JP2006210215A - 電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置 - Google Patents

電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高周波電流を強力に流すことなく、陶磁器や耐熱ガラス等の調理用容器であっても電磁誘導加熱調理器に調理のために供することができるようにした電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置を提供する。
【解決手段】 表裏面が耐熱性塗料によって塗装された、銅製の線材により網目状に織られた基板2を、表裏面が耐熱性塗料によって塗装された、玄武岩長繊維によりシート状に形成された被覆板3、4で挟持させて一体化する。これら基板1と被覆板3、4とからなる加熱補助装置1をIH10の天板11に載置し、その上に調理用容器12を載置させて、該IH10を作動させると、磁力線によって基板2の電流が生じて発熱する。この熱によって容器12が加熱され、内容物を調理できる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電磁誘導加熱調理器において、陶磁器や耐熱ガラス、アルミニウム等の非磁性体で成形された鍋類であっても、該鍋類の内容物の調理を行えるようにするための電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置に関する。
電磁誘導加熱調理器(以下、「IH」という。(IH:Induction heating))は、うずまき状のコイルに通電することにより発生する磁力線によって、該コイルの上方に置かれた鉄鍋等の磁性体の材質への底部にうず電流を生じさせ、その材料の電気抵抗により発熱させるようにしたものである。このIHは、火力を用いることがないので、不完全燃焼や鍋等の内容物が吹きこぼれた場合に火を消してしまう等の心配がないため安全性が高く、また、吹きこぼれた場合の掃除が容易であり、取扱性が優れている、等の理由から広く普及しつつある。
他方、うず電流を発生させることができない材料、例えば陶磁器や耐熱ガラス、アルミニウムや銅製の鍋では使用できない。また、中華鍋のような丸底鍋や底部が直径12cm未満の形状をした鍋、そりや脚がついている鍋等は用いることができない。
斯かる利用が不適な材質製の鍋でも利用できるよう、調理器具の開発が行われている。例えば、特許文献1には電磁誘導加熱調理用の被加熱調理器具が提案されている。この被加熱調理器具は、アルミニウム合金等の非磁性体金属材料よりなる本体の底部裏面に磁性金属層を分割して配するようにしたものである。また、特許文献2には、母材のアルミニウムの外面に磁性金属を設けた構造が開示されている。
特開2003−051375 特開2003−079510
しかしながら、これら特許文献1、2に開示されている調理器具はいずれも非磁性体からなる鍋等の容器に磁性体による加工を施すものである。すなわち、専用の調理器具をIH用に準備しなければならないもので、例えば家庭において既にガスコンロ用として利用している土鍋等には、従来と同様にIHでは利用することができない。
しかも、非磁性体金属材料と磁性体金属材料とを結合させる構造であるため、これら金属材料の熱膨張率の相違により調理器具が変形してしまうおそれがあり、極端な変形がある場合には、底部の直径が小さくなってしまって、IHに用いることができなくなるおそれがある。
また、アルミニウム製の鍋なども利用できるように、電流の周波数を高くすると共に、コイルの電線数を増加させて、強力磁場を形成するようにしたものがある。しかしながら、磁場が強力となるため、例えば心臓ペースメーカーへの影響等、二次的な問題が生じることが考えられる。
そこで、この発明は鍋等の調理器具の成形材料を選ぶことなく、高周波電流を流すこともなく、IHによって内容物を加熱することができるようにした電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置は、電磁誘導加熱調理器の天板と非磁性体材料性の容器との間に介在させて、該容器を加熱する電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置において、良導体の線材を網目状に織り上げた基板を、耐熱性を有する被覆板で挟持させてなることを特徴としている。
IHの天板上にこの加熱補助装置を載置させ、該加熱補助装置に加熱すべき容器を載置して、IHを作動させる。IHにより発生する磁力線を受けて、良導体の線材で網目状に織られている基板がコイルとして機能し発熱する。この発熱により、載置された容器が加熱され、内容物が調理される。
また、請求項2の発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置は、前記基板が、銅製の線材からなることを特徴としている。
銅線によって織り込むため、加工が簡単となる。
また、請求項3の発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置は、前記被覆板が、玄武岩長繊維により織られたシートであることを特徴としている。
耐熱性の被覆板としては、例えばグラス繊維や石綿などが利用できるが、特に玄武岩長繊維によるシートを用いるものである。玄武岩長繊維は、特表平9−500080号に開示されているもので、強硬で耐熱性や絶縁性に優れており、天然素材であるため、廃棄した場合でも有害物質とならず、環境にとっても好ましい。
また、請求項4の発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置は、前記基板の表裏面及び被覆板の表裏面に耐熱性塗料を塗布してあることを特徴としている。
塗装を施すことによって耐熱性と放熱が向上し、この加熱補助装置の使用範囲が広がる。
この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置によれば、該加熱補助装置が発熱することにより、陶磁器や耐熱ガラス等の非磁性体による容器であってもIHを用いて加熱することができる。したがって、専用の鍋等の容器によらず、既存の容器を利用することができる。
また、請求項2の発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置によれば、基板を容易に加工することができると共に、安価な材料であるため、この加熱補助装置のコストを低減できる。
また、請求項3の発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置によれば、耐熱性が大きく、調理温度を広範囲にして利用することができると共に、耐久性の大きい加熱補助装置とすることができる。しかも、破棄する場合も環境に有害とならない。
また、請求項4の発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置によれば、耐熱性を向上させることができて、さらに耐久性を高めることができる。
以下、図示した好ましい実施形態に基づいて、この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置を具体的に説明する。
図1はこの発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置1の概略構造を説明する分解斜視図で、主として基板2と、該基板2の表裏部に配された被覆板3、4によって構成されている。
前記基板2は良導体の線材によって網目状に編まれて構成されており、その表裏面には、図2に示すように塗装層5が形成されている。特に、線材として銅線を用いることが好ましく、また網目は70〜150メッシュとしてある。前記塗装層5は、放熱効果と酸化防止に優れた耐熱性の無機塗料が塗装されて形成されている。
また、前記被覆板2、3は耐熱性を有する素材によって形成されており、例えば、グラス繊維や石綿、玄武岩長繊維などが素材とされて形成されている。特に、玄武岩長繊維は絶縁性や耐熱性に優れており、しかも破棄する場合でも環境を汚染することがないので、好ましい。また、この被覆板4は玄武岩長繊維を不織布のようにシート状に形成したものや、玄武岩長繊維の糸により織られた布状に形成されたシート状のものとしてある。玄武岩長繊維により織られた被覆板4は厚さ1.0〜1.8mm密度1000〜1500g/m、被膜板3は厚さ0.6〜0.8mm密度850〜950g/mのバサルトクロスを用いる事が望ましい。また、これら被覆板4の表裏面に塗装層5が形成されている。なお、これら基板2と被覆板3は組立の際には各別に準備するから、基板2と被覆板3のそれぞれの表裏に予め塗装を施して塗装層5を形成することが好ましい。
そして、図2に示すように、これら基板2と被覆板3、4とを重畳させて、周縁部を係止部材6によって被覆板3、4で基板2を挟持する状態に係止してある。なお、これら基板2や被覆板3、4はシート状のものであるため、周縁部を縫製して一体化しても構わない。
以上により構成された電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置1は、図3に示すように、電磁誘導加熱調理器(IH)10の天板11に載置させ、その上に鍋等の調理用容器12を載置する。なお、この際、加熱補助装置1が天板11と密着した状態となるようにすることが好ましい。また、前記係止部材6によって縁部を係止することにより、被覆板4が天板11から離隔してしまう場合には、その間隔が1〜2mm以内となるように、該形成部材6の板厚を設定する。
そして、IH10を作動させると、該IH10により発生した電磁波により基板2に電流が発生し、コイルに通電させた場合と同様に作用して、該基板2が発熱する。このため容器12が加熱され、内容物が調理されることになる。
特に、耐熱性の無機塗料と玄武岩長繊維は絶縁性が高く、前記電磁波を吸収する働きがあり、このため銅製の基板2に過電流の流れが抑制され、ジュール熱を効率よく発生させる。このため、銅製の基板2は効率よく発熱し、前記容器12を効率よく加熱することになる。このため、容器12自体が発熱することができる材料でなくても加熱することができ、内容物の調理を行える。
この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置によれば、調理のために電磁誘導加熱調理器に用いることができなかった、陶磁器や耐熱ガラス等の非磁性体からなる調理用の容器も用いることができる。しかも、専用の容器を用いるものでないから、既存に所有している容器を用いることができる。
この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置の概略の構造を説明する分解斜視図である。 この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置の一部を省略して示す断面図である。 この発明に係る電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置の使用態様を説明する正面図で、一部を断面して示している。
符号の説明
1 加熱補助装置
2 基板
3 被覆板
4 被覆板
5 塗装層
6 係止部材
10 IH(電磁誘導加熱調理器)
11 天板
12 調理用容器

Claims (4)

  1. 電磁誘導加熱調理器の天板と非磁性体材料性の容器との間に介在させて、該容器を加熱する電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置において、
    良導体の線材を網目状に織り上げた基板を、耐熱性と絶縁性を有する被覆板で挟持させてなることを特徴とする電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置。
  2. 前記基板が、銅製の線材と両面を耐熱性塗料の皮膜で覆われた状態からなることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置。
  3. 前記被覆板が、玄武岩長繊維により織られたシートであることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置。
  4. 前記基板の表裏面及び被覆板の表裏面に耐熱性塗料を塗布してあることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置。
JP2005022516A 2005-01-31 2005-01-31 電磁誘導加熱調理器用加熱補助装置 Withdrawn JP2006210215A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018147853A (ja) * 2017-03-09 2018-09-20 株式会社マイテックス 電磁誘導加熱用器具及びその製造方法

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