JP2007309645A - 加熱調理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の分離方法は、多成分物質を加熱し、成分を分離する方法であって、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする。
【選択図】図3
Description
で供給量が多く、流速2m/秒以上で多成分物質に供給する態様が望ましい。また、箱体は、ヒータを有し、箱体への気相物質の供給停止後、多成分物質をヒータにより加熱することができ、さらに、水平面に対して傾斜を有する支持具であって、箱体からの出し入れ自在の支持具を有するものが好適である。
本発明の分離方法は、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離することを特徴とする。かかる方法により、多成分物質から一部の成分を簡易かつ効率よく分離することができる。
本発明の分離機は、100kPaでの気化温度が100℃以下である物質の気相雰囲気中に、多成分物質を曝すことにより、多成分物質を加熱し、多成分物質の表面に気相物質を凝縮させ、多成分物質に含まれる成分を凝縮液とともに、多成分物質から分離する装置であって、多成分物質を収容する箱体と、箱体に連結する気相物質発生装置を備えることを特徴とする。かかる装置により、たとえば、100℃以上の水蒸気を含む気相物質を使用して、多成分物質である食品から油脂分および塩分などの成分を簡易かつ効率よく分離することができる。水蒸気などの気相物質を発生する装置に連結する箱体は、食品などを収容し、食品などの周囲の雰囲気を安定化する機能を有する。
本実施例において使用した分離機の構造を図6に示す。この分離機は、食品90を収容する箱体20と、箱体20に連結する水蒸気発生装置50とを有する。箱体20と水蒸気発生装置50とを連結する外部循環路30を通る気体は、蒸気発生装置50からの水蒸気を吸引し、箱体20の天井部に設置したサブキャビティ40に導かれる。サブキャビティ40は、加熱ヒータ41を内蔵しており、加熱ヒータ41により加熱された気体は、サブキャビティ40の底面に二次元的または三次元的に分散配置された複数の噴気孔43から下向きに噴出し、支持具22上の食品90に供給される。噴気孔43は、箱体20の天井の中央部に配置し、箱体20の中央部に吹き降ろす構造を有する。箱体20の気体は、下方に向いた吸入孔24を介して、送風装置25により外部循環路30に送り込まれ、同様に循環する。
実施例1の分離機の代わりにオーブンを用い、天かす(100g)について、150℃と250℃での脱油量と加熱時間の関係を調べた。150℃での脱油量と加熱時間の関係を図8に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間の関係を図9に示す。
天かす(100g)の代わりに、サイコロ牛肉(100g)を用いた以外、実施例1と同様にして、脱油量と加熱時間との関係を調べた。150℃での脱油量と加熱時間の関係を図10に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間の関係を図11に示す。
実施例2の分離機の代わりにオーブンを用いた以外、実施例2と同様にして、脱油量と加熱時間の関係を調べた。150℃での脱油量と加熱時間との関係を図10に示す。また、250℃での脱油量と加熱時間との関係を図11に示す。
天かす(100g)の代わりに、塩鮭2切れ(150g)を試料とし、230℃のSHSにより17分間の加熱処理をしたときの脱塩量を調べた。試料に供給した気体は、供給量が箱体の内容積1リットルに対して0.5cm3/分、流速3m/秒、加熱4分後のSHSの含有量が90容積%であった。また、箱体内に設置するときの塩鮭の表面温度は20℃であった。脱塩量は、調理時の落下物を回収し、濃縮後、塩分濃度計にて測定した結果、脱塩量は、塩鮭100g当たり0.88gであった。
表面を水で洗浄し、風乾した後の塩鮭2切れ(150g)を試料とした以外は、実施例3と同様にして脱塩量を調べた結果、脱塩量は0.92gであった。したがって、実施例3の結果とともに考察すると、本発明の分離機によれば、塩鮭の表面からだけではなく、内部の塩分も分離できることがわかった。
実施例3の分離機の代わりにガスグリルを用い、塩鮭2切れ(150g)について、7分間加熱したときの脱塩量を調べた。脱塩量は、塩鮭100g当たり0.03gであり、実施例3と4におけるSHS処理による脱塩量の1/30に過ぎなかった。
ハンバーグ(110g)を試料とし、水平に設置した状態で、230℃のSHSにより6分間加熱したときの脱油量を調べた。試料に供給した気体は、供給量が箱体の内容積1リットルに対して0.5cm3/分、流速3m/秒、加熱6分後のSHSの含有量が98容積%であった。測定の結果、脱油量は試料100g当たり7.0gであった。
ハンバーグ(110g)を試料とし、水平面に対して傾斜を有する支持具上で加熱した場合の脱油量を調べた。図12(a)は、支持具の正面図であり、図12(b)は、支持具の右側側面図である。このような水平面に対して10°傾斜させた支持具上に設置した状態で、実施例5と同様の方法にて脱油量を調べたところ、脱油量は試料100g当たり7.7gであり、実施例5における脱油量よりも1割向上した。したがって実施例5の結果とともに考察すると、傾斜させた支持具を使用することで、脱油量をさらに増加できることがわかった。
Claims (10)
- 食品を加熱する調理庫と、
蒸気を発生する手段と、
前記蒸気を加熱することにより過熱水蒸気を生成する手段と、
前記過熱水蒸気を前記食品に供給する手段と
を備える加熱調理器であって、
前記調理庫に収容した表面温度が100℃以下の食品に対し、過熱水蒸気を供給し、
前記過熱水蒸気を前記食品表面に凝縮水として凝縮させて、前記食品中の塩分を前記凝縮水に移動させ、前記塩分が移動した前記凝縮水を前記食品から分離する期間を設けたことを特徴とする加熱調理器。 - 前記塩分が移動した前記凝縮水を前記食品から分離する期間の経過後、前記食品表面の乾燥を進行させることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
- 前記塩分が移動した前記凝縮水を前記食品から分離する期間の経過後、前記食品の表面をヒーターで加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
- 調理庫内に供給する前記過熱水蒸気の量が、前記調理庫の内容積1リットル当たり凝縮液換算で0.1cm3/分以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
加熱調理器。 - 前記過熱水蒸気は、流速2m/秒以上で前記食品に供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記過熱水蒸気は、調理庫内の外周部に比べて、調理庫内の中央部に多く供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記食品は、支持具により水平面に対して傾斜して支持されることを特徴とする請求項
1〜6のいずれかに記載の加熱調理器。 - 前記食品は、支持具上で、線接触により支持されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記食品中の塩分は、食品中の水分により、NaイオンとClイオンに解離しているものを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の加熱調理器。
- 前記過熱水蒸気は、150℃以上230℃以下で食品に供給することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の加熱調理器。
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