスターバッチ製造の最終工程として、乾燥が通常行われる。本発明においては、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー、バンドドライヤー等の通常の乾燥機を用いることができるが、さらに充填材の分散性を向上させるためには、機械的せん断力をかけながら乾燥を行うことが好ましい。これにより、加工性、補強性、低燃費性に優れたゴムを得ることができる。この乾燥は、一般的な混練機を用いて行うことができるが、工業的生産性の観点から、連続混練機を用いることが好ましい。さらには、同方向回転、あるいは異方向回転の2軸混練押出機を用いることがより好ましい。
また、上記のせん断力をかけながら乾燥を行う工程においては、乾燥工程前のマスターバッチ中の水分は10%以上であることが好ましい。この水分が10%より少ないと、乾燥工程での充填材分散の改良幅が小さくなってしまうことがある。
(空気入りタイヤ)
上述した、本発明のゴム組成物はタイヤのトレッドゴムやトレッドベースゴムに好適に用いられる。尚、空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で、例えばトレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
本発明のゴム組成物は、各種分野において好適に使用することができるが、氷雪上性能が必要な乗用車やトラック又はバス等のスノータイヤに特に好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1及び表2に示す組成のゴム組成物を調整し、各ゴム組成物をトレッドに用いて試供タイヤ(サイズ:185/70R14)を試作した。
Figure 2006225599
Figure 2006225599
* 1.ブタジエン:BR01 JSR製品
* 2.老化防止材6C:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン
* 3.ワックス:精工化学(株)製、商標「WMO2」
* 4.加硫促進材 CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
* 5.カップリング材:デグッサ社製、商標「Si69」
比較例2〜5及び実施例1〜7は、マスターバッチを用いてゴム組成物を作製したが、ここで用いられるマスターバッチは、以下の製法により製造された。
A.ラテックスの調製
(1)ラテックス1
天然ゴムのフィールドラテックス(ゴム分24.2%)を脱イオン水で希釈し、ゴム分20%のものにした。
(2)ラテックス2
ラテックス1にアニオン系界面活性材(花王製デモール N)を0.5%、アルカリ性プロテアーゼ(ノボザイムス社製アルカラーゼ2.5LタイプDX)を0.1%加え、40℃で8時間攪拌することにより、天然ゴム中のアミド結合を分解した。
B.充填材の水分散スラリーの攪拌方法
(1)攪拌方法1
ローター径50mmのコロイドミルに脱イオン水1425gと、カーボンブラック(N110)の75グラムを投入し、ローター・ステーター間隙1mm、回転数1500rpmで10分間攪拌した。
(2)攪拌方法2
攪拌方法1と同様にして、ローター・ステーター間隙0.3mm、回転数5000rpmで10分間攪拌した。
(3)攪拌方法3
攪拌方法1に、さらにアニオン系界面活性材(花王デモール N)を0.05%加え、圧力式ホモジナイザーを用いて圧力500kPaの条件で3回循環させた。
(4)攪拌方法4
攪拌方法3と同様にして、圧力1000kPaの条件で5回循環させた。
上記で得られた水分散スラリー中の充填材の粒度分布(mv, D90)と、乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量(以下、24M4DBPという)及びその保持率を第3表に示す。なお、スラリー投入前の充填材の24M4DBPは、第3表の注に記載した。
Figure 2006225599
(注)スラリー投入前の充填材の24M4DBP
カーボンブラック;N110(24M4DBP:98)
カーボンブラック;N220(24M4DBP:100)
カーボンブラック;N330(24M4DBP:88)
水酸化アルミニウム;ハイジライトH−43M、昭和電工(株)製(24M4DBP:52)
また、各スラリーにおける各種測定は下記のように行った。
(I)スラリー溶液中の充填材の粒度分布測定(体積平均粒子径(mv)、90体積%粒径(D90))
レーザー回折型粒度分布計(MICROTRAC FRA型)を使用し、水溶媒(屈折率1.33)を用いて測定した。粒子屈折率(Particle refractive index)は全ての測定において1.57を用いた。また、充填材の再凝集を防ぐため、分散後直ちに測定を行った。
(II)充填材の24M4DBP吸油量
ISO 6894に準拠して測定した。
C.凝固工程
ホモミキサー中に、上記により調製されたラテックスとスラリーを、ゴム分100重量部に対して、第2表に示す各充填材を50重量部になるよう添加し、攪拌しながら、蟻酸をpH4.5になるまで加えた。凝固したマスターバッチを回収、水洗し、水分が約40%になるまで脱水を行った。
D.乾燥工程
バンドドライヤーを用いて温度120℃で乾燥するバンドドライヤー法、または神戸製鋼製2軸混練押出機(同方向回転スクリュー径 30mm、L/D=35、ベントホール3ヶ所)を用いて、バレル温度120℃、回転数100rpmで乾燥する2軸混練押出機法のいずれかの方法により行った。
上記により得られたマスターバッチ中の充填材量はいずれも、天然ゴム100重量部に対して、約50重量部であった。
E.ゴム組成物の調製
上記のマスターバッチまたはドライ練りにより得られた充填材配合ゴム(天然ゴム100重量部と充填材50重量部)に対して、酸化亜鉛3重量部、硫黄1.2重量部、ステアリン酸2重量部、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)1重量部およびN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン(6C)1重量部、さらに、充填材がシリカの場合はシランカップリング剤(デグサ社製,Si69「商標」) 4重量部を配合し、プラストミルで混練してゴム組成物を得た。
また、試験は以下の項目について行った。
(1)氷雪上性能
試験用の空気入りタイヤを、国産1600CCクラスの乗用車に装着し、一般アスファルト道路において該乗用車を停止状態から発進させ、200km走行させた後、該乗用車を雪上平坦路において走行させ、時速40km時点でブレーキを踏んで空気入りタイヤをロックさせ、該乗用車が停止するまでの距離を測定し、比較例1のタイヤを100として指数表示した。指数が大きいほど、雪上性能に優れていることを示す。
(2)耐磨耗性
空気入りタイヤを実際の車輌に装着し、約20000km走行後の残溝を測定し、比較例1のタイヤを100として指数表示した。指数が大きいほど、耐磨耗性に優れていることを示す。
<結果>
表1及び表2の結果より、実施例1〜7のゴム組成物は、比較例1〜5のゴム組成物に比べ、氷雪上性能と耐磨耗性とを高度に両立することが分かった。このため、ゴムラテックスと、カーボンブラックをあらかじめ水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固して得られるゴムマスターバッチからなるゴム成分を用いることにより、氷雪上性能と耐磨耗性とを高度に両立することが分かった。
また、上記ゴム成分に独立気泡を含有することにより、さらに高度に氷雪上性能と耐磨耗性とを両立することが分かった。

Claims (13)

  1. ゴムラテックスと、カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合し、凝固して得られるゴムマスターバッチからなるゴム成分と、
    独立気泡と
    を含有するゴム組成物を、トレッドに用いることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記独立気泡は、前記ゴム成分100重量部に対して1〜30重量部の発泡剤を含有することによって作られることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴムラテックスと、前記カーボンブラックを水中に分散させたスラリー溶液とを混合する工程において、(i)水分散スラリー溶液中の充填材の粒度分布は、体積平均粒子径(mv)が25μm以下で、90体積%粒径(D90)が30μm以下であり、かつ(ii)水分散スラリー溶液から乾燥回収した充填材の24M4DBP吸油量が、水中に分散させる前の24M4DBP吸油量の93%以上を保持していることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴムマスターバッチは、前記ゴムラテックス又は前記スラリー溶液に界面活性材を加えて混合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 凝固後のゴムマスターバッチを乾燥させる工程において、機械的なせん断力をかけながら乾燥を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 連続混練機を用いて乾燥を行うことを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記連続混練機は、複軸混練押出機であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. シリカの含有量が、総充填材の10〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記ゴム成分が、ブタジエンゴムを20重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記発泡剤の発泡率は、5〜50%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記ゴム成分100重量部に対して0.5〜20重量部の短繊維を更に含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記短繊維は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維の少なくとも1種であることを特徴とする請求項11に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記ゴムマスターバッチは、天然ゴムマスターバッチであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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