(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(複数種類の特別図柄、複数種類の飾り図柄)を変動表示可能な変動表示装置(特別図柄表示装置44a、飾り図柄表示装置44b)を有し、該変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り図柄、大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記変動表示装置の表示領域(表示領域80)内で動作可能な可動部材(可動部材71,72)と、
該可動部材を駆動する可動部材駆動手段(第1部材モータ951、第2部材モータ952)と、
該可動部材駆動手段を制御することにより前記可動部材を制御する手段であって、前記変動表示装置の表示領域内で当該表示領域を視覚的に複数の表示領域に分割する第1の位置(図3の可動部材71,72の位置)と、当該表示領域を視覚的に分割がされていない単一の表示領域にする第2の位置(図2の可動部材71,72の位置)とに前記可動部材を制御する可動部材制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図38のS223、図39のS180)と、
前記可動部材が前記第1の位置にあるときに、前記変動表示装置の表示領域において前記可動部材により分割された複数の表示領域で異なる複数の背景画像を(第1の分割背景画像80A、第2の分割背景画像80B)表示し、前記可動部材が前記第2の位置にあるときに、前記変動表示装置の表示領域において単一の背景画像(単一背景画像80C)を表示する背景画像表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図34のS192,S197、図38のS223、図39のS180)と、
前記変動表示装置の表示領域において前記識別情報を表示する領域を増加する特別演出を実行するか否かを判定する特別演出判定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ99、図26のS61)と、
該特別演出判定手段により前記特別演出を実行すると判定されたときに、前記特別演出を実行する特別演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図38のS221〜S229)とを含み、
前記可動部材制御手段は、前記特別演出判定手段により前記特別演出を実行すると判定されたときに、前記可動部材を前記第1の位置から前記第2の位置に制御し(図17の(E)、S223)、
前記背景画像表示手段は、前記特別演出判定手段により前記特別演出を実行すると判定されたときに、前記複数の背景画像を段階的に消滅させて所定の中間画像(中間画像80D)を背景画像として表示するフェードアウト処理(図17の(D)〜(F))を行なった後、前記単一の背景画像を段階的に出現させるフェードイン処理(図17の(F)〜(H))を行なうことにより背景画像の切替えを行なう背景画像切替手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図38のS221〜S229)を含み、
前記特別演出実行手段は、前記背景画像切替手段により前記背景画像が前記単一の背景画像に切替えられた後に、前記特別演出を実行する(図16の(H)、図38でS222によるフェードアウト処理の終了後、S229による特別演出時変動表示が開始される)。
このような構成によれば、可動部材が変動表示装置の表示領域を視覚的に複数の表示領域に分割する第1の位置にあるときに、可動部材により分割された複数の表示領域で異なる背景画像が表示され、可動部材が表示領域を視覚的に分割がされていない単一の表示領域にする第2の位置にあるときに、変動表示装置の表示領域において単一の背景画像が表示される。そして、可動部材が記第1の位置から第2の位置に制御されたときに、背景画像がフェードイン処理およびフェードアウト処理により複数の背景画像から中間画像を経て単一の背景画像に切替えられ、その後に、識別情報を表示する領域が増加する特別演出が実行される。このため、可動部材が第1の位置から第2の位置に移動するときにおける背景画像のフェードイン処理およびフェードアウト処理により、可動部材によって表示領域全体を遮蔽する等の遊技者に感づかれやすい状態を経ることなく可動部材が第2の位置に移動した後、特別演出が実行されるので、背景画像が複数の背景画像から中間画像を経て単一の背景画像に切替えられることに対応して、識別情報を表示する領域が増加する特別演出が実行されることを遊技者にとって分かりにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、特別演出が実行されるときには、単一の背景画像が表示されることに対応して可動部材が表示領域を視覚的に分割がされていない単一の表示領域にする第2の位置となるので、識別情報を表示する領域が増加する特別演出において表示される画像を遊技者にとって認識しやすいものにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前記変動表示装置は、複数の組合せ有効ライン(第1有効ラインL1〜第12有効ラインL12、または、第1有効ラインLA1〜第14有効ラインLA14)が定められ、
前記遊技機は、前記変動表示装置において複数の組合せ有効ライン上のいずれかの組合せ有効ライン上で前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに(図7、図10)、前記特定遊技状態に制御され、
前記特別演出実行手段は、前記特別演出を実行するときに、前記組合せ有効ラインの数を予め定められた組合せ有効ラインの数よりも増加させる(図17の(A)〜(K)のように有効ライン数を12本から14本に増加させる)。
このような構成によれば、特別演出が実行されるときに、組合せ有効ラインの数が予め定められた組合せ有効ラインの数よりも増加させられるので、遊技者の期待感を高めることができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
(3) 前記複数の背景画像が表示されているときに、分割された複数の表示領域のうち前記識別情報の変動表示が行なわれていない表示領域において、前記識別情報の変動表示に関する予告表示(図16の(A)の通常演出時大当り予告、図17の(B)の特別演出予告)を行なう分割表示時予告手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図36のS213,S214)をさらに含む。
このような構成によれば、複数の背景画像が表示されているときに、分割された複数の表示領域のうち識別情報の変動表示が行なわれていない表示領域において、識別情報の変動表示に関する予告をする表示が行なわれるので、識別情報の変動表示が行なわれない表示領域にも遊技者を注目させることができ、表示の面白みが増して遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記中間画像が表示されているときに、前記中間画像により前記識別情報の変動表示に関する予告をする表示(特別演出時大当り予告画像500の表示)を行なう中間画像表示時予告手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図38のS225)をさらに含む。
このような構成によれば、中間画像が表示されているときに、中間画像により識別情報の変動表示に関する予告をする表示が行なわれるので、背景画像の切替え時に表示される中間画像にも遊技者を注目させることができ、表示の面白みが増して遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前記可動部材制御手段は、前記特別演出が終了した後に、前記可動部材を前記第2の位置から前記第1の位置に制御し(図18の(P)〜図19の(R)、図39のS180)、
前記背景画像切替手段は、前記特別演出が終了した後に、前記単一の背景画像を段階的に消滅させて所定の中間画像を背景画像として表示するフェードアウト処理(図18の(N),(O)、図39のS176)を行なった後、前記複数の背景画像を段階的に出現させるフェードイン処理(図18の(O),(P)、図39のS179)を行なうことにより背景画像の切替えを行なう。
このような構成によれば、特別演出が終了した後に、背景画像がフェードイン処理およびフェードアウト処理により単一の背景画像から中間画像を経て複数の背景画像に切替えられる。このような中間画像は、特別演出が行なわれる前において、背景画像がフェードイン処理およびフェードアウト処理により複数の背景画像から中間画像を経て単一の背景画像に切替えられるときにも同様に表示される。このため、背景画像を切替えるときに、表示の違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
(6) 前記特別演出判定手段は、前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となるときの方が、前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果とならないときよりも、前記特別演出を実行すると判定する割合が高い(図14)。
このような構成によれば、変動表示の表示結果が特定表示結果となるときの方が、変動表示の表示結果が特定表示結果とならないときよりも、特別演出を実行すると判定する割合が高いので、特定演出に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
(7) 前記変動表示装置の表示領域において、前記可動部材の動作に対応して所定の画像を動作させる表示(キャラクタC2が、可動部材71,72を押して揺動させるような動作をする表示、図17の(C)、図20の(C))を行なう可動部材動作対応画像表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図37のS252,S253)をさらに含み、
前記特別演出判定手段は、前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となるときに第1の割合(20/30)で前記特別演出を実行すると判定し、前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果とならないときに第2の割合(10/30)で前記特別演出を実行すると判定し(図14)、
前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果とならないときであって前記特別演出判定手段により前記特別演出を実行しないと判定されたときに、前記可動部材動作対応画像表示手段により前記所定の画像を動作させる表示が行なわれた後、識別情報を表示する領域を増加させず(図20の(D))、前記変動表示の表示結果として非特定表示結果を導出表示する(図20の(D)〜(H))特別演出不実行時演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ118、図37のS256)をさらに含む。
このような構成によれば、変動表示装置の表示領域において、可動部材の動作に対応して所定の画像を動作させる表示が行なわれるので、このような画像により、可動部材が動作していることが遊技者に認識しやすくなり、遊技の興趣を一層向上させることができる。また、変動表示の表示結果が特定表示結果となるときに第1の割合で特別演出を実行すると判定され、変動表示の表示結果が特定表示結果とならないときに第2の割合で特別演出を実行すると判定されるので、変動表示の表示結果が特定表示結果とならないときであっても、特別演出が実行される場合がある。このため、単一の背景画像が出現していない状態でも、単一の背景画像が出現しないことが明らかになるまで、遊技者の期待感を持続させることができる。また、そのような場合には、所定の画像を動作させる表示が行なわれた後、識別情報を表示する領域が増加されず、変動表示の表示結果として非特定結果が導出表示されるので、所定の画像を動作させる表示が行なわれた後において、単一の背景画像が出現しないことを遊技者が明確に認識できるようにすることができる。
(8) 前記可動部材駆動手段は、前記背景画像が前記複数の背景画像から前記単一の背景画像に切替わるときに、前記可動部材を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させ(図17の(C)〜(H))、
前記可動部材は、前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときの移動方向に対して所定幅を有する形状であり(図3)、
前記背景画像表示手段により前記複数の背景画像が表示されるときの背景画像間の境界線(境界線80L)は、前記所定幅のうち、前記可動部材が前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときの移動方向側の端辺に沿って表示される(図3)。
このような構成によれば、複数の背景画像が表示されるときの境界線が、可動部材が第1の位置から第2の位置に移動するときの移動方向の所定幅のうち、移動方向側の端辺に沿って表示されるので、可動部材がある程度移動するまでは境界線が可動部材により覆われる。このため、特別演出を実行するときに、可動部材の移動開始を早目に行なっても、複数の背景画像における境界線が視認されないようにすることができ、制御時間を無駄に長時間化しないようにすることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよい。つまり、本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な変動表示装置を有し、該変動表示装置における前記識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される遊技機であればどのような遊技機にも適用可能である。
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の正面図である。パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つパチンコ遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に設けられる前面扉枠(ガラス枠)4と、前面枠3の前面下部に開閉自在に設けられる上皿開閉枠11とから構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、前面扉枠4、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、および、操作ハンドル30等がある。なお、パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット装置731が付設される。
このパチンコ遊技機1では、カードユニット装置731に受付けられた遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸出遊技媒体である貸し球が払出されることにより遊技球が遊技者に貸出(貸与)される。そして、パチンコ遊技機1においては、打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を弾発発射し、その遊技球を遊技盤40に形成された遊技領域41に打込んで遊技が行なわれる。そして、遊技により入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて景品として、景品遊技媒体である賞球が払出される。
前面扉枠4には、遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。前面扉枠4の前面側には、発光部材としての遊技効果ランプ13が設けられる。遊技効果ランプ13は、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げるものである。
また、前面扉枠4における遊技効果ランプ13の左右には、遊技の進行に応じた効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ12a,12bが設けられている。また、スピーカ12aの下方において、前面枠3の前面側には、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払出されたことを報知する発光部材としての賞球LED10(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。また、スピーカ12bの下方において、前面枠3の前面側には、払出すべき賞球が不足したこと(後述する球切れスイッチ157により球切れを検出したとき)を報知する発光部材としての球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。
上皿19は、賞球払出口20から払出された賞球を貯留し、且つ打球の発射位置に球を供給するものである。上皿19には、パチンコ遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置731を介して玉を借り受ける際に操作する球貸スイッチ、プリペイドカードの返却を受けるときに操作する返却スイッチ、および、プリペイドカードの残高を表示する残高表示器等を備えた操作部(図示しない)が設けられている。操作部の内部には、操作部用の回路が形成された残高表示基板(図示しない)が設けられている。上皿19の開放側の上方には、上皿19に貯留されていた球を下皿27に誘導するための球抜き操作レバー21が設けられている。
また、前面枠3の下部に取付けられる下皿27は、上皿19から溢れて内部通を経て誘導された遊技球、または、前述のように球抜き操作レバー21の操作に応じて誘導された遊技球(余剰球)を貯留する。下皿27の下方には、下皿27に貯留されていた遊技球を下方に球抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えるための球抜き操作レバー28が設けられている。
また、下皿27の右側には、上皿19に貯留された遊技球を発射するために操作される操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチ(ストップスイッチ)およびタッチリング(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組付けられており、操作量に応じて弾発力を調節可能である。操作ハンドル30の裏面側には、遊技球を発射アームにより打撃して発射する打球発射装置(図示しない)が設けられている。打球発射装置は、発射アームを動作させる発射モータ(図11参照)を含み、操作ハンドル30の操作に応じて発射モータを駆動することによって発射アームを動作させて遊技球を遊技領域41に向けて発射する。
パチンコ遊技機1に隣接して設置されるカードユニット装置731は、前記上皿19の上面に設けられる前述した球貸スイッチや返却スイッチ等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置731の表面側には、磁気カードよりなるプリペイドカードを挿入するカード挿入口等が設けられている。
カードユニット装置731は、前述のプリペイドカードを受付け、受付けたプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有のカード残額の使用(引き落とし)に基づいて貸し球を遊技者に貸出す(以下、貸与または球貸しともいう)ために用いられるカード処理装置である。このように貸出された貸し球により、パチンコ遊技機1での遊技球を用いた遊技が可能となる。カードユニット装置731には、プリペイドカードの処理に関する制御および貸し球の貸出しに関する制御等の各種制御を行なうためのカードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
そして、このように構成されるカードユニット装置731は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、後述するインタフェース基板103とカードユニット配線を介して接続され、このカードユニット配線からインタフェース基板103を経由して払出制御基板98に接続されている。なお、カードユニット装置731の機能は、パチンコ遊技機1に内蔵しても良い。また、パチンコ遊技機1は、カードユニット装置731を付設せず、カードによる球貸し機能を有しないパチンコ遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に玉を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置を例示したが、たとえば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
遊技盤40は、前面枠3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部(図示せず)に収容固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の表面には、遊技領域41が形成されており、円弧状の誘導レール42a,42bが取付けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、該誘導レール42a,42bにより誘導されて、円形状の遊技領域41内に導かれる。
遊技領域41には、図示の場合、特別図柄表示装置44a、飾り図柄表示装置44b、および、普通図柄表示装置63等の表示装置と、特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、および、打球を受入れる入賞口等の入賞領域とが設けられるともに、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車、および、多数の障害釘等の構造物が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取込まれるアウト口69が設けられている。
飾り図柄表示装置44bの左側方には、ゲートスイッチ62が内蔵された通過ゲート61が設けられている。このゲートスイッチ62が該ゲートスイッチ62内を通過する打球を検出すると、その検出信号に基づいて特別可変入賞球装置48の右側方に備えられた普通図柄表示装置63が、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示(具体的には上下2箇所で「○」「×」を交互に点灯させる)して表示結果を導出する(上下2箇所でそれぞれ「○」「×」のいずれか一方を点灯させる)。このような変動表示は、可変表示とも呼ばれる。即ち、普通図柄表示装置63で変動表示が停止して「×」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63がハズレの表示結果を導出したことになる。一方、普通図柄表示装置63で変動表示が停止して「○」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。また、普通図柄表示装置63の変動時間は、特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードのときに相対的に短く(たとえば、3〜5秒)、確率変動モードのときと比較し特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が低くなる通常確率モードのときに相対的に長く(たとえば、30秒)設定されている。また、特別可変入賞球装置48の左側方には、普通図柄表示装置63の変動表示中にゲートスイッチ62を通過した打球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED68(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。
また、特別図柄始動記憶LED67には、特別図柄の変動動作中に後述する始動口スイッチ60によって検出された球数を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。なお、特別図柄始動記憶LED67においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能(たとえば、確変大当りした場合には、20個に増加する等)に構成してもよい。
普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される飾り図柄表示装置44bと、アウト口69の上方に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、始動口スイッチ60が内蔵され、開放中又は閉成中に受入れた入賞球を検出するようになっている。しかして、打球が始動口スイッチ60によって検出されると特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄が、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄が変動開始する。なお、普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常確率モードのときに相対的に短く(たとえば、0.5秒)、確率変動モードのときに相対的に長く(たとえば、2秒)設定されている。また、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている始動口58aから打球を受入れるようになっている。
特別図柄表示装置44aは、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄(「0」〜「9」)を変動表示する7セグメントLEDを備えた表示器である。そして、特別図柄表示装置44aの変動停止時における特別図柄が予め定めた大当り図柄(たとえば、「1,3,5,7,9」)である場合には、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態である大当り遊技状態を発生させ、特別可変入賞球装置48が、以下に説明する所定の表示態様で開閉駆動する制御が行なわれる。ただし、大当り図柄の一部(たとえば、「3,7」)は、確率変動図柄として設定され、この確率変動図柄で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における前記普通図柄表示装置63での普通図柄の変動時間の短縮や当り(当りの点灯)の出現確率や特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードとなるように設定されている。このような確率変動は、確変と呼ばれる。また、確変図柄で構成される大当り図柄が確変大当り図柄と呼ばれ、確変図柄以外の図柄で構成される大当り図柄が非確変大当り図柄と呼ばれる。また、大当り図柄とならない図柄は、はずれ図柄と呼ばれる。
飾り図柄表示装置44bは、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄(「0」〜「9」)を変動表示する表示領域80を有する変動表示部が設けられた液晶表示器よりなる変動表示装置である。飾り図柄表示装置44bで変動表示される飾り図柄とは、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。飾り図柄は、所定個数並んで表示され、個別に変動表示される。また、本実施の形態の場合、変動表示される飾り図柄の個数は、遊技状況に応じて変更される。
飾り図柄表示装置44bで表示される飾り図柄については、予め定められた図柄(大当り図柄「7」)が停止することで当りとなる組合せ有効ライン(以下、有効ラインという)が複数本定められている。いずれかの有効ライン上で表示される飾り図柄の表示結果が大当り図柄の組合せとなったとき(すべてが大当り図柄で一致したとき)が、大当りとなる表示結果である。また、飾り図柄については、1本の有効ライン上で大当り図柄の組合せが表示結果として表示されたときが、非確変大当りとなる表示結果である。飾り図柄については、複数本の有効ライン上で大当り図柄の組合せが表示結果として表示されたときが、確変大当りとなる表示結果である。また、飾り図柄については、いずれの有効ライン上でも大当り図柄の組合せが表示結果として表示されないときが、非確変大当りとなる表示結果である。
特別図柄表示装置44aの表示結果が大当り図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果も大当り図柄の組合せとなるように制御される。そして、特別図柄表示装置44aの表示結果が確変大当り図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果も確変大当り図柄の組合せ(複数の有効ライン上で大当り図柄の組合せ)となるように制御される。また、特別図柄表示装置44aの表示結果が非大当り図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果も非確変大当り図柄の組合せ(1本の有効ライン上で大当り図柄の組合せ)となるように制御される。また、特別図柄表示装置44aの表示結果がはずれ図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果もはずれ図柄の組合せとなるように制御される。このように、特別図柄表示装置44aの表示結果と飾り図柄表示装置44bの表示結果とを関連付ける制御が行なわれることにより、両表示結果の整合性が保たれる。
また、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bの変動表示中においては、リーチ状態(リーチ表示態様)が発生する場合がある。次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、およびすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
本実施の形態では、たとえば、特別図柄表示装置44aにおけるリーチ表示態様とは、特定表示結果(「1,3,5,7,9」)が点滅表示している状態をリーチ表示態様またはリーチという。
また、飾り図柄表示装置44bにおけるリーチ表示態様とは、有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、3つの飾り図柄が停止表示される有効ライン上で2つの飾り図柄が停止表示されている状態で未だ1つの飾り図柄の変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。また、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、3つの飾り図柄が停止表示される有効ライン上で3つの飾り図柄がすべて変動表示されており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタを表示させたり、第1飾り変動表示部8kおよび/または第2飾り変動表示部9kの背景の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
本実施の形態においては、1本の組合せ有効ライン上でリーチ表示態様が発生する場合(以下、シングルリーチという)と、複数本の組合せ有効ライン上でリーチ表示態様が発生する場合(以下、複数リーチという)とがある。シングルリーチは、前述した複数の組合せ有効ラインのうちいずれか1本の組合せ有効ライン上で発生する。一方、複数リーチは、前述した複数の組合せ有効ラインのうち、いずれか2本以上の組合せ有効ライン上で発生する。
また、特別図柄の変動表示中には、大当りが発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。さらに、特別図柄の変動表示中には、後述するような特別演出が行なわれる旨を事前報知(予告)する予告報知(特別演出予告)が行なわれる場合がある。大当り予告を行なうか否かは、後述する演出制御用マイクロコンピュータにおいて予め定められたランダムカウンタの数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。また、特別演出を行なうか否かは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータにおいて予め定められたランダムカウンタの数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。なお、これら予告をするか否かの決定は、遊技制御用マイクロコンピュータと演出制御用マイクロコンピュータとのうちどちらで行なうようにしてもよい。
大当り予告は、実際に大当り遊技状態が発生する場合と実際には大当り遊技状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、特別演出予告は、実際に特別演出が行なわれる場合と実際には特別演出が行なわれない場合との両方の場合に行なわれる。
特別図柄表示装置44a、飾り図柄表示装置44b、および、特別図柄始動記憶LED67は、装飾部材66において集合配置された態様で配設されている。装飾部材66は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44b等の表示装置を装飾する部材であり、特別図柄表示装置44aの表示部を裏側から露出させるための開口部、飾り図柄表示装置44bの表示領域80を裏側から露出させるための開口部660、および、特別図柄始動記憶LED67を裏側から露出させるための開口部が設けられている。飾り図柄表示装置44b用の開口部660の形状は横方向を長手方向とした略楕円形であり、飾り図柄表示装置44bの変動表示部のうち、このような開口部66により囲まれる部分が、表示領域80として用いられる。
飾り図柄表示装置44bにおいては、表示領域80の前面側に、上下一対の可動部材71,72が設けられている。第1の可動部材71は、飾り図柄表示装置44bの表示領域80の長手方向における右側寄りの位置に設けられた駆動軸953を中心として回動させられる部材である。第2の可動部材72は、飾り図柄表示装置44bの表示領域80の長手方向における右側寄りの位置(駆動軸953の垂直下方位置)に設けられた駆動軸954を中心として回動させられる部材である。これら可動部材71,72は、表示領域80の前面側において、同期した動作を行なうように制御される。これにより、可動部材71,72は、予め定められた特別演出を行なうとき以外の通常演出時に、図1に示されるように可動部材71,72が表示領域を視覚的に複数(2つ)に分割するような第1の位置にされる。そして、可動部材71,72は、特別演出時に、後述の図2に示されるように可動部材71,72のそれぞれが開口部660から装飾部材66の内部に収納された第2の位置にされる。このように、可動部材71,72は、表示領域80内での動作が可能である。また、図に示されるように、可動部材71,72は、第1の位置から前記第2の位置に移動するときの移動方向に対して所定幅を有する形状である。ただし、先端部は基端部よりも幅が狭い形状である。
可動部材71,72が第1の状態にされたときには、図中に示されるように、表示領域80のうち、可動部材71,72によって分割された一方の表示領域において9つの飾り図柄の変動表示領域が設けられ、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の9図柄が変動表示される。この場合の有効ライン数は後述するように12ラインである。また、そのときには、他方の表示領域において、図に示される予告用のキャラクタC1等の飾り図柄以外の画像が表示される。また、このときには、分割された2つの表示領域において異なる背景画像(たとえば、色、模様、色彩等が異なる画像であり、向かって左側の表示領域において黄色を基調とした第1の模様が示された画像が表示され、向かって右側の表示領域において緑色を基調とした第2の模様が示された画像が表示される)が表示される。一方、可動部材71,72が第2の状態にされたときには、飾り図柄の表示領域の範囲が増加し、表示領域80において12の飾り図柄の変動表示領域が設けられ、第1飾り図柄〜第12飾り図柄の12図柄が変動表示される(後述する図8等参照)。この場合の有効ライン数は後述するように14ラインである。そのときには、分割されていない単一の表示領域において、単一の背景画像が表示される。
特別可変入賞球装置48は、大入賞口を有し、大当り遊技状態となったときに駆動制御される可変入賞球装置である。特別可変入賞球装置48は、大入賞口を開閉する開閉板49がソレノイド65によって開閉駆動され、大入賞口から受入れられた打球を検出するカウントスイッチ52が設けられている。また、特別可変入賞球装置48内(開閉板49の内側)には、打球の検出(V入賞検出)に伴って特定遊技状態の継続権を成立させる特定球検出器51が設けられており、該特定球検出器51の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは打球が特定球検出器51を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、ソレノイド50によって開閉駆動が行なわれる。しかして、特定遊技状態となった場合には、一定時間(たとえば、28秒)が経過するまで又はその一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞球が入賞するまで開閉板49を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受入れられた打球が特定球検出器51によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。
なお、本発明の特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1) 打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(2) 特定の入賞又は通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(3) 打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能なパチンコ遊技機1に対して得点を付与する制御
また、特別可変入賞球装置48の左右には、入賞球検出器56a,56bを内蔵する通常入賞口54a,54bが設けられ、該通常入賞口54a,54b各々の外側上方には、それぞれ入賞球検出器55a,55bを内蔵する通常入賞口53a,53bが設けられている。
上記したように、打球が入賞するすべての入賞口および入賞装置等の入賞領域には、入賞球を検出する入賞球検出器としての各スイッチ51,52,55a,55b,60が設けられているが、これは、これらの検出信号に基づいて所定個数の賞球を払出すために使用されるものである。なお、入賞球を検出するが、賞球を払出さないゲートスイッチ62も設けられている。これらのスイッチ51,52,55a,55bは、スイッチ中継基板を介して主基板に接続される。主基板は、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータが搭載された制御基板である。主基板では、これらの検出器からの検出信号に対応した賞球制御信号を払出制御基板に導出する。払出制御基板は、遊技球を払出すための制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータが搭載された制御基板である。そして、払出制御基板は、賞球制御信号に対応した個数を未払出数として加算し、順次賞球を払出すように玉払出装置を駆動制御する。なお、特定球検出器51は、継続権の成立を検出する機能を兼用しており、入賞球検出器52は、開閉板49の開放を規制するための計数機能を兼用している。
また、始動口スイッチ60は、主基板に直接接続されている。(ただし、他のスイッチ51,52,55a,55bによって導出される賞球制御信号は、相対的に多い個数、たとえば、7個であるのに対し、始動口スイッチ60に基づく賞球制御信号は、相対的に少ない個数、たとえば、4個である)これは、始動口スイッチ60からの配線を直接主基板に接続することにより、その途中に不正な回路基板を組み込んだ配線(ぶら下がり基板等と称されている)が接続されているか否かの発見を容易にするためである。そして、前述したスイッチの場合と同様に、所定個数の賞球を払出す制御が行なわれる。なお、始動口スイッチ60は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示をさせるための始動機能を兼用している。また、遊技盤40には、装飾効果を高めるための装飾ランプ32が複数備えられている。
遊技盤40には、上記したようにスイッチやソレノイド、あるいは装飾ランプ等が多数設けられる。これらは、後述するように、音声枠ランプ基板および演出制御基板や、あるいはスイッチ中継基板を介して主基板に接続される。演出制御基板は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板からの情報信号の種類に応じて駆動制御する。さらに、演出制御基板は、音声枠ランプ基板との情報信号のやり取りを行なう。
飾り図柄表示装置44bにおいては、表示領域80の前面側に、上下一対の可動部材71,72が設けられている。第1の可動部材71は、飾り図柄表示装置44bの表示領域80の横方向における右側寄りの位置に設けられた駆動軸953を中心として回動させられる部材であり、可動部材71は、これら可動部材71,72は、同期した動作を行なうように制御される。
図2は、可動部材71,72が第2の位置にあるときにおけるパチンコ遊技機1の遊技盤40の正面図である。図2を参照して、飾り図柄表示装置44bの表示領域80の範囲は、図中の破線81で示されるように、装飾部材66の全域とほぼ同じ広さである。たとえば、表示領域80のサイズは15インチである。
第1部材モータ951は、駆動軸953の近傍に設けられており、連動連結された駆動軸953を回動させることにより、第1の可動部材71を動作させる。第2部材モータ952は、駆動軸954の近傍に設けられており、連動連結された駆動軸954を回動させることにより、第2の可動部材72を動作させる。図2においては、可動部材71,72が第2の位置に動作させられたときの状態が示されている。このように可動部材71,72が第2の位置に動作させられたときには、可動部材71,72のそれぞれが装飾部材66の内部に収納される。このときには、遊技者に対して視覚的に、表示領域80を単一の表示領域に見せることができ、表示領域80に単一背景画像80Cを表示する制御が行なわれる。この単一背景画像80Cは、前述したような分割された背景画像と異なる(たとえば、色、模様等が異なる画像であって、たとえば、赤色を基調とした第3の模様が示された画像が表示される)背景画像である。
図3は、可動部材71,72が第1の位置にあるときにおけるパチンコ遊技機1の遊技盤40の正面図である。図3においては、可動部材71,72が第1の位置に動作させられたときの状態が示されている。このように可動部材71,72が第1の位置に動作させられたときには、可動部材71,72が先端部を近接して対向させた態様となる。このときには、可動部材71,72が表示領域を左右2つの領域に分割するような態様となり、遊技者に対して視覚的に、表示領域80を分割された複数(2つ)の表示領域に見せることができる。そして、このときには、可動部材71,72によって分割された表示領域80において、向かって左側の略円形の表示領域の範囲で第1の分割背景画像80Aが表示されるとともに、向かって右側の略四角形の表示領域の範囲で第2の分割背景画像80Bが表示される。
図3のように可動部材71,72が第1の位置にあるときに表示される第1の分割背景画像80Aと第2の分割背景画像80Bとの間の境界線80Lは、図3において太線で示されるように、可動部材71,72が第1の位置にあるときの右端側に沿う線上に形成される。言い換えると、可動部材71,72が第1の位置にあるときに表示される第1の分割背景画像80Aと第2の分割背景画像80Bとの間の境界線80Lは、可動部材71,72のそれぞれが第2の位置に移動するときの移動方向に対する所定幅(可動部材71,72における移動方向(図中右方向)の幅)のうち、可動部材71,72が第1の位置から第2の位置に移動するときの移動方向側の端辺に沿って表示される。このため、境界線80Lが遊技者に見えにくいため、1つの表示領域80でありながらも、第1の位置にある可動部材71,72によって複数の表示領域に分割されているような視覚効果を生じさせることができる。
図3のような分割背景画像80A,80Bから図2のような単一背景画像80Cに背景画像が切替わるとき、および、図2のような単一背景画像80Cから図3のような分割背景画像80A,80Bに背景画像が切替わるときには、それぞれ、切替え前の画像が段階的に消滅して中間画像が一旦表示された後、切替え後の画像が表示される。ここで、中間画像とは、分割背景画像80A,80Bと、単一背景画像80Cとの間で背景画像を切替える途中で一時的に表示される中間的な画像をいい、たとえば、白一色(青一色等のその他の単一色の画像でもよい)のような単一色の背景画像をいう。
次に、飾り図柄として表示される図柄の種類を説明する。図4は、飾り図柄の種類を示す図である。数字の「7」を示す図柄は、当り図柄であり、この図柄がいずれかの有効ライン上で表示結果として揃って表示されれば、大当り図柄の組合せとなる。星印を示す図柄は、はずれ図柄であり、この図柄が少なくとも1ついずれかの有効ライン上で表示結果として表示されれば、はずれ図柄の組合せとなる。フルーツを示す図柄は、複数種類あり、すべての飾り図柄の表示結果がこれらフルーツ図柄となれば、大当り図柄の組合せ(以下、オールフルーツ大当り図柄の組合せという場合がある)となる。
次に、通常演出時における第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の停止順序および配置を説明する。図5は、通常演出時における第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の停止順序および配置を示す図である。
通常演出時における第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209は、第1飾り図柄201〜第8飾り図柄208を同心円上に配置し、第9飾り図柄209を当該同心円の中心に配置した態様で変動表示される。まず、第1番目に、第1飾り図柄201および第2飾り図柄202が停止する。そして、第2番目に、第3飾り図柄203〜第6飾り図柄206が停止する。そして、第3番目に、第7飾り図柄207および第8飾り図柄208が停止する。最後に、第9飾り図柄209が停止する。
なお、図5においては、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209を予め定められた順序で順次停止させていく表示制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209をすべて同時に停止させる表示制御を行なうようにしてもよい。
次に、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209のそれぞれの図柄の配列について説明する。図6は、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209のそれぞれの図柄の配列を表形式で示す図である。図6においては、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209のそれぞれに対応する図柄配列と各図柄に割当てられた図柄ポジション番号との関係が、飾り図柄を3つにグループ分けして表形式で示されている。そして、各グループにどの図柄が属するかを容易に把握するために、各グループに属する図柄の配置位置が黒丸印で示されている。
図6に示すように、第1飾り図柄201、第2飾り図柄202、第7飾り図柄207、および、第8飾り図柄208は、図柄の配列が共通である。第9飾り図柄209は、単独で図柄の配列が定められている。第3飾り図柄203〜第6飾り図柄206は、図柄の配列が共通である。
第1飾り図柄201、第2飾り図柄202、第7飾り図柄207、および、第8飾り図柄208と、第9飾り図柄209と、第3飾り図柄203〜第6飾り図柄206とは、はずれ図柄および当り図柄の配列が同じであり、配列されたフルーツ図柄の種類が異なる。
次に、通常演出時における飾り図柄の有効ラインについて説明する。図7は、通常演出時における飾り図柄の有効ラインを示す図である。図7において(a)〜(m)には、第1有効ラインL1〜第12有効ラインL12がそれぞれ示されている。また、(n)には、参考として、図5に示した飾り図柄の停止順序が示されている。
図7に示されるように、有効ラインは、縦、横、斜めの3図柄の組合せにより、第1有効ラインL1〜第12有効ラインL12の12本の有効ラインが定められている。当り図柄が各有効ライン上で揃えば、大当り図柄の組合せとなる。さらに、大当り図柄の組合せは、前述のように、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209のすべての表示結果がフルーツ図柄となったときにも成立する。
この実施の形態においては、各有効ラインについて、当り図柄が2つ停止し、かつ、残り1つの飾り図柄が未だ変動表示をしている状態をリーチ状態とする。このため、この実施の形態においては、第1,第5、第7有効ラインL1,L5,L7では飾り図柄の停止順序によりリーチ状態が発生しない。一方、その他の有効ラインでは、リーチ状態が発生可能である。また、オールフルーツ大当り図柄の組合せに対するリーチ状態は、第1飾り図柄201〜第8飾り図柄208がすべてフルーツ図柄で停止し、かつ、残りの第9飾り図柄209が未だ変動表示をしている状態である。なお、ここでは、複数の有効ラインのうち一部の有効ラインにおいてリーチ状態が発生しない例を説明したが、これに限らず、すべての有効ラインにおいてリーチ状態が発生可能となるようにしてもよい。
次に、特別演出時における第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312の配置および停止順序を説明する。図8は、特別演出時における第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312の配置および停止順序を示す図である。
特別演出時における第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312は、これら12の飾り図柄を3行×4列の行列状に配置した態様で変動表示される。まず、第1番目に、第1行に配置された第1飾り図柄301〜第4飾り図柄304の4つの図柄が停止する。そして、第2番目に、第3行に配置された第5飾り図柄305〜第8飾り図柄308の4つの図柄が停止する。そして、第3番目に、第2行に配置された第9飾り図柄309〜第12飾り図柄312の4つの図柄が停止する。
なお、図8においては、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312を予め定められた順序で順次停止させていく表示制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312をすべて同時に停止させる表示制御を行なうようにしてもよい。
次に、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312のそれぞれの図柄の配列について説明する。図9は、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312のそれぞれの図柄配列を表形式で示す図である。図9においては、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312のそれぞれに対応する図柄配列と各図柄に割当てられた図柄ポジション番号との関係が、飾り図柄を3つにグループ分けして表形式で示されている。そして、各グループにどの図柄が属するかを容易に把握するために、各グループに属する図柄の配置位置が黒丸印で示されている。
図9に示すように、第1飾り図柄301〜第4飾り図柄304は、図柄の配列が共通である。また、第5飾り図柄305〜第8飾り図柄308は、図柄の配列が共通である。また、第9飾り図柄309〜第12飾り図柄312は、図柄の配列が共通である。
第1飾り図柄301〜第4飾り図柄304と、第5飾り図柄305〜第8飾り図柄308と、第9飾り図柄309〜第12飾り図柄312とは、はずれ図柄および当り図柄の配列が同じであり、配列されたフルーツ図柄の種類が異なる。
次に、特別演出時における飾り図柄の有効ラインについて説明する。図10は、特別演出時における飾り図柄の有効ラインを示す図である。図10において(a)〜(o)には、第1有効ラインLA1〜第14有効ラインLA14がそれぞれ示されている。また、(p)には、参考として、図8に示した飾り図柄の停止順序が示されている。
図10に示されるように、有効ラインは、縦、横、斜めの3図柄の組合せにより、第1有効ラインLA1〜第14有効ラインLA14の14本が定められている。当り図柄が各有効ライン上で揃えば、大当り図柄の組合せとなる。さらに、大当り図柄の組合せは、前述のように、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312のすべての表示結果がフルーツ図柄となったときにも成立する。
この実施の形態においては、各有効ラインについて、当り図柄が2つ停止し、かつ、残り1つの飾り図柄が未だ変動表示をしている状態をリーチ状態とする。このため、この実施の形態においては、第9有効ラインLA9〜第14有効ラインLA14では飾り図柄の停止順序によりリーチ状態が発生しない。一方、その他の有効ラインでは、リーチ状態が発生可能である。また、オールフルーツ大当り図柄の組合せに対するリーチ状態は、第1飾り図柄301〜第8飾り図柄308がすべてフルーツ図柄で停止し、かつ、残りの第9飾り図柄309〜第12飾り図柄312が未だ変動表示をしている状態である。なお、ここでは、複数の有効ラインのうち一部の有効ラインにおいてリーチ状態が発生しない例を説明したが、これに限らず、すべての有効ラインにおいてリーチ状態が発生可能となるようにしてもよい。
図11は、主基板120と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。
主基板120に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ99(遊技制御手段ともいう)は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM100、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM111、プログラムにしたがって遊技の信号を制御するCPU112、および演出制御基板90等に制御信号(コマンド)を送信するI/Oポート部114aを含む。この実施の形態では、ROM100,RAM111はCPU112に内蔵されている。すなわち、CPU112は、1チップマイクロコンピュータである。また、この実施の形態で用いられているCPU112は、ソフトウェアで割込禁止に設定できないマスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、CPU112の外部から割込(外部割込;ソフトウェアで割込禁止にできるマスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。したがって、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態の場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルがハイレベルからローレベルに立下がって割込発生状態になる可能性が低減する。なお、CPU112は、ROM100に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、CPU112が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU112がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板120以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ99とは、主基板120に搭載されるCPU112、ROM100、RAM111、I/Oポート部114a、等の周辺回路のことである。
また、RAM111は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM111の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)等がバックアップRAMに保存される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、この実施の形態では、RAM111の全部が、電源バックアップされているとする。
主基板120には、電源基板910から、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチ921が操作されたことを示すクリア信号、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、および遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する遊技制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるシステムリセット信号(以下、単にリセット信号と呼ぶ)が、入力回路121を介して入力される。このようなクリア信号、電源断信号、および、リセット信号は、入力回路121からI/Oポート部114aを経て遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。
主基板120には、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,62からの信号がスイッチ中継基板95を介して入力される。また、主基板120には、上皿19が遊技球で満タンになったことを検出する満タンスイッチ158、および、玉払出装置に供給される遊技球が供給されなくなっていることを検出する球切れスイッチ157からの信号が払出制御基板98を介して入力される。なお、球切れスイッチ157からの信号は、主基板120に入力されないように構成してもよい。また、満タンスイッチ158からの信号についても同様に、主基板120に入力されないように構成してもよい。さらに、主基板120には、払出制御基板98を介して玉払出装置154に搭載されている払出個数カウントスイッチ(図示しない)からの信号が入力される。また、主基板120には、始動口スイッチ60からの信号も入力される。
上記した入力信号のうち、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,62,60からの入力信号に基づいて主基板120は、遊技盤40に設けられるソレノイド50,59,65を駆動制御するとともに、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号を周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92に出力し、さらに、飾り図柄表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドを図柄中継基板84および演出制御基板90に出力し、盤用外部端子板96に各種の遊技情報を出力する。演出制御基板90は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、さらに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。周辺コマンド中継基板57は、演出制御基板90へ出力する情報信号を中継するものである。
音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、前面扉枠4に取付けられている遊技効果ランプ13の点灯制御を行なう。また、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される効果音信号の種類に応じて、スピーカ12a,12bを制御する。さらに、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、ランプドライバ基板93を介して、遊技盤40に取付けられている装飾ランプ32a,32bの点灯制御を行なう。音声枠ランプ基板92は、遊技状態(変動パターン、通常遊技状態または確率変動状態であるか、変動表示中であるか等の遊技状態)に応じて、各種遊技効果ランプの点灯制御を行なうとともに、スピーカ12a,12bからの遊技音の駆動制御を行なう。ランプドライバ基板93は、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32bの点灯状態を制御するための音声枠ランプ基板92との接続を中継するものである。
主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、特別図柄表示装置44aおよび特別図柄始動記憶LED67が搭載された特別図柄および特別図柄記憶基板85に入力し、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の表示制御を行なうとともに、特別図柄始動記憶LED67の点灯制御を行なう。これにより、主基板120と特別図柄表示装置44aとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示装置用の制御基板等を設け、主基板120からの表示制御信号(駆動信号)に基づき制御基板等により特別図柄表示装置44aの表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄表示装置63が搭載された普通図柄基板86に入力し、普通図柄表示装置63における普通図柄の表示制御を行なう。さらに、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄始動記憶LED68が搭載された普通図柄記憶基板87に入力し、普通図柄始動記憶LED68の点灯制御を行なう。
演出制御基板90には、CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部((図9に示す入力ポート668,669、入出力ポート671等)等から構成される演出制御用マイクロコンピュータ118(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、演出制御手段ともいう)が搭載されており、主基板120から入力される演出制御コマンドの種類に応じて、飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作し、主基板120から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドにしたがって受信したコマンドに応じた飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP(図示しない)により変動表示部の表示制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、飾り図柄表示装置44bに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、キャラクタROMから読出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用マイクロコンピュータ118からデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なうVDPが演出制御基板90に搭載されている。また、VDPは、それぞれ、演出制御用マイクロコンピュータ118とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにマッピングしている。
VDPはキャラクタ画像データにしたがって受信したコマンドに応じた飾り図柄表示装置44bに表示するための画像データを生成し、VDPはVRAMに展開する。RAMはVDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
演出制御基板90には、さらに、第1の可動部材71を駆動する第1部材モータ951、第2の可動部材72を駆動する第2部材モータ952、第1の可動部材71が第2の位置になったことを検出する第1部材センサ961、および、第2の可動部材71が第2の位置になったことを検出する第2部材センサ962が接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ118は、第1部材モータ951および第2の可動部材72を駆動することにより、遊技状況に応じて可動部材71,72を駆動する。また、第1部材センサ961および第2部材センサ962が設けられていることにより、演出制御用マイクロコンピュータ118は、可動部材71,72の位置を容易に把握することができ、可動部材71,72の制御を正確に行なうことができる。
次に、払出制御基板98は、満タンスイッチ158からの満タン信号に基づいて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。また、満タンスイッチ158からの満タン信号は、払出制御基板98を介して主基板120に入力される。なお、満タンスイッチ158からの満タン信号が主基板120に入力されたときには、主基板120から音声枠ランプ基板92に満タン信号を出力して所定のランプ又はLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タンスイッチ158からの満タン信号を払出制御基板98に出力するので、たとえば、該払出制御基板98上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
また、遊技盤40に設けられるゲートスイッチ62を除く各スイッチ51,52,55a,55b,60からの入力信号に基づいて主基板120は、払出制御基板98に賞球制御信号を出力する。払出制御基板98は、その賞球制御信号に基づく賞球数を未払出数に加算し、玉払出装置154を駆動して未払出数分の賞球を払出す。また、玉払出装置154からの遊技球の払出個数を検出する払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、払出した数を未払出数から減算する。また、払出制御基板98は、その賞球制御信号の入力に基づいて、賞球LED10を表示駆動してその旨を報知する。
さらに、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に基づいて払出制御基板98は、払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。そのとき、払出制御基板98は、球切れLED9を所定の態様で表示駆動する。
なお、満タンスイッチ158または球切れスイッチ157のいずれかがONすることで払出停止信号(払出停止コマンド)を払出制御基板98から出力して賞球等の払出が行なわれないようにし、いずれのスイッチ158,157ともOFFであれば払出可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球LED10に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
主基板120には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板120と払出制御基板98を除く他の制御基板との関係においては、主基板120から他の制御基板に向かって一方向の通信関係となる。このため、他の制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板120で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板120の制御の一部を他の制御基板で担当しているので、主基板120の負担が軽減されるとともに、主基板120の検査の容易化を図ることも可能である。
また、払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載された払出センサ基板(図示省略)、払出モータ115、および、払出個数カウントスイッチ116からの信号や、前述したように満タンスイッチ158からの満タン信号や、球切れスイッチ157からの球切れ信号が入力される。払出センサ基板は、払出モータ115の回転位置を検出する発光素子(LED)と受光素子とによるセンサである払出モータ位置センサが備えられた基板であり、この払出モータ位置センサにより、遊技機の払出動作を確実に行なうために払出モータ115の回転位置(正確には、回転部材としての玉払出部材の停止位置)を検出することができる。払出センサ基板からは、払出モータ位置センサの検出信号が出力される。
さらに、払出制御基板98には、カードユニット装置731および残高表示基板104からの信号を中継するインタフェース基板103が接続されており、残高表示基板104に搭載されている球貸スイッチおよび返却スイッチからの信号およびカードユニット装置731から各種の情報が入力されている。さらに、前述したように、払出制御基板98には、主基板120から賞球制御信号が入力される。上記した入力信号のうち、払出センサ基板114からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の払出動作において払出モータ115の停止位置、即ち玉払出装置154の玉払出部材の停止位置を正確に制御するとともに玉払出部材が動作しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の正確な払出数を払出すように払出モータ115を駆動制御するとともに、枠用外部端子板(図示しない)に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、貸球は、払出制御基板98と、カードユニット装置731との間で、インタフェース基板103を経由して各種信号の送受信が行なわれ、玉払出装置154が駆動されることにより行なわれる。
さらに、主基板120からの賞球制御信号や、スイッチから直接入力される球切れ信号および満タン信号等に基づいて払出制御基板98は、賞球の払出動作を実行せしめたり、賞球の払出動作を停止実行せしめたりする。なお、枠用外部端子板102に接続される球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの入力信号は、球切れ情報または満タン情報として外部のホール用管理コンピュータ等に出力される。
前述した打球発射装置においては、発射モータ601を駆動するための回路が搭載された発射基板107が設けられている。操作ハンドル30から発射基板107には、前述したタッチセンサおよび単発発射スイッチからの信号がそれぞれ伝達される。そして、遊技者による操作ハンドル30の操作に応じて、発射基板107から発射モータ601に、発射モータ601を駆動するための駆動信号が出力される。発射モータ601は、発射基板107からの駆動信号にしたがって駆動される。発射基板107では、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ601の駆動を停止する。
次に、この実施の形態のパチンコ遊技機1での制御に用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ99が遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図12には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1〜R6の9種類のランダムカウンタが示されている。
R1は、特別図柄表示装置44aの変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「658」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に所定数加算更新されることとなる。始動口スイッチ60により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1の乱数が抽出されて始動入賞記憶のデータとしてRAM111に記憶される。そして、特別図柄表示装置44aについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM111に記憶された抽出値が予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を特定表示として大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。確変状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確変状態においては、大当り判定値が複数個の数値(この場合、大当り判定値は、大当り判定に偏りが生じなくするために、数値順番が隣接した数値とならないように設定される)に設定されることにより、非確変状態の場合よりも大当りの発生確率が向上する。
図12の各ランダムカウンタについての範囲の欄に示されている数値範囲は、このようなランダムカウンタのカウント範囲であって、R1で説明したように初期値から上限値までカウントアップした後、再度初期値からカウントアップし直すものである。したがって、説明を簡略化するために、以下の各種カウンタの説明においては、カウント範囲およびカウント方法についての説明を適宜省略する。
R2は、R1を用いた大当り判定により大当りを発生させることが事前決定されているときに、どの種類の大当り図柄を特別図柄表示装置44aに表示させるかをランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。なお、2msec毎に所定数更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
本実施の形態においては、R2から抽出された乱数が奇数である場合には、特別図柄表示装置44aにおいて「3、5、7」のいずれかが表示結果として導出表示され、大当りが終了した後に確変状態に制御される。一方、R2から抽出された乱数が偶数である場合には、特別図柄表示装置44aにいて「1、9」のいずれかが表示結果として導出表示され、大当りが発生する。このように、本実施形態においては、大当り図柄により大当り後に確変状態に制御させるか否かが決定されるため、R2は、確変状態に制御させるか否かの判定(確変判定)をするために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタでもある。
R2を用いて特別図柄表示装置44aの表示結果として「3、5、7」のいずれかが決定されたときには、飾り図柄表示装置44bにおいて確変大当り図柄の組合せ(複数ラインでの大当り図柄の組合せ)が導出表示されるように制御される。一方、R2を用いて特別図柄表示装置44aの表示結果として「1、9」のいずれかが決定されたときには、飾り図柄表示装置44bにおいて非確変大当り図柄の組合せ(1ラインでの大当り図柄の組合せ)が導出表示されるように制御される。
R3は、特別図柄表示装置44aについて、はずれとなる表示結果における停止図柄を事前にランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるためのはずれ図柄決定用のランダムカウンタである。R3は、2msecごとおよび割込み処理余り時間にそれぞれ所定数加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
本実施の形態におけるはずれ図柄は、R1を用いて大当りに制御されないことが決定されているときには、はずれ図柄(「0,2,4,6,8」)から、このランダムカウンタR3の抽出値に従って決定される。本実施の形態においては、R3を用いて、特別図柄表示装置44aの表示結果として「0,2,4,6,8」のいずれかが決定されたときには、飾り図柄表示装置44bにおいてはずれ図柄が導出表示されるように制御される。
ここで、R3等の所定のランダムカウンタにおいて行なわれる割込み処理余り時間におけるカウントアップ動作について説明する。遊技制御用マイクロコンピュータのCPU56は、定期的な割込み処理の実行により、各種制御を行なうが、ある割込み処理について、割込み処理が実行された後に、その割込み処理の次回の実行開始までの期間は割込み処理待ち状態となる。そのような割込み処理待ち状態である割込み処理の余り時間において、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行することを割込み処理余り時間におけるカウントアップという。
R4は、特別図柄表示装置44aの変動表示のパターンである変動パターンをランダムに決定するために用いられる乱数を発生するためのランダムカウンタ(数値データ更新手段)である。R4は、2msec毎および割込処理余り時間に所定数ずつ加算され、0から更新されてその上限である99まで更新された後再度0から更新される。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで変動パターン決定用のランダムカウンタR4から抽出されたカウンタの値により、予め定められた複数種類の変動パターンの中から、変動表示に用いる変動パターンが選択決定される。各変動パターンには、変動時間(変動表示を開始してから表示結果が導出表示されるまでの時間であり、変動表示時間ともいう)が予め定められており、変動パターンを選択決定することにより、変動表示時間が選択決定されることとなる。
R5は、ランダムカウンタR1〜R4の乱数を更新させるときに加算する数を決定するために用いられる乱数を発生させるための更新数決定用ランダムカウンタである。このR5は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。
R6は、ランダムカウンタR1〜R4の乱数を更新させる回数を決定するために用いられる乱数を発生させるための更新回数決定用ランダムカウンタである。このR6は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。
R7は、特別図柄表示装置44a(飾り図柄表示装置44bも含む)について、前述の大当り判定においてはずれとする判定がされたときに、変動表示中に前述したリーチ表示態様を形成する(以下、リーチはずれという)か、リーチ表示態様を形成しない(以下、非リーチはずれという)か、のいずれにするかをランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのリーチ判定用のランダムカウンタである。このR7は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bに停止させる図柄を決定する前の段階で、R7から抽出された乱数が予め定められたリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態とする制御が行なわれる。一方、これらの値が一致した場合には、非リーチはずれとすることが判定され、表示結果がはずれとなる変動表示中にリーチ状態としない制御が行なわれる。
R8は、飾り図柄表示装置44bの変動表示において飾り図柄を変動表示する領域を増加する演出である特別演出を実行するか否かの判定をランダムに行なうためのランダムカウンタである。このR8は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。特別図柄の変動表示が行なわれるときには、変動パターンを決定する前の段階で、R8から抽出された乱数が予め定められた特別演出判定値と一致するか否かが判断される。そして、これらの値が一致した場合には、特別演出を実行すると判定され、特別演出を実行させる制御が行なわれる。一方、これらの値が一致しなかった場合には、特別演出を実行しないと判定され、特別演出を実行させる制御が行なわれない。
R9は、普通図柄表示装置63の変動表示について当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数を発生させるためのランダムカウンタである。このR9は、2msecごとおよび割込み処理余り時間に1ずつ加算される。ゲートスイッチ62により有効な始動通過が検出されると、それに応じて、このR9の乱数が抽出されて通過記憶データとしてRAM111に記憶される。そして、普通図柄の変動表示を開始する前の段階で、その抽出値が予め定められた当り判定値と一致するか否かが判断され、一致した場合には普通図柄の当りを発生させることが決定されて前述のような制御が行なわれ、不一致の場合にははずれとすることが決定されて前述のような制御が行なわれる。
図13は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bにおける変動パターンを選択決定するために用いる判定値を記憶した変動パターンデータテーブルを説明するための図である。本実施の形態における変動パターンデータテーブルは、R1を用いての大当り判定の結果、R2を用いての確変判定の結果、R7を用いてのリーチ判定の結果、および、R8を用いての特別演出判定の結果に基づき判定値が振分けられており、前述したROM100に予め記憶されている。
図13の(a)は、非確変大当りとする決定がされ、かつ、特別演出を実行する決定がされたときにルックアップされる変動パターンデータテーブル(非確変大当り・特別演出決定時テーブル)である。このデータテーブルにおいては、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜59」の範囲内の場合には、特別演出およびシングルリーチを表示する変動パターン(特別演出・シングルリーチ変動パターン)が変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「60〜69」の範囲内の場合には、特別演出およびオールフルーツリーチを表示する変動パターン(特別演出・オールフルーツリーチ変動パターン)が変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「70〜89」の範囲内の場合には、特別演出および複数リーチを表示する変動パターン(特別演出・複数リーチ変動パターン)が変動パターンとして選択決定される。
図13の(b)は、非確変大当りとする決定がされ、かつ、通常演出を実行する決定(特別演出を実行しない決定)がされたときにルックアップされる変動パターンデータテーブル(非確変大当り・通常演出決定時テーブル)である。このデータテーブルにおいては、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜59」の範囲内の場合には、通常演出およびシングルリーチを表示する変動パターン(通常演出・シングルリーチ変動パターン)が変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「60〜69」の範囲内の場合には、通常演出およびオールフルーツリーチを表示する変動パターン(通常演出・オールフルーツリーチ変動パターン)が変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「70〜89」の範囲内の場合には、通常演出および複数リーチを表示する変動パターン(通常演出・複数リーチ変動パターン)が変動パターンとして選択決定される。
図13の(c)は、リーチはずれとする決定がされ、かつ、特別演出を実行する決定がされたときにルックアップされる変動パターンデータテーブル(リーチはずれ・特別演出決定時テーブル)である。このデータテーブルにおいては、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜69」の範囲内の場合には、前述の特別演出・シングルリーチ変動パターンが変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「70〜79」の範囲内の場合には、前述の特別演出・オールフルーツリーチ変動パターンが変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「80〜89」の範囲内の場合には、前述の特別演出・複数リーチ変動パターンが変動パターンとして選択決定される。
図13の(d)は、リーチはずれとする決定がされ、かつ、通常演出を実行する決定(特別演出を実行しない決定)がされたときにルックアップされる変動パターンデータテーブル(リーチはずれ・通常演出決定時テーブル)である。このデータテーブルにおいては、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜69」の範囲内の場合には、前述の通常演出・シングルリーチ変動パターンが変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「70〜79」の範囲内の場合には、前述の通常演出・オールフルーツリーチ変動パターンが変動パターンとして選択決定される。R4の抽出値が「80〜89」の範囲内の場合には、前述の通常演出・複数リーチ変動パターンが変動パターンとして選択決定される。
図13の(e)は、非リーチはずれ(リーチとならないはずれ)とする決定がされ、かつ、特別演出を実行する決定がされたときにルックアップされる変動パターンデータテーブル(非リーチはずれ・特別演出決定時テーブル)である。このデータテーブルにおいては、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、特別演出およびリーチなしのAパターンを表示する変動パターン(特別演出・リーチなしAパターン)が変動パターンとして選択決定される。ここで、リーチなしのAパターンは、特別演出実行時にリーチにならないはずれの変動パターンのうち第1の変動パターンである。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、特別演出およびリーチなしのBパターンを表示する変動パターン(特別演出・リーチなしBパターン)が変動パターンとして選択決定される。ここで、リーチなしのBパターンは、特別演出実行時にリーチにならないはずれの変動パターンのうち第2の変動パターンである。
図13の(f)は、非リーチはずれとする決定がされ、かつ、通常演出を実行する決定(特別演出を実行しない決定)がされたときにルックアップされる変動パターンデータテーブル(非リーチはずれ・通常演出決定時テーブル)である。このデータテーブルにおいては、R4の抽出値と変動表示に用いられる変動パターンとして選択決定される変動パターンとの関係が次のように定められている。R4の抽出値が「0〜49」の範囲内の場合には、通常演出およびリーチなしのAパターンを表示する変動パターン(通常演出・リーチなしAパターン)が変動パターンとして選択決定される。ここで、リーチなしのAパターンは、通常演出実行時にリーチにならないはずれの変動パターンのうち第1の変動パターンである。R4の抽出値が「50〜99」の範囲内の場合には、通常演出およびリーチなしのBパターンを表示する変動パターン(通常演出・リーチなしBパターン)が変動パターンとして選択決定される。ここで、リーチなしのBパターンは、通常演出実行時にリーチにならないはずれの変動パターンのうち第2の変動パターンである。
この図13には示されていないが、確変大当りとする決定がされ、かつ、特別演出を実行する決定がされたときには、前述の特別演出・複数リーチ変動パターンが変動パターンとして決定される。また、確変大当りとする決定がされ、かつ、通常演出を実行する決定がされたときには、前述の通常演出・複数リーチ変動パターンが変動パターンとして決定される。
図13の(a)〜(d)を参照して、この実施の形態の場合には、大当りとなるときには、リーチはずれとなるときと比べて、リーチが発生する場合におけるシングルリーチが発生する割合が少なくなるように設定されている。これにより、複数リーチおよびオールフルーツリーチが発生したときに、遊技者の大当りへの期待感を向上させることができる。
図14は、特別演出を実行するか否かの判定がされるときにルックアップされる特別演出判定データテーブルを説明するための図である。本実施の形態における特別演出判定データテーブルは、R1を用いての大当り判定の結果に基づき判定値が振分けられており、前述したROM100に予め記憶されている。
特別演出判定データテーブルにおいては、R8の抽出値と特別演出の実行の有無との関係が次のように定められている。大当りとする決定がされているときには、R8の抽出値が「0〜19」の範囲内の場合には、特別演出を実行すると判定される。そして、R8の抽出値が「20〜29」の範囲内の場合には、特別演出を実行しない(通常演出を実行する)と判定される。一方、はずれとする決定がされているときには、R8の抽出値が「0〜9」の範囲内の場合には、特別演出を実行すると判定される。そして、R8の抽出値が「10〜29」の範囲内の場合には、特別演出を実行しない(通常演出を実行する)と判定される。
特別演出判定データテーブルにおいては、大当り決定時の方が、はずれ決定時よりも、特別演出が実行されやすくなっている。したがって、飾り図柄の変動表示において特別演出が実行されたときには、特別演出が実行されないときと比べて、表示結果が大当り図柄の組合せとなる信頼度が高い。このため、特別演出が実行されたときには、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
図15は、演出制御用マイクロコンピュータ118が表示制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図15には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタRS1、RS2、RT1〜RT3、RU−1〜RU−12、RVの19種類のランダムカウンタが示されている。
RS1は、飾り図柄表示装置44bにおいて前述の特別演出予告を実行するか否かを判定するために用いられる乱数を発生させるための特別演出予告判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「99」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRS1は、33msec毎に1ずつ加算更新される。RS1の値は、飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示が実行されるときに抽出され、その抽出値が予め定められた特別演出予告判定値と一致するときに、特別演出予告を実行すると判定される。特別演出予告は、実際に特別演出が行なわれるときと、特別演出が行なわれないときとの両方の場合において、実行する旨の判定がなされ得るが、実際に特別演出が行なわれるときの方が特別演出が行なわれないときよりも高い確率で、実行する旨の判定がなされる。
RS2は、飾り図柄表示装置44bにおいて前述の通常演出時における大当り予告を実行するか否かを判定するために用いられる乱数を発生させるための通常演出時大当り予告判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「89」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRS2は、33msec毎に1ずつ加算更新される。RS2の値は、飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示が実行されるときに抽出され、その抽出値が予め定められた大当り予告判定値と一致するときに、通常演出時大当り予告を実行すると判定される。これにより通常演出時大当り予告は、予め定められた確率で実行されることとなる。大当り予告は、実際に大当りが発生するときと、大当りが発生しないときとの両方の場合において、実行する旨の判定がなされ得るが、実際に大当りが発生するときの方が大当りが発生しないときよりも高い確率で、実行する旨の判定がなされる。
RT1は、通常演出時において非確変大当り図柄の組合せ、または、シングルリーチによるはずれリーチ図柄の組合せを表示する1本の有効ライン(シングルライン)をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための通常演出時シングルライン決定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「11」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRT1は、33msec毎に1ずつ加算更新される。RT1の値は、飾り図柄表示装置44bにおいて、通常演出でシングルリーチとなる変動パターンの変動表示が実行されるときに抽出される。RT1の0〜11の値は、第1有効ラインL1〜第12有効ラインL12のそれぞれに割振られており、その抽出値に対応する1本の有効ラインが選択決定される。
RT2は、通常演出時において確変大当り図柄の組合せ、または、複数リーチによるはずれリーチ図柄の組合せを表示する複数本の有効ライン(複数ライン)をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための通常演出時複数ライン決定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「899」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRT2は、33msec毎に1ずつ加算更新される。RT2の値は、飾り図柄表示装置44bにおいて、通常演出で複数リーチとなる変動パターンの変動表示が実行されるときに抽出される。RT2の0〜899の値は、第1有効ラインL1〜第12有効ラインL12を2本以上組合せることにより得られる複数本の有効ラインの組合せのそれぞれに割振られており、その抽出値に対応する組合せの複数本の有効ラインが選択決定される。
RT3は、特別演出時において非確変大当り図柄の組合せ、または、シングルリーチによるはずれリーチ図柄の組合せを表示する1本の有効ライン(シングルライン)をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための特別演出時シングルライン決定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「13」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRT3は、33msec毎に1ずつ加算更新される。RT3の値は、飾り図柄表示装置44bにおいて、特別演出でシングルリーチとなる変動パターンの変動表示が実行されるときに抽出される。RT3の0〜13の値は、第1有効ラインLA1〜第14有効ラインL14のそれぞれに割振られており、その抽出値に対応する1本の有効ラインが選択決定される。
RT4は、特別演出時において確変大当り図柄の組合せ、または、複数リーチによるはずれリーチ図柄の組合せを表示する複数本の有効ライン(複数ライン)をランダムに決定するために用いられる乱数を発生させるための特別演出時複数ライン決定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「999」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRT4は、33msec毎に1ずつ加算更新される。RT4の値は、飾り図柄表示装置44bにおいて、特別演出で複数リーチとなる変動パターンの変動表示が実行されるときに抽出される。RT4の0〜999の値は、第1有効ラインLA1〜第14有効ラインを2本以上組合せることにより得られる複数本の有効ラインの組合せのそれぞれに割振られており、その抽出値に対応する組合せの複数本の有効ラインが選択決定される。
RU−1〜RU−12は、飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄の停止図柄を決定するために用いられる乱数を発生させるための飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタである。RU−1〜RU−12のうち、RU−1〜RU−9は、通常演出時に変動表示される第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の9図柄の決定用と、特別演出に変動表示される第1飾り図柄301〜第9飾り図柄309の9図柄の決定用とに兼用される。また、RU−1〜RU−12のうち、RU−10〜RU−12は、特別演出に変動表示される第10飾り図柄310〜第12飾り図柄312の3図柄の決定用に専用される。RU−1〜RU−12のそれぞれについては、RU−1が33msecごとに加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。そして、RU−2〜RU−12のそれぞれについては、前の番号のランダムカウンタ(たとえば、RU−2であればRU−1、RU12であればRU−111)の桁上げごとにそれぞれ加算更新され、0から更新されてその上限である9まで更新された後再度0から更新される。
RU−1〜RU−12で更新される0〜9の値は、図6に示す図柄ポジション番号の0〜9に対応するとともに、図9に示す図柄ポジション番号の0〜9に対応する。そして、通常演出での飾り図柄の変動表示が実行されるときには、変動表示が実行される前にRU−1〜RU−9の値が抽出され、それぞれの抽出値に対応する図柄ポジション番号の飾り図柄が、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の停止図柄を決定するために用いられる。また、特別演出での飾り図柄の変動表示が実行されるときには、変動表示が実行される前にRU−1〜RU−12の値が抽出され、それぞれの抽出値に対応する図柄ポジション番号の飾り図柄が、第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312の停止図柄を決定するために用いられる。ただし、後述するように、RU−1〜RU−12の抽出値は、後述するような図柄の補正によりそのまま用いられない場合もある。
RVは、飾り図柄表示装置44bにおいて通常演出から特別演出への移行が失敗する演出である移行失敗演出を実行するか否かを判定するために用いられる乱数を発生させるための移行失敗演出判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「19」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このRVは、33msec毎に1ずつ加算更新される。RVの値は、飾り図柄表示装置44bにおいて通常演出が実行されるときに抽出され、その抽出値が予め定められた移行失敗演出判定値と一致するときに、移行失敗演出を実行すると判定される。移行失敗演出は、大当りが発生するときと、大当りが発生しないときとの両方の場合において、実行する旨の判定がなされ得るが、大当りが発生しないときの方が大当りが発生するときよりも高い確率で、実行する旨の判定がなされる。
次に、飾り図柄表示装置44bにおいて実行される変動表示の表示例を説明する。まず、通常演出時における飾り図柄の変動表示の表示例を説明する。図16は、通常演出時における飾り図柄の変動表示の表示例を示す表示画面図である。図16においては、(A)〜(F)に変動表示の進行状態が時間経過に応じて示されている。
通常演出時においては、まず、(A)に示すように、表示領域80において、可動部材71,72により分割された左側の表示領域で、第1の分割背景画像80Aを背景として第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の変動表示が一斉に開始される。このとき、前述した通常演出時大当り予告が実行されるときには、表示領域80において、可動部材71,72により分割された右側の表示領域で、第2の分割背景画像80Bを背景として予告用のキャラクタC1が大当り予告用の表示態様で表示される。これにより、遊技者の大当りに対する期待感を高めることができる。
そして、(B)〜(D)に示すように、前述した順序で第1飾り図柄201〜第8飾り図柄208が停止表示されていく。この例では、(C)の時点で2本の有効ラインL10,L11上で当り図柄の組合せが停止表示されることによりリーチ状態が発生しており、「リーチ!」という音声がスピーカ12a,12bから出力され、リーチ状態が生じたことを報知する制御が行なわれる。
表示結果を大当りとすることが決定されているときには、(E)に示すように、第9飾り図柄209に当り図柄が停止表示されることにより1本の有効ライン上での図柄の組合せが大当り図柄の組合せとなる。そして、その後、大当り遊技状態に制御される。この場合の大当りは、大当り図柄の組合せが1本の有効ライン上で表示されたので、非確変大当りである。なお、大当り図柄の組合せが2本以上の有効ライン上で表示された場合は、確変大当りである。一方、表示結果をはずれとすることが決定されているときには、(F)に示すように、第9飾り図柄209に当り図柄以外の図柄が停止表示されることにより、はずれの表示結果となる。この場合は、大当り遊技状態に制御されない。
次に、特別演出時における飾り図柄の変動表示の表示例を説明する。図17〜図19は、特別演出時における飾り図柄の変動表示の表示例を示す表示画面図である。図17〜図19においては、(A)〜(R)に特別演出が実行されるときの変動表示の進行状態が時間経過に応じて示されている。
特別演出が実行されるときにおいても、(A)に示すように、通常演出時と同様に第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の変動表示が一斉に開始される。このとき、前述した特別演出予告が実行されるときには、表示領域80において、可動部材71,72により分割された右側の表示領域で、第2の分割背景画像80Bを背景として予告用のキャラクタC1が(A)に示すように表示された後、(B)に示すように特別演出予告用の表示態様で表示される。この場合、「図柄が増加するよ!」というような特別演出が実行される旨(飾り図柄の表示領域が増加する旨、飾り図柄の当りライン(大当り図柄の組合せを表示する有効ライン)数が増加する旨でもよい)を示す情報が表示される。これにより、特別演出状態が発生することを予告する特別演出予告が実行される。
その後、(C)に示すように、移行演出用のキャラクタC2(この例では複数のキャラクタが登場)が出現し、そのキャラクタC2が、図柄中に矢印で示すように可動部材71,72を押して揺動させるような動作をする表示が行なわれる。そのとき、キャラクタC2の動作に合わせて可動部材71,72を揺動させる制御(キャラクタC2の動作と可動部材71,72の動作とを同期させる制御)が行なわれる。このようなキャラクタC2の表示および可動部材71,72の動作は、演出状態が通常演出から特別演出に移行するときの演出(移行しない場合もある)であるため、移行演出と呼ばれる。また、結果的に通常演出から移行演出に移行したとき(移行が成功したとき)の移行演出は、移行成功演出と呼ばれる。一方、結果的に通常演出から移行演出に移行しないとき(移行が失敗したとき)の移行演出は、移行失敗演出と呼ばれる。
移行演出が行なわれた後、特別演出が行なわれるときは、(D)〜(F)に示すように、可動部材71,72を第2の位置に移動させる制御が行なわれていく。そのような動作が行なわれるときには、(D)〜(F)の画像に示すように、第1の分割背景画像80A、第2の分割背景画像80B、および、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209を段階的に消滅させていくフェードアウト処理が実行される。このフェードアウト処理においては、たとえば(D)の図中破線で示すように画像を段階的に消滅させていき、たとえば(E),(F)に示すような所定の中間画像80Dを表示する制御が行なわれる。このときに表示される中間画像80Dは、たとえば白一色の単一色の背景画像であり、一方、分割背景画像80A,80Bおよび単一背景画像80Cのそれぞれは、白一色以外の予め定められた色彩の画像である。
具体的に、フェードアウト処理においては、フェードアウトしていく画像(フェードアウト対象画像)の各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)が予め定められた中間画像80Dの各ピクセルデータと同一になるように、フェードアウト対象画像における各ピクセルデータの値を中間画像80Dの各ピクセルデータに段階的に近づけていき、最終的に、その各ピクセルデータを中間画像80Dの各ピクセルデータと一致させることにより、前述のようにフェードアウト対象画像を段階的に消滅(透明化)させて最終的に中間画像80Dを表示する処理を行なう。より具体的には、後述する図40の(a)に示すように、中間画像80Dのピクセルデータとフェードアウト対象画像のピクセルデータとの差を演算により求め、さらに、その差を複数段階に分割する演算(割り算)を行なって、1段階ごとに変更するピクセルデータの値を求め、その値に基づいて、フェードアウト対象画像における各ピクセルデータを複数段階に分けて少しずつ中間画像80Dの各ピクセルデータと同一になるように変更していく処理が行なわれる。
中間画像80Dが表示されたときには、(F)に示すように「信頼度50%」というような大当りが生じる信頼度が示されることにより大当りとなる旨を予告する大当り予告である特別演出時大当り予告画像500が表示される。これにより遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。この実施の形態の場合には、特別演出が実行されるときに、特別演出時大当り予告画像500を必ず表示する制御が行なわれる。特別演出時大当り予告画像500は、複数種類のうちから選択して表示されるように定められており、大当りの発生しやすさに応じて、信頼度の割合表示が選択される。なお、特別演出時大当り予告画像500は、前述した通常演出時大当り予告と同様に、予め定められた確率で実行されるようにしてもよい。
中間画像80Dが表示された後、(G)に示すように、特別演出用の第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312、および、単一背景画像80Cを段階的に出現させていくフェードイン処理が実行される。このフェードイン処理においては、たとえば(F)に示すような中間画像80Dから(G)の図中破線で示すように画像を段階的に出現させていき、(H)に示すように変動表示する第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312、および、単一背景画像80Cを表示する制御が行なわれる。
具体的に、フェードイン処理においては、フェードインしていく画像の各ピクセルデータが予め定められたフェードイン対象画像(最終的に出現させる画像)のピクセルデータと同一になるように、中間画像80Dにおける各ピクセルデータの値をフェードイン対象画像の各ピクセルデータに段階的に近づけていき、最終的に、その各ピクセルデータをフェードイン対象画像の各ピクセルデータと一致させることにより、中間画像80Dからフェードイン対象画像を段階的に出現(非透明化)させてはっきりとしたフェードイン対象画像を表示する処理を行なう。より具体的には、後述する図40の(b)に示すように、中間画像80Dのピクセルデータとフェードイン対象画像のピクセルデータとの差を演算により求め、さらに、その差を複数段階に分割する演算(割り算)を行なって、1段階ごとに変更するピクセルデータの値を求め、その値に基づいて、中間画像80Dにおける各ピクセルデータを複数段階に分けて少しずつフェードイン対象画像の各ピクセルデータと同一になるように変更していく処理が行なわれる。
そして、図8に示す順序にしたがって、(I),(J),(K)に示すように第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312が停止していく。この例では、(J)に示すように第1図柄301〜第8図柄308が停止した時点で第1有効ラインLA1〜第4有効ラインLA4のそれぞれでリーチ状態が発生している。その後、そして、(K)に示すように第9図柄309〜第12図柄312が停止した時点で第1有効ラインLA1〜第4有効ラインLA4のそれぞれで大当り図柄の組合せが停止表示され、(L)に示すような大当り遊技状態の発生を報知する表示が行なわれた後、大当り遊技状態に制御される。
その後、大当り遊技状態が終了すると、(M)に示されるように大当り遊技状態が終了したことを報知する大当り終了表示が行なわれる。大当り遊技状態が終了すると、(N)に示されるように、大当り終了表示および単一背景画像80Cを段階的に消滅させていくフェードアウト処理が実行される。このフェードアウト処理においては、たとえば(N)の図中破線で示すように画像を段階的に消滅させていき、(O)に示すように前述の中間画像80Dを背景画像として表示する制御が行なわれる。このフェードアウト処理においては、前述したフェードアウト処理と同様の処理内容に基づいて、中間画像80Dが表示される。
中間画像80Dが表示された後、(P)に示すように、可動部材71,72を第1の位置に移動させる制御が行なわれていく。そして、このような可動部材71,72の移動制御が行なわれるときに、通常演出用の第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209、および、分割背景画像80A,80Bを段階的に出現させていくフェードイン処理が実行される。このフェードイン処理においては、前述したフェードイン処理と同様の処理内容に基づいて、中間画像80Dから、たとえば(P)の図中破線で示すように画像を段階的に出現させていき、(Q)に示すように通常演出用の第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209および分割背景画像80A,80Bを表示する制御が行なわれる。その後、(R)に示すような次の変動表示が開始され得る。
次に、移行失敗演出時表示の例を説明する。図20は、移行失敗演出時における飾り図柄の変動表示の表示例を示す表示画面図である。図20においては、(A)〜(H)に変動表示の進行状態が時間経過に応じて示されている。
この場合は、(A)〜(C)により、図17の(A)〜(C)と同様の表示が行なわれることにより、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の変動表示が開始された後、移行演出用のキャラクタC2を表示する制御が行なわれるとともに、キャラクタC2の動作に合わせて可動部材71,72を揺動させる制御が行なわれる演出である移行演出が行なわれる。その後、(D)に示されるように、可動部材71,72が第1の位置に戻り、キャラクタC1により、「失敗!」というような特別演出への移行が失敗した旨(飾り図柄の表示領域が増加しない旨、飾り図柄の当りライン数が増加しない旨でもよい)を報知する表示が行なわれる。このような特別演出への移行が失敗した旨を報知する表示を行なう演出は、移行失敗演出と呼ばれる。そして、(D)〜(H)に示されるように、通常演出での第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209の変動表示が実行される。この例では、(H)に示されるように表示結果がはずれ図柄の組合せとなり、大当り遊技状態に制御されない。このような移行失敗演出後に行なわれる飾り図柄の変動表示は、特別演出不実行時変動表示と呼ばれる。また、このような移行失敗演出および特別演出不実行時変動表示は、まとめて移行失敗時演出表示と呼ばれる。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータにより実行される遊技制御用メイン処理およびタイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。図21においては、(a)に遊技制御用メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示されている。このタイマ割込処理は、たとえば2msec毎に1回実行される。
(a)に示す遊技制御用メイン処理においては、まずステップS(以下、単にSという)11において内蔵デバイスレジスタ等の初期化をする初期化処理が行なわれ、S1においてランダムカウンタを更新するための乱数更新処理が行なわれる。S1における乱数更新処理は前述のR3〜R9の値を更新するための処理であり、Mの値として「3」をセットし、サブルーチンプログラムが開始される。ここで、Mの値とは、前述したランダムカウンタR1〜R9のうち一のランダムカウンタを特定するための値であって、ランダムカウンタR(Mの値)となる。たとえば、Mの値が「3」であるときにはR3が特定される。よって、S1により実行されるランダムカウンタ更新処理においては、R3から更新処理が開始されることとなる。なお、本実施形態において、2msec毎の割込処理が実行された後次回の割込処理が実行されるまでの割込待ち処理余り時間に、無限にS1の処理が繰返し行なわれることとなる。
次に、(b)に示すタイマ割込処理について説明する。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(S11)を行なった後、S12〜S25の割込処理である遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ60、カウントスイッチ52、特定球検出スイッチ51等のスイッチの検出信号が入力され、それらの状態判定が行なわれる(スイッチ処理:S12)。
そして、特別図柄プロセス処理が行なわれる(S13)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示装置44aおよび特別可変入賞装置48等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次に、ランダムカウンタの値を更新するための乱数更新処理が行なわれる(S14)。S14における乱数更新処理は、前述のR1〜R9を更新するための処理であり、Mの値として「1」をセットし、ランダムカウンタ更新処理のサブルーチンプログラムが開始される。よって、S14により実行されるランダムカウンタ更新処理においては、ランダムカウンタR1から更新処理が開始されることとなる。
また、普通図柄プロセス処理を行なう(S15)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置63の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示装置63の表示制御および普通可変入賞球装置58の開閉制御が実行される。
次いで、飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示される飾り図柄等の演出制御に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理が行なわれる(飾り図柄コマンド制御処理:S16)。さらに、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理が行なわれる(S17)。
そして、始動口スイッチ60、カウントスイッチ52、および、特定球検出器51等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理が実行される(S18)。具体的には、始動口スイッチ60、カウントスイッチ52、および、特定球検出等のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板98に賞球個数を示す払出制御コマンドが出力される。払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて玉払出装置154を駆動する。
そして、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理が実行される(S19)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理が実行される(S20)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド50,59,65を駆動するための駆動指令を行なうソレノイド処理が実行される(S21)。
次に、特別図柄表示制御処理が行なわれる(S22)。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。また、普通図柄表示制御処理が行なわれる(S23)。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。その後、レジスタの内容が復帰させられ(S24)、割込許可状態に設定される(S25)。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、図21のS13による特別図柄プロセス処理の処理内容を説明する。図22は、遊技制御用マイクロコンピュータ99が実行する特別図柄プロセス処理(S13)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bにおける変動表示を制御する処理が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤40に設けられている普通可変入賞球装置58に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ60がオンしていたら、すなわち遊技球が普通可変入賞球装置58に入賞する始動入賞が発生していたら(S311YES)、始動口スイッチ通過処理(S312)を行なった後に、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
なお、始動口スイッチ通過処理では、RAM111の保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達しているかどうか確認し、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が最大値に達していなければ、保留記憶数を示す保留記憶カウンタのカウント値を1増やす。そして、数値データ更新手段としての大当り判定用ランダムカウンタR1(たとえば、数値データ(大当り判定用乱数等)を更新(カウントアップ)する部分)から大当り判定用乱数の数値データ(乱数)の値を抽出するとともに、大当り図柄決定用のランダムカウンタR2から大当り図柄決定用乱数の数値データ(乱数)の値を抽出し、それらを保留記憶バッファの抽出順番に対応する(保留記憶カウンタの値に対応する)保存領域に格納する処理が実行される。このように始動口スイッチ60がオンし、かつ、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)が上限値に達していないときに、数値データを抽出する条件が成立する。なお、数値データ(乱数)を抽出するとは、数値データ(乱数)を生成させるためのカウンタから乱数を読出して、読出した乱数を数値データの値(乱数)とすることである。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄表示装置44aの変動表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄表示装置44aの変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄表示装置44aの変動表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、特別図柄プロセスフラグが、S301に移行するように更新される。
特別図柄停止図柄設定処理(S301):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値または前述のはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値を用いて、変動表示後の特別図柄表示器8の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、はずれ停止図柄を決定するときには、前述のリーチ判定用のランダムカウンタR7の抽出値を用いてリーチ判定を行ない、リーチとするときには、R3の抽出値を用いて決定されたはずれ図柄の手前の大当り図柄をリーチ図柄として決定する。そして、特別図柄プロセスフラグが、S302に移行するように更新される。
なお、特別図柄表示装置44aの停止図柄は、確変大当り図柄となるときに、確変大当り図柄として定められた「3,5,7」の図柄のうちからランダムに決定する。特別図柄表示装置44aの停止図柄は、非確変大当りとなるときに、非確変大当り図柄として定められた「1,9」の識別情報のうちからランダムに決定する。特別図柄表示装置44aの停止図柄は、はずれとなるときに、はずれ図柄として定められた「0,2,4,6,8」の識別情報のうちからランダムに決定する。
変動パターン設定処理(S302):特別図柄表示装置44aにおける変動表示の変動パターン(変動表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値に応じて、予め定められた複数種類の変動パターン(変動表示データ)の中から選択決定する。変動パターンは、図13で説明したデータテーブルを用いて選択決定される。変動パターンには変動パターンの種類と、変動表示を実行する時間(変動時間)とを特定可能な情報が含まれている。また、選択決定された変動パターンに基づいて、特別図柄表示装置44aにおいて変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、特別図柄の変動表示を開始させるための駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図21のS22において出力される。また、飾り図柄の変動時間の長さの情報を含む変動パターンを指令する演出制御コマンドである変動パターンコマンドがセットされる。ここでセットされた変動パターンコマンドは、図21のS16において演出制御用マイクロコンピュータ118に対して出力される。そして、特別図柄プロセスフラグが、S303に移行するように更新される。
特別図柄変動処理(S303):変動パターン設定処理で選択決定された変動パターンでの変動時間が経過(S302でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄プロセスフラグが、S304に移行するように更新される。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bのそれぞれにおいて変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄を停止する駆動信号がセットされる。ここでセットされた駆動信号は、図21のS22において出力される。そして、飾り図柄を停止させるための図柄停止コマンドがセットされる。ここでセットされた図柄停止コマンドは、図21のS16において演出制御用マイクロコンピュータ118に対して出力される。そして、大当りフラグがセットされている場合には、特別図柄プロセスフラグが、S305に移行するように更新される。そうでない場合には、特別図柄プロセスフラグが、S300に移行するように更新される。
大入賞口開放前処理(S305):開閉板49を開放することにより大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド72を駆動して特別可変入賞球装置48を開状態とすることで大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、特別図柄プロセスフラグが、S306に移行するように更新される。
大入賞口開放中処理(S306):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ118に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、大入賞口内に設けられた特定球検出器51における遊技球の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行なう。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、特別図柄プロセスフラグが、S305に移行するように更新される。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、特別図柄プロセスフラグが、S307に移行するように更新される。
大当り終了処理(S307):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を表示制御基板80に行なわせるための制御を行なう。そして、特別図柄プロセスフラグが、S300に移行するように更新される。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、特別図柄通常処理において、以下のような処理を行なう。まず、保留記憶カウンタの値を確認し、保留記憶数が「0」であるか否かが判別される(S41)。なお、特別図柄通常処理は、特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合に実行される。
保留記憶数が0でなければ、RAM111の保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保留記憶バッファに格納されている各乱数が読出されてRAM111の乱数バッファ領域に格納されるとともに(S42)、保留記憶数の値が1減らされ(保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容がシフトされる(S43)。すなわち、RAM111の保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数が、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納される。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数が抽出された順番を特定することができる。
次に、乱数格納バッファから大当り判定用のランダムカウンタR1の値が読出され(S45)、図24を用いて後述する大当り判定処理が実行される(S46)。大当り判定処理の結果、大当りとすることに決定した場合には(S47においてYES)、大当りフラグがセットされる(S48)。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止図柄設定処理(S301)に対応した値に更新される(S49)。
図24は、特別図柄通常処理における大当り判定処理を示すフローチャートである。大当り判定処理においては、まず、確変フラグがセットされているか否かを判別する(S461)。確変フラグは、確変状態に制御されるときに後述するS54によりセットされるフラグである。大当り判定処理においては、確変フラグがセットされているとき(確変状態に制御されているとき)には、大当り判定に用いる大当り判定値Aに確変時大当り判定値として予め定められている「7,17,41,57,107」を設定する(S462)。確変フラグがセットされていないときには、大当り判定に用いる大当り判定値Aに非確変時大当り判定値として予め定められている「7」を設定する(S463)。そして、特別図柄通常処理のS45で読出したR1の値と大当り判定値Aとを比較して大当りとするか否かを決定し(S464)、大当り判定処理を終了する。
図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(S301)を示すフローチャートである。まず、大当りフラグがセットされているか否かが判別される(S51)。大当りフラグがセットされていないときにははずれ図柄決定用のランダムカウンタR3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて特別図柄のはずれ図柄を決定する(S58)。すなわち、R3から抽出した乱数に基づいて、「0」または偶数図柄から表示結果として導出表示する図柄を決定する。そして、S59に移行する。
一方、大当りフラグがセットされているときには、始動入賞時に大当り図柄決定用のランダムカウンタR2から抽出している乱数に基づいて特別図柄の大当り図柄が決定される(ステップ52)。すなわち、R2から抽出している乱数に基づいて、奇数図柄から表示結果として導出表示する図柄を決定する。本実施の形態においては、前述したように、R2から抽出された乱数が奇数である場合には、奇数図柄のうち「3、5、7」のいずれかが停止図柄として決定され、また、R2から抽出された乱数が偶数である場合には、奇数図柄のうち「1、9」のいずれかが停止図柄として決定される。
次に、S52で決定された大当り図柄が確変大当り図柄である「3、5、7」のいずれかであるか否かが判別される(S53)。確変大当り図柄であると判断されたときには、確変フラグがセットされ(S54)、S59へ移行する。確変大当り図柄でないと判断されたときには、確変フラグがセットされているか否かが判別される(S56)。そして、確変フラグがセットされていないときにはS59へ移行され、確変フラグがセットされているときには確変フラグがリセットされ(S57)、S59へ移行する。S59においては、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新される。
以上のように、本実施の形態においては、確変大当り図柄による大当りが発生するときに、確変フラグがセットされ、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される。また、確変状態中において確変大当り図柄以外の非確変大当り図柄による大当りが発生するときに、確変フラグがリセットされて、確変状態が終了する。
図26および図27は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、まず、特別演出判定用のランダムカウンタR8から乱数が抽出され、その抽出値に基づいて、特別演出を実行するか否かが判定される(S61)。具体的には、図14に示す特別演出判定データテーブルを用いて判定が行なわれる。
次に、S61での判定の結果に基づいて、特別演出を実行することが決定されているか否かが判断される(S62)。実行することが決定されているときには、特別演出を実行することを示す特別演出フラグがセットされ(S63)、S64に進む。一方、実行しないことが決定されているときには、そのままS64に進む。S64では、大当りフラグがセットされているか否かが判断される。大当りフラグがセットされているときには、後述するS68に進む。一方、大当りフラグがセットされていないときには、リーチ判定用のランダムカウンタR7から乱数が抽出され、その抽出値に基づいて、リーチはずれによるリーチ状態とするか否かが判定される(S65)。
次に、S65での判定の結果に基づいて、リーチを実行することが決定されているか否かが判断される(S66)。リーチを実行することが決定されているときには、はずれリーチを実行することを示すフラグであるリーチフラグがセットされ(S67)、S68に進む。一方、リーチを実行しないことが決定されているときには、そのままS68に進む。
S68では、大当りフラグがセットされているか否かが判断される。大当りフラグがセットされていないときには、図27のS76に進む。一方、大当りフラグがセットされているときには、確変フラグがセットされているか否かが判断される(S69)。確変フラグがセットされていないとき(非確変大当り図柄の表示結果となるとき)には、非確変大当りの変動パターンを選択するために、S73に進む。一方、確変フラグがセットされているとき(確変大当り図柄の表示結果となるとき)には、特別演出フラグがセットされているか否かが判断される(S70)。
特別演出フラグがセットされているときには、特別演出・複数リーチを示す変動パターン(特別演出・複数リーチ変動パターン)が選択され(S71)、S83に進む。一方、特別演出フラグがセットされているときには、通常演出・複数リーチを示す変動パターン(通常演出・複数リーチ変動パターン)が選択され(S72)、S83に進む。
また、前述のS69において確変フラグがセットされていないときには、特別演出フラグがセットされているか否かが判断される(S73)。特別演出フラグがセットされているときには、変動パターン決定用のランダムカウンタR4から乱数が抽出され、その抽出値に基づき、図13(a)の非確変大当り・特別演出決定時テーブルを用いて変動パターンが選択決定され(S74)、S83に進む。一方、特別演出フラグがセットされていないときには、変動パターン決定用のランダムカウンタR4から乱数が抽出され、その抽出値に基づき、図13(b)の非確変大当り・通常演出決定時テーブルを用いて変動パターンが選択決定される(S75)、S83に進む。
また、前述のS68において大当りフラグがセットされていないときには、図27に示すS76により、リーチフラグがセットされているか否かが判断される(S76)。リーチフラグがセットされていないときには、後述するS80に進む。一方、リーチフラグがセットされているときには、特別演出フラグがセットされているか否かが判断される(S77)。特別演出フラグがセットされているときには、変動パターン決定用のランダムカウンタR4から乱数が抽出され、その抽出値に基づき、図13(c)のリーチはずれ・特別演出決定時テーブルを用いて変動パターンが選択決定され(S78)、S83に進む。一方、特別演出フラグがセットされていないときには、変動パターン決定用のランダムカウンタR4から乱数が抽出され、その抽出値に基づき、図13(d)のリーチはずれ・通常演出決定時テーブルを用いて変動パターンが選択決定される(S75)、S83に進む。
また、前述のS76においてリーチがセットされていないときには、S80において、特別演出フラグがセットされているか否かが判断される。特別演出フラグがセットされているときには、変動パターン決定用のランダムカウンタR4から乱数が抽出され、その抽出値に基づき、図13(e)の非リーチはずれ・特別演出決定時テーブルを用いて変動パターンが選択決定され(S81)、S83に進む。一方、特別演出フラグがセットされていないときには、変動パターン決定用のランダムカウンタR4から乱数が抽出され、その抽出値に基づき、図13(f)の非リーチはずれ・通常演出決定時テーブルを用いて変動パターンが選択決定される(S82)、S83に進む。
S83においては、S71〜S74、S78,S79,S81,S82のいずれかで決定された変動パターンを示す演出制御コマンドである変動パターンコマンドをRAM111のバッファにセットする変動パターンコマンドの設定が行なわれる。これにより、変動パターンコマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータ118へ送信される。そして、S84により、前述の特別図柄停止図柄設定処理において決定された図柄の種類に応じて、図柄の表示結果を特定するコマンドである表示結果コマンドをRAM111のバッファにセットする表示結果コマンドの設定が行なわれる。より具体的に、S84では、特別図柄の表示結果が確変大当り図柄となったときには、表示結果が確変大当り図柄であることを特定する表示結果コマンドが設定される。また、特別図柄の表示結果が非確変大当り図柄となったときには、表示結果が非確変大当り図柄であることを特定する表示結果コマンドが設定される。また、特別図柄の表示結果がはずれ図柄となったときには、表示結果がはずれ図柄であることを特定する表示結果コマンドが設定される。これにより、表示結果コマンドが、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータ118へ送信される。このように、変動表示が開始されるときには、まず、変動パターンコマンドが出力された後、表示結果コマンドが出力される。
次に、S85により、選択決定された変動パターンの変動表示時間に対応する時間が変動表示タイマにセットされ、その変動表示タイマの計時をスタートする処理が行なわれる。ここで、変動表示タイマとは、変動表示の開始時からの経過時間を計時するためのタイマである。そして、S86により、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動処理に対応する(移行する)値に更新された後、リターンする。
図28は、演出制御用マイクロコンピュータ118が実行する演出制御メイン処理およびタイマ割込処理を示すフローチャートである。図28においては、(a)に演出制御メイン処理が示され、(b)にタイマ割込処理が示される。
(a)に示す演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるための33msタイマの初期設定等を行なうための初期化処理が行なわれる(S101)。その後、タイマ割込フラグの監視(S102)の確認を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、(b)に示すタイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットし(S108)、割込許可が行なわれる(S109)。そして、演出制御用メイン処理においては、タイマ割込フラグがセットされていたら、そのフラグをクリアし(S103)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施の形態では、タイマ割込は33ms毎にかかる。すなわち、演出制御メイン処理は、33ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御は、演出制御メイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御メイン処理を実行してもよい。
演出制御処理においては、まず、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を行なう(S104)。次いで、主基板31側から送信される変動パターンコマンド等の飾り図柄表示装置44bの表示制御に関する演出制御コマンドに基づき、飾り図柄表示装置44bの演出制御を行なう演出制御プロセス処理を行なう(S105)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。
そして、主基板31側から送信される演出制御コマンドに基づき、図15に示すような各種ランダムカウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S106)。そして、受信した変動パターンコマンド等の演出制御コマンドに基づき選択された演出内容に対応した音の出力およびランプの発光を行なうために、音声枠ランプ基板920に駆動信号を出力するとともに、ランプドライバ基板93に駆動信号を出力する音ランプ制御処理を行なう(S107)。これにより、飾り図柄表示装置44bでの表示と、音の出力およびランプの発光とで同期がとれた演出を行なうことができる。その後、S102に戻る。
次に、図28のS104によるコマンド解析処理を説明する。図29は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理においては、コマンド受信バッファに受信コマンドがあるか否かが判断され(S111)、受信コマンドがないときには、リターンする。一方、受信コマンドがあるときには、受信コマンドが読出される(S112)。ここで読出されたコマンドのデータは、コマンド受信バッファにおいて消去される。
そして、読出した受信コマンドが変動パターンコマンドであるか否かが判断される(S113)。受信コマンドが変動パターンコマンドであるときには、受信したコマンドに対応した有効フラグ(変動パターンの種類を示す変動パターンコマンドフラグ)がセットされる(S114)。そして、受信したコマンドが、たとえば、特別演出・シングルリーチ変動パターン等の特別演出を特定したコマンドであるか否かが判断される(S115)。特別演出を特定したコマンドであるときには、特別演出を行なうことを示す特別演出フラグがセットされ(S116)、S111に戻る。一方、特別演出を特定したコマンドでないとき、つまり、通常演出を特定したコマンドであるときには、移行失敗演出を実行するか否かを判定する移行失敗演出判定処理が実行され(S122)、S111に戻る。移行失敗演出判定処理の内容については、図30を用いて後述する。
また、前述したS113で受信コマンドが変動パターンコマンドでないときには、受信コマンドが表示結果コマンドであるか否かが判断される(S117)。受信コマンドが表示結果コマンドであるときには、前述した大当り予告および特別演出予告等の各種の予告を行なう演出を実行するか否かを判定する予告演出判定所定が実行される(S118)。予告演出判定処理の内容については、図31を用いて後述する。次に、飾り図柄表示装置44bでの飾り図柄の停止図柄を決定するための飾り図柄停止図柄決定処理が実行される(S119)。飾り図柄停止図柄決定処理の内容については、図32を用いて後述する。そして、受信したコマンドに対応した有効フラグ(表示結果の種類を示す表示結果コマンドフラグ)をセットし(S120)、S111に戻る。一方、前述のS117において、受信コマンドが表示結果コマンドではないとき(前述したコマンド以外のその他のコマンドであるとき)には、その他の受信コマンドがいかなるコマンドか判断し、受信コマンドに対応した有効フラグをセットして(S121)、S111に戻る。すなわち、S121は、前述した変動パターンコマンドおよび表示結果コマンド以外の各種コマンドの受信に対応した処理をまとめて説明するものである。
図30は、コマンド解析処理における移行失敗演出判定処理(S122)を示すフローチャートである。まず、移行失敗演出判定用のランダムカウンタRVから乱数を抽出し、その抽出値に基づいて移行失敗演出を実行するか否かが判定される(S231)。そして、S231の判定により移行失敗演出を実行することが決定されているか否かが判断される(S232)。移行失敗演出を実行することが決定されているときには、移行失敗演出を実行することを示す移行失敗演出フラグがセットされ(S233)、リターンする。一方、移行失敗演出を実行しないことが決定されているときにはそのままリターンする。このように移行失敗演出は、通常演出を特定する変動パターンコマンドを受信したときに、ある一定の確率で実行する判定がなされる。これにより、変動表示の表示結果が大当りとなるときにも、はずれになるときにも、ある一定の確率で移行失敗演出が実行される。なお、変動表示の表示結果がはずれとなるときに大当りとなるときよりも移行失敗演出を実行させる確率を高くする等、変動表示の表示結果に応じて移行失敗演出が実行される確率を異ならせてもよい。
図31は、コマンド解析処理における予告演出判定処理(S118)を示すフローチャートである。まず、特別演出フラグがセットされているか否かが判別される(S131)。特別演出フラグがセットされているときには、特別演出予告判定用のランダムカウンタRS1から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて特別演出予告を実行するか否かが判定される(S132)。そして、S132の判定により特別演出予告を実行することが決定されているか否かが判断される(S133)。特別演出予告を実行することが決定されているときには、特別演出予告を実行することを示す特別演出予告フラグがセットされ(S134)、リターンする。一方、特別演出予告を実行しないことが決定されているときにはそのままリターンする。
一方、S131の判定により特別演出フラグがセットされていないときには、通常演出時大当り予告判定用のランダムカウンタRS2から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて通常演出時大当り予告を実行するか否かが判定される(S135)。そして、S135の判定により通常演出時大当り予告を実行することが決定されているか否かが判断される(S136)。通常演出時大当り予告を実行することが決定されているときには、通常演出時大当り予告を実行することを示す通常演出時大当り予告フラグがセットされ(S137)、リターンする。一方、通常演出時大当り予告を実行しないことが決定されているときには、そのままリターンする。
図32は、コマンド解析処理における飾り図柄停止図柄決定処理(S119)を示すフローチャートである。まず、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドおよび表示結果コマンドに基づいて、今回の変動表示の表示結果がリーチはずれを示すものであるか否かが判断される(S141)。リーチはずれを示すものでないときには、後述するS150に進む。一方、リーチはずれを示すものであるときには、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが、たとえば、通常演出・オールフルーツリーチのようなオールフルーツリーチを示すものであるか否かが判断される(S142)。オールフルーツリーチの変動パターンであるときは、後述するS150に進む。一方、オールフルーツリーチの変動パターンでないとき(シングルリーチ、複数リーチであるとき)は、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが特別演出を示すものであるか否かが判断される(S143)。
S143で特別演出を示すものではないときは、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンがシングルリーチを示すもの(たとえば、通常演出・シングルリーチ)であるか否かが判断される(S144)。シングルリーチを示すものであるときには、通常演出・シングルリーチが演出制御コマンドにより指示されているので、通常演出時シングルライン決定用のランダムカウンタRT1から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて1本のリーチラインが決定され(S145)、S150に進む。ここで、リーチラインとは、リーチ図柄の組合せを表示する有効ラインをいう。一方、シングルリーチを示すものでないときには、通常演出・複数リーチが演出制御コマンドにより指示されているので、通常演出時複数ライン決定用のランダムカウンタRT2から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて複数本のリーチラインが決定され(S146)、S150に進む。
S143で特別演出を示すものであるときは、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンがシングルリーチを示すもの(たとえば、特別演出・シングルリーチ)であるか否かが判断される(S147)。シングルリーチを示すものであるときには、特別演出・シングルリーチが演出制御コマンドにより指示されているので、特別演出時シングルライン決定用のランダムカウンタRT3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて1本のリーチラインが決定され(S148)、S150に進む。一方、シングルリーチを示すものでないときには、特別演出・複数リーチが演出制御コマンドにより指示されているので、特別演出時複数ライン決定用のランダムカウンタRT4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて複数本のリーチラインが決定され(S149)、S150に進む。
S150では、今回の変動表示に際して受信した表示結果コマンドが確変大当りを示すものであるか否かが判断される。確変大当りを示すものでないときには、後述するS154に進む。一方、確変大当りを示すものであるときには、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが特別演出を示すものであるか否かが判断される(S151)。
S151で特別演出を示すものではないときは、通常演出・複数リーチが演出制御コマンドにより指示されているので、通常演出時複数ライン決定用のランダムカウンタRT2から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて複数本の当りラインが決定され(S152)、S154に進む。ここで、当りラインとは、大当り図柄の組合せを表示する有効ラインをいう。一方、S151で特別演出を示すものであるときは、特別演出・複数リーチが演出制御コマンドにより指示されているので、特別演出時複数ライン決定用のランダムカウンタRT4から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて複数本の当りラインが決定され(S153)、S154に進む。
S154では、今回の変動表示に際して受信した表示結果コマンドが非確変大当りを示すものであるか否かが判断される。非確変大当りを示すものでないときには、後述するS159に進む。一方、非確変大当りを示すものであるときには、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが、たとえば、通常演出・オールフルーツリーチのようなオールフルーツリーチを示すものであるか否かが判断される(S155)。オールフルーツリーチの変動パターンであるときは、後述するS159に進む。一方、オールフルーツリーチの変動パターンでないとき(シングルリーチ、複数リーチであるとき)は、今回の変動表示に際して受信した変動パターンコマンドにより示される変動パターンが特別演出を示すものであるか否かが判断される(S156)。
S156で特別演出を示すものではないときは、通常演出・シングルリーチが演出制御コマンドにより指示されているので、通常演出時シングルライン決定用のランダムカウンタRT1から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて1本の当りラインが決定され(S157)、S159に進む。一方、S156で特別演出を示すものであるときは、特別演出・シングルリーチが演出制御コマンドにより指示されているので、特別演出時シングルライン決定用のランダムカウンタRT3から乱数を抽出し、その抽出値に基づいて1本の当りラインが決定され(S158)、S159に進む。
S159では、決定された有効ライン、表示結果コマンドにより示される表示結果、変動パターンコマンドにより示される変動パターン、および、RU−1〜RU−12から抽出された乱数値に基づいて、飾り図柄の停止図柄が決定される。
飾り図柄の表示結果が非リーチはずれの場合には、指定された演出(特別演出または通常演出)に応じた飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタのすべてが停止図柄を決定するために用いられる。ただし、非リーチはずれの場合には、偶然にリーチ図柄の組合せ、または、大当り図柄の組合せが生じてしまうときには、停止図柄が非リーチはずれとなるように所定の手順で図柄が補正される。また、飾り図柄の表示結果がリーチはずれの場合には、決定されたリーチライン上でリーチ図柄の組合が停止表示されるようにリーチ図柄の組合せを決定し、そのリーチ図柄の組合せ以外の図柄については、飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタを用いて停止図柄が決定される。ただし、決定したリーチライン以外の有効ライン上でリーチ図柄の組合せが偶然生じてしまうとき、または、いずれかの有効ライン上で大当り図柄の組合せが偶然生じてしまうときには、停止図柄が、決定したリーチラインのみでリーチはずれとなるように、所定の手順で図柄が補正される。
また、飾り図柄の表示結果がオールフルーツとならない非確変大当りの場合には、決定された1本の当りライン上で大当り図柄の組合が停止表示されるように大当り図柄の組合せを決定し、その大当り図柄の組合せ以外の図柄については、飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタを用いて停止図柄が決定される。ただし、決定した1本の当りライン以外の有効ライン上で大当り図柄の組合せが偶然生じてしまうときには、停止図柄が、決定した当りラインのみで大当り図柄の組合せとなるように、所定の手順で図柄が補正される。
また、飾り図柄の表示結果がオールフルーツとなる非確変大当りの場合には、指定された演出(特別演出または通常演出)に応じた個数の飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタを用いて停止図柄がオールフルーツ図柄となるように決定される。
また、飾り図柄の表示結果が確変大当りの場合には、決定された複数本の当りライン上で大当り図柄の組合が停止表示されるように大当り図柄の組合せを決定し、その大当り図柄の組合せ以外の図柄については、飾り図柄停止図柄決定用のランダムカウンタを用いて停止図柄が決定される。ただし、決定した複数本の当りライン以外の有効ライン上で大当り図柄の組合せが偶然生じてしまうときには、停止図柄が、決定した当りラインのみで大当り図柄の組合せとなるように、所定の手順で図柄が補正される。
次に、図28のS105による演出制御プロセス処理を説明する。図33は、演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS161〜S166のうちのいずれかの処理が行なわれる。各処理においては、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S161):変動パターンコマンドを受信したか否か確認し、変動パターンコマンドを受信するまで所定の処理を行ない、変動パターンコマンドを受信すると、次のプロセスに移行させる処理を行なう。
図柄変動開始処理(S162):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(S163):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等の変動状態)の切替えタイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
図柄停止待ち処理(S164):変動時間タイマがタイムアウトした後に飾り図柄の停止を指示する演出制御コマンド(図柄停止コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。
大当り表示処理(S165):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。
大当り遊技中処理(S166):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、特別可変入賞装置48を駆動して大入賞口を開放させることを示す大入賞口開放前表示や大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。
次に、演出制御プロセス処理における図柄変動開始処理(S161)を説明する。図34は、図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
まず、受信したコマンドに対応した飾り図柄の変動表示パターンが設定される(S191)。具体的に、S191では、受信したコマンドに対応する変動表示に用いられるデータ(飾り図柄停止図柄決定処理で決定されたリーチラインおよび当りラインのデータ等も含む)が設定されることにより、変動表示パターンが設定される。そして、受信したコマンドに対応した背景画像の変動表示パターンが設定される(S192)。具体的に、S192では、変動パターンにより示される演出の種類(通常演出または特別演出)に応じて、背景画像の変動パターンの表示に用いられるデータが設定される。たとえば、通常演出の場合には、単一背景画像80Cの表示に用いられるデータが設定される。また、特別演出の場合には、単一背景画像80Cに加えて、分割背景画像80A,80Bおよび中間画像80Dの表示に用いられるデータが設定される。
次に、通常演出時大当り予告フラグまたは特別演出予告フラグがセットされているか否かが判断される(S193)。具体的には、変動表示において予告が行なわれるか否かが判断される。通常演出時大当り予告フラグまたは特別演出予告フラグがセットされていないときには、後述するS196に進む。一方、通常演出時大当り予告フラグまたは特別演出予告フラグがセットされているときには、予告演出タイマがスタートさせられ(S194)、予告の種類に応じたキャラクタの表示等の演出をするためのデータが変動表示に用いられるデータに設定される(S195)。そして、S196に進む。
S196では、飾り図柄表示装置44bでの飾り図柄の変動時間(変動表示時間)を計時するための変動時間タイマがスタートさせられる(S196)。次に、設定された変動表示パターンおよび変動時間で、飾り図柄表示装置44bにおいて表示結果を導出表示するための飾り図柄の変動表示が開始させられる(S197)。そして、演出制御プロセスフラグが、図柄変動中処理に移行するように更新され(S198)、リターンする。
次に、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(S163)を説明する。図35は、図柄変動中処理を示すフローチャートである。
まず、通常演出時大当り予告フラグまたは特別演出予告フラグがセットされているか否かが判断される(S200)。いずれのフラグもセットされていないと判断されたときは、後述するS202に進む。一方、いずれかのフラグがセットされていると判断されたときは、通常演出時大当り予告または特別演出予告を実行するための処理である予告演出処理(S201)が実行され、S202に進む。
S202では、移行失敗演出フラグまたは特別演出フラグがセットされているか否かが判断される。いずれのフラグもセットされていないと判断されたときは、後述するS204に進む。一方、いずれかのフラグがセットされていると判断されたときは、移行演出を実行するための処理である移行演出処理(S203)が実行され、S204に進む。移行演出処理の処理内容については、図37を用いて後述する。
S204では、特別演出フラグがセットされているか否かが判断される。特別演出フラグがセットされていないと判断されたときは、後述するS206に進む。一方、特別演出フラグがセットされていると判断されたときは、特別演出を実行するための処理である特別演出処理(S205)が実行され、S206に進む。特別演出処理の処理内容については、図38を用いて後述する。
S206では、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かが確認され、タイムアウトしていれば表示制御実行データの切替えが行なわれる(S207)。この実施の形態では、飾り図柄の変動態様を示すプロセスデータが変動パターン毎に設けられている(記憶されている)。プロセスデータは、プロセスタイマと表示制御実行データの組合せが複数集まったデータで構成され、表示制御用CPUは変動パターンコマンドに応じたプロセスデータを選択するとともに該プロセスデータを参照してプロセスタイマに設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御が行なわれる。
そして、変動時間タイマがタイムアウトしたか否かが判断される(S208)。変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、リターンする。一方、変動時間タイマがタイムアウトしていれば、監視タイマがスタートさせられ(S209)、演出制御プロセスフラグが、図柄停止待ち処理に移行するように更新され(S210)、リターンする。
図36は、図柄変動中処理における予告演出処理(S201)を示すフローチャートである。まず、予告演出タイマの値が予め定められた予告演出開始時であるか否かが判断される(S211)。予告演出開始時であると判断されたときには、リターンする。一方、予告演出開始時ではないと判断されたときには、通常演出時大当り予告フラグがセットされているか否かが判断される(S212)。通常演出時大当り予告フラグがセットされているときには、図16の(A)に示すような通常演出時大当り予告を開始させる処理が行なわれ(S213)、リターンする。S212で開始された通常演出時大当り予告は、予め定められた期間実行された後、終了する。一方、通常演出時大当り予告フラグがセットされていないとき、すなわち、特別演出予告フラグがセットされているときには、図17の(B)に示すような特別演出予告を開始させる処理が行なわれ(S214)、リターンする。S214で開始された特別演出予告は、予め定められた期間実行された後、終了する。
図37は、図柄変動中処理における移行演出処理(S203)を示すフローチャートである。まず、変動時間タイマの値が予め定められた移行演出開始時であるか否かが判断される(S251)。移行演出開始時であると判断されたときには、移行演出用のキャラクタC2等による移行演出の表示を開始させる処理が行なわれる(S252)とともに、移行演出時における可動部材71,72の動作を開始させる指示(S253、第1部材モータ951および第2部材モータ952への制御信号の送信開始)が行なわれ、リターンする。これにより、図17の(C)および図20の(C)に示すような移行演出が開始される。このように開始された移行演出は、予め定められた期間(たとえば特別演出の実行が開始されるまでの期間、または、移行失敗演出が開始されるまでの期間)実行された後、終了する。
移行演出開始時ではないと判断されたときには、前述した移行失敗演出フラグがセットされているか否かが判断される(S254)。移行失敗演出フラグがセットされていないときには、リターンする。一方、移行失敗演出フラグがセットされているとき(特別演出への移行が失敗するとき)には、変動時間タイマの値が予め定められた移行失敗演出開始時であるか否かが判断される(S255)。移行失敗演出開始時ではないと判断されたときには、リターンする。一方、移行失敗演出開始時であると判断されたときには、前述した移行失敗時演出表示が開始され(S256)、リターンする。このように開始された移行失敗時演出表示では、図20の(D)に示すような移行演出用のキャラクタC2等による移行失敗演出の表示が所定期間行なわれるとともに、図20の(D)〜(H)に示すような飾り図柄の特別演出不実行時変動表示が行なわれる。
特別演出フラグがセットされているとき、すなわち、移行失敗演出フラグがセットされていないときには、前述したS252およびS253による移行演出が所定期間行なわれた後、S256のような移行失敗時演出表示が行なわれずに、図38に示す特別演出処理に進む。これにより、特別演出フラグがセットされているときには、結果的に、移行失敗演出が行なわれない移行成功演出が行なわれることとなる。
図38は、図柄変動中処理における特別演出処理(S205)を示すフローチャートである。まず、変動時間タイマの値が予め定められた特別演出開始時であるか否かが判断される(S221)。特別演出開始時ではないと判断されたときには、後述するS224に進む。一方、特別演出開始時であると判断されたときには、図17の(D)〜(F)に示すような第1の分割背景画像80A、第2の分割背景画像80B、および、第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209を段階的に消滅させていくフェードアウト処理の実行が開始され(S222)、図17の(D)〜(F)に示すように可動部材71,72をそれぞれ第2の位置に移動させる特別演出時における可動部材71,72の動作を開始させる指示(S223、第1部材モータ951および第2部材モータ952への制御信号の送信開始)が行なわれ、リターンする。これにより、図17の(D)〜(F)に示すような特別演出が予め定められた時間行なわれ、図17の(E),(F)に示すような中間画像80Dが表示される。
具体的に、フェードアウト処理としては、次のような処理が実行される。ここで、図38の説明を中断して図40を用いてフェードアウト処理の流れを説明する。図40は、フェードアウト処理をするために用いられる演算式およびフェードイン処理をするために用いられる演算式を示す図であり、(a)にフェードアウト処理をするために用いられる演算式(1)が示され、(b)にフェードイン処理をするために用いられる演算式(2)が示されている。フェードアウト処理としては、まず、透明化演算処理を実行することによってフェードアウト画像を作成する。透明化演算処理として、本例では、図40の(a)に示す演算式(1)のような演算を行なう。透明化演算処理では、フェードアウト対象画像における各ピクセルデータのそれぞれについて、中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、演算式(1)に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードアウト対象画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値にフェードアウト対象画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードアウト画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードアウト対象画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、M=66であった場合には、その位置のフェードアウト画像のピクセルデータは(R,G,B=220,150,150)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行なうことによって整数になるようにすればよい。
なお、演算式(1)に示す「M」は、フェードアウト画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「M」が「0」であるときにフェードアウト画像がフェードアウト対象画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「M」が「99」であるときにフェードアウト画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる演出式(1)の「M」を「0」から「99」にかけて順次加算していくと、演算結果により得られるフェードアウト画像は、フェードアウト対象画像が中間画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「M」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて演出式(1)に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
また、透明化演算処理に用いられる演算式(1)は、フェードアウト対象画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードアウト対象画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、演算式(1)に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードアウト対象画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値をフェードアウト対象画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
この例では、フェードアウト処理での透明化演算処理を、演算式(1)を用いることで行なうようにしているが、他の演算式を用いた演算処理を行なうようにしてもよい。演算式(1)を用いると、Mの値を大きくしていくに連れて、フェードアウト対象画像から直線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるようになるが、例えば、フェードアウト対象画像から曲線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるような演算式を用いるようにしてもよい。
このようにして透明化演算処理によってフェードアウト画像を作成すると、作成したフェードアウト画像を飾り図柄表示装置44bに表示させる処理が実行される。そして、演算式(1)のMの値を確認し、Mの値が99でなければ、次のタイミングで実行されるフェードアウト処理によってフェードアウト対象画像の透明度をさらに高めるためにMの値を1加算した値に更新する。Mの値が99となっていれば、完全に透明化されてフェードアウト対象画像による画像が消失した状態となっており、そのフェードアウト対象画像を徐々に消失させていく一連のフェードアウト処理が終了しているので、次回の一連のフェードアウト処理を実行するときのために、Mの値を初期値である「0」に更新しておく。
なお、Mの値を前述のように更新していく処理は、所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返し実行される。繰り返し実行される度に加算されたMの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、図17に示すようなフェードアウト対象画像の透明度が徐々に高められていくフェードアウト表示がなされることになる。
S221で特別演出開始時ではないと判断されたときには、変動時間タイマの値が予め定められた特別演出時大当り予告開始時であるか否かが判断される(S224)。特別演出時大当り予告開始時ではないと判断されたときには、後述するS226に進む。一方、特別演出時大当り予告開始時であると判断されたときには、図17の(F)に示すように中間画像80Dによる背景画像上で特別演出時大当り予告画像500の表示を行なう特別演出時大当り予告の実行が開始され(S225)、リターンする。これにより、図17の(F)に示すような特別演出時大当り予告が予め定められた時間行なわれる。
S224で特別演出時大当り予告開始時ではないと判断されたときには、変動時間タイマの値が予め定められた図柄切替え開始時であるか否かが判断される(S226)。図柄切替え開始時ではないと判断されたときには、後述するS228に進む。一方、図柄切替え開始時であると判断されたときには、図17の(G)に示すような特別演出用の第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312、および、単一背景画像80Cを段階的に出現させていくフェードイン処理の実行が開始され(S227)、リターンする。これにより、図17の(E),(F)に示すような中間画像80Dから図17の(G)に示すようなフェードイン処理が予め定められた時間行なわれる。
具体的に、フェードイン処理としては、次のような処理が実行される。ここで、図39の説明を中断して図40の(b)の演算式(2)を用いてフェードイン処理の流れを説明する。まず、透明化演算処理を実行することによってフェードイン画像を作成する。透明化演算処理として、本例では、図40の(b)に示す演算式(2)のような演算を行なう。透明化演算処理では、フェードイン対象画像における各ピクセルデータのそれぞれについて、中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、演算式(2)に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードイン対象画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値にフェードイン対象画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードイン画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードイン対象画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、N=33であった場合には、その位置のフェードイン画像のピクセルデータは(R,G,B=200,140,140)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行なうことによって整数になるようにすればよい。
なお、演算式(2)に示す「N」は、フェードイン画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「N」が「0」であるときにフェードイン画像がフェードイン対象画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「N」が「99」であるときにフェードイン画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる演出式(2)の「N」を「99」から「0」にかけて順次減算していくと、演算結果により得られるフェードイン画像は、中間画像がフェードイン対象画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「N」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図16に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
また、透明化演算処理に用いられる演算式(2)は、フェードイン対象画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードイン対象画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、演算式(2)に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードイン対象画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値をフェードイン対象画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
この例では、フェードイン処理での透明化演算処理を、演算式(2)を用いることで行なうようにしているが、他の演算式を用いた演算処理を行なうようにしてもよい。演算式(2)を用いると、Nの値を小さくしていくに連れて、中間画像から直線的にフェードイン対象画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるようになるが、例えば、中間画像から曲線的にフェードイン対象画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
このようにして透明化演算処理によってフェードアウト画像を作成すると、作成したフェードイン画像を飾り図柄表示装置44bに表示させる処理が実行される。そして、演算式(2)のNの値を確認し、Nの値が0でなければ、次のタイミングで実行されるフェードイン処理によってフェードイン対象画像の透明度をさらに低下させるためにNの値を1減算した値に更新する。Nの値が0となっていれば、全く透明化されていない完全な状態でフェードイン対象画像がはっきりと表示された状態となっており、そのフェードイン対象画像を徐々に出現させていく一連のフェードイン処理が終了しているので、次回の一連のフェードイン処理を実行するときのために、Nの値を初期値である「99」に更新しておく。
なお、Nの値を前述のように更新していく処理は、所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返し実行される。繰り返し実行される度に加算されたNの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、図17に示すようなフェードイン対象画像の透明度が徐々に低下していくフェードイン表示がなされることになる。
S226で図柄切替え開始時ではないと判断されたときには、変動時間タイマの値が予め定められたフェードイン処理終了時であるか否かが判断される(S228)。フェードイン処理終了時ではないと判断されたときには、リターンする。一方、フェードイン処理終了時であると判断されたときには、図17の(H)に示すような特別演出時における変動表示、すなわち、特別演出用の第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312の変動表示が開始され(S229)、リターンする。これにより、図17の(H)に示すような特別演出用の第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312の変動表示が実行される。
次に、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S161)を説明する。図39は、変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
まず、特別演出フラグがセットされているか否かが判断される(S171)。特別演出フラグがセットされているときには、後述するS175に進む。一方、特別演出フラグがセットされていないときには、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かが判断される(S172)。ここで、変動パターンコマンド受信フラグとは、変動パターンコマンドが受信されたときに、図29のコマンド解析処理によりセットされるフラグである。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていると判断されたときは、変動パターンコマンドフラグがリセットされる(S173)。そして、演出制御プロセスフラグが、図柄変動開始処理に移行するように更新され(S174)、リターンする。一方、S173で変動パターンコマンド受信フラグがセットされていないと判断されたときは、リターンする。
S171で特別演出フラグがセットされているときには、フェードアウト処理タイマがタイムアウトしたか否かが判断される(S175)。ここで、フェードアウト処理タイマとは、特別演出が終了したときに、図18の(N)に示されるような大当り終了表示の画像、または、表示結果がはずれとなって第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312が表示されているときには第1飾り図柄301〜第12飾り図柄312の画像、および、単一背景画像80C等の特別演出用の画像を段階的に消滅させていくフェードアウト処理を終了するタイミングを規定するために用いられるタイマであり、予め定められた時間の計時を行なうためのものである。
S175でフェードアウト処理タイマがタイムアウトしていないときには、フェードアウト処理が開始され(S176)、フェードアウト処理タイマがスタートさせられる(S177)。そして、リターンする。これにより、図18の(N)に示されるようなフェードアウト処理が予め定められた時間実行される。これにより、図18の(N)に示すような画像のフェードアウトが行なわれ、図18の(O)に示すような中間画像80Dが表示されていく。一方、S175でフェードアウト処理タイマがタイムアウトしたときには、フェードイン処理タイマがタイムアウトしたか否かが判断される(S178)。ここで、フェードイン処理タイマとは、特別演出が終了した後に実行されるフェードアウト処理が終了した後に行なわれるフェードイン処理を終了するタイミングを規定するために用いられるタイマであり、予め定められた時間の計時を行なうためのものである。
S178でフェードイン処理タイマがタイムアウトしていないときには、図18の(P)に示すような中間画像80Dから第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209、および、分割背景画像80A,80Bを段階的に出現させていくフェードイン処理が開始され(S179)、そして、特別演出終了後の可動部材71,72の動作を開始させる指示(S180、第1部材モータ951および第2部材モータ952への制御信号の送信開始)が行なわれ、リターンする。これにより、図18の(O)に示すような中間画像80Dから図18の(P)に示すような第1飾り図柄201〜第9飾り図柄209、および、分割背景画像80A,80Bを段階的に表示していくフェードイン処理が予め定められた時間行なわれる。このフェードイン処理が行なわれるときには、S180に基づいて、図18の(P)に示すように可動部材71,72が動作する。そして、フェードイン処理タイマがスタートさせられ(S181)、リターンする。一方、S178でフェードイン処理タイマがタイムアウトしたときには、特別演出フラグがリセットされる(S182)。これにより、S171でNOと判断されることとなり、変動パターンコマンドの受信に応じた変動表示が行なわれるようになる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図3等に示されるように、可動部材71,72が飾り図柄表示装置44bの表示領域80を視覚的に複数の表示領域に分割する第1の位置にあるときに、可動部材71,72により分割された複数の表示領域で異なる背景画像として、第1の分割背景画像80Aおよび第2の分割背景画像80Bが表示される。一方、図2等に示されるように、可動部材71,72が表示領域80を視覚的に分割がされていない単一の表示領域にする第2の位置にあるときに、表示領域80において単一背景画像80Cが表示される。そして、図17の(C)〜(H)に示されるように、可動部材71,72が第1の位置から第2の位置に制御されたときに、背景画像がフェードイン処理およびフェードアウト処理により複数の背景画像(第1の分割背景画像80Aおよび第2の分割背景画像80B)から(E),(F)のような中間画像80Dを経て単一の背景画像(単一背景画像80C)に切替えられ、その後に、飾り図柄を表示する領域を増加する(具体的には表示する組合せ有効ラインの数が増加する)特別演出が実行される。このため、可動部材71,72が第1の位置から第2の位置に移動するときにおける背景画像のフェードイン処理およびフェードアウト処理により、可動部材71,72によって表示領域80全体を遮蔽する等の遊技者に感づかれやすい状態を経ることなく可動部材71,72が第2の位置に移動した後、特別演出が実行されるので、背景画像が複数の背景画像から中間画像を経て単一の背景画像に切替えられることに対応して、特別演出が実行されることを遊技者にとって分かりにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、特別演出が実行されるときには、可動部材71,72が表示領域80を単一の表示領域にする第2の位置となるので、飾り図柄を表示する領域が増加する特別演出において表示される画像を遊技者にとって認識しやすいものにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図17に示されるように、特別演出が実行されるときに、有効ラインの数が予め定められた数よりも増加(12本から14本に増加)させられるので、遊技者の期待感を高めることができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
(3) 図16の(A)等に示されるように、第1の分割背景画像80Aおよび第2の分割背景画像80Bという複数の背景画像が表示されているときに、これら分割された複数の表示領域のうち飾り図柄の変動表示が行なわれていない表示領域である第2の分割背景画像80Bにおいて、飾り図柄の変動表示に関する予告をする表示が行なわれるので、飾り図柄の変動表示が行なわれない表示領域にも遊技者を注目させることができ、表示の面白みが増して遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図17の(E)に示されるように、中間画像80Dが表示されているときに、中間画像80Dにおいて、特別演出時大当り予告画像500により飾り図柄の変動表示に関する予告をする表示が行なわれるので、背景画像の切替え時に表示される中間画像80Dにも遊技者を注目させることができ、表示の面白みが増して遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図18の(N),(O)に示されるように、特別演出が終了した後に、背景画像がフェードイン処理およびフェードアウト処理により単一背景画像80Cから中間画像80Dを経て複数の分割背景画像80A,80Bに切替えられる。このような中間画像80Dは、特別演出が行なわれる前において、図17の(E),(F)に示されるように、背景画像がフェードイン処理およびフェードアウト処理により複数の分割背景画像80A,80Bから中間画像80Dを経て単一背景画像80Cに切替えられるときにも同様に表示される。このため、背景画像を切替えるときに、表示の違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
(6) 図14の特別演出判定データテーブルに示されるように、変動表示の表示結果が大当りの表示結果となるときの方が、変動表示の表示結果がはずれの表示結果となるときよりも、特別演出を実行すると判定する割合が高いので、特定演出に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
(7) 飾り図柄表示装置44bの表示領域80において、可動部材71,72の動作に対応してキャラクタ画像C2の画像を動作させる表示が移行演出により行なわれるので、このような画像により、可動部材71,72が動作していることが遊技者に認識しやすくなり、遊技の興趣を一層向上させることができる。また、図14の特別演出判定データテーブルに示されるように、変動表示の表示結果がはずれとなるときであっても、特別演出が実行される場合がある。このため、単一背景画像80Cが出現していない状態でも、単一背景画像80Cが出現しないことが明らかになるまで、遊技者の期待感を持続させることができる。また、そのような場合には、移行演出が行なわれた後、図20の(D)に示すように、特別演出への移行が失敗した旨が表示され、変動表示の表示結果としてはずれの表示結果が導出表示されるので、移行演出の表示が行なわれた後において、単一背景画像80Cが出現しないことを遊技者が明確に認識できるようにすることができる。
(8) 複数の複数の分割背景画像80A,80Bが表示されるときの境界線80Lが、可動部材71,72が第1の位置における第2の位置に移動するときの移動方向の所定幅のうち、移動方向側の端辺に沿って表示される。つまり、可動部材71,72が第1の位置から第2の位置へ移動するときには、移動方向において、可動部材が可動部材71,72の移動方向側の幅の分だけ移動するまでは境界線80Lが可動部材71,72により覆われる。このため、特別演出を実行するときに、可動部材71,72の移動開始を早目に行なっても、複数の背景画像における境界線80Lが視認されないようにすることができ、制御時間を無駄に長時間化しないようにすることができる。また、可動部材がある程度移動するまでは境界線80Lが可動部材71,72により覆われるので、たとえば、可動部材71,72を小刻みに動作させる場合であっても、表示での違和感が生じさせないために境界線80Lの位置が可動部材71,72の動作に合わせて小刻みに変わるように背景画像を変化させる必要がなくなり、表示制御が複雑化しないようにすることができる。なお、可動部材71,72の移動方向側の端辺の位置と境界線80Lの位置とは、合致させない方が見栄えがよい(境界線80Lの位置を当該端辺から可動部材71,72の移動方向の幅内での少し内側の位置にする)。これは、遊技者が可動部材71,72および飾り図柄表示装置44bの表示領域を横方向から見たときに、境界線80Lが見えにくくなるからである。
(9) 前述した実施の形態の場合は、特別演出を行なうときに、分割された複数の表示領域で表示される複数の背景画像(分割背景画像80A,80B)の境界線80L上の可動部材を動作させ、そのときに背景画像を複数の分割背景画像80A,80Bから単一背景画像80Cに切替える制御技術が開示されている。しかし、この制御技術の特徴的なことは、背景画像を複数の背景画像(分割背景画像80A,80B)から単一背景画像80Cに切替える途中で、フェードイン処理により図17の(E),(F)に示すような中間画像80Dを表示することにある。このような中間画像80Dを経ずに直接的に背景画像を複数の背景画像(分割背景画像80A,80B)から単一背景画像80Cに切替えるとすれば、切替え途中で複数の背景画像の境界線80Lが遊技者に見えてしまい、演出上の違和感が生じる。これに対し、本実施形態のように背景画像を複数の背景画像(分割背景画像80A,80B)から中間画像80Dを経て単一背景画像80Cに切替える表示をすることにより、複数の背景画像の境界線80Lが遊技者に見えにくくなり、演出上の違和感が生じないようにすることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態におけるパチンコ遊技機は、主として、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置44a等に変動表示(可変表示ともいう)される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機(第一種のパチンコ遊技機)であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機(第二種のパチンコ遊技機)や、始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機(第三種のパチンコ遊技機)であってもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、遊技の演出を制御する手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な演出制御用マイクロコンピュータ118を設けた。しかし、これに限らず、表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(3) 前述した実施の形態では、特別演出を実行しない変動表示において、図15の(A)に示すように、変動表示の開始当初において大当り予告を実行する例を示した。しかし、これに限らず、リーチとなる旨を予告するリーチ予告を実行するようにしてもよい。また、特別演出を実行する変動表示においても、変動表示の開始当初において、このような大当り予告またはリーチ予告を実行するようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、表示領域80を視覚的に複数に分割する可動部材として、一対の可動部材71,72を例示した。しかし、これに限らず、表示領域80を視覚的に複数に分割する可動部材は、単一の部材により構成されていてもよい。つまり、可動部材は、可動部材が予め定められた第1の位置(たとえば、表示領域80内にある位置)にあるときに表示領域80を視覚的に複数に分割し、第2の位置(たとえば、表示領域80内から退避した位置)にあるときに表示領域80を視覚的に分割がされていない単一の表示領域にする構造のものであればどのようなものでもよい。
(5) 前述した実施の形態では、特別演出として、変動表示する飾り図柄の個数、および、有効ラインの本数を増加させる例を説明した。しかし、これに限らず、特別演出としては、識別情報を表示する領域を増加するものであれば、そのような演出を行なってもよい。たとえば、有効ラインの本数のみを増加させる演出も特別演出に含まれ、飾り図柄の個数のみを増加させる演出も特別演出に含まれる。
(6) 前述した実施の形態では、移行演出が行なわれた後に特別演出が実行されないときにおいて、図20の(D)に示されるように、キャラクタC1により、「失敗!」というような特別演出への移行が失敗した旨、すなわち、飾り図柄の表示領域が増加しない旨を表示する例を示した。しかし、これに限らず、移行演出が行なわれた後に特別演出が実行されないときにおいては、このような飾り図柄の表示領域が増加しない旨の表示(移行失敗演出)を実行せずに、前述した特別演出不実行時変動表示を実行する制御を行なうようにしてもよい。
(7) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
44b 飾り図柄表示装置、44a 特別図柄表示装置、1 パチンコ遊技機、71,72 可動部材、951 第1部材モータ、952 第2部材モータ、118 演出制御用マイクロコンピュータ、80A 第1の分割背景画像、80B 第2の分割背景画像、80C 単一背景画像、80D 中間画像、99 遊技制御用マイクロコンピュータ、L1〜L12 第1有効ライン〜第12有効ライン、LA1〜LA14 第1有効ライン〜第14有効ライン、C2 キャラクタ、80L 境界線。