JP2011125221A - 抽出物の製造方法 - Google Patents

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拓郎 和田
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Abstract

【課題】茶葉、コーヒー豆、海藻類、節類等の抽出原料から高品質、高力価の抽出物を得ることができ、抽出の効率と作業性のバランスも備えた、抽出物の製造方法を提供する。
【解決手段】水の沸点が5〜85℃となる所定の減圧条件で水蒸気を発生させ、発生した水蒸気をさらに加熱して前記減圧条件での沸点以上でかつ100℃未満の過熱水蒸気とし、この過熱水蒸気(A)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収する。過熱水蒸気(A)に、更に微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収してもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は抽出物の製造方法に関し、茶葉、コーヒー豆、海藻類、節類等から調製される抽出物の製造方法に関する。
古くから植物原料から精油(エッセンシャルオイル)を抽出する方法として、水蒸気蒸留を利用する方法が知られている。精油の香気成分は水に不溶性であり水性溶媒による抽出にはなじまないのであるが、水蒸気蒸留では、植物原料に供給され接触する水蒸気中に香気成分がその化学物質に固有の沸点よりもはるかに低い温度で揮発させることができるため、高沸点の香気成分であっても効率よく抽出され、その後冷却して液体に凝集させた留出液として回収することができるのである。この水蒸気蒸留はスパイスの辛味成分の抽出などにも利用されている。また、近年では、食材から抽出物を製造するための方法としても、その抽出物の香り、風味の改善、その抽出効率の改善、嫌味の除去などのために水蒸気蒸留が利用されるようになっている。
例えば、特許文献1には、殺菌工程後にも優れた香りや風味を有し、しかも味においても優れたコーヒーエキスの製造方法を提供することを目的として、焙煎粉砕したコーヒー豆を温水で浸漬もしくは湿潤させる工程と、浸漬もしくは湿潤させたコーヒー豆を水蒸気抽出し、溜出液を回収する工程と、その溜出残渣を温水で抽出し、抽出液を回収する工程と、得られた溜出液と抽出液とを混合する工程とを含むコーヒーエキスの製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、水産物が本来有している風味に近い豊かな風味を有する、香味の優れた水産物の抽出物を提供することを目的として、水産物原料を水蒸気蒸留して該原料中の香り成分を得る工程、および該水蒸気蒸留によって得られた香り成分を逆浸透膜によって濃縮して該水産物原料のアロマを得る工程を包含する、香味の優れた水産物の抽出物の製造方法が記載されている。
また、特許文献3には、簡便で、抽出効率が高く、高力価となる茶エキスの製造方法を提供することを目的として、水蒸気蒸留処理等により蒸気処理した茶葉から抽出処理を行う茶エキスの製造方法が記載されている。
また、特許文献4には、唐辛子種子を圧搾して得た搾油を、蒸留手段に適用してその臭気成分を除去して得られる、ことを特徴とする唐辛子種子油の発明が開示されており、その蒸留手段が、真空度10torr以下、吹き込み水蒸気量10%以下、120℃〜200℃、10分〜60分間の蒸留条件下で実施される減圧水蒸気蒸留であることが記載されている。
また、特許文献5には、果実の搾汁後の残滓に酸処理を施して、又は超音波を印加しつつ、常圧または減圧の水蒸気蒸留で残滓から精油を抽出することを特徴とする精油抽出方法の発明が開示されており、その減圧の水蒸気蒸留が、42℃で超音波を印加しつつ減圧蒸留(20−30mmHg)するものであることが記載されている(特許文献5の段落0031参照)。
また、特許文献6には、茶の葉物質を、蒸留条件下で水蒸気と接触させ、生成する水蒸気及び芳香及び/又は風味揮発性物質の混合物を、冷たい、茶固体物含有物質と接触させることにより凝縮させることを特徴とする発明が開示されており、水蒸気として、100℃の乾燥蒸気を用いることが記載されている(特許文献6の段落0027参照)。
また、特許文献7には、嗜好性原料から揮発性成分を高い効率で回収することが容易な揮発性成分の製造方法、並びに嗜好性原料中の揮発性成分を高含有する揮発性成分及びその成分を含む飲食品を提供することを目的とした発明が開示されており、焙煎後のコーヒー豆又は製茶後の茶葉に水蒸気、飽和水蒸気又は過熱水蒸気を接触させた後の蒸気を回収することにより得られる揮発性成分が記載されている。
また、特許文献8には、高品質のエキスの製造方法を提供することも目的とした発明が開示されており、原料として天然食材を使用し、エキスの抽出を阻害する成分及び/又は嫌味(原因)成分を選択的に溶出させ、高効率で高品質のエキスを製造する方法であって、原料組織の一部を過熱水蒸気で選択的に焼成して原料を前処理した後、エキス化処理してエキスを調製することを特徴とするエキスの製造方法が記載されている。
更に、水蒸気蒸留は、化粧料、健康食品、医薬等に好適に用いられる植物の有用成分を抽出する方法などにも利用されている。
例えば、特許文献9には、生物由来の材料を、常圧または減圧条件下、100℃を超え、300℃以下の温度の過熱水蒸気と接触させて蒸留する工程を含む、生物由来の成分を抽出する方法が記載されている。
また、特許文献10には、タマネギの搾汁液を減圧濃縮して、その際に留出してくる留分を採取する工程を含むタマネギの有効成分の製造方法の発明が開示され、その減圧濃縮が40〜95℃の加熱温度及び10〜36mmHgの圧力で行われることが記載されている。
特開2007−116981号公報 特開2004−89141号公報 特開2007−295921号公報 特開2004−159585号公報 特開2005−298580号公報 特開平6−296456号公報 特開2005−137269号公報 特開2001−86958号公報 特開2007−38115号公報 特開2003−192604号公報
上記特許文献1−3に記載の方法は、抽出対象原料に対して水蒸気を常圧の操作で接触させる方法を採用しており、その水蒸気は100℃以上となるため、高温に曝されることによって、得られる抽出物の香りや呈味に悪影響を及ぼすという問題があった。また、水蒸気を常圧の操作で接触させるので結露しやすく、膨潤やドリップが発生して抽出対象原料が劣化してしまうという問題があった。更に、食材の風味を再構成するためには、水蒸気蒸留で抽出した香気成分に、別途、水性溶媒で抽出物を調製してこれらを合わせなければならず、工程が煩雑であった。
また、上記特許文献4に記載の方法は、抽出対象原料に対して120℃〜200℃に過熱された水蒸気を減圧の操作で接触させる方法を採用しており、上記特許文献1−3に記載の方法と同様に、高温に曝されることによって、得られる抽出物の香りや呈味に悪影響を及ぼすという問題があった。また、唐辛子種子を圧搾して得た搾油から臭気成分を除去するために適用されており、減圧水蒸気蒸留によるその留出成分を回収する方法ではなかった。
また、上記特許文献5に記載の方法は、抽出対象原料に対して水を加えてから減圧蒸留する方法を採用しており、湿潤による抽出対象原料の劣化を防ぐことはできなかった。
また、上記特許文献6−9に記載の方法は、抽出対象原料に対して水蒸気として、100℃の乾燥蒸気又は100℃以上の過熱水蒸気を接触させる方法を採用しており、水蒸気の湿り度が低いため、抽出対象原料の膨潤やドリップの発生をある程度は回避できるが、上記特許文献1−3に記載の方法と同様に、高温に曝されることによって、得られる抽出物の香りや呈味に悪影響を及ぼすという問題があった。
また、上記特許文献10に記載の方法は、タマネギ搾汁から減圧蒸留する方法を採用しており、上記特許文献5に記載の方法と同様に、湿潤による抽出対象原料の劣化を防ぐことはできなかった。
したがって、本発明は目的は、上記課題を解決して、茶葉、コーヒー豆、海藻類、節類等の抽出原料から高品質、高力価の抽出物を得ることができ、抽出の効率と作業性のバランスも備えた、抽出物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、減圧低温下での水蒸気の通気による水蒸気蒸留は効率的でないという従来の予想に反して、減圧低温下での水蒸気の通気による水蒸気蒸留であっても、抽出対象原料からの抽出成分を水蒸気蒸留の供給媒質中に良好に揮発及び/又は溶出させてこれを回収することができ、しかも香り、呈味の優れた抽出物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の抽出物の製造方法は、水の沸点が5〜85℃となる所定の減圧条件で水蒸気を発生させ、発生した水蒸気をさらに加熱して前記減圧条件での沸点以上でかつ100℃未満の過熱水蒸気とし、この過熱水蒸気(A)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収することを特徴とする。
本発明の抽出物の製造方法によれば、100℃未満の過熱水蒸気を水蒸気蒸留の供給媒質として抽出対象原料に接触させるので、高温に曝されることにより抽出対象原料が劣化してしまうことを防ぐことができる。また、湿り度が0%の過熱水蒸気を減圧の操作で接触させるので、抽出対象原料に結露が生じにくく膨潤やドリップの発生により劣化してしまうことを防ぐことができる。
本発明の抽出物の製造方法の一態様においては、前記過熱水蒸気(A)に、更に、水滴微粒子からなる微粒子ミストを混合し、この微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収してもよい。これによれば、微粒子ミストを混合した水蒸気を水蒸気蒸留の供給媒質として抽出対象原料に接触させるので、水に不溶性の香気成分等が主に水蒸気によって抽出されやすく、水に可溶性の呈味成分等が主に微粒子ミストによって抽出されやすく、薫り高く、味も良い抽出物を1度の操作で得ることができる。また、湿り度が0%の過熱水蒸気に水滴微粒子からなる微粒子ミストを混合したものを減圧の操作で接触させるので、理想的な気液混在状態の水蒸気となり、水に不溶性の香気成分等と水に可溶性の呈味成分等を効率的に抽出できる。
本発明の抽出物の製造方法の他の一態様においては、前記過熱水蒸気(A)及び微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を、同時に又は順次に水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収してもよい。
また、本発明においては、前記抽出対象原料が、茶葉、コーヒー豆、海藻類、節類、穀類、果実、野菜、種子、ハーブ類及び香辛料から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の抽出物の製造方法によれば、100℃未満の過熱水蒸気を水蒸気蒸留の供給媒質として抽出対象原料に接触させるので、高温に曝されることにより抽出対象原料が劣化してしまうことを防ぐことができる。また、湿り度が0%の過熱水蒸気を減圧の操作で接触させるので、抽出対象原料に結露が生じにくく膨潤やドリップの発生により劣化してしまうことを防ぐことができる。
また、本発明の抽出物の製造方法の一態様として、前記過熱水蒸気に微粒子ミストを混合して用いる場合には、水に不溶性の香気成分等が主に水蒸気によって抽出されやすく、水に可溶性の呈味成分等が主に微粒子ミストによって抽出されやすく、薫り高く、味も良い抽出物を1度の操作で得ることができる。
本発明を実施するための抽出装置の概略説明図である。 図1の抽出装置のA-A’部分に流体ノズルを配した他の抽出装置の当該A-A’部分に相当する部分を拡大した概略説明図である。
本発明において、抽出対象原料としては、例えば茶葉、コーヒー豆、海藻類、節類、穀類、果実、野菜、種子、ハーブ類及び香辛料から選ばれた少なくとも一種が好ましく用いられる。これらの抽出対象原料は、予め水分含量が好ましくは0.1〜30%、より好ましくは0.1〜10%となるように乾燥され、粒径が好ましくは2.5〜24メッシュ、より好ましくは2.5〜10メッシュとなるように粉砕されたものが好ましい。
本発明では、水の沸点が5〜85℃となる所定の減圧条件で水蒸気を発生させ、発生した水蒸気をさらに加熱して形成される、前記減圧条件での沸点以上でかつ100℃未満の過熱水蒸気を、供給媒質として、上記抽出対象原料に接触させて、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収することにより、香気成分が抽出された抽出物を得る。
水蒸気を発生させる際の減圧条件は、水の沸点が5〜85℃となる条件、すなわち、真空度8.73〜580.78hPaとすることが好ましい。また、水の沸点が10〜60℃となる条件、すなわち、真空度12.28〜199.37hPaとすることがより好ましい。
本発明においては、上記減圧条件下で水を加熱して水蒸気を発生させ、この水蒸気を更に加熱して、上記減圧条件での水蒸気の湿り度が0%で、かつ、100℃よりも低い温度、より好ましくは85℃よりも低い温度に加熱された過熱水蒸気を形成することが好ましい。ここで、「湿り度」とは、蒸気中の液相部分と気相部分の質量割合のことであり、絞り熱量計を用いた方法で測定した値を意味する。
また、上記過熱水蒸気の温度は、抽出対象原料によって適した温度に調整することが好ましく、例えば抽出対象原料がお茶の場合、玉露などは30〜50℃が好ましく、番茶などは80〜85℃が好ましく、それによって香り、呈味等の面で特徴的な回収液が得られる。
本発明において、供給する水蒸気量は、抽出対象原料の特性により適宜好ましい量を設定すればよく、特に制限はないが、質量比で、抽出対象原料100に対して、抽出液として1〜5,000,000の回収量が得られる量が好ましく、10〜100,000の回収量が得られる量がより好ましい。具体的には、例えばお茶の場合、質量比で、お茶100に対し、抽出液として3〜100,000の回収量が得られる量が望ましい。抽出対象原料により最適回収量は異なるが、少量であればより高品質、高力価のものが得られる傾向があり、回収量が多くなれば目的成分をより多く回収できる傾向がある。
本発明においては、上記過熱水蒸気(A)に、更に、水滴微粒子からなる微粒子ミストを混合し、この微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収することもできる。
また、上記過熱水蒸気(A)及び上記微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を、同時に又は順次に水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収することもできる。
ここで、水滴微粒子からなる微粒子ミストとは、触れても濡れた感じがしないほど微粒子化した水滴が霧状になって空気中に浮遊したものを意味する。微粒子ミストとしては、平均粒径1〜100μmの水滴が1cmの空気中に1〜1,000個含まれているものが好ましい。なお、ここで平均粒径は、レーザー回折式の粒度分布測定法で測定した値を意味する。
微粒子ミストは、例えば1流体もしくは2流体ノズルを用いて作成することができる。また、微粒子ミストは、例えば1流体ノズルを用いて、装置内で直接に過熱水蒸気に添加することが好ましい。
微粒子ミストの添加量は、回収する水溶性成分に応じて適宜設定すればよく、例えば、過熱水蒸気100質量部に対して、0.001〜1,000,000質量部とすることが好ましく、1〜10,000質量部とすることがより好ましい。
また、本発明においては、抽出対象原料に、前記過熱水蒸気を所定時間接触させて香気成分を抽出した後、過熱水蒸気の温度を、その減圧下における沸点近傍まで低下させることにより、凝縮水による水溶性成分の抽出もできる。この場合、凝縮水を発生させるための温度は、抽出を行っている減圧下における沸点に対して1℃以上低くなる温度が好ましく、5℃以上低くなる温度がより好ましい。
このように、過熱水蒸気と、微粒子ミストとを併用して抽出を行うことにより、過熱水蒸気により油溶性の香気成分が効率よく抽出され、微粒子ミストによって水溶性のエキスが効率よく抽出されるので、風味に富んだ抽出液を効率よく製造することができる。
図1には本発明を実施するための抽出装置の一例が示されている。この抽出装置1は、水蒸気源となる水を供給される水供給容器10とヒータ11とを備えた水蒸気発生器12と、前記水供給容器10の上部中央部に連結した第1通気管13と、前記第1通気管13の他端に連結した抽出対象原料を充填するためのカラム14と、前記カラム14の他端に連結した第2通気管15と、前記第2通気管15の他端にその上部中央部が連結した回収容器16と、前記回収容器16の上部偏中央部に連結した第3通気管17と、前記第3通気管17の他端がその底部近傍まで挿入された筒状のトラップ18と、前記トラップ18の上部側面に連結した第4通気管19と、第4通気管19の他端に連結した真空ポンプ20とを備えている。そして、第1通気管13の外周には、これに当接又は近接するように加熱用の第1熱交換器21が取付けられ、前記カラム14の外周には、これに当接又は近接するように調温ジャケット22が取付けられ、前記カラム14の他端に連結した第2通第2通気管15の外周には、これに当接又は近接するように冷却用の第2熱交換器23が取付けられている。
そして、抽出対象原料をカラム14に充填し、水蒸気を発生させるための水を水供給容器10に充填し、真空ポンプ20で系内を吸引して前述した所定の減圧雰囲気とする。次いで、ヒータ11によって水供給容器10内の水を加熱し、水蒸気を発生させる。この水蒸気は、第1通気管13を通ってカラム14内に導入されるが、第1通気管13を通る際に、第1熱交換器21によって更に加熱されて、上記沸点よりも高く、100℃よりも低い温度の過熱水蒸気とされる。こうして形成された過熱水蒸気をカラム14に導入することにより、カラム14内に充填された抽出対象原料と接触して香気成分が抽出される。この香気成分を含む水蒸気は、第2通気管17を通る際に第2熱交換器23によって冷却されるため、水分が凝縮して上記香気成分を含有する抽出液が作成され、この抽出液が回収容器16に回収される。そして、凝縮されなかった水蒸気は、トラップ18を通り、第3通気管17を通って排気される。なお、トラップ18は、第2熱交換器23によって回収しきれない揮発成分を回収するためのものである。
また、微粒子ミストを併用する場合には、過熱水蒸気が抽出対象原料に接触する前に微粒子ミストを添加すればよく、例えば図1の抽出装置におけるカラム14のヘッドスペース、若しくは第1通気管13の少なくともいずれかに、微粒子ミストを供給するための1流体もしくは2流体ノズルなどを配してそこから微粒子ミストを噴霧して過熱水蒸気に添加すればよい。
図2には、上記図1で示した抽出装置のA-A’部分に流体ノズル24を配した他の抽出装置の当該A-A’部分に相当する部分を拡大して示す。この図に示すように、第1熱交換器21を通過する前に又はその途中に上記微粒子ミストを添加すると、上記微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を任意の温度に調整し易く、より理想的な気液混在状態の水蒸気となるので、より好ましい。
[実施例1]
図1に示した抽出装置を用いて煎茶を原料にして抽出を行った。すなわち、20gの煎茶をカラム14に詰め、真空ポンプ22により水の沸点が40℃になるように減圧すると共に、ヒータ11により水供給容器10の水を加熱して水蒸気を発生させ、この水蒸気を第1熱交換装置21にて60℃まで加熱して過熱水蒸気を作成した。この過熱水蒸気をカラム14内の上記煎茶に接触させて香気成分を抽出し、第2熱交換器15で水蒸気を凝縮させて回収容器16に、蒸留液200gを回収した。
[比較例1]
図1に示した抽出装置を用い、真空ポンプ20を作動させずに、20gの煎茶をカラム14に詰め、常圧にて水蒸気蒸留を行い、蒸留液200gを回収した。
[評価1]
実施例1と比較例1を官能評価したところ、実施例1の方が、フレッシュ感が強く、華やかで好ましいとの評価であった。また、抽出後の残渣は、実施例1では乾燥したままで抽出前と変化していないのに対し、比較例1では残渣は膨潤していた。双方の残渣を75℃のお湯300gにて2分抽出し、抽出液をBrix0.3%に希釈し比較したところ、実施例1の残渣抽出液は未処理の煎茶抽出液と遜色のない味を呈しているのに対し、比較例1の残渣抽出液は出がらし茶葉の抽出液のような好ましくない呈味を示した。
[実施例2]
20gの煎茶をカラムに詰め、沸点が40℃になるように減圧し、水蒸気を発生させた後、熱交換装置にて60℃まで加熱した水蒸気を用いて、減圧下にて水蒸気蒸留を行い、蒸留液50gを回収した後、上記過熱水蒸気に60℃の微粒子ミスト200gを混合させ湿り度を高め、300gの回収液を得、これをBrix0.3%に希釈し調整した。
[比較例2]
20gの煎茶を60℃のお湯300gで2分抽出し、得られた抽出液をBrix0.3%に希釈し調整した。
[評価2]
比較例2と実施例2を比較したところ、実施例2の方が華やかな香りを有し、香りの力価も強く、呈味も良好で好ましいとの評価が得られた。

Claims (4)

  1. 水の沸点が5〜85℃となる所定の減圧条件で水蒸気を発生させ、発生した水蒸気をさらに加熱して前記減圧条件での沸点以上でかつ100℃未満の過熱水蒸気とし、この過熱水蒸気(A)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収することを特徴とする抽出物の製造方法。
  2. 前記過熱水蒸気(A)に、更に、水滴微粒子からなる微粒子ミストを混合し、この微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収する請求項1記載の抽出物の製造方法。
  3. 前記過熱水蒸気(A)及び微粒子ミストを混合した水蒸気(B)を、同時に又は順次に水蒸気蒸留の供給媒質として前記所定の減圧条件で抽出対象原料に接触させ、該供給媒質中に抽出対象原料からの抽出成分を揮発及び/又は溶出させてこれを回収する請求項1又は2記載の抽出物の製造方法。
  4. 前記抽出対象原料が、茶葉、コーヒー豆、海藻類、節類、穀類、果実、野菜、種子、ハーブ類及び香辛料から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜3のいずれか1つに記載の抽出物の製造方法。
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