JP2008155408A - タイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性及び氷上性能が高く、タイヤ部材間界面の剥離が発生しないタイヤを高い生産性で製造する方法を提供する。
【解決手段】少なくともゴム成分と水溶性繊維11とを配合したゴム組成物を用い、水冷せずに未加硫シート部材20を成形する工程と、前記未加硫シート部材を積層して生タイヤを形成する工程と、前記生タイヤを加硫する工程と、を含むことを特徴とするタイヤの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明はタイヤの製造方法に関する。
トレッド部の剛性向上により操縦安定性を改良する手段として、繊維を配合したゴム組成物を用いたタイヤが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなタイヤの成形を行うには、押出工程において、ゴム組成物を押出機の口金から押し出し、一旦ゴム形状を整える。押出工程では、ゴムのせん断により発熱させ、粘土を下げた上で口金を通して押出部材の形状を整えるが、その際、熱による加硫反応を抑制するため、押出直後に水冷し、その後乾燥するのが一般的である。
特開2006−225599号公報
PVA等の水溶性繊維を配合したゴム組成物を用いてタイヤのトレッド部を成形すれば、剛性の向上により優れた操縦安定性を発揮し、さらに、冬場は水溶性繊維が水溶するので、その部分に水が浸入して発泡ゴムに類似する氷上性能の向上を期待することができる。
しかし、水溶性繊維を配合したゴム組成物を用いてタイヤ成形を行う場合、ゴム組成物に配合されている水溶性繊維は、その名の通り水溶性であるため、押出後の水冷用冷却水に溶解する。そのため、連続生産を実施すると、押出部材の表面には、乾燥後、薄いPVA層が残留する。このような状態の押出部材を用いてタイヤ成形した後、加硫すると、押出部材の界面で剥離し易いという問題がある。その対策として押出スピードを遅くして発熱を抑制する方法もあるが、生産性が低下する。
そこで、本発明は、操縦安定性及び氷上性能が高く、タイヤ部材間界面の剥離が発生しないタイヤを高い生産性で製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、以下のタイヤの製造方法が提供される。
<1> 少なくともゴム成分と水溶性繊維とを配合したゴム組成物を用い、水冷せずに未加硫シート部材を成形する工程と、
前記未加硫シート部材を積層して生タイヤを形成する工程と、
前記生タイヤを加硫する工程と、を含むことを特徴とするタイヤの製造方法。
<2> 前記タイヤがキャップ・ベース構造のトレッドを有するものであり、前記生タイヤを形成する工程において、前記未加硫シート部材を積層して前記トレッドのキャップ部、ベース部、又はキャップ部及びベース部を形成することを特徴とする<1>に記載のタイヤの製造方法。
<3> 前記タイヤがキャップのみの構造のトレッドを有するものであり、前記生タイヤを形成する工程において、前記未加硫シート部材を積層して前記キャップを形成することを特徴とする<1>に記載のタイヤの製造方法。
<4> 前記未加硫シート部材を、厚みが0.2〜5.0mmの範囲内に成形することを特徴とする<1>ないし<3>のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
<5> 前記未加硫シート部材を、帯状に成形することを特徴とする<1>ないし<4>のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
<6> 前記水溶性繊維として、ポリビニルアルコール系繊維を用いることを特徴とする<1>ないし<5>のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
<7> 前記水溶性繊維として、平均長さが1〜10mmの範囲内の短繊維を用いることを特徴とする<1>ないし<6>のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
<8> 前記ゴム組成物として、ゴム成分100質量部に対して前記水溶性繊維を0.5〜20質量部配合したものを用いることを特徴とする<1>ないし<7>のいずれかに記載のタイヤの製造方法。
本発明によれば、操縦安定性及び氷上性能が高く、タイヤ部材間界面の剥離が発生しないタイヤを高い生産性で製造する方法が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明に係るタイヤの製造方法について説明する。
本発明に係るタイヤの製造方法は、少なくともゴム成分と水溶性繊維とを配合したゴム組成物を用い、水冷せずに未加硫シート部材を成形する工程と、前記未加硫シート部材を積層して生タイヤを形成する工程と、前記生タイヤを加硫する工程とを含むものである。
まず、本発明で使用するゴム組成物について説明する。本発明では、少なくともゴム成分と水溶性繊維とを配合したゴム組成物を用いる。
<ゴム成分>
ゴム成分としては、天然ゴム及びジエン系ゴムのうち少なくとも一方を含むものを用いる。主に天然ゴムが用いられ、また、ジエン系ゴムとして、ブタジエンゴムを20重量%以上用いることが好ましい。20重量%以上のブタジエンゴムがゴム成分に含有されることによって、低温での弾性率の低下を防ぎ、耐磨耗性を向上させることができる。他のジエン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、これらは単独でもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
<水溶性繊維>
水溶性繊維としては、ポリビニルアルコール(PVA)系繊維が好適である。PVAを配合したゴム組成物からタイヤを製造すれば、剛性のほか、特に氷上性能が高いタイヤを製造することができる。
例えば、ビニルアルコールユニットが50モル%以上、平均重合度が100〜3000のケン化度80%未満のポリビニルアルコール系ポリマーを原料とし、紡出後の繊維に対してホルマール化・アセタール化等の耐水性を付与する処理を行っていない繊維を用いることができる。
ビニルアルコールユニット及び酢酸ビニルユニット以外のユニットとしては、エチレン、アリルアルコール、イタコン酸、アクリル酸、無水マレイン酸等のポリビニルアルコールの結晶性を阻害するユニットが好ましい。
水溶性繊維の製造方法は特に限定されず、公知の方法、例えば、溶液紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法などが挙げられる。
例えば、ビニルアルコールユニットが75モル%、酢酸ビニルユニットが25モル%からなる平均重合度が500のケン化度75モル%のポリビニルアルコール系ポリマーとジメチルスルフォキド(DMSO)を混合し、窒素置換後減圧下にて十分に脱泡を行い、45%のジメチルスルフォキド(DMSO)溶液を作製する。
次に、この紡糸原液を孔径φ0.15mmの単孔ノズルより、2°Cのアセトン/DMSO(重量比:85/15)の混合溶液に湿式紡糸する。
その後、アセトン/DMSO(重量比:95/5)の混合溶液中で4.5倍の延伸を行った後、アセトン中で十分にDMSOを除去し、80°Cで乾燥を行うことで水溶性のポリビニルアルコール系繊維が得られる。
水溶性繊維の平均長さは、10mm以下が好ましく、1〜4mmがより好ましい。水溶性繊維の平均長さが10mm以下の短繊維であれば、製造時における糸切れの発生、ゴム混練り時の分散不良、押出時の肌荒れや配向乱れの発生を効果的に抑制することができ、トレッド部の剛性を充分に向上させることができる。ただし、水溶性繊維の平均長さを1mm未満にすると、長繊維からの機械的な切断において生産性が低下し、また、水溶性繊維を配合する効果(トレッド部の剛性及びウエット性の向上等)が充分に得られないおそれがあるため、1mm以上とすることが好ましい。
また、水溶性繊維の径は、平均径として、0.01〜0.1mmが好ましく、0.015〜0.05mmがより好ましい。水溶性繊維の平均径が、0.01〜0.1mmの範囲内であれば、製造時における糸切れの発生、ゴム混練り時の分散不良、押出時の肌荒れや配向乱れの発生を効果的に抑制することができ、トレッド部の剛性及びウエット性を充分に向上させることができる。
ゴム組成物における水溶性繊維の含有量としては、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜20質量部であることが好ましく、1〜8質量部がより好ましく、1.5〜5.0質量部が更に好ましい。
水溶性繊維の含有量が、ゴム成分100質量部に対し、0.5〜20質量部であれば、ゴム混練り時の分散不良の発生を効果的に防ぎ、また、シート部材の成形を容易に行うことができる。また。水溶性繊維の含有量が上記範囲内であれば、トレッド部の剛性及びウエット性を充分に向上させることができるとともに、弾性率の上昇を抑制することができるため、極めて高い氷雪上性能を発揮するタイヤを製造することができる。
<その他の成分>
本発明で用いるゴム組成物には、他の成分を配合することもできる。
例えば、カーボンブラック、シリカ等の補強性充填材、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、加硫助剤、シリカ用のカップリング剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、分散剤、滑剤、酸化防止剤、軟化剤、発泡剤、無機充填材等の添加剤等の他、タイヤの製造で通常用いる各種配合剤などが挙げられる。
次に、上記のような水溶性繊維等を配合したゴム組成物を用いてタイヤを製造する各工程について説明する。なお、本発明で製造するタイヤの種類、形状等は特に限定されないが、本発明は、例えば、図9に示すようなトレッド112を有するタイヤ100の製造に好適に適用することができる。トレッド112には、複数本の周方向溝114及びこの周方向溝114と交差する幅方向Wの複数本の横溝116とによって複数のブロック118が形成されている。トレッド112は、直接路面に接地する上層のキャップ部112Aと、このキャップ部112Aのタイヤ内方に隣接して配置される下層のベース部112Bとから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造とされている。以下、上記のようなキャップ・ベース構造のトレッド部を有するタイヤ等を製造する場合について説明する。
−第1の実施形態−
<未加硫シート部材の成形>
前記した水溶性繊維等を配合したゴム組成物を用い、水冷せずに未加硫シート部材を成形する。
図1は、水冷せずに未加硫シート部材を成形する装置の一例を示している。押出装置10の吐出口側には、上ローラ14と下ローラ16とから構成されたローラダイ12が配設されている。上ローラ14の中央には、周方向にわたって溝18が形成されている。上ローラ14及び下ローラ16は、駆動装置(図示せず)によってそれぞれ矢印方向に回転されるようになっている。
押出装置10は、ホッパ(図示せず)に供給された、水溶性繊維11等を配合したゴム組成物を吐出口より押し出し、吐出口より押し出されたゴム組成物は、ローラダイ12を経て一定厚さの帯状(リボン状)の未加硫シート部材(以下、帯状シート部材という場合がある。)20として押し出される。ローラダイ12を経て成形された帯状シート部材20は、例えば、後述する生タイヤの形成装置の支持体やトレッド製造装置の軸等に巻き取る。このとき、帯状シート部材20を水冷せず、好ましくは空冷により冷却して加硫反応の進行を抑制する。例えば、ローラダイ12と支持体との間の搬送距離を長くとって帯状シート部材20の搬送中に自然に空冷してもよいし、冷気を吹き付けて強制的に空冷してもよい。あるいは、帯状シート部材20を支持体に巻き取りつつ、巻き取られた帯状シート部材20に対して冷気を送って冷却してもよい。
なお、上記のように帯状のシート部材20に成形すれば、幅が細く、冷却され易いが、帯状シート部材20の厚みが大きいと空冷では十分冷却されず、加硫反応が進むおそれがある。空冷により加硫反応を十分抑制することができるように、帯状シート部材20の厚みは0.2〜5.0mmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.2〜3.5mmの範囲内、さらに好ましくは0.2〜1.5mmの範囲内である。帯状シート部材20の厚みは上ローラの溝18の深さにより調整することができる。
帯状シート部材20の断面形状は特に限定されず、幅方向の断面は矩形のほか、必要に応じ、台形、平行四辺形等としてもよい。
水溶性繊維として、例えば長さが10mm以下の短繊維を用いる場合、例えば図2に示すように、押出装置10により流路断面積が吐出口に向かって減少するようにゴム組成物13を押し出すことで繊維11を一定の方向に配向させることができる。このようにゴム組成物13中の水溶性繊維11が一定方向に配向した帯状シート部材20に成形すれば、タイヤの周方向の剛性を一層高めることができ、且つ氷上走行時の排水路を形成するため、氷上性能も向上する。
<生タイヤの形成>
次に、上記のように水溶性繊維等が配合されたゴム組成物を用いて成型した未加硫の帯状シート部材20を積層して生タイヤを形成する。
図3は、生タイヤの形成に使用する装置の一例を示している。この生タイヤ形成装置1は、未加硫シート部材20を巻き付けることで生タイヤが形成される支持体2と、支持体2上に巻付けられた帯状の未加硫シート部材20を冷却するための冷却機3を備えている。支持体2は、下ローラ16を介して回転されるように構成されている。冷却機3は、冷却気体を生成し送風する冷却送風機4、冷却気体を冷却送風機4から吹出口5に導く送風路6等から構成されている。
押出機10から押し出され、ローラダイ12を経て成形された帯状シート部材20は、そのまま支持体2上に巻き付けられる。一方、支持体2上に直接巻き付けられた帯状シート部材20は、吹出口5から吹き出される冷気により冷却される。このように帯状シート部材20を生タイヤの支持体2に巻き付けるとともに、巻き付けられた帯状シート部材20を強制的に空冷することで、加硫反応の進行を効果的に防ぐことができる。また、帯状シート部材20の表面にはPVA層等の水溶性繊維の層は形成されていないため、帯状シート部材20同士は強く密着した状態で積層され、加硫後も部材間界面の剥離が発生しない生タイヤを形成することができる。
−第2の実施形態−
<生タイヤの形成>
図4は、生タイヤを形成する際に使用するトレッド製造装置の一例を示している。このトレッド製造装置23は、タイヤ成形ドラム40、タイヤ成形ドラム40に帯状シート部材24,26を供給するためのベース28等を備えている。
ベース28は、平行に配置された一対のガイドシャフト30にスライド自在に支持されているとともに、モータ32で回転する送りねじ34が螺合しており、送りねじ34を回転させることによりベース28を移動することができる。
ベース28上にはそれぞれ帯状シート部材24,26をロール状に巻いた2つの軸25,27が設けられている。本発明においては、前記のように水溶性繊維等を配合したゴム組成物から水冷せずに成形した未加硫の帯状シート部材を各軸25,27にロール状に巻きつたものを用いる。
また、ベース28の側面からは、矢印A方向側(タイヤ成形ドラム40側)に支持板36が突出しており、この支持板36には、第1の帯状シート部材24と第2の帯状シート部材26とを貼り合わせる一対の挟持ローラ38が回転自在に配設されている。
このような構成の装置23により生タイヤのトレッド部材を成形する場合、まず、トレッド製造装置23の軸25及び軸27からそれぞれ第1の帯状シート部材24と第2の帯状シート部材26を引き出して挟持ローラ38の間を通過させ、両者を貼り合わせて帯状積層シート部材46とする。帯状シート部材24,26の表面にはPVA層(膜)等は形成されていないため、強く密着した帯状積層シート部材46とすることができる。
次に、タイヤ成形ドラム40を矢印B方向に回転させ、帯状積層シート部材46の先端を環状ガイド44の側面44Aにローラ等を用いて押しつけながらタイヤ成形ドラム40に形成された生タイヤケース42の外周面に1周巻き付ける。以後、トレッド製造装置23のベース28を矢印R方向に移動させながら帯状積層シート部材46を矢印R方向に向かって生タイヤケース42の外周面に積層してゆく。これによって、一定厚さの厚肉のトレッド部材48が生タイヤケース42の外周面に整然と形成され、トレッド部材48が形成された生タイヤを形成することができる。
なお、ベース28上の軸25,27は必ずしも2つである必要はなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。ただし、複数の帯状シート部材24,26を予め貼り合わせて帯状積層シート部材46とし、これを生タイヤケース42の外周面に巻き付ければ、軸が1つの場合に比べ、トレッド部材48を効率的に形成することができる。
また、複数の軸25,27を備えたトレッド製造装置23を用いれば、性質の異なる複数の帯状シート部材を用いてトレッド部材48を成形することができる。例えば、水溶性繊維、充填材等の配合量が異なる2種類のゴム組成物を用意し、加硫後の耐摩耗性、ウエット性等の性質の異なる2種類の帯状シート部材を成形する。このような2種類の帯状シート部材を各軸25,27に別々に巻いておけば、耐摩耗性等の異なる2種類の帯状シート部材48を交互に積層してトレッド部材48を形成することができる。
−第3の実施形態−
<未加硫シート部材の成形>
第1及び第2の実施形態では、予め帯状の未加硫シート部材を成形したが、幅広の未加硫シート部材を成形した後、これを帯状の部材にカットしてもよい。例えば、幅広のローラダイにてシーティングして幅広の未加硫シート部材を成形する。この場合も、PVA等の水溶性繊維を配合したゴム組成物を用い、水冷せずに空冷等により加硫反応を抑制して成形する。従って、このような幅広のシート部材も、帯状のシート部材を成形する場合と同様の厚みに成形することが好ましい。
<生タイヤの形成>
次に、上記のような幅広に成形した未加硫シート部材を積層して生タイヤを成形する。この場合も、例えば、耐摩耗性等の性質の異なるシート部材を予め交互に積層して積層シート部材とすることができる。水冷せずに積層シート部材を成形したため、表面には水溶性繊維の層が形成されていることはなく、強い密着力で積層させることができる。そして、例えば、図5に示すように、幅広の積層シート部材50をコンベア60で搬送しながらリングカッタ62で切断し、複数の帯状部材52を得る。各帯状部材52を変更ローラ56を介して向きを90度変更する。次いで、図6に示すように、一対のローラ64の間を通過させるとともに、搬送ローラ66により矢印Aの方向に搬送して各帯状部材52を互いに密着させると、肉厚のトレッド部材68を得ることができる。
このようにして得られたトレッド部材68を、補強層(例えば、ベルト等)、ベース部112Bとなる帯状の未加硫ゴム部材と共に未加硫のカーカスのクラウン部に貼りつけて生タイヤを形成することができる。
−第4の実施形態−
<生タイヤの形成>
幅広の未加硫シート部材を帯状にカットすることなくトレッド部材を成形することもできる。
例えば、図7に示すような入口72Aから出口72Bに向かうにしたがって孔断面形状が一直線状からジグザグ状に除々に変化するスリット孔72を有するガイド70を用意する。PVA等の水溶性繊維を配合したゴム組成物から水冷せずに成形した幅広の未加硫シート部材84,86を積層して積層シート部材88とし、これを、ガイド70のスリット孔72の入口72Aから挿入して出口72Bから引き出す。積層シート部材88は、スリット孔72の中で除々にジグザグ状に折り曲げられて行き、ジグザグ形状となって出口72Bから引き出される。
ガイド70の出口付近には、型付けロール74が配置されており、ジグザグ状に折り曲げられた積層シート部材88を、モータ等により矢印A方向に回転する上ロール76と下ロール78の小径部78Aとの間に通過させると、互いに向かい合う面が密着し、図7及び図8に示すように一定厚さの厚肉のトレッド部材90が得られる。積層シート部材88の表面にはPVA層等の水溶性繊維の層が形成されていないため、各シート部材84,86を強い密着力で密着させることができる。
このようにして得られたトレッド部材90を、第3の実施形態と同様、補強層(例えば、ベルト等)、ベース部112Bとなる帯状の未加硫ゴム部材と共に未加硫のカーカスのクラウン部に貼りつけて生タイヤを形成する。
<加硫>
上記のように、本発明では、水溶性繊維を配合したゴム組成物から未加硫シート部材を成形する際、水冷を行わないため、表面にPVA層等の水溶性繊維の層が形成されていることはなく、未加硫シート部材が強く密着した生タイヤを形成することができる。そして、上述したような方法等によりトレッド部材を形成した生タイヤを、モールドに装填して加硫する。これにより、図9に示したようなキャップ・ベース構造のトレッド112を有するタイヤ100を製造することができる。このような方法により製造されたタイヤ100は、キャップ部112Aに水溶性繊維が分散して存在しているため、剛性の向上による操縦安定性に優れるともに、高いウエット性能を発揮することができる。また、シート部材同士を強く密着した生タイヤを加硫したものであるため、シート部材間界面での剥離が発生せず、耐久性の高いタイヤとなる。
以上、本発明に係るタイヤの製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、生タイヤを形成する際、ゴム成分と水溶性繊維とを配合したゴム組成物から水冷せずに成形した未加硫シート部材と、水溶性繊維で構成した不織布の繊維層とを交互に積層してタイヤのトレッド部を成形してもよい。この場合も部材間界面での剥離の発生を効果的に防ぐことができる。そして、このようなトレッドを有するタイヤを製造であれば、図10に示すように、繊維層122の不織布が踏面側から剥離し始め、ゴム層120とゴム層120との間に細溝124がトレッド内側へと形成されて行く。これらの細溝124はタイヤ周方向に沿って延びており、接地面内の水をタイヤ周方向へ排水するので、ウエット性能及び氷上ブレーキ性能が一層向上するタイヤとなる。また、ゴム層120には水溶性繊維が分散しているため、剛性が高く、操縦安定性に優れるとともに、ウエット性が極めて高いタイヤを製造することができる。
また、上記実施形態では、水溶性繊維を配合した未加硫シート部材により主にキャップ・ベース構造のトレッドを成形する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図11に示されるように、キャップのみの構造であるトレッド(キャップトレッド)130を成形することもできる。
また、キャップ・ベース構造のトレッドであっても、本発明に係る水溶性繊維を配合した未加硫シート部材により、図12(A)〜(C)に示すようなキャップ部132a〜132c及びベース部134a〜134cの斜線部分、すなわち、キャップ部132aのみ、ベース部134bのみ、あるいはキャップ部132c及びベース部134cを配向が異なるようにして成形してもよい。
水冷せずにシート部材を成形する装置の一例を示す斜視図である。 水溶性繊維の配向を揃える原理を説明する説明図である。 帯状シート部材から生タイヤを形成する装置の一例を示す斜視図である。 帯状シート部材からトレッド部材を製造する装置の一例を示す斜視図である。 積層シート部材を帯状部材に加工するためのコンベア、リングカッタ及び変更ローラの構成の一例を示す斜視図である。 帯状部材を重ね合わせてトレッド部材を形成するローラと搬送ローラの一例を示す斜視図である。 積層シート部材をジグザグ状に折り曲げてトレッド部材を形成する装置の一例を示す斜視図である。 図7に示す装置により成形された未加硫のトレッド部材の拡大断面図である。 キャップ・ベース構造のトレッド部の一例を示す断面図である。 繊維層を有するトレッド部のブロックが摩耗した状態を示す拡大断面図である。 本発明に係る水溶性繊維を配合した未加硫シート部材によりキャップトレッドを成形する場合を示す概略図である。 キャップ・ベース構造のトレッドにおいて本発明に係る水溶性繊維を配合した未加硫シート部材により成形する部分を示す概略図である。(A)キャップ部のみ (B)ベース部のみ (C)キャップ部及びベース部
符号の説明
10・・・押出装置
20・・・帯状シート部材
23・・・トレッド製造装置
24,26・・・帯状シート部材
46・・・帯状積層シート部材
48・・・トレッド部材
50・・・積層シート部材
52・・・帯状部材
70・・・ガイド
88・・・積層シート部材
90・・・トレッド部材
100・・・タイヤ
112・・・トレッド
112A・・・キャップ部
112B・・・ベース部

Claims (8)

  1. 少なくともゴム成分と水溶性繊維とを配合したゴム組成物を用い、水冷せずに未加硫シート部材を成形する工程と、
    前記未加硫シート部材を積層して生タイヤを形成する工程と、
    前記生タイヤを加硫する工程と、を含むことを特徴とするタイヤの製造方法。
  2. 前記タイヤがキャップ・ベース構造のトレッドを有するものであり、前記生タイヤを形成する工程において、前記未加硫シート部材を積層して前記トレッドのキャップ部、ベース部、又はキャップ部及びベース部を形成することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 前記タイヤがキャップのみの構造のトレッドを有するものであり、前記生タイヤを形成する工程において、前記未加硫シート部材を積層して前記キャップを形成することを特徴とする請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  4. 前記未加硫シート部材を、厚みが0.2〜5.0mmの範囲内に成形することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
  5. 前記未加硫シート部材を、帯状に成形することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
  6. 前記水溶性繊維として、ポリビニルアルコール系繊維を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
  7. 前記水溶性繊維として、平均長さが1〜10mmの範囲内の短繊維を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
  8. 前記ゴム組成物として、ゴム成分100質量部に対して前記水溶性繊維を0.5〜20質量部配合したものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のタイヤの製造方法。
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