JP2004201965A - 遊技機および表示画面制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】重畳する表示手段を備え、前後の表示画像が移動するような表示を行ない、1つの表示画面で表示するよりも、奥行き感(立体感)が出せてインパクトのある表示を可能とした遊技機を提供すること。
【解決手段】前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、その背面側にバックライトを配置した可変表示装置の一方の液晶パネルに、選択された変動パターンに基づき記憶手段よりオブジェクト画像を読み出して表示する。一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段を備える。リーチ状態から最後に変動停止する識別情報を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに拡大して切換表示するなど多彩な表示ができる。
【選択図】 図9
【解決手段】前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、その背面側にバックライトを配置した可変表示装置の一方の液晶パネルに、選択された変動パターンに基づき記憶手段よりオブジェクト画像を読み出して表示する。一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段を備える。リーチ状態から最後に変動停止する識別情報を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに拡大して切換表示するなど多彩な表示ができる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機および表示画面制御方法に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機および表示画面制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重畳する表示手段を備える遊技機として、透明ELパネルの背後に回転リール表示器が配され、回転リール表示器を照明するための蛍光灯が配されたものがあった。ゲームの実行中は蛍光灯を点灯させて回転リール表示器の表示を明瞭にし、待機状態で透明ELパネルに遊技方法などを表示する場合には蛍光灯を消灯するので、背後の回転リール表示器などが透明ELパネルを透かしては見えにくくなり、その分透明ELパネルの表示が明瞭になるものである(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−252394号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の遊技機では、回転リール表示器の前方にある透明ELパネルで演出表示できたとしても、後方にある主となる表示器が回転リール表示器であるため、透明ELパネルで演出表示したキャラクタ画像などを回転リール表示器に切換移動させようとしてもできないという問題があった。
【0005】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、重畳する表示手段を備える遊技機として、前後の表示画像が移動するような表示を行ない、1つの表示画面で表示するよりも、奥行き感(立体感)が出せてインパクトのある表示を可能とした遊技機および表示画面制御方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 複数種類の識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(図1:12)を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ、たとえば、777などのゾロ目の特定図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネル(図3:42、43)と、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライト(図3:44)とを備え、
始動入賞(図1:始動可変入賞球装置16への入賞)に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(図2:40)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段(図2:50、演出制御マイクロコンピュータ52、図7:VDP57)と、
オブジェクト画像(液晶パネル(前)42、液晶パネル(後)43に表示される、たとえば、図4(c):キャラクタ36、特別図柄37〜39などの動画像、静止画像)を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段(図2:31、図7:キャラクタROM58)とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段(図2:50a)と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段(図2:61)とを含む。
【0007】
このような構成によれば、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルの可変表示装置を備え、一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示するので、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動するような表示ができ、今までにない演出表示ができる。また、1つの液晶パネルで表示する場合に比べ、奥行き感が出せ、インパクトのある表示ができる。
【0008】
(2) 前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段(図2:60)をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する。
【0009】
このような構成によれば、一方の液晶パネルに表示されたオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段が備えられているために、オブジェクト画像の切換時期を比較的自由に設計し易くなる。
【0010】
(3) 時間を計時するための計時手段(図2:63)を備え、
前記オブジェクト画像表示制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンと前記計時手段により計時された時間とに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を呼び出して前記一方の液晶パネルに該呼び出したオブジェクト画像を表示し、前記前後切換表示制御手段はその後前記選択された変動パターンにより予め定められている画像切換表示タイミングに従って、前記呼び出したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する。
【0011】
このような構成によれば、選択された変動パターンにより予め定められた画像切換表示タイミングに従ってオブジェクト画像の切換表示がなされるために、表示される変動パターンにより予め定められた時期にオブジェクト画像が切換られ、選択されて表示される変動パターンにマッチしたタイミングでオブジェクト画像の切換が行なわれるように設計し易くなる。
【0012】
(4) 前記オブジェクト画像は識別情報(特別図柄37〜39)である。
このような構成によれば、前後の液晶パネルを識別情報が移動する表示が行なわれ、その表示結果により遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となるために遊技者の注目を集める識別情報の前後切換表示により、今までにない斬新な識別情報による可変表示演出が可能となる。
【0013】
(5) 前記オブジェクト画像は識別情報以外の動的キャラクタ画像(たとえば、図4(a):キャラクタ36、図5(a):キャラクタ36a〜36d)である。
【0014】
このような構成によれば、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動する表示において、動的キャラクタを用いて多彩な演出が可能となる。
【0015】
(6) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報を前面側の液晶パネルから後面側の液晶パネルに切換表示する制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記リーチ状態となったときに、前記表示画像記憶手段に記憶されている前記識別情報以外の動的キャラクタ画像を読出して前記前面側の液晶パネルに表示する制御を行なう動的キャラクタ画像表示制御手段(図2:50b、図4(a)⇒図(b)参照)をさらに含む。
【0016】
このような構成によれば、リーチ状態となったことにより識別情報が後面側の液晶パネルに切換表示されるとともに動的キャラクタ画像が前面側の液晶パネルに表示されるために、動的キャラクタ画像を前面側で効果的にアピールして強調することができ、効果的なリーチ演出を行なうことができる。
【0017】
(7) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報以外の動的キャラクタ画像を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに切換表示する制御(図4(a)⇒図(b)参照)を行なう。
【0018】
このような構成によれば、リーチ状態になり、リーチ演出する際に、識別情報以外の動的キャラクタ画像を前面側の液晶パネルに切換表示して強調できる。特に動的キャラクタ画像表示が奥から手前側に出てきた感じになるので、よりアピールできる。
【0019】
(8) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記リーチ状態から最後に導出表示される可変表示部の識別情報を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに拡大して切換表示する制御(図2:表示制御手段50、図6(a)⇒図(b)参照)を行なう。
【0020】
このような構成によれば、リーチ状態になり、リーチ演出する際に、最後に停止する識別情報をアピールできる。
【0021】
(9) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報を前面側の液晶パネルから後面側の液晶パネルに切換表示する制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記リーチ状態となったときに、前記表示画像記憶手段に記憶されている前記識別情報以外の静的キャラクタ画像(たとえば、図6(c):海底の風景からなる背景画像、図6(d):「リーチ!」の文字画像36e)を読出して前記前面側の液晶パネルに表示する制御を行なう静的キャラクタ画像表示制御手段(図2:50c)をさらに含む。
【0022】
このような構成によれば、リーチ状態となったことにより識別情報が後面側の液晶パネルに切換表示されるとともに静的キャラクタ画像が前面側の液晶パネルに表示されるために、静的キャラクタ画像を前面側表示により効果的にアピールして強調することができ、効果的なリーチ演出を行なうことができる。
【0023】
(10) 複数種類の識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(図1:12)を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ、たとえば、777などのゾロ目の特定図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機における表示画面制御方法であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネル(図3:42、43)と、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライト(図3:44)とを備え、
前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像(液晶パネル(前)42、液晶パネル(後)43に表示される、たとえば、図4(c):キャラクタ36、特別図柄37〜39などの動画像、静止画像)を表示し、
所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する。
【0024】
このような制御方法によれば、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動するような表示ができるので、今までにない演出表示ができる。また、1つの液晶パネルで表示するよりも奥行き感が出せ、インパクトのある表示ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよい。
【0026】
第1実施形態
まず、遊技機の一例である弾球遊技機の全体構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面から見た正面図である。
【0027】
図1に示すように、弾球遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2と、該外枠2の内側に開閉可能に軸支されかつ弾球遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面下部には遊技球を貯留するための上皿7が設けられている。上皿7の下方には、上皿7から溢れた遊技球を貯留する下皿8と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)9とが前面枠3に設けられている。
【0028】
また、前面枠3には、前面側に遊技領域62が形成された遊技盤56が収容される遊技盤収容部(図示しない)があり、遊技盤56はその遊技盤収容部に収容され、前面枠3に対して着脱可能に設けられている。前面枠3は、弾球遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。前面枠3において遊技領域62の左右周辺には、遊技中に点灯表示されるランプ10およびLED11が設けられる。また、上皿7の右側には、前面枠3を開放するための錠部6が設けられている。
【0029】
遊技盤56の遊技領域62には、打球操作ハンドル9を操作することに応じて打球発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が誘導レールに誘導されて打ち込まれる。
【0030】
遊技領域62の中央付近には、液晶表示器よりなる可変表示装置12とLED表示器よりなる副可変表示装置18とを含む表示装置が設けられている。可変表示装置12は、図3(a)に前後方向の縦断面図を、図3(b)に原理的な説明用概略斜視図を示す。このように前方側の液晶パネル(前)42、後方側の液晶パネル(後)43と2つの液晶パネルを前後に積層状に配置し、これら2つの液晶パネルの背面側にバックライト44を、その後側にドライバ回路45を備えた表示ユニット4で構成されている。このバックライト44は液晶パネル(後)43に光を照射するが、その液晶パネル(後)43を通過した光が液晶パネル(前)42に照射され、液晶パネル(後)43とともに液晶パネル(前)42に表示される画像も良く見えるように光量が豊かな強力バックライトである。液晶パネル(後)43に表示される画像は薄い色が選択される。前側への透光性能を良くするためである。なお、バックライト44はその光を前方の液晶パネル42、43に集中して透過させ、それ以外の部分には光が漏れないように反射板を備えている。バックライトから液晶パネル42,43の全面にほぼ均一な光が放出される。バックライトから放出された光は、液晶パネル42,43を透過して遊技者の両眼に導かれる。前方側の液晶パネル(前)42と後方側の液晶パネル(後)43との2つの液晶パネルの前後方向の間隔は20mm程度であるため、後方側の液晶パネル(後)43に表示された画像が前方側の液晶パネル(前)42に切換えて表示されると、画像が飛び出してくるような奥行き感がだせるなど、多彩な演出表示ができる。
【0031】
可変表示装置12は、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報としての特別図柄(図柄画像)を可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能であるとともに、キャラクタ等のその他の画像を動画像や静止画像として表示できる可変表示可能な可変表示部である。ここで、識別情報とは、その識別情報またはその組合せが当りおよびはずれを意味するものであり、キャラクタとは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報とは異なるものである。つまり、キャラクタはそれ自体が当りおよびはずれを意味するものではなく、装飾もしくは当りやすいことを示唆する演出、報知するものである。キャラクタは動的キャラクタと静的キャラクタの大きく2つに分類するが、動的キャラクタとは人物、動物、ロボットなど自ら動くもので動画として用いられることが多いものであり、静的キャラクタとは文字や背景など自ら動くことがないものである。これらの画像をキャラクタ(キャラクタ画像)という。
【0032】
副可変表示装置18は、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を可変表示可能である。
【0033】
可変表示装置12では、図1に示すように表示画面上で左可変表示部(左図柄表示部47),中可変表示部(中図柄表示部49),右可変表示部(右図柄表示部48)という複数(3つ)の可変表示部を有し、これら可変表示部で左特別図柄37,中特別図柄39,右特別図柄38という複数(3つ)の特別図柄がそれぞれ左右方向に並んで可変表示される。可変表示装置12では、これら特別図柄をスクロール等の可変表示方式で可変表示可能であり、可変表示の表示結果を導出表示する。
【0034】
また、副可変表示装置18は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器と、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器とを含む。当り表示器およびはずれ表示器は、LED(発光ダイオード)により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような副可変表示装置18では、当り表示器およびはずれ表示器を交互に点灯するよう点滅させる(交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる)ことにより普通図柄としての○印と×印とを所定時間間隔で可変表示(更新表示,変動表示ともいう)する。
【0035】
本実施の形態においては、LEDよりなる当り表示器およびはずれ表示器を副可変表示装置18に用いた場合を説明したが、これに限らず、7セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を可変表示可能なものを副可変表示装置18に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。なお、ここでは、副可変表示装置18を可変表示装置12と分離構成した例を示したが、副可変表示装置18の表示内容を、可変表示装置12の表示領域の一部に表示するように構成されてもよい。
【0036】
また、可変表示装置12の上部には、始動入賞記憶表示用の4個のLED14が設けられている。この始動入賞記憶表示用のLED14の点灯している数により、特別図柄の可変表示を始動させるための始動可変入賞球装置16への入賞数(始動入賞数)が所定数(たとえば、4)を上限として記憶(後述する主制御基板26に設けられるRAMへの記憶であり、始動入賞記憶と呼ばれる)されていることが表示される。
【0037】
なお、始動可変入賞球装置16を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ19が設けられており、始動口スイッチ19により遊技球が検出された場合には、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置12において、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。一方、図柄の可変表示が開始できる状態でなければ、始動入賞記憶用のLED14で表示される始動入賞記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、可変表示装置12での可変表示が開始されるごとに始動入賞記憶が1づつ減り、点灯するLED14が1づつ減らされる。なお、可変表示装置12において可変表示がなされている間や大当り遊技中(特定遊技状態に制御中)などの間は、次の可変表示を開始することはできないので、その間に発生した始動入賞は保留(記憶)される。この4を上限として記憶される始動入賞記憶が上述の始動入賞記憶表示用のLED14の点灯数により表示されるのである。
【0038】
また、副可変表示装置18の上部に設けられた通過ゲートを通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ20が設けられており、遊技球が通過ゲートを通ってゲートスイッチ20で検出されると、その検出信号に基づいて副可変表示装置18が所定期間可変表示した(前述したように交互に点灯するよう点滅させた)後、表示結果が導出表示される(点滅を停止してどちらか一方を点灯させる)制御が行なわれる。副可変表示装置18の可変表示結果が、普通図柄における当り図柄として予め定められた表示態様、すなわち、当り表示器の点灯表示(○印の点灯表示)である場合には、始動可変入賞球装置16が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動可変入賞球装置16に遊技球が入賞しやすい状態となる。その後、一定時間経過または所定個数の入賞により始動可変入賞球装置16は、閉状態となる。
【0039】
可変表示装置12の下方位置には、ソレノイド(図2のソレノイド25)によって開閉動作される始動可変入賞球装置16(電動チューリップ役物)と、ソレノイド(図2のソレノイド24)により駆動される開閉板の開閉動作により開閉される大入賞口を有する可変入賞球装置15とが上から順に配列されている。始動可変入賞球装置16に入った遊技球は、始動口スイッチ19によって検出された後、遊技盤56の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15に入った遊技球は、特定領域スイッチ21もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤56の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15内に入った遊技球のうち、特定領域スイッチ21により検出された遊技球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、可変入賞球装置15から内部に入った遊技球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0040】
遊技盤56には複数の入賞口17が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口17への入賞は、入賞口スイッチ23によって検出される。複数の入賞口17それぞれに対応して入賞口スイッチ23が設けられているため、各入賞口17ごとに入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0041】
可変表示装置12の上部には、遊技中に点灯表示されるランプ13が設けられている。また、遊技領域62の下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口が設けられいる。
【0042】
可変表示装置12での特別図柄(左・中・右図柄37、39、38)の可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。停止時の特別図柄(左・中・右図柄37、39、38)の組合せが特定の表示態様である大当り図柄の組合せ(たとえば、777等のぞろ目の特定の図柄の組合せ)となると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。つまり、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態という価値(遊技価値)が付与されるのである。
【0043】
大当り遊技状態においては、通常状態において閉状態とされている可変入賞球装置15が、一定時間(たとえば30秒)経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、可変入賞球装置15の開放中に遊技球が特定入賞領域に入賞し特定領域スイッチ21で検出されると、継続権が発生し可変入賞球装置15を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0044】
また、可変表示装置12の可変表示中においては、リーチ状態(リーチ表示態様)が発生する場合がある。ここで、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の識別情報の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の識別情報の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている識別情報の表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0045】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0046】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0047】
可変表示の停止時における可変表示装置12での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる(大当りが発生しやすくなる)。つまり、可変表示装置12の表示結果が特定の表示態様のうちの特別の表示態様となった場合には、特別遊技状態として、特定の表示態様のうちの特別の表示態様以外の表示態様となった場合と比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される。このような場合には、予め定められた確率変動終了条件(たとえば次の大当り遊技状態が発生すること)が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。このような確率変動状態は、大当りとなる確率が向上した確率向上状態とも呼ばれる。
【0048】
また、確率変動状態では、副可変表示装置18における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動可変入賞球装置16の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる。さらに、確率変動状態では、可変表示装置12および副可変表示装置18における可変開始から可変停止までの時間が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0049】
また、この弾球遊技機1においては、特別図柄の表示結果が大当りとなることが事前決定された場合には、特別図柄を一旦大当り図柄の組合せで仮に停止した後、確率変動状態を発生させるか否かを抽選により決定するように見せる演出としての再抽選表示が行なわれる。つまり、再抽選表示は、大当り図柄となる特別図柄を一時的に仮の表示結果として表示させた後、再度可変表示開始させ、確定する表示結果をいずれかの大当り図柄として導出表示させる演出を行なう再可変表示である。さらに言い換えると、再抽選表示は、可変表示の過程において特定表示態様(大当り図柄の組合せ)を導出した後に、再度表示結果として当該特定表示態様(大当り図柄の組合せ)と同じ、または異なる特定表示態様を導出する再可変表示である。その再可変表示の表示結果となった大当り図柄が予め定められた確率変動図柄(たとえば、「3」,「7」等の予め定められた大当り図柄)となった場合に、大当り制御終了後において確率変動状態が発生する。一方、再抽選の結果として確率変動図柄以外の非確率変動図柄が表示された場合には確率変動状態は発生しない。
【0050】
また、特別図柄の可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り遊技状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、後述する遊技制御マイクロコンピュータ51において予め定められたランダムカウンタ(後述する各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り遊技状態が発生する場合と実際には大当り遊技状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0051】
以上に示したような弾球遊技機1の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御(遊技制御)は、主基板26(遊技制御基板ともいう。図2参照)に設けられたCPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を含む遊技制御マイクロコンピュータ51により実行される。また、遊技制御マイクロコンピュータ51は、弾球遊技機1の遊技の進行に伴って、後述する演出制御基板30の演出制御マイクロコンピュータ52にコマンドを送信して、演出制御マイクロコンピュータ52により可変表示装置12の表示制御、スピーカ41a,41bから出力される音の制御、ランプ・LED10,11,13,14における電飾制御が実行される。
【0052】
さらに、図1には、弾球遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット5も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0053】
カードユニット5には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を上皿7の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ、カードユニット5がいずれの側の弾球遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット5内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット5を開放するためのカードユニット錠が設けられている。
【0054】
図2は、主基板(遊技制御部)を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態における弾球遊技機1は、主として電源基板(電源部)29と、主基板(遊技制御部)26と、入力部19aと、出力部24aと、演出制御基板(演出制御部)30と、払出制御基板(払出制御部)27とを備えている。
【0055】
主基板(遊技制御部)26と、演出制御基板(演出制御部)30と、払出制御基板(払出制御部)27とは、それぞれ別体に設けられ、上述した前面枠3の裏面に設置される。
【0056】
電源基板29は、弾球遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。主基板26は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を含む遊技制御マイクロコンピュータ51を含み、主に特別図柄の可変表示などの遊技において用いる乱数の生成機能、入力部19aからの信号の入力を行なう機能、出力部24aに対して信号の出力を行なう機能、演出制御基板30および払出制御基板27に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0057】
入力部19aは、始動口スイッチ19、ゲートスイッチ20、特定領域スイッチ21、カウントスイッチ22、入賞口スイッチ23を含み、主に遊技球の検出を行なうものである。出力部24aは、可変入賞球装置15を駆動するためのソレノイド24と、始動可変入賞球装置16を駆動するためのソレノイド25等を含み、遊技制御基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51からの指令に従って駆動される。
【0058】
演出制御基板30は、CPU、ROM、およびRAMを含む演出制御マイクロコンピュータ52を含み、遊技制御部26から送信される制御コマンドおよび選択された変動パターンに基づいて、特別図柄などのオブジェクト画像の可変表示制御、液晶パネル(後)43に表示されている画像を液晶パネル(前)42に移動(切換)表示する制御(その逆に液晶パネル(前)42に表示されている画像を液晶パネル(後)43に移動(切換)表示する制御を含む)、選択された変動パターンに基づいて表示画像記憶手段31からオブジェクト画像を読み出して可変表示装置12に表示する制御(表示制御手段50による制御)、音声出力制御(音声制御手段32による制御)、ランプなどの電飾制御(ランプ制御手段33による制御)を実行するものである。また、表示画像記憶手段31は可変表示装置12に表示する画像を記憶する手段であり、後述するキャラクタROM58である。
【0059】
表示制御手段50は可変表示装置12に接続されている。可変表示装置12は、液晶パネル(前)42、液晶パネル(後)43を含み、表示制御手段50に制御されてドライバ回路基板45がこれら液晶パネルにオブジェクト画像を表示する。また始動可変入賞球装置16への始動入賞に伴い決定される識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段40は主基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51に設けられている。
【0060】
主基板26から演出制御基板30には、演出制御基板30により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である制御コマンドが伝達されるが、この制御コマンドは、可変表示装置12の制御を指定する表示制御用コマンドと、音の制御内容を指定する音制御コマンドと、ランプ・LEDなどの電飾装置の制御を指定する電飾制御コマンドとして活用される。たとえば、表示制御用コマンドとしては、可変表示の変動パターン(可変表示時間も含む)、可変表示の停止図柄、可変表示の停止、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。表示制御手段50は、このような表示制御コマンドに応じて特別図柄の可変表示や液晶パネル(後)43と液晶パネル(前)42との画像移動(切換)表示、表示画像記憶手段31から読み出したオブジェクト画像の表示を可変表示装置12および副可変表示装置18を駆動して行なう。
【0061】
また、音制御コマンドは、制御コマンドから制御コマンドに関連付けられた音の発生態様(発生パターン)、発生対象音(音の種類)、および音の発生の有無等の音制御に関する各種内容を選択する。この選択した内容が音データである。音声制御手段32は、スピーカ41a,41bと接続されており、制御コマンドに応じて選択された音データに従ってスピーカ41a,41bを駆動する。
【0062】
払出制御部27は、CPU、ROM、およびRAMを含む払出制御マイクロコンピュータを含み、払出装置28に接続される。遊技制御部26から払出制御部27には、払出制御部27により駆動制御される払出装置28により賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝達される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御制御部27では、払出制御用マイクロコンピュータは、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。また、払出制御マイクロコンピュータでは、カードユニット5と相互に情報通信することにより、カードユニット5からの指令に応じた貸玉の払出制御も行なわれる。
【0063】
なお、図2においては、可変表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とを1つの演出制御マイクロコンピュータ(演出制御基板)52で実行する例を示したが、これに限らず、可変表示制御機能、音制御機能およびランプ制御機能をそれぞれ別のマイクロコンピュータで、前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、およびランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。ただし、演出制御マイクロコンピュータ52(演出制御基板30)で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ(主基板26)51のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【0064】
上記の始動口スイッチ19により遊技球が検出された以後の主基板(遊技制御部)26におけるプロセス処理について、処理手順を簡単に説明する。まず始動入賞に伴い、大当りとするか否かが決定される。この決定は、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断により決定される。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。このランダムカウンタは、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。
【0065】
次に、可変表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。
【0066】
また、特別図柄の可変表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定(選択)は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0067】
また、特別図柄の可変表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左,中,右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左,中,右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って可変(更新)表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の各停止図柄が一致するように決定される。
【0068】
以上に示したような大当り判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能および、停止図柄決定機能は、主基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51の制御機能により実現される。
【0069】
以上のように、特別図柄大当り判定処理、停止図柄設定処理に続いて、変動パターン設定処理(可変表示装置12における図柄(識別情報)の変動表示のパターンすなわち変動パターン(可変表示パターン)を決定(選択)し、決定された変動パターンおよび停止図柄等を通知するための制御コマンドを演出制御基板30の表示制御手段50等に対して出力する。)その後、特別図柄変動処理に移行する。以下、特別図柄図柄停止処理、大入賞口開放前処理(カウンタやフラグを初期化してソレノイド24を駆動して可変入賞球装置15の大入賞口を開放する。)、大入賞口開放中処理(大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。)、特定領域有効時間処理(特定領域スイッチ(V入賞スイッチ)21の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。)、大当り終了処理(大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示をランプ制御手段33等に行わせる制御を行う。)が行なわれる。
【0070】
次に、図3で先に説明した可変表示装置12の表示ユニット4の2層表示液晶ディスプレイについて説明する。前後2枚の液晶パネルを用いるため、(1) 多くの情報を2層に表示できる。(2) 液晶パネル(前)42を透過して液晶パネル(後)43も同時に見ることができる。(3) 前後2枚の液晶パネル間は20mm程度の距離があるため、3次元的な奥行き感を表現できる。(4) 前後の液晶パネルにそれぞれ別な動きをする画像を表示したときはこの2つの動きを同時に見ることができるという特徴がある。なお、透光性をよくし、前後2枚の液晶パネルを同時によく見えるようにするため、画像以外のなにもない個所はできるだけ透明に近い状態にするものとする。
【0071】
次に、図4、図5、図6を用いて具体的な移動(切換)表示例について説明する。まず図4(a)では液晶パネル(前)42に特別図柄(識別情報)の変動を表示し、液晶パネル(後)43にはキャラクタ36による動画像を用いて(静止画像を用いてもよい。)演出表示している。液晶パネル(前)42の特別図柄変動画面において、左特別図柄37、右特別図柄38がともに確率変動を伴う大当り図柄の「7」で変動表示が停止し、まだ変動表示中の中特別図柄39がもし同じ図柄「7」で停止表示すれば、確率変動を伴う大当り状態に制御される前段階の、いわゆるリーチ状態になったとする。
【0072】
このとき、リーチ状態の特別図柄変動画面を図4(b)で示すように液晶パネル(前)42から液晶パネル(後)43に移動(切換)表示し、液晶パネル(後)43で演出表示中のキャラクタ36による動画像を液晶パネル(前)42に移動(切換)表示する。液晶パネル(前)42で演出表示中のキャラクタ36の動画像と重なった個所は幾分見え辛くなるが、大当りを願う遊技者は楽しみな期待をキャラクタ36の画像の動きに託して、液晶パネル(後)43で変動表示中の中特別図柄39に注目するようになる。なお、キャラクタ36による動画像を用いた演出表示は図4(a)で示すように、変動表示の最初から液晶パネル(後)43に表示してもよいし、リーチ状態になってから図4(b)に示すように液晶パネル(前)42に表示することにしてもよい。
【0073】
やがて「777」のゾロ目で変動表示が停止したとすると、確変付きの大当りとなる。このとき「777」の表示結果画面は、図4(c)に示すように液晶パネル(前)42に移動(切換)表示する。そしてキャラクタ36による動画像が液晶パネル(後)43に移動(切換)表示する。このように楽しみが実現した変動表示結果がよく見える液晶パネル(前)42で表示される。そして図4(d)に示すように液晶パネル(後)43において、キャラクタ36による動画像を用いた演出表示は消滅し、代わりに「大当り」の文字画像が表示される。やがて「777」と「大当り」の文字画像は液晶パネル(前)42と液晶パネル(後)43とで交互に移動(切換)表示される。この「大当り」の文字画像は静的キャラクタ画像である。なお、図4(b)の液晶パネル(後)43において、中特別図柄39が可変表示(スクロール、変動表示)から停止するときは急に停止するのではなく、停止少し前から段々と可変速度を落としていって最後はゆっくりと停止する。これは左特別図柄37、右特別図柄38でも同様である。また、リーチ状態のときの中特別図柄39は、通常の変動時間よりも長く変動する。
【0074】
やがて遊技状態が大当り状態に制御されると、図4(e)に示すように液晶パネル(前)42にキャラクタ36による動画像を用いた演出表示がされ、液晶パネル(後)43には、たとえば大当りのラウンドナンバー表示(R1:1回目の大当り状態への制御中)、確変付きか否かがわかるようにゾロ目となった大当り図柄の表示(7:確変付き大当り)、現在の大当りラウンドナンバー中に大入賞口の開放された可変入賞球装置15への入賞球数のCOUNT(カウント)表示(星の数で入賞球数を表わす。)などが行なわれる。なお、リーチ状態後にハズレとなったときは、図4(b)から図4(c)の「777」の代わりにハズレ図柄が液晶パネル(前)42で表示された後、表示が消滅し変動表示が終了する。
【0075】
図4(d)では、変動表示が特定表示態様(大当り図柄)の表示結果となったときに大当り図柄「777」と大当り表示「大当り」が前後の液晶パネルに交互に切換表示される例を示しているが、図5(a)、(b)では、リーチ状態で変動表示画像とキャラクタによる動画像とが前後の液晶パネルに交互に切換表示される例を示している。図5(a)ではキャラクタ36a〜36dであり、図5(b)ではキャラクタ36である。これらのキャラクタ画像は動的キャラクタ画像である。
【0076】
図5(c)の液晶パネル(前)42には、図4(e)の液晶パネル(後)43に示すように大当りのラウンドナンバー、確変付きか否かがわかるようにゾロ目となった大当り図柄、現在の大当りラウンドナンバー中の可変入賞球装置15への入賞球数を表わす旨の表示が表示されている。液晶パネル(後)43には静止した背景画像として海底の風景が表示されている。これらは大当り状態に制御中の演出表示である。このように前後2枚の液晶パネルによる表示により、多彩な演出表示や情報の報知が可能となる。
【0077】
図6(a)は、左特別図柄37、右特別図柄38が液晶パネル(前)42で変動表示し、中特別図柄39が液晶パネル(後)43で変動表示している状態を示している。つまり、変動表示は通常、左特別図柄37、右特別図柄38の順でその変動を停止する。まず始めに左特別図柄37、右特別図柄38が大当り図柄で停止してリーチ状態になるかどうかが関心事となる。そこでよく見える液晶パネル(前)42で左特別図柄37、右特別図柄38の変動表示を表示させる。その後リーチ状態となったら、次は大当りとなるかどうか最後に停止する中特別図柄39の変動表示が最大の関心事となる。そこで、図6(b)に示すように、中特別図柄39の変動表示を液晶パネル(前)42の中央で拡大表示する。このため大きな画像となった中特別図柄39が液晶パネル(前)42で変動表示する。そして既に変動表示が停止している左特別図柄37、右特別図柄38は液晶パネル(後)43に移動(切換)表示される。
【0078】
なお、図示していないが変形例として、液晶パネル(前)42は何も表示しない透明に近い状態とし、液晶パネル(後)43で特別図柄の変動を表示しておき、まず左特別図柄37の変動が停止すると、その停止し確定した左特別図柄37を拡大して液晶パネル(前)42の中央で表示しその後通常の大きさの画像に戻して液晶パネル(前)42の所定位置(左側)で表示する。このようにすると、確定した特別図柄(識別情報)が奥から前方に飛び出してくる感じになり、その演出表示効果は大なるものがある。次に右特別図柄38の変動が停止すると、その停止し確定した右特別図柄38を拡大して液晶パネル(前)42の中央で表示しその後通常の大きさの画像に戻して液晶パネル(前)42の所定位置(右側)で表示する。最後に中特別図柄39の変動表示が停止すると、その停止し確定した中特別図柄39を拡大して液晶パネル(前)42の中央で表示しその後通常の大きさの画像に戻して液晶パネル(前)42の所定位置(中央)で表示するようにしても面白い。
【0079】
図6(c)は液晶パネル(前)42で変動表示画像を表示し、液晶パネル(後)43では静止した背景画像を演出表示している。ここでは、背景として海底の風景が描かれている。リーチ状態になると、図6(d)に示すように、このリーチ状態となった変動表示画像を液晶パネル(後)43で表示し、液晶パネル(前)42には「リーチ!」の文字画像を表示してリーチ状態になったことを遊技者に報知しつつ、液晶パネル(後)43で表示しているリーチ状態となった変動表示画像に注目させることができる。この海底の風景からなる背景画像や「リーチ!」の文字画像は識別情報以外の静的キャラクタ画像である。
【0080】
次に図7を用いて表示制御手段50の構成について説明する。主基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51に設けられている変動パターン選択手段40が始動入賞に伴い決定した識別情報の変動パターンに基づき、主基板26から演出制御マイクロコンピュータ52にある表示制御手段50に表示制御コマンドである変動パターンコマンド46が送られてくる。この変動パターンコマンド46を受けた演出制御マイクロコンピュータ52のCPU53はクロック信号の入力により制御ROM54に記憶されているプログラムに従って動作する。RAM55はCPU53(演出制御マイクロコンピュータ52)のワークエリアとして機能する。CPU53は入力されてきた変動パターンコマンド46に従って液晶パネル42、43を表示制御するための指令信号を出力する。
【0081】
VDP(Video Display Processor)57には表示クロックの同期信号により水平・垂直同期信号および表示ドライバ用同期信号を発生させる処理信号作成回路、表示すべきスプライト情報(位置・サイズ・種類・色・優先順位など)を記憶するアトリビュートテーブルとそのアトリビュートテーブルの情報に従い表示画像記憶手段31であるキャラクタROM58に記憶されている画像データを読み出してVRAM(Video Random Access Memory)59に書込む処理を行なうためのスプライト演算部と、表示される色データを記憶しているパレットテーブルと、異なったタイプの表示装置に対応するための色味を変換する処理を行なうDACテーブルとが備えられている。ドライバ回路基板45(図3(a))はDACテーブルから出力されてきた画像信号を表示駆動に必要な映像信号に変換して液晶パネル42、43へ出力する。液晶パネル42、43はその信号を受けて映像を表示する。
【0082】
次に本実施の形態のポイントとなる画像表示の制御動作を説明する。本実施の形態では、図4に示すような、液晶パネル(前)42の表示画面と液晶パネル(後)43の表示画面とを前後切換制御する表示画像動作が行なわれる。それを実現する機能として、本実施の形態における遊技機は、図9の機能ブロック図に示す機能実現手段を備えている。まず、図9に基づいて機能実現手段を説明した後、その機能実現手段により実現される表示画像の切換状態を図4に基づいて説明し、その切換制御における2種類の方法を、図8に基づいて説明する。
【0083】
遊技領域に打込まれた遊技球が始動可変入賞球装置16に入賞したことに基づき、識別情報の変動パターン選択手段40が可変表示装置12に表示する識別情報の変動パターンを選択する。この識別情報の変動パターンとは、たとえば複数種類あるリーチ演出動作パターン等を意味し、この変動パターン選択手段40により、始動入賞に伴って可変表示装置12を可変表示させた際のどの変動パターンを表示するかが選択される。その選択された変動パターンのコマンドが表示制御手段50(CPU53)に送られる。表示画像記憶手段31は、可変表示装置12に表示するためのオブジェクト画像を含む複数種類の表示画像を記憶している。このオブジェクト画像とは、可変表示装置12に表示される複数種類の識別情報(図柄)であってもよく、また、その識別情報以外のキャラクタ画像(動的キャラクタ画像)であってもよい。可変表示装置12の表示画面を制御する表示制御手段50には、オブジェクト画像表示制御手段50aと、前後切換表示制御手段61とが備えられている。一方、可変表示装置12は、前後に積層状に2つの液晶パネル42,43が配置されており、液晶パネルの背面側にバックライト44が配置されている。
【0084】
オブジェクト画像表示制御手段50aは、変動パターン選択手段40が選択した変動パターンのコマンドに基づいて、その変動パターンに対応するオブジェクト画像を表示画像記憶手段31から読出して、可変表示装置12の一方の液晶パネル(たとえば前方の液晶パネル42)に表示する制御を行なう。その後、所定の切換表示タイミングが来た時点で前後切換表示制御手段61により、可変表示装置12の一方の液晶パネル(たとえば前方の液晶パネル42)に表示したオブジェクト画像(図柄)を他方の液晶パネル(後方の液晶パネル43)に切換表示する制御が行なわれる。図9の表示画像記憶手段31は、図7のキャラクタROM58で構成されている。図9の表示制御手段50は、図7の演出制御マイクロコンピュータ52とVDP57とVRAM59とにより構成されている。
【0085】
次に、図4に示されたオブジェクト画像の切換表示について説明する。図4は、可変表示装置12の前方側液晶パネル42と後方側液晶パネル43との表示画面の移り変わりを矢印で示したものである。まず、変動パターン選択手段40によりリーチ状態における変動パターンが選択され、その変動パターンに対応するオブジェクト画像(図4では「7」の図柄37,38と変動表示されている図柄39、または、キャラクタ36)が、表示画像記憶手段31から読出される。その読出されたオブジェクト画像が、オブジェクト画像表示手段50aにより表示されている状態が、図4の(a)の状態である。この(a)では、液晶パネル(前)42により図柄37,38,39が表示され、液晶パネル(後)43によりキャラクタ36が表示された状態が示されている。
【0086】
そして、所定の切換表示タイミングが来た時点で前後切換表示手段61の働きにより、前面側の液晶パネル42に表示されたオブジェクト画像と後方側の液晶パネル43に表示されたオブジェクト画像とを前後切換える制御がなされる。その切換わった状態が、図4の(b)に示されている。
【0087】
次の切換表示タイミングすなわち図柄の可変表示が停止して表示結果が導出表示された段階で大当りの表示(777)となったときに、前後切換表示制御手段61の働きにより、再度オブジェクト画像の前後切換制御がなされる。その切換制御がなされた状態が、図4(c)に示されている。
【0088】
次に、後方側の液晶パネル43に表示されているキャラクタ36は、「大当り」の表示に切換えられ(d)、その後、前面側の液晶パネル42にキャラクタ36が表示され、後方側の液晶パネル43にラウンド表示「R1」が表示されるとともに、大当りのきっかけとなった大当り図柄「7」が表示される。さらに、可変入賞球装置(大入賞口)に入賞した入賞玉の個数が後方側の液晶パネル43により表示される。
【0089】
図9に示されているように、前後切換表示制御手段61は、所定の切換表示タイミングの判定方法として、2種類の判定方法を採用することが考えられる。まず第1の種類としては、切換表示タイミング判定手段によるタイミング判定である。これについて、図8の(a)に基づいて説明する。まず、CPU53により構成された切換表示決定手段64の働きにより、切換表示制御を行なうか否かが決定される。これは、主基板26から送信されてきた変動パターンコマンド46が切換表示を伴うものであるか否かによって決定される。切換表示決定手段64の決定結果が切換表示タイミング判定手段60に与えられる。切換表示タイミング判定手段60では、その決定結果が切換表示を行なう旨のものであったときには、制御ROM54に記憶されている変動パターンプログラム65に従って切換表示タイミングになったか否かの判定を行なう。
【0090】
具体的には、主基板26から送られてきた変動パターンコマンド46に基づいて切換表示するタイミングになったか否かを判定するためのカウンタをRAM55内に設け、初期値(たとえば50)からダウンカウントして0の値になったか否かを判定して0になったときに表示切換タイミングになった旨の判定を切換表示タイミング判定手段60が行なう。その切換表示タイミングになった旨の判定結果が前後切換表示制御手段61に与えられ、図4の(b)、(c)のような前後切換制御が行なわれる。
【0091】
図9に示した前後切換表示制御手段61による切換表示が行なわれるタイミングの判定方法としての第2の方法が、図8(b)に示されている。この第2の方法は、制御ROM54に記憶されている変動パターンプログラム65によって、順次画像表示する表示画像が指定されてCPU53がその指定された表示画像を表示するようにVDP57に制御指令信号を出力する。たとえば図4の(a)の場合には、前面側の液晶パネル42に「7」の図柄37,38と変動図柄39を表示しかつ後方側の液晶パネル43にキャラクタ36を表示するための画像表示指令信号がCPU53からVDP57に送られる。この指令信号によって指定された表示画像をどの程度の時間表示するかを計時する機能を有するものが計時手段63である。この計時手段63は、RAM55内に形成されたカウンタによって計時する。
【0092】
次に、CPU53は、変動パターンプログラム65に従って、前面側の液晶パネル42にキャラクタ36を表示しかつ後方側の液晶パネル43に「7」の図柄37,38と変動図柄39を表示するための画像表示指令信号を生成して、VDP57に送る。その結果、図4の(b)に示す前後液晶パネル42,43による表示がなされる。この(b)の表示状態が継続する時間が、前述したRAM55で構成されている計時手段63により計時される。
【0093】
以上要するに、図8(b)に示す第2の表示タイミング判定方法の場合には、前後切換表示制御手段61は、変動パターンプログラム65によって動作するCPU53からの画像表示指令によって指定された表示画面を計時手段63が計時する時間だけ液晶パネル42,43に表示するだけであり、切換表示タイミングが到来したか否かを判別しているわけではなく、変動パターンプログラム65に従った画像表示を順次行なうだけで、その変動パターンプログラム65に従った画像表示データが前後の液晶パネル42,43が切換わった画像表示データとなることにより自動的に切換わるというものである。
【0094】
第2実施形態
図10は、第2の実施の形態におけるスロットマシン71の全体正面図である。図10を参照して、スロットマシン71は、その前面に、上方から順に上部パネル82、遊技パネル83、下部パネル84を有する。上部パネル82は、演出用透視窓78を有し、演出用透視窓78を覆う領域に演出用可変表示装置77が備えられる。演出用可変表示装置77は、液晶表示装置であり、第1の実施の形態における可変表示装置12と同様の構成を有し、前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することが可能である。
【0095】
遊技パネル83は、スロットマシン71の本体側に設けられた可変表示装置80を透視可能な透視窓79が設けられている。可変表示装置80は、液晶表示装置であり、第1の実施の形態における可変表示装置12と同様の構成を有し、前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することが可能である。
【0096】
可変表示装置80は、3つのリールが回転する演出表示を行う。なお、各リールを左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部と呼ぶ。
【0097】
可変表示装置80には、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるとともに、上段の上方部分には間もなく上段の位置に現れる図柄の一部が、下段の下方部分には間もなく可変表示部の下に隠れて見えなくなる図柄の一部が、それぞれ表示される。
【0098】
遊技パネル83の下部から前面側に突出して形成された部分の側面には、スタートレバー72と、3つのストップボタン76と、メダルを投入するためのメダル投入口73とが設けられている。3つのストップボタン76は、左から順に、可変表示装置80の左リール、中リール、右リールを停止させる操作を入力するためのスイッチである。また、遊技パネル83の下部から前面側に突出して形成された部分の上面には、ゲームの賭数を設定するためのBETボタン75が設けられている。
【0099】
下部パネル84の下方には、メダルを貯留するためのメダル受皿74が設けられている。
【0100】
次に、スロットマシン71により提供されるゲームの概要について説明する。ゲームを開始するためには、最初に賭数を設定する。賭数は、BETボタン75を押圧することにより、1〜3のいずれかに設定できる。BETボタン75の操作が有効であるか否かは、BETボタン75に内蔵されたBETランプの点灯状況によって示される。
【0101】
また、直接、メダルをメダル投入口73に投入することによって賭数を設定することも可能であり、メダルを1枚投入する毎に、所定の上限数の範囲内で賭数が1ずつ加算される。なお、賭数の上限数を超えてメダルが投入された場合、クレジット数が上限値に達するまではクレジットが加算更新され、クレジット数が上限値に達した時点でメダルがメダル受皿74から返却される。
【0102】
賭数が設定された後、スタートレバー72が操作されると、可変表示装置80の各リール一斉に変動(スクロール)し始める。可変表示装置80の各リールには、複数種類の図柄が描かれており、リールの回転に伴って透視窓79に現れる図柄の種類が次々と変動される。透視窓79からは、可変表示装置80の3つのリールの一部分が視認される。なお、各リールを遊技者が視認できる3つの領域部分を各リールに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部と呼ぶ。
【0103】
3つのストップボタン76は、可変表示装置80の各リールに対応して設けられている。リールの変動が開始されてから所定時間が経過すれば、遊技者は自らストップボタン76を押圧する操作によって各リールを停止させる順序を決定できる。遊技者がストップボタン76のうちいずれかを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止する。
【0104】
可変表示装置80のすべてのリールが停止表示した時点で、可変表示装置80に停止表示される各リールの上段、中段、下段の3段の図柄のうち賭数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される。賭数が1の場合には、可変表示部における中段の横1列の入賞ラインのみが有効ラインとなる。賭数が2の場合には、可変表示部における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効ラインとなる。賭数が3の場合には、可変表示部における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0105】
有効ライン上における図柄の組合わせが予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、各種遊技効果ランプ部が所定の態様で点滅する。
【0106】
そして、入賞に応じた数のメダルがクレジットとして払出されてクレジット表示器のクレジット数が加算更新される。また、ペイアウト表示器には、その払出数が表示される。なお、クレジット数が上限(=50)に達した場合には、直接、メダルがメダル受皿74から払出される。
【0107】
また、特に予め定められた特別の表示態様となった場合には、ビッグボーナス入賞あるいはレギュラーボーナス入賞となり、クレジットが付与されるとともに、ビッグボーナスゲームあるいはレギュラーボーナスゲームを行なうことが可能な遊技状態となる。
【0108】
このようなスロットマシン71の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御(遊技制御)は、遊技制御基板に設けられたCPU、ROM、およびRAMを含む遊技制御をマイクロコンピュータにより実行する。そして、演出用可変表示装置77および可変表示装置80において、第1の実施の形態における可変表示装置12で説明したのと同様の構成を有し、前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することが可能である。
【0109】
図10に示されるスロットマシンにより、「複数種類の図柄を所定の順序で繰返し可変表示させる複数の可変表示部(左、中、右可変表示部)を有する可変表示装置(可変表示装置80)を含み、前記複数の可変表示部の表示結果として導出表示された図柄の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシン(スロットマシン71)であって、前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示させる操作を行なうための複数の操作部であって、各可変表示部の表示結果を個別に導出表示させるために各可変表示部に対応して設けられた操作部(ストップボタン76)と、入賞を許容するか否かを入賞役の種類別に抽選する抽選手段(制御用マイクロコンピュータ)と、前記複数の操作部のいずれかについての操作が検出された時点で当該操作が検出された操作部に対応する可変表示部に表示されている図柄、および当該図柄以降に表示される順番が到来する所定個数の図柄のうちに、前記抽選手段によって入賞が許容された入賞役に対応する図柄が含まれるときに、当該図柄を前記可変表示部に導出表示させる導出表示位置制御手段(引込み制御を実行する制御用マイクロコンピュータ)とを含むことを特徴とする、スロットマシン」、および「1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置(可変表示装置80)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて予め定められた特別入賞(たとえば、ビッグボーナス入賞、あるいはレギュラーボーナス入賞)が発生した後に、当該特別入賞に基づいた特別ゲーム(ビッグボーナスゲーム、あるいはレギュラーボーナスゲーム)をすることが可能な特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス状態、レギュラーボーナスゲームを行なうことが可能な状態)になるスロットマシン(71)であって、前記特別遊技状態を含む複数種類の遊技状態(たとえば、特別遊技状態、および該特別遊技状態以外の通常遊技状態)のいずれかに制御する遊技制御手段(制御用マイクロコンピュータ)と、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる操作を行なうために設けられた操作部(ストップボタン76)と、入賞を許容するか否かを入賞役の種類別に抽選する抽選手段(制御用マイクロコンピュータ)とを含むことを特徴とする、スロットマシン」が構成されている。
【0110】
以上説明したように、第2の実施の形態におけるスロットマシン71においては、演出用可変表示装置77および可変表示装置80において、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルの可変表示装置を備え、一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示するので、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動するような表示ができ、今までにない演出表示ができる。また、1つの液晶パネルで表示する場合に比べ、奥行き感が出せ、インパクトのある表示ができる。
【0111】
次に、図12に示すような、直角方向から2つの表示器とハーフミラーを備えた表示器と本実施形態との比較説明を以下に行なう。まず図12について説明する。1方の表示器1の表示パネルからの光はハーフミラーの裏面より透過して前方へ進む。他方の表示器2の表示パネルからの光はハーフミラーの表面で反射されて前方へ進む。このため、表示器1と表示器2との両方の画面を前方からは見ることができる。ハーフミラーから表示器1、2の表示パネルまでの距離を変えると2つの画面間で奥行き感をだせると推定される。以下この方式をハーフミラー方式と称し、本実施形態を本案と称する。
【0112】
本案にはできるが、ハーフミラー方式には、つぎのようなことはできない。
イ. 本案の場合、1つのバックライト44で済ましているが、ハーフミラー方式では表示器1と表示器2との両方にそれぞれ発光体が必要になる。同様に、ハーフミラー方式では表示器1と表示器2との両方にそれぞれ独自のドライバ回路、制御回路が必要である。本案の場合は1つのドライバ回路、制御回路で済む。このため、表示装置が本案ではコンパクトに構成できる。ハーフミラー方式では遊技機に広い設置スペースが必要となるため、採用が困難である。
ロ. 本案の場合、前側の液晶パネル(前)42で後側の液晶パネル(後)43の視認性を変えることができる。たとえば、液晶パネル(前)42の画像や背景を濃い色彩(明度の低い色彩)で構成すると、透明度が落ち、液晶パネル(後)43が見えなくなったり、見え難くすることができる。それも液晶パネル(前)42の全面でもよいし、一部のみでも可能である。そこで、液晶パネル(前)42の一部を透明に切換、液晶パネル(後)43が見えるように液晶パネル(前)42の表示画像を制御したり、次の瞬間には、今見えていた液晶パネル(後)43に表示していた画像が液晶パネル(前)42の一部透明になっていた部分に嵌めこみ(切換え)不透明化することで、液晶パネル(前)42と液晶パネル(後)43との間隔があれば、画像が前側に飛び出してきた感じを見る人に与えることができる。
【0113】
すなわち、本発明は、以下の遊技機であってもよい。
複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトと、
前記2つの液晶パネルの両方を駆動するための1つのドライバ回路と、
前記2つの液晶パネルの両方を表示制御するための1つの制御回路とを備え、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【0114】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に説明する。
(1) 本発明は請求項1〜10に記載のように、遊技機および表示画面制御方法であるが、さらに以下の発明をも含んでいる。
イ. 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備えた遊技機における表示画面制御方法の制御プログラムを記憶した記録媒体であって、
前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、
所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する、遊技機における表示画面制御方法を実行可能な制御プログラムを記憶したことを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0115】
第1実施形態で説明した表示画面制御方法を実行可能な制御プログラムを記憶した記憶媒体は商品として有効に流通し得るし、有益な製品になる。この制御プログラムを記憶した記憶媒体を遊技機に組み込めるようにして販売する場合、この記憶媒体を販売し、購入者がこの制御プログラムをコピーして使用する場合、通信網を介して各遊技ホールのホール管理用コンピュータあるいは各遊技機にダウンロードさせる場合が考えられる。
【0116】
(2) さらに請求項1を記憶媒体のクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ロ. 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となり、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備える遊技機を制御するプログラムを記憶している記憶媒体において、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含む遊技機となす制御プログラムを記憶していることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0117】
(3) さらに請求項1をサーバのクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ハ. 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となり、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備える遊技機を端末機とし、
これら端末機に対して制御プログラムを提供可能なサーバであって、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含む遊技機となすために必要な制御プログラムの少なくとも一部を提供することを特徴とする、サーバ。
【0118】
第1実施形態で説明した表示画面制御機能を実行可能な制御プログラムを、通信網を介して各遊技ホールのホール管理用コンピュータあるいは各遊技機にダウンロードさせる場合が考えられる。したがってこの制御プログラムを搭載したサーバーは商品として有効に流通し得るし、有益な製品になる。
【0119】
(4) さらに請求項2を記憶媒体のクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ニ. 前記ロにおいて、
前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する遊技機となす制御プログラムを記憶していることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0120】
(5) さらに請求項2を記憶媒体のクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ホ. 前記ハにおいて、
前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する遊技機となすために必要な制御プログラムの少なくとも一部を提供することを特徴とする、サーバ。
【0121】
上記イ〜ホに関連する実施形態を以下説明する。図11は上記のサーバ66の主要構成68、サーバ66のROMが備えるプログラム内容69および記憶媒体としてのCD(Compact Disk)67の収納しているプログラム内容70の構成を説明する説明図である。なお、サーバ(server)とは、コンピューター・ネットワーク上で他のコンピューターにファイルやデータを提供するコンピューター、またそのプログラムをいう。
【0122】
まず、スタートすると、ステップ(以下単にSという)1で遊技情報の受信処理を行なう。次にS2で識別情報の変動パターン選択処理を行なう。これは、第1の実施の形態において説明した、変動パターン選択手段40によるものである。次にS3では、オブジェクト画像表示制御処理を行なう。これは、第1の実施の形態において説明した、選択された変動パターンに基づき表示画像記憶手段よりオブジェクト画像を読み出して表示するものである。次にS4では、切換表示判定処理を行なう。これは、第1の実施の形態において説明した、液晶パネル前(42)後(43)間でオブジェクト画像を切換表示するタイミングを切換表示タイミング判定手段または計時手段と変動パターンにより定められている切換表示タイミングにより判定するものである。S4,S5は第1の実施の形態において説明した表示制御手段50が備えている。S5では、各種処理結果データ返信処理を行なう。これは上記処理結果を関係先に配信処理するものである。
【0123】
上記S3のオブジェクト画像表示制御処理のサブルーチンについて説明する。第1の実施の形態において説明したように、S6で動的キャラクタ画像表示制御処理を行ない、S7で静的キャラクタ画像表示制御処理を行なう。動的キャラクタ画像としてはキャラクタ36や泳いでいる魚群のキャラクタの動画像であり、静的キャラクタ画像としては「リーチ!」の文字画像や海底の風景からなる静止画像である。選択された変動パターンに基づき表示画像記憶手段より上記オブジェクト画像を読み出して表示制御する。
【0124】
上記プログラムの内、2点鎖線で囲まれた部分70のプログラムがCD67に収められて販売される。CD67は遊技ホールのホール管理用コンピュータやCDリーダを備えCD67からのプログラムデータを読取可能とした各遊技機端末にCD67が記憶保持しているプログラムデータをコピーさせ上記第1の実施の形態で説明した可変表示装置12と同様な表示装置を有する遊技機で、画像切換表示など第1の実施の形態で説明した遊技の表示を行なうことが可能となる。また、ホール管理用コンピュータやプログラムデータを読取可能な各遊技機端末にこのCDを挿入した状態で、遊技を可能にすることができる。
【0125】
図11において、破線で囲んだ部分68はサーバ66の主要構成68を示す。すなわち、ハードディスクドライブ、CPU、ROM、RAM、通信用インターフェイス回路を主要構成としている。これらは相互にデータなどをやり取りしてコンピュータ機能を発揮している。その個々の働きは既知のことであるから説明を割愛する。点線で囲んだ部分69はこのサーバが備えるROMに記憶されているプログラムの内容69である。
【0126】
変形例として、第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26の遊技制御マイクロコンピュータ51および演出制御基板(演出制御部)30の演出制御コンピュータ52で実行される機能を、弾球遊技機1に通信回線を介して接続されたサーバにもたせてもよい。この場合、弾球遊技機1は、遊技制御マイクロコンピュータ51および演出制御マイクロコンピュータ52は不要となり、これらに代えて、これらマイクロコンピュータに入力される情報および出力される情報を、サーバから送受信するための通信回線が設けられ、サーバと接続される。これにより、サーバと弾球遊技機との間で相互に情報の送受信が可能となる。
【0127】
このようなサーバは、パーソナルコンピュータなどのコンピュータでよい。サーバには、第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26および演出制御基板(演出制御部)30で実行される処理を実行するためのプログラムが記憶されており、実行される。
【0128】
他の変形例として、上述した第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26および演出制御基板(演出制御部)30で実行される処理を前後2枚の液晶表示パネルを備え、前後の液晶パネルに表示した画像を切換可能とした可変表示装置12と同様の表示装置を有するコンピュータに実行させることが可能である。このコンピュータのハードウエア自体は、当業者に周知なのでここではその詳細は説明を割愛する。
【0129】
この場合、コンピュータのCPUに上述した第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26および演出制御基板(演出制御部)30で実行される処理を記述したプログラムが読み込まれ実行される。なお、コンピュータは、前後2枚の液晶表示パネルを備え、前後の液晶パネルに表示した画像を切換可能とした可変表示装置12と同様の表示装置が備えられる。
【0130】
プログラムは、一般には、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されて流通する。本実施形態でいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラムなどを含む概念である。
【0131】
コンピュータ読取可能な記録媒体は、磁気テープ、カセットテープ、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク装置など)、光ディスク(CD−ROM/MO(Magnetic Optical Disk)/MD(Mini Disk)/DVD(Digital Versatile Disk))、ICカード(メモリカードを含む)、光カード、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどの半導体メモリなどを含む。
【0132】
(6) さらに請求項3〜9を用いて、上記例イ〜ホのような請求項となすことが可能である。
【0133】
(7) 弾球遊技機1は、遊技盤56に可変表示装置12を有する例を示したが、この可変表示装置12は、遊技盤56ではなく、前面枠3に設けられた通し窓に設置されてもよい。言いかえると、可変表示装置12は前面枠3に設けられた演出用表示器でもよい。
【0134】
(8) 第1実施形態の弾球遊技機1は、始動入賞に基づいて可変表示装置12に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0135】
(9) 演出制御マイクロコンピュータ52で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ51のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【0136】
(10) なお、上述した弾球遊技機1の音声制御手段32の機能からスピーカ41a,41bを駆動する機能までを演出制御基板30から別の音声制御基板に担わせ、ランプ制御手段33の機能からランプ・LED10,11,13,14を駆動する機能までを演出制御基板30から別のランプ・LED制御基板に担わせるようにしてもよい。
【0137】
この場合は音声制御基板、ランプ・LED制御基板にそれぞれ独自のマイクロコンピュータを備え、主基板26より直接指示を受け制御するようにしているが、音声制御手段、ランプ制御手段を演出制御基板30内の演出制御マイクロコンピュータ52に備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・LED駆動基板とに担わせることにしてもよい。同様に音声制御手段、ランプ制御手段を他の1つのマイクロコンピュータに備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・LED駆動基板とに担わせることにしてもよい。
【0138】
(11) なお、表示制御部50、表示画像記憶手段31、音声制御部32およびランプ制御手段33の制御は、すべて演出制御マイクロコンピュータ52で制御されるが、デュアルワンチップマイコンなどで制御してもよい。
【0139】
(12) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾球遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】第1の実施の形態における弾球遊技機の主基板(遊技制御部)を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態における可変表示装置の前後方向の縦断面図(a)および原理的な説明用概略斜視図(b)である。
【図4】本実施の形態における可変表示装置の前後の液晶パネルで表示画像を切換える具体的な表示例についての説明図である。
【図5】本実施の形態における可変表示装置の前後の液晶パネルで表示画像を切換える具体的な表示例についての説明図である。
【図6】本実施の形態における可変表示装置の前後の液晶パネルで表示画像を切換える具体的な表示例についての説明図である。
【図7】本実施の形態における表示制御手段を主体とする構成についての説明ブロックである。
【図8】本実施の形態における切換表示タイミング判定手段に関連する説明ブロック(a)、および計時手段と変動パターンプログラムにより画像切換表示タイミングを判定する変形例の説明ブロック(b)である。
【図9】本実施形態のポイントをブロック図にした説明図である。
【図10】第2の実施の形態におけるスロットマシンの全体正面図である。
【図11】本実施形態をサーバや記憶媒体として利用する実施形態の構成説明図である。
【図12】直角方向から2つの表示器とハーフミラーを備えた表示器の説明図である。
【符号の説明】
1 弾球遊技機、12,77 可変表示装置、26 遊技制御基板(遊技制御部)、30 演出制御基板(演出制御部)、31 表示画像記憶手段、40 変動パターン選択手段、42、43 液晶パネル、50 表示制御部、51 遊技制御マイクロコンピュータ、52 演出制御マイクロコンピュータ、60 切換表示タイミング判定手段、61 前後切換表示制御手段、63 計時手段、65変動パターンプログラム、66 サーバ、67 CD(記憶媒体)、68 サーバの主要構成、69 サーバのROMに記憶されているプログラムの内容、70 CDに記憶されているプログラムの内容、71 スロットマシン、80 演出用可変表示装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機および表示画面制御方法に関する。詳しくは、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機および表示画面制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
重畳する表示手段を備える遊技機として、透明ELパネルの背後に回転リール表示器が配され、回転リール表示器を照明するための蛍光灯が配されたものがあった。ゲームの実行中は蛍光灯を点灯させて回転リール表示器の表示を明瞭にし、待機状態で透明ELパネルに遊技方法などを表示する場合には蛍光灯を消灯するので、背後の回転リール表示器などが透明ELパネルを透かしては見えにくくなり、その分透明ELパネルの表示が明瞭になるものである(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−252394号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の遊技機では、回転リール表示器の前方にある透明ELパネルで演出表示できたとしても、後方にある主となる表示器が回転リール表示器であるため、透明ELパネルで演出表示したキャラクタ画像などを回転リール表示器に切換移動させようとしてもできないという問題があった。
【0005】
この発明は上述の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、重畳する表示手段を備える遊技機として、前後の表示画像が移動するような表示を行ない、1つの表示画面で表示するよりも、奥行き感(立体感)が出せてインパクトのある表示を可能とした遊技機および表示画面制御方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 複数種類の識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(図1:12)を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ、たとえば、777などのゾロ目の特定図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネル(図3:42、43)と、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライト(図3:44)とを備え、
始動入賞(図1:始動可変入賞球装置16への入賞)に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(図2:40)と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段(図2:50、演出制御マイクロコンピュータ52、図7:VDP57)と、
オブジェクト画像(液晶パネル(前)42、液晶パネル(後)43に表示される、たとえば、図4(c):キャラクタ36、特別図柄37〜39などの動画像、静止画像)を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段(図2:31、図7:キャラクタROM58)とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段(図2:50a)と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段(図2:61)とを含む。
【0007】
このような構成によれば、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルの可変表示装置を備え、一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示するので、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動するような表示ができ、今までにない演出表示ができる。また、1つの液晶パネルで表示する場合に比べ、奥行き感が出せ、インパクトのある表示ができる。
【0008】
(2) 前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段(図2:60)をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する。
【0009】
このような構成によれば、一方の液晶パネルに表示されたオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段が備えられているために、オブジェクト画像の切換時期を比較的自由に設計し易くなる。
【0010】
(3) 時間を計時するための計時手段(図2:63)を備え、
前記オブジェクト画像表示制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンと前記計時手段により計時された時間とに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を呼び出して前記一方の液晶パネルに該呼び出したオブジェクト画像を表示し、前記前後切換表示制御手段はその後前記選択された変動パターンにより予め定められている画像切換表示タイミングに従って、前記呼び出したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する。
【0011】
このような構成によれば、選択された変動パターンにより予め定められた画像切換表示タイミングに従ってオブジェクト画像の切換表示がなされるために、表示される変動パターンにより予め定められた時期にオブジェクト画像が切換られ、選択されて表示される変動パターンにマッチしたタイミングでオブジェクト画像の切換が行なわれるように設計し易くなる。
【0012】
(4) 前記オブジェクト画像は識別情報(特別図柄37〜39)である。
このような構成によれば、前後の液晶パネルを識別情報が移動する表示が行なわれ、その表示結果により遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となるために遊技者の注目を集める識別情報の前後切換表示により、今までにない斬新な識別情報による可変表示演出が可能となる。
【0013】
(5) 前記オブジェクト画像は識別情報以外の動的キャラクタ画像(たとえば、図4(a):キャラクタ36、図5(a):キャラクタ36a〜36d)である。
【0014】
このような構成によれば、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動する表示において、動的キャラクタを用いて多彩な演出が可能となる。
【0015】
(6) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報を前面側の液晶パネルから後面側の液晶パネルに切換表示する制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記リーチ状態となったときに、前記表示画像記憶手段に記憶されている前記識別情報以外の動的キャラクタ画像を読出して前記前面側の液晶パネルに表示する制御を行なう動的キャラクタ画像表示制御手段(図2:50b、図4(a)⇒図(b)参照)をさらに含む。
【0016】
このような構成によれば、リーチ状態となったことにより識別情報が後面側の液晶パネルに切換表示されるとともに動的キャラクタ画像が前面側の液晶パネルに表示されるために、動的キャラクタ画像を前面側で効果的にアピールして強調することができ、効果的なリーチ演出を行なうことができる。
【0017】
(7) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報以外の動的キャラクタ画像を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに切換表示する制御(図4(a)⇒図(b)参照)を行なう。
【0018】
このような構成によれば、リーチ状態になり、リーチ演出する際に、識別情報以外の動的キャラクタ画像を前面側の液晶パネルに切換表示して強調できる。特に動的キャラクタ画像表示が奥から手前側に出てきた感じになるので、よりアピールできる。
【0019】
(8) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記リーチ状態から最後に導出表示される可変表示部の識別情報を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに拡大して切換表示する制御(図2:表示制御手段50、図6(a)⇒図(b)参照)を行なう。
【0020】
このような構成によれば、リーチ状態になり、リーチ演出する際に、最後に停止する識別情報をアピールできる。
【0021】
(9) 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報を前面側の液晶パネルから後面側の液晶パネルに切換表示する制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記リーチ状態となったときに、前記表示画像記憶手段に記憶されている前記識別情報以外の静的キャラクタ画像(たとえば、図6(c):海底の風景からなる背景画像、図6(d):「リーチ!」の文字画像36e)を読出して前記前面側の液晶パネルに表示する制御を行なう静的キャラクタ画像表示制御手段(図2:50c)をさらに含む。
【0022】
このような構成によれば、リーチ状態となったことにより識別情報が後面側の液晶パネルに切換表示されるとともに静的キャラクタ画像が前面側の液晶パネルに表示されるために、静的キャラクタ画像を前面側表示により効果的にアピールして強調することができ、効果的なリーチ演出を行なうことができる。
【0023】
(10) 複数種類の識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(図1:12)を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ、たとえば、777などのゾロ目の特定図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機における表示画面制御方法であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネル(図3:42、43)と、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライト(図3:44)とを備え、
前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像(液晶パネル(前)42、液晶パネル(後)43に表示される、たとえば、図4(c):キャラクタ36、特別図柄37〜39などの動画像、静止画像)を表示し、
所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する。
【0024】
このような制御方法によれば、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動するような表示ができるので、今までにない演出表示ができる。また、1つの液晶パネルで表示するよりも奥行き感が出せ、インパクトのある表示ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよい。
【0026】
第1実施形態
まず、遊技機の一例である弾球遊技機の全体構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面から見た正面図である。
【0027】
図1に示すように、弾球遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2と、該外枠2の内側に開閉可能に軸支されかつ弾球遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面下部には遊技球を貯留するための上皿7が設けられている。上皿7の下方には、上皿7から溢れた遊技球を貯留する下皿8と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)9とが前面枠3に設けられている。
【0028】
また、前面枠3には、前面側に遊技領域62が形成された遊技盤56が収容される遊技盤収容部(図示しない)があり、遊技盤56はその遊技盤収容部に収容され、前面枠3に対して着脱可能に設けられている。前面枠3は、弾球遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。前面枠3において遊技領域62の左右周辺には、遊技中に点灯表示されるランプ10およびLED11が設けられる。また、上皿7の右側には、前面枠3を開放するための錠部6が設けられている。
【0029】
遊技盤56の遊技領域62には、打球操作ハンドル9を操作することに応じて打球発射装置(図示省略)によって発射された遊技球が誘導レールに誘導されて打ち込まれる。
【0030】
遊技領域62の中央付近には、液晶表示器よりなる可変表示装置12とLED表示器よりなる副可変表示装置18とを含む表示装置が設けられている。可変表示装置12は、図3(a)に前後方向の縦断面図を、図3(b)に原理的な説明用概略斜視図を示す。このように前方側の液晶パネル(前)42、後方側の液晶パネル(後)43と2つの液晶パネルを前後に積層状に配置し、これら2つの液晶パネルの背面側にバックライト44を、その後側にドライバ回路45を備えた表示ユニット4で構成されている。このバックライト44は液晶パネル(後)43に光を照射するが、その液晶パネル(後)43を通過した光が液晶パネル(前)42に照射され、液晶パネル(後)43とともに液晶パネル(前)42に表示される画像も良く見えるように光量が豊かな強力バックライトである。液晶パネル(後)43に表示される画像は薄い色が選択される。前側への透光性能を良くするためである。なお、バックライト44はその光を前方の液晶パネル42、43に集中して透過させ、それ以外の部分には光が漏れないように反射板を備えている。バックライトから液晶パネル42,43の全面にほぼ均一な光が放出される。バックライトから放出された光は、液晶パネル42,43を透過して遊技者の両眼に導かれる。前方側の液晶パネル(前)42と後方側の液晶パネル(後)43との2つの液晶パネルの前後方向の間隔は20mm程度であるため、後方側の液晶パネル(後)43に表示された画像が前方側の液晶パネル(前)42に切換えて表示されると、画像が飛び出してくるような奥行き感がだせるなど、多彩な演出表示ができる。
【0031】
可変表示装置12は、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報としての特別図柄(図柄画像)を可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能であるとともに、キャラクタ等のその他の画像を動画像や静止画像として表示できる可変表示可能な可変表示部である。ここで、識別情報とは、その識別情報またはその組合せが当りおよびはずれを意味するものであり、キャラクタとは、数字、数字以外の文字、図形、および、模様等からなる識別情報とは異なるものである。つまり、キャラクタはそれ自体が当りおよびはずれを意味するものではなく、装飾もしくは当りやすいことを示唆する演出、報知するものである。キャラクタは動的キャラクタと静的キャラクタの大きく2つに分類するが、動的キャラクタとは人物、動物、ロボットなど自ら動くもので動画として用いられることが多いものであり、静的キャラクタとは文字や背景など自ら動くことがないものである。これらの画像をキャラクタ(キャラクタ画像)という。
【0032】
副可変表示装置18は、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄を可変表示可能である。
【0033】
可変表示装置12では、図1に示すように表示画面上で左可変表示部(左図柄表示部47),中可変表示部(中図柄表示部49),右可変表示部(右図柄表示部48)という複数(3つ)の可変表示部を有し、これら可変表示部で左特別図柄37,中特別図柄39,右特別図柄38という複数(3つ)の特別図柄がそれぞれ左右方向に並んで可変表示される。可変表示装置12では、これら特別図柄をスクロール等の可変表示方式で可変表示可能であり、可変表示の表示結果を導出表示する。
【0034】
また、副可変表示装置18は、当り図柄である○印を点灯表示可能な当り表示器と、はずれ図柄である×印を点灯表示可能なはずれ表示器とを含む。当り表示器およびはずれ表示器は、LED(発光ダイオード)により点灯表示されるように構成されており、所定距離を隔てて左右に並んで設けられている。このような副可変表示装置18では、当り表示器およびはずれ表示器を交互に点灯するよう点滅させる(交互点灯であるため、各表示器では、所定周期で点滅していることとなる)ことにより普通図柄としての○印と×印とを所定時間間隔で可変表示(更新表示,変動表示ともいう)する。
【0035】
本実施の形態においては、LEDよりなる当り表示器およびはずれ表示器を副可変表示装置18に用いた場合を説明したが、これに限らず、7セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を可変表示可能なものを副可変表示装置18に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。なお、ここでは、副可変表示装置18を可変表示装置12と分離構成した例を示したが、副可変表示装置18の表示内容を、可変表示装置12の表示領域の一部に表示するように構成されてもよい。
【0036】
また、可変表示装置12の上部には、始動入賞記憶表示用の4個のLED14が設けられている。この始動入賞記憶表示用のLED14の点灯している数により、特別図柄の可変表示を始動させるための始動可変入賞球装置16への入賞数(始動入賞数)が所定数(たとえば、4)を上限として記憶(後述する主制御基板26に設けられるRAMへの記憶であり、始動入賞記憶と呼ばれる)されていることが表示される。
【0037】
なお、始動可変入賞球装置16を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ19が設けられており、始動口スイッチ19により遊技球が検出された場合には、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置12において、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。一方、図柄の可変表示が開始できる状態でなければ、始動入賞記憶用のLED14で表示される始動入賞記憶数を増やすための制御が行なわれる。そして、可変表示装置12での可変表示が開始されるごとに始動入賞記憶が1づつ減り、点灯するLED14が1づつ減らされる。なお、可変表示装置12において可変表示がなされている間や大当り遊技中(特定遊技状態に制御中)などの間は、次の可変表示を開始することはできないので、その間に発生した始動入賞は保留(記憶)される。この4を上限として記憶される始動入賞記憶が上述の始動入賞記憶表示用のLED14の点灯数により表示されるのである。
【0038】
また、副可変表示装置18の上部に設けられた通過ゲートを通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ20が設けられており、遊技球が通過ゲートを通ってゲートスイッチ20で検出されると、その検出信号に基づいて副可変表示装置18が所定期間可変表示した(前述したように交互に点灯するよう点滅させた)後、表示結果が導出表示される(点滅を停止してどちらか一方を点灯させる)制御が行なわれる。副可変表示装置18の可変表示結果が、普通図柄における当り図柄として予め定められた表示態様、すなわち、当り表示器の点灯表示(○印の点灯表示)である場合には、始動可変入賞球装置16が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動可変入賞球装置16に遊技球が入賞しやすい状態となる。その後、一定時間経過または所定個数の入賞により始動可変入賞球装置16は、閉状態となる。
【0039】
可変表示装置12の下方位置には、ソレノイド(図2のソレノイド25)によって開閉動作される始動可変入賞球装置16(電動チューリップ役物)と、ソレノイド(図2のソレノイド24)により駆動される開閉板の開閉動作により開閉される大入賞口を有する可変入賞球装置15とが上から順に配列されている。始動可変入賞球装置16に入った遊技球は、始動口スイッチ19によって検出された後、遊技盤56の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15に入った遊技球は、特定領域スイッチ21もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤56の背面に導かれる。また、可変入賞球装置15内に入った遊技球のうち、特定領域スイッチ21により検出された遊技球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、可変入賞球装置15から内部に入った遊技球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0040】
遊技盤56には複数の入賞口17が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口17への入賞は、入賞口スイッチ23によって検出される。複数の入賞口17それぞれに対応して入賞口スイッチ23が設けられているため、各入賞口17ごとに入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0041】
可変表示装置12の上部には、遊技中に点灯表示されるランプ13が設けられている。また、遊技領域62の下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口が設けられいる。
【0042】
可変表示装置12での特別図柄(左・中・右図柄37、39、38)の可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。停止時の特別図柄(左・中・右図柄37、39、38)の組合せが特定の表示態様である大当り図柄の組合せ(たとえば、777等のぞろ目の特定の図柄の組合せ)となると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。つまり、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態という価値(遊技価値)が付与されるのである。
【0043】
大当り遊技状態においては、通常状態において閉状態とされている可変入賞球装置15が、一定時間(たとえば30秒)経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、可変入賞球装置15の開放中に遊技球が特定入賞領域に入賞し特定領域スイッチ21で検出されると、継続権が発生し可変入賞球装置15を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0044】
また、可変表示装置12の可変表示中においては、リーチ状態(リーチ表示態様)が発生する場合がある。ここで、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の識別情報の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の識別情報の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている識別情報の表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置における識別情報の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0045】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0046】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0047】
可変表示の停止時における可変表示装置12での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる(大当りが発生しやすくなる)。つまり、可変表示装置12の表示結果が特定の表示態様のうちの特別の表示態様となった場合には、特別遊技状態として、特定の表示態様のうちの特別の表示態様以外の表示態様となった場合と比べて、付与される価値が大きくなる付加価値が付与される。このような場合には、予め定められた確率変動終了条件(たとえば次の大当り遊技状態が発生すること)が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。このような確率変動状態は、大当りとなる確率が向上した確率向上状態とも呼ばれる。
【0048】
また、確率変動状態では、副可変表示装置18における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動可変入賞球装置16の開放時間の増加と開放回数の増加(複数回開放するようになる)とが行なわれる。さらに、確率変動状態では、可変表示装置12および副可変表示装置18における可変開始から可変停止までの時間が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0049】
また、この弾球遊技機1においては、特別図柄の表示結果が大当りとなることが事前決定された場合には、特別図柄を一旦大当り図柄の組合せで仮に停止した後、確率変動状態を発生させるか否かを抽選により決定するように見せる演出としての再抽選表示が行なわれる。つまり、再抽選表示は、大当り図柄となる特別図柄を一時的に仮の表示結果として表示させた後、再度可変表示開始させ、確定する表示結果をいずれかの大当り図柄として導出表示させる演出を行なう再可変表示である。さらに言い換えると、再抽選表示は、可変表示の過程において特定表示態様(大当り図柄の組合せ)を導出した後に、再度表示結果として当該特定表示態様(大当り図柄の組合せ)と同じ、または異なる特定表示態様を導出する再可変表示である。その再可変表示の表示結果となった大当り図柄が予め定められた確率変動図柄(たとえば、「3」,「7」等の予め定められた大当り図柄)となった場合に、大当り制御終了後において確率変動状態が発生する。一方、再抽選の結果として確率変動図柄以外の非確率変動図柄が表示された場合には確率変動状態は発生しない。
【0050】
また、特別図柄の可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り遊技状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、後述する遊技制御マイクロコンピュータ51において予め定められたランダムカウンタ(後述する各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り遊技状態が発生する場合と実際には大当り遊技状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0051】
以上に示したような弾球遊技機1の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御(遊技制御)は、主基板26(遊技制御基板ともいう。図2参照)に設けられたCPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を含む遊技制御マイクロコンピュータ51により実行される。また、遊技制御マイクロコンピュータ51は、弾球遊技機1の遊技の進行に伴って、後述する演出制御基板30の演出制御マイクロコンピュータ52にコマンドを送信して、演出制御マイクロコンピュータ52により可変表示装置12の表示制御、スピーカ41a,41bから出力される音の制御、ランプ・LED10,11,13,14における電飾制御が実行される。
【0052】
さらに、図1には、弾球遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット5も示されている。カードユニットに挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0053】
カードユニット5には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を上皿7の近傍に設けられている度数表示LEDに生じさせるための端数表示スイッチ、カードユニット5がいずれの側の弾球遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット5内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット5を開放するためのカードユニット錠が設けられている。
【0054】
図2は、主基板(遊技制御部)を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態における弾球遊技機1は、主として電源基板(電源部)29と、主基板(遊技制御部)26と、入力部19aと、出力部24aと、演出制御基板(演出制御部)30と、払出制御基板(払出制御部)27とを備えている。
【0055】
主基板(遊技制御部)26と、演出制御基板(演出制御部)30と、払出制御基板(払出制御部)27とは、それぞれ別体に設けられ、上述した前面枠3の裏面に設置される。
【0056】
電源基板29は、弾球遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。主基板26は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を含む遊技制御マイクロコンピュータ51を含み、主に特別図柄の可変表示などの遊技において用いる乱数の生成機能、入力部19aからの信号の入力を行なう機能、出力部24aに対して信号の出力を行なう機能、演出制御基板30および払出制御基板27に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0057】
入力部19aは、始動口スイッチ19、ゲートスイッチ20、特定領域スイッチ21、カウントスイッチ22、入賞口スイッチ23を含み、主に遊技球の検出を行なうものである。出力部24aは、可変入賞球装置15を駆動するためのソレノイド24と、始動可変入賞球装置16を駆動するためのソレノイド25等を含み、遊技制御基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51からの指令に従って駆動される。
【0058】
演出制御基板30は、CPU、ROM、およびRAMを含む演出制御マイクロコンピュータ52を含み、遊技制御部26から送信される制御コマンドおよび選択された変動パターンに基づいて、特別図柄などのオブジェクト画像の可変表示制御、液晶パネル(後)43に表示されている画像を液晶パネル(前)42に移動(切換)表示する制御(その逆に液晶パネル(前)42に表示されている画像を液晶パネル(後)43に移動(切換)表示する制御を含む)、選択された変動パターンに基づいて表示画像記憶手段31からオブジェクト画像を読み出して可変表示装置12に表示する制御(表示制御手段50による制御)、音声出力制御(音声制御手段32による制御)、ランプなどの電飾制御(ランプ制御手段33による制御)を実行するものである。また、表示画像記憶手段31は可変表示装置12に表示する画像を記憶する手段であり、後述するキャラクタROM58である。
【0059】
表示制御手段50は可変表示装置12に接続されている。可変表示装置12は、液晶パネル(前)42、液晶パネル(後)43を含み、表示制御手段50に制御されてドライバ回路基板45がこれら液晶パネルにオブジェクト画像を表示する。また始動可変入賞球装置16への始動入賞に伴い決定される識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段40は主基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51に設けられている。
【0060】
主基板26から演出制御基板30には、演出制御基板30により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である制御コマンドが伝達されるが、この制御コマンドは、可変表示装置12の制御を指定する表示制御用コマンドと、音の制御内容を指定する音制御コマンドと、ランプ・LEDなどの電飾装置の制御を指定する電飾制御コマンドとして活用される。たとえば、表示制御用コマンドとしては、可変表示の変動パターン(可変表示時間も含む)、可変表示の停止図柄、可変表示の停止、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。表示制御手段50は、このような表示制御コマンドに応じて特別図柄の可変表示や液晶パネル(後)43と液晶パネル(前)42との画像移動(切換)表示、表示画像記憶手段31から読み出したオブジェクト画像の表示を可変表示装置12および副可変表示装置18を駆動して行なう。
【0061】
また、音制御コマンドは、制御コマンドから制御コマンドに関連付けられた音の発生態様(発生パターン)、発生対象音(音の種類)、および音の発生の有無等の音制御に関する各種内容を選択する。この選択した内容が音データである。音声制御手段32は、スピーカ41a,41bと接続されており、制御コマンドに応じて選択された音データに従ってスピーカ41a,41bを駆動する。
【0062】
払出制御部27は、CPU、ROM、およびRAMを含む払出制御マイクロコンピュータを含み、払出装置28に接続される。遊技制御部26から払出制御部27には、払出制御部27により駆動制御される払出装置28により賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝達される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御制御部27では、払出制御用マイクロコンピュータは、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。また、払出制御マイクロコンピュータでは、カードユニット5と相互に情報通信することにより、カードユニット5からの指令に応じた貸玉の払出制御も行なわれる。
【0063】
なお、図2においては、可変表示制御機能と音制御機能とランプ制御機能とを1つの演出制御マイクロコンピュータ(演出制御基板)52で実行する例を示したが、これに限らず、可変表示制御機能、音制御機能およびランプ制御機能をそれぞれ別のマイクロコンピュータで、前述したような表示制御コマンド、音制御コマンド、およびランプ制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。ただし、演出制御マイクロコンピュータ52(演出制御基板30)で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ(主基板26)51のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【0064】
上記の始動口スイッチ19により遊技球が検出された以後の主基板(遊技制御部)26におけるプロセス処理について、処理手順を簡単に説明する。まず始動入賞に伴い、大当りとするか否かが決定される。この決定は、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断により決定される。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。このランダムカウンタは、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msecごと)で1ずつ加算されることとなる。
【0065】
次に、可変表示がはずれとなる場合においてリーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。
【0066】
また、特別図柄の可変表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定(選択)は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0067】
また、特別図柄の可変表示における停止図柄の決定は、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。左,中,右の各図柄として表示される複数種類の特別図柄には、左,中,右の特別図柄ごとに図柄の配列順序が予め定められている。複数種類の特別図柄は、図柄の配列順序に従って可変(更新)表示されていく。このような複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左特別図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。また、はずれとなる場合においてリーチ状態とすることが決定された場合には、左,右の各停止図柄が一致するように決定される。
【0068】
以上に示したような大当り判定機能、リーチ判定機能、変動パターン決定機能および、停止図柄決定機能は、主基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51の制御機能により実現される。
【0069】
以上のように、特別図柄大当り判定処理、停止図柄設定処理に続いて、変動パターン設定処理(可変表示装置12における図柄(識別情報)の変動表示のパターンすなわち変動パターン(可変表示パターン)を決定(選択)し、決定された変動パターンおよび停止図柄等を通知するための制御コマンドを演出制御基板30の表示制御手段50等に対して出力する。)その後、特別図柄変動処理に移行する。以下、特別図柄図柄停止処理、大入賞口開放前処理(カウンタやフラグを初期化してソレノイド24を駆動して可変入賞球装置15の大入賞口を開放する。)、大入賞口開放中処理(大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。)、特定領域有効時間処理(特定領域スイッチ(V入賞スイッチ)21の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。)、大当り終了処理(大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示をランプ制御手段33等に行わせる制御を行う。)が行なわれる。
【0070】
次に、図3で先に説明した可変表示装置12の表示ユニット4の2層表示液晶ディスプレイについて説明する。前後2枚の液晶パネルを用いるため、(1) 多くの情報を2層に表示できる。(2) 液晶パネル(前)42を透過して液晶パネル(後)43も同時に見ることができる。(3) 前後2枚の液晶パネル間は20mm程度の距離があるため、3次元的な奥行き感を表現できる。(4) 前後の液晶パネルにそれぞれ別な動きをする画像を表示したときはこの2つの動きを同時に見ることができるという特徴がある。なお、透光性をよくし、前後2枚の液晶パネルを同時によく見えるようにするため、画像以外のなにもない個所はできるだけ透明に近い状態にするものとする。
【0071】
次に、図4、図5、図6を用いて具体的な移動(切換)表示例について説明する。まず図4(a)では液晶パネル(前)42に特別図柄(識別情報)の変動を表示し、液晶パネル(後)43にはキャラクタ36による動画像を用いて(静止画像を用いてもよい。)演出表示している。液晶パネル(前)42の特別図柄変動画面において、左特別図柄37、右特別図柄38がともに確率変動を伴う大当り図柄の「7」で変動表示が停止し、まだ変動表示中の中特別図柄39がもし同じ図柄「7」で停止表示すれば、確率変動を伴う大当り状態に制御される前段階の、いわゆるリーチ状態になったとする。
【0072】
このとき、リーチ状態の特別図柄変動画面を図4(b)で示すように液晶パネル(前)42から液晶パネル(後)43に移動(切換)表示し、液晶パネル(後)43で演出表示中のキャラクタ36による動画像を液晶パネル(前)42に移動(切換)表示する。液晶パネル(前)42で演出表示中のキャラクタ36の動画像と重なった個所は幾分見え辛くなるが、大当りを願う遊技者は楽しみな期待をキャラクタ36の画像の動きに託して、液晶パネル(後)43で変動表示中の中特別図柄39に注目するようになる。なお、キャラクタ36による動画像を用いた演出表示は図4(a)で示すように、変動表示の最初から液晶パネル(後)43に表示してもよいし、リーチ状態になってから図4(b)に示すように液晶パネル(前)42に表示することにしてもよい。
【0073】
やがて「777」のゾロ目で変動表示が停止したとすると、確変付きの大当りとなる。このとき「777」の表示結果画面は、図4(c)に示すように液晶パネル(前)42に移動(切換)表示する。そしてキャラクタ36による動画像が液晶パネル(後)43に移動(切換)表示する。このように楽しみが実現した変動表示結果がよく見える液晶パネル(前)42で表示される。そして図4(d)に示すように液晶パネル(後)43において、キャラクタ36による動画像を用いた演出表示は消滅し、代わりに「大当り」の文字画像が表示される。やがて「777」と「大当り」の文字画像は液晶パネル(前)42と液晶パネル(後)43とで交互に移動(切換)表示される。この「大当り」の文字画像は静的キャラクタ画像である。なお、図4(b)の液晶パネル(後)43において、中特別図柄39が可変表示(スクロール、変動表示)から停止するときは急に停止するのではなく、停止少し前から段々と可変速度を落としていって最後はゆっくりと停止する。これは左特別図柄37、右特別図柄38でも同様である。また、リーチ状態のときの中特別図柄39は、通常の変動時間よりも長く変動する。
【0074】
やがて遊技状態が大当り状態に制御されると、図4(e)に示すように液晶パネル(前)42にキャラクタ36による動画像を用いた演出表示がされ、液晶パネル(後)43には、たとえば大当りのラウンドナンバー表示(R1:1回目の大当り状態への制御中)、確変付きか否かがわかるようにゾロ目となった大当り図柄の表示(7:確変付き大当り)、現在の大当りラウンドナンバー中に大入賞口の開放された可変入賞球装置15への入賞球数のCOUNT(カウント)表示(星の数で入賞球数を表わす。)などが行なわれる。なお、リーチ状態後にハズレとなったときは、図4(b)から図4(c)の「777」の代わりにハズレ図柄が液晶パネル(前)42で表示された後、表示が消滅し変動表示が終了する。
【0075】
図4(d)では、変動表示が特定表示態様(大当り図柄)の表示結果となったときに大当り図柄「777」と大当り表示「大当り」が前後の液晶パネルに交互に切換表示される例を示しているが、図5(a)、(b)では、リーチ状態で変動表示画像とキャラクタによる動画像とが前後の液晶パネルに交互に切換表示される例を示している。図5(a)ではキャラクタ36a〜36dであり、図5(b)ではキャラクタ36である。これらのキャラクタ画像は動的キャラクタ画像である。
【0076】
図5(c)の液晶パネル(前)42には、図4(e)の液晶パネル(後)43に示すように大当りのラウンドナンバー、確変付きか否かがわかるようにゾロ目となった大当り図柄、現在の大当りラウンドナンバー中の可変入賞球装置15への入賞球数を表わす旨の表示が表示されている。液晶パネル(後)43には静止した背景画像として海底の風景が表示されている。これらは大当り状態に制御中の演出表示である。このように前後2枚の液晶パネルによる表示により、多彩な演出表示や情報の報知が可能となる。
【0077】
図6(a)は、左特別図柄37、右特別図柄38が液晶パネル(前)42で変動表示し、中特別図柄39が液晶パネル(後)43で変動表示している状態を示している。つまり、変動表示は通常、左特別図柄37、右特別図柄38の順でその変動を停止する。まず始めに左特別図柄37、右特別図柄38が大当り図柄で停止してリーチ状態になるかどうかが関心事となる。そこでよく見える液晶パネル(前)42で左特別図柄37、右特別図柄38の変動表示を表示させる。その後リーチ状態となったら、次は大当りとなるかどうか最後に停止する中特別図柄39の変動表示が最大の関心事となる。そこで、図6(b)に示すように、中特別図柄39の変動表示を液晶パネル(前)42の中央で拡大表示する。このため大きな画像となった中特別図柄39が液晶パネル(前)42で変動表示する。そして既に変動表示が停止している左特別図柄37、右特別図柄38は液晶パネル(後)43に移動(切換)表示される。
【0078】
なお、図示していないが変形例として、液晶パネル(前)42は何も表示しない透明に近い状態とし、液晶パネル(後)43で特別図柄の変動を表示しておき、まず左特別図柄37の変動が停止すると、その停止し確定した左特別図柄37を拡大して液晶パネル(前)42の中央で表示しその後通常の大きさの画像に戻して液晶パネル(前)42の所定位置(左側)で表示する。このようにすると、確定した特別図柄(識別情報)が奥から前方に飛び出してくる感じになり、その演出表示効果は大なるものがある。次に右特別図柄38の変動が停止すると、その停止し確定した右特別図柄38を拡大して液晶パネル(前)42の中央で表示しその後通常の大きさの画像に戻して液晶パネル(前)42の所定位置(右側)で表示する。最後に中特別図柄39の変動表示が停止すると、その停止し確定した中特別図柄39を拡大して液晶パネル(前)42の中央で表示しその後通常の大きさの画像に戻して液晶パネル(前)42の所定位置(中央)で表示するようにしても面白い。
【0079】
図6(c)は液晶パネル(前)42で変動表示画像を表示し、液晶パネル(後)43では静止した背景画像を演出表示している。ここでは、背景として海底の風景が描かれている。リーチ状態になると、図6(d)に示すように、このリーチ状態となった変動表示画像を液晶パネル(後)43で表示し、液晶パネル(前)42には「リーチ!」の文字画像を表示してリーチ状態になったことを遊技者に報知しつつ、液晶パネル(後)43で表示しているリーチ状態となった変動表示画像に注目させることができる。この海底の風景からなる背景画像や「リーチ!」の文字画像は識別情報以外の静的キャラクタ画像である。
【0080】
次に図7を用いて表示制御手段50の構成について説明する。主基板26の遊技制御マイクロコンピュータ51に設けられている変動パターン選択手段40が始動入賞に伴い決定した識別情報の変動パターンに基づき、主基板26から演出制御マイクロコンピュータ52にある表示制御手段50に表示制御コマンドである変動パターンコマンド46が送られてくる。この変動パターンコマンド46を受けた演出制御マイクロコンピュータ52のCPU53はクロック信号の入力により制御ROM54に記憶されているプログラムに従って動作する。RAM55はCPU53(演出制御マイクロコンピュータ52)のワークエリアとして機能する。CPU53は入力されてきた変動パターンコマンド46に従って液晶パネル42、43を表示制御するための指令信号を出力する。
【0081】
VDP(Video Display Processor)57には表示クロックの同期信号により水平・垂直同期信号および表示ドライバ用同期信号を発生させる処理信号作成回路、表示すべきスプライト情報(位置・サイズ・種類・色・優先順位など)を記憶するアトリビュートテーブルとそのアトリビュートテーブルの情報に従い表示画像記憶手段31であるキャラクタROM58に記憶されている画像データを読み出してVRAM(Video Random Access Memory)59に書込む処理を行なうためのスプライト演算部と、表示される色データを記憶しているパレットテーブルと、異なったタイプの表示装置に対応するための色味を変換する処理を行なうDACテーブルとが備えられている。ドライバ回路基板45(図3(a))はDACテーブルから出力されてきた画像信号を表示駆動に必要な映像信号に変換して液晶パネル42、43へ出力する。液晶パネル42、43はその信号を受けて映像を表示する。
【0082】
次に本実施の形態のポイントとなる画像表示の制御動作を説明する。本実施の形態では、図4に示すような、液晶パネル(前)42の表示画面と液晶パネル(後)43の表示画面とを前後切換制御する表示画像動作が行なわれる。それを実現する機能として、本実施の形態における遊技機は、図9の機能ブロック図に示す機能実現手段を備えている。まず、図9に基づいて機能実現手段を説明した後、その機能実現手段により実現される表示画像の切換状態を図4に基づいて説明し、その切換制御における2種類の方法を、図8に基づいて説明する。
【0083】
遊技領域に打込まれた遊技球が始動可変入賞球装置16に入賞したことに基づき、識別情報の変動パターン選択手段40が可変表示装置12に表示する識別情報の変動パターンを選択する。この識別情報の変動パターンとは、たとえば複数種類あるリーチ演出動作パターン等を意味し、この変動パターン選択手段40により、始動入賞に伴って可変表示装置12を可変表示させた際のどの変動パターンを表示するかが選択される。その選択された変動パターンのコマンドが表示制御手段50(CPU53)に送られる。表示画像記憶手段31は、可変表示装置12に表示するためのオブジェクト画像を含む複数種類の表示画像を記憶している。このオブジェクト画像とは、可変表示装置12に表示される複数種類の識別情報(図柄)であってもよく、また、その識別情報以外のキャラクタ画像(動的キャラクタ画像)であってもよい。可変表示装置12の表示画面を制御する表示制御手段50には、オブジェクト画像表示制御手段50aと、前後切換表示制御手段61とが備えられている。一方、可変表示装置12は、前後に積層状に2つの液晶パネル42,43が配置されており、液晶パネルの背面側にバックライト44が配置されている。
【0084】
オブジェクト画像表示制御手段50aは、変動パターン選択手段40が選択した変動パターンのコマンドに基づいて、その変動パターンに対応するオブジェクト画像を表示画像記憶手段31から読出して、可変表示装置12の一方の液晶パネル(たとえば前方の液晶パネル42)に表示する制御を行なう。その後、所定の切換表示タイミングが来た時点で前後切換表示制御手段61により、可変表示装置12の一方の液晶パネル(たとえば前方の液晶パネル42)に表示したオブジェクト画像(図柄)を他方の液晶パネル(後方の液晶パネル43)に切換表示する制御が行なわれる。図9の表示画像記憶手段31は、図7のキャラクタROM58で構成されている。図9の表示制御手段50は、図7の演出制御マイクロコンピュータ52とVDP57とVRAM59とにより構成されている。
【0085】
次に、図4に示されたオブジェクト画像の切換表示について説明する。図4は、可変表示装置12の前方側液晶パネル42と後方側液晶パネル43との表示画面の移り変わりを矢印で示したものである。まず、変動パターン選択手段40によりリーチ状態における変動パターンが選択され、その変動パターンに対応するオブジェクト画像(図4では「7」の図柄37,38と変動表示されている図柄39、または、キャラクタ36)が、表示画像記憶手段31から読出される。その読出されたオブジェクト画像が、オブジェクト画像表示手段50aにより表示されている状態が、図4の(a)の状態である。この(a)では、液晶パネル(前)42により図柄37,38,39が表示され、液晶パネル(後)43によりキャラクタ36が表示された状態が示されている。
【0086】
そして、所定の切換表示タイミングが来た時点で前後切換表示手段61の働きにより、前面側の液晶パネル42に表示されたオブジェクト画像と後方側の液晶パネル43に表示されたオブジェクト画像とを前後切換える制御がなされる。その切換わった状態が、図4の(b)に示されている。
【0087】
次の切換表示タイミングすなわち図柄の可変表示が停止して表示結果が導出表示された段階で大当りの表示(777)となったときに、前後切換表示制御手段61の働きにより、再度オブジェクト画像の前後切換制御がなされる。その切換制御がなされた状態が、図4(c)に示されている。
【0088】
次に、後方側の液晶パネル43に表示されているキャラクタ36は、「大当り」の表示に切換えられ(d)、その後、前面側の液晶パネル42にキャラクタ36が表示され、後方側の液晶パネル43にラウンド表示「R1」が表示されるとともに、大当りのきっかけとなった大当り図柄「7」が表示される。さらに、可変入賞球装置(大入賞口)に入賞した入賞玉の個数が後方側の液晶パネル43により表示される。
【0089】
図9に示されているように、前後切換表示制御手段61は、所定の切換表示タイミングの判定方法として、2種類の判定方法を採用することが考えられる。まず第1の種類としては、切換表示タイミング判定手段によるタイミング判定である。これについて、図8の(a)に基づいて説明する。まず、CPU53により構成された切換表示決定手段64の働きにより、切換表示制御を行なうか否かが決定される。これは、主基板26から送信されてきた変動パターンコマンド46が切換表示を伴うものであるか否かによって決定される。切換表示決定手段64の決定結果が切換表示タイミング判定手段60に与えられる。切換表示タイミング判定手段60では、その決定結果が切換表示を行なう旨のものであったときには、制御ROM54に記憶されている変動パターンプログラム65に従って切換表示タイミングになったか否かの判定を行なう。
【0090】
具体的には、主基板26から送られてきた変動パターンコマンド46に基づいて切換表示するタイミングになったか否かを判定するためのカウンタをRAM55内に設け、初期値(たとえば50)からダウンカウントして0の値になったか否かを判定して0になったときに表示切換タイミングになった旨の判定を切換表示タイミング判定手段60が行なう。その切換表示タイミングになった旨の判定結果が前後切換表示制御手段61に与えられ、図4の(b)、(c)のような前後切換制御が行なわれる。
【0091】
図9に示した前後切換表示制御手段61による切換表示が行なわれるタイミングの判定方法としての第2の方法が、図8(b)に示されている。この第2の方法は、制御ROM54に記憶されている変動パターンプログラム65によって、順次画像表示する表示画像が指定されてCPU53がその指定された表示画像を表示するようにVDP57に制御指令信号を出力する。たとえば図4の(a)の場合には、前面側の液晶パネル42に「7」の図柄37,38と変動図柄39を表示しかつ後方側の液晶パネル43にキャラクタ36を表示するための画像表示指令信号がCPU53からVDP57に送られる。この指令信号によって指定された表示画像をどの程度の時間表示するかを計時する機能を有するものが計時手段63である。この計時手段63は、RAM55内に形成されたカウンタによって計時する。
【0092】
次に、CPU53は、変動パターンプログラム65に従って、前面側の液晶パネル42にキャラクタ36を表示しかつ後方側の液晶パネル43に「7」の図柄37,38と変動図柄39を表示するための画像表示指令信号を生成して、VDP57に送る。その結果、図4の(b)に示す前後液晶パネル42,43による表示がなされる。この(b)の表示状態が継続する時間が、前述したRAM55で構成されている計時手段63により計時される。
【0093】
以上要するに、図8(b)に示す第2の表示タイミング判定方法の場合には、前後切換表示制御手段61は、変動パターンプログラム65によって動作するCPU53からの画像表示指令によって指定された表示画面を計時手段63が計時する時間だけ液晶パネル42,43に表示するだけであり、切換表示タイミングが到来したか否かを判別しているわけではなく、変動パターンプログラム65に従った画像表示を順次行なうだけで、その変動パターンプログラム65に従った画像表示データが前後の液晶パネル42,43が切換わった画像表示データとなることにより自動的に切換わるというものである。
【0094】
第2実施形態
図10は、第2の実施の形態におけるスロットマシン71の全体正面図である。図10を参照して、スロットマシン71は、その前面に、上方から順に上部パネル82、遊技パネル83、下部パネル84を有する。上部パネル82は、演出用透視窓78を有し、演出用透視窓78を覆う領域に演出用可変表示装置77が備えられる。演出用可変表示装置77は、液晶表示装置であり、第1の実施の形態における可変表示装置12と同様の構成を有し、前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することが可能である。
【0095】
遊技パネル83は、スロットマシン71の本体側に設けられた可変表示装置80を透視可能な透視窓79が設けられている。可変表示装置80は、液晶表示装置であり、第1の実施の形態における可変表示装置12と同様の構成を有し、前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することが可能である。
【0096】
可変表示装置80は、3つのリールが回転する演出表示を行う。なお、各リールを左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部と呼ぶ。
【0097】
可変表示装置80には、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるとともに、上段の上方部分には間もなく上段の位置に現れる図柄の一部が、下段の下方部分には間もなく可変表示部の下に隠れて見えなくなる図柄の一部が、それぞれ表示される。
【0098】
遊技パネル83の下部から前面側に突出して形成された部分の側面には、スタートレバー72と、3つのストップボタン76と、メダルを投入するためのメダル投入口73とが設けられている。3つのストップボタン76は、左から順に、可変表示装置80の左リール、中リール、右リールを停止させる操作を入力するためのスイッチである。また、遊技パネル83の下部から前面側に突出して形成された部分の上面には、ゲームの賭数を設定するためのBETボタン75が設けられている。
【0099】
下部パネル84の下方には、メダルを貯留するためのメダル受皿74が設けられている。
【0100】
次に、スロットマシン71により提供されるゲームの概要について説明する。ゲームを開始するためには、最初に賭数を設定する。賭数は、BETボタン75を押圧することにより、1〜3のいずれかに設定できる。BETボタン75の操作が有効であるか否かは、BETボタン75に内蔵されたBETランプの点灯状況によって示される。
【0101】
また、直接、メダルをメダル投入口73に投入することによって賭数を設定することも可能であり、メダルを1枚投入する毎に、所定の上限数の範囲内で賭数が1ずつ加算される。なお、賭数の上限数を超えてメダルが投入された場合、クレジット数が上限値に達するまではクレジットが加算更新され、クレジット数が上限値に達した時点でメダルがメダル受皿74から返却される。
【0102】
賭数が設定された後、スタートレバー72が操作されると、可変表示装置80の各リール一斉に変動(スクロール)し始める。可変表示装置80の各リールには、複数種類の図柄が描かれており、リールの回転に伴って透視窓79に現れる図柄の種類が次々と変動される。透視窓79からは、可変表示装置80の3つのリールの一部分が視認される。なお、各リールを遊技者が視認できる3つの領域部分を各リールに対応させて左可変表示部、中可変表示部、右可変表示部と呼ぶ。
【0103】
3つのストップボタン76は、可変表示装置80の各リールに対応して設けられている。リールの変動が開始されてから所定時間が経過すれば、遊技者は自らストップボタン76を押圧する操作によって各リールを停止させる順序を決定できる。遊技者がストップボタン76のうちいずれかを押圧操作すれば、対応するリールの回転が停止する。
【0104】
可変表示装置80のすべてのリールが停止表示した時点で、可変表示装置80に停止表示される各リールの上段、中段、下段の3段の図柄のうち賭数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合わせによって入賞の有無が決定される。賭数が1の場合には、可変表示部における中段の横1列の入賞ラインのみが有効ラインとなる。賭数が2の場合には、可変表示部における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効ラインとなる。賭数が3の場合には、可変表示部における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0105】
有効ライン上における図柄の組合わせが予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、各種遊技効果ランプ部が所定の態様で点滅する。
【0106】
そして、入賞に応じた数のメダルがクレジットとして払出されてクレジット表示器のクレジット数が加算更新される。また、ペイアウト表示器には、その払出数が表示される。なお、クレジット数が上限(=50)に達した場合には、直接、メダルがメダル受皿74から払出される。
【0107】
また、特に予め定められた特別の表示態様となった場合には、ビッグボーナス入賞あるいはレギュラーボーナス入賞となり、クレジットが付与されるとともに、ビッグボーナスゲームあるいはレギュラーボーナスゲームを行なうことが可能な遊技状態となる。
【0108】
このようなスロットマシン71の遊技の進行および遊技の進行に伴った各種機器の駆動等の制御(遊技制御)は、遊技制御基板に設けられたCPU、ROM、およびRAMを含む遊技制御をマイクロコンピュータにより実行する。そして、演出用可変表示装置77および可変表示装置80において、第1の実施の形態における可変表示装置12で説明したのと同様の構成を有し、前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することが可能である。
【0109】
図10に示されるスロットマシンにより、「複数種類の図柄を所定の順序で繰返し可変表示させる複数の可変表示部(左、中、右可変表示部)を有する可変表示装置(可変表示装置80)を含み、前記複数の可変表示部の表示結果として導出表示された図柄の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシン(スロットマシン71)であって、前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示させる操作を行なうための複数の操作部であって、各可変表示部の表示結果を個別に導出表示させるために各可変表示部に対応して設けられた操作部(ストップボタン76)と、入賞を許容するか否かを入賞役の種類別に抽選する抽選手段(制御用マイクロコンピュータ)と、前記複数の操作部のいずれかについての操作が検出された時点で当該操作が検出された操作部に対応する可変表示部に表示されている図柄、および当該図柄以降に表示される順番が到来する所定個数の図柄のうちに、前記抽選手段によって入賞が許容された入賞役に対応する図柄が含まれるときに、当該図柄を前記可変表示部に導出表示させる導出表示位置制御手段(引込み制御を実行する制御用マイクロコンピュータ)とを含むことを特徴とする、スロットマシン」、および「1ゲームに賭ける賭数が設定されることによりゲームを開始させることが可能となり、可変表示装置(可変表示装置80)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームの終了条件が成立し、該可変表示装置の表示結果に応じて予め定められた特別入賞(たとえば、ビッグボーナス入賞、あるいはレギュラーボーナス入賞)が発生した後に、当該特別入賞に基づいた特別ゲーム(ビッグボーナスゲーム、あるいはレギュラーボーナスゲーム)をすることが可能な特別遊技状態(たとえば、ビッグボーナス状態、レギュラーボーナスゲームを行なうことが可能な状態)になるスロットマシン(71)であって、前記特別遊技状態を含む複数種類の遊技状態(たとえば、特別遊技状態、および該特別遊技状態以外の通常遊技状態)のいずれかに制御する遊技制御手段(制御用マイクロコンピュータ)と、前記可変表示装置の表示結果を導出表示させる操作を行なうために設けられた操作部(ストップボタン76)と、入賞を許容するか否かを入賞役の種類別に抽選する抽選手段(制御用マイクロコンピュータ)とを含むことを特徴とする、スロットマシン」が構成されている。
【0110】
以上説明したように、第2の実施の形態におけるスロットマシン71においては、演出用可変表示装置77および可変表示装置80において、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルの可変表示装置を備え、一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示するので、前後の液晶パネルをオブジェクト画像が移動するような表示ができ、今までにない演出表示ができる。また、1つの液晶パネルで表示する場合に比べ、奥行き感が出せ、インパクトのある表示ができる。
【0111】
次に、図12に示すような、直角方向から2つの表示器とハーフミラーを備えた表示器と本実施形態との比較説明を以下に行なう。まず図12について説明する。1方の表示器1の表示パネルからの光はハーフミラーの裏面より透過して前方へ進む。他方の表示器2の表示パネルからの光はハーフミラーの表面で反射されて前方へ進む。このため、表示器1と表示器2との両方の画面を前方からは見ることができる。ハーフミラーから表示器1、2の表示パネルまでの距離を変えると2つの画面間で奥行き感をだせると推定される。以下この方式をハーフミラー方式と称し、本実施形態を本案と称する。
【0112】
本案にはできるが、ハーフミラー方式には、つぎのようなことはできない。
イ. 本案の場合、1つのバックライト44で済ましているが、ハーフミラー方式では表示器1と表示器2との両方にそれぞれ発光体が必要になる。同様に、ハーフミラー方式では表示器1と表示器2との両方にそれぞれ独自のドライバ回路、制御回路が必要である。本案の場合は1つのドライバ回路、制御回路で済む。このため、表示装置が本案ではコンパクトに構成できる。ハーフミラー方式では遊技機に広い設置スペースが必要となるため、採用が困難である。
ロ. 本案の場合、前側の液晶パネル(前)42で後側の液晶パネル(後)43の視認性を変えることができる。たとえば、液晶パネル(前)42の画像や背景を濃い色彩(明度の低い色彩)で構成すると、透明度が落ち、液晶パネル(後)43が見えなくなったり、見え難くすることができる。それも液晶パネル(前)42の全面でもよいし、一部のみでも可能である。そこで、液晶パネル(前)42の一部を透明に切換、液晶パネル(後)43が見えるように液晶パネル(前)42の表示画像を制御したり、次の瞬間には、今見えていた液晶パネル(後)43に表示していた画像が液晶パネル(前)42の一部透明になっていた部分に嵌めこみ(切換え)不透明化することで、液晶パネル(前)42と液晶パネル(後)43との間隔があれば、画像が前側に飛び出してきた感じを見る人に与えることができる。
【0113】
すなわち、本発明は、以下の遊技機であってもよい。
複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトと、
前記2つの液晶パネルの両方を駆動するための1つのドライバ回路と、
前記2つの液晶パネルの両方を表示制御するための1つの制御回路とを備え、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。
【0114】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に説明する。
(1) 本発明は請求項1〜10に記載のように、遊技機および表示画面制御方法であるが、さらに以下の発明をも含んでいる。
イ. 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備えた遊技機における表示画面制御方法の制御プログラムを記憶した記録媒体であって、
前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、
所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する、遊技機における表示画面制御方法を実行可能な制御プログラムを記憶したことを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0115】
第1実施形態で説明した表示画面制御方法を実行可能な制御プログラムを記憶した記憶媒体は商品として有効に流通し得るし、有益な製品になる。この制御プログラムを記憶した記憶媒体を遊技機に組み込めるようにして販売する場合、この記憶媒体を販売し、購入者がこの制御プログラムをコピーして使用する場合、通信網を介して各遊技ホールのホール管理用コンピュータあるいは各遊技機にダウンロードさせる場合が考えられる。
【0116】
(2) さらに請求項1を記憶媒体のクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ロ. 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となり、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備える遊技機を制御するプログラムを記憶している記憶媒体において、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含む遊技機となす制御プログラムを記憶していることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0117】
(3) さらに請求項1をサーバのクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ハ. 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となり、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備える遊技機を端末機とし、
これら端末機に対して制御プログラムを提供可能なサーバであって、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含む遊技機となすために必要な制御プログラムの少なくとも一部を提供することを特徴とする、サーバ。
【0118】
第1実施形態で説明した表示画面制御機能を実行可能な制御プログラムを、通信網を介して各遊技ホールのホール管理用コンピュータあるいは各遊技機にダウンロードさせる場合が考えられる。したがってこの制御プログラムを搭載したサーバーは商品として有効に流通し得るし、有益な製品になる。
【0119】
(4) さらに請求項2を記憶媒体のクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ニ. 前記ロにおいて、
前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する遊技機となす制御プログラムを記憶していることを特徴とする、コンピュータ読取可能な記憶媒体。
【0120】
(5) さらに請求項2を記憶媒体のクレームにした以下の発明をも含んでいる。
ホ. 前記ハにおいて、
前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示する遊技機となすために必要な制御プログラムの少なくとも一部を提供することを特徴とする、サーバ。
【0121】
上記イ〜ホに関連する実施形態を以下説明する。図11は上記のサーバ66の主要構成68、サーバ66のROMが備えるプログラム内容69および記憶媒体としてのCD(Compact Disk)67の収納しているプログラム内容70の構成を説明する説明図である。なお、サーバ(server)とは、コンピューター・ネットワーク上で他のコンピューターにファイルやデータを提供するコンピューター、またそのプログラムをいう。
【0122】
まず、スタートすると、ステップ(以下単にSという)1で遊技情報の受信処理を行なう。次にS2で識別情報の変動パターン選択処理を行なう。これは、第1の実施の形態において説明した、変動パターン選択手段40によるものである。次にS3では、オブジェクト画像表示制御処理を行なう。これは、第1の実施の形態において説明した、選択された変動パターンに基づき表示画像記憶手段よりオブジェクト画像を読み出して表示するものである。次にS4では、切換表示判定処理を行なう。これは、第1の実施の形態において説明した、液晶パネル前(42)後(43)間でオブジェクト画像を切換表示するタイミングを切換表示タイミング判定手段または計時手段と変動パターンにより定められている切換表示タイミングにより判定するものである。S4,S5は第1の実施の形態において説明した表示制御手段50が備えている。S5では、各種処理結果データ返信処理を行なう。これは上記処理結果を関係先に配信処理するものである。
【0123】
上記S3のオブジェクト画像表示制御処理のサブルーチンについて説明する。第1の実施の形態において説明したように、S6で動的キャラクタ画像表示制御処理を行ない、S7で静的キャラクタ画像表示制御処理を行なう。動的キャラクタ画像としてはキャラクタ36や泳いでいる魚群のキャラクタの動画像であり、静的キャラクタ画像としては「リーチ!」の文字画像や海底の風景からなる静止画像である。選択された変動パターンに基づき表示画像記憶手段より上記オブジェクト画像を読み出して表示制御する。
【0124】
上記プログラムの内、2点鎖線で囲まれた部分70のプログラムがCD67に収められて販売される。CD67は遊技ホールのホール管理用コンピュータやCDリーダを備えCD67からのプログラムデータを読取可能とした各遊技機端末にCD67が記憶保持しているプログラムデータをコピーさせ上記第1の実施の形態で説明した可変表示装置12と同様な表示装置を有する遊技機で、画像切換表示など第1の実施の形態で説明した遊技の表示を行なうことが可能となる。また、ホール管理用コンピュータやプログラムデータを読取可能な各遊技機端末にこのCDを挿入した状態で、遊技を可能にすることができる。
【0125】
図11において、破線で囲んだ部分68はサーバ66の主要構成68を示す。すなわち、ハードディスクドライブ、CPU、ROM、RAM、通信用インターフェイス回路を主要構成としている。これらは相互にデータなどをやり取りしてコンピュータ機能を発揮している。その個々の働きは既知のことであるから説明を割愛する。点線で囲んだ部分69はこのサーバが備えるROMに記憶されているプログラムの内容69である。
【0126】
変形例として、第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26の遊技制御マイクロコンピュータ51および演出制御基板(演出制御部)30の演出制御コンピュータ52で実行される機能を、弾球遊技機1に通信回線を介して接続されたサーバにもたせてもよい。この場合、弾球遊技機1は、遊技制御マイクロコンピュータ51および演出制御マイクロコンピュータ52は不要となり、これらに代えて、これらマイクロコンピュータに入力される情報および出力される情報を、サーバから送受信するための通信回線が設けられ、サーバと接続される。これにより、サーバと弾球遊技機との間で相互に情報の送受信が可能となる。
【0127】
このようなサーバは、パーソナルコンピュータなどのコンピュータでよい。サーバには、第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26および演出制御基板(演出制御部)30で実行される処理を実行するためのプログラムが記憶されており、実行される。
【0128】
他の変形例として、上述した第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26および演出制御基板(演出制御部)30で実行される処理を前後2枚の液晶表示パネルを備え、前後の液晶パネルに表示した画像を切換可能とした可変表示装置12と同様の表示装置を有するコンピュータに実行させることが可能である。このコンピュータのハードウエア自体は、当業者に周知なのでここではその詳細は説明を割愛する。
【0129】
この場合、コンピュータのCPUに上述した第1の実施の形態における弾球遊技機1の主基板(遊技制御部)26および演出制御基板(演出制御部)30で実行される処理を記述したプログラムが読み込まれ実行される。なお、コンピュータは、前後2枚の液晶表示パネルを備え、前後の液晶パネルに表示した画像を切換可能とした可変表示装置12と同様の表示装置が備えられる。
【0130】
プログラムは、一般には、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録されて流通する。本実施形態でいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラムなどを含む概念である。
【0131】
コンピュータ読取可能な記録媒体は、磁気テープ、カセットテープ、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク装置など)、光ディスク(CD−ROM/MO(Magnetic Optical Disk)/MD(Mini Disk)/DVD(Digital Versatile Disk))、ICカード(メモリカードを含む)、光カード、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMなどの半導体メモリなどを含む。
【0132】
(6) さらに請求項3〜9を用いて、上記例イ〜ホのような請求項となすことが可能である。
【0133】
(7) 弾球遊技機1は、遊技盤56に可変表示装置12を有する例を示したが、この可変表示装置12は、遊技盤56ではなく、前面枠3に設けられた通し窓に設置されてもよい。言いかえると、可変表示装置12は前面枠3に設けられた演出用表示器でもよい。
【0134】
(8) 第1実施形態の弾球遊技機1は、始動入賞に基づいて可変表示装置12に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0135】
(9) 演出制御マイクロコンピュータ52で複数の制御機能を有するので、遊技制御マイクロコンピュータ51のコマンド送信処理の負担を軽減でき、マイクロコンピュータおよび基板の数を少なくでき、コストを削減できる。
【0136】
(10) なお、上述した弾球遊技機1の音声制御手段32の機能からスピーカ41a,41bを駆動する機能までを演出制御基板30から別の音声制御基板に担わせ、ランプ制御手段33の機能からランプ・LED10,11,13,14を駆動する機能までを演出制御基板30から別のランプ・LED制御基板に担わせるようにしてもよい。
【0137】
この場合は音声制御基板、ランプ・LED制御基板にそれぞれ独自のマイクロコンピュータを備え、主基板26より直接指示を受け制御するようにしているが、音声制御手段、ランプ制御手段を演出制御基板30内の演出制御マイクロコンピュータ52に備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・LED駆動基板とに担わせることにしてもよい。同様に音声制御手段、ランプ制御手段を他の1つのマイクロコンピュータに備え、駆動手段のみを音声駆動基板とランプ・LED駆動基板とに担わせることにしてもよい。
【0138】
(11) なお、表示制御部50、表示画像記憶手段31、音声制御部32およびランプ制御手段33の制御は、すべて演出制御マイクロコンピュータ52で制御されるが、デュアルワンチップマイコンなどで制御してもよい。
【0139】
(12) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾球遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】第1の実施の形態における弾球遊技機の主基板(遊技制御部)を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態における可変表示装置の前後方向の縦断面図(a)および原理的な説明用概略斜視図(b)である。
【図4】本実施の形態における可変表示装置の前後の液晶パネルで表示画像を切換える具体的な表示例についての説明図である。
【図5】本実施の形態における可変表示装置の前後の液晶パネルで表示画像を切換える具体的な表示例についての説明図である。
【図6】本実施の形態における可変表示装置の前後の液晶パネルで表示画像を切換える具体的な表示例についての説明図である。
【図7】本実施の形態における表示制御手段を主体とする構成についての説明ブロックである。
【図8】本実施の形態における切換表示タイミング判定手段に関連する説明ブロック(a)、および計時手段と変動パターンプログラムにより画像切換表示タイミングを判定する変形例の説明ブロック(b)である。
【図9】本実施形態のポイントをブロック図にした説明図である。
【図10】第2の実施の形態におけるスロットマシンの全体正面図である。
【図11】本実施形態をサーバや記憶媒体として利用する実施形態の構成説明図である。
【図12】直角方向から2つの表示器とハーフミラーを備えた表示器の説明図である。
【符号の説明】
1 弾球遊技機、12,77 可変表示装置、26 遊技制御基板(遊技制御部)、30 演出制御基板(演出制御部)、31 表示画像記憶手段、40 変動パターン選択手段、42、43 液晶パネル、50 表示制御部、51 遊技制御マイクロコンピュータ、52 演出制御マイクロコンピュータ、60 切換表示タイミング判定手段、61 前後切換表示制御手段、63 計時手段、65変動パターンプログラム、66 サーバ、67 CD(記憶媒体)、68 サーバの主要構成、69 サーバのROMに記憶されているプログラムの内容、70 CDに記憶されているプログラムの内容、71 スロットマシン、80 演出用可変表示装置。
Claims (10)
- 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備え、
始動入賞に基づき、前記可変表示装置に表示する識別情報の変動パターンを選択する変動パターン選択手段と、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、識別情報の可変表示を行なう前記可変表示装置の表示画面を制御する表示制御手段と、
オブジェクト画像を含む表示画像を記憶する表示画像記憶手段とを備え、
前記表示制御手段は、
前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を読み出して前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示する制御を行なうオブジェクト画像表示制御手段と、
前記可変表示装置の一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示する制御を行なう前後切換表示制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。 - 前記表示制御手段は、前記2つの液晶パネルの一方に表示したオブジェクト画像を、他方の液晶パネルに切換表示する切換表示タイミングであるか否かを判定する切換表示タイミング判定手段をさらに含み、
該切換表示タイミング判定手段が切換表示タイミングであると判定したことに基づいて、前記前後切換表示制御手段は前記一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 時間を計時するための計時手段を備え、
前記オブジェクト画像表示制御手段は、前記変動パターン選択手段により選択された変動パターンと前記計時手段により計時された時間とに基づいて、前記表示画像記憶手段より前記オブジェクト画像を呼び出して前記一方の液晶パネルに該呼び出したオブジェクト画像を表示し、前記前後切換表示制御手段はその後前記選択された変動パターンにより予め定められている画像切換表示タイミングに従って、前記呼び出したオブジェクト画像を前記他方の液晶パネルに切換表示することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 前記オブジェクト画像は識別情報であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
- 前記オブジェクト画像は識別情報以外の動的キャラクタ画像であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技機。
- 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報を前面側の液晶パネルから後面側の液晶パネルに切換表示する制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記リーチ状態となったときに、前記表示画像記憶手段に記憶されている前記識別情報以外の動的キャラクタ画像を読出して前記前面側の液晶パネルに表示する制御を行なう動的キャラクタ画像表示制御手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報以外の動的キャラクタ画像を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに切換表示する制御を行なうことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記リーチ状態から最後に導出表示される可変表示部の識別情報を後面側の液晶パネルから前面側の液晶パネルに拡大して切換表示する制御を行なうことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 前記可変表示装置は、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部を複数有し、該複数の可変表示部を可変表示させた後時期を異ならせて表示結果を導出表示し、
前記前後切換表示制御手段は、前記複数の可変表示部の一部がまだ表示結果を導出表示していない段階で既に導出表示されている可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様となる表示条件を満たしているリーチ状態となったときに、前記オブジェクト画像として前記識別情報を前面側の液晶パネルから後面側の液晶パネルに切換表示する制御を行ない、
前記表示制御手段は、前記リーチ状態となったときに、前記表示画像記憶手段に記憶されている前記識別情報以外の静的キャラクタ画像を読出して前記前面側の液晶パネルに表示する制御を行なう静的キャラクタ画像表示制御手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の遊技機。 - 複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な遊技状態に制御可能となる遊技機における表示画面制御方法であって、
前記可変表示装置は、前後に積層状に配置した2つの液晶パネルと、
該2つの液晶パネルの背面側に配置し、前記2つの液晶パネルのためのバックライトとを備え、
前面側液晶パネルまたは後面側液晶パネルのうちのいずれか一方にオブジェクト画像を表示し、
所定条件により一方の液晶パネルに表示したオブジェクト画像を他方の液晶パネルに切換表示することを特徴とする、遊技機における表示画面制御方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002375119A JP2004201965A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 遊技機および表示画面制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family
ID=32812951
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008264214A (ja) * | 2007-04-20 | 2008-11-06 | Abilit Corp | 図柄合わせ遊技機 |
JP2009045152A (ja) * | 2007-08-16 | 2009-03-05 | Abilit Corp | 遊技機 |
JP2009125195A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Abilit Corp | 遊技機 |
JP2020156874A (ja) * | 2019-03-27 | 2020-10-01 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
-
2002
- 2002-12-25 JP JP2002375119A patent/JP2004201965A/ja not_active Withdrawn
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