JP2006212038A - 分離方法および分離機 - Google Patents

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Abstract

【課題】水などの安全な溶媒を高温ガスの形で使用し、凝縮伝熱と凝縮液により、食品などの多成分物質を効率よく加熱するとともに食品から余分な油脂分および塩分を、適量にかつ簡単に取り除く方法を提供する。
【解決手段】本発明の分離方法は、多成分物質を加熱し、成分を分離する方法であって、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、多成分物質から一部の成分だけを取り除くための分離方法およびその装置に関する。特に、食品から脱油および脱塩をすることができる加熱調理方法および加熱調理機に関する。
業務用または家庭用の加熱調理機には、熱源として電気またはガスを使用する熱風オーブン、輻射型グリル、マイクロ波を使用する電子レンジ、100℃以下のスチームを使用する蒸し器などが使用されている。しかし、これらの調理機は、いずれも加熱はできても、食品からの脱油や脱塩効果はほとんど無い。
食物から摂取する全摂取エネルギの中で、脂質として摂取するエネルギの比率は、20%〜25%の範囲とし、これを超えないことが健康上望ましいとされているのに対して、国の調査結果によると、現在、日本人の脂質として摂取するエネルギの割合は20〜49歳の成人で25.4%〜27.8%であり、適正範囲を大きく上回り、脂質の摂取過多となっている(非特許文献1参照)。
また、日本人は、歴史的に、食塩の摂取量が多く、厚生労働省が目標として定める10g/日未満よりも多い11.6g/日の塩分を摂取しており、特に40歳〜69歳の高齢者は、12g/日〜13g/日の多量の塩分を摂取しているのが実情である(非特許文献1参照)。このような高脂質および高塩分の食生活は、成人病の発症に繋がる可能性が高いため、大勢の人々が、味を落とさずに、食品中の油脂分および塩分を減少させたいと願っている。しかしながら、従来の調理機には、加熱調理中に脱油や脱塩ができるものは無いのが現状である。
食品などの多成分物質から一部の成分を分離し、脱離する方法としては、分離する物質を選択的に溶解する有機溶媒に、多成分物質を浸漬することによって、分離したい物質を抽出するなどの方法が採られている。また、日常よく知られている分離方法としては、食材を水やお湯に浸すことにより、食材に含まれている必要以上の塩分またはアクなどを脱離する「湯通し」、「塩抜き」または「あく抜き」などの方法がある。
一方、自動車部品などの金属加工部品の表面に付着しているプレス油または切削油などの洗浄には、従来よりフロンが使用されてきた。フロンは、不燃性および脱脂性に優れるが、環境問題により使用が規制されているため、フロンに代わる方法として、スチーム洗浄法が紹介されている(特許文献1参照)。この方法は、加圧下、150℃〜600℃の水蒸気を5分〜30分間程度、金属部品に噴射し、板材および線材などの金属表面に付着している油脂を除去するものであるが、内部に含まれている成分の分離を目的とするものではない。
特開平9−143775号公報 厚生労働省、「第6次改定日本人の栄養所要量、平成13年、国民栄養調査結果」
天然物などの食品からの抽出を、特殊な有機溶媒を使用し、これに浸漬するなどの方法により行なうと、高価な有機溶媒を大量に使用する必要があり、環境問題および安全性などの問題があり、取り扱いが難しく、大掛かりな専用の装置が必要になる。また、食品の「湯通し」、「塩抜き」または「あく抜き」は、水やお湯に浸漬する方法であるため、食品中の基質であるタンパク質やデンプン質にも影響を与え、軟化または変色などの変質が起こりやすく、食品そのものの品質を悪くする傾向がある。また、ほとんどの食品は加熱調理工程で仕上げるが、加熱調理工程と別の前工程が必要となり、手間がかかるという問題がある。
本発明の課題は、上記の点に鑑みなされたものであり、水などの安全な溶媒を高温ガスの形で使用し、凝縮伝熱と凝縮液により、食品などの多成分物質を効率よく加熱すると共に食品内から余分な油脂分および塩分を、適量にかつ簡単に取り除く方法を提供することにある。
本発明の分離方法は、多成分物質を加熱し、成分を分離する方法であって、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする。
本発明の方法は、典型的には、気相物質が100℃以上の水蒸気を含み、多成分物質である食品から油脂分および塩分を分離する方法である。気相物質は、水蒸気を50容積%以上含み、150℃以上である態様が好ましい。
本発明の分離機は、多成分物質を加熱し、成分を分離する装置であって、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離する装置であり、多成分物質を収容する箱体と、箱体に連結する気相物質発生装置を備えることを特徴とする。
気相物質発生装置から箱体内に供給する気相物質の量は、箱体の内容積1リットル当たり凝縮液換算で0.1cm3/分以上であり、箱体内の外周部に比べて、箱体内の中央部で供給量が多く、流速2m/秒以上で多成分物質に供給する態様が望ましい。また、箱体は、ヒータを有し、箱体への気相物質の供給停止後、多成分物質をヒータにより加熱することができ、さらに、水平面に対して傾斜を有する支持具であって、箱体からの出し入れ自在の支持具を有するものが好適である。
本発明によれば、多成分物質を効率よく加熱し、簡単な方法により脱油および脱塩することができる。
(分離方法)
本発明の分離方法は、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする。かかる方法により、多成分物質から一部の成分を簡易かつ効率よく分離することができる。
100kPaでの気化温度が100℃以下である物質を選定することにより、比較的低温領域で容易に成分を分離することができる。このような物質としては、安価で容易に入手できる点で、水が好ましい。水は、100℃で気化して気相となり、100℃以上の高温に加熱した水蒸気(Super heated steam)(以下、“SHS”という。)は、後述のとおり、優れた脱油作用および脱塩作用を発揮する。したがって、本発明の典型的な例として、気相物質が100℃以上の水蒸気を含み、多成分物質が食品である場合を採り上げ、本発明の最良の実施形態を詳細に説明する。
熱伝達特性は、SHSの雰囲気中に、食品を曝すと、高温のSHSから食品に放射伝熱および対流伝熱が起こるとともに、食品表面に接触した気相のSHSが100℃以下となり、食品の表面に凝縮し、凝縮熱(539cal/g)を食品に与え、食品は加熱される。これに対して、たとえば、熱風加熱の場合、水分を含まない高温の空気による加熱であるため、放射伝熱および凝縮伝熱がなく、対流伝熱のみにより加熱される。したがって、図1に示すように、SHS加熱は、熱風加熱に比べて、高い熱伝達特性を奏し、大量の熱を素早く食品に与えることができる。
食品の水分量は、SHS加熱の場合、SHSが食品の表面に凝縮するため、図2に示すように、凝縮水により、食品の水分は、表面および内部とも、一旦上昇する。その後、凝縮により多量の熱量が食品に伝達し、食品の温度が100℃近くまで上昇すると、食品から水分が蒸発し始め、水分量が復元し、表面および内部とも乾燥が進行する。したがって、SHS加熱によれば、食品の表面がパリッとし、内部がジューシな高品位調理が可能となる。これに対して、スチーム加熱の場合、100℃以下の水蒸気による加熱であるため、食品の温度が100℃以上に上昇することはなく、凝縮が継続して起こり、食品の表面および内部ともベタツイタ仕上がりとなる。また、熱風加熱の場合、加熱開始と同時に乾燥が始まり、どんどん乾燥が進行するため、食品の表面および内部とも乾燥し過ぎの仕上がりになりやすい。
食品からの油脂分の分離は、図3に示すように、SHS1により食品2が加熱されると、食品2に含まれる油脂分3が溶融し、粘度が低下する。加熱に伴い、食品2は収縮するため、油脂分3が食品2から滲出する。一方、SHS1により食品2の表面に生じた凝縮水4は、油脂分3とともに洗い流され、食品2から分離する。
食品からの塩分の分離は、まず、図4(a)に示すように、食品2内の食塩は、食品2中の水分により、Naイオン5とClイオン6に解離している。SHS1の雰囲気中で食品2に凝縮水4が付着すると、図4(b)に示すように、Naイオン5とClイオン6は拡散により、NaイオンとClイオンの濃度が低い凝縮水4へ移動する。つぎに、図4(c)に示すように、Naイオン5とClイオン6を含む凝縮水4が食品2から分離する。
食品中の油脂分が劣化すると、消化器障害およびアレルギを起こしやすく、他の栄養素の効能を消失させるなどの弊害をもたらす。たとえば、油脂分の劣化により生じる過酸化物は消化器障害の要因となり、劣化の程度によっては食中毒となる。また、油脂分とアレルギは密接に関連し、劣化した油脂分は食物タンパク質と反応して、食物アレルギの原因である抗原となる。さらに、ビタミンC、ビタミンEまたはポリフェノールなどの抗酸化物質に作用し、これらの効能を消失させる。
油脂分の劣化には、一般に、微生物などによる劣化と、酸化による劣化があるが、食品の調理時に生じる劣化は、酸化による劣化である。オーブン加熱などにより調理する場合、図5(a)に示すように、油脂分の周囲にはO2が多く存在し、酸化劣化が生じやすい状態にある。このため、香りの変化、臭気の発生、色の変化または有害物質の発生などが起こりやすい。これに対して、SHS加熱により調理する場合、図5(b)に示すように油脂分の周囲は、H2O(凝縮水および水蒸気)で覆われており、O2が遮断された無酸素雰囲気にあるため、油脂分の酸化劣化を抑制することができる。
SHS加熱では、他の加熱方式に比べて脱油効果が大きいが、SHS加熱によっても食品中の油脂分を完全に除くことは困難である。しかし、油脂分が残留していても、SHS加熱によるときは、残留する油脂分の酸化を抑制し、劣化を防止することができる。このような観点から、SHS加熱時において、水蒸気は、気相雰囲気中に50容積%以上含まれていることが好ましく、75容積%以上がより好ましく、90容積%以上が特に好ましい。また、水蒸気の温度は、加熱効率が高まり、脱油効果および脱塩効果も大きくなる点で、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。
(分離機)
本発明の分離機は、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離する装置であって、多成分物質を収容する箱体と、箱体に連結する気相物質発生装置を備えることを特徴とする。かかる装置により、たとえば、100℃以上の水蒸気を含む気相物質を使用して、多成分物質である食品から油脂分および塩分などの成分を簡易かつ効率よく分離することができる。水蒸気などの気相物質を発生する装置に連結する箱体は、食品などを収容し、食品などの周囲の雰囲気を安定化する機能を有する。
水蒸気発生装置から箱体内に供給する水蒸気の量は、加熱、脱油および脱塩の各効果を高める点で、箱体の内容積1リットルに対して水分換算で0.1cm3/分以上が好ましく、0.3cm3/分以上がより好ましい。また、水蒸気の供給量は、同様の理由により、箱体内の外周部に比べて、箱体内の中央部において多くする態様が好ましい。さらに、水蒸気を食品に供給するときの流速は、熱効率を高め、凝縮水の付着量を多くし、また、風速の機械力により脱油量が多くなる点で、2m/秒以上が好ましく、5m/秒以上がより好ましい。
箱体には、箱体の内側または外側にヒータを設けることができ、箱体への水蒸気の供給停止後、食品をヒータにより加熱する態様とすることができる。かかる態様の分離機を用いると、食品の表面に焦げ目などの焼き目を付けることができるので、商品価値を高まり、有利である。また、かかる仕様の分離機により、食品加熱の初期段階では、水蒸気により食品の温度を100℃近くまで上昇させ、水蒸気の供給停止後に、ヒータで食品を再加熱することもできる。
箱体に支持具を設け、支持具を、水平面に対して傾斜を持たせると、支持具上の食品を傾斜させ、食品の表面にある凝縮水の分離を促し、脱油および脱塩効果が高まる点で有利である。支持具は、調理操作を簡易化する点で、箱体からの出し入れが自在であるものが好ましい。
水蒸気は、油脂分の酸化を抑制し、劣化を防止する点から、SHS加熱時において気相雰囲気中に50容積%以上含まれていることが好ましく、75容積%以上がより好ましく、90容積%以上が特に好ましい。また、水蒸気の温度は、加熱効率が高まり、脱油効果および脱塩効果も大きくなる点で、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。
(実施例1)
本実施例において使用した分離機の構造を図6に示す。この分離機は、食品90を収容する箱体20と、箱体20に連結する水蒸気発生装置50とを有する。箱体20と水蒸気発生装置50とを連結する外部循環路30を通る気体は、蒸気発生装置50からの水蒸気を吸引し、箱体20の天井部に設置したサブキャビティ40に導かれる。サブキャビティ40は、加熱ヒータ41を内蔵しており、加熱ヒータ41により加熱された気体は、サブキャビティ40の底面に二次元的または三次元的に分散配置された複数の噴気孔43から下向きに噴出し、支持具22上の食品90に供給される。噴気孔43は、箱体20の天井の中央部に配置し、箱体20の中央部に吹き降ろす構造を有する。箱体20の気体は、下方に向いた吸入孔24を介して、送風装置25により外部循環路30に送り込まれ、同様に循環する。
水蒸気発生装置50は、図7に示すように、中心線を垂直にして配置したポット51を備え、ポット51の上部には蒸気吸引エジェクタ34を有し、下部には排水パイプ52を有する。また、ポット51の外周部には蒸気発生ヒータ56を有し、内部には伝熱ユニット60を有する。伝熱ユニット60は、ポット51の内壁上にリング61を有し、リング61の内部に放射状に配置する複数のフィン62を備える。ポット51に、水タンク71より給水パイプ63を介して給水されると、蒸気発生ヒータ56からの加熱により水蒸気が発生する。
本実施例では、天かすを試料とし、150℃と250℃のSHSによる脱油量と加熱時間の関係を調べた。試料に供給した気体は、供給量が箱体の内容積1リットルに対して0.4cm3/分、流速3m/秒、加熱4分後のSHSの含有量が90容積%であった。また、箱体内に設置するときの天かすの表面温度は20℃であった。加熱に伴ない、天かす(100g)からペーパータオルに滲出した油量(g)を測定し、これを脱油量とした。150℃での脱油量と加熱時間との関係を図8に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間との関係を図9に示す。
(比較例1)
実施例1の分離機の代わりにオーブンを用い、天かす(100g)について、150℃と250℃での脱油量と加熱時間の関係を調べた。150℃での脱油量と加熱時間の関係を図8に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間の関係を図9に示す。
図8と図9の結果から明らかなとおり、本発明の分離機による脱油量は、オーブンによる場合に比べて、150℃では2倍程度大きく、250℃では1.3倍〜1.6倍大きかった。
(実施例2)
天かす(100g)の代わりに、サイコロ牛肉(100g)を用いた以外、実施例1と同様にして、脱油量と加熱時間との関係を調べた。150℃での脱油量と加熱時間の関係を図10に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間の関係を図11に示す。
(比較例2)
実施例2の分離機の代わりにオーブンを用いた以外、実施例2と同様にして、脱油量と加熱時間の関係を調べた。150℃での脱油量と加熱時間との関係を図10に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間との関係を図11に示す。
図10と図11の結果から明らかなとおり、本発明の分離機による脱油量は、オーブンによる場合に比べて、150℃では8倍〜16倍大きく、250℃では2倍〜8倍大きかった。
(実施例3)
天かす(100g)の代わりに、塩鮭2切れ(150g)を試料とし、230℃のSHSにより17分間の加熱処理をしたときの脱塩量を調べた。試料に供給した気体は、供給量が箱体の内容積1リットルに対して0.5cm3/分、流速3m/秒、加熱4分後のSHSの含有量が90容積%であった。また、箱体内に設置するときの塩鮭の表面温度は20℃であった。脱塩量は、調理時の落下物を回収し、濃縮後、塩分濃度計にて測定した結果、脱塩量は、塩鮭100g当たり0.88gであった。
(実施例4)
表面を水で洗浄し、風乾した後の塩鮭2切れ(150g)を試料とした以外は、実施例3と同様にして脱塩量を調べた結果、脱塩量は0.92gであった。したがって、実施例3の結果とともに考察すると、本発明の分離機によれば、塩鮭の表面からだけではなく、内部の塩分も分離できることがわかった。
(比較例3)
実施例3の分離機の代わりにガスグリルを用い、塩鮭2切れ(150g)について、7分間加熱したときの脱塩量を調べた。脱塩量は、塩鮭100g当たり0.03gであり、実施例3と4におけるSHS処理による脱塩量の1/30に過ぎなかった。
(実施例5)
ハンバーグ(110g)を試料とし、水平に設置した状態で、230℃のSHSにより6分間加熱したときの脱油量を調べた。試料に供給した気体は、供給量が箱体の内容積1リットルに対して0.5cm3/分、流速3m/秒、加熱6分後のSHSの含有量が98容積%であった。測定の結果、脱油量は試料100g当たり7.0gであった。
(実施例6)
ハンバーグ(110g)を試料とし、水平面に対して傾斜を有する支持具上で加熱した場合の脱油量を調べた。図12(a)は、支持具の正面図であり、図12(b)は、支持具の右側側面図である。このような水平面に対して10°傾斜させた支持具上に設置した状態で、実施例5と同様の方法にて脱油量を調べたところ、脱油量は試料100g当たり7.7gであり、実施例5における脱油量よりも1割向上した。したがって実施例5の結果とともに考察すると、傾斜させた支持具を使用することで、脱油量をさらに増加できることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
食品などの簡単な脱油法および脱塩法を提供する。
加熱時間と食品内部温度との関係を示す図である。 加熱時間と食品の水分変化量の関係を示す図である。 食品からの油脂分の分離機構を説明する模式図である。 食品からの塩分の分離機構を説明する模式図である。 油脂分の酸化機構を説明する模式図である。 本発明の実施例で使用する分離機の構造を示す図である。 本発明の実施例で使用する分離機の水蒸気発生装置の構造を示す図である。 150℃での天かすの脱油量と加熱時間との関係を示す図である。 250℃での天かすの脱油量と加熱時間との関係を示す図である。 150℃でのサイコロ牛肉の脱油量と加熱時間との関係を示す図である。 250℃でのサイコロ牛肉の脱油量と加熱時間との関係を示す図である。 水平面に対して傾斜を持たせた支持具を示す図である。
符号の説明
1 SHS、2 食品、3 油脂分、4凝縮水、5 Naイオン、6 Clイオン、20 箱体、50 水蒸気発生装置。

Claims (10)

  1. 多成分物質を加熱し、成分を分離する方法であって、
    100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、
    多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に前記気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする分離方法。
  2. 気相物質は、100℃以上の水蒸気を含み、多成分物質である食品から油脂分および塩分を分離することを特徴とする請求項1に記載の分離方法。
  3. 気相物質は、水蒸気を50容積%以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の分離方法。
  4. 気相物質は、150℃以上の水蒸気を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分離方法。
  5. 多成分物質を加熱し、成分を分離する装置であって、
    100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、
    多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に前記気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離する装置であり、
    多成分物質を収容する箱体と、該箱体に連結する気相物質発生装置を備えることを特徴とする分離機。
  6. 気相物質発生装置から箱体内に供給する気相物質の量が、箱体の内容積1リットル当たり凝縮液換算で0.1cm3/分以上であることを特徴とする請求項5に記載の分離機。
  7. 気相物質発生装置から箱体内に供給する気相物質の量は、箱体内の外周部に比べて、箱体内の中央部で多いことを特徴とする請求項5または6に記載の分離機。
  8. 気相物質は、流速2m/秒以上で多成分物質に供給されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の分離機。
  9. 箱体は、ヒータを有し、箱体への気相物質の供給停止後、多成分物質をヒータにより加熱することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の分離機。
  10. 箱体は、水平面に対して傾斜を有する支持具であって、箱体からの出し入れ自在の支持具を有することを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の分離機。
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