JP2006204737A - コーヒー焙煎粉砕装置 - Google Patents

コーヒー焙煎粉砕装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006204737A
JP2006204737A JP2005023590A JP2005023590A JP2006204737A JP 2006204737 A JP2006204737 A JP 2006204737A JP 2005023590 A JP2005023590 A JP 2005023590A JP 2005023590 A JP2005023590 A JP 2005023590A JP 2006204737 A JP2006204737 A JP 2006204737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roasting
beans
opening
main body
pot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005023590A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4523434B2 (ja
Inventor
Kazuo Aikawa
一男 相川
Kazuhiko Okuda
一彦 奥田
Tomizo Yamamoto
富三 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MEIKO IND CORP Ltd
Meiko Sangyo Co Ltd
Original Assignee
MEIKO IND CORP Ltd
Meiko Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MEIKO IND CORP Ltd, Meiko Sangyo Co Ltd filed Critical MEIKO IND CORP Ltd
Priority to JP2005023590A priority Critical patent/JP4523434B2/ja
Publication of JP2006204737A publication Critical patent/JP2006204737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4523434B2 publication Critical patent/JP4523434B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatuses For Bulk Treatment Of Fruits And Vegetables And Apparatuses For Preparing Feeds (AREA)

Abstract

【課題】 小型の焙煎、粉砕兼用装置において、焙煎終了後の焙煎豆の冷却を迅速化し、風味の良好なコーヒーを簡単に楽しめるようにする。
【解決手段】 コーヒー焙煎粉砕装置Rの外殻を構成し、上端が開口した本体部10と、本体部10の上部に内壁との間に隙間を有して収容され、上部が本体部10よりも上方に張り出す焙煎釜30と、生豆を撹拌する撹拌部50と、本体部10の上部に支持された一端を基点に上方側に旋回し、焙煎釜30の開口を塞ぎ上部を覆い本体部10の開口を塞ぐ閉状態と焙煎釜30の開口および上部さらに本体部10の開口を開放する開状態との間で、選択的に開閉動作する開閉蓋20と、開閉蓋20に配置され、開閉蓋20の上方から焙煎釜30の内部が視認できる透明窓29と、生豆を加熱する加熱体40と、焙煎豆が落下排出される豆排出口と、焙煎豆を受け取り粉砕する粉砕部とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コーヒー焙煎粉砕装置に関し、詳しくは、家庭や喫茶店などでコーヒーを淹れるのに利用され、コーヒーの生豆を比較的に少量で焙煎し粉砕してコーヒー粉を製造するのに適したコーヒー焙煎粉砕装置を対象にしている。
抽出用のコーヒー粉(レギュラーコーヒーとも呼ぶ)は、製造会社において大規模な生産設備を使用して大量生産され、真空パックや密閉缶に封入された形態で、販売流通に供せられている。
これとは違い、コーヒーの愛飲家やコーヒー専門店などでは、大量生産のコーヒー粉の画一的な味とは異なる独自の味を楽しむために、コーヒーの生豆を入手し焙煎および粉砕を行うことがある。この場合は、コーヒーを淹れる毎に必要量だけ、あるいは、短期間で消費できる少量だけで、生豆の焙煎および粉砕を行う。そのための焙煎装置や粉砕装置は、大量生産用の設備とは違って、卓上で操作できる程度の小型のものになる。このような小型あるいは家庭用のコーヒー焙煎装置あるいは粉砕装置が、種々提案されている。焙煎と粉砕とを兼用する装置や、焙煎、粉砕および抽出の全ての作業を一つの装置で兼ねる全自動コーヒーメーカーも提案されている。
例えば、特許文献1に示されたコーヒーメーカーは、箱状をなす装置上部に、密閉容器状の焙煎釜が設置され、焙煎釜の上面に設けられた小さなキャップを外して生豆を投入する。キャップを閉め、焙煎釜の内部に設置されたヒーターで生豆を焙煎する。焙煎釜の内部では撹拌羽根が旋回しており、生豆を撹拌しながら均一に焙煎する。焙煎が完了すると、焙煎釜の底部に設けた切り欠き開口の閉止板を開いて、焙煎豆を落下させて取り出す。落下した焙煎豆は臼式ミルに送られて粉砕される。粉砕されたコーヒー粉は、臼式ミルの下方に落下してドリップ式の抽出器に送られ、コーヒー液が抽出され、コーヒーサーバーに貯えられる。焙煎終了時には、焙煎釜の側方に配置された軸流ファンで送風し、高温状態の焙煎豆を急速に冷却することで、コーヒーの風味を良くすることができるとされている。
特開平8−80255号公報
従来におけるコーヒーの焙煎、粉砕、抽出の機能を兼用する小型の装置は、産業用の大型専用装置に比べて、どうしても性能的に劣ることが多い。特に、焙煎および粉砕、特に、焙煎の性能が十分ではなく、風味の良いコーヒーを得ることが難しかった。
その理由の一つとして、焙煎釜において生豆を加熱して適度に焙煎された焙煎豆が得られた段階で、ヒータによる加熱を停止させても、焙煎豆が直ぐに冷却されないことがある。特に、焙煎に引き続いて粉砕を行う場合には、温度が高い状態のままの焙煎豆が粉砕機構に送られてしまう。コーヒー豆は焙煎後の冷却に時間がかかると、酸化などによる品質の低下を招き、最終的に抽出したコーヒーの風味が大きく損なわれる。高温のままの焙煎豆を粉砕すると、粉砕が行い難く、粉砕による品質の低下も招き易い。
前記した特許文献1の技術では、焙煎釜にファンで送風することによって焙煎豆の冷却を早めようとしている。しかし、ほぼ密閉状態の焙煎釜に送風しても、なかなか冷却は進まない。特に、かなりの厚みがある焙煎釜は、焙煎釜自体の熱容量が大きいので、焙煎豆を送風冷却しようとしても、高温の焙煎釜から供給される熱エネルギーによって、焙煎豆の冷却が遅くなってしまう。
本発明の課題は、前記したような小型の焙煎、粉砕兼用装置において、焙煎終了後の焙煎豆の冷却を迅速化し、風味の良好なコーヒーを簡単に楽しめるようにすることである。
本発明にかかるコーヒー焙煎粉砕装置は、コーヒーの生豆を焙煎し粉砕してコーヒー粉を得る装置であって、装置の外殻を構成し、上端が開口した本体部と、上端が開口した容器状をなし、本体部の上部に本体部の内壁との間に隙間を有して収容され、上部が本体部よりも上方に張り出し、前記生豆を収容して焙煎する焙煎釜と、前記焙煎釜の内部に配置され、前記生豆を撹拌する撹拌部と、前記本体部の上部に支持された一端を基点に上方側に旋回し、前記焙煎釜の開口を塞ぎ上部を覆い本体部の開口を塞ぐ閉状態と焙煎釜の開口および上部さらに本体部の開口を開放する開状態との間で、選択的に開閉動作する開閉蓋と、前記開閉蓋に配置され、開閉蓋の上方から前記焙煎釜の内部が視認できる透明窓と、前記焙煎釜に収容された前記生豆を加熱する加熱体と、前記焙煎釜の底部に配置され、前記生豆が焙煎された焙煎豆が落下排出される豆排出口と、前記豆排出口の下方に隣接して配置され、前記焙煎豆を受け取り粉砕する粉砕部とを備える。
〔本体部〕
装置の外殻を構成し、内部に各機構構造部分を収容する。したがって、焙煎豆やコーヒー粉の取り出し部分など外部との連通個所を除いて、装置の底から側面までが本体部で囲まれている。本体部の上端は開口している。
本体部の全体形状は、内部構造を効率的に収容しておけ、卓上などで使用し易いように、体裁が良くコンパクトな形状が好ましい。例えば、直方体や円筒体、豆樽形などが採用できる。
本体部は、通常の機器装置と同様の構造材料で構成される。例えば、ステンレスやアルミなどの金属、合成樹脂、繊維強化樹脂などが挙げられる。焙煎釜など高温になる個所には、耐熱性の材料が使用される。
〔焙煎釜〕
上端が開口した容器状をなす。本体部の上部に本体部の内壁との間に隙間を有して収容される。上部が本体部よりも上方に張り出す。焙煎する前の生豆を収容して焙煎する。
焙煎釜の材料や構造は、基本的には通常の焙煎装置と同様の技術が適用できる。
焙煎釜の材料は、伝熱性が良くて耐熱性のある鋼やステンレス、銅、アルミなどの金属が使用される。セラミックも使用できる。金属製釜の内面に焦げ付きを防ぐフッ素コーティングやセラミックコーティングを施しておくこともできる。
焙煎釜の形状は、基本的には、内面が滑らかな円筒容器状が採用される。側面が膨らんだ樽形や円錐形なども採用できる。平面形状として、円形のほか、長円形や楕円形なども採用できる。焙煎釜の上端面全体が開口していれば、焙煎終了後の冷却作用が良好になる。上端開口面が平坦であれば、開閉蓋による密閉が良好に行える。上端開口に、外周側に張り出すフランジを設けて、開閉蓋との密閉面を拡げることができる。
焙煎釜の厚みは、薄いほうが迅速に冷却できる。生豆の焙煎を均一化するには、ある程度の厚みがあって熱容量の大きなものが好ましい。具体的には、材料によっても異なるが、0.5〜3mmの厚みに設定できる。
焙煎釜の容量は、一度に焙煎する生豆の量によって決められる。通常は、0.5〜1リットル程度の内容積を有していればよい。
焙煎釜には、後述する撹拌部や送風機構などを設けるための孔、凹凸、その他の細部構造が、必要に応じて設けられる。
例えば、焙煎釜の底部に、焙煎豆を落下させて排出する豆排出口が設けられる。豆排出口は、撹拌部の作動によって焙煎豆を豆排出口に送り込み易い場所および構造で設けることが望ましい。例えば、焙煎釜の底面外周から周側面の途中までにわたって設けておくことができる。豆排出口には、必要時のみに開口させて、不要時には塞いでおく開閉自在な閉塞蓋を設けておくことができる。
生豆から剥がれ落ちる薄皮を回収する薄皮回収スロットを設けることができる。薄皮回収スロットは、薄皮は通過できるが生豆は落下しない程度の狭い隙間孔を、必要な本数だけ並べて、焙煎釜に貫通形成しておくことができる。
焙煎釜の内部に送風あるいは排気する通風路を、焙煎釜の周側面に開口させておくことができる。焙煎釜の内側あるいは外面に、温度センサを設けておくことができる。
焙煎釜は、本体部の上部に本体部の内壁との間に隙間を有して収容される。焙煎釜と本体部の内壁との隙間は、焙煎釜の熱で本体部が過熱しないようにするのに有効である。空気の流通が良好に行えて焙煎釜の冷却が促進される程度の隙間に設定しておく。具体的には、焙煎釜の外径と本体部の内壁との最小距離を5〜10mmに設定できる。
本体部と焙煎釜とは、部分的に支柱や支持梁などで連結固定しておけば、隙間を塞ぐことが少なく、空気の流通を阻害することがない。但し、この支持構造が、焙煎釜から本体部へと熱を伝達し易いので、支持構造を必要最小限で設けたり、支持構造の材料を断熱性の高い材料にしたり、支持構造と本体部との連結部に断熱材を設けたりすることもできる。
本体部に収容された焙煎釜は、上部が本体部よりも上方に張り出す。この張り出し量が大きいほど、開閉蓋を開いたときに、外部の空気が効率的に焙煎釜と接触し、焙煎釜の熱が外部に放出され易くなる。但し、焙煎釜の露出量が多過ぎると、外観性が悪くなったり、使用者が間違って焙煎釜に直接に触れて熱い思いをしたりする。通常、本体部の上端開口から焙煎釜の上端までの距離を5〜15mmに設定する。
〔撹拌部〕
焙煎釜の内部に配置され、生豆を撹拌する機能を果たす。焙煎を均一化することができる。冷却時に冷却作用を高める機能もある。
基本的には、通常の焙煎装置における生豆の撹拌機構や撹拌構造が適用できる。
通常は、撹拌用の羽根や軸、腕、枠、ローラなどを、モータなどの旋回駆動手段で駆動する。例えば、平面形が円形の焙煎釜に対して、焙煎釜の中心に駆動軸を配置し、駆動軸から放射方向に延ばした撹拌腕などを、焙煎釜の底部に沿って水平旋回させれば、焙煎釜の内部全体で生豆を効率的に撹拌することができる。平面が長円形の焙煎釜に対して、2個所に配置した撹拌腕を、互いに連動させて水平旋回させることもできる。
撹拌腕は、中心から放射方向に直線的に延びるもののほか、湾曲したり屈曲したりしているもの、螺旋軌跡を描いて放射方向に延びるものなども採用できる。産業用あるいは家庭用の各種撹拌機器における撹拌腕の技術が適用できる。
撹拌腕として、弾力的に屈曲可能な撹拌腕を使用し、焙煎釜の内底で撹拌腕の先端が当接する位置に、撹拌腕の先端側を弾力的に屈曲させる当接突起を備えておくことができる。水平旋回する撹拌腕が当接突起に接触する度に、弾力的に変形し、当接突起を通過したあと弾力的に復元するという動作を繰り返す。生豆に弾力的に変化する撹拌作用を与える。個々の生豆が頻繁に姿勢を変えたり位置を変えたりして動かされる。個々の生豆が同じ姿勢のままで加熱されて焙煎のムラが生じることが防止でき、均一に焙煎された品質性能の高い焙煎豆が得られ易い。生豆から薄皮が剥がれる作用も効率的に行われる。弾力的に変形する撹拌腕は、生豆を傷付けたり割ったりする心配も少ない。
弾力的に屈曲可能な撹拌腕は、耐熱性のある金属で形成されたコイルバネを使用すれば、製造が容易で耐久性も優れている。ゴムや合成樹脂などの弾性材料で形成することもできる。当接突起についても、弾力的に変形可能であれば、撹拌腕との当接時に、弾力的に変形振動を起こしたりして、より複雑な変形挙動を行い、生豆の撹拌機能を向上させることができる。
〔開閉蓋〕
本体部の上部に支持された一端を基点に上方側に旋回する。焙煎作業の際には、焙煎釜の開口を塞ぎ、焙煎釜の上部を覆い、本体部の開口を塞ぐ。焙煎作業が終了して焙煎豆を冷却する際には、焙煎蓋の開口および上部を開放し、本体部の開口を開放する。
基本的には、各種機械装置における、上開き構造の開閉蓋と共通する技術が適用される。
開閉蓋は、閉状態では本体部の開口面と平行であり、開状態では本体部の上方空間を大きく開放していることが望ましい。開状態での開閉蓋の姿勢は、本体部の開口面に対して、10〜90°の角度に設定できる。開閉蓋が90°以上に開いても、冷却作用はそれほど向上せず、開閉蓋に設置されて発熱していた高温のヒータがむき出しになるので好ましくない。
開閉蓋は、開状態で一時的に位置決めできれば、焙煎釜および焙煎豆の冷却作業の間、開状態を維持できる。通常の開閉蓋における、バネや係合機構を利用した位置決め構造が採用できる。開閉蓋を、本体部に対して取り外し可能に支持しておくこともできる。開閉蓋の内部を清掃したり洗浄したりするのに便利になる。
開閉蓋は、閉状態で固定できるようにしておく。通常の開閉蓋における閉塞固定機構が採用できる。旋回レバーやスライド機構で、係合機構や鍵機構を操作するようにしておけば、確実な固定ができ、簡単に固定解除できる。磁石の磁力を利用することもできる。
閉状態で、開閉蓋の下面が焙煎釜の開口に圧接できれば、焙煎釜の熱エネルギーが漏洩せず、焙煎時に発生する煙などが外部に漏れ難い。開閉蓋の下面に、焙煎釜の開口に当接し弾力的に付勢する密閉盤を設けておくことができる。
開閉蓋は、閉状態から固定を解除したときに、自動的に開状態まで旋回移動するようにしておくことができる。通常の機械装置における自動開動作の機構が適用できる。例えば、開閉蓋を開方向に付勢するバネ機構を設けておくことができる。閉動作の際には、バネの付勢力に抗して旋回させ、閉状態で固定機構により固定する。開動作の際には、固定機構を解除するだけで、開状態まで自動的に旋回する。
開閉蓋には、加熱体および透明窓を備えている。
〔透明窓〕
開閉蓋に配置され、開閉蓋の上方から焙煎釜の内部が視認できるようにする。
透明窓の材料は、焙煎時の高熱に耐えて透明性のある材料であればよい。各種の耐熱ガラスが使用できる。耐熱透明樹脂も使用できる。
透明窓は、焙煎釜の内部における生豆の焙煎状況が確認し易い場所および形状で配置しておく。具体的には、焙煎釜の平面形状の中心に対応する開閉蓋の中心に設けておくことができる。撹拌機構によって移動する生豆の移動経路が観察できれば、中心から外れた位置でも構わない。透明窓を複数個所に設けておくこともできる。
透明窓の大きさは、目視によって十分な広さの視界が確保できるように設定しておく。比較的に小さな透明窓を複数個所に設けることで、焙煎釜の内部全体を視認できるようにしてもよい。具体的な寸法として、透明窓の径を30〜100mmに設定できる、透明窓が大き過ぎると、焙煎時の熱が逃げ易くなったり、透明窓のコストが高くついたりする。
〔加熱体〕
焙煎釜に収容された生豆を加熱する。
基本的には、通常の焙煎装置における加熱焙煎用の加熱体が使用できる。コーヒーの生豆を適切に焙煎できる250℃程度までの加熱が可能であればよい。
具体的には、ニクロム線などによる電熱ヒーターが使用できる。半導体ヒーターも使用できる。赤外線ランプや遠赤外線ランプも使用できる。高温風発生装置も使用できる。電磁誘導加熱装置や超音波加熱装置も採用できる。複数の加熱体を併用することもできる。
加熱体を、開閉蓋の下部に支持しておけば、開閉蓋の開閉と同時に、加熱体を焙煎釜を加熱できる位置に配置したり、遠ざけて冷却を促進させたりすることができる。複数の加熱体を使用する場合、一部の加熱体は、開閉蓋の下部に支持し、別の加熱体は、焙煎釜あるいは本体部に設置しておくこともできる。
加熱体を開閉蓋に設置する場合、透明窓の視界を遮らない位置および構造で設けておくことが望ましい。
加熱体の動作を電気的に制御する制御回路や制御用マイクロコンピュータを設けておくことができる。焙煎釜や焙煎中の生豆の温度を検知する温度センサを備えておくことができる。温度センサは、焙煎釜の内部で生豆と接触する位置に設けることができる。焙煎釜の外面側の温度を検知することで、内部温度を予測することもできる。非接触式の温度センサを使用することもできる。
〔粉砕部〕
豆排出口の下方に隣接して配置され、落下した焙煎豆を受け取り粉砕する。
基本的には、通常の焙煎粉砕装置における粉砕部の機構や装置構造が採用できる。臼式およびカッター式の粉砕装置の何れも採用できる。
粉砕部の具体的構造として、以下の構造が採用できる。
焙煎釜の豆排出口に隣接して配置され、上方から下方へと狭まり焙煎豆が落下する豆落下路を設ける。豆落下路の下方に、中空円盤状の固定臼盤と固定臼盤の下面に隣接して配置され水平旋回する旋回臼盤とからなり、焙煎豆を固定臼盤と旋回臼盤との間で挽き砕く粉砕臼を設ける。粉砕臼の旋回臼盤の中央に立設され、固定臼盤の中央および豆落下路の中央に延び、外周面に螺旋状突起を有する押し込み軸を設ける。
水平旋回する旋回臼盤と固定臼盤とで焙煎豆を挽き砕く粉砕臼は、通常のカッター式粉砕装置に比べて、高品質のコーヒー粉が得られ易い。上方から下方へと狭まる豆落下路は、焙煎釜から排出された焙煎豆を確実に、粉砕臼へと供給できる。外周面に螺旋状突起を有する押し込み軸は、旋回臼盤とともに旋回し、豆落下路の焙煎豆を螺旋状突起によって粉砕臼の方向に押しやり、粉砕臼の固定臼盤と旋回臼盤との隙間に効率的に押し込むことができる。その結果、焙煎豆の粉砕作業を能率的に高品質で達成することができる。
旋回臼盤および押し込み軸の旋回駆動は、モータなどの回転駆動機構で果たすことができる。
旋回臼盤および固定臼盤の対向面には、細かな凹凸上の臼歯が形成される。焙煎豆を中心側から臼歯の対向面へと案内する案内溝を設けておくこともできる。
〔その他の構造〕
前記した基本構造を備えていれば、その他にも、通常のコーヒー焙煎粉砕装置あるいは全自動コーヒーメーカーなどに備えられている各種の機構や装置を組み込むことができる。
例えば、焙煎釜には、粉砕部につながる豆排出口に加えて、焙煎豆をそのままで取り出すための豆排出口を備えておくことができる。焙煎豆の状態で保管しておき、後日、必要になった時点で、粉砕およびコーヒー抽出に使用することができる。
粉砕部からのコーヒー粉の排出部分に、コーヒー抽出部を設けることができる。コーヒー抽出部は、ドリップ式やフィルター式、パーコレーター式などの通常のコーヒー抽出機構を採用することができる。コーヒー抽出部には、熱湯の発生装置や、抽出されたコーヒー液の保温装置などを備えておくこともできる。
<制御構造>
コーヒー焙煎粉砕装置の各作動機構の作動を制御する制御用のマイクロコンピュータや制御操作盤を設けておくことができる。具体的には、前記した加熱体の温度制御や冷却ファン、排気ファンの作動制御、撹拌部の作動制御、粉砕部の作動制御、開閉蓋の開閉制御などが含まれる。制御に必要な情報を検知する各種のセンサを備えておくこともできる。具体的には、前記した加熱温度を測定する温度センサ、送風量や送風温度を検知するセンサ、生豆の水分量を生豆や焙煎釜の重量から検知するセンサ、撹拌腕に加わる抵抗力を検知するセンサ、粉砕臼の粉砕抵抗を検知するセンサ、開閉蓋の動作状態を検知するセンサなどが使用できる。
焙煎作業および粉砕作業を含む装置の作動を順次、自動的に進行させるプログラムや、深煎りや浅煎りなどの所望の焙煎状態に合わせた焙煎温度の制御や粉砕程度を、予め記憶しておく記憶装置や、最適な制御条件を入力する入力装置を備えておくこともできる。
〔焙煎工程〕
基本的には、通常のコーヒー焙煎粉砕装置と同様に行われる。
開閉蓋を開いて、コーヒーの生豆を焙煎釜に投入する。焙煎釜の容量に応じて、投入可能な生豆の量が決まる。通常は、焙煎釜の上端開口まで生豆で埋めないようにする。通常、焙煎釜の高さの5〜6割までで生豆を投入するのが望ましい。
開閉蓋を閉めれば、焙煎釜は実質的に密閉状態になる。加熱体で焙煎釜内の生豆を加熱する。撹拌部を作動させて、生豆を撹拌して、均一に加熱する。生豆の加熱と同時に焙煎釜も昇温する。
<水分出し段階>
生豆は加熱によって内部に存在する水分が蒸発する。この段階では、生豆が焙煎されないように、加熱温度を制御する。通常、水分が蒸発する100℃を超えるが、生豆が焙煎される200℃を超えるような高温にはならないように制御する。具体的には、最高温度が140〜160℃の範囲になるように制御するのが好ましい。
水分出しの完了は、予め設定された温度になったとき、設定温度で一定時間が経過したときに設定することができる。加熱を開始してからの経過時間で設定することもできる。生豆を投入した段階における焙煎釜の温度を考慮して、加熱開始などの加熱条件を調整するように制御することもできる。
水分出し段階では、冷却ファンは作動させない。排気ファンを作動させれば、焙煎釜内に発生する蒸気を、薄皮回収スロットから外部に排出することができる。
<焙煎段階>
前記水分出し段階が終了したあと、水分出し段階よりも高温に加熱して、生豆を焙煎する。
焙煎段階では、生豆からの水分除去の必要がなければ、排気ファンの作動は停止させたほうが、熱の漏れが少ない。焙煎段階でも蒸気や煙などを排出するには、排気ファンの稼動が有効である。撹拌部による生豆の撹拌は継続して行い、均一な焙煎を行うことができる。
焙煎温度および焙煎時間は、焙煎豆およびコーヒーの風味や品質を良好に達成できるように調整する。深煎り、浅煎り、ライトロースト、イタリアンローストなどと呼ばれる焙煎状態に対応して設定する。焙煎温度を220〜280℃の範囲、焙煎時間を2〜15分の範囲で設定する。通常は、焙煎温度を適切な一定温度に維持して、焙煎時間を調節することで、焙煎の程度を調整する。
焙煎の進行具合を、開閉蓋に設けた透明蓋から観察して、生豆の色変化などから、適切な焙煎状態を確認することができる。
所望の焙煎状態の焙煎豆が得られれば、焙煎段階は終了する。加熱体による加熱を終了し、次の冷却段階に移る。
<冷却段階>
焙煎段階の終了後、出来るだけ迅速に、焙煎釜および焙煎豆を冷却する。焙煎豆が高温状態で維持される時間が長くなると、焙煎豆の品質性能が低下する。
具体的な作業としては、加熱体による加熱の停止、開閉蓋の開放、冷却ファンの作動開始を行うことができる。排気ファンを作動させて、熱を排出することも有効である。
開閉蓋は、出来るだけ迅速に大きく開くことが望ましい。開閉蓋を開くことによって、外気が、焙煎釜の内部、本体部よりも上方に張り出した焙煎釜の外側面、本体部と焙煎釜との隙間に侵入して、焙煎釜および焙煎豆を効率的に冷却する。焙煎釜や焙煎豆から放射される熱が外界に効率的に放出される。開閉蓋に配置された加熱体を、焙煎釜および焙煎豆から遠ざけることで、高熱の加熱体によって焙煎釜や焙煎豆が加熱され続けることを防ぎ、冷却を促進させることができる。
焙煎豆の温度が、品質性能の低下を起こさない所定の低温領域まで下がれば、冷却段階を終了することができる。冷却ファンや排気ファンの作動を停止させることができる。焙煎豆を豆排出口から粉砕部へと送ることができる。焙煎豆を粉砕部へ送らずに回収することもできる。焙煎豆を粉砕部に送らない場合は、比較的に高温状態のままで焙煎豆を回収して、回収したあと、皿などに拡げた状態で、自然冷却や通風冷却で冷却させることもできる。
焙煎豆は、常温まで冷却すれば、品質性能の劣化は生じ難く、粉砕作業にも支障は生じ難い。実用的には、20〜70℃程度まで冷却させれば問題はない。
〔粉砕工程〕
焙煎釜の豆排出口から落下排出された焙煎豆を粉砕して、コーヒー抽出に用いるコーヒー粉を得る。
基本的には、通常の焙煎粉砕装置における粉砕工程と同様の作業条件が採用できる。
粉砕装置の作動条件を適切に設定することで、所望の粒径まで焙煎豆を粉砕する。通常、平均粒径0.17〜0.7mm程度まで粉砕する。
例えば、臼式の粉砕装置の場合、固定臼盤に対する旋回臼盤の回転速度を調整したり、臼盤同士の隙間量を調整したりすることで、粉砕程度を変えることができる。
粉砕工程が終了して得られたコーヒー粉は、回収して保存しておくことができる。コーヒー焙煎粉砕装置に、コーヒー粉の保管貯蔵構造が設けられていれば、そこに回収して保存することができる。外部の貯蔵缶や保存容器に移すこともできる。コーヒー焙煎粉砕装置に、コーヒー抽出機構も付属していれば、粉砕されたコーヒー粉を直ちにコーヒー抽出機構に送ってコーヒーの抽出を行うことができる。
本発明にかかるコーヒー焙煎粉砕装置は、上端が開口した本体部の上部に、上端が開口した容器状の焙煎釜を、本体部の内壁との間に隙間を有し、上部が本体部よりも上方に張り出すように収容している。
焙煎釜で生豆を焙煎する際には、開閉蓋が、焙煎釜の開口を塞ぎ、焙煎釜を覆い、本体部の開口も塞いでいるので、加熱体による加熱エネルギーが外部に漏れることなく効率的に利用できる。焙煎に伴って発生する煙なども外部に漏れる心配がない。高熱の焙煎釜に、手などが触れる心配もない。
焙煎が終了すれば、開閉蓋を開くことで、焙煎釜の開口および上部さらに本体部の開口が開放され、焙煎釜の内部および周囲に、外気が迅速に浸入あるいは流通し、焙煎釜の熱が迅速に外界に放出される。焙煎釜および焙煎豆の冷却が極めて速やかに行われるので、冷却の遅れによる品質劣化が生じない。
その結果、従来、小型の焙煎粉砕装置や自動コーヒーメーカーでは得ることが難しかった高品質の焙煎豆が得られる。風味の良いコーヒーを、家庭などで手軽に楽しむことができる。特に、焙煎のあと直ぐに粉砕を行っても、十分に冷却された焙煎豆を粉砕することができるので、高温の焙煎豆を粉砕することによる品質の劣化も生じない。
図1〜6に示す実施形態は、家庭でも使用できる小型のコーヒー焙煎粉砕装置を示す。
〔全体構造〕
コーヒー焙煎粉砕装置Rは、全体の外形が直方体箱状をなす本体部10と、本体部10の上端に開閉自在に取り付けられた開閉蓋20と、本体部10の上部に収容された焙煎釜30と、焙煎釜30の下方で本体部10の内部に設置された粉砕部60とを備える。
開閉蓋20を閉じた状態で、本体部10および開閉蓋20で構成される装置R全体の外形が、例えば、幅16cm×奥行17cm×高さ26cmになる。卓上などで使用し易く、移動も容易である。
〔焙煎釜〕
図3に示すように、焙煎釜30は、例えば、厚み1mmのアルミ材のプレス成形品からなり、概略円筒状で底のある容器状をなしている。例えば、内径12cmで深さ5cm、内容量が0.5リットルに設定される。
焙煎釜30の上端は開口しており、開口から外側に張り出すフランジを有している。
焙煎釜30は、本体部10の上部に収容されている。本体部10の内壁面と焙煎釜30の外周面との間には十分な幅の隙間があいている。図示を省略しているが、焙煎釜30は耐熱性のある金属材などを介して、本体部10に固定されている。また、本体部10の内壁面には、焙煎釜30からの放射熱を遮断するために、断熱材を設けておくことができる。
図1に示すように、焙煎釜30は、本体部10の上端開口よりも、距離Gだけ上方に張り出している。この距離Gは、後述する冷却工程での冷却性能に影響を与える。焙煎釜30の寸法によっても異なるが、例えば、距離G=15mmに設定する。
図4に示すように、焙煎釜30の底部には、2個所に概略矩形状をなす豆排出口31,33と、複数本の細い溝が間隔をあけて並んだ薄皮回収スロット32とが、それぞれ貫通形成されている。豆排出口31、33および薄皮回収スロット32の何れも、焙煎釜30の底部外周から周側面の途中までにわたって設けられている。豆排出口31は、後述する粉砕部につながる。豆排出口33は、焙煎豆の回収部につながる。薄皮回収スロット32は排気ファンにつながる。
豆排出口31、33の外側にはそれぞれ、豆排出口31、33を開閉自在にする旋回蓋34が取り付けられている。旋回蓋34は、豆排出口31、33の形状に対応して屈曲した板状をなして、焙煎釜30の底面から外周側面の外側を覆っている。旋回蓋34は上端辺が軸支され、この軸支辺を基点にして、全体が下方側に旋回する。図3に二点鎖線で示すように、旋回蓋34が開いた状態では、焙煎釜34の内部に存在する焙煎豆が豆排出口31、33から下方に落下する。図示を省略しているが、旋回蓋34は、バネ機構によって、常に、豆排出口31、33を塞ぐ方向に付勢されている。電磁的に作動するアクチュエータなどで、バネの付勢力に抗して開く方向に旋回作動させる。
図3に示すように、焙煎釜30の外側面には温度センサ36が取り付けられている。温度センサ36で検知される焙煎釜30の温度情報を元にして、後述する加熱ヒータ40などの作動を制御することができる。
〔撹拌部〕
図3、4に示すように、焙煎釜30の底部中心を貫通して、撹拌器50が設置されている。
撹拌器50は、図示を省略したモーターなどから供給される回転駆動力を、焙煎釜30の内部に配置された撹拌腕52に伝達し、撹拌腕52で、焙煎釜30に投入された生豆を撹拌する。
撹拌腕52は、バネ線材をコイル状に巻回して細い筒状に構成したものである。したがって、撹拌腕52を曲げようとする力が加わると、弾力的に変形するが、力を取り除けば直ぐに復元して直線状態に戻る。このような撹拌腕52が2本、撹拌器50の中央から直径方向に延びて取り付けられている。撹拌腕52は、焙煎釜30の内底面よりも少し高い位置を水平旋回する。図3に示すように、撹拌腕52は、豆排出口31、33および薄皮回収スロット32の上方を通過して旋回する。
図4に示すように、焙煎釜30の内周壁から中心に向かって、直径方向の2個所に、撹拌腕52と同じコイルバネ材料からなる当接突起54が取り付けられている。当接突起54の先端は、撹拌腕52の旋回外径よりも少し内側の領域まで突き出している。
そのため、撹拌腕52が水平旋回すると、撹拌腕52の先端が当接突起54に当たる。撹拌腕52および当接突起54の何れもが弾力的に変形する。撹拌腕52が当接突起54の位置を通過したあとは、弾力的に変形していた撹拌腕52および当接突起54の何れもが、元の直線状態に復元する。撹拌腕52が、当接突起54で曲げられ弾かれるような動きをする。この動作によって、生豆を勢い良く掻き回したり、複数の生豆が固まったままで移動するのを防いだり、生豆に付いている薄皮を剥がれ易くしたりする効果がある。
〔粉砕部〕
図3に示すように、焙煎釜30の豆排出口33の下方には、粉砕部60が設けられている。
粉砕部60は、豆排出口33の下部に開口する豆落下路61、粉砕臼63、64、押し込み軸62、コーヒー粉案内筒65を有する。
豆落下路61は、上端が豆排出口33の下方に開口し、上端から下方へと徐々に径が細くなるテーパ−孔からなる。
粉砕臼63、64は、全体が中空円盤状をなし、豆落下路61の下端に設置され、豆落下路61とともに固定された固定臼盤63と、固定臼盤63の下面にわずかな隙間をあけて対向設置され、図示を省略したモータなどで水平旋回駆動される旋回臼盤64とを備える。豆排出口33から豆落下路61を落下した焙煎豆が、固定臼盤63の中央の孔から、固定臼盤63と旋回臼盤64との間に押し込まれ、旋回臼盤64の旋回運動により、粉状になるまで粉砕される。
押し込み軸62は、旋回臼盤64の中心に支持され、固定臼盤63の中央空間を経て豆落下路61の中心を高さ方向の途中まで延びている。押し込み軸62の外周面には螺旋状の突起が形成されている。旋回臼盤64の旋回とともに、螺旋突起付きの押し込み軸62が回転する。豆落下孔61を落下する焙煎豆は、押し込み軸62の螺旋状突起によって下方へと押しやられ、固定臼盤63の中央空間に押し込まれる。さらに上方から次々と送り込まれる焙煎豆に押されて、固定臼盤63と旋回臼盤64との隙間に押し出され、旋回臼盤64と固定臼盤63とによる粉砕作用が効率的に行われる。
焙煎豆が粉砕されてできたコーヒー粉は、固定臼盤63と旋回臼盤64との隙間を外周側に移動して、外周端から下方に落下する。
粉砕臼63、64の外周を囲む案内筒65は、下端が狭まっている。案内筒65の内部を落下するコーヒー粉は、案内筒65の下端から取り出される。案内筒65の下方には、コーヒー粉回収容器68が配置できるようになっている。
回収容器68に回収されたコーヒー粉は、別に用意されたドリップ式抽出器に送って、コーヒー抽出に使用することができる。保管用の缶や密閉容器に収容して保存しておくこともできる。
<粉砕臼の詳細構造>
図6は、粉砕臼63、64の詳細構造を示している。旋回臼盤64には、内周端から放射線方向に延びる凹溝66を有する。凹溝66は、内周側から外周側に向かって徐々に浅くなる傾斜状をなし、途中で旋回臼盤64の表面に達していて、外周端までは延びていない。図6(a)に示すように、凹溝66は、内周側から外周側に向かって幅が狭くなっている。また、凹溝66は、周方向に120度ずつの等間隔で3個所に設けられている。旋回臼盤64の上面には、複数列の鋸歯状凹凸67が並んで形成されている。また、周方向で一定範囲毎に、凹凸67の列の並び方向が変化している。
図6(b)に示すように、固定臼盤63にも、旋回臼盤64と同様に凹溝66や鋸歯用の凹凸列67が形成されている。
押し込み軸62の回転によって、固定臼盤63の中央空間に押し込まれた焙煎豆は、さらに、固定臼盤63および旋回臼盤64の凹溝66に押し込まれたあと、旋回臼盤64と
固定臼盤63との凹凸列67に噛み込まれ、細かく砕かれ挽かれることになり、十分に細かく挽き砕かれたあと、粉砕臼63、64の外周端から外にこぼれ出る。
〔開閉蓋〕
図1〜3、5に示すように、開閉蓋20は、本体部10の上端開口と同じ平面矩形状で浅い箱状をなしている。本体部10の開口を閉じた状態で、本体部10と一体化して全体が直方体箱状になる。開閉蓋20を閉じた状態で、本体部10の内部は密閉状態になる。
図1に示すように、開閉蓋20の一辺側が、旋回軸22に軸支されている。この旋回軸22を基点にして、開閉蓋20の他辺側が上方側に旋回移動する。開閉蓋20の旋回範囲は、開閉蓋20が水平になって本体部10を塞ぐ閉状態から、開閉蓋20が垂直に近い状態になる開状態までで、約120°である。
図2に詳しく示すように、開閉蓋20のうち、旋回するほうの側辺には、係止鉤24と係止鉤24を旋回操作するための操作ノブ26を有している。操作ノブ26で係止鉤24を旋回させ、本体部10の内壁から突出する係止突起28に係止鉤24を係止させることで、開閉蓋20が本体部10に閉じられた状態で固定される。係止鉤24を逆方向に旋回させれば、本体部10に対する開閉蓋20の係止は解除される。
開閉蓋20は、図示を省略したバネ機構の内蔵により、閉状態から開方向に旋回するように付勢されている。したがって、操作ノブ26で係止鉤24を操作して、本体部10に対する開閉蓋20の固定を解除すれば、直ちに、開閉蓋20は開状態まで旋回運動を行い、本体部10の上方を大きく開放する。
図3に示すように、開閉蓋20の内側には、焙煎釜30の上端フランジに当接する密閉盤42が設けられている。密閉盤42は、耐熱性のある金属材料などで形成されている。密閉盤42と開閉蓋20とは、上下方向に間隔をあけて配置され、周方向の複数個所に配置された支持軸43で吊下げられた状態で固定されている。これによって、密閉盤42からの伝熱で、開閉蓋20の本体部分や外面側が過剰に熱くならないようになっている。密閉盤42と開閉蓋20の内面との間には、断熱材を配置しておくことができる。密閉盤42の中央側には、リング状の加熱ヒータ40が取り付けられている。図示を省略したが、加熱ヒータ40は本体部10に内蔵された電源部に電力配線でつながっている。開閉蓋20を閉じた状態で、焙煎釜30の上端開口を密閉盤42が塞ぎ、焙煎釜30の内部が密閉される。この状態で、密閉盤42の内部に入り込み中央に存在する加熱ヒータ40が、焙煎釜30の内部空間を加熱する。
図5にも示すように、加熱ヒータ40の内側で開閉蓋20の中央には、透明窓29が設けられている。透明窓29の個所では、密閉盤42にも貫通空間が設けられている。透明窓29は耐熱ガラスからなり、開閉蓋20の上方から焙煎釜30の内部を観察できるようになっている。
〔排気ファン〕
図3に示すように、本体部10の内部で薄皮回収スロット32の下方には、排気筒72および排気ファン70を備える。
排気ファン70は、本体部10の外壁部分に設置され、本体部10の内部から吸気して本体部10の外部に排気する。排気筒72は、薄皮回収スロット32の周辺から焙煎釜30の外周側面の外側までを囲み、下部の側方が排気ファン70に連通している。排気筒72の下端は開放されている。排気筒72の下には、薄皮回収箱74が配置されている。薄皮回収箱74は、本体部10の側方から出し入れ自在である。
焙煎釜30で生豆を加熱しながら撹拌すると、生豆の外周から薄皮が剥がれ落ちる。生豆から剥がれ落ちた薄皮は、薄皮回収スロット32に落ち込む。排気ファン70を稼動させることで、焙煎釜30内の薄皮は薄皮回収スロット32に吸い込まれる。薄皮回収スロット32から排気筒72に落下した薄皮は、ある程度の自重があるので、排気ファン70に吸い込まれることなく、排気筒72を落下して、薄皮回収箱74に回収される。排気ファン70にフィルタを備えておけば、薄皮の細片などが外部に放出されるのを防ぐことができる。
排気ファン70および排気筒72は、上記した薄皮の回収の機能を果たすとともに、後述する冷却工程において、焙煎釜30および焙煎豆の冷却にも有用である。
〔焙煎豆回収〕
コーヒー焙煎粉砕装置Rでは、焙煎豆を直ちに粉砕部60に送ってコーヒー粉を製造するだけでなく、焙煎豆の状態で回収することもできる。
図1に示すように、粉砕部60につながる豆排出口33とは別の位置に設けられた豆排出口31の下方には、案内筒92が設けられ、案内筒92の下方には、焙煎豆回収箱90が配置されている。焙煎豆回収箱90は、本体部10の側面から出し入れ自在になっている。
したがって、焙煎釜30による焙煎作業を終えたあと、粉砕部60につながる豆排出口33は閉じたまま、豆排出口31を開けば、焙煎豆は案内筒92から回収箱90に回収される。回収された焙煎豆は、回収箱90に収容したままで保管することができる。回収箱90を本体部10から引き出して、別に用意された保管用の缶や密閉容器で焙煎豆を保管することもできる。
保管している焙煎豆からコーヒー粉を作製する際は、焙煎豆を焙煎釜30の上部から投入して、焙煎することなく、粉砕部60に送るようにすればよい。
〔冷却ファン〕
図4に示すように、焙煎釜30の側面に開口し、本体部10の側面に至る通風路39と、通風路39に連通して本体部10に設置された冷却ファン38を備える。
図3にも示すように、通風路39は、焙煎釜30の側面を一部切り欠いて、焙煎釜30の内部と連通するように配置されている。
冷却ファン38は、外部の空気を吸い込んで、通風路39から焙煎釜30の内部に送り込む。焙煎釜30に送り込まれた送風は、焙煎釜30の内周に沿って移動し、焙煎釜30および焙煎された焙煎豆を冷却する機能を果たす。
開閉蓋20を開いている状態で冷却ファン38を作動させた場合は、焙煎釜30の内部を冷却した送風は、焙煎釜30の開口から上方空間へと排出される。また、排気ファン70を稼動させた場合は、薄皮回収スロット72を通じて吸い出されることで、焙煎釜30から排出される作用も働く。
上記とは逆に、冷却ファン38を逆回転させて排気ファンとして作用させることもできる。焙煎釜30の内部空気を通風路39から本体部10の外へ吸い出すことになる。開閉蓋20を開いた状態であれば、焙煎釜30の開口から新鮮な空気が流入することで、焙煎釜30の冷却が果たされる。
〔操作盤〕
図3に示すように、コーヒー焙煎粉砕装置Rには、前記した各作動機構や機能部分の作動を制御する操作盤80が、本体部10の外周壁に設けられている。
操作盤80には、電源スイッチ81、複数のダイアル82、押しボタンスイッチ83などが配置されている。ダイアル82には、焙煎作業、粉砕作業の切り換え、焙煎時間設定、焙煎温度設定、粉砕時間設定などの機能を設定している。押しボタンスイッチ83で、作動開始を入力する。これらのスイッチ類81〜83は、操作盤80の背面側に設けられた制御基板の所定回路に接続されている。制御基板には、制御用のマイクロコンピュータや記憶回路、リレー、電源、制御回路などが組み込まれている。
〔焙煎作業〕
以上に説明したコーヒー焙煎粉砕装置Rの使用について説明する。まず、最初に、焙煎作業を行う。
図1に示すように開閉蓋20を開いた状態で、焙煎釜30に生豆を投入する。開閉蓋20を閉じる。図3に示すように、焙煎釜30の上端開口は密閉盤42で塞がれ、加熱ヒータ40が配置される。本体部10の開口も開閉蓋20で塞がれるので、本体部10および開閉蓋20の内部空間も密閉状態になる。
<水分出し工程>
撹拌部50を作動させて、撹拌腕52で生豆を撹拌しながら、加熱ヒータ40で焙煎釜30の内部を加熱する。加熱によって、生豆の内部から水分が蒸発する。排気ファン70を作動させて、生豆から生成した蒸気を、薄皮回収スロット32から排気筒72を経て、装置外に排出する。
<焙煎工程>
生豆の水分出しが完了したあと、さらに加熱ヒータによる加熱を続けることで、生豆の焙煎を進行させる。
生豆が乾燥し焙煎される過程で、生豆の外周を覆っていた薄皮が剥がれる。撹拌腕52による撹拌や生豆同士の衝突によって、薄皮は生豆から剥がれ落ちる。生豆が、薄皮回収スロット32や豆排出口31、33の縁に当たると、薄皮を引き剥がす作用が生じ易い。撹拌腕52が当接突起54に当たって弾力的に反発する作用によっても、生豆から薄皮が剥がれ易くなる。このようにして生豆から剥がれ落ちた薄皮は、薄皮回収スロット32から排気筒72を経て、薄皮回収箱74に回収される。生豆からの水分蒸発および薄皮がなくなれば、排気ファン70を止めてもよい。
所定の温度で所定の時間をかけて生豆は焙煎され、焙煎豆となる。
操作盤80のダイアル82で設定された温度で所定の時間が経過すれば、焙煎工程は終了する。焙煎工程の終了は、操作盤80に設けられたランプの表示やブザー、メロディ発音による報知で行うことができる。
開閉蓋20の中央に配置された透明窓29から焙煎釜30の内部を覗けば、生豆の色が変わっている状態が観察できる。観察された生豆の状態から、適切な焙煎状態であると判断すれば、操作盤80のスイッチなどを操作して、焙煎工程を終了させることもできる。
焙煎工程が終了すれば、直ちに開閉蓋20を開く。焙煎工程を自動制御している場合は、開閉蓋20の係止解除および開動作を機械的に行うこともできる。
<冷却工程>
図1に示すように、開閉蓋20が開くと、焙煎釜30の内部および焙煎釜30と本体部10との間の隙間には、外気が直接に流入してくる。焙煎釜30および内部に収容された焙煎豆が有する熱は、直接に外気へと拡散して放出される。開閉蓋20が開くことで、通電を停止しても高熱を有する加熱ヒータ40が、焙煎釜30および焙煎豆から遠くに離れることになる。加熱ヒータ40の高熱がいつまでも焙煎釜30や焙煎豆に供給されることはない。
冷却ファン38を作動させることで、焙煎釜30の内部に冷風を送り込み、冷却を促進させることができる。排気ファン70を作動させておけば、焙煎釜30内の加熱空気を強制排出することで、冷却を促進させることができる。撹拌腕52の旋回動作を続けることで、焙煎豆の冷却が促進できる。
これらの作用を組み合わせることで、焙煎釜30および焙煎豆を急速に冷却する。焙煎豆の温度が、所定の温度以下になれば、それ以後は、冷却ファン38や排気ファン70の作動を止めてもよい。通常は、100℃をある程度下回る温度になれば、強制冷却しなくても、あまり問題はない。但し、生豆の焙煎を繰り返して行う場合など、焙煎釜30の温度を常温程度まで下げておいたほうがよければ、冷却ファン38や排気ファン70による強制冷却を続けてもよい。
焙煎豆を直ちに粉砕する場合は、粉砕作業が良好に行える温度まで、焙煎豆の温度を下げておく。焙煎豆を豆排出口33から焙煎豆回収箱90に取り出して保管しておく場合には、焙煎終了後、直ちに豆排出口33を開いて焙煎豆を取り出し、回収箱90を本体部10から引き出した状態で冷却させることもできる。回収箱90から別の皿などに焙煎豆を拡げて冷却させてもよい。
〔粉砕工程〕
粉砕工程は、通常、焙煎工程および冷却工程の終了後、直ちに行う。
焙煎釜30の豆排出口31を開き、冷却された焙煎豆を粉砕臼63、64に送る。押し込み軸62の旋回によって、焙煎豆は粉砕臼63、64のほうへと順次送り込まれ、所定の粒径のコーヒー粉に引き砕かれる。粉砕臼63、64の外周から排出されたコーヒー粉は、案内筒65から回収容器68に回収される。
粉砕工程における旋回臼盤64の旋回速度や、旋回臼盤64と固定臼盤63との隙間間隔などを調整すると、得られるコーヒー粉の粒度や形状を変えて、抽出されるコーヒーの風味をより良くすることができる。
〔焙煎における温度制御〕
図7は、焙煎工程および冷却工程において、温度センサ36で測定される焙煎釜30の温度の変化を、経時的にグラフで示している。
グラフは、説明を判り易くするために、模式的に屈曲直線で表している。実際の測定データでは、角部分は緩やかな曲線で推移する。水平直線部分も、中心となる一定温度を間にして上下にある程度の幅で温度が上下する場合がある。
焙煎工程の開始時(経過時間0min)は、焙煎釜30の温度は常温である。この焙煎釜30に生豆が投入される。生豆も常温である。
<水分出し段階>
開閉蓋20を閉めて、焙煎釜30を密閉状態にするとともに、加熱ヒータ40で焙煎釜30の内部を加熱する。焙煎釜30および生豆の温度が上昇し、生豆に含まれる水分が蒸発する。排気ファン70を作動させて、焙煎釜30の薄皮回収スロット32から排気すれば、水分を含む蒸気が効率的に排出される。撹拌器50を作動させて、生豆の全体から均一に水分を取り除く。
150℃まで昇温すると、加熱ヒータ40の作動を調節して、150℃を維持した状態で数分間保持する。生豆からの水分除去が進行するが、生豆が焙煎されたり焦げたりすることはない。
<焙煎段階>
水分出し段階が終了したあと、加熱ヒータ40による加熱を強めて、さらに昇温させる。生豆の焙煎工程が開始される。この段階では、水分除去が必要なくなれば、排気ファン70を止めてもよい。薄皮回収を進めるために、排気ファン70の作動を継続してもよい。
温度250℃で維持して、生豆の焙煎を進行させる。温度が低いと焙煎が進まず、温度が高くなり過ぎると、生豆が焦げ易くなる。温度センサ36の測温情報に基づく加熱ヒータ40の制御を正確に行うことが望ましい。例えば、中心温度250℃に対する温度変動を、±10℃の範囲に収める。焙煎温度250℃での維持時間を調節することで、焙煎豆の焙煎度が変わり、いわゆる浅煎りや深煎りの違いを付けることができる。
<冷却段階>
十分に焙煎された焙煎豆が得られれば、直ちに焙煎を終了して、迅速に冷却させる。
開閉蓋20を開くと、外気が焙煎釜30の内部、および、焙煎釜30と本体部10との隙間へと侵入する。焙煎釜30および焙煎豆から熱が外界に放射される。焙煎釜30および焙煎豆は迅速に冷却される。冷却ファン38を作動させて、焙煎釜30の内部に冷風を強制流通させることで、冷却は促進される。排気ファン70による排気も、焙煎釜30の内部および外周面からの熱の放出を促進させる。
その結果、図7に示すように、急激に温度が低下する。焙煎豆の温度が、品質劣化を起こすことのない温度までは出来るだけ急速に冷却することが望ましい。ある程度まで冷却されて、品質性能に悪影響のない温度まで冷却されたあとは、冷却ファン38などによる強制冷却を止めて、自然冷却だけでゆっくりと冷却させてもよい。
焙煎豆が常温になるまで冷却すればよいが、直ぐに粉砕する場合は、粉砕に影響のない温度まで冷却したあと、豆排出口31を開けて、焙煎豆を落下排出させてもよい。焙煎豆を粉砕せず、焙煎豆のままで取り出す場合は、比較的に高温の段階でも、豆排出口33を開けて焙煎豆回収箱90に焙煎豆を取り出すことができる。このほうが、焙煎釜30の熱が焙煎豆の温度低下を阻害することが少ない。焙煎豆回収箱90を、コーヒー焙煎粉砕装置90から引き出し、焙煎豆を焙煎豆回収箱90から別の皿や容器に移して、送風したり風通しの良いところに置いたりして、常温までの冷却を行うこともできる。
<開閉蓋を開かない場合>
図7において、冷却段階のところで、点線で表され「蓋閉め時」と表示されたグラフ線は、焙煎終了後に、開閉蓋20を開かずに閉じたままで、冷却ファン38や排気ファン70による送風冷却を行った場合を示す。
焙煎釜30が密閉状態のままで、冷却ファン38による強制送風を行っても、冷却はなかなか進まない。焙煎釜30と本体部10との間にも、加熱された空気が留まったままになり、焙煎釜30からの放熱作用はあまり期待できない。通電停止しても高温の加熱ヒータ40からは熱が供給され続ける。
また、焙煎豆自体も高温になっており、隣接する焙煎豆同士の間における伝熱で、焙煎が過剰に進んでしまうことが起こる。
焙煎豆は、長時間にわたって、品質劣化や風味の低下が起こる温度領域に置かれたままになる。焙煎後に直ちに粉砕を行おうとすると、高温状態の焙煎豆をそのまま粉砕することになり、粉砕はうまくいかず、さらに、品質低下を招くことになる。
<連続稼動>
図7において、「連続稼動時」と表示され点線で表されたグラフは、焙煎工程を連続して繰り返した場合における、温度制御の方法を示している。
焙煎工程を行い、冷却段階まで進んだあと、焙煎釜30の温度が常温まで下がる前に、焙煎釜30に新たな生豆を投入して焙煎作業を行うと、焙煎釜30の初期温度が高いために、直ぐに水分出しの設定温度である150℃まで昇温してしまう。勿論、加熱ヒータ40の作動を制御すれば、150℃を超えないように制御することはできる。
しかし、常温から徐々に昇温しながら水分出しを行った場合と、かなり高い温度、例えば、初期温度90℃から始めて150℃まで昇温させ150℃に維持した場合とでは、焙煎豆の熱履歴がかなり違ってくる。当然、水分の除去され方も違ってくる。例えば、高温で焙煎豆の表面が先に乾燥し過ぎてしまうと、その後で、内部の水分が蒸発し難くなったりする。
そこで、図7の「連続稼動時」では、水分出し段階の開始時に、初期温度90℃であれば、最初の一定時間までは、加熱ヒータ40に通電せず加熱を行わない。そして、通常の水分出し段階(図7の実線グラフ)で、温度90℃まで昇温する経過時間を過ぎたときから、加熱ヒータ40による加熱を始める。その後の加熱制御は、前記した通常の場合と変わりない。したがって、連続稼動時は、初期温度90℃から平行にグラフが延びて、実線グラフに突き当たったあと、実線グラフと同じ温度変化を行う。
このような温度制御を行えば、初期温度が高くても、水分出しの経過や作用は、常温から昇温させる場合と、ほとんど変わりなく、安定した品質性能の焙煎豆を得ることができる。
水の沸点である100℃よりも低い程度の温度領域では、生豆からの水分の蒸発作用にそれほど違いは生じないので、100℃以下であれば、初期温度が少しぐらい違っても、前記のような温度制御を行うことで、常に、品質性能の高い焙煎豆が得られる。
本発明は、例えば、家庭用のコーヒー焙煎粉砕装置に適用できる。産業用の大型装置で製造したものと何ら遜色がない品質性能であって、しかも、嗜好に合わせた所望の焙煎粉砕状態の焙煎豆およびコーヒー粉を比較的に少量で得ることができ、風味の良いコーヒーを手軽に楽しむことが可能になる。
本発明の実施形態を表すコーヒー焙煎粉砕装置の一部断面側面図 開閉蓋の固定機構を示す一部正面図 正面方向から見た断面図 開閉蓋を除いた本体部の一部断面平面図 開閉蓋の平面図 旋回臼盤の平面図(a)および断面図(b) 焙煎釜の温度変化を示すグラフ
符号の説明
10 本体部
20 開閉蓋
30 焙煎釜
31、33 豆排出口
38 冷却ファン
40 加熱ヒータ
50 撹拌器
52 撹拌腕
60 粉砕器
61 豆落下路
62 押し込み軸
63 固定臼盤
64 旋回臼盤
70 排気ファン
80 操作盤
90 焙煎豆回収箱
R コーヒー焙煎粉砕装置

Claims (3)

  1. コーヒーの生豆を焙煎し粉砕してコーヒー粉を得る装置であって、
    装置の外殻を構成し、上端が開口した本体部と、
    上端が開口した容器状をなし、本体部の上部に本体部の内壁との間に隙間を有して収容され、上部が本体部よりも上方に張り出し、前記生豆を収容して焙煎する焙煎釜と、
    前記焙煎釜の内部に配置され、前記生豆を撹拌する撹拌部と、
    前記本体部の上部に支持された一端を基点に上方側に旋回し、前記焙煎釜の開口を塞ぎ上部を覆い本体部の開口を塞ぐ閉状態と焙煎釜の開口および上部さらに本体部の開口を開放する開状態との間で、選択的に開閉動作する開閉蓋と、
    前記開閉蓋に配置され、開閉蓋の上方から前記焙煎釜の内部が視認できる透明窓と、
    前記焙煎釜に収容された前記生豆を加熱する加熱体と、
    前記焙煎釜の底部に配置され、前記生豆が焙煎された焙煎豆が落下排出される豆排出口と、
    前記豆排出口の下方に隣接して配置され、前記焙煎豆を受け取り粉砕する粉砕部と
    を備えるコーヒー焙煎粉砕装置。
  2. 前記粉砕部は、
    前記焙煎釜の豆排出口に隣接して配置され、上方から下方へと狭まり前記焙煎豆が落下する豆落下路と、
    前記豆落下路の下方に配置され、中空円盤状をなす固定臼盤と固定臼盤の下面に隣接して配置され水平旋回する旋回臼盤とを有し、前記焙煎豆を固定臼盤と旋回臼盤との間で挽き砕く粉砕臼と、
    前記粉砕臼の旋回臼盤の中央に立設され、前記固定臼盤の中央および豆落下路の中央に延び、外周面に螺旋状突起を有する押し込み軸と
    を備える
    請求項1に記載のコーヒー焙煎粉砕装置。
  3. 前記撹拌部は、
    前記焙煎釜の内底に配置され、弾力的に屈曲可能な撹拌腕と、
    前記撹拌腕を水平旋回させる旋回駆動手段と、
    前記焙煎釜の内底で前記撹拌腕の先端が当接する位置に配置され、撹拌腕の先端側を弾力的に屈曲させる当接突起と
    を備える
    請求項1または2に記載のコーヒー焙煎粉砕装置。
JP2005023590A 2005-01-31 2005-01-31 コーヒー豆焙煎粉砕装置 Expired - Fee Related JP4523434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005023590A JP4523434B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 コーヒー豆焙煎粉砕装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005023590A JP4523434B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 コーヒー豆焙煎粉砕装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006204737A true JP2006204737A (ja) 2006-08-10
JP4523434B2 JP4523434B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=36962169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005023590A Expired - Fee Related JP4523434B2 (ja) 2005-01-31 2005-01-31 コーヒー豆焙煎粉砕装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4523434B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2412246A1 (de) * 2010-07-28 2012-02-01 Bühler AG Mahlen von Kaffeebohnen
KR101233019B1 (ko) 2012-09-04 2013-02-13 정수연 커피 원두의 로스팅 장치
KR101457054B1 (ko) * 2012-12-24 2014-10-31 이근활 커피 로스터
CN105411425A (zh) * 2015-11-25 2016-03-23 苏文达 研磨烘焙一体机
CN105433823A (zh) * 2015-11-25 2016-03-30 苏文达 烘豆机
KR101776217B1 (ko) 2016-08-04 2017-09-06 주식회사 테쿰 생두 로스팅 장치
WO2017171118A1 (ko) * 2016-03-30 2017-10-05 오세훈 커피원두 로스팅 및 분쇄장치
KR101784907B1 (ko) 2016-05-18 2017-10-12 (주) 내츄럴웰테크 곡물 볶음장치
WO2018069182A1 (en) * 2016-10-14 2018-04-19 Nestec Sa Coffee containers and associated system and method for preparing roast and ground coffee
CN109953667A (zh) * 2017-12-26 2019-07-02 珍巴多工业股份有限公司 铣刀及铣床装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5755434U (ja) * 1980-09-19 1982-03-31
JPS62162993U (ja) * 1986-04-04 1987-10-16
JPH02105393U (ja) * 1989-02-07 1990-08-22
JPH0622857A (ja) * 1992-04-03 1994-02-01 Ueda Chikako コーヒーメーカ
JPH1014775A (ja) * 1996-07-02 1998-01-20 Dainichi Kogyo Kk 全自動コーヒーメーカー
JP2000051102A (ja) * 1998-08-05 2000-02-22 Dainichi Co Ltd コーヒーメーカ
JP2001231528A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Makoto Kobayashi コーヒー豆焙煎装置
JP2002300961A (ja) * 2001-04-04 2002-10-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 炊飯器

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5755434U (ja) * 1980-09-19 1982-03-31
JPS62162993U (ja) * 1986-04-04 1987-10-16
JPH02105393U (ja) * 1989-02-07 1990-08-22
JPH0622857A (ja) * 1992-04-03 1994-02-01 Ueda Chikako コーヒーメーカ
JPH1014775A (ja) * 1996-07-02 1998-01-20 Dainichi Kogyo Kk 全自動コーヒーメーカー
JP2000051102A (ja) * 1998-08-05 2000-02-22 Dainichi Co Ltd コーヒーメーカ
JP2001231528A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Makoto Kobayashi コーヒー豆焙煎装置
JP2002300961A (ja) * 2001-04-04 2002-10-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 炊飯器

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2412246A1 (de) * 2010-07-28 2012-02-01 Bühler AG Mahlen von Kaffeebohnen
WO2012013620A1 (de) * 2010-07-28 2012-02-02 Bühler AG Mahlen von kaffeebohnen
JP2013535323A (ja) * 2010-07-28 2013-09-12 ビューラー アクツィエンゲゼルシャフト コーヒー豆の粉砕
KR101233019B1 (ko) 2012-09-04 2013-02-13 정수연 커피 원두의 로스팅 장치
KR101457054B1 (ko) * 2012-12-24 2014-10-31 이근활 커피 로스터
CN105433823A (zh) * 2015-11-25 2016-03-30 苏文达 烘豆机
CN105411425A (zh) * 2015-11-25 2016-03-23 苏文达 研磨烘焙一体机
WO2017171118A1 (ko) * 2016-03-30 2017-10-05 오세훈 커피원두 로스팅 및 분쇄장치
KR101784907B1 (ko) 2016-05-18 2017-10-12 (주) 내츄럴웰테크 곡물 볶음장치
KR101776217B1 (ko) 2016-08-04 2017-09-06 주식회사 테쿰 생두 로스팅 장치
WO2018069182A1 (en) * 2016-10-14 2018-04-19 Nestec Sa Coffee containers and associated system and method for preparing roast and ground coffee
US11523710B2 (en) 2016-10-14 2022-12-13 Societe Des Produits Nestle S.A. Coffee containers and associated system and method for preparing roast and ground coffee
CN109953667A (zh) * 2017-12-26 2019-07-02 珍巴多工业股份有限公司 铣刀及铣床装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4523434B2 (ja) 2010-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4523434B2 (ja) コーヒー豆焙煎粉砕装置
US10448663B2 (en) Coffee roaster
KR20140107850A (ko) 온도 프로파일에 따른 커피 로스터 제어방법
KR101217086B1 (ko) 커피 로스터 및 로스팅 제어방법
JP4292129B2 (ja) ポップコーン製造装置
WO1990002507A1 (en) Coffee maker
KR101828024B1 (ko) 농산물 가공 장치
KR101826483B1 (ko) 곡물 볶음장치
KR101217087B1 (ko) 곡물 로스터 및 로스팅 제어방법
JP2596608Y2 (ja) 焙煎器
KR101445983B1 (ko) 커피원두 볶음장치
JP3969667B2 (ja) コーヒー豆焙煎装置およびそれを用いた焙煎コーヒー豆製造方法
KR101854990B1 (ko) 커피 로스팅 냉각장치 및 냉각장치가 구비된 커피 로스팅 시스템
JP2908843B2 (ja) コーヒーメーカ
US2898842A (en) Automatic coffee maker for instant coffee
JP3016031B2 (ja) コーヒ豆の焙煎装置
JP3684299B2 (ja) コーヒーメーカ
KR200223740Y1 (ko) 커피메이커의 생두 볶음부 구조
JP2004073518A (ja) コーヒーメーカー
KR20240051556A (ko) 오작동에 의한 손상한 커피메이커
KR20240051506A (ko) 쿨링이 가능한 커피메이커
KR20220000863U (ko) 원두 로스팅 장치
JPS6145838Y2 (ja)
JPH03266966A (ja) コーヒー豆焙煎装置
JP3119995U (ja) コーヒー豆焙煎装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071019

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140604

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees