JP2006224651A - グラウトスラリーの施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】自己流動性水硬性組成物などから成る粉体原料と水などの液体原料とを、均一で良好なスラリー性状となるように混練可能な混練スクリュー、この混練スクリューを備えた混練装置、この混練装置を備えたミキサ装置、および混練物の生成方法を提供すること。
【解決手段】軸部材10aと、軸部材10aの外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材10aが所定方向に回転することにより、粉体原料と液体原料とを混練しながら混練物を軸部材10aの基端側から終端側に向けて移送するミキサスクリュー10であって、この複数の羽根は、軸部材10aの終端側に向けて混練物を送る送り羽根10cと、軸部材10aの基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根10bとを含み、この複数の羽根全体に占める戻し羽根10bの割合が少なくとも50%である。
【選択図】図2
【解決手段】軸部材10aと、軸部材10aの外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材10aが所定方向に回転することにより、粉体原料と液体原料とを混練しながら混練物を軸部材10aの基端側から終端側に向けて移送するミキサスクリュー10であって、この複数の羽根は、軸部材10aの終端側に向けて混練物を送る送り羽根10cと、軸部材10aの基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根10bとを含み、この複数の羽根全体に占める戻し羽根10bの割合が少なくとも50%である。
【選択図】図2
Description
本発明は、粉状のグラウト組成物と水とを特定のスクリューを有する連続混練装置、またはこの混練装置を備えたミキサー装置を用いて、連続混練し、連続的にスラリーを形成し、施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法に関する。
建築物などに利用されているセメント系硬化体を構成するセメントスラリー(セメント混練物)は、セメント系材料(粉体原料)に水(液体原料)が混練されて形成される。このようなセメントスラリーを混練する装置としては、下記特許文献1に開示されたものなどが知られている。この装置では、ミキサー部においてミキサースクリューを回転させることで粉末原料と液体原料との混練を行っている。
特開平10−100133号公報
粉状グラウト組成物と水とを連続混練を行う場合、グラウトスラリーはセルフレベリング材のスラリーと比べて流動性が低いために、比較的短時間で充分な混練を行うことが難しく、さらに混練が不足すると混和剤などの効果が不十分になり、ポンプによる移送が困難になる。そのため所定の流動性を得るために水量過多の状態で混練する必要が生じ、結果として材料分離、強度低下、収縮などの性能低下が起こりやすくなる。
そこで本発明は、材料分離、強度低下、収縮などの性能低下の発生しない所定の水量を用い、充分に混練された、流動性に優れポンプによる移送が可能なグラウトスラリーを連続製造可能な混練装置を用いて、施工部にグラウトスラリーを連続供給するグラウトスラリーの施工方法を提供することを目的とした。
そこで本発明は、材料分離、強度低下、収縮などの性能低下の発生しない所定の水量を用い、充分に混練された、流動性に優れポンプによる移送が可能なグラウトスラリーを連続製造可能な混練装置を用いて、施工部にグラウトスラリーを連続供給するグラウトスラリーの施工方法を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討した結果、従来の常識にとらわれず、粉状のグラウト組成物と水とを連続混練する時に、混練スクリューの戻し羽根の割合を十分に高めることで、均一で良好なスラリーを連続して製造できることを見出し、本発明を考案するに至った。
本発明は、混練スクリューと、混練スクリューを回転可能に収容する略筒状の混練室とを備えた混練装置を用いて、
混練スクリューの基端側にグラウト組成物と水とを連続して供給し、グラウト組成物と水とを混練スクリューを用いて連続混練してスラリーを形成し、混練スクリューの終端部よりスラリーを吐出し、施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法であり、
グラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物を用い、
混練装置の混練スクリューは、軸部材と、軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材が所定方向に回転することにより、グラウト組成物と水とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューを用い、
混練スクリューの複数の羽根は、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と、軸部材の基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根とを含み、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも50%以上の羽根を用いることを特徴とするグラウトスラリーの施工方法に関する。
混練スクリューの基端側にグラウト組成物と水とを連続して供給し、グラウト組成物と水とを混練スクリューを用いて連続混練してスラリーを形成し、混練スクリューの終端部よりスラリーを吐出し、施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法であり、
グラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物を用い、
混練装置の混練スクリューは、軸部材と、軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材が所定方向に回転することにより、グラウト組成物と水とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューを用い、
混練スクリューの複数の羽根は、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と、軸部材の基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根とを含み、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも50%以上の羽根を用いることを特徴とするグラウトスラリーの施工方法に関する。
さらに本発明は、混練スクリューと、混練スクリューを回転可能に収容する略筒状の混練室とを備えた混練装置と、混練装置の混練スクリューの基端側に粉状のグラウト組成物を供給するためのホッパーと、混練装置の混練スクリューの終端側から吐出されたスラリーを収容するためのリザーバと、前記リザーバ内に収容されたスラリーを外部に排出するための排出ポンプとを備えたミキサー装置を用いて、
水と、ホッパー内のグラウト組成物とを混練スクリューの基端側に連続して供給し、グラウト組成物と水とを混練スクリューを用いて連続混練してスラリーを形成し、混練スクリューの終端部よりリザーバ内にスラリーを吐出し、リザーバ内に収容されたスラリーを排出ポンプを用いて施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法であり、
グラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物を用い、
混練装置の混練スクリューは、軸部材と、軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材が所定方向に回転することにより、グラウト組成物と水とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューを用い、
混練スクリューの複数の羽根は、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と、軸部材の基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根とを含み、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも50%以上の羽根を用いることを特徴とするグラウトスラリーの施工方法に関する。
水と、ホッパー内のグラウト組成物とを混練スクリューの基端側に連続して供給し、グラウト組成物と水とを混練スクリューを用いて連続混練してスラリーを形成し、混練スクリューの終端部よりリザーバ内にスラリーを吐出し、リザーバ内に収容されたスラリーを排出ポンプを用いて施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法であり、
グラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物を用い、
混練装置の混練スクリューは、軸部材と、軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材が所定方向に回転することにより、グラウト組成物と水とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューを用い、
混練スクリューの複数の羽根は、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と、軸部材の基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根とを含み、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも50%以上の羽根を用いることを特徴とするグラウトスラリーの施工方法に関する。
本発明のグラウトスラリーの施工方法の好ましい態様を以下に示す。本発明ではこれらの態様は組合せることができる。
1)混練スクリューの複数の羽根は、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも72%である。
2)混練スクリューの軸部材は、軸方向の長さ1m当たりで、少なくとも10枚の羽根が形成されている。
3)混練スクリューの回転数が、少なくとも300rpmで回転させる。
4)水硬性無機結合材は、石灰類を含むこと。
1)混練スクリューの複数の羽根は、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも72%である。
2)混練スクリューの軸部材は、軸方向の長さ1m当たりで、少なくとも10枚の羽根が形成されている。
3)混練スクリューの回転数が、少なくとも300rpmで回転させる。
4)水硬性無機結合材は、石灰類を含むこと。
混練装置の混練スクリューの複数の羽において、軸部材の基端側に向けてスラリーを戻す戻し羽根が、軸部材の終端側に向けてスラリーを送る送り羽根と同数か、或いは、それよりも多く形成されている。このため、粉体状のグラウト組成物と水とを十分に混練することができ、不十分な混練状態で吐出されるスラリーが減少する。これにより、スラリーにダマが形成されたり、硬化表面に気泡や凹凸が形成されるなどの現象が発生しにくくなって、スラリーの性状向上が図られる。
混練装置の混練スクリュー軸部材は、軸方向の長さ1m当たりで、少なくとも10枚の羽根が形成されているのが好ましい。このように、軸部材の外周面にて羽根が高い密度で形成されるため、粉体状のグラウト組成物と水とをより十分に混練することが可能となる。
本発明のグラウトスラリーの施工方法は、混練装置を用いて、グラウト組成物と水とを混練してスラリーを連続的に生成し、スラリーを施工場所に連続的に流し込む施工方法であって、少なくとも300rpmの回転数で、上記混練スクリューを回転させることを特徴とする。
このように、混練スクリューを高速回転させることにより、スラリーにダマが形成されたり、硬化表面に気泡や凹凸が形成されたりするなどの現象がより一層発生しにくくなる。このため、スラリーの性状向上がさらに図られる。なお、混練スクリューを高速回転させると、従来の混練スクリューではスラリーの吐出量も増加することとなり、不十分な混練状態のままスラリーが製造されるような場合が生じるが、本発明では、高い割合で戻し羽根を有するため、混練スクリューを高速回転させても、混練物の吐出量を十分抑制することが可能となる。このため、混練スクリューを高速回転させつつも、十分に時間をかけた混練が可能となる。
このように、混練スクリューを高速回転させることにより、スラリーにダマが形成されたり、硬化表面に気泡や凹凸が形成されたりするなどの現象がより一層発生しにくくなる。このため、スラリーの性状向上がさらに図られる。なお、混練スクリューを高速回転させると、従来の混練スクリューではスラリーの吐出量も増加することとなり、不十分な混練状態のままスラリーが製造されるような場合が生じるが、本発明では、高い割合で戻し羽根を有するため、混練スクリューを高速回転させても、混練物の吐出量を十分抑制することが可能となる。このため、混練スクリューを高速回転させつつも、十分に時間をかけた混練が可能となる。
本発明において、ミキサー装置は、混練装置の混練スクリューの基端側に粉状のグラウト組成物を供給するためのホッパーと、混練装置の混練スクリューの終端側から吐出されたスラリーを収容するためのリザーバと、前記リザーバ内に収容されたスラリーを外部に排出するための排出ポンプとを備え、
混練スクリューの基端側にグラウト組成物を供給するためのホッパーと、混練スクリューの終端側から吐出されたスラリーを収容するためのリザーバと、このリザーバ内に収容されたスラリーを外部に排出するための排出ポンプとを備えることを特徴とするために、
混練装置では、ホッパーに投入されたグラウト組成物が混練スクリューの基端側に移送され、混練スクリューの回転により、ホッパーから移送されたグラウト組成物が水などの液体成分と混練されて、均一で良好な性状のスラリーが生成され、混練スクリューの終端側からリザーバ内に収容される。そして、このリザーバに収容されたスラリーは排出ポンプによって外部に排出され、スラリーを施工場所に連続的に流し込むことができる。
混練スクリューの基端側にグラウト組成物を供給するためのホッパーと、混練スクリューの終端側から吐出されたスラリーを収容するためのリザーバと、このリザーバ内に収容されたスラリーを外部に排出するための排出ポンプとを備えることを特徴とするために、
混練装置では、ホッパーに投入されたグラウト組成物が混練スクリューの基端側に移送され、混練スクリューの回転により、ホッパーから移送されたグラウト組成物が水などの液体成分と混練されて、均一で良好な性状のスラリーが生成され、混練スクリューの終端側からリザーバ内に収容される。そして、このリザーバに収容されたスラリーは排出ポンプによって外部に排出され、スラリーを施工場所に連続的に流し込むことができる。
本発明によれば、グラウト組成物と所定量の水とを用いて、均一で良好なグラウトスラリーを連続して製造でき、得られたグラウトスラリーをポンプなどを用いて施工場所に連続的に供給することができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態について説明する。なお、以下の図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複説明を省略する。
図1は、本発明で用いる混練装置を備えたミキサー装置の構成を説明するための一例の模式図である。
図2は、本発明で用いる混練装置の混練スクリューの全体構成の一例を示す図である。
図3〜図5は、混練スクリューの羽根の一例を説明するための図であり、図3は羽根が軸部材に形成された状態の一例を説明するための平面図であり、図4は羽根が軸部材に形成された状態の一例を説明するための断面図であり、図5は板状の掻出部材を有する羽根の構成の一例を説明するための斜視図である。
図2は、本発明で用いる混練装置の混練スクリューの全体構成の一例を示す図である。
図3〜図5は、混練スクリューの羽根の一例を説明するための図であり、図3は羽根が軸部材に形成された状態の一例を説明するための平面図であり、図4は羽根が軸部材に形成された状態の一例を説明するための断面図であり、図5は板状の掻出部材を有する羽根の構成の一例を説明するための斜視図である。
図1に示すように、ミキサー装置1は、混練スクリューの基端側に設けられているホッパー2と、混練装置3と、混練スクリューの終端側に設けられている排出口4と、リザーバ5と、スネークポンプ(排出ポンプ)6と、を主要な構成要素として備える。
ホッパー2は、広口の投入口7がホッパー2の本体上部に形成されているとともに、隣接する混練装置3と連通する開口部をこの本体下部側壁に有する。そして、ホッパー2の本体下部にはホッパースクリュー8が略水平に設けられ、ホッパー2の外部に設置されたモータ9によって回転駆動される。この場合、モータ9による回転駆動力は動力伝達ベルト9aを介してホッパースクリュー8側に伝達される。ここで、モータ9は油圧式または電動式のものが用いられる。
また、ホッパースクリュー8は、上記開口部を介して混練装置3に至る長さを有するとともに、螺旋状の羽根が外周面に巻き付くように形成されている。ここで、投入口7に投入される粉体状のグラウト組成物は、ホッパースクリュー8の回転運動によって混練装置3に移送される。
混練装置3は、混練室3aと混練スクリュー10とを有する。混練室3aは、筒状(中空の円柱状)を成し、長手方向が略水平となるように設置されている。混練室3aの内部には長手方向に沿って混練スクリュー10が設置されている。そして、混練装置3は、混練スクリュー10の回転によってホッパー2から移送された粉体状のグラウト組成物を、水などの液体原料とともに混練室3a内で混練する。ここで、混練室3aの側壁でホッパー2側(混練スクリューの基端側)に位置する所定箇所には給水口3bが形成されており、この給水口3bを介して混練室3a内に水などの液体原料が供給される。
混練室3aは、長手方向における二つの端部のうち、一方の端部にはホッパー2の下部に連通する開口部が設けられ、他の端部近傍には排出口4に連通する開口部が設けられている。混練スクリュー10は、ホッパー2のホッパースクリュー8と一体形成されており(或いは、連結固定されている)、ホッパースクリュー8とともに、モータ9によって回転駆動される。
混練スクリュー10は、図2に示すように、軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数(図2においては32枚)の羽根を有する。軸部材10aの基端から終端までの長さは500mm〜2000mm程度であり、この間に羽根が形成されている。この羽根は、混練室3a内のスラリーを軸部材10aの基端側(ホッパー2の設置側)に逆流させるための複数の戻し羽根10b(図2においては26枚)と、このスラリーを軸部材10aの終端側(排出口4の設置側)に送るための複数の送り羽根10c(図2においては6枚)とを含む。
戻し羽根10bと送り羽根10cとは、図3に示すように、軸部材10aの外周面と羽根との接合部(線状をなす接合部)に沿った方向B1,B2が、それぞれ、軸部材10aの軸に対して互いに45度反対向きに傾いて軸部材10aに交差するように立設されている。これにより、軸部材10aが図中符号Rの向きに回転すると、セメントスラリーは、戻し羽根10bによって軸部材10aの基端側に移送され、送り羽根10cによって軸部材10aの終端側に送られることとなる。ここで、軸と方向B1とがなす角度θ1と、軸と方向B2とがなす角度θ2とは、上述の45度に限らず、20度〜70度、特に35度〜55度の範囲内にあればよい。
また、図2に示すように、混練スクリュー10には複数(図2においては6枚)の掻き出し用板部材10dが設けられている。この掻き出し用板部材10dは、軸部材10aの回転によってセメントスラリーを混練室3aの内壁から掻き出すためのものであり、互いに並列に軸部材10aの外周面に立設された複数の羽根(戻し羽根10bまたは送り羽根10c)に支えられるようにして各羽根に接合されている。そして、この掻き出し用板部材10dは、図4に示すように、軸部材10aの軸方向から見て、軸部材10aの外周方向に互いに略120度離隔して設けられている。
なお、全羽根に占める戻し羽根10bの割合は50%を下限とするが、この下限は、60%がさらに好ましく、72%がより好ましく、75%が特に好ましい。そして、この戻し羽根10bの占める割合の上限は95%が好ましいが、100%であってもよい。さらに、混練スクリュー10は、軸部材10aの軸方向の長さ1m当たりの羽根の枚数は10枚以上が好ましく、20枚以上がより好ましく、さらに、30枚以上が特に好ましい。このように、戻し羽根10bの全羽根に占める割合が50%以上と高く、さらに、軸部材10aの軸方向の長さ1m当たりの羽根の枚数が10枚以上と高いため、粉体原料と液体原料とを十分に混練することができるので、不十分な混練状態のまま混練装置3から吐出されるようなスラリーが減少することとなる。
また、混練スクリュー10の回転数は、300rpm以上とするが、400rpm以上が好ましく、500rpm以上がより好ましく、さらに、600rpm以上が特に好ましい。このように、混練スクリュー10の回転数が300rpm以上と高いため、セメントスラリーの混練がより十分に行われる。なお、従来の混練スクリューを高速回転させた場合にはセメントスラリーの吐出量も増加することとなり、不十分な混練状態のままセメントスラリーが吐出されるような場合が生じるが、混練スクリュー10は、戻し羽根10bの全羽根に占める割合が50%以上と高いため、高速回転させてもセメントスラリーの吐出量を十分に抑制することが可能となる。このため、混練スクリュー10を高速回転させつつも、十分に時間をかけた混練が可能となる。この混練スクリュー10の回転数は、操作者が図示しない操作盤を操作することにより、所望の値に設定することが可能である。
図1に戻ってミキサ装置1の説明を続ける。排出口4は、混練スクリュー10の終端側に設けられ、混練室3aとリザーバ5とを連通し、混練室3a内で混練されたスラリーをリザーバ5に吐出するためのものである。
リザーバ5は、排出口4を介して混練装置3の終端側から吐出されたスラリーを一旦収容するためのものである。このようにスラリーがリザーバ5にて一旦収容されるので、スネークポンプ6を介して、リザーバ5から所望とする割合(排出量)でスラリーを外部に排出可能となる。
このリザーバ5は、本体上部に広口の拡開部13が形成され、さらに、本体下部にはスターラースクリュー14と移送スクリュー16とが略水平に設けられている。スターラースクリュー14と移送スクリュー16とは何れも、リザーバ5の下部において、互いに対向する二つの側壁のほぼ一方から他方に至る長さを有する。そして、スターラースクリュー14はモータ15によって回転駆動され、移送スクリュー16はモータ17によって回転駆動される。モータ17による回転駆動力は、動力伝達ベルト17aを介して移送スクリュー16側に伝達される。ここで、モータ15,17は、いずれも油圧式または電動式のものが用いられる。
リザーバ5の下部側壁には隣接するスネークポンプ6に連通する開口部が形成されている。この開口部を介して、リザーバ5内の移送スクリュー16と、スネークポンプ6内の図示しないスクリューとが一体的に連結(形成)されている。このため、スネークポンプ6内のスクリューは、移送スクリュー16の回転に伴って回転される。このスネークポンプ6内のスクリューが回転することにより、リザーバ5内のスラリーが外部に排出される。開口部にホースを連結させ、ホース先端部を施工部まで設けることにより、ミキサー装置より、直接、スラリーを施工部に連続して供給することができる。
上記のような構成のミキサ装置1では、ホッパー2に投入された粉体状のグラウト組成物が、ホッパースクリュー8の回転により混練装置3に移送される。そして、混練装置3では、混練スクリュー10の回転により、ホッパー2から移送された粉体状のグラウト組成物が水などの液体原料と混練され、所望のスラリー性状を有するスラリーが生成される。混練装置3によって生成されたスラリーは、排出口4を介してリザーバ5に吐出され、ここで、スターラースクリュー14の回転により攪拌されながら一旦収容される。攪拌されたセメントスラリーは、移送スクリュー16の回転によってスネークポンプ6に移送され、その後、スネークポンプ6から外部に排出される。
なお、上記した本実施形態に係る混練スクリュー10を有する混練装置3、またはこの混練装置を備えているミキサー装置1を用いることにより、グラウト組成物と水を用いてグラウトスラリーを生成した場合には、均一で、ダマがほとんど生じず、さらに、硬化後表面には気泡や凹凸などがほとんど生じない、など、スラリー性状が良好となる。
本発明で使用するグラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物である。
グラウト組成物の水硬性無機結合材は、ポルトランドセメントを含み、水硬性無機結合材100質量%中に対して、ポルトランドセメントを好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上含むことが好ましい。
ポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等が挙げられ、一種又は二種以上の混合物として使用できる。
グラウト組成物の水硬性無機結合材は、ポルトランドセメントの他に、必要に応じて石膏やアルミナセメントを含むことができる。
石膏としては、無水、半水等の石膏がその種類を問わず、一種又は二種以上の混合物として使用できる。
アルミナセメントとしては、鉱物組成の異なるものが数種知られ市販されているが、何れも主成分はモノカルシウムアルミネート(CA)であり、市販品はその種類によらず使用することができる。
グラウト組成物は、必要に応じて高炉スラグ、シリカヒューム、フライアッシュ、溶融スラグなどのポゾラン成分を含むことができる。
グラウト組成物は、さらに必要に応じて本発明の特性を損なわない範囲で、細骨材を配合することが出来る。
細骨材は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性無機結合材100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは30〜190質量部、より好ましくは50〜180質量部、特に好ましくは100〜160質量部が、流動性や硬化体強度発現性などのために好ましい。
細骨材としては、2mm以下の径のものを用いることが、流動性や硬化体強度発現性などのために好ましい。
細骨材は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、水硬性無機結合材100質量部に対して、好ましくは200質量部以下、さらに好ましくは30〜190質量部、より好ましくは50〜180質量部、特に好ましくは100〜160質量部が、流動性や硬化体強度発現性などのために好ましい。
細骨材としては、2mm以下の径のものを用いることが、流動性や硬化体強度発現性などのために好ましい。
細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、シリカ粉、粘土鉱物、廃FCC触媒などの無機質材、ウレタン砕、EVAフォーム、発砲樹脂、アルミナセメントクリンカー骨材などの樹脂粉砕物などを用いることができる。細骨材としては、2mm以下の径のものを用いることが好ましい。
細骨材ついては、粒子径の小さいな珪砂、川砂、海砂、石英粉末、廃FCC触媒などの細骨材を用いることが好ましい。
特に、細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、廃FCC触媒などを好ましく用いることが出来る。
細骨材ついては、粒子径の小さいな珪砂、川砂、海砂、石英粉末、廃FCC触媒などの細骨材を用いることが好ましい。
特に、細骨材としては、珪砂、川砂、海砂、廃FCC触媒などを好ましく用いることが出来る。
流動化剤としては、減水効果を合わせ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリエーテル系等、市販のものが、その種類を問わず使用できる。
流動化剤は、用いる水硬性無機結合材に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、水硬性無機結合材100重量部に対し、0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜4質量部、より好ましくは0.1〜3.5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部であり、添加量が余り少ないと十分な効果が発現せず、また多すぎても添加量に見合った効果は期待できず単に不経済であるだけでなく、所要の流動性を得るための混練水量が増大し、同時に粘稠性も大きくなり、充填性が悪化する。
流動化剤は、用いる水硬性無機結合材に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、水硬性無機結合材100重量部に対し、0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜4質量部、より好ましくは0.1〜3.5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部であり、添加量が余り少ないと十分な効果が発現せず、また多すぎても添加量に見合った効果は期待できず単に不経済であるだけでなく、所要の流動性を得るための混練水量が増大し、同時に粘稠性も大きくなり、充填性が悪化する。
膨張材としては、金属粉、カルシウムサルフォアルミネート系(CSA系)、石灰系などを用いることができ、また、金属粉、カルシウムサルフォアルミネート系及び石灰系を2種以上併用して用いることができる。
膨張材の添加量は、水硬性無機結合材100質量部に対して、金属粉では、好ましくは0.0001〜0.02質量部、さらに好ましくは0.0003〜0.005質量部、より好ましくは0.0005〜0.004質量部、特に0.0008〜0.003質量部で用いることが好ましく、
カルシウムサルフォアルミネート系及び石灰系の添加量は、好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは3〜13質量部、より好ましくは4〜12質量部、特に5〜10質量部で用いることが好ましい。
膨張材の添加量は、水硬性無機結合材100質量部に対して、金属粉では、好ましくは0.0001〜0.02質量部、さらに好ましくは0.0003〜0.005質量部、より好ましくは0.0005〜0.004質量部、特に0.0008〜0.003質量部で用いることが好ましく、
カルシウムサルフォアルミネート系及び石灰系の添加量は、好ましくは1〜15質量部、さらに好ましくは3〜13質量部、より好ましくは4〜12質量部、特に5〜10質量部で用いることが好ましい。
金属粉としては、アルミニウム粉、鉄粉などを使用することができるが、中でも比重の面から、アルミニウム粉の使用が特に好ましい。アルミニウム粉は、JIS・K−5906「塗装用アルミニウム粉」の第2種に準ずるものが好適に使用できる。
カルシウムサルフォアルミネート系としては、アウインを挙げることができる。
石灰系としては、生石灰、生石灰−石膏混合系、仮焼ドロマイト等が挙げられ、一種又は二種以上の混合物として使用できる。特に石灰系としては、生石灰、生石灰−石膏混合系が好ましい。
石灰系としては、生石灰、生石灰−石膏混合系、仮焼ドロマイト等が挙げられ、一種又は二種以上の混合物として使用できる。特に石灰系としては、生石灰、生石灰−石膏混合系が好ましい。
グラウト組成物は、水硬性無機結合材、流動化剤及び膨張材の他に、必要に応じて凝結調整剤、増粘剤、消泡剤などの成分を少なくとも1種類含むことができる。
凝結調整剤は、凝結促進を行う成分である凝結促進剤及び/又は凝結遅延を行う成分である凝結遅延剤とを含むものである。
凝結調整剤は、凝結促進剤と凝結遅延剤を併用して用いることにより、作業可能な可使時間の保持、超速硬性、流動保持性、優れた硬化体性状を両立させることが可能となる。
凝結調整剤は、凝結促進剤と凝結遅延剤を併用して用いることにより、作業可能な可使時間の保持、超速硬性、流動保持性、優れた硬化体性状を両立させることが可能となる。
凝結促進剤としては、公知の凝結促進剤を用いることが出来る。凝結促進剤の一例として、炭酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酒石酸リチウム、リンゴ酸リチウム、クエン酸リチウムなどの有機酸などの、無機リチウム塩や有機リチウム塩などのリチウム塩を用いることが出来る。特に炭酸リチウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
凝結遅延剤としては、公知の凝結遅延剤を用いることが出来る。凝結遅延剤の一例として、硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムなど有機酸などの、無機ナトリウム塩や有機ナトリウム塩などのナトリウム塩を用いることが出来る。特に重炭酸ナトリウムやクエン酸ナトリウム及び酒石酸ナトリウムは、効果、入手容易性、価格の面から好ましい。なお、添加量が多いと、流動性の低下、硬化不良を招いたり、ブリージング水の発生による表面不良が生じることがあるので、注意が必要である。
凝結調整剤は、用いる水硬性無機結合材に応じて、特性を損なわない範囲で適宜添加することができ、凝結促進剤及び凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、流動性、可使時間、硬化性状などを調整することができ、20℃可使時間を数分程度から1時間程度まで任意の時間に調整することができる。
増粘剤は、セルロース系、蛋白質系、ラテックス系、及び水溶性ポリマー系などを用いることが出来、特にセルロース系などを用いることが出来る。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、水硬性無機結合材や細骨材などの骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、グラウトスラリーとしての特性を向上させるために好ましい。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、水硬性無機結合材や細骨材などの骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、グラウトスラリーとしての特性を向上させるために好ましい。
消泡剤は、シリコン系、アルコール系、ポリエーテル系などの合成物質、石油精製由来の鉱物油系又は植物由来の天然物質など、公知のものを用いることが出来る。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができる。
グラウト組成物は、混練装置又は混練装置を有するモキサー装置を用いて、水と混練することにより、グラウトスラリーを連続して製造することができる。
グラウト組成物は、水の添加量を調整することにより、スラリーの流動性、可使時間などを、さらに硬化して得られる硬化体の強度などを調整することができる。
水の添加量は、用いる水硬性無機結合材又はグラウト組成物に応じて、適宜選択して用いることができる。水の添加量は、水硬性無機結合材又はグラウト組成物100質量部に対し、好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは12〜40質量部、より好ましくは13〜35質量部、特に好ましくは15〜25質量部加えて用いることが好ましい。
グラウト組成物は、水の添加量を調整することにより、スラリーの流動性、可使時間などを、さらに硬化して得られる硬化体の強度などを調整することができる。
水の添加量は、用いる水硬性無機結合材又はグラウト組成物に応じて、適宜選択して用いることができる。水の添加量は、水硬性無機結合材又はグラウト組成物100質量部に対し、好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは12〜40質量部、より好ましくは13〜35質量部、特に好ましくは15〜25質量部加えて用いることが好ましい。
グラウトスラリーは、グラウト組成物と水の添加量を調整することにより、以下の特性の1つ以上有することが好ましい。
1)Jロートが、好ましくは(8秒±4秒)、さらに好ましくは(8秒±3秒)、さらに好ましくは(8秒±2秒)、特に好ましくは(8秒±1秒)である。
2)20℃可使時間が、好ましくは30分以上、さらに好ましくは40分以上、特に好ましくは60分以上である。
1)Jロートが、好ましくは(8秒±4秒)、さらに好ましくは(8秒±3秒)、さらに好ましくは(8秒±2秒)、特に好ましくは(8秒±1秒)である。
2)20℃可使時間が、好ましくは30分以上、さらに好ましくは40分以上、特に好ましくは60分以上である。
グラウトスラリーの硬化体は、以下の特性の1つ以上有することが好ましい。
1)圧縮強度(3日)が、好ましくは25N/mm2以上、さらに好ましくは30N/mm2以上、特に好ましくは35N/mm2以上である。
2)圧縮強度(28日)が、好ましくは45N/mm2以上、さらに好ましくは50N/mm2以上、特に好ましくは55N/mm2以上である。
3)膨張率(1日)が、0.00%より大きい、さらに好ましくは+0.01%より大きい、より好ましくは+0.05%より大きい、特に好ましくは+0.10%より大きい範囲である。
1)圧縮強度(3日)が、好ましくは25N/mm2以上、さらに好ましくは30N/mm2以上、特に好ましくは35N/mm2以上である。
2)圧縮強度(28日)が、好ましくは45N/mm2以上、さらに好ましくは50N/mm2以上、特に好ましくは55N/mm2以上である。
3)膨張率(1日)が、0.00%より大きい、さらに好ましくは+0.01%より大きい、より好ましくは+0.05%より大きい、特に好ましくは+0.10%より大きい範囲である。
ポルトランドセメント、石膏及び消石灰よりなる水硬性無機結合材と、必要に応じて、アルミナセメント、細骨材、凝結調整剤と、流動化剤、増粘剤、消泡剤、膨張材及びハイドロジェンポリシロキサンシリコーンオイル等を添加し、混合機で混合し、グラウト組成物のプレミックス粉体を得ることができる。
グラウトスラリーは、トンネルやシールドの裏込め、ダムの継ぎ目、橋梁のシュウ、構造物の補修や補強、鉄筋継手、機械基礎の固定、下水道の補修等、土木・建築分野において、耐酸性は当然ながら高流動性、無収縮性及び高強度といった性能を持つことからその利用価値は大きい。
また、グラウト組成物は、一粉型のグラウト組成物であり、施工現場ではグラウト組成物のプレミックス粉体を水と連続混練するだけで、高流動性のグラウトスラリーを連続して得ることができる。
また、グラウト組成物は、一粉型のグラウト組成物であり、施工現場ではグラウト組成物のプレミックス粉体を水と連続混練するだけで、高流動性のグラウトスラリーを連続して得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
(特性の評価方法)
1)Jロート(秒):土木学会充てんモルタル試験方法(案)(JSCE・F542−1993)に準拠して、グラウトスラリーのJ14ロート法による流下値を示す。
2)膨張率(%):土木学会充てんモルタル試験方法(案)(JSCE・F542−1993)に準拠して、マイクロメーター法により行う。試験体φ5×10cm(但し、膨張率は、膨張を+、収縮を−で示す。)(測定条件・温度:20℃、湿度:65%)
3)圧縮強度(N/mm2):グラウトスラリーの硬化した試験体φ5×10cm、JIS・A−1108に準拠して行う(測定条件・温度:20℃、湿度:65%)。
4)ポンプ圧送性:ミキサー装置の排出ポンプ出口に、長さ10m、50m又は100mで、内径32cmのホースを接続して、ホース筒先より吐出されるスラリーの吐出量で評価を行う。
ポンプは、モーノポンプ、型番:2NM50(兵神装備社製)を用いて行う。
○:スラリー吐出量3m3/h以上、×:スラリー吐出量3m3/h未満。
5)スラリー検査:上記4)のホース筒先より得られるスラリーを、容器に取り、スラリーの固液分離状況を目視で観察する。
○:固液分離なし、×:固液分離あり。
1)Jロート(秒):土木学会充てんモルタル試験方法(案)(JSCE・F542−1993)に準拠して、グラウトスラリーのJ14ロート法による流下値を示す。
2)膨張率(%):土木学会充てんモルタル試験方法(案)(JSCE・F542−1993)に準拠して、マイクロメーター法により行う。試験体φ5×10cm(但し、膨張率は、膨張を+、収縮を−で示す。)(測定条件・温度:20℃、湿度:65%)
3)圧縮強度(N/mm2):グラウトスラリーの硬化した試験体φ5×10cm、JIS・A−1108に準拠して行う(測定条件・温度:20℃、湿度:65%)。
4)ポンプ圧送性:ミキサー装置の排出ポンプ出口に、長さ10m、50m又は100mで、内径32cmのホースを接続して、ホース筒先より吐出されるスラリーの吐出量で評価を行う。
ポンプは、モーノポンプ、型番:2NM50(兵神装備社製)を用いて行う。
○:スラリー吐出量3m3/h以上、×:スラリー吐出量3m3/h未満。
5)スラリー検査:上記4)のホース筒先より得られるスラリーを、容器に取り、スラリーの固液分離状況を目視で観察する。
○:固液分離なし、×:固液分離あり。
原料は以下のものを使用した。
1)水硬性無機結合材:
・ポルトランドセメント(宇部三菱セメント早強セメント、ブレーン比表面積4500cm2/g)。
2)細骨材:
・珪砂:4号珪砂、N−50硅砂、N−70硅砂の混合品。
4)混和剤:
・膨張材A:アサノジブカル(太平洋マテリアル社製)。
・膨張材B:アルミニウム粉(粒度44μm以下60重量%以上含有、大和金属粉工業社製、製品名:ALCファイン及びK−250の混合品)。
上記の比表面積の評価法は、JIS・R−5201に規定されているブレーン空気透過装置を用いて測定されたものである。
1)水硬性無機結合材:
・ポルトランドセメント(宇部三菱セメント早強セメント、ブレーン比表面積4500cm2/g)。
2)細骨材:
・珪砂:4号珪砂、N−50硅砂、N−70硅砂の混合品。
4)混和剤:
・膨張材A:アサノジブカル(太平洋マテリアル社製)。
・膨張材B:アルミニウム粉(粒度44μm以下60重量%以上含有、大和金属粉工業社製、製品名:ALCファイン及びK−250の混合品)。
上記の比表面積の評価法は、JIS・R−5201に規定されているブレーン空気透過装置を用いて測定されたものである。
まず、本実施例1〜4に係る混練スクリュー10の詳細構成について説明する。図6に示すように、本実施例1〜4に係る混練スクリュー10は、基端から終端までの長さが本実施例1〜4に係る混練室3aの長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有する。そしてこの複数枚の羽根は、26枚の戻し羽根10bと、6枚の送り羽根10cと、を含む。戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は32枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は81%程度である(表1参照)。
次に、本実施例1〜4に係る混練スクリュー10が有する各羽根の形成位置について詳細に説明する。ここでは、羽根の形成位置を、軸部材10aの基端側から終端側に向かう方向(以下、軸方向という)に沿って、軸部材10aを領域A1〜A10に分けて順次説明していく。まず、最も基端側に位置する領域A1には、3枚の送り羽根10cが、軸上の同一地点にあって周方向に略120度間隔で相互に離隔して形成されている。
軸方向に向かって領域A1の隣に位置する領域A2には、2枚の戻し羽根10bが、軸上の同一地点にあって周方向に略180度間隔で相互に離隔して形成されている。軸方向に向かって領域A2の隣に位置する領域A3には、6枚の戻し羽根10bが軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して形成されている。
軸方向に向かって領域A3の隣に位置する領域A4には、3枚の戻し羽根10bが、軸上の同一地点にあって周方向に略120度間隔で相互に離隔して形成されている。軸方向に向かって領域A4の隣には、羽根が形成されていない領域A5が位置する。そして、軸方向に向かって領域A5の隣に位置する領域A6には、6枚の戻し羽根10bが2枚1組となって、軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して形成されている。そして、各組に含まれる2枚の戻し羽根10bには、1枚の掻き出し用板部材10dがそれぞれ接合されている。
軸方向に向かって領域A6の隣に位置する領域A7には、3枚の戻し羽根10bが上記した領域A4の場合と同様に形成されている。軸方向に向かって領域A7の隣に位置する領域A8には、6枚の戻し羽根10bと3枚の掻き出し用板部材10dとが上記した領域A6の場合と同様に形成されている。
軸方向に向かって領域A8の隣に位置する領域A9には、3枚の送り羽根10cが上記した領域A1の場合と同様に形成されている。そして、軸方向に向かって領域A9の隣には羽根が形成されていない領域A10が位置する。
ここで、領域A1〜A4までの長さは260mm程度であり、領域A5の長さは130mm程度である。また、領域A6の長さは175mm程度であり、領域A7の長さは55mm程度である。また、領域A8の長さは175mm程度であり、領域A9の長さは45mm程度であり、領域A10の長さは90mm程度である。そして、戻し羽根10bおよび送り羽根10cが形成された軸部材10aの基端から終端までの長さは、領域A1〜A10の合計であり、930mm程度となっている。
(実施例1〜4)
次に、図6と表1〜表3とを参照して、本実施形態に係る実施例1〜4を説明する。なお、本発明は、下記実施例1〜4の内容に限定されるものではない。ここで、図6は、実施例1〜4に係る混練スクリューの全体構成を示す図である。
次に、図6と表1〜表3とを参照して、本実施形態に係る実施例1〜4を説明する。なお、本発明は、下記実施例1〜4の内容に限定されるものではない。ここで、図6は、実施例1〜4に係る混練スクリューの全体構成を示す図である。
実施例1〜4及び比較例1で使用したグラウト組成物の各成分組成割合を表4に示した。本実施例では、実施例1〜4及び比較例1毎に、上記したグラウト組成物を下記表4に示す配合で調合し、この調合後のグラウト組成物と所定量の水とを図1に記載のミキサー装置の混練装置に供給して混練し、グラウトスラリーを連続して製造した。
J14ロート評価に用いたグラウトスラリーは、ミキサー装置の排出ポンプに接続した表5に示すホースの筒先より吐出させて得られるスラリーを用いた。
ポンプ圧送性評価は、ミキサー装置の排出ポンプに接続した表5に示すホースの筒先より吐出するスラリーの吐出量により評価した。
スラリー検査と、硬化体の圧縮強度(養生3日、28日)及び膨張率(養生1日、3日)は、ミキサー装置の排出ポンプに接続した表5に示すホースの筒先より吐出するスラリーを用いて、評価した。
J14ロート評価に用いたグラウトスラリーは、ミキサー装置の排出ポンプに接続した表5に示すホースの筒先より吐出させて得られるスラリーを用いた。
ポンプ圧送性評価は、ミキサー装置の排出ポンプに接続した表5に示すホースの筒先より吐出するスラリーの吐出量により評価した。
スラリー検査と、硬化体の圧縮強度(養生3日、28日)及び膨張率(養生1日、3日)は、ミキサー装置の排出ポンプに接続した表5に示すホースの筒先より吐出するスラリーを用いて、評価した。
また、表2に示すように、本実施例1〜4に係る混練室3aの詳細構成は、長手方向の長さが950mm程度であり、断面の直径が180mm程度であり、断面積が254cm2程度であり、排出口4に連通する混練室3aの開口部の面積は28cm2程度である。そして、表3に示すように、本実施例1に係る混練条件としての混練スクリュー10の回転数は700rpm程度である。
又本発明では、図6に示す混練スクリューの他に、図7及び図8に示す混練スクリュー10を用いることができる。
図7の混練スクリュー10は、基端から終端までの長さが実施例1に係る混練室3aの長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有し、上記した実施例1の場合とほぼ同様の構成となっている。実施例1の場合との違いは、4枚の送り羽根10cが一対ずつ2組となって領域A5に形成されていること、そして、この一対の送り羽根10cの各々には掻き出し用板部材10dが一枚ずつ接合されていること、である。すなわち、図7の混練スクリュー10は、26枚の戻し羽根10bと、10枚の送り羽根10cとを有する。戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は36枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は72%程度である。
図7の混練室3aの詳細構成は、実施例1の場合と同様である。
図7の混練スクリュー10は、基端から終端までの長さが実施例1に係る混練室3aの長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有し、上記した実施例1の場合とほぼ同様の構成となっている。実施例1の場合との違いは、4枚の送り羽根10cが一対ずつ2組となって領域A5に形成されていること、そして、この一対の送り羽根10cの各々には掻き出し用板部材10dが一枚ずつ接合されていること、である。すなわち、図7の混練スクリュー10は、26枚の戻し羽根10bと、10枚の送り羽根10cとを有する。戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は36枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は72%程度である。
図7の混練室3aの詳細構成は、実施例1の場合と同様である。
図8の混練スクリュー10は、基端から終端までの長さが実施例1に係る混練室3aの長手方向の長さ程度の軸部材10aと、この軸部材10aの外周面に形成された複数枚の羽根とを有する。図8の混練スクリュー10は、軸部材10aの外周面に、31枚の戻し羽根10bと2枚の送り羽根10cとが形成されている。この戻し羽根10bと送り羽根10cとの合計枚数は33枚であり、羽根全体に占める戻し羽根10bの割合は94%程度である。
図8の混練スクリュー10には、7枚の掻き出し用板部材10dが、軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して設けられている。そして各掻き出し用板部材10dは、何れも、互いに並列する3枚の戻し羽根10bに支えられるようにして接合されている。そして、混練スクリュー10が有する31枚の戻し羽根10bのうち、この掻き出し用板部材10dに接合されたもの以外の10枚の戻し羽根10bは、軸部材10aの外周面にて、ほぼ螺旋状に相互に離隔して形成されている。そして、2枚の送り羽根10cは、軸部材10aの基端側と終端側との各所定箇所にそれぞれ形成されている。
図8の混練室3aの詳細構成は、長手方向の長さが770mm程度であり、断面の直径が210mm程度であり、断面積が346cm2程度であり、排出口4に連通する混練室3aの開口部の面積は28cm2程度である。
図8の混練室3aの詳細構成は、長手方向の長さが770mm程度であり、断面の直径が210mm程度であり、断面積が346cm2程度であり、排出口4に連通する混練室3aの開口部の面積は28cm2程度である。
なお、本発明は、上記説明したミキサ装置1の構成や混練条件に限らず、詳細構成や詳細動作、そして詳細混練条件については本発明の内容を逸脱しない範囲で変更可能である。
1:ミキサー装置、2:ホッパー、3:混練装置、3a:混練室、3b:給水口、4:排出口、5:リザーバ、6:スネークポンプ、7:投入口、8:ホッパースクリュー、9,15,17:モータ、9a,17a:動力伝達ベルト、10:混練スクリュー、10a:軸部材、10b:戻し羽根、10c:送り羽根、10d:掻き出し用板部材、13:拡開部、14:スターラースクリュー、16:移送スクリュー。
Claims (5)
- 混練スクリューと、混練スクリューを回転可能に収容する略筒状の混練室とを備えた混練装置を用いて、
混練スクリューの基端側にグラウト組成物と水とを連続して供給し、グラウト組成物と水とを混練スクリューを用いて連続混練してスラリーを形成し、混練スクリューの終端部よりスラリーを吐出し、施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法であり、
グラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物を用い、
混練装置の混練スクリューは、軸部材と、軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材が所定方向に回転することにより、グラウト組成物と水とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューを用い、
混練スクリューの複数の羽根は、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と、軸部材の基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根とを含み、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも50%以上の羽根を用いることを特徴とするグラウトスラリーの施工方法。 - 混練スクリューと、混練スクリューを回転可能に収容する略筒状の混練室とを備えた混練装置と、混練装置の混練スクリューの基端側に粉状のグラウト組成物を供給するためのホッパーと、混練装置の混練スクリューの終端側から吐出されたスラリーを収容するためのリザーバと、前記リザーバ内に収容されたスラリーを外部に排出するための排出ポンプとを備えたミキサー装置を用いて、
水と、ホッパー内のグラウト組成物とを混練スクリューの基端側に連続して供給し、グラウト組成物と水とを混練スクリューを用いて連続混練してスラリーを形成し、混練スクリューの終端部よりリザーバ内にスラリーを吐出し、リザーバ内に収容されたスラリーを排出ポンプを用いて施工部にスラリーを供給すること特徴とするグラウトスラリーの施工方法であり、
グラウト組成物は、ポルトランドセメントを含む水硬性無機結合材と、流動化剤及び膨張材とを含む粉体状の組成物を用い、
混練装置の混練スクリューは、軸部材と、軸部材の外周面に形成された複数の羽根とを備え、軸部材が所定方向に回転することにより、グラウト組成物と水とを混練しながら、混練物を軸部材の基端側から終端側に向けて移送する混練スクリューを用い、
混練スクリューの複数の羽根は、軸部材の終端側に向けて混練物を送る送り羽根と、軸部材の基端側に向けて混練物を戻す戻し羽根とを含み、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも50%以上の羽根を用いることを特徴とするグラウトスラリーの施工方法。 - 混練スクリューの複数の羽根は、複数の羽根に占める戻し羽根の割合が少なくとも72%である、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグラウトスラリーの施工方法。
- 混練スクリューの軸部材は、軸方向の長さ1m当たりで、少なくとも10枚の羽根が形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラウトスラリーの施工方法。
- 混練スクリューの回転数が、少なくとも300rpmで回転させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラウトスラリーの施工方法。
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