1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動領域904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報が存在する場合には、新たに取得された当否判定情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。なお、本実施形態では、詳細を後述する第一表示装置11(第一表示領域111)および第二表示装置12(第二表示領域121)の少なくともいずれかに保留図柄70が表示される。
本実施形態では、保留図柄70として、当否判定結果を報知する変動中演出(識別図柄80(識別図柄群80g)の変動開始から、当否判定結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう)は開始されているものの、当否判定結果の報知は完了していない情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否判定結果を報知する報知演出が開始されていない情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じであり、両者を区別するために変動中保留図柄71の方が変動前保留図柄72よりも大きく表示される。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特図1および特図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(図2参照)。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置に表示される識別図柄80(図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄80を含む識別図柄群80g(左識別図柄群80gL、中識別図柄群80gC、右識別図柄群80gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群80gから一の識別図柄80が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群80gから選択されて停止した識別図柄80の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄80の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。識別図柄80は、数字とキャラクタ等が組み合わされたものとしてもよい。なお、本実施形態では、詳細を後述する第一表示装置11(第一表示領域111)および第二表示装置12(第二表示領域121)の少なくともいずれかに識別図柄80が表示される。
なお、図2以外の一部の図面においては、保留図柄70や識別図柄80の図示を省略する。
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態としては、第一特別遊技状態と第二特別遊技状態が設定されている。第一特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。第二特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)である。通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。なお、遊技状態の移行に関する設定はどのようなものであってもよいから説明を省略する。また、上記のような遊技状態が設定されていることはあくまで一例である。
2)表示装置
本実施形態にかかる遊技機1は、第一表示装置11および第二表示装置12を備える(図1、図3(a)参照)。以下の説明において、第一表示装置11における画像が表示可能な領域を第一表示領域111と、第二表示装置12における画像が表示可能な表示領域を第二表示領域121と称する。各表示領域は、遊技機1に正対する遊技者が視認可能な範囲をいうものとする。なお、以下の説明において、特に明示することなく、単に画像というときは、動画および静止画の両方が含まれるものとする。
第一表示装置11は、第二表示装置12よりも演出に用いられる頻度が多い「メインの表示装置」である。本実施形態では、液晶表示装置を第一表示装置11としている。後述するように、第二表示装置12(第二表示領域121)は透過機能を発現する透過型表示装置であるが、第一表示装置11(第一表示領域111)はこのような透過機能を発現するものではない(ただし、第一表示装置11を透過型表示装置とすることを否定するわけではない)。
第二表示装置12は、透過型表示装置である。本実施形態では、公知の透過型液晶表示装置を用いている。透過型有機EL表示装置、透過型無機EL表示装置等、他の透過型の表示装置を第二表示装置12として適用することが考えられるが、一または複数の決まった態様の画像のみを表示することが可能なもの(イルミネーションパネル等の表示することが可能な画像が有限であるもの)ではなく、あらゆる画像を表示することが可能なもの(表示することが可能な画像が無限であるもの)である。
第二表示装置12は、第一表示装置11の手前に配置される(図3(a-1)参照)。つまり、第一表示領域111と第二表示領域121の一部または全部は前後方向において重なる。本実施形態では、第一表示領域111よりも第二表示領域121の方が大きく、第一表示領域111の全体が、第二表示領域121に重なるように両表示装置が配置されている(図3(a-2)参照)。本実施形態では、第二表示領域121の一部は、無色透明な材料で形成された遊技盤90(遊技盤90の本体部分を構成するプレート)の後方で重なるように位置する(図1参照)。つまり、第二表示領域121の一部(第二表示領域121に表示される画像)は、遊技盤90を通じて視認される。なお、図1以外の図面においては、遊技盤90を図示しない。
第一表示領域111と第二表示領域121とは、前後にずれて位置することになる(図3(a-1)参照)。したがって、画像に対する遊技者の視線の方向によっては、第二表示領域121に表示された画像の方が、第一表示領域111に表示された画像(後述する透過部Mや半透過部N1を通じて見える画像)よりも手前に位置するように見える(第二表示領域121に表示された画像が浮かび上がって見える)。第一表示領域111と第二表示領域121の両方に視認可能な画像が表示されることで、奥行き感が表現されるともいえる。ただし、画像に対して完全に正対すれば(視線が画像に対して直交するとすれば)、両表示領域に表示される画像は一体的に表示されているようにも見える(図3(a-2)参照)。
第二表示装置12は、第二表示領域121の一部または全部を、後方に位置する部材(第一表示領域111に表示される画像を含む。以下同じ)を視認することが可能な透過部M(透過領域)とすることが可能である(図3(b-2)参照)。本実施形態では、透過部Mは、遊技者視点で無色透明に見えるような部分とされる(制御上、画像(色)が表示される領域であったとしても、遊技者にほとんど無色透明に見えるような部分は透過部Mであるとする)。したがって、透過部Mの後方に位置する(前後方向において透過部Mに重なる)部材等は、ほとんどそのままの態様で遊技者に視認されることになる(図3(b-3)のA1領域参照)。
また、第二表示装置12は、第二表示領域121の一部または全部を、透過部Mよりも後方に位置する部材を視認することが可能な画像表示部Nとすることが可能である(図3(b-2)参照)。第二表示領域121において透過部Mと画像表示部Nが混在する状態とすることも可能である。画像表示部Nは、遊技者視点で何らかの画像が表示されているように見える部分である。当該画像が表示されているがゆえ、透過部Mよりも後方に位置する(前後方向において画像表示部Nに重なる)部材の視認性に劣るということになる。
また、画像表示部Nは、半透過部N1および不透過部N2に区分けされるものとする。半透過部N1と不透過部N2が混在する画像表示部Nとすることも可能である。半透過部N1は、表示される画像を通じて後方に位置する部材を視認することも可能であるが、透過部Mよりは視認性に劣る部分である。遊技者視点で言えば、有色透明(有色半透明)に見える部分である。つまり、半透明の画像が介される分、上記透過部Mよりも視認性に劣る部分である(図3(b-3)のA2領域参照)。半透過部N1に表示される画像の白の要素が強くなる(明るくなる)ほど、半透過部N1の透過率は高くなる傾向にある。
不透過部N2は、上記半透過部N1よりも後方に位置する部材の視認性に劣る部分であって、表示される画像を通じて後方に位置する部材を視認することが極めて困難または不可能な部分である(全く透過していない(完全に不透過である)わけではないが、凝視する等しなければ後方が見えないような態様、すなわち実質的に透過していないような態様を含む)。遊技者視点で言えば、不透過部N2が表す画像だけが見え、その後方に存在するものは当該画像によって被覆されて見えなくなるような部分である(図3(b-3)のA3領域参照)。本実施形態では、第一表示領域111の全体が、第二表示領域121に重なるように設定されているため、仮に、第二表示領域121の全体を不透過部N2とした場合には、第一表示領域111(第一表示領域111に表示される画像)が見えない状態となる。なお、以下では、第二表示領域121の少なくとも一部を不透過部N2とした場合、当該不透過部N2の後方に存在するものは、視認できない(見えない)ものとして説明するが、これは実質的に視認できない(見えない)ということであって、わずかに透過している状態も含むものとする。
なお、特に明示した場合を除き、第一表示領域111(第一表示装置11)および当該第一表示領域111に表示される画像は実線で、第二表示領域121(第二表示装置12)および当該第二表示領域121に表示される画像は点線で図示するものとする。
3)表示装置を利用した各種演出
以下、上記第一表示装置11および第二表示装置12を利用した各種演出について説明する。以下で説明する各種演出は、ある当否判定結果(対象当否判定結果)を報知する報知演出の一部として発生しうるものである。なお、以下で説明する演出の全てを実行することが可能な構成としなくてもよい。一部のみが実行可能な構成であってもよい。また、以下の各種演出の説明においては、対象の演出に関係のないものについては説明や図示を省略することがある。
3-1)選択演出
選択演出(図4参照)について説明する。選択演出は、遊技者に対して示される一または複数の選択肢のうちから、最終的にいずれかの選択肢を選択する演出である。なお、いずれの選択肢も選択されないという結果に至る場合があってもよい。
選択肢は選択画像21として第一表示領域111に表示される(図4(a)(b)参照)。選択画像21は選択肢の内容を示すものであればよく、その具体的態様は問わない。本実施形態における選択演出は、いわゆるステップアップ演出でもある。ステップアップ演出自体は公知であるため詳細な説明を省略するが、演出の進行度合が段階(ステップ(SP))で示され、いずれの段階まで進行するかに応じ、対象の当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が示唆されるというものである。このように、本実施形態における選択演出は、対象当否判定結果の大当たり信頼度を示唆するものであるため、最終的に選択される選択画像21(選択肢)は内部的に決まっているというものである(遊技者が任意に決定するものではなく、自動選択されるものである)。選択演出では、各ステップに相当する画像が選択画像21として順に第一表示領域111に表示されていく。例えば、SP1の選択画像21、SP2の選択画像21、SP3の選択画像21・・・というようにステップ(段階)順に表示されていくようなものとされる。いずれかの選択画像21が選択された場合には、そこでステップアップが停止し、次段階の選択画像21は表示されないものとされる。本実施形態における最大ステップ数は「5」(SP5の選択画像21が選択されること)であり、ステップ数が多くなるほど、大当たり信頼度は高くなる。また、本実施形態では、ある段階の選択画像21が表示されているときに、次段階の選択画像21が表示される(図4(a)参照)。このようにすることで、遊技者は、次のステップに進行する可能性を把握することになる。本実施形態における選択画像21は「パネル」のような態様とされる。
上記のような選択画像21が第一表示領域111に表示されることに加え、選択演出においては選択肢である選択画像21を指し示す画像(以下、指示画像22と称する)が表示される(図4参照)。なお、ここでいう「指し示す」とは、いずれかの選択画像21に対応づけられるように表示される状態をいう。指示画像22は、選択完了前は、ある選択画像21が選択されるのではないかということを「煽る」ような効果や、未だ選択が完了していないことを示す効果を発現し、選択完了後は対象の選択画像21が選択されたということを示す効果を発現する。つまり、指示画像22は、「カーソル」や「ポインタ」といったものに相当するようなものである。本実施形態では、「矢」を表したかのような画像が指示画像22として表示される。
かかる指示画像22は、いずれの選択肢(選択画像21)も選択されていない段階(以下選択前段階と称することもある)においては第二表示領域121に表示される(図4(a)(b)参照)。つまり、選択が決定される前においては、選択画像21は第一表示領域111に表示され、指示画像22は第二表示領域121に表示される(以下、このような表示態様を別表示態様と称することもある)。選択前段階においては、第二表示領域121の一部が画像表示部Nとされ、当該画像表示部Nにより指示画像22が表される。本実施形態では、指示画像22が表された部分は不透過部N2とされる。指示画像22が半透過部N1とされるものとしてもよい。また、第二表示領域121の一部は透過部Mとされ、当該透過部Mを通じて第一表示領域111に表示された選択画像21が遊技者に視認可能となる。本実施形態では、第二表示領域121における指示画像22である画像表示部N以外の部分は全て透過部Mとされる。
指示画像22である「矢」は、新たな選択画像21が第一表示領域111に表示される度に、後方に向かって変位するかのように(真っすぐ後方だけでなく、斜め後方に向かうかのような態様を含む)第二表示領域121に表示される(図4(a)(b)参照)。後方に向かって変位するかのように遊技者に見せるための手法は種々考えられる。本実施形態では、「矢」の大きさが次第に小さくなるかのように表示される。このようにすることで、指示画像22である「矢」が、選択画像21に向かって飛んでいるかのように遊技者には見える。つまり、第二表示領域121が第一表示領域111よりも前に設けられていることを利用し、第二表示領域121に表示される指示画像22が、第一表示領域111に表示される選択画像21に向かっているかのような演出形態が構築される。本実施形態では、選択画像21および指示画像22の両方ともが三次元的(立体的)に表され、指示画像22が選択画像21に近づいていくかのように表示される。選択画像21や指示画像22が二次元的に表される構成としてもよい。
選択演出が、ある選択画像21(対象選択画像21T)が選択肢として選択されるという結果に至る場合には、第一表示領域111に表示された対象選択画像21Tに、指示画像22である「矢」が突き刺さるという表示がなされる。これにより、対象選択画像21Tが選択されたということ、すなわちいずれかの選択肢が選択されたことを遊技者に示す。ここで、いずれかの選択肢(選択画像21)の選択が完了したことを示す選択後段階では、指示画像22は第一表示領域111に表示される(図4(c-1)参照)。つまり、選択後段階においては、選択画像21(少なくとも対象選択画像21Tが含まれる)と指示画像22の両方が第一表示領域111に表示される(以下、このような表示態様を同表示態様と称することもある)。換言すれば、選択画像21については第一表示領域111に表示された状態が維持されるものの、指示画像22については第二表示領域121に表示された状態から第一表示領域111に表示された状態に移行するということである。本実施形態では、対象選択画像21Tとそれに突き刺さった「矢」(指示画像22)が、第一表示領域111に表示された状態となり、当該対象選択画像21Tが最終的に選択されたということが示される。
なお、別表示態様から同表示態様に切り替えられるタイミングは適宜調整可能である。選択前段階においては別表示態様にあり、選択後段階に移行すると同時に同表示態様に切り替えられる構成とすることが最も好ましい。ただし、選択後段階に移行してからしばらくは別表示態様にあり(第一表示領域111と第二表示領域121を利用して対象選択画像21Tに「矢」が突き刺さった状態が表現された状態にあり)、所定時間(例えば1秒)経過後、同表示態様に切り替えられるような構成としてもよい。
本実施形態における選択演出では、ある選択画像21が表示され、当該選択画像21が選択されるという結末に至らない場合、当該選択画像21に指示画像22である「矢」は突き刺さらない。その後、次のステップの選択画像21が表示され、これに対し「矢」が突き刺さるかどうかの表示(煽り)がなされる(図4(c-2)参照)。これを繰り返し、最終的にいずれかの選択画像21に対して指示画像22である「矢」が突き刺さり、当該選択画像21が選択されたことが遊技者に対して示されることになる。
以上説明したように、本実施形態における選択演出は、選択前段階においては選択画像21(選択肢)が第一表示領域111に、指示画像22が第二表示領域121に表示され、選択後段階に移行したときに、選択画像21と指示画像22の両方が第一表示領域111に表示されるという変化が生じる。つまり、選択画像21と指示画像22が別の表示領域(表示装置)に表示される状態とすることで「選択未完了」の状態を表現し、選択画像21と指示画像22が同じ表示領域(表示装置)に表示される状態とすることで「選択完了」の状態を表現している。選択完了前から選択完了に至ることでこのような表示態様の変化が生じるものであるため、従来の選択演出(選択画像21および指示画像22の両方が最初から最後まで同じ表示領域に表示される選択演出)に比して選択演出がどのような状態にあるのか分かりやすい。
また、選択前段階において第二表示領域121にて指示画像22が後方に向かって変位するかのような表示がなされた上で、選択後段階に移行する。つまり、指示画像22が、後方に位置する選択画像21(対象選択画像21T)に向かって変位するかのような表示がなされた上で、当該対象選択画像21Tが選択されたことが示される。このようにすることで、指示画像22により対象選択画像21Tが選択されたということをより分かりやすく示すことが可能となる。
以下、上記選択演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態における選択演出の具体的態様はあくまで一例である。選択肢を示す選択画像21が表示された上で、当該選択肢を指し示す指示画像22が表示されるものであれば、上記実施形態にて説明した技術思想を適用することが可能である。例えば、選択演出の一種として知られるルーレット演出にも当該技術思想を適用することが可能である。
選択前段階においては、複数の選択画像21を含むルーレットを表した画像が第一表示領域111に表示され、いずれかの選択画像21に対応させるような指示画像22(カーソル)が第二表示領域121に表示される(別表示態様とされる)ものとする(図5(a)参照)。当該選択前段階においては、指示画像22が各選択画像21間を移り動き、いずれかの選択画像21が選択されることを示す「煽り」が発生するようにするとよい。その後、選択後段階に移行すると同時または移行してから所定時間経過後に、選択画像21と指示画像22(対象選択画像21Tで停止させられたカーソル)の両方が第一表示領域111に表示される(同表示態様とされる)(図5(b)参照)。
この際、選択前段階において指示画像22であるカーソルが後方に向かって変位するかのような表示がなされた後、選択後段階に移行するようにしてもよい。つまり、指示画像22であるカーソルが対象選択画像21T側(後方)に向かうかのような表示(例えば、次第に小さくなるような表示)がなされるようにして、当該対象選択画像21Tが選択されたということが強調されるようにしてもよい。このようにした場合、選択前段階(図5(a)参照)よりも、選択後段階(図5(b)参照)の方が、指示画像22であるカーソルの大きさが小さくなる。
なお、本例のような選択演出は、選択前段階において、全ての選択画像21(選択肢)が同時期に第一表示領域111に表示されるものであるといえる。つまり、上記実施形態にて説明した選択演出とは、全ての選択画像21が同時期に第一表示領域111に表示されるか、一部の選択画像21が順に表示されていくかという点において相違するものであるが、選択画像21が第一表示領域111に表示されるものであれば、選択前段階において各選択画像21が表示されるタイミングは問わないということである。
〇第二具体例
上記実施形態における指示画像22は「矢」を表したようなものであることを説明したが、それはあくまで一例である。上記第一具体例にて説明した「カーソル」のような無体物を表したものであってもよい。ただし、選択前段階において指示画像22が後方に向かって変位するかのような表示がなされるようにするのであれば、このような変位をすることが自然である有体物を指示画像22として表した構成とすることが好ましい。例えば、「生物」を指示画像22として表した構成とすることが考えられる。別表示態様にて指示画像22である「生物」が後方に向かって動くかのような表示がなされた上で、最終的に対象選択画像21Tとして表示される画像と一体化したことが同表示態様により表される構成とすることが考えられる。
〇第三具体例
選択前段階における指示画像22が表す対象物(無体物・有体物の両方を含む)と、選択後段階における指示画像22が表す対象物が異なっていてもよい。例えば、選択演出の基本的な態様が、対象選択画像21Tがピストルで撃ち抜かれるような態様であるとする。この場合、選択前段階においては、(ピストルの)「銃弾」を表したものが指示画像22とされる(図6(a)参照)。選択後段階においては、対象選択画像21Tに(ピストルの)「銃弾の跡」が残ったようなものとされる(図6(b)参照)。つまり、選択後段階における指示画像22は当該「銃弾の跡」を表す画像とされる。「弾」を表す指示画像22は第二表示領域121に表示され、「銃弾の跡」を表す指示画像22は第一表示領域111に表示されるものとする。
〇第四具体例
上記実施形態における選択演出は、遊技者が任意に決定するものではなく、自動選択されるものであることを説明したが、遊技者が任意の選択肢を選択可能なものにおいても同様の構成とすることが可能である。選択前段階においては、選択肢を示す選択画像21を第一表示領域111に、指示画像22(例えばカーソルを表した画像)を第二表示領域121に表示する(別表示態様とする)(図7(a)参照)。遊技者が押しボタンや十字キーといった所定の操作手段を操作することで任意の選択肢を決定し(または、選択時間が経過し)、選択後段階に移行したときには選択画像21(少なくとも対象選択画像21Tを含む)と指示画像22が第一表示領域111に表示されるようにする(同表示態様とする)(図7(b)参照)。
〇第五具体例
上記実施形態では、選択前段階においては別表示態様と、選択後段階においては同表示態様とされることを説明したが、選択前段階においては同表示態様と、選択後段階においては別表示態様とされるようにしてもよい。すなわち、選択前段階においては、選択肢を示す選択画像21および指示画像22の両方を第一表示領域111に表示する。選択後段階においては、選択肢を示す選択画像21を第一表示領域111に、指示画像22を第二表示領域121に表示する。このようにしても、選択完了の前後で表示態様が変化することになるから、従来の選択演出に比して選択完了の有無が分かりやすいといえる。
ただし、上記実施形態のように、指示画像22が選択画像21と別の表示領域に表示された状態とすることで「選択未完了」状態を表し、指示画像22が選択画像21と同じ表示領域に表示された状態とすることで「選択完了」状態を表した方が、選択完了の有無と、表示される表示領域の異同がリンクするため、選択完了の有無がより分かりやすいといえる。
3-2)被覆演出
被覆演出(図8参照)は、第二表示領域121における第一表示領域111に重なる部分を画像表示部Nとすると、当該画像表示部Nにより第一表示領域111の一部または全部が覆われた状態となることを利用した演出である。本実施形態における被覆演出は、大まかにみて、前半部分と後半部分に区分けされる。
前半部分においては、第二表示領域121の少なくとも一部が透過部Mとされ、当該透過部Mを通じて第一表示領域111の少なくとも一部(前後方向において透過部Mに重なる部分)が視認可能とされる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が透過部Mとされる。したがって、第一表示領域111(第一表示領域111に表示される画像)の全体がほとんどそのままの態様で視認される。当該第一表示領域111には、演出画像25が表示される。本実施形態における演出画像25はピストル(ピストルについては図示を省略する)およびそれから放たれた「銃弾」である(図8(a)参照)。当該演出画像25の少なくとも一部が前方に向かって変位するかのような表示(真っすぐ前だけでなく、斜め前に向かうかのような変位を含む)がなされる。本実施形態では、ピストルから放たれた「銃弾」が前方に向かって移動するかのような表示がなされる。つまり、演出画像25としての「銃弾」の部分が前方に向かうかのような表示がなされる。第一表示領域111の手前側に第二表示領域121が設けられているため、このような演出画像25の変化は、演出画像25の少なくとも一部が第二表示領域121に近づいているかのような変化とみることもできる。
前半部分は、演出画像25が所定態様に至るまで継続する。本実施形態では、「銃弾」が所定の大きさとなる(図8(b)参照)まで継続する。その後、後半部分に移行する。後半部分においては、第二表示領域121における前半部分にて透過部Mであった部分の少なくとも一部(第一表示領域111に重なる部分)が、画像表示部Nに変化する。つまり、第二表示領域121の少なくとも一部が画像表示部Nとされることで、当該画像表示部Nに重なる第一表示領域111の少なくとも一部が、画像表示部Nとして表示される画像に覆われた状態となる。
本実施形態では、後半部分に移行した時、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされる。つまり、前半部分においては第二表示領域121の全体が透過部Mとされ、後半部分においては第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされる。また、本実施形態における当該画像表示部Nとされる部分は不透過部N2である。したがって、後半部分に移行することで、第一表示領域111に表示される画像は見えなくなる。後半部分にて第二表示領域121の画像表示部Nが示す画像(以下、結果画像26と称することもある)は、何らかの対象物が破壊されたかのような態様とされる。本実施形態では、ガラスが割れたかのような態様とされる。つまり、第二表示領域121の全体に、ガラスが割れたかのような画像が表示される(図8(c)参照)。
このような被覆演出によれば、前半部分においては演出画像25である「銃弾」が前方に向かって移動するかのような表示が第一表示領域111にてなされ、後半部分においては第二表示領域121の画像表示部Nにより演出画像25が覆われるとともに、当該画像表示部Nが表す結果画像26により何らかの物体が破壊されたかのように見える演出の結果が示される。つまり、所定態様となった演出画像25の作用によって、対象物が破壊されたかのような演出をリアルに表現することが可能である。本実施形態のように結果画像26が「ガラスが割れたかのような態様」とされれば、所定態様となった演出画像25が第二表示領域121を破壊したかのように見える演出となる。
なお、前半部分の後半(後半部分に移行する直前)において、第一表示領域111にて対象物が破壊されそうな状況であることを示す画像(例えば、対象物にヒビが入っている画像)が表示されるようにしてもよい。つまり、後半部分にて表示される結果画像26は、対象物が破壊されるという結果を示すものであるところ、当該結果に至りそうな状況であることを示す画像が前半部分の後半にて第一表示領域111に表示された上で、後半部分に移行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、後半部分に移行すると同時に演出画像25(「銃弾」を表した画像)が第一表示領域111から消去されるのではなく、後半部分が開始されてから少なくとも所定時間が経過するまでは第一表示領域111に演出画像25が表示され続けるように構成されている。このようにすることで、第二表示領域121に結果画像26が表示されるまで演出画像25が視認される状態が保たれることになる。つまり、後半部分に移行すると同時に内部的な制御により演出画像25が消去されるようにすると、当該消去のタイミングと第二表示領域121に結果画像26が表示されるタイミングがずれてしまった場合、前半部分と後半部分の間に、演出画像25および結果画像26のいずれも表示されない状態が生じてしまうおそれがあるから、これを防止するために後半部分が開始されてから少なくとも所定時間が経過するまでは第一表示領域111に演出画像25が表示され続けるようにしている。本実施形態では画像表示部Nは不透過部N2とされるから、後半部分にて演出画像25を表示しても、当該画像表示部N(結果画像26)に覆われて演出画像25は視認できない。
以下、上記被覆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態における被覆演出のように、所定態様となった演出画像25が対象物を破壊したかのように見える演出とすることはあくまで一例である。第一表示領域111にて発生する事象(演出画像25が所定態様となることで表現される事象)の結果として、第二表示領域121の画像表示部N(結果画像26)で表される事象が発生するという流れの演出であればよい。例えば、演出画像25として第一表示領域111に表示されるキャラクタが、自らの手(演出画像25の一部)を横方向に動かす(例えば、左手と右手を幅方向外側から内側に動かす)アクションを起こす(図9(a)(b)参照)。当該キャラクタが所定態様となることを契機として、第二表示領域121に閉鎖状態の扉が結果画像26(画像表示部N)として表示されるものとする(図9(c)参照)。このようにすることで、演出画像25であるキャラクタが、扉を閉めたかのような見える演出となる。
〇第二具体例
上記実施形態では、後半部分にて画像表示部Nとなる部分は不透過部N2とされることを説明したが、半透過部N1とされるようにしてもよい(図10参照)。上記実施形態のように不透過部N2とするのであれば、後半部分においては、不透過部N2によって演出画像25が全く見えないという演出形態とすることができる。一方、半透過部N1とされるのであれば、後半部分においては、当該半透過部N1を通じて演出画像25(所定態様となった後の演出画像25の変化)を見せつつ、対象物が破壊される等の結果(結果画像26)を見せる(図10(c)参照)という演出形態とすることが可能である。半透過部N1と不透過部N2が混在する画像表示部Nとしてもよい。
〇第三具体例
上記実施形態では、後半部分に移行した時、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされることを説明したが、第二表示領域121の一部が画像表示部Nとされる構成としてもよい。画像表示部N(結果画像26)は、「結果」(上記実施形態では、対象物が破壊されるという結果)を表すだけでなく、前半部分にて第一表示領域111に表示されていた演出画像25を被覆するという作用を発現するものであるから、演出画像25の全体が覆われる大きさであればよい。
ただし、上記実施形態のように、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされることで、演出の切り替わり(前半部分から後半部分(結果)への切り替わり)のタイミングが明確になり、より分かりやすい演出とすることができるという利点がある。
3-3)分岐演出
分岐演出は、分岐先(進行先)として複数の候補が存在することが示唆された上で、いずれかの分岐先に進行することが決定したことを示す演出である。当該分岐演出は、大まかにみて、分岐先の候補が示唆される前半部分と、実際に進行する分岐先が決定された後の後半部分に区分けされる。
分岐演出では、第二表示領域121の少なくとも一部(第一表示領域111と前後方向で重なる部分を含む)が、演出を構成する主の領域である対象領域とされる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が対象領域とされる。前半部分は、対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わる状態である(図11(a)参照)。本実施形態では、画像表示部Nは不透過部N2とされる。本実施形態では約0.5秒間隔で上記のような切り替わりが発生する。分岐演出は実際の進行先がどのようなものとなるかを示す演出であるため、演出(前半部分)が経過するにつれて、切り替わりの間隔が短くなっていくような構成とし、分岐演出の結果が明らかになる時点に近づいているということが暗示される(煽る)ようなものとしてもよい。
対象領域が透過部Mとなっている間は、第一表示領域111に表示された画像がほとんどそのままの態様で視認されることになる。本実施形態では、第一表示領域111(対象領域に重なる部分)に第一進行画像31が表示される。つまり、対象領域が透過部Mとなっている間は、第一表示領域111に表示された第一進行画像31が視認されることになる(図11(a-1)参照)。一方、画像表示部Nは第二進行画像32を含む。つまり、対象領域が画像表示部Nとされている間は、第二表示領域121に表示された第二進行画像32が視認されることになる(図11(a-2)参照)。このような構成であるため、遊技者の視点で言えば、分岐演出の前半部分は、第一進行画像31と第二進行画像32が交互に切り替わるような演出形態となる(図11(a)参照)ということである。
なお、本実施形態では、対象領域が画像表示部N(第二進行画像32)とされている間も、第一表示領域111に第一進行画像31が表示された状態が保たれるようにしている。このようにすることで、対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わる境界時点で、第一進行画像31および第二進行画像32のいずれも表示されない状態が発生してしまうのを防止している。すなわち、対象領域が画像表示部N(不透過部N2)とされて第二進行画像32が表示されることで、第一表示領域111に表示される第一進行画像31が視認できない状態となるようにすれば、第一進行画像31および第二進行画像32のいずれもが表示されない状態は生じ得ないのであるから、第一表示領域111に第一進行画像31が表示され続けるようにしている。
第一進行画像31および第二進行画像32は、分岐先(進行先)を示唆する画像である。本実施形態では第一進行画像31は味方側キャラクタ(遊技者側のキャラクタ)を表すものとされ、第二進行画像32は敵キャラクタ(遊技者と対抗する側のキャラクタ)を表すものとされる。したがって、分岐演出の前半部分は、味方側キャラクタと敵キャラクタという分岐先(進行先)を示しつつ、どちらかが実際の進行先として選択されるということを「煽る」ような演出態様であるといえる。
前半部分が開始されてから所定時間経過後、後半部分に移行する。後半部分は、対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nのいずれかとされた状態である(図11(b)参照)。つまり、前半部分において発生していた透過部Mと画像表示部Nの連続的な切り替わりが終了し、どちらか一方で静止した状態が後半部分である。遊技者の視点で言えば、第一進行画像31および第二進行画像32の表示の切り替わりが発生していた状態から、当該切り替わりが終了してどちらか一方が表示された状態に移行するような流れとなる。
本実施形態では、第二表示領域121の対象領域が透過部Mとされる結果(図11(b-1)参照)となった場合には、当該透過部Mを通じて視認される第一進行画像31(味方側キャラクタ)に応じた内容に演出が進行する。具体的には、分岐演出の後、味方側キャラクタが敵キャラクタを倒すような第一事後演出が実行される(図11(c-1)参照)。当該第一事後演出は、第一表示領域111および第二表示領域121のいずれで行ってもよい(第一表示領域111と第二表示領域121の両方を用いてもよい)。当該第一事後演出は、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高まるいわゆるチャンスアップ演出とされる。つまり、対象領域が透過部Mとされる分岐演出の結果(第一進行画像31が視認される状態となる結果。以下、第一結果と称することもある)は、遊技者に有利な結果である。
一方、第二表示領域121の対象領域が画像表示部Nとされる結果(図11(b-2)参照)となった場合には、当該画像表示部Nが表す第二進行画像32(敵キャラクタ)に応じた内容に演出が進行する。具体的には、分岐演出の後、敵キャラクタが逃亡するような第二事後演出が実行される(図11(c-2)参照)。当該第二事後演出は、第一表示領域111および第二表示領域121のいずれで行ってもよい(第一表示領域111と第二表示領域121の両方を用いてもよい)。当該第二事後演出は、対象当否判定結果がはずれとなることが確定する演出とされている。つまり、対象領域が画像表示部Nとされる分岐演出の結果(第二進行画像32が視認される状態となる結果。以下第二結果と称することもある)は、第一結果に比して遊技者に不利な結果であるといえる。なお、第二結果となった場合に対象当否判定結果がはずれとなることが確定するのはあくまで一例である。第一結果の方が、第二結果よりも遊技者にとって好ましい結果であればよい。例えば、第二結果は対象当否判定結果がはずれとなることが確定するものではないが、第一結果の方となった場合の方が、第二結果となった場合よりも、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高い設定としてもよい。また、第一結果は対象当否判定結果が大当たりとなることが確定するものの、第二結果は対象当否判定結果が大当たりとなるとは限らない設定としてもよい。
また、第二結果(対象領域が画像表示部Nとなる結果)の方が、第一結果(対象領域が透過部Mとなる結果)よりも遊技者に有利な結果である設定としてもよい。
このように、本実施形態における分岐演出は、対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わるようにすることで、第一表示領域111に表示される第一進行画像31と第二表示領域121に表示される第二進行画像32が交互に視認される状態を作り出す。これにより、どちらか一方の進行画像が示す内容が進行先となるということを遊技者に示唆する。その後、対象領域を透過部Mおよび画像表示部Nの一方として、第一進行画像31と第二進行画像32の一方が視認される状態とすることで、当該視認される進行画像が示す内容に進行することが決定されたということを示す(この後の展開が示唆される)。このような構成であるため、演出の流れが分かりやすいものとなる。
特に、本実施形態の分岐演出は、いわゆるバトル演出に好適に適用することができる。いわゆるバトル演出は、遊技者側のキャラクタと敵キャラクタのどちらが先制攻撃をするかといった点が分岐点として設定されているところ、かかる分岐点前後の演出として分岐演出を適用することができる。つまり、対象領域が透過部Mとなる(第一進行画像31が視認される状態となる)場合には遊技者側のキャラクタが先制攻撃となり、対象領域が画像表示部Nとなる(第二進行画像32が視認される状態となる)場合には敵キャラクタが先制攻撃となるというようなバトル演出とすることができる。
以下、上記分岐演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記分岐演出は、第一進行画像31が視認される状態と第二進行画像32が視認される状態のいずれとなるかに応じ、当該進行画像が示唆する内容に進行するものであることを説明したが、このような進行画像による示唆がなされない設定としてもよい。対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わる前半部分の後、後半部分にて対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nのいずれとされるか(第一表示領域111に表示される画像が視認される状態となるか否か)に応じ、その後の展開が示唆される(遊技者に有利な度合が異なる)ものであればよい。
また、上記実施形態でいう第一進行画像31と第二進行画像32の一方のみが設定された構成としてもよい。例えば、後半部分にて対象領域が透過部Mとされた場合には、第一表示領域111に表示される第一進行画像31が視認される状態になる一方、対象領域が画像表示部Nとされた場合には第一進行画像31が視認されない状態となるような構成とすることが考えられる。また、後半部分にて対象領域が画像表示部Nとされた場合には、第二表示領域121に表示される第二進行画像32が視認される状態になる一方、対象領域が透過部Mとされた場合には第二進行画像32が視認されない状態となるような構成とすることが考えられる。つまり、上記実施形態のように、第一進行画像31と第二進行画像32のどちらが視認される状態となるか、という演出ではなく、進行画像が視認される状態となるか否か、という演出としてもよい。
〇第二具体例
分岐演出の前半部分にて、遊技者に対し、操作手段68(例えば、押しボタン(図1参照))の操作が促されるものとする(図12(a)または(b)参照)。つまり、分岐演出の前半部分を、操作手段68の操作が促される操作演出であるものとする。当該操作手段68は遊技者が操作可能なものであればよい。また、遊技者の身体の一部を検出するセンサを設け、当該センサに身体の一部が検出されることを「操作手段の操作」がなされたものとするような構成としてもよい(以下、「操作手段の操作」等というときは同じ)。分岐演出は、操作手段68の操作がなされること(または、操作有効期間が経過すること)を契機として前半部分から後半部分に移行するものとする。このようにすることで、遊技者自らが進行先を決定したかのような印象を与える演出とすることが可能である。
このような構成とする場合、対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わっている状態にて、操作手段68の操作が促されることになる。つまり、上記のような切り替わりが発生している最中に、操作手段68を表した画像(操作画像)や、操作内容を表した文字(「押せ」といった文字)や、操作有効時間を示すメータが表示されることになる(これらを総称して操作演出用画像69と称する。これらが全部表示されるものでなくてもよい)。上記実施形態のように、第二表示領域121の全体が対象領域とされる場合、対象領域が透過部Mとされている間は第一表示領域111に操作演出用画像69を表示し(図12(a-1)参照)、対象領域が画像表示部N(不透過部N2)とされている間は第二表示領域121に操作演出用画像69を表示する(図12(a-2)参照)。第一表示領域111に表示される操作演出用画像69と、第二表示領域121に表示される演出用画像は前後において重なるようにする。このようにすることで、上記のような切り替わりが発生している最中であっても、操作演出用画像69が表示され続けることになるため、遊技者は操作手段68を操作すべき状況であることを把握することが可能となる。
操作演出用画像69は、常に第一表示領域111に表示されるようにすることも可能である(図12(b)参照)。この場合、第二表示領域121における、第一表示領域111に表示される操作演出用画像69に重なる部分(図12(b-2)において一点鎖線で囲んだ内側の部分(一点鎖線は実際には表示されない))は、操作演出中(分岐演出の前半部分中)は常に透過部Mとする。つまり、第一表示領域111に表示される操作演出用画像69に重なる部分は、対象領域から除外し、それ以外の部分の少なくとも一部を対象領域とする。このようにすれば、操作演出を通じて操作演出用画像69が第一表示領域111に表示され続けるから、操作演出用画像69が見えやすいという利点がある。ただし、第二表示領域121における操作演出用画像69に重なる部分を対象領域から除外するという制御が必要になるため、制御負担は大きくなる。
〇第三具体例
分岐演出の前半部分における、対象領域が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わる態様により、分岐演出の結果が遊技者に有利なものとなる蓋然性が示唆されるものとする。例えば、切り替わりの間隔が相対的に長い(例えば1秒)である態様と、切り替わりの間隔が相対的に短い(例えば0.5秒)である態様とが設定され、一方の態様が発生した場合よりも、他方の態様が発生した場合の方が、分岐演出の結果が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高い(対象当否判定結果の大当たり信頼度が高い)設定とする。発生しうる切り替わりの態様は三種以上であってもよい。また、切り替わり態様の差は、間隔の長短によるものに限られない。例えば、切り替わりの間隔が等間隔である態様と、切り替わりの間隔が次第に短くなっていく(時間経過とともに短くなっていく)態様が設定された構成としてもよい。このようにすることで、前半部分における切り替わり態様に注目させる演出形態とすることができる。
〇第四具体例
上記実施形態の分岐演出のように、第一表示領域111に表示される第一進行画像31が視認される状態と、第二表示領域121に表示される第二進行画像32が視認される状態とが切り替わる(図11(a)参照)分岐演出(前半部分)だけでなく、一方の表示領域(例えば、第一表示領域111)にて第一進行画像31が表示された状態と第二進行画像32が表示された状態が切り替わる分岐演出(前半部分)(図13参照)が発生しうるものとする。つまり、第一進行画像31と第二進行画像32の切り替わりを表現する際に、第一表示領域111と第二表示領域121の両方を用いる場合(上記実施形態の分岐演出の前半部分)もあれば、一方の表示領域のみを用いる場合もある設定とする。そして、前者が発生した場合と後者が発生した場合とでは、分岐演出の結果が遊技者に有利なものとなる蓋然性が異なるものとする。好ましくは、前者が発生した場合の方が、後者が発生した場合よりも、分岐演出の結果が遊技者に有利なものとなる蓋然性が高い設定とするとよい(第一表示領域111と第二表示領域121の両方を用いた演出の方が「特別」な演出であるという印象を遊技者に与えるため)。
このようにすることで、分岐演出の前半部分として発生する第一進行画像31と第二進行画像32の切り替わりが、第一表示領域111と第二表示領域121の両方を用いたものであるかどうかに遊技者が注目する遊技性を実現することが可能である。
3-4)分割画像演出
分割画像演出は、第二表示領域121の少なくとも一部である対象領域が、複数の単位領域121Tに区分けして実行される演出である。本実施形態では、第二表示領域121の全体が対象領域とされる。単位領域121Tは、マトリクス状に設けられる。本実施形態では、9(横)×6(縦)=54個の単位領域121Tが設定される。また、本実施形態における各単位領域121Tの大きさは同じである。なお、単位領域121Tは第二表示領域121に設定されるものであるが、分割画像演出の説明を分かりやすくするため、図面においては各単位領域121Tの外縁(各単位領域121Tの形状)を実線で記載する。
分割画像演出においては、複数の単位領域121Tのそれぞれが、透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に変化することが一または複数回繰り返される。本実施形態における画像表示部Nは不透過部N2である。ただし、画像表示部Nを半透過部N1とすることや、半透過部N1と不透過部N2が混在するものとしてもよい。
本実施形態では、複数の単位領域121Tのそれぞれが、透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方へ瞬時に切り替わることが、一または複数回繰り返される(以下、当該状態を切替状態と称することもある)(図14(a)(b)参照)。ここで、当該切り替わりが発生する時点が、全ての単位領域121Tにおいて同じとなることはない。すなわち、全ての単位領域121Tにて透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方へ切り替わる時点が同じであるとすると、それは対象領域の全体が透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に切り替わっていることと同じであるから、各単位領域121Tにてランダムに(バラバラに)当該切り替わりが発生するものとする。詳細を後述するように、各単位領域121Tにて表示される画像表示部Nが表す画像を組み合わせたもの(結合画像35)は、所定の敵キャラクタを表したものとされる(図14(c-1)参照)。
切替状態にて、ある単位領域121Tが透過部Mとなっている最中は、当該透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される画像が視認されることになる(ただし、第一表示領域111に重なっている部分に限る)(図14(a)(b)参照)。上述した通り、各単位領域121Tが透過部Mとなるタイミングはランダムであるから、切替状態においては第一表示領域111に表示される画像の全体を一度に把握することが可能な時点は発生しない。ある単位領域121Tが透過部Mとなっているときは、当該透過部Mは第一表示領域111に表示される画像の一部が視認される状態となるから、各単位領域121Tが独立して(バラバラに)透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方への切り替えが発生していることが分かりやすい。
切替状態後、複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなること(図14(c-1)参照)が、分割画像演出の遊技者に有利な結果として設定されている。遊技者に有利な結果とならない場合(不利な結果となる場合)には、複数の単位領域121Tの一部が透過部Mとなる(一部の単位領域121Tが画像表示部Nとなり、他の単位領域121Tが透過部Mとなる。すなわち、透過部Mと画像表示部Nが混在する状態となる)(図14(c-2)参照)ように設定されている。
複数の分割領域の全てが画像表示部Nとなった場合、各画像表示部Nが表す画像が結合されてなる結合画像35が生成されることになる。各画像表示部Nが表す画像がパズルのように組み合わされてなる結合画像35が表示されるとみることもできる(図14(c-1)参照)。なお、上記切替状態にて表示される各単位領域121Tの画像表示部Nは、当該結合画像35の一部ということである。結合画像35は、分割画像演出後の遊技の展開を示唆するものとされる。本実施形態では、分割画像演出後に発生する事後演出の内容を示唆するものとされる。具体的には、結合画像35は敵キャラクタを表すものとされ、事後演出として当該敵キャラクタとのバトル演出が設定されている。バトル演出にて敵キャラクタに勝利した場合には対象当否判定結果が大当たりとなる。つまり、複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなるということは、対象当否判定結果が大当たりとなる可能性があるという点において、遊技者に有利な結果であるということである。本実施形態では、分割画像演出が、複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとならなかった場合には、対象当否判定結果が大当たりとなる可能性はなくなるように設定されている。つまり、かかる点において、複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとならないという結果は、遊技者に不利な結果であるということである。
分割画像演出が有利な結果となったときに表示される結合画像35の態様は複数種設定されていてもよい。この場合、各結合画像35のそれぞれに対応づけた事後演出が設定されることになる。つまり、分割画像演出がある種の結合画像35が表示されるという結果に至ったときには、当該結合画像35に対応する事後演出が実行されるようにする。
以上説明したように、本実施形態における分割画像演出は、透過型表示装置の表示領域である第二表示領域121に設定される複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなることが遊技者に有利な結果として設定された面白みのある演出である。
切替状態において単位領域121Tが透過部Mであるときには、当該透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される画像が視認される状態となるから、当該単位領域121Tが透過部Mであることが分かりやすい。つまり、透過部Mである単位領域121Tは、その後にある画像を視認させる「窓」のような作用を生じさせるから、当該単位領域121Tに画像が表示されていない状態であることが分かりやすい。
以下、上記分割画像演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態における分割画像演出は、単位領域121T同士が隙間なく並ぶものであるが、単位領域121T同士の間に隙間(以下、隙間領域121Sと称する)が設定されているものとしてもよい。上記実施形態のように単位領域121Tがマトリクス状に並ぶのであれば、隙間領域121Sの形状は格子状となる(図15参照)。このようにすることで、複数の単位領域121Tが存在することがより明確となる。
当該隙間領域121Sは、切替状態において透過部Mとされるものとすることができる。つまり、切替状態において単位領域121Tが透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方へ交互に変化している際も、隙間領域121Sは透過部Mである状態が維持されるものとする。このようにすることで、隙間領域121Sを通じ、常時第一表示領域111に表示される画像の一部が視認される状況となる(図15(a)参照)。見方を変えれば、各単位領域121Tを区切る要素(格子状の部分)が、第一表示領域111に表示される画像の一部であるという斬新な演出形態となる。切替状態を経て複数の分割領域の全てが画像表示部Nとなった場合(図15(b)参照)には、各画像表示部Nが表す画像が結合される際、隙間領域121S(単位領域121T間に存在する隙間領域121S)が消滅するような表示がなされる。つまり、各画像表示部Nが表す画像が互いに集まるように変位した上で結合画像35が生成される(図15(c)参照)ところ、当該変位の際に隙間領域121Sが消滅する。
一方、図示しないが、切替状態において隙間領域121Sが画像表示部Nとされる構成としてもよい。切替状態にある段階から、結合画像35の一部(単位領域121Tの画像表示部Nとして設定されない格子状の部分)が画像表示部Nとして表示され続けるようにする。このようにすれば、複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなった場合、各単位領域121Tの画像表示部Nが表す画像と隙間領域121Sの画像が結合されて結合画像35が生成されることになる。隙間領域121Sが透過部Mとされる例のように、結合される際に隙間領域121S(単位領域121T間に存在する隙間領域121S)を消滅させるような制御(各画像表示部Nが表す画像が互いに集まるように変位させる制御)が不要になるという利点がある。
〇第二具体例
上記実施形態では、複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなることが、分割画像演出の遊技者に有利な結果として設定されていることを説明したが、切替状態(図16(a)参照)後、複数の単位領域121Tの全てが透過部Mとなること(図16(b)参照)が、分割画像演出の遊技者に有利な結果として設定された構成としてもよい。複数の単位領域121Tの全てが透過部Mとなるということは、結果として当該透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される画像が視認される状態となるということであるから、当該第一表示領域111に表示される画像(以下、透過画像37と称する)により、分割演出後の遊技の展開が示唆される(分割画像演出後に発生する事後演出の内容が示唆される)ようにする。例えば、透過画像37として表された敵キャラクタ(図16(b)参照)とのバトル演出が事後演出として設定された構成とすることが考えられる。
本例のような構成とする場合において、上述した第一具体例のような構成を適用するのであれば、隙間領域121Sが透過部Mとされることが好ましい。このようにすれば、数の単位領域121Tの全てが透過部Mとなれば、各単位領域121Tの透過部Mと隙間領域121Sの透過部Mとがひとまとまりとなった大きな透過部Mが形成され、当該ひとまとまりとなった大きな透過部Mを通じて透過画像37が視認される状態となるからである。
上記実施形態にて説明した「複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなること」、および、本例にて説明した「複数の単位領域121Tの全てが透過部Mとなること」の両方が遊技者に有利な結果として設定された構成(両方の結果が発生しうる構成)としてもよいし、一方のみが遊技者に有利な結果として設定された構成としてもよい。つまり、少なくともいずれか一方が遊技者に有利な結果として設定されていればよい。
「複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなること」および「複数の単位領域121Tの全てが透過部Mとなること」の両方が遊技者に有利な結果として設定される(画像表示部Nと透過部Mが混在することが不利な結果として設定される)のであれば、一方の結果となった場合の方が、他方の結果となった場合よりも遊技者に有利な度合が高い、すなわち対象当否判定結果の大当たり信頼度が高いものとすることが好ましい。例えば、「複数の単位領域121Tの全てが画像表示部Nとなること」を経て発生する事後演出よりも、「複数の単位領域121Tの全てが透過部Mとなること」こと経て発生する事後演出の方が、大当たり信頼度が高い演出となるような設定とする。このようにすることで、切替状態においては、遊技者は複数の単位領域121Tの全てが一致する状態になることを願うが、一致するのであれば有利な方(画像表示部Nと透過部Mの一方)で一致することを願う遊技性を実現することができる。
〇第三具体例
切替状態において、各単位領域121Tにて透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方へ切り替わる態様(切り替わりの「見せ方」)としては、上記実施形態で説明した態様以外の態様も考えられる。例えば、以下のような態様も考えられる。
複数の単位領域121Tのそれぞれにて、板状を呈する(あたかも「板」(パネル)のように見える)板状画像39が回転表示されるものとする(図17参照)。板状画像39は、画像表示部Nとして表される画像であって、各単位領域121Tにて回転する。具体的には、「板」の中央を回転軸(図17に回転軸を一点鎖線で示す。当該回転軸は実際には表示されるものではない)として回転扉のように回転するものとされる。したがって、当該「板」の平面方向が第二表示領域121に沿うような状態となったとき(図17においてa1で示す板状画像39)には、単位領域121Tの略全体が画像表示部Nとなり、当該「板」の厚み方向が第二表示領域121に沿うような状態となったとき(図17においてa2で示す板状画像39)には、単位領域121Tの略全体(「板」の厚みを表す部分を除く)が透過部Mとなる(当該透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される画像が視認される)。
各単位領域121Tにおいて、このように板状画像39が回転表示され、各単位領域121Tにて板状画像39の一方の面が前方を向いた状態で回転が停止するかどうかが演出の帰趨を決めることになる。なお、切替状態における各単位領域121Tにおける板状画像39の回転はバラバラとされる(回転の位相が不統一なものとされる)。全ての単位領域121Tにて板状画像39の一方の面(結合画像35の一部が表示された面)が前方を向いた状態で回転が停止すれば、全ての単位領域121Tが画像表示部Nとなるということであるから、当該分割画像演出は、遊技者に有利な結果となるということである。
切替状態は、遊技者に対し、各単位領域121Tが透過部Mとなるか画像表示部Nとなるかを「煽る」状態であると言えるところ、それを「板」(パネル)の回転により表現する手法である。このようにすることで、「板」が回転している際、各単位領域121Tにて第一表示領域111に表示される画像が視認される状態と、「板」により被覆される状態が経時的に切り替わる様が面白みのあるものとなる。
3-5)透過拡大演出
透過拡大演出(図18参照)は、透過型表示装置である第二表示装置12の第二表示領域121に設定される透過部Mを利用した演出である。透過拡大演出は、基準状態(図18(b)参照)となる態様を含む。基準状態は、第二表示領域121の一部を透過部Mとするとともに、他の一部を画像表示部Nとした状態である。透過部Mとされる部分の少なくとも一部は、第一表示領域111と重なる。また、本実施形態では、画像表示部Nは不透過部N2である。
本実施形態における基準状態では、第二表示領域121の幅方向中央に、上側縁から下側縁まで延びる透過部Mが設定され、当該透過部Mの幅方向両側に画像表示部Nが設定される(図18(b)参照)。画像表示部Nが表す画像(以下、特定画像40と称することもある)は、「扉」を表したものとされる。第一表示領域111の透過部Mに重なる範囲には、所定の画像(以下、後方画像41と称する)が表示される。後方画像41は所定のキャラクタを表すものであり、当該キャラクタが「扉」を開放しようとしている画像である。つまり、簡単には幅方向外側には動かない「扉」をキャラクタが動かそうとしている状況が表される。端的にいえば、後方画像41が、第二表示領域121の画像表示部Nに働きかけている(作用している)かのような状況が表される。第二表示領域121における画像表示部N以外の部分が透過部Mとなるため、後方画像41が透過部Mに作用しているかのような状況であるとみることもできる。
基準状態は、後述する拡大状態に至るかどうかの「煽り」の状態であるともいえる。「扉」が左右にわずかに動くといった表示をすることで「煽り」の状態を分かりやすく示してもよい。なお、キャラクタの一部(例えば、キャラクタの「手」)が、画像表示部Nとして表示されるものとしてもよい。
透過拡大演出において、基準状態に至るまでの演出(以下、当該演出が実行されている状態を導入状態と称することもある)が実行されるようにしてもよい。すなわち、透過拡大演出の開始当初は「扉」が完全に閉鎖されており(透過部Mは存在せず)(図18(a)参照)、第一表示領域111に表示されるキャラクタが当該「扉」に手を差し入れることで、基準状態となるまで「扉」が左右に移動する(基準状態に相当するまで透過部Mが大きくなる)ような状態が導入状態として設定されているようにしてもよい。なお、このような導入状態が設定されず、透過拡大演出の開始とともに上記基準状態とされる構成としてもよい。
上記基準状態から、透過部Mが所定の大きさまで広がる拡大状態(図18(c-1)参照)に至ることが遊技者に有利な結果として設定されている。つまり、基準状態における透過部Mの大きさを基準とし、当該透過部Mの大きさが大きくなることが遊技者に有利な結果として設定されている。本実施形態では、キャラクタが「扉」を幅方向外側に動かし、扉同士の間(特定画像40の間)に設定される透過部Mの大きさが大きくなることが、遊技者にとって有利な結果として設定されている。本実施形態における拡大状態は、第二表示領域121の全体が透過部Mとなるものである。つまり、第二表示領域121に表示される「扉」が消去される、すなわち特定画像40(画像表示部N)が無くなり、第二表示領域121の全体が透過部Mとなることが、遊技者に有利な結果として設定されている。このように、画像表示部Nが無くなり、全てが透過部Mとなることが有利な結果として設定された構成とすることで、目標が明確であり演出が分かりやすくなる。
一方、拡大状態に至らなかった場合(図18(c-2)参照)には、対象当否判定結果がはずれとなることが確定する。後述するように、拡大状態に至ることは、対象当否判定結果が大当たりとなる可能性が残存するものであるから、かかる点において遊技者に有利な結果であるということができる。拡大状態に至らなかった場合には、対象当否判定結果がはずれとなることが確定しないものの、拡大状態に至った場合よりも大当たり信頼度が低いといった設定としてもよい。本実施形態では、拡大状態に至らなかった場合には、「扉」が完全に閉鎖された状態となる。つまり、基準状態にて存在していた透過部Mが無くなる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が画像表示部N(「扉」を表す特定画像40)となる。
拡大状態に至った場合、透過部Mが大きくなるのであるから、第一表示領域111に表示される後方画像41が露出する範囲が大きくなる。つまり、後方画像41が視認される状態となる。本実施形態では、基準状態では透過部Mが小さく一部のみしか視認できなかったキャラクタが、拡大状態では全体が視認できる状態となる(図18(c-1)参照)。当該後方画像41は、その後の遊技の展開を示唆するものとされる。つまり、透過拡大演出の後に実行される事後演出を示唆するものとされる。本実施形態では、拡大状態に至ったことで露わになる後方画像41のキャラクタは遊技者側のキャラクタであり、当該キャラクタが敵キャラクタと戦うバトル演出が事後演出として設定されている。その後、バトル演出にて当該遊技者側のキャラクタが勝利した場合には、対象当否判定結果が大当たりとなる。
このように、本実施形態における透過拡大演出は、透過部Mが広がることによって後方画像41を露出させる範囲が広がるかどうかの演出であり、透過部Mが広がった場合には、露出する範囲が広がった後方画像41によりその後の展開が示唆されるという分かりやすい流れの演出である。
以下、上記透過拡大演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
基準状態においては、後方画像41の態様が明確には判別できないものとする。上記実施形態のような演出とするのであれば、基準状態においては、透過部Mを通じて「扉」(特定画像40)を広げようとするキャラクタ(後方画像41)の「手」だけが見えているような状態とされ、当該キャラクタがどのような態様のものなのか遊技者には判別できないようにする(図19(a)参照)。このようにすることで、基準状態においては後方画像41の態様が明らかにならないから、拡大状態となった場合の遊技の進行(事後演出の内容)を基準状態にある時点で予測することが困難または不可能な構成となる。つまり、上記実施形態は、基準状態ある時点から事後演出の内容を予測することが可能である(遊技者の視点で言えば、拡大状態となれば当該後方画像41の内容に沿って遊技が展開するのではないかという予測ができる)という遊技性が実現される一方、本例は、基準状態にある時点では事後演出の内容を予測することが困難または不可能であるという上記実施形態とは趣の異なる遊技性が実現される。
本例のようにする場合、後方画像41の種類が複数であることが好ましい(例えば、後方画像41として表示されうるものとしてキャラクタA~Cの三種類が設定されているものとする)つまり、複数種の後方画像41のそれぞれに対応づけられた事後演出が設定されていることが好ましい(例えば、キャラクタA~Cのそれぞれに対応づけられた事後演出A~Cの三種類が設定されているものとする)(図19(b)参照)。事後演出のそれぞれは、対象当否判定結果の大当たり信頼度が互いに異なるものであるとよい。このようにすることで、拡大状態となってはじめて後方画像41の種類(事後演出の種類(すなわち大当たりに期待がもてる度合))を遊技者が把握できるという遊技性を実現することが可能である。
上記実施形態のように、基準状態にある時点から後方画像41の種類を把握することが可能な構成において、後方画像41の種類が複数である設定としてもよい。このような構成とすれば、基準状態にて示される後方画像41に対応する事後演出が大当たり信頼度の高いものほど、拡大状態となることを強く願う遊技性を実現することが可能である。例えば、キャラクタA~Cが後方画像41として設定され、それぞれに対応する事後演出A~Cのうち、事後演出Cが最も大当たり信頼度が高い設定とするのであれば、キャラクタCが後方画像41として表示されている基準状態(図20参照)が、遊技者が拡大状態となること最も期待するという遊技性を実現することが可能である。
〇第二具体例
基準状態にある時点から後方画像41の種類を把握することが可能な構成において、後方画像41の種類に応じ、拡大状態に移行する蓋然性、すなわち遊技者に有利な結果となる蓋然性が異なるものとする。例えば、後方画像41としてキャラクタX~Zのうちのいずれかが表示されるものにおいて、キャラクタX、Y、Zの順で拡大状態に移行する蓋然性が高くなる(キャラクタZが最も高い)ものとする(図21参照)。このようにすることで、基準状態にて透過部Mを通じて視認される後方画像41の種類に注目すべき遊技性を実現することが可能である。
〇第三具体例
上記実施形態における透過拡大演出は、透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される後方画像41が視認されるものであることを説明したが、透過部Mを通じて視認されるものが画像に限られるわけではない。例えば、第二表示領域121の後方に設けられた演出部材42(役物)が視認されるような構成としてもよい。つまり、基準状態においては、透過部Mを通じて視認される演出部材42の範囲が小さい(全く見えない態様を含む)(図22(a)参照)ものの、拡大状態となったときには透過部Mを通じて視認される演出部材42の範囲が大きくなる(図22(b)参照)ような態様の演出としてもよい。つまり、上記実施形態では、透過部Mを通じて視認されるものが第一表示領域111の画像であることを説明したが、画像でなくてもよい(透過型表示装置である第二表示装置12の後方に別の表示装置を備えた構成でなくてもよい)。
〇第四具体例
上述した導入状態が発生する透過拡大演出とする。画像表示部N(特定画像40)は、少なくとも一部が半透過部N1であるものとする(図23には、画像表示部Nの全部が半透過部N1である例を示す)。上記実施形態に則していえば、特定画像40として表示される「扉」の少なくとも一部を通じて、後方画像41が視認されるものとする。導入状態においては、第二表示領域121に透過部Mが存在せず、「扉」が完全に閉鎖した状態にある。しかし、当該「扉」の半透過部N1を通じて、後方画像41の存在が遊技者にも把握できる(図23(a)参照)。つまり、画像表示部N(特定画像40)の少なくとも一部が半透過部N1である構成とすれば、透過部Mが存在していない導入状態中においても、第一表示領域111に何らかの画像が表示されていることを遊技者が把握することが可能となる。
その後、半透過部N1を通じて視認される後方画像41であるキャラクタが、「扉」を所定位置まで動かす動作をすることで、基準状態(図23(b)参照)に推移することになる。当該動作が、半透過部N1を通じて視認されることになる。
基準状態に移行した後も、画像表示部N(特定画像40)の少なくとも一部が半透過部N1である状態が維持されるようにするとよい。基準状態は透過部Mの範囲が小さい(拡大状態に比して小さい)状態であるため、画像表示部N(特定画像40)の少なくとも一部が半透過部N1である状態が維持されれば、透過部Mだけでなく、半透過部N1を通じて後方画像41の状況を把握する(後方画像41の一部を視認する)ことが可能となる(図23(b)参照から演出が分かりやすくなる。
〇第五具体例
上記実施形態にて説明した透過拡大演出の具体的態様はあくまで一例である。基本的には、基準状態における透過部Mの大きさが基準となり、そこから透過部Mの大きさが所定の大きさ(拡大状態)まで大きくなるかどうかが有利な結果となるかどうかの分岐となる演出であればよい。例えば、後方画像41として第一表示領域111に表示されるキャラクタが剣を持ち、あたかも第二表示領域121を切るかのようなアクションを起こして透過部Mが生じた状態を基準状態とし、そこから透過部Mが所定の大きさまで大きくなることが拡大状態として設定された構成とすることが考えられる。
3-6)透過縮小演出
透過拡大演出(図24参照)は、透過型表示装置である第二表示装置12の第二表示領域121に設定される透過部Mを利用した演出である。透過縮小演出は、基準状態となる態様を含む。基準状態(図24(b)参照)は、第二表示領域121の一部を透過部Mとするとともに、他の一部を画像表示部Nとした状態である。透過部Mとされる部分の少なくとも一部は、第一表示領域111と重なる。また、本実施形態では、画像表示部Nは不透過部N2である。
本実施形態における基準状態では、第二表示領域121の幅方向中央に、上側縁から下側縁まで延びる透過部Mが設定され、当該透過部Mの幅方向両側に画像表示部Nが設定される。画像表示部Nが表す画像(分離画像45と称する)は、「扉」を表したものとされる。つまり、分離画像45は、透過部Mを間に挟むようにして離れた状態で位置する複数の要素(本実施形態では、扉の左側と右側)を含むものである。第一表示領域111の透過部Mに重なる範囲には、所定の画像(以下、後方画像46と称する)が表示される。後方画像46は所定のキャラクタを表すものであり、当該キャラクタが「扉」を閉鎖しようとしている画像である(図24(b)参照)。つまり、簡単には幅方向内側には動かない「扉」をキャラクタが動かそうとしている状況が表される。端的にいえば、後方画像46が、第二表示領域121の画像表示部Nに働きかけている(作用している)かのような状況が表される。第二表示領域121における画像表示部N以外の部分が透過部Mとなるため、後方画像46が透過部Mに作用しているかのような状況であるとみることもできる。
基準状態は、後述する縮小状態に至るかどうかの「煽り」の状態であるともいえる。「扉」が左右にわずかに動くといった表示をすることで「煽り」の状態を分かりやすく示してもよい。なお、キャラクタの一部(例えば、キャラクタの「手」)が、画像表示部Nとして表示されるものとしてもよい。
透過縮小演出において、基準状態に至るまでの演出(以下、当該演出が実行されている状態を導入状態と称することもある)が実行されるようにしてもよい。すなわち、透過縮小演出の開始当初は「扉」が完全に開放されており(画像表示部Nは存在せず)、第一表示領域111に表示されるキャラクタが幅方向内側に手を移動させるような動作をすることで、基準状態となるまで「扉」が幅方向内側に移動する(基準状態に相当するまで透過部Mが小さくなる)ような状態が導入状態として設定されているようにしてもよい(図24(a)参照)。なお、このような導入状態が設定されず、透過縮小演出の開始とともに上記基準状態とされる構成としてもよい。
上記基準状態から、透過部Mが所定の大きさまで狭まる縮小状態に至ることが遊技者に有利な結果として設定されている。つまり、基準状態における透過部Mの大きさを基準とし、当該透過部Mの大きさが小さくなることが遊技者に有利な結果として設定されている。本実施形態では、キャラクタが「扉」を幅方向内側に動かし、扉同士の間(分離画像45の間)に透過部Mが存在しなくなることが、遊技者にとって有利な結果として設定されている(図24(c-1)参照)。本実施形態における縮小状態は、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとなるものである。つまり、第二表示領域121に分離画像45としての「扉」が表示され、第一表示領域111が視認できない状態となる(「扉」を動かしたキャラクタ(後方画像46)が視認できない状態となる)ことが、遊技者に有利な結果として設定されている。このように、透過部Mが無くなり、全てが画像表示部Nとなることが有利な結果として設定された構成とすることで、目標が明確であり演出が分かりやすくなる。
一方、縮小状態に至らなかった場合(図24(c-2)参照)には、対象当否判定結果がはずれとなることが確定する。後述するように、縮小状態に至ることは、対象当否判定結果が大当たりとなる可能性が残存するものであるから、かかる点において遊技者に有利な結果であるということができる。縮小状態に至らなかった場合には、対象当否判定結果がはずれとなることが確定しないものの、縮小状態に至った場合よりも大当たり信頼度が低いといった設定としてもよい。本実施形態では、縮小状態に至らなかった場合には、「扉」が完全に開放された状態となる。つまり、基準状態にて存在していた画像表示部N(分離画像45)が無くなる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が透過部Mとなり、第一表示領域111に表示される画像が視認される状態となる。第一表示領域111には、後方画像46(「扉」を閉めようとしたものの失敗したキャラクタ)が表示される。
縮小状態に至った場合、透過部Mが存在しなくなるのであるから、基準状態においては透過部Mを介して離れていた分離画像45がくっつく(平面方向に連続する)ことになる。本実施形態では、分離画像45(左の扉・右の扉)のそれぞれに装飾(以下、当該装飾を表す画像を要素画像451と称する)が施されている。当該要素画像451は、敵キャラクタを幅方向に二分割されたものとされる。つまり、左側の要素画像451は敵キャラクタの左半分を表し、右側の要素画像451は敵キャラクタの右半分を表したものとされる(図24(b)参照)。縮小状態となったときには、要素画像451同士がくっつくことで、当該要素画像451同士が一体化された一体化画像45Tが構築されることになる(図24(c-1)参照)。つまり、基準状態においては分離していた敵キャラクタの画像が、縮小状態に至ることにより完成することになる。
一体化画像45Tは、その後の遊技の展開を示唆するものとされる。つまり、透過縮小演出の後に実行される事後演出を示唆するものとされる。本実施形態では、縮小状態に至ったことで構築された一体化画像45Tの敵キャラクタと遊技者側のキャラクタが戦うバトル演出が事後演出として設定されている。その後、バトル演出にて当該遊技者側のキャラクタが勝利した場合には、対象当否判定結果が大当たりとなる。
このように、透過縮小演出は、基準状態から透過部Mが狭まるかどうかが胆となる分かりやすい演出である。また、本実施形態では、透過部Mが無くなることで構築される一体化画像45Tにより、その後の展開が示唆されるというものであるから、演出の流れが分かりやすい。
以下、上記透過縮小演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
一体化画像45Tとして複数種の態様が設定されているものとする。例えば、キャラクタA~Cが一体化画像45Tとして表示されうるものとして設定され、それぞれに対応する事後演出A~Cが設定されているとする。一体化画像45Tは要素画像451が一体化されてなるものであるから、要素画像451の種類も一体化画像45Tの数分設定されているということである。縮小状態となった場合には、当該縮小状態にて構築された一体化画像45Tのキャラクタ(図25(b)参照)に対応する事後演出が発生することになる。
基準状態にある段階(要素画像451の段階)から、縮小状態に至ったとした場合に完成する一体化画像45Tが把握可能なものとする(図25に示した例でいえば、図25(a)に示す段階から、一体化画像45Tが完成するとすればキャラクタCであることが把握可能である)。換言すれば、基準状態にある段階から、縮小状態に至った場合に発生する事後演出が把握可能なものとする。このようにすることで、例えば事後演出Cが最も大当たり信頼度が高い設定とするのであれば、キャラクタCの要素画像451が表示されている基準状態が、遊技者が縮小状態となること最も期待するという遊技性を実現することが可能である。
〇第二具体例
後方画像46として複数の種類が設定されているものとする。また、基準状態にある時点から後方画像46の種類を把握することが可能なものであるとする。そして、後方画像46の種類に応じ、縮小状態に移行する蓋然性、すなわち遊技者に有利な結果となる蓋然性が異なるものとする。例えば、後方画像46としてキャラクタX~Zのうちのいずれかが表示されるものにおいて、キャラクタX、Y、Zの順で縮小状態に移行する蓋然性が高くなる(キャラクタZが最も高い)ものとする(図26参照)。このようにすることで、基準状態にて透過部Mを通じて視認される後方画像46の種類に注目すべき遊技性を実現することが可能である。
〇第三具体例
上記実施形態における透過縮小演出は、基準状態にて透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される後方画像46が視認されるものであることを説明したが、透過部Mを通じて視認されるものが画像に限られるわけではない。例えば、第二表示領域121の後方に設けられた演出部材42(役物)が視認されるような構成としてもよい。つまり、基準状態においては、透過部Mを通じて視認される演出部材42の範囲が大きい(図27(a)参照)ものの、縮小状態となったときには透過部Mを通じて視認される演出部材42の範囲が小さくなる(全く見えなくなる状態を含む)(図27(b)参照)ような態様の演出としてもよい。つまり、上記実施形態では、基準状態にて透過部Mを通じて視認されるものが第一表示領域111の画像であることを説明したが、画像でなくてもよい(透過型表示装置である第二表示装置12の後方に別の表示装置を備えた構成でなくてもよい)。
〇第四具体例
画像表示部N(分離画像45)の少なくとも一部は半透過部N1であってもよい。上記実施形態に則していえば、分離画像45として表示される「扉」の少なくとも一部を通じて、後方画像46が視認されるものとする。このようにすれば、分離画像45として表示される「扉」に覆われるキャラクタ(後方画像46)が、当該「扉」を透過部Mが狭まる方向に動かそうとしていることを表現することが可能である。つまり、基準状態にて、透過部M以外の箇所を通じて、後方画像46の存在を遊技者に把握させることが可能である(図28参照)。
〇第五具体例
上記実施形態では、基準状態にて存在していた透過部Mが無くなる状態が縮小状態であることを説明したが、縮小状態でも透過部Mが残存する構成としてもよい(図29参照)。例えば、基準状態にて後方画像46として敵キャラクタ(遊技者に対立する演出要素)が表示されるとする(図29(a)参照)。縮小状態に移行して画像表示部Nとして表示される「扉」(分離画像45)の間隔が狭くなること、すなわち透過部Mが狭くなることで、上記敵キャラクタが「潰される」ような態様の画像を第一表示領域111における透過部Mに重なる範囲に表示する(図29(b)参照)。つまり、縮小状態においても透過部Mが残るようにし、小さくなった透過部Mを用いて遊技者に有利な結果となったことを示すような演出形態としてもよい。
3-7)一連演出
一連演出(図30参照)は、前演出および当該前演出後に連続的に実行される後演出を含むものである。本実施形態における一連演出は、戦いが発生した上で、その結果を示すいわゆる「バトル演出」である。本実施形態では、遊技者側のキャラクタである第一キャラクタ481と、敵側(相手側)のキャラクタである第二キャラクタ482が戦い、第一キャラクタ481が勝利する結果(勝利結果)が遊技者に有利な結果として、第一キャラクタ481が敗北する(第二キャラクタ482が勝利する)結果(敗北結果)が遊技者に不利な結果として設定されている。また、本実施形態では、勝利結果となった場合には対象当否判定結果が大当たりとなり、敗北結果となった場合には対象当否判定結果がはずれとなる(いわゆる逆転演出が発生する場合を除く)ように設定されている。勝利結果となった場合には対象当否判定結果が大当たりとなる「可能性がある」に留まり、敗北結果となった場合には対象当否判定結果がはずれとなることが確定するような設定とし、勝利結果を遊技者に有利な結果として設定してもよい。要するに、勝利結果となった場合の方が、敗北結果となった場合よりも、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高ければよい。
前演出(図30(a)参照)は、第二表示領域121の少なくとも一部が透過部Mとされ、当該透過部Mを通じて視認される第一表示領域111の画像を用いて実行されるものである。つまり、第一表示領域111における前後方向にて透過部Mに重なる領域(前演出領域111A)にて実行されるものである。本実施形態では、前演出時には、第二表示領域121の全体が透過部Mとされる。したがって、第一表示領域111の全体が透過部Mを通じて視認される。つまり、第一表示領域111の全体が前演出領域111Aとなる。
前演出は、「戦い」が発生していることを示す演出である。本実施形態では、第一キャラクタ481と第二キャラクタ482が戦っていること(戦いになるであろうこと)を示すような画像が前演出領域111Aに表示される。また、本実施形態では、第一キャラクタ481には「赤」のエフェクト画像、第二キャラクタ482には「青」のエフェクト画像が付される。つまり、対抗する一方側と他方側を「色」で容易に区別できるようにしている。
前演出の終了、すなわち後演出の開始を契機として、前演出にて透過部Mであった部分が画像表示部Nとされる(図30(b)参照)。つまり、前演出領域111Aに重なる部分は、透過部Mから画像表示部Nに変化することになる。本実施形態では、当該画像表示部Nは不透過部N2とされる。したがって、後演出の開始を契機として、前演出領域111Aは画像表示部Nに覆われて視認できない状態となる。本実施形態では、後演出の開始を契機として、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされる。
なお、本実施形態では、後演出が開始されてから少なくとも所定時間が経過するまでの間は、第一表示領域111に第一キャラクタ481と第二キャラクタ482が表示され続ける。後演出が開始されると同時に第一表示領域111から第一キャラクタ481と第二キャラクタ482が消去されるよう制御すると、後演出が開始されるタイミングと消去されるタイミングにずれが生じたとき、後演出が開始されるよりも前に第一キャラクタ481と第二キャラクタ482が消去されてしまうような状況が発生してしまうおそれがあるから、このような状況が発生することがないよう、後演出が開始されてから少なくとも所定時間が経過するまでの間は第一表示領域111に第一キャラクタ481と第二キャラクタ482が表示され続けるようにしている。後演出の開始を契機として設定される画像表示部Nは不透過部N2であるから、後演出が開始された後も第一表示領域111に表示されている第一キャラクタ481と第二キャラクタ482は当該不透過部N2に覆われて視認できない。
後演出は、前演出の結果、すなわち前演出にて起きた「戦い」の結果を示すものである。前演出が「前提」を示すパートであり、後演出が「結果」を示すパートであるといえる。本実施形態では、勝利結果(第一キャラクタ481の勝利)、敗北結果(第二キャラクタ482の勝利)のいずれとなるかが示される。当該後演出は、第二表示領域121における画像表示部Nとして表される画像を用いたものである。つまり、前演出で透過部Mであった部分が変化してなる画像表示部Nを用いて行われる。端的にいえば、前演出は第一表示領域111(に表示される画像)を用いて行われ、後演出は第二表示領域121に表示される画像)を用いて行われる。
本実施形態における後演出では、第二表示領域121に第一キャラクタ481を示すシルエット(以下、第一シルエット481sと称する)および第二キャラクタ482を示すシルエット(以下、第一シルエット481sと称する)が表示される(図30(b)参照)。つまり、第一キャラクタ481および第二キャラクタ482そのものが表示されるのではなく、それに対応する演出要素(シルエット)が表示されるようにしている。前演出にてキャラクタそのものが表示され、後演出にてキャラクタそのものが表示されずに各キャラクタに対応する演出要素が表示されることは、前演出から後演出の移行に伴って用いられる表示領域が変化することにより強調されることになる。
また、本実施形態では、後演出において、第一シルエット481sには「赤」のエフェクト画像、第二シルエット482sには「青」のエフェクト画像が付される。つまり、前演出にて各キャラクタに付された色と同じ色が対応するシルエットに付されるようにして、前演出にて表示される各キャラクタと、後演出における各シルエットの対応関係が容易に把握できるようにされている。
勝利結果となるか敗北結果となるかは対象当否判定結果を踏まえて予め内部的に決まっており、勝利結果となる場合には第二シルエット482sが倒れるような画像が第二表示領域121に表示され(図30(c-1)参照)、敗北結果となる場合には第一シルエット481sが倒れるような画像が第二表示領域121に表示される(図30(c-2)参照)。
このように、本実施形態における一連演出は、前演出および当該前演出の結果を示す後演出を含むものであるところ、前演出が実行される表示領域(第一表示領域111)と後演出が実行される表示領域(第二表示領域121)が異なるものであるから、「前提」部分と「結果」の部分の境界が明確になり、一連の流れが分かりやすいものとなる。
以下、上記一連演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
一連演出と同様に、前演出(前提部分)と後演出(結果部分)を含む演出(以下、通常演出と称する)が発生しうるものとする。通常演出は、基本的な態様は一連演出と同じである。上記実施形態のような一連演出が発生するのであれば、これに対する通常演出は、前演出が第一キャラクタ481と第二キャラクタ482の戦いを示す画像が表示されるもの(図31(a)参照)であり、後演出が第一シルエット481sおよび第二シルエット482sにより戦いの結果を示す画像が表示されるもの(図31(b-2)参照)とされる(エフェクト画像も同様に表示される)。
ただし、一連演出が表示領域の切り替えが発生するのに対し、通常演出はこのような切り替えが発生しないものとされる。例えば、通常演出は、最初から最後まで透過部Mを通じて視認される第一表示領域111に表示される画像による演出であるとする。このような構成とすれば、一連演出と通常演出は、前演出の段階(図31(a)参照)では全く同じように進行するものとなる。つまり、前演出の段階では、一連演出であるか通常演出であるかが区別できないものとなる(いわゆるチャンスアップ等が設定されていないのであれば、前演出は全く同じ態様となる)。
その後、後演出の画像(シルエット)がそのまま第一表示領域111に表示されれば通常演出(図31(b-2)参照)であり、第二表示領域121に表示されれば一連演出(図31(b-1)参照)ということになる。つまり、後演出に移行した段階で通常演出であるか一連演出であるかが区別できる状態となる。このような通常演出と一連演出が発生しうるようにして、一方の演出の方が、他方の演出よりも遊技者に有利な結果(勝利結果)となる蓋然性が高い(とどのつまり、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高い)設定とする。一連演出は後演出にて表示領域の切り替えが発生するものであって結果が強調されるものであるから、一連演出の方が通常演出よりも遊技者に有利な結果となる蓋然性が高い設定とすることが好ましい。
このようにすることで、前演出から後演出に変化する際、演出の画像が第二表示領域121に表示される状況となるかどうか(第二表示領域121への切り替え)に遊技者が注目する遊技性を実現することが可能である。一連演出の方が通常演出よりも遊技者に有利な結果となる蓋然性が高い設定とするのであれば、第二表示領域121への切り替えが発生することを遊技者が願う遊技性となる。
〇第二具体例
一連演出は、後演出の開始を契機として、前演出にて透過部Mであった部分が画像表示部Nとされるものであって、上記実施形態では当該画像表示部Nは不透過部N2であることを説明したが、当該画像表示部Nが半透過部N1を含むものとしてもよい(図32に示した例は画像表示部Nの全てが半透過部N1である例である)。そして、後演出に移行した後も、前演出にて表示されていた画像が第一表示領域111に表示され続けるものとする。
上記実施形態に則していえば、後演出に移行したとき、半透過部N1を含む画像表示部Nにより第一シルエット481sおよび第二シルエット482sが表されることになる。これとともに、半透過部N1を通じて、第一表示領域111に表示される第一キャラクタ481(第一シルエット481sに対応する画像)および第二キャラクタ482(第二シルエット482sに対応する画像)が視認されることになる(図32(b)参照)。つまり、後演出に移行した後は、前演出にて表示されていた演出用の画像と、後演出に移行してはじめて表示される演出用の画像(前演出にて表示されていた演出用の画像に対応する画像)の両方が視認可能な状態となる。別の見方をすれば、後演出に移行してからも、半透過部N1を通じて、前演出にて表示されていた演出用の画像が視認される点が上記実施形態と異なる点であるといえる。厳密にいえば、前演出においては透過部Mを通じてそのままの態様で視認されていた画像が、後演出においては半透過部N1を通じて視認されることになる。
〇第三具体例
上記実施形態における一連演出は、前演出にて示された「戦い」の結果が、後演出にて示される、いわゆるバトル演出であることを説明したが、前演出が「前提」を示し、後演出が「結果」を示すものであればバトル演出に限られるものではない。例えば、前演出が「選択肢」を示し、後演出がいずれの選択肢が選択されたかの「結果」を示す一連演出とすることが可能である(図33参照)。つまり、いわゆる選択演出(遊技者が選択するのではなく、自動的に選択されるもの)について上記のような一連演出とすることも可能である。
また、前演出において遊技者に対して押しボタン等の操作手段68の操作を促し、後演出として当該操作手段68が操作されることを契機として発生する演出(操作手段68が操作されたことの「結果」を示す演出)が実行される一連演出とすることが可能である(図34参照)。つまり、いわゆる操作演出について上記のような一連演出とすることも可能である。
3-8)同時期進行演出
同時期進行演出(図35参照)は、第一対象演出と第二対象演出とが、所定の期間中に並行して進行する(完全に同時進行ではないが、遊技者には並行して進行しているように見える)というものである。
第一対象演出(図35(a-1)等参照)は、第一表示領域111の少なくとも一部である第一対象領域111Sにて実行される演出である。第一対象領域111Sは、第二表示領域121における透過部Mとされた部分に前後方向において重なる領域である。つまり、第一対象領域111Sに表示される画像は、透過部Mを通じて視認されることになる。本実施形態では、第一対象演出が実行される際、第二表示領域121の全体が透過部Mとされる。第一表示領域111の全体が第二表示領域121に重なるため、第一対象演出中は第一表示領域111の全体が透過部Mに重なることになる。つまり、本実施形態では、第一表示領域111の全体が第一対象領域111Sに相当することになる。
第二対象演出(図35(a-2)等参照)は、第二表示領域121の少なくとも一部である第二対象領域121Sにて実行される演出である。第二対象領域121Sは、第一対象演出において透過部Mとされていた部分に相当する。上述した通り、本実施形態では第一対象演出中において第二表示領域121の全体が透過部Mとされるものであるため、第二表示領域121の全体が第二対象領域121Sに相当することになる。第二対象演出においては、第二対象領域121Sが画像表示部Nとされる。第二対象演出は、当該画像表示部Nが表す画像によって実行されるものである。本実施形態では、当該画像表示部Nは不透過部N2とされる。したがって、第二対象演出が実行されている間は、第一表示領域111における第二対象領域121Sに重なる部分(本実施形態では第一表示領域111の全体)は視認することができない。
同時期進行演出は、上記第一対象演出と第二対象演出とが交互に実行されるものである。具体的には、第二対象領域121Sが透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わりつつ(以下、当該状態を交互切替状態と称することもある)進行するものである。すなわち、第二対象領域121Sが透過部Mとされている間は当該透過部Mを通じて視認される第一対象領域111Sにて第一対象演出が実行され、第二対象領域121Sが画像表示部Nとされている間は当該画像表示部Nにて第二対象演出が実行されるというものである。
第一対象演出および第二対象演出の具体的な態様は特に限定されるものではないが、第一対象演出として第一表示領域111に表示される画像の少なくとも一部である第一対象画像51(図35(a-1)等参照)と、第二対象演出として第二表示領域121に表示される画像の少なくとも一部である第二対象画像52(図35(a-2)等参照)は、以下のような関係にあるものとされる。なお、第一対象演出として第一表示領域111に表示される画像の全体を第一対象画像51とし、第二対象演出として第二表示領域121に表示される画像の全体を第二対象画像52としてもよいが、以下の例おいては各演出を構成する一部の画像が第一対象画像51や第二対象画像52として設定されているものとする。
本実施形態における第一対象演出は、人間(以下、キャラクタA1とすることもある)が、虎(以下、キャラクタB1とすることもある)に襲われそうになっていることを示す演出である。一方、第二対象演出も、人間(以下、キャラクタA2とすることもある)が、虎(以下、キャラクタB2とすることもある)に襲われそうになっていることを示す演出である。キャラクタA1およびキャラクタB1が上述した第一対象画像51に、キャラクタA2およびキャラクタB2が上述した第二対象画像52に相当することになる(図35(a-1)(a-2)等参照)。
第一対象画像51および第二対象画像52は、同じ対象を表していると遊技者に認識されるほど似通っている画像である。本実施形態に則していえば、上記「人間」であるキャラクタA1とキャラクタA2は同じもの(同じ対象)を表し、上記「虎」であるキャラクタB1とキャラクタB2は同じもの(同じ対象)を表していると遊技者が認識するような似通った態様とされる。このような設定であるため、第一対象演出の内容と第二対象演出の内容は、遊技者が同じであると認識する(共に、人間が虎に襲われそうになっていることを示す演出であると認識する)ものとなる。
本実施形態では、第一対象画像51と第二対象画像52は、大きさが異なるものとされる(図35(a-1)(a-2)等参照)。つまり、第一対象画像51と第二対象画像52は、同じ対象を表している(場面が同じである)と認識されるものの、その大きさが異なるようなものとされる(端的に言えば「相似形状」である)。このようにすることで、交互切替状態にある際、第一対象画像51および第二対象画像52によって表される対象(本実施形態では上記「人間」や「虎」)が飛び出すことと引っ込むことを繰り返しているかのように見えることになる。
第一対象画像51に比して、第二対象画像52の方が大きく設定されていることが好ましい。第一表示領域111(第一表示装置11)よりも第二表示領域121(第二表示装置12)の方が手前に位置するものであるところ、手前に位置する第二表示領域121に表示される第二対象画像52の方を大きくする(後方に位置する第一表示領域111に表示される第一対象画像51の方を小さくする)ことで、第一対象画像51および第二対象画像52によって表される対象の飛び出した状態と引っ込んだ状態の差が大きくなる(強調される)ことになる。
本実施形態の交互切替状態では、同じ場面を表す第一対象画像51(静止画)と第二対象画像52(静止画)の一方から他方への切り替えが一または複数回発生した(図35(a-1)(a-2)参照)後、一方の表示領域(本実施形態では第一表示領域111)にて演出を進行させた上で(動画により演出を進行させる)(図35(b)参照)、当該進行した場面を表す第一対象画像51(静止画)と第二対象画像52(静止画)一方から他方への切り替えが一または複数回発生する(図35(c-1)(c-2)参照)、ということを繰り返しながら、第一対象演出と第二対象演出が交互に進行しているように見える状況を作り出す。
本実施形態では、第二対象領域121S(第二表示領域121)に第二対象画像52(静止画)が表示されている状況においても、第一対象領域111S(第一表示領域111)に第一対象画像51を表示させておく。つまり、切替が継続している最中は、第一対象画像51が表示され続ける。このようにすることで、第二対象領域121Sが透過部Mとされれば、自動的に第一対象画像51が透過部Mを通じて視認可能な状態となり、第二対象領域121Sが画像表示部N(不透過部N2)とされれば自動的に第一対象画像51が視認できない状態となるため、第一対象画像51と第二対象画像52の切り替えが連続的なものとなる(切替間にいずれの対象画像も表示されない状況が発生しない)。
なお、一方の表示領域にて演出を進行させる状態(図35(b)に示す状態)を設けなくてもよい。静止画である第一対象画像51と第二対象画像52の切り替えが一または複数回発生した後、そこから進行した場面を示す静止画として第一対象画像51と第二対象画像52の切り替えが一または複数回発生する、といったように、いわゆる「パラパラ漫画」のように演出が進行してくようにしてもよい(図35に示した例で言えば、(a-1)(a-2)に示した状態から、(c-1)(c-2)に示した状態に瞬時に移行するように制御される)。
交互切替状態後、同時期進行演出は結末(結果)に至る。同時期進行演出の結果として、第一結果(図35(d-1)参照)および第二結果(図35(d-2)参照)が設定されている。本実施形態における同時期進行演出は、必ず第一結果および第二結果の一方に至る。具体的には、交互切替状態は、第二対象領域121Sが透過部Mおよび画像表示部Nの一方から他方に交互に連続的に切り替わる状態であるところ、当該切り替わりが停止し、第二対象領域121Sが透過部Mおよび画像表示部Nの一方とされることが同時期進行演出の結果である。交互切替状態は、結果が示される前の「煽り」であるとみることもできる。第一結果は、最終的に第二対象領域121Sが透過部Mとされるものである。第一対象領域111Sに透過部Mを通じて視認される結果を示す画像が表示された状態である。第二結果は、最終的に第二対象領域121Sが画像表示部N(本実施形態では不透過部N2)とされるものである。第二表示領域121の画像表示部Nにより表される画像が結果を示す状態である。
第一結果および第二結果は、一方が他方に比して遊技者に有利な結果として設定されている。本実施形態では、一方の結果となった場合の方が、他方の結果となった場合よりも対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されている。一方の結果が大当たり確定、他方の結果がはずれ確定といった設定としてもよい。好ましくは、第二結果の方が、第一結果よりも遊技者に有利な結果として設定されているとよい。第二結果は、第二表示領域121の画像表示部Nにより表されるものであるから、第一表示領域111に表示される画像により表される第一結果よりも手前(遊技者側)に表示され、結果を示す画像の迫力としては前者の方が大きいといえる。したがって、より「迫力のある」画像で示される第二結果(図35(d-2)参照)の方が、第一結果(図35(d-1)参照)よりも遊技者にとって好ましい結果であるとよい。
このように、本実施形態における同時期進行演出は、第一表示領域111にて実行される第一対象演出と第二表示領域121にて実行される第二対象演出とが、所定の期間中に並行して進行するという面白みのあるものである。
また、第一対象演出として第一対象領域111Sに第一対象画像51が表示された後、第二対象演出として第二対象領域121Sに第一対象画像51と相似形状であるが大きさが異なる第二対象画像52が表示された状態に移行するものであるため、第一対象画像51および第二対象画像52によって表される対象(本実施形態では上記「人間」や「虎」)が飛び出すことと引っ込むことを繰り返しているかのように見える。
以下、上記同時期進行演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態では、第一対象画像51と第二対象画像52は、同じ対象を表していると認識されるものの、大きさが異なるものであることを説明したが、大きさが同じであってもよい。第一対象画像51は第一表示領域111に表示される画像であり、第二対象領域121Sは第二表示領域121に表示される画像である。第二表示領域121(第二表示装置12)は第一表示領域111(第一表示装置11)よりも前方に位置するため、(第一表示領域111と第二表示領域121の前後方向における距離の大小にもよるが)第一対象画像51と第二対象画像52の大きさが同じであっても、第一対象画像51よりも第二対象画像52の方が手前に位置しているように見える効果が奏される。したがって、第一対象画像51および第二対象画像52が同じ大きさであっても、これらの画像によって表される対象が飛び出すことと引っ込むことを繰り返しているかのように見えることになる。
〇第二具体例
上記実施形態では、第一対象画像51と第二対象画像52は、同じ対象を表していると認識されるものの、その大きさが異なるようなものとされることを説明したが、第一対象画像51と第二対象画像52は、同じ対象を表していると認識されるものの、その色調が異なるようなものとされるような構成としてもよい。一例として、第一対象画像51はカラー画像とされ、第二対象画像52はモノクロ(白黒)画像とされる構成が考えられる。上記実施形態に則していえば、第一対象画像51はカラーで「人間」や「虎」を表したものである一方、第二対象画像52は同じ「人間」や「虎」をモノクロで表したものとされる。その他の例として、第一対象画像51は赤を基調とした画像とされ、第二対象画像52は青を基調とした画像とされる構成が考えられる。
このようにすることで、交互切替状態においては、第一対象画像51および第二対象画像52によって表される対象の色調が交互に変化するという面白みのある演出とすることが可能である。
なお、上記実施形態のような「大きさ」の違いと、本例のような「色調」の違いの両方が表れる構成としてもよい。すなわち、第一対象画像51と第二対象画像52は、同じ対象を表していると認識されるものの、その大きさおよび色調が異なるようにされる。
〇第三具体例
上記実施形態における同時期進行演出は、第一対象演出の内容と第二対象演出の内容は同じであることを説明したが、第一対象演出(第一対象画像51)の内容と第二対象演出(第二対象画像52)の内容が全く異なるものとしてもよい。つまり、全く異なる内容の演出が、第一対象領域111Sおよび第二対象領域121Sのそれぞれにて交互に進行するような態様の演出としてもよい。
〇第四具体例
上記実施形態における画像表示部Nは不透過部N2であることを説明したが、半透過部N1が含まれるものとしてもよい(図36に示した例は、画像表示部Nの全体が半透過部N1である例である)。これにより、第二対象領域121Sに表示される画像が半透過部N1を含むものとなり、第二対象演出が実行されている際(第二対象画像52が表示されている際)においても、半透過部N1を通じて第一対象画像51が視認できる状態とすることが可能となる(図36(b-2)参照)。見方を変えれば、第一対象画像51が視認されるものの第二対象画像52が視認されない第一対象演出(図36(b-1)参照)と、第二対象画像52だけでなく、半透過部N1を通じて第一対象画像51の少なくとも一部が視認される第二対象演出(図36(b-2)参照)と、が交互に連続的に繰り返されることになる。つまり、第二対象演出(図36(b-2)に示した状態)において、第一対象画像51との比較の上で第二対象画像52が認識されることになるため、その大きさの違い等が明確になるという利点がある。
3-9)受渡演出
受渡演出(図37参照)は、第二表示領域121に表示される先画像55から第二表示領域121に表示される後画像56への変化(画像(画像により表される対象)の受渡)が発生するものである。受渡演出の前半部分においては、第二表示領域121の少なくとも一部が画像表示部Nとされる。本実施形態では、第二表示領域121の全体が画像表示部Nとされる。また、当該画像表示部Nは不透過部N2である。かかる画像表示部Nが含む画像が先画像55である。先画像55は、所定の物体を表す画像とされる。本実施形態における先画像55は「ボール」(球体)を表すものとされる(図37(a)参照)。その後、当該先画像55が後方に向かうかのような表示(真っ直ぐ後方だけでなく、斜め後方に向かうかのような表示を含む)がなされる。本実施形態では、先画像55が次第に小さくなるように変化していくものとされる(図37(b)参照)。
先画像55が所定態様となるまで変化することを契機として(すなわち所定量後方に移動したように見える変化が生じたことを契機として)、後半部分に移行する。前半部分から後半部分の切替時点においては画像表示部Nが透過部Mとされる。画像表示部Nは先画像55を含むものであるため、画像表示部Nが透過部Mとされることで先画像55は消去されるということになる。また、透過部Mとされることで、第一表示領域111における当該透過部Mに重なる部分が視認される状態となる。なお、前半部分において画像表示部Nであった部分の全体が透過部Mとされる必要はない。少なくとも先画像55を含む部分が透過部Mとされればよい。本実施形態では第二表示領域121の全体が透過部Mとされる。したがって、第一表示領域111の全体が視認可能な状態となる。
第一表示領域111における透過部Mに重なる部分には、後画像56が表示される。本実施形態では、画像表示部Nが透過部Mに変化するよりも前に、第一表示領域111に予め後画像56を表示させておく。このようにすることで、画像表示部Nが透過部Mに変化した際には、既に後画像56が表示された状態にある。つまり、先画像55が表示された状態から連続的に(間を空けることなく)後画像56が表示された状態に移行する。
後画像56は、先画像55で表された部分(以下、対応画像部561と称することもある)を含むものとされる。上述した通り、先画像55は「ボール」を表すものであるため、後画像56は対応画像部561として当該「ボール」を表す部分を含むものとされる(図37(c)参照)。先画像55と対応画像部561とは完全に態様が同じでなくてもよい。先画像55で表される対象と対応画像部561で表される対象が同じであるということ(本実施形態では、同じ「ボール」であるということ)を遊技者が認識できるような関係にあればよい。
本実施形態では、「ボール」を手に持つキャラクタが後画像56として表示される(図37(c)参照)。後画像56における「ボール」が表示される位置(対応画像部561が表示される位置)は、先画像55としてボールが表示されていた箇所と略同じとされる。具体的には、前半部分にて次第に小さくなるよう先画像55である「ボール」が表示されていたところ、そこからの連続性が保たれるような位置に後画像56が含む「ボール」が表示される。このような後画像56が表示されることで、先画像55として表示されていた「ボール」が後方に向かって移動(落下)し、それを後画像56が含むキャラクタが掴んだ(キャッチした)かのように見える演出効果が奏される。当該演出効果は、第二表示領域121(第二表示装置12)が第一表示領域111(第一表示装置11)よりも前方に配置されたものであるがゆえに生じる「奥行感」(第二表示領域121に表示される画像の方が、第一表示領域111に表示される画像よりも手前に存在するように見えること)を巧みに利用した結果であるといえる。
以下、上記受渡演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態にて説明した受渡演出は成功演出であり、これに対応する失敗演出が発生しうるものとする。つまり、成功演出は、「ボール」のキャッチが失敗したかのような画像が表示されるもの(図38(b-1)参照)である一方、失敗演出は、後半部分にて「ボール」のキャッチが失敗したかのような画像(成功演出の後半部分とは異なる態様の画像)が表示されるものとする(図38(b-2)参照)。演出の前半部分(図38(a)参照)が実行されている間は、成功演出が実行されているのか失敗演出が実行されているのか遊技者は判別することはできない。なお、成功演出の前半部分の態様と後半演出の前半部分の態様は常に一致するものでなければならないわけではない。途中でいわゆるチャンスアップ演出等が発生することで、態様が異なり得る設定としてもよい(態様が同じものが発生しうるという関係にあればよい)。また、成功演出が発生した場合の方が、失敗演出が発生した場合よりも対象当否判定結果の大当たり信頼度が高い設定とされるとよい。
〇第二具体例
上記実施形態における受渡演出の具体的態様はあくまで一例である。受渡演出は、先画像55から後画像56への変化を表すものとすることも可能である。例えば、先画像55は「コップ」を表すものとする。当該「コップ」が後方に向かう(落下する)かのような表示(図39(a)(b)参照)がなされた上で、後画像56として当該「コップ」の破片が散らばるかのような画像が表示される(図39(c)参照)ものとする。上述した「奥行感」を利用し、このような変化(落下した対象が破損するという変化)をリアルに表すことも可能である。
〇第三具体例
上記実施形態にて説明したように後画像56が対応画像部561を含む受渡演出であることを前提とし、以下のような演出(以下、対比演出と称する)が発生しうるものとする。対比演出は、受渡演出と同様に前半部分および後半部分を含む。対比演出の前半部分は受渡演出と同じである。上記実施形態における受渡演出に則していえば、先画像55である「ボール」が次第に小さくなるように変化していく態様が前半部分として設定される(図40(a)参照)。したがって、演出の前半部分が実行されている間は、受渡演出が実行されているのか対比演出が実行されているのか遊技者は判別することはできない。なお、受渡演出の前半部分の態様と対比演出の前半部分の態様は常に一致するものでなければならないわけではない。途中でいわゆるチャンスアップ演出等が発生することで、態様が異なり得る設定としてもよい(態様が同じものが発生しうるという関係にあればよい)。
対比演出の後半部分は、受渡演出の後半部分とは異なり、後画像56が対応画像部561を含まないものとされる。上記実施形態における受渡演出のように、受渡演出の後画像56が「ボール」を手に持つキャラクタであるとする(図40(b-1)参照)のであれば、対比演出の後画像56は「ボール」とは異なる対象(以下、当該対象を表す画像を対比画像部562と称する)を手に持つキャラクタとされる。例えば、対比画像部562が「剣」とされ、当該「剣」を手に持つキャラクタが後画像56として表示される(図40(b-2)参照)。なお、後画像56が含むキャラクタ(演出要素)は、受渡演出と対比演出とで同じ種類のもの(遊技者が同じ演出要素を表していると把握できるような態様)とされる。
このようにすることで、受渡演出は、先画像55として示されたもの(ボール)がそのままキャッチされたかのような印象を与える演出となる一方、対比演出は、先画像55として示されたものが変化して(対比画像部562が表すものに変化して)キャラクタにキャッチされたかのような印象を与える演出となる。例えば、受渡演出に接した後、初めて対比演出に接した遊技者は、ボールがキャッチされると思っているところ、別のものがキャッチされるという驚きを受けることになる。
対比演出と受渡演出とは、発生したときの対象当否判定結果の大当たり信頼度が異なるものであることが好ましい。受渡演出の後半部分は予測される結果を示すものである一方、対比演出はイレギュラーな結果を示すものであるといえるため、対比演出が発生した場合の方が、受渡演出が発生した場合よりも、大当たり信頼度が高い設定とすることが好ましい。また、対比演出が発生したときの驚きを高めるため、受渡演出よりも対比演出の方が、発生頻度が低い(発生しにくい)設定とすることが好ましい。
〇第四具体例
上記実施形態では、受渡演出の前半部分は第二表示領域121の少なくとも一部が画像表示部Nとされるものであり、当該画像表示部Nは不透過部N2であることを説明したが、当該画像表示部Nが半透過部N1を含むものとしてもよい。すなわち、半透過部N1を含む画像表示部Nにより先画像55である「ボール」が表され、当該画像表示部Nを通じて第一表示領域111に表示された将来的に後画像56となる画像の一部(以下、予測画像57と称する)が視認されるものとする。当該予測画像57は、最終的にボールをキャッチするキャラクタを表すものとされる。つまり、後画像56から対応画像部561を除いた部分が予測画像57として表されることになる。例えば、前半部分において、ボールをキャッチしようとしている当該キャラクタが予測画像57として第一表示領域111に表示されるようにする(図41参照)。
このようにすることで、受渡演出の前半部分(先画像55が表示されている段階)から、予測画像57(キャラクタ)が視認される状態にあることになる。そうすると、当該前半部分の段階から、先画像55である「ボール」をキャラクタがキャッチする演出(キャッチするかどうかの演出)なのではないかということを遊技者が感じ、その後の展開が把握しやすくなるという利点がある。
3-10)特殊図柄表示演出
特殊図柄表示演出は、当否判定結果を示す識別図柄80の表示手法が通常とは異なる特殊な状態となるものである。本実施形態にかかる遊技機1は、複数種の演出モードが設定されており、当該演出モードに応じ、報知演出の基本的態様が変化することになる。特殊図柄表示演出が実行されるのは、当該複数種の演出モードのうちの一つ(以下、特殊モードと称することもある)が設定されている状況においてである。
一の当否判定結果を示す識別図柄80が変動を開始する(動き始める)変動開始時点から当否判定結果を示す組み合わせで停止する(動きを完全に停止させる)変動停止時点までの期間を変動期間とする。なお、当該変動期間は、一の当否判定結果を示す報知演出が実行される期間ということになる。特殊図柄表示演出は、当該変動期間中において、識別図柄80の表示態様が第一状態となる状況と第二状態となる状況が設定されるというものである(変動期間を通じて第一状態および第二状態の一方が維持され、他方の状態とされないというものではない)。
第一状態(図42(a)(b)等参照)は、第二表示領域121の少なくとも一部が透過部Mとされ、当該透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される識別図柄80が視認される状態である。本実施形態では、第二表示領域121の全体が透過部Mとされる。つまり、第二表示領域121に識別図柄80は表示されないということである。第一表示領域111には、識別図柄80の背景画像60(識別図柄80は背景画像60よりも手前の画像レイヤにより表される)が表示される。第一状態は、メインの表示装置である第一表示装置11に識別図柄80の全体が表示されるという一般的な表示状態であるということもできる。
第二状態(図42(c)(d)等参照)は、第二表示領域121の少なくとも一部が画像表示部Nとされ、当該画像表示部Nにより識別図柄80が表された状態である。本実施形態では、第二状態においては第一表示領域111には識別図柄80が表示されない。また、本実施形態では、識別図柄80を表す画像表示部N以外の部分は透過部Mとされる。本実施形態における当該識別図柄80を表す画像表示部Nは不透過部N2とされる。したがって、識別図柄80が表示される以外の箇所を通じては、第一表示領域111に表示される背景画像60が視認されることになる。当該背景画像60は、第一状態において表示されるものと同じである(遊技者が同じ背景画像60であると認識できる範囲での態様変化は許容するものとする)。
本実施形態では、変動期間中、識別図柄80の表示態様が第一状態および第二状態の一方から他方へ変化することが起こる。以下、リーチ等が発生せずに当否判定結果がはずれであることが報知される、いわゆる「どはずれ」となる場合の変動期間中の識別図柄80の状態変化について説明する。このような「どはずれ」となる変動は、最も頻繁に発生するものであるため、以下で説明するものが、基本的な識別図柄80の状態変化の流れとなる。
まず、変動期間の最初の期間である変動開始時点を含む開始期間は、第一状態とされる。より具体的には、変動開始前から第一状態にあった識別図柄80が、前方に向かってくるかのようなアクション、すなわち識別図柄80が次第に大きくなるような変化を起こしつつ変動が開始されることになる(図42(a)(b)等参照)。具体的には、左、中、右に位置する識別図柄80が、変動を開始することに合わせてこのようなアクションを起こすことになる。かかるアクション起こす識別図柄80が第一表示領域111に表示されるということである。これにより、遊技者には、識別図柄80が第二表示領域121側に移動しているかのように見える。本実施形態では、当該開始期間の長さは短い(0.5秒程度の長さに設定される)。
識別図柄80が所定の大きさまで大きくなること(図42(b)参照)を契機として開始期間が終了し、次の期間である中間期間に移行することになる。当該中間期間中は、第二状態とされる。中間期間が開始されると同時に、第一表示領域111に表示されていた識別図柄80が消去され、第二表示領域121に識別図柄80が表示される(図42(c)参照)。開始期間から中間期間にかけてこのような変化が生じるため、遊技者には、第一表示領域111にて前方に移動した識別図柄80が、第二表示領域121に乗り移ったかのように見えることになる。第二表示領域121に表示される識別図柄80(識別図柄群80g)は、上下にスクロールするよう変動表示される(図42(d)参照)。実質的には、当該中間期間が、識別図柄80(識別図柄群80g)が変動表示されていることを示す期間であるといえる。一般的な遊技機と同様に保留の数等に応じて変動期間(変動時間)の長さを変化させることになるが、本実施形態では当該中間期間の長さを増減させることで変動期間全体の長さを調整している(上述した開始期間や後述する終了期間の長さは一定にしている)。
中間期間の終了間際では、変動速度が低下していき(図43(a)参照)、最終的に当否判定結果(はずれ)を示す組み合わせを構築する識別図柄80(各識別図柄群80gから選ばれた三つの識別図柄80のそれぞれ)が後方に向かうようなアクションを起こすことになる。具体的には、識別図柄80が次第に小さくなるような変化が生じる(図43(b)参照)。これにより、遊技者には、識別図柄80が第一表示領域111側に移動しているかのように見える。
識別図柄80が所定の大きさまで小さくなること(図43(b)参照)を契機として中間期間が終了し、次の期間である終了期間に移行することになる。終了期間中は、第一状態とされる。終了期間が開始されると同時に、第二表示領域121に表示されていた識別図柄80が消去され、第一表示領域111に識別図柄80が表示される(図43(c)参照)。中間期間から終了期間にかけてこのような変化が生じるため、遊技者には、第二表示領域121にて後方に移動した識別図柄80が、第一表示領域111に乗り移ったかのように見えることになる。第一表示領域111に表示される識別図柄80は、その場で揺れ動くようなアクション(いわゆる仮停止した状態であることを示す)を起こし(図43(c)参照)、最終的に完全に停止する(図43(d)参照)ことになる。本実施形態では、当該開始期間の長さは短い(0.5秒程度の長さに設定される)。このようにして、三つの識別図柄群80gのそれぞれから選択された三つの識別図柄80が当否判定結果(はずれ)を示す組み合わせで第一表示領域111にて完全に停止した状態で表示される。
なお、上述した例(図42および図43に示した例)は、三つの識別図柄80(識別図柄群80g)の状態が一度に変化するものであるが、当該三つの識別図柄80(識別図柄群80g)の状態が一度に変化しなければならないわけではない。各識別図柄80について状態変化するタイミングがずれていてもよい。換言すれば、当該三つの識別図柄80(識別図柄群80g)のそれぞれについて、長さが異なる開始期間、中間期間、終了期間が設定されていてもよい。つまり、ある識別図柄80(ある識別図柄群80g)が第一状態である状況において、別の識別図柄80(別の識別図柄群80g)が第二状態にあってもよいということである。例えば、左、右、中の識別図柄群80gの順で変動が停止する構成とする場合には、左、右、中の順で、第二状態から第一状態への変化が発生していく(中間期間から終了期間へ移行していく)ようにしてもよい(図44参照)。
上記例は「どはずれ」となるケースの例であるが、リーチが成立する場合も同様である。中間期間後、第一表示領域111に表示される二つの識別図柄80が同じ図柄となった場合にはリーチ成立ということになる。いわゆるスーパーリーチ演出に発展しない場合(ノーマルリーチで終了する場合)、残り一つの識別図柄80も最終的には第一表示領域111に表示され、三つの識別図柄80により当否判定結果が示されることになる。いわゆるスーパーリーチ演出に発展する場合には、当該スーパーリーチ演出の画像(映像)が表示される状態に移行することになるが、最終的には第一表示領域111に表示される三つの識別図柄80により当否判定結果が示されることになる。つまり、いずれにしても、最終的な当否判定結果を示す変動停止時点においては、識別図柄80は第一表示領域111に表示される(第一状態となる)ことになる。
また、特殊モードが設定されているときでも、上記のような識別図柄80の変化が生じないことがある(あくまで「どはずれ」のときに、上記のような変化が起こるというものである)。例えば、途中で特別な画像が表示されるような演出等が発生する場合においては、上述した中間期間から終了期間への変化が起こらないことになる。
このように、本実施形態における特殊図柄表示演出は、識別図柄80が表示される表示領域が変化するという面白みのある演出である。
また、本実施形態では、第一状態にて識別図柄80が次第に大きくなるような表示がなされた後(識別図柄80が所定の大きさまで大きくなることを契機として)、第二状態に変化するように設定されているため、あたかも識別図柄80が第一表示領域111から第二表示領域121に乗り移ったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
また、本実施形態では、第二状態にて識別図柄80が次第に大きくなるような表示がなされた後(識別図柄80が所定の大きさまで小さくなることを契機として)、第二状態に変化するように設定されているため、あたかも識別図柄80が第二表示領域121から第一表示領域111に乗り移ったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
また、本実施形態では、第二状態においては第二表示領域121にのみ識別図柄80が表示される(第一表示領域111に識別図柄80が表示されない)ため、第一状態および第二状態の一方から他方への変化の際に、識別図柄80が表示領域間を乗り移ったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
以下、上記特殊図柄表示演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇第一具体例
上記実施形態では、変動期間中に第一状態、第二状態、第一状態というように推移するものであることを説明したが、変動期間中に第一状態および第二状態の一方から他方に変化することがあればよく、第二状態から開始されるようにしてもよい。また、一の変動期間中における当該変化は一回であってもよいし、三回以上であってもよい。
ただし、当該変化の回数は「偶数」であることが好ましい(上記実施形態の変化回数も二回であり、偶数である)。このようにすることで、変動開始時点の状態と変動停止時点の状態とが共通することになる(上記実施形態では、第一状態で共通する)。このように変動開始時点の状態と変動停止時点の状態とを共通させるようにすることで、消化されていない保留情報が存在する限りにおいて連続的に発生する報知演出が円滑に実行されることになる(報知演出間で状態を変化させる必要がない)。
〇第二具体例
第一状態における識別図柄80と、第二状態における識別図柄80の基本的態様が異なるものとする。例えば、第一状態においては識別図柄80はカラーで表示され(三色以上の色からなるものとされ)、第二状態においては識別図柄80はモノクロで表示されるものとする。このようにすることで、第一状態および第二状態の一方から他方への変化がより明確になる。
別例としては、第一状態にて識別図柄80を構成する一部分(特定部80P)のみが、第二状態にて識別図柄80として表示されるような構成とすることが考えられる。例えば、第一状態における識別図柄80は、本体部80M(主体的な部分)およびそれを縁取りする部分(特定部80P)からなるものとする(図45(a)参照)。第二状態においては、第二表示領域121に本体部80Mに相当する部分が表示されず、特定部80Pに相当する部分が表示されるものとする(特定部80Pのみが表示されても、識別図柄80の内容(数字等)は把握できるようにする)(図45(b)参照)。つまり、第一状態から第二状態に変化することを契機として、表示される表示領域が変化するだけでなく、図柄の一部分が排除されるような変化が生じるものとする。なお、第二状態から第一状態に変化することを契機としては、図柄の一部分が付加されるような変化が生じることになる。このようにすることで、第一状態および第二状態の一方から他方へ変化していることがより分かりやすくなる。
さらに、第二状態において、第一状態から排除された部分(上記例でいう本体部80M)に相当する部分は透過部Mとされるとよい(図45(b)参照)。つまり、第二表示領域121において、特定部80Pを表す部分以外は透過部Mとされるようにする。このようにすることで、第二状態においては、識別図柄80の内側の領域(第一状態にて本体部80Mであった領域)を通じて第一表示領域111に表示される画像(上記実施形態でいえば背景画像60の一部)が視認されることになるから、第一状態との差が明確になる。なお、特定部80Pは、不透過部N2とされることが好ましい。第二状態において識別図柄80は特定部80Pのみで表されることになるから、当該特定部80Pを不透過部N2として識別図柄80が明確に把握できるようにするとよい。
〇第三具体例
識別図柄80(図46(b)参照)が、第一表示領域111に表示される第一部分81(図46(a-1)参照)、および、第二表示領域121に表示される第二部分82(図46(a-2)参照)から構築されることがあるものとされる。第二表示領域121における第一部分81が重なる部分は透過部Mとなるようにされる(透過部Mを通じて第一表示領域111に表示される第一部分81が視認可能とされる)。例えば、上記実施形態における第二状態にて、第一部分81および第二部分82から識別図柄80が構築された状態となるものとする。第一部分81および第二部分82の区分けはどのようなものであってもよいが、それぞれを単独で見ても識別図柄80の内容を認識可能なようにするとよい。
例えば、識別図柄80が本体部分およびその周囲を縁取りする部分を含むものとされ、本体部分および縁取りする部分の一方を第一部分81、他方を第二部分82として設定する。このようにすれば、第一部分81、第二部分82のいずれか一方を単独で見ても識別図柄80の内容を認識することができる。本体部分を第一部分81とし、縁取りする部分を第二部分82とすることが好ましい(図46(a-1)(a-2)参照)。本体部分は識別図柄80の主体的な部分であるため、メインの表示装置である第一表示装置11(第一表示領域111)に表示されるものとするとよい。
また、図示しないが、識別図柄80が数字および各数字に対応するキャラクタから構成されるものとする場合、数字およびキャラクタの一方を第一部分81、他方を第二部分82として設定することも考えられる。遊技者は一般的には「数字」により各識別図柄80の種類を判別するから、当該「数字」がメインの表示装置である第一表示装置11(第一表示領域111)に表示されるものとするとよい。
識別図柄80が変動表示される際には、視覚的に第一部分81と第二部分82が分離しないように制御される。つまり、第一部分81と第二部分82の一体性(第一部分81と第二部分82により一つの図柄が構築されるということ)が確保されるようにする。具体的には、第一部分81および第二部分82の一方がある方向に所定量変位した場合には、他方も当該方向に所定量変位させる。また、第一部分81および第二部分82の一方が所定倍率で大きさが変化した場合には、他方も当該倍率で大きさを変化させる。
本例のようにすることで、第一状態(図47(a)参照)から第二状態(図47(b)参照)に変化したときには、識別図柄80の一部(第二部分82)のみが第一表示領域111から第二表示領域121に乗り移ったかのような印象を与える演出態様とすることが可能である。また、第二状態(図47(b)参照)から第一状態(図47(a)参照)に変化したときには、第一表示領域111に表示される識別図柄80の一部(第一部分81)に、第二表示領域121に表示されていた識別図柄80の他の一部(第二部分82)が併合されたかのような印象を与える演出態様とすることが可能である。
〇第四具体例
特殊図柄表示演出が対象当否判定結果の大当たり信頼度を示唆する演出として設定されたものとする。例えば、通常は識別図柄80が第一表示領域111に表示され続ける(上記実施形態でいう第一状態が維持される)ものの、第二表示領域121に識別図柄80が表示されるという事象(第二状態)が発生すれば、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高くなるという設定とする。つまり、第二表示領域121に変動中の識別図柄80が表示される状態となることが、いわゆるチャンスアップ演出として設定された構成とする。このようにすることで、遊技者が第一状態から第二状態への変化を願う遊技性を実現することが可能である。
また、別の例として、第一状態および第二状態の一方から他方への変化する回数が一定でない構成であることを前提とし、当該変化の回数により、対象当否判定結果の大当たり信頼度が示唆されるものとする。例えば、当該変化の回数が多くなるほど、大当たり信頼度が高くなる設定とする。このようにすることで、識別図柄80が表示される表示領域が変化することを願う遊技性を実現することが可能である。
〇第五具体例
特殊図柄表示演出の実行中(特殊モードが設定されている最中)において、第二表示領域121に画像表示部Nが表す基準画像61が表示されるものとする(図48参照)。本実施形態では、基準画像61を表す画像表示部Nは半透過部N1を含むものとされる。基準画像61は、第一状態および第二状態のいずれとされているかに拘わらず、表示され続けるものとする。第一状態および第二状態の一方から他方への変化が発生する時点においても基準画像61の連続性は保たれる(状態が変化する前後で遊技者に把握されるような変化が基準画像61に生じるようなものではない)。第一状態は第二表示領域121の少なくとも一部が透過部Mとされるものであるため、基準画像61は第二表示領域121の一部に表示されることになる。本実施形態では、第二表示領域121の下側縁に沿うように表示される。基準画像61は、前後方向において第一表示領域111に重なる部分を含む。本実施形態における基準画像61は半透過部N1を含むものであるため、当該基準画像61を通じて第一表示領域111の一部(第一表示領域111に表示される識別図柄80の一部)が視認される。
基準画像61は動画であることが好ましい。所定の映像がある一定時間間隔でループするようにすることが考えられる。その具体的態様はどのようなものであってもよい。例えば、街並みを表す画像が横方向にスクロールするように表示されるものとすることが考えられる。なお、図48においては基準画像61(基準画像61が表示される大まかな領域)を簡易的にクロスハッチングで示す。
このような基準画像61が表示されていることにより、以下のような作用が生じる。第一状態(図48(a)参照)においては、第一表示領域111に表示される識別図柄80の前方で基準画像61が重なる状態が発生する。換言すれば、基準画像61により識別図柄80の一部が覆われる状態が発生する。これにより、識別図柄80は後方(第一表示領域111)に表示されているということが分かりやすくなる。また、基準画像61は前方(第二表示領域121)に表示されているということが分かりやすくなる。また、第二状態(図48(b)参照)においては、識別図柄80が基準画像61と同じ前後方向位置(第二表示領域121)に表示されることになるため、基準画像61が第二状態における識別図柄80が表示される位置の目安となる。
基準画像61は第二表示領域121に表示されるものであるため、第二状態にて第二表示領域121に表示される識別図柄80と共通性を見出すことができるようにするとよい。例えば、上記第二具体例にて説明したように、第一状態においては識別図柄80はカラーで表示され、第二状態においては識別図柄80はモノクロで表示されるという設定において、基準画像61をモノクロの画像とする。つまり、第二表示領域121に表示される識別図柄80と基準画像61はモノクロという点において共通するから、第二状態にて識別図柄80(モノクロの識別図柄80)が第二表示領域121に表示されていることがより分かりやすくなる。また、第一状態にて識別図柄80(カラーの識別図柄80)が第一表示領域111に表示されていることがより分かりやすくなる。なお、カラーとモノクロの対応関係を逆にしてもよい。すなわち、第一状態においては識別図柄80はモノクロで表示され、第二状態においては識別図柄80はカラーで表示されるという設定において、基準画像61をカラーの画像としてもよい。
4)透過型表示装置(第二表示装置12)における文字の表現
透過型表示装置である第二表示装置12の第二表示領域121に表示される文字(画像表示部Nで表される文字)のうち、少なくとも一部である対象文字65(所定情報を示す文字)は以下のように表示される。なお、文字には、日本語、英語といった言語を構成するものだけでなく、数字、記号等も含まれるものとする。
対象文字65は、第一要素部651および第二要素部652を含むものとされる。第一要素部651は第一色からなる部分であり、第二要素部652は第一色とは異なる色である第二色からなる部分である。本実施形態では、第一色は黒であり、第二色は白である。つまり、対象文字65は黒からなる部分と白からなる部分を含む(図49参照)。
第一要素部651と第二要素部652は、仮に一方の要素部が把握できない状態となったとしても、対象文字65の内容が認識可能となるように対象文字65内に配置される。換言すれば、仮に一方の要素部の存在が無くなったとしても、対象文字65の内容が認識可能となるような構成である。このような配置の態様の一例としては、一方の要素部で書かれた文字が他方の要素部で縁取りされたような態様を挙げることができる(図49(a)参照)。また、別例としては、文字を構成する線の方向に沿って、第一要素部651と第二要素部652が並ぶように配置された態様を挙げることができる(図49(b)参照)。いずれの例も、文字を構成する線に直交する仮想線上、第一要素部651と第二要素部652の両方が存在するような配置であるということができる。
対象文字65がこのように構成されていれば、第二表示領域121にどのような画像が表示された場合であっても、対象文字65が認識可能である。例えば、第二表示領域121にてブラックアウトさせるような演出が実行されている場合、第一要素部651(第一色=黒)は演出用の画像と同化してしまうが、第二要素部652(第二色=白)により対象文字65を認識することが可能となる。第二表示領域121全体に単一色が表示されるような演出でなくても、ある一つの文字の回りが単一色となってしまった場合には当該文字が読み取れなくなってしまうおそれがあるところ、本実施形態ではこのようなおそれはない。
また、本実施形態のように、第一要素部651と第二要素部652が黒と白であれば、第二表示領域121に暗い画像が表示されているときには第二要素部652が栄え、第二表示領域121に明るい画像が表示されているときには第一要素部651が栄えることになるため、どのような状況であっても対象文字65が見えやすい(読みやすい)という利点がある。つまり、第一色と第二色の一方は「暗い色」であり、他方は「明るい色」であることが好ましい。
なお、対象文字65は、基本的にはどのような情報を示すものであってもよいが、演出用の画像と組み合わせて適用されるようなものではない。例えば、演出上のキャラクタのセリフを示す文字は、演出用の画像とセットになって表示されるものであるから、当該演出用の画像を踏まえて見えやすい文字の態様を設定すればよい。すなわち、文字が表示されているときに、その背景としてどのような画像が表示される状況にあるか分からないものを対象文字65とすることが好ましい。
以下、上記対象文字65に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
第一表示装置11(第一表示領域111)に、第二表示装置12(第二表示領域121)に表示される対象文字65と同じ内容を示す文字(以下、複写文字66とする)が表示されるものとする(図50、図51参照)。上記実施形態にて説明したように、対象文字65は第一要素部651および第二要素部652を含むものとすることで、第二表示領域121にどのような画像が表示された場合であっても認識可能となるようにしたものであるが、演出上、対象文字65が表示される箇所を含む所定範囲を透過部Mとしなければならず、それにより対象文字65が視認できない状況が発生しうるから、第一表示装置11(第一表示領域111)にも同じ内容を示す複写文字66を表示する。
なお、対象文字65が透過部Mとされないように制御すること(どのような状況であっても対象文字65を表す部分を画像表示部Nとして視認できる状態とすること)も考えられるが、このように制御されるものとしても第二表示装置12やそれを制御する構成が故障等して対象文字65を表示できない状況が発生することも考えられるから、第一表示装置11(第一表示領域111)に複写文字66を表示する意義があるといえる。なお、対象文字65を第一要素部651および第二要素部652を含むものとしない場合(例えば、単一の色からなるものとする場合)には、対象文字65が見えない状況となる蓋然性が高くなるから、第一表示領域111に複写文字66を表示する意義が高まる。
複写文字66は、対象文字65と同様に第一要素部651と第二要素部652を含むものとすることが好ましい。このようにすることで、対象文字65によって得られる作用と同様の作用が得られることになる。
○第二具体例
対象文字65として設定することが好適なものとして、当否判定結果を示す図柄を例示することができる。当否判定結果を示す図柄としては、上述した識別図柄80(表示領域に大きく表示される図柄。基本的に遊技者は当該識別図柄80により当否判定結果を判別することになる)だけでなく、識別図柄80の代替図柄(識別図柄80が表示されない状況における代わりの図柄)として表示領域の隅の方に小さく表示される小図柄89が知られているところ、当該小図柄89を対象文字65とすることが考えられる(なお、図50以外の図面においては小図柄89の図示を省略している)。小図柄89は、基本的には報知演出中(変動中保留情報が存在している間)は常時表示される(小図柄89を含む所定範囲が透過部Mとされる状況を除く)ものであり、当該報知演出を構成する演出としてどのような演出が発生するか分からないものであるため、対象文字65とされることが好ましい。
小図柄89の種類の数は、識別図柄80の種類の数と同じである。複数種の識別図柄80のそれぞれに対応づけられた小図柄89が設定される。ある種の識別図柄80に対応する小図柄89は、当該識別図柄80が含む数字と同じ数字によりなるものである。報知演出中は、複数種の小図柄89を含む小図柄群が変動表示される。本実施形態では、識別図柄群80gと同数(三つ)の小図柄群が設定される。当否判定結果が大当たりとなる場合には、各小図柄群から選択されて停止した組み合わせが同じ種類の小図柄89から構成されるものとなり、はずれとなる場合にはそれ以外の組み合わせとなる。基本的には、当否判定結果を示す小図柄89の組み合わせは、識別図柄80の組み合わせと同じになるように制御される。
なお、識別図柄80を対象文字65としてもよいが、識別図柄80は演出用の装飾文字としての側面が強く、演出に応じて種々態様が変化したり、見えなくなったりすることが一般的であるため、対象文字65とすることの必要性はそれほどないといえる(シンプルな識別図柄80とする場合は、当該識別図柄80を対象文字65としてもよい)。
小図柄89が対象文字65として設定され、かつ、第一具体例にて説明したように当該対象文字65の複写文字66が表示されるものとする。この場合、対象文字65と複写文字66は前後で重ならないように表示することが好ましい。つまり、第二表示領域121に表示される対象文字65(図50(a-2)参照)と、第一表示領域111に表示される複写文字66(図50(a-1)参照)は、同じ内容を示すものであるため前後に重なように表示することも考えられるが、小図柄89(小図柄群)は変動表示されるものであって時間経過とともに内容が変化しうるものであるため、対象文字65と複写文字66は前後で重ならないようにする(図50(b)参照)ことが好ましい。その理由は次の通りである。
対象文字65である小図柄89の周囲は透過部Mや半透過部N1とされることがある。この場合、小図柄89の周囲の透過部Mや半透過部N1を通じて第一表示領域111が視認されることになる。仮に、対象文字65と複写文字66を前後に重ねて表示するようにした場合、両文字がずれていると、上記透過部Mや半透過部N1を通じて複写文字66の一部が見えてしまう。つまり、対象文字65と複写文字66が僅かにずれた状態で見えてしまう。対象文字65や複写文字66が、内容が固定化されたもの(静止画として表示されるもの)ではなく、小図柄89のように時間経過とともに内容が変化しうるもの(文字が動く、表示される文字が変化する等、動画として表示されるもの)である場合には、上記のようなずれが生じていると、これらの文字が表す小図柄89が見にくい(読みにくい)。上記のようなずれを無くす(極めて小さくする)ためには、第一表示装置11と第二表示装置12の極めて高い組付け精度も要求されるため非常に困難である。よって、このような状況が発生するのを防止するため、対象文字65と複写文字66が前後で重ならないように表示する。
なお、対象文字65である小図柄89の周囲を常に不透過部N2とするのであれば対象文字65と複写文字66を前後で重なるように表示しても問題はない。しかし、小図柄89の周囲が不透過部N2であるかどうかに応じて対象文字65や複写文字66の表示位置等を変化させることは制御の複雑化を招くことから、小図柄89の周囲がどのような状態かによらず対象文字65と複写文字66が前後で重ならないように表示するとよい。
○第三具体例
対象文字65として設定することが好適なものとして、異常を報知するための文言(以下、異常報知文字67と称する)を例示することができる。当該異常報知の内容はどのようなものであってもよい。遊技者に向けた報知であってもよいし、遊技店(店員)に向けた報知であってもよい。
異常報知文字67が対象文字65として設定され、かつ、第一具体例にて説明したように当該対象文字65の複写文字66が表示されるものとする。この場合、対象文字65と複写文字66は前後で重なるように表示することが好ましい。つまり、上述した「時間経過とともに内容が変化しうるもの」とは異なり、前後で重ねて表示してもよい(図51参照)。その理由は次の通りである。
この種の異常報知は、所定のリセット条件が成立するまで行われる。なお、異常が解消することをリセット条件としてもよいし、リセットボタン等、異常報知状態を終了させるための操作がなされることをリセット条件としてもよい。異常報知が開始されてから、このようなリセット条件が成立して消去されるまで、異常報知の内容を示す同じ文言が表示され続ける。つまり、異常報知文字67は、内容が固定化されたものである。別の見方をすれば、静止画として表示されるものであるともいえる。したがって、仮に、対象文字65の周囲が透過部Mや半透過部N1とされ、対象文字65と複写文字66が僅かにずれて表示されるといった状況となったとしても、両文字ともに静止した状態にあるため、当該文字が極めて読みづらいといった状況とはならない。また、異常報知は、上述した当否判定結果を示す図柄等とは異なり、対応する異常が発生した場合しか表示されないものであるから、内容さえ把握できれば十分である。
本例のようにすることで、どのような状況であっても(仮に、対象文字65を含めた範囲が透過部Mとされて対象文字65が見えない状況であっても)、異常が発生したときには、毎回同じ位置に異常報知文字67が表示されることになるから、異常を見逃してしまうおそれは低い。対象文字65としての異常報知文字67は、目立つように第二表示領域121の中央に表示されるとよい(図51(a-2)参照)。同様に、複写文字66としての異常報知文字67は、対象文字65に重なるように第一表示領域111の中央に表示されるとよい(図51(a-1)(b)参照)。
○第四具体例
上記実施形態では、対象文字65は第一要素部651(第一色)および第二要素部652(第二色)からなるものであることを説明したが、三つ以上の要素部から構成されるものとしてもよい。ただし、上記実施形態のように、二つの要素部(二つの色)からなるものとした方が、文字の態様として自然であり、読みやすいといえる。
5)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にて説明した各演出は、第一表示装置11(第一表示領域111)および第二表示装置12(第二表示領域121)を用いた演出であることを説明したが、当該演出の一部は、一の表示装置(以下、特定表示装置と称する)を用いた演出とすることも可能である。特定表示装置は、画像を三次元的に見せることが可能な表示装置であるとする。具体的には、遊技者には相対的に後方に位置しているように見える画像(以下、通常画像と称する)とすることと、当該通常画像よりも前方に位置しているように(前方に飛び出して)見える画像(以下、特殊画像と称する)とすることが可能であるとする(表示領域の一部に通常画像が表示され、他の一部に特殊画像が表示された状態とすることも可能であるとする)。
上記実施形態にて説明した通り、第一表示装置11(第一表示領域111)よりも第二表示装置12(第二表示領域121)が前方に位置する。つまり、第一表示領域111に表示される画像よりも、第二表示領域121に表示される画像の方が手前に位置するように(前方に飛び出して)見えるような関係にある。これを踏まえ、上記実施形態にて説明した演出のうちの一部を、特定表示装置を用いた演出とすることも可能である。すなわち、上記実施形態にて説明した第一表示領域111に表示される画像(第二表示領域121の透過部Mを通じて視認される画像)に相当するものを上記通常画像として表し、第二表示領域121に表示される画像に相当するものを上記特殊画像として表すような構成とすれば、特定表示装置を用いて上記実施形態にて説明した演出と同様の作用が奏される演出とすることも可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、選択肢を示す選択画像、および、選択肢を指し示す指示画像が表示される選択演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記選択画像および前記指示画像の表示態様として、前記第二表示領域の前記透過部を通じて視認可能となるように前記第一表示領域に前記選択画像が表示されるとともに、前記第二表示領域の前記画像表示部により前記指示画像が表された別表示態様と、前記第二表示領域の前記透過部を通じて視認可能となるように、前記第一表示領域に前記選択画像および前記指示画像が表示された同表示態様と、が設定されており、前記選択演出において、いずれかの選択肢が選択される前の選択前段階では、前記別表示態様および前記同表示態様の一方により前記選択画像および前記指示画像が表示され、いずれかの選択肢の選択が完了したことを示す選択後段階では、前記別表示態様および前記同表示態様の他方により前記選択画像および前記指示画像が表示されることを特徴とする。
上記遊技機によれば、選択画像の選択完了前後で、指示画像が表示される表示領域が変化することになるから、選択が完了したことが分かりやすい選択演出とすることが可能である。
・手段1-2
前記選択前段階では、前記別表示態様により前記選択画像および前記指示画像が表示され、前記選択後段階では、前記同表示態様により前記選択画像および前記指示画像が表示されることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、選択完了前は選択画像とは別の表示領域に表示されていた指示画像が、選択完了後には選択画像と同じ表示領域に表示された状態となるから、選択が完了したことがより分かりやすくなる。
・手段1-3
前記選択前段階において前記指示画像が後方に向かって変位するかのような表示がなされた後、前記選択後段階に移行することを特徴とする手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、指示画像が最終的に選択される選択画像に近づいていくように見えることから、当該選択画像が選択されたということをより分かりやすく示すことが可能となる。
・手段2-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記第二表示領域の少なくとも一部を前記透過部とし、当該透過部を通じて視認される前記第一表示領域に表示される演出画像が所定態様に至ることを契機として、前記第二表示領域における前記透過部である部分が前記画像表示部とされる被覆演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、演出画像が所定態様となることを契機として、第二表示領域に表示される画像(画像表示部)に場面が切り替わる面白みのある演出を実行することが可能である。
・手段2-2
前記演出画像の少なくとも一部が前方に向かって変位するかのような表示がなされて前記所定態様に至ることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、演出画像の作用により、画像表示部が表す画像の結果に至ったかのような演出形態とすることが可能である。
・手段2-3
前記画像表示部は、前記演出画像の少なくとも一部が前方に向かって変位した結果、対象物が破壊されたかのような画像とされることを特徴とする手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、演出画像の作用により、何らかの対象物が破壊されたかのような演出形態とすることが可能である。
・手段2-4
前記演出画像が前記所定態様に至ることを契機として、前記第二表示領域の全体が前記画像表示部とされることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、演出画像が所定態様に至った時点を境にした場面の切り替わりが明確になる。
・手段3-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記第二表示領域の少なくとも一部である対象領域が、前記透過部および前記画像表示部の一方から他方に交互に連続的に切り替わる状態とした後、当該対象領域が前記透過部および前記画像表示部のいずれとされるかに応じてその後の展開が示唆される分岐演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機における分岐演出は、第二表示領域の対象領域が透過部および画像表示部のいずれとされるかに応じてその後の展開が示唆されるものであるから、演出の流れが分かりやすい。
・手段3-2
前記分岐演出が、前記対象領域が前記透過部とされる結果となった場合には、当該透過部を通じて視認される前記第一表示領域に表示される第一進行画像に応じた内容に演出が進行することを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
・手段3-3
前記分岐演出が、前記対象領域が前記画像表示部とされる結果となった場合には、当該画像表示部が表す第二進行画像に応じた内容に演出が進行することを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
このように、対象領域が透過部となる場合には当該透過部を通じて第一進行画像が視認され、対象領域が画像表示部となる場合には当該画像表示部が表す第二進行画像が視認されるようにすることで、その後の進行を分かりやすく示すことが可能である。
・手段4-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記第二表示領域が複数の単位領域に区分けされ、当該複数の単位領域のそれぞれにて前記透過部および前記画像表示部の一方から他方に変化することが一または複数回繰り返された上で、当該複数の単位領域の全てが前記透過部となること、および当該複数の単位領域の全てが前記画像表示部となることの少なくともいずれか一方が遊技者に有利な結果として設定されている分割画像演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機が実行可能な分割画像演出は、透過型表示装置の表示領域である第二表示領域に設定される複数の単位領域の全てが透過部および画像表示部のいずれか一方となることが遊技者に有利な結果として設定された斬新な面白みのある演出である。
・手段4-2
前記複数の単位領域の全てが前記画像表示部となった場合、各単位領域の画像表示部が表す画像が結合されてなる結合画像が表示されることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このように、各単位領域の画像表示部が組み合わされてなる結合画像が表示される結果を有利な結果として設定することが可能である。
・手段4-3
前記結合画像により、その後の遊技の展開が示唆されることを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
このようにすることで、その後の遊技の進行が分かりやすい演出とすることが可能である。
・手段4-4
前記複数の単位領域の全てが前記透過部となった場合、第一表示領域に表示される画像であって前記透過部を通じて視認される透過画像により、その後の遊技の展開が示唆されることを特徴とする手段4-1から手段4-3のいずれかに記載の遊技機。
このように、透過部を通じて視認される第一表示領域の透過画像により、その後の遊技の進行が示唆されるようにすることも可能である。
・手段4-5
前記分割画像演出は、前記複数の単位領域のそれぞれにて板状を呈する板状画像が回転表示され、ある単位領域にて当該板状画像の一方の面が前方を向いた状態で回転が停止した場合、当該ある単位領域が前記画像表示部となるものであることを特徴とする手段4-1から手段4-4のいずれかに記載の遊技機。
各単位領域における透過部および画像表示部の一方から他方への変化を、上記のような「板状画像」を用いて表現することも可能である。
・手段5-1
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域の一部を前記透過部とするとともに他の一部を前記画像表示部とした基準状態の後、当該透過部が広がる拡大状態に至ることが遊技者に有利な結果として設定されている透過拡大演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機における透過拡大演出は、基準状態から透過部が広がって拡大状態に至るかどうかが胆となる分かりやすいものである。
・手段5-2
前記透過型表示装置の後方に設けられた別表示装置を備え、前記基準状態から前記拡大状態に変化することで、前記別表示装置に表示される画像が視認される範囲が大きくなることを特徴とする手段5-1に記載の遊技機。
このようにすることで、透過拡大演出が遊技者に有利な結果となるときには、別表示装置に表示される画像が視認される範囲が大きくなるから、演出の結果がより分かりやすいものとなる。
・手段5-3
前記拡大状態にて前記別表示装置に表示される後方画像により、その後の遊技の展開が示唆されることを特徴とする手段5-2に記載の遊技機。
このようにすることで、透過拡大演出後の流れが分かりやすいものとなる。
・手段5-4
前記拡大状態は、前記第二表示領域の全体が前記透過部となるものであることを特徴とする手段5-1から手段5-3のいずれかに記載の遊技機。
このように、第二表示領域の全体が透過部となることを遊技者に有利な結果として設定することで、目標が明確となり演出が分かりやすくなる。
・手段6-1
表示領域の一部または全部を、後方に位置する部材を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置と、前記表示領域の一部を前記透過部とするとともに他の一部を前記画像表示部とした基準状態の後、当該透過部が狭まる縮小状態に至ることが遊技者に有利な結果として設定されている透過縮小演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機が実行可能な透過縮小演出は、基準状態から透過部が狭まるかどうかが胆となる分かりやすい演出である。
・手段6-2
前記透過型表示装置の後方に設けられた別表示装置を備え、前記基準状態から前記縮小状態に変化することで、前記別表示装置に表示される後方画像が視認される範囲が小さくなることを特徴とする手段6-1に記載の遊技機。
このようにすることで、透過縮小演出が遊技者に有利な結果となるときには、別表示装置に表示される画像が視認される範囲が小さくなるから、演出の結果がより分かりやすいものとなる。
・手段6-3
前記基準状態から前記縮小状態に変化することで、前記基準状態においては前記透過部により分離されていた要素画像が一体化されて一体化画像が構築されることを特徴とする手段6-1または手段6-2に記載の遊技機。
このように、基準状態から縮小状態の変化に伴い、一体化画像が構築されるようにすれば、一体化画像が構築されるかどうかが演出の結果に対応するものとなるから、演出の結果がより分かりやすいものとなる。
・手段6-4
前記一体化画像により、その後の遊技の展開が示唆されることを特徴とする手段6-3に記載の遊技機。
このようにすることで、透過縮小演出後の流れが分かりやすいものとなる。
・手段6-5
前記縮小状態は、前記第二表示領域の全体が前記画像表示部となるものであることを特徴とする手段6-1から手段6-4のいずれかに記載の遊技機。
このように、第二表示領域の全体が画像表示部となることを遊技者に有利な結果として設定することで、目標が明確となり演出が分かりやすくなる。
・手段7-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記第二表示領域の少なくとも一部を前記透過部とし、当該透過部を通じて視認される前記第一表示領域にて実行される前演出、および、当該前演出の後実行される演出であって当該前演出実行時に前記透過部であった部分が前記画像表示部とされた上で、当該画像表示部により前記前演出の結果を示す後演出を含む一連演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記一連演出は、前演出および後演出(前演出の結果を示すパート)を含むものであるところ、前演出が実行される表示領域(第一表示領域)と後演出が実行される表示領域(第二表示領域)が異なるものであるから、前演出と後演出の境界が明確になり、演出の流れが分かりやすいものとなる。
・手段7-2
前記前演出は戦いが発生していることを示すものであり、前記後演出は当該戦いの結果を示すものであることを特徴とする手段7-1に記載の遊技機。
前演出で発生した戦いの結果が後演出で示される、いわゆるバトル演出を分かりやすくすることが可能である。
・手段8-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記第一表示領域の少なくとも一部であって前記第二表示領域の前記透過部に重なる第一対象領域にて実行される第一対象演出と、前記第二表示領域の少なくとも一部である第二対象領域が前記画像表示部とされることで実行される第二対象演出とが、前記第二対象領域が前記透過部および前記画像表示部の一方から他方に交互に連続的に切り替わりつつ進行する同時期進行演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記同時期進行演出は、第一表示領域にて実行される第一対象演出と第二表示領域にて実行される第二対象演出とが、所定の期間中に並行して進行するという面白みのあるものである。
・手段8-2
前記第一対象演出として前記第一対象領域に第一対象画像が表示された後、前記第二対象演出として前記第二対象領域に前記第一対象画像と同じ対象を表したものであるが大きさが異なる第二対象画像が表示された状態に移行することを特徴とする手段8-1に記載の遊技機。
このようにすることで、第一対象画像と第二対象画像により表される対象が、手前に飛び出す・奥に引っ込むことを交互に繰り返しているかのように見える
・手段8-3
前記第一対象画像よりも前記第二対象画像の方が大きいものであることを特徴とする手段8-2に記載の遊技機。
第一対象画像が表示される第一表示領域よりも、第二対象画像が表示される第二表示領域の方が手前に設けられるため、第一対象画像よりも第二対象画像の方を大きくして、「飛び出す」状態と「引っ込む」状態の差が、より大きくなるようにするとよい。
・手段8-4
前記第一対象演出として前記第一対象領域に第一対象画像が表示された後、前記第二対象演出として前記第二対象領域に前記第一対象画像と同じ対象を表したものであるが色調が異なる第二対象画像が表示された状態に移行することを特徴とする手段8-1から手段8-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、第一対象画像と第二対象画像により表される対象が、色調が交互に変化する演出態様とすることが可能である。
・手段8-5
前記同時期進行演出の結果として、最終的に前記第二対象領域が前記透過部とされる第一結果と、最終的に前記第二対象領域が前記画像表示部とされる第二結果とが設定され、第二結果の方が第一結果に比して遊技者に有利な結果であることを特徴とする手段8-1から手段8-4のいずれかに記載の遊技機。
第一表示領域(第一対象領域)よりも第二表示領域(第二対象領域)の方が手前に位置するものであるため、より「迫力」がある第二表示領域(第二対象領域)にて示される第二結果の方が、遊技者に有利な結果とすることが好ましい。
・手段9-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記第二表示領域の少なくとも一部を先画像を含む前記画像表示部とし、当該先画像が後方に向かうかのような表示がなされた上で、当該画像表示部が前記透過部とされることで前記先画像が消去されるとともに前記第一表示領域における当該透過部に重なる部分に後画像が表示される受渡演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記受渡演出によれば、先画像から後画像への変化をリアルに表現することが可能となる。
・手段9-2
前記後画像は、前記先画像により表された対象と同じものを表す部分を含むものであることを特徴とする手段9-1に記載の遊技機。
このようにすることで、先画像により表された対象が、後画像により表される状態に変化したということを表現することが可能である。
・手段10-1
第一表示領域を有する第一表示装置と、前記第一表示装置の前方に設けられた第二表示領域を有する表示装置であって、当該第二表示領域の一部または全部を、後方に位置する前記第一表示領域に表示される画像を視認することが可能な透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な第二表示装置と、前記識別図柄が前記第一表示領域に表示され前記第二表示領域の前記透過部を通じて視認される第一状態、および、前記識別図柄の少なくとも一部が前記画像表示部として前記第二表示領域に表示される第二状態の一方から他方への変化が生じる特殊図柄表示演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記特殊図柄表示演出は、識別図柄が表示される表示領域が変化するという面白みのある演出である。
・手段10-2
前記第一状態にて前記識別図柄が次第に大きくなるような表示がなされた後、前記第二状態に変化することを特徴とする手段10-1に記載の遊技機。
このようにすることで、あたかも識別図柄が第一表示領域から第二表示領域に乗り移ったかのような印象を遊技者に与える演出とすることが可能である。
・手段10-3
前記第二状態にて前記識別図柄が次第に小さくなるような表示がなされた後、前記第一状態に変化することを特徴とする手段10-1または手段10-2に記載の遊技機。
このようにすることで、あたかも識別図柄が第二表示領域から第一表示領域に乗り移ったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
・手段10-4
前記第二状態においては、前記第一表示領域に前記識別図柄が表示されないことを特徴とする手段10-1から手段10-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、第一状態および第二状態の一方から他方への変化の際には、識別図柄が表示領域間を乗り移ったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
・手段10-5
前記第二状態においては、前記識別図柄は、前記第一表示領域に表示される第一部分、および、前記第二表示領域に表示される第二部分を含む態様とされることを特徴とする手段10-1から手段10-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、第一状態および第二状態の一方から他方への変化の際には、識別図柄の一部(第二部分)のみが表示領域間を乗り移ったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。
・手段11-1
表示領域の一部または全部を、後方を視認可能とする透過部、および当該透過部よりも視認性に劣る画像表示部とすることが可能な透過型表示装置を備え、所定情報を示すために前記透過型表示装置に表示される対象文字は、第一色からなる第一要素部および当該第一色とは異なる第二色からなる第二要素部を含むものであり、当該第一要素部および第二要素部の一方が把握できない状態となったとしても、当該対象文字の内容が認識可能となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
このようにすることで、透過型表示装置に表示される画像によらず、対象文字の内容を認識可能な状況とすることができる。
・手段11-2
前記透過型表示装置の後方に、別の表示装置を備え、前記別の表示装置には、前記対象文字と同じ内容を示す複写文字が表示されることを特徴とする手段11-1に記載の遊技機。
このようにすることで、対象文字が表示される箇所を透過部とする等、対象文字が視認できない状態であっても、複写文字により対象文字により示される情報と同じ情報が把握できる。
・手段11-3
前記対象文字および前記複写文字は、時間経過とともに内容が変化しうるものであり、前記対象文字および前記複写文字は、前後で重ならないように表示されることを特徴とする手段11-2に記載の遊技機。
対象文字と複写文字が時間経過とともに内容が変化するような動きのあるものである場合、両文字が前後で重なると見にくくなるため、両文字は前後で重ならないようにするとよい。
・手段11-4
前記対象文字および前記複写文字は、内容が固定化されたものであり、前記対象文字および前記複写文字は、前後で重なるように表示されることを特徴とする手段11-2に記載の遊技機。
対象文字と複写文字が固定化されたものであれば、両文字が前後で重なってもそれほど見にくくなることはない。