1)遊技機の基本構成
以下、本発明にかかるぱちんこ遊技機1(以下、単に遊技機と称する)の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において画像というときは、静止画だけでなく動画も含まれるものとする。また、「○○に遊技球が進入(入賞)」等というときは、厳密には当該○○に設けられたセンサが進入した遊技球を検出したことをいう。
まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動領域904、大入賞領域906、アウト口907などが設けられている。
表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認されるものである。なお、一部の図においては、遊技盤90に覆われずに露出する表示領域911の形状を簡略化して記載する(方形状に記載する)が、当該部分の大きさや形状は適宜変更可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動領域904や大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
2)遊技性(ゲーム性)
2-1)当否抽選
始動領域904への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(以下、当否抽選情報と称することもある)が取得される。当該数値を用いて当否抽選が実行される。当該数値が予め定められた当たり用数値と同じであれば当たりとなり、異なる場合にはずれとなる。本実施形態では、当たりの態様(種別)として、大当たりおよび小当たりの二種類が設定されている。つまり、乱数源から取得された数値が大当たり用数値と同じであれば大当たりとなり、小当たり用数値と同じであれば小当たりとなる(それ以外ははずれである)。
本実施形態では、始動領域904として第一始動領域904aと、当該第一始動領域904aとは異なる位置にある第二始動領域904bと、が設けられている(図1参照)。第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として第一当否抽選情報が取得され、それに基づき第一当否抽選(特図1抽選)が実行される。第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として第二当否抽選情報が取得され、それに基づき第二当否抽選(特図2抽選)が実行される。
大当たりに当選した場合には大当たり遊技が実行される。なお、詳細を後述する小当たりを経た大当たり(遊技)と区別するため、大当たり当選を「直当たり」と称することもある。大当たり遊技は、所定条件成立まで大入賞領域906(常態において閉鎖されている)が開放される単位遊技(いわゆる1「ラウンド」分の遊技のことをいう。以下の説明において「ラウンド」と称することもある)が一または複数回繰り返される。本実施形態では、大入賞領域906に遊技球が10個入賞する入賞条件、および、所定時間が経過する時間条件のいずれか一方が成立することをもって単位遊技が終了(大入賞領域906が閉鎖)する。大当たり遊技が含む単位遊技の数(ラウンド数)が多くなるほど、当該大当たり遊技にて得られる遊技者の利益(利益の期待値)が大きくなる。本実施形態では、大入賞領域906は遊技領域902の右側に設けられており、遊技者は遊技領域902の右側に遊技球が進入するよう遊技する(いわゆる「右打ち」を行う)。
小当たりに当選した場合には小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、大入賞領域906が開放されるとともに、当該大入賞領域906内に設けられた特定領域10が開放される(図2(b)参照)ものである。当該特定領域10の付近には「V」の文字が付されており、当該特定領域10を遊技者に示す文言として当該「V」が用いられる。特定領域10は常態において閉鎖されているものであるところ、小当たり当選時には一時的に開放される(なお、大当たり遊技では特定領域10は開放されない)。なお、大入賞領域906には二つの出口領域が設けられており、大入賞領域906に進入した遊技球は当該二つの出口領域のいずれかを通過することになる。当該二つの出口領域のうちの一方が特定領域10とされている。当該出口領域のそれぞれにはセンサが設けられており、当該出口領域のいずれかを通過した遊技球が大入賞領域906に入賞したものと扱われる。つまり、特定領域10に進入した遊技球は、大入賞領域906にも進入したものでもある。
特定領域10に遊技球が進入したときには、大当たり遊技が実行される。つまり、抽選により大当たりに当選することだけでなく、小当たりを経由して大当たりを獲得することができる(大当たりを獲得するためには、1つの遊技球が特定領域10に進入すればよい)。なお、大入賞領域906外に特定領域10が設けられた構成としてもよい。
小当たり遊技は、それを経て獲得した大当たり遊技の1ラウンド分の単位遊技とみることもできる。例えば、小当たりを経由した10ラウンド大当たり(単位遊技が10回実行される大当たり)とは、小当たり遊技(大入賞領域906が開放されるとともに特定領域10が開放される遊技)が1ラウンド目の遊技として、その後の大当たり遊技として実行される大入賞領域906の開放が2~9ラウンド目の遊技として実行される(特定領域10に遊技球が進入しなかった場合には当該2~9ラウンド目の遊技が実行されず、小当たり遊技のみで終了する)。小当たり遊技は、大当たり遊技を構成する単位遊技と同様、時間条件および入賞条件(本実施形態では10個入賞)の少なくともいずれか一方が成立することにより終了する。継続的に遊技球を発射していれば先に入賞条件が成立することになるから、小当たり遊技においては一回の単位遊技と同様の賞球を得ることができる。なお、本実施形態では、小当たり遊技である単位遊技以外の単位遊技(大当たり遊技を構成する単位遊技)においては、大入賞領域906は開放されるものの特定領域10は閉鎖された状態にある(図2(a)参照)。
本実施形態では、小当たりに当選した場合に大入賞領域906とともに特定領域10が開放されることになるが、その時間は、当該特定領域10に遊技球を進入させるために十分な長さが確保される。特定領域10は遊技領域902の右側に設けられており(図1参照)、特定領域10に遊技球を進入させるためには遊技者は右打ちを行うところ、継続的に右打ちを行っていればほぼ確実に特定領域10に遊技球が進入する。小当たり当選時には表示領域911に右打ちを実行する旨の指示が出されるため、遊技者はそれに従うだけでよい。指示が出されてから10数秒遅れて右打ちを開始しても、ほぼ確実に遊技球が特定領域10に進入するように設定されている。このように、本実施形態では、実質的には「小当たり当選=大当たり当選」となる(小当たり当選が大当たり獲得に結びつく)設定である。
なお、本実施形態にかかる遊技機1のように、大当たり当選時だけでなく、小当たり当選時にも大当たりを獲得できる可能性がある遊技機は「一種二種混合機」等と称される(小当たり経由での大当たりの獲得は「二種」の遊技性である)。
2-2)装飾図柄
当否抽選結果は、表示領域911に表示される装飾図柄80(図3参照)により報知される。本実施形態では、それぞれが複数種の装飾図柄80を含む三つの装飾図柄群80gが設定される。具体的には、表示領域911の左側に表示される左装飾図柄群80gL、右側に表示される右装飾図柄群80gR、左装飾図柄群80gLと右装飾図柄群80gRの間に表示される中装飾図柄群80gCの三つである。各装飾図柄群80gから選択されて表示された三つの装飾図柄80の組み合わせにより抽選結果が報知される。当該三つの装飾図柄群80gが変動を開始してから、当該変動が停止して抽選結果を示す組み合わせが表示されるまでの演出が変動中演出(一変動分の演出)である。なお、一部の図面においては、装飾図柄80の図示を省略する。
なお、装飾図柄80以外の図柄(別図柄;図示せず)が表示されるようにしてもよい。例えば、本実施形態では、後述するように小当たり当選時および大当たり当選時にはいずれも同じ種類の装飾図柄80の三つ揃いが表示される(装飾図柄80の組み合わせによっては小当たりおよび大当たりの区別がつかない)ところ、大当たりに当選したときと小当たりに当選したときとでは、別図柄の態様が異なる(別図柄により大当たりに当選したのか小当たりに当選したのか区別できる)ようにしてもよい。別図柄は、表示領域911に表示されるものであってもよいし、表示領域911外に表示される(表示領域911外に表示されるランプ等の点灯パターン)であってもよい。
2-3)保留
第一始動領域904aに遊技球が進入し、新たな第一当否抽選情報が取得されたとき、それよりも先に取得された当否抽選情報に対応する変動中演出が実行されている場合には、当該新たな第一当否抽選情報は第一保留情報(保留)として記憶手段(図示せず)に記憶される。本実施形態では第一保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つである。記憶手段に記憶されている第一保留情報は保留図柄70として表示される(図3参照;一部の図面においては当該保留図柄70の図示を省略する)。図示しないが、現在変動中演出が実行されている当否抽選結果に対応する保留図柄70(いわゆる当該変動の保留図柄70)が表示されるようにしてもよい。遊技状態によっては、保留図柄70が表示されないようにしてもよい。
一方、本実施形態では、第二当否抽選情報については保留情報(第二保留情報)として記憶される領域は設けられていない。つまり、対応する当否抽選結果の報知が完了していない二以上の第二当否抽選情報が保留されるという状況は生じない。
2-4)遊技状態
遊技者が大当たり獲得を目指して遊技する遊技状態として、通常遊技状態とこれよりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(いわゆる時短状態である)が設定されている(図4(a)参照)。通常遊技状態は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射させるべき状態である。第一始動領域904aは、遊技領域902の左側を流下する遊技球が進入可能な位置に設けられている。すなわち、通常遊技状態は、遊技者に対し左打ち遊技が促される(左打ち遊技を行うべき)状態であり(右打ちでは第一始動領域904aに遊技球は進入しない)、第一当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態である。第一当否抽選は、その結果が大当たりまたははずれとなる抽選である。つまり、第一当否抽選の結果として小当たりは発生しない。通常遊技状態における大当たり確率(第一当否抽選の大当たり確率)は約1/319.8である(図4(b)参照)。それ以外ははずれである。つまり、通常遊技状態は、小当たり経由で大当たりを獲得することができない状態である。なお、第一当否抽選の結果として小当たりが発生するようにしてもよいが、その小当たりによって特定領域10に遊技球が進入することが無いようにされる。例えば、第一当否抽選にて小当たりに当選した場合は、特定領域10の開放時間が極めて短く、特定領域10に遊技球が進入する可能性はほぼ無い構成とされる。
第一当否抽選の結果が大当たりとなった場合には、三つの装飾図柄80が同じとなることにより大当たり当選が報知される。はずれとなる場合にはそれ以外の組み合わせが表示される。
特別遊技状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射させるべき状態である(図4(a)参照)。第二始動領域904bは、遊技領域902の右側を流下する遊技球が進入可能な位置に設けられている。すなわち、特別遊技状態は、遊技者が右打ち遊技を行うべき状態であり(左打ちでは第二始動領域904bに遊技球は進入しない)、第二当否抽選を経て大当たり獲得を目指す状態である。第二当否抽選は、その結果が大当たりまたは小当たりとなる抽選である。つまり、第二当否抽選の結果としてはずれは発生しない。特別遊技状態における大当たり確率(第二当否抽選の大当たり確率)は約1/319.8であり、通常遊技状態における大当たり確率と同じである(特別遊技状態は、いわゆる確率変動状態(大当たり確率が通常遊技状態よりも高い状態)ではないから、通常遊技状態と同じにする必要がある)。それ以外は小当たりとなる(つまり、小当たり確率は約318.8/319.8である)(図4(b)参照)。なお、第二当否抽選の結果としてはずれが発生しうる設定とすることを否定するわけではない。
第二当否抽選の結果が小当たりや大当たりとなった場合には、三つの装飾図柄80が同じとなることにより小当たりや大当たりに当選したことが報知される。実質的には「小当たり当選=大当たり当選」という設定であるから、小当たりに当選した場合であっても大当たりに当選したかのように遊技者に見せるために、装飾図柄80の組み合わせにおいては小当たり当選と大当たり当選とで差異がない(いずれも同じ図柄の三つ揃いとなる)ように構成されている。ただし、表示領域911の外縁近傍に表示される上述した別図柄により大当たり当選と小当たり当選が区別できるようにしてもよい。当該別図柄の態様は、大当たり当選時と小当たり当選時とで異なる態様となるものとされる。ただし、当該別図柄は小さく(装飾図柄80よりも小さく)、目立たないため、遊技者は別図柄を意識せずに装飾図柄80のみを見て遊技することができるものとされている。
初期状態(電源ONの状態)においては、通常遊技状態にある。通常遊技状態における第一当否抽選にて当選しうる大当たりとして、通常大当たりおよび特別大当たりが設定されている。通常大当たりは、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態となる大当たりである。特別大当たりは、大当たり終了後の遊技状態が特別遊技状態となる大当たりである。なお、各大当たりの単位遊技の数(ラウンド数)はどのようなものであってもよい。第一当否抽選にて大当たりに当選したときにおける大当たり振り分けは適宜設定することができる。本実施形態では、通常大当たりが50%、特別大当たりが50%である(図4(a)参照)。特別大当たりに当選した場合にはその大当たり遊技終了後に遊技者に有利な(通常遊技状態よりも有利な)特別遊技状態に移行することになるところ、当該特別遊技状態に移行する確率が50%であるということである。なお、第一当否抽選を経た大当たり振り分けを、特別大当たりが100%である設定としても(通常大当たりが設定されていない構成しても)よい。
特別大当たりに当選した場合、その大当たり遊技終了後、特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、遊技者は右打ち遊技を行う(表示領域911には右打ち遊技を促す表示がなされる)。遊技領域902の右側には、普通始動領域905が設けられている(図1参照)。当該普通始動領域905に進入することを契機として普通抽選(普通図柄抽選)が実行される。その抽選に当選することを契機として第二始動領域904b(常態においては閉鎖されている)が開放される。特別遊技状態における普通抽選に当選する確率は極めて高い(100%もしくは100%に近い)。したがって、右打ちすれば容易に第二始動領域904bが開放され、当該第二始動領域904bに遊技球が進入する。つまり、指示通り遊技を行っていれば第二当否抽選が実行される。
なお、通常遊技状態では普通抽選に当選しないように(当選確率が0%である)設定されているため、通常遊技状態にて右打ちしても第二始動領域904bに遊技球が進入することはない。これとは異なり、通常遊技状態においても普通抽選に当選する可能性がある設定としてもよい(例えば、通常遊技状態と特別遊技状態とで普通抽選に当選する確率を同じとする)が、通常遊技状態にて普通抽選に当選した場合でも第二始動領域904bに遊技球が進入することは実質的に不可能とされる。例えば、通常遊技状態にて普通抽選に当選したときにおける第二始動領域904bの開放時間は、第二始動領域904bに遊技球が進入することが実質的に不可能な程度に極めて短いものとされる。このように、通常遊技状態においては、第二始動領域904bに遊技球が進入すること(第二当否抽選を受けること)が不可能な設定であればよく、それを実現する手法は適宜変更可能である。
一回の第二当否抽選の結果が報知されることを条件として特別遊技状態は終了する。つまり、いわゆる「時短回数=1」という設定である。なお、特別遊技状態が開始されてから実行された第一当否抽選の結果の報知は時短回数にカウントされない。つまり、特別遊技状態が開始された時点で第一保留情報が存在していた結果、第一当否抽選結果の変動中演出が実行されたとしても、それによって特別遊技状態は終了しない。換言すれば、基本的には、特別遊技状態に移行した後、遊技者が右打ちを行い、第二始動領域904bに遊技球を進入させない限り、特別遊技状態は終了しないということである。ただし、極めて稀ではあるが、特別遊技状態が開始された時点で存在していた第一保留情報に基づく第一当否抽選の結果が大当たりとなった場合(約1/319.8に当選した場合)は、大当たり遊技が実行されることになる。その大当たりが通常大当たりであれば大当たり遊技終了後は通常遊技状態に移行し、特別大当たりであれば大当たり遊技終了後は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態にて第一当否抽選が実行されて大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後もれなく特別遊技状態に移行する設定としてもよい。なお、本実施形態では、特別遊技状態に移行した際に第一保留情報が存在していた場合、当該第一保留情報に対応する当否抽選結果(はずれ)についての変動中演出に要する時間は最短の時間(最短の変動時間)とされる。つまり、いわゆる特図1保留が「高速消化」される。
上述した通り、特別遊技状態においては、ある程度継続的に右打ちを行っていれば普通抽選に当選して開放された第二始動領域904bに遊技球が進入し、それを契機として第二当否抽選が実行される。上述した通り、第二当否抽選の結果は、大当たりまたは小当たりとなる(はずれが無い)。小当たりは大当たり当選に繋がる(実質的には「小当たり=大当たり」である)ため、特別遊技状態に移行するということは当該第二始動領域904bへの遊技球の進入により一回の大当たり(遊技)の獲得が確約されているということである。
第二当否抽選を経て獲得しうる大当たりは、通常大当たりおよび特別大当たりのいずれかである。本実施形態では、第二当否抽選を経て獲得した大当たりの振分は、通常大当たりが19%、特別大当たりが81%とされている(図4(a)参照)。当該振分は、第二当否抽選が大当たりとなった場合(いわゆる「直当たり」した場合)、第二当否抽選が小当たりとなり特定領域10に遊技球を進入させて大当たりを獲得した場合(小当たり経由の大当たりの場合)のいずれであっても同じである。
特別大当たりとなった大当たり遊技の終了後には、再び特別遊技状態に移行する(図4(a)参照)から、再度第二当否抽選を経た大当たりの獲得が確約されることになる。つまり、特別大当たりはいわゆる連チャン確定の大当たりということになる。一方、通常大当たりとなった大当たり遊技の終了後には、通常遊技状態に移行することになるため、再び第一当否抽選での大当たり当選を目指して遊技する(左打ちする)ことになる。
3)小当たり当選時と大当たり当選時の制御
3-1)第一画像および第二画像
上述した通り、特別遊技状態においては、小当たり当選を経て大当たり遊技が実行されることもあれば、大当たり当選(直当たり)を経て大当たり遊技が実行されることもある。特別遊技状態における小当たり当選時には、まず小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技にて特定領域10に遊技球が進入することを条件として小当たり遊技後に9回の単位遊技を含む大当たり遊技が実行される(図5参照)。以下の説明においては、小当たり遊技の後の大当たり遊技を「第一大当たり遊技」(特に明示した場合を除き、当該「第一大当たり遊技」には小当たり遊技分は含まれないものとする)と称することもある。一方、特別遊技状態における大当たり当選時(直当たり時)には、10回の単位遊技を含む大当たり遊技が実行される。以下の説明においては当該大当たり遊技を「第二大当たり遊技」と称することもある。小当たり当選時における小当たり遊技も1回の単位遊技であると捉えれば、小当たり経由(小当たり遊技(単位遊技1回)+第一大当たり遊技(単位遊技9回))、大当たり経由(第二大当たり遊技(単位遊技10回))のいずれであっても、実行される単位遊技の数(ラウンド数)は「10」で同じであるということもできる。
小当たり遊技においては、第一大当たり遊技を獲得するために、特定領域10に遊技球を進入させる必要がある。よって、小当たり遊技では、小当たり当選(図5(a)参照)後、特定領域10に遊技球を進入させるべき状況であることを遊技者に示す画像(以下、第一画像21と称する)が表示領域911に表示される(図5(b)参照)。本実施形態では、第一画像21は、領域画像部231、注意画像部232、オープニング画像部233、および時間画像部234を含む。
領域画像部231は、特定領域10を直接的または間接的に示す画像を含む部分である。本実施形態では、「Vを狙え」の文字を含む領域画像部231が表示される。特定領域10が設けられた側(本実施形態であれば右下)を指し示す矢印等を含むものとしてもよい。これにより、遊技者は特定領域10を狙って遊技すべき状況であることを把握する。また、注意画像部232は、遊技者に対し注意を促す画像である。特定領域10に遊技球を進入させないと第一大当たり遊技が実行されないという不利益が発生するから、当該不利益が発生するおそれがあることを注意喚起するために注意画像部232を表示する。このような意図が伝わるような画像であれば注意画像部232の態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では「WARNING」の文字を含む注意画像部232が表示される。
オープニング画像部233は、大当たり遊技(第一大当たり遊技)が実行されること(厳密には将来的に獲得されることが確定していること)を示すものである。具体的には、大当たり遊技に対応づけられた名称を含む部分である。本実施形態では、「BIG BONUS」の文字を含むオープニング画像部233が表示される。なお、大当たりの種類に応じたオープニング画像部233が設定されていてもよい。本実施形態では、小当たり当選を経た大当たり遊技は全て10ラウンドである(小当たり遊技を除けば9ラウンドである)ため、全て「BIG BONUS」の文字を含むオープニング画像部233が表示されるが、ラウンド数が異なる複数種の大当たりが搭載されているのであれば、それぞれに対応したオープニング画像部233が設定されたものとしてもよい。
時間画像部234は、小当たり遊技が開始されてからの時間経過を示すものである。本実施形態では、時間画像部234として、実際の時間経過とともに減少する「メータ」の画像が表示される。このような時間画像部234が表示されるようにすることで、特定領域10に遊技球を進入させる時間に限りがある(制限時間が迫っている)ことを遊技者に印象付けることができる。時間画像部234により計測される時間がタイムアップする(「メータ」が無くなる)タイミングと特定領域10が閉鎖されるタイミングが一致する(時間画像部234が示す残時間が、そのまま特定領域10が閉鎖される時間を示す)ようにしてもよいが、好ましくはタイムアップするタイミングよりも後に特定領域10が閉鎖されるようにするとよい。つまり、タイムアップした後も特定領域10に遊技球が進入する可能性がある設定とするとよい。タイプアップするタイミングと特定領域10が閉鎖されるタイミングが同じであると、タイムアップしていないのに特定領域10に遊技球が進入しなかった(第一大当たりが獲得できなかった)というクレームが発生するおそれがあるから、実際に特定領域10が閉鎖するタイミングよりも余裕をもって時間画像部234がタイムアップするようにするとよい。
当該第一画像21は、特定領域10に遊技球が進入すること(小当たり遊技が開始されてから1球目の遊技球が特定領域10に進入すること)、いわゆるV入賞することを契機として消去される(図5参照)。第一画像21は特定領域10に遊技球を進入させるべき状況であることを遊技者に示すために表示されるものであるから、特定領域10に遊技球が進入した場合にはその役目を終えたものとして消去する(時間表示部の変化も終了する(時間表示部が消去される))。本実施形態では、第一画像21が消去された後、予め用意された大当たり用の映像(演出映像30;詳細については後述)の表示が開始される(図5(c)参照)。つまり、特定領域10に遊技球が進入することを契機として演出の進行(画像の切り替わり)が発生する。なお、本実施形態では、小当たり遊技(1ラウンド目)の途中から演出映像30が表示されるが、第一大当たり遊技(2ラウンド目)から演出映像30が表示されるものとしてもよい。また、図示しないが、本実施形態では、特定領域10に遊技球が進入したことを報知する進入報知画像(例えば、大きな「V」のマークを表す画像)が一時的に表示される(演出映像30に重ねて進入報知画像が表示されるようにしてもよいし、進入報知画像が表示された後演出映像30が表示されるようにしてもよい)。これにより、遊技者は特定領域10に遊技球が進入したことを把握できる。ただし、このような進入報知画像が表示されない構成としてもよい。なお、遊技者が特定領域10(大入賞領域906)に向かって遊技球を発射せず、特定領域10に遊技球が進入しなかった場合には、小当たり遊技が終了することを契機として第一画像21が消去される。この場合には第一大当たり遊技が実行されないから、上記演出映像30や進入報知画像は表示されない。
一方、第二当否抽選が大当たりとなって(いわゆる直当たりとなって)当該大当たり当選が報知された(図6(a)参照)後、第二大当たり遊技の最初の単位遊技(1ラウンド目の単位遊技)においては、表示領域911に第二画像22が表示される(図6(b)参照)。当該第二画像22は、第一画像21と共通する共通要素を含む。なお、当該共通要素には、遊技球の発射方法を指示する部分は含まれないものとする。図示しないが、本実施形態では、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても「右打ち」の指示が出されるところ、当該「右打ち」の指示は共通要素を構成しないものとする(「右打ち」すべき状況で「右打ち」の指示が出るのは当然であるから)。
本実施形態における第二画像22は、共通要素として、オープニング画像部233および時間画像部234を含む(図5(b)、図6(b)参照)。第二画像22のオープニング画像部233は、第一画像21のそれと同様、「BIG BONUS」の文字を含む。小当たりを1回の単位遊技とみれば、小当たり当選により実行される単位遊技は10回(10ラウンド分)であり、大当たり当選により実行される単位遊技も10回(10ラウンド分)である。つまり、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても10回の単位遊技が獲得できることになるから、そのいずれの場合においても同じ「BIG BONUS」という名称が付されることに違和感はないといえる。
第二画像22の時間画像部234は、第二大当たり遊技の最初の単位遊技が開始されてからの時間経過を示すものであって、第一画像21と同様に時間経過とともに減少するメータである。時間画像部234の変化(メータの減少)が開始されてから最終的な状態に到達する(メータが無くなる)までに要する実際の時間は、第一画像21の時間画像部234と第二画像22の時間画像部234とで差異が無いようにするとよい。第二大当たり遊技では、特定領域10に遊技球を進入させる必要はないため、本来であれば時間経過を示す画像(制限時間が迫っていることを示すような画像)を表示する必要はない。しかしながら、本実施形態では、敢えて第二画像22が第一画像21と同様の時間画像部234を含むものとして、大当たり当選時においても小当たり当選時と同じように遊技が進行しているように示すものとしている。
一方、第二画像22は、第一画像21とは異なり領域画像部231および注意画像部232を含むものではない(図5(b)、図6(b)参照)。大当たり当選時には特定領域10を狙う必要はないのであるから、当該特定領域10を示す領域画像部231が表示されないようにする。また、特定領域10に遊技球を進入させないことによる不利益は生じない(本来であれば獲得できていた大当たりが獲得できないという不利益は生じない)のであるから、注意画像部232も表示されないようにする。第一画像21と第二画像22は、少なくとも当該領域画像部231および注意画像部232の有無という点において相違する(領域画像部231および注意画像部232は、第一画像21と第二画像22の「相違要素」である)ことになる。
当該第二画像22は、大入賞領域906に遊技球が進入することを契機として消去される(時間表示部の変化も終了する(時間表示部が消去される))。具体的には、遊技者が普通に遊技を行っていれば、第二大当たり遊技の最初の単位遊技(1ラウンド目)における1球目の遊技球の進入(入賞)が検出されることを契機として第二画像22が消去される(図6参照)。上述した通り、小当たり当選時には、特定領域10に遊技球が進入することを契機として第一画像21が消去される。つまり、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても、ある領域(小当たり当選時は特定領域10、大当たり当選時は大入賞領域906)に遊技球が進入することを契機として第一画像21や第二画像22が消去されることになる。本実施形態では、第二画像22が消去された後、予め用意された大当たり用の映像(演出映像30;詳細については後述)の表示が開始される(図6(c)参照)。つまり、大入賞領域906に遊技球が進入することを契機として演出の進行(画像の切り替わり)が発生する。なお、遊技者が大入賞領域906に向かって遊技球を発射せず、1ラウンド目の単位遊技にて全く遊技球が進入しなかった場合には、1ラウンド目の単位遊技の終了を契機として第二画像22が消去される。
このように、本実施形態では、小当たり当選時には第一画像21が、大当たり当選時(直当たり時)には第二画像22が表示されるものであるところ、第一画像21と第二画像22は共通要素を含むものであるから、遊技者には同じような画像に感じる(第一画像21と第二画像22が一緒に表示されることはないのであるから、両者が同じ画像であると遊技者が捉える蓋然性が高くなる)。このように、小当たり当選時と大当たり当選時に表示される画像が同じように見えるようにすることで、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
なお、本実施形態における第一画像21と第二画像22は、時間画像部234およびオープニング画像部233を共通要素として含むものであるが、いずれか一方のみが共通要素として設定された構成としてもよい。時間画像部234およびオープニング画像部233の一方は、第一画像21と第二画像22の一方は含むものの、他方は含まないものとした場合には、当該時間画像部234およびオープニング画像部233の一方は相違要素として機能することになる。また、時間画像部234およびオープニング画像部233以外の共通要素が設けられているとよい。例えば、第一画像21および第二画像22の背景(各画像部の背景)は、同一とされることが好ましい。このようにすることで第一画像21と第二画像22が同じ画像であるように見える作用がより高まることになる。
本実施形態では、特定領域10に遊技球が進入することを契機として第一画像21が消去されることを踏まえ、大入賞領域906に遊技球が進入することを契機として第二画像22が消去されるようにする。つまり、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても、「所定領域に遊技球が進入する」という事象を契機として画像が消去されて演出が進行するようにしている。このようにすることで、小当たり当選時と大当たり当選時の演出の進行態様が似たものとなるから、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかということをより意識させにくくすることができる。特に、本実施形態では、特定領域10は大入賞領域906内に設けられたものであるから、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても、大入賞領域906に遊技球が進入することを契機として上記画像が消去されて演出が進行しているようにみえる。
以下、上記第一画像21および第二画像22に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例1-1
上記実施形態では、第一画像21と第二画像22の相違要素として領域画像部231および注意画像部232が設定されたものであることを説明したが、いずれか一方および両方が相違要素ではなく、共通要素として設定された構成としてもよい(図7参照)。
領域画像部231が共通要素として設定された構成(図7(a)参照)とすれば、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても特定領域10(V)を狙うことを促す画像が表示されることになるから、大当たり当選時であっても小当たりに当選したかのような印象をより与えやすくなる。ただし、大当たり当選時には特定領域10に遊技球を進入させる必要はない(特定領域10に遊技球を進入させるか否かにより享受する利益は変化しない)のであり、このような場合にまで特定領域10を狙うことを促す画像を表示することは遊技者の混乱を招くおそれがあるともいえる。このようなおそれを考慮するのであれば上記実施形態のように第二画像22は領域画像部231を含まない構成とすればよい。
注意画像部232が共通要素として設定された構成(図7(b)参照)とすれば、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても注意を促す画像が表示されることになるから、大当たり当選時であっても小当たりに当選したかのような印象をより与えやすくなる。ただし、大当たり当選時には特定領域10に遊技球を進入させる必要はない(特定領域10に遊技球を進入させるか否かにより享受する利益は変化しない)のであり、このような場合にまで注意を促す画像を表示することは遊技者の混乱を招くおそれがあるともいえる。このようなおそれを考慮するのであれば上記実施形態のように第二画像22は注意画像部232を含まない構成とすればよい。しかしながら、注意画像部232は、領域画像部231とは異なり特定領域10を狙って遊技球を発射すべきであることを直接的に示すものではないため、領域画像部231よりも遊技者の混乱を招くおそれは低いといえる。
○具体例1-2
上記実施形態では、大当たり当選時においては、第二大当たり遊技の最初の単位遊技(1ラウンド目)における1球目の遊技球の進入(入賞)が検出されることを契機として第二画像22が消去されることを説明したが、第二大当たり遊技においても第二画像22が表示された(図8(a)参照)上で特定領域10が開放される(図8(b)参照)構成とし、当該特定領域10に遊技球が進入したことが検出されることを契機として第二画像22が消去される(図8(c)参照)ようにしてもよい。
大当たり当選時は、特定領域10に遊技球が進入することが大当たり(第二大当たり遊技)付与の条件ではない。よって、本来であれば特定領域10が開放される必要はない。そうであるにもかかわらず、敢えて大当たり当選時においても特定領域10が開放されるようにし、特定領域10への遊技球の進入を契機として第二画像22が消去されるようにする。換言すれば、大当たり当選時においても、小当たり当選時と同様に、特定領域10への遊技球の進入を契機として遊技(演出)が進行する(演出映像30が表示される段階に移行する)ということである。このように、大当たり当選時においても小当たり当選時と同様に特定領域10への遊技球の進入を契機として遊技(演出)が進行するようにすることで、より一層大当たりに当選したことを遊技者に意識させにくくすることが可能となる。
また、本例のようにする場合、第一画像21だけでなく、第二画像22も領域画像部231を含むものとすることが好ましい(つまり、領域画像部231が共通要素とされる設定とすることが好ましい)。大当たり当選時においても特定領域10が実際に開放されるのであるから、第二画像22により領域画像部231を狙う指示が出されても問題はない(特定領域10が開放されることと「Vを狙え」の指示が齟齬しない)といえる。このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても特定領域10を狙う旨の指示が出されることになるから、さらに、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能となる。
○具体例1-3
上記実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる一種二種混合機であり、特定領域10は小当たり当選時における大当たり獲得の条件として設けられた領域であることを説明したが、一種二種混合機以外であっても上述した構成を適用することが可能である。例えば、大当たり遊技中に所定の領域(V領域)に遊技球が進入することを条件として、大当たり遊技終了後の遊技状態が確率変動状態(通常遊技状態(低確率状態)よりも大当たりに当選しやすい状態)に移行する遊技機(いわゆるV確変機)が知られているところ、当該所定の領域を特定領域10として上記実施形態にて説明した構成を適用することも可能である。
○具体例1-4
上記実施形態では、大当たり当選時には、第二大当たり遊技の最初の単位遊技(1ラウンド目)における1球目の遊技球の進入(入賞)が検出されることを契機として第二画像22が消去されることを説明したが、N球目(Nは2以上である)の遊技球の進入が検出されることを契機として第二画像22が消去される構成としてもよい。
小当たり当選時には、特定領域10に遊技球が進入することを契機として第一画像21が消去されるところ、小当たり遊技にて最初に大入賞領域906に進入した遊技球がそのまま特定領域10に進入するとは限らない。つまり、小当たり遊技にて大入賞領域906に進入した2球目以降の遊技球が特定領域10に進入する可能性がある(特定領域10に遊技球が進入するまでに、2球以上の遊技球が大入賞領域906に進入する必要がある可能性がある)。これに合わせて、大当たり当選時においても大入賞領域906にN球の遊技球が進入しなければ第二画像22が消去されないという構成とする。このようにすることで、小当たり当選時と大当たり当選時とで、よく似た画像である第一画像21または第二画像22が消去されるに至るまでの遊技球の挙動(大入賞領域906に対する進入状況)が似たものとなるから、より一層大当たりに当選したことを遊技者に意識させにくくすることが可能となる。
3-2)大当たり演出
上述した通り、小当たり当選時には、特定領域10に遊技球が進入することを契機として第一画像21が消去された上で第一大当たり遊技が実行される(図5参照)。第一大当たり遊技においては、当該第一大当たり用の演出(以下、第一大当たり演出と称することもある)が実行される。第一大当たり演出が開始(実行)される条件を第一開始条件とすれば、当該第一開始条件は、特定領域10に遊技球が進入しなければ成立しない条件であるといえる。なお、本実施形態では、第一大当たり演出は、小当たり遊技(1ラウンド目)の途中(特定領域10に遊技球が進入した時点)から開始され、そのまま第一大当たり遊技(2ラウンド目)に移行しても継続されるものであるが、第一大当たり遊技(2ラウンド目)の開始とともに開始されるものとしてもよい。
また、大当たり当選時には、大入賞領域906に遊技球が進入(入賞)すること、具体的には第二大当たり遊技の最初の単位遊技にて1球目の遊技球が進入することを契機として第二画像22が消去された上で第二大当たり遊技が実行される(図6参照)。第二大当たり遊技においては、当該第二大当たり用の演出(以下、第二大当たり演出と称することもある)が実行される。第二大当たり演出が開始される条件を第二開始条件とすれば、当該第二開始条件は、大入賞領域906に遊技球が進入しなければ成立しない条件であるといえる。なお、本実施形態では、第二大当たり遊技の最初の単位遊技において全く大入賞領域906に遊技球が進入しなくても(時間条件により最初の単位遊技が終了しても)、その後第二大当たり演出は開始される。つまり、第二開始条件は、第二大当たり演出が開始される二以上の条件のうちの一つの条件であるといえる。
第一大当たり演出(図9参照)および第二大当たり演出(図10参照)は、いずれも、表示領域911に演出映像30(図5(c)、図6(c)参照)が表示されるものである。つまり、第一大当たり演出および第二大当たり演出のいずれにおいても、同じ映像が表示される。なお、ここでいう演出映像30とは、大当たり用に作成された映像(大当たり遊技が実行されている最中のみ出力される固有の映像)をいうものであり、当たりとなったことを示す装飾図柄80の違いやラウンド数の表示等は当該映像を構成する要素に含まれないものとする。
また、第一大当たり演出(図9参照)および第二大当たり演出(図10参照)は、当該演出映像30とともにスピーカ95から演出楽曲が出力されるものでもある。演出映像30は、演出楽曲の内容に応じたものであり、両者は一緒に進行することを前提としたものである。つまり、演出楽曲のある個所が出力されている時点における演出映像30の一コマは毎回同じとなるものである(楽曲の進行と映像の進行が予め対応づけられたものであり、その対応関係がずれることはない)。本実施形態における演出楽曲は歌詞付であり、ある歌詞の箇所が出力されている時点における演出映像30の一コマは毎回同じであるということになる。本実施形態における演出映像30は、演出楽曲のPV(プロモーションビデオ)であり、演出楽曲の歌詞を表す文字を含むものである。よって、演出楽曲が含む歌詞と、演出映像30が含む歌詞が合う状態で両者が出力されなければならない。
本実施形態では、上記演出映像30および演出楽曲は次のように制御される。演出映像30は、第一開始条件や第二開始条件が成立する前(以下、条件成立前と称することもある)の段階から表示装置91(表示領域911)に出力されている(映像の信号が表示装置91に送信されている)(図9、図10参照)。しかしながら、条件成立前の段階においては、演出映像30を表す画像レイヤよりも手前の画像レイヤにて表される事前画像により演出映像30は遊技者に視認できない状態にある。つまり、演出映像30は、その手前に表示される事前画像により全体が覆われており、条件成立前においては視認できない(視認不能状態にある)ということである(「裏」で演出映像30が出力された状態にある)。
ここでいう事前画像は上述した第一画像21(図5(b)参照)または第二画像22(図6(b)参照)に相当するものである。小当たり当選時にて特定領域10が遊技球に進入する前の段階(小当たり遊技中)、すなわち第一開始条件が成立する前の段階においては、演出映像30は第一画像21に覆われて視認不能状態にある(図9参照)。同様に、大当たり当選時にて1球目の遊技球が大入賞領域906に進入する前の段階(第二大当たり遊技の最初の単位遊技中)、すなわち第二開始条件が成立する前の段階においては、演出映像30は第二画像22に覆われて視認不能状態にある(図10参照)。小当たり当選時には第一開始条件が成立することで第一画像21は消去されるから、それ以降は演出映像30が視認できる状態(視認可能状態)となる(図9参照)。同様に、大当たり当選時には第二開始条件が成立することで第二画像22は消去されるから、それ以降は演出映像30が視認可能状態となる(図10参照)。
演出楽曲は、第一開始条件や第二開始条件が成立する前の段階からスピーカ95を通じて出力されている(遊技者が聴取可能である)(図9、図10参照)。つまり、小当たり当選時においては、第一画像21に覆われて演出映像30が見えない段階においても演出楽曲が遊技者に聴こえるように出力されている。同様に、大当たり当選時においては、第二画像22に覆われて演出映像30が見えない段階においても演出楽曲が遊技者に聴こえるように出力されている。第一開始条件や第二開始条件が成立した後もそのまま演出楽曲は途切れることなく継続的に出力される。つまり、演出映像30が視認可能状態となったことを契機として最初から演出楽曲が出力されるといったものではない。
演出映像30の出力が開始される(表示装置91に対する演出映像30の信号送信が開始される)タイミング(映像出力開始時点)と演出楽曲の出力されるタイミング(楽曲出力開始時点)は一致したものとされる(図9、図10参照)。演出映像30は出力されていても第一開始条件や第二開始条件が成立する前は視認不能状態にある(少なくとも映像の冒頭から所定個所までは視認不能状態にある)が、第一画像21や第二画像22に覆われた状態で(「裏」で)映像は進行している。演出楽曲は第一画像21や第二画像22が表示されている段階(冒頭)から遊技者が聴取可能に出力されているところ、当該演出楽曲の進行に合わせて演出映像30が第一画像21や第二画像22の「裏」で進行しているということである。その後、第一開始条件や第二開始条件が成立することで第一画像21や第二画像22が消去されると演出映像30は視認可能な状態になるが、当該演出映像30は「裏」で演出楽曲に合わせて進行していたのであるから、視認可能な状態となった演出映像30と演出楽曲に「ずれ」は生じない。つまり、第一開始条件や第二開始条件が成立した後は、遊技者は演出楽曲に合わせて進行する演出映像30を見ることができる。
なお、本実施形態では、このような演出映像30の表示および演出楽曲の出力は、大当たり遊技(第一大当たり遊技または第二大当たり遊技)が終了するまで継続する。ただし、大当たり遊技の途中で終了するものとしてもよい。少なくとも、小当たり当選時においては第一大当たり遊技の最初の単位遊技(小当たり遊技を1ラウンド目の単位遊技とすれば2ラウンド目の単位遊技)が終了するまでは、大当たり当選時においては第二大当たり遊技の二回目の単位遊技(2ラウンド目の単位遊技)が終了するまでは演出映像30の表示および演出楽曲の出力が継続されるようにされる。つまり、少なくとも一回の単位遊技の開始から最後までは演出映像30の表示および演出楽曲の出力が継続的に実行されるものとする。
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、小当たり当選時には特定領域10に、大当たり当選時(直当たり時)には大入賞領域906に遊技球が進入することを契機として演出映像30が遊技者に視認可能な状態となる。つまり、いずれの場合であっても所定の領域に遊技球が進入することを契機として大当たり演出(第一大当たり演出、第二大当たり演出)である演出映像30の表示(遊技者に視認可能な状態となる表示)が開始されるから、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
また、演出映像30が視認不能状態から視認可能状態に移行するタイミング(対応する領域に遊技球が進入するタイミング)は不定であるところ、視認不能状態にある段階から演出楽曲に合わせて第一画像21や第二画像22の「裏」で演出映像30が出力されているから、視認可能状態に移行した際には演出映像30と演出楽曲が「合った」状態にある。本実施形態のように演出映像30と演出楽曲が歌詞付のものであれば、映像の歌詞と楽曲の歌詞が「合った」状態で出力されることになる。
以下、上記大当たり演出(第一大当たり演出、第二大当たり演出)に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例2-1
上記実施形態では、小当たり当選時は特定領域10に遊技球が進入することが第一開始条件として、大当たり当選時は大入賞領域906に遊技球が進入することが第二開始条件として設定されていることを説明したが、第一開始条件や第二開始条件を別の条件にすることも可能である。
例えば、大当たり当選時(直当たり時)において、大入賞領域906が開放されてから所定時間(ただし、所定時間=0を除く。すなわち大入賞領域906の開放自体は第二開始条件ではない)が経過することを第二開始条件として設定する(図11参照)。このようにすることで、大入賞領域906が開放されてからしばらくして第二開始条件が成立し、演出映像30の視認可能状態に移行する(第二大当たり演出が開始される)ことになる。小当たり当選時においても、特定領域10に遊技球が進入するまではある程度の時間がかかる(特定領域10(大入賞領域906)が開放されてからしばらくして特定領域10に遊技球が進入し、第一開始条件が成立して演出映像30の視認可能状態に移行する)ことになるところ、それに合わせて大当たり当選時においても大入賞領域906が開放されてから所定時間経過後に第二開始条件が成立するようにする。これにより、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
なお、上記実施形態にて説明した第二開始条件および本例にて説明した第二開始条件は、いずれも大入賞領域906が開放されなければ成立することがない条件であるという点において一致するといえる。
○具体例2-2
上記実施形態では、第二大当たり遊技の最初の単位遊技にて大入賞領域906に遊技球が進入することが第二開始条件の成立として設定されていることを説明したが、大当たり当選時においても特定領域10が開放されるものとし、当該特定領域10に遊技球が進入することが第二開始条件の成立として設定された構成としてもよい(図12参照)。このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても、特定領域10に遊技球が進入することを契機として大当たり演出(第一大当たり演出、第二大当たり演出)が開始されることになるから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
なお、上記実施形態にて説明した通り、特定領域10は大入賞領域906内に設けられているのであるから、当該特定領域10に遊技球が進入することは大入賞領域906に遊技球が進入しなければ生じ得ない。つまり、上記実施形態にて説明した第二開始条件および本例にて説明した第二開始条件は、いずれも大入賞領域906が開放されなければ成立することがない条件であるという点において一致するといえる。
○具体例2-3
上記実施形態では、第一大当たり演出として表示領域911に表示される演出映像30と第二大当たり演出として表示領域911に表示される演出映像30は同じであることを説明したが、第一大当たり演出として表示領域911に表示される演出映像30(第一演出映像)と第二大当たり演出として表示領域911に表示される演出映像30(第二演出映像)は異なるものであってもよい。このような場合であっても、第一画像21または第二画像22が消去されて第一演出映像または第二演出映像が視認可能に表示された状態に切り替わるタイミング(演出が切り替わるタイミング)は、所定領域(特定領域10または大入賞領域906)に遊技球が進入したときであって小当たり当選時と大当たり当選時とで似ているのであるから、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくいといえる。ただし、上記実施形態のように、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても大当たり演出として同じ演出映像30が表示されるようにした方が、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくいといえる。
本例のようにする場合、演出映像30の相違に合わせて演出楽曲が相違する構成としてもよい。つまり、小当たり当選時には第一演出映像の表示に合わせて第一演出楽曲が、大当たり当選時には第二演出映像の表示に合わせて第二演出楽曲が出力されるものとする。
○具体例2-4
演出映像30が視認不能状態から視認可能状態に移行することを契機として、当該演出映像30に重ねて紹介画像31が表示されるものとする(紹介画像31は、演出映像30を構成する画像レイヤよりも手前の画像レイヤによって表される)(図13参照)。当該紹介画像31は、演出楽曲を紹介するものである。紹介画像31は、例えば、演出楽曲の名称(タイトル)、演出楽曲の作詞、作曲者名、歌手名等の少なくとも一部が含まれるものとされる。
このような紹介画像31は、映像の冒頭にて表示されるのが通常である。本実施形態では、演出映像30の冒頭から開始条件(第一開始条件、第二開始条件)が成立するまでは第一画像21または第二画像22に覆われて視認不能状態にあるから、視認可能状態に切り替わったことを契機として紹介画像31が表示されるようにする。このように、演出映像30と紹介画像31を一体に構成せず(同じ画像レイヤにより表されるものとせず)、それぞれを独立して制御できるようにすることで、上記実施形態にて説明したように演出映像30が冒頭から視認可能な状態で表示されない場合であっても遊技者に対し演出楽曲(演出映像30)を紹介することができる。
4)選択示唆演出
本実施形態にかかる遊技機1では、通常遊技状態中に実行される変動中演出を構成する演出として選択示唆演出が発生しうる。以下、選択示唆演出について説明する。当該選択示唆演出は、三つの装飾図柄群80gのいずれもが変動している状態(停止または疑似停止していない状態)で発生する(リーチが成立するか否かが判明するよりも前に発生する)ものであり、第一段階から第三段階を含む演出である。
第一段階においては、それぞれが複数の選択肢40sを含む二以上の選択肢群40が表示領域911に表示される(図14(a)参照)。当該第一段階においては、各選択肢群40が含む全ての選択肢40sが把握できるように表示領域911に表示される。本実施形態では、三つの選択肢群40(第一選択肢群41、第二選択肢群42、第三選択肢群43)が表示される。各選択肢群40は、三つの選択肢40sを含む。ただし、各選択肢群40が含む選択肢40sの数は適宜変更可能である。最終的に選択された選択肢40sが、選択示唆演出を含む変動中演出に対応する当否抽選結果(以下、対象当否抽選結果と称することもある)が大当たりとなる蓋然性((大当たり)信頼度)を示唆する。本実施形態では、一の選択肢群40が含む複数の選択肢40sは互いに異なる(信頼度が異なる)ものとされる。
本実施形態では、選択肢40sとなりうる候補として、「×」「リーチ」「NEXT」「SP」「激熱」の五つが設定されており、当該順で大当たり信頼度が高い(「激熱」が最も大当たり信頼度が高い最高選択肢である)ものとされる。なお、「×」が選択された場合は対象当否抽選結果がはずれであることが確定するものである(対象当否抽選結果がはずれとなる場合しか選択されることはないということである)。また、「リーチ」の選択肢40sが選択された場合にはリーチの成立(ノーマルリーチ演出以上の信頼度の演出が発生すること)が確定する。「NEXT」の選択肢40sが選択された場合には疑似連続演出の発生が確定する(疑似連続演出自体は周知であるから説明を省略する)。「SP」の選択肢40sが選択された場合にはSPリーチ演出の発生(ノーマルリーチ演出よりも信頼度が高い演出の発生)が確定する。
各選択肢群40は、他の選択肢群40とは態様が異なる部分(以下、固有部と称する)。本実施形態における固有部は、各選択肢群40にて選択肢40s同士を区切る「枠」である。当該「枠」の色が、第一選択肢群41は「青」(第一固有部411)、第二選択肢群42は「緑」(第二固有部421)、第三選択肢群43は「赤」(第三固有部431)とされている(なお、図面においては当該色(色の違い)を「文字」で示す)。当該固有部の色により、遊技者は各選択肢群40が異なるものであること(「枠」の色が何かを示唆するものであること)を容易に把握できる。なお、当該「枠」の形状は互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第一段階の後実行される第二段階は、二以上の選択肢群40のうちの一つが変動表示されるものである(図14(b)参照)。本実施形態では、三つの選択肢群40(第一選択肢群41~第三選択肢群43)のうちの一つが変動表示され、他の二つの選択肢群40は変動表示されない(静止したままである)。以下の説明においては、第二段階にて変動表示される選択肢群40を対象選択肢群40Tと称する。最終的な選択肢40s(後述する第三段階にて示される選択肢40s)は当該対象選択肢群40Tが含む選択肢40sから選ばれることになる。つまり、第二段階において、対象選択肢群40Tには含まれず、対象選択肢群40T以外の選択肢群40に含まれている選択肢40sは選択される可能性が無くなるということである。対象選択肢群40Tの変動態様はどのようなものであってもよい。本実施形態では、各選択肢群40はそれぞれが含む選択肢40sが放射状に並ぶように表示されるものであるところ、当該放射状に並ぶ選択肢40sの中心を回転中心として各選択肢40sが回転して変動表示される。
第二段階の後実行される第三段階では、対象選択肢群40Tが含む複数の選択肢40sのうちのいずれかが選択される(図14(c)参照)。対象選択肢群40T以外の選択肢群40が含む選択肢40sが選択されることはない。つまり、第一段階にて表示される二以上の選択肢群40のうちのいずれが対象選択肢群40Tとされるかにより、第三段階にて最終的に選択される選択肢40sが示唆されているといえる。
対象選択肢群40Tが含む複数の選択肢40sのうちのいずれが選択されたかを示す態様は種々考えられる。本実施形態では、対象選択肢群40Tの変動が停止した上で、一の選択肢40sが拡大表示される(ズームアップされる)ことで当該一の選択肢40sが選択されたことが示される(図14(c)参照)。図示しないが、それ以外にも例えば、対象選択肢群40Tの変動が停止したときに所定位置に位置する一の選択肢40sが選択されたものとする(選択された選択肢40sが予め定められた位置に位置する)ことが考えられる。当該所定位置を示すカーソル等が表示されるようにするとより分かりやすい。当該第三段階にて選択された選択肢40sが対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆するものとなる。
選択された選択肢40sがその後の遊技の進行を示唆するものであれば、それに応じて遊技が進行する。例えば、「リーチ」が選択されたのであれば、リーチが成立した上でリーチ演出が実行される。
ここで、選択示唆演出においては、第二段階にて対象選択肢群40Tとされる選択肢群40が第一選択肢群41~第三選択肢群43のいずれであるかに応じ、第三段階にて選択される選択肢40sが示唆される。本実施形態では、各選択肢群40は三つの異なる選択肢40sを有する。そのため、各選択肢群40が有する三つの選択肢40sの信頼度は異なることになる。その三つの選択肢40sのうち、最も高いものを「高」、次に高いものを「中」、最も低いものを「低」とする。対象選択肢群40Tとされるのが第一選択肢群41(第一固有部411:青)である場合よりも第二選択肢群42(第二固有部421:緑)である場合の方が、また、対象選択肢群40Tとされるのが第二選択肢群42(第三固有部431:緑)である場合よりも第三選択肢群43(固有部:赤)である場合の方が信頼度の高い選択肢40sが選ばれる蓋然性(「高」が選ばれる蓋然性)が高い設定とされている(図14参照)。最終的に選択された選択肢40sが対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆するものであるが、第二段階にて決まる対象選択肢群40Tの種類(固有部の種類)も間接的に対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆するものであるといえる。
仮に、最も信頼度が高い選択肢40s(最高選択肢)である「激熱」を、三つの選択肢群のうちの二以上が含んでいた場合には、遊技者に有利な選択肢群40が対象選択肢群40Tとされた場合ほど、「激熱」が選ばれやすいということである。例えば、図14(a)に示すように第一選択肢群41と第二選択肢群42の両方が「激熱」を含んでいれば、第一選択肢群41が対象選択肢群40Tとされた場合よりも第二選択肢群42が対象選択肢群40Tとされた場合の方が「激熱」が選ばれる蓋然性が高い。同様に、図示しないが第二選択肢群42と第三選択肢群43の両方が「激熱」を含んでいれば、第一選択肢群41が対象選択肢群40Tとされた場合よりも第二選択肢群42が対象選択肢群40Tとされた場合の方が「激熱」が選ばれる蓋然性が高い。第一選択肢群41~第三選択肢群43のいずれもが「激熱」を含んでいれば、第一選択肢群41、第二選択肢群42、第三選択肢群43の順で、対象選択肢群40Tとされた場合における「激熱」が選択される蓋然性が高くなるということである。
このように、選択示唆演出は、対象選択肢群40T(固有部)の種類により、高信頼度の選択肢40sが選ばれる蓋然性が示唆されるから、第二段階にて有利な選択肢群40が対象選択肢群40Tとされることを願う(有利な選択肢群40が変動表示されることを願う)遊技性が実現される。
ただし、単純に選択肢群40(固有部)の種類からいえば、第一選択肢群41、第二選択肢群42、第三選択肢群43の順で対象選択肢群40Tとされたときに遊技者に有利(第三選択肢群43が対象選択肢群40Tとされることが最も有利)であるといえるため、遊技者は第二段階にて第三選択肢群43が変動表示されることを願うのが通常であるが、場合によってはそれ以外の選択肢群40が変動表示されることを願うケースも生じ得る。最終的に選択される選択肢40sは対象選択肢群40Tから選ばれる(それ以外の選択肢群40から選ばれない)のであるから、例えば仮に、図15に示すように、第三選択肢群43が『「×」「リーチ」「NEXT」』の選択肢40sを含む一方、第二選択肢群42が『「NEXT」「SP」「激熱」』の選択肢40sを含むのであれば、第二選択肢群42の方が信頼度が高い選択肢40sが含まれる、はずれが確定する「×」を含まないといった理由から、第二選択肢群42が対象選択肢群40Tとされた方が良いという状況も生じる。このように、第一段階にて各選択肢群40が含む選択肢40sが示された上で、第二段階にて対象選択肢群40Tが決まるという流れであるから、遊技者は各選択肢群40が含む選択肢40sを見た上で、いずれの選択肢群40が対象選択肢群40Tとされるのが好ましいかを判断しつつ、演出を楽しむことになる。
以下、上記選択示唆演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例3-1
上記実施形態における選択示唆演出は、第二段階にて一の選択肢群40が変動表示されることで、当該一の選択肢群40が対象選択肢群40Tであることが示される(変動表示されない選択肢群40は対象選択肢群40Tではないことが示される)ものであることを説明したが、対象選択肢群40Tを示すための態様(演出)は、上記実施形態の態様以外にも考えられる。
二以上の選択肢群40のうち、対象選択肢群40Tとされるものが他の選択肢群40よりも強調されるようにすることが考えられる。例えば、図16に示すように、第一段階では全ての選択肢群40が半透明な態様(背景が透けて見えるような態様;図面において点線で示す)で表示されている(図16(a)参照)ものの、第二段階で一の選択肢群40(対象選択肢群40T)が不透明(図面において実線で示す)となる(図16(b)参照)構成とすることが考えられる。
図示しないが、別例として、第二段階に移行したときには全ての選択肢群40が白黒で表示されているものの、一の選択肢群40(対象選択肢群40T)がカラーで表示されるような構成とすることが考えられる。また、図示しないが、別例として、一の選択肢群40(対象選択肢群40T)が途中で大きくなる(その他の選択肢群40は大きさが維持される)ような構成とすることが考えられる。
ただし、選択示唆演出は、複数の選択肢40sのうちのいずれかが信頼度示唆要素として選ばれることを基本態様とするものであるから、上記実施形態のように変動表示されるのが対象選択肢群40Tである(最初に動き出したものが対象である)とする設定は、演出の流れが分かりやすい構成であるといえる。
○具体例3-2
上記実施形態では、一の選択肢群40に含まれる複数の選択肢40sは互いに異なるものであることを説明したが、一の選択肢群40に二以上の同じ選択肢40sが含まれる場合がある設定としてもよい。当該二以上の同じ選択肢40sが含まれる選択肢群40が対象選択肢とされた場合には、二以上の選択肢40sが選ばれる蓋然性の方が、一の選択肢40sが選ばれる蓋然性よりも高いものとされる(多い方が選択されやすい)。
○具体例3-3
全ての選択肢群40が含む複数の選択肢40sの構成(各選択肢群40の選択肢40sの組み合わせ)が同じである設定とする。選択肢示唆演出が発生する度に当該組み合わせが変化する構成としてもよいし、全ての選択肢示唆演出にて当該組み合わせが同じである構成としてもよい。例えば、第一選択肢群41が「×」「リーチ」「激熱」の選択肢40sの組み合わせを有するものとされるのであれば、それに合わせて第二選択肢群42、第三選択肢群43も「×」「リーチ」「激熱」の選択肢40sの組み合わせを有するものとされる(図17参照)。
このようにすることで、選択示唆演出が分かりやすくなるという利点がある。つまり、選択示唆演出は、対象選択肢群40Tとされた選択肢群40の種類(固有部の種類)により信頼度が高い選択肢40sが選ばれる蓋然性を示唆するものであるところ、各選択肢群40が有する選択肢40sの組み合わせが異なるとそれが把握されにくいから、少なくとも同じ選択示唆演出においては各選択肢群40が含む選択肢40sの組み合わせが同じになる設定とし、有利な選択肢群40が対象選択肢群40Tとされた場合ほど信頼度が高い選択肢40sが選ばれやすいことが分かりやすくなるようにする。
○具体例3-4
上記実施形態では、各選択肢群40が含む選択肢40sの数は三つであることを説明したが、当該選択肢40sの数は適宜変更可能である。また、選択示唆演出の度に、各選択肢群40が含む選択肢40sの数が変化しうる構成としてもよい。また、一回の選択示唆演出にて、ある選択肢群40が含む選択肢40sの数と、別の選択肢群40が含む選択肢40sの数が異なりうる設定(図18(a)参照)としてもよい。
○具体例3-5
第一段階または第二段階にて二以上の選択肢群40のうち、いずれが対象選択肢群40Tとされるかを示唆する演出(対象示唆演出)が発生するものとする。つまり、ある選択肢群40が対象選択肢群40Tとされる蓋然性よりも、別の選択肢群40が対象選択肢群40Tとされる蓋然性が高い、といったことを示す演出が発生するものとする。なお、当該対象示唆演出は、選択示唆演出にて毎回発生するものとしてもよいし、発生することもあれば発生しないこともある設定としてもよい。
例えば、上記具体例3-4にて説明したように、ある選択肢群40が含む選択肢40sの数と、別の選択肢群40が含む選択肢40sの数が異なりうる設定であるとする。これを前提とし、選択肢群40が含む選択肢40sの数が少ないほど、対象選択肢群40Tとなる蓋然性が高い設定とする(図18(b)参照)。第二段階にて変動表示された選択肢群40が対象選択肢群40Tとなることに鑑み、選択肢40sの数が少ない選択肢群40(「軽く」見える選択肢群40)ほど変動表示されやすい、すなわち対象選択肢群40Tとされやすい設定とする。
これとは逆に、選択肢群40が含む選択肢40sの数が多いほど、対象選択肢群40Tとなる蓋然性が高い設定としてもよい。対象選択肢群40Tが含む選択肢40sの数が多いほど、最終的な選択肢40sが予測しにくく、最後まで遊技者は演出に注目することになることが予想されることから、このような選択肢40sの数が多い選択肢群40が対象選択肢群40Tとなりやすい設定としてもよい。
また、対象示唆演出として、所定の画像(対象示唆画像48)が表示されるものとし、当該対象示唆画像48の態様により対象選択肢群40Tとなりやすい選択肢群40が示唆されるものとする。例えば、対象示唆画像48として二以上の選択肢群40のうちの一つを動かそうとする(変動表示させようとする)キャラクタが表示されるものとする(図19参照)。この場合には、当該キャラクタが作用する選択肢群40(キャラクタに最も近い位置に表示される選択肢群40)が、他の選択肢群40に比して対象選択肢群40Tとなる蓋然性が高いものとする(図19に示したのは、第三選択肢群43が他の選択肢群40に比して対象選択肢群40Tとなる蓋然性が高い場合の例である)。当該キャラクタが作用する選択肢群40が対象選択肢群40Tとなることが確定する設定としてもよいし、当該キャラクタが作用する選択肢群40以外の選択肢群40が対象選択肢群40Tとなりうる設定としてもよい。
○具体例3-6
固有部の種類として、対象選択肢群40Tとなることが確定するものが設定された構成とする。例えば、上記実施形態にて説明した「青」「緑」「赤」に加え「金」の固有部が設定されうる構成とし、ある選択肢群40に「金」の固有部が設定された場合には当該選択肢群40が対象選択肢群40Tとなることが確定するものとする。
なお、本例のようにする場合、選択示唆演出にて表示される選択肢群40の数よりも、各選択肢群40に設定されうる固有部の種類の数が多い構成とする。「表示される選択肢群40の数=固有部の種類の数」であると、毎回必ず「金」の固有部が設定された選択肢群40が表示されることになり、二以上の選択肢群40のうちのいずれが対象選択肢群40Tとなるのかという楽しみがなくなってしまうからである。
5)三次元演出
本実施形態にかかる遊技機1では、通常遊技状態中に実行される変動中演出を構成する演出として三次元演出が発生しうる。以下、三次元演出について説明する。本実施形態における三次元演出は、味方キャラクタ(遊技者側のキャラクタ)と敵キャラクタが戦うバトル演出の一部として発生するものである。バトル演出は、味方キャラクタが勝利する勝利結末または敗北する敗北結末に至るものであり、対象当否抽選結果(三次元演出を含む変動中演出に対応する当否抽選結果)が大当たりとなる場合には勝利結末(一旦敗北したかのように見せかけて勝利する「逆転態様」を含む)に、はずれとなる場合には敗北結末に至るものである。すなわち、当該バトル演出は、リーチ演出(スーパーリーチ演出)の一種である。
三次元演出は、上記結末に至る前の味方キャラクタと敵キャラクタの戦い(図20(a)参照)を示す演出であって、基準状態から変位状態に至ることを基本構成とするものである。表示領域911に基準画像50が表示された状態を基準状態(図20(b)参照)とする(図20(b)参照)。当該基準画像50は敵キャラクタを含むものである。本実施形態では、敵キャラクタおよびその背景が基準画像50に含まれる。換言すれば、基準画像50は、味方キャラクタの視点を表したものであるといえる。基準状態においては、表示領域911の全体に基準画像50が表示されている。なお、本実施形態では、装飾図柄80は基準画像50に含まれないものとされる。ただし、装飾図柄80が基準画像50に含まれるものとしてもよい。
その後、当該基準状態から、表示領域911に対して基準画像50が後方に変位したかのように表示された変位状態(図20(c)参照)に至る。表示領域911は略方形状であるから、基準状態にて表示されていた基準画像50も略方形状であるとみなせる。そこから基準画像50が表示領域911の中央側に向かって縮小する(基準画像50の外縁を表す「方形」が小さくなる)ように表示されることで、後方(奥行き方向)に基準画像50が変位したかのように見える。基準画像50は敵キャラクタを含むものであるから、変位状態から変位状態への変化は、敵キャラクタが後方に移動したかのように見える変化であるともいえる。つまり、実際の表示領域911に表される画像は「縦方向」および「横方向」の二次元で表されるものであるところ、基準状態から変位状態への変化は「前後方向」への変化を表すものであるといえる。
本実施形態では、変位状態にて奥行画像51が表示される(図20(c)参照)。奥行画像51は、基準画像50(敵キャラクタ)の変位が三次元的なもの(後方への変化)であることを強調するために表示されるものである。上述した通り、基準状態においては表示領域911の全体に基準画像50が表示された状態にある。そこから基準画像50が縮小された変位状態に変化するのであるから、当該変位状態においては基準画像50の周囲に画像を表示することが可能な領域が生じる。つまり、基準画像50が後方に変位したかのように表示されることより、変位状態においては基準画像50が表示されていない領域(以下、基準外領域912と称することもある)が生じる。かかる基準外領域912に奥行画像51が表示される。
本実施形態における奥行画像51は、略方形状である表示領域911の四隅から同じく略方形状である基準画像50の四隅に向かう線状の遠近画像部51Lを含む。遠近画像部51Lは、一つの消失点に向かう四本の線状の部分であり、このような奥行画像51が表示されることで、基準画像50(基準画像50を表すパネル)が一点透視図で表されたかのように見える状態となる。
基準画像50がこのような変位状態となった上で、当該基準画像50に向かう演出画像55が表示される。本実施形態では、基準画像50に向かって延びる「ビーム」のような画像が演出画像55として表示される(図20(d)参照)。上述した通り、三次元演出はバトル演出の一部として実行されるものであり、味方キャラクタの視点で描かれる演出であるところ、味方キャラクタが繰り出した「ビーム」が基準画像50により表される敵キャラクタ(基準画像50が含むターゲット画像)に向かうように見える(敵キャラクタに向かうトンネルをビームが通過しているように見える)演出形態となる。三次元演出の冒頭(基準状態)からみれば、敵キャラクタが後方に変位した上で、当該後方に変位した敵キャラクタに対し、味方キャラクタが攻撃を繰り出しているように見える一連の演出の流れとなる。本実施形態では、演出画像55は、敵キャラクタを攻撃する(基準画像50に作用する)要素を表すものであるから、時間が経過するにつれてその先端(最も基準画像50に近い端部)が次第に基準画像50(敵キャラクタ)に近づいていく(ビームの先端と敵キャラクタの距離が次第に小さくなっていく)ように態様変化するものとされる。
なお、演出画像55の具体的態様(表す対象物)は適宜変更可能である。基準画像50に向かうように表示されるものであればよい。本実施形態のように基準画像50が敵キャラクタを含むものであり、当該敵キャラクタを攻撃する要素として演出画像55を表示するのであれば、その攻撃の内容は適宜変更可能である。
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、基準画像50が後方に向かって変位したかのように見える変化(基準状態から変位状態への変化)が生じた上で、当該基準画像50に向かう演出画像55が表示されるという、斬新かつ面白みのある三次元演出(横方向および縦方向に加え、前後方向にも空間があるように見える演出)を実行することができる。
特に、本実施形態における三次元演出は、基準画像50が後方に向かって変位することにより生じる基準外領域912に奥行画像51が表示されるものであるから、三次元的に見える作用を高めることが可能である。
以下、上記三次元演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例4-1
上記三次元演出は、いわゆるバトル演出の一部として発生するものであることを説明したが、それ以外の演出にも適用可能である。例えば、キャラクタAを含む基準画像50が表示された基準状態(図21(a)参照)から、当該基準画像50が小さくなって後方に向かって変位したかのように見える変位状態(図21(b)参照)となる。その上で、キャラクタAの相手方キャラクタであるキャラクタBの手がキャラクタAに向かうような画像が表示される(図21(c)参照)。このようにすることで、キャラクタAとキャラクタBはカップルであり、離れ離れにならないようにキャラクタBがキャラクタAに向かって手を伸ばしているかのような状況が表現される。
○具体例4-2
奥行画像51は、基準画像50(敵キャラクタ)の変位が三次元的なもの(後方への変化)であることを強調するものであれば、上記実施形態にて説明した態様以外のものも考えられる。例えば、上記実施形態では、表示領域911の四隅から基準画像50の四隅に延びる遠近画像部51Lを含む奥行画像51が表示されること、すなわち消失点に向かって延びる四本の線(線状部分)を含む奥行画像51が表示されることを説明したが、このような線が二本だけ形成された遠近画像部51Lとしてもよい。例えば、図22に示すように、基準画像50は、基準状態から変位状態にかけて、その上縁を表示領域911の上側縁に一致させたまま変化するものとする(変位状態においても基準画像50の上縁が見えないものとする)。その上で、基準画像50の下側の左右の隅から、表示領域911の下側の左右の隅に向かう遠近画像部51L(線)が表示されるものとする。図示しないが、図22とは逆に、基準画像50は、基準状態から変位状態にかけて、その下縁を表示領域911の下側縁に一致させたまま変化するものとしてもよい。このようにしても、基準画像50(敵キャラクタ)の変位が三次元的なもの(後方への変化)であることが強調される。
また、別例として、基準画像50の上側、下側、左側、右側のそれぞれに単位画像部51Uが並ぶような構成とすることが考えられる(図23参照)。基準画像50の四隅から表示領域911の四隅に向かって延びる仮想線で区切られる各領域を上側領域912a、下側領域912b、左側領域912c、右側領域912dとする(これら各領域を合わせたものが基準外領域912である)。これら四つの各領域に複数の単位画像部51Uが並ぶ構成とされる(図23(b)参照)。単位画像部51Uは、基準画像50の上縁、下縁、左縁、右縁側から表示領域911の上縁、下縁、左縁、右縁に向かって並ぶように表示される。上記仮想線は基準画像50から離れるにつれて次第に広がるものであるから、各単位画像部51Uもそれに合わせて大きくなるものとされる。このような単位画像部51Uが並ぶ構成とすることで、より明確に奥行感を表すことができる。
当該単位画像部51Uは、基準画像50の一部を表したものとされることが好ましい。具体的には、基準状態における基準画像50の上端側の一部分は上側領域912aに表示される単位画像部51U、下端側の一部分は下側領域912bに表示される単位画像部51U、左端側の一部分は左側領域912cに表示される単位画像部51U、右端側の一部分は右側領域912dに表示される単位画像部51Uとされる。各領域に並ぶ単位画像部51Uは、全て同じ部分(基準画像50の上端側、下端側、左端側、または右端側の一部分)を表したものとされる(図23(b)参照)。上述した通り、単位画像部51Uは基準画像50から離れて大きくなるものであるが、各単位画像部51Uは同じ部分を表したものであることを把握できる状態を保ちつつ、表示領域911の外縁に向かって次第に大きくなるものが並ぶように表示される。このようにすることで、基準画像50(敵キャラクタ)が奥に変位したということがより分かりやすくなる。
基準状態から変位状態に移行する際には、基準画像50が次第に小さくなっていくことになるところ、基準画像50が小さくなるにつれて(図23(a)から(b)にかけて)単位画像部51Uの数が増加していく構成とすることが好ましい。つまり、基準画像50が小さくなっていく過程において、上記上側領域912a、下側領域912b、左側領域912c、右側領域912dのそれぞれが次第に大きくなっていくことになるから、それに合わせて各領域に表示される単位画像部51Uの数が増加していくようにすればよい。このようにすることで、基準状態から変位状態への変化をより分かりやすいものとすることができる。
○具体例4-3
基準状態(図24(a)参照)から変位状態(図24(c)参照)に向かうきっかけとなる演出(トリガ演出)(図24(b)参照)が発生するものとする。上記実施形態にて説明したように、三次元演出がバトル演出の一部として発生するものであり、基準画像50が敵キャラクタを含むものとするのであれば、トリガ演出として敵キャラクタが攻撃された(押された)かのような演出が発生するものとする(図24(b)参照)。これにより、敵キャラクタが攻撃された結果、後ろに変位したかのように見える演出態様となる。
このように、基準画像50が含む演出要素に対し、当該演出要素を後ろに向かわせるような働きかけ(作用)がなされたことを示す画像が表示されることをトリガ演出として発生させることで、基準状態から変位状態への変化がよりリアルなものとなる。
○具体例4-4
変位状態における基準画像50の態様として複数の態様が設定されたものとする。例えば、変位状態における基準画像50の態様が通常である三次元演出と、変位状態における基準画像50の態様がそれとは異なる三次元演出が発生しうるものとし、前者と後者とでは対象当否抽選結果の大当たり信頼度が異なる設定とする。このようにすることで、変位状態における基準画像50の態様にも注目することになる。
例えば、変位状態における基準画像50の大きさが毎回異なりうる設定とすることが考えられる。上記実施形態のように、基準画像50が敵キャラクタを表すものとするのであれば、変位状態における基準画像50が小さいほど、大当たり信頼度が高い(勝利結末に至る蓋然性が高い)設定とすることが好ましい(図25参照)。基準画像50が小さいということは(倒すべき)敵キャラクタが小さいということであるから、基準画像50が小さいほど勝利結末に至る蓋然性が高い設定とする。
基準画像50の態様の違いを表す要素は「大きさ」に限られない。例えば、基準画像50の外縁の色の違いが大当たり信頼度を示唆するものとしてもよい。
○具体例4-5
演出画像55の態様として複数の態様が設定されたものとする。例えば、通常の態様である第一演出画像が表示される三次元演出が発生することもあれば、それとは異なる態様の第二演出画像が表示される三次元演出が発生することもある設定とし、前者と後者とでは対象当否抽選結果の大当たり信頼度が異なる設定とする。このようにすることで、変位状態における演出画像55の態様にも注目することになる。
上記実施形態のように、基準画像50が敵キャラクタを表すものとするのであれば、変位状態における演出画像55が大きいほど、大当たり信頼度が高い(勝利結末に至る蓋然性が高い)設定とすることが好ましい。演出画像55は、敵キャラクタを攻撃する要素(上記実施形態では味方キャラクタが発する「ビーム」)であるから、当該演出画像55が大きいほど勝利結末に至る蓋然性が高い設定とする。
○具体例4-6
奥行画像51の態様として複数の態様が設定されたものとする。例えば、通常の態様である第一奥行画像が表示される三次元演出が発生することもあれば、それとは異なる態様の第二奥行画像が表示される三次元演出が発生することもある設定とし、前者と後者とでは対象当否抽選結果の大当たり信頼度が異なる設定とする。奥行画像51は、基準画像50の変位が三次元的なもの(後方への変化)であることを強調するために表示されるものであって、遊技者がそれほど注目するものであるとはいえない。かかる奥行画像51の態様が異なりうる設定とすることで、「知る人ぞ知る」演出(信頼度示唆)として機能させることができる。
奥行画像51が含む遠近画像部51Lの態様の違いにより大当たり信頼度が示唆される構成とすることが考えられる。例えば、線状である遠近画像部51L画像部が太いほど、大当たり信頼度が高い設定とすることが考えられる(図26参照)。
6)事前演出および事後演出
本実施形態にかかる遊技機1では、通常遊技状態中に実行される変動中演出を構成する演出として事前演出および事後演出が発生しうる。以下、事前演出および事後演出について説明する。なお、事前演出とそれに対応する事後演出は、同じ変動中演出にて発生するものである。また、全ての変動中演出にて事前演出や事後演出が発生するわけではない。
事前演出は、候補となる複数のキャラクタのうちのいずれかが対象キャラクタとして表示領域911に表示される演出(図27(a)参照)である。本実施形態では、当該候補となるキャラクタとして、キャラクタX、キャラクタY、キャラクタZの三種類が設定されている(図面においては、当該キャラクタを「文字」で示す)。なお、各キャラクタは、事前演出だけでなく、事後演出においても表示されるものであるところ、遊技者が同じキャラクタを表していると認識可能な範囲において態様等は変化してもよいものとする。
事前演出が発生するタイミングは遊技者に予測できるようなものではない。変動中演出にて事前演出が発生する可能性がある契機は複数設定されており、当該複数の契機のいずれにて突発的に事前演出が発生しうる。当該契機としては、例えば、装飾図柄80の変動開始直後、疑似連続演出の発生時、リーチ成立時、特定の演出発生時等を例示することができる。後述するように事後演出は、いわゆるスーパーリーチ演出であるところ、当該事後演出としてのスーパーリーチ演出が発生するよりも前に生じうる複数の契機のいずれかにて事前演出が発生しうる。
事前演出が発生した場合には、キャラクタX~Zのいずれかである対象キャラクタを表した画像(図柄)が表示領域911の中央寄りに大きく表示される(図27(a)参照)。その後、当該画像は小さくされ、事後演出における所定時点まで表示領域911の外縁近傍に表示され続ける(図27(b)参照)。以下の説明では、対象キャラクタXの事前演出を事前演出Xと、対象キャラクタYの事前演出を事前演出Yと、対象キャラクタXの事前演出を事前演出Zと称することもある。なお、本実施形態では、ある変動中演出にて事前演出が二回以上発生することはない。
事後演出は、事前演出が発生した変動中演出にて、事前演出の発生後に発生しうる演出である。本実施形態では、ある変動中演出にて事前演出が発生した場合、当該変動中演出にて複数種の事後演出(詳細は後述)のうちのいずれかが発生することが確定する。本実施形態における事後演出は、いわゆるスーパーリーチ演出である。具体的には、遊技者側のキャラクタと敵キャラクタが戦い、当該事後演出が発生する変動中演出に対応する当否抽選結果(対象当否抽選結果)が大当たりである場合には遊技者側のキャラクタが勝利する結末(勝利結末)に至り、はずれである場合には遊技者側のキャラクタが敗北する結末(敗北結末)に至るものである。なお、勝利結末には、遊技者側のキャラクタが一旦敗北したかのように見せかけて逆転(復活)するパターンも含まれるものとする。このように、事後演出は、対象当否抽選結果に応じ、遊技者に有利な結末または不利な結末に至るものである。
当該事後演出として、上述したキャラクタX~Zの少なくともいずれかが登場する複数種の演出が発生しうる。本実施形態では、少なくとも、主要キャラクタがXである事後演出X、主要キャラクタがYである事後演出Y、主要キャラクタがZである事後演出Zの三種類が発生しうる。ここで「主要キャラクタ」とは、敵キャラクタと戦う「主」のキャラクタ(遊技者側のキャラクタ)であり、上記勝利結末とは当該主要キャラクタが勝利する結末に至るものである。本実施形態では、事後演出の冒頭にて、当該主要キャラクタが表示される(図27(c)参照)。なお、各事後演出には、主要キャラクタの名称が付された演出名が規定されている。事後演出Xは「Xリーチ」、事後演出Yは「Yリーチ」、事後演出Zは「Zリーチ」という演出名が規定されており、各事後演出が発生する際や、発生が予告される際には当該演出名が用いられる(変動中演出を構成する演出として当該演出名を用いた演出が発生しうる)。
ここで、事前演出は、キャラクタX~Zのいずれかが対象キャラクタとして表示されるものであるところ、事前演出(図27(a)参照)の対象キャラクタと、当該事前演出に対応する事後演出(図27(c)参照)の主要キャラクタとは異なるキャラクタとなるように設定されている。すなわち、ある変動中演出にて事前演出Xが発生した場合、当該変動中演出にて事後演出Xは発生せず、事後演出Yまたは事後演出Zが発生する。同様に、ある変動中演出にて事前演出Yが発生した場合、当該変動中演出にて事後演出Yは発生せず、事後演出Xまたは事後演出Zが発生する。ある変動中演出にて事前演出Zが発生した場合、当該変動中演出にて事後演出Zは発生せず、事後演出Xまたは事後演出Yが発生する(図28参照)。
事前演出における対象キャラクタは、事後演出にて主要キャラクタを助ける「お助けキャラクタ」として登場する。すなわち、事後演出は、主要キャラクタが登場した後、当該お助けキャラクタクタが登場することになる。ある変動中演出にて事前演出X(図27(a)参照)が発生した後、事後演出Y(図27(c)参照)が発生する場合、当該事後演出Yは主要キャラクタYが登場した後、お助けキャラクタXが登場し、キャラクタYとキャラクタXとで敵キャラクタと戦う事後演出Y+X(以下、主要キャラクタを○、お助けキャラクタを□とする事後演出を「事後演出○+□」と称する)が展開される(図27(d)参照)。
事前演出Xの後、事後演出Zが発生する場合には、主要キャラクタZが登場した後、お助けキャラクタXが登場し、キャラクタZとキャラクタXとで敵キャラクタと戦う事後演出Z+Xが展開される。同様に、事前演出Yが発生した後、事後演出Xが発生する場合には、主要キャラクタXが登場した(表示された)後、お助けキャラクタYが登場し(表示され)、キャラクタXとキャラクタYとで敵キャラクタと戦う事後演出X+Yが展開される。事前演出Yが発生した後、事後演出Zが発生する場合には、主要キャラクタZが登場した後、お助けキャラクタYが登場し、キャラクタZとキャラクタYとで敵キャラクタと戦う事後演出Z+Yが展開される。また、事前演出Zが発生した後、事後演出Xが発生する場合には、主要キャラクタXが登場した後、お助けキャラクタZが登場し、キャラクタXとキャラクタZとで敵キャラクタと戦う事後演出X+Zが展開される。事前演出Zが発生した後、事後演出Yが発生する場合には、主要キャラクタYが登場した後、お助けキャラクタZが登場し、キャラクタYとキャラクタZとで敵キャラクタと戦う事後演出Y+Zが展開される(図28参照)。
このように、本実施形態では、事前演出にて示されたキャラクタとは異なるキャラクタを主要演出とする事後演出が発生した上で、事前演出にて示されたキャラクタはお助けキャラクタとして登場することになる。事前演出にて示されたキャラクタと同じキャラクタを主要キャラクタとする事後演出は発生しない(図28参照)。
事後演出にてお助けキャラクタが登場する際、事前演出が発生した段階から表示領域911に表示されていた対象キャラクタが拡大表示された上で、当該キャラクタが参戦したかのような演出が実行される。その後、事後演出が結末(勝利結末または敗北結末)に至ることになる。
本実施形態では、お助けキャラクタが登場しない演出であって、事後演出におけるお助けキャラクタが登場する前までの段階においては各事後演出と態様が同じ(演出として遊技者に同一視される映像が表示されることをいい、いわゆるチャンスアップの有無等による態様の違いは含まれない)であるリーチ演出が発生しうる。すなわち、主要キャラクタがXであるリーチ演出X(お助けキャラクタYまたはZが登場する前までは事後演出Xと態様同じ)、主要キャラクタがYであるリーチ演出Y(お助けキャラクタXまたはZが登場する前までは事後演出Yと態様同じ)、主要キャラクタがZであるリーチ演出Z(お助けキャラクタXまたはYが登場する前までは事後演出Xと態様同じ)が発生することがある。これらのリーチ演出X~Zが発生した場合よりも、事後演出X~Zが発生した場合の方が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度は高い。つまり、お助けキャラクタが登場する分、事後演出の方が敵キャラクタに勝利する蓋然性が高い設定とされている。お助けキャラクタはいわゆるチャンスアップの一種とみることができる(リーチ演出がデフォルトの演出であり、事後演出がチャンスアップの演出であるとみることができる)ため、事前演出の発生は、事後演出にてチャンスアップが発生することの示唆であると捉えることもできる。
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、ある変動中演出にて事前演出が発生した場合、その後事後演出が発生することになるところ、事前演出にて示されたキャラクタ(対象キャラクタ)が主要キャラクタとされる事後演出が発生するのではなく、それとは異なるキャラクタが主要キャラクタとされる事後演出が発生するという斬新な法則が設定された面白みのあるものである。
また、事前演出にて対象キャラクタとして表示されたキャラクタは、事後演出にて主要キャラクタが登場した後、お助けキャラクタとして登場することになるから、事前演出と事後演出の繋がりが担保される。つまり、継続的に遊技していれば(事前演出および事後演出に何度か接していれば)、事前演出にてキャラクタが表示されることは、その後発生する事後演出(リーチ演出)にて当該キャラクタが「お助けキャラクタ」として登場する(チャンスアップが発生する)ことの示唆であることを把握できる。
以下、上記事前演出および事後演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例5-1
上記実施形態では、ある変動中演出にて事前演出が発生した場合には、当該変動中演出にて事後演出の発生が確定することを説明したが、事前演出が発生した場合であっても事後演出が発生しないこともある設定としてもよい。
ただし、ある変動中演出にて事前演出が発生した場合の方が、発生しなかった場合に比して、事後演出が発生する蓋然性が高いものとすることが好ましい。つまり、事前演出の発生は、事後演出が発生する蓋然性が高まったことを示唆するものとする。事後演出は、発生することで大当たり信頼度が高まる(事後演出が発生しない場合よりも事後演出が発生した場合の方が大当たり信頼度が高い)ものであるといえるから、事前演出の発生も大当たり信頼度が高まったことの示唆であるといえる。
○具体例5-2
ある変動中演出にて事前演出が発生しない限りにおいて、事後演出が発生することはない設定とする。つまり、事後演出の発生には、事前演出の発生が必須条件である設定とする。具体的には、事後演出X(事後演出X+Y、事後演出X+Z)は事前演出Yまたは事前演出Zが発生しなければ発生しない設定とし、事後演出Y(事後演出Y+X、事後演出Y+Z)は事前演出Xまたは事前演出Zが発生しなければ発生しない設定とし、事後演出Z(事後演出Z+X、事後演出Z+Y)は事前演出Xまたは事前演出Yが発生しなければ発生しない設定とする。
○具体例5-3
候補となるキャラクタのうちのいずれかが特定キャラクタとされ、それ以外が非特定キャラクタであるとする。例えば、上記実施形態のように候補となるキャラクタがキャラクタX~Zの三種である場合において、キャラクタXが特定キャラクタとされ、キャラクタY、Zが非特定キャラクタとされるものとする。
ある変動中演出にて、特定キャラクタであるキャラクタXが対象キャラクタとされる事前演出X(特定事前演出)が発生した場合には、当該変動中演出にて事後演出Y(事後演出Y+X)または事後演出Z(事後演出Z+X)が発生する(図29参照)。つまり、特定事前演出が発生した場合には、非特定キャラクタが主要キャラクタとされる二以上の事後演出のうちのいずれかが発生する。
一方、ある変動中演出にて、非特定キャラクタであるキャラクタYまたはキャラクタZが対象キャラクタとされる事前演出Yまたは事前演出Z(非特定事前演出)が発生した場合には、当該変動中演出にて事後演出X(事後演出X+Yまたは事後演出X+Z)が発生する(図29参照)。つまり、非特定事前演出が発生した場合には、特定キャラクタであるキャラクタXが主要キャラクタとされる事後演出が発生する。より具体的には、事前演出Yが発生した場合には、事後演出Zが発生することはなく、事後演出Xが発生する。同様に、事前演出Zが発生した場合には、事後演出Yが発生することはなく、事後演出Xが発生する。
本例のようにすることで、複数のキャラクタのうち、特定キャラクタが頻繁に登場する遊技性を実現することができる。つまり、特定事前演出が発生した場合には特定キャラクタは事後演出にてお助けキャラクタとして登場するし、非特定事前演出が発生した場合には特定キャラクタは事後演出にて主要キャラクタとして登場することになる。つまり、どのような事前演出が発生しても、事後演出にて特定キャラクタが登場する遊技性を実現できる。
本例のような構成は、複数のキャラクタのいずれかが「主役のキャラクタ」である場合(「主役のキャラクタ」と「脇役のキャラクタ」に区分けできる場合)に特に有効である。遊技機1がモチーフととする漫画、映画等の原作における「主役のキャラクタ」を特定キャラクタと、それ以外のキャラクタ(脇役のキャラクタ)を非特定キャラクタとするような場合には、「主役のキャラクタ」が頻繁に登場するようにした方が原作の世界観が維持できるから、当該「主役のキャラクタ」を特定キャラクタとし(それ以外のキャラクタを非特定キャラクタ)とし、上記のような設定とする。
○具体例5-4
一の変動中演出にて、複数種のキャラクタのうちの二以上が表示される特殊事前演出が発生しうるものとする。上記実施形態のように、キャラクタX~Zの三種類が設定されているのであれば、キャラクタXとYが表示される第一特殊事前演出、キャラクタYとZが表示される第二特殊事前演出、キャラクタXとZが表示される第三特殊事前演出、キャラクタXとYとZが表示される第四特殊事前演出の四種類が発生しうることになる(図30には、第三特殊事前演出(図30(c)参照)が発生する例を示す)。なお、第四特殊事前演出は、形式的には第一特殊事前演出~第三特殊事前演出のいずれかが発生した状況(二つのキャラクタが表示された状況)を経ることになる。第四特殊事前演出が発生した状況(三つのキャラクタが表示された状況)となった場合には、第一特殊事前演出~第三特殊事前演出は発生しなかったものと取り扱われるものとする。端的にいえば、所定時点(例えば、事後演出が発生しうるタイミング)にて表示されているキャラクタの種類により、第一特殊事前演出~第四特殊事前演出のいずれが発生したのか区別されることとする。
ある変動中演出にて特殊事前演出が発生した場合には、その後当該変動中演出にて特殊事後演出が発生する。特殊事後演出は、特殊事前演出にて表示された二以上のキャラクタがそのまま主要キャラクタとして冒頭から登場する演出(いずれかのキャラクタが「お助けキャラクタ」であるものではない)である。第一特殊事前演出が発生した場合にはキャラクタXとYが主要キャラクタとされる第一特殊事後演出が発生する。第二特殊事前演出が発生した場合にはキャラクタYとZが主要キャラクタとされる第二特殊事後演出が発生する。第三特殊事前演出が発生した場合にはキャラクタXとZが主要キャラクタとされる第三特殊事後演出が発生する。第四特殊事前演出が発生した場合にはキャラクタXとYとZが主要キャラクタとされる第四特殊事後演出が発生する(図30には、第三特殊事前演出(図30(c)参照)が発生した結果、第三特殊事後演出(図30(d)参照)が発生する例を示す)。
なお、上記第一~第四特殊事前演出および第一~第四特殊事後演出の全てが発生しなければならないわけではない。一部の特殊事前演出および特殊事後演出が発生する構成としてもよい(特殊事前演出の種類の数と特殊事後演出の種類の数は同じ)。
上記実施形態にて説明した事前演出と事後演出の関係(法則)は、事前演出にて表示されたキャラクタ(対象キャラクタ)が、その後発生する事後演出にて主要キャラクタとされない(あくまで「お助けキャラクタ」として登場する)というものであったが、上記特殊事前演出のように二以上のキャラクタが表示されるのであれば、(当該二以上のキャラクタの全部を「お助けキャラクタ」として登場させる事後演出とするのは困難であるから)そのまま表示された二以上のキャラクタが主要キャラクタとされる特殊事後演出が発生するようにする。端的に言えば、事前演出と事後演出は「キャラクタ不一致(対象キャラクタ≠主要キャラクタ)」の関係にある一方、特殊事前演出と特殊事後演出は「キャラクタ一致」の関係にあるということである。
7)裸眼立体視画像演出
本実施形態にかかる遊技機1は、変動中演出にて表示される所定の演出用の画像(以下、対象画像60と称する)を、遊技者には三次元な画像(遊技者側に飛び出す画像)として見えるように表示する(裸眼立体視画像で表示する)裸眼立体視画像演出(図31参照)を実行することが可能である。なお、裸眼立体視画像として表示することが可能な対象画像60は、一種のみ存在するものとしてもよいし、複数種存在するものとしてもよい。また、対象画像60は、表示領域911の全体に表示されるものではない(図31(b)参照)。対象画像60が裸眼立体視で表示されている状態においては、表示領域911には当該対象画像60以外の画像(通常の二次元画像)も表示される。裸眼立体視画像を表示する手法自体は公知であるから詳細な説明を省略する。
本実施形態では、変動中演出にて対象画像60が表示されることはいわゆるチャンスアップ演出として設定されている(対象画像60が表示されない場合よりも、表示された場合の方が、当該変動中演出に対応する当否抽選結果の大当たり信頼度が高い)。後述する「視差なし」が設定されていなければ対象画像60は裸眼立体視画像として表示されるものであるところ、当該裸眼立体視画像が表示されることがチャンスアップとして設定されているということである。
本実施形態では、対象画像60の見え方として三つの態様のうちのいずれかから遊技者が任意に選択することができる。一つは対象画像60を裸眼立体視画像として表示しない(対象画像60以外の画像と同様に二次元的な画像として表示する)態様(視差なし)である。もう一つは、対象画像60を裸眼立体視画像として表示する態様(視差通常)である。もう一つは、対象画像60を裸眼立体視画像として表示する態様であるものの、視差通常よりは遊技者視点での「飛び出し量(飛び出しの度合)」が小さい態様(視差弱)である。つまり、本実施形態では、対象画像60を裸眼立体視画像として表示するか否かが選択可能であるとともに、裸眼立体視画像として表示するのであれば「視差」(飛び出し量)の強弱(大小)を選択することが可能なものである。なお、電源ON時(デフォルトの状態)においては、「視差通常」が設定される。
当該選択は、表示領域911に選択画面を表示させた上で行う。本実施形態では、待機状態(変動中演出が終了してから(保留が無くなってから)所定時間経過したときに移行する状態)にて表示領域911に選択画面が表示される。待機状態にて操作手段92(詳細は後述)を操作することで選択画面が表示されるようにしてもよい。
選択画面は、候補となる対象画像60の見え方のそれぞれに対応する選択画像65を含むものである。本実施形態では、見え方として三種類(「視差なし」、「視差弱」、「視差通常」(おすすめ))が設定されているため、三つの選択画像65(第一選択画像651、第二選択画像652、第三選択画像653)が表示される。当該三つの選択画像65は、同じ対象物を表したものとされる(遊技者が同じ物を表していると認識できるものをいう)。本実施形態では、「魚」のキャラクタが対象物とされ、当該キャラクタを「視差なし」、「視差弱」、「視差通常」(おすすめ)で表した三つの選択画像65が表示される(図32参照)。
選択画面には、三つの選択画像65のいずれか一つにカーソルCが合った状態とされる。本実施形態にかかる遊技機1は、操作手段92として押しボタン921および十字キー922が設けられている(図1参照)。選択画面が表示された状態で十字キー922を操作するとカーソルCが移動する。押しボタン921を操作すると、カーソルCが合った選択画像65に対応する「対象画像の見え方」が設定される。なお、選択画像65の選択方法は上記方法に限られない。一の操作手段92の操作のみで選択できる構成としてもよい。また、表示装置91(表示領域911)をタッチパネルとし、当該タッチパネルの操作により選択できる構成としてもよい。
このように、本実施形態にかかる遊技機1では、対象画像60の見え方(「視差なし」、「視差弱」、「視差通常」)を選択することが可能なものであるところ、当該見え方を選択するための選択画面においては、それぞれの見え方で「同じ対象物」を表した選択画像65が表示される。「同じ対象物」を表したそれぞれの見え方に対応する選択画像65が一緒に表示された状態にあるから、各選択画像65を比較した上で、好みの見え方を選択することができる。比較の上での選択であるため、選択のやり直しが必要となる状況が少なくなる。
また、本実施形態にかかる遊技機1では、裸眼立体視で対象画像60が表示されるものであるところ、当該裸眼立体視画像の視差(飛び出し量)の強弱(大小)を選択することが可能である。裸眼立体視画像の飛び出し量が大きいと気分が悪くなってしまうおそれがあるが、対象画像60が三次元的に表された状態を見たい、いわゆるチャンスアップ演出として発生する対象画像60の見落としを避けたい(「視差なし」を選択しているとチャンスアップ画像が表示されているかどうか分からない)という遊技者は「視差弱」を選択すればよい。
以下、上記裸眼立体視画像演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の各具体例を用いて説明する事項を複数適用した構成としてもよい。
○具体例6-1
上記実施形態は、裸眼立体視(3D)のON/OFF、強弱について遊技者が選択可能な構成であることを説明したが、画像の見え方に関するものであればそれ以外の画像要素について選択可能な構成としてもよい。例えば、対象画像60の「色味」、「明るさ」、「濃度」等が考えられる。これに合わせ、選択画面においては、各見え方にて同じ対象物を表した複数の選択画像65が表示されるようにすればよい。
○具体例6-2
裸眼立体視(視差)の強弱(飛び出し量)について、三段階以上の選択肢40sが設定された構成としてもよい。また、裸眼立体視OFF(視差なし)の選択肢40sが設けられていない構成としてもよい。
○具体例6-3
選択画像65、すなわち対象物を表した画像(上記実施形態に即していえば「魚」のキャラクタ)は、変動中演出にて実際に対象画像60として表示される(なお、選択画像65と完全に同一の態様で表示されることを要するものではなく、遊技者に同じ対象物を表したものであると把握できる範囲での変更は許容される)ものとする(図33参照)。このように、変動中演出にて実際に表示される画像を選択画像65として表示することで、選択時に遊技者が想定していたような態様で対象画像60が表示されないといった状況が発生してしまうことが防止される。
○具体例6-4
上記実施形態では、対象画像60の見え方の選択は待機状態にて行うものであることを説明したが、当該選択が変動中演出にて行われる構成としてもよい(図34参照)。つまり、所定条件を満たした場合に、変動中演出にて選択画面が表示されるものとする。このように変動中演出にて選択画面が表示されるようにすれば、対象画像60の見え方が変更可能であることに遊技者が気づかない状況が生じるおそれを低減することができる。なお、変動中演出に要する時間は有限である(変動時間が決まっている)ため、選択に要する時間も制限時間が設定されることになる。選択画面が表示される際には、当該制限時間を示す画像が併せて表示されるようにするとよい。
○具体例6-5(具体例6-4をさらに具体化した例)
上記具体例6-4にて説明したように、変動中演出にて選択画面が表示されうる構成とする場合、ある変動中演出にて選択画面が表示された後は、所定のリセット条件が成立するまではそれ以降の変動中演出にて選択画面が表示されることはない(選択が促される演出が発生しない)設定とする。既に選択画面に接したことがある遊技者(対象画像60の見え方についての選択が促された遊技者)に対し、再度選択画面が表示されると遊技者が煩わしく感じてしまうおそれがある。これを防止するため、一旦選択画面が表示された後は、リセット条件が成立するまでは選択画面が表示されないようにする。換言すれば、あるリセット条件の成立から次のリセット条件が成立までの間における選択画面の表示回数は一回である設定とする。
リセット条件は、一つのみであってもよいし、複数設定されていてもよい。少なくとも「待機状態への移行」(電源ON時を含む)がリセット条件の一つとして設定されていることが好ましい。待機状態へ移行するということは遊技者が変わっている可能性があるから、選択画面が表示されたことがある状況で待機状態へ移行した際には、再び選択画面が表示される可能性がある状況に移行することとする。
○具体例6-6(具体例6-4をさらに具体化した例)
上記具体例6-4にて説明したように、変動中演出にて選択画面が表示されうる構成とする場合、ある変動中演出にて選択画面が表示された場合、当該変動中演出にて対象画像60が表示される蓋然性が高まる(選択画面が表示される変動中演出の方が、選択画面が表示されない変動中演出よりも対象画像60が表示される蓋然性が高い)設定としてもよい。つまり、選択画像65の表示(選択を促す演出の発生)は、対象画像60の見え方を選択することを促す機能だけでなく、チャンスアップ演出である対象画像60が表示される演出の発生を示唆する機能も発現する構成とする。ある変動中演出にて選択画面が表示された場合には、当該変動中演出にて対象画像60が表示されることが確定する設定としてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態にかかる遊技機1はぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を除き、回胴式遊技機等、その他の遊技機にも適用可能である。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1-1
所定の入賞領域が閉鎖条件成立まで開放される複数の単位遊技を含む大当たり遊技が実行可能な遊技機であって、前記大当たり遊技として、当否抽選結果が小当たりとなったときに実行される小当たり遊技にて開放される特定領域に遊技球が進入することを条件として実行される第一大当たり遊技と、当否抽選結果が大当たりとなったときに実行される第二大当たり遊技と、が設定されており、前記小当たり遊技にて、前記特定領域に遊技球を進入させるべき状況であることを示す第一画像が表示され、前記第二大当たり遊技の最初の前記単位遊技にて、前記第一画像と共通する共通要素を含む第二画像が表示されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、小当たり当選時に表示される第一画像と大当たり当選時に表示される第二画像が共通要素を含むから、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段1-2
前記第一画像と前記第二画像は、前記共通要素として、時間経過を示す時間画像部を含むことを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、大当たり当選時においても、小当たり当選時のように制限時間があるかのように遊技者が感じる蓋然性が高くなる。
○手段1-3
前記第一画像と前記第二画像は、前記共通要素として、大当たり遊技が実行されることを示すオープニング画像部を含むことを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、大当たり当選時においても、小当たり当選時と同様の流れで大当たりを獲得したように遊技者が感じる蓋然性が高くなる。
○手段1-4
前記第一画像は前記特定領域を示す領域画像部を含む一方、前記第二画像は当該領域画像部を含まないことを特徴とする手段1-1から手段1-3のいずれかに記載の遊技機。
大当たり当選時には大当たり獲得のために特定領域に遊技球を進入させる必要はないから、第二画像は領域画像部を含むものではないことが好ましい。
○手段1-5
前記第一画像は前記特定領域に遊技球を進入させないことで不利益が生じるおそれがあることを示す注意画像部を含む一方、前記第二画像は当該注意画像部を含まないことを特徴とする手段1-1から手段1-4のいずれかに記載の遊技機。
大当たり当選時には大当たり獲得のために特定領域に遊技球を進入させる必要はないから、第二画像は注意を促す注意画像部を含まなくてもよい。
○手段1-6
前記第一画像は前記特定領域に遊技球が進入することを契機として消去される一方、前記第二画像は前記入賞領域に遊技球が進入することを契機として消去されることを特徴とする手段1-1から手段1-5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても、所定の領域(特定領域または入賞領域)に遊技球が進入することで画像(第一画像または第二画像)が消去されることになるから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段1-7
前記第二大当たり遊技の最初の前記単位遊技においても前記特定領域が開放され、
前記第一画像および前記第二画像のいずれも前記特定領域に遊技球が進入することを契機として消去されることを特徴とする手段1-1から手段1-5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれにおいても、特定領域に遊技球が進入することで画像(第一画像または第二画像)が消去されることになるから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段2-1
所定の入賞領域が閉鎖条件成立まで開放される複数の単位遊技を含む大当たり遊技が実行可能な遊技機であって、前記大当たり遊技として、当否抽選結果が小当たりとなったときに実行される小当たり遊技にて開放される特定領域に遊技球が進入することを条件として実行される第一大当たり遊技と、当否抽選結果が大当たりとなったときに実行される第二大当たり遊技と、が設定されており、前記第一大当たり遊技用の演出である第一大当たり演出が開始される条件として、前記特定領域に遊技球が進入しなければ成立しない第一開始条件が設定され、前記第二大当たり遊技用の演出である第二大当たり演出が開始される条件として、前記入賞領域が開放されなければ成立しない第二開始条件が設定されていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても、開始条件が成立しなければ大当たり演出が開始されないから、小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段2-2
前記第二開始条件は、前記第二大当たり遊技の最初の前記単位遊技にて前記入賞領域に遊技球が進入することであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても、所定の領域(特定領域または入賞領域)に遊技球が進入しなければ大当たり演出が開始されないから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段2-3
前記入賞領域内に前記特定領域が設けられ、前記第二大当たり遊技の最初の前記単位遊技にて当該特定領域が開放されるように設定されており、前記第二開始条件は、前記第二大当たり遊技の最初の前記単位遊技にて前記特定領域に遊技球が進入することであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても、特定領域に遊技球が進入しなければ大当たり演出が開始されないから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段2-4
前記第一大当たり演出として表示装置に出力される演出映像と、前記第二大当たり演出として表示装置に出力される演出映像は同じであることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても、開始条件が成立することを契機として同じ演出が実行されていると遊技者は感じるであろうから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段2-5
前記演出映像は、前記第一開始条件および前記第二開始条件が成立する前の段階から前記表示装置に出力されているものの、当該演出映像を表す画像レイヤよりも手前の画像レイヤにて表される事前画像により遊技者は視認できない視認不能状態とされており、前記第一開始条件および前記第二開始条件のいずれかが成立することを契機として前記事前画像が消去され、前記演出映像は遊技者が視認できる視認可能状態となることを特徴とする手段2-4に記載の遊技機。
このようにすることで、小当たり当選時および大当たり当選時のいずれであっても、開始条件が成立することを契機として演出画像が視認可能な状態に変化することになるから、より一層小当たりおよび大当たりのいずれに当選したのかを遊技者に意識させにくくすることが可能である。
○手段2-6
前記演出映像の内容に応じた演出楽曲が設定されており、前記演出楽曲は、前記演出映像が前記視認不能状態にある段階から遊技者が聴取可能な状態とされ、前記演出映像が前記視認可能状態となってもそのまま継続して出力されることを特徴とする手段2-5に記載の遊技機。
このようにすることで、成立するタイミングが不定である開始条件が成立することによって視認不能状態から視認可能状態に変化する演出映像と、その内容に応じた演出楽曲との間に「ずれ」が生じることが防止される。
○手段3-1
装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、それぞれが複数の選択肢を含む二以上の選択肢群が表示される第一段階と、当該第一段階の後、前記二以上の選択肢群のうちの一つが対象選択肢群とされて変動表示される第二段階と、当該第二段階の後、前記対象選択肢群が含む複数の選択肢のうちの一つが選択され、当該選択肢により当否抽選結果が当たりとなる蓋然性である信頼度が示唆される第三段階と、を含む選択示唆演出を実行することを特徴とする遊技機。
上記遊技機が実行可能な選択示唆演出は、第一段階にて二以上の選択肢群のそれぞれが含む複数の選択肢が表示された上で、第二段階にていずれかの選択肢群が対象選択肢群とされ、第三段階にて当該対象選択肢群から最終的な選択肢が選ばれるというものであるから、より好ましい選択肢を含む選択肢群が対象選択肢群とされることを願うという斬新かつ面白みのあるものである。
○手段3-2
前記第二段階にて、前記対象選択肢群以外の選択肢群は変動表示されないことを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このようにすることで、対象選択肢群以外の選択肢群から最終的な選択肢が選ばれることはないということが分かりやすくなる。
○手段3-3
前記第一段階にて表示される二以上の前記選択肢群のいずれが前記第二段階にて前記対象選択肢群とされるかに応じ、前記第三段階にて選択される選択肢が示唆されることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
○手段3-4
最も前記信頼度が高い最高選択肢を、前記第一段階にて表示される第一選択肢群および第二選択肢群のいずれもが含んでいた場合、前記第二段階にて当該第一選択肢群が対象選択肢群とされた場合よりも第二選択肢群が対象選択肢群とされた場合の方が、前記第三段階にて前記最高選択肢が選択される蓋然性が高いことを特徴とする手段3-3に記載の遊技機。
このように、選択肢群どうしでの有利・不利が設定される構成とすることで、ある選択肢群が対象選択肢群とされることを遊技者が願うという遊技性が実現される。
○手段3-5
前記第一段階にて表示される二以上の前記選択肢群は、それぞれ、他の選択肢群とは態様が異なる固有部を有することを特徴とする手段3-1から手段3-4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、選択肢群どうしでの有利・不利が固有部により判別できるため、演出が分かりやすいものとなる。
○手段4-1
表示領域を有する表示装置と、前記表示領域に基準画像が表示された基準状態から、当該表示領域に対して当該基準画像が後方に変位したかのように表示される変位状態となった上で当該基準画像に向かう演出画像が表示される三次元演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、縦方向、横方向だけでなく、前後方向にも空間があるかのように見える面白みのある演出を実行することが可能である。
○手段4-2
前記変位状態にて、前記表示領域における前記基準画像が表示されていない領域に、奥行感を示す奥行画像が表示されることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、三次元演出の作用(三次元的に見える作用)が高められる。
○手段4-3
前記奥行画像は、前記表示領域の四隅から基準画像の四隅に向かう遠近画像部を含むことを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
また、基準画像に向かう演出画像がトンネルを通過しているように見え、三次元演出の作用(三次元的に見える作用)が高められる。
○手段4-4
前記奥行画像は、前記基準画像の上側、下側、左側、右側のそれぞれに複数の単位画像部が並ぶものであることを特徴とする手段4-2または手段4-3に記載の遊技機。
このようにすることで、より明確に奥行感を表すことができる。
○手段5-1
装飾図柄が変動を開始してから当該装飾図柄が当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出を構成する演出として、候補となる複数種のキャラクタのうちのいずれかが対象キャラクタとして表示される事前演出と、当該事前演出が発生した後同じ前記変動中演出にて発生する演出であって、前記複数種のキャラクタのうちのいずれかを主要キャラクタとする事後演出と、を実行することが可能であり、前記事前演出の前記対象キャラクタと、前記事後演出の前記主要キャラクタとは、異なる種類のキャラクタとなるように設定されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、事前演出として示される対象キャラクタと、その後発生する事後演出の主要キャラクタが相違するという面白みのある遊技性が実現される。
○手段5-2
前記事後演出は、前記主要キャラクタが登場した後、前記事前演出にて前記対象キャラクタとされたキャラクタが登場する演出であることを特徴とする手段5-1に記載の遊技機。
このようにすることで、事前演出にて示された対象キャラクタと事後演出の主要キャラクタが相違するという法則を担保しつつ、事前演出により発生する事後演出の内容が示唆されるという遊技性を実現できる。
○手段5-3
候補となる前記複数種のキャラクタとして三種以上のキャラクタが設定されるとともに、そのうちの一部が特定キャラクタとされており、前記事前演出として、前記対象キャラクタが前記特定キャラクタとされる特定事前演出が設定されており、前記特定事前演出が発生した前記変動中演出においては、前記特定キャラクタ以外の非特定キャラクタが前記主要キャラクタとされる二以上の前記事後演出のうちのいずれかが発生することを特徴とする手段5-1または手段5-2に記載の遊技機。
○手段5-4
前記事前演出として、前記対象キャラクタが前記非特定キャラクタとされる非特定事前演出が設定されており、前記非特定事前演出が発生した前記変動中演出においては、前記非特定キャラクタ以外のキャラクタが前記主要キャラクタとされる二以上の前記事後演出のうち、前記特定キャラクタが前記主要キャラクタとされる前記事後演出が発生することを特徴とする手段5-3に記載の遊技機。
上記のようにすることで、複数のキャラクタのうち、特定キャラクタが頻繁に登場する遊技性を実現することができる。
○手段5-5
前記変動中演出にて前記複数種のキャラクタのうちの二以上が表示される特殊事前演出が発生した場合には、同じ変動中演出にて当該二以上のキャラクタが主要キャラクタとされる特殊事後演出が発生することを特徴とする手段5-1から手段5-4のいずれかに記載の遊技機。
このように、二以上のキャラクタが表示される特殊事前演出が発生した場合には、当該二以上のキャラクタが主要キャラクタとされる特殊事後演出が発生するようにすることで、当該特殊事前演出と特殊事後演出の関係(キャラクタ一致)が、上記事前演出と事後演出の関係(キャラクタ不一致)と異なるものとなって演出の法則が複雑になり、面白みが増す。
○手段6-1
表示装置に表示される所定の対象画像の見え方を変化させることが可能な画像制御手段と、前記対象画像の見え方を遊技者に選択させる選択画面を表示する表示手段と、を備え、前記選択画面は、候補となる見え方のそれぞれに対応する複数の選択画像を含むものであり、当該複数の選択画像は同じ対象物を表したものとされることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、候補となる見え方を「同じ対象物」で比較することができるため、遊技者は好みの見え方を容易に選択することができる。
○手段6-2
所定条件の成立を契機として当否抽選を実行する当否抽選手段を備え、前記対象画像は、装飾図柄が変動を開始してから当否抽選結果を示す態様で停止するまでの変動中演出にて表示されうるものであることを特徴とする手段6-1に記載の遊技機。
このようにすることで、対象画像の見え方を変更できる機能が搭載されていることに遊技者が気づかないおそれが低減される。
○手段6-3
前記対象画像は裸眼立体視画像として表示することが可能なものであり、前記選択画面は、飛び出しの度合が互いに異なる二以上の前記選択画像を含むことを特徴とする手段6-1または手段6-2に記載の遊技機。
遊技者によっては、裸眼立体視画像(3D画像)を見ると気分が悪くなってしまうおそれがあるから、当該画像の飛び出しの度合(視差の強弱)を変更することができるものとするとよい。