JP2006224253A - マイクロチャンネル構造体及びその製造方法、光源装置、並びにプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 短時間で安価にマイクロチャンネル構造体を製造可能とする。
【解決手段】 流体が流れる微細流路を有するマイクロチャンネル構造体であって、上記微細流路2は、板厚方向に貫通孔が形成された積層板1を、少なくとも上記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層することによって構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 流体が流れる微細流路を有するマイクロチャンネル構造体であって、上記微細流路2は、板厚方向に貫通孔が形成された積層板1を、少なくとも上記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層することによって構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マイクロチャンネル構造体及びその製造方法、光源装置、並びにプロジェクタに関するものである。
マイクロチャンネル構造体は、数μm〜数百μm幅の微細流路を備える構造体であり、種々の用途に用いられている。例えば、微細流路に冷却媒体(流体)を流すことによって高い冷却性能を有する熱交換部品として用いられたり、小流量の流体の搬送経路として用いられたりしている。
例えば、数mm〜数cm幅の流路を複数備える構造体である熱交換器であれば、特許文献1に示すように、プレス加工によって形成された波状板部材を外周壁部材の収納部に収納配置することによって、安価に大量生産することができる。
ところが、プレス加工では、微細加工が困難であり、さらにはアスペクト比(流路幅と流路高さの比)の高い流路を形成することが困難であるため、上述のような数μm〜数百μm幅の流路を複数形成する場合には、一般的には、シリコンのエッチングを行うことによって流路が形成されている。
実開昭61−84389号公報
ところが、プレス加工では、微細加工が困難であり、さらにはアスペクト比(流路幅と流路高さの比)の高い流路を形成することが困難であるため、上述のような数μm〜数百μm幅の流路を複数形成する場合には、一般的には、シリコンのエッチングを行うことによって流路が形成されている。
しかしながら、シリコンを用いて流路を形成した場合には、銅等の金属を用いて流路を形成した場合と比較して熱伝導性の面で不利となるため、マイクロチャンネル構造体を高い冷却性能を有する熱交換部品として用いることが困難となる。
一方、銅等の金属を用いて数μm〜数百μm幅の流路を形成する場合には、ワイヤ放電加工等の加工法を用いることによって形成することができる。しかしながら、ワイヤ放電加工で流路を形成する場合には多くの加工時間を必要とするため、マイクロチャンネル構造体を安価に大量生産するための加工法としては好ましくない。
一方、銅等の金属を用いて数μm〜数百μm幅の流路を形成する場合には、ワイヤ放電加工等の加工法を用いることによって形成することができる。しかしながら、ワイヤ放電加工で流路を形成する場合には多くの加工時間を必要とするため、マイクロチャンネル構造体を安価に大量生産するための加工法としては好ましくない。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、短時間で安価にマイクロチャンネル構造体を製造可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のマイクロチャンネル構造体は、流体が流れる微細流路を有するマイクロチャンネル構造体であって、上記微細流路は、板厚方向に貫通孔が形成された積層板を、少なくとも上記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層することによって構成されていることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明のマイクロチャンネル構造体によれば、微細流路が、板厚方向に貫通孔が形成された積層板が、少なくとも上記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層されることによって構成されている。このため、積層板の積層枚数を変化させることによって、微細流路の形状(例えばアスペクト比)を容易に変化させることができる。すなわち、十分な枚数の積層板を積層することによって、マイクロチャンネル構造体が有する微細流路として、十分なアスペクト比を有する微細流路を容易に形成することが可能となる。
また、本発明のマイクロチャンネル構造体を熱交換器として用いる場合には、微細流路内に冷却用の流体を流すこととなるが、このような場合には、相対的に熱源に近い流体の温度が高く、相対的に熱源から遠い流体の温度は低い状態となる。
このため、本発明のマイクロチャンネル構造体においては、上記微細流路を複数有し、上記微細流路同士が接続されているという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、例えば、熱源近傍において温められた流体と比較的に熱源から遠く低い温度の流体とを混合することができ、より効率的に熱源を冷却することが可能となる。
また、本発明のマイクロチャンネル構造体においては、上記微細流路内に、上記流体を攪拌する攪拌部を備えるという構成を採用することもできる。このような構成を採用することによって、微細流路内において相対的に高い温度の流体と相対的に低い温度の流体とを攪拌部によって攪拌混合することができ、より効率的に熱源を冷却することが可能となる。
また、上述のように、微細流路内に攪拌部を備える場合には、本発明のマイクロチャンネル構造体においては、上記攪拌部が、上記積層板の一部によって構成されているという構成を採用することが好ましい。
このような構成を採用することによって、積層板を積層することによって流路形成されると同時に、攪拌部を形成することが可能となる。
このため、本発明のマイクロチャンネル構造体においては、上記微細流路を複数有し、上記微細流路同士が接続されているという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、例えば、熱源近傍において温められた流体と比較的に熱源から遠く低い温度の流体とを混合することができ、より効率的に熱源を冷却することが可能となる。
また、本発明のマイクロチャンネル構造体においては、上記微細流路内に、上記流体を攪拌する攪拌部を備えるという構成を採用することもできる。このような構成を採用することによって、微細流路内において相対的に高い温度の流体と相対的に低い温度の流体とを攪拌部によって攪拌混合することができ、より効率的に熱源を冷却することが可能となる。
また、上述のように、微細流路内に攪拌部を備える場合には、本発明のマイクロチャンネル構造体においては、上記攪拌部が、上記積層板の一部によって構成されているという構成を採用することが好ましい。
このような構成を採用することによって、積層板を積層することによって流路形成されると同時に、攪拌部を形成することが可能となる。
次に、本発明の光源装置は、電流を供給されることによって発光及び発熱する固体発光光源と当該固体発光光源が載置される基台とを有する光源装置であって、上記基台として、本発明のマイクロチャンネル構造体を用いることを特徴とする。
本発明のマイクロチャンネル構造体によれば、十分なアスペクト比を有する微細流路を容易に形成することが可能となる。したがって、本発明の光源装置は、冷却性能が高くかつ容易に製造可能な基台(マイクロチャンネル構造体)を備えるため、高性能でかつ安価なものとなる。
本発明のマイクロチャンネル構造体によれば、十分なアスペクト比を有する微細流路を容易に形成することが可能となる。したがって、本発明の光源装置は、冷却性能が高くかつ容易に製造可能な基台(マイクロチャンネル構造体)を備えるため、高性能でかつ安価なものとなる。
次に、本発明のプロジェクタは、本発明の光源装置を備えることを特徴とする。
したがって、本発明のプロジェクタは、高性能でかつ安価なものとなる。
したがって、本発明のプロジェクタは、高性能でかつ安価なものとなる。
次に、本発明のマイクロチャンネル構造体の製造方法は、流体が流れる微細流路を有するマイクロチャンネル構造体の製造方法であって、板厚方向に貫通孔が形成された積層板を、少なくとも上記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層することによって上記微細流路を形成する微細流路形成工程を有することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明のマイクロチャンネル構造体の製造方法によれば、微細流路形成工程において、板厚方向に貫通孔が形成された積層板が、少なくとも上記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層されることによって微細流路が形成される。このため、微細流路の高さに対して薄い積層板に貫通孔を形成し、この積層板を積層することによって容易にアスペクト比の高い微細流路を形成することが可能となる。また、積層板に貫通孔を形成する工程は、プレス工程やエッチング等の安価な工程によって行うことができるため、ワイヤ放電加工等を用いる従来のマイクロチャンネル構造体の製造方法と比較して、安価にかつ大量にマイクロチャンネル構造体を製造することが可能となる。
また、本発明のマイクロチャンネル構造体の製造方法においては、上記貫通孔の形成パターンが同一の上記積層板をずらして積層するという構成を採用することができる。
このような構成を採用することによって、貫通孔の形成パターンが同一の積層板を大量に製造し、この積層板をずらして積層することによって微細流路を形成することができるため、より安価にマイクロチャンネル構造体を製造することが可能となる。
このような構成を採用することによって、貫通孔の形成パターンが同一の積層板を大量に製造し、この積層板をずらして積層することによって微細流路を形成することができるため、より安価にマイクロチャンネル構造体を製造することが可能となる。
また、本発明のマイクロチャンネル構造体の製造方法においては、上記貫通孔の形成パターンが異なる上記積層板を積層するという構成を採用することもできる。
このような構成を採用することによって、より複雑な形状の流路を容易に形成することが可能となる。
このような構成を採用することによって、より複雑な形状の流路を容易に形成することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係るマイクロチャンネル構造体及びその製造方法、光源装置、並びにプロジェクタの一実施形態について説明する。
なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1の構成を示す斜視図である。
この図に示すように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1は、複数(本実施形態においては10枚)の積層板1が積層されることによって構成される流路部2と、流路部2に流体を流入させるための流入部3と、流路部3から流体を流出させるための流出部4とを備えて構成されている。なお、実際のマイクロチャンネル構造体M1には、図1に示す流路部2上に天板が配置されているが、説明の便宜上、図1においては、天板を省略している。
この図に示すように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1は、複数(本実施形態においては10枚)の積層板1が積層されることによって構成される流路部2と、流路部2に流体を流入させるための流入部3と、流路部3から流体を流出させるための流出部4とを備えて構成されている。なお、実際のマイクロチャンネル構造体M1には、図1に示す流路部2上に天板が配置されているが、説明の便宜上、図1においては、天板を省略している。
図2は、積層板1の平面図である。この図に示すように、積層板1には、複数の貫通孔11が板厚方向に形成されている。そして、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1においては、図2に示す積層板1が紙面垂直方向を回転軸として180°ずつ回転されて複数積層されることによって流路部2が構成されている。なお、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1においては、積層板1が紙面垂直方向を回転軸として180°回転されて先に配置された積層板1上に配置される場合に、先に配置された積層板1の貫通孔11の一部と後に配置される積層板1の貫通孔11の一部とが少なくとも一部重なるように、積層板1に貫通孔11が形成されている。
すなわち、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1においては、貫通孔11の形成パターンが同一の積層板1を、180°回転して(ずらして)、少なくとも貫通孔の一部同士が重なるように、複数積層することによって流路部2が形成されている。
図3は、図1のA−A線断面図である。本実施形態における流路部2は、複数の貫通孔11が形成された積層板1が積層されることによって構成されているため、図3に示すように、流路部2内には、積層板1の一部12が複数配置されることとなる。このように、流路部2内に積層板1の一部12が複数配置されることによって、流路部2内を流れる流体が攪拌される。このため、例えば、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1を熱交換部品として用いる場合には、相対的に熱源に近いことによって高温とされる流体と、相対的に熱源から遠いことによって低温とされる流体とが、積層板1の一部12によって攪拌されるため、これらの流体が混合される。したがって、効率的に熱源を冷却することが可能となる。
このように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1においては、積層板1の一部12が、流体を攪拌するための攪拌部としての機能を有している。
このように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1においては、積層板1の一部12が、流体を攪拌するための攪拌部としての機能を有している。
このような構成を有する本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1の流入部3から流体がマイクロチャンネル構造体M1に供給されると、流体は、流路部2を通過した後、流出部4から流出される。具体的には、積層板1同士の隙間を流体が流れることによって流体が流路部2を通過する。
そして、例えば、マイクロチャンネル構造体M1を熱交換部品として用いる場合には、この過程において、熱源から流体及びマイクロチャンネル構造体M1自体に熱量が移動し、その結果、熱源が冷却される。
そして、例えば、マイクロチャンネル構造体M1を熱交換部品として用いる場合には、この過程において、熱源から流体及びマイクロチャンネル構造体M1自体に熱量が移動し、その結果、熱源が冷却される。
次に、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1の製造方法について説明する。
まず、図2において示した積層板1を複数枚用意する。すなわち、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1の製造方法においては、貫通孔11の形成パターンが同一の積層板1を用いる。
そして、積層板1を図1の紙面垂直方向に180°ずつ回転させて積層することによって流路部2を形成する(微細流路形成工程)。この際、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1においては、上述のように、先に配置された積層板1の貫通孔11の一部と後に配置される積層板1の貫通孔11の一部とが少なくとも一部重なるように、積層板1に貫通孔11が形成されている。このため、微細流路形成工程において、積層板1を積層することによって、積層される積層板1に形成された貫通孔11同士の一部が少なくとも重なり、これによって流体が流れる隙間が確保されている。
なお、積層した積層板1同士は、拡散接合によって接合されることが好ましい。このように拡散接合によって積層板1同士を接合することによって、積層板1,1間における熱抵抗が低下する。このため、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1を熱交換器として用いる場合には、優れた冷却能力を発揮することとなる。
なお、積層した積層板1同士は、拡散接合によって接合されることが好ましい。このように拡散接合によって積層板1同士を接合することによって、積層板1,1間における熱抵抗が低下する。このため、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M1を熱交換器として用いる場合には、優れた冷却能力を発揮することとなる。
次に、流路部2に対して流入部3及び流出部4を接合する。なお、本工程では、流入部3及び流出部4の他に流路部2の上面及び下面に天板及び底板も接合する。そして、これらの部材の接合も拡散接合によって行うことが好ましい。これによって、各部材間の熱抵抗が低下し、優れた冷却能力を発揮するマイクロチャンネル構造体とされる。
このような本実施形態のマイクロチャンネル構造体の製造方法によれば、複数の積層板1が積層されることによって流路部2が形成されるため、ワイヤ放電加工等によって流路部2を形成する場合と比較して、短時間で安価にマイクロチャンネル構造体が製造可能となる。また、積層板1の積層枚数を変化させることによって容易に流路のアスペクト比を変化させることができる。したがって、アスペクト比の高い流路を有するマイクロチャンネル構造体を容易に製造することが可能となる。
また、本実施形態のマイクロチャンネル構造体の製造方法によれば、全ての積層板1における貫通孔11の形成パターンが同一であるため、積層板1の製造コストを低減させることができる。したがって、本実施形態のマイクロチャンネル構造体の製造方法によれば、マイクロチャンネル構造体の製造にかかるコストを低減させることが可能となる。
なお、本実施形態のマイクロチャンネル構造体及びその製造方法においては、全ての部材が銅によって形成されていることが好ましい。このように全ての部材を銅によって形成することによって、マイクロチャンネル構造体M1の伝熱効率を向上させることができる。また、銅は、その性質上、加工性が高いため、より容易にマイクロチャンネル構造体を製造することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図4は、本第3実施形態のマイクロチャンネル構造体が備える流路部5の平面図である。この図に示すように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体が備える流路部5は、先に配置された積層板6と後に配置される積層板6とが紙面斜め方向にずらされている。そして、本実施形態のマイクロチャンネル構造体においても、積層される積層板6に形成された貫通孔61同士の一部が少なくとも重なり、これによって流体が流れる隙間が確保されている。
図5は、図4におけるB−B線断面図である。この図に示すように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体においても、複数の貫通孔61が形成された積層板6が積層されることによって構成されているため、図5に示すように、流路部5内には、積層板6の一部62が複数配置されることとなる。このように、流路部5内に積層板6の一部62が複数配置されることによって、流路部5内を流れる流体が攪拌される。このため、例えば、本実施形態のマイクロチャンネル構造体を熱交換部品として用いる場合には、相対的に熱源に近いことによって高温とされる流体と、相対的に熱源から遠いことによって低温とされる流体とが、積層板1の一部62によって攪拌されるため、これらの流体が混合される。したがって、効率的に熱源を冷却することが可能となる。
なお、このような構成を有する本実施形態のマイクロチャンネル構造体を製造する場合には、微細流路形成工程において、積層板6を図4の紙面斜め方向にずらして積層することによって流路部5が形成される。
このような本実施形態のマイクロチャンネル構造体においても、上記第1実施形態と同様に、複数の積層板6が積層されることによって流路部5が形成されるため、ワイヤ放電加工等によって流路部5を形成する場合と比較して、短時間で安価にマイクロチャンネル構造体が製造可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態の説明においても、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図6は、本第3実施形態のマイクロチャンネル構造体M2の斜視図である。この図に示すように、本実施形態のマイクロチャンネル構造体M2は、内部に2つ(複数)の流路20(21,22)が形成された流路部10を備えている。また、流入部30及び流出部40が流路部10を囲む筐体60と一体形成されている。
流路21,22は、流路部10内において上下方向に蛇行している。このように流路21,22を上下方向に蛇行させることによって、流路21,22内を流れる流体も上下方向に蛇行して流れる。例えば、マイクロチャンネル構造体M2を熱交換部品として用いる場合には、流路部10の熱源から遠い部位が熱源近傍と比較して温度が低くなる。このため、流体が上下方向に蛇行して流れることによって、流路部10全体(上下方向)に熱を分散させることができる。
このような本実施形態マイクロチャンネル構造体M2を製造する場合にも、複数の積層板を積層することによって流路部10を形成する。具体的には、流路21,22の形状に応じた貫通孔が形成された積層板を形成し、これらの積層板を積層することによって、流路部10を形成する。すなわち、貫通孔の形成パターンが異なる積層板を積層することによって流路部10を形成する。
このように流路部10を形成することによって、容易に複雑な流路を有する流路部を形成することが可能となる。逆に言えば、どのような形状の流路を有する流路部であっても、本実施形態のマイクロチャンネル構造体の製造方法のように、流路部を複数の積層板を積層することによって形成することで、容易に製造可能となる。
例えば、図7の模式図に示すように、上下左右方向に複数回蛇行する流路51,52を備える流路部50を形成する場合であっても、流路51,52に応じた貫通孔を有する積層板を形成し、この積層板を積層させることによって容易に形成することが可能となる。
このように流路部10を形成することによって、容易に複雑な流路を有する流路部を形成することが可能となる。逆に言えば、どのような形状の流路を有する流路部であっても、本実施形態のマイクロチャンネル構造体の製造方法のように、流路部を複数の積層板を積層することによって形成することで、容易に製造可能となる。
例えば、図7の模式図に示すように、上下左右方向に複数回蛇行する流路51,52を備える流路部50を形成する場合であっても、流路51,52に応じた貫通孔を有する積層板を形成し、この積層板を積層させることによって容易に形成することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態として、上記実施形態のマイクロチャンネル構造体を有する光源装置について説明する。なお、本実施形態の説明においては、上記第1実施形態のマイクロチャンネル構造体M1を備える光源装置について説明するが、上記第1実施形態のマイクロチャンネル構造体M1に限らず、上記第2あるいは第3実施形態のマイクロチャンネル構造体を備えることも可能である。
次に、本発明の第4実施形態として、上記実施形態のマイクロチャンネル構造体を有する光源装置について説明する。なお、本実施形態の説明においては、上記第1実施形態のマイクロチャンネル構造体M1を備える光源装置について説明するが、上記第1実施形態のマイクロチャンネル構造体M1に限らず、上記第2あるいは第3実施形態のマイクロチャンネル構造体を備えることも可能である。
図8は、本第4実施形態の光源装置100の概略構成を示した平面図である。また、図9は図8におけるC−C断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の光源装置100は、基台110と、LEDチップ120(固体発光光源)と、樹脂フレーム130と、キャップ140とを備えて構成されている。
これらの図に示すように、本実施形態の光源装置100は、基台110と、LEDチップ120(固体発光光源)と、樹脂フレーム130と、キャップ140とを備えて構成されている。
基台110は、LEDチップ120(固体発光光源)が載置されるものであり、上記実施形態のマイクロチャンネル構造体によって構成されている。
LEDチップ120は、電流を供給されることによって発光及び発熱するものであり、シリコン等によって形成されかつLEDチップ120に電力を供給するための配線が形成されたサブマウント上にフリップチップ実装され、このサブマウントごと熱伝導性の接着剤(例えば、銀ペースト)によって基台110上に実装されている。
LEDチップ120は、電流を供給されることによって発光及び発熱するものであり、シリコン等によって形成されかつLEDチップ120に電力を供給するための配線が形成されたサブマウント上にフリップチップ実装され、このサブマウントごと熱伝導性の接着剤(例えば、銀ペースト)によって基台110上に実装されている。
また、第1基台110の上面には、リフレクタ114が配置されており、さらに当該リフレクタ114を囲うように樹脂フレーム130が配置されている。そして、樹脂フレーム130の上部に支持されてキャップ140が配置されており、キャップ140と樹脂フレーム130によって形成された空間内には、シリコンオイル等が充填されている。図8及び図9に示すように、樹脂フレーム130には、アウターリード131,132がインサードモールドされており、このアウターリード131,132の一端が基台110上に配置されたフレキシブル基板117,118と接続され、他端が金ワイヤ122等によってサブマウント121上に形成された接続パッドと接続されている。そして、サブマウント121、フレキシブル基板117,118、アウターリード131,132及び金ワイヤ122を介してLEDチップ120に電力が供給される。なお、本実施形態においては、図8に示すように、各アウターリード131,132に3本ずつの金ワイヤ122が接続されているが、LEDチップ120に供給される電力量に応じて金ワイヤ122の本数は変更される。
このように構成された本実施形態の光源装置100において、LEDチップ120に電流が供給されると、LEDチップ120から光が射出され、この射出された光がキャップ140を介して光源装置100から射出される。そして、LEDチップ120から側方に射出された光は、リフレクタ114によってキャップ140方向に反射され、その後キャップ140を介して光源装置100から射出される。
そして、本実施形態の光源装置100においては、基台110として上記実施形態のマイクロチャンネル構造体M1が用いられているため、微細流路に冷却媒体(流体)を流すことによってLEDチップ120を効率的に冷却することが可能となり、LEDチップ120の熱による破損を防止することが可能となる。したがって、信頼性に優れた光源装置100となる。
また、上記実施形態のマイクロチャンネル構造体M1は、上述のように安価に大量生産することが可能なため、マイクロチャンネル構造体M1を基台110として備える光源装置100も、安価に製造することが可能となる。
また、上記実施形態のマイクロチャンネル構造体M1は、上述のように安価に大量生産することが可能なため、マイクロチャンネル構造体M1を基台110として備える光源装置100も、安価に製造することが可能となる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態として、上記第4実施形態の光源装置100を備えるプロジェクタについて説明する。
次に、本発明の第5実施形態として、上記第4実施形態の光源装置100を備えるプロジェクタについて説明する。
図10は、上記実施形態の光源装置を備えたプロジェクタ500の説明図である。図中、符号512、513、514は上記実施形態の光源装置、522、523、524は液晶ライトバルブ、525はクロスダイクロイックプリズム、526は投写レンズを示している。
図10のプロジェクタ500は、上記第4実施形態のように構成した3個の光源装置512、513、514を備えている。各光源装置512、513、514には、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)に発光するLEDチップが採用されている。なお、光源光の照度分布を均一化させるための均一照明系として、各光源装置の後方にロッドレンズやフライアイレンズを配置してもよい。
赤色光源装置512からの光束は、重畳レンズ535Rを透過して反射ミラー517で反射され、赤色光用液晶ライトバルブ522に入射する。また、緑色光源装置513からの光束は、重畳レンズ535Gを透過して緑色光用液晶ライトバルブ523に入射する。また、青色光源装置514からの光束は、重畳レンズ535Bを透過して反射ミラー516で反射され、青色光用液晶ライトバルブ524に入射する。なお、均一照明系としてフライアイレンズを用いた場合には、各光源からの光束は重畳レンズを介することにより液晶ライトバルブの表示領域において重畳され、液晶ライトバルブが均一に照明されるようになっている。
また、各液晶ライトバルブの入射側および出射側には、偏光板(図示せず)が配置されている。そして、各光源からの光束のうち所定方向の直線偏光のみが入射側偏光板を透過して、各液晶ライトバルブに入射する。また、入射側偏光板の前方に偏光変換手段(図示せず)を設けてもよい。この場合、入射側偏光板で反射された光束をリサイクルして各液晶ライトバルブに入射させることが可能になり、光の利用効率を向上させることができる。
各液晶ライトバルブ522、523、524によって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム525に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投写光学系である投写レンズ526により投写スクリーン527上に投写され、拡大された画像が表示される。
上述した本実施形態の光源装置は、LEDチップが冷却されることによって高輝度化されるとともに安価に製造することができるものである。したがって、上述した光源装置を備えることにより、表示特性の優れたプロジェクタを安価に提供することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係るマイクロチャンネル構造体及びその製造方法、光源装置、並びにプロジェクタの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記第3実施形態においては、流路部10の流路21と流路22とを独立した流路20として形成した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、流路21と流路22とを途中部位において接続しても良い。このように流路21と流路22とを接続することによって、流路21と流路22とを流れる流体が混合され、より伝熱効率を向上させることが可能となる。
また、上記第5実施形態において、固体発光光源としてLEDチップを採用したが、固体発光光源として半導体レーザ等を採用することも可能である。さらに、上述したプロジェクタでは光変調手段として液晶ライトバルブを採用したが、光変調手段として微小ミラーアレイデバイス等を採用することも可能である。
M1,M2……マイクロチャンネル構造体、1,6……積層板、11,61……貫通孔、12,62……積層板の一部(攪拌部)、2,5,10,50……流路部(微細流路)、20,21,22,51,52……流路、100……光源装置、500……プロジェクタ
Claims (9)
- 流体が流れる微細流路を有するマイクロチャンネル構造体であって、
前記微細流路は、板厚方向に貫通孔が形成された積層板を、少なくとも前記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層することによって構成されていることを特徴とするマイクロチャンネル構造体。 - 前記微細流路を複数有し、前記微細流路同士が接続されていることを特徴とする請求項1記載のマイクロチャンネル構造体。
- 前記微細流路内に、前記流体を攪拌する攪拌部を備えることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロチャンネル構造体。
- 前記攪拌部は、前記積層板の一部によって構成されていることを特徴とする請求項3記載のマイクロチャンネル構造体。
- 電流を供給されることによって発光及び発熱する固体発光光源と、当該固体発光光源が載置される基台とを有する光源装置であって、
前記基台として、請求項1〜4いずれかに記載のマイクロチャンネル構造体を用いることを特徴とする光源装置。 - 請求項5記載の光源装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
- 流体が流れる微細流路を有するマイクロチャンネル構造体の製造方法であって、
板厚方向に貫通孔が形成された積層板を、少なくとも前記貫通孔の一部同士が重なるように複数積層することによって前記微細流路を形成する微細流路形成工程を有することを特徴とするマイクロチャンネル構造体の製造方法。 - 前記貫通孔の形成パターンが同一の前記積層板をずらして積層することを特徴とする請求項7記載のマイクロチャンネル構造体の製造方法。
- 前記貫通孔の形成パターンが異なる前記積層板を積層することを特徴とする請求項7記載のマイクロチャンネル構造体の製造方法。
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JP2005042026A JP2006224253A (ja) | 2005-02-18 | 2005-02-18 | マイクロチャンネル構造体及びその製造方法、光源装置、並びにプロジェクタ |
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CN102414535A (zh) * | 2009-04-29 | 2012-04-11 | 西门子公司 | 具有叠片组的热交换设备及其制造方法 |
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- 2005-02-18 JP JP2005042026A patent/JP2006224253A/ja not_active Withdrawn
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