JP2006225049A - エレベータのかご - Google Patents

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克弥 倉橋
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Abstract

【課題】保守点検時に使用するエレベータ保守用品を容易にかつ安全に取り出すことができ、しかも無駄なスペースをなくしたエレベータのかごを提供する。
【解決手段】乗客を乗せるかご室1と、このかご室の奥壁2下部にトランク扉31を有し該トランク扉の奥に該かご室の下部空間を拡張するように設けられたトランク3と、上記かご室の奥壁上部に開口部4を有しその外側の上記トランク3上部に設けられた物品を格納し得る収容箱5とを備えるように構成し、上記の課題を解決した。
【選択図】図1

Description

この発明は、エレベータのかごに関し、特にかご室にエレベータ保守用品の収容箱を備え、保守点検時の安全性が向上されたエレベータのかごに関する。
エレベータの保守点検の際に用いられるエレベータ保守用品は通常、巻上機やエレベータを制御するための制御盤などを収容するエレベータ機械室内に収容される。例えば、エレベータ機械室内に保守用品収納棚を設置し、その保守用品収納棚に各種エレベータ保守用品が収納される。保守用品の具体例としては、例えば汚れを拭くためのウエス(布)を収納したウエス缶、保守点検時に利用者に点検中であることを知らせる点検札、消耗品に対して早期に交換できるように保管している予備品、及びホウキやチリトリといった清掃用具などがある。その他、建物やエレベータ機種によって必要な各種工具類などがある。
一方、トランク付エレベータとして、例えばトランク前面開口部を左右に二分して設けられ、水平方向移動が可能であるとともに一方向屈曲可能な1対のシャッタ体と、当該シャッタ体をそれぞれの上下端部で摺動自在に支持する支持機構と、トランクの左右側面に設けられ、トランク開放時に移動した前記シャッタ体を収納するシャッタ体収納部と、を備えたものがある(例えば特許文献1参照。)。
特開2003−54859号公報(第1頁、図1)
エレベータには機械室を持たないものもあり、このような場合には、ピットや乗りかご上の僅かなスペースに保守用品を配置しており、保守点検時等にエレベータ保守用品が必要なときはエレベータを停止させて、作業員が昇降路に入っている。エレベータ保守点検時において、作業員が昇降路に出て乗りかご上に乗ったり、ピットに入ったりすることは危険が伴う作業であり、保守用品をとるためだけに作業員が昇降路内に入ることは危険要因が増えるだけであるため、できるだけ避けるようにすることが望まれている。また、通常保守点検時間は時間が決まっているので、容易に保守用品を取れないと保守作業に支障をきたすことになる。また、乗りかご上に保守用品を置いておくと、保守用品が落下したり、昇降路内の周辺機器に接触して、エレベータの動作に支障を来たす虞もある。一方、特許文献1に例示したような従来のトランク付エレベータでは、トランクの上方が無駄なスペースとなっていた。
この発明は上記のような従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、保守点検時に作業員が昇降路に出る必要がなく、エレベータ保守用品を容易にかつ安全に取り出すことができるようにしたエレベータのかごを提供することを目的としている。
この発明によるエレベータのかごは、エレベータのかご室を形成する側壁に設けられた開口部と、この開口部に対し上記かご室の外側に設けられたエレベータ保守用品を格納する収容箱と、上記開口部を塞ぐカバー部材とを備えるように構成したものである。
この発明においては、かご室の側壁に設けられた開口部の外側にエレベータ保守用品を格納する収容箱を設けるようにしたことにより、保守点検時に、単にエレベータ保守用品を取り出すためのみの目的で、作業員が昇降路に出たりかご室の上に乗る必要がなく、エレベータ保守用品を容易かつ安全に取り出すことができる。
実施の形態1.
図1〜図3はこの発明の実施の形態1によるエレベータのかごを概念的に説明するもので、図1はエレベータのかごの要部を示す斜視図、図2はかご室の奥壁の外側に設けられた収容箱にエレベータ保守用品を格納した例を示す正面図、図3はトランク扉上部に設けられた開閉扉を開いた状態を示す平面断面図である。図において、エレベータのかご室1の側壁である奥壁2の下部には、該奥壁2の外側にかご室1の下部空間を拡張するように設けられたトランク3の入口を開閉するトランク扉31が設けられ、奥壁2の上部には、開口部4と、この開口部4の後方部におけるトランク3の上部に設けられた収容箱5と、上記開口部4を覆うカバー部材6としての開閉扉60が設けられている。なお、図1では開閉扉60の一部を破断して収容箱5の内部が見えるように図示している。
上記開閉扉60の表面材には、トランク扉31上部の奥壁2と同一の素材が用いられ、トランク扉31上部の奥壁2と一体的な外観をなしている。また開閉扉60には、把手6aが該開閉扉60の面位置から出張らないように凹ませて取り付けられている。上記開口部4の周囲は枠状に形成された補強部材41によって補強されており、収容箱5は、補強部材41の周縁部に鍔状に形成された取付部41aに固定ネジ51によって取り付けられている。そして収容箱5内には、例えばウエス缶71、点検札72、予備品73、清掃用具74、各種の工具75などからなるエレベータ保守用品7が収納されている。
次に上記のように構成された実施の形態1の動作について説明する。エレベータの保守点検時、保守作業員は、かご室1内からトランク扉31上部の奥壁2に設置された開閉扉60の把手6aを引いて、図3の矢印Aのように回動して収容箱5を開放する。次に、作業員は収容箱5から必要なエレベータ保守用品7を取り出し、開閉扉60を把手6aを介して収容箱5を閉め、所要の保守点検を行なう。保守点検作業が終了した後、保守作業員は、再びかご室1内から開閉扉60を開き、収容箱5から取り出したエレベータ保守用品7を元に格納して、開閉扉60を閉める。
上記のように実施の形態1によれば、エレベータ保守用品7を格納する収容箱5をかご室1のトランク3の上部に設け、かご室1内からエレベータ保守用品7の取り出し、格納ができるようにしたので、機械室のないエレベータにおいても容易にエレベータ保守用品7を格納し、かつ取り出すことができる。また、エレベータ保守用品7を取り出す際に、昇降路に出てかご室1の上に登るなどの必要がなくなるので、危険性がなく、安全に作業することができる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。図において、かご室1のトランク扉31上部の奥壁2には、収容箱5の開閉扉60の前面に、該開閉扉60を隠すようにカバー部材6としての鏡61が図示を省略している掛け金、ロック機構などの適宜の固定手段により着脱可能に設置されている。なお、図では収容箱5の開閉扉60との位置関係を示すために、該鏡61を手前に外した状態で示している。また、この実施の形態2においては、カバー部材6を開閉扉60とこの開閉扉60を覆う鏡61によって構成し、通常の運転サービス時に、エレベータ利用者が奥壁2部の開閉扉60を認識できないようにしたものである。その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
次に実施の形態2の動作について説明する。保守点検作業を行なうときには、作業員はトランク扉31上部の開口部4をカバーしている鏡61を取り外した後、収容箱5の開閉扉60を開けて所要のエレベータ保守用品7を取り出して保守点検作業を行なう。保守点検作業終了後は、開閉扉60を閉めた後、鏡61を開閉扉60が隠れるようにトランク扉31上部の奥壁2に取り付けなおす。なお、上記鏡61の固定手段は特に限定されるものではないが、振動や衝撃、悪戯に対して容易に外れないようにロック機構を設けることは好ましい。また、鏡61を取り付けたときに奥壁2に対してフラットになるように、開閉扉60と鏡61の取付位置を奥壁2の面位置に対して凹設することも好ましい。
上記のように実施の形態2によれば、トランク扉31上部の開口部4を塞ぐカバー部材6を、開閉扉60とその前面をカバーする鏡61によって構成し、開閉扉60が直接見えないようにしたので、エレベータ利用者は収容箱5および開閉扉60の存在が分からないため、いたずらに強く、また意匠上の美観を損なわないようにすることができるという更なる効果が得られる。
実施の形熊3.
図5は、この発明の実施の形態3によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。この実施の形態3は、図に示すように、開閉扉60に鍵8によりロック可能な施錠機構9を設けたものであり、その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。図5において、保守点検時に作業員がエレベータ保守用品7を取り出す場合には、鍵8を用いて施錠機構9を解除した後、開閉扉60を開く。なお、保守点検終了後、エレベータ保守用品7を元に戻す時は、格納後、鍵8を用いて施錠機構9を施錠する。
上記のように実施の形態3によれば、収容箱5の開閉扉60に施錠機構9を設けたため、施錠用の鍵8がないと開閉扉60を開けることができない。このため関係者以外の者が開閉扉60を開けようとしても施錠されているため開けることができず、開閉扉60をいたずらされて、壊されることもなく、かつエレベータ保守用品7の盗難を防止することができる。
実施の形熊4.
図6はこの発明の実施の形態4によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。図に示すように、実施の形態4は、開閉扉60に、該開閉扉60の開閉を検知するリミットスイッチなどのスイッチ(スイッチ機構)10を設け、開閉扉60が開かれたときに、スイッチ10の作動に連動してエレベータのかご室1の動作および操作を不能とする制御回路(図示省略)を設けたものである。その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。この実施の形態4では、開閉扉60が閉じたときには、スイッチ10が例えばONの状態となり、これに連動してエレベータは通常の運転サービスが行なわれる。一方、開閉扉60が開かれたときには、スイッチ10がOFFとなり、図示省略している制御回路がこれを検知してエレベータのかご室1の動作および操作が不能となる。
上記のように実施の形態4によれば、保守点検時に、保守作業員がエレベータ保守用品7を取り出すために開閉扉60を開けた場合、一般の利用者がエレベータを操作しようとしても、エレベータのかご室1が動作することはない。このため、保守点検作業中にかご室1が動作することはなく、保守点検を安全に行なうことができる。
実施の形熊5.
図7はこの発明の実施の形態5によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。図において、かご室1の奥壁2下部後方に設けられたトランク3の上部空間における収容箱5側方部には、かご室1の上部に避難するときに用いられる避難用のはしご11が取り付けられている。その他の構成は上記実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
この実施の形態5においては、保守点検時には、上記実施の形態1と同様にトランク3の扉31上部の奥壁2に設けられた開閉扉60を開けて、収容箱5から必要なエレベータ保守用品7(図示省略)を取り出して所要の作業を行なう。一方、非常時には、固定ネジ51を外して収容箱5を開口部4から取り外し、この開口部4を救出口として機能させる。すなわち、開口部4の救出口からトランク3上へ移動し、さらにはしご11を使用してかご室1上へと救出または避難する。
上記のようにこの実施の形態5によれば、上記実施の形態1と同様の効果のほか、非常時には、収容箱5の開口部4を救出口として用いることができるので、収容箱5用の開口と救出口を別々に設ける必要がないので、構造が簡単で、安価に製造できる利点がある。なお、収容箱5は固定ネジ51を外して手前側のかご室1内に取り出すようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、収容箱5を補強枠41に図示省略しているヒンジによって奥壁2の奥方向に回動可能に取り付け、非常時は収容箱5を奥壁2の外側奥方向に回動させてトランク3上部への救出口を確保し、あるいは図の左右方向にレール(図示省略)を付設し、収容箱5をそのレール上に移動可能に乗せ、非常時は収容箱5を図の左方向に移動させてトランク3上部への救出口を確保させるなど、種々の変形や変更が可能である。
なお、上記各実施の形態では、奥壁2の下部にトランク扉31とトランク3を有するエレベータについて説明したが、必ずしもトランク3をもたないエレベータでも同様の効果が期待できる。また、収容箱5は奥壁2の外側に設けたが、これに限定されず他の左右の側壁の外側に設けても差し支えない。更に、カバー部材6として、開閉扉60を用い、あるいは開閉扉60とこの開閉扉60を覆う鏡61を用いた例について説明したが、これらに限定されず、例えば鏡61は、奥壁2などの側壁と同一素材の単なるパネル、広告、宣伝、案内などの情報を表示した媒体が貼り付けられるようにしたパネルなどであってもよい。また、開閉扉60と鏡61あるいは鏡61に相当するパネル類などを一体化して構成してもよい。その他、各実施の形態の発明を2以上適宜組み合わせるなど、種々の変形や変更が可能であることは言うまでもない。
この発明の実施の形態1によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。 図1に示す収容箱にエレベータ保守用品を格納した例を示す正面図である。 図1に示す開閉扉を開いた状態を示す平面断面図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。 この発明の実施の形態3によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。 この発明の実施の形態5によるエレベータのかごの要部を概念的に示す斜視図である。
符号の説明
1 かご室、 2 側壁(奥壁)、 3 トランク、 31 トランク扉、 4 開口部、 41 補強部材、 41a 取付部、 42 ヒンジ、 5 収容箱、 51 固定ネジ、 6 カバー部材、 6a 把手、 60 開閉扉、 61 鏡、 7 エレベータ保守用品、 8 鍵、 9 施錠機構、 10 スイッチ、 11 はしご。

Claims (6)

  1. エレベータのかご室を形成する側壁に設けられた開口部と、この開口部に対し上記かご室の外側に設けられたエレベータ保守用品を格納する収容箱と、上記開口部を塞ぐカバー部材とを備えたことを特徴とするエレベータのかご。
  2. 上記かご室の奥壁下部に設けられたトランク扉と、このトランク扉の外側に該かご室の下部空間を該かご室の奥外側方向に拡張し得るように設けられたトランクとを備え、上記開口部は上記かご室の奥壁における上記トランク扉の上方部に設けられ、上記収容箱は上記トランクの上部に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご。
  3. 上記カバー部材は、上記開口部にヒンジにより開閉自在に取り付けられた開閉扉からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータのかご。
  4. 上記カバー部材は、上記開口部にヒンジにより開閉自在に取り付けられた開閉扉と、この開閉扉を覆う鏡によって構成してなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータのかご。
  5. 上記開閉扉の開閉を検知するスイッチを設け、該スイッチが上記開閉扉の開放を検知するとエレベータの運転を不能にするようにしてなることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のエレベータのかご。
  6. 上記収容箱は上記開口部に対して着脱自在に設置されてなり、緊急時に上記開口部を救出口として使用するようにされてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載のエレベータのかご。
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