JP2006206807A - 石鹸組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルキレンオキシド誘導体(a)、脂肪酸アルカリ金属塩(b)、グリセリン(c)および水(d)を含む石鹸組成物であって、該アルキレンオキシド誘導体(a)が、式(I)で示される誘導体:Gly−[O−(AO)m(BO)n−H]3 (I)(式中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、(AO)mはオキシプロピレン基(PO)とオキシエチレン基(EO)とを合計でmモル含有するオリゴマー部分であり、mは2〜100の値であり、そして該オリゴマー部分において、POとEOとの質量比(PO/EO)は3/2〜1/4である。BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、そしてnはBOの平均付加モル数であって、0.5〜5の値である。)が含有される石鹸組成物。
【選択図】なし
Description
Gly−[O−(AO)m(BO)n−H]3 (I)
(式中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、(AO)mはオキシプロピレン基(PO)とオキシエチレン基(EO)とを合計でmモル含有するオリゴマー部分であり、mは2〜100の値であり、そして該オリゴマー部分において、POとEOとの質量比(PO/EO)は3/2〜1/4である。BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、そしてnはBOの平均付加モル数であって、0.5〜5の値である。)であり、該石鹸組成物中に、該アルキレンオキシド誘導体(a)が0.01〜30質量%、該脂肪酸アルカリ金属塩(b)が40〜99質量%、該グリセリン(c)が0.01〜30質量%、そして該水(d)が0.01〜20質量%の割合で含有される。なお、BOで表される炭素数4のオキシアルキレン基とは、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基および/またはオキシテトラメチレン基を意味する。
本発明の石鹸組成物に用いられるグリセリン誘導体(a)は、グリセリンにプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドをそれぞれグリセリンに対して3〜150モル当量の割合で付加させた後に、ブチレンオキシドをグリセリンに対して1.5〜15モル当量の割合で付加させて得られる。すなわち、アルキレンオキシド誘導体(a)は、いったん、POとEOとの付加物を合成した後、ブチレンオキシドをブロック状で付加することにより得られる。
本発明の石鹸組成物に用いられる脂肪酸アルカリ金属塩(b)は、当業者が通常用いる方法で製造される。製造方法としては、例えば、油脂けん化法、脂肪酸中和法、メチルエステルけん化法などが挙げられ、製造時に使用する装置も連続式およびバッチ式のいずれでもよい。脂肪酸アルカリ金属塩を製造するために用いられる油脂、脂肪酸および脂肪酸の低級アルキルエステルとしては、当業者が通常石鹸の製造に用いる油脂などが挙げられる。例えば、牛脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油、コーン油、ヒマワリ油、ヒマシ油、またはこれらの油脂の硬化油、半硬化油などの油脂;これらの油脂を構成する脂肪酸;これらの脂肪酸のメチルエステル、エチルエステルなどの脂肪酸の低級アルキルエステル;およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の石鹸組成物に用いられるグリセリン(c)は、精製されたグリセリンまたは油脂およびグリセリン誘導体に由来する未精製のグリセリンのいずれを用いてもよい。グリセリンを添加することによって、a成分とグリセリンとの相乗効果により、優れた保湿効果が得られる。
本発明の石鹸組成物に用いられる水(c)は、例えば加熱により含まれる水分を蒸発させるか、または別途水分を添加して水分量を規定の範囲内となるように調節してもよい。これらの中で、加熱して水分量を調節する方が好ましい。
本発明の石鹸組成物に含まれ得る添加剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤などの各種活性剤;シリカ、タルク、カオリン、酸化チタン、セリライト、マイカなどの鉱物系粉末化物;シャクヤクエキス、ムクロジエキス、シソエキス、ヨクイニンエキス、トウキエキスなどの天然植物エキス類;セルロース末、各種油性剤などの泡質改善剤;グリセリンカルボン酸エステル、ポリグリセリンまたはその誘導体、ソルビトール、プロピレングリコールなどのポリオール類;リン脂質またはその誘導体、スクワラン、カチオンポリマーなどの保湿剤;結晶セルロース、モモ核、アンズ核、トウモロコシ穂軸、マンナンなどのスクラブ剤;トコフェノール、ビタミンCまたはその誘導体などの抗酸化剤;ヒドロキシエタンジスルホン酸またはその塩、エチレンジアミン四酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩などのキレート剤;活性炭;各種色素;顔料;香料などが挙げられる。これらの添加剤は、本発明の効果を阻害しない範囲内で石鹸組成物に含有させることができる。
本発明の石鹸組成物は、上述のように、アルキレンオキシド誘導体(a成分)脂肪酸アルカリ金属塩(b成分)、グリセリン(c成分)および水(d成分)を特定の割合で含み、必要に応じて添加剤などを含む。
グリセリン92gと触媒としての水酸化カリウム6gとをオートクレーブ容器中に仕込んだ。容器内の空気を乾燥窒素で置換した後、撹拌しながら140℃で触媒を完全に溶解した。次いで、滴下装置でエチレンオキシド440gとプロピレンオキシド570gとの混合物を容器中に滴下し、2時間撹拌した。次いで、ブチレンオキシド360gを容器中に滴下し、さらに2時間撹拌し反応させた。反応後、容器から反応物を採取し、塩酸でpH6.5に調整した。次いで、水分を除去するために0.095MPa(ゲージ圧)まで減圧して、100℃で1時間処理した。次いで、塩を除去するためにろ過して目的の化合物a1を得た。
合成例1と同様にして、a成分として化合物a2を合成した。化合物a1および化合物a2の組成を表1に示す。
エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの使用モル数を変えた以外は、合成例1と同様の方法で化合物a’(m=7.7、n=1.7、PO/EO=6.5/1)を得た。
5L双腕式混練機(入江商会(株)製PNV−5型)を用いてパーム油部分硬化脂肪酸(上昇融点46℃)700gおよびヤシ油脂肪酸(日本油脂(株)製、「ヤシ脂肪酸」)300gを70℃で溶解した。次いで28質量%水酸化ナトリウム水溶液(キシダ化学(株)製、「試薬特級水酸化ナトリウム」に蒸留水を加え28質量%にした)を、上記の脂肪酸混合物と等モルとなるように用いて中和した。中和点はフェノールフタレイン指示液を用いて微紅色であることを確認した。次いで、ステアリン酸(日本油脂(株)製、「NAA−180」)を純石鹸分に対して2質量%添加して過脂肪酸とした。得られた生成物(ニートソープ)に合成例1で調製したアルキレンオキシド誘導体(化合物a1)およびグリセリン(日本油脂(株)製、「RG」)を表2に示す割合となるように添加した。次いで、水分量が10%になるまで加熱しながら撹拌し、石鹸素地を得た。この石鹸素地を型打ち機により型打ちし、固形石鹸を得た。
10名の女性(10〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を使用してもらった。使用感について、下記の基準で判定してもらった。
2点:つっぱり感およびぬめり感を感じず、良好な洗い上がりであると感じた場合。
1点:わずかにつっぱり感およびぬめり感を感じた場合。
0点:強いつっぱり感およびぬめり感を感じた場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:合計点が14〜20点(使用感が良好な石鹸)
△:合計点が7〜13点 (使用感が普通である石鹸)
×:合計点が0〜6点 (使用感が悪い石鹸)
10名の女性(10〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を手に取って泡立ててもらった。泡立てた時の起泡性について、下記の基準で判定してもらった。
2点:泡が速やかにかつ豊かに立ち、起泡性が良好であると感じた場合。
1点:豊かに泡立つまでに若干時間を要すると感じた場合。
0点:泡立つまでに非常に時間を要し、泡量も豊かでないと感じた場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:合計点が14〜20点(起泡性が良好な石鹸)
△:合計点が7〜13点 (起泡性が普通である石鹸)
×:合計点が0〜6点 (起泡性が悪い石鹸)
10名の女性(10〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を手に取って泡立ててもらった。泡立てた時の泡質について、下記の基準で判定してもらった。
2点:非常にクリーミーな泡質であると感じた場合。
1点:少しクリーミーではあるが、よりクリーミーであることが望ましいと感じた場合。
0点:クリーミーではないと感じた場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:合計点が14〜20点(泡質がクリーミーな石鹸)
△:合計点が7〜13点 (泡質が普通である石鹸)
×:合計点が0〜6点 (泡質が悪い石鹸)
10名の女性(10〜30代)をパネラーとして、得られた石鹸を手に取って溶かしてもらった。溶かした時の溶解性について、下記の基準で判定してもらった。
2点:容易に溶解することができ、溶け残りがない場合。
1点:時間をかければすべて溶解し、溶け残りがない場合。
0点:溶けにくく、時間をかけても溶け残りがある場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:合計点が14〜20点(溶解性が良好な石鹸)
△:合計点が7〜13点 (溶解性が普通である石鹸)
×:合計点が0〜6点 (溶解性が悪い石鹸)
10名の女性(10〜30代)をパネラーとして、石鹸を手に取って泡立ててもらった。次いで流水で十分にすすぎ、タオルで水分を拭き取った後の状態について、下記の基準で判定してもらった。
2点:しっとりとした保湿感を感じた場合。
1点:わずかに保湿感を感じた場合。
0点:保湿感を感じなかった場合。
10名の合計点を求め、以下のように評価した。
○:合計点が14〜20点(保湿効果に優れた石鹸)
△:合計点が7〜13点 (保湿効果が普通である石鹸)
×:合計点が0〜6点 (保湿効果が悪い石鹸)
石鹸素地を押し出し機および型打ち機を用いて成型した時の成型のし易さ(生産性)について、下記の基準で判定した。
○:ひび、割れおよび型離れに問題がなく、生産性が良好である。
△:ひび、割れおよび型離れにやや問題があり、生産性にわずかに影響を及ぼす。
×:ひび、割れおよび型離れに問題があり、生産性に悪影響を及ぼす。
実施例1と同様にして、表2に示す各成分を表2に示す割合で配合した。得られた固形石鹸について、実施例1と同様にして、上記(1)〜(6)の評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1では、a成分のアルキレンオキシド誘導体を用いず、そして比較例2では本発明に用いられるアルキレンオキシド誘導体とは異なる比較合成例1で調製したアルキレンオキシド誘導体(化合物a’)を用いた以外は、実施例1と同様にして、表2に示す各成分を表2に示す割合で配合した。得られた固形石鹸について、実施例1と同様にして、上記(1)〜(6)の評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (1)
- アルキレンオキシド誘導体(a)、脂肪酸アルカリ金属塩(b)、グリセリン(c)および水(d)を含む石鹸組成物であって、
該アルキレンオキシド誘導体(a)が、式(I)で示される誘導体:
Gly−[O−(AO)m(BO)n−H]3 (I)
(式中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、(AO)mはオキシプロピレン基(PO)とオキシエチレン基(EO)とを合計でmモル含有するオリゴマー部分であり、mは2〜100の値であり、そして該オリゴマー部分において、POとEOとの質量比(PO/EO)は3/2〜1/4である。BOは炭素数4のオキシアルキレン基であり、そしてnはBOの平均付加モル数であって、0.5〜5の値である。)であり、
該石鹸組成物中に、該アルキレンオキシド誘導体(a)が0.01〜30質量%、該脂肪酸アルカリ金属塩(b)が40〜99質量%、該グリセリン(c)が0.01〜30質量%、そして該水(d)が0.01〜20質量%の割合で含有される、石鹸組成物。
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