JPH09501098A - 回収可能な物質およびその温度感受性混合物の廃ガスが実質的に存在しない乾燥のための過熱水蒸気の使用ならびにそのように製造される向上特性を有する乾燥生成物 - Google Patents

回収可能な物質およびその温度感受性混合物の廃ガスが実質的に存在しない乾燥のための過熱水蒸気の使用ならびにそのように製造される向上特性を有する乾燥生成物

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JPH09501098A JP7506204A JP50620495A JPH09501098A JP H09501098 A JPH09501098 A JP H09501098A JP 7506204 A JP7506204 A JP 7506204A JP 50620495 A JP50620495 A JP 50620495A JP H09501098 A JPH09501098 A JP H09501098A
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レーゼ、ヴィルフリート
フュース、ヨハン−フリードリヒ
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ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
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Abstract

(57)【要約】 本発明の目的は、乾燥ガスとして過熱水蒸気を用いて、分散された回収可能な物質を乾燥する方法を、食品、特に食材およびそれらを製造するための原料、フレーバーを含む製剤、医薬用助剤および/またはリサイクル可能な物質の分野の製剤ならびに除草剤、殺菌剤および殺虫剤の分野からの製剤について用いることである。そのような乾燥方法ならびに回収可能な物質およびそれらの混合物を含有する上記の分野の、水蒸気乾燥製品の形態の製剤に関して説明する。

Description

【発明の詳細な説明】 回収可能な物質およびその温度感受性混合物の廃ガスが実質的に 存在しない乾燥のための過熱水蒸気の使用ならびにそのように 製造される向上特性を有する乾燥生成物発明の属する分野 本発明は、乾燥プロセス、特に、固体の有用物質、または固体の有用物質の混 合物を回収する工業的乾燥プロセスであって、一方で、廃空気(waste air)ある いは廃ガス(waste gas)を伴わずに乾燥設備を運転することができるようにする という益々高まりつつある緊急のニーズを満足し、他方で、そのようなプロセス の経済性を実質的に改善し、可能性のある用途を実質的に拡大するという目的を 有する乾燥プロセスの改良に関する。更に特に、本発明は、この既知の技術が種 々の理由のために従来有効に適用されなかったような場合でさえも適用される、 乾燥ガスストリームとして過熱水蒸気を用いて含水有用物質を乾燥する方法原理 を実施可能にしようとするものである。従って、本発明の教示は、過熱水蒸気に よる乾燥の原理を適用するために役立つと従来は考えられていなかった分野に、 上述の乾燥方法を適用することの問題点に対する技術的解決手段を提供すること を特に目的とする。そのような分野には、例えば、食品および珍味(delicacies 、嗜好品)および/またはそれらを製造するために用いられる出発物質の分野か らの高品質であって、特にフレーバー(芳香成分、flavor)を有する乾燥食品の 製造、上記製品の分野において使用するためのフレーバーを有する濃厚物の分野 ならびに化粧品および医薬品の助剤および/または有用物質の分野が含まれる。 最後に、本発明が解決しようとする課題は、水性製剤を乾燥して、水への向上し た再分散性または溶解性を有する粉末形態および/または凝集した形態の乾燥生 成物にするための工業的に実施可能で効果的な方法において、除草剤、殺菌剤お よび殺虫剤などの類に属する潜在的に危険な物質を乾燥製剤に転化することも含 む。 以下、特に、食品およびフレーバーの分野からの乾燥有用物質およびそれらの 混合物の製造に関して、本発明の教示を説明するが、この説明は、本発明の教示 が適用される比較的広い範囲を例示するためのものに過ぎない。本発明の説明に ついて選ばれたこの専門分野は、(付加)価値の高い乾燥物質、特にいわゆるイ ンスタント製品(instant products)を製造するための、問題とする種類の非常 に複雑な混合物の工業的規模の乾燥において克服する必要のある種々の問題点を 説明するために特に適するものである。これらの問題点は、容易に認識すること ができるものであって、極めて多様である。乾燥食品の評価において重要な要因 は、例えば、消費(使用)するために再び水が加えられた食品の品質であって、 その物理的外観が唯一の重要なパラメーターというわけではない。例えば、色、 味(taste)および香り(aroma)も重要な品質の基準である。このことは、乾燥 乳(dried milk、乾燥ミルク)の例から即座に理解されるであろう:乾燥乳の粉 末または凝集物は、必要とされる水への素早い再溶解性(redissolvability)を 示すことのみが目的とされるのではない;他の必須の要件は、乾燥製品の色が白 いことならびにミルクを特徴付ける香りおよび味の特徴である。食品技術の他の 製品により一層要求されるのは、特にこの点に関してである。コーヒーまたはコ ーヒー抽出物および同様の飲料の乾燥製品、特に対応するインスタント製品の形 態の乾燥製品を単に例として挙げているに過ぎない。フレーバーの組み合わせが かなり多様であり、特に乾燥過程におけるそれらの揮発性が異なる(コーヒーの 香りには、個々に異なる揮発性を有する物質が数百種含まれることが知られてい る)ので、乾燥コーヒー抽出物を工業的に製造するためには広範な対策が必要と される。例えば、コーヒーの香りの濃厚物は、高圧にて、超臨界状態の二酸化炭 素を用いる抽出によって分離され、続いて香りを実質的に含まない乾燥コーヒー 抽出物に加えられる。 本発明の教示は、実質的な閉回路(closed-circuit)プロセスにおいて、乾燥 媒体として過熱水蒸気を用いて、この方式でアクセスすることは困難であると従 来考えられていた有用物質および有用物質の混合物を得るための新しい簡単な可 能性を開示するものである。このために、本発明の教示は、(分散相としての) 乾燥すべき物質を並流および/または向流で乾燥ガスの連続相により処理する噴 霧乾燥ゾーンにおいて乾燥する技術を特に利用するものである。噴霧乾燥と組み 合わせることのできる乾燥の他の形態には、流動床乾燥およびその他の既知の技 術が含まれる。従来技術 工業用噴霧乾燥設備の大部分は水含有ないし湿分含有物質を取り扱うものであ り、それらの物質は微細な滴(droplet)の形態で熱いガスストリームに接触させ られる。使用される熱い乾燥ガスとしては、空気、熱燃料ガス、特別な場合には 不活性ガス、特に窒素を例示できる。3種の異なる型のシステム、即ち、直通式 乾燥(straight-through drying)、回路(循環)式乾燥(circuit drying)およ び半閉鎖回路式乾燥(semi-closed circuit drying)が用いられる。 直通式乾燥の特徴は、熱い乾燥ガス、特に乾燥空気または燃料ガスが1回だけ システムを通過し、廃ガスが大気中に出て行く。乾燥生成物は乾燥ゾーンから取 り出される。廃ガスストリームは、同伴した物質粒子を分離するために一般に処 理される。しかしながら、この技術は、望ましくない臭気発散物質、活性物質、 汚染物質などを放出することにより、重大な環境汚染を引き起こし得るというこ とが知られている。 これらの問題点を解決するために実際に用いられている別法は、回路式乾燥シ ステムである。不活性乾燥ガス、一般に窒素が閉回路のシステムのいろいろな段 階を閉回路で通過するので、廃ガスは大気中に出ない。蒸発させるべき水分およ び取り出される物質の粒子とを含有して、乾燥ゾーンから取り出されるガススト リームは、固体の成分を可能な限り分離するように処理され、冷却されて排出水 分が凝縮される。不活性ガス相は、全体としてこの凝縮および洗浄段階に付され る。そこから分離されたガス相は、ガス加熱器を通過して乾燥ゾーンに戻される 。 半閉鎖回路式乾燥として知られる改良方式では、いわゆる「自己不活性化(se lf-inertizing)」空気加熱器において循環ガスストリームは加熱され、この加 熱器内では、適当な燃料の燃焼からの熱い廃ガスが回路のガスストリームの中に 導入されて、ガスストリームが加熱される。そのような廃ガスストリームは、そ の循環されるガス相から分離される必要がある。適当な操作により、乾燥ガスが 直接加熱される場合であっても、酸素の少ない混合物を生成することができ、粉 塵爆発の可能性のある含水物質を不活性ガス条件下で乾燥することができる。 それにも拘らず、有用物質またはそれらの混合物を必要とする乾燥、特に、粉末 形態または凝集物状の乾燥食品、例えば粉乳(粉ミルク)などを製造するために は、この改良方式はあまり適当ではない。 20世紀初頭から、有用物質の水性製剤の乾燥に、熱空気の代りに過熱水蒸気 を使用することができることが知られている。その系統の最初の提案は、190 8年に遡る。そのような乾燥プロセスにおいて熱ガス媒体として過熱水蒸気を使 用することの可能性は、特にこの数十年間で、論文において鋭意研究されており 、実際に知られている熱空気をベースとする乾燥プロセスと比較されている。こ の問題に関して入手可能な多くの文献には以下の刊行物が含まれ、それにはその 問題に関する広範な文献名等が含まれる:エイ・エム・トロンメルン(A.M.Tr ommelen)ら、“Evaporation and Drying of Drops in Superheated Vapors”AI Che Journal 16 (1970),857-867;コリン・ビーバイ(Colin Beeby)ら、“STE AMDRYING”,Soc.of Chem.Eng.Japan,Tokyo (1984),51-68 およびヴェー・ ア 72。 乾燥媒体として過熱水蒸気を用いて含水物質の噴霧乾燥を行うという提案は、 関連する特許文献にも見出される(フランス国特許(FR-PS)第2 002 088 号(1969年10月公告)および対応する米国特許(US-PS)第3,564,72 3号(1971年2月発行)を参照のこと)。これらの文献では、特に生物由来 の物質、例えばミルクまたはその他の食品を、過熱水蒸気を用いる噴霧乾燥によ って乾燥することが提案されている。これらの関連文献には、適用の特定の例は ないが、実際の操作の手順に関する教示はある。生物由来のそのような物質を乾 燥するための過熱水蒸気の好ましい温度として、200℃(400°F)の温度 が挙げられている(上記米国特許第4欄23〜25行)。水蒸気揮発性成分、特 に芳香物質(flavoring、例えば香料、調味料)を含む物質の乾燥の問題点が簡 単に述べられている。この文献によれば、リサイクルされる過熱水蒸気と共に、 これら水蒸気揮発性成分の大部分が乾燥ゾーンに一緒に戻されるということは特 別 な利点とみなされている(上記米国特許第7欄、第30〜38行)。 湿潤剤、洗浄剤および/または清浄化製品として適する有用物質および有機物 質の混合物の含水製剤の、熱いガスストリームとして過熱水蒸気を用いる乾燥は 、本出願人の国際特許出願(WO)92/5849号から知られている。乾燥ガ スとして熱い空気を使用する従来の噴霧乾燥よりもこの方法が優れている点は、 1つには、酸素が存在しないことであり、従って、有機有用物質または実質的に 有機物である有用物質、例えば、天然物質をベースとするそのような界面活性剤 の乾燥に関連する問題が回避されるということである。更に、過熱水蒸気を用い る乾燥は、経済的および生態学的な利点により特徴付けられる。乾燥ガスとして 過熱水蒸気を循環させるということは、廃ガスが殆どないということを意味する 。中でも乾燥ガスにおける基本的な違いに帰することができる更なる利点は、引 用文献に述べられている。 過熱水蒸気による乾燥を利用することに関連する更なる改良は、以下の文献お よび本出願人が行った研究に基づく先のドイツ国特許出願に開示されている:D E−A 40 30 688、DE−A 42 04 035、DE−A 42 04 090、DE−A 42 06 050、DE−A 42 06 521、DE−A 42 06 495、DE−A 42 08 773、DE−A 42 09 432、 DE−A 42 34 376ならびにDE−P 42 37 934.2、DE−P 43 07 115.5およびDE−P 43 19 828.7。 本発明の開示のために、これらの文献および本出願人名義の先の出願の開示は、 本発明の開示の一部として本明細書の内容に含まれるものであり、本発明は、以 下に述べる更なる発見および作用原理と併せて解釈されるべきである。 前記の国際特許出願(WO)92/5849号の過熱水蒸気を用いる乾燥の特 定の特徴は、過熱水蒸気噴霧ゾーンにおいて乾燥すべき物質の特定の含水滴の個 々の温度プロフィール(temperature profile)にある。より低温の出発物質上へ の過熱水蒸気の凝縮と、乾燥すべき物質への凝縮熱の放出によって、含水滴は、 操作条件下における水の沸騰温度、即ち通常の圧力下では約100℃の温度に自 然に加熱される。この沸騰温度は、乾燥プロセスの全期間中で、物質の滴におけ る最低温度として維持される。乾燥プロセスの最後のフェーズ(相)においては 、滴状の物質を取り囲む過熱水蒸気相の温度が、臨界温度まで急激に上昇するこ とがある。これらの問題に関する有益な研究は、上記引用文献中のエイ・エム・ トロンメルンらの上述の研究に報告されている。この研究においてその研究者ら は、一方では熱い空気を流通させ、他方では過熱水蒸気を流通させて、種々の水 性媒体の独立した滴の処理中における滴の温度挙動を特に研究している。その研 究者らは、食品の分野からの特徴的な代表例、即ち、ミルク、コーヒー抽出物お よびトマトジュースのそのような滴を特に研究している。乾燥される物質滴が過 熱水蒸気中でこうむる温度の急激な上昇およびそれによって乾燥物質中における 有用物質の滴が高温に曝されることは、明らかである。乾燥すべき水性物質の例 えば噴霧ノズルを通しての微細噴霧(fine atomization)において、かなり広い 範囲にわたる種々の寸法の滴が生成することは避けられないという周知の事項を 考慮に入れると、乾燥ガスとして過熱水蒸気を使用することから考えられる問題 点が直ちに明らかになる:小さな滴および非常に小さな滴のかなりの割合が、中 程度ないし大きな直径の滴が十分に乾燥される前に、乾燥段階に長らく達してお り、従って初期過熱状態に至っている。 ここに概説した問題点はその他の問題点と共に、熱の影響を受けやすい(熱不 安定な)水性物質、例えば、ミルクまたは乳製品、例えばホエーなどの過熱水蒸 気による乾燥が、実際には実用性がないと従来考えられていたということに疑い もなく帰することができるが、過熱水蒸気を用いて、特に噴霧ゾーンにおいて、 これら物質を乾燥する概念は約25年前に提案されている(上記のフランス特許 (FR−PS)2 002 088(10/1969)参照)。関連する文献によ れば、噴霧乾燥による高品質の乾燥乳製品の製造のための最高物質温度は、約8 0〜85℃の範囲である。約60℃の最高物質温度に調節することのできる方法 が好ましい。製品の寿命を延長させ、病原性の微生物を排除するために、高温に おいて短い熱処理をするための設備が成されているのは、ミルクの場合だけであ る。この点に関して、低温殺菌法(pasteurization)(85℃に2〜3秒間加熱) 、プレート型ヒーターでの短時間加熱(72〜75℃に15〜30秒)および長 時 間加熱(62〜65℃で30〜32分間)の間で、区別が成されていることは良 く知られている。チューブ型またはプレート型熱交換器においての間接加熱(1 36〜138℃/5〜8秒)または水蒸気の注入による直接加熱(140〜14 5℃/2〜4秒)のいずれかによるいわゆる超高温殺菌(UHT)にミルクを付 し、続いて無菌条件下において充填することができることも知られている。バク トフュージ(bactofuges)中での遠心分離的殺菌(65〜70℃)および分離され た沈澱物(ミルクの2〜3%)のUHT加熱ならびにその後の再混合の組み合わ せを含んでなるバクトサーム・プロセス(bactotherm process)を適用すること によって、味に関する利点を得ることができる。バクトサーム・プロセスによっ てミルク全量の加熱が回避される。最後に、充填後、オートクレーブ中で、10 7〜115℃にて20〜40分間または120〜130℃にて8〜12分間加熱 することによりミルクを殺菌することができるということが知られている。この 場合に、ミルクの味が悪影響を受けるということが認識されている。ここで述ベ ている技術の詳細は、例えば、ベリッツ(Belitz)らの、“Lehrbuch der Leben smittelchemie”,4th Edition,Springer-Verlag,Berlin,Chapter 10“Milch und Milch-produkte”に見ることができる。乾燥乳製品の製造は、この書籍の 第10.2.5章、第477/478頁にて論じられており、それによれば、ミル クは先ず薄膜蒸発器(thin-layer evaporator)にて40〜50%の乾燥物質含量 に予備濃縮される。高品質の乾燥生成物を製造するためには、高温に曝すレベル を最小限に保つ必要があるが、それはそうしない場合にはミルクの蛋白質が変性 し、メイラード反応(Maillard reaction)により乾燥物質の色が褐色になるから である。インスタント製品または半インスタント製品の形態で今日幅広く入手で きる乾燥ミルクは、遠心噴霧(centrifugal atomization)またはノズル噴霧によ り噴霧乾燥塔(spray drying tower)の中に微細に噴霧された後、熱い空気を用 いる並流または向流で噴霧乾燥によって乾燥される。近年、多段階プロセスの受 け入れの増加が見らており、そのプロセスでは、実際の噴霧乾燥プロセスが最初 の乾燥段階を形成し、振動型の流動床での流動床乾燥が第2の乾燥段階を形成す る。向上した湿潤特性を有する凝集した乾燥生成物が得られる。新しい噴霧乾燥 システムは、噴霧乾燥室の中に一体化された流動床により運転される。ミルク粉 末の再溶解性を向上させるため、乾燥粉末に少量の生理学的に安全な乳化剤が加 えられる。文献から知られている乳化剤の一つはレシチンである。 噴霧乾燥の技術ならびに関連する乾燥の形態、例えば振動床および流動床につ いての情報は、例えばムユムダー(Mujumdar)の“Handbook of Industrial Dry ing”,Marcel Dekker,Inc.,New York,1987,例えば第579頁以降に見るこ とができる。ミルクの乾燥に関する詳細な情報は、“Drying in the Dairy Indu stry”,“3.MILK POWDER TECHNOLOGY”と題されたサブチャプター、第591 〜603頁に見ることができる。クラスト(皮膜、crust)の生成および量の制 限された乾燥空気の取り込みを伴う個々の乾燥乳滴の形成は、“3.1 Drying Mil k Droplots”と題されたサブチャプターに詳細に説明されている。 ミルクの乾燥を例として参照することにより既に説明した問題は、高い乾燥温 度の影響下における有用物質の変性において、ならびに、特に、それぞれの滴の 乾燥工程の後の段階において、滴の内部からの残存する水の散逸を妨害して、最 終的に乾燥に必要とされるより長い時間のために変性する恐れがかなり増大する ことがある硬いクラスト状の乾燥生成物の生成に特に有用である。 本発明の関係する分野からの有用物質の乾燥において、全体的に異なる種類の 問題点は、製造すべき乾燥製品の品質を決める重要な要素がフレーバーである場 合に生じる。この典型的な例は、乾燥コーヒー、乾燥果実粉末および極めて一般 的にはフレーバー(例えば調味料、香味料、風味料、香辛料など)である。これ に関連して、既に引用した公報の中で、ベリッツの“Lehrbuch der Lebensmitte lchemie”,Chapter 5,“Aromastoffe”,Chapter 18,“Obst und Obstproduk te”およびChapter 21,“Kaffee,Tee,Kakao”が参照される。乾燥形態でのコ ーヒー抽出物の製造についての情報は、例えば、エヌ・ピンタウロ(N.Pintauro) ,“COFFEE SOLUBILIZATION”,Commercial Processes and Techinques,NOYES DATA CORPORATION,Park Ridge,New Jersey/London,England 1975 に見ること ができる。この書籍は、消費者に受け入れられる品質にてコーヒー抽出物を乾燥 形態で製造することに関連する種々の問題点について詳細に論じている。個々の 問 題点の概略は以下の通りである:コーヒーの香りを、その数百種もの有用物質と の組み合わせと共に乾燥最終生成物に維持および/または移動させることにはか なりの問題点が生じ、技術的にかなりの費用が含まれる。噴霧乾燥コーヒー抽出 物中に残存空気が含まれることは、水が注がれる場合に、含まれていた気泡が放 出されてコーヒーの上に望ましくない白い泡の相を生成するということを意味す る。この問題は、追加的手段、例えば最初に得られた乾燥生成物の粉砕および粉 砕した物質の再凝集などにより解決する必要がある。 もう一つの非常に重要な点、中でも食品およびフレーバーの分野ならびに医薬 製品の分野において重要なことは、乾燥に用いる装置内、乾燥に用いる作動要素 、特に乾燥ガス相に使用する要素ならびに当然ながら、使用されて乾燥される有 用物質および有用物質の混合物内において確実な無菌条件を形成し、維持するこ とである。この特別な観点は、従来使用されている工業的な装置、例えば連続的 に利用できる無菌空気を確実に製造するための装置などにおいて、かなりの費用 を含み得るということが知られている。 ミルクおよびコーヒー抽出物に基づく乾燥生成物の製造を例として参照して、 ここで説明した問題点は、引用した文献およびそれらの中で引用されている他の 文献において詳細に説明されている非常に広範な問題点について簡単に触れたに すぎない。同様の問題は、本発明の教示に用いるべき関連する分野に生じる。発明の対象 第1の態様において、本発明は、易流動性で微細粒子状の含水有用物質(water -containing,free-flowing and fine-particle useful material)(分散相)を 、噴霧ゾーン内で並流または向流で過熱水蒸気(連続相)により処理する方法に 関するものであり、噴霧ゾーンの中では、過熱水蒸気が流れ、分散有用物質から 水および水蒸気揮発成分が分離され、微細粒子状乾燥物質が生成する。本発明に よれば、このプロセスは、以下の分野からの有用物質および有用物質の製剤が分 散相で用いられることを特徴とする:食材、特に(主要食品および嗜好食品を含 む)食品ならびにそれらの製造のための出発物質、(香りおよび味のための)フ レーバーを含む製剤、化粧品および医薬品助剤の分野ならびに/またはそれらの 有用 物質の分野ならびに除草剤、殺菌剤および殺虫剤の分野からの製剤。本発明の方 法において、有用物質は、特に含水溶液、エマルジョン、懸濁液および/または ペーストの形態で使用され、方法は特に常圧にて行われる。過熱水蒸気が連続相 としておよび乾燥媒体として用いられるので、乾燥すべき物質においてほとんど 即座に約100℃の物質温度が形成される。それにも拘わらず、上述の分野から の高品質の有用物質および有用物質の混合物を得ることができる。過熱水蒸気を 用いる乾燥のこの技術は、湿潤剤、洗浄剤および清浄剤製品の分野からの有用物 質の乾燥に関する本出願人の上記の先の特許文献に記載のように、ほぼ完全に閉 システムでのプロセスの実施を可能にする。 別の態様において、本発明は、少なくとも実質的に乾燥された固体の担体であ って、他の生理学的に安全な助剤および/または有用物質を含浸されていてもよ い担体の形態の、人および/または動物が消費するのに適当な食品および飼料な らびにこの目的に適する助剤に関するものである。この態様において、本発明の 教示は、乾燥されているが、まだ含浸されていない状態の固体の担体に、多孔質 で吸着性の内部構造を付与し、乾燥ガスとしての過熱水蒸気中で含水食材または そのような食材の混合物を乾燥することにより製造されることを特徴とする。多 孔質の内部構造を有する固体の担体は、特に、易流動性の湿潤物質の噴霧乾燥お よび/または流動床乾燥、特に、固体担体を形成する有用物質の水溶液、エマル ジョン、懸濁液および/またはペーストを乾燥することにより製造される。乾燥 された多孔質担体は、約100〜110℃の範囲の温度において固体であること が好ましく、その可塑性および表面粘着性は、それらが過熱水蒸気に曝される条 件下においてさえも、粒子が互いにおよび/またはそれらの開口する孔の内部構 造(開放内部構造)内でくっつくことを大部分防止されるような程度に限定され ることが好ましい。従って、担体の多孔質の内部構造の中に少なくとも実質的な 程度に導入される、自由に選択される被覆組成物によって、多孔質担体を含浸さ せることができる。 もう一つの態様のおいて、本発明は、乳製品、コーヒーおよびコーヒー抽出物 、対応する脱カフェン化コーヒーまたはコーヒー代替物、茶および茶抽出物、野 菜 および/または果物粉末、乾燥スープおよびソース、ココア、ココア/ミルクま たは果実/ミルク製剤ならびにビタミンおよび果物または果物系のフレーバーの 組み合わせなどを含む注入性および易流動性(サラサラとした)乾燥製品(pour able,free-flowing dry products)を製造するために、乾燥ガスとしての過熱 水蒸気中において並流および/または向流で分散水性有用物質の噴霧乾燥を用い ることに関する。 最後に、本発明は、特別の態様において、乾燥媒体としての過熱水蒸気の存在 下において水性有用物質の噴霧乾燥により製造される乾燥乳および乾燥乳製品、 更に、注入性および易流動性の形態である少なくとも実質的に水溶性の乾燥コー ヒーまたはコーヒー抽出物ならびにそのような茶または茶抽出物、ココア、野菜 および果実粉末に関し、これらは、場合により主要食品(主食)および嗜好食品 の分野からのその他の水溶性成分との混合物の形態であってよい。これらすべて の製品に共通の一つの特徴は、それらが乾燥媒体としての過熱水蒸気の存在下に おいて噴霧乾燥により製造されたものであり、好ましくは乾燥された物質の多孔 質構造の中に入り込んだ他の助剤および/または有用物質を含むということであ る。そのような助剤および有用物質の例は、フレーバー(香りおよび味のための もの)、生理学的に安全な可溶化剤、甘味料などである。 最後に本発明は、乾燥気体として過熱水蒸気を用いる担体物質の水性製剤の噴 霧乾燥および/または流動床乾燥によって製造された、注入性で易流動性の固体 粉末および/または凝集物の形態のフレーバー濃厚物に関し、これらは、約10 0〜110℃の温度にて固体である、特に主要食品および嗜好食品の分野からの 、生理学的に安全な有用物質および/または助剤の水性製剤の乾燥により製造さ れる多孔質固体担体を含む。多孔質の固体担体は、続いて、液体および/または 固体のフレーバーならびにそれらの易流動性製剤により含浸され、好ましくは最 終段階において、フレーバーが含浸された担体は生理学的に安全で貯蔵可能な被 覆によりカプセル化される。本発明の教示事項の詳細 以下に説明する本発明の教示の一見数多く見える個々の要素は、本発明の教示 事項の詳細な考察、その技術的可能性およびその利点から非常に容易に理解され るであろう。従って、これらの要素の包括的な説明および全体としての方法への それらの重要性の分析を以下に好ましく示す。 乾燥媒体(連続ガス相としての過熱水蒸気)の化学的性質のために、本発明の 方法は、選ばれた特定の乾燥段階に基づいて、連続回路で運転される。蒸発した 水が追加的に加えられた過熱水蒸気は、乾燥段階から、特に噴霧ゾーンから取り 出され、蒸発した水に対応する水蒸気ストリームを分離した後、乾燥ゾーンに再 循環される。乾燥媒体の意図される温度まで過熱水蒸気を再過熱することの可能 性は、好ましくは噴霧ゾーンへの水蒸気の再導入の直前に間接熱交換によって、 過熱水蒸気の回路に組み合わされる。乾燥すべき物質は、それが使用される含水 形態で乾燥ゾーンに微細に噴霧され(噴霧乾燥の場合、乾燥すべき物質は、特に 、その中を過熱水蒸気が流れる空間に噴霧されるか、またはそこで微細に分散さ れ)、一方、乾燥された物質はこのゾーンから既知の方法で、通常噴霧ゾーンの 底部において取り出される。 しかしながら、実質的に廃ガスを含まない閉回路の概念を、蒸気ストリームの 形態で分岐される乾燥された有用物質から蒸発した水に適用することもできる。 この蒸気ストリームは、予め決められた入口温度および乾燥段階で蒸発する水の 量により支配される出口温度で乾燥ゾーンから出る。本発明の関係する分野、特 に主要食品および嗜好食品の乾燥において、排出されるのは、蒸発した水だけで なく、この蒸気ストリームと共に水蒸気揮発性成分も通常は排出される。しかし ながら、熱い空気または熱い燃料ガスを用いる常套の乾燥とは対照的に、乾燥す べき物質のこれらの排出されるフラクションは放出されず、特に、大気中に入る のではない。乾燥媒体として過熱水蒸気を用いる本発明の教示は、水の蒸気相を 全体として液相の水の凝縮された形態に転化することを可能にする。水蒸気と共 に排出された乾燥すべき物質中の多くの有用物質は、同時凝縮され、および/ま たは大きく減少した体積の気相として更に利用できる。 この方法の重要性は、乾燥すべき有用物質としてのフレーバーを有する主要食 品および嗜好食品の例からすぐに明らかになるであろう。本発明によれば、有用 物質のすべての成分は、本発明の方法の制御されたおよび制御されうる段階にお いて保持される。この方法の一つの重要な原理は、この点で明らかになる:乾燥 ガスとしての過熱水蒸気中での乾燥により、通常は複雑な乾燥すべき物質が、乾 燥した固体成分と、蒸気ストリームと共に排出される通常の条件下において典型 的に液体および/または固体である揮発成分とに分離される。しかしながら、乾 燥段階における分離の後でさえも、使用された有用物質の両成分は安全な制御下 に残され、従って、選択的な更なる処理、例えば再混合などに利用され得る。 本発明の教示の理解におけるもう一つの重要な要旨は、以下に由来する:過熱 水蒸気中での乾燥中に蓄積する固体成分は以下詳細に説明される条件下において 特定の構造を生じる。特徴的な要素は、微細多孔質固体構造が全体として閉ざさ れていない外側皮膜(external crusts)を有することである。この点に関して以 下の知見が得られる。有用物質または有用物質の混合物の含水滴が常套の熱いガ ス中で、特に熱い空気中で乾燥される場合、滴の表面から内部へ温度および湿度 の勾配が急速に形成される。滴の表面は素早く乾燥し、固体の連続皮膜を形成す る。液体は滴の内部から外側へ拡散し、水に溶解した物質はそれらの溶解度を越 えると直ちに晶出する。この結果、外側殻(outer shell)の更なる固化および 厚みの増大が生じる。微細に分散された空気の残部は閉ざされた微小球の中に捕 捉されたまま残る。 対照的に、過熱水蒸気中の滴の乾燥は異なる過程をたどる。その沸騰温度まで まだ加熱されていない滴が過熱水蒸気に接触すると、最初にその表面に水が凝縮 し、滴の周囲に水の膜が生成する。凝縮熱は滴の内部に伝達される。蒸発温度に 滴の内部が達すると、滴全体で蒸気圧曲線に従って水/水蒸気の一成分系で乾燥 が起こる、即ち、滴の全体で水が蒸発し始める。従って、滴の更なる収縮を防止 する硬い外側殻は、典型的な熱いガスを用いる上述の乾燥方法のように最初に生 成しない。滴はその断面にわたって均一に乾燥し、形成される固体構造全体に多 数の水蒸気の小さな溝(channel)が形成されるように見える。従って、生成し た乾燥物質は極めて多孔質になる。固体物質のこの高い多孔性は、本発明の教示 事項の多くの特徴的要素のための基礎となり、本発明の教示事項を用いることに より与えられる利点の基礎となり得る。従って、固体物質の高い多孔性は、常套 のように乾燥された物質と比較して、実質的に向上した水への溶解性および湿潤 性のため、および/または過熱水蒸気により乾燥された物質の液相に対する吸着 能におけるかなりの向上についての基礎となり得る。従って、本発明によれば、 被覆組成物による被覆にアクセスし得るのは、粒状担体ビーズ(beads)の外側 表面だけでなく、内部表面、従って最終的には、過熱水蒸気中で乾燥される担体 ビーズの自由にアクセスし得る内部全体も被覆組成物により被覆し、或いは含浸 することができる。蒸気ストリームを介して回路から取り出され、しかし、その 場合であっても、上述のように閉プロセス回路中で入手し得る、乾燥すべき物質 の水蒸気揮発成分は、以前は決して可能ではなかった方法で吸収剤および高多孔 質乾燥物質と再混合し得るということが容易に理解されよう。これは、それらの 水蒸気揮発成分を、多孔質担体に仕上げられた有用物質の固体成分の内部に再導 入することができるからである。更に、以下に説明するように、外側に適用され る保護皮殻(protective shell)により封止することによって、このようにして 再混合された有用物質を貯蔵中において持続的に安定化することが可能である。 本発明の教示のこれらの利点を確保するため、微粒子状乾燥物質を、連続皮膜 を有さない微細多孔質の安定な担体ビーズとして形成できることが特に重要であ る。これは、常に、乾燥した多孔質担体が、乾燥ゾーンの操作温度範囲において 、それらが過熱水蒸気に曝される条件下においてさえも、粒子が互いにおよび/ またはそれらの開口する孔の内部構造内でくっつくことの大部分を防止するよう に、その可塑性および表面粘着性が制限されるような固体の形態で存在する場合 に常に当てはまる。本発明の方法はその好ましい態様では常圧で行われるので、 乾燥される物質の粒子内の物質温度として約100〜110℃の範囲の温度が形 成される。従って、上述の要件は、この温度範囲について満足されなければなら ない。本発明の方法に付されるべき有用物質および有用物質の混合物の大部分は 、それらの天然の組成物のためにこれらの要件を満足する。このことは、特に、 乾燥固体相に転化される食品の天然の出発物質、フレーバーを生成する植物およ びその一部、ならびに本発明の方法において使用するのに適すると規定されるそ の他の 多くの物質に当てはまる。乾燥された有用物質が高度の多孔質の内部構造を有す る固体担体として形成されるこの要件が満足されない特定の場合、適当な助剤を 使用することによってこの要件は容易に満足することができる。しかしながら、 乾燥インスタント製品、例えば特に易流動性の粉末および/または凝集物形態の インスタント製品の分野における経験により、最も広い意味において上述の要件 が天然の出発物質の分野では実際には満足されないということが判っている。常 套の方法により製造される乾燥乳は、コーヒー、茶、果物ジュースなどの乾燥し た抽出物などと同様の対応する乾燥物質である。過熱水蒸気による乾燥のそれ自 体既知の特別な特徴は、必要とされる結果の達成をより容易にする:過熱水蒸気 の乾燥気相は、酸素を含まない雰囲気において、方法を高温で行うことを可能に する。その個々の乾燥プロセスの広い部分にわたって、滴の物質温度は、操作条 件下における水の蒸発温度によって決まる。生成する乾燥物質が開いた孔を有す るという特性(open-pore character)および中間で生成するゲル状層からの皮 膜の形成を防止することによって、以下において詳細に説明する特別なプロセス の要素と組み合わせて、非常に変性を受けやすいそのような物質、例えばミルク および乳製品であっても、ほとんど変性させずに本発明の乾燥方法に付すること ができる程度に過熱水蒸気相における乾燥プロセスを短縮することが可能になる 。 上述の説明は、多孔質固体の性質および形成に大いに関連している。しかしな がら、分離される蒸気ストリームの適切な処理および後処理に起因する要素およ び利点は、本発明の方法の重要な部分でもある。 使用される有用物質の混合物からこの蒸気ストリームにより分離されプロセス の回路から取り出される水蒸気揮発性成分(特に、例えばフレーバーの複合され た混合物の一部)は、ある程度まで蒸気ストリームの凝縮の間に精製されたな形 態で蓄積し、従って、このフレーバーは特に簡単で低コストの方法にて完全に回 収することができる。同伴した固体成分が分離された蒸気ストリームは、ここで 水および水蒸気揮発成分、特に有機成分のみを含有する。これらの水蒸気揮発性 有機成分は、ほぼ純粋な水相からいずれかの方法で、特に、例えば果物、植物の 一部などから香りを回収する際に通常考慮しなければならない他の混合物成分に よる干渉を伴うことなく分離することができる。本発明の教示は、香りを回収す るために開発された既知の方法のすべての範囲に適用することができる。しかし ながら、特に重要かつ簡単な1つの態様において、持ち越された有機成分は膜分 離法によって水相から効果的に分離することができる。一般に、この場合、複雑 な有機混合物を分離する必要はない。それは多孔質担体と共に全体として再混合 され、その内部構造の中に吸収され得る。 このプロセスは全体として、蒸気ストリームと共に排出される有用物質の成分 が不純物である場合に、同様に簡略化することができる。凝縮した蒸気ストリー ムの純粋な水相からの不純物の分離を達成することも容易であるので、不純物を 引き続いて分解、例えば消却することができる。しかしながら、全体としてのプ ロセスに関して、循環される過熱水蒸気を再過熱するための燃料として用いるこ とにより、問題とする不純物を副次的有用物質とすることができる。この再加熱 は熱交換によって通常は間接的に行われており、過熱水蒸気回路に不純物が入る ことはない。 上述のように、本発明の教示により、水性製剤の形態で存在する有用物質の望 ましいすべての成分を最終生成物に再混合することができる。しかしながら、本 発明の教示はこの可能性に決して限定されるものではない。単離された形態で得 られる固体成分の微小多孔質構造は、追加的な有用物質または蒸気ストリームに より排出される成分以外の他の有用物質を担体中に組み込ませることができ、要 すれば、貯蔵可能な形態でその中に封じ込めることができる。主要食品および嗜 好食品の領域における水溶性インスタント製品の分野について、全体として新し い可能性がこのように生じるということは、容易に理解されよう。尤も、これら の新しい可能性は、人が消費するための食品のみに当てはまるものではない。動 物の食物(餌)も予め決められた組成の配合物に同様に処理することができ、引 き続いて被覆することにより貯蔵中の高い安定性が付与される。同じことが、医 薬品および/または化粧品の分野における有用物質および有用物質の混合物に適 用される。本発明に関連して述べられた植物成長制御剤および殺虫剤の品質を著 しく向上することができるということも同様に理解されよう。粉塵を含まない即 座に溶解することのできる有用物質の製剤を完全に閉じたプロセス回路内で製造 できるという可能性さえも、生成物の生態学的および経済的な面に関する今日の 要件が考慮される場合に、本発明の教示の重要性を例証する。 本発明の教示のもう一つの要旨は、全体としてのプロセスの別の部分で分離さ れる蒸気ストリームの潜在的な有用性に関する。本発明は、連続ストリームにお いて蓄積するプロセスのこの生成物(または副生成物)を実際に良好に使用する ことを目的としている。関連する可能性を以下詳細に説明する。これに関連して これらの可能性の二つだけを説明する:蒸気ストリームをその凝縮の前に、乾燥 すべき有用物質の水蒸気揮発性成分(特にフレーバー)の分離に使用することが でき、その結果、これらの揮発性成分を実質的に含まない含水物質を過熱水蒸気 による乾燥プロセスに付することができる。次に、蒸気ストリームのエネルギー 含量を、特に蒸気ストリームの凝縮および処理すべき含水物質への凝縮熱の伝達 のために利用することができる。このようにして、例えば過熱水蒸気を乾燥段階 に導入する前に乾燥すべき含水物質を濃厚化することが可能である。 一般に正当であり、多くの場合に非常に有用な最後の要旨をこの際に説明する 。乾燥媒体として過熱水蒸気を選択することにより、準備段階において乾燥装置 を全体として確実に無菌化することが可能になる。分離媒体それ自体、即ち過熱 水蒸気も無菌化される。無菌化状態はプロセスの間中維持される。乾燥すべき物 質は乾燥相において無菌化温度範囲にある。最終生成物は空気の取り込みを含ま ず、従って、最終生成物の長期にわたる滅菌性がこの点でも保証される。熱い空 気を用いる常套の乾燥プロセスを上回る大きな利点は、技術面および製品の品質 の両者に関してこのように達成することができる。 以下の特別な知見が、冒頭部において簡単に要約した本発明の教示の種々の態 様に当てはまる: 本発明の教示の最初の態様は、乾燥相として過熱水蒸気を用いる上述した分野 からの含水有用物質の乾燥する方法に関するものであり、乾燥すべき物質が分散 相を形成し、過熱水蒸気が連続相を形成する。用いることが好ましい技術は噴霧 乾燥の既知の技術であり、そこでは乾燥すべき物質が並流および/または向流で 連続乾燥ガス相に噴霧され、必要な程度に乾燥される。この目的には噴霧乾燥塔 が通常使用される。乾燥すべき含水有用物質は、噴霧ノズルまたは他の手段、例 えばロータリーディスク(rotary disk)または遠心噴霧器(centrifugal atomizer )などのいずれかによって乾燥ガスが流れる塔の中に微細に噴霧され得る。この 点に関して、乾燥すべき有用物質を、例えば、多数の噴霧ノズルを(所望の場合 には異なるレベルに配して)設けることもできる噴霧乾燥塔の頂部に供給するこ とができることが知られている。しかしながら、乾燥すべき物質を、特に噴霧ノ ズルを通して、噴霧乾燥塔の底部に供給することができることも知られており、 その場合に乾燥すべき物質はまず塔の中に上向きに噴霧され、重力の作用下で、 続いて向きを変えて、即ち下方に降下する。過熱水蒸気は、乾燥すべき物質の動 きの向きと並流および/または向流で流れてよい。 有用物質は含水溶液、エマルジョン、懸濁液および/またはペースト形態で用 いることが最もよい。本発明の関連する有用物質および有用物質の混合物の分野 において、そのような水性製剤が最初から存在していてもよいし(この一つの例 はミルクである)、またはそのような水性製剤が、例えば水および/または水/ 有機系による植物および植物の一部の抽出などによって容易に調製できるもので あってもよい。この特別な場合は、最も広い意味においてコーヒー抽出物である 。本発明の方法は、コーヒー抽出物および脱カフェイン化コーヒー抽出物または コーヒー代替物ならびにコーヒー添加物に同様に適する。これらの特別な製品の 例には、麦芽(malt)コーヒー、大麦(barley)コーヒー、チコリー(chicory )コーヒー、どんぐり(acorn)コーヒーなどが含まれる(ベリッツの“Lehrbuc h der Lebensmittelchemie”、第21章、特に、サブチャプター21.1.3〜2 1.1.5を参照)。 一方でミルクの乾燥の、他方でコーヒー抽出物の乾燥の二つの基本的な種類を ここでは意図して説明する。これは本発明の方法の実際の適用に関する限り、こ れらの二つの例が、本発明の教示が解決すべきであって、本発明により解決する ことのできる基本的に非常に異なる問題の特徴的な例であるからである。工業的 規模におけるミルクの乾燥は、ミルクの重要な成分、特にミルクの蛋白質に変性 が起こり得る問題によって支配され、乾燥物質の、溶解性の乏しいまたは実質的 に不溶性の乾燥生成物への不可逆的転化を含むことがある。乾燥ガスを用いるフ レーバーの排出によるフレーバーの損失はそれ程重要ではなく、また少し重要で あるに過ぎない。味と香りに関する限り、望ましくない変性反応により順次引き 起こされる、固体成分中の望ましくない変化を伴う処理がここではより問題であ る。 コーヒー抽出物の乾燥においては、状況は全体的に異なる。水蒸気揮発性の香 り成分の分離による、乾燥の間でのフレーバーの避けられない損失が、一つの支 配的な問題の領域である。集められる固体は、ミルクの乾燥に比べて、過熱に対 して余り敏感ではない。過熱水蒸気中での乾燥による、水蒸気揮発性香り成分を 含有する物質への避けられないこの損失は、コーヒー抽出物に限られないという ことが直ちに理解できる。本質的な成分が水蒸気中で揮発性であり、特に、物質 の滴中で支配的な操作温度にて、除去される傾向を示すかまたは除去が容易であ る場合に、いずれの起源の香りおよびフレーバーも同様の危険に遭遇する可能性 がある。 上述のように、本発明の好ましい態様は、望ましい成分、例えばフレーバーの 放出されたフラクションが過熱水蒸気中で蓄積される場合、それらは少なくとも 部分的に回収され、所望の場合には、乾燥段階において集められる乾燥物質と再 混合されることを特徴とする。しかしながら、分離される過熱水蒸気と共に排出 される、乾燥すべき価値ある物質のこれらの成分が不純物であると見なされる場 合、乾燥物質との再混合は一般に問題外とされる。この場合に、本発明の教示に より、この不純物の適当な処理、特に燃焼による可能性が付与される。このため に、生成物のそのようなストリームは、過熱水蒸気の循環されるストリームを、 間接熱交換により操作温度に再過熱するために用いられるバーナーに供給するこ とができる。 本発明によれば、乾燥段階において支配的である操作条件は、乾燥すべき特定 の有用物質に適合する。このことは、特に、過熱水蒸気の操作温度および連続相 が乾燥ゾーンから出る温度の選択に当てはまり、これらの温度は乾燥プロセスの 制御により決められる。関連する詳細について以下に記載する。本発明の教示の 好ましい態様では、選ばれた特定の湿潤物質は常圧において乾燥される。本発明 に関連して、常圧という用語は、約150ミリバール(mbar)までの加圧または 減圧した範囲を一般に包含するものであり;約100ミリバールまで、特に、約 50ミリバールまでの範囲の圧力での上下のそのような偏奇が好ましい場合があ る。多くの用途において、周囲圧からの偏奇は非常に小さく、例えば約10〜1 5ミリバールまでである。 乾燥ゾーンにおける分散相の有用物質または有用物質の混合物の含水製剤中に おいて形成される温度は、操作圧力下における水の沸騰温度、即ち典型的には1 00℃付近に対応する。この選択された有用物質の特定の混合物とは無関係の予 備的条件に拘わらず、個々の場合において有利に決められる条件への重要な適合 を、中でも、使用される過熱水蒸気の温度および水蒸気相の入口温度と出口温度 との差を変化させることによって行うことができる。例えば、使用される物質が 温度に対してあまり敏感でない場合に、500℃までまたはそれ以上の温度、例 えば約700℃までの温度を過熱水蒸気に選択することができる。しかしながら 、本発明に基づいて規定されるように、乾燥ガスとして過熱水蒸気を用いる乾燥 の原理の適用に関する限り、温度に対してあまり敏感でない物質は例外的である 。主要食品および嗜好食品、フレーバーならびに化粧品ならびに医薬用助剤およ び/または有用物質の製剤の適用の分野には、本発明が特に関する限り、それら が温度に対して敏感なために、乾燥ガスとして過熱水蒸気を用いる乾燥原理の適 応にはまさに適さないと従来みなされていた、温度に対して敏感な助剤および/ または有用物質が一般に含まれる。 具体的な操作パラメーターを適合させることにより、これらの極度に温度に対 して敏感な有用物質および有用物質の混合物であっても、乾燥すべき水蒸気不揮 発性物質(non-steam-volatile material)または水蒸気揮発性成分、例えばフ レーバーならびにそれらの混合物などに、回復することのできない損傷を与える ことなく、過熱水蒸気を用いる乾燥に付することのできる方法を示すことが可能 であるということが本発明の教示な重要な要素である。 第1の重要な操作パラメーターは、乾燥ガスとして用いられる過熱水蒸気相の 具体的な温度制御に存する。過熱水蒸気相の以下の好ましい作動条件は、少なく ともフレーバーを含有する食品および/または有用物質の分野に適用される:過 熱水蒸気温度は200℃以下、好ましくは約180℃までである。この適用のた めの特に好ましい過熱水蒸気温度は、約140〜180℃の範囲、特に約145 〜160℃の範囲であってよい。好ましい態様では、非常に敏感な物質の分野に おける過熱水蒸気出口温度は、約150℃の値を越えない。水蒸気出口温度とし て特に適当な範囲は105〜130℃のオーダーであり、特に約115℃までで ある。 乾燥ガスとして過熱水蒸気を用いる噴霧乾燥の既知の原理を、温度に対して非 常に敏感な有用物質および/または温度に対して敏感なフレーバーを含む有用物 質に適用することは、本発明の教示の重要な部分である。しかしながら、本発明 の教示は、この特定の用途に限定されるものではない。比較的高い温度安定性に よって識別される有用物質または有用物質の混合物を、上述の適用の広い範囲に おいて用いることもできる。従って、過熱水蒸気は、200℃を越える入口温度 、例えば220〜450℃の範囲、特に350℃までまたは約280〜300℃ の範囲の入口温度を有することができる。しかしながら、水蒸気入口温度につい てのこれらの操作条件は、乾燥すべき物質または水蒸気揮発性成分のいずれかに おいて損傷の恐れがない場合にのみ適用することができる。現実に、例えばフレ ーバーおよび香りなどに対して大きな危険を示すのは、まさに、過熱水蒸気相の 中で乾燥すべき有用物質の水蒸気揮発性成分の取込み(uptake)および全体とし てのプロセスの中におけるそれらの循環である。乾燥して固体相を形成する物質 のその部分の温度感受性と全体としては無関係に、本発明の教示に従って操作パ ラメーターを制御しない場合には、重大な損傷が生じ得る。 噴霧乾燥ゾーンからの過熱水蒸気の出口温度を下げることは、当然ながら、操 作条件下において水蒸気の過熱された状態を捨てることなく可能である限り、有 用である。従って、水蒸気出口温度についての下側温度限界は、本発明に関して 選ばれた常圧の範囲において、105〜110℃のオーダーである。水蒸気出口 温度は、一般に150℃を越えるべきでなく、140〜140℃を越えないこと が好ましい。特に適する水蒸気出口温度は、約105〜130℃の範囲、特に約 105〜115℃の範囲である。温度に対して極めて敏感な物質の場合、過熱水 蒸気入口温度を、それらの低い範囲、即ち、例えば約110〜140℃の範囲の 値のレベルに下げることが有利であることさえある。しかしながら、経済的な理 由から、このことは例外的な場合にのみ考慮されるべきである。 上述のように、これまでに述べた問題点を克服するための重要なプロセスパラ メーターは、過熱水蒸気中の分散相の平均滞留時間の正しい選択および適用に存 在し得る。本発明の教示は、せいぜい数分間、例えば2〜10分間、特に約5分 以下の滞留時間で通常働く。熱により危険に曝される物質については、はるかに 短い滞留時間、好ましくは約1分間以下、より好ましくはせいぜい約30秒程度 を選択することができる。皮殻を形成せず、微小多孔質構造をそのまま有する、 個々の滴の乾燥の冒頭部において述べた特別な特徴は、乾燥プロセスの最後の段 階であっても、個々の粒子から水が迅速に除去されることを必要とし、従って、 過熱水蒸気中における滴の滞留時間がせいぜい約10〜20秒の場合でさえも、 効果的な乾燥の結果を確保することができる。以下に説明する、分散相の平均粒 子寸法のプロセスパラメーターを考慮に入れると、約1〜20秒、または僅かに 数秒、例えば約1〜5秒間の範囲および約1〜2秒間の範囲の場合のことさえあ る滞留時間で効果的な乾燥結果を得ることが可能である。適度な温度条件下にお いて、湿潤生成物の易流動性乾燥生成物への転化は、少なくとも、生成する固体 物質を引き続いてより温和なプロセス条件下で乾燥することができるような程度 の短い時間で、行なうことができる。噴霧ゾーンにおいて過熱水蒸気を用いる乾 燥と、それに続くおよび/またはそれと一体化された乾燥段階、例えば振動型流 動床乾燥および/または流動床乾燥との本発明による組み合わせのこの変形例を 、以下により詳細に説明する。 噴霧乾燥プロセスを行なうために、個々の滴の寸法を一方で制限し、生成する 滴の寸法の分布範囲を他方で制限することが一般に推奨される。従って、本発明 の一つの好ましい態様において、含水分散相は、1mm以下、好ましくは約35〜 700μmの範囲、より好ましくは約50〜500μmの範囲の平均粒子寸法を有 する。乾燥すべき有用物質のこの粒子の微細さは、処理すべき有用物質相の単位 体積当たりの液体表面積を増大することを確保するものであり、これは液相から の気相への水の移動のために重要である。物質の交換のために重要な液体比表面 積は、既知の方法で、例えば102〜105のファクターでこのように増大させる ことができる。実質的な表面積の増大を伴う乾燥すべき含水有用物質相のこの形 態は、乾燥をかなりの程度増強および/または促進することができる。 本発明の教示の特に重要な態様の一つにおいて、乾燥すべき液体有用物質相は 、噴射ガス(propellent gas)の助けを伴って噴霧される。そのような噴霧システ ム、特に噴霧ノズルは、種々の形態のものが知られている。関連する専門技術文 献には、例えば、以下のようなものがある:ハー・ブラウアー(H.Brauer),“G rundlagen der Einphasen- und Mehrphasenstroemungen”in GRUNDLAGEN DER CH EMISCHEN TECHNIK,Verfahrenstechnik der chemischen und verwandter Indust rien,Verlag Sauerlaender,Aarau und Frankfurt am Main (1971),pages 308 -323、エイ・エイチ・レフェーブレ (A.H.Lefebvre),“Atomization and Spr ays”,Hemisphere Publishing Corp.,New York (1989),pages 10-20、Chemic al Engineering,Vol.2,Unit Operations (2nd Edition - 1968),Pergamon P ress,Oxford/New York,pages 602-617 およびアール・エイチ・ペリー (R.H. Perry)ら,in“Chemical Engineering Handbook”,(5th Edition,1975),MacGr aw-Hill Book Co.,New York,“Phase Dispersion/Liquid-in-Gas Dispersions ”,pages 18-65。 本発明の特に好ましい態様は、マルチコンポーネントスプレーノズル(multic omponent spray nozzles)および噴射ガスを使用することを特徴としており、本 発明のこの態様において噴射ガスとして水蒸気、特に過熱水蒸気が用いられる。 ここで述べる本発明の教示の核心において、特に極めて温度に対して不安定な物 質について、過熱水蒸気を噴射ガスとして使用する場合、液相から過熱水蒸気相 へ取り出すべき成分の移動が、恐らく噴霧プロセスに関連する強力な混合によっ て、特定のプロセス・サイクルにおいて得られる乾燥の結果が1秒の何分の1か で達成され得るような程度に増強されるということが驚くべきことに見出された 。本発明の方法のこの態様の操作のモードは、引用した文献に説明されているよ うに、噴霧された滴の生成の履歴からおそらく明らかにすることができる。一般 に、液相が薄層状に初めに拡がるのは、マルチコンポーネントスプレーノズルを 使用する場合である。問題とする液体のそれぞれの体積に基づいて、過熱水蒸気 相との物質の交換のための極めて大きな表面積がこのようにして得られる。これ により、乾燥結果の増強および促進が説明される。更に、適当なマルチコンポー ネントスプレーノズルの選択によるこの結果の増強についてのプロセスエンジニ アの一般的知識を、本発明の教示に関連して使用することもできる。 しかしながら、噴射ガス、特に過熱水蒸気を使用することは、他の理由から、 本発明の教示の特に好ましい態様を意味する。前述の知見に加えて、以下の可能 性および利点が提供される: 過熱水蒸気を噴射ガスとして使用する場合、もう一つの重要なプロセスパラメ ーター、即ち、噴霧乾燥すべき易流動性物質の温度に、より大きな自由度が与え られる。冒頭部において説明したように、滴の温度が少なくとも操作条件下にお ける水の沸騰温度に到達した場合、個々の滴内で過熱水蒸気により満たされた乾 燥スペースで乾燥だけが起こる。従って、短時間で効果的に乾燥するために、乾 燥すべき物質をこれの沸騰温度付近まで予備加熱して、その温度で噴霧すること が有利と考えられる。しかしながら、このことは、特に温度に対して不安定な物 質、例えばミルクおよび乳製品である場合に、望ましくないまたは許容すること のできない高温への更なる暴露を含むことがある。ここで論じている本発明の教 示の変形例において、噴射ガスとして過熱水蒸気が用いられる場合、温度をほと んど上昇することなく、または温度の極めてわずかな上昇を伴って、乾燥すべき 易流動性物質、例えばミルク濃厚物を噴霧ノズルに供給することができる。噴射 ガスとして過熱水蒸気を用いる噴霧の過程では、物質は必要とされるように微細 化されるだけでなく、過熱水蒸気がその含有する余剰の熱エネルギーをこのプロ セス工程において噴霧される物質に移動させ、従って噴霧される物質が加熱され る。従って、加熱および噴霧がこのように、単一の簡単なプロセス工程に統合さ れる。温度に対して敏感な物質を高温に曝す時間がこのように著しく短縮される ことが理解されるであろう。 しかしながら、そのような噴射ガスの使用は、全体的に異なる方法で実質的な プロセス補助物(process aid)となりうる:温度に対して敏感な物質、例えば ミルクの乾燥において、温和な条件下における薄膜蒸発によって乾燥すべき物質 を高い乾燥分(dry matter)含量に最初に濃厚化することができるということが 知られている(冒頭において引用したベリッツらの文献“Lehrbuch der Lebensm ittelchemie”参照)。しかしながら、この方法での濃厚化は、出発溶液の粘度 の増大、従って出発溶液の移動性の増大を急速に導くことがあるので、操作上の 制限が生じ得る。噴霧のために噴射ガスを用いること、特に乾燥のために水蒸気 を使用することによって、より高い濃度、従ってより粘性の高い出発物質を、予 備処理において円滑に処理することが可能になる。 本発明の方法による乾燥に好ましい物質は、液体および/または固体の主要食 品および嗜好食品の分野からの少なくとも部分的に溶解および/または懸濁され た固体を含有する有用物質または有用物質の混合物であって、貯蔵可能な形態に 、特に、易流動性および注入性の固体、好ましくはインスタント製品の種類の形 態に乾燥することができるものである。これらの物質および本発明の方法のその 他の重要な生成物の処理に関して、特に重要とされるのは以下に説明する好まし い評価すべき要素である。 過熱水蒸気に曝される条件下においてさえも、粒子が互いにおよび/またはそ れらの開口する孔の内部構造内で付着しないような程度に可塑性および表面粘着 性が制限されることが好ましい開口する孔の内部構造を有する固体を、操作条件 下において形成し得る含水有用物質または有用物質混合物を使用する場合に、特 に重要な乾燥結果が得られる。乾燥すべき有用物質または有用物質の混合物がこ こに規定するような種類の適当な固形物含量を元来有するものではない場合、溶 解、乳化および/または微細に分散する助剤であって、乾燥状態では固体で非粘 着性であることが望ましいものを、本発明の方法において、乾燥すべき物質に加 えたり、その物質と共に処理することができる。この目的のために選択される助 剤が、最終的に得られる有用物質に意図される用途に干渉するような品質であっ てはならないということは明らかである。一般的な専門家の知識により、それぞ れ個々の特定の場合において、本発明の教示に従って処理する十分な原動力が提 供される。この選択または乾燥すべき物質の組成の結果、乾燥した基礎の固体の 開口を有する孔の微細多孔質構造が確保される。従って、本発明の好ましい態様 において、乾燥多孔質固体の内部に進入し、内部容積の少なくとも一部または場 合によっては全部を占めることさえある、自由に選択することのできる被覆組成 物を続いて装入するための理想的な担体がここに存在する。これらのような助剤 を使用して、約100〜110℃の温度にて少なくとも部分的に変性するおそれ のある、温度に対して敏感な物質を、本発明の方法による乾燥に適用し、特にそ れらを乾燥して固体を形成することが有利な場合もある。本発明の方法において 確実に形成される開口する微小多孔質基礎構造は、物質の内部に水が存在する場 合であっても、例えば熱い空気中での乾燥に特徴的な外観である外側部分におけ るゲル化などによって滴が封じられたりすることなく、そのような迅速な水の排 出を可能にする。従って、本発明の方法は、約100〜110℃の範囲の温度へ の必要な暴露によって、空気、窒素および/または燃焼ガスの存在下で乾燥され る場合、永久的に変性するそのような生成物も特に適する。 以下の開示は、乾燥回路から取り出される蒸気ストリームおよびそれと共に場 合によって排出される物質のフラクションの処理に適用される: 本発明の一つの重要な態様において、蒸気ストリームと共に排出される水蒸気 揮発性成分、即ち、例えば食品からのフレーバー(芳香成分)が回収される。一 般に、この回収は、分離した蒸気ストリームの蒸気相を水性液体相に凝縮した後 に行なわれる。水性混合物からの有機成分の除去のためのそれ自体既知のいずれ かの方法またはそのような方法の組み合わせでさえも、この目的に用いることが できる。それぞれの場合に、適用される適当な方法は、特定の混合物によって与 えられる要件により決められる。例えば相分離、抽出、蒸留による分離または大 きな表面積の固体、例えば活性炭への吸着などの分離技術を用いることができる 。この点に関して、関連する当業者の知識を適用することができる。 しかしながら、冒頭において述べたように、分離は膜技術によって特に容易に 行なうことができる。水蒸気蒸留によってある程度まで精製された後、濃縮され て液相に凝縮される水と排出された水蒸気揮発性成分との混合物は、それ自体既 知の膜分離方法による問題のない分離のためのほとんど理想的な出発物質の例で あることが容易に理解されるであろう。個々の場合において、使用すべき膜の特 定の種類は、特に所望される分離の結果および排出される成分の分子の寸法によ って決められる。既に説明したように、逆浸透を用いることは特定の場合におい てのみ必要とされるであろう。一般に、ナノメーターオーダーの分離(nanofiltr ation)膜または単なる限外濾過膜により適当な分離結果が得られる。水相から分 離される有用物質は、乾燥ゾーンにおいて有用物質から排出され、乾燥された微 細多孔質固体物質と即座に再混合することのできる成分である。所望する場合、 追加の助剤および有用物質、例えば追加のフレーバー成分が、微細多孔質固体中 に導入されてもよい。本発明の教示によって、高品質の製品、特に主要食品およ び嗜好食品の分野からの製品の乾燥へのアクセスが、この分野において従来利用 することのできなかった、技術的には簡単な手段を用いて提供することができる ということは明らかである。 しかしながら、これまでに説明した事項に基づいて乾燥プロセスから取り出さ れる蒸気ストリームを処理することは、本発明の教示の技術的な可能性を使い果 たすものではない。本発明のもう一つの重要な事項は、この蒸気ストリーム、従 って分散相の蒸発した水を、全体としての方法の向上させるために利用すること である。取り出される蒸気ストリームを、全体としての方法の少なくとも一つの 別の段階において追加の操作補助物として特に意図している。取り出される蒸気 ストリームのこの追加的な利用の典型的な例には、蒸気ストリーム中に存在する エネルギーを回収すると共に、蒸発によって液体の有用物質を部分的に濃縮する こと、物質を噴霧乾燥する前に物質からフレーバーを取り出すことおよび/また は加熱される物質またはそのフラクション(一部分)への蒸気ストリームからの エネルギーの全く一般的な伝達などが含まれる。 蒸気ストリームにより排出されるエネルギーを純粋なエネルギーとして利用す ることには特別な技術的議論を必要としないが、上述の蒸気ストリームの利用の 別の事項、即ち、有用物質の噴霧乾燥前に有用物質からフレーバーを分離するこ とを以下に更に詳細に説明する。 本発明の教示のこの態様において、水蒸気揮発性フレーバーを分離する工程は 、含水有用物質を噴霧乾燥ゾーンに導入する前に、可能な限り完了する。蒸気ス トリームの過熱水蒸気は、製造段階において要求される目的を少なくとも実質的 に達成するために、従って、一時的に貯蔵することができ、微細多孔質乾燥物質 と後で再混合し得るフレーバー濃厚物を得るために、既知の技術によれば理想的 に適している。本発明による教示のこの変形例は幾つかの利点を有する。一方で 、水蒸気揮発性フレーバーは、制御可能な操作条件下において前もって濃縮する ことができる。他方で、フレーバーの水蒸気揮発性成分は、乾燥ゾーンの中に導 入され、過熱水蒸気によってそこで処理される含水物質から少なくとも実質的に 分離することができる。従って、フレーバーが過剰な温度に曝されることは、操 作温度に絶えず加熱されなければならない過熱水蒸気の循環ストリームとの混合 物でフレーバーが部分的に循環されることによって、この段階で防止される。 本発明の方法の乾燥段階は、1段階で行なうこともできるし、または必要な場 合は、乾燥すべき有用物質または有用物質の混合物の温度への感受性に応じて、 数段階で行なうことさえもできる。有用物質を幾つかの段階で処理する場合、こ れらの段階の少なくとも一つに、本発明の教示による過熱水蒸気中での分散有用 物質相の噴霧乾燥および/または流動床乾燥が含まれる。本発明の教示のこの態 様において、噴霧乾燥は、これに続く凝集および/または乾燥段階、特に流動床 における後処理のための段階と組み合わせられる。これらの次の段階は、噴霧乾 燥ゾーンから独立していてもよいし、または一体化された段階の形態で噴霧乾燥 と直接組み合わされていてもよい。 本発明に従って処理される有用物質および有用物質の混合物の特に重要な代表 例は、乳製品の分野からの含水物質、水蒸気揮発性フレーバーならびに香りおよ び/または味を付与する物質、例えば、スパイスを含有する植物および/または その一部、例えば葉、果実および/または種の分野からのものなどを含有する食 品(主要食品および嗜好食品)をベースとする含水物質である。本発明の方法に おいて使用される特に適する例のより詳細なリストは、食品およびフレーバーの 分野からのものならびに本発明の教示によりカバーされるその他の分野のものの 両者とも、以下に示す。 従って、本発明の教示は、人および/または動物が消費するのに適する食品ま たは飼料、ならびに少なくとも実質的に乾燥される固体の担体の形態であるこの 目的に適する助剤であって、他の生理学的に安全な助剤および/または有用物質 が装入されていてもよいものに特に適用される。本発明によれば、これらの食品 または飼料は、乾燥しているがまだ含浸されていない状態において、固体担体に 多孔質で吸着性の内部構造が供給され、乾燥ガスとしての過熱水蒸気中で含水食 品または含水食品の混合物を乾燥することによって製造されたものであることを 特徴とする。この種の食品または飼料は、多孔質内部構造を有する固体担体が、 液体湿潤物質の噴霧乾燥および/または流動床乾燥、特に固体担体を形成する有 用物質の水溶液、エマルジョンおよび/または懸濁液を乾燥することによって製 造されることを特徴とする。上述のように、、特に好ましい担体は、約100〜 110℃の温度にて固体として存在し、まさにこの範囲の温度においては、その 可塑性および表面粘着性が、過熱水蒸気に曝される条件下においてさえも、粒子 が互いにおよび/またはそれらの開口する孔の内部構造内において付着すること がほとんど防止されるような程度に制限された乾燥多孔質担体である。 本発明による最終生成物は、一つの好ましい態様において多孔質担体に適用さ れた助剤および/または有用物質(以下「被覆組成物」とも称する)を含有して おり、その少なくとも実質的な割合が、担体の多孔質内部構造中に導入されてい る。多孔質担体のアクセスしうる(使用可能な)内部容積基準で、この内部構造 の少なくとも10容量%、好ましくは少なくとも50容量%が被覆組成物により 被覆されると有利なことがある。本発明の一つの重要な態様においては、存在す るとしても、被覆組成物は限られた量で多孔質担体の外側表面に存在する。この ようにして、被覆組成物に関して固体担体の特に効果的な保護作用を利用できる ばかりでなく、困難な条件下においてさえも、貯蔵中における乾燥混合物の安定 性を特に実質的に増大することもできる。 本発明の教示のこの態様において、注入性の形態に乾燥された多孔質担体物質 は、適用温度において液体である被覆組成物の製剤が供給され、好ましくは少な くとも一つの引き続く工程において完全に含浸される。続く工程において、助剤 および/または有用物質が供給された物質は、外側層内で封入(encapsulated)さ れてもよいし、このように封止されて貯蔵中に安定な状態に保たれる。封入層の ための構成物質の選択およびそれが適用される特定の技術は、特定の有用物質に よりおよび一般的な専門家の知識に関連して有用物質が保護されるべきであると 考えられる荷重(load)によって決定され、それに関してはここで明らかにする。 この例を以下に説明する。 被覆組成物が、多孔質固体担体の乾燥重量基準で、僅かに痕跡量、例えば約1 重量%以下で微細多孔質基礎構造物中に加えられている場合、乾燥固体が本発明 の方法で得られる。これの伝統的な例は、乾燥ミルク粉末への可溶化助剤の既知 の適用である。他方で、被覆組成物が実質的な量で、または多孔質担体粒子の吸 収容量の最大限まで加えられた乾燥生成物が、本発明の方法において得られる。 本発明の教示はもう一つの成分または被覆組成物が、多孔質固体担体のアクセス しうる内部容量に対応する量よりも幾分大きな量で加えられた物質の混合物を当 然ながら包含する。 基本的に、本発明の乾燥生成物は、貯蔵可能な易流動性および注入性物質(st orable,free-flowing pourable material)であることが好ましく、必要な場合 には、第2の段階で被覆された後に乾燥されており、未結合残存水含量が、被覆 された固体担体基準で10重量%以下、特に5重量%を越えない。 従って、特に重要な態様の一つにおいて、本発明は、乾燥ガスとしての過熱水 蒸気中での並流および/または向流での分散性含水有用物質の噴霧乾燥を、乳製 品の分野からの注入性の易流動性乾燥製品、特に粉末および/または凝集物形態 の乾燥乳の製造に適用することに関するものであり、インスタント特性を有する 対応する製品が好ましい。 もう一つの好ましい態様において、本発明は、乾燥ガスとしての過熱水蒸気中 での並流および/または向流での分散性含水有用物質の噴霧乾燥および/または 流動床乾燥を、コーヒーおよびコーヒー抽出物、対応する脱カフェイン化製品物 またはコーヒー代替物、茶および茶抽出物、野菜および/または果実粉末、乾燥 スープおよびソース、ココア、ココア/ミルクまたは果実/ミルク製剤、ビタミ ン/果実または果実のフレーバーの組み合わせなどの分野からの注入性および易 流動性乾燥生成物の製造に適用することに関する。 本発明は、一方で乾燥乳および乾燥乳製品をベースとし、ならびに注入性およ び易流動性形態、特にインスタント特性を有するコーヒーまたはコーヒー抽出物 をベースとしてこのように得られる生成物、ならびに茶および茶抽出物、ココア 、野菜および果実粉末、乾燥スープおよびソース、場合により主要食品および嗜 好食品の分野からのその他の水溶性成分との混合物の対応する製剤にも関する。 重要な態様の一つにおいて、本発明は、約100〜110℃の温度にて固体で ある生理学的に安全な有用物質および/または助剤、特に主要食品および嗜好食 品の分野からのものの含水製剤を乾燥することにより製造される、注入性で易流 動性の固体粉末および/または凝集物形態のフレーバー濃厚物であって、特に、 乾燥ガスとして過熱水蒸気を用いて、担体物質の含水製剤を特に噴霧乾燥および /または流動床乾燥し、続いて多孔質担体に、液体および/または固体のフレー バーならびにそれらの液体製剤を含浸させ、好ましくは最終工程で、フレーバー を含む担体を生理学的に安全で貯蔵可能な被覆中にカプセル化して製造されるフ レーバー濃厚物にも関する。 本発明の方法において有用物質および/または助剤として用いることのできる 製品および製品の分野の特徴的な例を以下に示すが、これらは発明の開示を満足 するためのものに過ぎない。 種々の形態のミルクに加えて、食品および乳製品産業からの有用物質および有 用物質の混合物には、ベービフード、チーズ/ホエー製品、トマト、スパイス/ ハーブ抽出物、スープ混合物、コーヒー/コーヒー代替物、ココナツミルクおよ び大豆ベースの食品が含まれ、これらは常套の噴霧乾燥によって処理することも できる。本発明の方法において、有用物質として、特に助剤としても種々の形態 で使用することができる炭水化物化合物は、二種の単糖類、特にペントースおよ びヘキソース、例えばリボースまたはグルコース、アセタールのように互いに結 合された2〜6の単糖類単位を含む糖を通常含有するオリゴ糖類、ならびに多糖 類などが含まれる。オリゴ糖類の典型的な例は、スクロース、マルトースおよび ラクトースの種類の二糖化合物である。多糖類の種類の典型的な例は、高分子量 の天然物質、例えばデンプン、グリコーゲンおよびセルロース種の物質であって 、これらは誘導体および/または分子量が部分的に減少した化合物などの形態で あっても、本発明の教示に関連する有用物質および有用物質、有用物質の混合物 および助剤である。 既に記載した特定の例に加えて、ミルクをベースとする食品または乳製品には 、チーズ、カゼインおよびカゼイン化合物(caseinate)ならびに対応する合成 される類似物、例えばコーヒー用ミルク(coffee whitener)などが含まれる。 全卵を処理して乾燥することもできるし、卵白と卵黄を別々に乾燥することがで きることも知られている。 植物抽出物および対応する食品または既に説明した例のフレーバーの分野から の類似物の典型的な例には、植物性蛋白質および蛋白質の加水分解物、豆乳およ び大豆ペースト、ボイルしたまたはボイルしていない野菜、例えばポテトのペー スト状製品、純粋な形態または調理された形態、例えばスープの形態のカブ、シ リアルおよびシリアル製品、豆類、果実および果実製品および当然ながら動物性 の食品またはフレーバー、特に肉およびそれから得られる抽出物をベースとする もの、血液およびその他の動物起源の典型的な有用物質の混合物などが含まれる 。これらの食品の例は、植物および動物起源の両者であってよい食用の油脂であ り、本発明の教示に関連して適当な有用物質および/または助剤である。本発明 に関連する処理に適する有用物質、有用物質の混合物および助剤の分類、対応す るサブグループおよび個々の例の特性についての十分に詳細な事項は、冒頭部で 引用した上記引用文献中のベリッツらの文献“Lehrbuch der Lebensmittelchemi e”4th Edition に見ることができる。 化粧品および/または医薬品用の助剤および/または有用物質の重要な例は、 例えば、ビタミン、天然または合成血清ならびに血液代替物、例えば血漿/血漿 代替物など、接種物質、鎮痛剤、抗生物質などである。除草剤、殺菌剤および殺 虫剤の種類の例は、関連する専門的文献に見ることができる。実際に、助剤は、 フレーバー、特に貯蔵中における化学的な変化を防止するためのカプセル化(封 入化)に用いられており、乾燥プロセスの間および/または本発明に従ってフレ ーバーを含浸した多孔質固体担体のカプセル化に使用することもできる。そのよ うな助剤の既知の例は、特に多糖類、例えばアラビアゴム、マルトデキストリン (maltodextrin)および変性デンプンなどである。シクロデキストリンにより包 接錯体を形成することもできる。例えばベリッツの上記引用文献のサブチャプタ ー5.5.5を参照のこと。 本発明の教示の特徴的な要素および可能な特に重要な変形例を、添付図面の図 1〜4を参照して以下詳細に説明する。 図1に、噴霧乾燥塔の形態の乾燥ゾーン1を示す。乾燥すべき含水物質は、ポ ンプ3によりパイプ4を通って噴霧乾燥塔の頂部へ送られ、そこで噴霧器(atom izer)2によって微細に噴霧される。噴霧乾燥塔の底部に配されているのは乾燥 物質用の排出装置5である。過熱水蒸気は、ファン6によって、パイプ10およ び12を通り噴霧乾燥塔の頂部に並流で導入される。水蒸気は、11内における 間接加熱によって必要とされる特定の操作温度に加熱される。 蒸発した水を含有する水蒸気は、パイプ7を通って乾燥ゾーンから出て、同伴 する固体のための(サイクロンの形態で示す)分離器8に通される。分離器8の 底部に配されているのは、分離した固体を排出するための排出装置9である。サ イクロンの頂部において、固体を含まなくなった過熱水蒸気がファン6へ送られ る。排出装置5によって噴霧乾燥塔からならびに排出装置9によってサイクロン から排出される固体物質は、パイプ13および14を通って後処理のための流動 床15へ送られる。 蒸発した水に対応する蒸気ストリームは16を通って過熱水蒸気回路から取り 出され、熱交換器17を通過し、その中で部分的に凝縮(分縮)する。例えば、 この分縮プロセスにおいて、蒸気ストリームの5〜95重量%およびそれ以上、 特に5〜50重量%が液相に転化され得る。蒸気ストリームの凝縮した部分は、 熱交換器17からパイプ19を通って分離され、一方、凝縮されない部分はパイ プ57を通って洗浄および分離カラム18へ送られる。 洗浄および分離カラムの底部にたまる液相は、パイプ19を通って分離された 蒸気凝縮物と混合され、熱交換器20を通って膜分離装置21へ送られる。乾燥 すべき有用物質からの蒸気ストリームにと共に排出される揮発成分の実質的に不 揮発性である部分は濃縮された形態で取り出され、膜分離段階からポンプ23に よってパイプ22を通り、パイプ24および流動床15内の噴霧器25を通過し て、例えば噴霧により、流動床15内で後処理される固体物質に適用される。再 混合された乾燥有用物質は26を通って流動床から取り出される。乾燥の間に蓄 積する水のストリームは、膜分離装置21内で有用物質を含まなくなり、27を 通って取り出される。 1の中で乾燥されるべき有用物質が、揮発性の特に高い成分またはそのような 汚染物質を含む場合、それらは以下のように処理することができる:洗浄および 精留カラム18から除去されるガス状の成分は熱交換器28を通過して取り出さ れる。熱交換器28で凝縮した液体物質は、パイプ29を通って、例えば標準的 な充填要素によって充填されているカラム18の頂部へ戻される。非凝縮性の気 体成分は、ファン30によってパイプ31を通り分離され、バーナー32へ送ら れ、パイプ33および熱交換器11を通り、循環する過熱水蒸気と間接的に熱交 換される。バーナーからの廃ガスは、より良好な熱の利用のために、一部がファ ン34によって循環される。バーナーの廃ガスの残部は36を通って除去され、 これもより良好なエネルギーの利用のために、前もって35内でバーナー供給空 気との熱交換に付され、その空気もファン30によって取り入れられ、バーナー に送られる。 洗浄および分離カラム18の頂部から取り出される気相の別の可能性として、 図1には、例えば特に揮発性の高いフレーバーからなるこの成分を、ファン37 およびパイプ38によって乾燥ゾーンに再導入する前に、循環する過熱水蒸気と 再混合することができることが示されている。 図1に示すように、予備処理段階は、例えば、含水有用物質を濃縮するためお よび/または含水有用物質を乾燥ゾーンに導入する前に揮発性フレーバーの少な くとも実質的な成分を取り出すために、既に説明したような含水有用物質の乾燥 および処理と組み合わされている。取り出された蒸気ストリームの(部分的)凝 縮からの凝縮エネルギーは、特にこの予備処理を行うために熱交換器17で使用 される。 乾燥ゾーン1の手前(上流)には、パイプ40を通って導入される新しい含水 物質を濃縮するための段階が置かれている。この予備的な濃縮はファン41によ って(部分的)減圧下に保たれる薄膜蒸発器39の中で行なわれる。薄膜蒸発器 には二重ジャケット43が設けられている。熱交換器17内に蓄積される蒸気ス トリームの凝縮熱は、ポンプ42によって、パイプ46、49および47を通り 、薄膜蒸発器の二重ジャケット43へ送られる。熱の伝達のために用いられる液 相は48を通って取り出され、パイプ50を通して熱交換器17に戻される。薄 膜蒸発器からの排出の割合は熱交換器45によって制御することができる。分離 された蒸気状或いは気体状の相は、44を通って回収される。これは既知の方法 で、例えば濃縮などによって処理することができる。有用物質、特にフレーバー のかなりの割合が、乾燥すべき有用物質の含水混合物の特徴によってここで実際 に得られる場合、それらは引き続いて乾燥固体と再混合するために、既知の方法 で、例えば膜分離方法などによって回収してよい。 最後に、図1は、乾燥した有用物質および蒸気相から分離された有用物質成分 、特にフレーバーの再混合された混合物を更に精製するための別の可能性を示し ている。膜分離段階21から流出するフレーバー濃厚物は、ポンプ51によって パイプ52を通り、2段階連続コーター53/54へ送ることもできる。含浸お よび塗布される乾燥固体物質は、例えば、(詳細は図示していない)排出装置5 および9から取り出されて、段階53へ、場合によって54へ送られる。しかし 、26からのフレーバーが既に部分的に再度加えられた固体物質を、同様にこの 後処理に付することもできる。塗布物質の製剤は55を通って段階53へ送られ 、例えばロータリーディスクまたはパンなどで収容されている有用物質の表面に 分 配される。最終的に得られた被覆物質は56を通して取り出される。 図2は蒸気ストリームの処理の変形例を示しており、乾燥段階において易揮発 性であるフレーバーが大部分溜まる場合に、この例が特に重要とされることがあ る。 乾燥すべき含水有用物質は、4および噴霧器2を通って、(ここでも並流で操 作される)乾燥ゾーン1へ送られる。微粒子状の乾燥物質は5およびパイプ13 を通って排出される。蒸発した水を含む過熱水蒸気はパイプ7を通って乾燥器1 から出て、ここでも同伴した固体物質を除去するための分離段階8へ送られる。 分離された固体物質は9およびパイプ14を通って系から排出される。ファン6 は、(11内で操作温度に再過熱された)過熱水蒸気をパイプ10および12を 通して乾燥ゾーン1へ戻す。 蒸発した水に対応する蒸気ストリームは、16を通って取り出され、熱交換器 17内でほぼ完全に凝縮される。生成する液相は、パイプ61を通って精留塔6 2の底部に導入される。気体状の残留物はパイプ58を通って熱交換器17から 排出される。最終的に凝縮可能な痕跡量の蒸気ストリームは、ここでも設けられ ている冷却段階59内で液相に転化され、精留塔62に導入される。残存する少 量の永久的気相(permanent ga sphase)は60を通って取り出され、バーナー へ送ることもできるし、有用物質を十分に含有する場合には、噴霧乾燥塔へ戻す こともできる。 分離された蒸気ストリームから17において得られる凝縮物は、精留塔62内 で分離に付され、17において生成する凝縮エネルギーは精留塔の操作に用いら れる。液相はポンプ63によってこの塔の底部から取り出され、一部はパイプ6 4を通して間接熱交換器17へ入れられ、そこからパイプ65を通して塔へ戻さ れる。 有用物質の低揮発性成分、特に実質的に不揮発性の水蒸気揮発性フレーバーは 、塔62の底部に生成する液体中に集まる。連続プロセスにて集まるそのような フレーバーの部分は、ポンプ63により制御される液体回路から66において取 り出すことができる。 気相は、ファン69の作用下において、分離塔の上端部からパイプ67を通っ て排出される。本プロセスにおいて、気相は、好ましい態様で、回収する有用物 質(またはそれらの成分)をほぼ完全に凝縮するように設計されている熱交換器 68を通過する。なおも残存する気相成分は、既に繰り返し説明したような方法 で取り出される。凝縮器68内に生成する液相は70を通って取り出される。そ の一部は精留塔の頂部に戻されて、そこで例えば噴霧ノズル71などによって噴 霧されることもある。しかしながら、連続プロセス内で依然として生成しつつあ る、特に揮発性の有用物質の部分、特にフレーバーは、一部が72を通って、こ こから部分的に取り出してもよい。 図2は、分離塔62の底部において取り出される低揮発性フレーバーおよびこ の塔の頂部において取り出される易揮発性フレーバーの両者のための膜プロセス による追加的な分離の別法を示している。ポンプ63によって取り出されて循環 されない液相の部分は、パイプ79を通して膜分離段階73へ送られ;得られる 低揮発性フレーバーの濃厚物は74から取り出される。含水成分は、パイプ75 を通して塔62の底部へ戻すこともできる。同様に、凝縮器68の凝縮物を、膜 分離段階46に導入することもできる。得られる高揮発性フレーバー濃厚物は7 7を通って取り出され、一方、それらから分離された水性透過物は78を通して 分離塔の頂部へ戻される。 図3は、乾燥に付される含水有用物質の特に効果的な予備精製および分離の態 様を示している。この態様において、乾燥媒体として使用される過熱水蒸気の回 路から取り出される蒸気ストリームは、乾燥すべき有用物質の混合物から水蒸気 揮発性成分を実質的に分離するために上流に位置する精留塔でのストリッピング 水蒸気として使用される。本発明の方法のこの変形例は、含水有用物質相を過熱 水蒸気内での乾燥に付する前に、乾燥すべき有用物質を水蒸気揮発性成分と水蒸 気不揮発性成分とに可能な限り分離するが、そのように最適化することができる 。 有用物質が噴霧乾燥塔1内で乾燥され、ならびに過熱水蒸気がファン6によっ て、中間段階7、8、10および間接ヒーター11を通って循環され、そして1 2を通って噴霧乾燥塔に戻される工程、ならびに(ポンプ90による)パイプ4 および噴霧器2を通る乾燥ゾーン1への含水有用物質の供給は、図1および2に 示すフローチャートに対応する。同じことが、噴霧乾燥ゾーンおよび同伴した固 体物質を分離するための分離器からの5および9による微細粒子固体物質の取り 出しにも当てはまる。 16を通って取り出された蒸気ストリームは、ここではストリッピング用また は精留用塔80の底部に送られる。処理に付すべき新しい含水物質は、81を通 って精留塔に導入される。カラムは、相交換を増強するための要素、例えばその ような機能を有する充填要素を既知の方式で備えている。ストリッピング水蒸気 として使用される蒸気ストリームは、交換を増強するために含水物質と共にこの 塔へ導入され、蒸気相は、有用物質の水蒸気揮発性成分、特にそのようなものの 蒸気を取り込んで、82を通りカラムの頂部から排出される。フレーバーを取り 込んだストリッピング水蒸気は冷却段階84を通過し、そこで、塔の頂部におい て分離された水蒸気が水性相に凝縮される。同時に、(過熱水蒸気によりストリ ップされて)排出された有用物質の比較的低揮発性の成分は、濃縮物相へ送られ る。濃縮物は、85を通り精留塔の頂部へ部分的に戻すことができる。取り出さ れたフレーバー濃厚物の相当量の部分は、86を通して取り出されて、本発明の 教示に従って使用され、特に乾燥固体成分と再混合される。ファン83により取 り出されるストリップされた生成物の気相成分も有用物質を含むことがあり、そ れは、本発明の説明において既に繰り返し説明したように、例えば膜分離方法な どによって、再び分離することができる。 図3は、86を通って取り出されるフレーバー濃厚物のための、続いて行う膜 分離による濃縮の別の可能性を示している。含水フレーバー濃厚物は、膜分離段 階87へ送られる。含水透過物相は88を通って取り出され、一方、濃厚化され たフレーバー相は89を通して取り出すことができる。 最後に、図4は、吸着塔91および92内での、有用物質を含む蒸気ストリー ム16の、大きな表面積の吸着物質、特に活性炭上による既知の吸着/脱着によ って、蒸気ストリームを処理することを摸式的に説明している。これらの塔は、 有用物質の吸着および例えば飽和水蒸気を用いる脱着に、既知の方法で、交互に 用 いられる。この段階的適用の詳細は、関連する当業者の文献に見出すことができ る。従って、この図では、本発明の教示に関連するそれらの追加された特徴的な 要素のみを意図して示している。吸着モードでは、塔を通過する蒸気ストリーム の過熱水蒸気はパイプ99を通って取り出され、凝縮器93内で完全な凝縮に付 される。生成する廃水は94を通して回路から取り出され、一方、その後に残る 気相の少量成分は100を通して取り出され、既に説明した方法で、例えば燃焼 されたり或いは乾燥回路に戻されたりして排出することができる。脱着モードに おいて塔から排出される、分離された有用物質を含む蒸気ストリームは、パイプ 98を通って分離器から排出され、続いて、例えば95において膜分離などに付 することができる。フレーバー濃厚物は96を通して取り出される。含水透過物 は、97を通って分離段階から取り出される。噴霧乾燥塔1における既に説明し た乾燥および処理、ならびにファン6の作用下でのパイプ7、分離器8、パイプ 10および12を通る過熱水蒸気の循環ならびに戻される乾燥蒸気の操作温度へ の間接的過熱、乾燥すべき含水有用物質の4および2を通しての供給ならびに排 出装置5および9による乾燥固体物質の排出は、図1〜3のフローチャートに対 応する。 実施例 実施例1 「マイナー・プロダクション(minor production)」型のニロ−アトマイザー (Niro-Atomizer)実験用噴霧乾燥塔において、固形分48重量%を含む脱脂乳 (スキムミルク、skimmed milk)濃厚物を易流動性ミルク粉末に転化する。ミル ク濃厚物の噴霧は、「噴水(fountain)」原理に基づく2成分ノズルによって、 即ち、噴霧乾燥塔の下側部分に配された噴霧ノズルを通して上向きに噴霧して行 った。乾燥ガスとしての過熱水蒸気は、噴霧乾燥塔を通り下向きに流れる。従っ て、並流および向流の両者で乾燥を行った。過熱水蒸気は循環した。乾燥後、過 熱水蒸気の温度は、常圧における水の凝縮温度より高い、即ち100℃より高か った。同伴した微粒子を、サイクロン内でおよびチューブフィルターを通して分 離した。水蒸気は、続いて必要な乾燥温度まで電気的に加熱され、乾燥ガスとし て再使用 される。ミルク溶液から蒸発した水分は、フィルター通過後、回路から取り出さ れた。この蒸気ストリームは、精留塔で再び処理された。水分は、充填塔内で蒸 発し、留出物として取り出された。塔の底部にて、比較的高沸点の成分が濃厚物 を形成した。 過熱水蒸気を用いる乾燥中は、以下の操作パラメーターを維持した: 保持容器内のミルク濃厚物の温度: 30℃、 噴霧直前のミルク濃厚物の温度: 約60℃、 ミルク濃厚物の処理量: 10kg/h、 水蒸気入口温度: 165℃、 水蒸気出口温度: 110℃、 水蒸気通過量: 約500m3/h、 噴霧乾燥塔内の過剰圧: 水柱40mm。 ミルク粉末は、250g/lの見かけ密度および2重量%の残存水分含量を有して いた。噴霧乾燥生成物は、非常に良好な流動特性および水への溶解性を特徴とす る。 実施例2 操作は実施例1において説明したのと同様に行った。乾燥分含量40重量%の ミルク濃厚物は、全乳からなっていた。実施例1とは対照的に、ミルクはより高 い脂肪含有率を有していた。過熱水蒸気により噴霧乾燥されたミルク粉末は、こ れも非常に良好な流動特性および溶解性を特徴とした。 実施例3 実施例1および2の乾燥分含量が48%であったのに対して、ミルクを60% の固形分含量に予備濃厚化したこと以外、操作は実施例1および2に記載したの と同様に行った。出発溶液の粘度は、固形分含量に応じて以下の値に達する: ここでも2成分ノズルを使用した。実施例1および2とは対照的に、噴霧乾燥 を並流で行った。ノズルを噴霧乾燥塔のカバー内に配したが、水蒸気入口開口部 と同様に行った。1時間あたり、脱脂乳濃厚物10kgを噴霧するのに、温度13 0℃の過熱水蒸気7.5kg/hを用いた。ノズル出口のミルク濃厚物の温度は約4 0℃であった。ここでも粉末は非常に良好な流動性および溶解性を示した。 実施例4 操作は、実施例3において説明したように行った、即ち、並流原理に基づいて 乾燥を行った。出発物質として、乾燥分含量51.5%のコーヒー抽出物を用い た。以下の操作パラメーターを設定した: 水蒸気入口温度: 167℃、 水蒸気出口温度: 105℃、 抽出物処理量: 7.3kg/h、 抽出物の予備噴霧温度: 58℃、 ノズル手前圧: 0.9バール、 2成分ノズルの水蒸気通過量: 7.5kg/h、 2成分ノズルの水蒸気温度: 147℃、 2成分ノズルの水蒸気圧: 0.45バール、 回路内の水蒸気体積: 470m3/h、 塔内の過剰圧: 20mm(水柱)、 回路内の酸素含量: 0.4容量%。 コーヒー粉末は、210g/lの見かけ密度および4重量%の残存水分含量を有 していた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.易流動性で微細粒子状の含水有用物質(分散相)を、過熱水蒸気が流れる 噴霧ゾーン内で並流および/または向流で過熱水蒸気(連続相)により処理し、 分散有用物質から水および水蒸気揮発成分が分離され、微細粒子状乾燥物質を生 成する方法であって、 以下の分野からの有用物質および有用物質の製剤: 食材、特に(主要食品および嗜好食品を含む)食品ならびにそれらの製造のため の出発物質、(香りおよび味のための)フレーバーを含む製剤、化粧品および医 薬品の助剤ならびに/または有用物質、ならびに除草剤、殺菌剤および殺虫剤の 分野からの製剤 を分散相で使用し、 少なくともフレーバーを含有する食品および/または有用物質の場合、使用す る過熱水蒸気が、200℃以下、好ましくは180℃を越えない温度を有し、噴 霧ゾーンからの過熱水蒸気の出口温度が150℃を越えないことを特徴とする方 法。 2.少なくともフレーバーを含有する食品および/または有用物質の場合、過 熱水蒸気を140〜180℃、好ましくは145〜160℃の温度で使用し、噴 霧ゾーンからの過熱水蒸気の出口温度が105〜130℃、好ましくは105〜 115℃であることを特徴とする請求の範囲1記載の方法。 3.少なくともフレーバーを含有する食品および/または有用物質の場合、噴 射ガスを使用して噴霧を行い、噴射ガスとして過熱水蒸気を使用することが好ま しく、特にマルチコンポーネントスプレーノズルを用いて噴霧を行うことを特徴 とする請求の範囲1または2記載の方法。 4.少なくともフレーバーを含有する食品および/または有用物質の場合、噴 霧すべき物質を、100℃以下、例えば50〜80℃の温度にて噴霧ノズルに供 給することを特徴とする請求の範囲1〜3のいずれかに記載の方法。 5.予備処理によって既に濃厚化されている水性製剤を噴霧乾燥に付すること を特徴とする請求の範囲1〜4のいずれかに記載の方法。 6.有用物質を、含水溶液、エマルジョン、懸濁液および/またはペーストの 形態で使用し、特に常圧にて処理することを特徴とする請求の範囲1〜5のいず れかに記載の方法。 7.水蒸気揮発性の所望の成分、特にフレーバー、および/またはそのような 望ましくない成分(不純物)を含有する有用物質を処理に付することを特徴とす る請求の範囲1〜6のいずれかに記載の方法。 8.望ましい成分が過熱水蒸気中にたまる場合、それらは少なくとも部分的に 回収され、所望の場合には乾燥物質と再混合され、他方、不純物は過熱水蒸気相 から分離され、例えば焼却などによって処分されることを特徴とする請求の範囲 1〜7のいずれかに記載の方法。 9.操作条件下において、過熱水蒸気に曝される状況下においてさえも、粒子 が互いにおよび/またはそれらの開口した孔を有する内部構造内でくっつくこと を大部分防止されるような程度にその可塑性および表面粘着性が好ましくは制御 されている開口した孔を有する内部構造を有する固体を形成することのできる含 水有用物質または含水有用物質の混合物を使用することを特徴とする請求の範囲 1〜8のいずれかに記載の方法。 10.乾燥状態において固体で非粘着性であることが好ましい、溶解、乳化お よび/または微細に分散した助剤を使用して、有用物質または有用物質の製剤を 処理することを特徴とする請求の範囲1〜9のいずれかに記載の方法。 11.約100〜110℃の温度にて少なくとも部分的に変性を生じやすく、 特に、空気、窒素および/または燃焼ガスの存在下で乾燥するためにこの範囲の 温度にて放置されると永久的に変性する、温度に対して敏感な有用物質を、この 方法に付し、特に、乾燥して固体を生成させることを特徴とする請求の範囲1〜 10のいずれかに記載の方法。 12.希釈されていない、希釈されたまたは部分的に濃厚化された製剤の形態 の乳製品、特に、ミルクおよび乳製品、例えば、全乳、脱脂乳、クリーム、バタ ーミルク、サワーミルク製品、ホエーおよびホエー製品をベースとする乳製品の 分野からの含水有用物質を、対応する乾燥粉末およびそれらの凝集物に加工する ことを特徴とする請求の範囲1〜11のいずれかに記載の方法。 13.水蒸気揮発性フレーバーを含有する食品、特に、コーヒーおよびコーヒ ー抽出物、対応する脱カフェイン化コーヒーまたはコーヒー代替物、茶および茶 抽出物、野菜および/または果実ジュースおよび破砕した(寸法を小さくした) 果実、特に果実パルプの液体製剤、ココア、ココア/ミルクまたは果実/ミルク 製剤、ビタミン/果実または果実フレーバーの混合物を、所望の場合にはその他 の成分、例えば炭水化物化合物、例えば砂糖との混合物で含む食品をベースとす る含水有用物質を、分散相として使用することを特徴とする請求の範囲1〜10 のいずれかに記載の方法。 14.フレーバーおよび/または香りを生じる有用物質、例えばスパイスを含 む植物および/またはその一部、例えば葉、果実、種などを破砕した形態で水性 製剤として処理に付し、噴霧ゾーンから取り出される蒸気相からフレーバーが少 なくとも部分的に分離されることを特徴とする請求の範囲1〜10のいずれかに 記載の方法。 15.水蒸気揮発性成分、特にフレーバーを蒸気相から回収するために、好ま しくは蒸気相を水性液相に凝縮した後、既知の方法、例えば、相分離、抽出、蒸 留、吸収、特に膜分離プロセスによって水性相から水蒸気揮発性成分を分離する ことを特徴とする請求の範囲1〜14のいずれかに記載の方法。 16.廃ガスおよび廃空気を少なくとも実質的に存在させずに、過熱水蒸気相 の実質的に閉じた回路系において方法を連続的に行い、噴霧ゾーンから取り出さ れた過熱水蒸気を蒸気ストリーム(分散相の蒸発した水の)の分離および残りの 蒸気ストリームの操作温度への再加熱の後に噴霧ゾーンに戻し、一方、分離した 蒸気ストリームは処理し、特に凝縮して、好ましくは全体としての方法の少なく とも一つの他の段階において別の処理補助物として使用することを特徴とする請 求の範囲1〜15のいずれかに記載の方法。 17.分離した蒸気ストリームを、少なくとも一つの以下の機能: 蒸発による液体有用物質の部分濃縮、噴霧乾燥する前の有用物質からのフレーバ ーの分離および/または加熱すべき物質へのエネルギーの伝達 のために使用することを特徴とする請求の範囲1〜16のいずれかに記載の方法 。 18.分散相が、1mm以下、好ましくは約50〜700μmの範囲の平均粒子 寸法を有することを特徴とする請求の範囲1〜17のいずれかに記載の方法。 19.過熱水蒸気中における分散相の平均滞留時間が1分のオーダー、好まし くは1分以下、更に好ましくはせいぜい30秒、例えば、約1〜20秒の範囲で あることを特徴とする請求の範囲1〜18のいずれかに記載の方法。 20.有用物質の処理を数段階で行い、それらの少なくとも一つの段階が、過 熱水蒸気中での分散有用物質の噴霧乾燥および/または流動床乾燥を含んでなる ことを特徴とする請求の範囲1〜19のいずれかに記載の方法。 21.噴霧乾燥段階が、それに続く凝集および/または乾燥段階、特に流動床 での後処理のための段階と組み合わされており、この第2の段階は噴霧乾燥ゾー ンから独立してるか、または一体化された段階の形態で噴霧乾燥段階と直接組み 合わされていることを特徴とする請求の範囲1〜20のいずれかに記載の方法。 22.他の生理学的に安全な助剤および/または有用物質を含浸していてもよ い、少なくとも実質的に乾燥された固体の担体の形態である、人および/または 動物が消費するのに適当な食品もしくは飼料またはこの目的に適する助剤などで あって、乾燥しているが、まだ含浸されていない状態において、固体担体が多孔 質で吸収性の内部構造を有しており、乾燥ガスとしての過熱水蒸気中で含水食品 またはそのような食品の混合物を乾燥することにより製造されることを特徴とす る食品。 23.多孔質の内部構造を有する固体担体が、液体湿潤物質の噴霧乾燥および /または流動床乾燥により、特に固体担体を形成する有用物質の水溶液、エマル ジョン、懸濁液および/またはペーストを乾燥することによって製造されること を特徴とする請求の範囲22記載の食品。 24.乾燥多孔質担体が100〜110℃において固体であり、その可塑性お よび表面粘着性は、過熱水蒸気に曝される条件下においてさえも、粒子が互いに および/またはそれらの開口した孔を有する内部構造内においてくっつくことが ほとんど防止されるような程度に制限されていることを特徴とする請求の範囲2 2または23記載の食品。 25.多孔質担体に適用される助剤および/または有用物質(被覆組成物)の 少なくとも実質的な割合が担体の多孔質内部構造に導入されており、多孔質担体 の使用可能な内部容積基準で、この内部構造の少なくとも10容量%、好ましく は少なくとも50容量%が被覆組成物によって被覆されることが有利であり、好 ましくは多孔質担体の外側表面に被覆組成物が限られた量だけ存在することを特 徴とする請求の範囲22〜24のいずれかに記載の食品。 26.注入性物質を形成するように乾燥された多孔質担体が、引き続く少なく とも一つの工程において、適用温度において液体である被覆組成物製剤を装入さ れ、従って、好ましくは完全に含浸されることを特徴とする請求の範囲22〜2 5のいずれかに記載の食品。 27.そのような被覆組成物が、室温または少なくともそれが多孔質担体に適 用される温度において液相であり、および/または補助液体、特に水を用いて、 溶液、エマルジョン、微分散液もしくは懸濁液に転化されていることを特徴とす る請求の範囲22〜26のいずれかに記載の食品。 28.(未装入の多孔質担体の重量を基準として)多孔質担体粒子の最大吸収 能の約1重量%までの量、または少なくとも約1重量%の量のいずれかで被覆組 成物が存在することを特徴とする請求の範囲22〜27のいずれかに記載の食品 。 29.貯蔵可能で、易流動性および注入性の物質の形態であって、必要な場合 には第2の段階における被覆の後で再乾燥されており、非結合残存水含量が、被 覆された固体担体基準で10重量%以下、特に5重量%を越えないことを特徴と する請求の範囲22から28のいずれかに記載の食品。 30.助剤および/または有用物質を供給された物質が外側層内で封入され、 この層は、好ましくは室温において固体であり、従って封止され、貯蔵中安定な 状態に保たれることを特徴とする請求の範囲22〜29のいずれかに記載の食品 。 31.過熱水蒸気の存在下における含水有用物質の噴霧乾燥によって製造され 、他の助剤および/または有用物質、例えば(味および香りのための)フレーバ ー、生理学的に安全な可溶化剤、例えばレシチン、甘味料などを含有し、好まし くは それらが多孔質基礎構造中に導入されており、特に、水に溶解される場合にイン スタント特性を有する注入性および易流動性乾燥物質の形態の乾燥ミルクおよび 乾燥ミルク製品。 32.場合によって主要食品および嗜好食品の分野からの他の水溶性成分との 混合物である、特にインスタント特性を有し、少なくとも実質的に水溶性である 注入性および易流動性形態の、コーヒーまたはコーヒー抽出物、ならびに茶およ び茶抽出物、ココア、野菜および果実粉末、乾燥スープならびにソースのそのよ うな製剤であって、含水有用物質を過熱水蒸気の存在下において噴霧乾燥するこ とによって製造され、好ましくは乾燥物質の多孔質基礎構造中に、導入された他 の助剤および/または有用物質、例えば(味および香りのための)フレーバー、 生理学的に安全な可溶化剤、甘味料などを含むことを特徴とする製剤。 33.約100〜110℃の温度にて固体である生理学的に安全な有用物質お よび/または助剤、特に主要食品および嗜好食品の分野からのものの含水製剤を 噴霧乾燥することにより製造される、多孔質固体担体を含む注入性で易流動性の 固体粉末および/または凝集物形態のフレーバー濃厚物であって、特に、乾燥ガ スとして過熱水蒸気を用いて、担体物質の含水製剤を特に噴霧乾燥および/また は流動床乾燥し、続いて多孔質担体に、液体および/または固体のフレーバーな らびにそれらの液体製剤を含浸させ、好ましくは最終工程で、フレーバーを含む 担体を生理学的に安全で貯蔵可能な被覆中に封入して製造されるフレーバー濃厚 物。
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