JP2006224469A - 積層シート - Google Patents

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JP2006224469A JP2005041305A JP2005041305A JP2006224469A JP 2006224469 A JP2006224469 A JP 2006224469A JP 2005041305 A JP2005041305 A JP 2005041305A JP 2005041305 A JP2005041305 A JP 2005041305A JP 2006224469 A JP2006224469 A JP 2006224469A
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Abstract

【課題】 本発明は、難燃性、軽量性及び成形性に優れており、種々の用途に展開することができる積層シートを提供する。
【解決手段】 本発明の積層シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に厚みが0.01〜0.2mmのアルミニウム箔が積層一体化されていることを特徴とし、その一部に熱可塑性樹脂発泡シートを有することから、優れた軽量性を有すると共に、アルミニウム箔に起因して、炎に接触しても燃焼し難く、優れた難燃性を有しており、更に、アルミニウム箔は展延性に優れており所望形状に正確に成形することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面にアルミニウム箔が積層一体化された積層シートに関する。
従来から、難燃性樹脂発泡体に用いられる合成樹脂としては、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が用いられてきており、特許文献1には、平均粒径が0.05mm以上2.80mm以下の無機質材料と、平均気泡径が10μm以上400μm以下のフェノール樹脂発泡体とからなる無機質材料含有フェノール樹脂発泡体が提案されている。
しかしながら、上記無機質材料含有フェノール樹脂発泡体は、無機質材料が含まれていることから、軽量性に欠け、施工性が低いといった問題点を有していた。
特開2000−119424号公報
本発明は、難燃性、軽量性及び施工性に優れており、種々の用途に展開することができる積層シートを提供する。
本発明の積層シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に0.01〜0.2mmのアルミニウム箔が積層一体化されていることを特徴とする。
上記熱可塑性樹脂発泡シートを構成する熱可塑性樹脂としては、従来から発泡体に用いられていたものであれば、特に限定されず、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられ、後述するように、架橋助剤を用いて架橋構造を付与するに際し、分解を抑制しつつ架橋構造を付与して発泡時における溶融粘度を適正なものとすることができるので、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられても併用されてもよい。
又、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、又、エチレン成分を含有する共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
又、上記熱可塑性樹脂は、発泡時においてある程度の伸長粘度を備えている必要があることから、例えば、以下の方法によって架橋構造を付与することが好ましい。
第一の架橋方法としては、上記熱可塑性樹脂に発泡時において所望範囲内の流動性と伸長粘度とを付与して軽量性及びリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂発泡シートを得るべく、上記熱可塑性樹脂及びラジカル反応をし得る官能基を2個以上有する多官能モノマーを、必要に応じて有機過酸化物を加えた上で、押出機やニーダーなどの汎用の溶融混練装置
に供給し、上記熱可塑性樹脂を円滑に溶融混練できるように熱可塑性樹脂の溶融粘度を調整しつつ、この溶融混練装置中において上記熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂とした上で、即ち、熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させ、最終的に熱可塑性樹脂に付与しようとする架橋構造の一部を熱可塑性樹脂に導入した上で、シート状などの所望形状に形成した後、上記変性熱可塑性樹脂を多官能モノマーの反応温度以上に加熱することによって上記熱可塑性樹脂に更に架橋構造を付与して発泡に適した伸長粘度を付与する方法が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性するには、熱可塑性樹脂と多官能モノマーとに、必要に応じて有機過酸化物を加えたものを押出機やニーダーなどの汎用の溶融混練装置に供給して溶融、混練することにより行なうことができる。なお、上記多官能モノマーとして特にジビニル化合物又はジアリル化合物を用いた場合には有機過酸化物を添加することが好ましい。
上記多官能モノマーとしては、例えば、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニル化合物、アリル系多官能化合物、(メタ)アクリル系多官能化合物、キノン化合物などが挙げられる。
上記ジオキシム化合物としては、化1に示されるオキシム基又はこのオキシム基中の水素原子を他の原子団R(主として炭化水素基)で置換した化2に示される置換オキシム基のうちのいずれか一方を2つ有するか、或いは、双方を一つづつ有する化合物を意味し、具体的には、化3で示されるp−キノンジオキシムや化4で示されるp,p’−ジベンゾイルキノンジオキシムなどが挙げられる。なお、ジオキシム化合物は単独で用いられても併用されてもよい。
Figure 2006224469
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上記ビスマレイミド化合物とは、化5に示されるマレイン酸イミド(マレイミド)構造を分子内に2つ以上有する化合物を意味し、例えば、化6に示されるN,N’−p−フェニレンビスマレイミド、化7に示されるN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、化8に示されるジフェニルメタンビスマレイミドなどが挙げられ、更に、化9に示されるようなマレイミド構造が分子内に2個以上存在するポリマレイミドもビスマレイミド化合物に包含される。
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上記ジビニル化合物としては、化10に示されるo−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
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上記アリル系多官能化合物とは、アリル基(CH2 =CHCH2 −)を分子内に2つ以上有する化合物を意味し、例えば、化11に示されるようなジアリルフタレート、化12に示されるようなトリアリルシアヌレート、化13に示されるようなトリアリルイソシアヌレート、化14に示されるようなジアリルクロレンデートなどが挙げられる。
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上記(メタ)アクリル系多官能化合物としては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加物ジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートなどのトリ(メタ)アクリル化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記キノン化合物としては、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベンゾキノンなどが挙げられる。
上記多官能モノマーの添加量は、多いと、熱可塑性樹脂の架橋密度が高くなりすぎてリサイクル性が低下したり、或いは、熱可塑性樹脂発泡シートを得るための発泡性樹脂シートを押出機から押出す際に押出機に高い付加がかかったりメルトフラクチャーが発生したりすることがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂に発泡時に必要な伸長粘度を付与することができないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部が好ましく、0.2〜2重量部がより好ましい。
上記熱可塑性樹脂と上記多官能モノマーとを溶融、混練する際の樹脂温度は、高いと、熱可塑性樹脂が分解することがあり、又、低いと、熱可塑性樹脂の変性が不十分となって発泡性樹脂シートの発泡時における伸長粘度が不十分となり所望発泡倍率の熱可塑性樹脂発泡シートが得られないことがあるので、170℃以上で且つ熱可塑性樹脂の分解温度以下であることが好ましく、200〜250℃がより好ましい。
更に、上記の如くして多官能モノマーによって変性された熱可塑性樹脂の発泡時における流動性を向上させて、発泡に必要な発泡圧をより低下させると共に、後述するアスペクト比(Dz/Dxy)を持つ気泡をより確実に得るために、変性された熱可塑性樹脂に更に未変性の熱可塑性樹脂を添加して溶融、混練することが好ましい。なお、上記変性された熱可塑性樹脂と未変性の熱可塑性樹脂とは互いに相溶性を有しておればよく、同種であっても異種であってもよい。
上記有機過酸化物としては、上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させることができれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2、4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなどが挙げられ、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンが好ましい。上記有機過酸化物は単独で用いられても併用されてもよい。
上記有機過酸化物の添加量は、多いと、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いた場合に所謂β開裂が顕著に生じて得られる変性されたポリプロピレンの分子量が低くなりすぎてポリプロピレンの物性の低下や流動性の低下による発泡不良が生じることがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂の多官能モノマーによる変性が不十分となることがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましく、0.005〜
0.15重量部が更に好ましい。
又、上記熱可塑性樹脂発泡シートには、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジラウリルチオプロピオネートなどの酸化防止剤やメチルベンゾトリアゾールなどの金属防止剤を添加してもよい。
そして、上記熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)は、小さいと、積層シートの圧縮強度が低くなる虞れがある一方、大きいと、積層シートの曲げ強度が小さくなる虞れがあるので、1〜3が好ましい。
なお、熱可塑性樹脂発泡シートにおける気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)は下記の要領で測定されたものをいう。先ず、熱可塑性樹脂発泡シートをその厚み方向に切断し、図1のように、この切断面に露出している各気泡断面における熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向の長さDzと熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に対して垂直で且つ切断面に沿った方向の長さDxyとを測定して各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)を算出する。そして、得られた各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)の相加平均値を算出して、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)としている。
ここで、上記測定において対象となる気泡は、切断面において隣接する気泡と連結したりすることなく完全に独立した状態の気泡のみであり、例えば、切断面において隣接する気泡同士がそれら対向する部分において連結して一体化している気泡や端部が熱可塑性樹脂発泡シートの表面に達しているような気泡などは測定対象から除外される。
そして、上記熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に、好ましくは両面にアルミニウム箔が接着剤層を介して或いは熱可塑性樹脂発泡シートの熱融着力によって積層一体化されている。このアルミニウム箔の厚みは、薄いと、積層シートの難燃性が低下する一方、厚いと、積層シートの軽量性が低下するので、0.01〜0.2mmに限定される。
又、接着剤層を介してアルミニウム箔を熱可塑性樹脂発泡シートの一面に積層一体化させる場合には、接着剤層とこれに対向する熱可塑性樹脂発泡シートとの間に中間シートを介在させてもよい。なお、接着剤層を構成する接着剤としては、アルミニウム箔と、熱可塑性樹脂発泡シート又は中間シートとを接着一体化させることができるものであれば、特に限定されず、例えば、ウレタン系樹脂接着剤、エポキシ系樹脂接着剤などが挙げられる。
なお、熱可塑性樹脂発泡シートの両面に接着剤層を介してアルミニウム箔を積層一体化する場合であって、接着剤層とこれに対向する熱可塑性樹脂発泡シートとの間に中間シートを介在させる時は、中間シートは、互いに異種類のものであってもよいが、熱可塑性樹脂発泡シートの寸法安定性を向上させるために同種類のものを用いるのが好ましい。
上記中間シートとしては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂発泡シートの原反である発泡性樹脂シートの発泡時において形態を維持する繊維(以下、「非溶融性繊維」という)からなる不織布、熱可塑性樹脂発泡シートの原反である発泡性樹脂シートの発泡時において溶融しない合成樹脂シートなどが挙げられ、非溶融性繊維からなる不織布がアンカー効果による接着剤層との一体化に優れており好ましい。
上記非溶融性繊維とは、具体的には、熱可塑性樹脂発泡シートの製造工程において加えられる熱により溶融しない繊維、換言すれば、熱可塑性樹脂発泡シートの製造工程において加えられる熱にかかわらず形態を保持する繊維をいい、このような非溶融性繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、鞘成分がポリエチレン系樹脂で且つ芯成
分がポリエチレンテレフタレート系樹脂である芯鞘型繊維などの合成樹脂繊維;綿花、カポック綿、亜麻、大麻、洋麻(ケナフ)、マニラ麻、サイザル麻、ニュージランド麻、マゲー麻、コイヤなどの天然繊維;ガラス繊維;炭素繊維などが挙げられる。
上記合成樹脂繊維は、その平均繊維径が3〜100デニールで且つ平均長さが5〜200mmであることが好ましく、上記天然繊維は、その平均直径が10〜100μmで且つ平均長さが5〜100mmであることが好ましく、ガラス繊維及び炭素繊維は、その平均直径が5〜20μmで且つ平均長さが5〜100mmであることが好ましい。
上記中間シートの非溶融性繊維は熱可塑性樹脂によって結着されていてもよく、この熱可塑性樹脂は従来から不織布のバインダーとして用いられている熱可塑性樹脂であれば、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリスチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマーなどのポリスチレン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;飽和ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ポリ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系樹脂;線状ウレタン樹脂などのウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ジメチルフタレート;ジメチルイソフタレートなどのフタル酸誘導体;酢酸ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
又、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、又、エチレン成分を含有する共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はランダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
次に、上記積層シートの製造方法について説明する。先ず、熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂に多官能モノマーを添加して上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂を製造し、この変性熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を添加して該熱分解型発泡剤の分解温度より低い温度で溶融混練して発泡性樹脂シートを形成した後、この発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを積層して発泡性積層シートを形成した後、該発泡性積層シートを多官能モノマーの反応温度及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる熱可塑性樹脂発泡シートの製造方法などが挙げられる。
なお、上記製造方法において、発泡性樹脂シート上に中間シートを積層する際、発泡性樹脂シートと中間シートとを予め一体化させておいても、或いは、発泡性樹脂シートと中間シートとを一体化させることなく中間シートを発泡性樹脂シート上に重ね合わせ、発泡性積層シートを発泡させる際にその発泡圧を利用して上記発泡性樹脂シートから得られる熱可塑性樹脂発泡シートと中間シートとを一体化させるようにしてもよい。
上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定されるものではなく、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジド化合物などの無機系熱分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジカルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジ
ドなどの有機系熱分解型発泡剤などが挙げられる。なお、上記発泡剤の添加量は、多いと、破泡してしまうことがあり、又、少ないと、発泡しないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましい。
又、上記発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを積層一体化する方法としては、例えば、(1) 発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを加熱しながら押圧して積層一体化させる方法、(2) 溶融状態となった発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを押圧して積層一体化させる方法、即ち、押出機の先端部に取付けられたTダイから発泡性樹脂シートを押出し、この押出された直後の表面が溶融状態にある発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを載置した後、一対の挟圧ロール間に供給し、これら挟圧ロールによって発泡性樹脂シート及び中間シートを挟持、一体化させることによって発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを積層一体化させる方法、(3) 発泡性樹脂シートと中間シートとを接着剤を介して積層一体化させる方法などが挙げられる。
上記の如くして製造された発泡性積層シートの加熱方法としては、従来から発泡体の製造に用いられている汎用の加熱装置が用いられ、このような加熱装置としては、例えば、対向状態に配設された一対の加熱ロール又は加熱ベルト間に発泡性積層シートを供給して該発泡性積層シートを加熱するロール式加熱装置又はベルト式加熱装置、発泡性積層シートに熱風を吹き付ける熱風恒温槽、発泡性積層シートを熱浴させるオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが挙げられるが、得られる熱可塑性樹脂発泡シートの厚み精度が優れていることからロール式加熱装置又はベルト式加熱装置が好ましい。
上記要領で発泡性積層シートの発泡性樹脂シートを発泡させると、発泡性樹脂シートの発泡は、該発泡性樹脂シートの少なくも一面に中間シートが積層一体化されていることから、発泡性樹脂シートの面方向の発泡は中間シートによって制限されている一方、その厚さ方向の発泡は中間シートにより制限されることなく自由発泡状態とされている。
従って、上記発泡性樹脂シートの発泡方向が、その厚み方向に向いた状態とされており、該発泡性樹脂シートを発泡させて得られる熱可塑性樹脂発泡シートの気泡の大部分は、その長さ方向を発泡性樹脂シートの厚み方向に指向させた紡錘形状に形成される。
よって、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡はその大半がその長さ方向を熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させた紡錘形状に形成され、得られる熱可塑性樹脂発泡シートは、その厚さ方向の圧縮強度に優れたものとされている。
そして、上記の如くして得られた熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に接着剤層を介してアルミニウム箔を積層一体化させることによって積層シートを得ることできる。
上記では、発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートを積層した上で、発泡性樹脂シートを発泡させて熱可塑性樹脂発泡シートを製造し、この熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面にアルミニウム箔を積層一体化して積層シートを製造する方法を説明したが、発泡性樹脂シートの少なくとも一面に中間シートの代わりにアルミニウム箔を直接、積層一体化した上で、発泡性樹脂シートを上述の要領で加熱、発泡させて、発泡性樹脂シートを発泡させて得られる熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に熱可塑性樹脂発泡シートの熱融着力によってアルミニウム箔を積層一体化させて積層シートを製造してもよい。
本発明の積層シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に厚みが0.01〜
0.2mmのアルミニウム箔が積層一体化されていることを特徴とし、その一部に熱可塑性樹脂発泡シートを有することから、優れた軽量性を有する。
そして、上記積層シートは、熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面にアルミニウム箔が積層一体化されていることから、炎に接触しても燃焼し難く、優れた難燃性を有している。
更に、上記積層シートの熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に積層されているのはアルミニウム箔であることから、他の金属箔を積層一体化させる場合と異なり、積層シートは、優れた軽量性を有すると共に、アルミニウム箔は展延性に優れていることから、積層シートをアルミニウム箔が熱可塑性樹脂発泡シートの一面から剥離することなく所望形状に正確に成形することができる。
(実施例1)
発泡性ポリプロピレンシートを作製するために以下の装置を用いた。即ち、同方向回転二軸スクリュー押出機(プラスチック工学研究所社製 商品名「BT40」、以下「第一押出機」という)の先端部にアダプターを介して同方向回転二軸スクリュー押出機(日本製鋼所株式会社製 商品名「TEX−44」、以下「第二押出機」という)を接続させてなる製造装置を用いた。
第一押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、D(直径)は39mmである。シリンダーバレルは押出機の後端側から前端側にかけて第1バレルから第4バレルに区分され、第4バレルの先端部には連続的に後述するTEX−44型同方向回転二軸スクリュー押出機に接続できるアダプターが備えられている。
なお、シリンダーバレル内で揮発した成分、特に、多官能モノマーを回収するために、第4バレルに真空ベントが設けられている。以下の操作においては、第一押出機の第1バレルの温度を180℃に、第2バレル乃至第4バレルの温度を220℃に設定するとともに、スクリュー回転数を150rpmに設定した。
上記第二押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmであった。シリンダーバレルは押出機の後端側から前端側にかけて第1バレルから第12バレルに区分され、第12バレルの先端には1500mm幅のコートハンガーダイが取付けられている。
又、発泡剤を供給するために第6バレルにはサイドフィーダーが設けられており、シリンダーバレル内で揮発した成分を回収するために第11バレルに真空ベントが設けられている。
以下の操作において、第二押出機の第1バレルを常時冷却し、第2バレル乃至第4バレルの温度を180℃に、第5バレル乃至第8バレルの温度を175℃に、第9バレル乃至第12バレルの温度を170℃に、アダプター及びコートハンガーダイの温度を160℃に設定し、スクリュー回転数を40rpmに設定した。
上記第一押出機の第1バレルの後端に一体的に設けられたホッパーにランダムタイプのポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「EG8」、メルトインデックス=8g/10分、密度=0.9g/cm3 )と多官能モノマーとしてp−キノンジオキシム(大内新興化学株式会社製 商品名「バルノックGM−P」)とを供給し溶融、混練して変性ポリプロピレンを製造するとともに、得られた変性ポリプロピレンを第二押出機にアダプター
を介して連続的に供給した。なお、上記ポリプロピレンの投入量は20kg/h、p−キノンジオキシムの投入量は0.12kg/hとした。
更に、第二押出機の第一バレル後端に備えられたホッパから未変性のホモポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「MA3」、メルトインデックス=10g/分、密度=0.91g/cm3 )を供給するとともに、第二押出機の第6バレルに設けられたサイドフィーダーからは、アゾジカルボンアミド(永和化成社製 商品名「AC−K−F3」、シランカップリング表面処理、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムを各2.5重量%づつ添加)を供給し、上記第一押出機から連続供給された変性ポリプロピレン、未変性のホモポリプロピレン及びアゾジカルボンアミドを溶融、混練した上で第二押出機の先端に取付けたコートハンガーダイから厚み1.5mmの長尺状発泡性ポリプロピレンシートを連続的に製造した。なお、未変性のホモポリプロピレンの投入量は20kg/h、アゾジカルボンアミドの投入量は1.6kg/hとした。
そして、上記溶融状態の発泡性ポリプロピレンシートの両面の夫々に、ポリエチレンテレフタレート繊維95重量%と低融点ポリエチレンテレフタレート繊維5重量%とを混抄してなる不織布(三井化学社製 商品名「シンテックス」、目付量:35g/m2 、平均繊維径:10デニール、平均長さ:30mm)を中間シートとして連続的に積層した後、発泡性ポリプロピレンシートを一対の挟圧ロール(クリアランス=1.5mm、温度120℃)間に供給して発泡性ポリプロピレンシートの両面に中間シートを積層一体化して発泡性積層シートを得た。
続いて、ベルト式加熱装置における一定の上下間隔を存して対峙させられた上下ベルト間に上記発泡性積層シートを供給し、この上下ベルトによって発泡性積層シートをベルト式加熱装置の加熱ゾーンに連続的に供給して、発泡性積層シートを230℃に加熱して発泡させるとともに、発泡性ポリプロピレンシートを発泡させて得られる架橋ポリプロピレン発泡シートの両面の夫々に上記中間シートを押圧させることによって両者を一体化させた後、冷却して、架橋ポリプロピレン発泡シートの両面に中間シートが積層一体化されてなる厚さ6mmの熱可塑性樹脂発泡シートを得た。なお、熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率は、10倍であった。又、中間シートを構成している低融点ポリエチレンテレフタレート繊維は完全に溶融しており、ポリエチレンテレフタレート繊維同士を結着するバインダーとなっていた。
次に、熱可塑性樹脂発泡シートの両面に積層一体化された中間シートのそれぞれにウレタン系接着剤(積水化学工業社製 商品名「エスダイン U−750」)を全面的に塗布した後、このウレタン系接着剤上に厚みが0.1mmのアルミニウム箔を積層した上でウレタン系接着剤を乾燥させ、熱可塑性樹脂発泡シートの両面に中間シートを介在させた状態にアルミニウム箔を積層一体化させて積層シートを得た。
(実施例2,比較例1,2)
アルミニウム箔の厚みを表1に示した厚みとしたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
(比較例3)
実施例1と同様にして、両面に中間シートが積層一体化された熱可塑性樹脂発泡シートを得た。
(比較例4)
アルミニウム箔の代わりに厚みが0.1mmのステンレス箔を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
(比較例5)
アルミニウム箔の代わりに厚みが0.2mmの石膏ボードを用いたこと以外は実施例1と同様にして積層シートを得た。
得られた積層シート及び熱可塑性樹脂発泡シートの難燃性及び目付を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(難燃性)
積層シート及び熱可塑性樹脂発泡シートの難燃性を社団法人日本鉄道車両機械技術協会が定める鉄道車両用材料燃焼試験に準拠して測定した。
(目付)
積層シート及び熱可塑性樹脂発泡シートから一辺が20cmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片の重量を測定し、この重量を1m2当たりの重量に換算して積層シ
ート及び熱可塑性樹脂発泡シートの目付を算出した。
Figure 2006224469
本発明の積層シートにおける熱可塑性樹脂発泡シートの気泡断面の一例を示した模式図である。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂発泡シートの少なくとも一面に厚みが0.01〜0.2mmのアルミニウム箔が積層一体化されていることを特徴とする積層シート。
  2. 熱可塑性樹脂発泡シートがポリオレフィン系樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項1に記載の積層シート。
  3. 熱可塑性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)が1〜3であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層シート。
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