JP2009218371A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体発光素子が配設された装置基板が点灯に伴って反ることを抑制できる照明装置を提供することにある。
【解決手段】照明装置1は、装置基板2、LED素子21、ボンディングワイヤ25、及び透光性封止部材31を具備する。装置基板2は、複数の金属製第1の導熱部3と、各導熱部3と交互に並べられた複数の金属製第2の導熱部4と、絶縁部材5を有する。導熱部3の断面積を高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に大きくする。導熱部4の断面積を高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に小さくする。絶縁部材5は、導熱部3,4の高さ方向の一端面3a,4aと他端面3b,4bを覆うことなく各導熱部3,4間を埋めてこれら導熱部を接続している。装置基板2の一面に位置した各導熱部の一端面3a,4aに夫々配設されたLED素子21をボンディングワイヤ25で電気的に接続する。封止部材31を、LED素子21及びワイヤ25を埋設して装置基板2に積層したことを特徴としている。
【選択図】図2
【解決手段】照明装置1は、装置基板2、LED素子21、ボンディングワイヤ25、及び透光性封止部材31を具備する。装置基板2は、複数の金属製第1の導熱部3と、各導熱部3と交互に並べられた複数の金属製第2の導熱部4と、絶縁部材5を有する。導熱部3の断面積を高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に大きくする。導熱部4の断面積を高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に小さくする。絶縁部材5は、導熱部3,4の高さ方向の一端面3a,4aと他端面3b,4bを覆うことなく各導熱部3,4間を埋めてこれら導熱部を接続している。装置基板2の一面に位置した各導熱部の一端面3a,4aに夫々配設されたLED素子21をボンディングワイヤ25で電気的に接続する。封止部材31を、LED素子21及びワイヤ25を埋設して装置基板2に積層したことを特徴としている。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数のLED(発光ダイオード)チップ等の半導体発光素子を発光させて照明をする照明装置に関する。
従来、光源がLEDチップである照明装置で、絶縁層を有しこの絶縁層上に複数のLEDベアチップが搭載された金属ベースプリント基板と、反射板と、封止樹脂とを、この順に積層し、複数のLEDベアチップを一斉に点灯させる照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この照明装置において、金属ベースプリント基板は、金属板の一面に絶縁層を2層に積層して形成されていて、絶縁層に金属の導体パターンが設けられている。このパターンに接続される複数のLEDベアチップは縦横に規則正しく配列して金属ベースプリント基板に搭載されている。これらのチップの周囲は適量の蛍光体で被覆されていて、この蛍光体を用いてLEDベアチップが発した光を白色光に変換するようになっている。絶縁層上に貼着されたアルミニウム製反射板は各LEDベアチップの搭載位置に対応してLEDベアチップが個々に収められる複数の孔を有している。封止樹脂は、透光性のエポキシ樹脂等からなり、反射板を一括して覆った状態に設けられているとともに反射板の各孔に充填されている。
特開2004−193357号公報(段落0012-0027、0031、0036、図1−図7)
点灯時にLEDベアチップは発熱するため、点灯・消灯熱に伴い封止樹脂や金属ベースプリント基板は伸び縮みする。この場合、封止樹脂の熱膨張の方が金属の熱膨張より大きいため、点灯時に照明装置全体が反る恐れが考えられる。しかし、こうした反りへの対策については特許文献1では言及されていない。
照明装置の基板等が熱で反ると、基板上に配設されているLEDチップの光軸が微妙に傾いて、それに応じて配光が変わってしまうので、設計通りの光学特性を維持できないことが考えられる。
本発明の目的は、半導体発光素子が配設された装置基板が点灯に伴って反ることを抑制できる照明装置を提供することにある。
請求項1の発明は、高さ方向と直交する方向の断面積が高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に大きくなっている複数の金属製第1の導熱部、高さ方向と直交する方向の断面積が高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に小さくなっていて、前記各第1の導熱部と交互に並べて配設された複数の金属製第2の導熱部、及び前記第1、第2の各導熱部の高さ方向の一端面と他端面を覆うことなく前記第1、第2の各導熱部間を埋めてこれら導熱部を接続した絶縁部材を有した装置基板と;この装置基板の一面に位置された前記第1、第2の各導熱部の一端面に夫々配設された半導体発光素子と;これら半導体発光素子を電気的に接続したボンディングワイヤと;前記半導体発光素子及び前記ボンディングワイヤを埋設して前記装置基板に積層された透光性封止部材と;を具備したことを特徴としている。
請求項1の発明で、装置基板の第1、第2の導熱部は、各種の金属材料で形成できるが、熱伝導性に優れたCu(銅)及びその合金等を好適に用いることができる。これら第1、第2の導熱部は、互いに平行な二辺間をつなぐとともに互いに平行でない二つの側辺の長さが等しい辺からなる等辺錐台形状、つまり、等辺円錐台形状又は等辺角錐台形状に形成され、このような導熱部はエッチング等により形成できる。これとともに、装置基板の絶縁部材には、合成樹脂例えばエポキシ樹脂を好適に用いることができ、この絶縁部材が白色を呈することは良好な光反射性能を得られる点で好ましい。請求項1の発明で、第1、第2の導熱部の一端面の夫々には少なくとも一個の半導体発光素子が配設される。
請求項1の発明で、半導体発光素子には、例えば青色発光をする青色LEDチップ、紫外光を発する紫外LEDチップ等を好適に用いることができるが、青色LEDチップ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップのうちの少なくとも二種のLEDチップを組み合わせて用いることも可能であり、又、半導体発光素子として有機EL素子を用いることも可能である。
請求項1の発明で、半導体発光素子等を外気及び湿気から遮断して照明装置の寿命低下を防ぐ透光性の封止部材には、熱硬化性の透光性合成樹脂、例えば絶縁部材と同種のエポキシ樹脂、絶縁部材と異種のシリコーン樹脂又はウレタン樹脂等を用いることができる他、透明な低融点ガラスを用いることもできる。そして、例えば発光源である半導体発光素子に青色LEDチップを用いて白色発光をする照明装置とする場合には、青色の光で励起されて黄色の光を放射する蛍光体が混ぜられた封止部材を用いればよく、或いは紫外光で励起されて赤色の光を放射する蛍光体、紫外光で励起されて緑色の光を放射する蛍光体、及び紫外光で励起されて黄色の光を放射する蛍光体が夫々混ぜられた封止部材を用いればよい。
請求項1の発明の照明装置は、ボンディングワイヤを介して電気的に直列接続された半導体発光素子に通電することにより、これらの素子を発光させ、その光を封止部材に透過させて外部に取出し、その取出し方向の照明を行う。
この点灯時に、半導体発光素子が発する熱は、装置基板の絶縁部材に妨げられることなくこの絶縁部材より格段に熱伝導率が高い金属製の導熱部を経由して、装置基板の他面(光の取出し方向とは反対側に位置された面)に導かれ、導熱部の周囲の絶縁部材及び装置基板外に放出されるので、半導体発光素子の温度上昇を抑制できる。この場合、装置基板外への放熱は、第1、第2の導熱部の他面を直接被放熱部材に接触させて実施できる他、請求項2のように広い面積の放熱部材で拡散させて放熱することもできる。
照明装置の点灯に伴い、装置基板の導熱部及び絶縁部材は夫々異なる熱膨張率に従って膨張する。しかし、第1、第2の導熱部が並んだ方向に沿う絶縁部材全体の断面積は、導熱部の高さ方向の任意の位置を通る各位置の断面においていずれも同じであり、これは、エッチング等により形成された第1、第2の導熱部が既述のように等辺錐台形状をなしていてそれらが交互に逆様に配設されていることにより実現されている。そのため、金属製導熱部の熱膨張率より絶縁部材の熱膨張率が高いことに基づく、導熱部と絶縁部材の膨張差に拘らず、それによる応力集中が起こり難くなるに伴い、装置基板が反ることを抑制できる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記装置基板の他面に絶縁層を介して放熱部材が配設されていることを特徴としている。
この発明で、放熱部材は、各種の金属材料で形成できるが、熱伝導性に優れたCu(銅)やAl(アルミニウム)及びその合金等を好適に用いることができる。これとともに、放熱部材は、平板であっても、複数のフィンを有したものであってもよい。この発明で、絶縁層は、高い熱伝導を発揮するような絶縁材料及び厚みが選定されており、その絶縁材料としては合成樹脂又はセラミック等を用いることができる。更に、絶縁層は、放熱部材に取付けられていても、或いは、装置基板の他面(光の取出し方向とは反対側に位置された面)に取付けられていても良い。
この請求項2の発明では、装置基板の第1、第2の導熱部の熱を、これら導熱部と絶縁された放熱部材全体に広げて、この放熱部材から外部に放出できる。これにより、半導体発光素子の温度上昇が効果的に抑制されるので、半導体発光素子の温度過昇に起因する発光効率の低下を抑制できる。
請求項1の発明の照明装置によれば、半導体発光素子が配設された装置基板が点灯に伴って反ることを抑制できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、更に、半導体発光素子の温度過昇に起因する発光効率の低下を抑制できる。
図1〜図3を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1中符号1はLEDパッケージを形成する照明装置を示している。この照明装置1は、装置基板2と、放熱部材11と、枠体15と、パッドと、半導体発光素子例えばチップ状のLED素子21と、ボンディングワイヤ25と、封止部材31とを備えて形成されている。なお、図1では、図面の理解を容易にする都合上、各LED素子21及びボンディングワイヤ25の図示が省略されている。
図2に示すように装置基板2は、複数のCu製第1の導熱部3と、複数のCu製第2の導熱部4と、絶縁部材5を有している。
各第1の導熱部3は、その縦断面において、高さ方向の1/2の位置を通る水平線を基準として上下非対称でかつ左右対称ある等辺錐台形状、例えば等辺四角錐台形状をなしていて、その高さ方向と直交する方向の断面積が高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に大きくなっている。これら第1の導熱部3の一端面3aの面積は他端面3bより小さい。そして、各第1の導熱部3は、その一端面3aを後述する光の取出し方向に向けて、一定間隔毎に並べられている。
各第2の導熱部4は、その縦断面において、図2に示すように高さ方向の1/2の位置を通る水平線を基準として上下非対称でかつ左右対称である台形状、第1の導熱部3と同じ大きさの等辺四角錐台形状をなしているとともに、その高さ方向と直交する方向の断面積が高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に小さくなっている。これら第2の導熱部4の一端面4aの面積は他端面4bより大きい。そして、各第2の導熱部4は、その一端面4aを後述する光の取出し方向に向けて、一定間隔毎に並べられているとともに、第1の導熱部3と交互に配設されている。
したがって、第1の導熱部3と第2の導熱部4は、互いに逆様の姿勢で交互に並べられていて、図1に示すように縦横に配列されている。なお、第1の導熱部3の一端面3aと第2の導熱部4の一端面4aは、素子取付け面として用いられるものであって、同じ高さ位置に設けられている。これとともに、個々の一端面3a及び個々の一端面4aを区別する必要がある場合には、数字を添え字として括弧書きで併記する。
絶縁部材5は、電気絶縁性の合成樹脂例えばエポキシ樹脂からなり、各導熱部3,4をその周囲から包むように設けられていて、隣接している第1の導熱部3と第2の導熱部4との間を埋めて、これら導熱部3,4を接続している。この照明装置1の正面側位置の絶縁部材5の一面は、第1の導熱部3の一端面3aと第2の導熱部4の一端面4aと同じ高さ位置にあって、これら一端面3a,4aを覆っていない。同様に、照明装置1の背面側位置の絶縁部材5の他面は、第1の導熱部3の他端面3bと第2の導熱部4の他端面4bと同じ高さ位置にあって、これら他端面3b,4bを覆っていない。
なお、絶縁部材5の正面側の一面を光反射面として、光の取出し性能を向上するために、成形材料であるエポキシ樹脂中に酸化アルミニウム等の白色粉末(図示しない)が混入されていて、絶縁部材5は白色を呈している。
図1に示すように装置基板2の正面側の一面にCu製のパッド9(1)〜9(10)が複数設けられている。パッド9(1)〜9(10)は、装置基板2の正面側の一面に並べられた導熱部3,4の一端面3a,4aがなす導熱部列に対して、この列が延びる方向の両側に配設されている。
すなわち、図1において一端面4a(1),4a(2)と一端面3a(1),3a(2)が交互に横一列に並べられた導熱部列の両側にパッド9(1),9(2)が夫々設けられ、同様に一端面3a(3),一端面3a(4)と一端面4a(3),4a(4)が交互に横一列に並べられた導熱部列の両側にパッド9(3),9(4)が夫々設けられている。これとともに、一端面3a(5)〜3a(7)と一端面4a(5),4a(6)が交互に横一列に並べられた導熱部列の両側にパッド9(5),9(6)が夫々設けられ、同様に一端面3a(8)〜3a(10)と一端面4a(7),4a(8)が交互に横一列に並べられた導熱部列の両側にパッド9(6),9(7)が夫々設けられている。更に、一端面4a(9),4a(10)と一端面3a(11),3a(12)が交互に横一列に並べられた導熱部列の両側にパッド9(7),9(8)が夫々設けられ、同様に一端面4a(11),4a(12)と一端面3a(13),3a(14)が交互に横一列に並べられた導熱部列の両側にパッド9(9),9(10)が夫々設けられている。
一端面3a(3),3a(4),4a(3),4a(4)がなした導熱部列の一端側に配設されたパッド9(4)は、一端面3a(5)〜3a(7),4a(5),4a(6)がなした導熱部列の一端側に一体に延出して配設されている。同様に、一端面3a(8)〜3a(10),4a(7),4a(8)がなした導熱部列の一端側に配設されたパッド9(7)は、一端面4a(9),4a(10),3a(11),3a(12)がなした導熱部列の一端側に一体に延出して配設されている。
図1に示すように第2の導熱部4の一端面4a(1)の近傍に配設されたパッド9(1)は+側の電極10aに接続され、一端面3a(14)の近傍に配設されたパッド9(10)は−側の電極10bに接続されている。
次に、装置基板2の製法について説明する。まず、所定厚みのCu板をエッチングして、このCu板の一面に等辺四角錐台形状の導熱凸部7が所定間隔で形成された凸部付き加工銅板6を用意する。図3(A)(B)中符号6aは、導熱凸部7同士を一体につないでいるベース板部を示している。なお、前記エッチングにより形成された導熱凸部7のベース板部6a側の端部は、裾野状に形成されてベース板部6aに対しなだらか連続するが、図3(A)(B)には、前記端部の周面がベース板部6aとの間に鈍角を作って連続するように、前記端部の周面に研磨加工が施された状態を示している。
この後、図3(A)に示すように2枚の凸部付き加工銅板6を互いに逆様にして、その導熱凸部7が突出されている面を対向させた状態で、これら2枚の凸部付き加工銅板6を図示しない冶具等で位置決めするとともに接近させて、導熱凸部7を図3(B)に示すように互いに噛合うように配設する。これにより、2枚の凸部付き加工銅板6の各導熱凸部7が互いに逆様の姿勢で交互に並べられる。
次に、この状態のまま2枚の凸部付き加工銅板6間に、未硬化のエポキシ樹脂製の絶縁部材5を充填してから、この絶縁部材5を加熱して硬化する。
最後に、2枚の凸部付き加工銅板6のベース板部6aの不要部分をエッチング処理により除去して、パッド9(1)〜9(10)に相当する部分を残す。以上の手順により、既述の構成の装置基板2が形成される。なお、ベース板部6aの全てを研摩加工で除去した後、各一端面3a,4aにレジストを施した後に、パッド9をめっき処理により設けることもできる。
放熱部材11として、本実施形態では図2に示すように金属ベース11aの一面全体に絶縁層11bを積層して形成された金属基板が用いられている。金属ベース11aは、熱伝導性に優れた金属例えばCuの板からなる。絶縁層11bは電気絶縁材料例えば合成樹脂製である。絶縁層11bは、金属ベース11aより薄く例えば100μmの厚みで、かつ、2〜10W/K・m例えば4W/K・mの高い熱伝導性能を有している。
この放熱部材11は、装置基板2より大きく作られていて、照明装置1の後述する光の取出し方向とは反対側に位置された装置基板2の面、つまり、前記他端面3b,4bが露出された他面に絶縁層11bを接して装置基板2に積層されている。放熱部材11は、その裏面、つまり絶縁層2bで覆われていない金属ベース11aの面11cを、被放熱部材例えば図示しない照明器具の金属製器具本体等に面接触させて取付けられるようになっている。そのために、図1等に示すように放熱部材11の周部には、ねじ等の固定具が通される複数の取付け部12が例えば90度に設けられている。各取付け部12は例えば孔や図示したU字形の切り欠きからなる。
枠体15は、一個一個又は数個の後述するLED素子21毎に個別に設けられるものではなく、全てのLED素子21を包囲する単一のものである。枠体15は、例えば図1に示すように放熱部材11より小さくこの放熱部材11と略相似形をなしている。枠体15は放熱部材11上に接着されていて、装置基板2を包囲している。枠体15の内周面は光反射面となっている。そのために、例えば枠体15の成形材料である合成樹脂中に酸化アルミニウム等の白色粉末(図示しない)が混入されている。この枠体15は、光の取出し方向(図2では上方向)に取出された光を、照射対象に対して制御をするレンズ等の配光制御部材(図示しない)の取付け部として、利用することも可能である。
LED素子21は例えば青色の光を発する青色LEDチップからなる。このLED素子21は、例えばダブルワイヤー型であって、図2で代表して示すように透光性を有する素子基板22の一面に窒化物半導体を用いてなる半導体発光層23を積層して形成されている。素子基板22は例えばサファイア基板で作られている。
これらのLED素子21は、各導熱部3の一端面3a及び各導熱部4の一端面4aの夫々に、素子基板22の前記一面と平行な他面を接着剤例えばシリコーン樹脂からなるきわめて薄いダイボンド材(図示しない)を用いてダイボンドされている。それによって、各LED素子21はそれが固定された導熱部3,4に放熱可能に設けられている。LED素子21の半導体発光層23と導熱部3,4との間の絶縁耐圧は、ダイボンド材だけではなく、このダイボンド材よりもはるかに厚いサファイア製の素子基板22で確保されている。
図2で代表して示すように前記各導熱部3,4上に配設されたLED素子21同士は、ワイヤボンディングにより設けられたボンディングワイヤ25で電気的に直列に接続されている。なお、これらLED素子21の直列回路を形成するにあたり、LED素子21とこれに隣接されたパッド9(1)〜9(10)、及び一部のパッド9(2),9(3)同士、パッド9(5),9(6)同士、パッド9(8),9(9)同士も、夫々ボンディングワイヤ25で電気的に直列に接続される。したがって、全てのLED素子21が直列接続された直列回路に、その両端に接続された電極10a,10bを通じて直流電源回路(図示しない)の電圧が印加されることにより、全てのLED素子21が一斉に点灯されて面状の発光が得られるようになっている。
封止部材31は、枠体15内に未硬化の状態で注入された後硬化されたものであり、LED素子21等を有した前記直列回路を埋めている。封止部材31は、熱硬化性の透光性材料例えば透明シリコーン樹脂からなり、その内部に蛍光体(図示しない)が混入されている。本実施形態では白色系の照明光を得るために、LED素子21が発する光(具体的に青色の光)の一部により励起されて、このLED素子21が発する光とは異なる色の光(具体的には黄色の光)を放射する蛍光体が用いられ、この蛍光体は好ましくは略均一に分散した状態で封止部材31内に混入されている。
この組み合わせにより、照明装置1の点灯によりLED素子21の半導体発光層23から放出された青色の光の一部が蛍光体に当たることなく封止部材31を通過する一方で、青色の光が当たった蛍光体が励起されて黄色の光を放射し、この黄色の光が封止部材31を通過するので、これら補色関係にある二色の光の混合によって照明装置1は白色光を図2中上方向に照射して照明を行うことができる。
この点灯時に各LED素子21が発する熱は、絶縁部材5に妨げられることなく、この絶縁部材5より100倍程度も熱伝導率が高い導熱部3,4を経由し、更に、装置基板2より面積が大きい放熱部材11の金属ベース11aに、絶縁層11bを経由して伝導され、この金属ベース11a全体に広げられて外部に放出される。このようにLED素子21の熱が高効率で放熱部材11を通って外部に放出されるので、各LED素子21の温度上昇が効果的に抑制され、各LED素子21の温度を設計通りに維持できる。そのため、各LED素子21の発光効率の低下を抑制できる。
以上の点灯に伴い、装置基板2の導熱部3,4及び絶縁部材5は夫々異なる熱膨張率に従って膨張する。
しかし、第1の導熱部3と第2の導熱部4が交互に並んだ方向に沿う絶縁部材5全体の断面積は、導熱部の高さ方向の任意の位置を通る各位置の断面においていずれも同じである。これは、エッチング等により形成された第1の導熱部3、第2の導熱部4が既述のように等辺四角錐台方状をなしていてそれらが交互に逆様に配設されていることにより実現されている。
そのため、導熱部3,4の熱膨張率より絶縁部材5の熱膨張率が高いことに基づく、これら導熱部3,4と絶縁部材5の膨張差に拘らず、それによる応力集中が起こり難くなるに伴い、装置基板2が反ることを抑制できる。このことは、装置基板2に放熱部材11が接続されていてもいなくても実現できる。したがって、装置基板2の一面上に配設されている各LED素子21の光軸が微妙に傾かないようにできるに伴い、設計通りの光学特性を維持できる。更に、装置基板2の外が抑制されることにより、この装置基板2と放熱部材11との密着性が維持されることに伴い、放熱部材11を用いての良好な放熱性能も維持できる。
なお、これに対して、例えば第2の導熱部がない構成においては、等辺角錐台形状をなしていて互いに隣接した第1の導熱部3間を埋めた絶縁部材5全体の断面積が、封止部材31側に近付く程次第に大きくなるので、点灯に伴う絶縁部材5の熱膨張は、封止部材31側程ほど大きく、この逆に封止部材31から離れるほど小さくなる。したがって、それによる応力集中が起こり易く、装置基板2が反る可能性が高まる。
更に、前記構成の装置基板2は、既述の形状の導熱部3,4が互いに逆様となって交互に配設されているので、導熱部3,4に電位が与えられた場合に、隣接した第1の導熱部3と第2の導熱部4との間の絶縁距離を、装置基板2の厚み方向の各部で等しくできる。なお、例えば前記のように第2の導熱部がない構成においては、隣接する導熱部間の絶縁距離が、放熱部材11側ほど狭く、これからLED素子21側に近付くほど広くなり、その最短の距離で所定の絶縁を確保しなければならないので、導熱部間の距離が大きくなる。つまり、複数の導熱部の配設ピッチが大きいので、LED素子21を高密度に配設するには不利である。しかし、前記装置基板2は、互いに逆様となって交互に配設されて隣接している導熱部3,4間の最短の絶縁距離が装置基板2の厚み方向の各部で等しい構成であるので、各導熱部3,4の配設ピッチを小さくできるに伴い、LED素子21を高密度に配設できる。
しかも、互いに逆様となって隣接されている導熱部3,4間の距離が一定であることにより、これら導熱部3,4間に絶縁上必要な最短の距離を確保しつつ、導熱部3,4間を埋めて設けられた絶縁部材5の使用量を、少なくできる。このため、導熱部3,4の熱を受けて温度上昇する絶縁部材5全体の熱膨張が装置基板2に及ぼす影響を軽減できる。この点でも、装置基板2の反りを抑制するのに寄与できる。
以上のように複数のLED素子21が配設された前記構成の装置基板2は、その剛性が高く、点灯時に反りを生じ難いとともに、所定の絶縁を確保しつつLED素子21を高密度に配設できる。
又、前記構成の照明装置1では、その製造において、照明装置1全体の剛性を高めるために用いた装置基板2の正面側(光の取出し側)で、ボンディングワイヤ25を用いて複数のLED素子21を電気的に接続できる。このため、狭く小さい孔内でワイヤボンディングをする必要がなく、略同じ高さでボンディングワイヤ25を配設できる。したがって、ボンディングワイヤ25を用いてのLED素子21の電気的接続が容易で、生産性を向上できる。
図4は本発明の第2実施形態を示している。第2実施形態は、以下説明する事項以外は、図示されない事項を含めて第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態は、LED素子同士の電気的接続の仕方等が第1実施形態と異なる。すなわち、第2実施形態では、各LED素子21に、ダブルワイヤー型ではなく、素子の両面に電極を有したシングルワイヤー型のものが用いられていて、これらのLED素子21は各導熱部3,4に夫々フリップチップ実装されている。そして、図4において上側に位置された素子電極を、このLED素子21に隣接した他のLED素子21がフリップチップ実装された導熱部3又は4にボンディングワイヤ25で接続している。そして、こうした接続を繰り返えして複数のLED素子21を直列に接続している。これにより、各導熱部3,4に電位が与えられている。
又、第2実施形態では、各導熱部3,4の小径部側の端部に張り出し部3c、4cが形成され、これらは絶縁部材5に埋められている。このため、第2の導熱部4の張り出し部4cは絶縁部材5に対するストッパーとして機能する。これにより、照明装置1の点灯・消灯に伴う装置基板2の膨張収縮で、第2の導熱部4が絶縁部材5から抜け外れる恐れをなくすことができる。以上説明した事項以外は第1実施形態と同じである。
したがって、この第2実施形態においても、第1実施形態で説明した理由によって、本発明の課題を解決できる。
1…照明装置、2…装置基板、3…第1の導熱部、3a…第1の導熱部の一端面、3b…第1の導熱部の他端面、4…第2の導熱部、4a…第2の導熱部の一端面、4b…第2の導熱部の他端面、5…絶縁部材、11…放熱部材、11a…金属ベース、11b…絶縁層、21…LED素子(半導体発光素子)、25…ボンディングワイヤ、31…封止部材
Claims (2)
- 高さ方向と直交する方向の断面積が高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に大きくなっている複数の金属製第1の導熱部、高さ方向と直交する方向の断面積が高さ方向一端部から他端に至るに従い次第に小さくなっていて、前記各第1の導熱部と交互に並べて配設された複数の金属製第2の導熱部、及び前記第1、第2の各導熱部の高さ方向一端面と他端面を覆うことなく前記第1、第2の各導熱部間を埋めてこれら導熱部を接続した絶縁部材を有した装置基板と;
この装置基板の一面に位置された前記第1、第2の各導熱部の一端面に夫々配設された半導体発光素子と;
これら半導体発光素子を電気的に接続したボンディングワイヤと;
前記半導体発光素子及び前記ボンディングワイヤを埋設して前記装置基板に積層された透光性封止部材と;
を具備したことを特徴とする照明装置。 - 前記装置基板の他面に絶縁層を介して放熱部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
Priority Applications (1)
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JP2008060286A JP2009218371A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | 照明装置 |
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JP2008060286A Withdrawn JP2009218371A (ja) | 2008-03-10 | 2008-03-10 | 照明装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011134912A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Toshiba Lighting & Technology Corp | 照明装置 |
JP2019087695A (ja) * | 2017-11-09 | 2019-06-06 | シチズン電子株式会社 | 発光装置 |
-
2008
- 2008-03-10 JP JP2008060286A patent/JP2009218371A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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JP7027129B2 (ja) | 2017-11-09 | 2022-03-01 | シチズン電子株式会社 | 発光装置 |
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