JP2002286228A - 加熱装置 - Google Patents

加熱装置

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JP2002286228A
JP2002286228A JP2001092511A JP2001092511A JP2002286228A JP 2002286228 A JP2002286228 A JP 2002286228A JP 2001092511 A JP2001092511 A JP 2001092511A JP 2001092511 A JP2001092511 A JP 2001092511A JP 2002286228 A JP2002286228 A JP 2002286228A
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JP
Japan
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temperature
heating
superheated steam
heating chamber
steam
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Application number
JP2001092511A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Nakagawa
信博 中川
Hitoshi Ozaki
仁 尾崎
Shuzo Kamihira
修三 上平
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱エネルギーコストを削減できる加熱装置を
提供する。 【解決手段】 ヒータ40への通電により蓄熱材41を
加熱して蓄熱槽38に所定量の熱量を蓄え、蓄熱材41
の熱を利用して水を過熱水蒸気に変える。水供給手段4
2による蓄熱槽38の伝熱管39への水の供給量を調節
することにより、伝熱管39通過後の蒸気配管45内の
過熱水蒸気の温度を調節し、蒸気配管45に設けた蒸気
流量調節弁47の開度を調節して加熱室36への過熱蒸
気の供給量を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過熱水蒸気により
食材等の被加熱物を加熱する加熱装置と、その加熱装置
を備えた車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、食材を加熱する加熱調理装置とし
ては、電子レンジが一般的であったが、近年、過熱水蒸
気を利用する加熱調理装置が提案されている。
【0003】過熱水蒸気は、飽和水蒸気を例えば160
〜300℃に過熱して使用するもので、これによると、
それだけ比熱熱容量が大きく(潜熱が多い)、熱伝達能
力に優れていることはもちろん、熱に強い細菌も確実に
死滅させる能力を有している。
【0004】また、輻射熱の放射量も多いために、食材
を速やかに、焼く、煮る、揚げる(この場合、油を予め
まぶしておく)、というような能力を備えている。さら
に、その温度における飽和温度までの水分量を食材から
水分を奪って補充するために、冷凍食品の調理や油揚げ
において、適度にからからのあっさりした仕上がりとな
るというような数々の優れた特徴を有している。
【0005】過熱水蒸気の発生装置については、飽和水
蒸気に熱を加えるだけで得られるために、その装置も極
簡単な構造で足りるが、それには単に水蒸気をつくる以
上に熱エネルギーを要するので、省エネであることが望
ましく、この点では、調理における熱効率は良好ではあ
るが、この熱エネルギーコストの削減が調理コストの低
下に大きく貢献することになる。
【0006】従来の過熱水蒸気により食材などの被加熱
物を加熱する加熱装置としては、特開2000−418
52号に記載のものがある。
【0007】以下、図面を参照しながら上記従来の加熱
装置について説明する。
【0008】図14は、従来の加熱装置の全体を正面か
ら見た断面説明図、図15は、同加熱装置における蒸気
オーブンの側面から見た断面説明図である。
【0009】図14、図15に示されるように、加熱調
理装置は、蓄熱による水蒸気発生装置1と、過熱水蒸気
発生装置2と、蒸気オーブン3等から構成される。
【0010】水蒸気発生装置1は、蓄熱槽7の中に蒸気
発生タンク9を蓄熱材11で包囲して内装したもので、
蓄熱材11の中には電気ヒーター13が内装され、蓄熱
材11と蓄熱槽7との間には断熱材15が介在されてい
る。そこで、電気ヒーター13に通電すると、蓄熱材1
1に次第に熱エネルギーが蓄積される。この蓄積には深
夜電力を利用できる。そして、蓄熱材11を100℃を
越える高温に過熱しておく。
【0011】また、蒸気発生タンク9の下端には、水の
供給管18が接続され、上端に過熱水蒸気発生装置2へ
の送気管19が接続されている。そこで、供給管18か
ら蒸気発生タンク9へ水を少しづつ供給すると、入った
水が即座に水蒸気となり、蒸気発生タンク9の中に飽和
状態となるとともに、その圧力で過熱水蒸気発生装置2
へ供給される。
【0012】供給管18および送気管19には、それぞ
れ調整逆止弁20,21が設けられているので、それに
よって、過熱水蒸気発生装置2への飽和水蒸気の供給量
を調整できる。
【0013】また、過熱水蒸気発生装置2への飽和水蒸
気の供給温度については、調整逆止弁21を完全に開い
て開放した状態で、約100℃の(蒸気発生タンク9内
が1気圧よりもやゝ高いために100℃よりも少し高め
の)飽和水蒸気となる。また、調整逆止弁21を締めに
調整して、蒸気発生タンク9内の圧力を高めたとする
と、(例えば、120℃程度の温度の)高熱飽和水蒸気
が供給される。従って、この場合は、100℃の場合に
対して、比較的水分量が多いことになる。
【0014】過熱水蒸気発生装置2は、送気管19に過
熱管23を接続し、その伝熱管23に、電磁誘導による
ヒーター24と、ニクロム線によるヒーター25とを嵌
装したもので、過熱水蒸気の所望する加熱温度の設定に
応じて、その双方を使用する場合と、いずれか一方を使
用する場合とがあり、最大500〜600℃程度の温度
に加熱される。
【0015】そこで、ここでは、加熱温度が調整され、
その昇温に伴って未飽和の状態に変換されて、蒸気オー
ブン3に供給され食材Fに当てられる。
【0016】蒸気オーブン3は、前後抜け型であって、
高熱送気管22,22に接続される端末管29,29,
・・が周壁に沿って配列され、各端末管29に放射ノズ
ル31,31,・・が突設されている。また、トンネル
を貫通するようにベルトコンベアの搬送装置33が備え
られ、それに食材Fをトレーに載せて搬送しながら、過
熱水蒸気がそれに当てられる。また、遠赤外線を放射す
るセラミックスタイル35が張られているので、これに
よっても食材Fが良好に調理される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のものは、予
め加熱してある蓄熱材の熱を利用して、水を飽和水蒸気
に変えることにより、水を温める手間や時間を短縮し、
有利な熱エネルギーを利用することにより低コスト化を
図っているが、約100℃(または、蒸気発生タンク9
内の圧力によって100℃よりも少し高め)の飽和水蒸
気を、電磁誘導によるヒーター24と、ニクロム線によ
るヒーター25の双方、もしくは、いずれか一方を使用
して、最大500〜600℃程度の温度で加熱温度を調
整する構成になっているため、さらなる、熱エネルギー
コストの削減が課題となっていた。
【0018】本発明は、上記従来の課題に鑑み、従来に
較べ、熱エネルギーコストを削減できる加熱装置を提供
することを目的とする。
【0019】また、従来のものは、電力を使って飽和水
蒸気を過熱して過熱水蒸気を得るため、従来の加熱装置
を移動店舗に使用する場合、大容量の蓄電池を用いなけ
ればならないという課題があった。
【0020】本発明は、上記従来の課題に鑑み、加熱装
置を移動店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量の蓄
電池で済むようにすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項1記載の加熱装置の発明は、被加熱物
を収納する加熱室と、水を貯める水タンクと、伝熱管と
ヒータとを100℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱
材中に埋め込んだ蓄熱槽と、一端が前記水タンクの底部
に連通し他端が前記伝熱管の一端に接続された水配管の
途中に設けられ前記水タンクの水を前記伝熱管に供給す
る水供給手段と、一端が前記伝熱管の他端に接続された
蒸気配管の他端に設けられ前記伝熱管内で発生した過熱
水蒸気を前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段
と、前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前
記加熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱
室外に排出する圧力調節手段と、前記蒸気配管の途中に
設けられ前記過熱水蒸気吐出手段によって前記加熱室内
に吐出させる過熱水蒸気の量を調節する蒸気流量調節弁
と、前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気
配管内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検
知手段と、前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手
段から吐出する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過
熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め
設定された設定温度に近づくように前記過熱水蒸気温度
検知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より
高ければ前記水供給手段による前記伝熱管への水の供給
量を増やし前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱
水蒸気温度が前記設定温度より低ければ前記水供給手段
による前記伝熱管への水の供給量を減らす過熱水蒸気温
度制御手段と、前記加熱室内の温度を検知する加熱室温
度検知手段と、前記加熱室温度検知手段で検知した前記
加熱室内温度が予め設定された設定温度に近づくように
前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度が
前記設定温度より高ければ前記蒸気流量調節弁を閉じる
方向に開度を調節し前記加熱室温度検知手段で検知した
前記加熱室内温度が前記設定温度より低ければ前記蒸気
流量調節弁を開ける方向に開度を調節する加熱室温制御
手段とからなるものであり、予め加熱してある蓄熱材の
熱を利用して水を過熱水蒸気に変えるので、熱エネルギ
ーコストを削減できるという作用を有する。
【0022】また、ヒータへの通電により蓄熱材を加熱
して蓄熱槽に所定量の熱量を蓄えた後は、過熱水蒸気を
得るために電力を使用しないので、この加熱装置を移動
店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量の蓄電池で済
むという作用を有する。
【0023】なお、蓄熱槽の蓄熱材は、通常、加熱室で
の最高加熱温度に合わせて所定温度(例えば、約500
℃)に加熱されているが、水供給手段による蓄熱槽の伝
熱管への水の供給量を調節することにより、伝熱管通過
後の蒸気配管内の過熱水蒸気の温度を調節でき、蒸気配
管に設けた蒸気流量調節弁の開度を調節して加熱室への
過熱蒸気の供給量を調節することにより加熱室の室内温
度を調節できる。
【0024】また、過熱水蒸気温度制御手段は、蒸気配
管内の過熱水蒸気の温度が予め設定された設定温度に近
づくように水供給手段を制御し、加熱室温制御手段は、
加熱室内温度が予め設定された設定温度に近づくように
蒸気流量調節弁の開度を制御するが、加熱室の設定温度
に対し、蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度を、1対1
の関係で設定せず、1対複数とすると、過熱水蒸気の温
度変化による特性変化等を利用して、加熱室内の湿度条
件や昇温速度を変えることが可能となる。
【0025】また、請求項2記載の加熱装置の発明は、
被加熱物を収納する加熱室と、水を貯める水タンクと、
長さの異なる複数の伝熱管とヒータとを100℃を超え
る温度での蓄熱が可能な蓄熱材中に埋め込んだ蓄熱槽
と、一端が前記水タンクの底部に連通し他端が第1の切
換手段を介して選択的に複数の前記伝熱管のうちの一つ
の前記伝熱管の一端に接続された水配管の途中に設けら
れ前記水タンクの水を前記伝熱管に供給する水供給手段
と、一端が第2の切換手段を介して複数の前記伝熱管の
うちの前記第1の切換手段により選択された方の前記伝
熱管の他端に接続された蒸気配管の他端に設けられ前記
伝熱管内で発生した過熱水蒸気を前記加熱室内に吐出さ
せる過熱水蒸気吐出手段と、前記加熱室内の圧力が所定
圧力を超えないように前記加熱室内の余分な空気もしく
は過熱水蒸気を前記加熱室外に排出する圧力調節手段
と、前記蒸気配管の途中に設けられ前記過熱水蒸気吐出
手段によって前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気の量
を調節する蒸気流量調節弁と、前記蒸気流量調節弁より
も前記伝熱管側で前記蒸気配管内の過熱水蒸気の温度を
検知する過熱水蒸気温度検知手段と、前記加熱室内の被
加熱物を過熱水蒸気吐出手段から吐出する過熱水蒸気に
より加熱する際に、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知
した過熱水蒸気温度が予め設定された設定温度に近づく
ように、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水
蒸気温度が前記設定温度より所定温度以上高く且つ前記
第1の切換手段が相対的に長い前記伝熱管を選択してい
た場合は、相対的に短い前記伝熱管を選択するように前
記第1の切換手段及び前記第2の切換手段を切り換え、
前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度
が前記設定温度より所定温度以上低く且つ前記第1の切
換手段が相対的に短い前記伝熱管を選択していた場合
は、相対的に長い前記伝熱管を選択するように前記第1
の切換手段及び前記第2の切換手段を切り換え、前記過
熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度により
前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段を切り換え
た場合は前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段の
切り換えから所定時間経過後において、前記過熱水蒸気
温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度
より高ければ前記水供給手段による前記伝熱管への水の
供給量を増やし、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知し
た過熱水蒸気温度が前記設定温度より低ければ前記水供
給手段による前記伝熱管への水の供給量を減らす過熱水
蒸気温度制御手段と、前記加熱室内の温度を検知する加
熱室温度検知手段と、前記加熱室温度検知手段で検知し
た前記加熱室内温度が予め設定された設定温度に近づく
ように前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内
温度が前記設定温度より高ければ前記蒸気流量調節弁を
閉じる方向に開度を調節し前記加熱室温度検知手段で検
知した前記加熱室内温度が前記設定温度より低ければ前
記蒸気流量調節弁を開ける方向に開度を調節する加熱室
温制御手段とからなるものであり、予め加熱してある蓄
熱材の熱を利用して水を過熱水蒸気に変えるので、熱エ
ネルギーコストを削減できるという作用を有する。
【0026】また、ヒータへの通電により蓄熱材を加熱
して蓄熱槽に所定量の熱量を蓄えた後は、過熱水蒸気を
得るために電力を使用しないので、この加熱装置を移動
店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量の蓄電池で済
むという作用を有する。
【0027】なお、蓄熱槽の蓄熱材は、通常、加熱室で
の最高加熱温度に合わせて所定温度(例えば、約500
℃)に加熱されているが、水供給手段による蓄熱槽の伝
熱管への水の供給量を調節し、長さの異なる複数の伝熱
管の内から使用する伝熱管を第1、第2の切換手段によ
り選択することにより、伝熱管通過後の蒸気配管内の過
熱水蒸気の温度を、請求項1記載の発明よりも無理なく
広範囲に調節でき、蒸気配管に設けた蒸気流量調節弁の
開度を調節して加熱室への過熱蒸気の供給量を調節する
ことにより請求項1記載の発明よりも加熱室の室内温度
を無理なく広い温度範囲で調節できる。
【0028】また、過熱水蒸気温度制御手段は、蒸気配
管内の過熱水蒸気の温度が予め設定された設定温度に近
づくように水供給手段と第1、第2の切換手段とを制御
し、加熱室温制御手段は、加熱室内温度が予め設定され
た設定温度に近づくように蒸気流量調節弁の開度を制御
するが、加熱室の設定温度に対し、蒸気配管内の過熱水
蒸気の設定温度を、1対1の関係で設定せず、1対複数
とすると、過熱水蒸気の温度変化による特性変化等を利
用して、加熱室内の湿度条件や昇温速度を請求項1記載
の発明よりも変えることが可能となる。
【0029】また、請求項3記載の加熱装置の発明は、
被加熱物を収納する加熱室と、水を貯める水タンクと、
途中に切換手段を介してバイパス路を接続した伝熱管と
ヒータとを100℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱
材中に埋め込んだ蓄熱槽と、一端が前記水タンクの底部
に連通し他端が前記伝熱管の一端に接続された水配管の
途中に設けられ前記水タンクの水を前記伝熱管に供給す
る水供給手段と、一端が前記伝熱管の他端に接続された
蒸気配管の他端に設けられ前記伝熱管内で発生した過熱
水蒸気を前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段
と、前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前
記加熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱
室外に排出する圧力調節手段と、前記蒸気配管の途中に
設けられ前記過熱水蒸気吐出手段によって前記加熱室内
に吐出させる過熱水蒸気の量を調節する蒸気流量調節弁
と、前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気
配管内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検
知手段と、前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手
段から吐出する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過
熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め
設定された設定温度に近づくように、前記過熱水蒸気温
度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度よ
り所定温度以上高く且つ前記切換手段により前記バイパ
ス路を閉鎖していた場合は、前記バイパス路を経由する
ように前記切換手段を切り換え、前記過熱水蒸気温度検
知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より所
定温度以上低く且つ前記切換手段により前記バイパス路
を経由させていた場合は、前記バイパス路を閉鎖するよ
うに前記切換手段を切り換え、前記過熱水蒸気温度検知
手段で検知した過熱水蒸気温度により前記切換手段を切
り換えた場合は前記切換手段の切り換えから所定時間経
過後において、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した
過熱水蒸気温度が前記設定温度より高ければ前記水供給
手段による前記伝熱管への水の供給量を増やし、前記過
熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記
設定温度より低ければ前記水供給手段による前記伝熱管
への水の供給量を減らす過熱水蒸気温度制御手段と、前
記加熱室内の温度を検知する加熱室温度検知手段と、前
記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度が予
め設定された設定温度に近づくように前記加熱室温度検
知手段で検知した前記加熱室内温度が前記設定温度より
高ければ前記蒸気流量調節弁を閉じる方向に開度を調節
し前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度
が前記設定温度より低ければ前記蒸気流量調節弁を開け
る方向に開度を調節する加熱室温制御手段とからなるも
のであり、予め加熱してある蓄熱材の熱を利用して水を
過熱水蒸気に変えるので、熱エネルギーコストを削減で
きるという作用を有する。
【0030】また、ヒータへの通電により蓄熱材を加熱
して蓄熱槽に所定量の熱量を蓄えた後は、過熱水蒸気を
得るために電力を使用しないので、この加熱装置を移動
店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量の蓄電池で済
むという作用を有する。
【0031】なお、蓄熱槽の蓄熱材は、通常、加熱室で
の最高加熱温度に合わせて所定温度(例えば、約500
℃)に加熱されているが、水供給手段による蓄熱槽の伝
熱管への水の供給量を調節し、途中に切換手段を介して
バイパス路を接続した伝熱管におけるバイパス路の使
用、閉鎖を切換手段により選択することにより、伝熱管
通過後の蒸気配管内の過熱水蒸気の温度を、請求項1記
載の発明よりも無理なく広範囲に調節でき、蒸気配管に
設けた蒸気流量調節弁の開度を調節して加熱室への過熱
蒸気の供給量を調節することにより請求項1記載の発明
よりも加熱室の室内温度を無理なく広い温度範囲で調節
できる。
【0032】また、過熱水蒸気温度制御手段は、蒸気配
管内の過熱水蒸気の温度が予め設定された設定温度に近
づくように水供給手段と切換手段とを制御し、加熱室温
制御手段は、加熱室内温度が予め設定された設定温度に
近づくように蒸気流量調節弁の開度を制御するが、加熱
室の設定温度に対し、蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温
度を、1対1の関係で設定せず、1対複数とすると、過
熱水蒸気の温度変化による特性変化等を利用して、加熱
室内の湿度条件や昇温速度を請求項1記載の発明よりも
変えることが可能となる。
【0033】また、請求項4記載の加熱装置の発明は、
被加熱物を収納する加熱室と、水を貯める水タンクと、
伝熱管とヒータとを100℃を超える温度での蓄熱が可
能な蓄熱材中に埋め込んだ複数の蓄熱槽と、前記蓄熱槽
内の前記蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度検知手段
と、一端が前記水タンクの底部に連通し他端が第1の切
換手段を介して選択的に複数の前記蓄熱槽のうちの一つ
の前記蓄熱槽の前記伝熱管の一端に接続された水配管の
途中に設けられ前記水タンクの水を前記伝熱管に供給す
る水供給手段と、一端が第2の切換手段を介して複数の
前記蓄熱槽のうちの前記第1の切換手段により選択され
た方の前記蓄熱槽の前記伝熱管の他端に接続された蒸気
配管の他端に設けられ前記伝熱管内で発生した過熱水蒸
気を前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段と、
前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前記加
熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱室外
に排出する圧力調節手段と、前記蒸気配管の途中に設け
られ前記過熱水蒸気吐出手段によって前記加熱室内に吐
出させる過熱水蒸気の量を調節する蒸気流量調節弁と、
前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気配管
内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手
段と、前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手段か
ら吐出する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過熱水
蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め設定
された設定温度に近づくように、前記過熱水蒸気温度検
知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より所
定温度以上高く且つ前記第1の切換手段が前記蓄熱材温
度検知手段により検知した前記蓄熱材の温度が相対的に
高い方の前記蓄熱槽の前記伝熱管を選択していた場合
は、前記蓄熱材温度検知手段により検知した前記蓄熱材
の温度が相対的に低い方の前記蓄熱槽の前記伝熱管を選
択するように前記第1の切換手段及び前記第2の切換手
段を切り換え、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した
過熱水蒸気温度が前記設定温度より所定温度以上低く且
つ前記第1の切換手段が前記蓄熱材温度検知手段により
検知した前記蓄熱材の温度が相対的に低い方の前記蓄熱
槽の前記伝熱管を選択していた場合は、前記蓄熱材温度
検知手段により検知した前記蓄熱材の温度が相対的に高
い方の前記蓄熱槽の前記伝熱管を選択するように前記第
1の切換手段及び前記第2の切換手段を切り換え、前記
過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度によ
り前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段を切り換
えた場合は前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段
の切り換えから所定時間経過後において、前記過熱水蒸
気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温
度より高ければ前記水供給手段による前記伝熱管への水
の供給量を増やし、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知
した過熱水蒸気温度が前記設定温度より低ければ前記水
供給手段による前記伝熱管への水の供給量を減らす過熱
水蒸気温度制御手段と、前記加熱室内の温度を検知する
加熱室温度検知手段と、前記加熱室温度検知手段で検知
した前記加熱室内温度が予め設定された設定温度に近づ
くように前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室
内温度が前記設定温度より高ければ前記蒸気流量調節弁
を閉じる方向に開度を調節し前記加熱室温度検知手段で
検知した前記加熱室内温度が前記設定温度より低ければ
前記蒸気流量調節弁を開ける方向に開度を調節する加熱
室温制御手段とからなるものであり、予め加熱してある
蓄熱材の熱を利用して水を過熱水蒸気に変えるので、熱
エネルギーコストを削減できるという作用を有する。
【0034】また、ヒータへの通電により蓄熱材を加熱
して蓄熱槽に所定量の熱量を蓄えた後は、過熱水蒸気を
得るために電力を使用しないので、この加熱装置を移動
店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量の蓄電池で済
むという作用を有する。
【0035】なお、蓄熱槽の蓄熱材は、通常、加熱室で
の最高加熱温度に合わせて所定温度(例えば、約500
℃)に加熱されているが、水供給手段による蓄熱槽の伝
熱管への水の供給量を調節し、複数の蓄熱槽で蓄熱材の
温度が異なる場合に複数の蓄熱槽の内どの蓄熱槽を使用
するか第1、第2の切換手段により選択することによ
り、伝熱管通過後の蒸気配管内の過熱水蒸気の温度を、
請求項1記載の発明よりも無理なく広範囲に調節でき、
蒸気配管に設けた蒸気流量調節弁の開度を調節して加熱
室への過熱蒸気の供給量を調節することにより請求項1
記載の発明よりも加熱室の室内温度を無理なく広い温度
範囲で調節できる。
【0036】また、過熱水蒸気温度制御手段は、蒸気配
管内の過熱水蒸気の温度が予め設定された設定温度に近
づくように水供給手段と切換手段とを制御し、加熱室温
制御手段は、加熱室内温度が予め設定された設定温度に
近づくように蒸気流量調節弁の開度を制御するが、加熱
室の設定温度に対し、蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温
度を、1対1の関係で設定せず、1対複数とすると、過
熱水蒸気の温度変化による特性変化等を利用して、加熱
室内の湿度条件や昇温速度を請求項1記載の発明よりも
変えることが可能となる。
【0037】また、請求項5記載の加熱装置の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載の発明に加え、蒸
気配管内の蒸気の圧力が所定圧力を超えたとき前記蒸気
配管内の余分な蒸気を前記蒸気配管外に排出する蒸気排
出手段を備えたものであり、請求項1から4のいずれか
一項に記載の発明の作用に加え、蒸気排出手段が蒸気配
管内の蒸気の圧力が所定圧力を超えたとき蒸気配管内の
余分な蒸気を蒸気配管外に排出するので、水供給手段と
水配管と伝熱管と(切換手段と)蒸気配管と蒸気流量調
節弁とが管内の異常高圧によって破損することを防止
し、また、蒸気配管内の蒸気の圧力が異常に高圧となっ
て蒸気流量調節弁の開度のわずかな変化で加熱室に供給
される過熱水蒸気の量が大きく変動して、加熱室内の温
度制御が困難になることを未然に防止できる。
【0038】また、請求項6記載の加熱装置の発明は、
請求項1から5のいずれか一項に記載の発明に加え、加
熱モードを選択する加熱モード選択手段と、前記加熱モ
ード選択手段により選択された前記加熱モードに応じて
加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温
度との組み合わせを設定する加熱条件設定手段とを備え
たものであり、請求項1から5のいずれか一項に記載の
発明の作用に加え、加熱モード選択手段により選択され
た加熱モードに応じて加熱室内の設定温度と蒸気配管内
の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを加熱条件設定
手段が設定するので、加熱モードに合わせて加熱室内の
設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞ
れ個別に設定する手間が省け、加熱モードを正しく選択
できれば、各設定温度の誤設定を防止できるという作用
を有する。
【0039】また、請求項7記載の加熱装置の発明は、
請求項1から5のいずれか一項に記載の発明に加え、加
熱室に収納する被加熱物の種類を選択する被加熱物選択
手段と、加熱モードを選択する加熱モード選択手段と、
前記被加熱物選択手段により選択された前記被加熱物の
種類と前記加熱モード選択手段により選択された前記加
熱モードとに応じて加熱室内の設定温度と蒸気配管内の
過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定する加熱条
件設定手段とを備えたものであり、請求項1から5のい
ずれか一項に記載の発明の作用に加え、被加熱物選択手
段により選択された加熱室に収納する被加熱物の種類
と、加熱モード選択手段により選択された加熱モードと
に応じて、加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸
気の設定温度との組み合わせを加熱条件設定手段が設定
するので、被加熱物の種類と加熱モードとに合わせて加
熱室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度
をそれぞれ個別に設定する手間が省け、被加熱物の種類
と加熱モードとを正しく選択できれば、各設定温度の誤
設定を防止できるという作用を有する。
【0040】また、請求項8記載の加熱装置の発明は、
請求項1から5のいずれか一項に記載の発明に加え、加
熱室に収納する被加熱物の種類を選択する被加熱物選択
手段と、前記加熱室に収納する被加熱物の量を設定する
加熱物量設定手段と、加熱モードを選択する加熱モード
選択手段と、前記被加熱物選択手段により選択された前
記被加熱物の種類と前記加熱物量設定手段により設定さ
れた被加熱物の量と前記加熱モード選択手段により選択
された前記加熱モードとに応じて加熱室内の設定温度と
蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設
定する加熱条件設定手段とを備えたものであり、請求項
1から5のいずれか一項に記載の発明の作用に加え、被
加熱物選択手段により選択された加熱室に収納する被加
熱物の種類と、加熱物量設定手段により設定された被加
熱物の量と、加熱モード選択手段により選択された加熱
モードとに応じて、加熱室内の設定温度と蒸気配管内の
過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを加熱条件設定手
段が設定するので、被加熱物の種類と被加熱物の量と加
熱モードとに合わせて加熱室内の設定温度と蒸気配管内
の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定する手間
が省け、被加熱物の種類と被加熱物の量と加熱モードと
を正しく選択できれば、各設定温度の誤設定を防止でき
るという作用を有する。
【0041】また、請求項9記載の加熱装置の発明は、
請求項6から8のいずれか一項に記載の発明において、
加熱モード選択手段は、最初に行う第1の加熱モードと
前記第1の加熱モードに続いて行う第2の加熱モードと
の選択と前記第1の加熱モードでの加熱時間と前記第2
の加熱モードでの加熱時間との設定をすることが可能で
あり、前記加熱モード選択手段により、前記第1の加熱
モードと前記第2の加熱モードとの選択と前記第1の加
熱モードでの加熱時間と前記第2の加熱モードでの加熱
時間との設定をしたとき、加熱条件設定手段は、まず、
前記第1の加熱モードを基に加熱室内の設定温度と蒸気
配管内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
し、前記第1の加熱モードでの加熱開始から前記加熱モ
ード選択手段で設定された前記第1の加熱モードでの加
熱時間が経過したとき前記第2の加熱モードを基に加熱
室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度と
の組み合わせを設定するものであり、加熱モード選択手
段により、最初に行う第1の加熱モードと第1の加熱モ
ードに続いて行う第2の加熱モードとの選択と第1の加
熱モードでの加熱時間と第2の加熱モードでの加熱時間
との設定をすれば、加熱条件設定手段が、まず、第1の
加熱モードを基に加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過
熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、第1の加
熱モードでの加熱開始から第1の加熱モードでの加熱時
間が経過したとき第2の加熱モードを基に加熱室内の設
定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度との組み合
わせを設定するので、加熱モードの切り換えを自動的に
行え、加熱モードを途中で切り換える場合において、切
り換えの手間が省けるという作用を有する。
【0042】また、請求項10記載の加熱装置の発明
は、請求項6から9のいずれか一項に記載の発明に加
え、加熱室内の湿度が加熱モードに応じて予め設定され
た設定湿度に近づくように前記加熱室内の湿度を調節す
る湿度調節手段を備えたものであり、加熱室へ供給する
過熱水蒸気の温度や供給量などの条件の制御により調節
できない範囲での加熱室の湿度制御については、湿度調
節手段により加熱室の湿度制御を行うことにより、加熱
室の湿度を広範囲にわたって制御でき、それにより加熱
モードを増やすことができ、被加熱物を食材とし、加熱
装置を加熱調理装置として用いる場合に、調理メニュー
を増やせるという作用を有する。
【0043】また、請求項11記載の車両の発明は、請
求項1から10のいずれか一項に記載の加熱装置と、ヒ
ータを除く電力供給が必要な前記加熱装置の構成要素に
電力を供給する蓄電池とを備え、基地局において、水タ
ンクの水を補給し、前記蓄電池を充電するとともに、前
記ヒータへの通電により蓄熱材を加熱して蓄熱槽に所定
量の熱量を蓄えるように構成したものであり、前もっ
て、基地局において、水タンクの水を補給し、夜間の安
価な電力等を利用して、蓄電池を充電するとともに、ヒ
ータへの通電により蓄熱材を加熱して蓄熱槽に所定量の
熱量を蓄えておくことにより、基地局から車両で移動で
きる範囲であれば、加熱装置を動作するためのエネルギ
ーや水タンクの水の供給を受けることができない場所で
も加熱装置を動作させることができ、加熱調理のできる
移動店舗として利用できるという作用を有する。
【0044】また、請求項12記載の車両の発明は、請
求項12記載の発明に加え、被加熱物を保存するための
蓄冷式の保冷庫を備え、基地局において、前記保冷庫の
蓄冷材を冷却蓄冷するように構成したものであり、請求
項11記載の発明の効果に加え、基地局において、夜間
の安価な電力等を利用して、保冷庫の蓄冷材を冷却蓄冷
することにより、基地局から車両で移動できる範囲であ
れば、保冷庫を機能させるためのエネルギー供給を受け
ることができない場所でも保冷庫を機能させることがで
き、被加熱物が食材である場合において、加熱装置で加
熱調理するまでの間は被加熱物となる食材を保冷庫内に
収納しておくことにより、被加熱物となる食材を新鮮な
状態で保存することができ、基地局から離れた場所で加
熱調理する場合においても被加熱物となる食材の品質劣
化が少なく、加熱調理する場所に関係なく品質のバラツ
キが少ない加熱調理品を提供できるという作用を有す
る。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0046】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1による加熱装置について図面を参照しながら説明す
る。図1は本発明の実施の形態1による加熱装置の構成
図である。
【0047】図1において、36は被加熱物である食材
Fを収納する加熱室であり、断熱性の箱体36aで構成
されており、食材Fを加熱室内に出し入れするための開
閉扉(図示せず)を有している。37は所定量の水を貯
める水タンクであり、上面開口部に開閉可能な蓋37a
を有している。
【0048】38は耐熱性、断熱性の容器で構成された
蓄熱槽であり、伝熱管39と電気式のヒータ40とを1
00℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱材(固体のマ
グネシアをクリンカ(小片)状にし、マグネシアクリン
カの隙間に液体の硝酸塩を浸透させた固液混合蓄熱材)
41中に埋め込んでいる。40aはヒータ40に通電す
るときに電力供給手段(図示せず)に接続するための接
続端子である。
【0049】42は水タンク37の水を伝熱管39に供
給する水供給手段としての回転数制御可能なギアポンプ
であり、一端が水タンク37の底部に連通し他端が伝熱
管39の一端に接続された水配管43の途中に設けられ
ている。
【0050】44は伝熱管39内で発生した過熱水蒸気
を加熱室36内に吐出させる筒状の過熱水蒸気吐出手段
であり、一端が伝熱管39の他端に接続された蒸気配管
45の他端で加熱室36の箱体36aの天面に設けら
れ、加熱室36内に均一に過熱水蒸気を吐出するための
吐出孔44aを底面と側面4カ所に有する。
【0051】46は加熱室36の箱体36aの側面に設
けられた圧力調節手段としての圧力調節弁であり、加熱
室36内の圧力が大気圧の約1.2倍〜約2.0倍の所
定圧力を超えないように加熱室36内の余分な空気もし
くは過熱水蒸気を加熱室36外に排出する。
【0052】なお、加熱室36外に排出される余分な蒸
気については、有効利用を図ることが望ましい。例え
ば、所定温度に低下させた後で水タンク37に戻すこと
が考えられる。もし、暖房が必要となる冬季であれば、
室内空気と熱交換させることにより、加熱室36外に排
出される余分な蒸気の温度を低下させると共に、室内を
暖房することができる。また、お湯を使う機会があれ
ば、加熱室36外に排出される余分な蒸気を、お湯用の
タンクに貯めるようにしても良い。
【0053】ここで、加熱室36外に排出される余分な
蒸気については、加熱室36の箱体36aの内面や被加
熱物Fや加熱室36内の空気に触れて、臭いや色や雑菌
が付着している恐れがあるので、水タンク37に戻す前
に、殺菌、脱臭等の浄化を行っておく必要がある。ま
た、お湯用のタンクに貯める場合も、そのお湯を飲料や
調理など飲食に関連する用途に使用するのであれば、同
様に殺菌、脱臭等の浄化を行っておく必要がある。
【0054】47は蒸気配管45の途中に設けられたパ
ルス制御により開度調節可能な蒸気流量調節弁であり、
過熱水蒸気吐出手段44によって加熱室36内に吐出さ
せる過熱水蒸気の量を調節する。48は過熱水蒸気温度
検知手段であり、蒸気流量調節弁47よりも伝熱管39
側で蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を検知する。
【0055】なお、本実施の形態では、水供給手段とし
てのギアポンプ42を最低回転数で駆動したときは、伝
熱管39に注がれた水が伝熱管39を介して蓄熱槽38
内の高温(最高で約500℃)の蓄熱材41と充分に熱
交換して蓄熱材41の温度に近い温度に過熱された過熱
水蒸気となって蒸気配管45内に達するが、ギアポンプ
42の駆動回転数を高くするにつれて、伝熱管39に注
がれる水の水量が増えて、伝熱管39に注がれる全ての
水が伝熱管39通過中に伝熱管39を介して蓄熱材41
から与えられる熱量よりも、伝熱管39に注がれる全て
の水を蓄熱材41の温度に近い温度(ギアポンプ42を
最低回転数で駆動したときの蒸気配管45内の過熱水蒸
気の温度)にまで過熱するのに必要な熱量が増えて、結
果として、ギアポンプ42の駆動回転数を高くするにつ
れて蒸気配管45内に達した過熱水蒸気の温度が低下す
るように、蓄熱槽38内の伝熱管39の長さや伝熱管3
9の断面形状、蓄熱槽38内の伝熱管39の配置、水供
給手段としてのギアポンプ42の水供給能力およびギア
ポンプ42の駆動回転数の制御範囲を調節してある。
【0056】49は過熱水蒸気温度制御手段であり、過
熱水蒸気の設定温度を記憶する過熱水蒸気設定温度記憶
手段50と、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過
熱水蒸気温度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶
された過熱水蒸気の設定温度とを比較しどちらの温度が
高いか判定する比較判定手段51と、比較判定手段51
の判定結果に基づき水供給手段としてのギアポンプ42
の回転数(伝熱管39への水の供給量)を制御するポン
プ制御手段52とからなる。
【0057】過熱水蒸気温度制御手段49は、加熱室3
6内の被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出す
る過熱水蒸気により加熱する際に、過熱水蒸気温度検知
手段48で検知した過熱水蒸気温度が予め設定され過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の
設定温度に近づくように、過熱水蒸気温度検知手段48
で検知した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手
段50に記憶された設定温度より高いと比較判定手段5
1が判定した場合は、ポンプ制御手段52により水供給
手段としてのギアポンプ42による伝熱管39への水の
供給量を増やし、過熱水蒸気温度検知手段48で検知し
た過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50に
記憶された設定温度より低いと比較判定手段51が判定
した場合は、ポンプ制御手段52により水供給手段とし
てのギアポンプ42による伝熱管39への水の供給量を
減らす。
【0058】53は加熱室36の箱体36aの側面に設
けられ、加熱室36内の温度を検知する加熱室温度検知
手段である。
【0059】54は加熱室温制御手段であり、加熱室3
6内の設定温度を記憶する加熱室内設定温度記憶手段5
5と、加熱室温度検知手段53で検知した加熱室36内
の温度と加熱室内設定温度記憶手段55に記憶された加
熱室36内の設定温度とを比較しどちらの温度が高いか
判定する比較判定手段56と、比較判定手段56の判定
結果に基づき蒸気流量調節弁47の開度を制御する弁開
度制御手段57とからなる。
【0060】加熱室温制御手段54は、加熱室36内の
被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出する過熱
水蒸気により加熱する際に、加熱室温度検知手段53で
検知した加熱室内温度が予め設定され加熱室内設定温度
記憶手段55に記憶された加熱室36内の設定温度に近
づくように、加熱室温度検知手段53で検知した加熱室
内温度が加熱室内設定温度記憶手段55に記憶された設
定温度より高いと比較判定手段56が判定した場合は、
弁開度制御手段57により蒸気流量調節弁47を閉じる
方向に開度を調節し、加熱室温度検知手段53で検知し
た加熱室内温度が加熱室内設定温度記憶手段55に記憶
された設定温度より低いと比較判定手段56が判定した
場合は、弁開度制御手段57により蒸気流量調節弁47
を開ける方向に開度を調節する。
【0061】58は蒸気排出手段であり、蒸気配管45
内の蒸気の圧力が所定圧力を超えたとき蒸気配管45内
の余分な蒸気を蒸気配管45外に排出する。
【0062】ここで、所定圧力は、水供給手段(ギアポ
ンプ)42と水配管43と伝熱管39と蒸気配管45と
蒸気流量調節弁47とが管内の異常高圧によって破損す
ることを充分に防止できる圧力に設定すると共に、蒸気
配管45内の蒸気の圧力が異常に高圧となって蒸気流量
調節弁47の開度のわずかな変化で加熱室36に供給さ
れる過熱水蒸気の量が大きく変動して、加熱室36内の
温度制御が困難になることを充分に防止できる圧力に設
定するものである。
【0063】なお、蒸気配管45外に排出される余分な
蒸気については、有効利用を図ることが望ましい。例え
ば、所定温度に低下させた後で水タンク37に戻すこと
が考えられる。もし、暖房が必要となる冬季であれば、
室内空気と熱交換させることにより、蒸気配管45外に
排出される余分な蒸気の温度を低下させると共に、室内
を暖房することができる。また、お湯を使う機会があれ
ば、蒸気配管45外に排出される余分な蒸気を、お湯用
のタンクに貯めるようにしても良い。
【0064】59は加熱室36内の湿度を補助的に調節
する湿度調節手段であり、加熱室36内の湿度を検知す
る湿度検知手段(図示せず)と、湿度検知手段で検知し
た加熱室36内の湿度が加熱モードに応じて予め設定さ
れた設定湿度より低い場合に加湿動作する加湿手段(図
示せず)と、湿度検知手段で検知した加熱室36内の湿
度が設定湿度より高い場合に除湿動作する除湿手段(図
示せず)とからなる。
【0065】本実施の形態では、水供給手段としてのギ
アポンプ42の駆動回転数を低くして作り出した比較的
高温の過熱水蒸気を使って加熱室36内の温度調整をし
ているときは、比較的少量の水で比較的高温の過熱水蒸
気を作り出しているため、加熱室36内を低湿度の環境
にすることができ、逆に、ギアポンプ42の駆動回転数
を高くして作り出した比較的低温の過熱水蒸気を使って
加熱室36内の温度調整をしているときは、比較的多量
の水で比較的低温の過熱水蒸気を作り出しているため、
加熱室36内を高湿度の環境にすることができる。
【0066】しかし、加熱室36へ供給する過熱水蒸気
の温度や供給量などの条件の制御により調節できない範
囲での加熱室36の湿度制御については、湿度調節手段
59により補助的に加熱室の湿度制御を行うようにして
いる。
【0067】60は加熱室36に収納する被加熱物Fの
種類を選択する被加熱物選択手段、61は加熱室36に
収納する被加熱物Fの量を設定する加熱物量設定手段、
62は加熱モードを選択する加熱モード選択手段であ
る。63は加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の
過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定する加熱条
件設定手段である。
【0068】加熱モード選択手段62は、第1の加熱モ
ード選択手段64と、第2の加熱モード選択手段65
と、第3の加熱モード選択手段66と、第1の加熱時間
設定手段67と、第2の加熱時間設定手段68と、第3
の加熱時間設定手段69と、スタートスイッチ70と、
第1のタイマー手段71と、第2のタイマー手段72
と、第3のタイマー手段73と、加熱モード切換手段7
4とからなる。
【0069】第1の加熱モード選択手段64は最初に行
う第1の加熱モードを選択するものであり、第2の加熱
モード選択手段65は第1の加熱モードに続いて行う第
2の加熱モードを選択するものであり、第3の加熱モー
ド選択手段66は第2の加熱モードに続いて行う第3の
加熱モードを選択するものである。
【0070】第1の加熱時間設定手段67は第1の加熱
モードでの加熱時間を設定するものであり、第2の加熱
時間設定手段68は第2の加熱モードでの加熱時間を設
定するものであり、第3の加熱時間設定手段69は第3
の加熱モードでの加熱時間を設定するものであり、スタ
ートスイッチ70は加熱室36の予熱運転完了後に加熱
室36内に被加熱物Fを収納した時に操作するものであ
る。
【0071】第1のタイマー手段71は、スタートスイ
ッチ70が操作されたことによりスタートスイッチ70
から信号が出力されたときに計時動作を開始し、計時動
作の開始から第1の加熱時間設定手段67で設定された
時間経過後に信号を出力して計時動作を終了するもので
ある。
【0072】第2のタイマー手段72は、第1のタイマ
ー手段71から信号が出力されたときに計時動作を開始
し、計時動作の開始から第2の加熱時間設定手段68で
設定された時間経過後に信号を出力して計時動作を終了
するものである。
【0073】第3のタイマー手段73は、第2のタイマ
ー手段72から信号が出力されたときに計時動作を開始
し、計時動作の開始から第3の加熱時間設定手段69で
設定された時間経過後に信号を出力して計時動作を終了
するものである。
【0074】加熱モード切換手段74は、スタートスイ
ッチ70から信号が出力されたときに第1の加熱モード
選択手段64で選択された第1の加熱モードを加熱モー
ドとして選択し(待機モードから第1の加熱モードに切
換え)、第1のタイマー手段71から信号が出力された
ときに第2の加熱モード選択手段65で選択された第2
の加熱モードを加熱モードとして選択し(第1の加熱モ
ードから第2の加熱モードに切換え)、第2のタイマー
手段72から信号が出力されたときに第3の加熱モード
選択手段66で選択された第3の加熱モードを加熱モー
ドとして選択し(第2の加熱モードから第3の加熱モー
ドに切換え)、第3のタイマー手段73から信号が出力
されたときに待機モードを加熱モードとして選択する
(第3の加熱モードから待機モードに切換える)もので
ある。
【0075】加熱条件設定手段63は、被加熱物選択手
段60により選択された被加熱物Fの種類と加熱物量設
定手段61により設定された被加熱物Fの量と加熱モー
ド選択手段62により選択された加熱モードとに応じて
加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気
の設定温度との組み合わせを決定し、決定した加熱室3
6内の設定温度を加熱室内設定温度記憶手段55に記憶
させ、決定した過熱水蒸気の設定温度を過熱水蒸気設定
温度記憶手段50に記憶させる。
【0076】ただし、加熱モード選択手段62の第1の
加熱モード選択手段64、第2の加熱モード選択手段6
5、第3の加熱モード選択手段66、第1の加熱時間設
定手段67、第2の加熱時間設定手段68、第3の加熱
時間設定手段69により、第1の加熱モードと第2の加
熱モードと第3の加熱モードの選択と第1の加熱モード
での加熱時間と第2の加熱モードでの加熱時間と第3の
加熱モードでの加熱時間の設定をしたときは、加熱条件
設定手段63は、まず、第1の加熱モードを基に加熱室
36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定
温度との組み合わせを設定し、決定した加熱室36内の
設定温度を加熱室内設定温度記憶手段55に記憶させ、
決定した過熱水蒸気の設定温度を過熱水蒸気設定温度記
憶手段50に記憶させる。
【0077】そして、第1の加熱モードでの加熱開始か
ら第1の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第2の
加熱モードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管4
5内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、
決定した加熱室36内の設定温度を加熱室内設定温度記
憶手段55に記憶させ、決定した過熱水蒸気の設定温度
を過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶させる。
【0078】そして、第2の加熱モードでの加熱開始か
ら第2の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第3の
加熱モードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管4
5内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、
決定した加熱室36内の設定温度を加熱室内設定温度記
憶手段55に記憶させ、決定した過熱水蒸気の設定温度
を過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶させる。
【0079】そして、第3の加熱モードでの加熱開始か
ら第3の加熱モードでの加熱時間が経過したとき待機モ
ードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の
過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、決定し
た加熱室36内の設定温度を加熱室内設定温度記憶手段
55に記憶させ、決定した過熱水蒸気の設定温度を過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶させる。
【0080】以上のように構成された本実施の形態の加
熱装置について以下その動作を説明する。
【0081】まず、本実施の形態の加熱装置における電
源投入から加熱運転モード開始までの動作を図2を参照
しながら説明する。
【0082】図2は本実施の形態の加熱装置における電
源投入から加熱運転モード開始までの動作を示すフロー
チャートである。
【0083】加熱装置の電源を投入すると、step1
でポンプ制御手段52が水供給手段としてのギアポンプ
42を所定の初期回転数(最低駆動回転数またはそれに
近い低回転数)で駆動する。なお、このとき、蒸気流量
調節弁47の開度は全開である。
【0084】次にstep2で加熱室温度検知手段53
が加熱室36内の温度を検知する。そして、次のste
p3で加熱室温度検知手段53により検知した加熱室3
6内の温度が所定の予熱温度(待機モード時の加熱室3
6内の設定温度)に達したかどうかを判定し、達してい
なければ、達するまで、step3のNo側の分岐から
step2に戻るループを繰り返す。
【0085】やがて、step3で加熱室36内の温度
が所定の予熱温度に達すると、step3をYes側に
分岐し、次のstep4で、報知手段(図示せず)が音
またはランプ点灯(点滅)または表示部(図示せず)に
よる表示により予熱運転完了を報知する。
【0086】その後、加熱室36内に被加熱物Fが収納
されてスタートスイッチ70が押されるまでstep5
をNo側の分岐するループを繰り返し、加熱室36内に
被加熱物Fが収納されてスタートスイッチ70が押され
ると、step5をYes側に分岐し、次のstep6
で、予熱運転モードから加熱運転モードに切り換える。
【0087】次に、本実施の形態の加熱装置における加
熱モード選択手段62の動作を図3を参照しながら説明
する。
【0088】図3は本実施の形態の加熱装置における加
熱モード選択手段62の動作を示すフローチャートであ
る。
【0089】加熱室36内に被加熱物Fが収納されてス
タートスイッチ70が押されると、step1で、第1
のタイマー手段71が計時動作を開始し、次のstep
2で加熱モード切換手段74が、第1の加熱モード選択
手段64で選択された第1の加熱モードを加熱モードと
して選択し、待機モードから第1の加熱モードに切換え
る。
【0090】次に、第1のタイマー手段71が計時動作
を行っている時間が、第1の加熱時間設定手段67で設
定された時間に達するまでstep3をNo側の分岐す
るループを繰り返し、第1の加熱時間設定手段67で設
定された時間に達すると、step3をYes側へ分岐
し、次のstep4で、第1のタイマー手段71が信号
を出力して計時動作を終了する。
【0091】次に、step5で、第2のタイマー手段
72が計時動作を開始し、次のstep6で加熱モード
切換手段74が、第2の加熱モード選択手段65で選択
された第2の加熱モードを加熱モードとして選択し、第
1の加熱モードから第2の加熱モードに切換える。
【0092】次に、第2のタイマー手段72が計時動作
を行っている時間が、第2の加熱時間設定手段68で設
定された時間に達するまでstep7をNo側の分岐す
るループを繰り返し、第2の加熱時間設定手段68で設
定された時間に達すると、step7をYes側へ分岐
し、次のstep8で、第2のタイマー手段72が信号
を出力して計時動作を終了する。
【0093】次に、step9で、第3のタイマー手段
73が計時動作を開始し、次のstep10で加熱モー
ド切換手段74が、第3の加熱モード選択手段66で選
択された第3の加熱モードを加熱モードとして選択し、
第2の加熱モードから第3の加熱モードに切換える。
【0094】次に、第3のタイマー手段73が計時動作
を行っている時間が、第3の加熱時間設定手段69で設
定された時間に達するまでstep11をNo側の分岐
するループを繰り返し、第3の加熱時間設定手段69で
設定された時間に達すると、step11をYes側へ
分岐し、次のstep12で、第3のタイマー手段73
が信号を出力して計時動作を終了する。
【0095】次に、step13で、加熱モード切換手
段74が、待機モードを加熱モードとして選択し、第3
の加熱モードから待機モードに切換える。
【0096】なお、加熱モードから待機モードに切換わ
ったときは、報知手段(図示せず)が音またはランプ点
灯(点滅)または表示部(図示せず)による表示により
加熱運転終了を報知する。
【0097】次に、本実施の形態の加熱装置における加
熱条件設定手段63の動作を説明する。
【0098】加熱条件設定手段63は、被加熱物選択手
段60により選択された被加熱物Fの種類と加熱物量設
定手段61により設定された被加熱物Fの量と加熱モー
ド選択手段62により選択された加熱モードとに応じて
加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気
の設定温度との組み合わせを決定(高湿度での加熱の場
合は過熱水蒸気の設定温度を低く、低湿度での加熱の場
合は過熱水蒸気の設定温度を高く決定)する。
【0099】そして、決定した加熱室36内の設定温度
を加熱室内設定温度記憶手段55に記憶させ、決定した
過熱水蒸気の設定温度を過熱水蒸気設定温度記憶手段5
0に記憶させる。
【0100】次に、本実施の形態の加熱装置における過
熱水蒸気温度制御手段49の動作を図4を参照しながら
説明する。
【0101】図4は本実施の形態の加熱装置における過
熱水蒸気温度制御手段49の動作を示すフローチャート
である。
【0102】まず、step1で、過熱水蒸気設定温度
記憶手段50が、被加熱物選択手段60により選択され
た被加熱物Fの種類と加熱物量設定手段61により設定
された被加熱物Fの量と加熱モード選択手段62により
選択された加熱モードとに応じて加熱条件設定手段63
が決定(設定)した過熱水蒸気の設定温度を記憶する。
【0103】次にstep2で、過熱水蒸気温度検知手
段48が蒸気流量調節弁47よりも伝熱管39側で蒸気
配管45内の過熱水蒸気の温度を検知する。
【0104】次に、比較判定手段51により、過熱水蒸
気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度と、過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の
設定温度とを比較し、検知温度と設定温度とがほぼ同温
度(約5℃〜約15℃の範囲で定められる所定温度差の
範囲内)であれは、step3をYes側に分岐してs
tep2に戻り、検知温度と設定温度とがほぼ同温度で
なく、検知温度が設定温度より低ければ、step3を
No側に分岐し、step4をNo側に分岐してste
p5に進み、検知温度と設定温度とがほぼ同温度でな
く、検知温度が設定温度より高ければ、step3をN
o側に分岐し、step4をYes側に分岐してste
p6に進む。
【0105】step5では、伝熱管39への水の供給
量が所定量減るようにポンプ制御手段52により水供給
手段としてのギアポンプ42の駆動回転数を所定回転数
だけ低くする。そして、その後、step2に戻る。
【0106】step6では、伝熱管39への水の供給
量が所定量増えるようにポンプ制御手段52により水供
給手段としてのギアポンプ42の駆動回転数を所定回転
数だけ高くする。そして、その後、step2に戻る。
【0107】以上の動作により、過熱水蒸気温度検知手
段48で検知する過熱水蒸気温度が予め設定され過熱水
蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の設
定温度に近づいていき、やがて、検知温度と設定温度と
がほぼ同温度になる。
【0108】なお、加熱モード選択手段62により加熱
モードが変わった場合は、step1からやり直す。
【0109】次に、本実施の形態の加熱装置における加
熱室温制御手段54の動作を図5を参照しながら説明す
る。
【0110】図5は本実施の形態の加熱装置における加
熱室温制御手段54の動作を示すフローチャートであ
る。
【0111】まず、step1で、加熱室内設定温度記
憶手段55が、被加熱物選択手段60により選択された
被加熱物Fの種類と加熱物量設定手段61により設定さ
れた被加熱物Fの量と加熱モード選択手段62により選
択された加熱モードとに応じて加熱条件設定手段63が
決定(設定)した加熱室36内の設定温度を記憶する。
【0112】次にstep2で、加熱室温度検知手段5
3が加熱室36内の(雰囲気)温度を検知する。
【0113】次に、比較判定手段56により、加熱室温
度検知手段53で検知した加熱室36内の温度と、加熱
室内設定温度記憶手段55に記憶された加熱室36内の
設定温度とを比較し、検知温度と設定温度とがほぼ同温
度(約5℃以内で定められる所定温度差の範囲内)であ
れは、step3をYes側に分岐してstep2に戻
り、検知温度と設定温度とがほぼ同温度でなく、検知温
度が設定温度より低ければ、step3をNo側に分岐
し、step4をNo側に分岐してstep5に進み、
検知温度と設定温度とがほぼ同温度でなく、検知温度が
設定温度より高ければ、step3をNo側に分岐し、
step4をYes側に分岐してstep6に進む。
【0114】step5では、過熱水蒸気吐出手段44
から加熱室36内に吐出する過熱水蒸気の吐出量が所定
量増えるように弁開度制御手段57により蒸気流量調節
弁47を開ける方向に開度を調節する(蒸気流量調節弁
47が現在の開度より所定開度だけ開くように蒸気流量
調節弁47に入力されるパルス数を制御する)。そし
て、その後、step2に戻る。
【0115】step6では、過熱水蒸気吐出手段44
から加熱室36内に吐出する過熱水蒸気の吐出量が所定
量減るように弁開度制御手段57により蒸気流量調節弁
47を閉じる方向に開度を調節する(蒸気流量調節弁4
7が現在の開度より所定開度だけ閉じるように蒸気流量
調節弁47に入力されるパルス数を制御する)。そし
て、その後、step2に戻る。
【0116】以上の動作により、加熱室温度検知手段5
3で検知する加熱室36内の温度が予め設定され加熱室
内設定温度記憶手段55に記憶された加熱室36内の設
定温度に近づいていき、やがて、検知温度と設定温度と
がほぼ同温度になる。
【0117】なお、加熱モード選択手段62により加熱
モードが変わった場合は、step1からやり直す。
【0118】以上のように本実施の形態の加熱装置は、
被加熱物Fを収納する加熱室36と、水を貯める水タン
ク37と、伝熱管39と電気式のヒータ40とを100
℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱材41中に埋め込
んだ蓄熱槽38と、一端が水タンク37の底部に連通し
他端が伝熱管39の一端に接続された水配管43の途中
に設けられ水タンク37の水を伝熱管39に供給する水
供給手段(ギアポンプ)42と、一端が伝熱管39の他
端に接続された蒸気配管45の他端に設けられ伝熱管3
9内で発生した過熱水蒸気を加熱室36内に吐出させる
過熱水蒸気吐出手段44と、加熱室36内の圧力が所定
圧力を超えないように加熱室36内の余分な空気もしく
は過熱水蒸気を加熱室36外に排出する圧力調節手段
(圧力調節弁)46と、蒸気配管45の途中に設けられ
過熱水蒸気吐出手段44によって加熱室36内に吐出さ
せる過熱水蒸気の量を調節する蒸気流量調節弁47と、
蒸気流量調節弁47よりも伝熱管39側で蒸気配管45
内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手
段48と、加熱室36内の被加熱物Fを過熱水蒸気吐出
手段44から吐出する過熱水蒸気により加熱する際に、
過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度
が予め設定された過熱水蒸気の設定温度に近づくよう
に、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気
温度が設定温度より高ければ水供給手段(ギアポンプ)
42による伝熱管39への水の供給量を増やし、過熱水
蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が設定
温度より低ければ水供給手段(ギアポンプ)42による
伝熱管39への水の供給量を減らす過熱水蒸気温度制御
手段49と、加熱室36内の温度を検知する加熱室温度
検知手段53と、加熱室温度検知手段53で検知した加
熱室内温度が予め設定された加熱室36内の設定温度に
近づくように、加熱室温度検知手段53で検知した加熱
室内温度が設定温度より高ければ蒸気流量調節弁47を
閉じる方向に開度を調節し、加熱室温度検知手段53で
検知した加熱室内温度が設定温度より低ければ蒸気流量
調節弁47を開ける方向に開度を調節する加熱室温制御
手段54とから構成されたものであり、予め加熱してあ
る蓄熱材41の熱を利用して水を過熱水蒸気に変えるの
で、熱エネルギーコストを削減できる。
【0119】また、ヒータ40への通電により蓄熱材4
1を加熱して蓄熱槽38に所定量の熱量を蓄えた後は、
過熱水蒸気を得るために電力を使用しないので、この加
熱装置を移動店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量
の蓄電池で済む。
【0120】また、水供給手段42による蓄熱槽38の
伝熱管39への水の供給量を調節することにより、伝熱
管39通過後の蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を調
節でき、蒸気配管45に設けた蒸気流量調節弁47の開
度を調節して加熱室36への過熱蒸気の供給量を調節す
ることにより加熱室36の室内温度を調節できる。
【0121】また、加熱室36の設定温度に対し、蒸気
配管45内の過熱水蒸気の設定温度を、1対1の関係で
設定せず、1対複数とすると、過熱水蒸気の温度変化に
よる特性変化等を利用して、加熱室36内の湿度条件や
昇温速度を変えることが可能となる。
【0122】また、蒸気配管45内の蒸気の圧力が所定
圧力を超えたとき蒸気配管45内の余分な蒸気を蒸気配
管45外に排出する蒸気排出手段58を備えたことによ
り、水供給手段42と水配管43と伝熱管39と蒸気配
管45と蒸気流量調節弁47とが管内の異常高圧によっ
て破損することを防止し、また、蒸気配管45内の蒸気
の圧力が異常に高圧となって蒸気流量調節弁47の開度
のわずかな変化で加熱室36に供給される過熱水蒸気の
量が大きく変動して、加熱室36内の温度制御が困難に
なることを未然に防止できる。
【0123】また、加熱モードを選択する加熱モード選
択手段62と、加熱モード選択手段62により選択され
た加熱モードに応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
する加熱条件設定手段63とを備えたことにより、加熱
モードに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管4
5内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定する
手間が省け、加熱モードを正しく選択できれば、各設定
温度の誤設定を防止できるという効果がある。
【0124】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
種類を選択する被加熱物選択手段60を設けると共に、
加熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類
と選択された加熱モードとに応じて加熱室36内の設定
温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み
合わせを設定するようにしたことにより、被加熱物Fの
種類と加熱モードとに合わせて加熱室36内の設定温度
と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個
別に設定する手間が省け、被加熱物Fの種類と加熱モー
ドとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定を防止
できるという効果がある。
【0125】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
量を設定する加熱物量設定手段61を設けると共に、加
熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類と
設定された被加熱物Fの量と選択された加熱モードとに
応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定するようにした
ことにより、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加熱
モードとに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管
45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定す
る手間が省け、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加
熱モードとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定
を防止できるという効果がある。
【0126】また、加熱モード選択手段62は、最初に
行う第1の加熱モードと第1の加熱モードに続いて行う
第2の加熱モードと第2の加熱モードに続いて行う第3
の加熱モードの選択と第1の加熱モードでの加熱時間と
第2の加熱モードでの加熱時間と第3の加熱モードでの
加熱時間との設定をすることが可能に構成され、加熱モ
ード選択手段62により、第1の加熱モードと第2の加
熱モードと第3の加熱モードの選択と第1の加熱モード
での加熱時間と第2の加熱モードでの加熱時間と第3の
加熱モードでの加熱時間の設定をしたとき、加熱条件設
定手段63は、まず、第1の加熱モードを基に加熱室3
6内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温
度との組み合わせを設定し、第1の加熱モードでの加熱
開始から加熱モード選択手段62で設定された第1の加
熱モードでの加熱時間が経過したとき第2の加熱モード
を基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、第2の加熱
モードでの加熱開始から加熱モード選択手段62で設定
された第2の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第
3の加熱モードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
するように構成したことにより、加熱モードの切り換え
を自動的に行え、加熱モードを途中で切り換える場合に
おいて、切り換えの手間が省けるという効果がある。
【0127】また、加熱室36内の湿度が加熱モードに
応じて予め設定された設定湿度に近づくように加熱室3
6内の湿度を補助的に調節する湿度調節手段59を備え
たことにより、加熱室36の湿度を広範囲にわたって制
御でき、それにより加熱モードを増やすことができ、被
加熱物Fを食材とし、加熱装置を加熱調理装置として用
いる場合に、調理メニューを増やせるという効果があ
る。
【0128】なお、本実施の形態では、加熱モード選択
手段62は3つの加熱モードを連続して選択できるよう
にしているが、3つにする必要はなく、2つでも4つ以
上でも構わない。
【0129】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2による加熱装置について図面を参照しながら説明す
るが、実施の形態1と同一構成については同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。図6は本発明の実施
の形態2による加熱装置の構成図である。
【0130】図6において、75は耐熱性、断熱性の容
器で構成された蓄熱槽であり、長さの異なる複数(本実
施の形態では2つ)の伝熱管76,77と電気式のヒー
タ40とを100℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱
材(固体のマグネシアをクリンカ(小片)状にし、マグ
ネシアクリンカの隙間に液体の硝酸塩を浸透させた固液
混合蓄熱材)41中に埋め込んでいる。なお、本実施の
形態では、相対的に長い伝熱管に符号76を付け、相対
的に短い伝熱管に符号77を付けている。40aはヒー
タ40に通電するときに電力供給手段(図示せず)に接
続するための接続端子である。
【0131】78は第1の切換手段としての第1の三方
切換弁であり、水供給手段としてのギアポンプ42は、
一端が水タンク37の底部に連通し他端が第1の切換手
段(第1の三方切換弁)78を介して選択的に2つの伝
熱管76,77のうちの一つの伝熱管の一端に接続され
た水配管43の途中に設けられ水タンク37の水を伝熱
管76,77に供給する。
【0132】79は第2の切換手段としての第2の三方
切換弁であり、過熱水蒸気吐出手段44は、一端が第2
の切換手段(第2の三方切換弁)79を介して2つの伝
熱管76,77のうちの第1の切換手段(第1の三方切
換弁)78により選択された方の伝熱管の他端に接続さ
れた蒸気配管45の他端に設けられ伝熱管内で発生した
過熱水蒸気を加熱室36内に吐出させる。
【0133】80は過熱水蒸気温度制御手段であり、過
熱水蒸気の設定温度を記憶する過熱水蒸気設定温度記憶
手段50と、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過
熱水蒸気温度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶
された過熱水蒸気の設定温度とを比較しどちらの温度が
高いか判定する比較判定手段51と、第1、第2の切換
手段78,79の切換状態を検知する切換状態検知手段
81と、比較判定手段51の判定結果と切換状態検知手
段81の検知結果とを基に第1、第2の切換手段78,
79の切換の要否を判定する切換要否判定手段82と、
切換要否判定手段82が切換を必要と判定したとき第
1、第2の切換手段78,79を切り換える切換弁駆動
手段83と、比較判定手段51と切換要否判定手段82
の判定結果に応じて水供給手段としてのギアポンプ42
の回転数(伝熱管76,77への水の供給量)を制御す
るポンプ制御手段84と、切換弁駆動手段83が第1、
第2の切換手段78,79を切り換えたときポンプ制御
手段84による水供給手段としてのギアポンプ42の回
転数(伝熱管76,77への水の供給量)の制御を所定
時間遅らせるための遅延タイマー85とからなる。
【0134】遅延タイマー85は切換弁駆動手段83が
第1、第2の切換手段78,79を切り換えたときに計
時動作を開始し計時動作開始から所定時間経過後に計時
動作を終了し信号を出力する。
【0135】過熱水蒸気温度制御手段80は、加熱室3
6内の被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出す
る過熱水蒸気により加熱する際に、過熱水蒸気温度検知
手段48で検知した過熱水蒸気温度が予め設定され過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の
設定温度に近づくように、切換弁駆動手段83により第
1、第2の切換手段78,79を切り換え、ポンプ制御
手段84により水供給手段としてのギアポンプ42の回
転数(伝熱管76,77への水の供給量)を制御する。
【0136】過熱水蒸気温度制御手段80は、過熱水蒸
気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過熱水
蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度より所
定温度以上高いと比較判定手段51が判定し且つ第1の
切換手段78が相対的に長い伝熱管76を選択している
ことを切換状態検知手段81により検知した場合は、相
対的に短い伝熱管77を選択するように第1の切換手段
78及び第2の切換手段79を切換弁駆動手段83によ
り切り換える。
【0137】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より所定温度以上低いと比較判定
手段51が判定し且つ第1の切換手段78が相対的に短
い伝熱管77を選択していることを切換状態検知手段8
1により検知した場合は、相対的に長い伝熱管76を選
択するように第1の切換手段78及び第2の切換手段7
9を切換弁駆動手段83により切り換える。
【0138】そして、過熱水蒸気温度検知手段48で検
知した過熱水蒸気温度により第1の切換手段78及び第
2の切換手段79を切換弁駆動手段83で切り換えた場
合は第1の切換手段78及び第2の切換手段79の切り
換えから遅延タイマー85の計時動作が終了する所定時
間経過後において、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より高いと比較判定手段51が判
定した場合は、ポンプ制御手段84により水供給手段と
してのギアポンプ42による伝熱管76,77への水の
供給量を増やし、過熱水蒸気温度検知手段48で検知し
た過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50に
記憶された設定温度より低いと比較判定手段51が判定
した場合は、ポンプ制御手段84により水供給手段とし
てのギアポンプ42による伝熱管76,77への水の供
給量を減らす。
【0139】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より高いと比較判定手段51が判
定し且つ第1の切換手段78が相対的に短い伝熱管77
を選択していることを切換状態検知手段81により検知
した場合は、ポンプ制御手段84により水供給手段とし
てのギアポンプ42による伝熱管76,77への水の供
給量を増やす。
【0140】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より低いと比較判定手段51が判
定し且つ第1の切換手段78が相対的に長い伝熱管76
を選択していることを切換状態検知手段81により検知
した場合は、ポンプ制御手段84により水供給手段とし
てのギアポンプ42による伝熱管76,77への水の供
給量を減らす。
【0141】本実施の形態は、実施の形態1における蓄
熱槽38の代わりに、長さの異なる2つの伝熱管76,
77を備え、第1、第2の切換手段78,79により2
つの伝熱管76,77のうち使用する伝熱管を選択的に
切り換える蓄熱槽75を用い、実施の形態1における過
熱水蒸気の検知温度が設定温度に近づくように水供給手
段42を制御する過熱水蒸気温度制御手段49の代わり
に、過熱水蒸気の検知温度が設定温度に近づくように第
1、第2の切換手段78,79と水供給手段42を制御
する過熱水蒸気温度制御手段80を用いたものであり、
その他の構成は実施の形態1と同一である。
【0142】相対的に短い伝熱管77を選択している場
合は、相対的に長い伝熱管76を選択している場合より
も、水供給手段としてのギアポンプ42により伝熱管に
注がれた水が伝熱管を通過する時間が短くなるため、伝
熱管通過中に伝熱管を介して蓄熱材41から受ける熱量
が小さく、伝熱管通過後の過熱水蒸気の温度を低くする
ことができる。従って、伝熱管76,77の長さを上手
に設定することにより伝熱管通過後の過熱水蒸気の温度
制御幅を大きくすることができる。
【0143】また、本実施の形態では、長さの異なる伝
熱管の本数を2本にしているが、長さの異なる伝熱管の
本数をもっと増やして伝熱管通過後の過熱水蒸気の設定
温度(もしくは設定温度と検知温度との温度差)に応じ
て予め実験等で得た実験データを基に最適の長さの伝熱
管を選択するようにしても構わない。
【0144】以上のように構成された本実施の形態の加
熱装置について以下実施の形態1と異なる過熱水蒸気温
度制御手段80の動作を図7を参照しながら説明する。
【0145】図7は本実施の形態の加熱装置における過
熱水蒸気温度制御手段80の動作を示すフローチャート
である。
【0146】まず、step1で、過熱水蒸気設定温度
記憶手段50が、被加熱物選択手段60により選択され
た被加熱物Fの種類と加熱物量設定手段61により設定
された被加熱物Fの量と加熱モード選択手段62により
選択された加熱モードとに応じて加熱条件設定手段63
が決定(設定)した過熱水蒸気の設定温度を記憶する。
【0147】次にstep2で、切換状態検知手段81
が第1、第2の切換手段78,79の切換状態を検知
し、過熱水蒸気温度検知手段48が蒸気流量調節弁47
よりも伝熱管76,77側で蒸気配管45内の過熱水蒸
気の温度を検知する。
【0148】次にstep3で、比較判定手段51によ
る過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温
度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱
水蒸気の設定温度との比較結果と、切換状態検知手段8
1が検知した第1、第2の切換手段78,79の切換状
態とを基に切換要否判定手段82が第1、第2の切換手
段78,79の切換えの要否を判定し、切換えが必要で
あれば、step3をYes側に分岐してstep4に
進み、切換えが必要でなければ、step3をNo側に
分岐してstep7に進む。
【0149】ここで、切換要否判定手段82は、過熱水
蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度より
所定温度以上高いと比較判定手段51が判定し且つ第1
の切換手段78が相対的に長い伝熱管76を選択してい
ることを切換状態検知手段81により検知した場合は、
相対的に短い伝熱管77を選択するように第1の切換手
段78及び第2の切換手段79を切換弁駆動手段83に
より切り換える必要があると判定する。
【0150】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より所定温度以上低いと比較判定
手段51が判定し且つ第1の切換手段78が相対的に短
い伝熱管77を選択していることを切換状態検知手段8
1により検知した場合は、相対的に長い伝熱管76を選
択するように第1の切換手段78及び第2の切換手段7
9を切換弁駆動手段83により切り換える必要があると
判定する。
【0151】step4では、切換弁駆動手段83によ
り第1、第2の切換手段78,79を切換え、次のst
ep5では、第1、第2の切換手段78,79の切換え
時に計時動作を開始し計時動作開始から所定時間経過後
に計時動作を終了し信号を出力する遅延タイマー85が
信号を出力するまで、所定時間(伝熱管76,77の切
換えにより変動する過熱水蒸気温度がほぼ安定するのに
要する時間)待機した後にstep6に進む。
【0152】step6では、過熱水蒸気温度検知手段
48が蒸気流量調節弁47よりも伝熱管76,77側で
蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を検知してstep
7に進む。
【0153】step7では、比較判定手段51によ
り、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気
温度と、過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された
過熱水蒸気の設定温度とを比較し、検知温度と設定温度
とがほぼ同温度(約5℃〜約15℃の範囲で定められる
所定温度差の範囲内)であれは、step7をYes側
に分岐してstep6に戻り、検知温度と設定温度とが
ほぼ同温度でなく、検知温度が設定温度より低ければ、
step7をNo側に分岐し、次のstep8をNo側
に分岐してstep9に進み、検知温度と設定温度とが
ほぼ同温度でなく、検知温度が設定温度より高ければ、
step7をNo側に分岐し、step8をYes側に
分岐してstep10に進む。
【0154】step9では、伝熱管76もしくは伝熱
管77への水の供給量が所定量減るようにポンプ制御手
段84により水供給手段としてのギアポンプ42の駆動
回転数を所定回転数だけ低くする。そして、その後、s
tep2に戻る。
【0155】step10では、伝熱管76もしくは伝
熱管77への水の供給量が所定量増えるようにポンプ制
御手段84により水供給手段としてのギアポンプ42の
駆動回転数を所定回転数だけ高くする。そして、その
後、step2に戻る。
【0156】以上の動作により、過熱水蒸気温度検知手
段48で検知する過熱水蒸気温度が予め設定され過熱水
蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の設
定温度に近づいていき、やがて、検知温度と設定温度と
がほぼ同温度になる。
【0157】なお、加熱モード選択手段62により加熱
モードが変わった場合は、step1からやり直す。
【0158】なお、step9とstep10の後で、
第1、第2の切換手段78,79を切換える必要が生じ
ないようであれば、step9とstep10の後で、
step2に戻る代わりに、step6に戻るようにし
ても構わない。
【0159】以上のように本実施の形態の加熱装置は、
被加熱物Fを収納する加熱室36と、水を貯める水タン
ク37と、長さの異なる複数(本実施の形態では2つ)
の伝熱管76,77と電気式のヒータ40とを100℃
を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱材41中に埋め込ん
だ蓄熱槽75と、一端が水タンク37の底部に連通し他
端が第1の切換手段(第1の三方切換弁)78を介して
選択的に2つの伝熱管76,77のうちの一つの伝熱管
の一端に接続された水配管43の途中に設けられ水タン
ク37の水を伝熱管39に供給する水供給手段(ギアポ
ンプ)42と、一端が第2の切換手段(第2の三方切換
弁)79を介して2つの伝熱管76,77のうちの第1
の切換手段(第1の三方切換弁)78により選択された
方の伝熱管の他端に接続された蒸気配管45の他端に設
けられ伝熱管76もしくは伝熱管77内で発生した過熱
水蒸気を加熱室36内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段
44と、加熱室36内の圧力が所定圧力を超えないよう
に加熱室36内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を加熱
室36外に排出する圧力調節手段(圧力調節弁)46
と、蒸気配管45の途中に設けられ過熱水蒸気吐出手段
44によって加熱室36内に吐出させる過熱水蒸気の量
を調節する蒸気流量調節弁47と、蒸気流量調節弁47
よりも伝熱管76,77側で蒸気配管45内の過熱水蒸
気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手段48と、加
熱室36内の被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から
吐出する過熱水蒸気により加熱する際に、過熱水蒸気温
度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が予め設定さ
れた過熱水蒸気の設定温度に近づくように、過熱水蒸気
温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が設定温度
より所定温度以上高く且つ第1の切換手段78が相対的
に長い伝熱管76を選択していた場合は、相対的に短い
伝熱管77を選択するように第1の切換手段78及び第
2の切換手段79を切り換え、過熱水蒸気温度検知手段
48で検知した過熱水蒸気温度が設定温度より所定温度
以上低く且つ第1の切換手段78が相対的に短い伝熱管
77を選択していた場合は、相対的に長い伝熱管76を
選択するように第1の切換手段78及び第2の切換手段
79を切り換え、過熱水蒸気温度検知手段48で検知し
た過熱水蒸気温度により第1の切換手段78及び第2の
切換手段79を切り換えた場合は第1の切換手段78及
び第2の切換手段79の切り換えから所定時間経過後に
おいて、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水
蒸気温度が設定温度より高ければ水供給手段(ギアポン
プ)42による伝熱管76もしくは伝熱管77への水の
供給量を増やし、過熱水蒸気温度検知手段48で検知し
た過熱水蒸気温度が設定温度より低ければ水供給手段
(ギアポンプ)42による伝熱管39への水の供給量を
減らす過熱水蒸気温度制御手段80と、加熱室36内の
温度を検知する加熱室温度検知手段53と、加熱室温度
検知手段53で検知した加熱室内温度が予め設定された
加熱室36内の設定温度に近づくように、加熱室温度検
知手段53で検知した加熱室内温度が設定温度より高け
れば蒸気流量調節弁47を閉じる方向に開度を調節し、
加熱室温度検知手段53で検知した加熱室内温度が設定
温度より低ければ蒸気流量調節弁47を開ける方向に開
度を調節する加熱室温制御手段54とから構成されたも
のであり、伝熱管76,77通過後の蒸気配管45内の
過熱水蒸気の温度を、実施の形態1よりも無理なく広範
囲に調節できるので、実施の形態1よりも加熱室36の
室内温度を無理なく広い温度範囲で調節でき、また、加
熱室36内の湿度条件や昇温速度を実施の形態1よりも
変えることが可能となる。
【0160】また、ヒータ40への通電により蓄熱材4
1を加熱して蓄熱槽75に所定量の熱量を蓄えた後は、
過熱水蒸気を得るために電力を使用しないので、この加
熱装置を移動店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量
の蓄電池で済む。
【0161】また、水供給手段42による蓄熱槽75の
伝熱管76,77への水の供給量を調節することによ
り、伝熱管76,77通過後の蒸気配管45内の過熱水
蒸気の温度を調節でき、蒸気配管45に設けた蒸気流量
調節弁47の開度を調節して加熱室36への過熱蒸気の
供給量を調節することにより加熱室36の室内温度を調
節できる。
【0162】また、加熱室36の設定温度に対し、蒸気
配管45内の過熱水蒸気の設定温度を、1対1の関係で
設定せず、1対複数とすると、過熱水蒸気の温度変化に
よる特性変化等を利用して、加熱室36内の湿度条件や
昇温速度を変えることが可能となる。
【0163】また、蒸気配管45内の蒸気の圧力が所定
圧力を超えたとき蒸気配管45内の余分な蒸気を蒸気配
管45外に排出する蒸気排出手段58を備えたことによ
り、水供給手段42と水配管43と伝熱管76,77と
第1、第2の切換手段78,79と蒸気配管45と蒸気
流量調節弁47とが管内の異常高圧によって破損するこ
とを防止し、また、蒸気配管45内の蒸気の圧力が異常
に高圧となって蒸気流量調節弁47の開度のわずかな変
化で加熱室36に供給される過熱水蒸気の量が大きく変
動して、加熱室36内の温度制御が困難になることを未
然に防止できる。
【0164】また、加熱モードを選択する加熱モード選
択手段62と、加熱モード選択手段62により選択され
た加熱モードに応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
する加熱条件設定手段63とを備えたことにより、加熱
モードに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管4
5内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定する
手間が省け、加熱モードを正しく選択できれば、各設定
温度の誤設定を防止できるという効果がある。
【0165】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
種類を選択する被加熱物選択手段60を設けると共に、
加熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類
と選択された加熱モードとに応じて加熱室36内の設定
温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み
合わせを設定するようにしたことにより、被加熱物Fの
種類と加熱モードとに合わせて加熱室36内の設定温度
と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個
別に設定する手間が省け、被加熱物Fの種類と加熱モー
ドとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定を防止
できるという効果がある。
【0166】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
量を設定する加熱物量設定手段61を設けると共に、加
熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類と
設定された被加熱物Fの量と選択された加熱モードとに
応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定するようにした
ことにより、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加熱
モードとに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管
45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定す
る手間が省け、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加
熱モードとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定
を防止できるという効果がある。
【0167】また、加熱モード選択手段62は、最初に
行う第1の加熱モードと第1の加熱モードに続いて行う
第2の加熱モードと第2の加熱モードに続いて行う第3
の加熱モードの選択と第1の加熱モードでの加熱時間と
第2の加熱モードでの加熱時間と第3の加熱モードでの
加熱時間との設定をすることが可能に構成され、加熱モ
ード選択手段62により、第1の加熱モードと第2の加
熱モードと第3の加熱モードの選択と第1の加熱モード
での加熱時間と第2の加熱モードでの加熱時間と第3の
加熱モードでの加熱時間の設定をしたとき、加熱条件設
定手段63は、まず、第1の加熱モードを基に加熱室3
6内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温
度との組み合わせを設定し、第1の加熱モードでの加熱
開始から加熱モード選択手段62で設定された第1の加
熱モードでの加熱時間が経過したとき第2の加熱モード
を基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、第2の加熱
モードでの加熱開始から加熱モード選択手段62で設定
された第2の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第
3の加熱モードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
するように構成したことにより、加熱モードの切り換え
を自動的に行え、加熱モードを途中で切り換える場合に
おいて、切り換えの手間が省けるという効果がある。
【0168】また、加熱室36内の湿度が加熱モードに
応じて予め設定された設定湿度に近づくように加熱室3
6内の湿度を補助的に調節する湿度調節手段59を備え
たことにより、加熱室36の湿度を広範囲にわたって制
御でき、それにより加熱モードを増やすことができ、被
加熱物Fを食材とし、加熱装置を加熱調理装置として用
いる場合に、調理メニューを増やせるという効果があ
る。
【0169】なお、本実施の形態では、加熱モード選択
手段62は3つの加熱モードを連続して選択できるよう
にしているが、3つにする必要はなく、2つでも4つ以
上でも構わない。
【0170】(実施の形態3)次に、本発明の実施の形
態3による加熱装置について図面を参照しながら説明す
るが、実施の形態1または実施の形態2と同一構成につ
いては同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図8は本発明の実施の形態3による加熱装置の構成図で
ある。
【0171】図8において、86は耐熱性、断熱性の容
器で構成された蓄熱槽であり、途中に一対の切換手段
(三方切換弁)87を介してバイパス路88を接続した
伝熱管89と電気式のヒータ40とを100℃を超える
温度での蓄熱が可能な蓄熱材(固体のマグネシアをクリ
ンカ(小片)状にし、マグネシアクリンカの隙間に液体
の硝酸塩を浸透させた固液混合蓄熱材)41中に埋め込
んでいる。40aはヒータ40に通電するときに電力供
給手段(図示せず)に接続するための接続端子である。
【0172】水供給手段としてのギアポンプ42は、一
端が水タンク37の底部に連通し他端が伝熱管89の一
端に接続された水配管43の途中に設けられ水タンク3
7の水を伝熱管89に供給する。
【0173】過熱水蒸気吐出手段44は、一端が伝熱管
89の他端に接続された蒸気配管45の他端に設けられ
伝熱管89内で発生した過熱水蒸気を加熱室36内に吐
出させる。
【0174】90は過熱水蒸気温度制御手段であり、過
熱水蒸気の設定温度を記憶する過熱水蒸気設定温度記憶
手段50と、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過
熱水蒸気温度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶
された過熱水蒸気の設定温度とを比較しどちらの温度が
高いか判定する比較判定手段51と、切換手段87の切
換状態を検知する切換状態検知手段91と、比較判定手
段51の判定結果と切換状態検知手段91の検知結果と
を基に切換手段87の切換の要否を判定する切換要否判
定手段92と、切換要否判定手段92が切換を必要と判
定したとき切換手段87を切り換える切換弁駆動手段9
3と、比較判定手段51と切換要否判定手段92の判定
結果に応じて水供給手段としてのギアポンプ42の回転
数(伝熱管89への水の供給量)を制御するポンプ制御
手段84と、切換弁駆動手段93が切換手段87を切り
換えたときポンプ制御手段84による水供給手段として
のギアポンプ42の回転数(伝熱管89への水の供給
量)の制御を所定時間遅らせるための遅延タイマー94
とからなる。
【0175】遅延タイマー94は切換弁駆動手段93が
切換手段87を切り換えたときに計時動作を開始し計時
動作開始から所定時間経過後に計時動作を終了し信号を
出力する。
【0176】過熱水蒸気温度制御手段90は、加熱室3
6内の被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出す
る過熱水蒸気により加熱する際に、過熱水蒸気温度検知
手段48で検知した過熱水蒸気温度が予め設定され過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の
設定温度に近づくように、切換弁駆動手段93により切
換手段87を切り換え、ポンプ制御手段84により水供
給手段としてのギアポンプ42の回転数(伝熱管89へ
の水の供給量)を制御する。
【0177】過熱水蒸気温度制御手段90は、過熱水蒸
気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過熱水
蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度より所
定温度以上高いと比較判定手段51が判定し且つ切換手
段87によりバイパス路88を閉鎖していることを切換
状態検知手段91により検知した場合は、バイパス路8
8を経由するように切換手段87を切換弁駆動手段93
により切り換える。
【0178】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より所定温度以上低いと比較判定
手段51が判定し且つ切換手段87によりバイパス路8
8を経由させていることを切換状態検知手段91により
検知した場合は、バイパス路88を閉鎖するように切換
手段87を切換弁駆動手段93により切り換える。
【0179】そして、過熱水蒸気温度検知手段48で検
知した過熱水蒸気温度により切換手段87を切換弁駆動
手段93で切り換えた場合は切換手段87の切り換えか
ら遅延タイマー94の計時動作が終了する所定時間経過
後において、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過
熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶
された設定温度より高いと比較判定手段51が判定した
場合は、ポンプ制御手段84により水供給手段としての
ギアポンプ42による伝熱管89への水の供給量を増や
し、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気
温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設
定温度より低いと比較判定手段51が判定した場合は、
ポンプ制御手段84により水供給手段としてのギアポン
プ42による伝熱管89への水の供給量を減らす。
【0180】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より高いと比較判定手段51が判
定し且つ切換手段87がバイパス路88を経由させてい
ることを切換状態検知手段91により検知した場合は、
ポンプ制御手段84により水供給手段としてのギアポン
プ42による伝熱管89への水の供給量を増やす。
【0181】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より低いと比較判定手段51が判
定し且つ切換手段87がバイパス路88を閉鎖している
ことを切換状態検知手段91により検知した場合は、ポ
ンプ制御手段84により水供給手段としてのギアポンプ
42による伝熱管89への水の供給量を減らす。
【0182】本実施の形態は、実施の形態1における蓄
熱槽38の代わりに、途中に一対の切換手段(三方切換
弁)87を介してバイパス路88を接続した伝熱管89
を備え、切換手段87によりバイパス路88を経由させ
るかバイパス路88を閉鎖するかを選択的に切り換える
蓄熱槽86を用い、実施の形態2における過熱水蒸気の
検知温度が設定温度に近づくように第1、第2の切換手
段78,79と水供給手段42を制御する過熱水蒸気温
度制御手段80の代わりに、過熱水蒸気の検知温度が設
定温度に近づくように切換手段87と水供給手段42を
制御する過熱水蒸気温度制御手段90を用いたものであ
り、その他の構成は実施の形態1または実施の形態2と
同一である。
【0183】バイパス路88を経由させている場合は、
バイパス路88を閉鎖させている場合よりも、水供給手
段としてのギアポンプ42により伝熱管89に注がれた
水が伝熱管89を通過する時間が短くなるため、伝熱管
89通過中に伝熱管89を介して蓄熱材41から受ける
熱量が小さく、伝熱管89通過後の過熱水蒸気の温度を
低くすることができる。従って、バイパス路88の接続
位置を上手に設定することにより伝熱管89通過後の過
熱水蒸気の温度制御幅を大きくすることができる。
【0184】また、本実施の形態では、バイパス路88
を一箇所設け実質的な伝熱管89の長さを2通りにして
いるが、バイパス路88を複数箇所設け実質的な伝熱管
89の長さを3通り以上に増やして伝熱管89通過後の
過熱水蒸気の設定温度(もしくは設定温度と検知温度と
の温度差)に応じて予め実験等で得た実験データを基に
バイパス路88を制御し実質的に最適の長さの伝熱管と
なるようにしても構わない。
【0185】以上のように構成された本実施の形態の加
熱装置について以下実施の形態1と異なる過熱水蒸気温
度制御手段90の動作を図9を参照しながら説明する。
【0186】図9は本実施の形態の加熱装置における過
熱水蒸気温度制御手段90の動作を示すフローチャート
である。
【0187】まず、step1で、過熱水蒸気設定温度
記憶手段50が、被加熱物選択手段60により選択され
た被加熱物Fの種類と加熱物量設定手段61により設定
された被加熱物Fの量と加熱モード選択手段62により
選択された加熱モードとに応じて加熱条件設定手段63
が決定(設定)した過熱水蒸気の設定温度を記憶する。
【0188】次にstep2で、切換状態検知手段91
が切換手段87の切換状態を検知し、過熱水蒸気温度検
知手段48が蒸気流量調節弁47よりも伝熱管89側で
蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を検知する。
【0189】次にstep3で、比較判定手段51によ
る過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温
度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱
水蒸気の設定温度との比較結果と、切換状態検知手段9
1が検知した切換手段87の切換状態とを基に切換要否
判定手段92が切換手段87の切換えの要否を判定し、
切換えが必要であれば、step3をYes側に分岐し
てstep4に進み、切換えが必要でなければ、ste
p3をNo側に分岐してstep7に進む。
【0190】ここで、切換要否判定手段92は、過熱水
蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度より
所定温度以上高いと比較判定手段51が判定し且つ切換
手段87がバイパス路88を閉鎖させていることを切換
状態検知手段91により検知した場合は、バイパス路8
8を経由するように切換手段87を切換弁駆動手段93
により切り換える必要があると判定する。
【0191】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より所定温度以上低いと比較判定
手段51が判定し且つ切換手段87がバイパス路88を
経由させていることを切換状態検知手段91により検知
した場合は、バイパス路88を閉鎖するように切換手段
87を切換弁駆動手段93により切り換える必要がある
と判定する。
【0192】step4では、切換弁駆動手段93によ
り切換手段87を切換え、次のstep5では、切換手
段87の切換え時に計時動作を開始し計時動作開始から
所定時間経過後に計時動作を終了し信号を出力する遅延
タイマー94が信号を出力するまで、所定時間(バイパ
ス路88の切換えにより変動する過熱水蒸気温度がほぼ
安定するのに要する時間)待機した後にstep6に進
む。
【0193】step6では、過熱水蒸気温度検知手段
48が蒸気流量調節弁47よりも伝熱管89側で蒸気配
管45内の過熱水蒸気の温度を検知してstep7に進
む。
【0194】step7では、比較判定手段51によ
り、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気
温度と、過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された
過熱水蒸気の設定温度とを比較し、検知温度と設定温度
とがほぼ同温度(約5℃〜約15℃の範囲で定められる
所定温度差の範囲内)であれは、step7をYes側
に分岐してstep6に戻り、検知温度と設定温度とが
ほぼ同温度でなく、検知温度が設定温度より低ければ、
step7をNo側に分岐し、次のstep8をNo側
に分岐してstep9に進み、検知温度と設定温度とが
ほぼ同温度でなく、検知温度が設定温度より高ければ、
step7をNo側に分岐し、step8をYes側に
分岐してstep10に進む。
【0195】step9では、伝熱管89への水の供給
量が所定量減るようにポンプ制御手段84により水供給
手段としてのギアポンプ42の駆動回転数を所定回転数
だけ低くする。そして、その後、step2に戻る。
【0196】step10では、伝熱管89への水の供
給量が所定量増えるようにポンプ制御手段84により水
供給手段としてのギアポンプ42の駆動回転数を所定回
転数だけ高くする。そして、その後、step2に戻
る。
【0197】以上の動作により、過熱水蒸気温度検知手
段48で検知する過熱水蒸気温度が予め設定され過熱水
蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の設
定温度に近づいていき、やがて、検知温度と設定温度と
がほぼ同温度になる。
【0198】なお、加熱モード選択手段62により加熱
モードが変わった場合は、step1からやり直す。
【0199】なお、step9とstep10の後で、
バイパス路88を切換える必要が生じないようであれ
ば、step9とstep10の後で、step2に戻
る代わりに、step6に戻るようにしても構わない。
【0200】以上のように本実施の形態の加熱装置は、
被加熱物Fを収納する加熱室36と、水を貯める水タン
ク37と、途中に一対の切換手段(三方切換弁)87を
介してバイパス路88を接続した伝熱管89と電気式の
ヒータ40とを100℃を超える温度での蓄熱が可能な
蓄熱材41中に埋め込んだ蓄熱槽86と、一端が水タン
ク37の底部に連通し他端が伝熱管89の一端に接続さ
れた水配管43の途中に設けられ水タンク37の水を伝
熱管39に供給する水供給手段(ギアポンプ)42と、
一端が伝熱管89の他端に接続された蒸気配管45の他
端に設けられ伝熱管89内で発生した過熱水蒸気を加熱
室36内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段44と、加熱
室36内の圧力が所定圧力を超えないように加熱室36
内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を加熱室36外に排
出する圧力調節手段(圧力調節弁)46と、蒸気配管4
5の途中に設けられ過熱水蒸気吐出手段44によって加
熱室36内に吐出させる過熱水蒸気の量を調節する蒸気
流量調節弁47と、蒸気流量調節弁47よりも伝熱管8
9側で蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を検知する過
熱水蒸気温度検知手段48と、加熱室36内の被加熱物
Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出する過熱水蒸気に
より加熱する際に、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が予め設定された過熱水蒸気の設定
温度に近づくように、過熱水蒸気温度検知手段48で検
知した過熱水蒸気温度が設定温度より所定温度以上高く
且つ切換手段87によりバイパス路88を閉鎖していた
場合は、バイパス路88を経由するように切換手段87
を切り換え、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過
熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶
された設定温度より所定温度以上低く且つ切換手段87
によりバイパス路88を経由させていた場合は、バイパ
ス路88を閉鎖するように切換手段87を切り換え、過
熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度に
より切換手段87を切換弁駆動手段93で切り換えた場
合は切換手段87の切り換えから所定時間経過後におい
て、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気
温度が設定温度より高ければポンプ制御手段84により
水供給手段(ギアポンプ)42による伝熱管89への水
の供給量を増やし、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が設定温度より低ければポンプ制御
手段84により水供給手段(ギアポンプ)42による伝
熱管89への水の供給量を減らす過熱水蒸気温度制御手
段90と、加熱室36内の温度を検知する加熱室温度検
知手段53と、加熱室温度検知手段53で検知した加熱
室内温度が予め設定された加熱室36内の設定温度に近
づくように、加熱室温度検知手段53で検知した加熱室
内温度が設定温度より高ければ蒸気流量調節弁47を閉
じる方向に開度を調節し、加熱室温度検知手段53で検
知した加熱室内温度が設定温度より低ければ蒸気流量調
節弁47を開ける方向に開度を調節する加熱室温制御手
段54とから構成されたものであり、伝熱管89通過後
の蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を、実施の形態1
よりも無理なく広範囲に調節できるので、実施の形態1
よりも加熱室36の室内温度を無理なく広い温度範囲で
調節でき、また、加熱室36内の湿度条件や昇温速度を
実施の形態1よりも変えることが可能となる。
【0201】また、ヒータ40への通電により蓄熱材4
1を加熱して蓄熱槽86に所定量の熱量を蓄えた後は、
過熱水蒸気を得るために電力を使用しないので、この加
熱装置を移動店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量
の蓄電池で済む。
【0202】また、水供給手段42による蓄熱槽86の
伝熱管89への水の供給量を調節することにより、伝熱
管89通過後の蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を調
節でき、蒸気配管45に設けた蒸気流量調節弁47の開
度を調節して加熱室36への過熱蒸気の供給量を調節す
ることにより加熱室36の室内温度を調節できる。
【0203】また、加熱室36の設定温度に対し、蒸気
配管45内の過熱水蒸気の設定温度を、1対1の関係で
設定せず、1対複数とすると、過熱水蒸気の温度変化に
よる特性変化等を利用して、加熱室36内の湿度条件や
昇温速度を変えることが可能となる。
【0204】また、蒸気配管45内の蒸気の圧力が所定
圧力を超えたとき蒸気配管45内の余分な蒸気を蒸気配
管45外に排出する蒸気排出手段58を備えたことによ
り、水供給手段42と水配管43と伝熱管89と切換手
段(三方切換弁)87とバイパス路88と蒸気配管45
と蒸気流量調節弁47とが管内の異常高圧によって破損
することを防止し、また、蒸気配管45内の蒸気の圧力
が異常に高圧となって蒸気流量調節弁47の開度のわず
かな変化で加熱室36に供給される過熱水蒸気の量が大
きく変動して、加熱室36内の温度制御が困難になるこ
とを未然に防止できる。
【0205】また、加熱モードを選択する加熱モード選
択手段62と、加熱モード選択手段62により選択され
た加熱モードに応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
する加熱条件設定手段63とを備えたことにより、加熱
モードに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管4
5内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定する
手間が省け、加熱モードを正しく選択できれば、各設定
温度の誤設定を防止できるという効果がある。
【0206】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
種類を選択する被加熱物選択手段60を設けると共に、
加熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類
と選択された加熱モードとに応じて加熱室36内の設定
温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み
合わせを設定するようにしたことにより、被加熱物Fの
種類と加熱モードとに合わせて加熱室36内の設定温度
と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個
別に設定する手間が省け、被加熱物Fの種類と加熱モー
ドとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定を防止
できるという効果がある。
【0207】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
量を設定する加熱物量設定手段61を設けると共に、加
熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類と
設定された被加熱物Fの量と選択された加熱モードとに
応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定するようにした
ことにより、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加熱
モードとに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管
45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定す
る手間が省け、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加
熱モードとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定
を防止できるという効果がある。
【0208】また、加熱モード選択手段62は、最初に
行う第1の加熱モードと第1の加熱モードに続いて行う
第2の加熱モードと第2の加熱モードに続いて行う第3
の加熱モードの選択と第1の加熱モードでの加熱時間と
第2の加熱モードでの加熱時間と第3の加熱モードでの
加熱時間との設定をすることが可能に構成され、加熱モ
ード選択手段62により、第1の加熱モードと第2の加
熱モードと第3の加熱モードの選択と第1の加熱モード
での加熱時間と第2の加熱モードでの加熱時間と第3の
加熱モードでの加熱時間の設定をしたとき、加熱条件設
定手段63は、まず、第1の加熱モードを基に加熱室3
6内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温
度との組み合わせを設定し、第1の加熱モードでの加熱
開始から加熱モード選択手段62で設定された第1の加
熱モードでの加熱時間が経過したとき第2の加熱モード
を基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、第2の加熱
モードでの加熱開始から加熱モード選択手段62で設定
された第2の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第
3の加熱モードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
するように構成したことにより、加熱モードの切り換え
を自動的に行え、加熱モードを途中で切り換える場合に
おいて、切り換えの手間が省けるという効果がある。
【0209】また、加熱室36内の湿度が加熱モードに
応じて予め設定された設定湿度に近づくように加熱室3
6内の湿度を補助的に調節する湿度調節手段59を備え
たことにより、加熱室36の湿度を広範囲にわたって制
御でき、それにより加熱モードを増やすことができ、被
加熱物Fを食材とし、加熱装置を加熱調理装置として用
いる場合に、調理メニューを増やせるという効果があ
る。
【0210】なお、本実施の形態では、加熱モード選択
手段62は3つの加熱モードを連続して選択できるよう
にしているが、3つにする必要はなく、2つでも4つ以
上でも構わない。
【0211】(実施の形態4)次に、本発明の実施の形
態4による加熱装置について図面を参照しながら説明す
るが、実施の形態1から実施の形態3と同一構成につい
ては同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。図
10は本発明の実施の形態4による加熱装置の構成図で
ある。
【0212】図10において、95は耐熱性、断熱性の
容器で構成された蓄熱槽であり、伝熱管96と電気式の
ヒータ97とを100℃を超える温度での蓄熱が可能な
蓄熱材(固体のマグネシアをクリンカ(小片)状にし、
マグネシアクリンカの隙間に液体の硝酸塩を浸透させた
固液混合蓄熱材)98中に埋め込んでいる。97aはヒ
ータ97に通電するときに電力供給手段(図示せず)に
接続するための接続端子である。99は蓄熱槽95内の
蓄熱材98の温度を検知する蓄熱材温度検知手段であ
り、蓄熱槽95内の蓄熱材98中に埋め込んでいる。
【0213】100は耐熱性、断熱性の容器で構成され
た蓄熱槽であり、伝熱管101と電気式のヒータ102
とを100℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱材(固
体のマグネシアをクリンカ(小片)状にし、マグネシア
クリンカの隙間に液体の硝酸塩を浸透させた固液混合蓄
熱材)103中に埋め込んでいる。102aはヒータ1
02に通電するときに電力供給手段(図示せず)に接続
するための接続端子である。104は蓄熱槽100内の
蓄熱材103の温度を検知する蓄熱材温度検知手段であ
り、蓄熱槽100内の蓄熱材103中に埋め込んでい
る。
【0214】105は第1の切換手段としての第1の三
方切換弁であり、水供給手段としてのギアポンプ42
は、一端が水タンク37の底部に連通し他端が第1の切
換手段(第1の三方切換弁)105を介して選択的に2
つの蓄熱槽95,100のうちの一つの蓄熱槽95(ま
たは蓄熱槽100)の伝熱管96(または伝熱管10
1)の一端に接続された水配管43の途中に設けられ水
タンク37の水を伝熱管96(または伝熱管101)に
供給する。
【0215】106は第2の切換手段としての第2の三
方切換弁であり、過熱水蒸気吐出手段44は、一端が第
2の切換手段(第2の三方切換弁)106を介して2つ
の蓄熱槽95,100のうちの第1の切換手段(第1の
三方切換弁)105により選択された方の蓄熱槽95
(または蓄熱槽100)の伝熱管96(または伝熱管1
01)の他端に接続された蒸気配管45の他端に設けら
れ伝熱管96(または伝熱管101)内で発生した過熱
水蒸気を加熱室36内に吐出させる。
【0216】107は過熱水蒸気温度制御手段であり、
過熱水蒸気の設定温度を記憶する過熱水蒸気設定温度記
憶手段50と、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した
過熱水蒸気温度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記
憶された過熱水蒸気の設定温度とを比較しどちらの温度
が高いか判定する比較判定手段51と、第1、第2の切
換手段105,106の切換状態を検知する切換状態検
知手段108と、蓄熱材温度検知手段99により検知し
た蓄熱材98の温度と蓄熱材温度検知手段104により
検知した蓄熱材103の温度とを比較しどちらの温度が
高いか判定する温度比較判定手段109と、比較判定手
段51の判定結果と切換状態検知手段108の検知結果
と温度比較判定手段109の判定結果とを基に第1、第
2の切換手段105,106の切換の要否を判定する切
換要否判定手段110と、切換要否判定手段110が切
換を必要と判定したとき第1、第2の切換手段105,
106を切り換える切換弁駆動手段111と、比較判定
手段51と切換要否判定手段110の判定結果に応じて
水供給手段としてのギアポンプ42の回転数(伝熱管9
6(または伝熱管101)への水の供給量)を制御する
ポンプ制御手段112と、切換弁駆動手段111が第
1、第2の切換手段105,106を切り換えたときポ
ンプ制御手段112による水供給手段としてのギアポン
プ42の回転数(伝熱管96(または伝熱管101)へ
の水の供給量)の制御を所定時間遅らせるための遅延タ
イマー113とからなる。
【0217】遅延タイマー113は切換弁駆動手段11
1が第1、第2の切換手段105,106を切り換えた
ときに計時動作を開始し計時動作開始から所定時間経過
後に計時動作を終了し信号を出力する。
【0218】過熱水蒸気温度制御手段107は、加熱室
36内の被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出
する過熱水蒸気により加熱する際に、過熱水蒸気温度検
知手段48で検知した過熱水蒸気温度が予め設定され過
熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気
の設定温度に近づくように、切換弁駆動手段111によ
り第1、第2の切換手段105,106を切り換え、ポ
ンプ制御手段112により水供給手段としてのギアポン
プ42の回転数(伝熱管96(または伝熱管101)へ
の水の供給量)を制御する。
【0219】過熱水蒸気温度制御手段107は、過熱水
蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過熱
水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度より
所定温度以上高いと比較判定手段51が判定し且つ2つ
の蓄熱槽95,100のうち温度比較判定手段109に
より蓄熱材温度検知手段99,104の検知した蓄熱材
98,103の温度が相対的に高いと判定された方の蓄
熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96(または
伝熱管101)を選択していることを切換状態検知手段
108により検知した場合は、2つの蓄熱槽95,10
0のうち温度比較判定手段109により蓄熱材温度検知
手段99,104の検知した蓄熱材98,103の温度
が相対的に低いと判定された方の蓄熱槽95(または蓄
熱槽100)の伝熱管96(または伝熱管101)を選
択するように第1の切換手段105及び第2の切換手段
106を切換弁駆動手段111により切り換える。
【0220】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より所定温度以上低いと比較判定
手段51が判定し且つ2つの蓄熱槽95,100のうち
温度比較判定手段109により蓄熱材温度検知手段9
9,104の検知した蓄熱材98,103の温度が相対
的に低いと判定された方の蓄熱槽95(または蓄熱槽1
00)の伝熱管96(または伝熱管101)を選択して
いることを切換状態検知手段108により検知した場合
は、2つの蓄熱槽95,100のうち温度比較判定手段
109により蓄熱材温度検知手段99,104の検知し
た蓄熱材98,103の温度が相対的に高いと判定され
た方の蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96
(または伝熱管101)を選択するように第1の切換手
段105及び第2の切換手段106を切換弁駆動手段1
11により切り換える。
【0221】そして、過熱水蒸気温度検知手段48で検
知した過熱水蒸気温度により第1の切換手段105及び
第2の切換手段106を切換弁駆動手段111で切り換
えた場合は第1の切換手段105及び第2の切換手段1
06の切り換えから遅延タイマー113の計時動作が終
了する所定時間経過後において、過熱水蒸気温度検知手
段48で検知した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度
記憶手段50に記憶された設定温度より高いと比較判定
手段51が判定した場合は、ポンプ制御手段112によ
り水供給手段としてのギアポンプ42による伝熱管96
(または伝熱管101)への水の供給量を増やし、過熱
水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過
熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度よ
り低いと比較判定手段51が判定した場合は、ポンプ制
御手段112により水供給手段としてのギアポンプ42
による伝熱管96(または伝熱管101)への水の供給
量を減らす。
【0222】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より高いと比較判定手段51が判
定し且つ2つの蓄熱槽95,100のうち温度比較判定
手段109により蓄熱材温度検知手段99,104の検
知した蓄熱材98,103の温度が相対的に低いと判定
された方の蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管
96(または伝熱管101)を選択していることを切換
状態検知手段108により検知した場合は、ポンプ制御
手段112により水供給手段としてのギアポンプ42に
よる伝熱管96(または伝熱管101)への水の供給量
を増やす。
【0223】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より低いと比較判定手段51が判
定し且つ2つの蓄熱槽95,100のうち温度比較判定
手段109により蓄熱材温度検知手段99,104の検
知した蓄熱材98,103の温度が相対的に高いと判定
された方の蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管
96(または伝熱管101)を選択していることを切換
状態検知手段108により検知した場合は、ポンプ制御
手段112により水供給手段としてのギアポンプ42に
よる伝熱管96(または伝熱管101)への水の供給量
を減らす。
【0224】本実施の形態は、実施の形態1と同様の構
成の蓄熱槽を複数(2つ)設け、2つの蓄熱槽95,1
00のうち使用する蓄熱槽95(または蓄熱槽100)
を第1、第2の切換手段105,106により選択でき
るように構成するとともに、各蓄熱槽95,100に蓄
熱材98,103の温度を検知する蓄熱材温度検知手段
99,104を設け、実施の形態2における過熱水蒸気
の検知温度が設定温度に近づくように第1、第2の切換
手段78,79と水供給手段42を制御する過熱水蒸気
温度制御手段80の代わりに、過熱水蒸気の検知温度が
設定温度に近づくように第1、第2の切換手段105,
106と水供給手段42を制御する過熱水蒸気温度制御
手段107を用いたものであり、その他の構成は実施の
形態1または実施の形態2と同一である。
【0225】相対的に蓄熱材98,103の温度が低い
方の蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96
(または伝熱管101)を選択している場合は、相対的
に蓄熱材98,103の温度が高い方の蓄熱槽95(ま
たは蓄熱槽100)の伝熱管96(または伝熱管10
1)を選択している場合よりも、伝熱管通過中に伝熱管
を介して蓄熱材から受ける熱量が小さく、伝熱管通過後
の過熱水蒸気の温度を低くすることができる。従って、
2つの蓄熱槽95,100の蓄熱材98,103に温度
差がある場合は、その温度差を上手に利用することによ
り伝熱管通過後の過熱水蒸気の温度制御幅を大きくする
ことができる。
【0226】なお、本実施の形態では、蓄熱槽を2つに
したが、蓄熱槽を3つ以上にしても構わないことは言う
までもない。
【0227】また、本実施の形態では、複数の蓄熱槽9
5,100において、蓄熱材98,103の温度(また
は複数の蓄熱槽95,100における蓄熱材98,10
3の温度差)が、予め分かっていないことを想定して、
蓄熱材温度検知手段99,104と温度比較判定手段1
09とを設けたのである。
【0228】しかし、ヒータ97,102による蓄熱材
98,103の加熱条件または蓄熱材98,103の条
件(蓄熱材の材質等)または伝熱管の条件(伝熱管の長
さ等)に予め差をつけるなどして、複数の蓄熱槽95,
100において加熱能力に差をつけておく(複数の蓄熱
槽95,100において、どちらが温度の高い過熱水蒸
気を得ることができるか分かる)場合は、蓄熱材温度検
知手段99,104と温度比較判定手段109とを省略
でき、複数の蓄熱槽95,100において加熱能力の差
を大きく設定しておくことにより、伝熱管通過後の過熱
水蒸気の温度制御幅を大きくすることができる。
【0229】この場合は、切換状態検知手段108によ
り温度の高い過熱水蒸気を得ることができる蓄熱槽を選
択しているかどうか判断でき、切換要否判定手段110
は比較判定手段51の判定結果と切換状態検知手段10
8の検知結果とを基に第1、第2の切換手段105,1
06の切換の要否を判定する。
【0230】以上のように構成された本実施の形態の加
熱装置について以下実施の形態1と異なる過熱水蒸気温
度制御手段107の動作を図11を参照しながら説明す
る。
【0231】図11は本実施の形態の加熱装置における
過熱水蒸気温度制御手段107の動作を示すフローチャ
ートである。
【0232】まず、step1で、過熱水蒸気設定温度
記憶手段50が、被加熱物選択手段60により選択され
た被加熱物Fの種類と加熱物量設定手段61により設定
された被加熱物Fの量と加熱モード選択手段62により
選択された加熱モードとに応じて加熱条件設定手段63
が決定(設定)した過熱水蒸気の設定温度を記憶する。
【0233】次にstep2で、切換状態検知手段10
8が第1、第2の切換手段105,106の切換状態を
検知し、過熱水蒸気温度検知手段48が蒸気流量調節弁
47よりも伝熱管96(または伝熱管101)側で蒸気
配管45内の過熱水蒸気の温度を検知し、蓄熱材温度検
知手段99,104が蓄熱槽95,100内の蓄熱材9
8,103の温度を検知する。
【0234】次にstep3で、比較判定手段51によ
る過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温
度と過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱
水蒸気の設定温度との比較結果と、温度比較判定手段1
09による蓄熱材温度検知手段99,104の検知温度
の比較結果と、切換状態検知手段108が検知した第
1、第2の切換手段105,106の切換状態とを基に
切換要否判定手段110が第1、第2の切換手段10
5,106の切換えの要否を判定し、切換えが必要であ
れば、step3をYes側に分岐してstep4に進
み、切換えが必要でなければ、step3をNo側に分
岐してstep7に進む。
【0235】ここで、切換要否判定手段110は、過熱
水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が過
熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された設定温度よ
り所定温度以上高いと比較判定手段51が判定し且つ2
つの蓄熱槽95,100のうち温度比較判定手段109
により蓄熱材温度検知手段99,104の検知した蓄熱
材98,103の温度が相対的に高いと判定された方の
蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96(また
は伝熱管101)を選択していることを切換状態検知手
段108により検知した場合は、2つの蓄熱槽95,1
00のうち温度比較判定手段109により蓄熱材温度検
知手段99,104の検知した蓄熱材98,103の温
度が相対的に低いと判定された方の蓄熱槽95(または
蓄熱槽100)の伝熱管96(または伝熱管101)を
選択するように第1の切換手段105及び第2の切換手
段106を切換弁駆動手段111により切り換える必要
があると判定する。
【0236】また、過熱水蒸気温度検知手段48で検知
した過熱水蒸気温度が過熱水蒸気設定温度記憶手段50
に記憶された設定温度より所定温度以上低いと比較判定
手段51が判定し且つ2つの蓄熱槽95,100のうち
温度比較判定手段109により蓄熱材温度検知手段9
9,104の検知した蓄熱材98,103の温度が相対
的に低いと判定された方の蓄熱槽95(または蓄熱槽1
00)の伝熱管96(または伝熱管101)を選択して
いることを切換状態検知手段108により検知した場合
は、2つの蓄熱槽95,100のうち温度比較判定手段
109により蓄熱材温度検知手段99,104の検知し
た蓄熱材98,103の温度が相対的に高いと判定され
た方の蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96
(または伝熱管101)を選択するように第1の切換手
段105及び第2の切換手段106を切換弁駆動手段1
11により切り換える必要があると判定する。
【0237】step4では、切換弁駆動手段111に
より第1、第2の切換手段105,106を切換え、次
のstep5では、第1、第2の切換手段105,10
6の切換え時に計時動作を開始し計時動作開始から所定
時間経過後に計時動作を終了し信号を出力する遅延タイ
マー113が信号を出力するまで、所定時間(伝熱管9
6,101の切換えにより変動する過熱水蒸気温度がほ
ぼ安定するのに要する時間)待機した後にstep6に
進む。
【0238】step6では、過熱水蒸気温度検知手段
48が蒸気流量調節弁47よりも伝熱管96(または伝
熱管101)側で蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を
検知してstep7に進む。
【0239】step7では、比較判定手段51によ
り、過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気
温度と、過熱水蒸気設定温度記憶手段50に記憶された
過熱水蒸気の設定温度とを比較し、検知温度と設定温度
とがほぼ同温度(約5℃〜約15℃の範囲で定められる
所定温度差の範囲内)であれは、step7をYes側
に分岐してstep6に戻り、検知温度と設定温度とが
ほぼ同温度でなく、検知温度が設定温度より低ければ、
step7をNo側に分岐し、次のstep8をNo側
に分岐してstep9に進み、検知温度と設定温度とが
ほぼ同温度でなく、検知温度が設定温度より高ければ、
step7をNo側に分岐し、step8をYes側に
分岐してstep10に進む。
【0240】step9では、伝熱管96もしくは伝熱
管101への水の供給量が所定量減るようにポンプ制御
手段112により水供給手段としてのギアポンプ42の
駆動回転数を所定回転数だけ低くする。そして、その
後、step2に戻る。
【0241】step10では、伝熱管96もしくは伝
熱管101への水の供給量が所定量増えるようにポンプ
制御手段112により水供給手段としてのギアポンプ4
2の駆動回転数を所定回転数だけ高くする。そして、そ
の後、step2に戻る。
【0242】以上の動作により、過熱水蒸気温度検知手
段48で検知する過熱水蒸気温度が予め設定され過熱水
蒸気設定温度記憶手段50に記憶された過熱水蒸気の設
定温度に近づいていき、やがて、検知温度と設定温度と
がほぼ同温度になる。
【0243】なお、加熱モード選択手段62により加熱
モードが変わった場合は、step1からやり直す。
【0244】なお、step9とstep10の後で、
第1、第2の切換手段105,106を切換える必要が
生じないようであれば、step9とstep10の後
で、step2に戻る代わりに、step6に戻るよう
にしても構わない。
【0245】以上のように本実施の形態の加熱装置は、
被加熱物Fを収納する加熱室36と、水を貯める水タン
ク37と、伝熱管96と電気式のヒータ97とを100
℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱材98中に埋め込
んだ蓄熱槽95と、伝熱管101と電気式のヒータ10
2とを100℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱材1
03中に埋め込んだ蓄熱槽100と、一端が水タンク3
7の底部に連通し他端が第1の切換手段(第1の三方切
換弁)105を介して選択的に2つの蓄熱槽95,10
0のうちの一つの蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の
伝熱管96(または伝熱管101)の一端に接続された
水配管43の途中に設けられ水タンク37の水を伝熱管
96(または伝熱管101)に供給する水供給手段(ギ
アポンプ)42と、一端が第2の切換手段(第2の三方
切換弁)106を介して2つの蓄熱槽95,100のう
ちの第1の切換手段(第1の三方切換弁)105により
選択された方の蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝
熱管96(または伝熱管101)の他端に接続された蒸
気配管45の他端に設けられ伝熱管96(または伝熱管
101)内で発生した過熱水蒸気を加熱室36内に吐出
させる過熱水蒸気吐出手段44と、加熱室36内の圧力
が所定圧力を超えないように加熱室36内の余分な空気
もしくは過熱水蒸気を加熱室36外に排出する圧力調節
手段(圧力調節弁)46と、蒸気配管45の途中に設け
られ過熱水蒸気吐出手段44によって加熱室36内に吐
出させる過熱水蒸気の量を調節する蒸気流量調節弁47
と、蒸気流量調節弁47よりも伝熱管96(または伝熱
管101)側で蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を検
知する過熱水蒸気温度検知手段48と、加熱室36内の
被加熱物Fを過熱水蒸気吐出手段44から吐出する過熱
水蒸気により加熱する際に、過熱水蒸気温度検知手段4
8で検知した過熱水蒸気温度が予め設定された過熱水蒸
気の設定温度に近づくように、過熱水蒸気温度検知手段
48で検知した過熱水蒸気温度が設定温度より所定温度
以上高く且つ第1の切換手段105が蓄熱材温度検知手
段99,104により検知した蓄熱材98,103の温
度が相対的に高い方の蓄熱槽95(または蓄熱槽10
0)の伝熱管96(または伝熱管101)を選択してい
た場合は、蓄熱材温度検知手段99,104により検知
した蓄熱材98,103の温度が相対的に低い方の蓄熱
槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96(または伝
熱管101)を選択するように第1の切換手段105及
び第2の切換手段106を切り換え、過熱水蒸気温度検
知手段48で検知した過熱水蒸気温度が設定温度より所
定温度以上低く且つ第1の切換手段105が蓄熱材温度
検知手段99,104により検知した蓄熱材98,10
3の温度が相対的に低い方の蓄熱槽95(または蓄熱槽
100)の伝熱管96(または伝熱管101)を選択し
ていた場合は、蓄熱材温度検知手段99,104により
検知した蓄熱材98,103の温度が相対的に高い方の
蓄熱槽95(または蓄熱槽100)の伝熱管96(また
は伝熱管101)を選択するように第1の切換手段10
5及び第2の切換手段106を切り換え、過熱水蒸気温
度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度により第1の
切換手段105及び第2の切換手段106を切り換えた
場合は第1の切換手段105及び第2の切換手段106
の切り換えから所定時間経過後において、過熱水蒸気温
度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度が設定温度よ
り高ければ水供給手段(ギアポンプ)42による伝熱管
96(または伝熱管101)への水の供給量を増やし、
過熱水蒸気温度検知手段48で検知した過熱水蒸気温度
が設定温度より低ければ水供給手段(ギアポンプ)42
による伝熱管96(または伝熱管101)への水の供給
量を減らす過熱水蒸気温度制御手段と107と、加熱室
36内の温度を検知する加熱室温度検知手段53と、加
熱室温度検知手段53で検知した加熱室内温度が予め設
定された加熱室36内の設定温度に近づくように、加熱
室温度検知手段53で検知した加熱室内温度が設定温度
より高ければ蒸気流量調節弁47を閉じる方向に開度を
調節し、加熱室温度検知手段53で検知した加熱室内温
度が設定温度より低ければ蒸気流量調節弁47を開ける
方向に開度を調節する加熱室温制御手段54とから構成
されたものであり、伝熱管96(または伝熱管101)
通過後の蒸気配管45内の過熱水蒸気の温度を、実施の
形態1よりも無理なく広範囲に調節できるので、実施の
形態1よりも加熱室36の室内温度を無理なく広い温度
範囲で調節でき、また、加熱室36内の湿度条件や昇温
速度を実施の形態1よりも変えることが可能となる。
【0246】また、ヒータ97,102への通電により
蓄熱材98,103を加熱して蓄熱槽95,100に所
定量の熱量を蓄えた後は、過熱水蒸気を得るために電力
を使用しないので、この加熱装置を移動店舗に使用する
場合、従来に較べ、小容量の蓄電池で済む。
【0247】また、水供給手段42による蓄熱槽95,
100の伝熱管96,101への水の供給量を調節する
ことにより、伝熱管96,101通過後の蒸気配管45
内の過熱水蒸気の温度を調節でき、蒸気配管45に設け
た蒸気流量調節弁47の開度を調節して加熱室36への
過熱蒸気の供給量を調節することにより加熱室36の室
内温度を調節できる。
【0248】また、加熱室36の設定温度に対し、蒸気
配管45内の過熱水蒸気の設定温度を、1対1の関係で
設定せず、1対複数とすると、過熱水蒸気の温度変化に
よる特性変化等を利用して、加熱室36内の湿度条件や
昇温速度を変えることが可能となる。
【0249】また、蒸気配管45内の蒸気の圧力が所定
圧力を超えたとき蒸気配管45内の余分な蒸気を蒸気配
管45外に排出する蒸気排出手段58を備えたことによ
り、水供給手段42と水配管43と伝熱管96,101
と第1、第2の切換手段(三方切換弁)105,106
と蒸気配管45と蒸気流量調節弁47とが管内の異常高
圧によって破損することを防止し、また、蒸気配管45
内の蒸気の圧力が異常に高圧となって蒸気流量調節弁4
7の開度のわずかな変化で加熱室36に供給される過熱
水蒸気の量が大きく変動して、加熱室36内の温度制御
が困難になることを未然に防止できる。
【0250】また、加熱モードを選択する加熱モード選
択手段62と、加熱モード選択手段62により選択され
た加熱モードに応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
する加熱条件設定手段63とを備えたことにより、加熱
モードに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管4
5内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定する
手間が省け、加熱モードを正しく選択できれば、各設定
温度の誤設定を防止できるという効果がある。
【0251】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
種類を選択する被加熱物選択手段60を設けると共に、
加熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類
と選択された加熱モードとに応じて加熱室36内の設定
温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み
合わせを設定するようにしたことにより、被加熱物Fの
種類と加熱モードとに合わせて加熱室36内の設定温度
と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個
別に設定する手間が省け、被加熱物Fの種類と加熱モー
ドとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定を防止
できるという効果がある。
【0252】また、加熱室36に収納する被加熱物Fの
量を設定する加熱物量設定手段61を設けると共に、加
熱条件設定手段63が、選択された被加熱物Fの種類と
設定された被加熱物Fの量と選択された加熱モードとに
応じて加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定するようにした
ことにより、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加熱
モードとに合わせて加熱室36内の設定温度と蒸気配管
45内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に設定す
る手間が省け、被加熱物Fの種類と被加熱物Fの量と加
熱モードとを正しく選択できれば、各設定温度の誤設定
を防止できるという効果がある。
【0253】また、加熱モード選択手段62は、最初に
行う第1の加熱モードと第1の加熱モードに続いて行う
第2の加熱モードと第2の加熱モードに続いて行う第3
の加熱モードの選択と第1の加熱モードでの加熱時間と
第2の加熱モードでの加熱時間と第3の加熱モードでの
加熱時間との設定をすることが可能に構成され、加熱モ
ード選択手段62により、第1の加熱モードと第2の加
熱モードと第3の加熱モードの選択と第1の加熱モード
での加熱時間と第2の加熱モードでの加熱時間と第3の
加熱モードでの加熱時間の設定をしたとき、加熱条件設
定手段63は、まず、第1の加熱モードを基に加熱室3
6内の設定温度と蒸気配管45内の過熱水蒸気の設定温
度との組み合わせを設定し、第1の加熱モードでの加熱
開始から加熱モード選択手段62で設定された第1の加
熱モードでの加熱時間が経過したとき第2の加熱モード
を基に加熱室36内の設定温度と蒸気配管45内の過熱
水蒸気の設定温度との組み合わせを設定し、第2の加熱
モードでの加熱開始から加熱モード選択手段62で設定
された第2の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第
3の加熱モードを基に加熱室36内の設定温度と蒸気配
管45内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定
するように構成したことにより、加熱モードの切り換え
を自動的に行え、加熱モードを途中で切り換える場合に
おいて、切り換えの手間が省けるという効果がある。
【0254】また、加熱室36内の湿度が加熱モードに
応じて予め設定された設定湿度に近づくように加熱室3
6内の湿度を補助的に調節する湿度調節手段59を備え
たことにより、加熱室36の湿度を広範囲にわたって制
御でき、それにより加熱モードを増やすことができ、被
加熱物Fを食材とし、加熱装置を加熱調理装置として用
いる場合に、調理メニューを増やせるという効果があ
る。
【0255】なお、本実施の形態では、加熱モード選択
手段62は3つの加熱モードを連続して選択できるよう
にしているが、3つにする必要はなく、2つでも4つ以
上でも構わない。
【0256】なお、本実施の形態において、第1、第2
の切換手段(三方切換弁)105,106を手動で強制
的に切り換えるように構成すれば、加熱能力の低下した
方の蓄熱槽のヒータを通電して熱を蓄えているの間に、
加熱能力が充分に残っている方の蓄熱槽を強制的に使用
することができ、長時間に亘る連続加熱(加熱調理)が
可能となる。また、蓄熱槽を着脱自在に接続すれば、加
熱能力の低下した方の蓄熱槽を加熱装置から外してその
ヒータを通電して熱を蓄えているの間に、加熱能力が充
分に残っている方の蓄熱槽を強制的に使用し、加熱装置
から外した蓄熱槽の蓄熱材のヒータの通電による蓄熱運
転が終了したときに再び加熱装置に接続することができ
る。
【0257】また、蓄熱槽を複数使用することにより、
1つの蓄熱槽を使用する場合より加熱(加熱調理)時間
を長くすることができる。
【0258】また、複数の蓄熱槽を順番にヒータを通電
して熱を蓄えるようにすれば、複数の蓄熱槽において蓄
熱材の温度に差をつけることが可能となる。
【0259】また、蓄熱材温度検知手段により検知した
蓄熱槽の蓄熱材の温度を表示する表示手段もしくは蓄熱
槽の蓄熱材の温度が所定温度以下に低下したときにその
ことを音、ランプの点灯(または点滅)、表示により報
知する報知手段を設けると、蓄熱槽の加熱能力が低下し
ヒータの通電による蓄熱材の蓄熱運転が必要となる時期
を加熱装置の使用者が知ることができる。
【0260】また、蓄熱材温度検知手段により検知した
蓄熱槽の蓄熱材の温度を表示する表示手段もしくは蓄熱
槽の蓄熱材の温度が所定温度に達したときにそのことを
音、ランプの点灯(または点滅)、表示により報知する
報知手段を設けると、蓄熱槽の加熱能力が復活しヒータ
の通電による蓄熱材の蓄熱運転を終了させる時期を加熱
装置の使用者が知ることができる。
【0261】(実施の形態5)次に、本発明の実施の形
態5による加熱装置を備えた車両について図面を参照し
ながら説明する。
【0262】図12は本発明の実施の形態5による加熱
装置を備えた車両の構成図、図13は同実施の形態の車
両が基地局で待機している状態を示す構成図である。
【0263】図12、図13において、114は車両本
体であり、実施の形態1から実施の形態4のいずれかの
加熱装置と同様の構成の加熱装置115と、被加熱物を
収納し保存するため保冷室116aと蓄冷材を載置する
蓄冷材室116bとを有した蓄冷式の保冷庫116と、
接続端子117aを介して電力が供給されたときに充電
されヒータを除く電力供給が必要な加熱装置115の構
成要素と保冷庫116に電力を供給する蓄電池117と
を搭載している。
【0264】加熱装置115は、加熱室118と、給水
ホース接続口119aを備えた水タンク119と、水タ
ンク119の水位を表示する水位表示手段120と、蓄
熱槽121と、接続端子122aを介して電力が供給さ
れ蓄熱槽121内の蓄熱材を加熱するヒータ122と、
蓄熱槽121内の蓄熱材の温度を表示する蓄熱材温度表
示手段123とからなる。
【0265】124は基地局であり、給水ホース接続口
119aに接続される給水ホース125aを介して水タ
ンク119に水を補給する給水手段125と、接続端子
117aと接続端子122aに接続される電気ケーブル
126a,126bを介して蓄電池117とヒータ12
2に電力を供給する電力供給手段と、冷却器127aに
より庫内に収納された蓄冷材を冷却する冷凍庫127と
を備える。
【0266】以上のように構成された本実施の形態の車
両について図面を参照しながら以下その動作を説明す
る。
【0267】本実施の形態の車両は、基地局124にお
いて、給水ホース接続口119aに給水ホース125a
を接続して水位表示手段120の水位表示を基に給水手
段125から水タンク119へ水を補給し、接続端子1
17a電気ケーブル126bを接続して夜間の安価な電
力を利用して電力供給手段126から蓄電池117に電
力を供給して蓄電池117を充電するとともに、接続端
子122aに電気ケーブル126aを接続して蓄熱材温
度表示手段123の温度表示を基に夜間の安価な電力を
利用して電力供給手段126からヒータ122へ電力を
供給し蓄熱材を加熱して蓄熱槽121に所定量の熱量を
蓄える。また保冷庫116の蓄冷材を冷凍庫127冷却
蓄冷する。
【0268】以上のように本実施の形態の車両は、加熱
装置115と、ヒータ122を除く電力供給が必要な加
熱装置115の構成要素に電力を供給する蓄電池117
とを備え、基地局124において、水タンク119の水
を補給し、蓄電池117を充電するとともに、ヒータ1
22への通電により蓄熱材を加熱して蓄熱槽121に所
定量の熱量を蓄えるように構成したので、前もって、基
地局124において、水タンク119の水を補給し、夜
間の安価な電力等を利用して、蓄電池117を充電する
とともに、ヒータ122への通電により蓄熱材を加熱し
て蓄熱槽121に所定量の熱量を蓄えておくことによ
り、基地局124から車両で移動できる範囲であれば、
加熱装置115を動作するためのエネルギーや水タンク
119の水の供給を受けることができない場所でも加熱
装置115を動作させることができ、加熱調理のできる
移動店舗として利用できる。
【0269】また、被加熱物を保存するための蓄冷式の
保冷庫116を備え、基地局124において、保冷庫1
16の蓄冷材を冷却蓄冷するように構成したので、基地
局124において、夜間の安価な電力等を利用して、保
冷庫116の蓄冷材を冷却蓄冷することにより、基地局
124から車両で移動できる範囲であれば、保冷庫11
6を機能させるためのエネルギー供給を受けることがで
きない場所でも保冷庫116を機能させることができ、
被加熱物が食材である場合において、加熱装置115で
加熱調理するまでの間は被加熱物となる食材を保冷庫1
16内に収納しておくことにより、被加熱物となる食材
を新鮮な状態で保存することができ、基地局124から
離れた場所で加熱調理する場合においても被加熱物とな
る食材の品質劣化が少なく、加熱調理する場所に関係な
く品質のバラツキが少ない加熱調理品を提供できる。
【0270】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記
載の加熱装置の発明は、予め加熱してある蓄熱材の熱を
利用して水を過熱水蒸気に変えるので、熱エネルギーコ
ストを削減できる。
【0271】また、ヒータへの通電により蓄熱材を加熱
して蓄熱槽に所定量の熱量を蓄えた後は、過熱水蒸気を
得るために電力を使用しないので、この加熱装置を移動
店舗に使用する場合、従来に較べ、小容量の蓄電池で済
む。
【0272】また、水供給手段による蓄熱槽の伝熱管へ
の水の供給量を調節することにより、伝熱管通過後の蒸
気配管内の過熱水蒸気の温度を調節でき、蒸気配管に設
けた蒸気流量調節弁の開度を調節して加熱室への過熱蒸
気の供給量を調節することにより加熱室の室内温度を調
節できる。
【0273】また、加熱室の設定温度に対し、蒸気配管
内の過熱水蒸気の設定温度を、1対1の関係で設定せ
ず、1対複数とすると、過熱水蒸気の温度変化による特
性変化等を利用して、加熱室内の湿度条件や昇温速度を
変えることが可能となる。
【0274】また、請求項2記載の加熱装置の発明は、
請求項1記載の発明における蓄熱槽の伝熱管を長さの異
なる複数の伝熱管とすると共に、長さの異なる複数の伝
熱管の内から温度条件に応じて最適な伝熱管を第1、第
2の切換手段により選択できるように構成したことによ
り、伝熱管通過後の蒸気配管内の過熱水蒸気の温度を、
請求項1記載の発明よりも無理なく広範囲に調節できる
ので、請求項1記載の発明よりも加熱室の室内温度を無
理なく広い温度範囲で調節でき、また、加熱室内の湿度
条件や昇温速度を請求項1記載の発明よりも変えること
が可能となる。
【0275】また、請求項3記載の加熱装置の発明は、
請求項1記載の発明における蓄熱槽の伝熱管の途中に切
換手段を介してバイパス路を接続すると共に、温度条件
に応じてバイパス路の使用、閉鎖のうち最適な方を切換
手段により選択できるように構成したことにより、伝熱
管通過後の蒸気配管内の過熱水蒸気の温度を、請求項1
記載の発明よりも無理なく広範囲に調節できるので、請
求項1記載の発明よりも加熱室の室内温度を無理なく広
い温度範囲で調節でき、また、加熱室内の湿度条件や昇
温速度を請求項1記載の発明よりも変えることが可能と
なる。
【0276】また、請求項4記載の加熱装置の発明は、
請求項1記載の発明における蓄熱槽を複数設け、複数の
蓄熱槽において蓄熱材の温度が異なるとき、温度条件に
応じて最適な蓄熱槽を第1、第2の切換手段により選択
できるように構成したことにより、伝熱管通過後の蒸気
配管内の過熱水蒸気の温度を、請求項1記載の発明より
も無理なく広範囲に調節できるので、請求項1記載の発
明よりも加熱室の室内温度を無理なく広い温度範囲で調
節でき、また、加熱室内の湿度条件や昇温速度を請求項
1記載の発明よりも変えることが可能となる。
【0277】また、請求項5記載の加熱装置の発明は、
請求項1から4のいずれか一項に記載の発明に加え、蒸
気配管内の蒸気の圧力が所定圧力を超えたとき前記蒸気
配管内の余分な蒸気を前記蒸気配管外に排出する蒸気排
出手段を備えたことにより、水供給手段と水配管と伝熱
管と(切換手段と)蒸気配管と蒸気流量調節弁とが管内
の異常高圧によって破損することを防止し、また、蒸気
配管内の蒸気の圧力が異常に高圧となって蒸気流量調節
弁の開度のわずかな変化で加熱室に供給される過熱水蒸
気の量が大きく変動して、加熱室内の温度制御が困難に
なることを未然に防止できる。
【0278】また、請求項6記載の加熱装置の発明は、
請求項1から5のいずれか一項に記載の発明に加え、加
熱モード選択手段により選択された加熱モードに応じて
加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温
度との組み合わせを設定する加熱条件設定手段を備えた
ことにより、加熱モードに合わせて加熱室内の設定温度
と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度をそれぞれ個別に
設定する手間が省け、加熱モードを正しく選択できれ
ば、各設定温度の誤設定を防止できるという効果があ
る。
【0279】また、請求項7記載の加熱装置の発明は、
請求項6記載の発明に加え、加熱室に収納する被加熱物
の種類を選択する被加熱物選択手段を設けると共に、加
熱条件設定手段が、選択された被加熱物の種類と選択さ
れた加熱モードとに応じて加熱室内の設定温度と蒸気配
管内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定する
ようにしたことにより、被加熱物の種類と加熱モードと
に合わせて加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸
気の設定温度をそれぞれ個別に設定する手間が省け、被
加熱物の種類と加熱モードとを正しく選択できれば、各
設定温度の誤設定を防止できるという効果がある。
【0280】また、請求項8記載の加熱装置の発明は、
請求項7記載の発明に加え、加熱室に収納する被加熱物
の量を設定する加熱物量設定手段を設けると共に、加熱
条件設定手段が、選択された被加熱物の種類と設定され
た被加熱物の量と選択された加熱モードとに応じて加熱
室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度と
の組み合わせを設定するようにしたことにより、被加熱
物の種類と被加熱物の量と加熱モードとに合わせて加熱
室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度を
それぞれ個別に設定する手間が省け、被加熱物の種類と
被加熱物の量と加熱モードとを正しく選択できれば、各
設定温度の誤設定を防止できるという効果がある。
【0281】また、請求項9記載の加熱装置の発明は、
請求項6から8のいずれか一項に記載の発明において、
加熱モード選択手段により、第1の加熱モードと第2の
加熱モードとの選択と第1の加熱モードでの加熱時間と
第2の加熱モードでの加熱時間との設定をしたとき、加
熱条件設定手段が、まず、第1の加熱モードを基に加熱
室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度と
の組み合わせを設定し、第1の加熱モードでの加熱開始
から第1の加熱モードでの加熱時間が経過したとき第2
の加熱モードを基に加熱室内の設定温度と蒸気配管内の
過熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定するように
構成したことにより、加熱モードの切り換えを自動的に
行え、加熱モードを途中で切り換える場合において、切
り換えの手間が省けるという効果がある。
【0282】また、請求項10記載の加熱装置の発明
は、請求項6から9のいずれか一項に記載の発明に加
え、加熱室内の湿度が加熱モードに応じて予め設定され
た設定湿度に近づくように前記加熱室内の湿度を調節す
る湿度調節手段を備えたことにより、加熱室の湿度を広
範囲にわたって制御でき、それにより加熱モードを増や
すことができ、被加熱物を食材とし、加熱装置を加熱調
理装置として用いる場合に、調理メニューを増やせると
いう効果がある。
【0283】また、請求項11記載の車両の発明は、請
求項1から10のいずれか一項に記載の加熱装置と、ヒ
ータを除く電力供給が必要な前記加熱装置の構成要素に
電力を供給する蓄電池とを備え、基地局において、水タ
ンクの水を補給し、前記蓄電池を充電するとともに、前
記ヒータへの通電により蓄熱材を加熱して蓄熱槽に所定
量の熱量を蓄えるように構成したものであり、前もっ
て、基地局において、水タンクの水を補給し、夜間の安
価な電力等を利用して、蓄電池を充電するとともに、ヒ
ータへの通電により蓄熱材を加熱して蓄熱槽に所定量の
熱量を蓄えておくことにより、基地局から車両で移動で
きる範囲であれば、加熱装置を動作するためのエネルギ
ーや水タンクの水の供給を受けることができない場所で
も加熱装置を動作させることができ、加熱調理のできる
移動店舗として利用できるという効果がある。
【0284】また、請求項12記載の車両の発明は、請
求項12記載の発明に加え、被加熱物を保存するための
蓄冷式の保冷庫を備え、基地局において、前記保冷庫の
蓄冷材を冷却蓄冷するように構成したことにより、請求
項11記載の発明の効果に加え、被加熱物が食材である
場合において、加熱装置で加熱調理するまでの間は被加
熱物となる食材を保冷庫内に収納しておくことにより、
被加熱物となる食材を新鮮な状態で保存することがで
き、基地局から離れた場所で加熱調理する場合において
も被加熱物となる食材の品質劣化が少なく、加熱調理す
る場所に関係なく品質のバラツキが少ない加熱調理品を
提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による加熱装置の構成図
【図2】同実施の形態の加熱装置における電源投入から
加熱運転モード開始までの動作を示すフローチャート
【図3】同実施の形態の加熱装置における加熱モード選
択手段の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態の加熱装置における過熱水蒸気温
度制御手段の動作を示すフローチャート
【図5】同実施の形態の加熱装置における加熱室温制御
手段の動作を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2による加熱装置の構成図
【図7】同実施の形態の加熱装置における過熱水蒸気温
度制御手段の動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3による加熱装置の構成図
【図9】同実施の形態の加熱装置における過熱水蒸気温
度制御手段の動作を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態4による加熱装置の構成
【図11】同実施の形態の加熱装置における過熱水蒸気
温度制御手段の動作を示すフローチャート
【図12】本発明の実施の形態5による加熱装置を備え
た車両の構成図
【図13】同実施の形態の車両が基地局で待機している
状態を示す構成図
【図14】従来の加熱装置の全体を正面から見た断面説
明図
【図15】同従来加熱装置における蒸気オーブンの側面
から見た断面説明図
【符号の説明】
36 加熱室 37,119 水タンク 38,75,86,95,100,121 蓄熱槽 39,76,77,89,96,101 伝熱管 40,97,102,122 ヒータ 41,98,103 蓄熱材 42 水供給手段(ギアポンプ) 43 水配管 44 過熱水蒸気吐出手段 45 蒸気配管 46 圧力調節手段(圧力調節弁) 47 蒸気流量調節弁 48 過熱水蒸気温度検知手段 49,80,90,107 過熱水蒸気温度制御手段 53 加熱室温度検知手段 54 加熱室温制御手段 58 蒸気排出手段 59 湿度調節手段 60 被加熱物選択手段 61 加熱物量設定手段 62 加熱モード選択手段 63 加熱条件設定手段 78,105 第1の切換手段 79,106 第2の切換手段 87 切換手段 88 バイパス路 99,104 蓄熱材温度検知手段 115 加熱装置 116 保冷庫 117 蓄電池 124 基地局
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上平 修三 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物を収納する加熱室と、 水を貯める水タンクと、 伝熱管とヒータとを100℃を超える温度での蓄熱が可
    能な蓄熱材中に埋め込んだ蓄熱槽と、 一端が前記水タンクの底部に連通し他端が前記伝熱管の
    一端に接続された水配管の途中に設けられ前記水タンク
    の水を前記伝熱管に供給する水供給手段と、 一端が前記伝熱管の他端に接続された蒸気配管の他端に
    設けられ前記伝熱管内で発生した過熱水蒸気を前記加熱
    室内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段と、 前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前記加
    熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱室外
    に排出する圧力調節手段と、 前記蒸気配管の途中に設けられ前記過熱水蒸気吐出手段
    によって前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気の量を調
    節する蒸気流量調節弁と、 前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気配管
    内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手
    段と、 前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手段から吐出
    する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過熱水蒸気温
    度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め設定された
    設定温度に近づくように前記過熱水蒸気温度検知手段で
    検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より高ければ前
    記水供給手段による前記伝熱管への水の供給量を増やし
    前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度
    が前記設定温度より低ければ前記水供給手段による前記
    伝熱管への水の供給量を減らす過熱水蒸気温度制御手段
    と、 前記加熱室内の温度を検知する加熱室温度検知手段と、 前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度が
    予め設定された設定温度に近づくように前記加熱室温度
    検知手段で検知した前記加熱室内温度が前記設定温度よ
    り高ければ前記蒸気流量調節弁を閉じる方向に開度を調
    節し前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温
    度が前記設定温度より低ければ前記蒸気流量調節弁を開
    ける方向に開度を調節する加熱室温制御手段とからなる
    加熱装置。
  2. 【請求項2】 被加熱物を収納する加熱室と、 水を貯める水タンクと、 長さの異なる複数の伝熱管とヒータとを100℃を超え
    る温度での蓄熱が可能な蓄熱材中に埋め込んだ蓄熱槽
    と、 一端が前記水タンクの底部に連通し他端が第1の切換手
    段を介して選択的に複数の前記伝熱管のうちの一つの前
    記伝熱管の一端に接続された水配管の途中に設けられ前
    記水タンクの水を前記伝熱管に供給する水供給手段と、 一端が第2の切換手段を介して複数の前記伝熱管のうち
    の前記第1の切換手段により選択された方の前記伝熱管
    の他端に接続された蒸気配管の他端に設けられ前記伝熱
    管内で発生した過熱水蒸気を前記加熱室内に吐出させる
    過熱水蒸気吐出手段と、 前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前記加
    熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱室外
    に排出する圧力調節手段と、 前記蒸気配管の途中に設けられ前記過熱水蒸気吐出手段
    によって前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気の量を調
    節する蒸気流量調節弁と、 前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気配管
    内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手
    段と、 前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手段から吐出
    する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過熱水蒸気温
    度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め設定された
    設定温度に近づくように、前記過熱水蒸気温度検知手段
    で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より所定温度
    以上高く且つ前記第1の切換手段が相対的に長い前記伝
    熱管を選択していた場合は、相対的に短い前記伝熱管を
    選択するように前記第1の切換手段及び前記第2の切換
    手段を切り換え、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知し
    た過熱水蒸気温度が前記設定温度より所定温度以上低く
    且つ前記第1の切換手段が相対的に短い前記伝熱管を選
    択していた場合は、相対的に長い前記伝熱管を選択する
    ように前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段を切
    り換え、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水
    蒸気温度により前記第1の切換手段及び前記第2の切換
    手段を切り換えた場合は前記第1の切換手段及び前記第
    2の切換手段の切り換えから所定時間経過後において、
    前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度
    が前記設定温度より高ければ前記水供給手段による前記
    伝熱管への水の供給量を増やし、前記過熱水蒸気温度検
    知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より低
    ければ前記水供給手段による前記伝熱管への水の供給量
    を減らす過熱水蒸気温度制御手段と、 前記加熱室内の温度を検知する加熱室温度検知手段と、 前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度が
    予め設定された設定温度に近づくように前記加熱室温度
    検知手段で検知した前記加熱室内温度が前記設定温度よ
    り高ければ前記蒸気流量調節弁を閉じる方向に開度を調
    節し前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温
    度が前記設定温度より低ければ前記蒸気流量調節弁を開
    ける方向に開度を調節する加熱室温制御手段とからなる
    加熱装置。
  3. 【請求項3】 被加熱物を収納する加熱室と、 水を貯める水タンクと、 途中に切換手段を介してバイパス路を接続した伝熱管と
    ヒータとを100℃を超える温度での蓄熱が可能な蓄熱
    材中に埋め込んだ蓄熱槽と、 一端が前記水タンクの底部に連通し他端が前記伝熱管の
    一端に接続された水配管の途中に設けられ前記水タンク
    の水を前記伝熱管に供給する水供給手段と、 一端が前記伝熱管の他端に接続された蒸気配管の他端に
    設けられ前記伝熱管内で発生した過熱水蒸気を前記加熱
    室内に吐出させる過熱水蒸気吐出手段と、 前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前記加
    熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱室外
    に排出する圧力調節手段と、 前記蒸気配管の途中に設けられ前記過熱水蒸気吐出手段
    によって前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気の量を調
    節する蒸気流量調節弁と、 前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気配管
    内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手
    段と、 前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手段から吐出
    する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過熱水蒸気温
    度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め設定された
    設定温度に近づくように、前記過熱水蒸気温度検知手段
    で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より所定温度
    以上高く且つ前記切換手段により前記バイパス路を閉鎖
    していた場合は、前記バイパス路を経由するように前記
    切換手段を切り換え、前記過熱水蒸気温度検知手段で検
    知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より所定温度以上
    低く且つ前記切換手段により前記バイパス路を経由させ
    ていた場合は、前記バイパス路を閉鎖するように前記切
    換手段を切り換え、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知
    した過熱水蒸気温度により前記切換手段を切り換えた場
    合は前記切換手段の切り換えから所定時間経過後におい
    て、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸気
    温度が前記設定温度より高ければ前記水供給手段による
    前記伝熱管への水の供給量を増やし、前記過熱水蒸気温
    度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度よ
    り低ければ前記水供給手段による前記伝熱管への水の供
    給量を減らす過熱水蒸気温度制御手段と、 前記加熱室内の温度を検知する加熱室温度検知手段と、 前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度が
    予め設定された設定温度に近づくように前記加熱室温度
    検知手段で検知した前記加熱室内温度が前記設定温度よ
    り高ければ前記蒸気流量調節弁を閉じる方向に開度を調
    節し前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温
    度が前記設定温度より低ければ前記蒸気流量調節弁を開
    ける方向に開度を調節する加熱室温制御手段とからなる
    加熱装置。
  4. 【請求項4】 被加熱物を収納する加熱室と、 水を貯める水タンクと、 伝熱管とヒータとを100℃を超える温度での蓄熱が可
    能な蓄熱材中に埋め込んだ複数の蓄熱槽と、 前記蓄熱槽内の前記蓄熱材の温度を検知する蓄熱材温度
    検知手段と、 一端が前記水タンクの底部に連通し他端が第1の切換手
    段を介して選択的に複数の前記蓄熱槽のうちの一つの前
    記蓄熱槽の前記伝熱管の一端に接続された水配管の途中
    に設けられ前記水タンクの水を前記伝熱管に供給する水
    供給手段と、 一端が第2の切換手段を介して複数の前記蓄熱槽のうち
    の前記第1の切換手段により選択された方の前記蓄熱槽
    の前記伝熱管の他端に接続された蒸気配管の他端に設け
    られ前記伝熱管内で発生した過熱水蒸気を前記加熱室内
    に吐出させる過熱水蒸気吐出手段と、 前記加熱室内の圧力が所定圧力を超えないように前記加
    熱室内の余分な空気もしくは過熱水蒸気を前記加熱室外
    に排出する圧力調節手段と、 前記蒸気配管の途中に設けられ前記過熱水蒸気吐出手段
    によって前記加熱室内に吐出させる過熱水蒸気の量を調
    節する蒸気流量調節弁と、 前記蒸気流量調節弁よりも前記伝熱管側で前記蒸気配管
    内の過熱水蒸気の温度を検知する過熱水蒸気温度検知手
    段と、 前記加熱室内の被加熱物を過熱水蒸気吐出手段から吐出
    する過熱水蒸気により加熱する際に、前記過熱水蒸気温
    度検知手段で検知した過熱水蒸気温度が予め設定された
    設定温度に近づくように、前記過熱水蒸気温度検知手段
    で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より所定温度
    以上高く且つ前記第1の切換手段が前記蓄熱材温度検知
    手段により検知した前記蓄熱材の温度が相対的に高い方
    の前記蓄熱槽の前記伝熱管を選択していた場合は、前記
    蓄熱材温度検知手段により検知した前記蓄熱材の温度が
    相対的に低い方の前記蓄熱槽の前記伝熱管を選択するよ
    うに前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段を切り
    換え、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱水蒸
    気温度が前記設定温度より所定温度以上低く且つ前記第
    1の切換手段が前記蓄熱材温度検知手段により検知した
    前記蓄熱材の温度が相対的に低い方の前記蓄熱槽の前記
    伝熱管を選択していた場合は、前記蓄熱材温度検知手段
    により検知した前記蓄熱材の温度が相対的に高い方の前
    記蓄熱槽の前記伝熱管を選択するように前記第1の切換
    手段及び前記第2の切換手段を切り換え、前記過熱水蒸
    気温度検知手段で検知した過熱水蒸気温度により前記第
    1の切換手段及び前記第2の切換手段を切り換えた場合
    は前記第1の切換手段及び前記第2の切換手段の切り換
    えから所定時間経過後において、前記過熱水蒸気温度検
    知手段で検知した過熱水蒸気温度が前記設定温度より高
    ければ前記水供給手段による前記伝熱管への水の供給量
    を増やし、前記過熱水蒸気温度検知手段で検知した過熱
    水蒸気温度が前記設定温度より低ければ前記水供給手段
    による前記伝熱管への水の供給量を減らす過熱水蒸気温
    度制御手段と、 前記加熱室内の温度を検知する加熱室温度検知手段と、 前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温度が
    予め設定された設定温度に近づくように前記加熱室温度
    検知手段で検知した前記加熱室内温度が前記設定温度よ
    り高ければ前記蒸気流量調節弁を閉じる方向に開度を調
    節し前記加熱室温度検知手段で検知した前記加熱室内温
    度が前記設定温度より低ければ前記蒸気流量調節弁を開
    ける方向に開度を調節する加熱室温制御手段とからなる
    加熱装置。
  5. 【請求項5】 蒸気配管内の蒸気の圧力が所定圧力を超
    えたとき前記蒸気配管内の余分な蒸気を前記蒸気配管外
    に排出する蒸気排出手段を備えたことを特徴とする請求
    項1から4のいずれか一項に記載の加熱装置。
  6. 【請求項6】 加熱モードを選択する加熱モード選択手
    段と、前記加熱モード選択手段により選択された前記加
    熱モードに応じて加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過
    熱水蒸気の設定温度との組み合わせを設定する加熱条件
    設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1から5の
    いずれか一項に記載の加熱装置。
  7. 【請求項7】 加熱室に収納する被加熱物の種類を選択
    する被加熱物選択手段と、加熱モードを選択する加熱モ
    ード選択手段と、前記被加熱物選択手段により選択され
    た前記被加熱物の種類と前記加熱モード選択手段により
    選択された前記加熱モードとに応じて加熱室内の設定温
    度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度との組み合わせ
    を設定する加熱条件設定手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1から5のいずれか一項に記載の加熱装置。
  8. 【請求項8】 加熱室に収納する被加熱物の種類を選択
    する被加熱物選択手段と、前記加熱室に収納する被加熱
    物の量を設定する加熱物量設定手段と、加熱モードを選
    択する加熱モード選択手段と、前記被加熱物選択手段に
    より選択された前記被加熱物の種類と前記加熱物量設定
    手段により設定された被加熱物の量と前記加熱モード選
    択手段により選択された前記加熱モードとに応じて加熱
    室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度と
    の組み合わせを設定する加熱条件設定手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の
    加熱装置。
  9. 【請求項9】 加熱モード選択手段は、最初に行う第1
    の加熱モードと前記第1の加熱モードに続いて行う第2
    の加熱モードとの選択と前記第1の加熱モードでの加熱
    時間と前記第2の加熱モードでの加熱時間との設定をす
    ることが可能であり、前記加熱モード選択手段により、
    前記第1の加熱モードと前記第2の加熱モードとの選択
    と前記第1の加熱モードでの加熱時間と前記第2の加熱
    モードでの加熱時間との設定をしたとき、加熱条件設定
    手段は、まず、前記第1の加熱モードを基に加熱室内の
    設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気の設定温度との組み
    合わせを設定し、前記第1の加熱モードでの加熱開始か
    ら前記加熱モード選択手段で設定された前記第1の加熱
    モードでの加熱時間が経過したとき前記第2の加熱モー
    ドを基に加熱室内の設定温度と蒸気配管内の過熱水蒸気
    の設定温度との組み合わせを設定することを特徴とする
    請求項6から8のいずれか一項に記載の加熱装置。
  10. 【請求項10】 加熱室内の湿度が加熱モードに応じて
    予め設定された設定湿度に近づくように前記加熱室内の
    湿度を調節する湿度調節手段を備えたことを特徴とする
    請求項6から9のいずれか一項に記載の加熱装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか一項に記
    載の加熱装置と、ヒータを除く電力供給が必要な前記加
    熱装置の構成要素に電力を供給する蓄電池とを備え、基
    地局において、水タンクの水を補給し、前記蓄電池を充
    電するとともに、前記ヒータへの通電により蓄熱材を加
    熱して蓄熱槽に所定量の熱量を蓄えることを特徴とした
    車両。
  12. 【請求項12】 被加熱物を保存するための蓄冷式の保
    冷庫を備え、基地局において、前記保冷庫の蓄冷材を冷
    却蓄冷することを特徴とした請求項11記載の車両。
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