以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の無線タグ情報管理装置を備えた無線タグ情報管理システムを表すシステム構成図である。
図1に示すこの無線タグ情報管理システム1において、無線タグ情報管理装置(無線タグ情報通信装置)2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5(操作端末)、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
端末5は、例えばいわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、RAM、マウス・キーボード等の操作手段、ディスプレイ等の表示手段等から構成され、操作手段の操作に基づき、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、また表示手段に所定の表示を行うようになっている。
図2は、上記無線タグ情報管理装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
図2において、無線タグ情報管理装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部に、カートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
装置本体8は、第2ロール104から繰り出されるカバーフィルム(被印字媒体)103に所定の印字(印刷)を行う印字ヘッド(サーマルヘッド、印字手段)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、カバーフィルム103と第1ロール(タグテープロール)102から繰り出される基材テープ(タグテープ)101とを貼り合わせつつ印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ100から繰り出すための圧着ローラ駆動軸(駆動手段)12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の送受を行うアンテナ(アンテナ手段)14と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(詳細は後述)を生成するカッタ15と、無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、それらを収納するように外郭を構成し、カートリッジ100を着脱可能に嵌合させる上記カートリッジホルダ部及び上記搬出口16を備える筐体(ハウジング)9とを有する。
アンテナ14は、一方側(この例では図2の紙面に向かって手前側)に指向性を備えた指向性アンテナ(この例では周知であり、図示および詳細な説明を省略するパッチアンテナ)で構成されるとともに上記第1ロール102の軸方向(図2の紙面に向かって奥側)近傍に配置されており、第1ロール102の基材テープ101の送り出し部分近傍領域Xと通信可能となるように配置されている。なお、この例では第1ロール102の一部が領域Xからはずれているが、第1ロール102のすべてが領域Xに含まれるようにしてもよい。
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(書き込み又は読み取りを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11、圧着ローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、無線タグ情報管理装置2全体の動作を制御するための制御回路30と、各種データベース201を備え、例えば不揮発性のハードディスク等からなる記憶装置200とを有する。
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31(操作信号入力手段)を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報や信号のやりとり(端末5からの操作信号の入力等を含む)が可能となっている。
図3は、上記カートリッジ100の詳細構造を説明するための説明図である。
この図3において、カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ101が巻回された上記第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された上記第2ロール104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープとしつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=テープ送りローラとしても機能する)圧着ローラ107とを有する。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。
基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記圧着ローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が上記印字ヘッド10に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
そして、カートリッジ100が上記装置本体8のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述の圧着ローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、圧着ローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字R(後述の図7参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープとして形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。また、第1ロール102の繰り出し近傍にはガイドローラ120が設けられており、第1ロール102の残量により外径が変化しても装置側のアンテナ14と無線タグラベルTの位置関係が所定の範囲となるように規制して、無線タグ回路素子Toとの通信条件を一定に保つようになっている。
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(書き込み又は読み取りを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波(無線タグ情報)を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。なお、無線タグ情報は上記のように変調した信号に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に移送器49で位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態の無線タグ情報管理装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
図5は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。 この図5において、無線タグ回路素子Toは、無線タグ情報管理装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記無線タグ情報管理装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
図6(a)及び図6(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報書き込み及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は下面図である。また図7は、図6中VII−VII′断面による横断面図である。
これら図6(a)、図6(b)、及び図7において、無線タグラベルTは、図 3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図7中上側)よりその反対側(図7中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
図8は、上述したような無線タグ情報管理装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(書き込み又は読み取り)に際して、上記した端末5(又は汎用コンピュータ6でもよい)に表示される画面の一例を表す図である。
図8において、この例では、タグラベル種別、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のタグIDであるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記記憶装置200のデータベース201に記憶された(詳細は後述)物品情報(対象物情報)のアドレス、及び上記情報サーバ7やルートサーバ4におけるそれらの関連情報(後述の図11、図12参照)の格納先アドレス等が上記端末5(又は汎用コンピュータ6でもよい)に表示可能となっている。
そして、端末5(又は汎用コンピュータ6でもよい)の操作により無線タグ情報管理装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、後述するようにIC回路部151に上記書き込みIDやさらにこれに対応する物品情報等の対象物情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶されたタグIDが読みとられる)。
上記のような書き込み(又は読み取り)の際、書き込まれた(又は読み取られた)無線タグラベルTのタグID(識別情報)と、その無線タグラベルTの対象物(無線タグラベルTが添付、貼着、取り付け、同梱される物品・商品・部材・機械・設備等)の情報(物品情報等の対象物情報)等との対応関係(=相関情報;いわゆるひも付け情報)は、前述の記憶装置200のデータベース201に記憶され(なお、さらにルートサーバ4に記憶させてもよい)、必要に応じて参照できるようになっている。なおこの相関情報に加えて、上記対象物情報等についても併せて上記データベース201に記憶格納してもよい(後述の図11、図12参照)。なお、相関情報(いわゆるひも付け情報)のみを記憶装置200のデータベース201に記憶させる場合には、対象物情報等は例えば情報サーバ7(装置外データベース)に参照可能に記憶させればよい。
上記構成の無線タグ情報管理装置2を備えた無線タグ情報管理システム1において、その要部は、自らデータベース201を構成する記憶装置200を備えた無線タグ情報管理装置2が、アンテナ14を介したタグ情報アクセス機能、記憶装置200へのアクセス機能、印字ヘッド10による印字機能の3つを備えており、装置外の端末5の1つの操作信号に含まれる互いに関連づけられたタグ情報アクセス指令、記憶装置アクセス指令、印字指令に応じて、上記3つの機能を一括して実行することにある。以下、その詳細を順を追って説明する。
図9は、端末(操作端末)5からの操作信号に基づき、上記した無線タグ情報管理装置2の3つの機能(記憶装置アクセス機能、タグ情報アクセス機能、印字機能)がそれぞれ実行される際の概念的なタイムチャートである。
この図9において、実際のデータのやりとりの前に、まず端末5からカートリッジ種別を問い合わせるステータス問い合わせ信号が出力される(ステップSS501)。すなわち、カートリッジ100は、基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Toに関連するタグ属性パラメータ(テープ幅、タグ配置間隔、タグ感度等)又は通信パラメータ(周波数、通信プロトコル等)が異なるごとに、それぞれ別の種類のカートリッジとして構成されており、各カートリッジ100の適宜の箇所に、それらカートリッジ種類を表す情報を含む被検出部が設けられている。そして、無線タグ情報管理装置2のカートリッジホルダ部には、この被検出部のカートリッジ種類情報を読み取る適宜の検出手段(例えばメカニカルスイッチ等の機械的センサ、バーコードスキャナ等の光学的センサあるいは磁気的センサ、無線通信による検出等)が設けられている。このカートリッジ種別に係わる検出結果は例えば制御回路30に入力され、上記ステータス問い合わせ信号に対応して制御回路30から上記検出結果に基づくカートリッジ種別情報がステータス応答信号として端末5へ出力される(ステップSS502)。
このとき、無線タグ情報管理装置2内の記憶装置200のデータベース201には、詳細には複数のデータベース201A,201B,…が含まれている(後述の図10参照)。操作者が端末5を操作してそれらのうちどのデータベースのデータを用いるかを選択すると、これに応じたデータベース参照指令信号が制御回路30を介して記憶装置200へと出力され(ステップSS503)、これに応じてデータベースに既に登録されたデータ(=この例では無線タグラベルTの対象物情報データ等)のデータレコード(群)が記憶装置200から抽出されて参照データとして制御回路302を介して端末5の上記表示手段に例えば一覧表示される(ステップSS504)。
操作者は、上記表示手段に表示された参照データを見て、例えばこれから当該データに係わるタグラベルTを発行するあるいはデータ編集のみを行う等、自分が取り扱おうとしているデータが既に登録されている場合には、その登録データ一覧から当該データの選択を行う(ステップSS505)。未登録である場合には、新たに対応するデータベースに当該データの入力を行って登録する(ステップSS506)。
このようにしてデータ選択あるいはデータ登録が終了したデータについて、無線タグラベルT(但し後述のように無線タグ回路素子Toのない単なる印字ラベルの発行も可能である)の発行(=作成)を行わない場合は、そのまま操作終了となるが(ステップSS507)、発行を行う場合は、まず今までに当該データについて無線タグラベルTを発行してことがなく今回新規発行であるか、既に発行したことがあるかによって端末5における操作・動作が分かれる。
新規発行の場合には、端末5において対応する適宜の操作を行うことにより、作成される無線タグラベルTの外観(印字態様)のイメージが無線タグ情報管理装置2の制御回路20にて作成され、端末5の表示手段に表示される(ステップSS508)。
既発行の場合には、端末5において、既発行無線タグラベルTのタグ不良による再発行(不良再発行)か、既発行無線タグラベルTを紛失したことによる再発行(紛失再発行)か、既発行無線タグラベルTにさらに追加して同一ラベルを発行する(追加発行)かによりさらに分かれる。不良再発行及び追加発行の場合は端末5において対応する適宜の操作を行う(後述の図13参照)ことにより、上記同様に無線タグ情報管理装置2の制御回路20にて無線タグラベルTの外観イメージが作成され、端末5に表示される(ステップSS509)。紛失再発行の場合には、端末5において対応する適宜の操作を行う(ステップSS510、後述の図13も参照)と、当該紛失した無線タグラベルTの無線タグ回路素子Toの機能を無効化するための無効化指令信号が端末5から記憶装置200へと出力され(ステップSS511)、記憶装置200において当該無効化処理がなされる(後述の図11及び図12の有効/無効フラグ参照)。その後、上記同様に無線タグラベルTの外観イメージが作成され表示される(ステップSS512)。
その後、上記のようにして作成されプレビュー表示された無線タグラベルTの外見イメージは当該データ(対象物情報等)あるいはタグIDと関連づけて対応するデータベースに格納保持される(ステップSS513)。
そして、以上の段階をふまえて操作者が端末5においてタグ作成(発行)開始の旨を操作(指示)入力すると、前述したようにタグ情報アクセス(=この例ではデータ書き込み)指令、印字指令、記憶装置アクセス(発行データ登録)指令からなる1つの操作信号が無線タグ情報管理装置2側へ出力される。印字指令信号は制御回路30を介し印刷駆動回路25へ入力され(ステップSS514)、印字ヘッド10を駆動してカバーフィルム103に対し対応する印字が行われる。データ書き込み指令信号は制御回路30を介し信号処理回路22及び高周波回路21へ入力され(ステップSS515)、アンテナ14を介しタグID等の情報書き込みが行われる。発行データ登録指令は制御回路30へ入力され、上記データ書き込みが成功した旨の報告信号(ステップSS517)及び上記印字が成功した旨の報告信号(ステップSS518)が制御回路30へ入力されるのを待って、これを確認して制御回路30から当該書き込んだタグIDと対象物情報等との相関(ひも付け)情報(あるいはさらに併せて対象物情報も)を記憶装置200のデータベース201へ発行データとして登録する(ステップSS519)。そして、登録した旨のデータ書き込み成功報告信号が制御回路30側より操作端末5へ出力される(ステップSS520)。なお、印字又は書き込みが失敗した場合には、その旨のデータ書き込み失敗報告信号(ステップSS521A)及び印字失敗報告信号(ステップSS521B)が制御回路30側より操作端末5へ出力される。そして、操作端末5の表示手段において、それら報告信号に対応する結果表示(成功表示又はエラー表示)が行われる(ステップSS522)。
図10は、上記図9のステップSS503にてデータベース参照指令信号が端末5から記憶装置200へと出力されるにあたり端末5の表示手段において表示されるデータベース選択用の画面である。図10においては、無線タグ情報管理装置2の上記記憶装置200のデータベース201として社員情報データベース201A、物品情報データベース201B、顧客情報データベース201C、特許情報データベース201Dの4つが備えられている場合を例にとって表している。これら4つのうち選択したデータベース201について、前述したようにステップSS503にて参照指令信号が記憶装置200へと出力され、当該データベース201からデータレコード(群)が参照データとして端末5の表示手段に表示される。
図11はこうして表示されたデータレコードの一例を表す図である。この例では、例えば無線タグラベルTの取扱対象物として社員の名札を作成するために、図10に示した上記社員情報データベース201Aを選択した場合に参照データとして端末5に表示されるレコードを示している。図示のように、この例では、レコード項目として「社員コード」「氏名」「フリガナ」「性別コード」「所属部門コード」「内線番号」「電子メールアドレス」「顔写真ファイル名」「ラベル基材色コード」「ラベル印字色コード」「ラベルイメージファイル名」「IDビット長」「タグID(16進法表記)」「プロトコルコード」「発行日」「発行理由コード」「有効/無効フラグ」の各欄が設けられている。
これらのうち、「社員コード」「氏名」「フリガナ」「性別コード」「所属部門コード」「内線番号」「電子メールアドレス」「顔写真ファイル名」がいわゆる対象物情報(名札を着用する社員の情報)であり、これら対象物情報と「タグID」とがこの横一列の表によって関連づけられていることがこれら対象物情報とタグIDとの相関情報(ひも付け情報)を実質的に形成している。
また「ラベル基材色コード」「ラベル印字色コード」「ラベルイメージファイル名」「IDビット長」「プロトコルコード」「発行日」「発行理由コード」「有効/無効フラグ」はその他この無線タグラベルTに関して付随する情報である。
それらのうち「発行理由コード」は「0」であると初回発行(=新規発行)を表しており、「1」であると故障(タグ不良、前述の図9のステップSS509参照)による不良再発行を表しており、「2」であると紛失再発行(図9のステップSS510)を表している。なお、不良再発行時にも前回発行時のデータレコードが消えるわけではなく、今回レコードは前回レコードと「タグID」が同じになり、「発行日」「発行理由コード」が異なることとなる。紛失再発行時にも前回発行時のデータレコードは消えないが、今回レコードは前回レコードと異なる「タグID」となり、「発行日」「発行理由コード」も異なることとなる。
また「有効/無効フラグ」は「1」であると無線タグ回路素子Toが正常に機能しており、「0」であると無線タグ回路素子Toが正常に機能していない(無線タグ情報管理装置2側のコマンド送信により機能が無効化・休眠化されている場合と、読み取り・書き込みや印字が失敗した状態の場合とを含む)ことを表している。読み取り・書き込みや印字失敗時には、例えばこの「有効/無効フラグ」が「0」となるとともに、発行日も「000000」となる。この場合、図9に示すステップSS516のデータ登録指令信号を受信した段階で仮登録としてとりあえずこの「有効/無効フラグ」を暫定的に「1」として登録しておき、例えばステップSS517やステップSS518で読み取り又は書き込みや印字成功報告が制御回路30で所定時間内に受信されなかった段階で(あるいは別途失敗報告を制御回路30内にて受信するようにしてもよい)、さらにはこのことが端末5にて表示あるいは承認された段階で、制御回路30が当該データベース201Aにアクセスし、レコードの上記「1」を「0」に置き換えるようにしてもよい(逆に指令受信時に暫定的に「0」としておき、アクセス成功報告時に「1」と置き換えるようにしてもよい)。またこのとき、さらに読み取り・書き込み又は印字のリトライ(再試行)を行うようにし、その場合には新たなレコードを作成せず同一のレコードのまま読み取り・書き込み及び印字が成功したときに「0」を「1」に書き換えるようにしてもよい。いずれの場合も、各請求項記載の、タグアクセス判定手段(又は印字判定手段)の判定結果に応じて記憶装置のデータベース内の記憶情報を有効化又は無効化するデータアクセス手段に相当している。
図12はデータレコードの他の表示例を表す図である。この例では、例えば無線タグラベルTの取扱対象物として社内管理部品の管理ラベルを作成するために、図10に示した上記物品情報データベース201Bを選択した場合に参照データとして端末5に表示されるレコードを示している。図示のように、この例では、レコード項目として「物品コード」「品名」「型番」「購入日」「管理部門コード」「管理者コード」「写真ファイル名」「ラベル基材色コード」「ラベル印字色コード」「ラベルイメージファイル名」「IDビット長」「タグID(16進法表記)」「プロトコルコード」「発行日」「発行理由コード」「有効/無効フラグ」の各欄が設けられている。またこの場合におけるラベルイメージファイルの例を併せて示す。
これらのうち、「物品コード」「品名」「型番」「購入日」「管理部門コード」「管理者コード」「写真ファイル名」がいわゆる対象物情報(ラベルを貼る物品の情報)であり、前述と同様、これら対象物情報と「タグID」とがこの横一列の表によって関連づけられていることがこれら対象物情報とタグIDとの相関情報(ひも付け情報)を実質的に形成している。
また前述と同様「ラベル基材色コード」「ラベル印字色コード」「ラベルイメージファイル名」「IDビット長」「プロトコルコード」「発行日」「発行理由コード」「有効/無効フラグ」は無線タグラベルTに関して付随する情報である。
なお、「発行理由コード」「タグID」「発行日」「発行理由コード」等の取扱いは前述と同様であるので、説明を省略する。
図13は、上記図9のステップSS509及びステップSS510にて紛失再発行か不良再発行かに対応して端末5にて操作者が操作を行うために表示手段において表示される選択操作用の画面である。図13においては、再発行事由として、上記不良再発行に対応するチェックボックス202A、紛失再発行に対応するチェックボックス202Bとが設けられている。チェックボックス202Aを選択し発行ボタン203を操作すると、前述したようにステップSS509にて端末5において無線タグラベルTの外観イメージが生成されて表示される。チェックボックス202Bを選択し発行ボタン203を操作すると、前述したようにステップSS511において無効化指令信号が端末5から記憶装置200へと出力された後、ステップSS512で上記同様の無線タグラベルTの外観イメージが表示される。
なお、この例では、再発行とは関係ないが、無線タグ情報管理装置2において、カートリッジホルダ部に無線タグ回路素子Toのない基材テープを備えたカートリッジを装着してタグ無しラベルが作成可能となっている場合に対応したチェックボックス202Cが併せて表示される例を示している。このチェックボックス202Cを選択し発行ボタン203を操作することにより、例えば図9に示したステップSS515、ステップSS517、及びステップSS520は実行されず、ステップSS519では印字ヘッド10での印字成功報告(ステップSS518)のみが確認されたらステップSS516のデータ登録指令信号に基づきデータベース201への登録を行う。このようにしてこの無線タグ情報管理システム1ではタグ無しの通常の印字ラベルの作成及びこれに伴うデータ(印字データのみ)も可能となっている。
一方、図9のステップSS514の印字指令信号、ステップSS515のデータ書き込み指令信号、ステップSS516のデータ登録指令信号に応じて、無線タグ情報管理装置2では、アンテナ14から無線タグ回路素子ToのIC回路部151への情報(タグID)書き込み、印字ヘッド10による印字、さらにデータベース201へのデータ(上記タグIDを含む図11や図12に例示したデータレコード)の登録を行う。図14は、これらを行う際に、制御回路30によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
この図14において、端末5における所定の操作により上記印字指令信号、データ書き込み指令信号、及びデータ登録指令信号を含む前述の操作信号が通信回線3及び入出力インターフェイス31を介し制御回路30に入力(識別)されると(上記図9のステップSS514、ステップSS515、ステップSS516参照)このフローが開始される。そして、まずステップS10において、上記端末5からのデータ書き込み指令信号に基づく、アンテナ14より無線タグ回路素子ToのIC回路部151へ書き込むべき情報(タグID等)と、印字ヘッド10により無線タグラベルTへ印字すべき印字情報(例えば対応する無線タグ回路素子ToのタグIDそのもの又は無線タグラベルTの用途に応じた情報等)とが取得される。
その後、ステップS15に移り、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライ(再試行)を行う回数をカウントする変数N、及び通信良好か不良かを表すフラグFを0に初期化する。
そして、ステップS20において、カートリッジ駆動回路24に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107を回転駆動させる。これにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され圧着ローラ107へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。さらに送出ローラ駆動回路29を介して送出ローラ用モータ28に制御信号を出力し、送出ローラ17を回転駆動させる。以上の結果、前述したように基材テープ101と(後述のように印刷が終了した)カバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ体100外方向へと搬送されていくように、各テープ101,103,110が駆動開始される。
次に、ステップS30において、書き込みたい所定の無線タグ情報(タグID等)を無線タグ回路素子Toに送信し書き込む書き込み処理を行う(詳細は後述の図15を参照)。
そして、ステップS35に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力し、印字ヘッド10を通電して、カバーフィルム103のうち所定の領域(例えば基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面に貼り合わせることとなる領域)に、ステップS10で取得した文字、記号、バーコード等の印字Rを印刷させる。ステップS35が終了すると、ステップS39に移る。
ステップS39では、フラグF=0であるかどうかが判定される。書き込み処理が正常に完了していればF=0のまま(後述の図15に示すフローのステップS38参照)であるので、この判定が満たされ、ステップS50に移る。
ステップS50では、カバーフィルム103のうちこの時点で処理対象としている無線タグ回路素子Toに対応する領域への印字がすべて完了しているかどうかを確認した後、ステップS60へ移る。
なお、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図15に示すフローのステップS38参照)ので前述のステップS39の判定が満たされず、ステップS45に移り、印刷駆動回路25に制御信号を出力して印字ヘッド10を通電を中止し印字を停止させる。このように印字中途停止によって当該無線タグ回路素子Toが正常品でないことを明らかに表示するようにした後、上記ステップS60へ移る。
ステップS60では、印字済タグラベル用テープ110がカッタ15で切断されるべき所定位置にまで搬送されたかどうかを判定する。具体的には、例えば、対象とする無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を所定の長さ(余白量)分だけ越えたかどうかを、基材テープ101(詳細には例えば剥離紙101d、あるいはカバーフィルム103等でもよい)に対し各無線タグ回路素子Toに対応して設けた適宜の識別用マークをカートリッジ100外(例えばカッタ15のさらに搬送方向下流側)に設けた公知のテープセンサで検出することにより行えば足りる。またこのような検出を行わず、印字Rの印字文字長に所定の余白領域分を加えた長さが無線タグ回路素子Toの全長を超えているかどうかを印字情報に基づき判定する(超えていれば、少なくともカバーフィルム103の印字が完了した段階でその余白領域外をカッタ15で切断するようにすれば、貼り合わせられる無線タグ回路素子Toを切断することは回避できるため)ことで代用してもよい。
この判定が満たされたら、ステップS70に移る。ステップS70では、カートリッジ駆動回路24及び送出ローラ駆動回路29に制御信号を出力し、カートリッジ用モータ23及び送出ローラ用モータ28の駆動を停止して、リボン巻取りローラ106、圧着ローラ107、送出ローラ17の回転を停止する。これにより、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び送出ローラ17による印字済タグラベル用テープ110の搬送が停止する。
その後、ステップS80でソレノイド駆動回路27に制御信号を出力してソレノイド26を駆動し、カッタ15によって印字済タグラベル用テープ110の切断を行う。前述したように、この時点で、例えば処理対象の無線タグ回路素子To及びこれに対応するカバーフィルム103の印字領域のすべてがカッタ15を十分に越えており、このカッタ15の切断によって、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
その後、ステップS90に移り、送出ローラ用駆動回路29に制御信号を出力し、送出ローラ用モータ28の駆動を再開して、送出ローラ17を回転させる。これにより、送出ローラ17による搬送が再開されて上記ステップS150でラベル状に生成された無線タグラベルTが搬出口16へ向かって搬送され、搬出口16から装置2外へと排出される。
そして、ステップS100において、カートリッジ100内の通信範囲(前述の領域X)に残存する無線タグラベル回路素子Toに備えられたIC回路部151の全無線タグ情報を消去(初期化)する。詳細には、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Erase」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介し通信範囲(上記領域X)内の全無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157を初期化する。
その後、ステップS110に移り、フラグF=0であるかどうかが判定される。書き込み処理が正常に完了していればF=0のまま(後述の図15に示すフローのステップS38参照)であって判定が満たされ(上記図9のステップS517に対応)、またこの場合はステップS39における判定が満たされてステップS50において印字が正常に完了している(上記図9のステップS518に対応)ことから、ステップS120に移り、上記ステップS30で無線タグ回路素子Toへ書き込んだ無線タグ情報(タグID等)と、これに対応して印字ヘッド10により印字された印字情報との組み合わせを、他の関連情報(この例では無線タグラベルTの対象物情報も含む)とともに、記憶装置200のデータベース201に書き込み登録する(上記図9のステップSS519に対応;なお既に登録されている場合は上書き更新する)。この記憶データは必要に応じて端末5(又は汎用コンピュータ6)より参照可能にデータベース201内に格納保持される。
なお、何らかの理由で書き込み処理が正常に完了していない場合はF=1とされている(後述の図15に示すフローのステップS38参照)ので前述のステップS110の判定が満たされず、ステップS130に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス31及び通信回線3を介し上記端末5(又は汎用コンピュータ6)へ出力し(上記図9のステップSS520,ステップSS521に対応)、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ(ステップSS522対応)、このフローを終了する。
図15は、上記ステップS30の詳細手順を表すフローチャートである。
図15において、図14における前述のステップS20が終了すると、まずステップS31に移り、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で本来書き込みたいタグIDを含む無線タグ情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介して通信可能エリア内(前述の領域X内)にあるすべての無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に情報が書き込まれる。
その後、ステップS32において、メモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で「Verify」信号が生成されて高周波回路21の送信部32及びアンテナ14を介して上記通信可能エリア内の全無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
そして、ステップS33に移り、上記「Verify」信号に対応して上記通信可能エリア内の全無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ(応答)信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21の受信部33及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS34において、上記ステップS33の受信結果に基づき、上記通信エリア内の全無線タグ回路素子Toのうち、少なくとも1つから何らかの有効なリプライ信号(メモリ部157に正常に記憶されたことを表す信号)が受信されたかどうかを判定する。
判定が満たされたら、上記領域X内の少なくとも1つの無線タグ回路素子Toには正しく書き込まれており、領域X内の全無線タグ回路素子Toへの書き込み失敗は回避されていることから、このルーチンを終了する。判定が満たされない場合はステップS35に移ってNに1を加え、さらにステップS36においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS31に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS38でフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。このように、アンテナ14から領域X内における無線タグ回路素子Toへの情報書き込みが万が一不調であった場合でも、所定回数N回(上記の例ではN=5)までは再試行を行うので、書き込み信頼性の確保上、万全を期すことができる。また、上記において、前述のリトライN回の間、書き込み送信パワーを順次増大させるようにしてもよい。また、N回リトライに失敗して図15のステップS38でフラグF=1にした後、図14のステップS45で印字を停止するのではなく、その書き込み(リトライ)失敗の旨の何らかの(警告)印字等を行うようにしてもよい。
以上において、制御回路30、信号処理回路22、及び高周波回路送信部32が、各請求項記載の、前記タグ情報アクセス指令に基づき前記アンテナ手段を介し前記無線タグ回路素子のIC回路部にアクセスを行うタグアクセス手段を構成する。
また、制御回路30の実行する図14のフローのステップS120が、記憶装置アクセス指令に基づき、データベースにアクセスを行うデータアクセス手段を構成し、図15のフローのステップS34、ステップS35、及びステップS36が、タグアクセス手段によるIC回路部へのアクセスの成否を判定するタグアクセス判定手段を構成し、図14のフローの(ステップS50を経た後の)ステップS110が、印字手段による印字の成否を判定する印字判定手段を構成する。
さらに、図9を用いて説明したステップSS503の手順において、制御回路30から記憶装置200へとデータベース参照指令信号を送信することが、データベースアクセス手段によるデータベースへのアクセスに先立ち、記憶装置アクセス指令に対応する相関情報がデータベースに既に格納されているかどうかを参照する相関情報参照手段を構成する。
以上説明した本実施形態の無線タグ情報管理装置2においては、上述したように、操作者が端末5を操作して生成された操作信号が、互いに関連づけられたタグ情報アクセス指令、記憶装置アクセス指令、印字指令の3つの指令を含んでいる。3つの指令のうちタグアクセス指令は制御回路30を介して信号処理回路22及び高周波回路21に入力され、アンテナ14を介して無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対しタグID等の情報の読み取り又は書き込みが行われる。また記憶装置アクセス指令は制御回路30に入力され、制御回路30はこの指令に基づき記憶装置200内のデータベース201にアクセスし、無線タグラベルTの取り付け対象物情報とこれに対応するタグID等の書き込み(登録)を行う。さらに印字指令は制御回路30、印刷駆動回路25を介し印字ヘッド10に入力され、印字ヘッド10がこの指令に基づきカバーフィルム103に所定の印字を行う。
以上のように、本実施形態では、記憶装置200を無線タグ情報管理装置2側に備えることにより、無線タグ回路素子Toと印字付きのラベルとを備えた無線タグラベルTを作成するのに必要な3つの機能、すなわちタグアクセス機能、データベースアクセス機能、印字機能のすべてを、(この例では端末5からの)1つの操作信号を元にその1つの信号に含まれる3つの指令(=タグ情報アクセス指令、記憶装置アクセス指令、印字指令)によって一括して実行する。これにより、タグアクセス機能及び印字機能のみを装置内に有し装置外部にデータベースを備えネットワーク通信を介しデータベースアクセスを行う場合のように、ネットワーク通信環境の良否によりデータベース201へのアクセスの円滑性が阻害されることが防止される。したがって、円滑、迅速、かつ信頼性の高い無線タグ情報の管理を実現することができる。
また本実施形態では特に、前述したように、タグアクセスの結果又は印字の結果に応じて、記憶装置200のデータベース201内の記憶情報を上書き更新することができ(図9のステップSS517、ステップSS518、ステップSS519)、さらには意図的に有効化又は無効化することも可能である(図11及び図12における有効/無効フラグ及びその説明を参照)。このように、タグアクセスの結果又は印字結果を、装置2内のみの信号経路を介しデータベース201側の情報へ反映させることにより、タグアクセス機能及び印字機能のみを装置内に有し装置外部にデータベースを備えネットワーク通信を介しデータベースアクセスを行う場合のように、ネットワーク通信環境の良否によりタグアクセス結果や印字結果とデータベース内データとのリンク付けに支障が生じることが防止される。この結果、円滑、迅速、かつ信頼性の高い無線タグ情報の管理を確実に実現することができる。
さらに、本実施形態では特に、前述したように、タグ不良時や複数枚作成ニーズに対応して既登録のデータを再度用いて同一IDによって無線タグラベルTの発行が可能であり、また紛失時に対応して既登録データについて別のIDによって無線タグラベルの発行が可能であり、いずれも操作者の利便性を向上できる。特に紛失時には、前回発行時とは別に新たなデータ〜タグIDとの相関関係(ひも付け情報)を作成してこれを用いて無線タグラベルTを発行するとともに、前回発行した無線タグラベルTに対応した相関関係を無効化する(図9のステップSS511)ので、仮に紛失した無線タグラベルTの機能がまだ生きていたとしても、新たに作成する無線タグラベルTとの情報の混信を防止することができる。
さらに、本実施形態では特に、無線タグラベルTの発行開始前に、制御回路30においてタグラベルTの印字態様のイメージが作成され端末5にプレビュー表示される(イメージ画像作成手段;図9のステップSS508、ステップSS509、ステップSS512)、さらに記憶装置200のデータベース201が、このイメージ画像を、対応するデータと関連づけて格納保持する(図11、図12参照)。また上記のようにデータベース201に格納保持されたイメージ画像は、端末5からの適宜の操作で制御回路30にて取得されて対応するイメージ画像表示信号が生成され(イメージ画像表示信号生成手段)、端末5の表示手段へ出力されて対応する表示が行われる。これらにより、操作者が作成後の無線タグラベルTの外観態様を容易に認識することができるので、これによっても操作者の利便性を向上することができる。
また、この実施形態では特に、図10を参照して説明したように、記憶装置200が無線タグ回路素子Toの用途に応じた、複数種類のデータベース201A〜201Dを備えている。これにより、例えば、固定資産管理用、オフィス備品管理用、名札作成用等、用途に応じたデータベースを用意して使い分けることが可能となり、利便性が向上する。
さらに、本実施形態では特に、図13においてチェックボックス202Cに関連して説明したように、無線タグ回路素子Toを含まず印字のみを行った(タグなし)印字ラベルを作成することも可能である。この結果、操作者の利便性を向上することができる。特に本実施形態では印字情報として、対応する無線タグ回路素子ToのタグIDそのもの又は無線タグラベルTの用途に応じた情報等の印字を行うことにより、それら無線タグ回路素子Toごとの固有の識別情報あるいは当該無線タグ回路素子の用途情報を印字済タグラベル用テープ110ひいては無線タグラベルTにおいて視覚的に明確にすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態以外にも、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲でさらに種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
(1)データベースより複数データ群の連続発行を行う場合
すなわち、操作者が所定条件を満たす複数の前記タグラベルの連続作成を行う際に、当該所定の条件を満たすデータベース201A〜201Dに含まれる特定のデータ群をデータベースから検索抽出し、それらデータ群に関わる複数の無線タグラベルTを自動的に連続発行する場合である。
図16は、上記操作者が複数の無線タグラベルTの連続発行のために検索抽出を行うときの所定条件と、これに対応する検索抽出対象のデータベース201A〜201Dとの組み合わせの例を表す図である。
図16において、この例では、社員管理データベース201Aを検索抽出対象とする場合において、性別が男性でかつまだ無線タグラベルTが未発行である社員に関するデータのみを上記所定条件として設定し当該データを検索抽出する例や、性別が女性でかつまだ無線タグラベルTが未発行である社員に関するデータのみを検索抽出する例が示されている。同様に、備品管理データベース201Bを検索抽出対象とする場合において、購入金額が20万円未満で無線タグラベルTが未発行である備品に関するデータのみを検索抽出する例や、購入金額が20万円以上で無線タグラベルTが未発行である備品に関するデータのみを検索抽出する例や、さらに、顧客管理データベース201Dを検索抽出対象とする場合において取引回数が10回以上で無線タグラベルTが未発行である顧客に関するデータのみを検索抽出する例や、顧客管理データベース201Dを検索抽出対象とする場合において取引回数が10回未満で無線タグラベルTが未発行である顧客に関するデータのみを検索抽出する例が示されている。
図17は、操作端末5からの操作信号に基づき、本変形例のタグラベル作成装置2が実行する基本動作の概念的なタイムチャートであり、上記実施形態の図9に対応する図である。図9と同等の手順には適宜同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
この図17において、ステータス問い合わせ信号の出力(ステップSS501)、制御回路30のカートリッジ種類情報(識別情報)の取得(ステップSS502)、データベース選択に応じたデータベース参照指令信号の記憶装置200への出力(ステップSS503)、及びデータレコード(群)の記憶装置200からの抽出及び端末5の表示手段への一覧表示(ステップSS504)は図9と同様である。
操作者は、上記表示手段に表示された参照データ群を見て、それらのうち、図16に示したような、複数の無線タグラベルTの連続発行のために検索抽出を行うときの所定条件を操作端末5において入力する(ステップSS540)。これにより、上記入力に応じたデータベース参照指令(検索抽出指令)信号が制御回路30を介して記憶装置200へと出力され(ステップSS541)、これに応じて当該データベース201A〜201Dに既に登録されたデータの中から上記指令内容の所定条件に合致したデータレコード(群)が検索抽出されて決定され(ステップSS542)、検索抽出結果を表す参照データとして制御回路30を介して端末5の上記表示手段に例えば一覧表示される(ステップSS543)。そして例えばその一方で、当該検索抽出されたデータに係わる印字情報が制御回路30を介して印刷駆動回路25へ出力(転送)される(ステップSS544)とともに、同様に検索抽出されたデータに係わる書き込み情報が制御回路30を介し高周波回路21及び信号処理回路22へ出力(転送)される(ステップSS545)。
操作者は、上記表示手段に表示された参照データ群を見て確認を行い、それらに関する複数枚の無線タグラベルTの一括発行を最終的に実行する場合は、操作端末5においてその旨の適宜の操作(連続作成指示)入力することにより、タグ情報アクセス(=この例ではデータ書き込み)指令、印字指令、記憶装置アクセス(発行データ登録)指令からなる1つの操作信号(=連続作成指示信号)がタグラベル作成装置2側へ出力される。
この操作信号(連続作成指示信号)に含まれる印字指令信号は上記図9と同様に制御回路30を介し印刷駆動回路25へ入力され、これによって、印字ヘッド10によりカバーフィルム103に対し、上記ステップSS544で印刷駆動回路25へ転送入力された印字情報に基づき複数の無線タグラベルTのそれぞれ対応する印字が1枚分ずつ順次行われる(ステップSS514)。また操作信号(連続作成指示信号)に含まれるデータ書き込み指令信号は制御回路30を介し信号処理回路22及び高周波回路21へ入力され、これによって、アンテナ14を介し上記ステップSS545で入力された書き込み情報に基づき複数の無線タグラベルTのそれぞれ対応する情報書き込みが1枚分ずつ順次行われる(ステップSS515)。操作信号(連続作成指示信号)に含まれる発行データ登録指令信号は制御回路30へ入力され、上記データ書き込みが成功した旨の(1枚分の)報告信号(ステップSS517)及び上記印字が成功した旨の(1枚分の)報告信号(ステップSS518)が制御回路30へ入力されるのを待って、これを確認して制御装置30から当該データ(無線タグラベルTの1枚分の対象物情報データ等)を記憶装置200のデータベース201へ発行データとして登録する(ステップSS519)。そして、登録した旨のデータ書き込み成功報告信号が制御回路30側より操作端末5へ出力される(ステップSS520)。その後、操作端末5の表示手段において、その報告信号に対応する結果表示(この場合は成功表示)が行われる(ステップSS522)。そして、上記のようにデータベース201A〜201Dから抽出されたすべての参照データ(群)の登録処理が終了するまでは、再び同様の手順に戻って(ステップSS523及びステップSS524、あるいは、ステップSS525及びステップSS526)次の無線タグラベルTに係わる情報書き込み及び印字が行われる。
一方、印字又は書き込みが失敗した場合には、その旨のデータ書き込み失敗報告信号(ステップSS521A)及び印字失敗報告信号(ステップSS521B)が制御回路30側より操作端末5へ出力され、操作端末5の表示手段において対応するエラー表示が行われる(上記ステップSS522)。さらに、上記同様、印字及び書き込みの両方が揃って成功するまで、再び同様の手順に戻って(上記ステップSS524、あるいは、上記ステップSS526)同一の無線タグラベルTに係わる情報書き込み及び印字の再試行(リトライ)が行われる。
なお、上記において、制御回路30が、各請求項記載の、操作端末から操作信号として所定条件の複数のラベルの連続作成を指示する連続作成指示信号が入力された場合、対応する被印字媒体への印字と無線タグ回路素子のIC回路部へのアクセスとを、当該複数のラベルに関して一括して行う(ステップSS514、ステップSS515参照)ように、印字手段及び前記タグアクセス手段を連携制御する制御手段を構成する。また制御回路30はさらに、操作端末から操作信号として所定条件のデータ検索指示信号が入力された場合(ステップSS541参照)、データベースに備えられた相関情報又は取り付け対象物の識別情報のうち、当該所定条件に対応するものを検索抽出する検索手段をも構成し(ステップSS542参照)、さらには、その検索抽出した情報に対応する印字情報及び書込み情報を取得し、その取得した印字情報及び書込み情報に対応した制御信号を印字手段及びデータアクセス手段へそれぞれ出力する制御信号出力手段をも構成する(ステップSS544及びステップSS545参照)。
本変形例においても、上記実施形態と同様、ネットワーク通信環境の良否によりデータベース201へのアクセスの円滑性が阻害されることが防止され、円滑、迅速、かつ信頼性の高い無線タグ情報の管理を実現できるという、本発明本来の効果を得ることができる。
また、上記したように、操作端末5からの連続作成指示ワンタッチ操作のみで、データベース201A〜201D内の特定のデータ群を抽出し、目的とする情報を迅速かつ確実に取得して、所定の(検索抽出)条件をみたす複数の無線タグラベルTを連続して作成することができる。
さらに、アンテナ14による情報書き込み時において、通信不良等によって一度書き込み失敗に終わっても再試行する(ステップSS524)ので、最終的な書き込み成功の確率を増大させ、信頼性の高い情報管理を実現することができる。
(2)局所的なネットワークを用いる場合
以上は、図1に最初に示したように、無線タグ情報管理装置2及び端末5等が通信回線3を介して(広域の)ネットワークに組み込まれた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、上述したようにデータベース201を備えた記憶装置200が無線タグ情報管理装置2側に備えられていることを利用して、操作端末5と無線タグ情報管理装置2のみが局所ネットワークにて接続された構成(広域ネットワークには接続されない閉じたシステム構成)も可能となる。)。図18はそのような場合の一例を表しており、無線タグ情報管理装置2と端末5が(その他の外部回線とは接続しない)局所的なネットワーク(いわゆるLAN等)によって接続され、これらによって無線タグ情報管理装置システム1′が形成されている。
この場合、操作端末5及び無線タグ情報管理装置2内における各種信号の流れは基本的に上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本変形例によっても、上記実施形態やと同様の効果を得ることができる。
(3)無線タグ情報管理装置単体がすべての機能を備える場合
すなわち、上記実施形態における端末5の機能をすべて無線タグ情報管理装置2側に別途設けた操作手段(キーボード、マウス等)及び表示手段(ディスプレイ等)に備えるようにしてもよい(例えばタッチパネルであれば両方を兼用できる)。図19はこのときの無線タグ情報管理装置2′の詳細構造を表す概念的構成図を表しており、上記実施形態の図2に相当する図である。この例では上記操作・表示手段(タッチパネル等)250を設けている。この場合の操作信号は、上記操作・表示手段で生成されて出力され、同じ無線タグ情報管理装置2′内の制御回路30へ入力される。
図20は、このとき無線タグ情報管理装置2′で実行される際の概念的なタイムチャートを表しており、上記図9に対応する図である。図9と同等の手順を同一の符号で表している。なお、図示の場合は、無線タグ情報管理装置2′単体(いわゆるスタンドアローン)においても、上記実施形態のように端末5と無線タグ情報管理装置2と同様の機能を果たす場合を例にとって示しているが、これに限られず、制御回路30のCPUの演算機能や各種メモリの記憶容量を簡素化・低減化するために一部の機能を簡素化してもよい。例えば、記憶装置200のデータベース201のデータは既に登録済のもののみを使用することを前提とし、データ編集・データ新規入力はできないようにしてもよい。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(4)読み取り専用の無線タグ回路素子を用いる場合
また、以上においては、無線タグ回路素子Toに対し無線タグ情報(タグID等)を送信しIC回路部151に情報書き込みを行う場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、予め所定の無線タグ情報(タグID等)が書き換え不可に記憶保持されている読み取り専用の無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を読み取りながら、これに対応する印字を行って無線タグラベルTを作成する場合があり、このような場合にも本発明は適用可能である。
この場合には、前述の図3に示すカートリッジ構造においてロール102内に領域Xが入り込まないように(ロール102内の無線タグ回路素子Toとは通信しないように)適宜のシールド手段等を設けた上で、図14におけるステップS10においては印字情報のみを読み込み、ステップS30で無線タグ情報の読み込み処理を行うようにすればよい(詳細は後述の図21参照)。その後ステップS120では印字情報とその読み込んだ無線タグ情報との組み合わせを保存する。
図21は、上記無線タグ読み込み処理の詳細手順を表すフローチャートである。
図21において、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ14近傍に搬送されてきたら、ステップS101において、無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll
All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに基づき信号処理回路22で無線タグ情報としての「Scroll All ID」信号が生成されて高周波回路21を介して読み取り対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
次に、ステップS102において、上記「Scroll All ID」信号に対応して読み取り対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(タグID等を含む無線タグ情報)をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
次に、ステップS103において、上記ステップS102で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
判定が満たされない場合はステップS104に移ってNに1を加え、さらにステップS105においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS101に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS107に移り、フラグF=1としてこのルーチンを終了する。このように、情報読み取りが不調でも5回までは再試行が行われることにより、読み取り確保上、万全を期すことができる。
ステップS103の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このルーチンを終了する。
以上のルーチンにより、カートリッジ内の読み取り対象の無線タグ回路素子Toに対し、IC回路部の無線タグ情報(タグID情報等)にアクセスし、これを読み出すことができる。
本変形例によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(5)その他
(a)記憶装置の他形態
以上においては、記憶装置200として、ハードディスクを例にとって説明したが、これに限られず、いわゆるSD(Secure Digital)メモリカード等の不揮発性のメモリ媒体を用いてもよい。
また、記憶装置200を、無線タグ情報管理装置2の装置本体8に対し着脱可能に設けてもよい。この場合、必要に応じ自由自在に装置本体8側に取り付けたり、取り外したりすることができるので、例えば、操作者別あるいは用途別にそれぞれ記憶装置を用意しておき、使用時のつどそれぞれを着脱して使用することが可能となる。また、バックアップも容易に取ることができる。
(b)テープや被印字媒体の他形態
以上においては、印字後の被印字媒体としてのカバーフィルム103と基材テープ101とを貼り合わせて印字済タグラベル用テープ110としこれを切断して無線タグラベルTとする場合を例にとって説明したが、これに限られない。印字済の被印字媒体とこれに貼り合わせるべき(=関連づけられる)無線タグ回路素子To入りテープとを別々に作成して装置外へ排出し、ユーザがその別々に作成された被印字媒体とタグ入りテープとを貼り合わせるようなタグラベル作成装置に本発明を適用してもよい。また例えば被印字媒体自体に無線タグ回路素子Toを配置し、この被印字媒体に印字ヘッドで印字を行うとともにそれに含まれる無線タグ回路素子Toに対し情報読み取り又は書き込みを行って無線タグラベルTを作成してもよい。
さらに、以上においては、被印字媒体として、第2ロール104から繰り出されるテープ状のカバーフィルム103を例にとって説明したが、これに限られず、いわゆる平紙(シート)状のラベル素材をトレイ状のカートリッジから適宜の駆動ローラ(駆動手段)にて供給し、これに印字を行うようにしてもよい。
(c)既登録時の二重登録防止等
また図9のステップSS505にて説明したように、上記では、登録しようとするデータが既にデータベース201に既登録であってもこれを端末5で操作選択することでそのまま登録動作を継続することが可能であったが、これに限られず、既登録の場合は強制的に以降の登録を禁止する(言い換えれば未登録の場合のみ登録可能)ようにしてもよい。この場合、既にデータベースへ格納(登録)済みのデータ(相関情報等)を誤って二重登録するのを防止できる効果がある。
なお、既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
以上で用いた「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号とは、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。