以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図10を参照して詳細に説明する。
図1〜図4中符号1は照明器具例えば投光器具体的にはスポットライトを示している。スポットライト1は、このライトの光源を形成し、かつ、好ましくはLEDモジュール等からなる複数例えば一対の発光装置2と、突出された受熱部35を有するヒートシンク3と、凹面反射鏡4をなす複数の凹面鏡部材41と、鏡支持部材5を具備している。
各発光装置2は、COB(chip on board)型のものであって、図5〜図8に示すように基板11と、複数の半導体発光素子例えばLEDチップ21と、枠部材25と、透光性の封止部材27等を具備している。
基板11は例えばDCB(Direct Copper Bonding)基板からなる。具体的には、図8等に示すように基材12と、正面金属部材14と、給電部16と、裏面金属部材18を備えている。
基材12は、Al2O3、ALN、SiN等のセラミックス材料の平板で形成されている。図5及び図7に示すように板状の基材12は、その周部例えば四隅の内の二つの隅部に凹部12aを有している。これら一対の凹部12aは、180°隔たって基材12の対角線上に設けられている。これとともに、一対の凹部12aは、基材12の周部を切り欠くように設けられていて、基材12の周面及び厚み方向に夫々開放されている。
図5に示すように基材12の正面をなす一面はLEDチップ21が実装される実装面12bであり、基材12の裏面12cは実装面12bと反対側の他面からなり、これら両面は平行である。
正面金属部材14及び給電部16は基材12に対してその正面側に配置されている。詳しくは、基材12の実装面12bにDCB法により正面金属部材14及び給電部16が直接接合されている。正面金属部材14はLEDチップ21の放熱及びこのチップの光りを反射するために設けられている。
裏面金属部材18は基材12に対してその裏面12c側に配置されている。詳しくは、基材12の裏面12cにDCB法により裏面金属部材18が直接接合されている。正面金属部材14、給電部16、及び裏面金属部材18はいずれも銅板である。
DCB法による直接接合では、銅板の一面に酸化銅被膜を形成し、この酸化銅被膜をセラミックス製の基材12に向けて基材12に前記銅板を配置し、加熱炉において銅板の溶融温度より低く酸化銅被膜の溶融温度より高い温度で加熱することにより、銅板とセラミックス製の基材12の接合界面に共晶溶融物を形成して、この共晶溶融物により前記銅板を基材12の実装面12b又は裏面12cに接合する。
実装面12bに直接接合された正面金属部材14は、マトリクス状に分割された複数のパターン部14aからなる。図9に示すように各パターン部14aは複数のLEDチップ21の実装位置に対応して縦横に間隔的に並べられ既述のようにマトリクス状に配設されている。
実装面12bに直接接合された給電部16は、パターン部14aの配列方向(例えば図9において左右方向)にこれらパターン部14aを間に置いて、これらパターン部14aの両側に隣接して配置されている。これら一対の給電部16の一端部が実装面12bに直接接合されていて、パターン部14aの配列方向の端に配置されたパターン部14aに夫々隣接して設けられている。
各給電部16の他端部は、給電端部16aとして用いられ、基材12の周部から基材12外に向けて真っ直ぐに突出されている。給電端部16aはその高さ位置を変えることなく例えば実装面12bと平行に設けられている。しかし、この給電端部16aは、実装面12bから離れる方向に折れ曲がってから、更に実装面12bと平行になるように折れ曲がることによって、基材12の周部から突出されていてもよい。給電部16は基材12の中心に対し点対称に設けられているとともに、その給電端部16aは図5及び図7に示すように基材12の凹部12aに対してずれて配置されている。給電端部16bには図示しない給電用の絶縁被覆電線が接続される。
なお、図9に示すようにLEDチップ21を一方の配列方向毎に直列に接続したLED直列回路を複数設けたので、LED直列回路毎に給電をする給電部16が既述のように左右に一対形成されている。しかし、全てのLEDチップ21を直列に接続して給電する場合には、直列接続の両端位置のパターン部14aに隣接して給電部16を形成すれば良い。
正面金属部材14及び給電部16の表面には、これら正面金属部材14及び給電部16より遥かに薄い図示しない金属層が積層されている。この金属層は、前記表面に例えば略3μmの厚みでメッキされたニッケルメッキ層等からなる下地メッキ層と、この上に例えば略0.3μmの厚みでメッキされた表層メッキ層とからなり、表層メッキ層は例えば銅又は銀或いは金等のメッキ層からなる。表層メッキ層を銀メッキ層で形成することは、正面金属部材14をなす各パターン部14aでの光反射性能を高く確保できる点で好ましい。
基材12の実装面12bに正面金属部材14及び給電部16を所定のパターンで配設するには、所定厚みを有する一枚の金属材例えば銅板を、打ち抜きプレス機の金型等で所定のパターンに打ち抜き形成したものを実装面12bに直接接合し、メッキ処理を施した後、実装面12bに接合されている銅板からなる金属材の内で、必要な部位同士を接続していたブリッジ部の不要な部分を切除することによって実現できる。或いは、所定の厚みを有しかつ所定の大きさに形成された一枚の銅板からなる金属材を、基材12の実装面12bに直接接合した後、エッチングによって不要な部位を野祖いて所定のパターンに形成し、その後、残った必要部分、つまり、正面金属部材14及び給電部16に対してメッキ処理を施すことで実現可能である。
基材12の裏面12cにDCB法により直接接合された裏面金属部材18は、基板11の反り防止及び放熱等のために設けられていて、好ましくは図6に示すように基材12の裏面12cの略全域を覆っている。この裏面金属部材18は、平板であるとともに、図5〜図7に示すように複数例えば2箇所に固定部18aを一体に有している。
固定部18aは、基材12の周部より突出されていて、この基材12の前記凹部12aに基材12の裏側から臨んでいる。この固定部18aにねじ通し部例えばねじ通孔19が形成されている。ねじ通し部は切り欠き状の凹みで形成することもできる。
板状の金属素材を材料として基材12に接合された正面金属部材14、給電部16、及び裏面金属部材18の厚みは、これらが基材12に直接接合して設けられることにより所望の厚みとすることができ、例えば200μm〜500μmの範囲で選択される。この厚みは金属メッキ層に比較して遥かに厚く、そのために、機械的強度を確保できる。
更に、裏面金属部材18の厚みは、正面金属部材14の給電部16の厚みより薄い。この裏面金属部材18の厚みは、DCB法による基板11の製造での直接接合後に常温まで温度降下する場合、正面金属部材14側が凸となり裏面金属部材18側が凹となるように基板11が反ることを抑制できるように、正面金属部材14のパターンに応じて定められている。
各LEDチップ21には例えば青色発光をするLEDチップが用いられている。これらのLEDチップ21は、図8に示すようにサファイア等からなる素子基板21a上に単色の青色発光をする半導体発光層21bが積層され、この半導体発光層21b上に正負一対の素子電極21cが互いに配置された半導体ベアチップである。
LEDチップ21は、その半導体発光層21bと反対側に位置する素子基板21aの裏面をダイボンド材22で各パターン部14aに夫々固定することによって基材12の実装面12b上に実装されている。ダイボンド材22は、銀ベースト又は樹脂接着剤例えば透明シリコーン樹脂等からなる。
各LEDチップ21の実装は約300℃の温度をかけながら行われる。この場合、正面金属部材14及び給電部16が基材12の実装面12bに占める面積と、裏面金属部材18が基材12の裏面12cに占める面積との差、言い換えれば、これらの面積と厚みを元に換算が可能な基材表裏面での金属材のボリューム差に基づいて、基材12の実装面12b側が凸となり裏面12c側が凹となるように基材12が反ることを、正面金属部材14及び給電部16の厚みより裏面金属部材18の厚みが薄いことにより抑制できる。
なお、LEDチップ21の実装工程で前記反りが過大に発生すると、ダイボンド材22の厚みを適正に管理することが難しくなる。このようになった場合、ダイボンド材22によりLEDチップ21の実装不良を生じる恐れがあるとともに、点灯時のLEDチップ21の発熱をパターン部14aにダイボンド材22を介して放出する性能が低下し、LEDチップ21の発光性能及び寿命の低下がもたらされる恐れがある。更に、点灯時における前記反りの発生により、基板11の中央部が後述の受熱面から離れ、それを原因とするヒートスポットが形成され、それによるLEDチップ21の発光性能及び寿命の低下がもたらされる恐れがある。
しかし、既述のように正面金属部材14及び給電部16の厚みより裏面金属部材18の厚みを薄くして、LEDチップ21の実装時及び点灯時等における前記反りを抑制できるので、以上説明した不具合を改善できて、品質を高めることができる。
更に、スポットライト1の点灯に伴い、既述の基材表裏面での金属材のボリューム差に基づいて、基材12の実装面12b側が凸となり裏面12c側が凹となるように基材12が反ることを、正面金属部材14及び給電部16の厚みより裏面金属部材18の厚みが薄いことにより抑制できる。そのため、前記反りを原因として、基板11の中央部が後述の受熱面から浮くように離れることを原因とするヒートスポットが形成されないようにできる。
図8及び図9に示すように各LEDチップ21の素子電極21cとパターン部14a及び給電部16とはボンディングワイヤ23によって電気的に接続されている。この場合、一方の極の素子電極21cは、この電極を有したLEDチップ21が実装されたパターン部14aにボンディングワイヤ23によって接続され、他方の極の素子電極21cは、電極を有したLEDチップ21が実装されたパターン部14aに隣接した他のパターン部14aにボンディングワイヤ23によって接続されている。
更に、こうして直列接続されたLEDチップ列の一端に位置したLEDチップ21の素子電極21cが、一方の電極部16にボンディングワイヤ23によって接続され、前記LEDチップ列の他端に位置したLEDチップ21が実装されたパターン部14aが、他方の電極部16にボンディングワイヤ23によって接続されている。これにより、各LEDチップ列は、その列が延びる方向の両側に位置された給電部16間に直列接続されている。
図5及び図8に示すように枠部材25は、略正四角の枠をなしていて、その内側に給電部16の一部及び各LEDチップ21を納めて、基板11の実装面12b上に接着により取付けられている。
この枠部材25の内側に封止部材27が充填されていて、この封止部材27で各LEDチップ21が覆われていて、好ましくは、封止部材27は各LEDチップ21を埋設している。封止部材27は、透明樹脂、例えば透明なシリコーン樹脂製で、この内部に図示しない蛍光体が混入されている。蛍光体は、青色発光をするLEDチップ21が発する光の一部により励起されて所定の色の光を放射するものであり、例えば青色光に対して黄色光、赤色光、或いは緑色光を夫々放射する黄色蛍光体、赤色蛍光体、或いは緑色蛍光体が、予め設定された所定の配合比で配合されている。
前記構成の光源である各発光装置2の発光部は封止部材27が形成している。この封止部材(発光部)27の大きさは、81〜225mm2の面積を有した大きさであり、例えば発光部が正方形の形状である場合、縦横9〜15mmの大きさである。
封止部材27の大きさが81mm2未満である場合、複数のLEDチップ21を実装しし難くなるとともに、各LEDチップ21が密に集中し過ぎた配置となって、各LEDチップ21の放熱が不足する恐れがある。放熱が不足すると、各LEDチップ21の発光性能及び寿命が低下する。しかし、こうした不具合を以上の大きさの封止部材(発光部)27としたことにより解消できる。
又、封止部材27の大きさが225mm2を超える場合、光源が大形となるにしたがい、スポットライト1の1/2ビーム角がより大きく広がるようになるので、所望の配光、つまり、1/2ビーム角を10〜30°の角度とすることが困難となる。しかし、こうした不具合は、以上の大きさの封止部材(発光部)27としたことにより改善でき、所望の配光を得ることができる。
又、本発明で、発光装置2の発光部は、その大きさが前記数値範囲であれば、長方形又正方形等の四角形、円形、若しくはこれらに近似した形状とすることができる。更に、このスポットライト1は高出力であり、そのために、各発光装置2の合計消費電力を20〜100Wとしてある。この消費電力とすることにより、各発光装置2の光束を1500〜12000lmとすることができる。
なお、前記発光装置2の基板11には、DCB基板以外に、DBA(Direct Brazing Aluminum)基板、又はAMC(Active Metal Brazed Copper)基板等を用いることができる。DBA基板は、セラミックス基材に金属部材としてアルミニウム板を蝋着して形成されたものである。AMC基板は、セラミックス基材に金属部材として銅板を蝋着して形成されたものである。
又、発光装置2の給電部16は、セラミックス等の基材12の周部から外側に突出していても、或いは、こうした突出状態に設けられるのではなく、基材12の一部に孔又は溝等からなる取付け部を設け、この取付け部から突出された状態に設けられていてもよい。
更に、発光装置2の裏面金属部材18の周部全体が、セラミックス等の基材12の周部より突出されている場合、この周部に形成されたねじ通孔(ねじ通し部)19がある部位を固定部として用いることができる。又、裏面金属部材18は、その固定部を除いた領域を基材12と略同じ大きさとして、固定部のみが基材12の周部から突出されるようにしてもよい。更に、裏面金属部材18は、孔や切り欠きがない平板に限らず、例えば、正面金属部材14のパターンに応じて、このパターンに粗密がある場合等には、密度が相対的に高い部位に対応して孔や切り欠きを設けることも可能である。
以上の構成の発光装置2はヒートシンク3に取付けられている。
すなわち、図3及び図4に示すようにヒートシンク3は、例えばヒートシンク本体31と、受熱部35とを備えている。ヒートシンク本体31は、例えばアルミニウムのダイカスト製であり、略円板状のベース部32の裏面に板状の放熱フィン33を複数突設して形成されている。各放熱フィン33は互に略平行である。
受熱部35は、ヒートシンク本体31と同種又は異種の金属製で、略長四角形状をなしている。前記異種の金属としてCu(銅)を挙げることができ、又、前記同種の金属として「A5052」と通称されるアルミニウム、又は「ADC12」と通称されるアルミニウムを挙げることができる。第1実施形態では受熱部35がこの、例えばヒートシンク本体31とは別体であるので、受熱部35の後側面をベース部32の表面(正面)に接触させて、ヒートシンク本体31の裏側から挿入された複数のねじ等の連結具34(図3参照)によってベース部32に連結されている。
なお、受熱部35がヒートシンク本体31と同じ金属である場合には、ベース部32に受熱部35を一体に成形することも可能である。ベース部32からスポットライト1の光の出射方向に突設された受熱部35は、ベース部32の中心を通ってこのベース部32の径方向に延びていて、かつ、放熱フィン33と平行に設けられている。図4中符号32aは連結具34が通る連結孔を示している。
受熱部35は、受熱面をなす複数の側面35c、例えば対をなして互に平行な一対の側面を有している。これら互に平行な側面(受熱面)35cは、鉛直方向に沿っているとともに、これら側面(受熱面)35c間の受熱部35の厚みt(図2参照)は4〜15mmである。
図10はスポットライト1で受熱部35を形成する金属材料を変えた場合それぞれの材料の板厚と発光装置2の温度との関係を示すグラフである。このグラフにより、受熱部35が「A5052」と通称されるアルミニウム製である場合が、発光装置2の温度が最も低く、したがって、発光装置2から受熱部35ヘの放熱性が最も高く、又、受熱部35が銅製である場合が、発光装置2から受熱部35ヘの放熱性が次に高く、受熱部35が「ADC12」と通称されるアルミニウムである場合が、前記三種の金属の中では最も放熱性が低いことが分かる。更に、受熱部35の厚みtが4mm以上であれば、発光装置2の温度を略173度以下にでき、過度に発光装置2の温度が上がらないことが分かる。
すなわち、受熱部35の厚みtを4〜15mmとすることで、各発光装置2の熱を、ヒートシンク3の受熱部35を経由させてヒートシンク本体31に十分に放出して、各発光装置2が有する各LEDチップ21の温度が過度に上昇しないようにできる。しかも、受熱部35の厚みが15mm以下と薄いので、スポットライト1の後述する開口から投光される光のパターンの大きさであるスポット径を小さくし、かつ、そのパターンを真円に近似させることが可能であるとともに、受熱部35の厚みtが目立ち難くなり、スポットライト1の体裁を向上できる点でも好ましい。
受熱部35の突出基部は、それより前側(光出射側)に位置されて発光装置2が取付けられた発光装置取付け部位より幅が広く、言い換えれば、受熱部35の厚み方向の断面積が大きくなるように形成されている。そのために、前記受熱部35の各側面35cに受熱面に夫々連続したフィン状の放熱凸部35b(図2及び図3参照)が受熱部35と一体に形成されている。
この放熱凸部35bは例えば先細り状であるが、そうでなくても良い。なお、放熱凸部35bは受熱部35の両側面35cに連続するだけではなく、受熱部35の突出基部を連続して一回り囲むように設けることも可能である。これとともに、受熱部35とは同種又は異種の金属で受熱部35とは別体に形成した放熱凸部35bを突出基部に装着することも可能である。
こうした放熱凸部35bを受熱部35が有することによって、受熱部35からヒートシンク本体31のベース部32への接合面積、言い換えれば、伝熱面積を大きく確保できる。そのため、受熱部35を経由したヒートシンク本体31への発光装置2の放熱性能を向上できる。それに伴い、受熱部35の厚みtを極力薄くしつつ所定の放熱特性を満たし、かつ、スポットライト1の後述する開口から投光される光のパターンの大きさであるスポット径を小さくする上で好適である。
受熱部35の受熱面をなす両側面35cに夫々発光装置2が固定されている。これら発光装置2は、裏面金属部材18を受熱部35に向けるとともに、この裏面金属部材18と受熱部35の側面35cとの間に伝熱シート36(図4等参照)を挟んで固定されている。この固定は、前記固定部18aのねじ通孔19を通って受熱部35にねじ込まれる図示しないねじで行なわれている。
なお、図4中符号35aは受熱部35の両側面35cに夫々形成された逃げ溝を示し、この逃げ溝35aに給電部16が対向して配置されている。又、逃げ溝35aには、給電部16の給電端部16aに接続される図示しない絶縁被覆電線が配線されるようになっている。
伝熱シート36は熱伝導性が良いシリコン樹脂製であり、軟質である。そのため、基板11が温度変化等で多少反ることがあっても、受熱部35の側面35cと基板11の裏面金属部材18との間に隙間が形成されないようにこれらの間に充填状態に挟まれて、前記受熱面に対する発光装置2の放熱面である裏面金属部材18からの伝熱性を向上できるようになっている。
発光装置2の被取付け部材であるヒートシンク3の受熱部35にねじ止めされる発光装置2の基板11は、DCB基板であり、既述のようにセラミックス製の基材12の裏面に直接接合により被着された裏面金属部材18を備えているので、この裏面金属部材18には厚みが例えば200μm〜500μmの銅板を用いることができる。
そのため、この裏面金属部材18と一体でかつねじ通孔19が形成された固定部18aは、受熱部35に基板11をねじ止めするに足る十分な強度を有している。そして、この固定部18aは、基材12の周部から外れた位置、つまり、基材12の周りにこの基材12の周部から突出されているので、セラミックス製の基材12にねじを通すことなく、固定部18aのねじ通孔19にねじを通して発光装置2の基板11を受熱部35に取付けることができる。
しかも、ねじ通し部例えばねじ通孔19が形成された固定部18aは、既述のようにDCB基板からなる基板11の裏面金属部材18と一体であるから、こうした固定部18aに相当する別部品を要しない。そのため、部品点数の増加がなく既述のねじ止めができ、コスト的に有利である。
更に、発光装置2の基板11を受熱部35に固定するねじが、既述のようにセラミックス製の基材12を通らないので、ねじの締め付けトルクによって基材12が破損しないようにできる。
図1〜図4に示すように凹面反射鏡4はアルミニウム等により作られた一対の凹面鏡部材41からなる。各凹面鏡部材41の反射面は、放物面で形成されているとともに、鏡面に仕上げられている。更に、凹面鏡部材41は、その光出射側に位置された半円弧状の縁41aと、この縁41aに対して反対側の奥まった端部に平坦な座面部41bを有している。これとともに、座面部41bに切り欠き41c(図4参照)が形成されている。
これら凹面鏡部材41は、その座面部41bをヒートシンク本体31のベース部32の正面に接触させた状態で、切り欠き41cを通ってベース部32にねじ込まれたねじ42によって、ベース部32に固定されている。図4中符号32cはねじ42がねじ込まれるベース部32の固定孔を示している。ベース部32への一対の凹面鏡部材41のねじ止めは、ベース部32の受熱部35が連結される前に行われる。
こうしてヒートシンク本体31のベース部32にその正面側から固定された一対の凹面鏡部材41は、受熱部35の両側に、この受熱部35を境に線対称に配置されている。そのため、これら凹面鏡部材41の放物面からなる反射面に、発光装置2の発光部、つまり、蛍光体入りの封止部材27が対向されている。発光装置2から放射された光をスポットライト1の光軸L(図3参照)に平行に反射させるために、発光装置2の発光部の中心P(図9参照)は、凹面鏡部材41の焦点位置に配置されている。
図9に示すようにLEDチップ21は発光装置2の発光部の中心Pにからずれて配置されている。言い換えれば、LEDチップ21の真上に凹面鏡部材41の焦点が位置しないように凹面鏡部材41が配設されている。こうした配置とすることで、LEDチップ21の発光色(青色)の光が、投光されたパターンの中央部でその周りより強くなる色むら、所謂「青抜け」となることを抑制できる。
受熱部35の長手方向両端部には、正面側から鏡押え45が夫々ねじ止めされている。これら鏡押さえ45は、取付け片部45aとこれから折れ曲がった塞ぎ片部45bとを有している。
取付け片部45aが受熱部35にねじ止めされることにより、塞ぎ片部45bが、受熱部35の厚みに相当して隔てられている一対の凹面鏡部材41にわたってこれらの間の隙間を塞ぐように配置されている。これにより、図1及び図2に示すように塞ぎ片部45bの先端縁45cと一対の凹面鏡部材41の縁41aとが円形に近似した形状に連続されている。この円形に近似した開口の径D(図2及び図3参照)は90〜120mm例えば100mmである。又、この開口から凹面鏡部材41が固定されたヒートシンク本体31までの深さM(図3参照)は40〜80mmである。
凹面反射鏡4のカバーを兼ねる鏡支持部材5は、円筒形の基部5aとこの一端から折れ曲がった支え部5bとからなる。支え部5bは基部5aより大径なテーパ形状をなし、正面視円環形である。鏡支持部材5は、その基部5aをベース部32の正面に接触させるとともに、支え部5bを凹面反射鏡4の周部裏面に接触させて、これらベース部32と凹面反射鏡4の周部との間に挟設されていて、凹面反射鏡4をその裏側から支持している。
この鏡支持部材5の挟み込みは、予めベース部32の正面側に鏡支持部材5を配置した状態で、ベース部32に一対の凹面鏡部材41をねじ止めすることで行われる。鏡支持部材5が有した支え部5bの開口縁5cは、凹面鏡部材41の縁41a及びこれに連続した鏡押さえ45の先端縁45cよりも前側、つまり、光出射側に位置されている。したがって、図3に示すように凹面反射鏡4及び鏡押え45は鏡支持部材5内に収容されている。なお、図1及び図4中符号5dは通線孔を支援し、この通線孔5dには給電部16に至る図示しない絶縁被覆電線が通される。
前記構成のスポットライト1は、COB型の発光装置2を光源として複数用いるので、合計消費電力が20〜100Wの高出力を実現できる。このスポットライト1が点灯されると、各発光装置2の各LEDチップ21が発光する。これとともに、蛍光体入り封止部材(発光部)27が白色に発光し、この発光は、発光部に対向している凹面鏡部材41に入射される。
そのため、この入射光は、発光部が対向している凹面鏡部材41で光の利用方向に反射されて、凹面鏡部材41の縁41a及びこれに連続した鏡押さえ45の先端縁45cがなす略円形の開口を通って、図示しない照射対象に向けて出射される。この場合、一対の凹面鏡部材41で反射された光の投射パターンは略円形であり、かつ、これらのパターンは、スポットライト1に対して十分遠方に位置する照射対象上において略合致される。
このように各発光装置2が発した光を、既述のように夫々の発光装置2に対向した個々の凹面鏡部材41で光の利用方向に反射させることで1/2ビーム角を制御して、各凹面鏡部材41が作った開口から投光するので、各凹面鏡部材41により光の出射方向と投射パターンが制御されて、10〜30°の狭い1/2ビーム角を得て照明することができる。
ちなみに、第1実施形態のように一対の発光装置2の発光部が略正方形であり、これら発光装置2が発光する光束(モジュール光束)が2500lm(従って、スポットライト1全体では5000lm)の場合、このスポットライト1の中心光度は38789cd、1/2ビーム角は16.2°であった。
しかも、各発光装置2の発光部をなす封止部材27の面積が225mm2以下であり、発光部の面積が小さく制限されている。これとともに、各発光装置2は、光軸Lに直交する平面に配設されているのではなく、ヒートシンク3が有する受熱部35の光軸Lと平行な平面で形成された側面(受熱面)35cに配設されている。それにより、所望の高出力を得る上で、各発光装置2の配置がスポットライト1の径方向の大きさに影響することがないため、各凹面鏡部材41により作られた凹面反射鏡4の開口の径D(図2及び図3参照)を90〜120mmと小さくでき、したがって、コンパクトなスポットライト1を構成できる。
又、点灯状態で、各発光装置2に発生する熱は、ヒートシンク3の受熱部35に伝導され、更に、この受熱部35からヒートシンク本体31に伝導して大気中に放出される。この場合、各発光装置2の発光部をなす封止部材27の大きさが81〜225mm2であるので、複数のLEDチップ21が密に集中し過ぎた配置となって、各LEDチップ21の放熱が不足することがない。したがって、各LEDチップ21の発光性能及び寿命の低下を抑制できる。
以上のように前記第1実施形態のスポットライト1は、20〜100Wの高出力でありながら開口径Dが90〜120mmと小さくコンパクトであり、かつ、1/2ビーム角を10〜30°と狭くできる。
更に、前記スポットライト1の受熱部35が有した一対の側面(受熱面)35cは、互に平行で鉛直方向に沿って設けられている。そのため、受熱部35をその厚み方向に挟持するように配設された一対の発光装置2が、横置き状態でかつ上下に並ぶことがなく、縦置き状態で受熱部35の厚み方向に並んで配置されて、一方の発熱装置2の熱で他方の発熱装置2の温度が更に上昇されないようにできる。
これに対して、受熱部35をその厚み方向に挟持するように配設された一対の発光装置2が横置き状態でかつ上下方向に平行に並んで配置されている場合、下位置の発光装置の熱が上位置の放熱装置に波及して、上位置の発光装置2のLEDチップ21の温度が下位置の発光装置のLEDチップ21の温度より高くなり易く、それにより、上位置の発光装置のLEDチップ21の発光性能及び寿命が低下する恐れがある。
又、スポットライト1の点灯と消灯に伴いその発光装置2の基板11の温度は変化する。スポットライト1の点灯時、各LEDチップ21の発熱により基板11及び受熱部35は温度上昇する。この場合、受熱部35の熱膨張の方が、基板11のセラミック製の基材12の熱膨張より大きいので、この熱膨張差により基板11は受熱部35の側面(受熱面)35cで押されてこの受熱面から離れる方向に凸となるように変形する。これとともに、基材12の裏面に直接接合されている銅製の裏面金属部材の熱膨張の方が、セラミック製の基材12の熱膨張より大きいので、この熱膨張差により基板11が受熱部35の側面(受熱面)35cから離れる方向に凸となるように変形する。
それにも拘らず、既述のように基材12にねじを通すことなく、固定部18aのねじ通孔19にねじを通して発光装置2の基板11が受熱部35に取付けられているので、ねじ止め部を原因としてセラミック製の基材12に負荷が掛かることがなく、それにより、基材12が破損しないようにできる。
以下、図11〜図20を参照して第2〜第8の各実施形態を説明する。これらの実施形態において、第1実施形態と同一構成については、第1実施形態と同一符号を付してその説明を省略し、以下、第1実施形態とは異なる事項を説明する。
図11に示した本発明の第2実施形態では、受熱部35をはさむようにその側面(受熱面)35cに夫々取付けられた各発光装置2の発光部をなした封止部材27の形状を略長方形としてある。この略長方形の封止部材(発光部)27は、スポットライト1の光軸(図11では図示しないが、図3中符号L参照)に沿った方向に短く、光軸に直交する方向に沿って長く形成されている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
このような形状及び配置の発光部を有した発光装置2を備えた第2実施形態によれば、第1実施形態のように発光部が略正四角形で、これが傾かないように発光装置2が受熱部35に取付けられた構成に比較して、より狭い1/2ビーム角を得ることができる。
ちなみに、第2実施形態でその一対の発光装置2が発光する光束(モジュール光束)が2500lm(従って、スポットライト1全体では5000lm)の場合、このスポットライト1が投光したスポット光のパターンの中心光度は38813cd、1/2ビーム角は12.3°であった。このように中心光度を向上でき、かつ、1/2ビーム角を狭くできた。
なお、この第2実施形態に対して、略長方形の封止部材27を、スポットライト1の光軸に沿った方向に長く、光軸に直交する方向に沿って短く形成することは好ましくなかった。つまり、この比較例(なお、前記条件以外の発光面積等は第1実施形態と同条件)の中心光度と1/2ビーム角を測定したところ、中心光度は19411cdと減少し、1/2ビーム角は19.7°と広がることが測定された。
更に、他の比較例として、第1実施形態で説明した発光面積を満たした円形の封止部材(発光部)27を有した発光装置を作成し、これを受熱部に装着した他の比較例を作成して、その中心光度と1/2ビーム角を測定したところ、中心光度は38869cd、1/2ビーム角は16.1°と、第1実施形態のものと略同じであった。
図12に示した本発明の第3実施形態では、各発光装置2の発光部をなした封止部材27の形状は略正四角形であるが、この封止部材27の一つの対角線が、スポットライト1の光軸(図12では図示しないが、図3中符号L参照)と平行となるように各発光装置2が受熱部35の側面(受熱面)35cに夫々取付けられている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
このような形状及び配置の発光部を有した発光装置2を備えた第3実施形態によれば、第1実施形態のように略正四角形で、これが傾かないように発光装置2が受熱部35に取付けられた構成に比較して、より狭い1/2ビーム角を得ることができる。
ちなみに、第3実施形態でその一対の発光装置2が発光する光束(モジュール光束)が2500lm(従って、スポットライト1全体では5000lm)の場合、このスポットライト1の中心光度は37873cdと第1実施形態と比較して多少下がるものの、1/2ビーム角は11.4°と、より狭くできた。
図13〜図15に示した本発明の第4実施形態では、各発光装置2の発光部をなした封止部材27の中心(なお、図9中の符号P参照)が、各凹面鏡部材41の焦点に対して光軸Lに沿ってずらされている。この場合のずれ方向は、スポットライト1の開口側(言い換えれば、光の出射側)であっても、この開口とは反対方向に位置された受熱部35の突出基部側(言い換えれば、光の反出射側)にずれていてもよい。
前者のように開口側にずらす場合には1〜2mm焦点からずらせばよく、後者のように受熱部35の突出基部側にずらす場合には1〜2.5mm焦点からずらせばよい。なお、図13中は後者のようにずらした例であり、符号Aは各発光装置2の発光部をなした封止部材27の中心を通る直線を指しており、符号Bは各凹面鏡部材41の焦点を通る直線を示しており、符号Cはずれ量を示している。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
この第4実施形態によれば、第1実施形態のように前記ずれがない構成に比較して、1/2ビーム角をより狭めることができるとともに、中心光度を向上させることができる。
ちなみに、第4実施形態でその一対の発光装置2が発光する光束(モジュール光束)が2500lm(従って、スポットライト1全体では5000lm)の場合、前記ずれ量Cを光の出射側にしたスポットライト1の形態では、その1/2ビーム角が図14の右側に示すように狭くなるとともに、中心光度が図15の右側に示すようにピーク的に高くなることが測定され、前記ずれ量Cを光の反出射側にしたスポットライト1の形態でも、その1/2ビーム角が図14の左側に示すように狭くなるとともに、中心光度が図15の左側に示すようにピーク的に高くなることが測定された。なお、図14及び図15において、光軸Lに沿うずれ量Cがプラスの範囲は光の出射側へのずれ量を示し、光軸Lに沿うずれ量Cがマイナスの範囲は光の反出射側へのずれ量を示している。
図16に示した本発明の第5実施形態では、受熱部35の両側に取付けられた一対の発光装置2に個別に対向した一対の凹面鏡部材41が、受熱部35を境に非線対称の配置で設けられている。例えば、図16において右側の凹面鏡部材41が左側の凹面鏡部材41より下がって受熱部35に固定されている。それにより、一対の凹面鏡部材41の焦点は、図16において受熱部35の長手方向(上下方向)にずれている。このずれ量を符号Eで示す。
これとともに、受熱部35の両側に取付けられた一対の発光装置2も、受熱部35を境に非線対称の配置で設けられている。例えば、図16において右側の発光装置2が左側の発光装置2がより下がって受熱部35に固定されている。そのため、一対の発光装置2の発光部の中心位置も、図16において受熱部35の長手方向(上下方向)に前記ずれ量Eと同じにずれている。又、このずれに応じて隣接する凹面鏡部材41の縁41aにわたる鏡押さえ5の先端部地45cは、斜めに形成されている。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
又、この第5実施形態で、一対の凹面鏡部材41は、図16において相対的に高さ位置が異なれば、受熱部35の高さ方向の1/2の点を中心とする点対称に設けられていても良く、同様に、一対の発光装置2の発光部の中心位置も、図16において相対的に高さ位置が異なれば、受熱部35の高さ方向の1/2の点を中心とする点対称に設けられていても良く。
この第5実施形態によれば、発光部の中心位置に起因するヒートスポットが受熱部35にできることを防止できる。
つまり、複数のLEDチップ21(図9参照)が配列されたCOB型発光装置2の点灯状態での温度分布は、発光部の中心P(図9参照)の位置に相当する部位が最も温度が高く、この部位より周囲側に遠ざかるほど温度が低くなる。このような温度特性を有する発光装置2が受熱部35を間に置いて相対向するように配置されていて、それらの発光部の中心Pが受熱部35を間に置いて同様な位置にあると、最も温度が高い発光部中心の温度が互に干渉して受熱部35にヒートスポットが形成されてしまう。このヒートスポットの形成は、受熱部35が薄くなるほど顕在化する。
しかし、第5実施形態では、対応する一対の発光装置2の発光部の中心Pの位置が、図16において上下方向、言い換えれば、スポットライト1の光軸に直交する方向に沿って、ずれている。そのため、最も温度が高い発光部中心の温度が互に干渉することが抑制されて、受熱部35にヒートスポットが存在しないようにできる。それに伴い、受熱部35の薄肉化を図ることも可能である。したがって、受熱部35からヒートシンク本体31への放熱を良好にでき、それに伴い発光装置2の温度を下げ得る点で好ましい。なお、対応する一対の凹面反射鏡4がずれていることにより配光特性への影響は実質的に無視できる程度である。
図17に示した本発明の第6実施形態では、受熱部35の両側に取付けられた一対の発光装置24が、スポットライト1の光軸Lに沿って相対的にずれている。したがって、発光装置2の発光部の中心位置も、互に光軸Lに沿って相対的にずれている。そして、このずれを得るために、一対の発光装置2の発光部の中心位置は、図17において光軸に沿う位置が相対的に異なるように、受熱部35の高さ方向の1/2の点を中心とする点対称に設けられている。このずれ量を符号Fで示す。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
この第6実施形態においても、第5実施形態と同様に、発光部の中心位置に起因するヒートスポットが受熱部35にできることを防止できる。
つまり、複数のLEDチップ21(図9参照)が配列されたCOB型の発光装置2の点灯状態での温度分布は、発光部の中心P(図9参照)の位置に相当する部位が最も温度が高く、この部位より周囲側に遠ざかるほど温度が低くなる。このような温度特性を有する発光装置2が受熱部35を間に置いて相対向するように配置されていて、それらの発光部の中心Pが受熱部35を間に置いて同様な位置にあると、最も温度が高い発光部中心の温度が互に干渉して受熱部35にヒートスポットが形成されてしまう。このヒートスポットの形成は、受熱部35が薄くなるほど顕在化する。
しかし、第6実施形態では、対応する一対の発光装置2の発光部の中心Pの位置が、図16において前後方向、言い換えれば、スポットライト1の光軸Lが延びる方向に沿って、ずれている。そのため、最も温度が高い発光部中心の温度が互に干渉することが抑制されて、受熱部35にヒートスポットが存在しないようにできる。それに伴い、受熱部35の薄肉化を図ることも可能である。したがって、受熱部35からヒートシンク本体31への放熱を良好にでき、それに伴い発光装置2の温度を下げ得る点で好ましい。
図18に示した本発明の第7実施形態では、ヒートシンク本体31のベース部32が第1実施形態で説明した鏡支持部材を兼ねている。つまり、ベース部32の前面は好ましくは抉られたような形状で放物面の一部をなしている伝熱接触面32dで形成され、この伝熱接触面32dは、アルミニウム等の金属製の各凹面鏡部材41の裏面に面接触されている。なお、伝熱接触面32dは、必ずしも放物面の一部をなす曲面で形成される必要はなく、要は、凹面反射鏡4をなす各凹面鏡部材41に伝熱可能であれば、いかなる形状であってもよい。又、符号32eは通線用の空隙を示している。この第7実施形態において凹面鏡部材41はその板厚を厚くして形成することが好ましい。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
この第7実施形態では、各発光装置2で発生して受熱部35を経由してベース部32に伝導した熱の一部を、このベース部32の伝熱接触面32dから各凹面鏡部材41に伝導させて、これら凹面鏡部材41から大気中に放出できる。
このように第7実施形態では、ベース部32自体での放熱面積の増加に加えて各凹面鏡部材41を放熱部材として利用することで更に放熱面積が増やされているので、各発光装置2の温度上昇を低く抑制できる。或いは、各発光装置2の温度上昇が同じであるならば、ヒートシンク本体31の放熱フィン33を短くできるに伴い、スポットライト1の小形化を図ることが可能である。
なお、この第7実施形態において、受熱部35がベース部32に一体に形成されている場合には、受熱部35とベース部32との界面がなく、この界面がある構成のように界面での熱抵抗が無いので、より効果的に放熱を促進できる。更に、ベース部32の前面に抉るように形成された放物面を凹面反射鏡4として用いるようにすれば、より放熱性能を向上できるとともに、凹面反射鏡としての部品を省略でき、構成を簡素化できるとともに、コストを低減できる。なお、この場合、放物面に対して鏡面加工を施して実施することが好ましい。
図19及び図20に示した本発明の第8実施形態では、受熱部35がヒートパイプ38を備えている。ヒートパイプ38は、受熱部35に埋め込んで装着しても、或いは受熱部35自体がヒートパイプ38としての構造を有して構成されていても差し支えない。なお、その他の構成は第1実施形態と同じである。
この第8実施形態では、受熱部35がヒートパイプ38を備えていることで、この受熱部35の各受熱面に取付けられた発光装置2が発する熱を、効率よくヒートシンク本体31に伝達できるに伴い、発光装置2の放熱性を向上できる。そのため、受熱部35を薄く形成することが可能である。それにより、受熱部35が薄く形成される場合には、投光された光のパターンの大きさであるスポット径をより小さくすることが可能である。又、受熱部35自体がヒートパイプ38としての構造を有する場合には、部品点数を削減できる点で好ましい。