JP2005232925A - 洗い場用敷設シート - Google Patents

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JP2005232925A
JP2005232925A JP2004046791A JP2004046791A JP2005232925A JP 2005232925 A JP2005232925 A JP 2005232925A JP 2004046791 A JP2004046791 A JP 2004046791A JP 2004046791 A JP2004046791 A JP 2004046791A JP 2005232925 A JP2005232925 A JP 2005232925A
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foamable
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Kenji Miyazaki
健次 宮崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 本発明は、圧縮強度に優れており長期間の使用によっても座屈することなく形
状安定性に優れている洗い場用敷設シートを提供する。
【解決手段】 本発明の洗い場用敷設シートAは、浴室の洗い場に敷設して浴室の出入口
における段差を減少させるための洗い場用敷設シートであって、この洗い場用敷設シート
は、その気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)が1.2以上である熱可塑性樹脂発泡シー
トの両面に表面シートが積層一体化されていることを特徴とするので、圧縮強度に優れ、
座屈などの不都合を発生させることなく長期間に亘って洗い場に敷設した当初の形状を維
持し、浴室の出入口における段差を確実に減少させ、浴室内への出入りを容易なものとす
ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、浴室の洗い場に敷設して浴室への出入口における段差を減少させるための洗
い場用敷設シートに関する。
従来から、熱可塑性樹脂発泡シートは、軽量性、断熱性及び切削加工性に優れているこ
とから住宅用建築材料や断熱材として多方面に広く用いられている。そして、熱可塑性樹
脂発泡シートの中でもポリスチレン系樹脂発泡シートは、圧縮強度及び断熱性に優れてい
ることから、住宅の根太間の隙間に配設する隙間材や、内外壁間の隙間に配設される芯材
として広く用いられている。
このようなポリスチレン系樹脂発泡シートとしては、特許文献1に、発泡体を形成する
気泡が主として気泡径0.25mm以下の気泡と気泡径0.4〜1mmの気泡より構成さ
れ、気泡径0.25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜80%の占有面積比を有
することを特徴とする合成樹脂押出発泡体が開示されている。
しかしながら、ポリスチレン系樹脂発泡シートは、荷重によって座屈し易く、長期間に
亘って使用しているうちに厚みが減少すると共に、座屈に伴って気泡が連続気泡化して吸
水し膨張したり或いはカビが発生したりするといった問題点があった。
特開平5−49701号公報
本発明は、圧縮強度に優れており長期間の使用によっても座屈することなく形状安定性
に優れている洗い場用敷設シートを提供する。
本発明の洗い場用敷設シートは、図1及び図2に示したように、浴室の洗い場に敷設し
て浴室の出入口における段差を減少させるための洗い場用敷設シートであって、この洗い
場用敷設シートAは、その気泡のアスペクト比が1.2以上である熱可塑性樹脂発泡シー
ト1の両面に表面シート2、2が積層一体化されていることを特徴とする。
上記熱可塑性樹脂発泡シート1を構成する熱可塑性樹脂としては、従来から発泡体に用
いられていたものであれば、特に限定されず、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチッ
クポリプロピレン、シンジオタクチックポリピロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテ
ン、エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体などが挙げられ、長期間の使用によっても座屈し難いポリオレフィン系樹脂
が好ましい。なお、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いられても併用されてもよい。
又、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、又、エ
チレン成分を含有する共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はラン
ダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
又、上記熱可塑性樹脂は、発泡時においてある程度の伸長応力を備えている必要がある
ことから、例えば、以下の方法によって架橋構造が付与される。
第一の架橋方法としては、上記熱可塑性樹脂に発泡時において所望範囲内の流動性と伸
長応力とを付与して軽量性及びリサイクル性に優れた熱可塑性樹脂発泡シートを得るべく
、上記熱可塑性樹脂及びラジカル反応をし得る官能基を2個以上有する多官能モノマーを
、必要に応じて有機過酸化物を加えた上で、押出機やニーダーなどの汎用の溶融混練装置
に供給し、上記熱可塑性樹脂を円滑に溶融混練できるように熱可塑性樹脂の溶融粘度を調
整しつつ、この溶融混練装置中において上記熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させて
変性熱可塑性樹脂とした上で、即ち、熱可塑性樹脂に多官能モノマーを反応させ、最終的
に熱可塑性樹脂に付与しようとする架橋構造の一部を熱可塑性樹脂に導入した上でシート
状などの所望形状に形成した後、上記変性熱可塑性樹脂を多官能モノマーの反応温度以上
に加熱することによって上記熱可塑性樹脂に更に架橋構造を付与して発泡に適した伸長応
力を付与する方法が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性するには、熱可塑性樹脂と多
官能モノマーとに、必要に応じて有機過酸化物を加えたものを押出機やニーダーなどの汎
用の溶融混練装置に供給して溶融、混練することにより行なうことができる。なお、上記
多官能モノマーとして特にジビニル化合物又はジアリル化合物を用いた場合には有機過酸
化物を添加することが好ましい。
上記多官能モノマーとしては、例えば、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジ
ビニル化合物、アリル系多官能化合物、(メタ)アクリル系多官能化合物、キノン化合物
などが挙げられる。
上記ジオキシム化合物としては、化1に示されるオキシム基又はこのオキシム基中の水
素原子を他の原子団R(主として炭化水素基)で置換した化2に示される置換オキシム基
のうちのいずれか一方を2つ有するか、或いは、双方を一つづつ有する化合物を意味し、
具体的には、化3で示されるp−キノンジオキシムや化4で示されるp,p’−ジベンゾ
イルキノンジオキシムなどが挙げられる。なお、ジオキシム化合物は単独で用いられても
併用されてもよい。
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
上記ビスマレイミド化合物とは、化5に示されるマレイン酸イミド(マレイミド)構造
を分子内に2つ以上有する化合物を意味し、例えば、化6に示されるN,N’−p−フェ
ニレンビスマレイミド、化7に示されるN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、化8
に示されるジフェニルメタンビスマレイミドなどが挙げられ、更に、化9に示されるよう
なマレイミド構造が分子内に2個以上存在するポリマレイミドもビスマレイミド化合物に
包含される。
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
上記ジビニル化合物としては、化10に示されるo−ジビニルベンゼン、m−ジビニル
ベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
Figure 2005232925
上記アリル系多官能化合物とは、アリル基(CH2 =CHCH2 −)を分子内に2つ以
上有する化合物を意味し、例えば、化11に示されるようなジアリルフタレート、化12
に示されるようなトリアリルシアヌレート、化13に示されるようなトリアリルイソシア
ヌレート、化14に示されるようなジアリルクロレンデートなどが挙げられる。
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
Figure 2005232925
上記(メタ)アクリル系多官能化合物としては、アルカンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロ
ールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレングリコール
付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレングリコール付加物ジ(メ
タ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリル化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ
)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイ
ド付加トリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェー
トなどのトリ(メタ)アクリル化合物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
上記キノン化合物としては、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、テトラクロロ−p−ベ
ンゾキノンなどが挙げられる。
上記多官能モノマーの添加量は、多いと、熱可塑性樹脂の架橋密度が高くなりすぎてリ
サイクル性が低下したり、或いは、洗い場用敷設シートを得るための発泡性樹脂シートを
押出機から押出す際に押出機に高い付加がかかったりメルトフラクチャーが発生したりす
ることがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂に発泡時に必要な伸長応力を付与することが
できないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部が好ま
しく、0.2〜2重量部がより好ましい。
上記熱可塑性樹脂と上記多官能モノマーとを溶融、混練する際の樹脂温度は、高いと、
熱可塑性樹脂が分解することがあり、又、低いと、熱可塑性樹脂の変性が不十分となって
発泡性樹脂シートの発泡時における伸長応力が不十分となり所望発泡倍率の熱可塑性樹脂
発泡シートが得られないことがあるので、170℃以上で且つ熱可塑性樹脂の分解温度以
下であることが好ましく、200〜250℃がより好ましい。
更に、上記の如くして多官能モノマーによって変性された熱可塑性樹脂の発泡時におけ
る流動性を向上させて、発泡に必要な発泡圧をより低下させるとともに後述する所望範囲
内のアスペクト比を有する紡錘形状気泡を備えた熱可塑性樹脂発泡シートをより確実に得
るために、この変性された熱可塑性樹脂に更に未変性の熱可塑性樹脂を添加して溶融、混
練することが好ましい。なお、上記変性された熱可塑性樹脂と未変性の熱可塑性樹脂とは
互いに相溶性を有しておればよく、同種であっても異種であってもよい。
上記有機過酸化物としては、上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させること
ができれば、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2、4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンなどが挙げられ、ジクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ヘキシンが好ましい。上記有機過酸化物は単独で用い
られても併用されてもよい。
上記有機過酸化物の添加量は、多いと、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用いた場
合に所謂β開裂が顕著に生じて得られる変性されたポリプロピレンの分子量が低くなりす
ぎてポリプロピレンの物性の低下や流動性の低下による発泡不良が生じることがあり、又
、少ないと、熱可塑性樹脂の多官能モノマーによる変性が不十分となることがあるので、
熱可塑性樹脂100重量部に対して0.001〜0.5重量部が好ましく、0.005〜
0.15重量部が更に好ましい。
そして、上記熱可塑性樹脂に架橋構造を付与する第二の方法としては、上記熱可塑性樹
脂に架橋助剤を所定量添加した後、この熱可塑性樹脂に所定量の電離性放射線を照射して
熱可塑性樹脂に架橋構造を付与する方法が挙げられる。
上記架橋助剤としては、熱可塑性樹脂の架橋の際に用いられているものであれば、特に
限定されず、例えば、o−ジビニルベンゼン,m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベン
ゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリ
レート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステ
ル、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられる。なお、上記架橋助剤は単独で用いら
れても併用されてもよい。
上記架橋助剤の添加量は、多いと、熱可塑性樹脂の架橋密度が高くなりすぎて発泡性が
低下することがあり、又、少ないと、熱可塑性樹脂の架橋密度が低くて均質な発泡シート
が得られないことがあるので、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が
好ましく、0.3〜5重量部が好ましい。
上記電離性放射線による架橋の度合いは、ゲル分率を目安として調整され、ゲル分率と
しては、大きいと、積層シートの成形性が低下することがあり、又、小さいと、積層シー
トの曲げ強度が低下することがあるので、好ましくは15〜70重量%、更に好ましくは
18〜65重量%となるように調節され、電離性放射線量としては、通常1〜20Mra
dとされる。なお、電離性放射線としては、発泡体の架橋に従来から用いられているもの
であれば、特に限定されず、例えば、α線、β線、γ線、電子線などが挙げられる。
なお、本発明において、ゲル分率とは、以下の方法によって測定したものをいう。先ず
、熱可塑性樹脂発泡シートを所定量秤取し、120℃のキシレン25mlに24時間浸漬
した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過して金網上の不溶解分を真空乾燥する
。次に、この真空乾燥された不溶解分の重量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出
する。
〔ゲル分率(%)〕=(不溶解分の真空乾燥重量/秤取した熱可塑性
樹脂発泡シート重量)×100
上記熱可塑性樹脂に架橋構造を付与する第三の方法としては、熱可塑性樹脂を不飽和シ
ラン化合物でグラフト変性し、水分の存在下にて脱水縮合反応を行なって熱可塑性樹脂に
架橋構造を付与する方法が挙げられる。
上記不飽和シラン化合物は、一般に、RR' n SiY3-n (Rは、ビニル基、アリル基
、プロペニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;グリシジル基;アミノ基;メ
タクリル基;γ−クロロエチル基、γ−ブロモエチル基などのハロゲン化アルキル基など
の有機官能基、R' は、メチル基、エチル基、プロピル基、デシル基などの脂肪族飽和炭
化水素基であり、Yは、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、プロピオノキシア
リールアミノ基などの加水分解可能な有機官能基であり、nは、0、1、2である。)で
表され、又、架橋反応が速いことから、特に、CH2 =CHSi(OA)3 (Aは、炭素
数1〜8、好ましくは、1〜4の脂肪族飽和炭化水素基)が好ましく、例えば、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシランなどが挙げ
られる。
そして、熱可塑性樹脂を不飽和シラン化合物でグラフト変性する方法としては、特に限
定されず、例えば、熱可塑性樹脂とRR' n SiY3-n とを有機過酸化物の存在下にて反
応させる方法が挙げられる。
上述のようにして熱可塑性樹脂は適度な架橋構造を付与されて所望範囲内の流動性と伸
長応力とを有し、得られる熱可塑性樹脂発泡シートは表面性に優れたものとなる。
又、上記熱可塑性樹脂発泡シートには、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジ
ラウリルチオプロピオネートなどの酸化防止剤やメチルベンゾトリアゾールなどの金属防
止剤を添加してもよい。
そして、上記熱可塑性樹脂発泡シートの気泡は、図3に示したように、その大半がその
長さ方向を熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させてなる紡錘形状(ラグビーボー
ル状)に形成されている。このように、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡の大半をその長さ
方向が熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に指向させられた状態に配向させることにより
、上記熱可塑性樹脂発泡シートは、その厚み方向の圧縮強度に優れており長期間に亘って
使用した場合にあっても座屈せず、浴室の出入口における段差を確実に減少させて浴室内
への出入りを円滑なものとすることができる。
具体的には、熱可塑性樹脂発泡シート1における気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)
は、小さいと、熱可塑性樹脂発泡シート1の圧縮強度が低下し、熱可塑性樹脂発泡シート
が荷重によって座屈する虞れがあるので、1.2以上に限定され、1.2〜5が好ましい
なお、熱可塑性樹脂発泡シート1における気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)は下記
の要領で測定されたものをいう。先ず、熱可塑性樹脂発泡シートをその厚み方向に切断し
、図3のように、この切断面に露出している気泡断面における熱可塑性樹脂発泡シート1
の厚み方向の長さDzと熱可塑性樹脂発泡シートの厚み方向に対して垂直で且つ切断面に
沿った方向の長さDxyとを測定して各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)を算出する
。そして、得られた各気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)の平均値を算出して、熱可塑
性樹脂発泡シートの気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)としている。
なお、上記測定において測定の対象となる気泡は、切断面において隣接する気泡と連結
したりすることなく完全に独立した状態の気泡のみであり、例えば、切断面において隣接
する気泡同士がそれら対向する部分において連結して一体化している気泡や端部が熱可塑
性樹脂発泡シート1の表面に達しているような気泡などは測定対象から除外される。
更に、熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率は、小さいと、洗い場用敷設シートの軽量性
が低下して取り扱い性が低下したりすることがあり、又、大きいと、洗い場用敷設シート
の圧縮強度が低下して座屈などの不測の事態を生じる虞れがあることから、5〜15倍が
好ましい。なお、熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率は、発泡シートの体積(cm3 )を
発泡シートの質量(g)で除したものをいい、又、発泡シートの体積及び質量は、JIS
K6767に準拠して測定されたものをいう。
そして、本発明の洗い場用敷設シートにおける熱可塑性樹脂発泡シート1の両面には表
面シート2、2が積層一体化されている。なお、表面シート2、2は、互いに異種類のも
のであってもよいが、洗い場用敷設シートの寸法安定性を向上させるために熱可塑性樹脂
発泡シート1の両面に積層一体化させる表面シート2、2は同種類のものを用いるのが好
ましい。
上記表面シート2としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂発泡シートの原反であ
る発泡性樹脂シートの発泡時において形態を維持する繊維(以下、「非溶融性繊維」とい
う)からなる不織布、熱可塑性樹脂発泡シートの原反である発泡性樹脂シートの発泡時に
おいて溶融しない合成樹脂シートなどが挙げられ、非溶融性繊維からなる不織布が好まし
い。
上記非溶融性繊維とは、具体的には、洗い場用敷設シートの製造工程において加えられ
る熱により溶融しない繊維、換言すれば、洗い場用敷設シートの製造工程において加えら
れる熱にかかわらず形態を保持する繊維をいい、このような非溶融性繊維としては、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート繊維、鞘成分がポリエチレン系樹脂で且つ芯成分がポリ
エチレンテレフタレート系樹脂である芯鞘型繊維などの合成樹脂繊維;綿花、カポック綿
、亜麻、大麻、洋麻(ケナフ)、マニラ麻、サイザル麻、ニュージランド麻、マゲー麻、
コイヤなどの天然繊維;ガラス繊維;炭素繊維などが挙げられる。
上記合成樹脂繊維は、その平均繊維径が3〜100デニールで且つ平均長さが5〜20
0mmであることが好ましく、上記天然繊維は、その平均直径が10〜100μmで且つ
平均長さが5〜100mmであることが好ましく、ガラス繊維及び炭素繊維は、その平均
直径が5〜20μmで且つ平均長さが5〜100mmであることが好ましい。
上記表面シートの非溶融性繊維は熱可塑性樹脂によって結着されていてもよく、この熱
可塑性樹脂は従来から不織布のバインダーとして用いられている熱可塑性樹脂であれば、
特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、
シンジオタクチックポリピロピレンなどのポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−α−
オレフィン共重合体などのポリオレフィン系樹脂;エチレン−プロピレン−ジエン三元共
重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−アクリル酸エステル共重合体;ポリ
スチレン、ポリスチレン系熱可塑性樹脂エラストマーなどのポリスチレン系樹脂;ポリビ
ニルアルコール系樹脂;飽和ポリエステル系樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチ
ル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−テトラデシル(
メタ)アクリレート、ポリ−n−プロピル(メタ)アクリレート、ポリイソブチル(メタ
)アクリレートなどのアクリル系樹脂;線状ウレタン樹脂などのウレタン樹脂;エポキシ
樹脂;ジメチルフタレート;ジメチルイソフタレートなどのフタル酸誘導体;酢酸ビニル
系樹脂などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
又、上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられ、又、エ
チレン成分を含有する共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体又はラン
ダムブロック共重合体のいずれであってもよい。
次に、上記洗い場用敷設シートの製造方法について説明する。上記洗い場用敷設シート
の製造方法としては、特に限定されず、例えば、(1) 熱可塑性樹脂に多官能モノマーを添
加して上記熱可塑性樹脂に上記多官能モノマーを反応させて変性熱可塑性樹脂を製造し、
この変性熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を添加して該熱分解型発泡剤の分解温度より低い
温度で溶融混練して発泡性樹脂シートを形成した後、この発泡性樹脂シートの一面に、非
溶融性繊維からなる不織布を積層して発泡性積層シートを形成した後、該発泡性積層シー
トを多官能モノマーの反応温度及び熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる
洗い場用敷設シートの製造方法、(2) 熱可塑性樹脂、架橋助剤及び熱分解型発泡剤を含有
する発泡性樹脂組成物を上記架橋助剤の反応温度及び上記熱分解型発泡剤の分解温度より
低い温度で溶融混練して発泡性樹脂シートに形成し、この発泡性樹脂シートに電離性放射
線を照射することによって該発泡性樹脂シートに架橋構造を付与する前或いはその後に、
上記発泡性樹脂シートの一面に、非溶融性繊維からなる不織布を積層して発泡性積層シー
トを形成した後、該発泡性積層シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡さ
せる洗い場用敷設シートの製造方法、(3) 不飽和シラン化合物でグラフト変性された熱可
塑性樹脂を含む発泡性樹脂シートを水分の存在下にて脱水縮合反応を行なって熱可塑性樹
脂に架橋構造を付与した後、上記発泡性樹脂シートの一面に、非溶融性繊維からなる不織
布を積層して発泡性積層シートを形成した後、該発泡性積層シートを熱分解型発泡剤の分
解温度以上に加熱して発泡させる洗い場用敷設シートの製造方法などが挙げられる。
なお、上記(1) 〜(3) の製造方法において、発泡性樹脂シート上に不織布を積層する際
、発泡性樹脂シートと不織布とを予め一体化させておいても、或いは、発泡性樹脂シート
と上記補強用シートとを一体化させることなく不織布を発泡樹脂シート上に重ね合わせ、
発泡性積層シートを発泡させる際にその発泡圧を利用して上記発泡性樹脂シートから得ら
れる熱可塑性樹脂発泡シートと上記不織布とを一体化させるようにしてもよい。
上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製造に汎用されているものであれば、特に限定
されるものではなく、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、アジ
ド化合物などの無機系熱分解型発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニト
リル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエン
スルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾジ
カルボン酸バリウム、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジ
ドなどの有機系熱分解型発泡剤などが挙げられる。なお、上記発泡剤の添加量は、多いと
、破泡してしまうことがあり、又、少ないと、発泡しないことがあるので、熱可塑性樹脂
100重量部に対して1〜50重量部が好ましい。
又、上記発泡性樹脂シートの両面に不織布を積層一体化する方法としては、例えば、(1
) 発泡性樹脂シートの一面に不織布を加熱しながら押圧して積層一体化させる方法、(2)
溶融状態となった発泡性樹脂シートの一面に不織布を押圧して積層一体化させる方法、即
ち、押出機の先端部に取付けられたTダイから発泡性樹脂シートを押出し、この押出され
た直後の表面が溶融状態にある発泡性樹脂シートの一面に不織布を載置した後、一対の挟
圧ロール間に供給し、これら挟圧ロールによって発泡性樹脂シート及び不織布を挟持、一
体化させることによって発泡性樹脂シートの一面に不織布を積層一体化させる方法、(3)
発泡性樹脂シートと不織布とを接着剤を介して積層一体化させる方法などが挙げられる。
上記の如くして製造された発泡性積層シートの加熱方法としては、従来から発泡体の製
造に用いられている汎用の加熱装置が用いられ、例えば、対向状態に配設された一対の加
熱ロール又は加熱ベルト間に発泡性積層シートを供給して該発泡性積層シートを加熱する
ロール式加熱装置又はベルト式加熱装置、発泡性積層シートに熱風を吹き付ける熱風恒温
槽、発泡性積層シートを熱浴させるオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどが挙げられ
るが、得られる洗い場用敷設シートの厚み精度が優れていることからロール式加熱装置又
はベルト式加熱装置を用いることが好ましい。
上記要領で発泡性積層シートの発泡性樹脂シートを発泡させると、発泡性樹脂シートの
発泡は、該発泡性樹脂シートの両面に不織布が積層一体化されていることから、その面方
向の発泡は上記不織布によって規制されている一方、その厚さ方向の発泡は上記不織布に
より規制されることなく自由発泡状態とされている。
従って、上記発泡性樹脂シートの発泡方向は、その厚み方向に指向した状態に規制され
ており、該発泡性樹脂シートを発泡させて得られる熱可塑性樹脂発泡シートの気泡は、そ
の長さ方向を発泡性樹脂シートの厚み方向に指向させ且つ所定範囲内のアスペクト比(D
z/Dxy)を有する紡錘形状に形成される。
よって、熱可塑性樹脂発泡シートの気泡はその大半がその長さ方向を熱可塑性樹脂発泡
シートの厚み方向に指向させた紡錘形状に形成され、得られる洗い場用敷設シートはその
一部が熱可塑性樹脂発泡シートから構成されて軽量性を保持しつつ、その厚さ方向の圧縮
強度に優れたものとされている。
次に、上記洗い場用敷設シートAの使用要領について説明する。この洗い場用敷設シー
トAは、図4に示したように、浴室Bの洗い場Cに敷設して用いられる。この浴室Bの洗
い場Cは、浴室B内の水が浴室B外に漏出しないように浴室Bの出入口B1の下端から一段
低くなるように形成されており、洗い場Cの内底面と出入口B1の下端面との間に段差Dが
生じている。
そこで、本発明の洗い場用敷設シートAは、浴室Bの洗い場Cの平面形状に合致した平
面形状に切断加工されると共に、厚みも浴室Bの出入口B1における段差Dの半分程度の厚
みとなるように調整される。
この際、洗い場用敷設シートAは、熱可塑性樹脂発泡シート1の両面に表面シート2,
2を積層一体化させてなるものであることから、洗い場用敷設シートAの切断加工を容易
に行なうことができることは勿論のこと、各浴室Bの洗い場Cに対応させて洗い場用敷設
シートAを現場にて切断加工を行なって微調整を簡単に行なうことができる。
しかも、洗い場用敷設シートAは、上述の通り、その大部分が熱可塑性樹脂発泡シート
1から形成され、軽量性に優れており、輸送や施工時における施工者の負担の軽減を図る
ことができる。
そして、浴室Bの洗い場Cには、洗い場C内の排水を排除するための排水口C1が設けら
れており、この排水口C1を塞がないように、洗い場用敷設シートAに、該洗い場用敷設シ
ートAを洗い場C内に敷設した際における排水口C1に対応する位置に上下面間に亘って貫
通した状態に排水孔A1を貫設する。
しかる後、洗い場用敷設シートAをその排水孔A1が洗い場Cの排水口C1に対応した状態
に洗い場C内に敷設、固定した後、この洗い場用敷設シートA上に被覆板Eを接着剤を介
して敷設一体化して浴室Bの出入口B1における段差Dを減少させることができる。なお、
被覆板Eとしては、繊維強化合成樹脂板(FRP板)などの合成樹脂板、ステンレス板な
どの金属板などが挙げられ、合成樹脂板が好ましく、繊維強化合成樹脂板(FRP板)が
より好ましい。
なお、被覆板Eには、該被覆板Eを洗い場用敷設シートA上に敷設した状態において、
洗い場用敷設シートAの排水孔A1に対応する部分に排水孔E1が上下面間に亘って貫通した
状態に貫設されている。
本発明の洗い場用敷設シートは、浴室の洗い場に敷設して浴室の出入口における段差を
減少させるための洗い場用敷設シートであって、この洗い場用敷設シートは、その気泡の
アスペクト比(Dz/Dxy)が1.2以上である熱可塑性樹脂発泡シートの両面に表面
シートが積層一体化されていることを特徴とするので、圧縮強度に優れ、座屈などの不都
合を発生させることなく長期間に亘って洗い場に敷設した当初の形状を維持し、浴室の出
入口における段差を確実に減少させ、浴室内への出入りを容易なものとすることができる
そして、熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率が5〜15倍である場合には、洗い場用敷
設シートの軽量性と圧縮強度とのバランスを良好に保つことができ、洗い場用敷設シート
の輸送及び洗い場への敷設作業を円滑に行なうことができると共に、洗い場への洗い場用
敷設シートの敷設状態を長期間に亘って安定的に保持することができる。
更に、熱可塑性樹脂発泡シートは、熱可塑性樹脂及び熱分解型発泡剤からなる発泡性樹
脂シートを発泡させて製造されたものであると共に、表面シートは、上記発泡性樹脂シー
トの発泡時において形態を維持する繊維からなる不織布から構成されている場合には、発
泡性樹脂シートの面方向の発泡を表面シートによって規制して、熱可塑性樹脂発泡シート
の気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)を1.2以上とすることができると共に、発泡性
樹脂シートの発泡時に該発泡性樹脂シートの両面に表面シートを積層一体化させることが
でき、洗い場用敷設シートは、上述の優れた効果を奏すると同時に優れた生産効率をも有
する。
(実施例1)
発泡性ポリプロピレンシートを作製するために以下の装置を用いた。即ち、同方向回転
二軸スクリュー押出機(プラスチック工学研究所社製 商品名「BT40」、以下「第一
押出機」という)の先端部にアダプターを介して同方向回転二軸スクリュー押出機(日本
製鋼所株式会社製 商品名「TEX−44」、以下「第二押出機」という)を接続させて
なる製造装置を用いた。
第一押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは35、D(直径
)は39mmである。シリンダーバレルは押出機の上流から下流側にかけて第1バレルか
ら第4バレルに区分され、第4バレルの先端部には連続的に後述するTEX−44型同方
向回転二軸スクリュー押出機に接続できるアダプターが備えられている。
なお、シリンダーバレル内で揮発した成分、特に、多官能モノマーを回収するために、
第4バレルに真空ベントが設けられている。以下の操作においては、第一押出機の第1バ
レルの温度を180℃に、第2バレル乃至第4バレルの温度を220℃に設定するととも
に、スクリュー回転数を150rpmに設定した。
上記第二押出機は、セルフワイピング2条スクリューを備え、そのL/Dは45.5、
Dは47mmであった。シリンダーバレルは押出機の上流から下流にかけて第1バレルか
ら第12バレルに区分され、第12バレルの先端には1500mm幅のコートハンガーダ
イが取付けられている。
又、発泡剤を供給するために第6バレルにはサイドフィーダーが設けられており、シリ
ンダーバレル内で揮発した成分を回収するために第11バレルに真空ベントが設けられて
いる。
以下の操作において、第二押出機の第1バレルを常時冷却し、第2バレル乃至第4バレ
ルの温度を180℃に、第5バレル乃至第8バレルの温度を175℃に、第9バレル乃至
第12バレルの温度を170℃に、アダプター及びコートハンガーダイの温度を160℃
に設定し、スクリュー回転数を40rpmに設定した。
上記第一押出機の第1バレルの後端に一体的に設けられたホッパーにランダムタイプの
ポリプロピレン(日本ポリケム社製 商品名「EG8」、メルトインデックス=8g/1
0分、密度=0.9g/cm3 )と多官能モノマーとしてp−キノンジオキシム(大内新
興化学株式会社製 商品名「バルノックGM−P」)とを供給し溶融、混練して変性ポリ
プロピレンを製造するとともに、得られた変性ポリプロピレンを第二押出機にアダプター
を介して連続的に供給した。なお、上記ポリプロピレンの投入量は20kg/h、p−キ
ノンジオキシムの投入量は0.16kg/hとした。
更に、第二押出機の第一バレル後端に備えられたホッパから未変性のホモポリプロピレ
ン(日本ポリケム社製 商品名「MA3」、メルトインデックス=10g/分、密度=0
.91g/cm3 )を供給するとともに、第二押出機の第6バレルに設けられたサイドフ
ィーダーからは、アゾジカルボンアミド(永和化成社製 商品名「AC−K−F3」、シ
ランカップリング表面処理、酸化マグネシウム及び水酸化マグネシウムを各2.5重量%
づつ添加)を供給し、上記第一押出機から連続供給された変性ポリプロピレン、未変性の
ホモポリプロピレン及びアゾジカルボンアミドを溶融、混練した上で第二押出機の先端に
取付けたコートハンガーダイから厚み1.5mmの長尺状発泡性ポリプロピレンシートを
連続的に製造した。なお、未変性のホモポリプロピレンの投入量は20kg/h、アゾジ
カルボンアミドの投入量は1.6kg/hとした。
そして、上記溶融状態の発泡性ポリプロピレンシートの両面の夫々に、ポリエチレンテ
レフタレート繊維95重量%と低融点ポリエチレンテレフタレート繊維5重量%とを混抄
してなる不織布(三井化学社製 商品名「シンテックス」、目付量:35g/m2 、平均
繊維径:10デニール、平均長さ:30mm)を連続的に積層した後、発泡性ポリプロピ
レンシートを一対の挟圧ロール(クリアランス=1.5mm、温度120℃)間に供給し
て発泡性ポリプロピレンシートの両面に不織布を積層一体化して発泡性積層シートを得た
続いて、ベルト式加熱装置における一定の上下間隔を存して対峙させられた上下ベルト
間に上記発泡性積層シートを供給し、この上下ベルトによって発泡性積層シートをベルト
式加熱装置の加熱ゾーンに連続的に供給して、発泡性積層シートを230℃に加熱して発
泡させるとともに、発泡性ポリプロピレンシートを発泡させて得られる架橋ポリプロピレ
ン発泡シートの両面の夫々に上記不織布を押圧させることによって両者を一体化させた後
、冷却して、架橋ポリプロピレン発泡シートの両面に表面シートが積層一体化されてなる
厚さ15mmの洗い場用敷設シートAを得た。なお、架橋ポリプロピレン発泡シートの発
泡倍率は、10倍であった。又、不織布を構成している低融点ポリエチレンテレフタレー
ト繊維は完全に溶融しており、ポリエチレンテレフタレート繊維同士を結着するバインダ
ーとなっていた。
(実施例2)
不織布の代わりに、厚みが10mmのポリエチレンテレフタレートシートを用いたこと
以外は実施例1と同様にして洗い場用敷設シートを得た。
(比較例1)
発泡性ポリプロピレンシートの両面に不織布を積層しなかったこと以外は実施例1と同
様にして洗い場用敷設シートを得た。
上述の如くして得られた洗い場用敷設シートにおける架橋ポリプロピレン発泡シートの
気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)、並びに、洗い場用敷設シートの圧縮強度、吸水率
及び接着性を下記に示した要領で測定し、その結果を表1に示した。更に、ポリスチレン
−ポリエチレン共重合体からなるビーズ発泡体(積水化成品工業社製 商品名「ピオセラ
ン」、発泡倍率=10倍)についてもアスペクト比(Dz/Dxy)、圧縮強度、吸水率
及び接着性を測定し、その結果を表1に示した。
(圧縮強度)
洗い場用敷設シート又はビーズ発泡体の25%圧縮強度をJIS K7220に準拠し
て測定した。
(吸水率)
洗い場用敷設シート又はビーズ発泡体から一辺が10cmの平面正方形状の試験片を切
り出し、この試験片上に100kgの錘を面荷重が1kg/cm2 となるように載置した
状態で一カ月間に亘って放置した。
次に、試験片から錘を除去した後、この試験片の吸水率をJIS K6767に準拠し
て測定した。
(接着性)
洗い場用敷設シートの一面にクロロプレン系溶剤型接着剤を500g/m2 の割合で塗
布した後、洗い場用敷設シートの一面に厚みが3mmのガラス繊維強化合成樹脂板を積層
して一昼夜に亘って放置した。
そして、ガラス繊維強化合成樹脂板を洗い場用敷設シートの一面から強制的に剥離した
時の洗い場用敷設シートの表面を目視観察した。その結果、実施例1、比較例1及びビー
ズ発泡体では、発泡シートの一面が全面的に破壊し、実施例2では、発泡シート面の一部
が破壊し、残余部分においてはガラス強化合成樹脂板と発泡シートとの界面において剥離
していた。
Figure 2005232925
本発明の洗い場用敷設シートを示した模式断面図である。 本発明の洗い場用敷設シートを示した模式斜視図である。 洗い場用敷設シートの熱可塑性樹脂発泡シートの気泡状態を示した模式図である。 浴室の洗い場に洗い場用敷設シートを敷設した状態を示した模式断面図である。
符号の説明
1 熱可塑性樹脂発泡シート
2 表面シート
A 洗い場用敷設シート
A1 排水孔
B 浴室
B1 出入口
C 洗い場
C1 排水口
D 段差
E 被覆板
E1 排水孔

Claims (3)

  1. 浴室の洗い場に敷設して浴室の出入口における段差を減少させるための洗い場用敷設シー
    トであって、この洗い場用敷設シートは、その気泡のアスペクト比(Dz/Dxy)が1
    .2以上である熱可塑性樹脂発泡シートの両面に表面シートが積層一体化されていること
    を特徴とする洗い場用敷設シート。
  2. 熱可塑性樹脂発泡シートの発泡倍率が5〜15倍であることを特徴とする請求項1に記載
    の洗い場用敷設シート。
  3. 熱可塑性樹脂発泡シートは、熱可塑性樹脂及び熱分解型発泡剤からなる発泡性樹脂シート
    を発泡させて製造されたものであると共に、表面シートは、上記発泡性樹脂シートの発泡
    時において形態を維持する繊維からなる不織布から構成されていることを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の洗い場用敷設シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010242029A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Nitto Denko Corp 異方性セル構造を有するアクリル系発泡シートおよびその製造方法
JP2022036238A (ja) * 2020-03-02 2022-03-04 大日本印刷株式会社 床用化粧材

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