JP3161202U - 調理用鍋 - Google Patents

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Abstract

【課題】直火加熱および電磁誘導加熱による調理が可能であって、使用時における利便性および加熱効率に優れた調理用鍋を提供する。【解決手段】調理用鍋11は、直火加熱に適した材料から構成された外鍋12と、外鍋の内部に着脱可能に収容され、電磁誘導加熱に適した材料から構成された内鍋13とを備える。ここで、内鍋は、内鍋底壁部と、内鍋底壁部の外縁から上方に向けて延びる内鍋側壁部と、内鍋側壁部の上端から外方へ向けて延出する内鍋フランジ部とを有する。また、外鍋は、内鍋底壁部の下面と面接触する外鍋底壁部と、外鍋底壁部の上面外縁から上方へ延びて内鍋側壁部の外壁面と面接触し、且つ内鍋側壁部の外壁面と同じか、またはそれよりも低い垂直方向高さを有する内壁面を含む外鍋側壁部とを有する。【選択図】図2

Description

本考案は、調理用鍋に関するものであり、特に、直火加熱および電磁誘導加熱が可能な調理用鍋に関するものである。
近年、直火加熱により調理を行うガス調理機器に代わって、電磁誘導加熱(IH:Induction Heat)により調理を行う電磁調理機器の一般家庭への普及が進んでいる。このような電磁調理機器は、交番磁界を発生させるための加熱コイルを内部に備えている。この加熱コイルに高周波電流を流して交番磁界を発生させると、電磁調理機器上に載置された金属製の鍋に、渦電流が励起される。金属製の鍋に渦電流が流れると、金属材料の固有電気抵抗によってジュール熱が発生し、鍋が発熱する。すなわち、電磁調理機器は、ガス調理機器のようにガスを燃焼させて鍋を加熱するのではなく、鍋自体を発熱体として加熱することができる。したがって、炎を用いるガス調理機器に比べ、より安全性が高く、且つエネルギー効率が良いといった利点がある。
しかしながら、上記した電磁調理機器の加熱の原理上、使用できる鍋の材料には、限定がある。すなわち、交番磁界中で渦電流を励起可能である導電体であり、且つ適度な固有電気抵抗を有する材料、具体的には、鉄、ステンレス等の磁性金属から構成された鍋を用いなければならない。したがって、土鍋のような陶磁器製の鍋や、ガラス製鍋、セラミック製鍋といった、非導電性材料から構成された鍋は、電磁調理機器に使用できなかった。そのため、保温性や遠赤外線効果に優れることから鍋料理等に最適である土鍋を電磁調理機器に適用したいという需要が、従来から多くあった。その一方で、例えば野外において簡易ガスコンロ等によって調理したい場合等、従来通りの直火調理にも適用したいという要望もあった。
電磁誘導加熱が不可能な材料から構成された調理用鍋または調理用容器を電磁調理機器に使用可能とする技術として、特開平9−100184号公報、特開2003−250698号公報、およびWO2007/088838号公報が、開示されている。
特開平9−100184号公報に記載の電磁調理用鍋においては、陶磁器製の鍋本体底部の下面に、約0.1mmの厚さを有する磁性金属薄膜が、溶着されている。この構成によれば、磁性金属薄膜が、電磁調理機器によって励起される渦電流により発熱するため、電磁誘導加熱不可能である陶磁器製の鍋を電磁調理機器に適用することが可能となるとしている。
また、特開2003−250698号公報に記載の電磁調理用鍋は、陶磁器製の鍋本体と、鍋本体の内側底面上に載置され、電磁調理機器が生じる交番磁界によって発熱する金属製の加熱用プレートとを備える。この構成によれば、発熱体である加熱用プレートが鍋本体の内部に載置されているため、鍋本体の内部に入れられた具材を直接加熱することが可能となる。したがって、効率的に具材の加熱をすることができる。また、加熱用プレートが鍋本体から着脱可能であるため、加熱用プレートを鍋本体から取り外し、鍋本体を直火加熱調理に用いることが可能である。すなわち、直火加熱および電磁誘導加熱の双方に適用することが可能である。
WO2007/088838号公報に記載の電磁調理用容器は、底部および側壁部を有する非導電性の容器本体と、この容器本体の内面形状と相似形状となるように成形された誘導加熱発熱体とを備える。誘導加熱発熱体の上端縁側には、係止部が形成されている。この係止部を容器本体に形成された凹部に係止させることによって、誘導加熱発熱体を容器本体に固定する。ここで、容器本体と誘導加熱発熱体との間には、所定の空隙が形成される。この構成によれば、誘導加熱発熱体が発する熱によって容器本体が損傷することを防止することができるとしている。
特開平9−100184号公報 特開2003−250698号公報 WO2007/088838号公報
しかしながら、特開平9−100184号公報に記載の電磁調理用鍋においては、以下の課題がある。すなわち、上記磁性金属薄膜は、陶磁器製の鍋本体とは異なる熱膨張係数を有している。したがって、加熱により温度が上昇すると、陶磁器製の鍋本体と磁性金属薄膜との熱膨張係数の差によって、磁性金属薄膜に亀裂が生じ易くなる。この亀裂によって渦電流の励起が阻害されるため、発熱効率が低下する恐れが増大する。また、このような磁性金属薄膜を有する電磁調理用の鍋は、磁性金属薄膜が非常に薄く形成されているため、溶断の恐れの観点から直火加熱調理には不適である。
また、特開2003−250698号公報に記載の電磁調理用鍋においては、加熱用プレートが、鍋本体の内側底面上に載置されているのみの構成となっている。したがって、この鍋を例えば鍋料理に使用した場合に、加熱用プレートと鍋本体の内側底面との間に鍋料理のだし汁が入り込むこととなる。そうすると、加熱されて沸騰するだし汁によって、加熱用プレートを上方へ押し上げる力が断続的に発生することとなる。したがって、加熱プレートの位置が不安定となるため、加熱効率が低下する恐れがあるとともに、調理時および食事中における利便性に関して欠点がある。
また、WO2007/088838号公報に記載の電磁調理用容器においては、非導電性の容器本体と、導電性の誘導加熱発熱体とが、それぞれ分離可能な独立した部材として構成されている。そして、誘導加熱発熱体の熱による容器本体の損傷を防ぐために、容器本体と誘導加熱発熱体との間に所定の空隙が形成されているため、電磁調理機器に備えられた加熱コイルと、誘導加熱発熱体との間の距離が、離隔することとなる。これにより、誘導加熱発熱体に渦電流を励起させる磁束密度が減少するため、加熱効率が低下することとなる。また、上記のように、容器本体は耐熱性に優れた材料によって構成されていないため、この電磁調理用容器は、直火加熱による調理には不適である。
本考案の目的は、直火加熱および電磁誘導加熱による調理が可能であって、使用時における利便性および加熱効率に優れた調理用鍋を提供することである。
本考案に係る調理用鍋は、直火加熱に適した材料から構成された外鍋と、外鍋の内部に着脱可能に収容され、電磁誘導加熱に適した材料から構成された内鍋とを備える。ここで、内鍋は、内鍋底壁部と、内鍋底壁部の外縁から上方に向けて延びる内鍋側壁部と、内鍋側壁部の上端から外方へ向けて延出する内鍋フランジ部とを有する。また、外鍋は、内鍋底壁部の下面と面接触する外鍋底壁部と、外鍋底壁部の上面外縁から上方へ延びて内鍋側壁部の外壁面と面接触し、且つ内鍋側壁部の外壁面と同じか、またはそれよりも低い垂直方向高さを有する内壁面を含む外鍋側壁部とを有する。
この構成によれば、調理用鍋が、直火加熱に有利な外鍋と、電磁誘導加熱に有利な内鍋とによって構成され、且つ使用に応じてこれらを容易に着脱することができる。したがって、使用者は、この調理用鍋を、ガス調理機器を使用した直火加熱調理に有利に適用することができるとともに、電磁調理機器を使用した電磁誘導加熱調理にも有利に適用することができる。さらに、内鍋底壁部の下面は、外鍋底壁部と確実に接触する構成となっており、且つ、内鍋側壁部の外壁面は、外鍋側壁部の内壁面と接触している。これにより、調理用鍋としての加熱効率および保温性を向上させることができる。また、上記のように内鍋は外鍋の内部に確実に固定されるため、加熱時に内鍋が不用意に動いてしまうことを防ぐことができる。したがって、調理時および食事中における利便性を向上させることができる。
また、外鍋は、外鍋側壁部の内壁面の上端から外方へ向けて延び、内鍋フランジ部と下方から対向する外鍋フランジ部をさらに有してもよい。
好ましくは、調理用鍋は、内鍋および外鍋の上部開口を覆うことが可能な蓋体をさらに備える。これにより、調理用鍋としての加熱効率および保温性をさらに向上させることができる。
好ましくは、内鍋は、内鍋フランジ部の外縁から上方へ向けて突出し、蓋体が内鍋の上部開口を覆うように載置されたときに蓋体の水平方向への移動を制限するように蓋体を係止する係止部をさらに有する。この構成によれば、蓋体がこの係止部に係止されるため、使用時において蓋体が水平方向へ移動することを制限することができる。これにより、蓋体を安定して内鍋の上部に配置させることができる。
好ましくは、外鍋は、内鍋フランジ部の外縁の外方側に配置され、外鍋フランジ部の外縁から上方へ向けて延びる延出部をさらに有する。これにより、外鍋の上部に蓋体を載置して用いる場合において、この延出部によって蓋体が水平方向へ移動することを制限することができる。したがって、蓋体を安定して外鍋の上部に配置させることができる。
好ましくは、外鍋は、陶磁器、ガラス、およびセラミックからなる群から選ばれたいずれかの材料によって構成され、内鍋は、強磁性を有する鉄系金属によって構成される。この構成によれば、外鍋は、加熱されたときに遠赤外線効果および保温効果をもたらす材料によって構成される。したがって、長時間に亘ってより効果的に調理用鍋内の熱を保温することができる。また、内鍋は、強磁性体によって構成されるため、電磁誘導加熱を行った場合に、ジュール熱に加え、比較的に大きなヒステリシス損による発熱が、発生することとなる。したがって、電磁誘導加熱の効率をさらに向上させることができる。
本考案によれば、調理用鍋が、直火加熱に有利な外鍋と、電磁誘導加熱に有利な内鍋とによって構成され、且つ使用に応じてこれらを容易に着脱することができる。したがって、使用者は、この調理用鍋を、ガス調理機器を使用した直火加熱調理に有利に適用することができるとともに、電磁調理機器を使用した電磁誘導加熱調理にも有利に適用することができる。さらに、内鍋底壁部の下面は、外鍋底壁部と確実に接触する構成となっており、且つ、内鍋側壁部の外壁面は、外鍋側壁部の内壁面と接触している。これにより、調理用鍋としての加熱効率および保温性を向上させることができる。また、上記のように内鍋は外鍋の内部に確実に固定されるため、加熱時に内鍋が不用意に動いてしまうことを防ぐことができる。したがって、調理時および食事中における利便性を向上させることができる。
本考案の一実施形態に係る調理用鍋の分解斜視図である。 本考案の一実施形態に係る調理用鍋の側方断面図である。 本考案の一実施形態に係る外鍋の側方断面図である。 図3中の領域IVを示す拡大断面図である。 本考案の一実施形態に係る内鍋の側方断面図である。 図5中の領域VIを示す拡大断面図である。 図7は、本考案の一実施形態に係る蓋体の側方断面図である。 図2中の領域VIIIを拡大した拡大断面図である。 本考案の一実施形態に係る調理用鍋を電磁調理機器に適用した使用状態を示す側方断面図である。 図1に示す調理用鍋において、内鍋を単体として用いる場合の使用形態を示す側方断面図である。 図1に示す調理用鍋において、外鍋を単体として用いる場合の使用形態を示す側方断面図である。 本考案の他の実施形態に係る調理用鍋の側方断面図である。 本考案の他の実施形態に係る外鍋の側方断面図である。
以下、本考案の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。まず、本考案の一実施形態に係る調理用鍋11について、図1〜図7を用いて説明する。
図1〜図7を参照して、本考案の一実施形態に係る調理用鍋11は、図2中の軸線Oを中心とした略円形状の加熱調理用の鍋である。調理用鍋11は、外鍋12と、外鍋12の内部に着脱可能に収容された内鍋13と、内鍋13の上部開口を覆うように内鍋13に載置された蓋体14とを備える。
外鍋12は、直火加熱に適し、且つ保温性に優れる陶磁器製の土鍋によって構成されている。外鍋12は、円形状の外鍋底壁部15と、外鍋底壁部15の外縁から上方へ向けて延在する外鍋側壁部16と、外鍋側壁部16の上端において外方へ向けて延在する外鍋フランジ部17と、外鍋フランジ部17の外縁から上方へ向けて延びる延出部18とを有する。そして、延出部18の上端部には、外方へ向けて湾曲状に延在する把持部19が、設けられている。本実施形態においては、外鍋側壁部16、外鍋フランジ部17、延出部18、および把持部19は、軸線Oを中心として円環状に連なった形状となるように構成されている。
外鍋底壁部15は、上面20および下面21を含む。上面20および下面21は、水平面と略平行となる平面である。外鍋側壁部16は、上面20の外縁から上方へ向けて延びる内壁面22と、下面21の外縁から上方へ向けて延びる外壁面23とを含む。内壁面22および外壁面23は、軸線Oを中心として円筒状に延在する面である。そして、内壁面22は、上端において外鍋フランジ部17の上面24と接続している。また、外壁面23は、上端において外鍋フランジ部17の下面25と接続している。外鍋フランジ部17の上面24および下面25は、軸線Oを中心として円環状に延在する面であって、水平面と略平行となる平面である。延出部18の上端部に設けられた把持部19は、外鍋12を持ち運ぶ場合に、使用者が下方から手をかけて持ち上げるための部材である。したがって、好ましくは、把持部19は、断熱材によって構成される、または、断熱性材料によってコーティングされる。
内鍋13は、電磁誘導加熱に適した材料であるステンレスによって構成されている。内鍋13は、円形状の内鍋底壁部26と、内鍋底壁部26の外縁から上方へ向けて延在する内鍋側壁部27と、内鍋側壁部27の上端から外方へ向けて延出する内鍋フランジ部28と、内鍋フランジ部28の外縁から上方へ向けて突出する係止部29とを有する。本実施形態においては、内鍋側壁部27、内鍋フランジ部28、および係止部29は、軸線Oを中心として円環状に連なった形状となるように構成されている。
内鍋底壁部26は、上面30および下面31を含む。上面30および下面31は、水平面と略平行となる平面である。内鍋側壁部27は、上面30の外縁から上方へ向けて延びる内壁面32と、下面31の外縁から上方へ向けて延びる外壁面33とを含む。内壁面32および外壁面33は、軸線Oを中心として円筒状に延在する面である。そして、内壁面32は、上端において内鍋フランジ部28の上面34と接続している。また、外壁面33は、上端において内鍋フランジ部28の下面35と接続している。内鍋フランジ部28の上面34および下面35は、軸線Oを中心として円環状に延在する面であって、水平面と略平行となる平面である。したがって、図2に示すように、外鍋12の内部に内鍋13を収容した状態においては、内鍋フランジ部28の下面35は、外鍋フランジ部17の上面24と対向することとなる。
ここで、内鍋13の外壁を形成するように連続する下面31、外壁面33、および下面35は、上記外鍋12の内壁を形成するように連続する上面20、内壁面22、および上面24に沿う形状となるように構成される。この構成については、後述する。
蓋体14は、使用時における調理用鍋11の保温性を高めるために内鍋13の上部開口を覆うように内鍋13に載置される。蓋体14は、ドーム状の椀部36と、下端が椀部36の中央部に接続し、下端から上方外側へ向けて円錐状に延びる把持部40とを有する。椀部36および把持部40は、軸線Oを中心として円形状に連なっている。なお、本実施形態においては、蓋体14は、外鍋12と同様に、保温性に優れた陶磁器によって構成されている。
ここで、内鍋フランジ部28の外縁部に設けられた係止部29の最内径をRとし、蓋体14の椀部36の最外径をRとすると、R>Rを満たすように、内鍋13および蓋体14が、構成される。このような構成とすることにより、図2に示すように、蓋体14が係止部29に阻害されることなく、内鍋フランジ部28の上面34に載置され、内鍋13の開口を閉蓋することができる。また、蓋体14が係止部29に係止されるため、使用時に蓋体14が水平方向へ移動することが制限される。したがって、蓋体14を安定して内鍋13の上部に配置させることができる。
上記の内鍋13を外鍋12の内部に収容し、内鍋13の上部に蓋体14を載置すると、図2に示す調理用鍋11が形成される。このときに、本考案に係る調理用鍋11は、加熱効率および保温効果を高めるために、外鍋底壁部15の上面20と内鍋底壁部26の下面31とが常に面接触する構成となっている。これについて、図2〜図8を用いて以下に説明する。図8は、図2中の領域VIIIを拡大した拡大断面図である。
図2〜図8を参照して、本実施形態においては、外鍋側壁部16の内壁面22の垂直方向高さが、内鍋側壁部27の外壁面33の垂直方向高さよりも低くなるように、外鍋12および内鍋13が、構成されている。より具体的には、内壁面22の下端に位置する外鍋底壁部15の上面20と、内壁面22の上端に位置する外鍋フランジ部17の上面24との間の垂直方向距離をhとし、外壁面33の下端に位置する内鍋底壁部26の下面31と、外壁面33の上端に位置する内鍋フランジ部28の下面35との間の垂直方向距離をhとすると、h<hを満たすように、外鍋12および内鍋13が、構成されている。そうすると、内鍋13を外鍋12に収容した場合においては、図8に示すように、対向する外鍋フランジ部17の上面24と、内鍋フランジ部28の下面35との間に、微小な隙間δh(=h−h>0)が、形成されることとなる。
さらに、上記したように、内鍋13の外壁を形成する下面31、外壁面33、および下面35は、外鍋12の内壁を形成する上面20、内壁面22、および上面24に沿う形状を有する。したがって、上記した隙間δhを確保するように外鍋12および内鍋13を構成することによって、内鍋底壁部26の下面31と外鍋底壁部15の上面20とを確実に面接触させることが可能となる。これとともに、内鍋側壁部27の外壁面33と外鍋側壁部16の内壁面22とを面接触させることも可能となる。この構成により、調理用鍋11としての加熱効率を向上させることが可能となる。このメカニズムの詳細に関しては、後述する。
次に、本実施形態に係る調理用鍋11を電磁調理機器に使用した場合における加熱のメカニズムについて、図9を用いて説明する。図9は、本考案の一実施形態に係る調理用鍋11を電磁調理機器37に適用した使用状態を示す側方断面図である。
図9を参照して、まず、外鍋12の内部に内鍋13を収容し、内鍋13の内部に具材36やだし汁等を入れる。そして、蓋体14を内鍋13の上部開口を上方から覆うように載置して閉蓋する。そして、具材36が入れられた調理用鍋11を電磁調理機器37上に設置し、電磁調理機器37の電源を入れて電磁調理機器37に備えられた加熱コイル38に高周波電流を流す。そうすると、加熱コイル38の周囲に交番磁界による磁力線39が発生し、内鍋13の内部を通過することとなる。この交番磁界の磁力線39によって、内鍋13内に渦電流が発生する。その結果、ステンレスの持つ固有電気抵抗によってジュール熱が発生し、内鍋13が発熱するため、内鍋13に内包されている具材36が加熱されることとなる。
ここで、本実施形態においては、内鍋13を、強磁性体であるステンレスによって構成している。これにより、電磁調理機器37による内鍋13の加熱効率を高めることができる。これについて、以下に説明する。
鉄系金属であるステンレスは、電磁誘導加熱の用途に適した固有電気抵抗を有している。具体的には、アルミや銅と比較して、やや高い電気抵抗を有する。ここで、金属内で励起された渦電流によって発生するジュール熱は、電気抵抗に比例する。したがって、アルミや銅と比べると、ステンレスにより内鍋13を構成することによって、内鍋13により大きいジュール熱を発生させることができる。すなわち、加熱効率を向上させることができる。
また、ステンレス等の鉄系金属は、強磁性を有する。これにより、渦電流と電気抵抗により発生するジュール熱に加え、電磁調理機器37が発生させる交番磁界によってヒステリシス損による熱も生じることから、強磁性材料は、より電磁誘導加熱に適していると言える。したがって、本実施形態のようにステンレスにより内鍋13を構成することによって、電磁誘導加熱による加熱効率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態においては、上記のように、内鍋底壁部26の下面31と外鍋底壁部15の上面20とが確実に面接触するように、外鍋12および内鍋13が、構成されている。すなわち、内鍋底壁部26の位置が、より電磁調理機器37に備えられた加熱コイル38に近くなることとなる。これにより、内鍋13を通過する磁力がより強くなることから、内鍋13における電磁誘導加熱の効率を高めることができる。
また、本実施形態においては、外鍋12を保温性に優れる陶磁器製の土鍋により構成し、且つ、外鍋12と内鍋13とが、確実に面接触する。これにより、電磁誘導加熱により発熱した内鍋13から効果的に外鍋12へと熱が伝わるため、外鍋12をより効果的に加熱することができる。また、土鍋の持つ保温性によって、効果的に調理用鍋11内の熱を保温することができる。さらに、本実施形態においては、蓋体14も、外鍋12と同様に、保温性に優れる陶磁器により構成される。これにより、内鍋13内の熱が外部へと拡散することを防ぐとともに、加熱された外鍋12および蓋体14により、長時間に亘ってより効果的に調理用鍋11内の熱を保温することができる。
また、本実施形態に係る調理用鍋11は、直火加熱に適した材料である土鍋によって構成された外鍋12と、電磁誘導加熱に適した材料であるステンレスによって構成された内鍋13とを備え、これらを組み合わせることによって鍋本体11を形成している。したがって、上記のような電磁調理機器37による電磁誘導加熱のみならず、ガス調理機器等による直火加熱に鍋本体11を適用することが可能である。
また、本実施形態に係る調理用鍋11においては、内鍋13は、外鍋12の内部に確実に固定される。したがって、内鍋13を加熱し、内鍋13内のだし汁等が沸騰したとしても、内鍋13が不用意に動いてしまうことを防ぐことができる。したがって、調理用鍋11の調理時および食事中における利便性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、外鍋側壁部16の内壁面22の垂直方向高さが、内鍋側壁部27の外壁面33の垂直方向高さよりも低くなるように、外鍋12および内鍋13が構成されている場合について述べたが、これに限らず、外鍋側壁部16の内壁面22の垂直方向高さが、内鍋側壁部27の外壁面33の垂直方向高さと同じとなるように外鍋12および内鍋13を構成してもよい。すなわち、外鍋フランジ部17の上面24と、内鍋フランジ部28の下面35とが、面接触する構成であってもよい。
次に、本実施形態に係る調理用鍋11の他の使用形態について、図10〜図11を用いて説明する。図10は、調理用鍋11において、内鍋13を単体として用いる場合の使用形態を示す側方断面図である。図11は、調理用鍋11において、外鍋12を単体として用いる場合の使用形態を示す側方断面図である。
図10〜図11を参照して、上記した調理用鍋11においては、内鍋13が、外鍋12の内部に着脱可能に収容されている。したがって、内鍋13を外鍋12から取り外して単体として使用することが可能である。すなわち、この使用形態においては、図10に示すように、内鍋13の上部に蓋体14を載置して用いる。内鍋13は、上記のように、内鍋フランジ部28の外縁部に係止部29を有するため、内鍋13単体として蓋体14を係止して安定して配置させることが可能である。内鍋13は、電磁誘導加熱に適したステンレスによって構成されているため、この使用形態によれば、電磁調理機器に有利に適用することができる。
外鍋12を単体で用いた場合は、図11に示す使用形態となる。この場合、蓋体14は、外鍋フランジ部17の上面24に載置され、外鍋12の上部開口を閉蓋する。また、外鍋フランジ部17の外縁部には、上方へ向けて延びる延出部18が設けられている。したがって、外鍋12を単体として用いた場合においても、蓋体14の水平方向への移動が延出部18の内壁面によって制限されるため、蓋体14を外鍋12の上部に安定して配置することが可能である。外鍋12および蓋体14は、上記のように、保温性に優れる陶磁器により構成されている。すなわち、この使用形態は、従来の土鍋と同じ形態である。したがって、土鍋の持つ保温性を生かした直火加熱調理に有利に適用することができる。
次に、本考案の他の実施形態に係る調理用鍋41について、図12〜図13を用いて説明する。図12は、本考案の他の実施形態に係る調理用鍋41の側方断面図である。図13は、本考案の他の実施形態に係る外鍋42の側方断面図である。なお、上記の実施形態と同じ構成部材については同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。
調理用鍋41は、外鍋42と、外鍋42の内部に着脱可能に収容された内鍋13と、内鍋13の上部開口を覆う蓋体14とを備える。内鍋13および蓋体14は、上記の実施形態と同様である。外鍋42は、円形状の外鍋底壁部43と、外鍋底壁部43の外縁から上方へ向けて延在する外鍋側壁部44とを有する。ここで、この実施形態においては、外鍋側壁部44の上端部内側に、外鍋側壁部44の上面45から下方へと凹む凹部46が、設けられている。すなわち凹部46は、外鍋側壁部44の内壁面47の上端と接続し、内壁面47から外方へ向けて延びる凹部底面48と、凹部下面48の外縁から上方へ向けて延び、上端において外鍋側壁部44の上面45と接続する凹部側壁面49とによって構成されている。そして、図12に示すように、外鍋42の内部に内鍋13が収容された場合に、内鍋フランジ部28および係止部29が、凹部46内に収容されるように、凹部46が構成されている。
ここで、本実施形態に係る調理用鍋41においても、図1〜図8に示した実施形態と同様に、外鍋側壁部44の内壁面47の垂直方向高さが、内鍋側壁部27の外壁面33の垂直方向高さよりも低くなるように、外鍋42および内鍋13が、構成される。すなわち、内鍋フランジ部28の下面35と、凹部底面48とが対向し、且つ、下面35と凹部底面48との間に微小な隙間が形成されることとなる。
このように、凹部46を構成する凹部底面48は、図1〜図8に示した実施形態における外鍋フランジ部17の上面24に相当し、凹部46を構成する凹部側壁面49は、図1〜図8に示した実施形態における延出部18に相当することとなる。すなわち、本実施形態においては、図1〜図8に示した実施形態における外鍋フランジ部17および延出部18に相当する構成を、外鍋側壁部44に設けた凹部46により実現していることとなる。
なお、上記の実施形態においては、調理用鍋が、中心軸線を基準とした円形状である場合ついて述べたが、これに限らず、調理鍋は、多角形状または楕円形状等、調理用の鍋として適用可能であれば如何なる形状のものであってもよい。
また、上記の実施形態においては、内鍋をステンレスによって構成した場合について述べたが、これに限らず、コバルト等の強磁性を有する如何なる金属を適用してもよいし、強磁性体ではないアルミニウムや銅等の金属であってもよい。また、上記の実施形態においては、外鍋および蓋体をともに陶磁器によって構成した場合について述べたが、これに限らず、ガラスまたはセラミック等、加熱されると遠赤外線を発し、保温性に優れる材料であれば如何なる材料を適用してもよい。また、外鍋と蓋体とをそれぞれ異なる材料によって構成してもよい。
また、上記の実施形態においては、内鍋フランジ部の外縁部に設けられた係止部が、中心軸線を中心とした円環形状となっている場合について述べたが、これに限らず、内鍋フランジ部の上面から上方に突出する柱部、または玉状の凸部を複数箇所に設け、内鍋の上部に載置された蓋体を係止する構成であってもよい。また、内鍋を持ち上げ易くするために、係止部の上端部に手で把持するための把持部をさらに設けてもよい。
また、本実施形態においては、内鍋を外鍋の内部に収容した場合において、外鍋側壁部の内壁面と、内鍋側壁部の外壁面とが面接触する場合について述べたが、これに限らず、これらの面の間に微小な隙間を設けてもよい。ここで、金属製の外鍋と、陶磁器製の内鍋とでは、熱膨張係数が異なる。一般的には、陶磁器よりも金属のほうが熱膨張係数は大きくなる。すなわち、調理用鍋を加熱した場合、外鍋と比べて、内鍋のほうが膨張する度合いが大きくなる。したがって、上記のように外鍋側壁部の内壁面と内鍋側壁部の外壁面との間に隙間を設けることによって、内鍋の膨張を吸収することができる。これにより、内鍋の膨張によって外鍋が割れてしまうことを防止することができる。
以上、図面を参照して本考案の実施の形態を説明したが、本考案は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、本考案と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
本考案は、直火加熱および電磁誘導加熱に適した調理用鍋を提供するものであり、ガス調理機器および電磁調理機器に適用する鍋に有利に利用される。
11,41 調理用鍋、12,42 外鍋、13 内鍋、14 蓋体、15,43 外鍋底壁部、16,44 外鍋側壁部、17 外鍋フランジ部、18 延出部、19,40 把持部、20,24,30,34,45 上面、21,25,31,35 下面、22,32,47 内壁面、23,33 外壁面、26 内鍋底壁部、27 内鍋側壁部、28 内鍋フランジ部、29 係止部、36 具材、37 電磁調理機器、38 加熱コイル、39 磁力線、46 凹部、48 凹部底面、49 凹部側壁面。

Claims (6)

  1. 直火加熱に適した材料から構成された外鍋と、前記外鍋の内部に着脱可能に収容され、電磁誘導加熱に適した材料から構成された内鍋と、を備え、
    前記内鍋は、内鍋底壁部と、前記内鍋底壁部の外縁から上方に向けて延びる内鍋側壁部と、前記内鍋側壁部の上端から外方へ向けて延出する内鍋フランジ部と、を有し、
    前記外鍋は、前記内鍋底壁部の下面と面接触する外鍋底壁部と、前記外鍋底壁部の上面外縁から上方へ延びて前記内鍋側壁部の外壁面と面接触し、且つ前記内鍋側壁部の外壁面と同じか、またはそれよりも低い垂直方向高さを有する内壁面を含む外鍋側壁部と、を有する、調理用鍋。
  2. 前記外鍋は、前記外鍋側壁部の内壁面の上端から外方へ向けて延び、前記内鍋フランジ部と下方から対向する外鍋フランジ部をさらに有する、請求項1に記載の調理用鍋。
  3. 前記内鍋および前記外鍋の上部開口を覆うことが可能な蓋体をさらに備える、請求項1または2に記載の調理用鍋。
  4. 前記内鍋は、前記内鍋フランジ部の外縁から上方へ向けて突出し、前記蓋体が前記内鍋の上部開口を覆うように載置されたときに前記蓋体の水平方向への移動を制限するように前記蓋体を係止する係止部をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の調理用鍋。
  5. 前記外鍋は、前記内鍋フランジ部の外縁の外方側に配置され、前記外鍋フランジ部の外縁から上方へ向けて延びる延出部をさらに有する、請求項1〜4のいずれかに記載の調理用鍋。
  6. 前記外鍋は、陶磁器、ガラス、およびセラミックからなる群から選ばれたいずれかの材料によって構成され、前記内鍋は、強磁性を有する鉄系金属によって構成される、請求項1〜5のいずれかに記載の調理用鍋。
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