JP2006102066A - 加熱調理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 過熱蒸気を利用して被調理物の加熱調理を行なうことができ、しかも大量生産が容易で且つコストダウンを図ることができ、さらに大型化が容易な業務用の加熱調理装置を提供すること。
【解決手段】 焙焼炉2内部の調理室9に収納した被調理物3を焼成により加熱調理するようにした業務用の加熱調理装置1である。焙焼炉2に、既設のスチームボイラー4等の蒸気発生器で発生した蒸気を焙焼炉2外部から内部に導入するための蒸気導入口5を設けると共に、焙焼炉2内部に前記蒸気導入口5から導入された蒸気をガス燃焼熱により加熱して過熱蒸気Bを生成するための加熱手段6を設ける。生成された過熱蒸気Bを利用して被調理物3を加熱調理する。
【選択図】 図1
【解決手段】 焙焼炉2内部の調理室9に収納した被調理物3を焼成により加熱調理するようにした業務用の加熱調理装置1である。焙焼炉2に、既設のスチームボイラー4等の蒸気発生器で発生した蒸気を焙焼炉2外部から内部に導入するための蒸気導入口5を設けると共に、焙焼炉2内部に前記蒸気導入口5から導入された蒸気をガス燃焼熱により加熱して過熱蒸気Bを生成するための加熱手段6を設ける。生成された過熱蒸気Bを利用して被調理物3を加熱調理する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、加熱調理装置に関し、詳しくは被調理物を過熱蒸気を利用して加熱調理することができる業務用の加熱調理装置に関するものである。
食品加工業界では、食品の焼き工程で、熱風加熱方式又は蒸気加熱方式により、被調理物の加熱調理を行なうようにしている。
しかし、従来の熱風加熱方式では、蒸気加熱方式と比較して被調理物への伝熱は早いが、空気中の酸素により食品成分が酸化され、風味・風合いが落ちるという問題がある。
また、従来の蒸気加熱方式では、大気圧下では、水の凝縮温度である100℃までしか加熱できず、食品によって、要求されるカラッとした風合い・表面の焦げ目が得られないという問題がある。
そこで、近年は、飽和蒸気を更に加熱した100℃以上の過熱蒸気を利用した加熱調理方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながらこの特許文献1にみられる従来例では、焙焼炉内部に蒸気発生器を組み込んでいるため、焙焼炉の構造が大掛かりとなり、このため大量生産に適さず、コストアップにつながるという問題がある。
また他例として、焙焼炉内部に組み込んだ電気ヒーターを用いて過熱蒸気を得ることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながらこの特許文献2にみられる従来例では、電気ヒーターの伝熱効率が低いため、大型化が困難であり、このため家庭用小型調理器には向いているが、業務用の大型の焙焼炉には不向きであるという問題がある。
特開2002−34490号公報
特開2004−205130号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、過熱蒸気を利用して被調理物の加熱調理を行なうことができ、しかも大量生産が容易で且つコストダウンを図ることができ、さらに大型化が容易な業務用の加熱調理装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために本発明にあっては、焙焼炉2内部の調理室9に収納した被調理物3を焼成により加熱調理するようにした業務用の加熱調理装置において、前記焙焼炉2に、既設のスチームボイラー4等の蒸気発生器で発生した蒸気を焙焼炉2外部から内部に導入するための蒸気導入口5を設けると共に、焙焼炉2内部に前記蒸気導入口5から導入された蒸気をガス燃焼熱により加熱して過熱蒸気Bを生成するための加熱手段6を設け、生成された過熱蒸気Bを利用して被調理物3を加熱調理することを特徴としている。
このような構成とすることで、蒸気発生器として食品工場等に設置される既設のスチームボイラー4を有効利用できるので、従来の蒸気発生器を炉内部に組み込んだ場合と比較して、焙焼炉2の構造が簡易となる。また、ガス燃焼熱を利用して過熱蒸気Bを生成するので、従来の電気ヒーターと異なり、焙焼炉2の大型化が容易となる。また焙焼炉2を大型化した場合でも過熱蒸気Bを用いることにより、きわめて早い伝熱効果が得られ、食品の表面硬化を抑えてやわらかくてしっとりとした仕上りに調理でき、それでいて表面に適度な焦げ目をつけることができ、しかも食品成分の酸化を防止でき、食品内部に含まれる塩分及び脂分を減らすことができ、さらにフライ油を使用せずに膨化に優れた低脂質含量の油アゲ様食品を安定して製造できるようになる。
また、前記加熱手段6は、蒸気を間接的に加熱するためのラジアントチューブ式バーナー6Aで構成されているのが好ましく、この場合、被調理物3が燃焼排ガスにさらされることがないため、食品の風味・風合いが燃焼排ガスによって損なわれるのを防止できる。
また、前記過熱蒸気Bを調理室9内部に循環させるための循環ファン10を設けるのが好ましく、この場合、被調理物3の焼成に寄与した蒸気を加熱手段6により再度加熱して高温の過熱蒸気Bとし、この過熱蒸気Bを循環ファン10により調理室9内に再度循環させることにより、蒸気が無駄に捨てられるのを防止できるようになる。
本発明に係る業務用の加熱調理装置は、大量生産が容易で且つコストダウンを図ることができると共に大型化が容易となり、さらに焙焼炉を大型化した場合でも過熱蒸気を用いるので、調理時間の短縮化、やわらかくてしっとりとした仕上り効果、表面に適度な焦げ目をつける効果、食品成分の酸化防止効果、減塩効果、減脂効果、更に油なしアゲ効果が得られるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
本発明の業務用の加熱調理装置1は、図1に示すように、バッチ型の焙焼炉2と、焙焼炉2の外部に設置される蒸気発生器とで構成されている。蒸気発生器としては、食品工場に設置されている既設のスチームボイラー4が使用される。
上記焙焼炉2の内部には、過熱蒸気Bを生成する加熱室8と、被調理物3を収納する調理室9と、過熱蒸気Bを調理室9内部に循環させる循環ファン10とが設けられている。なお焙焼炉2内の有効スペースは、例えば奥行き1450mm、横巾1250mm、高さ1030mm程度とされるが、もちろんこの数値に限定されるものではない。
上記加熱室8には、飽和蒸気Aを導入する蒸気導入口5が設けられており、この蒸気導入口5が焙焼炉2の外部のスチームパイプ4aに接続されている。加熱室8の内部には、飽和蒸気Aをガス燃焼熱により加熱して過熱蒸気Bを生成する加熱手段6が配置されている。この加熱手段6は、例えば飽和蒸気Aを間接的に加熱するためのラジアントチューブ式バーナー6Aで構成されている。ラジアントチューブ7の平面視形状は、例えば図2に示すようにU字状に形成されているが、もちろんU字状以外のW字状等であってもよい。ラジアントチューブ7の材料は伝熱性及び耐熱性に優れたもの、例えばセラミック、或いはステンレス等からなる。ラジアントチューブ7の一端部には、常温空気または予熱空気を燃焼用空気として使用するガスバーナー12が設置され、ガスバーナー12の燃焼排気がラジアントチューブ7内部を通る。このときラジアントチューブ7と飽和蒸気Aとの間で熱交換が行われることで、飽和蒸気Aが二次加熱されて過熱蒸気Bが生成される。ラジアントチューブ7内の燃焼排ガスはラジアントチューブ7の他端側の排気部14から排出される。なお、ラジアントチューブ7による間接加熱方式に限らず、ガスバーナー12による直接加熱方式も可能である。
ここで、スチームボイラー4から発生する「飽和蒸気A」とは、飽和圧力・温度で蒸発又は沸騰によって発生した蒸気のことで、大気圧の場合は100℃で発生する蒸気のことである。一方、焙焼炉2内部で生成される「過熱蒸気B」とは、飽和蒸気Aの中にまだ蒸発しきれないで水の液滴(飽和液)が存在している状態(湿り蒸気)に更に熱を加えたものであり、大気圧では100℃より高い温度の蒸気をいう。
上記加熱室8の上方には、循環ファン10及びこれを駆動するモータ11が配置されている。循環ファン10は過熱蒸気Bを調理室9内部に循環させる働きをする。
また、上記加熱室8の下方には、箱形の調理室9が設けられている。調理室9の上下には天井壁9aと底面壁9bとが設けられ、前後左右の四方のうちの三方には、上下複数のスリット状の側面開口15が開口した側面壁9cが設けられ、残り一方には開閉自在な扉16(図3(b)、図5(b))が設けられている。調理室9の側面壁9cと焙焼炉2の内壁面との間は、加熱室8と調理室9の側面開口15とを連通させる通路17となっている。また調理室9の天井壁9aには蒸気排気口18が開口しており、この蒸気排気口18の上方に前記ラジアントチューブ7が配置されている。
上記調理室9の内部には、魚、肉、パン、豆腐等の被調理物3を載置するための上下複数の食品収納棚19が収納されている。各食品収納棚19は例えば、網のような通気性を有する部材で構成され、過熱蒸気Bが各被調理物3に十分に行き渡るようにしている。なお、食品収納棚19は調理室9内に固定される据え置き式、或いは調理室9から取り出し可能な移動式のいずれであってもよい。
上記焙焼炉2の具体例として、図3、図4に示すバッチ型オーブン炉が挙げられる。図中の21は排気口、22は温度センサ、23ドレン口である。或いは図5、図6に示す油なしアゲ用オーブン炉が挙げられる。図中の21は排気口、25は吸気口、26は扉昇降用の電動チェーンブロック、27は扉上下限用リミットスイッチ、28は蒸気電磁弁である。もちろん、焙焼炉2の型式は図3〜図6に限定されるものではない。
次に、上記構成の加熱調理装置1の使用例を説明する。調理室9内部の食品収納棚19に被調理物3を載置して扉を閉じ、制御盤20より調理条件を入力する。CPU等の制御部では入力された調理条件に基づき、予めプログラムされている複数の調理法の中から最適のものを選択して、循環ファン10、ガスバーナー12、スチームボイラー4等を駆動制御する。先ず、図1に示すスチームボイラー4で発生した飽和蒸気Aが、焙焼炉2の蒸気導入口5から加熱室8内部に導入され、ラジアントチューブ7によって更に加熱されることにより、100℃以上の過熱蒸気Bが生成される。このとき、被調理物3の温度が低い加熱初期段階では、過熱蒸気Bが低温の被調理物3の表面で凝縮されて水滴となるが、調理が進むにつれて被調理物3の表面温度が上昇し、凝縮作用が低下し、供給される過熱蒸気Bが凝縮する蒸気よりも多くなり、被調理物3の温度が100℃を超えることにより、蒸気が被調理物3の表面で凝縮しなくなり、過熱蒸気Bにより焼成される。
ここで本発明においては、飽和蒸気Aを発生する蒸気発生器として、食品工場等に設置される既設のスチームボイラー4を有効利用するので、従来のように蒸気発生器を組み込んだ焙焼炉と比較して、焙焼炉2の構造がきわめて簡易となり、大量生産が容易となり、コストダウンを図ることができる。しかもスチームボイラー4は食品工場等には一般に設置されているため新たにスチームボイラー4を設置する必要がなく、設備費がかからず、一層のコストダウンを図ることができる。
また、加熱手段6としてガス燃焼熱を利用することにより、従来の電気ヒーターを用いる場合と比較して伝熱効率が高くなり、しかも従来の電気ヒーターと異なり大型化が容易であり、その結果、業務用の大型の加熱調理装置1に最適に使用できるものとなる。
さらに、焙焼炉2を大型化した場合でも過熱蒸気Bを用いることにより以下の利点がある。(1)、過熱蒸気Bは、空気よりも熱伝達率が高く、従来の熱風加熱方式と比較しても、伝熱速度に差がなく、きわめて早い伝熱により、食品の芯まで早く加熱できるようになり、調理時間を短縮できる。(2)、過熱蒸気Bは食品内部の水分の蒸発を防止するので、食品の表面硬化を抑えることができ、やわらかくてしっとりとした仕上りに調理することができる。また輻射加熱効果により食品の表面を乾燥させることができ、表面に適度な焦げ目がつくので、パリッとした仕上りが得られる。この効果が顕著な例としては、例えば、シュークリームの皮、パン等を焼く場合が挙げられる。(3)、過熱蒸気Bによる加熱では、焙焼炉2内部が無酸素状態に近くなり、食品の酸化を低減することができる。つまり、低酸素雰囲気下での無酸化加工処理によって、調理室9内が無酸素状態となるため、従来の熱風加熱方式の場合のように食品成分が酸化されることもなく、とくに食品に含まれる油脂の酸化が避けられるため、風味が良好となる。そのうえビタミンCなどの酸化劣化や破壊を抑える効果も得られる。(4)、食品内部に含まれる塩分及び脂分が食品表面に付着する過熱蒸気Bに溶出して落下することにより、減塩効果及び減脂効果が得られる。脂分を落とす食品の調理例としては、焼豚が挙げられる。(5)、従来、油アゲの製造においては多量のフライ油を必要としていたが、過熱蒸気Bを用いることにより、フライ油を使用せずに膨化に優れた低カロリーで低脂質含量の油アゲ様食品を安定して製造できる。実験によれば、焙焼炉2内部の設定温度を180℃とし、飽和蒸気Aの投入量を100kg/h以上の条件で、豆腐薄揚げ製品を15分間、バッチ処理したところ、油で揚げるのと同様の仕上りが得られた。
また本例では、ラジアントチューブ式バーナー6Aによる間接加熱により過熱蒸気Bを生成するので、食品が燃焼排ガスにさらされることがなく、従って、食品の風味・風合いが損なわれることがなくなる。また食品に応じてガスバーナー12の火加減を調節することにより、調理室9へ供給される過熱蒸気Bの温度を任意の温度に調節できると同時に過熱蒸気Bの温度を最適温度に安定させることができる。
さらに、食品の焼成に寄与した蒸気は、その後、調理室9の天井壁9aの排気口から排気されるが、ラジアントチューブ式バーナー6Aによって再度加熱されて高温の過熱蒸気Bとなり、循環ファン10によって調理室9内に再度循環されるので、蒸気が無駄に捨てられることがなく、経済的となる。また、加熱初期段階で循環ファン10の回転数を低くすれば、食品の表面が乾燥し焦げるのを防止しながら食品の中心部が昇温するように加熱調理することができるようになり、その後、加熱終了直前の段階で循環ファン10の回転数を高くすれば、食品の表面を乾燥させることができ、ぱりっとした仕上げにすることができる。このように循環ファン10の回転数を制御することにより、仕上りバラツキの少ない加熱調理ができる利点もある。
1 加熱調理装置
2 焙焼炉
3 被調理物
4 スチームボイラー
5 蒸気導入口
6 加熱手段
6A ラジアントチューブ式バーナー
8 加熱室
9 調理室
10 循環ファン
A 飽和蒸気
B 過熱蒸気
2 焙焼炉
3 被調理物
4 スチームボイラー
5 蒸気導入口
6 加熱手段
6A ラジアントチューブ式バーナー
8 加熱室
9 調理室
10 循環ファン
A 飽和蒸気
B 過熱蒸気
Claims (3)
- 焙焼炉内部の調理室に収納した被調理物を焼成により加熱調理するようにした業務用の加熱調理装置において、前記焙焼炉に、既設のスチームボイラー等の蒸気発生器で発生した蒸気を焙焼炉外部から内部に導入するための蒸気導入口を設けると共に、焙焼炉内部に前記蒸気導入口から導入された蒸気をガス燃焼熱により加熱して過熱蒸気を生成するための加熱手段を設け、生成された過熱蒸気を利用して被調理物を加熱調理することを特徴とする加熱調理装置。
- 前記加熱手段は、蒸気を間接的に加熱するためのラジアントチューブ式バーナーで構成されていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理装置。
- 前記過熱蒸気を調理室内部に循環させるための循環ファンを設けたことを特徴とする請求項1又請求項2記載の加熱調理装置。
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JP2004291821A JP2006102066A (ja) | 2004-10-04 | 2004-10-04 | 加熱調理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006102066A true JP2006102066A (ja) | 2006-04-20 |
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JP2004291821A Pending JP2006102066A (ja) | 2004-10-04 | 2004-10-04 | 加熱調理装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006102066A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2060184A1 (de) * | 2007-11-16 | 2009-05-20 | Elro (Holding )AG | Verfahren zum Garen von Kochgut und Kochgerät hierfür |
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JP2011097829A (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-19 | Nakai:Kk | パン焼成機とその使用によるパン焼成方法 |
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-
2004
- 2004-10-04 JP JP2004291821A patent/JP2006102066A/ja active Pending
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