JP2003036002A - 表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール - Google Patents

表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール

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JP2003036002A
JP2003036002A JP2001221353A JP2001221353A JP2003036002A JP 2003036002 A JP2003036002 A JP 2003036002A JP 2001221353 A JP2001221353 A JP 2001221353A JP 2001221353 A JP2001221353 A JP 2001221353A JP 2003036002 A JP2003036002 A JP 2003036002A
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roll
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Aritaka Tatsumi
有孝 辰巳
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造するときには製造が容易であり、且つ複写
機の定着ロールとして使用したときには優れた耐摩耗性
と長寿命とを発揮することができる表面を架橋ふっ素樹
脂で被覆したロールを提供すること。 【解決手段】軸芯体上に直接又は他の被覆層を介してふ
っ素樹脂被覆層を設けて成るロールにおいて、前記ふっ
素樹脂被覆層は内周面側が未架橋ふっ素樹脂から成り、
且つその外周面側が架橋ふっ素樹脂から成ることを特徴
とする表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロールにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面を架橋ふっ素樹
脂で被覆したロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機には通常定着ロールが設置されて
いる。
【0003】この種の従来の定着ロールとしては軸芯上
に耐熱ゴム被覆層、例えばシリコンゴム被覆層を設けて
成るシリコンゴム被覆ロール、また軸芯上に耐熱ゴム被
覆層、例えばシリコンゴム被覆を設け、更にそのシリコ
ンゴム被覆層上に数十μm薄厚のふっ素樹脂被覆層を設
けて成るふっ素樹脂オーバコートシリコンゴム被覆ロー
ル等がある。
【0004】特に、後者のふっ素樹脂オーバコートシリ
コンゴム被覆ロールは耐熱性や非汚染性等が優れている
ことから広く実用されるようになってきている。
【0005】一方、ふっ素樹脂は無酸素雰囲気下で、且
つその融点より若干高い温度下で電離放射線を照射する
と架橋することが知られている。この架橋ふっ素樹脂は
未架橋ふっ素樹脂より優れた耐摩耗性を発揮することが
知られている。
【0006】そこで架橋ふっ素樹脂微粉末を利用したロ
ールも開発されている。
【0007】この架橋ふっ素樹脂微粉末を利用したロー
ルは次のように4段階を経て製造されている。
【0008】第1段階は未架橋ふっ素樹脂微粉末を無酸
素雰囲気下で、且つその融点より若干高い温度下で電離
放射線を照射することにより架橋させる。
【0009】第2段階はここで得られたその架橋ふっ素
樹脂微粉末をパーフルオロアルコキシふっ素樹脂(以
下、PFAという)微粉末若しくはポリアミドイミド樹
脂(以下、PAIという)微粉末中へ分散させる。
【0010】第3段階はここで得られた架橋ふっ素樹脂
微粉末分散PFA微粉末若しくは架橋ふっ素樹脂微粉末
分散PAI微粉末を軸芯体上に直接又は他の被覆層を介
してコーティングする。
【0011】第4段階はここで得られた架橋ふっ素樹脂
微粉末分散PFA微粉末コーティングロール若しくは架
橋ふっ素樹脂微粉末分散PAI微粉末コーティングロー
ルをベーキングして成るロールとするものである。
【0012】ところで業務用複写機の定着ロールでは大
量の紙を定着処理することからその紙通過による摩耗劣
化が大きい。当然、摩耗した定着ロールは交換すること
になるから、複写機の稼動率が低下すると共に維持管理
費が高くなるという難点があった。
【0013】このような訳で優れた耐摩耗性、長寿命を
発揮する定着ロールが望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のふ
っ素樹脂オーバコートシリコンゴム被覆ロールはふっ素
樹脂をオーバコートして製造するものであり、そのふっ
素樹脂オーバコート厚さが薄く、そのため従来のふっ素
樹脂オーバコートシリコンゴム被覆ロールは耐摩耗性が
劣るという難点があった。
【0015】また、架橋ふっ素樹脂微粉末分散PFA微
粉末コーティングロールや架橋ふっ素樹脂微粉末分散P
AI微粉末コーティングロールは、従来のふっ素樹脂オ
ーバコートシリコンゴム被覆ロールより耐摩耗性が良好
である。しかしこれらのロールでは架橋ふっ素樹脂微粉
末をコーティング厚さより十分に小さい外径の微粉末へ
粉砕するのが困難という難点があり、しかも架橋ふっ素
樹脂微粉末分散PFA微粉末コーティングロールや架橋
ふっ素樹脂微粉末分散PAI微粉末コーティングロール
は製造工程が多岐にわたり製造難易性が高いという難点
がある。
【0016】本発明はかかる点に立って為されたもので
あって、その目的とするところは前記した従来技術の欠
点を解消し、製造するときには製造が容易であり、且つ
複写機の定着ロールとして使用したときには優れた耐摩
耗性と長寿命とを発揮することができる表面を架橋ふっ
素樹脂で被覆したロールを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、軸芯体上に直接又は他の被覆層を介してふっ素樹
脂被覆層を設けて成るロールにおいて、前記ふっ素樹脂
被覆層は内周面側が未架橋ふっ素樹脂から成り、且つそ
の外周面側が架橋ふっ素樹脂から成ることを特徴とする
表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロールにある。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の表面を架橋ふっ素
樹脂で被覆したロールの実施の形態について説明する。
【0019】本発明において軸芯体上に被覆する他の被
覆層としては耐熱ゴム被覆層、例えばシリコンゴム等が
好ましい。
【0020】本発明においてふっ素樹脂被覆層のベース
ふっ素樹脂材料としてはポリテトラフルオロエチレン
(以下、PTFEという)、パーフルオロアルコキシふ
っ素樹脂(以下、PFEという)、四ふっ化エチレン/
六ふっ化プロピレン(以下、FEPという)、エチレン
/テトラフルオロエチレン教重合体の中から選ばれた1
種であることが好ましい。
【0021】本発明の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆した
ロールは次のような工程を経て製造される。 (1)中間製品の未架橋ふっ素樹脂で被覆したロールの
作成 まず、軸芯体上に直接又は他の被覆層を介して未架橋ふ
っ素樹脂被覆層を被覆して成る中間製品の未架橋ふっ素
樹脂で被覆したロールを作成する。
【0022】ここにおいて軸芯体上に直接又は他の被覆
層を介して未架橋ふっ素樹脂被覆層を被覆する方法とし
ては次の二方法を用いることができる。 コーティング被覆方法 まず、軸芯体上又は他の被覆層上に、未架橋ふっ素樹脂
微粉末を静電粉体塗装法又は流動浸漬塗装法により所定
厚さの未架橋ふっ素樹脂微粉末層を設ける。
【0023】次に、その軸芯体上又は他の被覆層上に未
架橋ふっ素樹脂微粉末層を設けたものを高温でベーキン
グ処理することにより、未架橋ふっ素樹脂被覆ロールが
得られる。
【0024】このベーキング処理により軸芯体上又は他
の被覆層と未架橋ふっ素樹脂被覆層とは強固に接着す
る。 未架橋ふっ素樹脂チューブ被覆方法 まず、被覆する軸芯体の外径より大きい内径を有し、且
つ傾斜機能を設けることができる厚さを有する未架橋ふ
っ素樹脂チューブを用意する。
【0025】次に、軸芯体上又は他の被覆層上に接着剤
を塗布する。
【0026】次に、その接着剤を塗布した軸芯体上又は
他の被覆層上に、未架橋ふっ素樹脂チューブを被嵌す
る。
【0027】次に、その未架橋ふっ素樹脂チューブ被嵌
体を加熱処理することにより軸芯体上又は他の被覆層上
に未架橋ふっ素樹脂チューブを密着収縮させる。
【0028】次に、その軸芯体上又は他の被覆層上に未
架橋ふっ素樹脂チューブを密着収縮したものを高温でキ
ュアすることにより、未架橋ふっ素樹脂被覆ロールが得
られる。
【0029】この高温でのキュアにより軸芯体上又は他
の被覆層と未架橋ふっ素樹脂被覆層とは強固に接着す
る。 (2)未架橋ふっ素樹脂被覆ロールの未架橋ふっ素樹脂
被覆層の傾斜架橋 まず、上記で得られた中間製品の未架橋ふっ素樹脂被覆
ロールを回転できるように電子線照射装置内に装着す
る。
【0030】次に、電子線照射装置内を無酸素雰囲気下
で、且つ被覆した未架橋ふっ素樹脂の融点より若干高い
温度に加熱する。
【0031】次に、中間製品の未架橋ふっ素樹脂被覆ロ
ールを回転させながら飛程が未架橋ふっ素樹脂被覆層の
厚さより短いエネルギーを有する電子線を照射する。こ
のように飛程が未架橋ふっ素樹脂被覆層の厚さより短い
エネルギーを有する電子線を照射することにより、未架
橋ふっ素樹脂被覆層の外周面側は架橋されるが、その内
周面側は未架橋ふっ素樹脂のままである。
【0032】このようにして最終製品の表面を架橋ふっ
素樹脂で被覆したロールが得られる。つまりここで得ら
れた表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロールのふっ素樹
脂被覆層は、その外周面側が架橋ふっ素樹脂、その内周
面側が未架橋ふっ素樹脂のままの傾斜機能材となるので
ある。
【0033】ここにおいて架橋ふっ素樹脂の厚さは照射
する電子線の飛程で決まる。即ち、飛程が大きい電子線
を照射したときには、架橋ふっ素樹脂の厚さが厚く、未
架橋ふっ素樹脂の厚さが薄くなる。逆に、飛程が小さい
電子線を照射したときには、架橋ふっ素樹脂の厚さが薄
く、未架橋ふっ素樹脂の厚さが厚くなる。
【0034】物質層の表面に垂直に入射した電子線の飛
程は、入射直前の電子線のエネルギーの大きさ(電子線
電圧)、その物質の原子量及び密度で定まる。
【0035】図4は密度が2.17g/cm3であるPT
FEへ電子線を照射したときの電圧と飛程との関係を示
したグラフである。
【0036】図4から判るように、例えば電圧が100
kVのときの飛程は60μmである。
【0037】一般に、未架橋ふっ素樹脂被覆ロールの未
架橋ふっ素樹脂被覆層厚さは数十μmであることから、
その未架橋ふっ素樹脂被覆層の外周面側を架橋させるた
めの照射電子線の電圧は100kV以下である。
【0038】しかし前述したように未架橋ふっ素樹脂被
覆ロールの未架橋ふっ素樹脂被覆層の照射、架橋は、無
酸素雰囲気下で未架橋ふっ素樹脂の融点より若干高い温
度下で行われる。また、電子線の照射は照射窓、例えば
厚さが40μm程度のTi箔製照射窓を介して行われて
いる。このような訳で電子線は無酸素雰囲気やTi箔製
照射窓の影響を受けてかなりの減衰が避けられない。
【0039】そこで電子線発生装置側の電圧は、図4よ
り求めた未架橋ふっ素樹脂被覆ロールの未架橋ふっ素樹
脂被覆層の外周面側の架橋電圧より大きく設定するのが
通例である。例えば、図4より未架橋ふっ素樹脂被覆ロ
ールの未架橋ふっ素樹脂被覆層の外周面側を架橋させる
電圧が電位60kVと求められた場合、その電子線発生装
置側の電圧は150kVに設定する等である。
【0040】さて、電子線を照射した未架橋ふっ素樹脂
は電子線を吸収して発熱するが、その温度上昇は殆どみ
られなく、その結果特別に冷却する必要がない。これは
次のように考えられる。
【0041】まず、架橋温度下における未架橋ふっ素樹
脂の熱伝導率は約0.4W/mkと小さく、熱の移動が
小さい。当然、未架橋ふっ素樹脂被覆層内の熱の移動が
小さければ電子線吸収による発熱により温度が上昇する
筈であるが、実際には殆ど温度上昇がみられない。ここ
で未架橋ふっ素樹脂被覆層の厚さは薄く、そのため熱容
量も小さい。これに対して軸芯体はその厚さが厚く、熱
容量も大きい。その結果未架橋ふっ素樹脂被覆ロールの
温度は軸芯体の温度にほぼ等しくなるものと考えられ
る。
【0042】なお、未架橋ふっ素樹脂は高電気絶縁性材
料であるため、未架橋ふっ素樹脂被覆ロールの未架橋ふ
っ素樹脂被覆層を貫通しない電子線を照射したときに
は、その未架橋ふっ素樹脂被覆層内に電荷が溜まり易
い。この未架橋ふっ素樹脂被覆層内に溜まった電荷はそ
の限界量を越えると放電する。この放電現象はリヒテン
ベルク像と呼ばれている。しかし未架橋ふっ素樹脂被覆
ロールの未架橋ふっ素樹脂被覆層は薄いためにその電気
絶縁抵抗値も小さく、その結果リヒテンベルク像が発生
する懸念はない。
【0043】
【実施例】次に、本発明の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆
したロールの一実施例について説明する。
【0044】図1は本発明の表面を架橋ふっ素樹脂で被
覆したロールの一実施例を示した断面図である。
【0045】図1において20は本発明の一実施例の表
面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール、21はアルミ合
金製軸芯体、22Aは未架橋ふっ素樹脂層、22Bは架
橋ふっ素樹被覆層である。
【0046】即ち、本発明の一実施例の表面を架橋ふっ
素樹脂で被覆したロール20は軸芯体21の上に未架橋
ふっ素樹脂層23Aが設けてあり、且つその未架橋ふっ
素樹脂層23A上に架橋ふっ素樹被覆層23Bが設けら
れて成るものである。
【0047】ここにおいて未架橋ふっ素樹脂層23Aと
その上層の架橋ふっ素樹被覆層23Bとはもともと一体
成形物である。従ってその界面の剥離強度は強大であ
り、しかもその上層の架橋ふっ素樹被覆層23Bは架橋
されたものであるから優れた耐摩耗性と長寿命とを発揮
する。 (表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール20の第1例
製造方法)次に、図2により図1に示す本発明の一実施
例の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール20の第1
例製造方法について説明する。
【0048】図2は図1に示す本発明の一実施例の表面
を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール20の製造方法を示
した斜視説明図である。
【0049】図2において1は架橋炉、2はロール回転
駆動モータ、3は駆動ベルト、4は駆動プーリー、6は
温度調整ガス噴出ノズル、7は低加速電圧電子線照射機
構、8はTi箔製電子線照射窓、9は赤外線温度セン
サ、10は未架橋ふっ素樹脂被覆ロール、21はアルミ
合金製軸芯体、22Aは未架橋ふっ素樹脂被覆層であ
る。
【0050】ここにおいて低加速電圧電子線照射機構7
としは非走査型低加速電圧電子線照射機構を用いたが、
本発明では勿論加速電圧が同じクラスの走査型低加速電
圧電子線照射機構を用いてもよい。
【0051】また、ここにおいてTi箔製電子線照射窓
8は40μmである。このTi箔製電子線照射窓8は低
加速電圧電子線照射機構7から発生した電子線を透過す
ることができる。
【0052】図1に示す本発明の一実施例の表面を架橋
ふっ素樹脂で被覆したロール20の第1例製造方法で
は、まず中間製品である未架橋ふっ素樹脂被覆ロール1
0を製造する。
【0053】この中間製品の未架橋ふっ素樹脂被覆ロー
ル10の製造では、まずアルミ合金製軸芯体21の円周
面上にPTFE微粉末を静電塗装法により塗布すること
によりPTFE微粉末静電塗装膜体を作成する。
【0054】次に、そのPTFE微粉末静電塗装膜体を
高温でベーキング処理することにより、中間製品の未架
橋ふっ素樹脂被覆ロール10を得る。この高温でのベー
キング処理により中間製品の未架橋ふっ素樹脂被覆ロー
ル10の未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aはアルミ合金製
軸芯体21上に強固に接着する。
【0055】次に、この中間製品の未架橋ふっ素樹脂被
覆ロール10の架橋について説明する。
【0056】まず、中間製品の未架橋ふっ素樹脂被覆ロ
ール10のアルミ合金製軸芯体21の一端側を図2に示
すようにが架橋炉1上に設置されている駆動プーリー4
に連結する。
【0057】次に、図示しないがこのように駆動プーリ
ー4に連結した未架橋ふっ素樹脂被覆ロール10の周囲
を窒素ガス雰囲気とすると共にその環境温度をPTFE
の融点より若干高い温度である340℃に加熱する。こ
の加熱により未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aは二次ベー
キングが完了する。
【0058】次に、このように窒素ガス雰囲気で、且つ
その環境温度を340℃に加熱した未架橋ふっ素樹脂被
覆ロール10は、ロール回転駆動モータ2を駆動させる
ことにより駆動ベルト3を介して一定回転に回転させら
れる。
【0059】次に、このように窒素ガス雰囲気で、且つ
その環境温度を340℃に加熱し、しかも回転している
未架橋ふっ素樹脂被覆ロール10へ低加速電圧電子線照
射機構7から飛程が未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aの厚
さより短いエネルギーを有する電子線をTi箔製電子線
照射窓8を介して照射する。
【0060】この電子線の照射により中間製品の未架橋
ふっ素樹脂被覆ロール10は、その未架橋ふっ素樹脂被
覆層22Aの外周面側が架橋されて架橋ふっ素樹脂被覆
層22Bとなり、図1に示すような本発明の一実施例の
表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール20となる。
【0061】このように飛程が照射前の中間製品の未架
橋ふっ素樹脂被覆層22Aの厚さより短いエネルギーを
有する電子線を照射することにより、未架橋ふっ素樹脂
被覆層22Aの外周面側は架橋されて架橋ふっ素樹脂被
覆層22Bとなるが、その内周面側は照射後の未架橋ふ
っ素樹脂層22Aのままである。
【0062】この場合照射後の未架橋ふっ素樹脂層22
Aの厚さは、照射前の未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aの
厚さより減少する。その減少率は照射する電子線の飛程
により変わってくる。電子線の飛程が大きいときには照
射前の未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aの厚さが相対的に
薄くなり、架橋ふっ素樹脂被覆層22Bの厚さが相対的
に大巾に厚くなる。逆に、電子線の飛程が小さいときに
は照射前の未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aの厚さが相対
的に厚く、架橋ふっ素樹脂被覆層22Bの厚さが相対的
に薄くなる。
【0063】ここにおいて未架橋ふっ素樹脂被覆ロール
10へ電子線を照射したとき、電子線はその未架橋ふっ
素樹脂被覆ロール10の軸線を含む平面に直交する方向
に一様に照射されるが、未架橋ふっ素樹脂被覆ロール1
0が円筒体であるので電子線が当たり始めてから真上に
来るまで段階的に電子線の入射角度が変わることにな
る。しかも未架橋ふっ素樹脂被覆ロール10の裏側には
電子線が照射されない。そこでここでは未架橋ふっ素樹
脂被覆ロール10を回転させながら照射することによ
り、全面に均等に照射できるようにしたものである。
【0064】また、ここでは図2に示すように未架橋ふ
っ素樹脂被覆ロール10の未架橋ふっ素樹脂被覆層22
Aの温度を微調整するために、回転している未架橋ふっ
素樹脂被覆ロール10の下方に温度調整ガス噴出ノズル
6と赤外線温度センサ9とを設置してある。例えば、赤
外線温度センサ9で計測した未架橋ふっ素樹脂被覆ロー
ル10の未架橋ふっ素樹脂被覆層22Aの温度が基準価
より高いときには、温度調整ガス噴出ノズル6より多目
の雰囲気ガスを吹き出すようにする。
【0065】なお、このようにして得られた図1に示す
本発明の一実施例の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロ
ール20は必要に応じて外周面を研削することにより平
滑性と所定寸法にする。 (架橋ふっ素樹脂で被覆したロール20の第2例製造方
法)第2例製造方法は、中間製品の未架橋ふっ素樹脂被
覆ロール10を熱収縮性チューブを用いて製造方法であ
る。
【0066】第2例製造方法では、まずアルミ合金製軸
芯体21の表面を洗浄、活性化処理する。
【0067】次に、その活性化処理したアルミ合金製軸
芯体21の円周面上に接着剤を塗布する。
【0068】次に、その接着剤塗布アルミ合金製軸芯体
21上に熱収縮性チューブを被嵌する。
【0069】次に、その熱処理して熱収縮性チューブを
収縮させると共に接着剤を硬化することにより、中間製
品の未架橋ふっ素樹脂被覆ロール10とする。
【0070】これ以降の工程である中間製品の未架橋ふ
っ素樹脂被覆ロール10の電子線による架橋処理は、P
TFE微粉末の静電塗装法により製造した中間製品の未
架橋ふっ素樹脂被覆ロール10の電子線による架橋処理
と同様に行う。 (表面側架橋ふっ素樹脂シートの製造方法への転用例)
この本発明の一実施例の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆し
たロール20の第1例製造方法を表面側架橋ふっ素樹脂
シートの製造方法へ転用することもできる。
【0071】図3は本発明の一実施例の表面を架橋ふっ
素樹脂で被覆したロール20の第1例製造方法を表面側
架橋ふっ素樹脂シートの製造方法へ転用した一例を示し
た斜視説明図である。
【0072】図3において1は架橋炉、7は低加速電圧
電子線照射機構、8はTi箔製電子線照射窓、9は赤外
線温度センサ、30は搬送コンベア、31は金属平板、
32は未架橋ふっ素樹脂塗膜層である。
【0073】表面側架橋ふっ素樹脂シートの製造方法で
は、まず金属平板31に未架橋ふっ素樹脂塗膜層32を
設けて成る未架橋ふっ素樹脂塗膜形成金属平板を作成す
る。
【0074】次に、その作成した未架橋ふっ素樹脂塗膜
形成金属平板を架橋炉1に設置されている搬送コンベア
30上に所定間隔をおいて載せる。
【0075】次に、図示しないがこのように搬送コンベ
ア30上に所定間隔をおいて載せた未架橋ふっ素樹脂塗
膜形成金属平板の周囲を窒素ガス雰囲気とすると共にそ
の環境温度をPTFEの融点より若干高い温度である3
40℃に加熱する。この加熱により未架橋ふっ素樹脂塗
膜層32はベーキングが完了する。
【0076】次に、搬送コンベア30を稼動させながら
低加速電圧電子線照射機構7から飛程が未架橋ふっ素樹
脂塗膜層32の厚さより短いエネルギーを有する電子線
をTi箔製電子線照射窓8を介して照射する。
【0077】この電子線の照射により未架橋ふっ素樹脂
塗膜層32の外周面側が架橋されて架橋ふっ素樹脂塗膜
となる。
【0078】このようにして得られた表面側架橋ふっ素
樹脂シートは優れた耐摩耗性を発揮する。
【0079】
【発明の効果】本発明の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆し
たロールは製造が容易であり、しかも得られたロールは
優れた耐摩耗性と長寿命とを発揮するものであり、工業
上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロー
ルの一実施例を示した断面図である。
【図2】図1に示す本発明の一実施例の表面を架橋ふっ
素樹脂で被覆したロール20の製造方法を示した斜視説
明図である。
【図3】本発明の一実施例の表面を架橋ふっ素樹脂で被
覆したロール20の第1例製造方法を表面側架橋ふっ素
樹脂シートの製造方法へ転用した一例を示した斜視説明
図である。
【図4】PTFEへ電子線を照射したときの電圧と飛程
との関係を示したグラフである。
【符号の説明】 1 架橋炉 2 ロール回転駆動モータ 3 駆動ベルト 4 駆動プーリー 6 温度調整ガス噴出ノズル 7 低加速電圧電子線照射機構 8 Ti箔製電子線照射窓 9 赤外線温度センサ 10 未架橋ふっ素樹脂被覆ロール 20 一実施例の表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロー
ル 21 アルミ合金製軸芯体 22A 未架橋ふっ素樹脂層 22B 架橋ふっ素樹被覆層 30 搬送コンベア 31 金属平板 32 未架橋ふっ素樹脂塗膜層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸芯体上に直接又は他の被覆層を介してふ
    っ素樹脂被覆層を設けて成るロールにおいて、前記ふっ
    素樹脂被覆層は内周面側が未架橋ふっ素樹脂から成り且
    つその外周面側が架橋ふっ素樹脂から成ることを特徴と
    する表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール。
  2. 【請求項2】他の被覆層が、耐熱ゴム被覆層であること
    を特徴とする請求項1記載の表面を架橋ふっ素樹脂で被
    覆したロール。
  3. 【請求項3】ふっ素樹脂被覆層のベースふっ素樹脂材料
    がポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキ
    シふっ素樹脂、四ふっ化エチレン/六ふっ化プロピレ
    ン、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の中か
    ら選ばれた1種であることを特徴とする請求項1記載の
    表面を架橋ふっ素樹脂で被覆したロール。
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