JP2006206573A - ニンニク処理物を含む腺癌を予防及び/又は治療するための組成物 - Google Patents

ニンニク処理物を含む腺癌を予防及び/又は治療するための組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、癌を予防及び/又は治療するための組成物、これを含む食品及び飼料、ならびにその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、ニンニクレクチンを固形成分に対して2質量%以上含有するニンニク処理物を有効成分とする腺癌を予防及び/又は治療するための組成物に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニンニク処理物を含む腺癌を予防及び/又は治療するための組成物、その製造方法ならびに該組成物を含む食品及び飼料に関する。
癌は、生活習慣病の中でも依然として死亡率が最も高く、特効薬がないため、その予防及び治療に関する研究は以前にも増して活発に行われている。現在、癌患者に対して用いられている医薬品には、ナイトロジェンマスタードやシクロホスファミドのようなアルキル化剤、6−メルカプトプリンやアザチオプリンのようなプリン代謝拮抗物質、5−フルオロウラシルやシラビタンのようなピリミジン代謝拮抗物質、メトトレキサートやアミノプテリンのような葉酸代謝拮抗物質、マイトマイシンCやブレオマイシンのような抗癌性抗生物質などがあるが、いずれも核酸合成系を抑制することから、正常細胞に対して毒性を示し、造血障害などの副作用を引き起こす。また、抗癌活性がある食品として、アガリクス茸やメシマコブのような免疫賦活作用を有する多糖類を多く含有する健康食品が市販されており、世間的にも癌の予防及び治療に対する意識は高く、高い抗癌活性を有する医薬品や健康食品の開発が望まれている。
一方、ニンニクは、古来より調味料や香辛料として利用されているが、近年、その中に種々の生理活性成分が含まれていることが明らかとなり、健康食品及び医薬品として広く使用されている。例えば、特許文献1では、ニンニクから分離精製したアリシンが、前立腺癌及び膀胱癌の治療又は予防に有効であることを報告している。
特許文献2には、ニンニク由来のレクチンとその他の物質を含む混合物が癌細胞増殖抑制効果を有することが報告されている。しかし、特許文献2は、当該混合物のリンパ球系癌細胞U937に対する増殖抑制効果について試験しているに過ぎず、ニンニク由来レクチンが、造血器癌以外の癌に対して抗癌作用を有すること、ならびに癌種に対して選択的な抗癌作用を有することについては知られていなかった。
特開2001−302531号公報 特開2004−231565号公報
本発明は、癌を予防及び/又は治療するための組成物、これを含む食品及び飼料、ならびにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ニンニク由来のレクチンが癌種に選択的な抗癌活性を有すること、特に腺癌に対する抗癌活性を有することを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)ニンニクレクチンを固形成分に対して2質量%以上含有するニンニク処理物を有効成分とする腺癌を予防及び/又は治療するための組成物。
(2)ニンニク処理物がニンニク抽出物である(1)記載の組成物。
(3)腺癌が、消化器癌である(1)又は(2)記載の組成物。
(4)消化器癌が、胃癌又は大腸癌である(3)記載の組成物
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物を含有する、腺癌を予防及び/又は治療するための食品。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物を含有する、腺癌を予防及び/又は治療するための飼料。
本発明により、腺癌を予防及び/又は治療するための組成物、これを含む食品及び飼料、ならびにその製造方法が提供される。
本発明においてニンニクとは、当技術分野において通常用いられる意味を有し、すなわち、ユリ科(Liliaceae)、アリウム(Allium)属に属するアリウム・サチバム・リンネ(Allium sativum L.)を意味する。
本発明において、ニンニクレクチンとは、ニンニクに由来するレクチンを意味し、ニンニクに含まれるレクチン、ニンニクから得られるレクチン及びニンニクから抽出したレクチンなどを含む。本発明において、ニンニクレクチンは、その分子量が、通常20000〜25000Da、好ましくは21000〜24000Da、より好ましくは約23000Daである。また、本発明においてニンニクレクチンは、通常、11000〜12000Daのサブユニットからなるダイマー構造をとっていると考えられる。本発明においてニンニクレクチンは、好ましくは表2に表されるアミノ酸構成を有する。また、N−末端付近のアミノ酸配列(1〜36アミノ酸)は、通常、RNILMNGEGLYAGESLDVEPYHFIMQDDCNLVLYXH(配列番号1)である。
本発明において、ニンニク処理物とは、ニンニクから製造され、かつニンニクレクチンを含むものであれば特に制限されない。本発明においてニンニク処理物には、乾燥ニンニク粉末、ニンニク抽出物、ニンニク抽出物の乾燥粉末等が含まれる。本発明において、ニンニク処理物は、ニンニクのうち、鱗茎部に由来するものが好ましい。
乾燥ニンニク粉末は、当技術分野において通常用いられる方法、例えば、天日乾燥、加温もしくは加熱室での乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥法などにより製造できる。
ニンニク抽出物を得るための処理方法は、当技術分野において通常用いられる方法を使用できる。ニンニクの抽出は、通常0〜70℃、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜50℃の温度で、通常1分以上、好ましくは5分〜24時間行う。短時間で行う場合には、加圧下で抽出を行ってもよい。抽出に用いる溶媒としては、水、35%以下のアルコール、pH4.5〜10の緩衝液等を使用できる。水としては、蒸留水、精製水、イオン交換水、水道水等いずれも使用できる。生のニンニク1質量部に対して、溶媒を0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1質量部を使用する。抽出にあたっては、ニンニクを粉砕することが必要であり、ニンニクの粉砕は加熱前に行うのが好ましい。
得られたニンニク抽出液はそのまま直接に使用することもでき、あるいは、さらに濃縮して流動エキス又は濃縮乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥もしくは凍結乾燥等の慣用の乾燥手段により粉末として使用してもよい。
また、本発明においてニンニク処理物は、以下の方法により調製したものが好ましい。ニンニクに水を加え、ミキサーなどにより粉砕する。このとき水は、好ましくはニンニクの質量と同量加える。これをガーゼ、濾紙や布等で濾過し、濾液を通常30〜100℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは80〜100℃にて、通常5分〜10時間、好ましくは10分〜1時間、より好ましくは20〜40分加熱する。これを冷却後、遠心分離にかけ上澄みを得る。遠心分離の条件は、通常3000〜15000rpmで、5分〜15分程度である。これを塩析し、通常0〜30℃、好ましくは0〜10℃で放置する。塩析は、例えば、硫酸アンモニウムを加えることにより実施できる。その後、再び同様の条件で遠心分離し、沈殿を得る。この沈殿を通常、水又はpH4.5〜10の緩衝液に溶かし、不溶物を遠心分離によって除去する。緩衝液としては、例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液等を使用できる。
好ましくは、得られた処理物をさらに、同緩衝液で平衡化したカラムにかけゲル濾過を行い、280nmの吸光度を測定し、二番目のピーク部分を集める。
本発明において、ニンニク処理物は、ニンニクレクチンを固形成分に対して、通常2質量%以上、好ましくは3〜45質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは20〜30質量%含む。
本発明により、カラムで精製する前のニンニク処理物にも抗腫瘍活性があることが明らかとなった。
本発明においてニンニク処理物には、精製ニンニクレクチンも包含される。精製ニンニクレクチンの純度(固形物換算)は、通常70〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%である。精製物を得るためには、沈殿法、クロマトグラフ法等の当技術分野で通常用いられる方法を使用できる。
例えば、上記でゲル濾過を行って二番目のピーク部分を集めた処理物を濃縮し、リン酸緩衝液で平衡化したカラムに同緩衝液で食塩水の勾配をかけて溶出し、280nmのピーク部分を集め、水に対して透析を行うことによって、精製ニンニクレクチンを得ることができる。
ニンニク処理物における、固形成分に対するニンニクレクチンの濃度は、当技術分野において通常用いられる方法で測定することができ、例えば、クロマトグラフィー、TOF−MS等を使用すればよい。具体的には、以下のような手順により測定することができる。
高速液体クロマトグラフィーでは、TSKゲルSuperSW2000(東ソー製)を用い、0.2Mのリン酸緩衝液(pH6.7)で溶出することにより測定する。一般のクロマトグラフィーでは、セファデックスG-75カラム(ファルマシア製)を用い、蒸留水で溶出することにより測定することも出来る。
本発明の組成物は、上記のニンニク処理物を有効成分として含む。本発明の上記組成物は、腺癌の予防及び/又は治療の目的で使用できる。本発明において腺癌とは当技術分野において通常用いられる意味を有し、腺の構造に配列した細胞からなる癌をいう。腺癌としては、胃癌、大腸癌、舌癌、食道癌、肺癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、咽頭癌等が挙げられる。本発明の組成物は、消化器における腺癌、好ましくは胃および大腸(特に結腸)における腺癌の予防及び/又は治療に有効である。
本発明の組成物の有効成分であるニンニクは、通常食用に供されており、一般に低毒性である。従って、本発明の組成物は、安全性が高いと考えられる。さらに、原料であるニンニクは安価に入手可能であることから、抗癌活性を有する組成物を安価に製造することが可能になる。
本発明の組成物は、常法により食品又は飼料としたり、薬学的に許容される担体とともに種々の剤型の医薬とすることができる。このうち経口用固形製剤を調製する場合は、本発明の組成物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶどう糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊剤としては乾燥デンプン、カルメロースカルシウム、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を例示できる。
経口用液体製剤を調製する場合は、ニンニク処理物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味剤としては上記に挙げられたもので良く、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
本発明の組成物の投与量及び投与方法は、年齢、体重、症状等により適宜決定することができるが、通常成人1日当たり、ニンニクレクチンに換算して5〜50mgを1回又は数回に分けて投与することが好ましい。
(実施例1)ニンニクレクチンの調製
ニンニクに同質量の水を加え、ミキサーに2分間かけ、ガーゼで濾過し、濾液を恒温槽で90℃、30分間加熱した。これを冷却後、8000rpmで10分間遠心分離にかけ上澄みを得た。これに80%飽和になるように硫酸アンモニウムを加え、5℃で30分間放置後再び8000rpmで10分間遠心分離し、沈殿を得た。この沈殿を0.02M酢酸緩衝液(pH5.0)に溶かし、不溶物を8000rpmで10分間遠心分離にかけ除去した。これを同緩衝液で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−75(ファルマシア製)カラムにかけゲル濾過を行った。各フラクションの280nmの吸光度を測定し、二番目のピーク部分を集め、アミコン限外濾過器で濃縮し、0.02Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したDEAE−トヨパール650M(東ソー製)に同緩衝液で0〜2.5M食塩水の濃度勾配をかけ溶出した。280nmの吸光度のピーク部分を集め、水に対して透析を行った後、凍結乾燥を行った。
(実施例2)凍結乾燥物の組成分析
得られた凍結乾燥物について、糖質含量、タンパク質含量及び水分含量を測定した。糖質含量は、グルコースを標準物質とし、フェノール・硫酸法によって測定した。タンパク質含量は、牛血清アルブミンを標準物質とし、Lowry法によって測定した。水分含量は、常圧加熱乾燥法(105℃)によって測定した。結果を以下の表1に示す。
Figure 2006206573
ここで得られた糖質は、共有結合によりタンパク質に結合していると考えられる。また、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った結果、シングルバンドを示した。
(実施例3)分子量測定及びアミノ酸分析
実施例1で得られた精製物(タンパク質)について、分子量測定及びアミノ酸分析を行った。分子量の測定は、0.02M酢酸緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−75カラム(2.0×49cm)を用いたゲル濾過法によって行った。ゲル濾過において、得られたタンパク質の分子量は、23000Daであった。
アミノ酸分析は、日立835型のアミノ酸分析機を用いて行った。結果を以下の表2に示す。
Figure 2006206573
また、タンパク質の一次構造を、アプライドバイオシステム477Aタンパク質シークエンサーを用いて測定した。その結果、N−末端付近のアミノ酸配列(1〜36アミノ酸)、RNILMNGEGLYAGESLDVEPYHFIMQDDCNLVLYXH(配列番号1)が得られた。
(実施例4)結腸腺癌細胞に対する抗癌活性の試験
癌細胞として、WiDr細胞(ヒト結腸腺癌細胞)を使用し、実施例1で得られたニンニクレクチンの抗癌活性、ならびに抗癌剤として知られるクレスチンについて抗癌活性を試験した。ニンニクレクチンについては、試作日が異なる三つのロットについてそれぞれ試験を行なった。WiDr細胞は、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 ヒューマンサイエンス研究資源バンクから入手した。
(1)培養液(DMEM:Dulbecco's modifid Eagle Medium、ナカライテスク株式会社製)に10%の牛胎児血清FBS(Gibco Laboratories社製)と抗生物質ゲンタマイシン(Gibco株式会社製)50μg/mlを加えたものを細胞培養液とした。細胞数を2×10細胞/mlに希釈し、0.1ml(2×10個)を96穴マイクロプレートの一つずつのウェルに加えた。
(2)一夜経過した後、ニンニクレクチン、ニンニク処理物又はクレスチンなどの試薬を溶かした上記細胞培養液の0.1mlを各ウェルに加えた。
(3)37℃の炭酸ガスインキュベーターの中で細胞を培養した。
(4)24時間毎に、細胞数をcell counting kit−8(株式会社同人化学研究所製)で測定した。すなわち、cell counting kit−8を各ウェルに10μlずつ添加した。炭酸ガスインキュベーター内で1〜4時間呈色反応を行った。マイクロプレートリーダーを用い、450nmの吸光度を測定した。
なお、表5において、ニンニク処理物Aとあるのは、実施例1において、セファデックス(Sephadex)G−75(ファルマシア製)カラムにかけゲル濾過を行い、各フラクションの280nmの吸光度を測定し、二番目のピーク部分を集めた後、透析し、凍結乾燥して得られる、ニンニクレクチンを含むニンニク処理物である。得られた凍結乾燥物について、実施例2と同様にして組成を分析したところ、ニンニクレクチンが25質量%含まれていた。
結果を以下の表3〜7に示す。
Figure 2006206573
Figure 2006206573
Figure 2006206573
Figure 2006206573
Figure 2006206573
以上の結果から、ニンニクレクチンが結腸腺癌細胞に対して抗癌活性を有すること、抗癌剤として知られるクレスチンよりも高い抗癌活性を有することが明らかとなった。
(実施例5)胃癌細胞に対する抗癌活性の試験
癌細胞として、KATOIII細胞(ヒト胃腺癌細胞)を使用し、実施例1で得られたニンニクレクチンについて抗癌活性を試験した。ニンニクレクチンについては、試作日が異なる二つのロットについてそれぞれ試験を行なった。KATOIII細胞は、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 ヒューマンサイエンス研究資源バンクから入手した。
(1)培養液(RPMI 1640 mediumとEagle MEMを1:1に混合)に10%のFBSと抗生物質ゲンタマイシン(Gibco株式会社製)50μg/mlを加えたものを細胞培養液とした。
(2)細胞数を2×10細胞/mlに希釈し、0.1ml(2×10個)を96穴マイクロプレートの一つずつのウェルに加えた。
(3)一夜経過した後、ニンニクレクチンなどの試薬を溶かした上記細胞培養液の0.1mlを各ウェルに加えた。
(4)37℃の炭酸ガスインキュベーターの中で細胞を培養した。
(5)24時間毎に、細胞数をcell counting kit−8(株式会社同人化学研究所製)で測定した。すなわち、cell counting kit−8を各ウェルに10μlずつ添加した。炭酸ガスインキュベーター内で1〜4時間呈色反応を行った。マイクロプレートリーダーを用い、450nmの吸光度を測定した。
結果を以下の表8及び9に示す。
Figure 2006206573
Figure 2006206573
以上の結果から、ニンニクレクチンが胃腺癌細胞に対して抗癌活性を有することが明らかとなった。
(実施例6)ニンニク処理物Bの調製
ニンニク210gと蒸留水210mlをミキサーにかけたあと、ガーゼで濾過した。濾液を90℃で30分間、加熱処理した。冷却して遠心分離(4℃、10000rpm、10分間)した。上澄み液に、80%飽和になるように硫酸アンモニウムを加え、溶解後、5℃で15分間以上、冷却した。遠心分離(4℃、10000rpm、10分間)し、沈殿物を蒸留水100mlに溶かし、再び遠心分離(4℃、10000rpm、10分間)した。得られた上澄み液を水に対して透析を行い、脱塩後、凍結乾燥し、ニンニク処理物Bを得た。得られた凍結乾燥物について、実施例2と同様にして組成を分析したところ、ニンニクレクチンが23質量%含まれていた。
(実施例7)ニンニク処理物Bの抗癌活性
癌細胞として、WiDr細胞(ヒト結腸腺癌細胞)及びKATOIII(ヒト胃腺癌細胞)を用い、それぞれ実施例4及び5と同様の実験を行い、細胞数を測定することにより、実施例6で得られたニンニク処理物Bについて抗癌活性を試験した。
WiDr細胞(ヒト結腸腺癌細胞)での結果を表10に、KATOIII(ヒト胃腺癌細胞)での結果を表11に示す。
Figure 2006206573
Figure 2006206573
以上の結果から、ニンニクレクチンを精製する前の、ニンニクレクチンを含有するニンニク処理物もまた、抗癌活性を有することが明らかになった。
(比較例1)ニンニク処理物の扁平上皮癌に対する活性
癌細胞として、HSC−1細胞(ヒト皮膚扁平上皮癌細胞)を使用し、実施例1で得られたニンニクレクチンについて抗癌活性を試験した。ニンニクレクチンについては、試作日が異なる二つのロットについてそれぞれ試験を行なった。HSC−1細胞は、財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 ヒューマンサイエンス研究資源バンクから入手した。
(1)培養液(DMEM : Dulbecco’s modifid Eagle Medium、ナカライテスク株式会社製)に10%のFBSと抗生物質ゲンタマイシン(Gibco株式会社製)50μg/mlを加えたものを細胞培養液とした。細胞数を5×10細胞/mlに希釈し、0.1ml(5×10個)を96穴マイクロプレートの一つずつのウェルに加えた。
(2)一夜経過した後、ニンニクレクチンなどの試薬を溶かした上記細胞培養液の0.1mlを各ウェルに加えた。
(3)37℃の炭酸ガスインキュベーターの中で細胞を培養した。
(4)24時間毎に、細胞数をcell counting kit−8(株式会社同人化学研究所製)で測定した。すなわち、cell counting kit−8を各ウェルに10μlずつ添加する。炭酸ガスインキュベーター内で1〜4時間呈色反応を行った。マイクロプレートリーダーを用い、450nmの吸光度を測定した。
上記試験を二度行った。
結果を以下の表12及び13に示す。
Figure 2006206573
Figure 2006206573
以上の結果から、本発明のニンニク処理物は、ヒト皮膚扁平上皮癌細胞に対しては、抗癌作用を有しないことが明らかとなった。すなわち、本発明者らは、本発明のニンニク処理物の抗癌作用は癌種によって選択性を有し、腺癌を含む特定の癌種に対してのみ抗癌作用を有することを見いだしたのである。
(実施例8)ニンニク処理物/腺癌細胞懸濁液のマウスへの移植
8−1.癌細胞培養
腺癌細胞としてcolon−26癌細胞を用いた。マウス由来colon−26癌細胞は金沢大学がん研究所よりご提供いただいた。この癌細胞について以下の表に示す。
Figure 2006206573
(1)培地の調製
RPMI 1640培地の粉末を測り、超純水にとかし、ろ過滅菌した。10%NaHCO溶液を100ml調製し、オートクレーブにて滅菌した。RPMI 1640培地に、NaHCO溶液を2mg/mlになるように、ペニシリン・ストレプトマイシン液を100ユニット/ml、100μg/mlになるように、FBS(Fetal Bovine Serum、牛胎児血清)を10%になるようにそれぞれを添加し、培地を調製した。具体的には、RPMI 1640 86ml、10%NaHCO2ml、およびペニシリン・ストレプトマイシン液2mlを混合し、色の変化を確認後、FBS10mlを添加した。
(2)細胞培養
上記培地およびHanks溶液を37℃、5%COインキュベーター中で温め、凍結しているcolon−26癌細胞を37℃の恒温槽で温めた。まだ少し凍っている状態でHanks溶液の入ったファルコンチューブへ移した。ピペッティングおよび遠心分離(1000rpm、5分間)を行い、上清をパスツールで吸引除去した。Hanks溶液を1ml加え、ピペッティングを行った。細胞懸濁液30μlおよびトリパンブルー30μlをエッペンチューブに採取した。ヘモサイトメーターおよび顕微鏡を用いて細胞数をカウントし、3×10細胞/ディッシュで100mmディッシュに播種した。10ml/ディッシュで培地を加えた。37℃、5%COインキュベーターで細胞を培養した。
(3)細胞継代
細胞がサブコンフルエントまで増殖しているか顕微鏡にて確認し、増殖していたならば以下の操作により細胞の継代を行った。ディッシュからパスツールピペットを用いて培地を除去し、Hanks溶液を5ml加えて洗浄後、パスツールピペットで除去した。トリプシン・EDTA液を3ml加え、37℃のインキュベーター内で約4分間放置した。ディッシュの底を指ではじき、顕微鏡ではがれているかを確認した。はがれていたら、直ちに7mlの培地を加えてトリプシン作用をとめ、撹拌後にメスピペットでファルコンチューブに採取した。ディッシュをHanks溶液2mlで洗浄し、これもメスピペットで採取した。続いて上記細胞培養手順における遠心分離以降の操作を行った。
8−2.ニンニク処理物/癌細胞懸濁液の調製
以下の表に示す要領でニンニク処理物と癌細胞とをマウスに移植すべく、ニンニク処理物/癌細胞懸濁液を調製した。ニンニク処理物としては、実施例6で調製したニンニク処理物Bを用いた。
Figure 2006206573
(1)PBS(Phosphate Buffered Saline、リン酸緩衝化生理食塩水)を用いて、各々の目的のニンニク処理物B濃度の倍の濃度になるようにニンニク処理物溶液を1mlずつ調製した。
(2)培養したcolon−26癌細胞をトリプシン処理後、ファルコンチューブに移し、遠心分離(1000rpm、5分間)を行った。
(3)上清を取り除いた後、培地を加え、ピペッティングし、トリパンブルーとヘモサイトメーターを用いて細胞数をカウントした。
(4)カウント後、遠心分離(1000rpm、5分間)を行い、上清を取り除き、細胞濃度が1×10細胞/mlになるようにPBSで細胞懸濁液を作製した。
(5)(1)で作製したニンニク処理物B溶液、(4)で作製した細胞懸濁液を1:1の割合で(1mlずつ)合計2mlになるように混合した。
8−3.マウスへのニンニク処理物/癌細胞懸濁液の移植
移植には、BALB/cマウス(オス)を用いた。
移植前に、マウスの体重を計測した。ニンニク処理物Bを各濃度で含むニンニク処理物/細胞懸濁液を上記のように調製後、10分間静置した。7匹のマウスからなるマウス群5群に対し、ニンニク処理物を各濃度で含むニンニク処理物/細胞懸濁液を右側腹部の皮下に0.2ml(1×10細胞)ずつ移植した(この日を0日目とした)。
腫瘍が顕著に見られるようになった7日後に体重およびノギスを用いた腫瘍の面積[mm](=腫瘍の最長直径×腫瘍の最短直径)の計測を開始した。その後、4日毎に移植して19日目まで同様に計測を行った。15日目、19日目には腫瘍の高さの計測も行うことで腫瘍体積も求めた(腫瘍体積[mm]=(腫瘍の最長直径)×(腫瘍の最短直径)×(腫瘍の高さ))。
統計分析はMicrosoft Excelを用いてt検定を行った。結果を以下の表16および図1に示す。
Figure 2006206573
以上の結果から、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物が、腺癌に対して、in vivoにおいて抗癌活性を有することが実証された。
(実施例9)腺癌細胞移植マウスへのニンニク処理物の経口投与
9−1.癌細胞懸濁液の調製
実施例8で培養したcolon−26癌細胞をトリプシン処理した後、遠心分離(1000rpm、5分間)を行った。上清を取り除いた後、培地を加え、ピペッティングし、トリパンブルー、ヘモサイトメーターを用いて細胞数をカウントした。カウント後、遠心分離(1000rpm、5分間)し、細胞濃度が5×10細胞/mlになるようにPBSで細胞懸濁液を作製した。
9−2.癌細胞懸濁液の移植およびニンニク処理物の投与
マウスとしては、BALB/cマウス(オス)を用いた。癌細胞懸濁液の移植およびニンニク処理物の投与の前に、マウスの体重を計測した。8匹のマウスからなるマウス群4群に対し、上記癌細胞懸濁液を右側腹部の皮下に0.2ml(1×10細胞)ずつ移植した(この日を0日目とした)。
ニンニク処理物Bをそれぞれ10mg/ml、1mg/ml、0.1mg/mlの濃度で含むニンニク処理物B溶液をPBSを用いて調製し、各マウス群のマウスに、2日毎に0.5mlずつ投与した。コントロール群にはPBSを投与した。腫瘍が顕著に見られるようになった10日後から体重、ノギスを用いた腫瘍の面積[mm](=腫瘍の最長直径×腫瘍の最短直径)の計測を開始し、その後、3日毎に癌細胞を移植して28日目まで同様に計測を行った。16日目、22日目には腫瘍の高さの計測も行うことで腫瘍体積も求めた(腫瘍体積[mm]=(腫瘍の最長直径)×(腫瘍の最短直径)×(腫瘍の高さ))。
統計分析はMicrosoft Excelを用いてt検定を行った。結果を以下の表17および図2に示す。
Figure 2006206573
以上の結果から、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物を経口摂取することにより、in vivoにおいて腺癌抑制効果が得られることが実証された。
(比較例2)ニンニク処理物/非腺癌細胞懸濁液のマウスへの移植
2−1.細胞培養
非腺癌細胞として、扁平上皮癌SCC VII細胞を使用した。扁平上皮癌SCC VIIは京都大学原子炉実験所附属粒子線腫瘍学研究センターからご提供いただいた。この癌細胞について以下の表に示す。
Figure 2006206573
(1)培地の調製
MEM培地溶液に、ペニシリン・ストレプトマイシン液を100ユニット/ml、100μg/mlになるように、FBSを10%になるようにそれぞれを添加した。具体的には、MEM 88ml、ペニシリン・ストレプトマイシン液2mlおよびFBS10mlを混合した。
(2)細胞培養
上記培地およびHanks溶液を37℃、5%COインキュベーター中で温め、凍結しているSCC VII細胞を37℃の恒温槽で温めた。まだ少し凍っている状態でHanks溶液の入ったファルコンチューブへ移した。ピペッティングおよび遠心分離(1000rpm、5分間)を行い、上清をパスツールで吸引除去した。Hanks溶液を1ml加え、ピペッティングを行った。細胞懸濁液30μlおよびトリパンブルー30μlをエッペンチューブに採取した。ヘモサイトメーターおよび顕微鏡を用いて細胞数をカウントし、3×10細胞/ディッシュで100mmディッシュに播種した。10ml/ディッシュで培地を加えた。37℃、5%COインキュベーターで細胞を培養した。
(3)細胞継代
細胞がサブコンフルエントまで増殖しているか顕微鏡にて確認し、増殖していたならば以下の操作により細胞の継代を行った。ディッシュからパスツールピペットを用いて培地を除去し、Hanks溶液を5ml加えて洗浄後、パスツールピペットでこれを除去した。トリプシン・EDTA液を3ml加え、37℃のインキュベーター内で約4分間放置した。ディッシュの底を指ではじき、顕微鏡ではがれているかを確認した。はがれていたら、直ちに7mlの培地を加えてトリプシン作用をとめ、撹拌後にメスピペットでファルコンチューブに採取した。ディッシュをHanks溶液2mlで洗浄し、これもメスピペットで採取した。続いて上記細胞培養手順における遠心分離以降の操作を行った。
2−2.ニンニク処理物/癌細胞懸濁液の調製
以下の表に示す要領でニンニク処理物と癌細胞とをマウスに移植すべく、ニンニク処理物/癌細胞懸濁液を調製した。ニンニク処理物としては、実施例6で調製したニンニク処理物Bを用いた。
Figure 2006206573
(1)PBSを用いて、各々の目的のニンニク処理物B濃度の倍の濃度になるようにニンニク処理物溶液を1mlずつ調製した。
(2)培養したSCC VII癌細胞をトリプシン処理後、ファルコンチューブに移し、遠心分離(1000rpm、5分間)を行った。
(3)上清を取り除いた後、培地を加え、ピペッティングし、トリパンブルーとヘモサイトメーターを用いて細胞数をカウントした。
(4)カウント後、遠心分離(1000rpm、5分間)を行い、上清を取り除き、細胞濃度が4×10細胞/mlになるようにPBSで細胞懸濁液を作製した。
(5)(1)で作製したニンニク処理物B溶液、(4)で作製した細胞懸濁液を1:1の割合で(1mlずつ)合計2mlになるように混合した。
2−3.マウスへのニンニク処理物/癌細胞懸濁液の移植
移植には、C3Hマウス(オス)を用いた。
移植前に、マウスの体重を計測した。ニンニク処理物Bを各濃度で含むニンニク処理物/細胞懸濁液を上記のように調製後、10分間静置した。10匹のマウスからなるマウス群3群に対し、ニンニク処理物を各濃度で含むニンニク処理物/細胞懸濁液を右側腹部の皮下に0.1ml(2×10細胞)ずつ移植した(この日を0日目とした)。
腫瘍が顕著に見られるようになった10日後に体重およびノギスを用いた腫瘍の面積[mm](=腫瘍の最長直径×腫瘍の最短直径)の計測を開始した。その後、3日毎に移植して22日目まで同様に計測を行った。16日目、19日目には腫瘍の高さの計測も行うことで腫瘍体積も求めた(腫瘍体積[mm]=(腫瘍の最長直径)×(腫瘍の最短直径)×(腫瘍の高さ))。
結果を以下の表20および図3に示す。統計分析はMicrosoft Excelを用いてt検定を行った。統計分析の結果、有意差は見られなかった。
Figure 2006206573
以上の結果から、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物が、非腺癌に対してin vivoにおいて抗癌活性を有しないことが示された。すなわち、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物は、in vivoにおいても腺癌に対し選択的に抗癌活性を有することが実証された。
(比較例3)非腺癌細胞移植マウスへのニンニク処理物の経口投与
3−1.癌細胞懸濁液の調製
比較例2で培養したSCC VII癌細胞をトリプシン処理した後、遠心分離(1000rpm、5分間)を行った。上清を取り除いた後、培地を加え、ピペッティングし、トリパンブルー、ヘモサイトメーターを用いて細胞数をカウントした。カウント後、遠心分離(1000rpm、5分間)し、細胞濃度が2×10細胞/mlになるようにPBSで細胞懸濁液を作製した。
3−2.癌細胞懸濁液の移植およびニンニク処理物の投与
マウスとしては、C3Hマウス(オス)を用いた。癌細胞懸濁液の移植およびニンニク処理物の投与の前に、マウスの体重を計測した。6匹のマウスからなるマウス群4群に対し、上記癌細胞懸濁液を右側腹部の皮下に0.1ml(2×10細胞)ずつ移植した(この日を0日目とした)。
ニンニク処理物Bをそれぞれ10mg/ml、1mg/ml、0.1mg/mlの濃度で含むニンニク処理物B溶液をPBSを用いて調製し、各マウス群のマウスに、2日毎に0.5mlずつ投与した。コントロール群にはPBSを投与した。腫瘍が顕著に見られるようになった10日後から体重、ノギスを用いた腫瘍の面積[mm](=腫瘍の最長直径×腫瘍の最短直径)の計測を開始し、その後、3日毎に癌細胞を移植して22日目まで同様に計測を行った。16日目、22日目には腫瘍の高さの計測も行うことで腫瘍体積も求めた(腫瘍体積[mm]=(腫瘍の最長直径)×(腫瘍の最短直径)×(腫瘍の高さ))。
結果を以下の表21および図4に示す。統計分析はMicrosoft Excelを用いてt検定を行った。統計分析の結果、有意差は見られなかった。
Figure 2006206573
以上の結果から、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物を経口摂取した場合、in vivoにおいて非腺癌抑制効果はみられないことが示された。すなわち、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物は、in vivoにおいても腺癌に対し選択的に抗癌活性を有することが実証された。
(実施例10)ニンニク処理物のcolon−26癌細胞に対する抗癌活性試験
(1)培養液(RPMI1640: ナカライテスク株式会社製)に10%のFBSを加えたものを細胞培養液とした。単層培養(付着)細胞なので、0.25%トリプシン+1mMのEDTAでフラスコより細胞をはがして、細胞数を1×10細胞/mlに希釈し、0.1ml(1×10個)を96穴マイクロプレートの一つずつのウェルに加えた。
(2)一夜経過した後、実施例6で調製したニンニク処理物Bを各種濃度で溶かした上記細胞培養液の0.1mlを各ウェルに加えた。
(3)37℃の炭酸ガスインキュベーターの中で細胞を培養した。
(4)24時間毎に、細胞数をcell counting kit−8(株式会社同人化学研究所製)で測定した。すなわち、cell counting kit−8を各ウェルに10μlずつ添加した。炭酸ガスインキュベーター内で1〜4時間呈色反応を行った。マイクロリーダーを用い、450nmの吸光度に基づき細胞数を測定した。結果を以下の表22に示す。
Figure 2006206573
以上から、本発明のニンニクレクチンを含むニンニク処理物が腺癌であるcolon−26癌細胞に対して、in vitroでも抗癌活性を示すことが確認された。また、in vitroにおける抗癌活性が、in vivoにおける抗癌活性と相関関係を有することが実証された。
ニンニク処理物を各種濃度で含むニンニク処理物/腺癌細胞懸濁液をマウスに移植したときの、腫瘍面積の変化を示す。 腺癌細胞を移植したマウスにニンニク処理物を各種濃度で含むニンニク処理物溶液を経口摂取させたときの、腫瘍面積の変化を示す。 ニンニク処理物を各種濃度で含むニンニク処理物/非腺癌細胞懸濁液をマウスに移植したときの、腫瘍面積の変化を示す。 非腺癌細胞を移植したマウスにニンニク処理物を各種濃度で含むニンニク処理物溶液を経口摂取させたときの、腫瘍面積の変化を示す。

Claims (6)

  1. ニンニクレクチンを固形成分に対して2質量%以上含有するニンニク処理物を有効成分とする腺癌を予防及び/又は治療するための組成物。
  2. ニンニク処理物がニンニク抽出物である請求項1記載の組成物。
  3. 腺癌が、消化器癌である請求項1又は2記載の組成物。
  4. 消化器癌が、大腸癌又は胃癌である請求項3記載の組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物を含有する、腺癌を予防及び/又は治療するための食品。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物を含有する、腺癌を予防及び/又は治療するための飼料。
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