JP4274178B2 - プロジェクタ - Google Patents
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Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ファンを使用せず自然空冷で冷却効率を向上させたプロジェクタを提供することを目的とする。
このプロジェクタによると、放熱用流路が筐体に設けられるため、外気の空気の流れ(対流)を利用した自然冷却が可能となる。従来のように筐体内部に放熱用流路がある場合に比べ、冷却効率を向上させることが可能となる。
このプロジェクタによると、ポンプを用いることで、冷却流体を流路内に積極的に流通し循環できるため、冷却効率を一層向上させることが可能となる。
このプロジェクタによると、筐体と流路が一体に形成でき、筐体が流路の一部を兼ねるので、より冷却効率を向上させることが可能となる。
このプロジェクタによると、筐体の内部側面に流路が設けられる場合にもフィンにより熱を放熱できるため、冷却効率を向上させることが可能となる。
このプロジェクタによると、放熱用流路が、筐体の外面に突出して設けられているため、冷却流体からの熱を外気に放熱するという、フィンとしての機能も積極的に有することとなり、冷却効率を一層向上させることが可能となる。
このプロジェクタによると、メンテナンス用の開口部を設けたことで、組立て後のメンテナンス作業が、第1の筐体部材と第2の筐体部材を取外さなくても、開口部を使用して行うことができる。そのため、メンテナンス作業の効率が向上する。そして、開口部の周囲に放熱用流路を設けているため、メンテナンス作業のためにカバー部材を取外す際にも、流路の接続を取外す必要がない。
このプロジェクタによると、第1の筐体部材に冷却流体を流通する流路と光源装置を全て組み込める。そのため、第1の筐体部材に、接続流路と放熱用流路を接続した状態に組み付けられる。よって、第1の筐体部材と第2の筐体部材を組んだ後で流路接続を行う必要がなくなるため、流路接続の作業効率を一層向上できる。
このプロジェクタによると、流路接続の作業効率を向上する効果がある。
また、その効果以外に、第1の筐体部材に光源装置、光学構成部及び投写部を備えることで、光源装置からの出射光が投写部に出てくるまでの光学系において、光軸を一致させるための光軸調整などの光学調整作業を行った状態で、光源装置、光学構成部及び投写部を第1の筐体部材に組付けることができる。また逆に、第1の筐体部材に光源装置、光学構成部及び投写部を組付けた状態で光軸調整などの光学調整も行えるため、光学調整作業に自由度ができ、作業の効率向上が可能となる。
このプロジェクタによると、組立て時に第1の筐体部材側の光源装置及び光学構成部と第2の筐体部材側の投写部との位置決めができるので、光学系が第1の筐体部材と第2の筐体部材に分かれていても、光軸など光学調整された位置関係が保持できる。
このプロジェクタによると、ポンプを使用せず、冷却流体の蒸発−凝縮を利用した循環に比べ、ポンプを使用することで、積極的に冷却流体を流路内に流通し循環することができるため、冷却効率が一層向上可能となる。
このプロジェクタによると、第1の筐体部材で、外気の対流を起こしやすい場所である上面や側面に冷却用の流路を設けることで、自然冷却の冷却効率が一層向上する。
このプロジェクタによると、光源の出射光によりライトバルブなどの光学構成部が熱せられた場合においても、その熱は伝熱部材を介して流路に伝えられるため冷却され、光学構成部は熱の影響を受けずに、本来の機能を発揮することが可能となる。
このプロジェクタによると、光源装置に発光素子、例えば発光ダイオード(LED)や発光ダイオード(LED)をアレイ状に構成した素子を使用することで、光源装置を小型化でき、プロジェクタの大幅な小型化に寄与できる。また、光源装置に発光素子または発光素子アレイを使用する場合には、発熱量はあまり大きくないが、光源装置自体の温度をより低く保つ必要があるため、温度の高くなる筐体内部での自然空冷では、循環させる液体の温度と筐体内部の温度差が小さく冷却効率が低くなってしまう。従って、放熱用流路を筐体外面に設けることで、自然空冷が可能となる。
ここで、発光素子としては、発光ダイオード(LED)を採用することができる。
このプロジェクタによると、発光素子は冷却流体によって直接または間接的に冷却することができるが、冷却流体の流入路と流出路とが、発光素子の発光素子基台に固着されている面に対して略平行に設けられているので、光源装置内で冷却流体の流路が制御されているため、冷却液体が円滑に流動され冷却効果を高めることができる。
このように、冷却流体の流量を減ずることができることから、冷却流体の圧力を減ずることができる。このことにより、例えば、発光素子自身や発光素子と外部制御回路を電気的に接続する接続部にかかる応力を減ずることができるので、長期間にわたって光源装置の性能を維持することができる。
このプロジェクタによると、筐体に把持部材を設けたことにより、把持部材を把持することでプロジェクタを移動することができる。
このプロジェクタによると、筐体に把持部を有し、その周囲に放熱用流路を備えたために、ユーザーは、把持部材を把持してプロジェクタを移動できると同時に、放熱用流路により、外気の空気の流れを利用した自然冷却が行えることにより、冷却流体を冷却することができる。
このプロジェクタによると、筐体に把持部を有し、その把持部に把持部材を設けたため、ユーザーは、把持部を把持してプロジェクタを移動できると同時に、放熱用流路により、外気の空気の流れを利用した自然冷却が行えることにより、冷却流体を冷却することができる。
このプロジェクタによると、筐体の把持部にメンテナンス用の開口部とカバー部材を設けたため、プロジェクタの筐体を分解することや放熱用流路を外すことなく開口部からプロジェクタ内部をメンテナンスすることができ、また、メンテナンス後は、カバー部材を取付けることにより把持部を把持してプロジェクタを移動できる。
このプロジェクタによると、放熱用流路は保持部に固定され、冷却流体の熱が放熱用流路を介して筐体に伝導されることから、冷却流体を冷却することができる。
このプロジェクタによると、放熱用流路は保持部に更に確実に固定され、冷却流体の熱が放熱用流路を介して筐体に伝導されることから、冷却流体を冷却することができる。
このプロジェクタによると、放熱用流路の熱は熱伝導部材を介することで更に筐体に伝導しやすくなり、冷却効率を更に向上させる。
このプロジェクタによると、放熱用流路は、保持部材により更に確実に保持部に保持固定され、放熱用流路の熱が保持部材を介して筐体に伝導されることから、冷却流体を冷却することができる。
このプロジェクタによると、放熱用流路は、保持部材を介して保持部に更に確実に固定され、放熱用流路の熱が保持部材を介して筐体に伝導されることで、冷却流体を冷却することができる。
このプロジェクタによると、放熱用流路の熱は熱伝導部材を介することで熱伝導部材を備えない場合に比べて更に筐体に伝導し易くなり、冷却効率を更に向上させる。
このプロジェクタによると、筐体の本体内部に、放熱用流路が形成されるため、冷却流体の熱が直接筐体に伝導し、冷却流体の熱を効率的に冷却することができる。
また、プロジェクタの外観面側に放熱用流路を設けることがないため、筐体の形状、筐体の外観面に設置される各種スイッチパネル、各種印刷などのデザインに自由度がでる。
このプロジェクタによると、冷却流体の熱が効率的に筐体に伝導するため、冷却流体の熱を冷却することができる。
このプロジェクタによると、複数の貫通孔を内部に形成したメイン筐体部材とサブ筐体部材とを合わせて構成した放熱用流路により、冷却流体の熱が効率的に筐体に伝導するため、冷却流体の熱を冷却することができる。
このプロジェクタによると、端部には復数の貫通孔を連結する復数の溝を設けたメイン筐体部材とサブ筐体部材とを合わせて構成した放熱用流路により、冷却流体の熱が効率的に筐体に伝導するため、冷却流体の熱を冷却することができる。
このプロジェクタによると、メイン筐体部材と、複数の貫通孔に対向する位置に貫通孔を連結する複数の溝を設けたサブ筐体部材とを合わせて構成した放熱用流路により、冷却流体の熱が効率的に筐体に伝導するため、冷却流体の熱を冷却することができる。
この構成によれば、第1の筐体部材で、外気の対流を起こしやすい場所である上面及び側面に冷却用の流路を設けることで、自然冷却の冷却効率が一層向上する。
この構成によれば、外気の対流により、第1の筐体部材及び放熱用流路の双方から外気に放熱することが可能であり、自然空冷による冷却効率を向上することができる。
この構成によれば、冷却流体の流入路と流出路が、発光素子を挟んで対向して設けられているので、冷却流体は発光素子を冷却しながら円滑に流動排出される。また、流入路と流出路とは、隣り合って配置されており、冷却流体は、発光素子の周囲を流動して流入路と隣り合う流出路から排出されるので、光源装置内で冷却流体の循環が円滑に行われる。
さらに、流出路は、流入路よりも発光素子から離れた距離に配置されているので、例えば、発光素子基台の冷却流体が流動される部分の平面を視認した形状が円形である場合、流出路の流出口内側の交錯部は、他の交錯部よりも鋭角な角部が形成されることになるので、冷却流体は、この角部によって、そのまま流出路から排出される流れと、発光素子の周囲に沿って回転流動する流れに分流される。
このように冷却流体の流動方向を制御することによって、冷却流体が発光素子に沿って円滑に流動されるので、発光素子の冷却を効率的に行うことができる。また、このことにより、発光素子の温度分布が均一になるので、熱応力が生じにくくなり、発光素子に歪が生じたり、破壊されたり摺ることを防止でき、熱応力による発光素子の劣化を防止することができる。
また、冷却流体は、例えば、ポンプ等で流動されるが、冷却流体が円滑に流動されることで、同じ冷却効果を得るためには少ない流量でよく、そのことでポンプを含め光源装置を小型化することができる。
この構成によれば、前述の流入路と流出路とが2対設けられた構造に比べ、光源装置の冷却効果はわずかに減ずるものの、流入路と流出路が1対であるため、構造を簡素化し、小型化することができる。
この構成によれば、冷却流体は、発光素子に向かって流入され、発光素子に接触した後、発光素子で直角方向に分流され、発光素子に沿って流動し流出路から排出されるので、冷却流体は、発光素子に沿って円滑に流動されるため、前述した冷却効果と均一な温度分布を得ることができる。また、前述の流出路と流入路とを平行に設ける構造よりも、流入路、流出路とを、十字状に配置することで、隣り合う流入路、流出路の距離を大きく設定することができ、製造しやすいという効果や小型化しやすいという効果もある。
この構成によれば、前述した流入路と流出路とが、断面方向にも複数設けられているので、冷却流体は、平面方向だけに流入路、流出路が設けられている構造に比べ、流量を増加することができるので、より一層冷却効果と温度の均一化を高めることができる。
この構成によれば、発光素子基台に冷却流体を円滑に、しかも流動方向を誘導するための、例えば、発光素子に向かって斜め放射状や円弧状の溝、または突起が形成されているので、冷却流体の流動方向を自在に制御することができる。このことにより、冷却流体の流動性、循環性が高められ、一層、冷却効果を高めることができる。
この構成によれば、発光素子から熱が伝導されている発光素子基台を冷却することができるので、前述の発光素子を直接冷却する構造に比べ、冷却効果はわずかに減ずるが、発光素子が、直接冷却流体に接触しないために、冷却流体の圧力が発光素子にかからないこと、不純物の侵入等に係わる発光素子の機械的、化学的、光学的な特性の変化や経時変化を減ずることができる。
また、例えば、流路をリング状に形成した場合、冷却流体が、発光素子基台の周囲のこの流路に沿って回転するように流動されるので、円滑に冷却流体を流動することができる。このことにより、同じ冷却効果を得るために少ない流量でよく、ポンプを含め光源装置を小型化することができる。
この構成によれば、冷却流体の流入路と流出路が、発光素子を挟んで対向して設けられた流路に流通しているので、冷却流体は円滑に流動し、排出される。また、流入路と流出路とは、隣り合って配置されており、冷却流体は、発光素子固着される周囲の発光素子基台の流路を流動して流入路と隣り合う流出路から排出されるので、光源装置内で冷却流体の循環が円滑に行われる。
さらに、流出路は、流入路よりも発光素子から離れた距離に配置されているので、例えば、発光素子基台の冷却流体が流動される部分の平面を視認した形状が円形である場合、流出路の流出口内側の交錯部は、他の交錯部よりも鋭角な角部が形成されることになるので、冷却流体は、この角部によって、そのまま流出路から排出される流れと、発光素子基台の周囲に沿って流動する流れに分流される。
このように冷却流体の流動方向を制御することによって、発光素子が固着される発光素子基台が冷却されるので、発光素子に熱応力が生じにくくなり、熱応力による発光素子の破壊を防止することができる。
また、冷却流体は、例えば、ポンプ等で流動されるが、冷却流体が円滑に流動されることで、同じ冷却効果を得るためには少ない流量でよく、そのことでポンプを含め光源装置を小型化することができる。
この構成によれば、前述の流入路と流出路とが2対設けられた構造に比べ、光源装置の冷却効果はわずかに減ずるものの、流入路と流出路が1対だけ備えられているため、構造を簡素化し、小型化することができる。
この構成によれば、冷却流体は、発光素子基台に向かって流入され、発光素子基台によって2方向に分流され、発光素子基台に沿って流動し流出路から排出されるので、前述した冷却効果と、均一な温度分布を得ることができる。また、前述の流出路と流入路とを平行に設ける構造よりも、流入路、流出路とを、十字状に配置することで、隣り合う流入路、流出路の距離を大きく設定することができ、製造しやすいという効果や小型化しやすいという効果もある。
この構成によれば、前述した流入路と流出路とが、断面方向にも複数設けられているので、冷却流体は、平面方向だけに流入路、流出路が設けられている構造に比べ、流量を増加することができるので、より一層冷却効果と温度の均一化を高めることができる。
この構成によれば、貯留室内の冷却流体の流れが、回転流または分岐流を伴う攪拌流を導けるように設定されるため、冷却液体が円滑に流動され、より冷却効率を向上することが可能となる。
(実施形態1)
図1は本発明を具体化したプロジェクタの概略構成図である。図1を用いてプロジェクタの概略構成を説明する。
光源装置10を構成する3つの光源装置10R,10G,10Bから各色光が出射される。そして、出射された各色光はそれぞれの色光に対向した位置に備えられた光学構成部20を構成するライトバルブ22に入射する。
投写部30は複数の投写レンズ32で構成され、投写用に光を拡大する機能を有している。その投写部30に入射した合成光は拡大され出射する。投写レンズ32を出射した拡大された合成光はプロジェクタ1外に設けられたスクリーン40に画像として投写される。このようにしてプロジェクタ1は画像を投写する。
流路55は3つの光源装置10R,10G,10Bを直列に接続する流路11,12と、上流に位置する光源装置10Rに接続された接続流路16Aと下流側に位置する光源装置10Bに接続された接続流路13とを有する。接続流路16Aは冷却流体を循環させるポンプ60の吐出口と接続されている。また、接続流路13は流路中継部14を介して放熱用流路50の一端に接続され、その他端は流路中継部15及び接続流路16Bを介してポンプ60の吸入口に接続されている。実施形態1の放熱用流路50は、U字状屈曲部を何重かに形成した経路で設けられている。ここで、接続流路16及び接続流路13は流路中継部15及び流路中継部14を介して放熱用流路50の両端と連続するように接続されている。
上述した一連の流路55内に冷却流体が充填されている。実施形態1ではエチレングリコールを用いた冷却流体を使用している。そして、冷却流体を流路55内に循環させるために、ポンプ60を用いている。
図2(a)に示すように、プロジェクタ1の外装をなす筐体70は、大きく分けると、第1の筐体部材70Aと第2の筐体部材70Bの2体で構成されている。第1の筐体部材70Aはプロジェクタ1の上面及び相対向する左右側面を含んだ上側を構成している。
第2の筐体部材70Bはプロジェクタ1の下面(底面)を含んだ下側を構成している。
放熱用流路50を固定した第1の筐体部材70Aに、接続流路13,16と流路中継部14,15を接続した光源装置10、光学構成部20、投写部30、ポンプ60及び図示しないがこれらを動作させための電源や駆動用回路等を固定した第2の筐体部材70Bを、位置決めにより固定する。固定はネジなど使用して固定する。次に、開口部75を利用して、放熱用流路50の一端部を流路中継部14と接続し、他端部を流路中継部15と接続する。
冷却流体は光源装置10に一体で設けられたポンプ60(図1参照)により、各光源装置10R,10G,10B内で発生した熱を受取り、接続流路13を図2(b)に示す矢印方向に流れ、流路中継部14を介して、接続された放熱用流路50に流入する。そして、冷却流体は受取った熱を放熱用流路50に伝熱しながらU字状屈曲部を介して何重かに折り返す経路で放熱用流路50内を図2(a)に示す矢印方向に流れる。放熱用流路50は、第1の筐体部材70Aの上面及び側面に設けられているため、外気の対流を起こしやすく、伝熱された熱を外気の対流で効率良く外気中に放熱する。放熱することで放熱用流路50の温度は下がり、下がった放熱用流路50内を流通する冷却流体を冷却する。そして、冷却された冷却流体は流路中継部15を流れ、接続流路16を図2(b)に示す矢印方向に流れ、ポンプ60(図1参照)に戻る。そして冷却された冷却流体が再びポンプ60(図1参照)により、光源装置10に流入することとなる。
このように構成された流路55内を冷却流体が循環することで、一連の熱の循環が起こり、自然冷却によって光源装置10を冷却することが可能になる。
図3〜図5は、光源装置を示す図である。
図3は、光源装置の平面図であり、図4に記載のレンズキャップ130及び固定リング140を省略している。図4は、光源装置の断面図である。図5は、光源装置の発光素子基台の詳細を示す平面図である。図3、図4において、光源装置10は、発光素子基台120と、発光素子基台120に固着される発光素子としてのLEDチップ100と、固定リング140とレンズキャップ130とから構成されている。
発光素子基台120の上面123には、リード基板160がインサートされた固定リング140が、密着固定されている。
固定リング140の上面141には、レンズキャップ130が密着固定され、これらレンズキャップ130と、固定リング140と、発光素子基台120の凹部とで冷却流体150が流動される冷却流体貯留室(以下、貯留室という)170が形成される。
LEDチップ100は、外部制御回路からの発光信号により発光される。
ここで、光源装置10G(図1参照)を例とした場合の流動について簡単に説明する。
流入路124,126は、流路11(図1参照)に接続され、流出路125,127は、流路12(図1参照)に接続される。そして、放熱用流路50(図1参照)の流通過程で冷却流体150は冷却され、再び流入路124,126から、光源装置10G内に流入されることになる。
ここで、実施形態1における光源装置10R,10G,10Bを構成する光源としてのLEDチップ100は、1個の発光素子(LED)で構成したものでも良いし、発光素子(LED)をアレイ状に構成したものであっても良い。これにより、明るさを自由に設定でき、しかも光源装置10R,10G,10Bを小型化できる。
(1)放熱用流路50が、第1の筐体部材70Aの、外気の対流を起こしやすい、側面及び上面の外面側に設けられているため、自然空冷で冷却流体を冷却することが可能となる。従来のように筐体内部に放熱用流路がある場合に比べ、冷却効率を向上させることが可能となる。また、放熱用流路50はU字状屈曲部を介して何重かに折り返す経路とし、流路長を長くしているため、外気と接触する表面積を大きくでき、自然空冷で冷却流体をさらに効率よく冷却することが可能となる。よって、冷却効率をさらに向上させることが可能となる。
図6は、本発明を具体化したプロジェクタの概略断面図である。図6を用いて実施形態2を説明する。
(1)第1の筐体部材70Aに光源装置10、放熱用流路50が取付けられているので、第1の筐体部材70A、光源装置10側の接続流路13,16と放熱用流路50とを、流路中継部14,15を用いて接続することができる。そのために、第1の筐体部材70Aと第2の筐体部材70Bを組んだ後で流路の接続作業を行う必要がないので、流路接続の作業効率を一層向上できる。また、その効果以外に、第1の筐体部材70Aに光学構成部20と投写部30を組付けるため、第1の筐体部材70Aを基準に、光軸調整などの光学調整を行うことができるため光学調整の作業効率を一層向上できる。
図7は、本発明を具体化したプロジェクタの概略断面図である。図7を用いて実施形態3を説明する。
(1)組立て時に第1の筐体部材70Aに組付けられた光源装置10及び光学構成部20と、第2の筐体部材70Bに組付けられた投写部30との位置が、位置決め機構である凸状部28及び凹状部34を用いて位置決めできる。そのために、光学系が第1の筐体部材70Aと第2の筐体部材70Bに分かれていても、光軸など光学調整された位置関係を保持したまま組立てが可能となる。
図8は、本発明の放熱用流路の構成に関する断面図である。図8を用いて実施形態4を説明する。
(1)突条部92からの外気への放熱によって冷却流体が冷却される実施形態1で述べた同様の効果が得られる。それ以上の効果は、第1の筐体部材70Aと放熱用流路50が一体に形成でき、冷却流体が直接第1の筐体部材70Aに接する構造であるため、熱が直接第1の筐体部材70Aに伝熱し、第1の筐体部材70Aの放熱板としての働きで放熱することができるため、より一層冷却効率を向上させることである。
図9は、本発明の伝熱部材を用いたときの光源装置及び光学構成部の概略斜視図ある。図9を用いて実施形態5を説明する。なお、図9では、ダイクロイックプリズム26を省略している。
光源装置10Rから出射された出射光は、光学的には、対向するライトバルブ22Rで変調されることになる。しかし、熱的には、対向するライトバルブ22Rを熱することになる。具体的にはライトバルブ22Rを構成している、液晶パネル23R及び液晶パネル23Rを固定しているプラスチック製または金属製のフレーム24Rが光源装置10Rの出射光により温度が上昇することになる。そして、ライトバルブ22Rの熱は筐体内の外気への放熱により冷却されることになる。しかし、冷却効率はあまり高くないことや、液晶パネル23Rの特性は温度に影響されることなどから、液晶パネル23Rの温度が上昇することで、変調機能及び画像データを制御する機能が低下してしまう。ライトバルブ22G,22Bでも同様の問題が発生してしまう。
(1)伝熱部材97により、ライトバルブ22の温度が効率よく冷却され、ライトバルブを構成する液晶パネル23R,23G,23Bの変調機能及び画像データを制御する機能も低下することがなく、安定してライトバルブ22本来の機能を発揮することが可能となる。
図10は、実施形態6を示す平面図である。前記実施形態1では、光源装置10の構造として、流入路、流出路をLEDチップ100に対し平行に設けた構成であるのに対し、実施形態6では、図10に示すように流入路、流出路をLEDチップ100に対向させた構成で実施したものである。図10を用いて実施形態7を説明する。なお、実施形態6での断面関係は、図4と同様であるため説明は省略する。
底部122の表面には、実施形態1と同様に、溝状や突起状の冷却流体150の流導路が設けられることが好ましいが、この際、この流導路は、図中矢印E方向に沿って形成される。実施形態6においても、光源装置10の外部との接続構成は、実施形態1に記載した構成と同様のため、説明は省略する。
また、流入路126と流出路127が1つだけ設けられるため、光源装置10の構造を簡素化し、小型化することができる。
図11は、実施形態7の光源装置を示す平面図である。また、図12は、実施形態7の光源装置を示す断面図である。前記実施形態1及び実施形態6では、光源装置10の構造として、LEDチップ100が冷却流体150に浸漬される構成であるのに対し、実施形態7では、図11に示すようにLEDチップ100は冷却流体150に浸漬せず、発光素子基台120の周縁部に冷却流体150の流路を設ける構成で実施したものである。図11及び図12を用いて実施形態7を説明する。
流路129の上部開口部は、固定リング140によって発光素子基台120に接着等の手段で固着され、密閉封止される。
LEDチップ100は、外部制御回路からの発光信号を得て発光される。
この場合、流入路と流出路を2対備える構造に対して、冷却効率は、若干減ずるが、構造を簡素にでき、小型化することができるという効果がある。
図15は、本発明を具体化した別のプロジェクタの概略平面図である。図15(a)は、プロジェクタに把持部を備えた概略平面図である。同図(b)は、プロジェクタの把持部に保持部材を備えた概略平面図である。図15を用いて実施形態8を説明する。
(1)筐体70に把持部200を設け、また、その把持部200の周囲に放熱用流路50を備えたために、ユーザーは、把持部200を把持してプロジェクタ1を移動できると同時に、放熱用流路50により、外気の空気の流れを利用した自然冷却も可能となる。
図16は、第1の筐体部材の内面側に放熱用流路を設けた概略断面図である。図16を用いて実施形態9を説明する。
図17は、第1の筐体部材の内面側に放熱用流路と保持部材とを設けた概略断面図である。図17を用いて実施形態10を説明する。
図18は、第1の筐体部材の内面側に放熱用流路と保持部材とを設けた概略断面図である。また、図18は、放熱用流路を高圧流体により変形させて保持部に固定した図である。図18(a)は、放熱用流路を高圧流体により変形させ、保持部材及び保持部に固定した概略断面図である。同図(b)は、保持部材に放熱用流路を挿入し、放熱用流路を高圧流体により変形させ保持部材に固定した断面図である。図18を用いて実施形態11を説明する。
図19は、放熱用流路を第1の筐体部材の内部に形成した図であり、図19(a)は、概略斜視図を示し、同図(b)は、その概略断面図を示す。図19を用いて実施形態12を説明する。
図20は、第1の筐体部材の本体内部に流路となる空間を設けることで放熱用流路を形成した図であり、図20(a)は、概略斜視図を示し、同図(b)は、その概略断面図を示す。図20を用いて実施形態13を説明する。
図21は、第1の筐体部材がメイン筐体部材と、そのメイン筐体部材の両端面側に構成するサブ筐体部材とで構成された概略斜視図である。図22は、メイン筐体部材の成形直後の概略斜視図である。図23は、成形されたメイン筐体部材に加工を施した図であり、図23(a)は、その概略斜視図であり、同図(b)は、その概略正面図であり、同図(c)は、その概略断面図である。図21〜図23を用いて実施形態14を説明する。
冷却流体は、図23(c)に矢印で示す経路で冷却流体が流通する。詳細には、冷却流体は、プロジェクタ1の内部に備える流路から、流路口253を介して接続溝256に流入する。そして、接続溝256に流入した冷却流体は、貫通孔252を並列に流通して接続溝256に流入する。そして、流路口253を介して、プロジェクタ1の内部に備える流路に流入する経路で冷却流体が放熱用流路270を循環し流通する。この放熱用流路270を冷却流体が流通することで、冷却流体の持つ熱が、メイン筐体部材250に直接伝導して、メイン筐体部材250の本体表面から外気に放熱され冷却流体が冷却される。
図24は、サブ筐体部材に貫通孔を接続する接続溝を形成した図である。図25は、サブ筐体部材とメイン筐体部材を接合したときの概略断面図である。図24及び図25を用いて実施形態15を説明する。
図24(a)及び図24(b)に示すように、サブ筐体部材260には、メイン筐体部材250の貫通孔252に対応する位置に、貫通孔252の隣合う流路を接続するための接続溝266が凹部を成すように形成されている。サブ筐体部材260は、熱伝導率の高い銅系の薄板からなり、プレスにより、凹状に成形することで接続溝266を形成している。
冷却流体は、プロジェクタ1の内部に備える流路から、流路口253を介して1本の貫通孔252に流入して、接続溝266を流通し隣接する貫通孔252に流入する。この流通を繰返し放熱用流路270を流通して、他端に備える流路口254からプロジェクタ1の内部に備える流路に流入する経路で冷却流体が放熱用流路270を循環し流通する。それにより、冷却流体の持つ熱が、メイン筐体部材250に直接伝導して、メイン筐体部材250の本体表面から外気に放熱され冷却流体が冷却される。
(変形例1)前記実施形態1〜3では、放熱用流路50を第1の筐体部材70Aの外面側に固定した構成になっているが、例えば、図13に示すように、第1の筐体部材70Aの内面側に放熱用流路50を固定して、外面側にはフィン72を構成することで実施しても良い。これにより、熱伝導率が高く、軽量であるマグネシウム合金を用いた第1の筐体部材70Aの放熱効率が向上することで冷却用流体の冷却効率が一層向上する。
なお、その他の構成については実施形態1で説明した内容と同様のため省略する。
LEDチップ100の冷却に関しては、底部122に流導路128などは設けられないが、冷却流体150はLEDチップ100の上面側を主に回転するように流動することで、LEDチップ100を冷却することになる。
Claims (3)
- 光を出射する光源装置と、
前記光源装置の出射光を変調または合成するための光学系を構成する光学構成部と、
前記光学構成部からの出射光を投写する投写部と、
前記光源装置を冷却するための冷却流体を流通する流路と、
外装を構成する筐体とを備え、
前記流路は、光源装置に接続された接続流路と、当該接続流路と連続した放熱用流路とを有し、
前記筐体は、少なくとも第1の筐体部材と第2の筐体部材で構成され、
前記第1の筐体部材に前記放熱用流路と、前記接続流路と、前記光源装置と、前記光学構成部と、前記投写部とを具備し、
前記第1の筐体は、メイン筐体部材とサブ筐体部材とで構成され、前記メイン筐体部材の本体内部には複数の貫通孔が形成され、前記放熱用流路は、前記メイン筐体部材と前記サブ筐体部材とを合わせることで構成されることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、前記メイン筐体部材の端部には復数の前記貫通孔を連結する復数の溝を設け、前記放熱用流路は、前記メイン筐体部材と前記サブ筐体部材とを合わせることで構成されることを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、前記サブ筐体部材に、前記メイン筐体部材の複数の前記貫通孔に対向する位置に前記貫通孔を連結する複数の溝を設け、前記放熱用流路は、前記メイン筐体部材と前記サブ筐体部材とを合わせることで構成されることを特徴とするプロジェクタ。
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