JPH11302425A - 流動性を有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

流動性を有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物

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JPH11302425A
JPH11302425A JP11064798A JP11064798A JPH11302425A JP H11302425 A JPH11302425 A JP H11302425A JP 11064798 A JP11064798 A JP 11064798A JP 11064798 A JP11064798 A JP 11064798A JP H11302425 A JPH11302425 A JP H11302425A
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resin
sheet
polyolefin resin
polyolefin
foamable
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JP11064798A
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English (en)
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Masashi Okabe
優志 岡部
Takamasa Fukuoka
孝政 福岡
Noritaka Tsujimoto
典孝 辻本
Hiroyuki Kurio
浩行 栗尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡適性を評価する物性基準として樹脂の溶融
伸長特性に着目し、特定の伸長歪み−伸長応力特性を有
する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂組
成物であり、該ポリオレフィン系樹脂が下式を満たす特
性を有する; Hencky歪みε=0.2のときの伸長応力σ0.2(Pa)が2.0×
103 ≦σ0.2≦5.0×104、Hencky歪みε=1.0のときの
伸長応力σ1.0(Pa)、Hencky歪みεが1.0≦ε≦3.0 の範
囲にあるときの伸長応力の最大値σA(Pa)、その伸長応
力を示すHencky歪み εA、α=(σA1.0)/(εA-1.0)で
定義される値αが、α≧10,000を満たし、 全伸長区
間での伸長応力の最大値σB(Pa)、その伸長応力を示すH
encky歪みε BがそれぞれεB≧1.0、σB≧3.0×104 を満
たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動性を有する発
泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に関し、より詳しく
は、発泡適性を評価する物性基準として樹脂の溶融伸長
特性によって規定された発泡性ポリオレフィン系樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂の発泡体は、機械
的物性と熱的物性のバランスに優れ、さらに後に加熱賦
形できるので、工業資材として広く利用されている。こ
れらのうち、例えば自動車のドア、天井などの内装材と
しては、ポリプロピレン系樹脂を主体とした発泡体が、
その良好な耐熱性のため主流をなしている。
【0003】従来より、ポリオレフィン系樹脂のシート
状発泡体を製造するには、同樹脂が発泡可能な融体強度
を有したものとなるようにこれを架橋する必要がある。
例えばポリプロピレン系樹脂組成物に発泡剤を加えて同
組成物をシート状に成形し、これを30〜50%程度の
ゲル分率を示すまで架橋した後に、架橋物を加熱して発
泡剤を熱分解させる製造方法が採られている。
【0004】上記ポリオレフィン系樹脂組成物の架橋方
法としては、放射線や電子線の照射による方法、紫外線
照射による方法、有機過酸化物などの熱分解型化学架橋
剤による方法、あるいはポリオレフィンにアルコキシシ
リル基を導入しそれを縮合反応させる方法などがある。
【0005】これらの方法のうち、電子線による架橋方
法は生産性に優れ工業的に広く実施されており、例えば
特公平6−45717号公報には、ポリプロピレン系樹
脂に特定のエチレン共重合体と特定のエチレン−α−オ
レフィン共重合体と特定のビニルモノマーを加え、更に
発泡剤を加えた溶融混和物のシート状成形体に、連続し
て電子線を照射してゲル分率を20〜60%とした後
に、得られた連続架橋シートを発泡させる架橋発泡体の
製法が開示されている。
【0006】他方、特公昭58−57452号公報に
は、ポリプロピレン系樹脂に特定の多官能モノマーと熱
分解型発泡剤を加えて全体を溶融混和してなる組成物
を、加熱によって架橋させる架橋発泡体の製造方法が開
示されている。
【0007】また、これらの架橋による融体強度の向上
によって、得られた発泡体を後の工程で加熱賦形し、任
意の形状に加工することも可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した架橋発泡方法
は、いずれも樹脂を発泡前に架橋させておくためのプロ
セスを必要とし、工程的に煩雑な方法である。そのた
め、成形性つまり流動性を保持しながら発泡に必要な溶
融強度を有する樹脂の開発が要望されている。
【0009】また、特開平9−150431号公報に
は、熱分解型発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂シ
ートを加熱発泡させる際に生じる面内方向の発泡力を抑
制し得る強度を有するシート状物が、同シートの少なく
とも片面に積層されてなる複合熱可塑性発泡体が開示さ
れている。ここで、面内方向とは、発泡体シートのシー
ト面内にあるあらゆる方向をいい、その長手方向および
幅方向を含む2次元方向である。この方法によると、発
泡時に面内方向の発泡力を抑制しうる強度を有するシー
ト状物が少なくとも片面に積層されているので、イ)発
泡時、面内の2次元方向には殆ど発泡せず、厚み方向に
のみ発泡し、ロ)同発泡体の気泡は厚み方向にその長軸
を配向した紡錘形、即ちシート厚み方向に直立したラグ
ビーボール状気泡が並んだものとなり、ハ)シート厚み
方向に圧縮力を受けると、紡錘形の長軸方向に力がかか
ることになるので、特定方向に高い強度を示す。
【0010】しかし、この異方向発泡を達成するために
は、樹脂がある程度の流動性を保持していなければなら
ない。また、架橋度を上げすぎると、面内方向の発泡力
を抑制できず、その結果、発泡は等方向発泡となってし
まう。
【0011】さらに近年、環境資源問題に対する方策と
して、例えば自動車部材においては部材のリサイクル性
が要求されており、バンパーや内装用の表皮材などのポ
リプロピレン製部材に関しては既に技術的な取組みがな
されている。しかしながらポリプロピレン系樹脂を始め
とするポリオレフィン系樹脂発泡体は、上記のとおり通
常は架橋されているため、使用後に回収しても再溶融で
きずリサイクルに適しないのが実状である。
【0012】従来、樹脂の流動性を保持したまま発泡性
を確保するために樹脂に付与する融体強度を制御させる
目的で、架橋条件等を微妙に調節したり、架橋方法等が
工夫されてきたが、発泡適性を評価する明確な指針とな
る物性基準が確立していなかったため、これらの物性を
両立させ制御することは、試行錯誤の繰り返しとなり、
困難であった。
【0013】本発明の目的は、上記の点に鑑み、発泡適
性を評価する物性基準として樹脂の溶融伸長特性に着目
し、特定の伸長歪み−伸長応力特性を有する発泡性ポリ
オレフィン系樹脂組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、発泡剤を含有
するポリオレフィン系樹脂組成物において、該ポリオレ
フィン系樹脂が下式を満たす特性を有することを特徴と
する、流動性を有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
物である(なお応力単位Paはパスカルである); Hencky歪みε=0.2のときの伸長応力σ0.2 (Pa)が 2.0×103 ≦σ0.2 ≦5.0×104 を満たし、 Hencky歪みε=1.0のときの伸長応力をσ1.0 (Pa)
とし、Hencky歪みεが1.0≦ε≦3.0の範囲にある
ときの伸長応力の最大値をσA(Pa)とし、その伸長応力
を示すHencky歪みをεA とするときに、α=(σA −σ
1.0 )/(εA −1.0)で定義される値αが、 α≧10,000 を満たし、そして、 全伸長区間での伸長応力の最大値をσB (Pa)とし、か
つ、その伸長応力を示すHencky歪みをεB とするとき、
これらがそれぞれ εB ≧1.0、 σB ≧3.0×104 満たす。
【0015】本発明による樹脂組成物の伸長特性の代表
的な測定条件は下記の通りである。 ○測定装置 Meissner型の一軸伸長粘度計、例えば東洋精機社製の一
軸伸長粘度計(商品名「メルテンレオメーター」)等を
用いる。
【0016】○サンプル 直径5mm程度、長さ20cm程度のストランド状サン
プルを用いる。
【0017】測定すべき樹脂を、先端にストランドダイ
を有する小型押出機または円管式溶融物測定器等で所望
のサンプル形状に賦形する。
【0018】○測定温度 実際に発泡させる発泡炉の温度をT℃とすると(T−7
0)℃からT℃の範囲で、好ましくは(T−50)℃か
らT℃の範囲で測定を行う。
【0019】○伸長応力σ、Hencky歪みεの計算(参考
文献「日本レオロジー学会誌」、13巻、3号、93−
100頁(1985)) 伸長特性の測定は一定歪み速度の条件で行う。ここでい
う歪みとは以下に定義されるHencky歪みεのことであ
る。
【0020】
【数1】
【0021】Meissner型の一軸伸長粘度計ではサンプル
を一定距離の回転クランプで把持し、回転速度を一定に
してその区間内でのサンプルの伸長挙動を測定するの
で、t秒後のサンプル全体の伸長長さを把握することは
できない。さらに、回転クランプは歪み速度の設定値か
ら計算された一定回転速度で回転するが、回転クランプ
とサンプルの間に滑りが生じ、実際のサンプルの歪み速
度は設定値よりも小さくなる。よって、円柱状のストラ
ンドサンプルの直径dを時間ごとに計測し、その減少度
から歪み速度eを計算する。樹脂の非圧縮性を仮定する
と下記の式が成り立つ。
【0022】
【数2】
【0023】この式において、時間tとln dとの直線関
係の傾きから歪み速度eが求まる。
【0024】また伸長応力σと伸長粘度ηは次式で算出
される。
【0025】
【数3】
【0026】通常、伸長時間tに対して上記で得られた
伸長粘度ηを両対数プロットし、そのカーブから伸長特
性を把握する方法が行われるが、既述したように、歪み
速度は設定値通りに測定できないので、一般には歪み速
度を変化させ、数個のグラフからその樹脂の伸長特性を
把握するようにしている。しかし、その方法では測定が
煩雑になる上、他の樹脂との比較がしにくい。ところが
上記の参考文献にもあるように、Hencky歪みεに対して
伸長特性をプロットすると、歪み速度によらず、ほぼ同
じ挙動を示すことがわかっている。
【0027】故に、本発明ではHencky歪みεに対する伸
長応力σの曲線を描き、伸長特性を他の樹脂のものと伸
長特性を比較している。
【0028】○測定条件 設定歪み速度を0.1sec-1とし、サンプルをオイル
バス中に前述した測定温度で10分放置し、残留応力を
緩和した後、伸長応力σを測定した。
【0029】本発明による、流動性を有する樹脂組成物
は、発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物にお
いて、該ポリオレフィン系樹脂が下式を満たす特性を有
するものである;(図2参照) Hencky歪みε=0.2のときの伸長応力σ0.2 (Pa)が 2.0×103 ≦σ0.2 ≦5.0×104 を満たし、 Hencky歪みε=1.0のときの伸長応力をσ1.0 (Pa)
とし、Hencky歪みεが1.0≦ε≦3.0の範囲にある
ときの伸長応力の最大値をσA(Pa)とし、その伸長応力
を示すHencky歪みをεA とするときに、α=(σA −σ
1.0 )/(εA −1.0)で定義される値αが、 α≧10,000 を満たし、そして、 全伸長区間での伸長応力の最大値をσB (Pa)とし、か
つ、その伸長応力を示すHencky歪みをεB とするとき、
これらがそれぞれ εB ≧1.0、 σB ≧3.0×104 満たす。
【0030】上記不等式について詳しく説明する。
【0031】について Hencky歪みε=0.2のときの伸長応力σ0.2 (Pa)は、
起泡時の樹脂粘度に関係する。σ0.2 (Pa)が2.0×1
3 未満であると、粘度が低すぎ、起泡時にガス抜けが
起こり発泡しない。σ0.2 (Pa)が5.0×104 を越え
ると、粘度が高すぎ、樹脂はほとんど流動せず、成形性
が悪く、熱化学発泡剤との混練性も悪い。
【0032】について(図2では縦軸を対数表示とし
ているため傾きをα’としている) α=(σA −σ1.0 )/(εA −1.0)で定義される
値αは、Hencky歪みεが1.0以上のεA に対する伸長
応力増加分であり、発泡中の樹脂粘度の維持、向上度を
示し、気泡成長時のガス抜けに関係する。
【0033】従って、αが10,000未満であると気
泡成長(発泡)時にガス抜けが著しくなり、高倍率発泡
が困難になる。
【0034】について 全伸長区間での伸長応力の最大値σB は発泡終了時の気
泡保持力、その伸長応力を示すHencky歪みεB は最大発
泡倍率に関係する。
【0035】εB が1.0未満であると、樹脂の伸長性
が不十分であり、発泡内圧による気泡成長時に樹脂の伸
びが追従せず、発泡倍率が上がらない。発泡倍率10c
c/g以上の高倍率発泡を望むなら、εB は2.0以上
であることを要する。
【0036】σB (Pa)が3.0×104 未満であると、
最大伸長応力が絶対的に不足していて、気泡成長終了時
付近でガス抜けが起こったり、発泡終了後セルが構造を
保持できず、発泡倍率が上がらない。
【0037】σB (Pa)が2.0×105 を越えると、一
次元発泡時に、最大伸長応力が大きくて発泡の際の面内
方向力が大きくなりすぎ、積層したシート状物が気泡成
長を抑制できず、一次元発泡が困難となる。
【0038】本発明による、流動性を有する発泡性ポリ
オレフィン系樹脂組成物は、例えば、ポリオレフィン系
樹脂と改質用モノマーとを溶融混和して同樹脂を改質
し、得られた改質樹脂に熱分解型化学発泡剤を加えて混
練することによって得られる。
【0039】上記ポリオレフィン系樹脂の主体をなすポ
リオレフィンは、オレフィン性モノマーの単独重合体、
または主成分オレフィン性モノマーと他のモノマーとの
共重合体であり、特に限定されるものではないが、例え
ば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモタイプポリ
プロピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロック
タイプポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体、エレチン−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体等のエチレンを主成分とする共重
合体などが例示され、またこれらの2以上の組合わせで
あってもよい。
【0040】本発明方法におけるポリオレフィン系樹脂
の主体をなすポリオレフィンとしては、上述したポリエ
チレンやポリプロピレンの1種もしくは2種以上の組み
あわせが好ましい。
【0041】ポリオレフィン系樹脂とは上記ポリオレフ
ィンの割合が50〜100重量%である樹脂組成物を指
す。ポリオレフィン系樹脂を構成するポリオレフィン以
外の樹脂は限定されないが、例えば、ポリスチレン、ス
チレン系エラストマーなどが挙げられる。ポリオレフィ
ン系樹脂中のポリオレフィンの割合が50重量%を下回
ると、ポリオレフィンの特徴である軽量、耐薬品性、柔
軟性、弾性等が発揮できないばかりか、発泡に必要な溶
融粘度を確保することが困難となる場合があるので好ま
しくない。
【0042】ポリオレフィン系樹脂は、改質されている
ことが好ましい。ポリオレフィン系樹脂の改質は、例え
ば、押出機においてポリオレフィン系樹脂を改質用モノ
マーと共に溶融混和することによって達成される。
【0043】改質用モノマーは、例えば二重結合のよう
な、ラジカル反応またはイオン反応を容易に起こしうる
官能基を好ましくは2つ以上有する化合物である。押出
機内の温度、滞留時間等の操作条件は、改質用モノマー
がポリオレフィン系樹脂を改質しやすいように設定され
る。
【0044】改質用モノマーとしては下記のものが例示
される。スチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベン
ゼン等のビニル化合物;ジアリルフタレート、ジアリル
クロンデート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイ
ソシアヌレート等のアリル化合物;1,9−ノナンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル化合物;p,
p’−キノンジオキシム、p,p’−ジベンゾイルキノ
ンジオキシム等のオキシム化合物;N,N’−p−フェ
ニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビス
マレイミド、ジフェニルメタンビスマレイミド等のマレ
イミド化合物。
【0045】改質用モノマーの配合量は、同モノマーの
種類に応じて適宜選択すればよいが、概ねポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部であ
り、好ましくは0.2〜2重量部である。
【0046】本発明方法において、改質用モノマーとし
てジビニルベンゼンまたはアリル系多官能モノマーを用
いる場合には、これに有機過酸化物を併用することが好
ましい。
【0047】本発明で用いる熱分解型化学発泡剤は、加
熱により分解ガスを発生するものであれば特に限定され
るものではない。熱分解型化学発泡剤の代表的な例は、
アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンス
ルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンス
ルホニルヒドラジド)である。これらは単独で用いても
または2種以上組み合わせて用いてもよい。その中でも
アゾジカルボンアミドが特に好適に用いられる。
【0048】熱分解型化学発泡剤は、改質樹脂100重
量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜35重
量部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜の量で使用さ
れる。
【0049】改質されたポリオレフィン系樹脂には、伸
長特性(発泡性)および流動性を改善させる目的で、上
記樹脂と同種または異種のポリオレフィン系樹脂、添加
剤等を加えることもできる。また、必要に応じ、プロセ
ス熱安定剤、他の酸化防止剤や紫外線吸収剤、有機およ
び無機充填剤、顔料、染料、加工助剤等の各種添加剤を
加えることもできる。
【0050】本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡性複
合シートにも適用できる。同発泡性複合シートは、上記
ポリオレフィン系樹脂発泡性シートの少なくとも片面
に、同シートを加熱発泡する際に生じる面内方向の発泡
力を抑制し得る強度を有するシート状物を積層すること
によって製造することができる。
【0051】シート状物を構成する材料は、紙、布、木
材、金属、非鉄金属、プラスチック、ガラス、無機物な
ど自由に選べ、特に限定されるものではない。またシー
ト状物は発泡性シートと積層・一体化させる場合には、
発泡性シートとの間にある程度の接着性を発現するもの
が望ましいが、接着性が無いシート状物であっても粘着
剤や接着剤を適宜用いることで発泡性シートに接着可能
なものであればよい。
【0052】シート状物としては、ガラスクロス、織布
または不織布からなるものが好ましい。織布、不織布を
構成する有機繊維としてはポリエステル繊維、綿、アク
リル繊維、ナイロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が
挙げられる。
【0053】また、シート状物として、スチール製シー
ト、ステンレススチール製シートまたはアルミニウム製
シートからなるものも好ましい。
【0054】発泡性シートの少なくとも片面にシート状
物を積層する方法は特に限定されるものではないが、例
えば、(イ)一旦冷却固化した発泡性シートにシート状
物を加熱しながら貼付する方法、(ロ)発泡性シートを
溶融状態になるまで加熱しておき、これをシート状物に
熱融着する方法、(ハ)発泡性シートにシート状物を接
着剤で貼り合わせる方法などが挙げられる。
【0055】
【作用】本発明では、従来、物性基準が不明確であった
熱分解型化学発泡性樹脂に関して、一軸伸長特性を用
い、流動性を保持しつつ発泡性を有する樹脂の伸長特性
を特定することができる。
【0056】そして、特定の伸長歪みと伸長応力特性と
で規定された発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物は、適
切な粘度を有しつつ流動性を保持しているので、所望の
種々の賦形が可能であり、成形された該樹脂組成物は、
成形直後、特別な架橋処理無しで加熱発泡することが可
能である。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明を実施例により具体的に説
明する。 (実施例1)図1に示す連続式発泡性シート製造装置を
用いて、流動性を有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組
成物シートを製造した。
【0058】図1中、(1) は改質用スクリュー押出機、
(2) は混練用スクリュー押出機、(3) は改質用モノマー
(ジオキシム化合物)供給フィーダー、(4) は発泡剤供
給フィーダー、(5) は成形ダイ、(6) は揮発分吸引ポン
プ、(7) は改質用モノマー(アクリル系多官能モノマ
ー)注入機器、(8) は架橋助剤注入機器である。
【0059】改質用スクリュー押出機(1) は、BT40
型(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スク
リュー押出機であり(スクリュー:セルフワイピング2
条、L/D:35、D:39mm)、ポリオレフィン系
樹脂および発泡剤混練用スクリュー押出機(2) は、TE
X−44型(日本製鋼所製)同方向回転2軸スクリュー
押出機である(スクリュー:セルフワイピング2条、L
/D:45.5、D:47mm、成形ダイ:シート形状
Tダイ(幅200mm、厚み1mm)またはストランド
ダイ(径3mm))。
【0060】(a) 発泡性シート作成 上記構成の装置を用いて、下記の方法でベース樹脂とし
てのポリオレフィン系樹脂(A) の改質、さらに改質樹脂
へのブレンド樹脂であるポリオレフィン系樹脂(B) およ
び発泡剤の混練を行い、発泡性樹脂組成物シートを作成
した。
【0061】まず、改質用押出機(1) にポリオレフィン
系樹脂(A) を後端のホッパーから投入し、ジオキシム化
合物をフィーダー(3) から供給し、下記の条件で両者を
溶融混和した。このとき押出機(1) 内で発生した揮発分
を吸引ポンプ(6) で真空ベントから除去した。
【0062】こうして改質されたポリオレフィン系樹脂
(A) を混練用押出機(2) の長さ中間部に溶融状態で直接
供給し、さらにポリオレフィン系樹脂(B) を後端のホッ
パーから投入し、発泡剤を長さ中間部のフィーダー(4)
から投入し、下記の条件で三者を混練した後、混練物を
先端のTダイを通してシート状に賦形し、発泡性ポリオ
レフィン系樹脂組成物シートを得た。
【0063】改質用押出機(1) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(A) ポリプロピレン(日本ポリケム社製「ノバテックPP
EA8」)(以下、EA8と略記する) 供給量:5kg/h ジオキシム化合物 キノンジオキシム(大内新興化学社製「バルノックGM
−P」)(以下、QDOと略記する) 供給量:EA8 100重量部に対して0.8重量部 設定温度 全区間:220℃ スクリュー回転数:150rpm 混練用押出機(2) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(B) ポリプロピレン(日本ポリケム社製「ノバテックPP
EA7」)(以下、EA7と略記する) 供給量:5kg/h 発泡剤 アゾジカルボンアミド(以下、ADCAと略記する) 供給量:樹脂分(ポリオレフィン系樹脂(A) +ポリオレ
フィン系樹脂(B) )100重量部に対して15重量部 発泡性複合シート用のADCAは上記樹脂分100重量
部に対して7.5重量部 設定温度 シリンダーバレル:160℃ Tダイ:170℃ スクリュー回転数:30rpm
【0064】(b) 伸長特性評価 発泡剤を加えないこと、シート形状Tダイをストランド
ダイに取り替えたこと以外は、上記発泡性シートの作成
と同様の方法で、伸長特性評価用のストランドを成形し
た。直径5mm程度、長さ20cmのサンプルを形成
し、測定に用いた。伸長特性評価条件は下記の通りであ
る。
【0065】伸長特性評価機器 東洋精機製作所社製 「メルテンレオメーター」 測定条件 測定温度:210℃ 設定歪み速度:0.1(sec-1) 測定項目 上記定義のとおり、時間tに対するサンプルの直径dの
減少度合いから、歪み速度eを計算した。
【0066】評価項目 上記定義のσ0.2 (Pa) 上記定義のα 上記定義のεB 上記定義のσB
【0067】(c) 流動性の評価 発泡性シート作成時または伸長特性評価サンプル作成時
の押出樹脂流動性を目視で評価した。評価基準は下記の
通りである。
【0068】○:押出成形性問題なし。流動性良好。
【0069】×:押出成形性問題あり。流動性不良。
【0070】
【0071】(d) 発泡性の評価 発泡剤を15重量部を用いて作成した発泡性シートを1
00mm角に切断し、230℃の熱風乾燥機に5分間放
置し、発泡させた。得られた発泡体を十分冷却した後、
発泡倍率(比容)を測定した。
【0072】(e) 発泡性複合シートの評価 発泡剤を7.5重量部を用いて作成した発泡性シートを
150mm角に切断し、これの両面にPET製の不織布
(東洋紡績社製、「スパンボンド エクーレ6301
A」、秤量30g/m2 、引っ張り強度 縦1.6kg
/cm、横1.2kg/cm)からなるシート状物を積
層し、得られた積層体を温度180℃、圧力200kg
f/cm2 、5分間プレス成形を行い、発泡性複合シー
トのサンプルを得た。
【0073】熱風オーブンにタルクを敷き詰めたステン
レス製バットを置き、オーブンを230℃に加熱し、上
記サンプルをタルク上に置き、約10分間加熱発泡さ
せ、複合発泡体を得た。これを下記の基準で評価した。
【0074】○:気泡が紡錘型。不織布と発泡体との間
に界面剥離なし。
【0075】×:気泡が球形、不織布と発泡体との間に
界面剥離が見られる。
【0076】(実施例2)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0077】改質用押出機(1) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(A) ポリプロピレン(日本ポリケム社製「ノバテックPP
EG8」)(以下、EG8と略記する) 供給量:5kg/h ジオキシム化合物 QDO 供給量:EG8 100重量部に対して1.5重量部
【0078】(実施例3)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0079】改質用押出機(1) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(A) プロピレン−エチレン共重合体(徳山曹達社製「R11
0E」)(以下、110Eと略記する) 供給量:5kg/h ジオキシム化合物 QDO 供給量:R110E 100重量部に対して1.5重量
部 混練用押出機(2) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(B) R110E 供給量:5kg/h
【0080】(実施例4)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0081】(a) 発泡性シート作成 上記構成の装置を用いて、下記の方法でベース樹脂とし
てのポリオレフィン系樹脂(A) の改質、さらに改質樹脂
へのブレンド樹脂であるポリオレフィン系樹脂(B) およ
び発泡剤の混練を行い、発泡性樹脂組成物シートを作成
した。
【0082】まず、改質用押出機(1) にポリオレフィン
系樹脂(A) を後端のホッパーから投入し、アクリル系多
官能モノマーをフィーダー(7) から投入し、下記の条件
で両者を溶融混和した。このとき押出機(1) 内で発生し
た揮発分を吸引ポンプ(6) で真空ベントから除去した。
【0083】こうして改質されたポリオレフィン系樹脂
(A) を混練用押出機(2) の長さ中間部に溶融状態で直接
供給し、さらにポリオレフィン系樹脂(B) を後端のホッ
パーから投入し、発泡剤を長さ中間部のフィーダー(4)
から投入し、下記の条件で三者を混練した後、混練物を
先端のTダイを通してシート状に賦形し、発泡性ポリオ
レフィン系樹脂組成物シートを得た。
【0084】改質用押出機(1) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(A) EG8 供給量:5kg/h アクリル系多官能モノマー トリメチロールプロパントリアクリレート(以下、TM
PTAと略記する) 供給量:EG8 100重量部に対して2.5重量部 供給時酢酸エチルにより4倍希釈して供給 設定温度 全区間:220℃ スクリュー回転数:150rpm
【0085】混練用押出機(2) の操作条件 発泡剤 ADCA 供給量:樹脂分100重量部に対して15重量部 発泡性複合シート用のADCAは上記樹脂分100重量
部に対して7.5重量部 設定温度 シリンダーバレル:160℃ Tダイ:170℃ スクリュー回転数:30rpm
【0086】(比較例1)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0087】(a) 発泡性シートの作成 上記構成の装置を用いて、下記の方法でベース樹脂とし
てのポリオレフィン系樹脂(A) 、ブレンド樹脂としての
ポリオレフィン系樹脂(B) および発泡剤の混練を行い、
発泡性樹脂組成物シートを作成した。
【0088】まず、改質用押出機(1) にポリオレフィン
系樹脂(A) を後端のホッパーから投入し、下記の条件で
可塑化押出を行った。このとき押出機(1) 内で発生した
揮発分を吸引ポンプ(6) で真空ベントから除去した。
【0089】こうして可塑化されたポリオレフィン系樹
脂(A) を混練用押出機(2) の長さ中間部に溶融状態で直
接供給し、さらにポリオレフィン系樹脂(B) を後端のホ
ッパーから投入し、発泡剤を長さ中間部のフィーダー
(4) から投入し、下記の条件で三者を混練した後、混練
物を先端のTダイを通してシート状に賦形し、発泡性ポ
リオレフィン系樹脂組成物シートを得た。
【0090】改質用押出操作条件 ポリオレフィン系樹脂(A) EG8 供給量:5kg/h 設定温度 全区間:220℃ スクリュー回転数:150rpm 混練用押出機(2) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(B) EA7 供給量:5kg/h 発泡剤 ADCA 供給量:樹脂分(ポリオレフィン系樹脂(A) +ポリオレ
フィン系樹脂(B) )100重量部に対して15重量部 発泡性複合シート用のADCAは上記樹脂分100重量
部に対して7.5重量部 設定温度 シリンダーバレル:160℃ Tダイ:170℃ スクリュー回転数:30rpm
【0091】(比較例2)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0092】(a) 発泡性シートの作成 ポリオレフィン系樹脂を混練用押出機(2) に後端のホッ
パーから投入し、発泡剤を長さ中間部のフィーダー(4)
から投入し、下記の条件で両者を混練した後、混練物を
先端のTダイを通してシート状に賦形し、発泡性ポリオ
レフィン系樹脂組成物シートを得た。
【0093】混練用押出機(2) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂 ポリプロピレン(ハイモント社製「HMS PF−81
4」)(以下、PF−814と略記する) 供給量:10kg/h 発泡剤 ADCA 供給量:樹脂分100重量部に対して15重量部 発泡性複合シート用のADCAは上記樹脂分100重量
部に対して7.5重量部 設定温度 シリンダーバレル:170℃ Tダイ:170℃ スクリュー回転数:30rpm
【0094】(比較例3)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0095】(a) 発泡性シートの作成 ポリオレフィン系樹脂を混練用押出機(2) に後端のホッ
パーから投入し、発泡剤を長さ中間部のフィーダー(4)
から投入し、下記の条件で両者を混練した後、混練物を
先端のTダイを通してシート状に賦形し、発泡性ポリオ
レフィン系樹脂組成物シートを得た。
【0096】混練用押出機(2) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂 ポリプロピレン(旭化成社製「高粘弾性PP 試作品
C」)(以下、Cと略記する) 供給量:10kg/h 発泡剤 ADCA 供給量:樹脂分100重量部に対して15重量部 発泡性複合シート用のADCAは上記樹脂分100重量
部に対して7.5重量部 設定温度 シリンダーバレル:170℃ Tダイ:170℃ スクリュー回転数:30rpm
【0097】(比較例4)下記事項の変更を除いて、実
施例1と同様の操作を行った。
【0098】(a) 発泡性シートの作成 ポリオレフィン系樹脂(A) 70重量%とポリオレフィン
系樹脂(B) 30重量%をドライブレンドし、得られたブ
レンドを混練用押出機(2) に後端のホッパーから投入
し、架橋助剤を注入機器(8) から投入し、発泡剤を長さ
中間部のフィーダー(4) から投入し、下記の条件でこれ
らを混練した後、混練物を先端のTダイを通してシート
状に賦形し、架橋前発泡性シートを得た。次いで、これ
の両面に電子線を8Mrad照射し、発泡性ポリオレフ
ィン系樹脂組成物シートを得た。
【0099】混練用押出機(2) の操作条件 ポリオレフィン系樹脂(A) ポリプロピレン(チッソ社製「XK0235」)(以
下、XK0235と略記する) ポリオレフィン系樹脂(B) 直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学社製「UZ208
0C」)(以下、UZ2080Cと略記する) 供給量:10kg/h(A、Bを7/3でドライブレン
ドしたもの) 架橋助剤 トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT
MAと略記する) 供給量:樹脂分(ポリオレフィン系樹脂(A) +ポリオレ
フィン系樹脂(B) )100重量部に対して2.5重量部 発泡剤 ADCA 供給量:樹脂分(ポリオレフィン系樹脂(A) +ポリオレ
フィン系樹脂(B) )100重量部に対して15重量部 発泡性複合シート用のADCAは上記樹脂分100重量
部に対して7.5重量部 設定温度 シリンダーバレル:170℃ Tダイ:170℃ スクリュー回転数:30rpm
【0100】(b) 伸長特性評価 発泡剤を加えないこと、シート形状Tダイをストランド
ダイに取り替えたこと以外は、上記発泡性シートの作成
と同様の方法で、伸長特性評価用のストランドを成形し
た。直径5mm程度、長さ20cmのサンプルを形成
し、これに電子線を8Mrad照射した後、測定に用い
た。伸長特性評価条件は実施例1と同じである。
【0101】(c) 流動性の評価 電子線照射した伸長特性評価サンプルをペレット状に粉
砕し、JIS K7210(条件14)に基づいて、メ
ルトフローレート(MFR)を測定したが、押出物が出
ないため、MFRを算出できず、流動性はないものと判
断した。
【0102】(d) 発泡性の評価 実施例1に記載の方法で発泡体を作成し、十分冷却後、
発泡倍率(比容)を測定した。
【0103】(e) 発泡性複合シートの評価 発泡剤7.5重量部を用い電子線照射を行って作成した
発泡性シートを150mm角に切断した。これを用い
て、実施例1に記載の方法で発泡性複合シートを調製し
た。これを実施例1に記載の方法で発泡させ、得られた
複合発泡体を評価した。評価基準は実施例1のものと同
じである。
【0104】実施例および比較例で得られた発泡性ポリ
オレフィン系樹脂組成物の伸長特性および同組成物から
得られた発泡体の物性を表1にまとめて示す。
【0105】実施例および比較例で得られた発泡性ポリ
オレフィン系樹脂組成物のHencky歪みと伸長応力の関係
を示す図3および図4のグラフにそれぞれ示す。
【0106】
【表1】
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、特定の伸長歪みと伸長
応力特性とで規定された発泡性ポリオレフィン系樹脂組
成物は、適切な粘度を有しつつ流動性を保持しているの
で、所望の種々の賦形が可能であり、成形された該樹脂
組成物は、成形直後、特別な架橋処理無しで加熱発泡す
ることができ、10cc/g以上の高倍率発泡が可能で
ある。
【0108】また、発泡後も樹脂の特性はほとんど変化
しないため、発泡体自身も流動性を有し、リサイクルが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続式発泡性シート製造装置を示す概略図であ
る。
【図2】樹脂のHencky歪みと伸長応力の関係を示すグラ
フである。
【図3】実施例の発泡性樹脂組成物のHencky歪みと伸長
応力の関係を示すグラフである。
【図4】比較例の発泡性樹脂組成物のHencky歪みと伸長
応力の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:改質用スクリュー押出機 2:混練用スクリュー押出機 3:改質用モノマー(ジオキシム化合物)供給フィーダ
ー 4:発泡剤供給フィーダー 5:成形ダイ 6:揮発分吸引ポンプ 7:改質用モノマー(アクリル系多官能モノマー)注入
機器 8:架橋助剤注入機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗尾 浩行 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を含有するポリオレフィン系樹脂
    組成物において、該ポリオレフィン系樹脂が下式を満た
    す特性を有することを特徴とする、流動性を有する発泡
    性ポリオレフィン系樹脂組成物; Hencky歪みε=0.2のときの伸長応力σ0.2 (Pa)が 2.0×103 ≦σ0.2 ≦5.0×104 を満たし、 Hencky歪みε=1.0のときの伸長応力をσ1.0 (Pa)
    とし、Hencky歪みεが1.0≦ε≦3.0の範囲にある
    ときの伸長応力の最大値をσA(Pa)とし、その伸長応力
    を示すHencky歪みをεA とするときに、α=(σA −σ
    1.0 )/(εA −1.0)で定義される値αが、 α≧10,000 を満たし、そして、 全伸長区間での伸長応力の最大値をσB (Pa)とし、か
    つ、その伸長応力を示すHencky歪みをεB とするとき、
    これらがそれぞれ εB ≧1.0、 σB ≧3.0×104 満たす。
  2. 【請求項2】 全伸長区間での伸長応力の最大値をσ
    B (Pa)とし、かつ、その伸長応力を示すHencky歪みをε
    B とするとき、これらがそれぞれHencky歪みεB が εB ≧2.0、 σB ≧3.0×104 満たす請求項1記載の発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 全伸長区間での伸長応力の最大値をσ
    B (Pa)とし、かつ、その伸長応力を示すHencky歪みをε
    B とするとき、これらがそれぞれ εB ≧2.0、 3.0×104 ≦σB ≦2.0×10
    5 満たす請求項1記載の発泡性ポリオレフィン系樹脂組成
    物。
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