JP2006220240A - 極低温超高速転がり軸受 - Google Patents

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昌平 中村
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Abstract

【課題】 極低温環境下において、油やグリースの流動性潤滑剤を用いずに必要とする低い摩擦係数と耐磨耗性を保持でき、回転速度が約8万rpm以上の超高速回転に適用でき、かつ製造コストを低減可能な極低温超高速転がり軸受を提供する。
【解決手段】 極低温において超高速で回転する回転軸に係止される内輪12と、内輪を同心に囲みかつ固定部に係止される外輪14と、その間隙に転動可能に挿入された複数の転動体16と、内輪と外輪の間に位置し転動体を互いに間隔を隔てて保持する保持器20とを備える。保持器20は、各転動体を隙間を隔てて収容しかつ半径方向に貫通した複数のポケット穴21を有する保持器本体22と、保持器本体のポケット穴内面と内輪または外輪に接触する案内面に設けられ極低温において十分な移着性と低摩擦係数を有する固体潤滑膜24(ポケット穴コーティング24Aと案内面コーティング24B)とからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体水素、液体酸素、液体天然ガス等の極低温液化ガス中で使用する極低温超高速転がり軸受に関する。
液体水素、液体酸素、液体天然ガス(メタン)の1気圧における沸点はそれぞれ約−253℃、−183℃、−162℃であり、ロケットエンジン等に用いられる高速回転機器(例えばターボポンプ)には、このような極低温の液化ガス中で使用する軸受が用いられる。
また、かかる極低温液化ガス用の高速回転機器では、軸受の運転条件であるDN値(軸受内径×回転数)が非常に高く(例えば約200万以上)、これに使用する転がり軸受の保持器は、小型軽量でかつ高い強度が必要とされる。
しかし、このような極低温下で使用する軸受には、軸受潤滑剤としては一般に用いられている油やグリースは使用できない。そこで、自己潤滑性を有しかつ高DN値での使用を可能にする極低温用の軸受保持器として、ガラス繊維強化型複合材料からなる軸受保持器が提案され、既にロケットエンジン等に用いられるターボポンプ用の軸受等に用いられている(例えば特許文献1)。
また、同様の目的で、保持器を必要としない極低温用の軸受も提案されている(例えば特許文献2)。
特許文献1の「ガラス繊維強化型複合材料製軸受保持器の製造方法」は、自己潤滑性材料にガラス繊維を加えて強化したガラス繊維強化型複合材料からなる軸受保持器の製造方法において、ガラス繊維強化型複合材料からなる軸受保持器素材を機械加工により加工した後、加工表面部のガラス繊維を表面処理剤で溶解除去するものである。またこの実施例では、自己潤滑性材料としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いている。
特許文献2の「転がり軸受」は、図8に示すように、内輪52と外輪53の間の軌道空間で隣り合う全ての玉54の間に、球形状のセパレータ55を1つずつ配したものである。この実施例において、セパレータ55を芯部と外殻部で構成し、外殻部をPTFE系高分子材料で形成している。
特公平2−20854号公報、「ガラス繊維強化型複合材料製軸受保持器の製造方法」 特開2002−147462号公報、「転がり軸受」
上述したように、ロケットエンジン等に用いられ、液体水素、液体酸素、液体天然ガス等の極低温液化ガス中で使用する高速回転機器(例えばターボポンプ)用の転がり軸受(以下、「極低温超高速転がり軸受」という)は、(1)約−260℃〜−160℃の極低温環境下において、油やグリースの流動性潤滑剤を用いずに必要とする低い摩擦係数と耐磨耗性を保持でき、かつ(2)DN値(軸受内径×回転数)が約200万以上であり回転速度が約8万rpm以上の超高速回転に適用できる必要がある。
上述した特許文献1の極低温超高速転がり軸受は、かかる条件を満たし、既に国内の宇宙開発プロジェクトにおいて実用されているが、製造工程が複雑であり、製造コストが過大となる問題点があった。
また、上述した特許文献2の転がり軸受は、製造コストを大幅に低減できる可能性があるが、内輪と外輪の間の軌道空間に位置するボールのうち半数が軸受用に寄与しないため、使用できるラジアル荷重が低下するおそれがあった。
本発明はかかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、従来の極低温超高速転がり軸受に代え、(1)約−260℃〜−160℃の極低温環境下において、油やグリースの流動性潤滑剤を用いずに必要とする低い摩擦係数と耐磨耗性を保持でき、(2)DN値が約200万以上であり回転速度が約8万rpm以上の超高速回転に適用でき、かつ(3)製造コストを低減可能な極低温超高速転がり軸受を提供することにある。
本発明によれば、極低温において超高速で回転する回転軸に係止される内輪と、該内輪を間隙を隔てて同心に囲みかつ固定部に係止される外輪と、前記間隙に転動可能に挿入された複数の転動体と、内輪と外輪の間に位置し前記転動体を互いに間隔を隔てて保持する保持器とを備え、
前記保持器は、前記内輪と外輪に同心のリング状部材であり、かつ各転動体を隙間を隔てて収容しかつ半径方向に貫通した複数のポケット穴を有する保持器本体と、
該保持器本体のポケット穴内面と内輪または外輪に接触する案内面に設けられ、極低温において十分な移着性と低摩擦係数を有する固体潤滑膜とからなる、ことを特徴とする極低温超高速転がり軸受が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記保持器本体は、約300〜500℃の高温に耐え、かつ該高温処理後に、極低温において超高速回転に耐える比強度を有する軽金属材からなり、
前記固体潤滑膜は、保持器本体の表面に成膜後、前記高温においてベーキング処理したフッ素樹脂である。
また、前記固体潤滑膜は、耐磨耗性を高めるために適量の耐磨耗添加剤を含有する。
前記ポケット穴内面の固体潤滑膜は、潤滑性と移着性に優れた高移着性フッ素樹脂コーティング膜であり、内輪または外輪に接触する案内面の固体潤滑膜は、潤滑性と耐磨耗性に優れた耐磨耗性フッ素樹脂コーティング膜である、ことが好ましい。
上記本発明の構成によれば、保持器本体のポケット穴内面と内輪または外輪に接触する案内面に固体潤滑膜が設けられ、この固体潤滑膜は極低温において十分な移着性と低摩擦係数を有するので、使用中の接触により固体潤滑膜が転動体表面に移着することにより、極低温環境下において、油やグリースの流動性潤滑剤を用いずに必要とする低い摩擦係数と耐磨耗性を保持できる。
また、保持器本体が、約300〜500℃の高温に耐え、かつ該高温処理後に、極低温において超高速回転に耐える比強度を有する軽金属材からなるので、DN値(軸受内径×回転数)が約200万以上に達する約8万rpm以上の超高速回転に適用できる。
また、前記固体潤滑膜が、保持器本体の表面に成膜後、前記高温においてベーキング処理したフッ素樹脂であることにより、固体潤滑膜と保持器本体の付着強度を高め、その耐磨耗性を高めることができる。
更に、軽金属の表面にフッ素樹脂を成膜しベーキング処理することで、所望の性能の保持器が得られるので、従来品に比べ製造工程が簡単であり、製造コストを大幅に下げることができる。
また、固体潤滑膜が適量の耐磨耗添加剤を含有することにより、耐磨耗性を更に高めることができる。
特に前記ポケット穴内面の固体潤滑膜は、潤滑性と移着性に優れた高移着性フッ素樹脂コーティング膜であり、内輪または外輪に接触する案内面の固体潤滑膜は、潤滑性と耐磨耗性に優れた耐磨耗性フッ素樹脂コーティング膜であることにより、潤滑剤として作動機能の異なるポケット部と案内面で最適なコーティングを使い分けることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の極低温超高速転がり軸受の構成図である。この図において、(A)は側面断面図、(B)はその部分拡大図、(C)は保持器の斜視図である。
図1(A)に示すように、本発明の極低温超高速転がり軸受10は、内輪12、外輪14、転動体16及び保持器20からなる。
内輪12は、極低温においてZ-Z軸を中心に超高速で回転する回転軸1に係止される。この出願において、「極低温」とは約−260℃〜−160℃を意味し、「超高速」とはDN値約200万以上であり回転速度が約8万rpm以上を意味する。
回転軸1は、例えば液体水素、液体酸素、液体天然ガス等の極低温液化ガス用のターボポンプであり、極低温液化ガスが気化したガスで駆動され、極低温液化ガス自体で冷却される。回転軸1には、極低温における疲労強度の高いニッケル基の超合金、例えばインコネル材を用いる。
また、内輪12は、極低温かつ超高速において回転軸との間に締め代を有し、超高速による遠心力が作用しても回転軸1との間に速度差(スリップ)が生じないようになっている。
外輪14は、内輪12を間隙を隔てて同心に囲み、かつ固定部2に係止される。外輪14は極低温環境での使用を考慮してマルテンサイト系ステンレス鋼のSUS440C等を使用する。
転動体16は、この例のおいて複数(9〜10)の球形ボールであり、内輪12と外輪14の間隙に転動可能に挿入されている。転動体16は、セラミック製(たとえばSi3N4)であるのがよい。なお、マルテンサイト系ステンレス鋼のSUS440Cを使用してもよい。
なおこの例において、軸受10は、アンギュラ玉軸受であるが、本発明はこれに限定されず、ローラを転動体とするローラ軸受であってもよい。
保持器20は、内輪12と外輪14に同心のリング状部材であり、内輪12と外輪14の間に位置し、転動体16を互いに間隔を隔てて保持する。
図1(B)、(C)に示すように、保持器20は、保持器本体22と固体潤滑膜24からなる。
保持器本体22は、各転動体16を隙間を隔てて収容しかつ半径方向に貫通した複数のポケット穴21を有する。この例で保持器本体22は、中空円筒形の中実材であり、約300〜500℃の高温に耐え、かつこの高温処理後に、極低温において超高速回転に耐える比強度を有する軽金属材からなる。かかる軽金属材として耐食性アルミ合金、例えばA5056アルミ合金を用いることができる。
潤滑性のみであればテフロン(登録商標)樹脂に強度増加剤を混合した材料で保持器を製作することができる。しかし高速軸受用としては材料強度(比強度=引張強度/比重)が不足し、成立しない。
従って保持器本体22は、極低温で比強度が高く、軸受内で高速回転中の挙動が他部分(内輪12と外輪14)に与えるダメージが少ない軽量のアルミニウム合金を使用する。またアルミニウム合金を使用することにより、樹脂に比べて製作精度を高め、高速での回転精度を高めることができる。
固体潤滑膜24は、この例では保持器本体22のポケット穴21の内面と、外輪14に接触する案内面(外面)に設けられたコーティング膜である。なお、案内面が内面の場合には、外面の代わりに、固体潤滑膜24を内輪12に接触する内面に設ける。
この固体潤滑膜24(コーティング膜)は、保持器本体20の表面に成膜後、約300〜500℃の高温においてベーキング処理したフッ素樹脂であり、極低温において十分な移着性と低摩擦係数を有する。また、耐磨耗性を高めるために適量の耐磨耗添加剤を含有する。
特に、ポケット穴21の内面の固体潤滑膜24A(ポケット穴コーティング)は、転動体16との摩擦で相手に転移移着し、転動体16と内外輪間の転がり軸受本来の摩擦部分の潤滑に寄与する。従ってこの部分のコーティング剤は、低摩擦係数と良好な移着性能が必要で、更に寿命に効く耐磨耗性能とのバランスで選択する。寿命はコーティング厚さで決まる。
従って、ポケット穴内面の固体潤滑膜(ポケット穴コーティング)24Aは、潤滑性と移着性に優れた高移着性フッ素樹脂コーティング膜であり、必要な寿命に応じた膜厚さ(好ましくは、0.1mm以上)を有する。
また、案内面は、軸受外輪内径面にガイドされて接触しながら高速回転する。従って案内面の固体潤滑膜24B(案内面コーティング)は、接触時の潤滑に寄与し、わずかな保持器のアンバランスやラジアル荷重で強く接触する可能性があり、十分低い摩擦係数と共に耐磨耗性能を必要とする。
従って、内輪または外輪に接触する案内面の固体潤滑膜24B(案内面コーティング)は、潤滑性と耐磨耗性に優れた耐磨耗性フッ素樹脂コーティング膜であるのがよい。
このように、ポケット部と案内面の潤滑剤コーティングはそれぞれの機能に合った材料を使い分けるのがよい。
案内面はコーティング後、軸受外輪の案内面である内径面とのスキマ精度を上げるため研磨仕上げをする。この保持器の形状精度を上げることにより、高速回転中の保持器の挙動を安定させ、過度の内部摩擦による発熱を防止することができる。
(コーティング材料の比較試験:その1)
コーティング材料を評価するため、PTFEに耐磨耗剤を少量を加えたもの(TP1)、同中間量を加えたもの(TP2)、同多量を加えたもの(TP3)、更に低温摺動剤を加えたもの(TP4)を比較試験した。耐磨耗剤の少量、中間量、多量は、同種のものの比率を順に増したものである。また低温摺動剤は、耐磨耗剤とは異なる添加剤であり、適量添加した。
ピンオンディスク移着性試験装置を用い、ピンには、TP1〜TP4の保持器材料を用い、極低温(−196℃)で試験した。またこの試験では、移着性試験装置のボールと回転板間の電気抵抗から金属接触率(%)を求めた。試験結果を図2、3、4と表1(極低温)に示す。
Figure 2006220240
図2は、極低温におけるピン摩擦係数の変化を示している。この図から、TP1〜TP4のいずれも摩擦係数が低く、実績のある従来品と同等である。
また、図3は、常温と極低温における磨耗量の比較図である。この図から、TP1は常温において磨耗量が過大であるが、極低温ではいずれも小さく、実績のある従来品と同等またはより優れていることが確認された。
更に、図4は、金属接触率の変化を示しており、特にTP2の移着性は、実績のある従来品と同等であり、その他は劣っていた。
従って、この結果から、TP2が摩擦係数、移着性、磨耗量のすべてにおいて、実績のある従来品と同等の性能を有することが確認された。
(コーティング材料の比較試験:その2)
コーティング材料を更に評価するため、PTFEをベースに耐磨耗剤等を添加した4種類の試験材(TP5〜8)を準備し、前記TP3,4と共に同様の試験を極低温(−196℃)で実施した。試験結果を図5、6に示す。
図5は、極低温におけるピン摩擦係数の変化を示している。この図から、TP8を除くTP4〜TP7のいずれも摩擦係数が低く、実績のある従来品と同等であることがわかる。
また、図6は、極低温における磨耗量の比較図である。この図から、TP3、6、8は比較して大きく、TP5,7が、いずれも小さく、実績のある従来品より優れていることが確認された。
従って、この結果から、TP5,7が摩擦係数、磨耗量のすべてにおいて、実績のある従来品と同等の性能を有することが確認された。
(軸受性能試験)
本発明の軸受を実際に極低温で超高速回転させその性能を試験した。
図7は、本発明の極低温超高速転がり軸受の性能試験装置の構成図である。この試験装置は、供試軸受34を2セットを組み込み、その超高速回転軸35の端部にラジアルタービン36を備えたものである。ラジアルタービン36は、ガス化した液体水素(約−253℃)で駆動し、軸受は液体水素で冷却した。
本発明の軸受34として、保持器本体22をA5056アルミ合金で作り、ポケット穴21の内面と外周案内面に、実施例2のTP2に相当するコーティング膜を成膜してベーキング処理し、内面はコーティングのまま、外周案内面は所定寸法に研磨仕上げした。
液体水素(約−253℃)を用いて超高速回転軸35を約10万rpmで約180秒間回転させた後、軸受34を分解し、各部を検査した。この結果、ポケット穴の内面及び外周案内面の磨耗量も小さく、本発明の軸受が、従来の極低温超高速転がり軸受と同様に、油やグリースの流動性潤滑剤を用いずに極低温環境下において必要とする低い摩擦係数と耐磨耗性を保持できることが確認された。
上述したように、本発明によれば、保持器本体22をアルミニウム合金にすることで極低温高速軸受用として高比強度(現在使用中の保持器材の3倍程度、テフロン(登録商標)の強度強化材の5倍程度)の高剛性が得られる。
また、遠心力及び転動体の公転速度差(BSV)により発生するポケット位置での周方向応力に対し、十分な強度を持つ。
更に、軽金属を使用することで保持器の形状精度を上げることができ、超高速回転中の保持器の挙動を安定させ、過度の内部摩擦による発熱を防止できる。
また、保持器本体の表面に固体潤滑膜を成膜するので、ポケット部のコーティング剤は、潤滑性+転移移着性の良好なもの、案内面のコーティングは潤滑性+耐磨耗性に重点をおいて選択し、潤滑剤として作動機能の異なるポケット部と案内面で最適なコーティングを使い分けることができる。
なお、本発明は上述した実施例及び実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の極低温超高速転がり軸受の構成図である。 本発明の第1実施例で得られたピン摩擦係数の特性図である。 本発明の第1実施例で得られたピン磨耗量の比較図である。 本発明の第2実施例で得られたピン摩擦係数の特性図である。 本発明の第2実施例で得られたピン磨耗量の比較図である。 本発明の第2実施例で得られた金属接触率の特性図である。 本発明の極低温超高速転がり軸受の性能試験装置の構成図である。 特許文献2の「転がり軸受」の構成図である。
符号の説明
1 回転軸、2 固定部、
10 極低温超高速転がり軸受、
12 内輪、14 外輪、16 転動体、
20 保持器、21 ポケット穴、22 保持器本体、
24 固体潤滑膜(コーティング膜)、
24A ポケット穴の固体潤滑膜(ポケット穴コーティング)、
24B 案内面の固体潤滑膜(案内面コーティング)、
34 軸受、35 超高速回転軸、36 ラジアルタービン

Claims (4)

  1. 極低温において超高速で回転する回転軸に係止される内輪と、該内輪を間隙を隔てて同心に囲みかつ固定部に係止される外輪と、前記間隙に転動可能に挿入された複数の転動体と、内輪と外輪の間に位置し前記転動体を互いに間隔を隔てて保持する保持器とを備え、
    前記保持器は、前記内輪と外輪に同心のリング状部材であり、かつ各転動体を隙間を隔てて収容しかつ半径方向に貫通した複数のポケット穴を有する保持器本体と、
    該保持器本体のポケット穴内面と内輪または外輪に接触する案内面に設けられ、極低温において十分な移着性と低摩擦係数を有する固体潤滑膜とからなる、ことを特徴とする極低温超高速転がり軸受。
  2. 前記保持器本体は、約300〜500℃の高温に耐え、かつ該高温処理後に、極低温において超高速回転に耐える比強度を有する軽金属材からなり、
    前記固体潤滑膜は、保持器本体の表面に成膜後、前記高温においてベーキング処理したフッ素樹脂である、ことを特徴とする請求項1に記載の極低温超高速転がり軸受。
  3. 前記固体潤滑膜は、耐磨耗性を高めるために適量の耐磨耗添加剤を含有する、ことを特徴とする請求項2に記載の極低温超高速転がり軸受。
  4. 前記ポケット穴内面の固体潤滑膜は、潤滑性と移着性に優れた高移着性フッ素樹脂コーティング膜であり、内輪または外輪に接触する案内面の固体潤滑膜は、潤滑性と耐磨耗性に優れた耐磨耗性フッ素樹脂コーティング膜である、ことを特徴とする請求項2に記載の極低温超高速転がり軸受。
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