1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、表示装置10、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。表示装置10の表示領域11は、遊技盤90に形成された開口を通じて視認される領域である。また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(当否判定情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、当該数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否判定結果の報知が完了していない当否判定情報が存在する場合には、新たに取得された当否判定情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留画像(保留図柄)80として表示される(図2参照)。
本実施形態では、保留画像80として、当否判定結果を報知する報知演出は開始されている(当否判定結果を示す識別図柄70(識別図柄群70g)の変動は開始されている)ものの、当否判定結果の報知は完了していない(当否判定結果を示す態様で識別図柄70(識別図柄群70g)の変動が停止していない)ものに対応する変動中保留画像81(いわゆる「当該変動保留」を示す画像)と、当否判定結果を報知する報知演出が開始されていない(当否判定結果を示す識別図柄70(識別図柄群70g)の変動が開始されていない)ものに対応する変動前保留画像82が表示される(図2参照)。変動前保留画像82に対応する保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、始動入賞口904(いわゆる「特図1」)に入賞することによって得られる保留情報(当否判定情報)の最大の記憶数は四つである。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置10の表示領域11に表示される識別図柄70(図2参照)の組み合わせによって当否判定結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の識別図柄70を含む識別図柄群70g(左識別図柄群70gL、中識別図柄群70gC、右識別図柄群70gR)が変動を開始し、最終的に各識別図柄群70gから一の識別図柄70が選択されて停止する。大当たりに当選している場合には各識別図柄群70gから選択されて停止した識別図柄70の組み合わせは所定の組み合わせ(例えば、同じ識別図柄70の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。なお、各図においては、識別図柄70を構成する「数字(文字)」のみを図示するが、当該数字とキャラクタ等が組み合わされた図柄を識別図柄70として設定することができる。
2)各種演出
当否判定結果を報知する報知演出(識別図柄70の変動開始から当否判定結果を示す組み合わせで停止するまでの演出)を構成する演出として、種々の演出が実行される。以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な各種演出について説明する。なお、以下で説明する演出の全てが実行可能でなければならないわけではない。また、以下の説明において「画像」(例えば「基準画像」等)というときは、静止画と動画の両方を含むものとする。また、以下で説明する演出中に、いわゆる小図柄等、遊技に関する各種情報を示す小さな画像が表示領域11に表示されていてもよい(目立たないように表示領域11の外縁近傍に表示されるのが一般的である)が、以下の説明は当該画像の存在を無視した状態でいうものとする(当該画像の図示も省略する)。すなわち、あくまで遊技者に見せるための演出用の画像についての説明であるものとする。
2−1)画像変位演出
2−1−1)画像変位演出の基本的態様
画像変位演出の基本的態様は、表示装置10の表示領域11に基準画像20が表示された基準状態(図3(a)参照)から、表示領域11に対して当該基準画像20が変位したかのように表示された変位状態(図3(b)等参照)に変化するというものである。基準画像20は、基準状態にて表示領域11に表示される画像である。本実施形態では、基準状態にて表示領域11の全体に表示される画像が基準画像20として設定される。ただし、基準状態にて表示領域11に表示される画像の一部のみが基準画像20として変位する構成としてもよい。基準画像20は静止画および動画のいずれであってよいが、基準状態から変位状態にかけて基準画像20が表す画像の内容は遊技者から同一視できる態様に維持される。このようにすることで、遊技者は、基準状態にて表示されていた画像があたかも表示領域11に対して変位した(ずれた)かのような印象を受けることになる。基準状態は、基準画像20が表示領域11に対して変位していない状態、すなわち表示領域11の略全体に表示された状態であるとみることもできる。
表示領域11に対する基準画像20全体の変位態様は種々考えられる。本実施形態では、基準画像20が表示領域11(表示装置10)に対して奥(後)に変位したかのような表示(後方に変位したかのような表示)がなされる(図3(b)参照)。基準画像20が後方にズームアウトするかのような表示であるともいえる。ただし、かかる変位態様はあくまで一例である。図3(c−1)に示すように基準画像20が平面方向(表示装置10の表示領域11に沿う方向をいう。以下同じ)に沿って(上下および左右の少なくともいずれか一方の方向に)変位したかのような表示がなされるようにしてもよいし、図3(c−2)に示すように基準画像20が平面方向に対してあたかも傾斜するように変位したかのような表示(三次元的に変位したかのような表示)がなされるようにしてもよい。
また、時間経過とともに基準画像20の変位量が変化するかのような態様(例えば、基準画像20が揺れる態様)としてもよい。また、基準画像20の輪郭形状が変化する態様(例えば、基準画像20の輪郭が歪む態様)としてもよい。また、基準画像20の変位によりその一部が表示領域11外に位置したかのような態様(一部が見切れる態様)としてもよい。また、基準画像20が複数の部分に分割されて、各部分が表示領域11に対して変位したかのように表示される態様としてもよい。
また、画像変位演出の変位状態においては、基準画像20の外縁に沿う枠画像20Kが表示される(図3(b)参照)。当該枠画像20Kは、基準状態における表示領域11の外縁に相当する部分であることを示すものである。本実施形態では、基準状態において枠画像20Kは表示されない。つまり、画像変位演出は、基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示される演出であるから、当該変位を表現するために、変位状態にて枠画像20Kを表示する。遊技者は、基準状態における表示領域11の外縁が、変位状態にて枠画像20Kとして表示される箇所までずれてしまったかのような印象を受ける。表示領域11は、大まかにみて略方形状を呈するものであるから、本実施形態のように基準画像20が奥に変位したかのように表示される画像変位演出であれば、変位状態における枠画像20Kは表示領域11よりも小さい方形状を呈するものとされる。本実施形態では、基準状態から変位状態にかけて、枠画像20Kは表示領域11の外縁から次第に離れていくように形状変化し、最終的に図3(b)に示されるような態様に行き着く。なお、変位状態において枠画像20Kが表示されない態様としてもよい。
本実施形態における基準画像20は識別図柄70を含む(図3参照)。具体的には、基準画像20は、少なくとも識別図柄70およびその背景として表示される背景画像を含む。識別図柄70を表示する画像レイヤと背景画像を表示する画像レイヤを別のレイヤとし、前者のレイヤが後者のレイヤよりも手前に設定された構成とすれば、識別図柄70の背景として背景画像が表示された態様を構築することができる。本実施形態では、表示領域11に対して基準画像20が変位したことをリアルに表現するため、基準状態から変位状態に変化する過程においても識別図柄70(識別図柄群70g)の変動の連続性が保たれる(変動が継続する)ように設定されている。なお、基準画像20が識別図柄70を含まない設定とすることを否定するわけではない。
なお、本実施形態における基準画像20は、保留画像80を含まない。すなわち、変位状態においても保留画像80が表示される位置は変わらない(図3参照)。ただし、基準画像20に保留画像80が含まれるようにしてもよい。
2−1−2)画像変位演出による「特定組み合わせ」成立の報知(第一画像変位演出)
上述した通り、本実施形態では、識別図柄70の組み合わせにより当否判定結果が報知される。同じ識別図柄70の三つ揃いが大当たりであることを示す組み合わせ(大当たり組み合わせ)であり、それ以外がはずれであることを示す組み合わせ(はずれ組み合わせ)である。はずれ組み合わせの一部は、「特定組み合わせ」として設定されている。特定組み合わせが表示されることは、いわゆる「先読み(演出)」の一種として発生するものである。「先読み(演出)」は、ある当否判定結果(対象当否判定結果)が大当たりとなる蓋然性を、それよりも前に報知が完了する一または複数の先の当否判定結果についての報知演出(先の報知演出)を利用して示唆するものである(「先読み(演出)」自体は公知であるため詳細な説明を省略する)。先の当否判定結果(はずれ)示す組み合わせが特定組み合わせとなった場合、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる(大当たり)信頼度)が高まる。すなわち、特定組み合わせはいわゆる「チャンス目」であるということである。本実施形態では、先読み演出として利用される先の報知演出の数(いわゆる先読み回数)が多いほど、すなわち、特定組み合わせが表示される回数が多いほど、大当たり信頼度が高くなる。
特定組み合わせの具体的態様はどのようなものであってもよい。特定組み合わせであるか否かが区別できるような法則が設定されていればよい。本実施形態では、「3」の識別図柄70と「7」の識別図柄70から構成される組み合わせ(当然ではあるが、「3」や「7」の三つ揃いとなる大当たり組み合わせを除く)が特定組み合わせとして設定されている。なお、本実施形態では特定組み合わせの種類(法則)はこの一種類のみであるが、他の種類が設定されたものとしてもよい(例えば、「3」と「7」以外の奇数の識別図柄70から構成される組み合わせを別の種類の特定組み合わせとする)。複数種の特定組み合わせが設定される場合、各特定組み合わせが構築された場合の大当たり信頼度が互いに異なるものとすることが好ましい。また、特定組み合わせを構成する識別図柄70と、他の識別図柄70が区別できるようにするとよい。上記の例で言えば、「3」と「7」の識別図柄70の色を、他の識別図柄70の色と異ならせる。このようにすることで、同じ色の識別図柄70が揃ったものが特定組み合わせであることを容易に把握することができる。
以下、先の報知演出にて、上記特定組み合わせが成立する可能性がある場合に実行されることがある画像変位演出(後述する第二画像変位演出と区別するため、第一画像変位演出と称することもある)ついて説明する。まず、基準状態(図4(a)参照)から、変位状態(図4(b)参照)に変化する。上述した通り、基準画像20が表示領域11に対してあたかも後方に向かって変位したかのように表示される。基準状態から変位状態にかけて(変位状態に移行した直後)は、識別図柄70(識別図柄群70g)の変動の連続性が保たれる(図4(b)参照)。
その後、識別図柄70の変動速度が低下し、変位状態における基準画像20が三つの識別図柄70を含んだ状態とされる(図4(c)参照)。当該三つの識別図柄70による組み合わせは、特定組み合わせ(例えば「3・7・7」という組み合わせ)とされる。なお、当該変位状態においては、各識別図柄70の変動(動き)は完全に停止した状態にない(当該時点においては、当否判定結果の報知は完了していないし、特定組み合わせが成立したわけではない)。具体的には、遊技者には停止したかのように見えるものの、実際には完全に停止していない擬似停止状態(例えば、わずかに揺れた状態)にある。かかる状態は、特定組み合わせが成立するかもしれないこと(成立しそうな状況であること)を遊技者に示す状態であるともいえる。端的に言えば、特定組み合わせが成立するかもしれないことを示す「煽り」である。
特定組み合わせの成立は、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高まるという遊技者に有利な事象をもたらすものである。したがって、変位状態における基準画像20は、遊技者に有利な事象が発生することを示唆する(有利な事象が発生する可能性があることを示す)「示唆要素」(特定組み合わせを構成する識別図柄70)を含むものであるといえる。
変位状態において、表示領域11における基準画像20(枠画像20K)が表示された領域以外の領域、すなわち基準画像20(枠画像20K)の外側の領域を基準外領域12とする。当該基準外領域12は、基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示されることによって生じる領域であるともいえる。変位状態では、当該基準外領域12に演出画像30が表示される(図4(b)(c)参照)。演出画像30は、変位状態における演出効果を高めるために表示される画像である。本実施形態では、基準画像20(枠画像20K)の周囲に「テレビ」を構築するかのような画像が表示される。具体的には、基準画像20がテレビの「画像表示部分」(モニタ部分)であり、その周囲にテレビの筐体(額縁部分等)が存在するかのような画像が第一演出画像31として表示される。また、基準外領域12には、当該「テレビ」を見ているかのような人物が第二演出画像32として表示される。このように、変位状態においては、画像表示部分にて特定組み合わせの識別図柄70が表示されたテレビをある人物が見ているかのような状況を示す画像が表示領域11に表示されることになる。なお、このような演出画像30が必ず表示されなければならないわけではないが、少なくとも、演出画像30が表示された場合の方が、表示されない場合よりも、演出が分かりやすくなるといえる。
変位状態となった基準画像20にて擬似停止した識別図柄70により特定組み合わせが構築された時点が演出の分岐点である。具体的には、基準画像20が特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)を含む状態となった後、成功結果となるケース(遊技者に有利な事象が発生するケース)(図5参照)、および、失敗結果となるケース(遊技者に有利な事象が発生しないケース)(図6参照)のいずれか一方が発生する。以下、各結末について説明する。
変位状態の後、基準画像20が特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)を含んだ態様で基準状態に戻った場合が成功結果である。具体的には、「テレビ」のモニタに表示された特定組み合わせを構成する識別図柄70がズームアップされ、基準画像20(テレビのモニタ部分)が表示領域11の全体に広がるような変化が発生することにより基準状態に戻る(図5(a)参照)ことで、表示領域11に特定組み合わせを構成する識別図柄70が表示された状態に至ることになる。基準状態に戻った後、識別図柄70の動き(変動)が完全に停止する。つまり、先の当否判定結果がはずれであることが示されるとともに、当該はずれを示す組み合わせが特定組み合わせ(チャンス目)となったことが示される(図5(b)参照)。すなわち、成功結果となった場合には、表示領域11全体にて特定組み合わせの成立が示された上で、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高まるという遊技者に有利な事象が発生する。その後、次の当否判定結果についての報知演出(次変動)が開始される(図5(c)参照)。当該次の当否判定結果が対象当否判定結果ではない場合には、当該次の当否判定結果の報知演出においても上記のような第一画像変位演出(二回目の先読み)が発生する可能性がある。
一方、変位状態にて基準画像20が特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)を含んだ態様から当該特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)を含まない態様に変化した場合が失敗結果である。具体的には、特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)を表示する「テレビ」が壊れたかのような状況であることを示す態様の画像(例えば、テレビの筐体から煙が出ているかのような画像)が、失敗結果となったことを分かりやすく示す補助画像39として基準外領域12に表示される。また、これととともに「テレビ」のモニタにいわゆる砂嵐(スノーノイズ)が表示されているかのような状態とされる。すなわち、失敗結果となる場合、基準画像20が含んでいた特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)が消去され、基準画像20は特定組み合わせを構成する識別図柄70(示唆要素)を含まない状態に変化する(図6(a)参照)。このような状態に変化することで、特定組み合わせが成立しなかったという結末に至ったこと(遊技者に不利な結果となったこと)が示される。つまり、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高まるという遊技者に有利な事象は発生しないことになる。
失敗結果に至った後は、場面の切り替えがなされ、先の当否判定結果がはずれであることを示す識別図柄70の組み合わせが表示領域11に表示される。当該識別図柄70の組み合わせは、特定組み合わせではない(図6(b)参照)。すなわち、失敗結果に至った後、改めて特定組み合わせ(チャンス目)が成立しなかったことが明確に示されることになる。その後、次の当否判定結果についての報知演出(次変動)が開始される(図6(c)参照)。
このように、本実施形態における第一画像変位演出は、変位状態となった基準画像20が遊技者に有利な事象が発生することを示唆する示唆要素を含み、当該基準画像20が示唆要素を含んだ態様で基準状態に戻った場合には、実際に有利な事象が発生することになるという面白みのある演出である。
一方、変位状態にて基準画像20が示唆要素を含んだ態様から当該示唆要素を含まない態様に変化した場合には、遊技者に有利な事象が発生しないという分かりやすい演出である。特に、本実施形態では、基準外領域12に遊技者に不利な結果となったことを示す補助画像39(テレビから煙が出たかのような画像)が表示されるから、当該不利な結果に至ったことが分かりやすい。基準外領域12は、基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示されることによって生じる領域であるから、上記補助画像39を表示することは基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示されることを巧みに利用した演出であるということもできる。
上記第一画像変位演出は、基準画像20が含む示唆要素は、変位状態にある段階では有効ではなく、基準画像20が基準状態に戻ることで有効になるものであるとみることもできる。逆の見方をすれば、示唆要素を含む基準画像20が基準状態に戻らなければ、示唆要素による示唆は有効にならないということである。
以下、上記第一画像変位演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記実施形態では、先の当否判定結果(はずれ)を報知する識別図柄70により特定組み合わせが構築されることが、対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる先読み演出として設定されていることを説明したが、先読み演出以外の演出にも利用可能である。先読み演出のように複数の報知演出(複数の変動)に跨って発生するものではなく、一の報知演出(第一画像変位演出による信頼度示唆の対象となる当否判定結果を報知する報知演出)にて発生するものであってもよい。例えば、いわゆる擬似連続演出にも利用可能である。擬似連続演出それ自体は周知であるため詳細な説明を省略するが、対象当否判定結果を報知する報知演出にて、変動する識別図柄70が擬似停止し、再変動する単位演出を一または複数回繰り返すものである。当該単位演出の発生は、大当たり信頼度が高まる遊技者に有利な事象として設定されている(一般的には、当該単位演出の発生回数が多いほど、大当たり信頼度が高くなる)。
擬似停止時における識別図柄70の組み合わせが特定組み合わせ(上記実施形態とは異なる法則に基づく組み合わせであってもよい。「3・4・4」といったように、中の識別図柄70と右の識別図柄70が同じとなる組み合わせを例示することができる)となった場合に、単位演出(再変動)が発生するものであるとする。このような構成において、特定組み合わせが成立するか否かを、第一画像変位演出にて示されるものとすることができる。すなわち、特定組み合わせの成立によって示される遊技者に有利な事象は上記実施形態にて説明した事象に限られるわけではない。
○第二具体例
上記実施形態では、基準画像20が含む示唆要素は、識別図柄70によって構成される特定組みわせ(チャンス目)であることを説明したが、遊技者に有利な事象が発生することを示唆する要素であり、基準画像20に含めることのできる要素(画像として表示できるもの)であればよい。例えば、ある報知演出にて表示された場合、当該報知演出に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる画像(以下、好機画像35と称する)が設定されているとする。当該好機画像35が表示される(いわゆるチャンスアップ演出が発生する)かどうかの「煽り」として第一画像変位演出を利用することができる。
変位状態にて、基準画像20が示唆要素として好機画像35を含むものとされる(図7(a)参照)。成功結果となる場合には、基準画像20が好機画像35を含んだ態様で基準状態に戻る。つまり、表示領域11に好機画像35が表示された状態になり、対象当否判定結果の大当たり信頼度が高まったこと、すなわちチャンスアップ演出が発生したことが示される(図7(b−1)参照)。一方、変位状態にて基準画像20が好機画像35を含んだ態様から当該好機画像35を含まない態様に変化した場合には、チャンスアップが発生しなかったことが示される(図7(b−2)参照)。このように、基準画像20が含む好機画像35は変位状態の時点で有効ではなく、当該好機画像35を含む基準画像20が基準状態に戻れば好機画像35による示唆が有効になる(基準画像20が基準状態に戻らなければ好機画像35による示唆が有効にはならない)構成とすることができる。
なお、好機画像35は、変位状態における態様と、基準状態に戻った後の態様が異なるものであってもよい。例えば、変位状態においては、好機画像35による示唆が未だ有効ではないことを示すために好機画像35を半透明な態様とする(図7(a)参照)一方、基準状態に戻った後は、好機画像35の示唆が有効であることを示すために、好機画像35を半透明ではない態様(変位状態における態様よりも明確な態様)とする(図7(b−1)参照)。このように、変位状態における好機画像35と、基準状態に戻った後の好機画像35が同一視できるものであればよい。
また、好機画像35の種類は複数種設定されていてもよい。例えば、成功結果となった場合における対象当否判定結果の大当たり信頼度が異なる複数種の好機画像35が設定されていてもよい。このようにすることで、変位状態において表示される好機画像35が高信頼度のものであるほど、成功結果となることを遊技者が願う遊技性を実現することができる。
○第三具体例
変位状態において基準外領域12に表示される演出画像30の態様により、成功結果となる蓋然性(遊技者に有利な事象が発生する蓋然性)が示唆されるものとする。上記実施形態では、第二演出画像32として「テレビ」を見ているかのような人物が基準外領域12に表示されることを説明したが、当該第二演出画像32として複数種の候補画像のうちのいずれかが表示されるものとする。複数種の候補画像のうちのいずれが第二演出画像32として表示されるかによって、成功結果となる蓋然性が異なるものとする。例えば、第二演出画像A(図8(a)参照)および第二演出画像B(図8(b)参照)のいずれかが表示されるものとする。そして、第二演出画像Aが表示された場合よりも、第二演出画像Bが表示された場合の方が、成功結果となる蓋然性が高い設定とする(図8参照)。つまり、複数種の候補画像のうちのいずれが実際に演出画像30として表示されるかにより、成功結果となる蓋然性が示唆されるものとする。
上記実施形態にて説明したように、基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示されることで、基準外領域12が必然的に生じることになる。本例は、必然的に生じる基準外領域12を巧みに利用するものであるといえる。
○第四具体例
変位状態における基準画像20の形状、すなわち枠画像20Kの形状が演出の度に異なる可能性があるものとする。そして、当該基準画像20の形状により、成功結果となる蓋然性が示唆されるものとする。例えば、基準画像20の候補形状として、第一形状(図9(a)参照)、第二形状(図9(b)参照)、第三形状(図9(c)参照)の三種類が設定されているものとする。第一画像変位演出における変位状態においては、当該三種の形状のうちのいずれかが基準画像20の形状として設定されるものとする。そして、第一形状、第二形状、第三形状の順で、成功結果となる蓋然性が高い(第三形状が最も高い)設定とする(図9参照)。このようにすることで、変位状態における基準画像20の形状にも注目する演出態様とすることができる。基準画像20が変位状態になるということは、その形状を変化させることができるということであるから、それを利用して成功結果となる蓋然性を示唆する。
本例のようにする場合、変位状態における基準画像20の大きさが大きい(表示領域11全体に対し占める範囲が大きい)ほど、成功結果になる蓋然性が高い設定とすることが好ましい。例えば、第一形状、第二形状、第三形状の順で、成功結果となる蓋然性が高い(第三形状が最も高い)設定とするのであれば、第一形状、第二形状、第三形状の順で、基準画像20の大きさが大きくなるものとすればよい(図9参照)。変位状態における基準画像20が大きいということは、基準画像20の外縁(枠画像20K)が表示領域11に近いということである。基準画像20の外縁が表示領域11に近いということは、基準画像20が表示領域11全体まで広がりやすく見えるということである。つまり、基準画像20の大きさと、基準画像20が広がること(成功結果となること)が関連性のある態様とすることで、第一画像変位演出が分かりやすくなる。
○第五具体例
変位状態における枠画像20Kの態様が演出の度に異なる可能性があるものとする。そして、当該枠画像20Kの態様により、成功結果となる蓋然性が示唆されるものとする。例えば、枠画像20Kの候補態様として、第一態様(図10(a)参照)、第二態様(図10(b)参照)、第三態様(図10(c)参照)の三種類が設定されているものとする。第一画像変位演出における変位状態においては、当該三種の態様のうちのいずれかが枠画像20Kの態様として設定されるものとする。そして、第一態様、第二態様、第三態様の順で、成功結果となる蓋然性が高い(第三態様が最も高い)設定とする(図10参照)。このようにすることで、変位状態における枠画像20Kの態様にも注目する演出態様とすることができる。
枠画像20Kの態様の違いを設定する手法は種々考えられる。枠画像20Kの色や、枠画像20Kの太さ等により態様の違いを設定することが考えられる(図10に示した例は、枠画像20Kの「太さ」が異なるものである)。
○第六具体例
上記実施形態では、変位状態にて基準画像20が示唆要素を含んだ態様から当該示唆要素を含まない態様に変化した場合が失敗結果であることを説明したが、これはあくまで一例である。基準画像20が基準状態に戻らない態様(すなわち成功結果とは異なる態様)であれば、失敗結果として設定する態様は種々考えられる。
例えば、成功結果および失敗結果のいずれとなる場合であっても、変位状態にある基準画像20が元の状態に戻ろうとする(図11(a)参照)。すなわち、基準画像20が表示領域11に近づくように大きくなる(基準画像20がズームアップされるように見える)。最終的に、基準画像20の外縁(枠画像20K)が見えなくなるまで大きくなること(図11(c−1)参照)が成功結果として設定され、そこまで至らないこと(例えば、小さくなってしまうこと)(図11(c−2)参照)が失敗結果として設定された構成とする。つまり、基準画像20が表示領域11全体まで広がるか否かを、成功/失敗の違いとして設定する。なお、結果に至るよりも前の段階において、基準画像20の外縁(枠画像20K)が大きくなったり、小さくなったりする「煽り」が発生するようにしてもよい(図11(b)参照)。このようにすれば、演出の目的(ゴール)が分かりやすくなるという利点がある。
2−1−3)画像変位演出による「ステージチェンジ」(第二画像変位演出)
本実施形態では、画像変位演出を利用したステージチェンジが発生する。「ステージ」は、実行される報知演出の「様式」に相当するものであるといえる(「モード」「ゾーン」等と称されることもある)。例えば、遊技機1のモチーフとなったアニメの登場人物(キャラクタ)のステージが設定される。あるキャラクタのステージが設定されている場合には当該あるキャラクタが主役となるような報知演出が展開され、別のキャラクタのステージが設定された場合には当該別のキャラクタが主役となるような報知演出が展開される。ステージの違いは、識別図柄70の背景として表示される背景画像にも現れる。「○○ステージ」といったように、現在設定されているステージの名称が表示領域11に表示される(背景画像に含まれる)ようにしてもよい。
以下、第一ステージから当該第一ステージとは異なる第二ステージへの「ステージチェンジ」が発生する際の流れについて説明する。なお、ステージの種類は三種以上であってもよい。また、図面においては、第一ステージが設定されているときには「〇〇ステージ」との文字が、第二ステージが設定されているときには「××ステージ」との文字が、表示領域11に表示される(背景画像に含まれる)ものとして両ステージの違いを表す(なお、第二画像変位演出を説明する図以外の図においては当該文字を省略する)。また、第一ステージの背景画像を第一背景画像41と、第二ステージの背景画像を第二背景画像42と称することもある。
ステージチェンジの第一段階は、表示領域11に基準画像20が表示された基準状態(図12(a)参照)から、当該基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示された変位状態(図12(b)参照)に変化することである。本実施形態では、基準画像20が表示領域11に対して奥(後)に変位したかのような表示(後方に変位したかのような表示)がなされる。つまり、第一段階は、画像変位演出そのものであるともいえる。この段階における基準画像20は、識別図柄70およびその背景画像を含むものである。当該背景画像は、ステージチェンジ前の背景画像、すなわち第一背景画像41である。なお、本実施形態では識別図柄70(識別図柄群70g)が変動している最中にステージチェンジが発生するから、基準画像20が含む識別図柄70は変動している。識別図柄70の変動が停止または擬似停止(完全には停止していないものの遊技者には停止しているように見える状態)した状態でステージチェンジが発生してもよい。
第一段階の後の第二段階は、基準外領域12に特定画像50が表示されることである(図12(c)参照)。つまり、第一段階にて、基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示されることによって必然的に生じる基準外領域12に特定画像50が表示される。特定画像50は「ステージチェンジ」を実現するための画像である。本実施形態では、基準画像20の左側および右側に生じる基準外領域12に、「扉」(左右一対の「扉」)を表す特定画像50が表示される。なお、本実施形態における当該「扉」は「開き戸」を表したものである。なお、上記第一段階にて変位状態に至ることと第二段階(基準外領域12に特定画像50が表示されること)が同時期に発生するようにしてもよい。
第二段階の後の第三段階は、特定画像50が変位して基準画像20を覆うような表示がなされるものである(図13(a)参照)。具体的には、基準画像20の左側に表示されていた特定画像50(扉の左側)および右側に表示されていた特定画像50(扉の右側)が互いに近づくよう幅方向中央に向かって変位していき、最終的には基準画像20の全体を覆う。つまり、扉が閉められるような表示がなされ、最終的には表示領域11の略全体または一部(少なくとも第二段階にて基準画像20が表示されていた範囲)が扉に覆われた(表示領域11の左半分に扉の左側が、右半分に扉の右側が表示された)ような状態となる。なお、基準画像20を表す画像レイヤよりも特定画像50を表す画像レイヤを手前に設定することで、基準画像20が特定画像50に覆われていく状況を作り出すことができる。
第三段階の後の第四段階は、特定画像50が変位して基準画像20を露出させるような表示がなされるものである(図13(b)参照)。具体的には、表示領域11の左側に表示されていた特定画像50(扉の左側)および右側に表示されていた特定画像50(扉の右側)が互いに離れる方向に左右に変位していく。つまり、扉が開かれるような表示がなされる。これにより、そして、当該開かれた扉の内側に、基準画像20が表示される。閉められていた扉が開放されることで、扉の内側に存在していた基準画像20が露わになるような態様の演出とされる。この段階における基準画像20は、上記第一段階における基準画像20と同様に、識別図柄70およびその背景画像を含むものである。ただし、背景画像は、ステージチェンジ後の背景画像、すなわち第二背景画像42である。背景画像を一種の「演出要素」と捉えるのであれば、第一段階〜第三段階にて表示される基準画像20が含む演出要素と、第四段階にて表示される基準画像20が含む演出要素は異なるということである。なお、本実施形態では第二背景画像42の手前側で識別図柄70(識別図柄群70g)が変動している。また、第四段階において、特定画像50(扉)は、基準画像20の左側および右側に表示された状態にある。
第四段階の後の第五段階は、第四段階にて表示された基準画像20(第二背景画像42を含む画像)が表示領域11の全体に広げられるような表示がなされるものである(図13(c)参照)。すなわち、第四段階においては存在していた基準画像20が表示されていない領域が、基準画像20に覆われるような表示がなされる。このような基準画像20の広がりにより、第四段階において表示されていた特定画像50(扉)は基準画像20に覆われて見えなくなる。なお、基準画像20を表す画像レイヤの方を特定画像50を表す画像レイヤよりも手前に設定することで、基準画像20により特定画像50が覆われていく状況を作り出すことができる。つまり、第五段階(第四段階)におけるレイヤの前後は、第三段階におけるレイヤの前後と逆であるということである。ただ、第三段階までの基準画像20(第一背景画像41を含む画像)と、第四段階以降の基準画像20(第二背景画像42を含む画像)は、ステージチェンジ前の画像とステージチェンジ後の画像という点で異なる画像であるとみることもできる。このように捉えるのであれば、特定画像50を表すレイヤは、第三段階までの基準画像20を表すレイヤよりも前に、第四段階以降の基準画像20を表すレイヤよりも後に設定されるものであるということもできる。
このようにして第五段階に至ることで、第一ステージ(第一背景画像41が表示領域11の全体に表示された状態)から、第二ステージ(第二背景画像42が表示領域11の全体に表示された状態)に移行することになる。
このように、本実施形態にかかる遊技機1によれば、画像変位演出を用いて面白みのあるステージチェンジを実現することが可能である。具体的には、画像変位演出が実行されることによって必然的に生じる基準外領域12に特定画像50としての扉を表示し、当該扉の開閉を経てステージ(背景画像)が変化するという面白みのあるものである。
以下、上記第二画像変位演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
第二画像変位演出が発生してもステージチェンジが実現するとは限らない構成としてもよい。すなわち、上記実施形態にて説明した第一段階〜第五段階は、ステージチェンジが実現される場合の流れの演出であり、このような流れの演出が発生しないケースが生じうるものとする。ステージチェンジが実現されないケースの演出態様としては、以下のようなもの((A)〜(C))が考えられる。
(A)第一段階まではステージチェンジが実現される場合と同じ流れの演出とすることが考えられる。その後、特定画像50が変位して基準画像20を覆うような表示がなされないようにすることで、ステージチェンジが実現されないことを示すものとする。すなわち、基準外領域12の左側に表示される特定画像50(扉の左側)および右側に表示される特定画像50(扉の右側)が互いに近づく方向に変位し(「扉」が閉鎖され)、特定画像50(扉)により基準画像20が覆われる事象が発生しないものとする。特定画像50としての「扉」が閉まりそうになる「煽り演出」が発生するようにしてもよい。つまり、煽り演出(図14(a)参照)後、最終的に「扉」が閉鎖されれば(図14(b−1)参照)ステージチェンジが実現されることになる(図14(c−1)参照)一方、最終的に「扉」が閉鎖されなければ(図14(b−2)参照)ステージチェンジが実現されない(図14(c−2)参照)ということになる。なお、その後の展開はどのようなものであってもよい。例えば、扉が閉鎖されない状況が示された後、場面切替がなされ、元のステージ(第一ステージ)が表示された状態に移行するようにすればよい。
(B)別の態様としては、第二段階まではステージチェンジが実現される場合と同じ流れの演出とすることが考えられる。その後、特定画像50が変位して基準画像20を露出させるような表示がなされないようにすることで、ステージチェンジが実現されないことを示すものとする。すなわち、表示領域11の左側に表示される特定画像50(扉の左側)および右側に表示される特定画像50(扉の右側)が互いに離れる方向に変位し、基準画像20が露出するという事象が発生しないものとする。特定画像50としての「扉」が左右に開きそうになる「煽り演出」が発生するようにしてもよい。つまり、煽り演出(図15(a)参照)後、最終的に「扉」が開放されれば(図15(b−1)参照)ステージチェンジが実現される(図15(c−1)参照)ことになる一方、最終的に「扉」が開放されなければ(図15(b−2)参照)ステージチェンジが実現されない(図15(c−2)参照)ということになる。なお、その後の展開はどのようなものであってもよい。例えば、扉が開放されない状況が示された後、場面切替がなされ、元のステージ(第一ステージ)が表示された状態に移行するようにすればよい。
(C)さらに別の態様としては、第三段階の後、第四段階で特定画像50(扉)が変位して基準画像20を露出させるような表示がなされるものの、当該基準画像20が元のステージ(第一ステージ)のままである、すなわち第一背景画像41を含む画像である演出とすることが考えられる。すなわち、第三段階(図16(a)参照)の後、特定画像50(扉)が変位することによって露出した基準画像20が含む背景画像が変化していれば(第一段階における背景画像(第一背景画像41)と異なる背景画像(第二背景画像42)であれば)(図16(b−1)参照)、ステージチェンジが実現された(図16(c−1)参照)ということを示し、背景画像が変化していなければ(第一段階における背景画像(第一背景画像41)と同じ背景画像(第一背景画像41)であれば)(図16(b−2)参照)、ステージチェンジが実現されなかった(図16(c−2)参照)ということを示す演出とする。ステージチェンジが実現されるか否かによらず、その後、基準画像20が表示領域11の全体まで広げられる(上記実施形態にて説明した第五段階のような事象が発生する)(図16(c−1)(c−2)参照)。つまり、ステージチェンジが実現されない場合には、第一背景画像41を含む基準画像20が表示領域11の全体まで広げられる。
本例のような態様((A)〜(C)のような態様)とする場合、ステージチェンジが発生することは、遊技者に有利な事象として(いわゆるチャンスアップとして)設定されていることが好ましい。具体的には、ステージチェンジが発生した場合には、当該ステージチェンジが発生した報知演出に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる設定とすることや、ステージチェンジが発生した時点で記憶されている保留情報のいずれかに対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まる設定(いわゆる先読み演出としてステージチェンジが発生する設定)とすることが考えられる。このようにすれば、第二画像変位演出におけるステージチェンジが発生するかどうかの分岐点で実際にステージチェンジが発生することを願う遊技性が実現される。
○第二具体例(第一具体例をより具体化した例)
上記第一具体例にて説明したように、第二画像変位演出が発生してもステージチェンジが実現するとは限らない構成とする。これを前提として、ステージチェンジが実現する蓋然性が示唆されるものとする。当該示唆の例としては以下のようなもの((D)〜(F))が考えられる。
(D)基準外領域12の形状(すなわち枠画像20Kの形状)に応じてステージチェンジが実現する蓋然性が異なるものとする。例えば、第一段階にて基準画像20が表示領域11に対して変位したかのように表示された変位状態における基準外領域12の大きさとして、複数種の大きさが設定されたものとし、いずれの大きさとなるかに応じ、ステージチェンジが実現する蓋然性が異なるものとする。なお、基準外領域12は、表示領域11における基準画像20が表示された領域以外の領域に相当するから、基準外領域12が大きいほど、基準画像20が小さいということである。このようにすることで、基準外領域12の大きさ(基準画像20の大きさ)に遊技者が注目する演出態様となる。
このようにする場合、基準外領域12の大きさが大きい、すなわち基準画像20の大きさが小さいほど、ステージチェンジが実現する蓋然性が高くなる設定とすることが好ましい(図17参照)。基準画像20が小さくなるほど、当該基準画像20が扉(特定画像50)に覆われて、ステージチェンジが実現しそうに遊技者には見えると想定されるからである。
(E)別の態様としては、特定画像50(扉)の態様によりステージチェンジが実現する蓋然性が異なるようにすることが考えられる。具体的には、第二段階にて基準外領域12に表示される特定画像50(扉)の態様として、複数種の態様が設定されたものとし、いずれの態様となるかに応じ、ステージチェンジが実現する蓋然性が異なるものとする。
特定画像50(扉)の態様の差を設定する手法は種々考えられる。一例としては、特定画像50(扉)の大きさを異ならせることが考えられる。このようにする場合には、特定画像50(扉)の大きさが大きいほど(基準外領域12に占める特定画像50の範囲が大きいほど)、ステージチェンジが実現する蓋然性が高くなる設定とすることが好ましい(図18参照)。特定画像50(扉)が大きくなるほど、基準画像20が当該特定画像50(扉)に覆われて、ステージチェンジが実現しそうに遊技者には見えると想定されるからである。
別例(図示せず)としては、特定画像50(扉)の色調を異ならせることが考えられる。例えば、特定画像50の色調として青、緑、赤のいずれかが設定されるものとし、当該順でステージチェンジが実現する蓋然性が高くなる(「赤」が最も高い)設定とする。
(F)さらに別の態様としては、変位状態における枠画像20Kの態様によりステージチェンジが実現する蓋然性が異なるようにすることが考えられる。
当該枠画像20Kの態様の差を設定する手法としては種々考えられる。例えば、枠画像20Kの「太さ」を異ならせることが考えられる。この場合、枠画像20Kが細いほど、ステージチェンジが実現する蓋然性が高くなる設定とすることが好ましい(図19参照)。枠画像20Kが太いほど、変位状態において表示される基準画像20のステージ(第一ステージ)が維持されるように遊技者には見えると想定されるからである。
○第三具体例
第二画像変位演出は、上記実施形態にて説明した第四段階にて終了する(第五段階が発生しない)態様としてもよい。上述した通り、第四段階は、特定画像50が変位して基準画像20を露出させるような表示がなされるものである。基準画像20が露出したときには、当該基準画像20が表示領域11の全域に表示された状態にあるものとする(図20(b)参照)。このようにすれば、露出した基準画像20が表示領域11の全体に広げられる変化、すなわち上記実施形態にて説明した第五段階の変化を発生させる必要はない。
○第四具体例
上記実施形態における第二画像変位演出は、ステージチェンジ(背景画像の変化)を実現する演出であることを説明したが、対象はステージチェンジに限られない。例えば、報知演出中に表示領域11に表示される画像として表示されたときの大当たり信頼度が異なる複数種の画像(信頼度示唆画像51)が設定されているものとする。ある種の信頼度示唆画像51(第一信頼度示唆画像511)が表示されているときに、第二画像変位演出が発生し(図21(a)(b)参照)、当該ある種の信頼度示唆画像51よりも大当たり信頼度の高い別種の信頼度示唆画像51(第二信頼度示唆画像512)が表示された状態に変化するものとする(図21(c)(d)参照)。つまり、基準画像20が含む信頼度示唆画像51を、信頼度が高まる方向に変化させることに第二画像変位演出を利用する。
2−2)事前画像演出
事前画像演出は、事前演出および当該事前演出の後に発生する事後演出を含む。事前画像演出の主要部61は、事前演出に相当する部分である。事前演出は、表示領域11に表示される事前画像55を用いた演出である。後述するように、事前演出は、時間経過とともに事前画像55が変化していく演出であるが、当該事前画像55は時間を示す画像ではない。具体的には、時間経過とともに変化する(カウントダウンやカウントアップされる)ような数字を含むものではない。
本実施形態における事前画像55は、「花火玉」を表したかのような画像(図22(b)等参照)である。具体的には、花火玉の本体部分(玉の部分)(以下、本体部551と称する)および導火線の部分(以下、変化部552と称する)を含む。本実施形態では、本体部551が表示領域11の下側に位置し、そこから直線状の変化部552が上方に延びるような態様とされ、変化部552が表示領域11の側縁(左側縁または右側縁)に沿うように表示される。なお、変化部552は屈曲するような態様であってもよい。なお、本体部551は、演出を分かりやすくするため(「花火玉」であることを分かりやすく示すため)に表示される部分であって、事前画像55の本質的な部分ではない。事前画像55の本質的部分は変化部552である。
当該事前画像55が表示されること(図22(b)等参照)を契機として事前演出が開始される。事前画像55が表示されるタイミングは不定である(表示タイミングが複数設定されている)。すなわち、報知演出のどのタイミングで事前画像55が表示されるかを遊技者が完全に予測することはできない。事前画像55が表示された段階で、導火線である変化部552は着火されたかのような態様とされている。すなわち、導火線の先端が燃えているかのような態様とされる。
事前演出が開始されると、事前画像55の変化部552は、時間経過とともに変化していく。具体的には、時間経過とともに次第に短く(小さく)なっていく(変化部552の先端の位置が下方に変位していく)(図22(c)等参照)。事前画像55(変化部552)の時間当たりの変化量(本実施形態では、変化部552の先端が移動する距離)は一定である。すなわち、経過時間当たりの事前画像55(変化部552)の変化量である画像変化速度は、事前演出を通じて一定である。
このように時間経過とともに変化していく事前画像55の変化部552は、最終的には最終態様に至る(図23(a)等参照)。本実施形態では、変化部552が無くなることが最終態様として設定されている。変化部552が無くなるということは、花火玉の本体部551に「点火」されるということである。つまり、「点火」のタイミングが最終態様として設定されている。なお、これはあくまで一例である。変化部552は時間経過とともに短く(小さく)なっていくものであるから、所定の大きさまで小さくなることが最終態様として設定されていてもよい。
事前画像55の変化部552が最終態様に至ることを契機として「花火」が打ちあがったかのような画像が表示される(図22(b)等参照)。事前演出が開始された開始時点を基準とすれば、開始時点から所定時間が経過したことを契機として「花火」が打ちあがるということである。ただし、事前画像55は「数字」を含むものではないから、当該所定時間は「数字」で表されるものではない。すなわち、遊技者は、変化部552が次第に短くなっていく変化を見ながら、「花火」が打ちあがるタイミングを予測することになる。後述するように、当該タイミングは、事後演出が発生するタイミングである。
事前画像55の変化部552が最終態様に至ることを契機として(「花火」が打ちあがると略同時に)、事後演出が発生する。事前画像55の変化部552が最終態様に至る時点を「終了時点」とすれば、終了時点に到達することを契機として事後演出が発生するということである。事後演出は、遊技者に有利な事象(以下、結果事象)を発生させるものである(図22(b)等参照)。結果事象としては複数種の事象が設定されており、当該複数種の事象のうちのいずれかが発生する。各結果事象は、いずれも遊技者にとって喜ばしいものとされる。図示しないが「擬似連の発生」、「可動役物の動作」、「チャンスアップ画像の表示」等、発生することで大当たり信頼度が高まる事象を例示することができる。また、結果事象として、対象の当否判定結果(事前画像演出が発生した報知演出に対応する当否判定結果)の大当たり信頼度を示唆するもの(信頼度示唆演出)」が設定されていてもよい。当該演出の例としては「チャンス」「激熱」といった画像を表示して、対象の当否判定結果の大当たり信頼度を示唆することが挙げられる。
また、結果事象には、「将来的に発生する遊技者に有利な事象の予告」が含まれていてもよい。「NEXT」といった画像を表示して「擬似連」が将来的に発生することを予告したり(図22(b)(c)等参照)、図示しないが「群」といった画像を表示して「群演出」(周知のチャンスアップ演出である)が将来的に発生することを予告したりする。つまり、終了時点ですぐに何らかの事象が発生するのではなく、そこから先の期間において示唆された事象が発生することの予告が「結果事象」として設定された構成としてもよい。ただし、本実施形態では、予告される事象は、あくまで対象の当否判定結果の報知が完了するまでである(一変動中に限定される)。なお、本実施形態では、予告された事象は、必ず発生するように構成されている(予告された事象が発生しないことが、いわゆる「プレミア」(大当たり確定演出)として設定された構成としてもよい)。
このような結果事象が設定されているため、遊技者は、事前画像55の変化部552が最終態様に至る時点(終了時点)を予測して楽しむことになる。ある事前画像演出にて示される結果事象は、終了時点と略同時または将来(先の期間)において発生しうるものに限られるからである。換言すれば、事前画像55の変化部552が最終態様に至る時点において、既に発生することが有り得ない事象は、結果事象として発生することはない(発生が予告されることはない)ということである。本実施形態では、結果事象は、報知演出の後半で(「遅い」タイミングで)発生するものほど、大当たり信頼度が高いものとされる。内部的(制御的)には、結果事象を発生させるべきタイミングから逆算して、事前演出が開始される時点が決まることになる。
時間がカウントダウンされていき、0となった時点で何らかの事象が発生するような演出は、当該事象が発生するタイミングが予測しやすく、場合によっては発生する事象が容易に想定されるという状況が生じてしまう。一方、本実施形態における事前画像演出(事前演出)は、時間を示す数字を含まない画像である事前画像55が最終態様に至ることを契機として結果事象が発生するものであるから、当該結果事象が発生するタイミング(終了時点に至るタイミング)が予測しづらく、面白みのある演出となる。
また、本実施形態における事前画像演出は、事後演出(結果事象)が発生するタイミングを予測しづらくするものであるものの、当該タイミングが全く予測できない(予測するための要素が全く存在しない)と演出の面白みが低減するおそれがあるとして、当該タイミングを予測できる要素として「画像変化速度」を設定している。つまり、本実施形態では、事前画像55(変化部552)の画像変化速度は事前演出を通じて一定であるから、遊技者は当該画像変化速度に基づき事後演出(結果事象)が発生するタイミングを推測して楽しむことができる
以下、上記事前画像演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記実施形態における事前画像演出(事前演出)は、事前画像55(変化部552)が時間経過とともに小さく(短く)なっていく構成であることを説明したが、その逆の構成、すなわち事前画像55(変化部552)が時間経過とともに大きく(長く)なっていく構成としてもよい。
例えば、鉢から延びる植物が事前画像55(変化部552)として設定されているものとする(図24(a)参照)。当該変化部552が時間経過とともに長くなっていき(図24(b)参照)、所定の大きさに到達することが最終態様として設定されているものとする(図24(c)参照)。変化部552が最終態様に到達することを契機として事後演出(結果事象)が発生する。
上記実施形態のように、事前画像55(変化部552)が時間経過とともに小さく(短く)なっていく構成であると、遊技者は事前画像55が所定の大きさまで小さくなるまたは無くなることが最終態様であると想定するであろうから、最終態様(終了時点)が分かりやすいという利点がある。本例のようにするのであれば、変化部552の最終態様(終了時点)を示す目安となる画像(目標画像59)が表示されるようにしてもよい。例えば、目標となる位置を示す画像が目標画像59として表示されるようにする(図24参照)。このようにすることで分かりやすい演出形態となる。
これに対し、上記のような目標画像59が表示されないようにしてもよい。このようにすることで、事前画像55(変化部552)の最終態様が遊技者には明確に分からないため、事後演出(結果事象)が発生するタイミングが予測しづらくなる。なお、この場合には、事前演出毎に最終態様が異なる(最終態様の大きさが一定ではない)構成としてもよい。このようにすれば、事後演出(結果事象)が発生するタイミングがさらに予測しづらくなる。
○第二具体例
事前演出の途中で事前画像55(変化部552)の大きさ(長さ)が変化しうる構成とする。具体的には、事前演出の途中で事前画像55(変化部552)の大きさ(長さ)が大きく(長く)なる場合がある設定とする(図25(a)(b)参照)。事前画像55(変化部552)の大きさが大きくなるということは、当該事前画像55(変化部552)が最終態様に至る時点、すなわち終了時点が遅くなるということである。見方を変えれば、事前演出の時間が「延長」される場合がある(延長演出が発生しうる)ということである。事前画像55(変化部552)の大きさ(長さ)の変化が発生したことを示す画像(例えば、「延長!」といった文字を含む画像)が、当該変化の発生時に併せて表示されるようにすることで、演出が分かりやすくなる(図25(b)参照)。
上記実施形態にて説明したように、結果事象が報知演出の後半で発生するものほど大当たり信頼度が高いものとされるのであれば、事前画像55(変化部552)の大きさが大きくなる事象の発生は、遊技者にとって有利なものであるということができる。なお、上記実施形態では、事前演出を通じて画像変化速度が一定であることを説明したが、事前画像55(変化部552)の大きさが大きくなる間の速度は除くものとする(「画像変化速度」の対象に含まれないものとする。以下同じ)。つまり、画像変化速度は、あくまで時間経過とともに事前画像55(変化部552)の大きさが小さくなっている状況における速度(常態における速度)をいうものとする。また、事前演出の途中で事前画像55(変化部552)の大きさ(長さ)が小さくなる(短くなる)場合があるものとしてもよい。
上記第一具体例にて説明したように、事前画像55(変化部552)が時間経過とともに大きく(長く)なっていく構成において「延長」を発生させる(延長演出を発生させる)のであれば、事前演出の途中で事前画像55(変化部552)の大きさ(長さ)が小さく(短く)なるようにすればよい。
本例のような構成とする場合、事前画像55の態様により、「延長」が発生する蓋然性が示唆されるものとしてもよい。例えば、事前画像55(本体部551および変化部552の少なくともいずれか一方)の態様として複数種の態様が設定されており、当該複数種の態様のうちのいずれとされるかに応じ、「延長」が発生する蓋然性が異なるものとする。例えば、本体部551の色調が「青」、「緑」、「赤」のいずれかに設定されるものとし、「青」である場合よりも「緑」である場合の方が、「緑」である場合よりも「赤」である場合の方が、「延長」が発生する蓋然性が高い設定とする(図25(c)参照。なお、図面において「色」は文字で表す。以下同じ)。
また、事前画像55(変化部552)が最終態様に至ることを契機として「延長」が発生することがある設定としてもよい。このようにすることで、最後まで「延長」に期待がもてる演出形態とすることができる。遊技者にとってみれば、事後演出(結果事象)が発生することを想定していたところ、事後演出が発生せずに事前演出が継続することになるため、驚きのある演出形態となる。事前画像55(変化部552)が最終態様に至るよりも前には「延長」が発生することはなく、事前画像55(変化部552)が最終態様に至った場合に限り「延長」が発生しうる構成としてもよい。
○第三具体例
上記実施形態では、事前画像55(変化部552)の画像変化速度は事前演出を通じて一定であることを説明したが、事前演出の途中で変化しうる設定としてもよい。事前画像55は、時間を示す数字を含まない画像であることが一つの特徴である。したがって、事前画像55(変化部552)が小さくなっていく速度を変化させたとしても(「見た目」にはっきりと表れるような大きな速度変化を発生させなければ)、カウントダウンの速度変化を生じさせるような構成(時間を示す数字を表示する構成)に比して速度変化に遊技者が気付く蓋然性は低い。
このように画像変化速度が事前演出の途中で変化するようにすることで、結果事象(事後演出)を発生させるべきタイミング等を考慮して厳密に事前演出が開始される時点を決定する必要がなくなるという利点がある。つまり、事前演出が開始されるタイミングが同じであっても、画像変化速度を変化させることで、終了時点を前後させることができる、すなわち結果事象(事後演出)が発生するタイミングを前後させることができるという利点がある。
○第四具体例
事前画像55(変化部552)の画像変化速度が事前演出毎に異なる可能性がある構成とする。つまり、ある事前演出における事前画像55(変化部552)の画像変化速度は、当該ある事前演出を通じて一定である(上記第三具体例にて説明したように事前演出の途中で変化することはない)ものの、毎回同じであるとは限らない(新たな事前演出が発生した場合、前回の事前演出とは画像変化速度が異なりうる)設定とする。例えば、画像変化速度の候補として、V1、V2、V3の三種類(速度の大小関係は「V1>V2>V3」であるとする)が設けられており、当該三種類の速度のうちのいずれかが実際の画像変化速度として設定されるものとする。上記実施形態にて説明したように、結果事象が報知演出の後半で発生するものほど大当たり信頼度が高いものとされるのであれば、画像変化速度が小さいほど遊技者にとって好ましい(速度V3が設定されることが最も好ましい)という演出形態となる。
このようにすることで、事前演出が開始される時点の遅早が、終了時点(結果事象が発生する時点)の遅早を実質的に決めるという構成ではなくなる。例えば、事前演出が開始される時点が早かったとしても、画像変化速度が小さいがゆえに終了時点が遅くなるというパターンが発生しうる演出形態となる。
○第五具体例
事前演出の開始時点における事前画像55(変化部552)の大きさ(初期態様)が不定である構成とする。つまり、事前演出(事前画像演出)の発生の度に事前画像55(変化部552)の初期態様が変化しうる構成とする(図26参照;当該図26には(b−1)〜(b−3)に示すように、初期態様として三種類(大・中・小)の大きさが設定されている例を示した)。上記実施形態にて説明したように、結果事象が報知演出の後半で発生するものほど大当たり信頼度が高いものとされるのであれば、初期態様が大きいほど、遊技者にとって有利であるということができる。
本例のようにすれば、終了時点(結果事象が発生する時点)の遅早を司る要素として、事前画像55(変化部552)の初期態様が存在することになるから、演出のバリエーションが豊富になる。遊技者は、事前演出が発生したときには、その発生タイミングだけでなく、事前画像55(変化部552)の初期態様にも注目することになる。
○第六具体例
上記実施形態では、事前画像55が表示された表示時点が、事前演出の開始時点であることを説明したが、当該表示時点と開始時点が一致しないものとしてもよい。まず、事前画像55が表示される(図27(a)参照)ことで、事前演出(事前画像演出)の発生が確定する。その後、所定の開始演出が発生することで事前演出が開始される(事前画像55(変化部552)の変化が開始される)(図27(b)参照)。上記実施形態のように、事前画像55として「花火玉」(本体部551+導火線)が表示されるのであれば、導火線の先端に着火されることを開始演出とすることが考えられる。つまり、開始演出が、事前演出の開始を示す演出として設定されたものとする。開始演出の実行を契機として、時間経過に伴って事前画像55(変化部552)の変化がはじまることになる(図27(c)参照)。
このようにすることで、事前演出が発生することを示す時点(事前画像55が表示される時点)と、事前演出が開始される時点(開始演出が発生する時点)をずらすことができる。すなわち、遊技者は事前演出が開始される時点を予測できなくなり、演出の面白みが向上する。上記実施形態にて説明したように、結果事象が報知演出の後半で発生するものほど大当たり信頼度が高いものとされるのであれば、遊技者は、事前画像55が表示された後、開始演出の発生タイミングが遅くなることを願うことになる。
なお、事前画像55が表示されても、事前演出の発生が確定しない設定としてもよい。すなわち、事前画像55が表示されることは、事前演出が発生する可能性があること(事前演出が発生する蓋然性が高まったこと)の示唆に留まり、事前画像55(変化部552)の変化が生じずに演出が終了する場合がある設定としてもよい。このようにすれば、事前画像55が表示された後、開始演出の発生を遊技者が願う遊技性を実現することができる。
○第七具体例
上記実施形態における事前画像演出は、事前演出の発生は事後演出の発生を確定させるものであるが、事前演出が発生した場合であっても事後演出(結果事象)が発生するとは限らない構成としてもよい。事前画像55(変化部552)の変化が途中で止まることなく最終態様に至れば事後演出(結果事象)が発生するものの、図28(a)〜(c)に示すように事前画像55(変化部552)の変化が途中で止まった場合(特に図28(c)参照)には事後演出(結果事象)が発生しないものとする。所定の終了演出が発生した場合、事前画像55(変化部552)の変化が途中で止まる演出態様とすることが考えられる。上記実施形態のように、事前画像55として「花火玉」(本体部551+導火線)が表示されるのであれば、例えば「導火線が消火される」ということが終了演出として発生するものとする。
結果事象は遊技者にとって有利な事象であるから、当該結果事象が発生しないことは遊技者にとって好ましいものではないといえる。したがって、本例のようにすることで、事前画像55(変化部552)の変化が途中で止まることなく(「消火」されることなく)、最終態様に至ることを遊技者が願う演出形態とすることができる。
本例のような構成とする場合、事前画像55(変化部552)の変化が途中で止まるかもしれないことを示す煽り演出が発生するようにしてもよい。例えば、導火線の火を消そうとするキャラクタが登場し、当該キャラクタによる消火が実現された場合には事前画像55(変化部552)の変化が止まる(事前演出が終了する)が、消火が実現されなかった場合には事前演出が継続するような構成とする。このようにすることで、煽り演出の発生時には、事前演出が終了せずに継続することを遊技者が願う遊技性を実現することができる。
また、本例のような構成とする場合、最終態様に至る蓋然性が事前画像55により示唆されるものとしてもよい。例えば、事前画像55(本体部551および変化部552の少なくともいずれか一方)の態様として複数種の態様が設定されており、当該複数種の態様のうちのいずれとされるかに応じ、最終態様に至る蓋然性が異なるものとする。例えば、本体部551の色調が「青」、「緑」、「赤」のいずれかに設定されるものとし、「青」である場合よりも「緑」である場合の方が、「緑」である場合よりも「赤」である場合の方が、最終態様に至る蓋然性が高い設定とする(図28(d)参照)。
○第八具体例
事前演出の態様により、事後演出(結果事象)の示唆がなされるものとする。具体的には、事前画像55(本体部551および変化部552の少なくともいずれか一方)の態様として複数種の態様が設定されており、当該複数種の態様のうちのいずれとされるかに応じ、結果事象が示唆されるものとする。例えば、結果事象として、大当たり信頼度が異なる第一事象(図29(a−1)参照)および第二事象(第一事象よりも大当たり信頼度が高い事象)(図29(a−b)参照)が発生するものとする。そして、本体部551の色調が「青」、「緑」、「赤」のいずれかに設定されるものとし、「青」である場合よりも「緑」である場合の方が、「緑」である場合よりも「赤」である場合の方が、第二事象が発生する蓋然性が高い設定とする(図29(b)参照)。このようにすることで、事前画像55の態様にも遊技者は注目することになる。
2−3)ステップアップ演出
以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能なステップアップ演出を説明する。以下で説明するステップアップ演出以外のステップアップ演出が実行可能であってもよい。
ステップアップ演出は、所定の演出要素が段階的に高まっていき(ステップアップしていき)、最終的にいずれかの段階(ステップ;SU)で停止する(ステップアップが停止する)ものである。本実施形態では、最終的な段階(ステップ;SU)が高くなるほど、当該ステップアップ演出を含む報知演出にて報知される当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高くなる(ステップ数が大きいほど大当たり信頼度が高い)。ただしこれはあくまで一例である。最終的な段階(ステップ;SU)が低くなるほど、大当たり信頼度が高くなる設定としてもよい。また、ステップアップの最初または最後の段階を除く特定の段階で停止した場合に、最も大当たり信頼度が高くなる設定としてもよい。
本実施形態におけるステップアップ演出は、ステップアップの度に新たな画像が表示されていくものである。当該画像は方形状であるため、一般的にはウィンドウステップアップ等と称されるものである。以下では当該画像を「単位画像」と称する。ステップアップ演出においては、新たな単位画像が所定態様で表示されることがステップアップとして設定されている。具体的には次の通りである。
あるステップアップ演出において表示される単位画像として、第一単位画像601〜第五単位画像605の五種類が設定されているものとする。各単位画像は、ステップアップ演出における各段階(ステップ;SU)に対応する。第一単位画像601はSU1、第二単位画像602はSU2、第三単位画像603はSU3、第四単位画像604はSU4、第五単位画像605はSU5に対応するものである(図30参照)。各単位画像には、ステップ数を示す文字(本実施形態では「Step○」という文字)等が含まれていてもよい。
新たな単位画像が所定態様で表示領域11に表示されることがステップアップとされる。本実施形態では、表示領域11の中央に大きく表示された状態が所定態様で表示された状態とされる。すなわち、第一単位画像601が所定態様で表示された状態(図31(b)参照)から第二単位画像602が所定態様で表示された状態(図31(c)参照)に移行することがSU1からSU2へのステップアップであり、第二単位画像602が所定態様で表示された状態(図31(c)参照)から第三単位画像603が所定態様で表示された状態(図32(a)参照)に移行することがSU2からSU3へのステップアップであり・・・(図示しないが)第四単位画像604が所定態様で表示された状態から第五単位画像605が所定態様で表示された状態に移行することがSU4からSU5へのステップアップであるというような演出形態である。
ステップアップが停止する場合は、上記のような変化が起こらない。また、ステップアップが停止する段階の単位画像が対象画像として選ばれたことが示される。例えば、ステップアップ演出がSU3で停止する場合には、第三単位画像603が所定態様で表示された状態(図32(a)参照)から第四単位画像604が所定態様で表示された状態に移行せず、かつ、第三単位画像603が対象画像として選ばれたことが示される。すなわち、第三単位画像603にてステップアップが停止したことを示す変化が発生する。以下、当該変化について詳細に説明する。
単位画像は、対象画像として選ばれていない状態では基本態様にあり、対象画像として選ばれた状態では強調態様にあるものとする。すなわち、ある単位画像に対応するステップにてステップアップを停止させる場合には、当該ある単位画像が基本態様(図32(a)参照)から強調態様(図32(b)参照)に変化するものとする。
基本態様は、主要部61および当該主要部61を囲む枠部62を有するものである(図32(a)参照)。本実施形態における単位画像は略方形状である。枠部62の形状は適宜変更可能である。すなわち、主要部61は外縁が方形であり、枠部62は当該主要部61に沿うような形態を呈するものである(「枠」の形状が方形状である)。主要部61は、単位画像の本質的部分(画像の内容を示す部分)である。なお、上記枠部62や後述する別枠部64は、大まかにみて枠の形状を呈するものであればよい。周方向において一部が途切れたような態様であってもよい。
主要部61は、種々の演出要素(画像)を含む。本実施形態における主要部61は、一の演出要素としてキャラクタ61Kを含むものとされる。第一単位画像601はキャラクタA、第二単位画像602はキャラクタB、第三単位画像603はキャラクタC、第四単位画像604はキャラクタD、第五単位画像605はキャラクタEを含むものとされる(図30参照)。したがって、ステップアップの発生は、キャラクタ61Kの変化のように捉えられることにもなる。また、主要部61は、別の演出用として、キャラクタ61Kのセリフとして示される演出用文字61Sを含む。各キャラクタ61Kに対応するセリフ(演出用文字61S)が設定されている。基本態様にあるときにおいては、当該キャラクタ61Kおよび演出用文字61Sは、枠部62の内側に収まった状態にある。
強調態様は、上記枠部62をはみ出る突出部63を有するものである(図32(b)参照)。すなわち、突出部63は、枠部62よりも外側に位置する部分である。換言すれば、強調態様となった画像から、突出部63が形成される直前の状態における枠部62に囲まれる領域(枠部62の外縁の内側の領域)を除いた部分が突出部63である(図32(b)の一部を拡大して示した図における斜線部分が突出部63である)。本実施形態では、上記演出用文字61Sが上記枠部62とは異なる別枠部64に囲まれた状態となる。当該別枠部64は、基本態様にあるときにおいては表示されていない画像である。すなわち、基本態様から強調態様に変化することで、主要部61を構成する演出要素であった演出用文字61Sが別枠部64に囲まれた状態となるとともに、当該別枠部64の少なくとも一部が枠部62からはみ出た突出部63となる(図32(b)参照)。具体的には、枠部62に沿う直線よりも外側に突出した部分が突出部63である。本実施形態では、別枠部64の一部が枠部62からはみ出た状態にあるが、別枠部64の全部が枠部62からはみ出た状態にある構成としてもよい。
別の見方をすれば、基本態様(一のウィンドウのみ(枠部62)である状態)(図32(a)参照)から、強調態様となることでウィンドウが増加する(二つのウィンドウ(枠部62と別枠部64)に増加する)(図32(b)参照)という変化が生じる。そして、増えたウィンドウ(別枠部64)は、その少なくとも一部が元々存在していたウィンドウ(枠部62)からはみ出るように表示されるというものである。また、増えたウィンドウ(別枠部64)は、変化前の演出要素(演出用文字61S)を囲むものとされる。
このように、本実施形態におけるステップアップ演出は、基本態様から強調態様への変化は枠部62からはみ出る突出部63が生じるというものであるから、ステップアップが停止したということが分かりやすくなる。
また、基本態様から強調態様への変化は新たな「枠」(ウィンドウ)として別枠部64が増えるとともに、当該別枠部64が元々存在していた枠部62からはみ出るというものであるから、ステップアップが停止したということがより分かりやすくなる。
さらに、別枠部64は、基本態様にあるときに主要部61が含んでいた演出要素(演出用文字61S)を囲むものである。つまり、ステップアップが停止することにより、演出要素が枠部62に囲まれた状態から別枠部64に囲まれた状態に変化するから、ステップアップが停止したということがより分かりやすくなる。
なお、ステップアップ演出としての基本的態様は適宜変更可能である。例えば、ある一のステップ(SU)に対応する単位画像が複数種設定された構成としてもよい。また、段階を飛ばしたステップアップが発生しうるものとしてもよい。また、ステップアップの系統(ルート)が複数設定されたものとしてもよい。また、一旦停止したステップアップが再開される場合がある設定としてもよい。
以下、上記ステップアップ演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記ステップアップ演出にて説明した事項(技術思想)を、ステップアップ演出以外の演出に適用することも可能である。上記ステップアップ演出は、見方を変えれば、表示領域11に表示される一または複数の画像のうち、一つが最終的に選ばれるというものであって、当該選ばれた画像を示すために、当該画像を基本態様から強調態様に変化させるというものである。これを踏まえれば、いわゆる選択演出にも上記実施形態にて説明した事項が適用可能であるといえる。
選択演出としては次のようなものが考えられる。複数の選択肢が画像として示される。各画像が単位画像に相当することになる。選択前の段階において各画像は基本態様にある(図33(a)参照)。複数の画像のうちのいずれかが選択されることを契機として、当該選択された画像が強調態様に変化する(図33(b)参照)。なお、選択演出は、選ばれる選択肢が内部的に決められたものであってもよいし、遊技者が任意の選択肢を選択することが可能なものであってもよい。選択に際し、遊技者に対し押しボタン等の操作手段が促されるものであってもよい。
○第二具体例
強調態様において突出部63となる要素は別枠部64に限られるものではない。別の例としては、基本態様において主要部61に含まれていた演出要素(画像)の一部が突出部63となる構成が考えられる。例えば、基本態様において主要部61に含まれていたキャラクタ61Kが、強調態様に変化することで枠部62からはみ出た状態になるようにすることが考えられる。すなわち、基本態様においては全体が枠部62の内側に収まっていた演出要素の一部が、強調態様に変化することで枠部62の外側にはみ出た状態となる構成とする。
○第三具体例
ステップアップが停止したとき、別枠部64に囲まれる演出要素に対応した演出音がスピーカ85(図1参照)より出力されるものとする。上記実施形態に則していえば、別枠部64に囲まれる演出用文字61S(セリフ)に対応した演出音がスピーカ85より出力されることになる(演出用文字61Sが異なれば、演出音も異なることになる)(図34参照)。すなわち、キャラクタ61Kが当該セリフをしゃべっているかのような演出が実行される。なお、演出音として出力されるのは、演出用文字61S(セリフ)の全部であってもよいし、一部であってもよい。
上記実施形態にて説明した通り、別枠部64はステップアップの停止時に表示されるものであるから、本例のように当該別枠部64に囲まれる演出要素に対応する演出音が出力されるようにすることで、ステップアップの停止がより分かりやすくなる。
○第四具体例
上記実施形態にて説明した通り、ステップアップが停止した際に別枠部64が表示される。別枠部64は、突出部63を構成する部分であり「目立つ」部分であるといえる。これを利用し、ステップアップが停止したときに表示される別枠部64の態様により、大当たり信頼度が示唆されるものとする。別枠部64の態様に差を設定する手法としては種々考えられる。別枠部64の大きさを異ならせる、別枠部64の色を異ならせる等の手法が考えられる。例えば、別枠部64の大きさとして、小・中・大の三種類が設定されており、この順で大当たり信頼度が高くなる(「大」が最も高信頼度である)設定とする(図35(a)参照)。このようにすることで、ステップアップが停止したときの別枠部64の態様にも遊技者は注目することになる。
なお、別枠部64の態様が大当たり信頼度に与える影響は、ステップアップ演出における最終的なステップ数が大当たり信頼度に与える影響よりも小さいものとすることが好ましい。つまり、別枠部64の態様によらず、ステップ数が大きいほど高信頼度であるという法則が成り立つ設定とする。具体的には、例えば、SU3まで進行し、別枠部64の態様が「小」である場合の信頼度は、SU2まで進行し、別枠部64の態様が「大」である場合の信頼度よりも高い設定とする。
○第五具体例
上記実施形態にて説明した通り、ステップアップが停止した際、演出要素が別枠部64に囲まれた状態となる。つまり、演出要素が「目立つ」状態となる。これを利用し、ステップアップが停止したときにおける演出要素の態様により、大当たり信頼度が示唆されるものとする。上記実施形態に則していえば、別枠部64に囲まれる演出用文字61S(セリフ)の態様により、大当たり信頼度が示唆されるということである。演出要素の態様に差を設定する手法としては種々考えられる。演出要素の大きさを異ならせる、演出要素の色を異ならせる等の手法が考えられる。例えば、演出用文字61Sの大きさとして、小・中・大の三種類が設定されており、この順で大当たり信頼度が高くなる(「大」が最も高信頼度である)設定とする(図35(b)参照)。このようにすることで、ステップアップが停止したときの演出要素の態様にも遊技者は注目することになる。
なお、演出要素の態様が大当たり信頼度に与える影響は、ステップアップ演出における最終的なステップ数が大当たり信頼度に与える影響よりも小さいものとすることが好ましい。つまり、演出要素の態様によらず、ステップ数が大きいほど高信頼度であるという法則が成り立つ設定とする。具体的には、例えば、SU3まで進行し、演出要素の態様が「小」である場合の信頼度は、SU2まで進行し、演出要素の態様が「大」である場合の信頼度よりも高い設定とする。
○第六具体例
上記実施形態にて説明した通り、ステップアップが停止した際、単位画像は、枠部62をはみ出る突出部63を有する強調態様となる。これを利用し、ステップアップが停止したときにおける突出部63の態様により、大当たり信頼度が示唆されるものとする。例えば、突出部63の大きさ(枠部62よりはみ出た部分の大きさ)により、大当たり信頼度を示唆するものとすることが考えられる(図35(c)参照)。枠部62および別枠部64の大きさが同じであるとすれば、枠部62の内側の領域と別枠部64の内側の領域が重なる範囲が小さいほど、突出部63の大きさは大きくなる。このようにすることで、ステップアップが停止したときの突出部63の態様にも遊技者は注目することになる。
なお、突出部63の態様が大当たり信頼度に与える影響は、ステップアップ演出における最終的なステップ数が大当たり信頼度に与える影響よりも小さいものとすることが好ましい。つまり、突出部63の態様によらず、ステップ数が大きいほど高信頼度であるという法則が成り立つ設定とする。
3)以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1はいわゆるぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した事項を除き、回胴式遊技機等の他の遊技機に対しても同様の技術思想が適用可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1−1
表示領域を有する表示手段と、前記表示領域に基準画像が表示された基準状態から、当該基準画像が表示領域に対して変位したかのように表示された変位状態に変化する画像変位演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記変位状態にて前記基準画像が遊技者に有利な事象が発生することを示唆する示唆要素を含む態様とされた後、前記基準画像が前記示唆要素を含んだ態様で前記基準状態に戻った場合には実際に遊技者に有利な事象が発生することを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、変位状態となった基準画像が遊技者に有利な事象が発生することを示唆する示唆要素を含み、当該基準画像が示唆要素を含んだ態様で基準状態に戻った場合には、実際に有利な事象が発生することになるという面白みのある演出を実行することが可能である。
・手段1−2
前記変位状態にて前記基準画像が前記示唆要素を含んだ態様から当該示唆要素を含まない態様に変化した場合には遊技者に有利な事象が発生しないことを特徴とする手段1−1に記載の遊技機。
このように、変位状態にて基準画像が示唆要素を含んだ態様から当該示唆要素を含まない態様に変化した場合には遊技者に有利な事象が発生しないようにすることで、分かりやすい演出となる。
・手段1−3
前記変位状態にて前記基準画像が前記示唆要素を含んだ態様から当該示唆要素を含まない態様に変化した場合には、前記基準画像が前記基準状態から前記変位状態に変化することによって生じた前記表示領域における基準外領域に、遊技者に不利な結果となったことを示す補助画像が表示されることを特徴とする手段1−2に記載の遊技機。
このように、基準外領域に遊技者に不利な結果となったことを示す補助画像が表示されるようにすれば、不利な結果に至ったことがより分かりやすくなる。基準外領域は、基準画像が表示領域に対して変位したかのように表示されることによって生じる領域であるから、補助画像を表示することは基準画像が表示領域に対して変位したかのように表示されることを巧みに利用した演出であるといえる。
・手段1−4
前記表示領域に表示される図柄であって当否判定結果を示す識別図柄の組み合わせとして、遊技者に有利な状況であることを示す特定組み合わせが設定されており、前記基準画像が前記特定組み合わせを構成する前記識別図柄を含んだ態様で前記基準状態に戻った場合に当該特定組み合わせが成立したとされることを特徴とする手段1−1から手段1−3のいずれかに記載の遊技機。
このように、基準画像が含む示唆要素として、識別図柄による特定組み合わせ(いわゆるチャンス目)を例示することができる。基準状態における基準画像は当然に識別図柄を含むものであるため、当該識別図柄を含めた状態で基準画像が変位状態となるようにすればよく、当該変位状態における基準画像にて特定組み合わせが成立しそうな状況であることが示されるようにすればよい。
・手段2−1
表示手段の表示領域に基準画像が表示された基準状態から、当該基準画像が当該表示領域に対して変位したかのように表示された変位状態に変化する第一段階と、前記第一段階の後、前記基準画像が前記表示領域に対して変位したかのように表示されることによって生じた前記表示領域における基準外領域に、特定画像が表示される第二段階と、前記第二段階の後、前記特定画像が変位して前記基準画像を覆うような表示がなされる第三段階と、前記第三段階の後、前記特定画像が変位して前記基準画像を露出させるような表示がなされる第四段階と、を含む画像変位演出が実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、画像変位演出を利用して遊技の趣向性を向上させることが可能である。
・手段2−2
前記第一段階にて表示される前記基準画像が含む演出要素と、前記四段階にて表示される前記基準画像が含む演出要素とは異なることを特徴とする手段2−1に記載の遊技機。
このように、画像変位演出を利用して、基準画像が含む演出要素を変化させることができる。
・手段2−3
前記演出要素は当否判定結果を報知する報知演出の様式を示すものであり、前記画像変位演出を経ることで様式の変更が実現されることを特徴とする手段2−2に記載の遊技機。
このように、画像変位演出を利用して、報知演出の様式(ステージ、モードといった概念)を変更させることができる。
・手段2−4
前記画像変位演出は、前記第四段階の後、前記基準画像が前記表示領域の全体に広げられるような表示がなされる第五段階を含むことを特徴とする手段2−1から手段2−3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、演出の流れが円滑なものとなる。
・手段3−1
表示手段と、前記表示手段に表示される事前画像の大きさを最終態様に至るまで時間経過とともに継続的に変化させていく事前演出、および、前記事前演出にて前記事前画像が前記最終態様に至ることを契機として、遊技者に有利な結果事象を発生させる事後演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、事後演出(結果事象)が発生するタイミングが予測しづらい面白みのある事前演出を実行することが可能である。
・手段3−2
前記事前演出は、前記時間経過とともに前記事前画像の大きさが小さくなっていき、当該事前画像が所定の大きさまで小さくなるまたは無くなることが前記最終態様として設定されていることを特徴とする手段3−1に記載の遊技機。
このようにすることで、事後演出が発生するのに必要な事前演出の状況(目標)が分かりやすくなる。
・手段3−3
前記事前演出にて、前記事前画像が一時に大きくなる延長演出が発生する場合があることを特徴とする手段3−2に記載の遊技機。
このようにすることで、事後演出(結果事象)が発生するタイミングがさらに予測しづらくなる。
・手段3−4
前記事前演出は、前記時間経過とともに前記事前画像の大きさが大きくなっていき、当該事前画像が所定の大きさに至ることが前記最終態様として設定されていることを特徴とする手段3−1に記載の遊技機。
このように、事前画像が大きくなっていく演出形態としてもよい。
・手段3−5
前記事前演出にて、前記事前画像が一時に小さくなる延長演出が発生する場合があることを特徴とする手段3−4に記載の遊技機。
このようにすることで、事後演出(結果事象)が発生するタイミングがさらに予測しづらくなる。
・手段3−6
経過時間当たりの前記事前画像の変化量である画像変化速度は、前記事前演出を通じて一定であることを特徴とする手段3−1から手段3−5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、画像変化速度から事後演出(結果事象)が発生するタイミングを推測して楽しむ演出形態とすることができる。
・手段3−7
前記画像変化速度は、前記事前演出毎に異なる可能性があることを特徴とする手段3−1から手段3−6のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、画像変化速度に応じ、事後演出(結果事象)が発生するタイミングが前後する演出形態とすることができる。
・手段4−1
表示手段と、前記表示手段に一または複数の単位画像が表示される演出であって、最終的にいずれかの前記単位画像が対象画像として選ばれたことが示される特定演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記単位画像は、前記対象画像として選ばれていない状態では主要部および当該主要部を囲む枠部を有する基本態様とされ、前記対象画像として選ばれた状態では前記枠部をはみ出る突出部を有する強調態様とされることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、ある単位画像が対象画像として選ばれたことを分かりやすく示すことが可能である。
・手段4−2
前記特定演出は、新たな前記単位画像が所定態様で表示されることがステップアップとして設定されたステップアップ演出であり、ある前記単位画像が前記強調態様となることがステップアップの停止として設定されたものであることを特徴とする手段4−1に記載の遊技機。
上記遊技機によれば、ステップアップ演出にてステップアップが停止したこと(どの段階までステップアップしたか)が分かりやすくなる。
・手段4−3
前記強調態様は、前記枠部とは異なる別枠部を有するものであり、当該別枠部の少なくとも一部が前記突出部として前記枠部からはみ出た状態にあることを特徴とする手段4−1または手段4−2に記載の遊技機。
このように、基本態様から強調態様への変化により新たな「枠」として別枠部が増えるとともに、当該別枠部が元々存在していた枠部からはみ出るという演出態様とすれば、ある単位画像が対象画像として選ばれたことをより分かりやすく示すことが可能である。
・手段4−4
前記基本態様にあるときにおける前記主要部は、所定の演出要素を含み、前記強調態様は、前記演出要素が前記別枠部に囲まれた態様であることを特徴とする手段4−3に記載の遊技機。
このように、基本態様から強調態様への変化により、演出要素が枠部に囲まれた状態から別枠部に囲まれた状態に変化するようにすれば、ある単位画像が対象画像として選ばれたことをより分かりやすく示すことが可能である。
・手段4−5
前記基本態様にあるときにおける前記主要部は、キャラクタおよび当該キャラクタのセリフとして示される前記演出要素である演出用文字を含み、前記強調態様は、前記演出用文字が前記別枠部に囲まれた態様であることを特徴とする手段4−4に記載の遊技機。
強調態様となったときに別枠部に囲まれる対象としては、キャラクタのセリフを例示することができる。