JP2004298382A - 遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】図柄更新変動表示演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を高めることのできる遊技機やその制御方法、そのプログラムを提供する。
【解決手段】確変図柄は識別情報を大きく、装飾情報を小さく表示し、通常図柄は装飾情報を大きく、識別情報を小さく表示する。リーチ後の更新表示で、確変図柄を図柄単位での動作表示、通常図柄を図柄構成部分単位での動作表示させる。動作表示によりリーチ状態を構成する図柄を導出表示させたとき、リーチ状態の後、動作表示態様（例えば、回転方向）を変えて表示結果を導出表示させたときは大当りとなる確率が高い。なかなか大当りにならないとき、通常図柄の識別情報を大きく装飾情報を小さく表示する、確変図柄に似せた変更通常図柄による、図柄単位での動作表示制御を行ない、その旨を報知する。
【選択図】 図１５
【解決手段】確変図柄は識別情報を大きく、装飾情報を小さく表示し、通常図柄は装飾情報を大きく、識別情報を小さく表示する。リーチ後の更新表示で、確変図柄を図柄単位での動作表示、通常図柄を図柄構成部分単位での動作表示させる。動作表示によりリーチ状態を構成する図柄を導出表示させたとき、リーチ状態の後、動作表示態様（例えば、回転方向）を変えて表示結果を導出表示させたときは大当りとなる確率が高い。なかなか大当りにならないとき、通常図柄の識別情報を大きく装飾情報を小さく表示する、確変図柄に似せた変更通常図柄による、図柄単位での動作表示制御を行ない、その旨を報知する。
【選択図】 図１５
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラムに関する。詳しくは、所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段とを備え、前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラムにおいて、従来から一般的に知られているものに、たとえば、複数種類の識別情報を変動表示可能な左・中・右の３つの可変表示部を有する可変表示装置が設けられ、それら複数の可変表示部の表示結果が所定の当りライン上において特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り状態）に制御可能に構成されていた。そして、識別情報を示す画像を拡大又は縮小表示すること、リーチ状態が発生した後に当り表示態様と同一の識別情報が表示されると、当該識別情報を示す画像を中心として注視点を固定するとともに、視点を回転移動させて前記可変表示装置上に表示させることなどで、演出表示を行う遊技機があった（特許文献１）。
【０００３】
また、確変モード時に、通常遊技モードの確変図柄（単なる数字情報）からコインのシンボル（共通識別情報）とその傍に添え字のように小さく表示された数字（個別識別情報）を付加した特種図柄に切り換えて表示して変動図柄の価値に対する認識性を向上させ、遊技の興趣を高めようとする遊技機があった（特許文献２）。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−１４３４６１号公報
【０００５】
【特許文献２】
特開２００２−２９２０２１号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の遊技機では次のような問題があった。まず、特許文献１の遊技機においては、リーチ状態発生後に当り表示態様と同一の識別情報が表示されると、当該当り識別情報画像を回転表示させてはいるが、単に数字を回転表示させるのみであり、演出としては乏しいものであった。また、特許文献２の遊技機においては、確変モード時に、単なる数字の確変図柄からシンボルとその傍に小さい数字を付加した特種図柄に切り換えて表示してはいるものの、単に表示態様が異なるのみであり、スクロールなどの変動態様は同一であり、これまた、遊技者の興趣を高めるには充分とはいえない演出であった。
【０００７】
この発明は、かかる実情に鑑み考えだされたものであり、その目的は、特にリーチ演出表示などにおいて、図柄の更新表示演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を高めることのできる遊技機やその制御方法、そのプログラムを提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
（１） 所定の始動条件の成立（始動可変入賞球装置１６の始動口スイッチ１９により遊技球が検出され、図柄の更新表示を開始できる状態）を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄（図６参照）の更新表示を行なう表示部を複数有し（図１：左図柄表示部４７、右図柄表示部４８、中図柄表示部４９）、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置（図１：特別図柄表示装置１２）と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段（図３：表示結果事前決定手段４２）とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果（大当り図柄の組合せ：たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。）を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り状態）を発生させる遊技機（図１：弾球遊技機１）であって、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態（確率変動状態、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加、更新時間短縮制御状態）とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御手段（図３：移行制御手段８６）と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶手段（図４：データ記憶手段３１）と、
該データ記憶手段に記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない（更新表示パターン事前決定手段４０が決定した更新表示パターンにしたがって更新表示制御され）、前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果を前記画像表示装置に表示させる制御を行なう表示制御手段（図１４〜図１６参照）と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示する際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定手段（図２：更新表示パターン事前決定手段４０）とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果（大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（「確変図柄」、「第１図柄」）の組合せ）と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果（大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（「通常図柄」、「第２図柄」）の組合せ）とを含み、
前記移行制御手段は、前記表示結果事前決定手段が前記第１特定表示結果に決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御（図３のＳ６）し、前記表示結果事前決定手段が前記第２特定表示結果に決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し（図３のＳ７）、
前記データ記憶手段は、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄（確変図柄）に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定手段で前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄（通常図柄）に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域（図４参照）を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており（図４参照）、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され（図６参照）、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており（図６参照）、
前記表示制御手段は、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御（図７参照）を行なう第１表示制御手段（図１６：Ｓ６０）と、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御（図８参照）を行なう第２表示制御手段（図１６：Ｓ６２、Ｓ６３）とを含み、
前記更新表示パターン事前決定手段によって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり（Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたときに）、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部（最後に停止する中図柄表示部４９（図１））にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら前記第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し（Ｓ６０：図９（ｅ）、図１０（ｅ）、図１１（ｆ）、図１２（ｅ）、図１３（ｆ）参照）、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行する（Ｓ６２：図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１２（ｄ）と（ｆ）、図１３（ｅ）参照）ことを特徴とする、遊技機。
【０００９】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、第２図柄を更新表示させながら第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００１０】
（２） 前記第１表示制御手段は、前記第１識別情報と前記第１装飾情報とを同一の回転軸を中心にして同じ方向に回転表示させ（図７参照）、前記第２表示制御手段は、前記第２識別情報と前記第２装飾情報とを異なった回転軸を中心にして別々に回転表示させるか、または、前記第２識別情報を回転表示させることなく第２装飾情報部分のみを回転表示させること（図８参照）を特徴とする。
【００１１】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１表示制御手段は、第１識別情報と第１装飾情報とを同一の回転軸を中心にして同じ方向に回転表示させ、第２表示制御手段は、第２識別情報と第２装飾情報とを異なった回転軸を中心にして別々に回転表示させるか、または、第２識別情報を回転表示させることなく第２装飾情報部分のみを回転表示させることによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００１２】
（３） 前記第２表示制御手段は前記第２図柄を表示制御するときに前記第２装飾情報を消滅させて前記第２識別情報のみの動作表示制御を行なう（Ｓ６３：図１０（ｄ）の中図柄参照）ことを特徴とする。
【００１３】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第２表示制御手段は第２図柄を表示制御するときに第２装飾情報を消滅させて第２識別情報のみの動作表示制御を行なうことによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００１４】
（４） 前記表示制御手段は、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定されたときは（Ｓ１６によりＹＥＳの判断がなされたときには）、前記特定表示結果としないことが決定されているときに比べて高確率で前記第１表示制御手段、または、前記第２表示制御手段によって前記リーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なう（図１４：Ｓ１７、Ｓ１９）ことを特徴とする。
【００１５】
このような構成によれば、表示制御手段は、表示結果事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されたときは、特定表示結果としないことが決定されているときに比べて高確率で第１表示制御手段、第２表示制御手段によってリーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なうため、第１表示制御手段、第２表示制御手段によってリーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なったことを特定表示結果を導出表示することの予告として使用することができる。
【００１６】
（５） 前記表示制御手段は、リーチ状態が発生した後すべての表示部の表示結果が導出表示されるまでの間において、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定されたときには前記特定表示結果としないことが決定されたときに比べて高確率で前記第１表示制御手段、または、前記第２表示制御手段が行なう動作表示制御の動作表示態様を変えて前記表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なう（図１４：Ｓ１８、Ｓ２０）ことを特徴とする。
【００１７】
このような構成によれば、表示制御手段は、リーチ状態が発生した後すべての表示部の表示結果が導出表示されるまでの間において、表示結果事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されたときには特定表示結果としないことが決定されたときに比べて高確率で第１表示制御手段、第２表示制御手段が行なう動作表示制御の動作表示態様を変えて表示結果を画像表示装置に導出表示させる制御を行なうために、遊技者に特定遊技状態に制御されることの期待感を煽り、遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００１８】
（６） 前記表示制御手段は、複数の前記第２図柄のうち少なくとも１つの前記第２図柄（本実施形態の場合、この変更通常図柄は、通常図柄のうちの所定の通常図柄である「四」と「０」との２種類のみが存在する。）の前記識別情報部分の大きさと前記装飾情報部分の大きさとの大小関係を前記第１図柄の前記識別情報部分の大きさと前記装飾情報部分の大きさとの大小関係と同じに変更して表示する（図１３（ａ）参照。）第２図柄変更表示手段（第２図柄変更表示手段８７：Ｓ３０〜Ｓ４２、Ｓ４４、Ｓ４５、Ｓ４７）を含み、該第２図柄変更表示手段によって変更された後の第２図柄が前記第１表示手段によって図柄単位で動作表示制御される（Ｓ５９でＹＥＳの判断がなされＳ６０の図柄単位での回転表示がなされる：図１３（ｇ）で変更通常図柄「四」は図柄単位で動作表示制御されている）ことを特徴とする。
【００１９】
このような構成によれば、見た目は特別遊技状態になるように思わせて遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００２０】
（７） 前記特定遊技状態終了後の前記画像表示装置における前記図柄の更新表示回数を計数する更新表示回数計数手段（図２：更新表示回数計数手段４３）をさらに含み、
該更新表示回数計数手段により計数された更新表示回数が所定表示回数（５００回）を超えても前記特定遊技状態が発生しないときに（Ｓ３４によりＹＥＳの判断がなされたときに）、前記第２図柄変更表示手段が前記第２図柄の変更表示制御を行ない（Ｓ３５により変更通常図柄フラグＯＮの処理を行ない）、該変更された後の第２図柄が前記第１表示制御手段によって図柄単位で動作表示制御される（図１４：Ｓ１１、Ｓ１２、Ｓ１３、図１５：Ｓ３１〜Ｓ３５、Ｓ４７、図１６：Ｓ６０）ことを特徴とする。
【００２１】
このような構成によれば、画像表示装置の更新表示を何度か繰返してもなかなか特定遊技状態にならないとき、見た目上特別遊技状態になりやすく思わせて遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００２２】
（８） 前記第２図柄変更手段により前記第２図柄の変更表示がなされたときにその旨を報知する報知手段（図１５：Ｓ３６）をさらに含むことを特徴とする。
【００２３】
このような構成によれば、第２図柄変更手段により第２図柄の変更表示がなされたときにその旨が報知されるために、より一層特別遊技状態になりやすく思わせて遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００２４】
（９） 所定の始動条件の成立（始動可変入賞球装置１６の始動口スイッチ１９により遊技球が検出され、図柄の更新表示を開始できる状態）を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄（図６参照）の更新表示を行なう表示部を複数有し（図１：左図柄表示部４７、右図柄表示部４８、中図柄表示部４９）、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置（図１：特別図柄表示装置１２）と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定ステップ（図３：表示結果事前決定手段４２）とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果（大当り図柄の組合せ：たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。）を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り遊技状態）を発生させる遊技機（図１：弾球遊技機１）の制御方法であって、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態（確率変動状態、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加、更新時間短縮制御状態）とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御ステップ（図３：移行制御手段８６）と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶（図４：ステップデータ記憶手段３１）と、
該データ記憶ステップに記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない（更新表示パターン事前決定手段４０が決定した更新表示パターンにしたがって更新表示制御され、）、前記表示結果事前決定ステップにより決定された表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なう表示制御ステップ（図１４：表示制御処理、図１５：図柄表示制御処理、図１６：特殊動作表示制御、参照）と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示させる際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定ステップ（図２：更新表示パターン事前決定手段４０）とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果（大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（「確変図柄」、「第１図柄」）の組合せ）と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果（大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（「通常図柄」、「第２図柄」）の組合せ）とを含み、
前記移行制御ステップは、前記表示結果事前決定ステップが前記第１特定表示結果を決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御（図３：Ｓ６）し、前記表示結果事前決定ステップが前記第２特定表示結果を決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し（図３：Ｓ７）、
前記データ記憶ステップは、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄（確変図柄）に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定ステップで前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄（通常図柄）に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域（図４参照）を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており（図４参照）、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され（図６参照）、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており（図６参照）、
前記表示制御ステップは、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御（図７参照）を行なう第１表示制御ステップと、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御（図８参照）を行なう第２表示制御ステップとを含み、
前記更新表示パターン事前決定ステップによって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり（Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたときに）、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部（最後に停止する中図柄表示部４９（図１））にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら第１表示制御ステップによる図柄単位での動作表示制御を実行し（Ｓ６０：図９（ｅ）、図１０（ｅ）、図１１（ｆ）、図１２（ｅ）、図１３（ｆ）参照）、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御ステップによる図柄構成部分単位での動作表示制御を実行する（Ｓ６２：図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１２（ｄ）と（ｆ）、図１３（ｅ）参照））ことを特徴とする、遊技機の制御方法。
【００２５】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、第２図柄を更新表示させながら第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００２６】
（１０） 所定の始動条件の成立（始動可変入賞球装置１６の始動口スイッチ１９により遊技球が検出され、図柄の更新表示を開始できる状態）を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄（図６参照）の更新表示を行なう表示部を複数有し（図１：左図柄表示部４７、右図柄表示部４８、中図柄表示部４９）、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置（図１：特別図柄表示装置１２）と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段（図３：表示結果事前決定手段４２）とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果（大当り図柄の組合せ：たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。）を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り遊技状態）を発生させる遊技機（図１：弾球遊技機１）を制御するためのプログラムであって、
プロセッサに、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態（確率変動状態、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加、更新時間短縮制御状態）とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御手段（図３：移行制御手段８６）と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶手段（図４：データ記憶手段３１）と、
該データ記憶手段に記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない（更新表示パターン事前決定手段４０が決定した更新表示パターンにしたがって更新表示制御され、）、前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果を前記画像表示装置に表示させる制御を行なう表示制御手段（図１４〜図１６参照）と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示させる際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定手段（図２：更新表示パターン事前決定手段４０）とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果（大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（「確変図柄」、「第１図柄」）の組合せ）と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果（大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（「通常図柄」、「第２図柄」）の組合せ）とを含み、
前記移行制御手段は、前記表示結果事前決定手段が前記第１特定表示結果を決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御（図３のＳ６）し、前記表示結果事前決定手段が前記第２特定表示結果を決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し（図３のＳ７）、
前記データ記憶手段は、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄（確変図柄）に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定手段で前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄（通常図柄）に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域（図４参照）を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており（図４参照）、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており（図６参照）、
前記表示制御手段は、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御（図７参照）を行なう第１表示制御手段と、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御（図８参照）を行なう第２表示制御手段とを含み、
前記更新表示パターン事前決定手段によって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり（Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたときに）、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部（最後に停止する中図柄表示部４９（図１））にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し（Ｓ６０：図９（ｅ）、図１０（ｅ）、図１１（ｆ）、図１２（ｅ）、図１３（ｆ）参照）、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行する（Ｓ６２：図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１２（ｄ）と（ｆ）、図１３（ｅ）参照）ことを特徴とする、プログラム。
【００２７】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、第２図柄を更新表示させながら第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００２８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機、スロットマシンなどのその他の遊技機であってもよく、所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段とを備え、前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であればすべて対象となる。
【００２９】
まず、遊技機の一例である弾球遊技機の全体構成について説明する。図１は弾球遊技機１を正面から見た正面図である。
【００３０】
図１に示すように、弾球遊技機１は、縦長な方形状に枠組形成される外枠２と、該外枠２の内側に開閉可能に軸支されかつ弾球遊技機１の主要構成部が集約して設けられる前面枠３とから構成されている。前面枠３の前面下部には遊技球を貯留するための上皿７が設けられている。上皿７の下方には、上皿７から溢れた遊技球を貯留する下皿８と遊技球を発射する打球操作ハンドル（操作ノブ）９とが前面枠３に設けられている。
【００３１】
また、前面枠３には、前面側に遊技領域６２が形成された遊技盤５６が収容される遊技盤収容部（図示しない）があり、遊技盤５６はその遊技盤収容部に収容され、前面枠３に対して着脱可能に設けられている。前面枠３は、弾球遊技機１の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。前面枠３において遊技領域６２の左右周辺には、遊技中に点灯表示されるランプ１０およびＬＥＤ１１が設けられる。また、上皿７の右側には、前面枠３を開放するための錠部６が設けられている。
【００３２】
遊技盤５６の遊技領域６２には、打球操作ハンドル９を操作することに応じて打球発射装置（図示省略）によって発射された遊技球が誘導レールに誘導されて打ち込まれる。
【００３３】
遊技領域６２の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示装置１２とＬＥＤ表示器よりなる普通図柄表示装置１８とを含む表示装置が設けられている。
【００３４】
特別図柄表示装置１２は、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報としての特別図柄（図柄画像）を更新表示（変動表示、可変表示ともいう）可能であるとともに、キャラクタ等のその他の画像を動画像や静止画像として表示できる更新表示可能な表示部である。ここで、識別情報とは、その識別情報またはその組合せが当りおよびはずれを意味するものであり、キャラクタとは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報とは異なるものである。つまり、キャラクタはそれ自体が当りおよびはずれを意味するものではなく、装飾もしくは当りやすいことを示唆する演出、報知するものである。
【００３５】
普通図柄表示装置１８は、図形等の複数種類の識別情報（普通識別情報）としての普通図柄を更新表示可能である。
【００３６】
特別図柄表示装置１２では、図１に示すように表示画面上で左表示部（左図柄表示部４７），中表示部（中図柄表示部４９），右表示部（右図柄表示部４８）という複数（３つ）の表示部を有し、これら表示部で左特別図柄３７，中特別図柄３９，右特別図柄３８という複数（３つ）の特別図柄がそれぞれ左右方向に並んで更新表示される。特別図柄表示装置１２では、これら特別図柄をスクロール等の更新表示方式で更新表示可能であり、更新表示の表示結果を導出表示する。
【００３７】
また、普通図柄表示装置１８は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器と、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器とを含む。当り表示器およびはずれ表示器は、ＬＥＤ（発光ダイオード）により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような普通図柄表示装置１８では、当り表示器およびはずれ表示器を交互に点灯するよう点滅させる（交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる）ことにより普通図柄としての○印と×印とを所定時間間隔で更新表示（変動表示、可変表示ともいう）する。
【００３８】
本実施の形態においては、ＬＥＤよりなる当り表示器およびはずれ表示器を普通図柄表示装置１８に用いた場合を説明したが、これに限らず、７セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を更新表示可能なものを普通図柄表示装置１８に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。なお、ここでは、普通図柄表示装置１８を特別図柄表示装置１２と分離構成した例を示したが、普通図柄表示装置１８の表示内容を、特別図柄表示装置１２の表示領域の一部に表示するように構成されてもよい。
【００３９】
また、特別図柄表示装置１２の上部には、始動入賞記憶表示用の４個のＬＥＤ１４が設けられている。この始動入賞記憶表示用のＬＥＤ１４の点灯している数により、特別図柄の更新表示を始動させるための始動可変入賞球装置１６への入賞数（始動入賞数）が所定数（たとえば、４）を上限として記憶（後述する主制御基板２６に設けられるＲＡＭへの記憶であり、始動入賞記憶と呼ばれる）されていることが表示される。
【００４０】
なお、始動可変入賞球装置１６を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球（入賞玉）を検出する始動口スイッチ１９が設けられており、始動口スイッチ１９により遊技球が検出された場合には、図柄の更新表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示装置１２において、特別図柄の更新表示を開始させる制御が行なわれる。一方、図柄の更新表示が開始できる状態でなければ、始動入賞記憶用のＬＥＤ１４で表示される始動入賞記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、特別図柄表示装置１２での更新表示が開始されるごとに始動入賞記憶が１づつ減り、点灯するＬＥＤ１４が１づつ減らされる。なお、特別図柄表示装置１２において更新表示がなされている間や大当り遊技中（特定遊技状態に制御中）などの間は、次の更新表示を開始することはできないので、その間に発生した始動入賞は保留（記憶）される。この４を上限として記憶される始動入賞記憶が上述の始動入賞記憶表示用のＬＥＤ１４の点灯数により表示されるのである。
【００４１】
また、普通図柄表示装置１８の上部に設けられた通過ゲートを通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ２０が設けられており、遊技球が通過ゲートを通ってゲートスイッチ２０で検出されると、その検出信号に基づいて普通図柄表示装置１８が所定期間更新表示した（前述したように交互に点灯するよう点滅させた）後、表示結果が導出表示される（点滅を停止してどちらか一方を点灯させる）制御が行なわれる。普通図柄表示装置１８の更新表示結果が、普通図柄における当り図柄として予め定められた表示態様、すなわち、当り表示器の点灯表示（○印の点灯表示）である場合には、始動可変入賞球装置１６が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動可変入賞球装置１６に遊技球が入賞しやすい状態となる。その後、一定時間経過または所定個数の入賞により始動可変入賞球装置１６は、閉状態となる。
【００４２】
特別図柄表示装置１２の下方位置には、ソレノイド（図２のソレノイド２５）によって開閉動作される始動可変入賞球装置１６（電動チューリップ役物）と、ソレノイド（図２のソレノイド２４）により駆動される開閉板の開閉動作により開閉される大入賞口を有する可変入賞球装置１５とが上から順に配列されている。始動可変入賞球装置１６に入った遊技球は、始動口スイッチ１９によって検出された後、遊技盤５６の背面に導かれる。また、可変入賞球装置１５に入った遊技球は、特定領域スイッチ２１もしくはカウントスイッチ２２に検出された後、遊技盤５６の背面に導かれる。また、可変入賞球装置１５内に入った遊技球のうち、特定領域スイッチ２１により検出された遊技球は、その後、カウントスイッチ２２に向けて誘導され、カウントスイッチ２２により検出される。したがって、可変入賞球装置１５から内部に入った遊技球は、結果的にすべてカウントスイッチ２２により検出される。
【００４３】
遊技盤５６には複数の入賞口１７が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口１７への入賞は、入賞口スイッチ２３によって検出される。複数の入賞口１７それぞれに対応して入賞口スイッチ２３が設けられているため、各入賞口１７ごとに入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【００４４】
特別図柄表示装置１２の上部には、遊技中に点灯表示されるランプ１３が設けられている。また、遊技領域６２の下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口が設けられいる。
【００４５】
特別図柄表示装置１２での特別図柄（左・中・右図柄３７、３９、３８）の更新表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。停止時の特別図柄（左・中・右図柄３７、３９、３８）の組合せが特定の表示態様である大当り図柄の組合せ（たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。本件実施形態でいう「特定表示結果」となる図柄の組合せ。）になると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が主基板２６の移行制御手段８６によって行なわれる。つまり、表示装置の表示結果が特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態という価値（遊技価値）が付与されるのである。念のために再度記載しておくと、「特定遊技状態」とは、ランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理（たとえば、所定値と一致するか否か等）を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果（たとえば、所定値と一致する結果）であれば表示装置に大当り図柄（たとえば、「７７７」等のゾロ目）を導出表示し、その後移行される遊技状態である。
【００４６】
大当り遊技状態においては、通常遊技状態において閉状態とされている可変入賞球装置１５が、一定時間（たとえば３０秒）経過するまで、または、所定個数（たとえば１０個）の遊技球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、可変入賞球装置１５の開放中に遊技球が特定入賞領域に入賞し特定領域スイッチ２１で検出されると、継続権が発生し可変入賞球装置１５を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数（たとえば１５ラウンド）許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【００４７】
図示を省略するが、可変入賞球装置１５の内部（大入賞口内）においては、シーソー式の球振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、特定領域スイッチ２１の方向へ向けて傾斜した状態と、特定領域スイッチ２１とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド（図示省略）により駆動制御される。その場合、大入賞口が１回開放されたとき（１ラウンド中）には、特定領域スイッチ２１が球を１個検出するまでは、振分部材が特定領域スイッチ２１の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、球が特定領域スイッチ２１により検出されやすい状態にされ、特定領域スイッチ２１が球を１個検出した後は、振分部材が特定領域スイッチ２１とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、球が特定領域スイッチ２１により検出されにくい状態にされる。
【００４８】
また、特別図柄表示装置１２の更新表示中においては、リーチ状態（リーチ表示態様）が発生する場合がある。ここで、リーチ（リーチ状態）とは、停止した図柄（リーチ図柄という）が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄（リーチ更新図柄という）については更新表示が行なわれていること、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して更新表示している状態である。
【００４９】
具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において更新表示が行なわれている状態（たとえば、左、中、右の表示領域のうち、左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる（たとえば「７」）が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ更新表示が行なわれている状態）である。
【００５０】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。
【００５１】
また、リーチの際に、キャラクター（人物などを模した演出表示であり、図柄とは異なるもの）を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクターの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【００５２】
更新表示の停止時における特別図柄表示装置１２での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（以下「確変図柄」、「第１図柄」と称す）の組合せ（確率変動図柄の組合せともいう。本件実施形態でいう「第１特定表示結果」となる図柄の組合せ。）である場合には、まず特定遊技状態（大当り状態）に制御され、この特定遊技状態の終了後に、大当りとなる確率が高い（大当りが発生し易い）特別遊技状態に移行制御手段８６により移行制御される。つまり、表示装置の表示結果が特定の表示態様（特定表示結果）のうちの特別の表示態様（第１特定表示結果）となった場合には、特別遊技状態として、特定の表示態様（特定表示結果）のうちの特別の表示態様以外の表示態様（第２特定表示結果）となった場合と比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される。このような場合には、予め定められた確率変動終了条件（たとえば次の大当り状態が発生すること）が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態（以下、「確変」という。）という遊技者にとってさらに有利な状態となる。このような確率変動状態は、大当りとなる確率が通常遊技状態より向上した確率向上状態とも呼ばれる。
【００５３】
また、確率変動状態では、通常遊技状態に対して、普通図柄表示装置１８における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加（複数回開放するようになる）とが行なわれる。さらに、確率変動状態では、特別図柄表示装置１２および普通図柄表示装置１８における図柄の更新（可変）表示開始から更新表示停止までの時間である更新時間が短縮される時短制御（更新時間短縮制御）が行なわれる。以下、「時短」とは更新時間短縮、更新時間短縮制御、更新時間短縮制御状態を指す。また、特別遊技状態においては「確変」、「時短」となるので、以下、特別遊技状態のことを「確変・時短」という。また、「確変」、「時短」で特別遊技状態を代表させることもある。
【００５４】
一方、更新表示の停止時における特別図柄表示装置１２での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（以下「通常図柄」、「第２図柄」と称す）の組合せである場合には、特定遊技状態（大当り状態）に制御されてその特定遊技状態が終了した後、確率変動状態になることなく通常の大当り発生確率で制御される通常遊技状態に移行する。
【００５５】
図２は、主基板（遊技制御部）を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態における弾球遊技機１は、主として電源基板（電源部）２９と、主基板（遊技制御部）２６と、入力部１９ａと、出力部２４ａと、演出制御基板（演出制御部）３０と、払出制御基板（払出制御部）２７とを備えている。
【００５６】
主基板（遊技制御部）２６と、演出制御基板（演出制御部）３０と、払出制御基板（払出制御部）２７とは、それぞれ別体に設けられ、上述した前面枠３の裏面に設置される。
【００５７】
電源基板２９は、弾球遊技機１内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。主基板２６は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、およびＲＡＭを含む遊技制御マイクロコンピュータ５１を含み、主に特別図柄の更新表示などの遊技において用いる乱数の生成機能、入力部１９ａからの信号の入力を行なう機能、出力部２４ａに対して信号の出力を行なう機能、演出制御基板３０および払出制御基板２７に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【００５８】
この実施の形態では、主基板（遊技制御部）２６および払出制御基板２７に設けられたＲＡＭが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、弾球遊技機１に対する電力供給が停止しても、所定期間はＲＡＭの内容が保存される。そして、各制御基板におけるＣＰＵは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理（たとえば、ＲＡＭの内容の保存処理）を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるＣＰＵは、ＲＡＭにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【００５９】
入力部１９ａは、始動口スイッチ１９、ゲートスイッチ２０、特定領域スイッチ２１、カウントスイッチ２２、入賞口スイッチ２３を含み、主に遊技球の検出を行なうものである。出力部２４ａは、可変入賞球装置１５を駆動するためのソレノイド２４と、始動可変入賞球装置１６を駆動するためのソレノイド２５等を含み、遊技制御基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１からの指令に従って駆動される。
【００６０】
演出制御基板３０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、およびＲＡＭを含む演出制御マイクロコンピュータ５２を含み、遊技制御部２６から送信される制御コマンドおよび選択された更新表示パターンに基づいて、特別図柄などの更新表示制御、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示制御、第２図柄変更表示手段８７による通常図柄の表示態様変更制御、動作表示の変更制御、報知手段８８による通常図柄の変更制御報知、選択された更新表示パターンに基づいてデータ記憶手段３１から図柄データを読み出して特別図柄表示装置１２に表示する制御（表示制御手段５０による制御）、音声出力制御（音声制御手段３２による制御）、ランプなどの電飾制御（ランプ制御手段３３による制御）を実行するものである。また、データ記憶手段３１は特別図柄表示装置１２に図柄を表示するのに用いる図柄データなどを記憶する手段である。
【００６１】
表示制御手段５０は特別図柄表示装置１２に接続されている。特別図柄表示装置１２は、表示制御手段５０に制御され図柄を表示する。また始動可変入賞球装置１６への始動入賞に伴い決定される図柄の更新表示パターンを決定する更新表示パターン事前決定手段４０は主基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１に設けられている。
【００６２】
主基板２６から演出制御基板３０には、演出制御基板３０により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である制御コマンドが伝達されるが、この制御コマンドは、特別図柄表示装置１２の制御を指定する表示制御用コマンドと、音の制御内容を指定する音制御コマンドと、ランプ・ＬＥＤなどの電飾装置の制御を指定する電飾制御コマンドとして活用される。たとえば、表示制御用コマンドとしては、更新表示パターン（更新表示時間も含む）、更新表示の停止図柄、更新表示の停止、大当り時の表示等の更新表示に関する各種指令が示される。表示制御手段５０は、このような表示制御コマンドに応じて特別図柄の更新表示や第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示制御、第２図柄変更表示手段８７による通常図柄の表示態様変更制御、動作表示の変更制御、報知手段８８による通常図柄の変更制御報知、データ記憶手段３１から読み出した図柄データの表示を特別図柄表示装置１２および普通図柄表示装置１８を駆動して行なう。
【００６３】
また、音制御コマンドは、制御コマンドから制御コマンドに関連付けられた音の発生態様（発生パターン）、発生対象音（音の種類）、および音の発生の有無等の音制御に関する各種内容を選択する。この選択した内容が音データである。音声制御手段３２は、スピーカ４１ａ，４１ｂと接続されており、制御コマンドに応じて選択された音データに従ってスピーカ４１ａ，４１ｂを駆動する。
【００６４】
払出制御部２７は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、およびＲＡＭを含む払出制御マイクロコンピュータを含み、払出装置２８に接続される。遊技制御部２６から払出制御部２７には、払出制御部２７により駆動制御される払出装置２８により賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝達される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御部２７では、払出制御用マイクロコンピュータは、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。また、払出制御マイクロコンピュータでは、カードユニット５と相互に情報通信することにより、カードユニット５からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【００６５】
なお、図２においては、更新表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とを１つの演出制御マイクロコンピュータ（演出制御基板）５２で実行する例を示したが、これに限らず、更新表示制御機能、音制御機能およびランプ制御機能をそれぞれ別のマイクロコンピュータで、前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、およびランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。ただし、演出制御マイクロコンピュータ５２（演出制御基板３０）で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ（主基板２６）５１のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【００６６】
上記の始動口スイッチ１９により遊技球が検出された以後の主基板（遊技制御部）２６におけるプロセス処理について、処理手順を簡単に説明する。まず始動入賞に伴い、大当りとするか否かが表示結果事前決定手段４２により決定される。この決定は、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断により決定される。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば１つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。このランダムカウンタは、遊技制御マイクロコンピュータ５１のＲＡＭに設けられており、たとえば、０からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度０からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期（２ｍｓｅｃごと）で１ずつ加算されることとなる。
【００６７】
次に、更新表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの決定（リーチ判定ともいう）は、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。
【００６８】
また、特別図柄の更新表示においてリーチ状態となる決定がされた場合（大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む）には、リーチ状態の更新表示パターンが更新表示パターン事前決定手段４０により複数種類の更新表示パターンのうちから選択的に決定（ランダムに決定）される。このような更新表示パターンの決定（選択）は、更新表示パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、遊技制御マイクロコンピュータ５１のＲＡＭに設けられており、リーチ状態の更新表示パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の更新表示開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた更新表示パターン決定値のうちの一致するものに対応する更新表示パターンとすることが決定される。
【００６９】
また、特別図柄の更新表示における停止図柄の決定は、左，中，右の各図柄に対応する３つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、遊技制御マイクロコンピュータ５１のＲＡＭに設けられており、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左，中，右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左，中，右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って可変（更新）表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の更新表示開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左，中，右の各停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の更新表示開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左，中，右の各停止図柄として決定される。また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左，右の各停止図柄が一致するように決定される。
【００７０】
以上に示したような大当り判定機能、リーチ判定機能、更新表示パターン決定機能および、停止図柄決定機能は、主基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１の制御機能により実現される。
【００７１】
以上のように、特別図柄大当り判定処理、停止図柄設定処理に続いて、更新表示パターン設定処理（特別図柄表示装置１２における図柄（識別情報）の更新表示のパターンすなわち更新表示パターン（可変表示パターン）を決定（選択）し、決定された更新パターンおよび停止図柄等を通知するための制御コマンドを演出制御基板３０の表示制御手段５０等に対して出力する。）その後、特別図柄更新処理に移行する。以下、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理（カウンタやフラグを初期化してソレノイド２４を駆動して可変入賞球装置１５の大入賞口を開放する。）、大入賞口開放中処理（大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。）、特定領域有効時間処理（特定領域スイッチ（Ｖ入賞スイッチ）２１の遊技球通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。）、大当り終了処理（大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示をランプ制御手段３３等に行わせる制御を行う。）が行なわれる。
【００７２】
図３は、図２に示した表示結果事前決定手段４２および移行制御手段８６の具体的な機能を説明するための機能ブロック図である。始動入賞球が始動口スイッチ１９により検出されてその検出信号が表示結果事前決定手段４２に入力されれば、当り外れ決定用のランダムカウンタの現在のカウント値が抽出され（Ｓ１）、その抽出値と予め定められている当り判定値とがイコールであるか否か判定され（Ｓ２）、イコールの場合には大当りを発生させることが事前決定されイコールでない場合には外れにすることが事前決定される。
【００７３】
この当り外れの事前決定結果は、コマンドとして演出制御基板３０へ送信される。演出制御基板３０では、この当り外れの事前決定結果のコマンドをたとえば大当たり予告等の実行に利用する。なお、Ｓ２に基づいてはずれが事前決定された場合には、前述したようにはずれとなる左、中、右の各停止図柄が表示結果事前決定手段４２により決定されてその表示結果を特定するコマンドが演出制御基板３０へ送信される。演出制御基板３０では、そのコマンドにより指定されたはずれ図柄の組合せが特別図柄表示装置１２により停止表示されるように制御する。一方、大当りが事前決定された場合には、どの種類の大当り図柄を特別図柄表示装置１２に停止表示させるかを事前決定するために当り図柄決定用ランダムカウンタの現在のカウント値を抽出する（Ｓ３）。そしてその抽出値に従って当り図柄の組合せを決定する（Ｓ４）。
【００７４】
このＳ４により事前決定された当り図柄の組合せには、前述した確率変動を伴う確変図柄（第１図柄）の組合せとなる第１特定表示結果と、前述した確率変動を伴うことのない通常図柄（第２図柄）の組合せからなる第２特定表示結果との２種類がある。それら両表示結果は、コマンドとして演出制御基板３０に送信されるとともに、移行制御手段８６に入力される。移行制御手段９６では、特定遊技状態（大当り状態）が終了したか否かを判定して（Ｓ５）、終了した段階で、第１特定表示結果が入力されているときには特別遊技状態へ移行する制御が行なわれる（Ｓ６）。この特別遊技状態への移行制御は、Ｓ２の当り外れの判定に用いる判定値の数（種類）を増加させて、大当りの発生確率を向上させる制御である。当り外れ決定用ランダムカウンタは、たとえば０からカウントアップしてその上限である２９９までカウントアップした後再度からカウントアップするものであり、通常では、当り判定値がたとえば「１」と定められているために、大当り発生確率は１／３００となる。一方、特別遊技状態への移行制御がなされて判定値がたとえば１，３１，６１，９１，１２１，１５１，１８１，２１１，２４１，２７１というように、１０種類に増加した場合には、大当りの発生確率は１０／３００＝１／３０となり、１０倍に向上する。
【００７５】
演出制御基板３０では、特別図柄表示装置１２を更新開始させた後、第１特定表示結果のコマンドが送信されてきている場合には確変図柄（第１図柄）のぞろ目となる第１特定表示結果を導出表示させる。一方、第２特定表示結果のコマンドが送信されてきている場合には、通常図柄（第２図柄）のぞろ目からなる第２特定表示結果を導出表示させる制御を行なう。
【００７６】
図４は、図２に示した演出制御基板３０のデータ記憶手段３１内に記憶されているデータを説明するための説明図である。データ記憶手段３１内には、図柄データ記憶領域が設けられており、その図柄データ記憶領域内には、確変図柄記憶領域と通常図柄記憶領域と変更時通常図柄記憶領域とが設けられている。確変図柄は、図６に示されているように、奇数の漢数字からなる識別情報部分と鈴の確変装飾情報部分とから構成されている。図柄データ記憶領域の確変図柄記憶領域には、それら確変図柄「一」〜「九」を、識別情報部分のデータと確変装飾情報部分のデータとに分けて記憶している。なお、確変装飾情報に関しては、本実施の形態では鈴の１種類しか存在しないために、確変図柄「一」〜「九」それぞれについて確変装飾情報を記憶させる代わりに、それら各確変図柄の共通の確変装飾情報として１箇所の記憶領域に記憶させておいてもよい。
【００７７】
通常図柄は、本実施の形態では図６に示すような０を含む偶数の漢数字からなる識別情報部分と各種装飾情報部分とから構成されている。図柄データ記憶領域の通常図柄記憶領域には、それら各通常図柄に対応する識別情報部分のデータと装飾情報部分のデータとが記憶されている。
【００７８】
図柄データ記憶領域の変更時通常図柄記憶領域には、変更通常図柄のデータが記憶される。この変更通常図柄とは、通常図柄でありながら識別情報部分と装飾情報部分との大きさ比を確変図柄と同じ大きさ比に変更した図柄である。図６に示すように、確変図柄の場合には識別情報部分が大きくて装飾情報部分が小さく構成されており、通常図柄の場合にはその逆で、識別情報部分が小さくて装飾情報部分が大きく構成されている。そして、変更通常図柄の場合には、０を含む偶数の漢数字からなる通常図柄でありながら、識別情報部分が大きくて装飾情報部分が小さく変更されたものである（図１３（ａ）参照）。
【００７９】
本実施形態の場合、この変更通常図柄は、通常図柄のうちの所定の通常図柄である「四」と「０」との２種類のみが存在する。変更時通常図柄記憶領域では、この２種類の変更通常図柄に対応してその識別情報部分である変更識別情報のデータとその装飾情報部分である確変装飾情報のデータとを記憶している。この変更通常図柄の表示制御に関しては、後に詳しく説明する。
【００８０】
次に図５を用いて表示制御手段５０の構成について説明する。主基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１に設けられている更新表示パターン事前決定手段４０が始動入賞に伴い決定した図柄の更新表示パターンに基づき、主基板２６から演出制御マイクロコンピュータ５２にある表示制御手段５０に表示制御コマンドである更新表示パターンコマンド４６が送られてくる。この更新表示パターンコマンド４６を受けた演出制御マイクロコンピュータ５２のＣＰＵ５３はクロック信号の入力により制御ＲＯＭ５４に記憶されているプログラムに従って動作する。ＲＡＭ５５はＣＰＵ５３（演出制御マイクロコンピュータ５２）のワークエリアとして機能する。ＣＰＵ５３は入力されてきた更新表示パターンコマンド４６に従って特別図柄表示装置１２を表示制御するための指令信号を出力する。
【００８１】
ＶＤＰ（Ｖｉｄｅｏ Ｄｉｓｐｌａｙ Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）５７には表示クロックの同期信号により水平・垂直同期信号および表示ドライバ用同期信号を発生させる処理信号作成回路、表示すべきスプライト情報（位置・サイズ・種類・色・優先順位など）を記憶するアトリビュートテーブルとそのアトリビュートテーブルの情報に従いデータ記憶手段３１であるキャラクタＲＯＭ５８に記憶されている画像データを読み出してＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）５９に書込む処理を行なうためのスプライト演算部と、表示される色データを記憶しているパレットテーブルと、異なったタイプの表示装置に対応するための色味を変換する処理を行なうＤＡＣテーブルとが備えられている。特別図柄表示装置１２の液晶画面用ドライバ回路基板８５はＤＡＣテーブルから出力されてきた画像信号を表示駆動に必要な映像信号に変換して特別図柄表示装置１２の液晶パネル６１へ出力する。特別図柄表示装置１２の液晶パネル６１はその信号を受けて映像を表示する。
【００８２】
次に遊技状態が大当りに制御される特定表示結果の図柄について、図６に基づき説明する。特別図柄表示装置１２で導出表示される表示結果の大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（以下「通常図柄」と称す）の組合せを本件実施形態では「第２特定表示結果」と称している。この「第１特定表示結果」（確変図柄の組合せ）と「第２特定表示結果」（通常図柄の組合せ）に用いられる特別図柄（図柄）を図６に例示している。
【００８３】
図６に示すように、確変図柄（第１図柄）は飾りキャラクタに比べ大きく表示している「一」「三」「五」「七」「九」のいずれかの数字からなる識別情報（第１識別情報）と識別情報に比べ小さく表示している飾りキャラクタ（第１装飾情報）とで特別図柄（第１図柄）が構成され、通常図柄（第２図柄）は識別情報に比べ大きく表示している飾りキャラクタ（第２装飾情報）と飾りキャラクタに比べ小さく表示している「０」「二」「四」「六」「八」のいずれかの数字からなる識別情報（第２識別情報）とで特別図柄（第２図柄）が構成されている。
【００８４】
図６では、通常図柄（第２図柄）として、装飾情報より小さく表示されるが、当り・はずれに影響する識別情報（第２識別情報）である「二」「四」「六」「八」「０」と演出などに用いる装飾情報（第２装飾情報）であって、識別情報より大きく表示される蚊取り線香置き、風鈴、団扇、太鼓とばち、祭り用法被の絵が組合された図柄が記載されている。他方、確変図柄（第１図柄）としては、装飾情報より大きく表示される識別情報（第１識別情報）である「一」「三」「五」「七」「九」と識別情報より小さく表示される装飾情報（第１装飾情報）である鈴の絵との組合された図柄が記載されている。
【００８５】
本実施形態では、確変図柄の第１装飾情報（鈴の絵）が通常図柄の第２装飾情報（蚊取り線香置き、風鈴、団扇、太鼓とばち、祭り用法被の絵）より小さく構成され、確変図柄の第１識別情報（一、三、五、七、九）が通常図柄の第２識別情報（二、四、六、八、０）より大きく構成されているが、本実施形態とは逆に、確変図柄の第１装飾情報を通常図柄の第２装飾情報より大きく構成し、確変図柄の第１識別情報を通常図柄の第２識別情報より小さく構成してもよい。
【００８６】
なお、本実施形態では、確変図柄の数字からなる第１識別情報が表示される大きさと通常図柄の数字からなる第２識別情報が表示される大きさとの比率（たとえば、略３：１）と、確変図柄の鈴の絵からなる第１装飾情報が表示される大きさと通常図柄の第２装飾情報が表示される大きさとの比率（たとえば、略１：３）とは略逆の大きさ比率となっている。これらの特別図柄が特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７、中図柄表示部４９、右図柄表示部４８で同じ特別図柄でぞろ目の表示結果となったときに大当り状態（特定遊技状態）に制御される。
【００８７】
このとき、奇数の数字（第１識別情報）が大きく表示される確変図柄でぞろ目になると、大当り状態への制御終了後に、確率変動状態、更新表示時間短縮制御の行なわれる特別遊技状態に制御される。偶数の数字（第２識別情報）が小さく表示される通常図柄でぞろ目になると、大当りへの制御終了後に、通常遊技状態に戻る単なる大当り状態に制御される。
【００８８】
以上説明したように、確変時短付きの特別遊技状態に制御されることになる「第１特定表示結果」を構成する第１図柄は、大きく表示される数字（奇数）からなる第１識別情報と小さく表示される第１装飾情報とを含んでいる。単なる特定遊技状態（大当り状態）に制御されることになる「第２特定表示結果」を構成する第２図柄は、小さく表示される数字（偶数、但し「０」も偶数とみなす。）からなる第２識別情報と大きく表示される第２装飾情報とを含んでいる。
【００８９】
次に、図７を用いて、特別図柄表示装置１２における第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御について説明する。まず、動作表示とは、特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７、中図柄表示部４９、右図柄表示部４８のいずれかの図柄表示部に表示されている図柄を当該図柄表示部上において動きのある表示とするものである。図柄単位での動作表示とは、識別情報と装飾情報とを一体化した１つの図柄として、図柄全体を単位として、動作表示を行なうものである。
【００９０】
具体例でいうと、特別図柄表示装置１２のいずれかの図柄表示部に表示されている確変図柄「七」（第１図柄）が、大きく表示された数字「七」（第１識別情報）と小さく表示された鈴の絵（第２装飾情報）とを一体化した１つの図柄として、図柄全体を単位として、その図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄をその図柄表示部上に投射した平面図で表示し、この図柄全体を一体として左まわりに回転している様子を表示するものである。
【００９１】
この回転している様子の表示は当該図柄表示部上において刻々と平面図で表示されるが、図７はこの刻々と変化する表示の様子を平面上で記載した説明図である。図７の中心部に矢印で変化のサイクルを表わしている。確変図柄（第１図柄）の動作表示は図柄単位での動作表示を行ない、図２に示す演出制御基板３０にある表示制御手段５０に含まれる第１表示制御手段４４によって行なわれる。
【００９２】
次に、図８を用いて、第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示制御について説明する。図柄の構成単位部分としての動作表示とは、識別情報と装飾情報とをそれぞれ図柄の構成単位部分として、この図柄の構成単位部分で別々にあるいは、その１方のみの動作表示を行なうものである。具体例でいうと、特別図柄表示装置１２のいずれかの図柄表示部に表示されている通常図柄「０」（第２図柄）が、小さく右下に表示された数字「０」（第２識別情報）と大きく表示された祭り用法被の絵（第２装飾情報）とをそれぞれ図柄の構成単位部分として、この図柄の構成単位部分で別々にあるいは、その１方のみの動作表示をするものである。この場合、数字「０」（第２識別情報）は停止したままで、祭り用法被の絵（第２装飾情報）のみがその図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄を投射した平面図で表示し、この祭り用法被の絵（第２装飾情報）が左まわりに回転している様子が表示される。
【００９３】
この動作表示は当該図柄表示部上において刻々と動く図柄を投射した平面図で表示されるが、図８はこの刻々と変化する表示の様子を平面上で記載した説明図である。図８の中心部に矢印で変化のサイクルを表わしている。通常図柄（第２図柄）の動作表示は図柄の構成単位部分としての動作表示を行ない、図２に示す演出制御基板３０にある表示制御手段５０に含まれる第２表示制御手段４５によって行なわれる。
【００９４】
次に、図９〜図１３に示す図柄の回転表示等の特殊な動作表示制御について説明する。これら図９〜図１３に示す種々の図柄表示状態は、遊技状態や遊技制御用マイクロコンピュータ５１による内部判定結果に応じて、選択的に表示されるものである。図９を用いて、特別図柄表示装置１２における、リーチ後の第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、第２表示制御手段４５による図柄構成部分単位での動作表示制御を用いて確変図柄による特定表示結果になるまでの更新表示について説明する。遊技球が始動可変入賞球装置１６を通過し、始動口スイッチ１９により検出され、更新表示開始条件が成立した場合に、特別図柄の更新表示を開始させる制御が行なわれる。図９（ａ）が特別図柄の更新表示中である。やがて特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７で、図９（ｂ）に示すように特別図柄が停止する。つづいて、右図柄表示部４８でも、図９（ｃ）に示すように特別図柄が停止する。左、右の停止図柄とも確変図柄「七」で、リーチとなったことがわかる。さらに、確変図柄によるリーチであるから、特別遊技状態（確変付き大当り状態）に制御される可能性があることがわかり、遊技者はその期待感を抱くこととなる。なお、特別図柄の更新表示は、更新表示パターン事前決定手段４０が事前に決定した更新表示パターン（可変表示パターンともいう）にしたがって表示制御される。
【００９５】
このリーチになるまでは、図９（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に下方への矢印（↓）で示すように、各特別図柄は単に下方向にスクロールして更新表示していた。リーチ状態になると、通常図柄「０」は上述した第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示を行なう。すなわち、通常図柄の小さく表示されている数字「０」（第２識別情報）は停止したままで、大きく表示された祭り用法被の絵（第２装飾情報）のみがその図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄を投射した平面図で表示し、この祭り用法被の絵（第２装飾情報）が左まわりに回転している様子が表示される。
【００９６】
祭り用法被の絵（第２装飾情報）は回転しながら上から下にスクロール表示されて表示画面の下方に消えて行き、次に確変図柄「一」が、図９（ｅ）に示すように中図柄表示部４９に表示される。この確変図柄「一」は上述した第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示を行なう。すなわち、確変図柄の大きく表示された数字「一」（第１識別情報）と小さく表示された鈴の絵（第１装飾情報）とを一体化した１つの図柄として、１つの回転軸を中心にして左まわりに回転しながら上から下にスクロール表示されて表示画面の下方に消えて行く。
【００９７】
このように、図柄が回転表示されながら上から下にスクロール表示されて順次次の種類の図柄に更新されて更新表示が行なわれ、最終的に表示される図柄が、図９（ｆ）に示す確変図柄「七」である。この確変図柄「七」も第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示を行なう。すなわち、数字「七」（第１識別情報）と小さく表示された鈴の絵（第１装飾情報）とを同じ回転軸を中心として同時に左まわりに回転する動作表示をする。しかし、今度は消滅しなかったとする。つまり、この確変図柄「七」で中図柄が停止し、表示結果となったのである。すると、左、中、右の図柄がいずれも同じ確変大当り図柄「七」のぞろ目であるから、確変付き大当りの遊技状態に制御され、遊技者の期待感に応えた結果となったのである。
【００９８】
次に図１０を用いて、第２表示制御で通常図柄の第２装飾情報を消滅させて第２図柄情報のみを動作表示する制御を説明する。リーチになるまでの図１０（ａ）〜（ｃ）は前述した図９（ａ）〜（ｃ）と同じであるから割愛し、リーチになった後について説明する。図１０（ｄ）に示すように、中図柄表示部４９に表示される特別図柄は、通常図柄「０」である。この通常図柄「０」は上述した第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示を行なう。但し、今回は図９（ｄ）で説明した動作表示と多少異なった別の図柄の構成単位部分としての動作表示である。
【００９９】
ここでは、図１０（ｄ）に示すように、祭り用法被の絵（第２装飾情報）のみが消滅し、残った小さく表示されている数字図柄「０」（第２識別情報）がのみがその図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄を投射した平面図で表示し、この祭り用法被の絵（第２装飾情報）が左まわりに回転している様子が表示される。。
【０１００】
次に図１０（ｅ）に示すように確変図柄「一」が表示され、第１表示制御により、動作表示制御される。数字「一」（第１識別情報）と鈴の絵（第１装飾情報）とを同じ基準軸を中心として同時に左まわりに回転しながら上から下にスクロール表示されて表示画面の下方に消えて行く。このように、図柄が回転表示されながら上から下にスクロール表示されて順次次の種類の図柄に更新されて更新表示が行なわれ、最終的に表示される図柄が、（ｆ）に示す確変大当り図柄「七」であり、「第１移動表示制御」後も消滅せずに表示結果となり、確変付き大当りに制御される。そして最終的に、図１０（ｆ）に示すように確変図柄「七」での表示結果となっている。この図１０（ｅ）（ｆ）は図９（ｅ）（ｆ）と同様である。
【０１０１】
次に図１１を用いて、リーチになるまでに、第１表示制御が使用される表示状態を説明する。図１１（ａ）は、図９（ａ）と同じく、各特別図柄は単に下方向にスクロールして更新表示していた。やがて特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７で図１１（ｂ）に示すように確変大当り図柄「七」が第１表示制御手段４４によって表示制御し始める。即ち、数字図柄「七」と鈴の絵とを１つの回転軸を中心として同時に左まわりに回転する動作表示をする。その後消滅しなかったとする。つまり、この確変大当り図柄「七」で左特別図柄３７が停止し、表示結果となったのである。
【０１０２】
やがて、図１１（ｃ）のように、右図柄表示部４８でも確変図柄「七」が第１表示制御手段４４によって動作表示制御し始める。そしてここでも回転後の特別図柄が消滅しなかったとする。つまり、この確変図柄「七」で右特別図柄３８も停止し、表示結果となったのである。このようにして図１１（ｄ）に示す確変図柄「七」で、リーチとなったのである。以下の図１１（ｅ）〜（ｇ）は図９（ｄ）〜（ｆ）と同じであるから、その説明を繰返さない。
【０１０３】
次に、図１２に基づいて、図柄の回転方向がチェンジされた表示状態を説明する。図１２（ａ）〜（ｃ）は図９（ａ）〜（ｃ）と同じである。そして、リーチが成立した後、図１２（ｄ）から（ｅ）（ｆ）に示すように、第１図柄、第２図柄が、回転方向をチェンジして表示される。具体的には図１２（ｄ）の縦軸を中心とし左方向に回転する表示から（ｅ）（ｆ）の横軸を中心とした回転表示になる。このように、リーチ成立後、中図柄について、図柄の回転表示の回転方向を切換えてチェンジする表示がなされる。
【０１０４】
次に図１３に示す図柄表示状態を説明する。この表示状態は、更新表示が行なわれても、なかなか特定表示結果の表示結果にならないときに、遊技者の失望を防止し、興趣を盛り上げるために、第２図柄変更表示手段８７によって１部の通常図柄（具体的には「０」、「四」の図柄）を変更通常図柄として確変図柄と同じ表示態様で表示し、第１表示制御手段４４と同じく、図柄単位での動作表示制御によって第２識別情報と第２装飾情報とを表示制御するものである。
【０１０５】
更新表示しても、なかなか特定表示結果にならないときに、たとえば、５００回の更新表示が終了しても、大当り（特定遊技状態）にならないとき、図６に示す通常図柄の１部を変更通常図柄として確変図柄の表示態様で表示する。つまり、通常図柄の識別情報部分（偶数の数字）を大きく表示し、装飾情報部分を小さく表示する。また、通常図柄の装飾情報はその識別情報である数字毎にそれぞれの絵からなっているが、確変図柄の表示態様（変更通常図柄）になると、装飾情報は鈴の絵になってしまう。さらに、通常は確変図柄の動作表示態様である、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御を行なう。つまり、数字（識別情報）と鈴の絵（装飾情報）とを一体化した１つの図柄として、１つの回転軸を中心にして左まわりに回転する動作表示を行なう。
【０１０６】
以上のように、通常図柄を確変図柄の表示態様に変更したものを前述したように「変更通常図柄」という。このように、通常図柄を変更通常図柄に変更するのは、表示制御手段５０に含まれる第２図柄変更表示手段８７の働きによる。そしてその変更通常図柄は、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御が行なわれることとなる。また、図１３（ａ）に示すように、表示制御手段５０に含まれる報知手段８８が通常図柄を確変図柄の表示態様で表示することになったことを、特別図柄表示装置１２の液晶画面に表示して、遊技者に報知する。またこの報知により、遊技者は通常図柄が、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御を行なうことになったことをも知ることができる。表示態様を変えれば、動作表示態様も連動して変わることを知っているからである。
【０１０７】
通常図柄を確変図柄の表示態様で表示したからといっても、また、確変図柄の動作表示態様での動作表示制御を行なったからといっても、第２識別情報の「０」「二」「四」「六」「八」が第１識別情報の「一」「三」「五」「七」「九」に変わるわけではないので、通常図柄が確変図柄になったり、第２特定表示結果が第１特定表示結果になるわけではないが、ちょっと見た目には確変図柄が表示されたと勘違いしたり、第１特定表示結果が表示される確率が高まったような錯覚にとらわれ、遊技者の興趣を高めることになる。
【０１０８】
次に具体的に表示例で説明する。図１３（ａ）が通常図柄を確変図柄の表示態様で表示することになったことを報知する、表示画面である。通常図柄「０」、通常図柄「四」がそれぞれ確変図柄の表示態様で表示された図柄に変化することを矢印で表示し、下方に「になったよ！」との表示も備えている。なお、この報知は特別図柄表示装置１２の液晶画面に表示する例を説明したが、これに限るものではなく、この画面表示とともに、音（スピーカ４１ａ、４１ｂ）や光（ランプ、ＬＥＤなど）による演出も併用して、報知効果を上げることもできる。勿論、音や光による単独報知も可能である。
【０１０９】
図１３（ｂ）は下方向にスクロールして更新表示されている様子を表わしている。図１３（ｃ）は下方向にスクロールして左特別図柄３７が確変図柄表示態様の確変図柄「五」で停止し確定したことを表わしている。図１３（ｄ）は下方向にスクロールして右特別図柄３８も、左特別図柄３７と同じ、確変図柄「五」で停止し確定したことを表わしている。そこで第１特定表示結果が達成されるかどうかの期待がかかるリーチ状態となっている。
【０１１０】
図１３（ｅ）には、リーチ後の最終停止表示部となる、中図柄表示部４９に通常図柄「二」が表示され、第２表示制御手段４５による図柄構成部分単位での動作表示制御、つまり、識別情報「二」は停止した状態で装飾情報（蚊取り線香置き）のみが左まわりに回転している状態を表わしている。やがて、通常図柄「二」は消滅し、図１３（ｆ）に示すように確変図柄「三」が表われ、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、つまり、識別情報「三」と装飾情報（鈴の絵）とが一体化して左まわりに回転し、やがて、確変図柄「三」は消滅する。
【０１１１】
次に、図１３（ｇ）のように確変図柄の表示態様で表示された通常図柄「四」（変更通常図柄）が表われ、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、つまり、識別情報「四」と装飾情報（鈴の絵）とが一体化して左まわりに回転する。やがてこの変更通常図柄「四」もスクロール表示されて表示画面外へ消え、次に確変図柄「五」が表われるがこれは消滅することなく、図１３（ｈ）に示す、最終の確定した停止図柄となる。そこで、確変図柄「五」のぞろ目であるから、特別遊技状態に制御される確変大当り（第１特定表示結果）になったことがわかる。
【０１１２】
以上に示したような弾球遊技機１の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御（遊技制御）は、主基板２６（遊技制御基板ともいう。図２参照）に設けられたＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ ）、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、およびＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）を含む遊技制御マイクロコンピュータ５１により実行される。また、遊技制御マイクロコンピュータ５１は、弾球遊技機１の遊技の進行に伴って、後述する演出制御基板３０の演出制御マイクロコンピュータ５２にコマンドを送信して、演出制御マイクロコンピュータ５２により特別図柄表示装置１２の表示制御、スピーカ４１ａ，４１ｂから出力される音の制御、ランプ・ＬＥＤ１０，１１，１３，１４における電飾制御が実行される。
【０１１３】
さらに、図１には、弾球遊技機１に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット５も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【０１１４】
カードユニット５には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ、カード内に記憶された残額情報に端数（１００円未満の数）が残存する場合にその端数を上皿７の近傍に設けられている度数表示ＬＥＤに生じさせるための端数表示スイッチ、カードユニット５がいずれの側の弾球遊技機１に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット５内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット５を開放するためのカードユニット錠が設けられている。
【０１１５】
図１４は、制御制御基板３０の演出制御マイクロコンピュータ５２の制御動作を示すフローチャートである。まずＳ１１により、特別図柄表示装置１２の更新表示回数Ｎを計数する処理がなされる。つまり、更新表示が開始されると＋１される。そしてＳ１２により、大当りが発生したか否かの判断がなされ、大当りが発生すれば更新表示回数Ｎがクリアされて「０」となる。具体的にいうと、表示結果事前決定手段４２により大当りが事前決定され、演出制御基板３０側がその大当り決定コマンドを受信して今回の図柄の更新表示により大当り図柄の組合せ（ぞろ目）が表示されるときに、Ｎがクリアされて「０」になる。この処理により、更新表示回数Ｎは、大当り発生が事前決定した後次の大当り発生が事前決定するまでの間において現在の特別図柄表示装置１２の更新表示回数の値となる。
【０１１６】
次にＳ１４により、リーチになるか否かの判断がなされる。リーチにならない場合にはＳ２５へ進むが、リーチになる場合にはＳ１５へ進み、中図柄について回転表示フラグをＯＮにする処理がなされる。次にＳ１６に進み、大当りが事前決定されているか否かの判断がなされる。大当りが事前決定されている場合には、Ｓ１７に進み、高確率用カウンタ１の抽出値に基づいてリーチ構成図柄（左図柄と右図柄）の回転表示制御を行なうか否かの判断処理が行なわれる。この高確率用カウンタ１は、たとえば０からカウントアップして上限である１までカウントアップした後再度０からカウントアップするものであり、その高確率用カウンタ１の抽出値がたとえば「１」であった場合に回転表示制御を行なう旨の決定がなされる。次にＳ１８に進み、高確率用カウンタ２の抽出値に基づいて中図柄の回転方向チェンジを行なうか否かの判断処理がなされる。この高確率用カウンタ２は、前述した高確率カウンタ１とは別のカウンタで構成されており、たとえば０からカウントアップしてその上限である１までカウントアップした後再度０からカウントアップするものである。この高確率用カウンタ２の抽出値がたとえば「１」の場合には、中図柄の回転方向チェンジを行なう決定がなされる。次に制御がＳ２１へ進む。
【０１１７】
一方、Ｓ１６により大当りが事前決定されていないと判定された場合には、制御がＳ１９へ進み、低確率用カウンタ１の抽出値に基づいてリーチ構成図柄の回転表示制御を行なうか否かの判定処理がなされる。この低確率用カウンタ１は、たとえば０からカウントアップしてその上限である９までカウントアップした後再度０からカウントアップするものである。
【０１１８】
そしてその低確率用カウンタ１の抽出値がたとえば「１」のときには、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）の回転表示制御を行なう旨の判定がなされる。次にＳ２０へ進み、低確率用カウンタ２の抽出値に基づいて中図柄の回転方向チェンジを行なうか否かの判定処理がなされる。この低確率用カウンタ２は、前述した低確率用カウンタ１とは別のカウンタで構成されており、たとえば０からカウントアップしてその上限である９までカウントアップした後再度０からカウントアップするものである。この低確率用カウンタ２の抽出値がたとえば「１」であったときには、中図柄の回転方向チェンジを行なう旨の判定がなされる。
【０１１９】
次に制御がＳ２１へ進み、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示を行なうか否かの判定がなされる。Ｓ１７あるいはＳ１９によりリーチ構成図柄について回転表示を行なう旨の判定がなされているときには、Ｓ２１によりＹＥＳの判断がなされてＳ２２へ進み、リーチ構成図柄について回転表示フラグをＯＮにする処理がなされる。次にＳ２３により、中図柄について回転方向チェンジを行なうか否かの判定がなされる。Ｓ１８あるいはＳ２０により中図柄の回転方向チェンジを行なう旨の判定がなされているときには、Ｓ２３によりＹＥＳの判断がなされてＳ２４へ進み、中図柄について回転方向チェンジフラグをＯＮにする処理がなされた後Ｓ２５へ進む。
【０１２０】
Ｓ１６〜Ｓ２４の処理により、大当りが事前決定されている場合には大当りが事前決定されていない場合に比べて高い確率で、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示制御がなされるとともに中図柄について回転方向をチェンジして逆回転表示させる制御がなされることとなる。
【０１２１】
Ｓ２５では、図柄表示制御処理がなされる。この図柄表示制御処理のサブルーチンプログラムのフローチャートが、図１５に示されている。
【０１２２】
図１５を参照して、Ｓ３０により、変更通常図柄フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。この変更通常図柄フラグとは、通常図柄を前述した変更通常図柄に変更して表示させるためのフラグであり、Ｓ３５によりＯＮに制御され、Ｓ３３によりＯＦＦに制御される。未だに変更通常図柄フラグがＯＮになっていない場合には制御がＳ３４へ進み、前述した更新表示回数Ｎの値が５００以上であるか否かの判断がなされる。５００以上でない場合にはＳ４２へ進むが、５００以上の場合にはＳ３５により、変更通常図柄フラグをＯＮにする処理がなされる。次にＳ３６により、所定の通常図柄（本実施の形態では「０」と「四」との２種類の通常図柄）が変更通常図柄になった旨の表示を行なう処理がなされる。その表示状態が図１３（ａ）に示されている。
【０１２３】
なお、本実施形態においては変更通常図柄として、通常図柄のうち、「０」、「四」の２つのみを用意しているが、このように固定的にする必要はなく、すべての通常図柄について変更通常図柄を用意しておき適宜選択していくつかの変更通常図柄を使用するようにしてもよい。この場合は図１５のＳ３８〜Ｓ４１もそれに併せて変更する必要がでてくる。
【０１２４】
一方、Ｓ３０で変更通常図柄フラグがＯＮになっている場合には制御がＳ３１へ進み、更新表示回数Ｎが５００以上であるか否かの判断がなされる。５００以上の場合にはＳ３７へ進むが、５００以上でない場合にはさらにＳ３２に進み、Ｎが０であるかどうかが判定される。０（ＹＥＳ）のときは、Ｓ３７に進み、０でない（ＮＯ）ときはＳ３３に進み、変更通常図柄フラグをＯＦＦにした後Ｓ４２へ進む。
【０１２５】
このＳ３２のステップにより、今回大当り図柄の組合せが表示される際には、Ｎ＝０となり、Ｓ３３の変更通常図柄フラグをＯＦＦにする処理がなされることなくＳ３７に進むために、変更通常図柄はそのままスクロール表示されて図柄の更新表示がなされることとなる。
【０１２６】
Ｓ３７では表示結果事前決定手段４２による表示結果が大当り（特定表示結果）となっているかどうかが判断される。大当りの結果となっていないＮＯのときはＳ４２に進む。大当りの結果となっているＹＥＳのときは、Ｓ３８にて、その大当りとなっている停止図柄が「０」か「四」か判断される。「０」、「四」以外の大当り図柄（ＮＯ）のときはＳ４２に進む。「０」か「四」のＹＥＳのときは、Ｓ３９で「０」かどうかが判断され、ＹＥＳのときはＳ４０で大当り図柄が「０」から「二」に変更される。ＮＯのときはＳ４１で大当り図柄が「四」から「六」に変更される。
【０１２７】
前述したように、更新表示回数Ｎは大当りが発生する段階でクリアされるが、Ｓ３２のステップのために（図１４：Ｓ１２、Ｓ１３および図１５：Ｓ３１〜Ｓ３３参照）、変更通常図柄を含む複数種類の図柄が更新表示された後大当り図柄の組合せで停止表示されて大当り状態が発生してそれが終了した後に、変更通常図柄がもとの通常図柄に復帰することとなる。その変更通常図柄を含む複数種類の図柄が更新表示された後停止表示されて、その変更通常図柄によるぞろ目からなる大当り図柄の組合せが仮に表示されたとした場合には、遊技者が確変図柄による大当りが発生したと思いこむ可能性がある。ところが、この変更通常図柄は、確率変動図柄と似せた図柄の表示構成になっているだけで、確率変動図柄でないために以降確率変動状態になることはあり得ない。このような、遊技者の確率変動図柄による大当りが発生したという思い込みの誤解を回避するために、Ｓ３８〜Ｓ４１の制御により、変更通常図柄（「０」または「四」）によるぞろ目の大当り図柄表示がなされないように制御しているのである。
【０１２８】
但し、最終の大当りとなる停止図柄以外の更新表示においては、変更表示フラグがＯＮになっていれば、「四」、「０」の変更通常図柄が表示されたり、さらに第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行することはある。この場合は遊技者が変更通常図柄を確変図柄と錯覚し、確変大当りになるかなと期待感で喜んでも、最後の停止図柄で変更通常図柄の大当りになることはないので、前述した遊技者の思い込みによる誤解を回避することができる。
【０１２９】
次にＳ４２では、特別図柄表示装置１２の表示領域に次に現れる図柄が通常図柄であるか否かの判断がなされる。通常図柄でない場合にはＳ４３により、確変図柄を表示する制御がなされる。一方通常図柄であると判断された場合にはＳ４４により、所定の通常図柄（「０」または「四」の通常図柄）であるか否かの判断がなされ、所定の通常図柄でない場合にはＳ４６により通常図柄表示がなされる。一方所定の通常図柄の場合には、Ｓ４５へ進み、変更通常図柄フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされ、ＯＮになっていない場合にはＳ４６により通常図柄の表示がなされる。変更通常図柄フラグがＯＮになっている場合には制御がＳ４７へ進み、変更通常図柄を表示させる制御がなされる。
【０１３０】
次に制御がＳ４８へ進み、特殊動作表示制御がなされる。この特殊動作表示制御の詳細については図１６に基づいて後述する。
【０１３１】
次に制御がＳ４９へ進み、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）の回転表示が完了したか否かの判断がなされ、完了していない場合にはＳ５１へ進むが、完了している場合にはＳ５０へ進み、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示フラグをＯＦＦにする処理がなされてＳ５１へ進み、Ｓ５１では、中図柄回転表示が完了したか否かの判断がなされ、完了していない場合にはＳ５３へ進むが、完了している場合にはＳ５２により、中図柄について回転表示フラグをＯＦＦにする処理がなされた後Ｓ５３へ進む。
【０１３２】
Ｓ５３では、中図柄回転方向切換表示が完了したか否かの判断がなされる。中図柄回転方向切換表示が完了した場合にはＳ５４へ進み、中図柄について回転方向チェンジフラグをＯＦＦにする処理がなされる。
【０１３３】
なお、Ｓ４９のリーチ構成図柄の回転表示が完了したか否かの判断、Ｓ５１の中図柄回転表示が完了したか否かの判断、Ｓ５３の中図柄回転方向切換表示が完了したか否かの判断は演出制御マイクロコンピュータ５２のＲＡＭ５５に形成されたカウンタによる計時手段によって為される。具体的には、主基板２６から送られてきた更新パターンコマンドに基づいて、そのタイミングになったか否かを判定するためのカウンタをＲＡＭ５５内に設け、初期値（たとえば５０）からダウンカウントして０の値になったか否かを判定して０になったときにこれら回転表示や回転方向切換表示が完了したものと判断する。
【０１３４】
次に、図１６に基づいて、Ｓ４８に示された特殊動作表示制御のサブルーチンプログラムのフローチャートを説明する。
【０１３５】
まずＳ５５により、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。ＯＮになっていない場合にはＳ５６へ進み、中図柄について回転表示フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。なっていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
【０１３６】
Ｓ１５により中図柄について回転表示フラグをＯＮにする処理がなされている場合には、Ｓ５６によりＹＥＳの判断がなされてＳ５７へ進み、リーチ表示後か否かの判断がなされる。左図柄と右図柄とが停止表示されてリーチが成立した後である場合にはＳ５７によりＹＥＳの判断がなされてＳ５９へ進み、以降の図柄の回転表示制御等の特殊動作表示制御がなされる。
【０１３７】
一方、Ｓ５５により、リーチ構成図柄について回転表示フラグがＯＮになっていると判断された場合には、Ｓ５８により、左，右図柄についてリーチ構成図柄を表示させるタイミングであるか否かの判断がなされる。リーチ構成図柄を表示させるタイミングでなければそのままこのサブルーチンプログラムが終了するが、リーチ構成図柄を表示させるタイミングすなわち図１１の（ｂ）（ｃ）のタイミングの場合には、制御がＳ５９に進み、以降の図柄回転表示等の特殊動作表示制御がなされる。
【０１３８】
特殊動作表示制御はまず、Ｓ５９により、特殊動作表示の対象となる図柄が確変図柄または変更通常図柄であるか否かの判断がなされる。確変図柄または変更通常図柄の場合には、Ｓ６０により、その図柄単位での回転表示がなされる。Ｓ５５とＳ５８とによりＹＥＳの判断がなされたことに基づいてＳ６０により行なわれる図柄単位での回転表示は、図１１（ｂ）（ｃ）に示されている。一方、Ｓ５６、Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたことに基づいてＳ６０により図柄単位での回転表示が行なわれた場合は、図９（ｅ）図１０（ｅ）図１１（ｆ）図１３（ｇ）に示されている。
【０１３９】
一方、回転表示制御する対象となる図柄が変更通常図柄でない通常図柄の場合には、Ｓ５９によりＮＯの判断がなされてＳ６１へ進み、装飾情報を消滅させるか否かの判断がなされる。この判断は、たとえば消滅用ランダムカウンタを設けてそのランダムカウンタの抽出値に基づいてランダムに決定される。消滅させないと判断された場合にはＳ６２へ進み、識別情報を回転させることなく装飾情報を回転表示させる制御がなされた後Ｓ６４へ進む。このＳ６２による回転表示は、Ｓ５５とＳ５８とによりＹＥＳの判断がなされたことに基づいて左図柄と右図柄とにリーチ確定図柄が表示される際に通常図柄について回転表示される場合と、Ｓ５６とＳ５７によりＹＥＳの判断がなされてリーチ成立後中図柄について通常図柄を回転表示させる場合との２つのケースがある。前者のケースは、表示画面による図示を省略しているが、後者のケースは図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１３（ｅ）に示されている。
【０１４０】
Ｓ６１により装飾情報を消滅させると判定された場合には、Ｓ６３へ進み、装飾情報を消滅させて通常図柄の回転表示を行なう処理がなされる。この具体例が、図１０（ｄ）に示されている。
【０１４１】
Ｓ６４では、中図柄について回転方向チェンジフラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。ＯＮになっている場合にはＳ６５に進み、リーチ表示後であるか否かの判断がなされる。左図柄と右図柄とが停止してリーチが表示された後においてはＳ６５によりＹＥＳの判断がなされてＳ６６へ進み、回転方向を逆方向に切換えて表示する制御がなされる。この回転方向のチェンジ方向の具体例が、図１２（ｄ）（ｅ）（ｆ）に示されている。
【０１４２】
以上説明したように、左図柄と右図柄とについてリーチ構成図柄が回転表示された場合あるいは中図柄について回転方向チェンジ表示が行なわれた場合には、通常より高い確率で特定遊技状態が発生することとなるために、このような回転表示が行なわれることにより特定遊技状態（大当り状態）の発生の予告を遊技者に行なうことが可能となり、遊技者の特定遊技状態発生への期待感を盛り上げることができる。
【０１４３】
プログラムに関連する実施形態を以下説明する。図１７はサーバ６６の主要構成６８、サーバ６６のＲＯＭが備えるプログラム内容６９および記憶媒体としてのＣＤ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ）６７の収納しているプログラム内容７０の構成を説明する図である。なお、サーバ（ｓｅｒｖｅｒ）とは、コンピューター・ネットワーク上で他のコンピューターにファイルやデータを提供するコンピューター、またその提供するためのプログラムをいう。
【０１４４】
まず、スタートすると、ステップ（以下単にＳという）７１で遊技情報の受信処理を行なう。次にＳ７２で図柄の更新表示パターン決定処理を行なう。これは、先に記載した実施の形態において説明した、更新表示パターン事前決定手段４０によるものである。次にＳ７３では、図柄表示制御処理を行なう。これは決定された更新表示パターンに基づきデータ記憶手段より図柄を読み出して表示するものであり、図１４〜図１６にて詳細に説明した内容である。Ｓ７３は先に説明した表示制御手段５０が備えている。Ｓ７４では、各種処理結果データ返信処理を行なう。これは上記処理結果を関係先に配信処理するものである。
【０１４５】
上記プログラムの内、２点鎖線で囲まれた部分７０のプログラムがＣＤ６７に収められて販売される。ＣＤ６７は遊技ホールのホール管理用コンピュータやＣＤリーダを備えＣＤ６７からのプログラムデータを読取可能とした各遊技機端末にＣＤ６７が記憶保持しているプログラムデータをコピーさせ先の実施の形態で説明した特別図柄表示装置１２と同様な表示装置を有する遊技機で、動作表示など先に説明した遊技の表示を行なうことが可能となる。また、ホール管理用コンピュータやプログラムデータを読取可能な各遊技機端末にこのＣＤを挿入した状態で、遊技を可能にすることができる。
【０１４６】
図１７において、破線で囲んだ部分６８はサーバ６６の主要構成６８を示す。すなわち、ハードディスクドライブ、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、通信用インターフェイス回路を主要構成としている。これらは相互にデータなどをやり取りしてコンピュータ機能を発揮している。その個々の働きは既知のことであるから説明を割愛する。点線で囲んだ部分６９はこのサーバが備えるＲＯＭに記憶されているプログラムの内容６９である。
【０１４７】
変形例として、第１の実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１および演出制御基板（演出制御部）３０の演出制御コンピュータ５２で実行される機能を、弾球遊技機１に通信回線を介して接続されたサーバにもたせてもよい。この場合、弾球遊技機１は、遊技制御マイクロコンピュータ５１および演出制御マイクロコンピュータ５２は不要となり、これらに代えて、これらマイクロコンピュータに入力される情報および出力される情報を、サーバから送受信するための通信回線が設けられ、サーバと接続される。これにより、サーバと弾球遊技機との間で相互に情報の送受信が可能となる。
【０１４８】
このようなサーバは、パーソナルコンピュータなどのコンピュータでよい。サーバには、第１の実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６および演出制御基板（演出制御部）３０で実行される処理を実行するためのプログラムが記憶されており、実行される。
【０１４９】
他の変形例として、上述した実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６および演出制御基板（演出制御部）３０で実行される処理を特別図柄表示装置１２と同様の表示装置を有するコンピュータに実行させることが可能である。このコンピュータのハードウエア自体は、当業者に周知なのでここではその詳細は説明を割愛する。
【０１５０】
この場合、コンピュータのＣＰＵに上述した実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６および演出制御基板（演出制御部）３０で実行される処理を記述したプログラムが読み込まれ実行される。なお、コンピュータは、特別図柄表示装置１２と同様の表示装置が備えられる。
【０１５１】
プログラムは、一般には、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されて流通する。本実施形態でいうプログラムとは、ＣＰＵにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラムなどを含む概念である。
【０１５２】
コンピュータ読取可能な記録媒体は、磁気テープ、カセットテープ、磁気ディスク（フレキシブルディスク、ハードディスク装置など）、光ディスク（ＣＤ−ＲＯＭ／ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｉｃ Ｏｐｔｉｃａｌ Ｄｉｓｋ）／ＭＤ（Ｍｉｎｉ Ｄｉｓｋ）／ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ））、ＩＣカード（メモリカードを含む）、光カード、あるいはマスクＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、フラッシュＲＯＭなどの半導体メモリなどを含む。
【０１５３】
弾球遊技機１は、遊技盤５６に特別図柄表示装置１２を有する例を示したが、この特別図柄表示装置１２は、遊技盤５６ではなく、前面枠３に設けられた通し窓に設置されてもよい。言いかえると、特別図柄表示装置１２は前面枠３に設けられた演出用表示器でもよい。
【０１５４】
実施形態の弾球遊技機１は、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置１２に更新表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第１種パチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第２種パチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて更新表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第３種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【０１５５】
演出制御マイクロコンピュータ５２で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ５１のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【０１５６】
なお、上述した弾球遊技機１の音声制御手段３２の機能からスピーカ４１ａ，４１ｂを駆動する機能までを演出制御基板３０から別の音声制御基板に担わせ、ランプ制御手段３３の機能からランプ・ＬＥＤ１０，１１，１３，１４を駆動する機能までを演出制御基板３０から別のランプ・ＬＥＤ制御基板に担わせるようにしてもよい。
【０１５７】
この場合は音声制御基板、ランプ・ＬＥＤ制御基板にそれぞれ独自のマイクロコンピュータを備え、主基板２６より直接指示を受け制御するようにしているが、音声制御手段、ランプ制御手段を演出制御基板３０内の演出制御マイクロコンピュータ５２に備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・ＬＥＤ駆動基板とに担わせることにしてもよい。同様に音声制御手段、ランプ制御手段を他の１つのマイクロコンピュータに備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・ＬＥＤ駆動基板とに担わせることにしてもよい。
【０１５８】
なお、表示制御部５０、データ記憶手段３１、音声制御部３２およびランプ制御手段３３の制御は、すべて演出制御マイクロコンピュータ５２で制御されるが、デュアルワンチップマイコンなどで制御してもよい。
【０１５９】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図１】弾球遊技機を正面から見た正面図である。
【図２】弾球遊技機の主基板（遊技制御部）を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図３】本実施形態の構成を説明するブロック図である。
【図４】データ記憶手段の内容説明図である。
【図５】表示制御手段５０の構成について説明するブロック図である。
【図６】確変図柄（第１図柄）および通常図柄（第２図柄）の説明図である。
【図７】図柄単位での動作表示制御（第１表示制御）の説明図である。
【図８】図柄構成部分単位での動作表示制御（第２表示制御）の説明図である。
【図９】リーチ後の更新表示で第１表示制御手段４４、第２表示制御手段４５による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１０】リーチ後の更新表示で第１表示制御手段４４、第２表示制御手段４５による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１１】リーチ前の更新表示で第１表示制御手段４４による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１２】リーチ後の更新表示で第１表示制御手段４４、第２表示制御手段４５による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１３】第２図柄変更表示手段により変更された変更通常図柄の第１表示制御手段４４による動作表示制御を用いた更新表示の説明図である。
【図１４】表示制御処理フローチャートの説明図である。
【図１５】図柄表示制御処理フローチャートの説明図である。
【図１６】特殊動作表示制御フローチャートの説明図である。
【図１７】サーバの主要構成、ＲＯＭのプログラム内容および記憶媒体（ＣＤ）収納のプログラム内容説明図である。
【符号の説明】
１ 弾球遊技機、１２ 特別図柄表示装置（表示装置）、１８ 普通図柄表示装置、２６ 遊技制御基板（遊技制御部）、３０ 演出制御基板（演出制御部）、３１ データ記憶手段、４０ 更新表示パターン事前決定手段、４２ 表示結果事前決定手段、４３ 更新表示回数記憶手段、４４ 第１移動表示制御手段、４５ 第２移動表示制御手段、４６ 更新表示パターンコマンド、５０ 表示制御部、５１ 遊技制御マイクロコンピュータ、５２ 演出制御マイクロコンピュータ、６６ サーバ、６７ ＣＤ（記憶媒体）、８６ 移行制御手段、８７ 第２図柄変更表示手段、８８ 報知手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラムに関する。詳しくは、所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段とを備え、前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラムにおいて、従来から一般的に知られているものに、たとえば、複数種類の識別情報を変動表示可能な左・中・右の３つの可変表示部を有する可変表示装置が設けられ、それら複数の可変表示部の表示結果が所定の当りライン上において特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り状態）に制御可能に構成されていた。そして、識別情報を示す画像を拡大又は縮小表示すること、リーチ状態が発生した後に当り表示態様と同一の識別情報が表示されると、当該識別情報を示す画像を中心として注視点を固定するとともに、視点を回転移動させて前記可変表示装置上に表示させることなどで、演出表示を行う遊技機があった（特許文献１）。
【０００３】
また、確変モード時に、通常遊技モードの確変図柄（単なる数字情報）からコインのシンボル（共通識別情報）とその傍に添え字のように小さく表示された数字（個別識別情報）を付加した特種図柄に切り換えて表示して変動図柄の価値に対する認識性を向上させ、遊技の興趣を高めようとする遊技機があった（特許文献２）。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−１４３４６１号公報
【０００５】
【特許文献２】
特開２００２−２９２０２１号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の遊技機では次のような問題があった。まず、特許文献１の遊技機においては、リーチ状態発生後に当り表示態様と同一の識別情報が表示されると、当該当り識別情報画像を回転表示させてはいるが、単に数字を回転表示させるのみであり、演出としては乏しいものであった。また、特許文献２の遊技機においては、確変モード時に、単なる数字の確変図柄からシンボルとその傍に小さい数字を付加した特種図柄に切り換えて表示してはいるものの、単に表示態様が異なるのみであり、スクロールなどの変動態様は同一であり、これまた、遊技者の興趣を高めるには充分とはいえない演出であった。
【０００７】
この発明は、かかる実情に鑑み考えだされたものであり、その目的は、特にリーチ演出表示などにおいて、図柄の更新表示演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を高めることのできる遊技機やその制御方法、そのプログラムを提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
（１） 所定の始動条件の成立（始動可変入賞球装置１６の始動口スイッチ１９により遊技球が検出され、図柄の更新表示を開始できる状態）を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄（図６参照）の更新表示を行なう表示部を複数有し（図１：左図柄表示部４７、右図柄表示部４８、中図柄表示部４９）、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置（図１：特別図柄表示装置１２）と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段（図３：表示結果事前決定手段４２）とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果（大当り図柄の組合せ：たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。）を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り状態）を発生させる遊技機（図１：弾球遊技機１）であって、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態（確率変動状態、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加、更新時間短縮制御状態）とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御手段（図３：移行制御手段８６）と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶手段（図４：データ記憶手段３１）と、
該データ記憶手段に記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない（更新表示パターン事前決定手段４０が決定した更新表示パターンにしたがって更新表示制御され）、前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果を前記画像表示装置に表示させる制御を行なう表示制御手段（図１４〜図１６参照）と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示する際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定手段（図２：更新表示パターン事前決定手段４０）とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果（大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（「確変図柄」、「第１図柄」）の組合せ）と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果（大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（「通常図柄」、「第２図柄」）の組合せ）とを含み、
前記移行制御手段は、前記表示結果事前決定手段が前記第１特定表示結果に決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御（図３のＳ６）し、前記表示結果事前決定手段が前記第２特定表示結果に決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し（図３のＳ７）、
前記データ記憶手段は、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄（確変図柄）に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定手段で前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄（通常図柄）に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域（図４参照）を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており（図４参照）、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され（図６参照）、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており（図６参照）、
前記表示制御手段は、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御（図７参照）を行なう第１表示制御手段（図１６：Ｓ６０）と、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御（図８参照）を行なう第２表示制御手段（図１６：Ｓ６２、Ｓ６３）とを含み、
前記更新表示パターン事前決定手段によって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり（Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたときに）、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部（最後に停止する中図柄表示部４９（図１））にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら前記第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し（Ｓ６０：図９（ｅ）、図１０（ｅ）、図１１（ｆ）、図１２（ｅ）、図１３（ｆ）参照）、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行する（Ｓ６２：図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１２（ｄ）と（ｆ）、図１３（ｅ）参照）ことを特徴とする、遊技機。
【０００９】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、第２図柄を更新表示させながら第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００１０】
（２） 前記第１表示制御手段は、前記第１識別情報と前記第１装飾情報とを同一の回転軸を中心にして同じ方向に回転表示させ（図７参照）、前記第２表示制御手段は、前記第２識別情報と前記第２装飾情報とを異なった回転軸を中心にして別々に回転表示させるか、または、前記第２識別情報を回転表示させることなく第２装飾情報部分のみを回転表示させること（図８参照）を特徴とする。
【００１１】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１表示制御手段は、第１識別情報と第１装飾情報とを同一の回転軸を中心にして同じ方向に回転表示させ、第２表示制御手段は、第２識別情報と第２装飾情報とを異なった回転軸を中心にして別々に回転表示させるか、または、第２識別情報を回転表示させることなく第２装飾情報部分のみを回転表示させることによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００１２】
（３） 前記第２表示制御手段は前記第２図柄を表示制御するときに前記第２装飾情報を消滅させて前記第２識別情報のみの動作表示制御を行なう（Ｓ６３：図１０（ｄ）の中図柄参照）ことを特徴とする。
【００１３】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第２表示制御手段は第２図柄を表示制御するときに第２装飾情報を消滅させて第２識別情報のみの動作表示制御を行なうことによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００１４】
（４） 前記表示制御手段は、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定されたときは（Ｓ１６によりＹＥＳの判断がなされたときには）、前記特定表示結果としないことが決定されているときに比べて高確率で前記第１表示制御手段、または、前記第２表示制御手段によって前記リーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なう（図１４：Ｓ１７、Ｓ１９）ことを特徴とする。
【００１５】
このような構成によれば、表示制御手段は、表示結果事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されたときは、特定表示結果としないことが決定されているときに比べて高確率で第１表示制御手段、第２表示制御手段によってリーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なうため、第１表示制御手段、第２表示制御手段によってリーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なったことを特定表示結果を導出表示することの予告として使用することができる。
【００１６】
（５） 前記表示制御手段は、リーチ状態が発生した後すべての表示部の表示結果が導出表示されるまでの間において、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定されたときには前記特定表示結果としないことが決定されたときに比べて高確率で前記第１表示制御手段、または、前記第２表示制御手段が行なう動作表示制御の動作表示態様を変えて前記表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なう（図１４：Ｓ１８、Ｓ２０）ことを特徴とする。
【００１７】
このような構成によれば、表示制御手段は、リーチ状態が発生した後すべての表示部の表示結果が導出表示されるまでの間において、表示結果事前決定手段によって特定表示結果とすることが決定されたときには特定表示結果としないことが決定されたときに比べて高確率で第１表示制御手段、第２表示制御手段が行なう動作表示制御の動作表示態様を変えて表示結果を画像表示装置に導出表示させる制御を行なうために、遊技者に特定遊技状態に制御されることの期待感を煽り、遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００１８】
（６） 前記表示制御手段は、複数の前記第２図柄のうち少なくとも１つの前記第２図柄（本実施形態の場合、この変更通常図柄は、通常図柄のうちの所定の通常図柄である「四」と「０」との２種類のみが存在する。）の前記識別情報部分の大きさと前記装飾情報部分の大きさとの大小関係を前記第１図柄の前記識別情報部分の大きさと前記装飾情報部分の大きさとの大小関係と同じに変更して表示する（図１３（ａ）参照。）第２図柄変更表示手段（第２図柄変更表示手段８７：Ｓ３０〜Ｓ４２、Ｓ４４、Ｓ４５、Ｓ４７）を含み、該第２図柄変更表示手段によって変更された後の第２図柄が前記第１表示手段によって図柄単位で動作表示制御される（Ｓ５９でＹＥＳの判断がなされＳ６０の図柄単位での回転表示がなされる：図１３（ｇ）で変更通常図柄「四」は図柄単位で動作表示制御されている）ことを特徴とする。
【００１９】
このような構成によれば、見た目は特別遊技状態になるように思わせて遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００２０】
（７） 前記特定遊技状態終了後の前記画像表示装置における前記図柄の更新表示回数を計数する更新表示回数計数手段（図２：更新表示回数計数手段４３）をさらに含み、
該更新表示回数計数手段により計数された更新表示回数が所定表示回数（５００回）を超えても前記特定遊技状態が発生しないときに（Ｓ３４によりＹＥＳの判断がなされたときに）、前記第２図柄変更表示手段が前記第２図柄の変更表示制御を行ない（Ｓ３５により変更通常図柄フラグＯＮの処理を行ない）、該変更された後の第２図柄が前記第１表示制御手段によって図柄単位で動作表示制御される（図１４：Ｓ１１、Ｓ１２、Ｓ１３、図１５：Ｓ３１〜Ｓ３５、Ｓ４７、図１６：Ｓ６０）ことを特徴とする。
【００２１】
このような構成によれば、画像表示装置の更新表示を何度か繰返してもなかなか特定遊技状態にならないとき、見た目上特別遊技状態になりやすく思わせて遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００２２】
（８） 前記第２図柄変更手段により前記第２図柄の変更表示がなされたときにその旨を報知する報知手段（図１５：Ｓ３６）をさらに含むことを特徴とする。
【００２３】
このような構成によれば、第２図柄変更手段により第２図柄の変更表示がなされたときにその旨が報知されるために、より一層特別遊技状態になりやすく思わせて遊技者の興趣を盛り上げることができる。
【００２４】
（９） 所定の始動条件の成立（始動可変入賞球装置１６の始動口スイッチ１９により遊技球が検出され、図柄の更新表示を開始できる状態）を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄（図６参照）の更新表示を行なう表示部を複数有し（図１：左図柄表示部４７、右図柄表示部４８、中図柄表示部４９）、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置（図１：特別図柄表示装置１２）と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定ステップ（図３：表示結果事前決定手段４２）とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果（大当り図柄の組合せ：たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。）を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り遊技状態）を発生させる遊技機（図１：弾球遊技機１）の制御方法であって、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態（確率変動状態、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加、更新時間短縮制御状態）とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御ステップ（図３：移行制御手段８６）と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶（図４：ステップデータ記憶手段３１）と、
該データ記憶ステップに記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない（更新表示パターン事前決定手段４０が決定した更新表示パターンにしたがって更新表示制御され、）、前記表示結果事前決定ステップにより決定された表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なう表示制御ステップ（図１４：表示制御処理、図１５：図柄表示制御処理、図１６：特殊動作表示制御、参照）と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示させる際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定ステップ（図２：更新表示パターン事前決定手段４０）とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果（大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（「確変図柄」、「第１図柄」）の組合せ）と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果（大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（「通常図柄」、「第２図柄」）の組合せ）とを含み、
前記移行制御ステップは、前記表示結果事前決定ステップが前記第１特定表示結果を決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御（図３：Ｓ６）し、前記表示結果事前決定ステップが前記第２特定表示結果を決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し（図３：Ｓ７）、
前記データ記憶ステップは、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄（確変図柄）に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定ステップで前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄（通常図柄）に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域（図４参照）を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており（図４参照）、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され（図６参照）、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており（図６参照）、
前記表示制御ステップは、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御（図７参照）を行なう第１表示制御ステップと、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御（図８参照）を行なう第２表示制御ステップとを含み、
前記更新表示パターン事前決定ステップによって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり（Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたときに）、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部（最後に停止する中図柄表示部４９（図１））にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら第１表示制御ステップによる図柄単位での動作表示制御を実行し（Ｓ６０：図９（ｅ）、図１０（ｅ）、図１１（ｆ）、図１２（ｅ）、図１３（ｆ）参照）、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御ステップによる図柄構成部分単位での動作表示制御を実行する（Ｓ６２：図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１２（ｄ）と（ｆ）、図１３（ｅ）参照））ことを特徴とする、遊技機の制御方法。
【００２５】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、第２図柄を更新表示させながら第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００２６】
（１０） 所定の始動条件の成立（始動可変入賞球装置１６の始動口スイッチ１９により遊技球が検出され、図柄の更新表示を開始できる状態）を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄（図６参照）の更新表示を行なう表示部を複数有し（図１：左図柄表示部４７、右図柄表示部４８、中図柄表示部４９）、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置（図１：特別図柄表示装置１２）と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段（図３：表示結果事前決定手段４２）とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果（大当り図柄の組合せ：たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。）を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態（大当り遊技状態）を発生させる遊技機（図１：弾球遊技機１）を制御するためのプログラムであって、
プロセッサに、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態（確率変動状態、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加、更新時間短縮制御状態）とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御手段（図３：移行制御手段８６）と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶手段（図４：データ記憶手段３１）と、
該データ記憶手段に記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない（更新表示パターン事前決定手段４０が決定した更新表示パターンにしたがって更新表示制御され、）、前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果を前記画像表示装置に表示させる制御を行なう表示制御手段（図１４〜図１６参照）と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示させる際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定手段（図２：更新表示パターン事前決定手段４０）とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果（大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（「確変図柄」、「第１図柄」）の組合せ）と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果（大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（「通常図柄」、「第２図柄」）の組合せ）とを含み、
前記移行制御手段は、前記表示結果事前決定手段が前記第１特定表示結果を決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御（図３のＳ６）し、前記表示結果事前決定手段が前記第２特定表示結果を決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し（図３のＳ７）、
前記データ記憶手段は、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄（確変図柄）に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定手段で前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄（通常図柄）に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域（図４参照）を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており（図４参照）、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており（図６参照）、
前記表示制御手段は、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御（図７参照）を行なう第１表示制御手段と、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御（図８参照）を行なう第２表示制御手段とを含み、
前記更新表示パターン事前決定手段によって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり（Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたときに）、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部（最後に停止する中図柄表示部４９（図１））にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し（Ｓ６０：図９（ｅ）、図１０（ｅ）、図１１（ｆ）、図１２（ｅ）、図１３（ｆ）参照）、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行する（Ｓ６２：図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１２（ｄ）と（ｆ）、図１３（ｅ）参照）ことを特徴とする、プログラム。
【００２７】
このような構成によれば、リーチ状態になった後、未だ導出表示されていない表示部にて第１図柄から第２図柄への更新表示を行なう際あるいは第２図柄から第１図柄への更新表示を行なう際に、第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、第２図柄を更新表示させながら第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することによって図柄の更新表示演出にバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。
【００２８】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機、スロットマシンなどのその他の遊技機であってもよく、所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段とを備え、前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であればすべて対象となる。
【００２９】
まず、遊技機の一例である弾球遊技機の全体構成について説明する。図１は弾球遊技機１を正面から見た正面図である。
【００３０】
図１に示すように、弾球遊技機１は、縦長な方形状に枠組形成される外枠２と、該外枠２の内側に開閉可能に軸支されかつ弾球遊技機１の主要構成部が集約して設けられる前面枠３とから構成されている。前面枠３の前面下部には遊技球を貯留するための上皿７が設けられている。上皿７の下方には、上皿７から溢れた遊技球を貯留する下皿８と遊技球を発射する打球操作ハンドル（操作ノブ）９とが前面枠３に設けられている。
【００３１】
また、前面枠３には、前面側に遊技領域６２が形成された遊技盤５６が収容される遊技盤収容部（図示しない）があり、遊技盤５６はその遊技盤収容部に収容され、前面枠３に対して着脱可能に設けられている。前面枠３は、弾球遊技機１の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。前面枠３において遊技領域６２の左右周辺には、遊技中に点灯表示されるランプ１０およびＬＥＤ１１が設けられる。また、上皿７の右側には、前面枠３を開放するための錠部６が設けられている。
【００３２】
遊技盤５６の遊技領域６２には、打球操作ハンドル９を操作することに応じて打球発射装置（図示省略）によって発射された遊技球が誘導レールに誘導されて打ち込まれる。
【００３３】
遊技領域６２の中央付近には、液晶表示器よりなる特別図柄表示装置１２とＬＥＤ表示器よりなる普通図柄表示装置１８とを含む表示装置が設けられている。
【００３４】
特別図柄表示装置１２は、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報としての特別図柄（図柄画像）を更新表示（変動表示、可変表示ともいう）可能であるとともに、キャラクタ等のその他の画像を動画像や静止画像として表示できる更新表示可能な表示部である。ここで、識別情報とは、その識別情報またはその組合せが当りおよびはずれを意味するものであり、キャラクタとは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報とは異なるものである。つまり、キャラクタはそれ自体が当りおよびはずれを意味するものではなく、装飾もしくは当りやすいことを示唆する演出、報知するものである。
【００３５】
普通図柄表示装置１８は、図形等の複数種類の識別情報（普通識別情報）としての普通図柄を更新表示可能である。
【００３６】
特別図柄表示装置１２では、図１に示すように表示画面上で左表示部（左図柄表示部４７），中表示部（中図柄表示部４９），右表示部（右図柄表示部４８）という複数（３つ）の表示部を有し、これら表示部で左特別図柄３７，中特別図柄３９，右特別図柄３８という複数（３つ）の特別図柄がそれぞれ左右方向に並んで更新表示される。特別図柄表示装置１２では、これら特別図柄をスクロール等の更新表示方式で更新表示可能であり、更新表示の表示結果を導出表示する。
【００３７】
また、普通図柄表示装置１８は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器と、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器とを含む。当り表示器およびはずれ表示器は、ＬＥＤ（発光ダイオード）により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような普通図柄表示装置１８では、当り表示器およびはずれ表示器を交互に点灯するよう点滅させる（交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる）ことにより普通図柄としての○印と×印とを所定時間間隔で更新表示（変動表示、可変表示ともいう）する。
【００３８】
本実施の形態においては、ＬＥＤよりなる当り表示器およびはずれ表示器を普通図柄表示装置１８に用いた場合を説明したが、これに限らず、７セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を更新表示可能なものを普通図柄表示装置１８に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。なお、ここでは、普通図柄表示装置１８を特別図柄表示装置１２と分離構成した例を示したが、普通図柄表示装置１８の表示内容を、特別図柄表示装置１２の表示領域の一部に表示するように構成されてもよい。
【００３９】
また、特別図柄表示装置１２の上部には、始動入賞記憶表示用の４個のＬＥＤ１４が設けられている。この始動入賞記憶表示用のＬＥＤ１４の点灯している数により、特別図柄の更新表示を始動させるための始動可変入賞球装置１６への入賞数（始動入賞数）が所定数（たとえば、４）を上限として記憶（後述する主制御基板２６に設けられるＲＡＭへの記憶であり、始動入賞記憶と呼ばれる）されていることが表示される。
【００４０】
なお、始動可変入賞球装置１６を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球（入賞玉）を検出する始動口スイッチ１９が設けられており、始動口スイッチ１９により遊技球が検出された場合には、図柄の更新表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示装置１２において、特別図柄の更新表示を開始させる制御が行なわれる。一方、図柄の更新表示が開始できる状態でなければ、始動入賞記憶用のＬＥＤ１４で表示される始動入賞記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、特別図柄表示装置１２での更新表示が開始されるごとに始動入賞記憶が１づつ減り、点灯するＬＥＤ１４が１づつ減らされる。なお、特別図柄表示装置１２において更新表示がなされている間や大当り遊技中（特定遊技状態に制御中）などの間は、次の更新表示を開始することはできないので、その間に発生した始動入賞は保留（記憶）される。この４を上限として記憶される始動入賞記憶が上述の始動入賞記憶表示用のＬＥＤ１４の点灯数により表示されるのである。
【００４１】
また、普通図柄表示装置１８の上部に設けられた通過ゲートを通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ２０が設けられており、遊技球が通過ゲートを通ってゲートスイッチ２０で検出されると、その検出信号に基づいて普通図柄表示装置１８が所定期間更新表示した（前述したように交互に点灯するよう点滅させた）後、表示結果が導出表示される（点滅を停止してどちらか一方を点灯させる）制御が行なわれる。普通図柄表示装置１８の更新表示結果が、普通図柄における当り図柄として予め定められた表示態様、すなわち、当り表示器の点灯表示（○印の点灯表示）である場合には、始動可変入賞球装置１６が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動可変入賞球装置１６に遊技球が入賞しやすい状態となる。その後、一定時間経過または所定個数の入賞により始動可変入賞球装置１６は、閉状態となる。
【００４２】
特別図柄表示装置１２の下方位置には、ソレノイド（図２のソレノイド２５）によって開閉動作される始動可変入賞球装置１６（電動チューリップ役物）と、ソレノイド（図２のソレノイド２４）により駆動される開閉板の開閉動作により開閉される大入賞口を有する可変入賞球装置１５とが上から順に配列されている。始動可変入賞球装置１６に入った遊技球は、始動口スイッチ１９によって検出された後、遊技盤５６の背面に導かれる。また、可変入賞球装置１５に入った遊技球は、特定領域スイッチ２１もしくはカウントスイッチ２２に検出された後、遊技盤５６の背面に導かれる。また、可変入賞球装置１５内に入った遊技球のうち、特定領域スイッチ２１により検出された遊技球は、その後、カウントスイッチ２２に向けて誘導され、カウントスイッチ２２により検出される。したがって、可変入賞球装置１５から内部に入った遊技球は、結果的にすべてカウントスイッチ２２により検出される。
【００４３】
遊技盤５６には複数の入賞口１７が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口１７への入賞は、入賞口スイッチ２３によって検出される。複数の入賞口１７それぞれに対応して入賞口スイッチ２３が設けられているため、各入賞口１７ごとに入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【００４４】
特別図柄表示装置１２の上部には、遊技中に点灯表示されるランプ１３が設けられている。また、遊技領域６２の下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口が設けられいる。
【００４５】
特別図柄表示装置１２での特別図柄（左・中・右図柄３７、３９、３８）の更新表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。停止時の特別図柄（左・中・右図柄３７、３９、３８）の組合せが特定の表示態様である大当り図柄の組合せ（たとえば、７７７等のぞろ目の特定の図柄の組合せ。本件実施形態でいう「特定表示結果」となる図柄の組合せ。）になると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が主基板２６の移行制御手段８６によって行なわれる。つまり、表示装置の表示結果が特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態という価値（遊技価値）が付与されるのである。念のために再度記載しておくと、「特定遊技状態」とは、ランダムカウンタから抽出した乱数値を用いて判定処理（たとえば、所定値と一致するか否か等）を行ない、かかる判定処理の結果、予め定められた所定の判定結果（たとえば、所定値と一致する結果）であれば表示装置に大当り図柄（たとえば、「７７７」等のゾロ目）を導出表示し、その後移行される遊技状態である。
【００４６】
大当り遊技状態においては、通常遊技状態において閉状態とされている可変入賞球装置１５が、一定時間（たとえば３０秒）経過するまで、または、所定個数（たとえば１０個）の遊技球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、可変入賞球装置１５の開放中に遊技球が特定入賞領域に入賞し特定領域スイッチ２１で検出されると、継続権が発生し可変入賞球装置１５を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数（たとえば１５ラウンド）許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【００４７】
図示を省略するが、可変入賞球装置１５の内部（大入賞口内）においては、シーソー式の球振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、特定領域スイッチ２１の方向へ向けて傾斜した状態と、特定領域スイッチ２１とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド（図示省略）により駆動制御される。その場合、大入賞口が１回開放されたとき（１ラウンド中）には、特定領域スイッチ２１が球を１個検出するまでは、振分部材が特定領域スイッチ２１の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、球が特定領域スイッチ２１により検出されやすい状態にされ、特定領域スイッチ２１が球を１個検出した後は、振分部材が特定領域スイッチ２１とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、球が特定領域スイッチ２１により検出されにくい状態にされる。
【００４８】
また、特別図柄表示装置１２の更新表示中においては、リーチ状態（リーチ表示態様）が発生する場合がある。ここで、リーチ（リーチ状態）とは、停止した図柄（リーチ図柄という）が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄（リーチ更新図柄という）については更新表示が行なわれていること、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して更新表示している状態である。
【００４９】
具体的には、予め定められた複数の表示領域に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において更新表示が行なわれている状態（たとえば、左、中、右の表示領域のうち、左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる（たとえば「７」）が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ更新表示が行なわれている状態）である。
【００５０】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。
【００５１】
また、リーチの際に、キャラクター（人物などを模した演出表示であり、図柄とは異なるもの）を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクターの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【００５２】
更新表示の停止時における特別図柄表示装置１２での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄（以下「確変図柄」、「第１図柄」と称す）の組合せ（確率変動図柄の組合せともいう。本件実施形態でいう「第１特定表示結果」となる図柄の組合せ。）である場合には、まず特定遊技状態（大当り状態）に制御され、この特定遊技状態の終了後に、大当りとなる確率が高い（大当りが発生し易い）特別遊技状態に移行制御手段８６により移行制御される。つまり、表示装置の表示結果が特定の表示態様（特定表示結果）のうちの特別の表示態様（第１特定表示結果）となった場合には、特別遊技状態として、特定の表示態様（特定表示結果）のうちの特別の表示態様以外の表示態様（第２特定表示結果）となった場合と比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される。このような場合には、予め定められた確率変動終了条件（たとえば次の大当り状態が発生すること）が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態（以下、「確変」という。）という遊技者にとってさらに有利な状態となる。このような確率変動状態は、大当りとなる確率が通常遊技状態より向上した確率向上状態とも呼ばれる。
【００５３】
また、確率変動状態では、通常遊技状態に対して、普通図柄表示装置１８における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動可変入賞球装置１６の開放時間の増加と開放回数の増加（複数回開放するようになる）とが行なわれる。さらに、確率変動状態では、特別図柄表示装置１２および普通図柄表示装置１８における図柄の更新（可変）表示開始から更新表示停止までの時間である更新時間が短縮される時短制御（更新時間短縮制御）が行なわれる。以下、「時短」とは更新時間短縮、更新時間短縮制御、更新時間短縮制御状態を指す。また、特別遊技状態においては「確変」、「時短」となるので、以下、特別遊技状態のことを「確変・時短」という。また、「確変」、「時短」で特別遊技状態を代表させることもある。
【００５４】
一方、更新表示の停止時における特別図柄表示装置１２での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（以下「通常図柄」、「第２図柄」と称す）の組合せである場合には、特定遊技状態（大当り状態）に制御されてその特定遊技状態が終了した後、確率変動状態になることなく通常の大当り発生確率で制御される通常遊技状態に移行する。
【００５５】
図２は、主基板（遊技制御部）を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態における弾球遊技機１は、主として電源基板（電源部）２９と、主基板（遊技制御部）２６と、入力部１９ａと、出力部２４ａと、演出制御基板（演出制御部）３０と、払出制御基板（払出制御部）２７とを備えている。
【００５６】
主基板（遊技制御部）２６と、演出制御基板（演出制御部）３０と、払出制御基板（払出制御部）２７とは、それぞれ別体に設けられ、上述した前面枠３の裏面に設置される。
【００５７】
電源基板２９は、弾球遊技機１内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。主基板２６は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、およびＲＡＭを含む遊技制御マイクロコンピュータ５１を含み、主に特別図柄の更新表示などの遊技において用いる乱数の生成機能、入力部１９ａからの信号の入力を行なう機能、出力部２４ａに対して信号の出力を行なう機能、演出制御基板３０および払出制御基板２７に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【００５８】
この実施の形態では、主基板（遊技制御部）２６および払出制御基板２７に設けられたＲＡＭが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、弾球遊技機１に対する電力供給が停止しても、所定期間はＲＡＭの内容が保存される。そして、各制御基板におけるＣＰＵは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理（たとえば、ＲＡＭの内容の保存処理）を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるＣＰＵは、ＲＡＭにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【００５９】
入力部１９ａは、始動口スイッチ１９、ゲートスイッチ２０、特定領域スイッチ２１、カウントスイッチ２２、入賞口スイッチ２３を含み、主に遊技球の検出を行なうものである。出力部２４ａは、可変入賞球装置１５を駆動するためのソレノイド２４と、始動可変入賞球装置１６を駆動するためのソレノイド２５等を含み、遊技制御基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１からの指令に従って駆動される。
【００６０】
演出制御基板３０は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、およびＲＡＭを含む演出制御マイクロコンピュータ５２を含み、遊技制御部２６から送信される制御コマンドおよび選択された更新表示パターンに基づいて、特別図柄などの更新表示制御、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示制御、第２図柄変更表示手段８７による通常図柄の表示態様変更制御、動作表示の変更制御、報知手段８８による通常図柄の変更制御報知、選択された更新表示パターンに基づいてデータ記憶手段３１から図柄データを読み出して特別図柄表示装置１２に表示する制御（表示制御手段５０による制御）、音声出力制御（音声制御手段３２による制御）、ランプなどの電飾制御（ランプ制御手段３３による制御）を実行するものである。また、データ記憶手段３１は特別図柄表示装置１２に図柄を表示するのに用いる図柄データなどを記憶する手段である。
【００６１】
表示制御手段５０は特別図柄表示装置１２に接続されている。特別図柄表示装置１２は、表示制御手段５０に制御され図柄を表示する。また始動可変入賞球装置１６への始動入賞に伴い決定される図柄の更新表示パターンを決定する更新表示パターン事前決定手段４０は主基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１に設けられている。
【００６２】
主基板２６から演出制御基板３０には、演出制御基板３０により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である制御コマンドが伝達されるが、この制御コマンドは、特別図柄表示装置１２の制御を指定する表示制御用コマンドと、音の制御内容を指定する音制御コマンドと、ランプ・ＬＥＤなどの電飾装置の制御を指定する電飾制御コマンドとして活用される。たとえば、表示制御用コマンドとしては、更新表示パターン（更新表示時間も含む）、更新表示の停止図柄、更新表示の停止、大当り時の表示等の更新表示に関する各種指令が示される。表示制御手段５０は、このような表示制御コマンドに応じて特別図柄の更新表示や第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示制御、第２図柄変更表示手段８７による通常図柄の表示態様変更制御、動作表示の変更制御、報知手段８８による通常図柄の変更制御報知、データ記憶手段３１から読み出した図柄データの表示を特別図柄表示装置１２および普通図柄表示装置１８を駆動して行なう。
【００６３】
また、音制御コマンドは、制御コマンドから制御コマンドに関連付けられた音の発生態様（発生パターン）、発生対象音（音の種類）、および音の発生の有無等の音制御に関する各種内容を選択する。この選択した内容が音データである。音声制御手段３２は、スピーカ４１ａ，４１ｂと接続されており、制御コマンドに応じて選択された音データに従ってスピーカ４１ａ，４１ｂを駆動する。
【００６４】
払出制御部２７は、ＣＰＵ、ＲＯＭ、およびＲＡＭを含む払出制御マイクロコンピュータを含み、払出装置２８に接続される。遊技制御部２６から払出制御部２７には、払出制御部２７により駆動制御される払出装置２８により賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝達される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御部２７では、払出制御用マイクロコンピュータは、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。また、払出制御マイクロコンピュータでは、カードユニット５と相互に情報通信することにより、カードユニット５からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【００６５】
なお、図２においては、更新表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とを１つの演出制御マイクロコンピュータ（演出制御基板）５２で実行する例を示したが、これに限らず、更新表示制御機能、音制御機能およびランプ制御機能をそれぞれ別のマイクロコンピュータで、前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、およびランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。ただし、演出制御マイクロコンピュータ５２（演出制御基板３０）で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ（主基板２６）５１のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【００６６】
上記の始動口スイッチ１９により遊技球が検出された以後の主基板（遊技制御部）２６におけるプロセス処理について、処理手順を簡単に説明する。まず始動入賞に伴い、大当りとするか否かが表示結果事前決定手段４２により決定される。この決定は、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断により決定される。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば１つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。このランダムカウンタは、遊技制御マイクロコンピュータ５１のＲＡＭに設けられており、たとえば、０からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度０からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期（２ｍｓｅｃごと）で１ずつ加算されることとなる。
【００６７】
次に、更新表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの決定（リーチ判定ともいう）は、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。
【００６８】
また、特別図柄の更新表示においてリーチ状態となる決定がされた場合（大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む）には、リーチ状態の更新表示パターンが更新表示パターン事前決定手段４０により複数種類の更新表示パターンのうちから選択的に決定（ランダムに決定）される。このような更新表示パターンの決定（選択）は、更新表示パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、遊技制御マイクロコンピュータ５１のＲＡＭに設けられており、リーチ状態の更新表示パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の更新表示開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた更新表示パターン決定値のうちの一致するものに対応する更新表示パターンとすることが決定される。
【００６９】
また、特別図柄の更新表示における停止図柄の決定は、左，中，右の各図柄に対応する３つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、遊技制御マイクロコンピュータ５１のＲＡＭに設けられており、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左，中，右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左，中，右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って可変（更新）表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の更新表示開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左，中，右の各停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の更新表示開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左，中，右の各停止図柄として決定される。また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左，右の各停止図柄が一致するように決定される。
【００７０】
以上に示したような大当り判定機能、リーチ判定機能、更新表示パターン決定機能および、停止図柄決定機能は、主基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１の制御機能により実現される。
【００７１】
以上のように、特別図柄大当り判定処理、停止図柄設定処理に続いて、更新表示パターン設定処理（特別図柄表示装置１２における図柄（識別情報）の更新表示のパターンすなわち更新表示パターン（可変表示パターン）を決定（選択）し、決定された更新パターンおよび停止図柄等を通知するための制御コマンドを演出制御基板３０の表示制御手段５０等に対して出力する。）その後、特別図柄更新処理に移行する。以下、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理（カウンタやフラグを初期化してソレノイド２４を駆動して可変入賞球装置１５の大入賞口を開放する。）、大入賞口開放中処理（大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。）、特定領域有効時間処理（特定領域スイッチ（Ｖ入賞スイッチ）２１の遊技球通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。）、大当り終了処理（大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示をランプ制御手段３３等に行わせる制御を行う。）が行なわれる。
【００７２】
図３は、図２に示した表示結果事前決定手段４２および移行制御手段８６の具体的な機能を説明するための機能ブロック図である。始動入賞球が始動口スイッチ１９により検出されてその検出信号が表示結果事前決定手段４２に入力されれば、当り外れ決定用のランダムカウンタの現在のカウント値が抽出され（Ｓ１）、その抽出値と予め定められている当り判定値とがイコールであるか否か判定され（Ｓ２）、イコールの場合には大当りを発生させることが事前決定されイコールでない場合には外れにすることが事前決定される。
【００７３】
この当り外れの事前決定結果は、コマンドとして演出制御基板３０へ送信される。演出制御基板３０では、この当り外れの事前決定結果のコマンドをたとえば大当たり予告等の実行に利用する。なお、Ｓ２に基づいてはずれが事前決定された場合には、前述したようにはずれとなる左、中、右の各停止図柄が表示結果事前決定手段４２により決定されてその表示結果を特定するコマンドが演出制御基板３０へ送信される。演出制御基板３０では、そのコマンドにより指定されたはずれ図柄の組合せが特別図柄表示装置１２により停止表示されるように制御する。一方、大当りが事前決定された場合には、どの種類の大当り図柄を特別図柄表示装置１２に停止表示させるかを事前決定するために当り図柄決定用ランダムカウンタの現在のカウント値を抽出する（Ｓ３）。そしてその抽出値に従って当り図柄の組合せを決定する（Ｓ４）。
【００７４】
このＳ４により事前決定された当り図柄の組合せには、前述した確率変動を伴う確変図柄（第１図柄）の組合せとなる第１特定表示結果と、前述した確率変動を伴うことのない通常図柄（第２図柄）の組合せからなる第２特定表示結果との２種類がある。それら両表示結果は、コマンドとして演出制御基板３０に送信されるとともに、移行制御手段８６に入力される。移行制御手段９６では、特定遊技状態（大当り状態）が終了したか否かを判定して（Ｓ５）、終了した段階で、第１特定表示結果が入力されているときには特別遊技状態へ移行する制御が行なわれる（Ｓ６）。この特別遊技状態への移行制御は、Ｓ２の当り外れの判定に用いる判定値の数（種類）を増加させて、大当りの発生確率を向上させる制御である。当り外れ決定用ランダムカウンタは、たとえば０からカウントアップしてその上限である２９９までカウントアップした後再度からカウントアップするものであり、通常では、当り判定値がたとえば「１」と定められているために、大当り発生確率は１／３００となる。一方、特別遊技状態への移行制御がなされて判定値がたとえば１，３１，６１，９１，１２１，１５１，１８１，２１１，２４１，２７１というように、１０種類に増加した場合には、大当りの発生確率は１０／３００＝１／３０となり、１０倍に向上する。
【００７５】
演出制御基板３０では、特別図柄表示装置１２を更新開始させた後、第１特定表示結果のコマンドが送信されてきている場合には確変図柄（第１図柄）のぞろ目となる第１特定表示結果を導出表示させる。一方、第２特定表示結果のコマンドが送信されてきている場合には、通常図柄（第２図柄）のぞろ目からなる第２特定表示結果を導出表示させる制御を行なう。
【００７６】
図４は、図２に示した演出制御基板３０のデータ記憶手段３１内に記憶されているデータを説明するための説明図である。データ記憶手段３１内には、図柄データ記憶領域が設けられており、その図柄データ記憶領域内には、確変図柄記憶領域と通常図柄記憶領域と変更時通常図柄記憶領域とが設けられている。確変図柄は、図６に示されているように、奇数の漢数字からなる識別情報部分と鈴の確変装飾情報部分とから構成されている。図柄データ記憶領域の確変図柄記憶領域には、それら確変図柄「一」〜「九」を、識別情報部分のデータと確変装飾情報部分のデータとに分けて記憶している。なお、確変装飾情報に関しては、本実施の形態では鈴の１種類しか存在しないために、確変図柄「一」〜「九」それぞれについて確変装飾情報を記憶させる代わりに、それら各確変図柄の共通の確変装飾情報として１箇所の記憶領域に記憶させておいてもよい。
【００７７】
通常図柄は、本実施の形態では図６に示すような０を含む偶数の漢数字からなる識別情報部分と各種装飾情報部分とから構成されている。図柄データ記憶領域の通常図柄記憶領域には、それら各通常図柄に対応する識別情報部分のデータと装飾情報部分のデータとが記憶されている。
【００７８】
図柄データ記憶領域の変更時通常図柄記憶領域には、変更通常図柄のデータが記憶される。この変更通常図柄とは、通常図柄でありながら識別情報部分と装飾情報部分との大きさ比を確変図柄と同じ大きさ比に変更した図柄である。図６に示すように、確変図柄の場合には識別情報部分が大きくて装飾情報部分が小さく構成されており、通常図柄の場合にはその逆で、識別情報部分が小さくて装飾情報部分が大きく構成されている。そして、変更通常図柄の場合には、０を含む偶数の漢数字からなる通常図柄でありながら、識別情報部分が大きくて装飾情報部分が小さく変更されたものである（図１３（ａ）参照）。
【００７９】
本実施形態の場合、この変更通常図柄は、通常図柄のうちの所定の通常図柄である「四」と「０」との２種類のみが存在する。変更時通常図柄記憶領域では、この２種類の変更通常図柄に対応してその識別情報部分である変更識別情報のデータとその装飾情報部分である確変装飾情報のデータとを記憶している。この変更通常図柄の表示制御に関しては、後に詳しく説明する。
【００８０】
次に図５を用いて表示制御手段５０の構成について説明する。主基板２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１に設けられている更新表示パターン事前決定手段４０が始動入賞に伴い決定した図柄の更新表示パターンに基づき、主基板２６から演出制御マイクロコンピュータ５２にある表示制御手段５０に表示制御コマンドである更新表示パターンコマンド４６が送られてくる。この更新表示パターンコマンド４６を受けた演出制御マイクロコンピュータ５２のＣＰＵ５３はクロック信号の入力により制御ＲＯＭ５４に記憶されているプログラムに従って動作する。ＲＡＭ５５はＣＰＵ５３（演出制御マイクロコンピュータ５２）のワークエリアとして機能する。ＣＰＵ５３は入力されてきた更新表示パターンコマンド４６に従って特別図柄表示装置１２を表示制御するための指令信号を出力する。
【００８１】
ＶＤＰ（Ｖｉｄｅｏ Ｄｉｓｐｌａｙ Ｐｒｏｃｅｓｓｏｒ）５７には表示クロックの同期信号により水平・垂直同期信号および表示ドライバ用同期信号を発生させる処理信号作成回路、表示すべきスプライト情報（位置・サイズ・種類・色・優先順位など）を記憶するアトリビュートテーブルとそのアトリビュートテーブルの情報に従いデータ記憶手段３１であるキャラクタＲＯＭ５８に記憶されている画像データを読み出してＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）５９に書込む処理を行なうためのスプライト演算部と、表示される色データを記憶しているパレットテーブルと、異なったタイプの表示装置に対応するための色味を変換する処理を行なうＤＡＣテーブルとが備えられている。特別図柄表示装置１２の液晶画面用ドライバ回路基板８５はＤＡＣテーブルから出力されてきた画像信号を表示駆動に必要な映像信号に変換して特別図柄表示装置１２の液晶パネル６１へ出力する。特別図柄表示装置１２の液晶パネル６１はその信号を受けて映像を表示する。
【００８２】
次に遊技状態が大当りに制御される特定表示結果の図柄について、図６に基づき説明する。特別図柄表示装置１２で導出表示される表示結果の大当り図柄の組合せ「特定表示結果」のうち、大当り発生の確率変動を伴わない大当り図柄（以下「通常図柄」と称す）の組合せを本件実施形態では「第２特定表示結果」と称している。この「第１特定表示結果」（確変図柄の組合せ）と「第２特定表示結果」（通常図柄の組合せ）に用いられる特別図柄（図柄）を図６に例示している。
【００８３】
図６に示すように、確変図柄（第１図柄）は飾りキャラクタに比べ大きく表示している「一」「三」「五」「七」「九」のいずれかの数字からなる識別情報（第１識別情報）と識別情報に比べ小さく表示している飾りキャラクタ（第１装飾情報）とで特別図柄（第１図柄）が構成され、通常図柄（第２図柄）は識別情報に比べ大きく表示している飾りキャラクタ（第２装飾情報）と飾りキャラクタに比べ小さく表示している「０」「二」「四」「六」「八」のいずれかの数字からなる識別情報（第２識別情報）とで特別図柄（第２図柄）が構成されている。
【００８４】
図６では、通常図柄（第２図柄）として、装飾情報より小さく表示されるが、当り・はずれに影響する識別情報（第２識別情報）である「二」「四」「六」「八」「０」と演出などに用いる装飾情報（第２装飾情報）であって、識別情報より大きく表示される蚊取り線香置き、風鈴、団扇、太鼓とばち、祭り用法被の絵が組合された図柄が記載されている。他方、確変図柄（第１図柄）としては、装飾情報より大きく表示される識別情報（第１識別情報）である「一」「三」「五」「七」「九」と識別情報より小さく表示される装飾情報（第１装飾情報）である鈴の絵との組合された図柄が記載されている。
【００８５】
本実施形態では、確変図柄の第１装飾情報（鈴の絵）が通常図柄の第２装飾情報（蚊取り線香置き、風鈴、団扇、太鼓とばち、祭り用法被の絵）より小さく構成され、確変図柄の第１識別情報（一、三、五、七、九）が通常図柄の第２識別情報（二、四、六、八、０）より大きく構成されているが、本実施形態とは逆に、確変図柄の第１装飾情報を通常図柄の第２装飾情報より大きく構成し、確変図柄の第１識別情報を通常図柄の第２識別情報より小さく構成してもよい。
【００８６】
なお、本実施形態では、確変図柄の数字からなる第１識別情報が表示される大きさと通常図柄の数字からなる第２識別情報が表示される大きさとの比率（たとえば、略３：１）と、確変図柄の鈴の絵からなる第１装飾情報が表示される大きさと通常図柄の第２装飾情報が表示される大きさとの比率（たとえば、略１：３）とは略逆の大きさ比率となっている。これらの特別図柄が特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７、中図柄表示部４９、右図柄表示部４８で同じ特別図柄でぞろ目の表示結果となったときに大当り状態（特定遊技状態）に制御される。
【００８７】
このとき、奇数の数字（第１識別情報）が大きく表示される確変図柄でぞろ目になると、大当り状態への制御終了後に、確率変動状態、更新表示時間短縮制御の行なわれる特別遊技状態に制御される。偶数の数字（第２識別情報）が小さく表示される通常図柄でぞろ目になると、大当りへの制御終了後に、通常遊技状態に戻る単なる大当り状態に制御される。
【００８８】
以上説明したように、確変時短付きの特別遊技状態に制御されることになる「第１特定表示結果」を構成する第１図柄は、大きく表示される数字（奇数）からなる第１識別情報と小さく表示される第１装飾情報とを含んでいる。単なる特定遊技状態（大当り状態）に制御されることになる「第２特定表示結果」を構成する第２図柄は、小さく表示される数字（偶数、但し「０」も偶数とみなす。）からなる第２識別情報と大きく表示される第２装飾情報とを含んでいる。
【００８９】
次に、図７を用いて、特別図柄表示装置１２における第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御について説明する。まず、動作表示とは、特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７、中図柄表示部４９、右図柄表示部４８のいずれかの図柄表示部に表示されている図柄を当該図柄表示部上において動きのある表示とするものである。図柄単位での動作表示とは、識別情報と装飾情報とを一体化した１つの図柄として、図柄全体を単位として、動作表示を行なうものである。
【００９０】
具体例でいうと、特別図柄表示装置１２のいずれかの図柄表示部に表示されている確変図柄「七」（第１図柄）が、大きく表示された数字「七」（第１識別情報）と小さく表示された鈴の絵（第２装飾情報）とを一体化した１つの図柄として、図柄全体を単位として、その図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄をその図柄表示部上に投射した平面図で表示し、この図柄全体を一体として左まわりに回転している様子を表示するものである。
【００９１】
この回転している様子の表示は当該図柄表示部上において刻々と平面図で表示されるが、図７はこの刻々と変化する表示の様子を平面上で記載した説明図である。図７の中心部に矢印で変化のサイクルを表わしている。確変図柄（第１図柄）の動作表示は図柄単位での動作表示を行ない、図２に示す演出制御基板３０にある表示制御手段５０に含まれる第１表示制御手段４４によって行なわれる。
【００９２】
次に、図８を用いて、第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示制御について説明する。図柄の構成単位部分としての動作表示とは、識別情報と装飾情報とをそれぞれ図柄の構成単位部分として、この図柄の構成単位部分で別々にあるいは、その１方のみの動作表示を行なうものである。具体例でいうと、特別図柄表示装置１２のいずれかの図柄表示部に表示されている通常図柄「０」（第２図柄）が、小さく右下に表示された数字「０」（第２識別情報）と大きく表示された祭り用法被の絵（第２装飾情報）とをそれぞれ図柄の構成単位部分として、この図柄の構成単位部分で別々にあるいは、その１方のみの動作表示をするものである。この場合、数字「０」（第２識別情報）は停止したままで、祭り用法被の絵（第２装飾情報）のみがその図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄を投射した平面図で表示し、この祭り用法被の絵（第２装飾情報）が左まわりに回転している様子が表示される。
【００９３】
この動作表示は当該図柄表示部上において刻々と動く図柄を投射した平面図で表示されるが、図８はこの刻々と変化する表示の様子を平面上で記載した説明図である。図８の中心部に矢印で変化のサイクルを表わしている。通常図柄（第２図柄）の動作表示は図柄の構成単位部分としての動作表示を行ない、図２に示す演出制御基板３０にある表示制御手段５０に含まれる第２表示制御手段４５によって行なわれる。
【００９４】
次に、図９〜図１３に示す図柄の回転表示等の特殊な動作表示制御について説明する。これら図９〜図１３に示す種々の図柄表示状態は、遊技状態や遊技制御用マイクロコンピュータ５１による内部判定結果に応じて、選択的に表示されるものである。図９を用いて、特別図柄表示装置１２における、リーチ後の第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、第２表示制御手段４５による図柄構成部分単位での動作表示制御を用いて確変図柄による特定表示結果になるまでの更新表示について説明する。遊技球が始動可変入賞球装置１６を通過し、始動口スイッチ１９により検出され、更新表示開始条件が成立した場合に、特別図柄の更新表示を開始させる制御が行なわれる。図９（ａ）が特別図柄の更新表示中である。やがて特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７で、図９（ｂ）に示すように特別図柄が停止する。つづいて、右図柄表示部４８でも、図９（ｃ）に示すように特別図柄が停止する。左、右の停止図柄とも確変図柄「七」で、リーチとなったことがわかる。さらに、確変図柄によるリーチであるから、特別遊技状態（確変付き大当り状態）に制御される可能性があることがわかり、遊技者はその期待感を抱くこととなる。なお、特別図柄の更新表示は、更新表示パターン事前決定手段４０が事前に決定した更新表示パターン（可変表示パターンともいう）にしたがって表示制御される。
【００９５】
このリーチになるまでは、図９（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に下方への矢印（↓）で示すように、各特別図柄は単に下方向にスクロールして更新表示していた。リーチ状態になると、通常図柄「０」は上述した第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示を行なう。すなわち、通常図柄の小さく表示されている数字「０」（第２識別情報）は停止したままで、大きく表示された祭り用法被の絵（第２装飾情報）のみがその図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄を投射した平面図で表示し、この祭り用法被の絵（第２装飾情報）が左まわりに回転している様子が表示される。
【００９６】
祭り用法被の絵（第２装飾情報）は回転しながら上から下にスクロール表示されて表示画面の下方に消えて行き、次に確変図柄「一」が、図９（ｅ）に示すように中図柄表示部４９に表示される。この確変図柄「一」は上述した第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示を行なう。すなわち、確変図柄の大きく表示された数字「一」（第１識別情報）と小さく表示された鈴の絵（第１装飾情報）とを一体化した１つの図柄として、１つの回転軸を中心にして左まわりに回転しながら上から下にスクロール表示されて表示画面の下方に消えて行く。
【００９７】
このように、図柄が回転表示されながら上から下にスクロール表示されて順次次の種類の図柄に更新されて更新表示が行なわれ、最終的に表示される図柄が、図９（ｆ）に示す確変図柄「七」である。この確変図柄「七」も第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示を行なう。すなわち、数字「七」（第１識別情報）と小さく表示された鈴の絵（第１装飾情報）とを同じ回転軸を中心として同時に左まわりに回転する動作表示をする。しかし、今度は消滅しなかったとする。つまり、この確変図柄「七」で中図柄が停止し、表示結果となったのである。すると、左、中、右の図柄がいずれも同じ確変大当り図柄「七」のぞろ目であるから、確変付き大当りの遊技状態に制御され、遊技者の期待感に応えた結果となったのである。
【００９８】
次に図１０を用いて、第２表示制御で通常図柄の第２装飾情報を消滅させて第２図柄情報のみを動作表示する制御を説明する。リーチになるまでの図１０（ａ）〜（ｃ）は前述した図９（ａ）〜（ｃ）と同じであるから割愛し、リーチになった後について説明する。図１０（ｄ）に示すように、中図柄表示部４９に表示される特別図柄は、通常図柄「０」である。この通常図柄「０」は上述した第２表示制御手段４５による図柄の構成単位部分としての動作表示を行なう。但し、今回は図９（ｄ）で説明した動作表示と多少異なった別の図柄の構成単位部分としての動作表示である。
【００９９】
ここでは、図１０（ｄ）に示すように、祭り用法被の絵（第２装飾情報）のみが消滅し、残った小さく表示されている数字図柄「０」（第２識別情報）がのみがその図柄の上下方向の中心線を回転軸として左まわりに回転する図柄を投射した平面図で表示し、この祭り用法被の絵（第２装飾情報）が左まわりに回転している様子が表示される。。
【０１００】
次に図１０（ｅ）に示すように確変図柄「一」が表示され、第１表示制御により、動作表示制御される。数字「一」（第１識別情報）と鈴の絵（第１装飾情報）とを同じ基準軸を中心として同時に左まわりに回転しながら上から下にスクロール表示されて表示画面の下方に消えて行く。このように、図柄が回転表示されながら上から下にスクロール表示されて順次次の種類の図柄に更新されて更新表示が行なわれ、最終的に表示される図柄が、（ｆ）に示す確変大当り図柄「七」であり、「第１移動表示制御」後も消滅せずに表示結果となり、確変付き大当りに制御される。そして最終的に、図１０（ｆ）に示すように確変図柄「七」での表示結果となっている。この図１０（ｅ）（ｆ）は図９（ｅ）（ｆ）と同様である。
【０１０１】
次に図１１を用いて、リーチになるまでに、第１表示制御が使用される表示状態を説明する。図１１（ａ）は、図９（ａ）と同じく、各特別図柄は単に下方向にスクロールして更新表示していた。やがて特別図柄表示装置１２の左図柄表示部４７で図１１（ｂ）に示すように確変大当り図柄「七」が第１表示制御手段４４によって表示制御し始める。即ち、数字図柄「七」と鈴の絵とを１つの回転軸を中心として同時に左まわりに回転する動作表示をする。その後消滅しなかったとする。つまり、この確変大当り図柄「七」で左特別図柄３７が停止し、表示結果となったのである。
【０１０２】
やがて、図１１（ｃ）のように、右図柄表示部４８でも確変図柄「七」が第１表示制御手段４４によって動作表示制御し始める。そしてここでも回転後の特別図柄が消滅しなかったとする。つまり、この確変図柄「七」で右特別図柄３８も停止し、表示結果となったのである。このようにして図１１（ｄ）に示す確変図柄「七」で、リーチとなったのである。以下の図１１（ｅ）〜（ｇ）は図９（ｄ）〜（ｆ）と同じであるから、その説明を繰返さない。
【０１０３】
次に、図１２に基づいて、図柄の回転方向がチェンジされた表示状態を説明する。図１２（ａ）〜（ｃ）は図９（ａ）〜（ｃ）と同じである。そして、リーチが成立した後、図１２（ｄ）から（ｅ）（ｆ）に示すように、第１図柄、第２図柄が、回転方向をチェンジして表示される。具体的には図１２（ｄ）の縦軸を中心とし左方向に回転する表示から（ｅ）（ｆ）の横軸を中心とした回転表示になる。このように、リーチ成立後、中図柄について、図柄の回転表示の回転方向を切換えてチェンジする表示がなされる。
【０１０４】
次に図１３に示す図柄表示状態を説明する。この表示状態は、更新表示が行なわれても、なかなか特定表示結果の表示結果にならないときに、遊技者の失望を防止し、興趣を盛り上げるために、第２図柄変更表示手段８７によって１部の通常図柄（具体的には「０」、「四」の図柄）を変更通常図柄として確変図柄と同じ表示態様で表示し、第１表示制御手段４４と同じく、図柄単位での動作表示制御によって第２識別情報と第２装飾情報とを表示制御するものである。
【０１０５】
更新表示しても、なかなか特定表示結果にならないときに、たとえば、５００回の更新表示が終了しても、大当り（特定遊技状態）にならないとき、図６に示す通常図柄の１部を変更通常図柄として確変図柄の表示態様で表示する。つまり、通常図柄の識別情報部分（偶数の数字）を大きく表示し、装飾情報部分を小さく表示する。また、通常図柄の装飾情報はその識別情報である数字毎にそれぞれの絵からなっているが、確変図柄の表示態様（変更通常図柄）になると、装飾情報は鈴の絵になってしまう。さらに、通常は確変図柄の動作表示態様である、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御を行なう。つまり、数字（識別情報）と鈴の絵（装飾情報）とを一体化した１つの図柄として、１つの回転軸を中心にして左まわりに回転する動作表示を行なう。
【０１０６】
以上のように、通常図柄を確変図柄の表示態様に変更したものを前述したように「変更通常図柄」という。このように、通常図柄を変更通常図柄に変更するのは、表示制御手段５０に含まれる第２図柄変更表示手段８７の働きによる。そしてその変更通常図柄は、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御が行なわれることとなる。また、図１３（ａ）に示すように、表示制御手段５０に含まれる報知手段８８が通常図柄を確変図柄の表示態様で表示することになったことを、特別図柄表示装置１２の液晶画面に表示して、遊技者に報知する。またこの報知により、遊技者は通常図柄が、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御を行なうことになったことをも知ることができる。表示態様を変えれば、動作表示態様も連動して変わることを知っているからである。
【０１０７】
通常図柄を確変図柄の表示態様で表示したからといっても、また、確変図柄の動作表示態様での動作表示制御を行なったからといっても、第２識別情報の「０」「二」「四」「六」「八」が第１識別情報の「一」「三」「五」「七」「九」に変わるわけではないので、通常図柄が確変図柄になったり、第２特定表示結果が第１特定表示結果になるわけではないが、ちょっと見た目には確変図柄が表示されたと勘違いしたり、第１特定表示結果が表示される確率が高まったような錯覚にとらわれ、遊技者の興趣を高めることになる。
【０１０８】
次に具体的に表示例で説明する。図１３（ａ）が通常図柄を確変図柄の表示態様で表示することになったことを報知する、表示画面である。通常図柄「０」、通常図柄「四」がそれぞれ確変図柄の表示態様で表示された図柄に変化することを矢印で表示し、下方に「になったよ！」との表示も備えている。なお、この報知は特別図柄表示装置１２の液晶画面に表示する例を説明したが、これに限るものではなく、この画面表示とともに、音（スピーカ４１ａ、４１ｂ）や光（ランプ、ＬＥＤなど）による演出も併用して、報知効果を上げることもできる。勿論、音や光による単独報知も可能である。
【０１０９】
図１３（ｂ）は下方向にスクロールして更新表示されている様子を表わしている。図１３（ｃ）は下方向にスクロールして左特別図柄３７が確変図柄表示態様の確変図柄「五」で停止し確定したことを表わしている。図１３（ｄ）は下方向にスクロールして右特別図柄３８も、左特別図柄３７と同じ、確変図柄「五」で停止し確定したことを表わしている。そこで第１特定表示結果が達成されるかどうかの期待がかかるリーチ状態となっている。
【０１１０】
図１３（ｅ）には、リーチ後の最終停止表示部となる、中図柄表示部４９に通常図柄「二」が表示され、第２表示制御手段４５による図柄構成部分単位での動作表示制御、つまり、識別情報「二」は停止した状態で装飾情報（蚊取り線香置き）のみが左まわりに回転している状態を表わしている。やがて、通常図柄「二」は消滅し、図１３（ｆ）に示すように確変図柄「三」が表われ、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、つまり、識別情報「三」と装飾情報（鈴の絵）とが一体化して左まわりに回転し、やがて、確変図柄「三」は消滅する。
【０１１１】
次に、図１３（ｇ）のように確変図柄の表示態様で表示された通常図柄「四」（変更通常図柄）が表われ、第１表示制御手段４４による図柄単位での動作表示制御、つまり、識別情報「四」と装飾情報（鈴の絵）とが一体化して左まわりに回転する。やがてこの変更通常図柄「四」もスクロール表示されて表示画面外へ消え、次に確変図柄「五」が表われるがこれは消滅することなく、図１３（ｈ）に示す、最終の確定した停止図柄となる。そこで、確変図柄「五」のぞろ目であるから、特別遊技状態に制御される確変大当り（第１特定表示結果）になったことがわかる。
【０１１２】
以上に示したような弾球遊技機１の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御（遊技制御）は、主基板２６（遊技制御基板ともいう。図２参照）に設けられたＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ ）、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）、およびＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）を含む遊技制御マイクロコンピュータ５１により実行される。また、遊技制御マイクロコンピュータ５１は、弾球遊技機１の遊技の進行に伴って、後述する演出制御基板３０の演出制御マイクロコンピュータ５２にコマンドを送信して、演出制御マイクロコンピュータ５２により特別図柄表示装置１２の表示制御、スピーカ４１ａ，４１ｂから出力される音の制御、ランプ・ＬＥＤ１０，１１，１３，１４における電飾制御が実行される。
【０１１３】
さらに、図１には、弾球遊技機１に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット５も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【０１１４】
カードユニット５には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ、カード内に記憶された残額情報に端数（１００円未満の数）が残存する場合にその端数を上皿７の近傍に設けられている度数表示ＬＥＤに生じさせるための端数表示スイッチ、カードユニット５がいずれの側の弾球遊技機１に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット５内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット５を開放するためのカードユニット錠が設けられている。
【０１１５】
図１４は、制御制御基板３０の演出制御マイクロコンピュータ５２の制御動作を示すフローチャートである。まずＳ１１により、特別図柄表示装置１２の更新表示回数Ｎを計数する処理がなされる。つまり、更新表示が開始されると＋１される。そしてＳ１２により、大当りが発生したか否かの判断がなされ、大当りが発生すれば更新表示回数Ｎがクリアされて「０」となる。具体的にいうと、表示結果事前決定手段４２により大当りが事前決定され、演出制御基板３０側がその大当り決定コマンドを受信して今回の図柄の更新表示により大当り図柄の組合せ（ぞろ目）が表示されるときに、Ｎがクリアされて「０」になる。この処理により、更新表示回数Ｎは、大当り発生が事前決定した後次の大当り発生が事前決定するまでの間において現在の特別図柄表示装置１２の更新表示回数の値となる。
【０１１６】
次にＳ１４により、リーチになるか否かの判断がなされる。リーチにならない場合にはＳ２５へ進むが、リーチになる場合にはＳ１５へ進み、中図柄について回転表示フラグをＯＮにする処理がなされる。次にＳ１６に進み、大当りが事前決定されているか否かの判断がなされる。大当りが事前決定されている場合には、Ｓ１７に進み、高確率用カウンタ１の抽出値に基づいてリーチ構成図柄（左図柄と右図柄）の回転表示制御を行なうか否かの判断処理が行なわれる。この高確率用カウンタ１は、たとえば０からカウントアップして上限である１までカウントアップした後再度０からカウントアップするものであり、その高確率用カウンタ１の抽出値がたとえば「１」であった場合に回転表示制御を行なう旨の決定がなされる。次にＳ１８に進み、高確率用カウンタ２の抽出値に基づいて中図柄の回転方向チェンジを行なうか否かの判断処理がなされる。この高確率用カウンタ２は、前述した高確率カウンタ１とは別のカウンタで構成されており、たとえば０からカウントアップしてその上限である１までカウントアップした後再度０からカウントアップするものである。この高確率用カウンタ２の抽出値がたとえば「１」の場合には、中図柄の回転方向チェンジを行なう決定がなされる。次に制御がＳ２１へ進む。
【０１１７】
一方、Ｓ１６により大当りが事前決定されていないと判定された場合には、制御がＳ１９へ進み、低確率用カウンタ１の抽出値に基づいてリーチ構成図柄の回転表示制御を行なうか否かの判定処理がなされる。この低確率用カウンタ１は、たとえば０からカウントアップしてその上限である９までカウントアップした後再度０からカウントアップするものである。
【０１１８】
そしてその低確率用カウンタ１の抽出値がたとえば「１」のときには、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）の回転表示制御を行なう旨の判定がなされる。次にＳ２０へ進み、低確率用カウンタ２の抽出値に基づいて中図柄の回転方向チェンジを行なうか否かの判定処理がなされる。この低確率用カウンタ２は、前述した低確率用カウンタ１とは別のカウンタで構成されており、たとえば０からカウントアップしてその上限である９までカウントアップした後再度０からカウントアップするものである。この低確率用カウンタ２の抽出値がたとえば「１」であったときには、中図柄の回転方向チェンジを行なう旨の判定がなされる。
【０１１９】
次に制御がＳ２１へ進み、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示を行なうか否かの判定がなされる。Ｓ１７あるいはＳ１９によりリーチ構成図柄について回転表示を行なう旨の判定がなされているときには、Ｓ２１によりＹＥＳの判断がなされてＳ２２へ進み、リーチ構成図柄について回転表示フラグをＯＮにする処理がなされる。次にＳ２３により、中図柄について回転方向チェンジを行なうか否かの判定がなされる。Ｓ１８あるいはＳ２０により中図柄の回転方向チェンジを行なう旨の判定がなされているときには、Ｓ２３によりＹＥＳの判断がなされてＳ２４へ進み、中図柄について回転方向チェンジフラグをＯＮにする処理がなされた後Ｓ２５へ進む。
【０１２０】
Ｓ１６〜Ｓ２４の処理により、大当りが事前決定されている場合には大当りが事前決定されていない場合に比べて高い確率で、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示制御がなされるとともに中図柄について回転方向をチェンジして逆回転表示させる制御がなされることとなる。
【０１２１】
Ｓ２５では、図柄表示制御処理がなされる。この図柄表示制御処理のサブルーチンプログラムのフローチャートが、図１５に示されている。
【０１２２】
図１５を参照して、Ｓ３０により、変更通常図柄フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。この変更通常図柄フラグとは、通常図柄を前述した変更通常図柄に変更して表示させるためのフラグであり、Ｓ３５によりＯＮに制御され、Ｓ３３によりＯＦＦに制御される。未だに変更通常図柄フラグがＯＮになっていない場合には制御がＳ３４へ進み、前述した更新表示回数Ｎの値が５００以上であるか否かの判断がなされる。５００以上でない場合にはＳ４２へ進むが、５００以上の場合にはＳ３５により、変更通常図柄フラグをＯＮにする処理がなされる。次にＳ３６により、所定の通常図柄（本実施の形態では「０」と「四」との２種類の通常図柄）が変更通常図柄になった旨の表示を行なう処理がなされる。その表示状態が図１３（ａ）に示されている。
【０１２３】
なお、本実施形態においては変更通常図柄として、通常図柄のうち、「０」、「四」の２つのみを用意しているが、このように固定的にする必要はなく、すべての通常図柄について変更通常図柄を用意しておき適宜選択していくつかの変更通常図柄を使用するようにしてもよい。この場合は図１５のＳ３８〜Ｓ４１もそれに併せて変更する必要がでてくる。
【０１２４】
一方、Ｓ３０で変更通常図柄フラグがＯＮになっている場合には制御がＳ３１へ進み、更新表示回数Ｎが５００以上であるか否かの判断がなされる。５００以上の場合にはＳ３７へ進むが、５００以上でない場合にはさらにＳ３２に進み、Ｎが０であるかどうかが判定される。０（ＹＥＳ）のときは、Ｓ３７に進み、０でない（ＮＯ）ときはＳ３３に進み、変更通常図柄フラグをＯＦＦにした後Ｓ４２へ進む。
【０１２５】
このＳ３２のステップにより、今回大当り図柄の組合せが表示される際には、Ｎ＝０となり、Ｓ３３の変更通常図柄フラグをＯＦＦにする処理がなされることなくＳ３７に進むために、変更通常図柄はそのままスクロール表示されて図柄の更新表示がなされることとなる。
【０１２６】
Ｓ３７では表示結果事前決定手段４２による表示結果が大当り（特定表示結果）となっているかどうかが判断される。大当りの結果となっていないＮＯのときはＳ４２に進む。大当りの結果となっているＹＥＳのときは、Ｓ３８にて、その大当りとなっている停止図柄が「０」か「四」か判断される。「０」、「四」以外の大当り図柄（ＮＯ）のときはＳ４２に進む。「０」か「四」のＹＥＳのときは、Ｓ３９で「０」かどうかが判断され、ＹＥＳのときはＳ４０で大当り図柄が「０」から「二」に変更される。ＮＯのときはＳ４１で大当り図柄が「四」から「六」に変更される。
【０１２７】
前述したように、更新表示回数Ｎは大当りが発生する段階でクリアされるが、Ｓ３２のステップのために（図１４：Ｓ１２、Ｓ１３および図１５：Ｓ３１〜Ｓ３３参照）、変更通常図柄を含む複数種類の図柄が更新表示された後大当り図柄の組合せで停止表示されて大当り状態が発生してそれが終了した後に、変更通常図柄がもとの通常図柄に復帰することとなる。その変更通常図柄を含む複数種類の図柄が更新表示された後停止表示されて、その変更通常図柄によるぞろ目からなる大当り図柄の組合せが仮に表示されたとした場合には、遊技者が確変図柄による大当りが発生したと思いこむ可能性がある。ところが、この変更通常図柄は、確率変動図柄と似せた図柄の表示構成になっているだけで、確率変動図柄でないために以降確率変動状態になることはあり得ない。このような、遊技者の確率変動図柄による大当りが発生したという思い込みの誤解を回避するために、Ｓ３８〜Ｓ４１の制御により、変更通常図柄（「０」または「四」）によるぞろ目の大当り図柄表示がなされないように制御しているのである。
【０１２８】
但し、最終の大当りとなる停止図柄以外の更新表示においては、変更表示フラグがＯＮになっていれば、「四」、「０」の変更通常図柄が表示されたり、さらに第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行することはある。この場合は遊技者が変更通常図柄を確変図柄と錯覚し、確変大当りになるかなと期待感で喜んでも、最後の停止図柄で変更通常図柄の大当りになることはないので、前述した遊技者の思い込みによる誤解を回避することができる。
【０１２９】
次にＳ４２では、特別図柄表示装置１２の表示領域に次に現れる図柄が通常図柄であるか否かの判断がなされる。通常図柄でない場合にはＳ４３により、確変図柄を表示する制御がなされる。一方通常図柄であると判断された場合にはＳ４４により、所定の通常図柄（「０」または「四」の通常図柄）であるか否かの判断がなされ、所定の通常図柄でない場合にはＳ４６により通常図柄表示がなされる。一方所定の通常図柄の場合には、Ｓ４５へ進み、変更通常図柄フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされ、ＯＮになっていない場合にはＳ４６により通常図柄の表示がなされる。変更通常図柄フラグがＯＮになっている場合には制御がＳ４７へ進み、変更通常図柄を表示させる制御がなされる。
【０１３０】
次に制御がＳ４８へ進み、特殊動作表示制御がなされる。この特殊動作表示制御の詳細については図１６に基づいて後述する。
【０１３１】
次に制御がＳ４９へ進み、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）の回転表示が完了したか否かの判断がなされ、完了していない場合にはＳ５１へ進むが、完了している場合にはＳ５０へ進み、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示フラグをＯＦＦにする処理がなされてＳ５１へ進み、Ｓ５１では、中図柄回転表示が完了したか否かの判断がなされ、完了していない場合にはＳ５３へ進むが、完了している場合にはＳ５２により、中図柄について回転表示フラグをＯＦＦにする処理がなされた後Ｓ５３へ進む。
【０１３２】
Ｓ５３では、中図柄回転方向切換表示が完了したか否かの判断がなされる。中図柄回転方向切換表示が完了した場合にはＳ５４へ進み、中図柄について回転方向チェンジフラグをＯＦＦにする処理がなされる。
【０１３３】
なお、Ｓ４９のリーチ構成図柄の回転表示が完了したか否かの判断、Ｓ５１の中図柄回転表示が完了したか否かの判断、Ｓ５３の中図柄回転方向切換表示が完了したか否かの判断は演出制御マイクロコンピュータ５２のＲＡＭ５５に形成されたカウンタによる計時手段によって為される。具体的には、主基板２６から送られてきた更新パターンコマンドに基づいて、そのタイミングになったか否かを判定するためのカウンタをＲＡＭ５５内に設け、初期値（たとえば５０）からダウンカウントして０の値になったか否かを判定して０になったときにこれら回転表示や回転方向切換表示が完了したものと判断する。
【０１３４】
次に、図１６に基づいて、Ｓ４８に示された特殊動作表示制御のサブルーチンプログラムのフローチャートを説明する。
【０１３５】
まずＳ５５により、リーチ構成図柄（左図柄と右図柄）について回転表示フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。ＯＮになっていない場合にはＳ５６へ進み、中図柄について回転表示フラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。なっていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
【０１３６】
Ｓ１５により中図柄について回転表示フラグをＯＮにする処理がなされている場合には、Ｓ５６によりＹＥＳの判断がなされてＳ５７へ進み、リーチ表示後か否かの判断がなされる。左図柄と右図柄とが停止表示されてリーチが成立した後である場合にはＳ５７によりＹＥＳの判断がなされてＳ５９へ進み、以降の図柄の回転表示制御等の特殊動作表示制御がなされる。
【０１３７】
一方、Ｓ５５により、リーチ構成図柄について回転表示フラグがＯＮになっていると判断された場合には、Ｓ５８により、左，右図柄についてリーチ構成図柄を表示させるタイミングであるか否かの判断がなされる。リーチ構成図柄を表示させるタイミングでなければそのままこのサブルーチンプログラムが終了するが、リーチ構成図柄を表示させるタイミングすなわち図１１の（ｂ）（ｃ）のタイミングの場合には、制御がＳ５９に進み、以降の図柄回転表示等の特殊動作表示制御がなされる。
【０１３８】
特殊動作表示制御はまず、Ｓ５９により、特殊動作表示の対象となる図柄が確変図柄または変更通常図柄であるか否かの判断がなされる。確変図柄または変更通常図柄の場合には、Ｓ６０により、その図柄単位での回転表示がなされる。Ｓ５５とＳ５８とによりＹＥＳの判断がなされたことに基づいてＳ６０により行なわれる図柄単位での回転表示は、図１１（ｂ）（ｃ）に示されている。一方、Ｓ５６、Ｓ５７によりＹＥＳの判断がなされたことに基づいてＳ６０により図柄単位での回転表示が行なわれた場合は、図９（ｅ）図１０（ｅ）図１１（ｆ）図１３（ｇ）に示されている。
【０１３９】
一方、回転表示制御する対象となる図柄が変更通常図柄でない通常図柄の場合には、Ｓ５９によりＮＯの判断がなされてＳ６１へ進み、装飾情報を消滅させるか否かの判断がなされる。この判断は、たとえば消滅用ランダムカウンタを設けてそのランダムカウンタの抽出値に基づいてランダムに決定される。消滅させないと判断された場合にはＳ６２へ進み、識別情報を回転させることなく装飾情報を回転表示させる制御がなされた後Ｓ６４へ進む。このＳ６２による回転表示は、Ｓ５５とＳ５８とによりＹＥＳの判断がなされたことに基づいて左図柄と右図柄とにリーチ確定図柄が表示される際に通常図柄について回転表示される場合と、Ｓ５６とＳ５７によりＹＥＳの判断がなされてリーチ成立後中図柄について通常図柄を回転表示させる場合との２つのケースがある。前者のケースは、表示画面による図示を省略しているが、後者のケースは図９（ｄ）、図１１（ｅ）、図１３（ｅ）に示されている。
【０１４０】
Ｓ６１により装飾情報を消滅させると判定された場合には、Ｓ６３へ進み、装飾情報を消滅させて通常図柄の回転表示を行なう処理がなされる。この具体例が、図１０（ｄ）に示されている。
【０１４１】
Ｓ６４では、中図柄について回転方向チェンジフラグがＯＮになっているか否かの判断がなされる。ＯＮになっている場合にはＳ６５に進み、リーチ表示後であるか否かの判断がなされる。左図柄と右図柄とが停止してリーチが表示された後においてはＳ６５によりＹＥＳの判断がなされてＳ６６へ進み、回転方向を逆方向に切換えて表示する制御がなされる。この回転方向のチェンジ方向の具体例が、図１２（ｄ）（ｅ）（ｆ）に示されている。
【０１４２】
以上説明したように、左図柄と右図柄とについてリーチ構成図柄が回転表示された場合あるいは中図柄について回転方向チェンジ表示が行なわれた場合には、通常より高い確率で特定遊技状態が発生することとなるために、このような回転表示が行なわれることにより特定遊技状態（大当り状態）の発生の予告を遊技者に行なうことが可能となり、遊技者の特定遊技状態発生への期待感を盛り上げることができる。
【０１４３】
プログラムに関連する実施形態を以下説明する。図１７はサーバ６６の主要構成６８、サーバ６６のＲＯＭが備えるプログラム内容６９および記憶媒体としてのＣＤ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｋ）６７の収納しているプログラム内容７０の構成を説明する図である。なお、サーバ（ｓｅｒｖｅｒ）とは、コンピューター・ネットワーク上で他のコンピューターにファイルやデータを提供するコンピューター、またその提供するためのプログラムをいう。
【０１４４】
まず、スタートすると、ステップ（以下単にＳという）７１で遊技情報の受信処理を行なう。次にＳ７２で図柄の更新表示パターン決定処理を行なう。これは、先に記載した実施の形態において説明した、更新表示パターン事前決定手段４０によるものである。次にＳ７３では、図柄表示制御処理を行なう。これは決定された更新表示パターンに基づきデータ記憶手段より図柄を読み出して表示するものであり、図１４〜図１６にて詳細に説明した内容である。Ｓ７３は先に説明した表示制御手段５０が備えている。Ｓ７４では、各種処理結果データ返信処理を行なう。これは上記処理結果を関係先に配信処理するものである。
【０１４５】
上記プログラムの内、２点鎖線で囲まれた部分７０のプログラムがＣＤ６７に収められて販売される。ＣＤ６７は遊技ホールのホール管理用コンピュータやＣＤリーダを備えＣＤ６７からのプログラムデータを読取可能とした各遊技機端末にＣＤ６７が記憶保持しているプログラムデータをコピーさせ先の実施の形態で説明した特別図柄表示装置１２と同様な表示装置を有する遊技機で、動作表示など先に説明した遊技の表示を行なうことが可能となる。また、ホール管理用コンピュータやプログラムデータを読取可能な各遊技機端末にこのＣＤを挿入した状態で、遊技を可能にすることができる。
【０１４６】
図１７において、破線で囲んだ部分６８はサーバ６６の主要構成６８を示す。すなわち、ハードディスクドライブ、ＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、通信用インターフェイス回路を主要構成としている。これらは相互にデータなどをやり取りしてコンピュータ機能を発揮している。その個々の働きは既知のことであるから説明を割愛する。点線で囲んだ部分６９はこのサーバが備えるＲＯＭに記憶されているプログラムの内容６９である。
【０１４７】
変形例として、第１の実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６の遊技制御マイクロコンピュータ５１および演出制御基板（演出制御部）３０の演出制御コンピュータ５２で実行される機能を、弾球遊技機１に通信回線を介して接続されたサーバにもたせてもよい。この場合、弾球遊技機１は、遊技制御マイクロコンピュータ５１および演出制御マイクロコンピュータ５２は不要となり、これらに代えて、これらマイクロコンピュータに入力される情報および出力される情報を、サーバから送受信するための通信回線が設けられ、サーバと接続される。これにより、サーバと弾球遊技機との間で相互に情報の送受信が可能となる。
【０１４８】
このようなサーバは、パーソナルコンピュータなどのコンピュータでよい。サーバには、第１の実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６および演出制御基板（演出制御部）３０で実行される処理を実行するためのプログラムが記憶されており、実行される。
【０１４９】
他の変形例として、上述した実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６および演出制御基板（演出制御部）３０で実行される処理を特別図柄表示装置１２と同様の表示装置を有するコンピュータに実行させることが可能である。このコンピュータのハードウエア自体は、当業者に周知なのでここではその詳細は説明を割愛する。
【０１５０】
この場合、コンピュータのＣＰＵに上述した実施の形態における弾球遊技機１の主基板（遊技制御部）２６および演出制御基板（演出制御部）３０で実行される処理を記述したプログラムが読み込まれ実行される。なお、コンピュータは、特別図柄表示装置１２と同様の表示装置が備えられる。
【０１５１】
プログラムは、一般には、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されて流通する。本実施形態でいうプログラムとは、ＣＰＵにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラムなどを含む概念である。
【０１５２】
コンピュータ読取可能な記録媒体は、磁気テープ、カセットテープ、磁気ディスク（フレキシブルディスク、ハードディスク装置など）、光ディスク（ＣＤ−ＲＯＭ／ＭＯ（Ｍａｇｎｅｔｉｃ Ｏｐｔｉｃａｌ Ｄｉｓｋ）／ＭＤ（Ｍｉｎｉ Ｄｉｓｋ）／ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｋ））、ＩＣカード（メモリカードを含む）、光カード、あるいはマスクＲＯＭ、ＥＰＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、フラッシュＲＯＭなどの半導体メモリなどを含む。
【０１５３】
弾球遊技機１は、遊技盤５６に特別図柄表示装置１２を有する例を示したが、この特別図柄表示装置１２は、遊技盤５６ではなく、前面枠３に設けられた通し窓に設置されてもよい。言いかえると、特別図柄表示装置１２は前面枠３に設けられた演出用表示器でもよい。
【０１５４】
実施形態の弾球遊技機１は、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置１２に更新表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第１種パチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第２種パチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて更新表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第３種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【０１５５】
演出制御マイクロコンピュータ５２で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ５１のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【０１５６】
なお、上述した弾球遊技機１の音声制御手段３２の機能からスピーカ４１ａ，４１ｂを駆動する機能までを演出制御基板３０から別の音声制御基板に担わせ、ランプ制御手段３３の機能からランプ・ＬＥＤ１０，１１，１３，１４を駆動する機能までを演出制御基板３０から別のランプ・ＬＥＤ制御基板に担わせるようにしてもよい。
【０１５７】
この場合は音声制御基板、ランプ・ＬＥＤ制御基板にそれぞれ独自のマイクロコンピュータを備え、主基板２６より直接指示を受け制御するようにしているが、音声制御手段、ランプ制御手段を演出制御基板３０内の演出制御マイクロコンピュータ５２に備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・ＬＥＤ駆動基板とに担わせることにしてもよい。同様に音声制御手段、ランプ制御手段を他の１つのマイクロコンピュータに備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・ＬＥＤ駆動基板とに担わせることにしてもよい。
【０１５８】
なお、表示制御部５０、データ記憶手段３１、音声制御部３２およびランプ制御手段３３の制御は、すべて演出制御マイクロコンピュータ５２で制御されるが、デュアルワンチップマイコンなどで制御してもよい。
【０１５９】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図１】弾球遊技機を正面から見た正面図である。
【図２】弾球遊技機の主基板（遊技制御部）を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図３】本実施形態の構成を説明するブロック図である。
【図４】データ記憶手段の内容説明図である。
【図５】表示制御手段５０の構成について説明するブロック図である。
【図６】確変図柄（第１図柄）および通常図柄（第２図柄）の説明図である。
【図７】図柄単位での動作表示制御（第１表示制御）の説明図である。
【図８】図柄構成部分単位での動作表示制御（第２表示制御）の説明図である。
【図９】リーチ後の更新表示で第１表示制御手段４４、第２表示制御手段４５による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１０】リーチ後の更新表示で第１表示制御手段４４、第２表示制御手段４５による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１１】リーチ前の更新表示で第１表示制御手段４４による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１２】リーチ後の更新表示で第１表示制御手段４４、第２表示制御手段４５による動作表示制御を用いた説明図である。
【図１３】第２図柄変更表示手段により変更された変更通常図柄の第１表示制御手段４４による動作表示制御を用いた更新表示の説明図である。
【図１４】表示制御処理フローチャートの説明図である。
【図１５】図柄表示制御処理フローチャートの説明図である。
【図１６】特殊動作表示制御フローチャートの説明図である。
【図１７】サーバの主要構成、ＲＯＭのプログラム内容および記憶媒体（ＣＤ）収納のプログラム内容説明図である。
【符号の説明】
１ 弾球遊技機、１２ 特別図柄表示装置（表示装置）、１８ 普通図柄表示装置、２６ 遊技制御基板（遊技制御部）、３０ 演出制御基板（演出制御部）、３１ データ記憶手段、４０ 更新表示パターン事前決定手段、４２ 表示結果事前決定手段、４３ 更新表示回数記憶手段、４４ 第１移動表示制御手段、４５ 第２移動表示制御手段、４６ 更新表示パターンコマンド、５０ 表示制御部、５１ 遊技制御マイクロコンピュータ、５２ 演出制御マイクロコンピュータ、６６ サーバ、６７ ＣＤ（記憶媒体）、８６ 移行制御手段、８７ 第２図柄変更表示手段、８８ 報知手段。
Claims (10)
- 所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御手段と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶手段と、
該データ記憶手段に記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない、前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なう表示制御手段と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示する際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定手段とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果とを含み、
前記移行制御手段は、前記表示結果事前決定手段が前記第１特定表示結果に決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御し、前記表示結果事前決定手段が前記第２特定表示結果に決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し、
前記データ記憶手段は、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定手段で前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており、
前記表示制御手段は、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御を行なう第１表示制御手段と、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御を行なう第２表示制御手段とを含み、
前記更新表示パターン事前決定手段によって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら前記第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することを特徴とする、遊技機。 - 前記第１表示制御手段は、前記第１識別情報と前記第１装飾情報とを同一の回転軸を中心にして同じ方向に回転表示させ、前記第２表示制御手段は、前記第２識別情報と前記第２装飾情報とを異なった回転軸を中心にして別々に回転表示させるか、または、前記第２識別情報を回転表示させることなく第２装飾情報部分のみを回転表示させることを特徴とする、請求項１に記載の遊技機。
- 前記第２表示制御手段は前記第２図柄を表示制御するときに前記第２装飾情報を消滅させて前記第２識別情報のみの動作表示制御を行なうことを特徴とする、請求項１または請求項２に記載の遊技機。
- 前記表示制御手段は、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定されたときは、前記特定表示結果としないことが決定されているときに比べて高確率で前記第１表示制御手段、または、前記第２表示制御手段によって前記リーチ状態を構成する図柄を導出表示させる制御を行なうことを特徴とする、請求項１〜請求項３のいずれかに記載の遊技機。
- 前記表示制御手段は、リーチ状態が発生した後すべての表示部の表示結果が導出表示されるまでの間において、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定されたときには前記特定表示結果としないことが決定されたときに比べて高確率で前記第１表示制御手段、または、前記第２表示制御手段が行なう動作表示制御の動作表示態様を変えて前記表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なうことを特徴とする、請求項１〜請求項４のいずれかに記載の遊技機。
- 前記表示制御手段は、複数の前記第２図柄のうち少なくとも１つの前記第２図柄の前記識別情報部分の大きさと前記装飾情報部分の大きさとの大小関係を前記第１図柄の前記識別情報部分の大きさと前記装飾情報部分の大きさとの大小関係と同じに変更して表示する第２図柄変更表示手段を含み、該第２図柄変更表示手段によって変更された後の第２図柄が前記第１表示手段によって図柄単位で動作表示制御されることを特徴とする、請求項１〜請求項５のいずれかに記載の遊技機。
- 前記特定遊技状態終了後の前記画像表示装置における前記図柄の更新表示回数を計数する更新表示回数計数手段をさらに含み、
該更新表示回数計数手段により計数された更新表示回数が所定表示回数を超えても前記特定遊技状態が発生しないときに、前記第２図柄変更表示手段が前記第２図柄の変更表示制御を行ない、該変更された後の第２図柄が前記第１表示制御手段によって図柄単位で動作表示制御されることを特徴とする、請求項６に記載の遊技機。 - 前記第２図柄変更手段により前記第２図柄の変更表示がなされたときにその旨を報知する報知手段をさらに含むことを特徴とする、請求項６または請求項７に記載の遊技機。
- 所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定ステップとを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機の制御方法であって、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御ステップと、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶ステップと、
該データ記憶ステップに記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない、前記表示結果事前決定ステップにより決定された表示結果を前記画像表示装置に導出表示させる制御を行なう表示制御ステップと、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示させる際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定ステップとを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果とを含み、
前記移行制御ステップは、前記表示結果事前決定ステップが前記第１特定表示結果を決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御し、前記表示結果事前決定ステップが前記第２特定表示結果を決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し、
前記データ記憶ステップは、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定ステップで前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており、
前記表示制御ステップは、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御を行なう第１表示制御ステップと、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御を行なう第２表示制御ステップとを含み、
前記更新表示パターン事前決定ステップによって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら前記第１表示制御ステップによる図柄単位での動作表示制御を実行し、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御ステップによる図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することを特徴とする、遊技機の制御方法。 - 所定の始動条件の成立を条件として、各々が識別可能な複数種類の図柄の更新表示を行なう表示部を複数有し、該複数の表示部に前記図柄の表示結果を導出表示する画像表示装置と、
前記始動条件の成立に基づいて、前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段とを備え、
前記表示結果事前決定手段が予め定められた特定表示結果を表示することを決定したときに前記画像表示装置に前記特定表示結果を表示した後、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させる遊技機を制御するためのプログラムであって、
プロセッサに、
前記特定遊技状態終了後、通常遊技状態と、前記特定遊技状態とは異なった遊技者にとって有利な特別遊技状態とのうちのいずれかの遊技状態に移行制御する移行制御手段と、
前記図柄を含むデータを記憶するデータ記憶手段と、
該データ記憶手段に記憶されているデータに基づいて複数種類の図柄を前記複数の表示部に更新表示させる更新表示制御を行ない、前記表示結果事前決定手段により決定された表示結果を前記画像表示装置に表示させる制御を行なう表示制御手段と、
前記始動条件の成立に基づいて前記画像表示装置に前記表示結果を導出表示させる際に実行される図柄の更新表示パターンをその導出表示以前に予め定められた複数の更新表示パターンの中から決定する更新表示パターン事前決定手段とを含み、
前記特定表示結果は、前記特別遊技状態に移行される第１特定表示結果と前記通常遊技状態に移行される第２特定表示結果とを含み、
前記移行制御手段は、前記表示結果事前決定手段が前記第１特定表示結果を決定したことにより該第１特定表示結果の表示を契機として発生した前記特定遊技状態の終了後前記特別遊技状態に移行制御し、前記表示結果事前決定手段が前記第２特定表示結果を決定したことにより該第２特定表示結果の表示を契機として発生した特定遊技状態の終了後、前記通常遊技状態に移行制御し、
前記データ記憶手段は、前記表示結果事前決定手段で前記第１特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第１図柄に対応した第１図柄データと、前記表示結果事前決定手段で前記第２特定表示結果となることが決定されたとき導出表示される第２図柄に対応した第２図柄データとを記憶する図柄データ記憶領域を有し、
前記図柄データ記憶領域は、各図柄を識別するための識別情報部分のデータと該識別情報とは異なる装飾情報部分のデータとを記憶しており、
前記第１図柄の識別情報部分である第１識別情報と前記第２図柄の識別情報部分である第２識別情報とは異なった大きさで構成され、
前記第１図柄の装飾情報部分である第１装飾情報と前記第２図柄の装飾情報部分である第２装飾情報とは異なった大きさに構成され、かつ、それら両装飾情報の大小関係が、前記第１識別情報と前記第２識別情報とでは逆の大小関係となるように構成されており、
前記表示制御手段は、
前記複数種類の図柄の更新表示制御とは別に、前記装飾情報部分と前記識別情報部分とを有する図柄全体を動作させる図柄単位での動作表示制御を行なう第１表示制御手段と、
前記図柄を構成している前記装飾情報部分と前記識別情報部分との図柄構成部分単位での動作表示制御を行なう第２表示制御手段とを含み、
前記更新表示パターン事前決定手段によって、前記複数の表示部の一部がまだ更新表示している段階で既に表示結果が導出表示されている表示部での表示図柄が前記特定表示結果となる条件を満たしている状態であるリーチ状態を表示させるパターンが決定されたことに基づいて、リーチ状態となり、未だ表示結果が導出表示されてない前記表示部にて前記第１図柄から前記第２図柄への更新表示を行なう際あるいは前記第２図柄から前記第１図柄への更新表示を行なう際に、前記第１図柄を更新表示させながら第１表示制御手段による図柄単位での動作表示制御を実行し、前記第２図柄を更新表示させながら前記第２表示制御手段による図柄構成部分単位での動作表示制御を実行することを特徴とする、プログラム。
Priority Applications (1)
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| JP2003094603A JP2004298382A (ja) | 2003-03-31 | 2003-03-31 | 遊技機およびその制御方法ならびにそのプログラム |
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Publications (1)
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| JP2004298382A true JP2004298382A (ja) | 2004-10-28 |
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- 2003-03-31 JP JP2003094603A patent/JP2004298382A/ja not_active Withdrawn
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