以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機や、遊技媒体(メダルなど有体物の価値)を用いるものではなく内部的に付与される得点(電磁的方法により記録された情報など無体物の価値)を用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。前面扉5が筐体3に対して閉じられた状態であるか否かは、扉センサ20により検出される。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの中段、中可変表示列10Mの中段、右可変表示列10Rの中段により構成されるいわゆる中段ラインが設定されている。入賞ラインNLは、規定数分の賭数が設定されているときに入賞判定対象となるラインである。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生(入賞発生)したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報や設定示唆情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。設定示唆情報とは、設定値1〜6のうちの少なくともいずれかの設定値を特定可能にする情報であって、設定されている設定値を示唆する情報をいう。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、演出操作部81、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて遊技状態に応じた枚数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。遊技状態に応じた枚数としては、後述するRT期間中であるか否かなど遊技状態に応じて異なる枚数が定められている。例えば、後述するNOM期間に応じた枚数としては、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大の枚数(本実施形態では「3」に設定。)が定められている。一方、RT期間に応じた枚数としては、最大の枚数よりも少ない枚数(本実施形態では「2」に設定。)が定められている。なお、最大ベットスイッチ17を操作することにより設定される賭数は、BIGF、REGF、JAC(いわゆるチャレンジボーナス、CBB)状態中であるときには3枚が定められており、BIG状態、REG状態中であるときには1枚が定められている。
演出操作部81は、演出に関わる操作を検出するスイッチである。演出に関わる操作には、演出を実行・発展させるための操作、演出モードやキャラクタ等を選択するための操作、および遊技履歴等を表示させる遊技者メニュー状態や設定履歴等を表示させる管理者メニュー状態へ移行させるための操作等を含む。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
演出操作部81を含む各種スイッチは、各々に対応する操作部(ボタン部)への操作を検出する。各種スイッチに対応する操作部は、光を透過する透過部材から構成されている。また、各種スイッチに対応する操作部の内部には、例えばLEDなどの光源が搭載されており、遊技の進行に応じて操作可能なタイミング(操作を有効に受付けるタイミング)等において発光することにより演出を実行する。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図4参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図4参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図3の図柄番号19番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図4参照)と、ホッパーモータ57(図4参照)と、払出センサ54(図4参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート47を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ50、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ50は、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。変更処理開始スイッチ56を含む筐体3の内部に設けられているスイッチは、前面扉5を開放しているときに操作可能となるスイッチである。このため、基本的には、遊技場の管理者のみが操作可能となる。
設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値である。具体的に、設定値は、役抽選において予め定められている役に当選する当選確率を特定するための値である。役抽選においては、設定されている設定値に応じた当選確率を用いることにより役に当選する確率を異ならせることができる。つまり、設定されている設定値が異なるときには、同じ役であっても、役抽選において当選する当選確率が異なる場合が生じる。その結果、設定されている設定値に応じて、遊技を所定回数実行する間に払出されるメダルの枚数が異なり、その結果、払出率を異ならせることができる。このため、設定値は、遊技者にとっての有利度合いを特定するための値であるとともに、払出率を特定するための値であるともいえる。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6(本実施形態においては、設定値1、2、5、6の4段階)が設けられており、設定値1が最も低い払出率であり、設定値6が最も高い払出率となっている。なお、設定値は、1〜6の6段階に設けられているものであってもよい。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2→5…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出された後、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより、そのときに表示されていた設定値を記憶する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。なお、設定変更処理が行われたときには、スロットマシン1のRAM65が初期化される。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の裏側に相当する位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否かを物理的に選別し、正規のメダルについてはホッパー容器42に貯留させるための第1流路40側に誘導する一方、非正規のメダルについては外部へ排出させるための第2流路44側に誘導する構造を有する。
また、メダルセレクタ48は、切替ソレノイド51(図4参照)と、投入センサ53(図4参照)とを備えている。切替ソレノイド51は、遊技状況(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)に応じて投入されたメダルを強制的に第2流路44側に切替えるためのソレノイドである。投入センサ53は、メダル投入口25から投入されたメダルのうち第1流路40側に誘導されたメダルを1枚ずつ検出するセンサである。投入センサ53により検出されたメダルは、前面扉5が閉じられた状態においてホッパー容器42に貯留される。これに対し、第2流路44側に誘導されたメダルは、メダルシュート47を介してメダル払出口39から排出される。
次に、図3を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図3に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図3では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「セブン」「バー」「ベル」「スイカ」「チェリー」「ブランク」「リプレイ」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「セブン」として「7」が含まれる絵柄、「バー」として「BAR」の文字が含まれる絵柄、「ベル」「スイカ」「チェリー」については各々を想起させる絵柄、「ブランク」として「星」の絵柄、「リプレイ」として「REP」の文字が含まれる絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。
図3においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜19を示している。図柄番号0〜19は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜19までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…19→18→17→…2→1→0→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて1ゲームの開始に必要な規定数分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態になり、スタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。本実施形態における規定数としては、後述するボーナス状態およびJAC状態以外の遊技状態に対応して「2」および「3」が設定され、JAC状態に対応して「3」が設定され、ボーナス状態に対応して「1」が設定されている。なお、規定数は、これに限らず、他の値であってもよく、また、遊技状態にかかわらず同じ値が設定されるものであってもよい。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなど(表示結果、遊技結果)に応じて遊技者に対して所定の特典を新たに付与する。所定の特典としては、例えば、遊技状態の移行(ボーナス状態などへの移行)、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定することにより付与される再遊技、遊技価値の付与である所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図4を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図4に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、外部から供給される電力を用いて、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、投入センサ53により所定時間以上検知されているセレクターエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図4に示される、投入センサ53、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、扉センサ20、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図4に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63には、総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率、総遊技回数に対するボーナス入賞からボーナス終了までの遊技回数の役物等状態比率などを表示する表示器が搭載されている。なお、役物比率、役物等状態比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、役物比率、役物等状態比率などを表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込などの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図4に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、各種ランプ・LED、および演出操作部81などが含まれる。液晶表示器27は、表示領域に画像を表示させるための表示処理を実行する表示制御部を含む。表示制御部は、サブ制御基板73からの表示制御用のコマンドに基づいて表示処理を実行して、液晶表示器27の表示領域に所定の画像を表示する。また、表示制御部は、表示内容に応じてコマンドをサブ制御基板73に送信することも可能である。サブ制御基板73は、表示制御部からのコマンドに基づいて、スピーカ31L、31Rおよび各種ランプ・LED等に対応するコマンドを送信することにより、表示領域に表示する画像に対応する音や光による演出を実行させる。サブCPU71により制御される各種ランプ・LEDには、各種スイッチに対応する操作部の内部に搭載されているLEDを含む。サブCPU71は、エコモードであるか否かに応じて、制御されているモードに対応する消費電力となるように当該LED等を制御することにより、操作部を光らせることができる。
演出操作部81には、決定用の決定スイッチ81aと、選択用の左選択スイッチ81b、右選択スイッチ81c、上選択スイッチ81d、および下選択スイッチ81e(これらをまとめて上下左右スイッチともいう)とが設けられている。サブCPU71は、予め定められた演出を実行させるときや発展させる際に決定スイッチ81aへの操作を促す促進演出を実行し、決定スイッチ81aが操作されることにより予め定められた演出を実行あるいは発展させる制御を行う。また、サブCPU71は、液晶表示器27などにより実行する演出(キャラクタや背景)の種類が異なる複数種類の演出モードのうちからいずれかを設定できる演出モード選択可能状態(演出モード選択画面表示中)において、上下左右スイッチが操作されることによりいずれかの演出モードを選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている演出モードを設定する。
さらに、サブCPU71は、変更処理開始スイッチ56が操作されて設定変更処理に移行されているときに決定スイッチ81aが操作されることにより管理者メニュー状態に移行させて、管理者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。管理者メニュー画面では、「日時設定」、「設定変更履歴」の表示、「携帯連動サービスON/OFF設定」、および「エコモードの設定」などを行うことができる。エコモードとは、サブ制御基板73に接続された機器類による演出実行により消費される電力を通常時よりも節約するモードをいう。エコモードが設定されているときには、通常時よりも、例えば、液晶表示器27、各種ランプ・LEDの輝度を低くする制御や、駆動時間あるいは点灯時間を短くする制御、スピーカ31L、31Rから出力される音量を低くする制御などが行われる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出(例えば、複数遊技にわたって連続する連続演出、特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出など)が実行されていないときにおいて決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させて、遊技者メニュー画面を液晶表示器27において表示可能にする。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、遊技者メニュー画面においては、演出操作部81への操作に応じて、例えば、入賞の発生回数や発生確率などの役履歴の確認や、遊技者の遊技履歴を蓄積するための携帯連動サービス(以下では、携帯連動ともいう)の設定、スピーカ31L、31Rから出力される音量設定、液晶表示器27の輝度調整などを行うことができる。なお、エコモードの設定は、管理者メニュー状態において設定可能となる例について説明するが、これに限らず、遊技者メニュー状態において設定可能となるものであってもよい。
サブCPU71は、管理者メニュー状態および遊技者メニュー状態において上下左右スイッチが操作されることにより表示する項目や対象を選択し、決定スイッチ81aが操作されることにより選択されている項目や対象に応じた処理を実行する。なお、サブCPU71は、特定の演出を実行しているときであっても、決定スイッチ81aが操作されることにより遊技者メニュー状態に移行させるようにしてもよい。この場合、サブCPU71は、特定のレイヤに特定の演出の画像を描き、決定スイッチ81aが操作されることにより、特定のレイヤよりも優先度が高いレイヤにおいて、遊技者メニュー状態における遊技者メニュー画面の画像を描くことにより、遊技者メニュー画面を優先して表示するようにしてもよい。なお、遊技者メニュー画面表示中においては、特定のレイヤにおける特定の演出を継続して実行するものであってもよく、また特定のレイヤにおける特定の演出を一旦終了するものであってもよい。
また、遊技者メニュー画面表示中に特定のレイヤで特定の演出を継続して実行する場合であって、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出を伴わない連続演出であるときには、決定スイッチ81aの操作で遊技者メニュー画面を表示可能にする一方、当該演出が特定のボタンへの操作を促すチャンスボタン演出であるときには、決定スイッチ81aが操作されたとしても遊技者メニュー画面を表示しないようにしてもよい。このようにすることで、遊技者メニュー画面表示中における決定スイッチ81aの操作によって、意図せずにチャンスボタン演出を次の段階に発展させてしまうことを未然に防止できる。また、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとは、同じスイッチであってもよく、物理的に異なるスイッチであってもよい。なお、遊技者メニュー画面を表示させるためのスイッチと、チャンスボタン演出を発展させるためのスイッチとが異なるスイッチであっても、遊技者メニュー画面表示中においてチャンスボタン演出を発展させるためのスイッチを操作してしまい意図せずに演出を発展させてしまうことを防止できる。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転しておらず(遊技待機中)、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出が実行されていないときであって、いずれの操作も検出されることなく所定時間が経過している状態において、予め定められているデモ演出を実行する。また、デモ演出実行中において操作(例えば、賭数を設定するための操作など)が検出されたときには、復帰時の演出が実行可能となる。サブCPU71は、デモ演出が開始されてから操作が検出されるまでの時間に応じて復帰時演出を実行する。デモ演出および復帰時演出は、ともに、液晶表示器27において予め定められているデモ画面や復帰時画面を表示することにより行われる演出である。
また、サブCPU71は、リール11L〜11Rのいずれも回転していない遊技待機中であって、かつ遊技の進行に応じて発生する特定の演出が実行されていないときには、遊技者メニュー状態に移行させずとも遊技待機中の画面(例えば、遊技画面、デモ画面など)を維持したまま、演出操作部81の上下左右スイッチが操作されることにより、演出等にかかわる所定の遊技項目を選択する処理を実行する。遊技待機中の画面を維持したまま遊技項目が選択されたときには、決定操作(例えば演出操作部81の決定スイッチ81aへの操作)を要することなく、選択された遊技項目が設定される。所定の遊技項目には、例えば、演出の実行確率にかかわる演出確率モードや、スピーカ31L、31Rから出力される音(楽曲など)などが含まれる。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図5は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(賭数設定処理)
S100の賭数設定処理では、投入センサ53からの検出信号、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17からの操作信号、および再遊技役の入賞時に設定される再遊技フラグなどに応じて、賭数を設定するための処理が行われる。賭数設定処理では、賭数が設定されたときに賭数設定コマンドを出力する。設定された賭数が規定数に達しているときには、スタートスイッチ19への操作を有効に受け付ける回転開始可能な状態(有効化)にする。
また、賭数設定処理では、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理が行われる。賭数設定処理は、回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19からの操作信号を受信することにより終了し、S200の内部抽選処理へ移行する。賭数設定処理では、スタートスイッチ19からの操作信号を受信して内部抽選処理へ移行する際に、実際に設定された賭数(メダル枚数)を特定可能なベットコマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技に対して賭数設定されたメダル枚数を特定可能となる。
(内部抽選処理)
S200の内部抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図6を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナス状態や小役の入賞確率が高いJAC状態への移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、入賞したときに前述の再遊技フラグを設定する役である。賭数設定処理では、再遊技フラグが設定されている場合、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に(今から)開始される遊技(今回遊技)の規定数に対応した賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「BIG」「REG」および「JAC」が設けられている。再遊技役としては、役名称「RP1」および「RP2」(以下、まとめて「RP」ともいう)が設けられている。小役としては、役名称欄に示される複数種類の役が設けられている。具体的に、役名称欄の上方から、「CH」、「BE」、および「WM」が設けられている。
ボーナス役、再遊技役、および小役に定められている各役は、各々に対応する図柄組合せ欄に記載の図柄組合せが定められている。図柄組合せ欄に記載の図柄組合せが入賞ラインNL上に停止することにより、当該図柄組合せに対応する役が入賞する。なお、図柄組合せ欄における「ANY」は、いずれの図柄であるかを問わない(いずれの図柄であっても入賞が成立し得る)ことを意味する。また、「CH」に対応する図柄組合せ欄においては、5種類の図柄組合せが示されている。「CH」は、これら5種類の図柄組合せのいずれかが入賞ラインNL上に停止することにより入賞発生となる。
ボーナス役に入賞したときには、各々、対応するボーナス状態あるいはJAC状態に制御される。BIGあるいはREGに入賞したときには、ボーナス状態に制御される。ボーナス状態においては、メダル払出を伴う小役の当選確率が向上する。ボーナス状態は、JAC状態よりも遊技者にとって有利な状態である。BIG入賞に伴うボーナス状態は、メダルの払出枚数が225枚を超えることにより終了する。REG入賞に伴うボーナス状態は、メダルの払出枚数が105枚を超えることにより終了する。ボーナス状態中における賭数の規定数は、1枚となり、小役に入賞した場合にはメダルが15枚払出される。また、ボーナス状態中においては、ほぼ毎遊技において、小役が入賞する。このため、ボーナス状態中においては、1遊技毎に遊技者所有のメダル(クレジット含む)が14枚増えることになる。
ボーナス役のうちのJACに入賞したときには、JAC状態に制御される。JAC状態においては、遊技毎にすべての小役が当選した状態となるとともに、後述するように特定リール(例えばリール11M)の引込み可能範囲が1図柄先までの範囲となるいわゆるチャレンジボーナス状態(CBB状態)となる。JAC状態は、メダルの払出枚数が14枚を超えることにより終了する。JAC状態中における賭数の規定数は、3枚となり、小役のうち「CH」に入賞した場合にはメダルが3枚払出され、「WM」に入賞した場合にはメダルが15枚払出される。また、JAC状態中においては、毎遊技において「CH」および「WM」のいずれかが入賞する。このため、JAC状態中においては、「WM」に入賞することなく終了した場合には遊技者所有のメダル(クレジット含む)が増えることがないのに対し、「WM」に入賞して終了した場合には15枚払出されて遊技者所有のメダル(クレジット含む)が12枚増えることになる。JAC状態中においては、後述するようにRP2に当選していないときには「CH」に入賞し、RP2に当選しているときにのみ「WM」に入賞する。
再遊技役に入賞したときには、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、次に開始される遊技の規定数に対応した賭数が次回遊技の賭数として自動設定される。小役に入賞したときには、小役各々に対応する備考欄に記載のとおり、入賞した遊技に設定されていた賭数に応じた枚数分のメダルが払出(あるいはクレジット加算)される。
内部抽選処理では、図6に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図7を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。図7(a)は、JAC状態中以外の遊技状態であるときに役抽選が行われる当選役グループおよび役構成を示しており、図7(b)は、JAC状態中であるときに役抽選が行われる当選役グループおよび役構成を示している。
まず、図7(a)を参照して、JAC状態中以外の遊技状態であるときに役抽選が行われる当選役グループおよび役構成について説明する。ボーナス役を含む当選役グループとしては、「BIGグループ1」〜「BIGグループ6」「REGグループ1」〜「REGグループ6」「JACグループ」が設けられている。再遊技役の当選役グループとしては、「RPグループ1」「RPグループ2」が設けられている。また、小役の当選役グループとしては、「CHグループ」「BEグループ」「WMグループ」が設けられている。
当選役グループのうち「BIGグループ1」〜「WMグループ」は、各々、図7の役構成欄に示される役を含むように構成されている。例えば、「BIGグループ1」は、ボーナス役の「BIG」のみから構成される当選役グループである(役構成欄の「HZ」は役無し(はずれ)を示している)。「BIGグループ2」は、ボーナス役の「BIG」と、再遊技役の「RP1」とから構成される当選役グループである。他の当選役グループについても同様に、図7の役構成欄に示す役から構成されている。役構成欄に示されるように、「BIG」および「REG」は、再遊技役や小役と同時に当選し得るように構成されている。一方、「JAC」は、「JACグループ」に示されるように「JAC」のみから構成されているため、再遊技役や小役と同時に当選することなく単独でのみ当選し得るように構成されている。いずれかの当選役グループに当選したときには、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグが設定される。
次に、図7(b)を参照して、JAC状態中であるときに役抽選が行われる当選役グループおよび役構成について説明する。当選役グループとしては、前述した「RPグループ1」「RPグループ2」が設けられている。なお、JAC状態中においては、役抽選の結果にかかわらず、毎遊技において小役のすべて(「CH」「BE」「WM」)が当選している状態となる。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態毎に定められている。また、役抽選における当選確率にかかわる判定値は、当選役グループ、制御されている遊技状態、および設定されている設定値に応じて定められている。
スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、BIGに当選しており当該当選が持ち越されているBIGF状態と、BIGに入賞することにより制御されるBIG状態と、REGに当選しており当該当選が持ち越されているREGF状態と、REGに入賞することにより制御されるREG状態と、JACに入賞することにより制御されるJAC状態と、これらの状態以外の一般遊技状態とが設けられている。BIGF状態およびREGF状態は、持越状態ともいい、BIG状態およびREG状態は、ボーナス状態ともいう。
また、JAC状態中および一般遊技状態中においては、再遊技役の当選確率にかかわる期間として、再遊技役の当選確率が所定確率に定められているNOM期間と、再遊技役の当選確率がNOM期間の所定確率よりも高いRT期間とのいずれかに制御される。一般遊技状態においてJACに当選して入賞したときには、当該当選時における再遊技役の当選確率にかかわる期間が維持されたままJAC状態に制御される。つまり、一般遊技状態におけるNOM期間においてJACに当選して入賞したときには、再遊技役の当選確率についてNOM期間を維持したまま、JAC状態に制御され、一般遊技状態におけるRT期間においてJACに当選して入賞したときには、再遊技役の当選確率についてRT期間を維持したまま(RT期間の終了条件が成立した場合を除く)、JAC状態に制御される。また、JAC状態が終了して一般遊技状態に制御されるときにも、当該終了時における再遊技役の当選確率にかかわる期間が維持されたまま(RT期間の終了条件が成立した場合を除く)一般遊技状態に制御される。これに対して、一般遊技状態において「BIG」や「REG」のいずれかに当選したときには、当該当選時において制御されている期間にかかわらず、持越状態あるいはボーナス状態に制御される。
図7では、遊技状態毎に役抽選の対象となる当選役グループに対応する欄には1以上の数値(判定値)が示され、役抽選の対象とならない当選役グループに対応する欄には「0」が示されている。例えば、「BIGグループ1」の判定値は、一般遊技状態におけるNOM期間およびRT期間で賭数として3枚が設定されている「3枚賭」に対応して「98」が示され、BIGF状態に対応して「45393」が示され、これらの状態以外(一般遊技状態におけるNOM期間およびRT期間であっても賭数として2枚が設定されている「2枚賭」時を含む)に対応して「0」が示されている。これにより、「BIGグループ1」は、一般遊技状態におけるNOM期間およびRT期間で「3枚賭」のときやBIGF状態であるときに役抽選の対象となり、一般遊技状態におけるNOM期間およびRT期間で「3枚賭」のときの当選確率が98/65536となり、BIGF状態であるときの当選確率が45393/65536となり、これらの状態以外(一般遊技状態におけるNOM期間およびRT期間であっても賭数として2枚が設定されている「2枚賭」時を含む)においては役抽選の対象とならないことが示されている。
なお、BIGF状態やREGF状態などの持越状態中において役抽選の対象となる役は、RP1、CH、BE、およびWMである。しかし、BIGF状態やREGF状態などの持越状態中においては、すでにBIGやREGに当選しているため、例えば、BIGF状態においてRP1に当選したときには、BIGおよびRP1各々の当選フラグが設定されている状態となり、はずれとなったときにはBIGの当選フラグのみが設定されている状態などになる。このため、図7(a)におけるBIGF状態であるときの当選確率が45393/65536とは、新たにBIGに当選する確率ではなく、役抽選の結果がはずれとなり、BIGの当選フラグのみが設定されている状態となる確率を示している。同様に、図7(a)におけるBIGF状態およびREGF状態であるときの当選確率は、新たにBIGやREGに当選する確率ではなく、役抽選の結果がはずれとなるか、RP1、CH、BE、およびWMなどに当選することにより当該当選役グループに含まれる役の当選フラグが設定されている状態となる確率を示している。
つまり、BIGF状態(持越状態)であるときの役抽選の結果がはずれとなった場合、結果としてBIGの当選フラグのみが設定された状態となるため、BIGグループ1に当選確率を記載している。
従って、BIGF状態であるときのBIGグループ1の当選確率が45393/65536とは、BIGF状態での役抽選の結果がはずれとなる確率を示している。
なお、BIGF状態やREGF状態などの持越状態中における他の当選確率も同様である。
遊技状態が一般遊技状態におけるNOM期間で「3枚賭」のときには、ボーナス役を含む当選役グループのうち「BIGグループ1」「BIGグループ4」「BIGグループ5」「REGグループ1」「REGグループ4」「REGグループ5」、再遊技役を含む当選役グループのうち「RPグループ1」、小役を含む当選役グループのうち「CHグループ」「BEグループ」「WMグループ」が役抽選の対象となり対応する当選確率で当選する。
また、遊技状態が一般遊技状態におけるRT期間で「3枚賭」のときには、ボーナス役を含む当選役グループ、および小役を含む当選役グループについてはNOM期間であるときと同じであるが、再遊技役を含む当選役グループについては「RPグループ1」に代わり「RPグループ2」が役抽選の対象となり、NOM期間であるときに「RPグループ1」に当選する確率(8978/65536)よりも高い確率(45386/65536)で当選する。
これに対して、遊技状態が一般遊技状態におけるNOM期間あるいはRT期間で「2枚賭」のときには、再遊技役および小役を含む当選役グループについては「3枚賭」のときと同じであるが、ボーナス役を含む当選役グループについては「JACグループ」のみが役抽選の対象となり、BIGやREGを含む当選役グループが役抽選の対象とならずBIGやREGに当選することがない。また、遊技状態が一般遊技状態におけるNOM期間あるいはRT期間における「3枚賭」のときにボーナス役を含む当選役グループに当選する確率は、325/65536(=98/65536(BIGグループ1)+78/65536(BIGグループ4)+19/65536(BIGグループ5)+65/65536(REGグループ1)+52/65536(REGグループ4)+13/65536(REGグループ5))となる。これに対し、遊技状態が一般遊技状態におけるNOM期間あるいはRT期間で「2枚賭」のときには、「3枚賭」でボーナス役を含む当選役グループに当選する確率として前述した325/65536よりも高い確率(18898/65536)で「JACグループ」に当選する。その分、遊技状態が一般遊技状態におけるRT期間で「2枚賭」のときには、「RPグループ2」の当選確率が「3枚賭」のときよりも低くなるが、NOM期間であるときに「RPグループ1」に当選する確率(8978/65536)よりも高い確率(35310/65536)で「RPグループ2」に当選する。
ボーナス役を含む当選役グループの判定値は、設定値に応じて異なる判定値が定められており、設定値が高くなるに連れて当選確率が高くなる。例えば、「BIGグループ1」の判定値としては、設定値1であるときに「98」が定められ、設定値が高くなる毎に「1」ずつ多い判定値が定められ、設定値6であるときには「101」が定められている。また、「JACグループ」の判定値としては、設定値1であるときに「18898」が定められ、設定値が高くなる毎に「10」ずつ多い判定値が定められ、設定値6であるときには「18928」が定められている。
なお、「JACグループ」については、設定値にかかわらず一律の確率で当選するように判定値が定められているものであってもよい。JAC状態は、後述するように、実質的にはBIG終了後のRT期間において制御され得ることが期待される状態であるところ、すでに当該BIGの当選確率が設定値に応じて異なるように設定されており、それに加えてさらにJACの当選確率を設定値に応じて異ならせることにより設定値による有利差を必要以上に大きく生じさせてしまうことを防止できる。
遊技状態がBIGF状態のときには、「BIGグループ1」「BIGグループ2」「BIGグループ4」「BIGグループ5」「BIGグループ6」が役抽選の対象となり、判定値数に対応する当選確率で当選する。遊技状態がREGF状態のときには、「REGグループ1」「REGグループ2」「REGグループ4」「REGグループ5」「REGグループ6」が役抽選の対象となり、判定値数に対応する当選確率で当選する。なお、前述したように、BIGF状態やREGF状態などの持越状態中において、BIGやREGを含む当選役グループに当選したとしてもボーナス役に重複して当選してしまうことはなく、当該当選役グループに含まれるボーナス役以外の役に当選することになる。例えば、BIGF状態において「BIGグループ2」に当選したときには、RP1に当選となる。なお、BIGF状態において「BIGグループ1」に当選したときには、はずれとなる。また、BIGF状態およびREGF状態において再遊技役や小役を含む当選役グループに当選する判定値数は、NOM期間において再遊技役や小役を含む当選役グループに当選する判定値数と同じとなる。例えば、NOM期間においてCHを含む当選役グループに当選する判定値数として、BIGグループ4、REGグループ4、およびCHグループの合計2178が定められているところ、BIGF状態およびREGF状態においてCHを含む当選役グループ(BIGグループ4、REGグループ4)の判定値数も2178が定められている。このため、BIGF状態およびREGF状態においては、NOM期間の「3枚賭」時と同じ当選確率で再遊技役(RP1)や小役(CH、BE、およびWM)に当選することとなる。なお、前述したように、BIGF状態およびREGF状態においては、RP1、CH、BE、およびWMが役抽選となるのであって、BIGやREGなどに新たに当選することはない。
また、遊技状態がBIG状態およびREG状態のときには、「CHグループ」「BEグループ」「WMグループ」が役抽選の対象となり、判定値数に対応する当選確率で当選する。BIG状態およびREG状態において小役を含む当選役グループに当選する判定値数は、NOM期間において小役を含む当選役グループに当選する判定値数よりも大きな数が定められている。このため、BIG状態およびREG状態においては、NOM期間よりも高い確率であって、ほぼ毎遊技において小役を含む当選役グループに当選して入賞することとなる。
遊技状態がJAC状態でNOM期間のときには、「RPグループ1」が役抽選の対象となり、判定値数に対応する当選確率で当選する。一方、遊技状態がJAC状態でRT期間のときには、「RPグループ2」が役抽選の対象となり、NOM期間であるときに「RPグループ1」に当選する確率(8978/65536)よりも高い確率(45386/65536)で「RPグループ2」に当選する。このため、RT期間であるときに移行されたJAC状態においては、高確率で「RPグループ2」に当選することが期待できる。一方、NOM期間であるときに移行されたJAC状態においては、「RPグループ2」に当選することがない。JAC状態中においては、毎遊技においてすべての小役に当選した状態(当選役グループに含まれる役の当選フラグが設定された状態)に設定される。なお、すべての小役を含む当選役グループを設け、JAC状態中においては、毎遊技において役抽選の結果にかかわらず、当該すべての小役を含む当選役グループに当選するように設定してもよい。
内部抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの判定値(設定されている設定値に応じた判定値)を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。
内部抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、S300のリール制御処理に移行する。
内部抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「BIGグループ1」〜「REGグループ6」のいずれかに当選したときにはボーナス役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「JACグループ」に当選したときにはJACに当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。また、後述するように当選して持ち越されているBIG役やREG役を入賞させることができる当選状況(例えば、いずれの役にも当選していないはずれ時)であるときには、当該当選状況であることを特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別(はずれ時を含む)に応じた演出を実行可能となる。
(リール制御処理)
S400のリール制御処理では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させて停止させる処理が行われる。リール制御処理では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。
リール制御処理では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させるリール回転処理が行われる。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール回転処理においては、リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール制御処理では、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。
また、リール制御処理では、停止操作可能な状態においてストップスイッチを操作したときに、例えば当該ストップスイッチに対応するリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、原則として、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。また、JAC状態中における特定リール(例えばリール11M)の引込み可能範囲は、1図柄先までの範囲となり、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から1図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
なお、本実施形態は、上述の通り、「役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができる」ものである。ここで、役抽選は「当選役グループ」毎に行われるものであるため、前記「当選している役」は、詳しくは、当選した「当選役グループ」を構成するいずれかの役に相当するものとなる。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
ボーナス役のうち「BIG」および「REG」は、図6に示すとおり、「セブン」および「バー」から構成されている。「BIG」および「REG」を構成する図柄「セブン」は、図3に示されるように、リール11L〜11Rに1つしか配列されておらず、また、「REG」を構成する図柄「バー」は、リール11Rに1つしか配列されていない。このため、「BIG」および「REG」は、役抽選において当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては、入賞ラインに当選しているボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合がある。
「BIG」および「REG」は、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、前述した持越状態に制御されて入賞するまで対応する当選フラグを持ち越す処理が行われる。「BIG」および「REG」のいずれかに当選している遊技(当選が持ち越されている遊技も含む)においては、他の役(再遊技役や小役)に当選しているときには当該他の役を優先して入賞ラインNLに引き込むリール制御が行われる。「BIG」および「REG」のいずれかに当選している遊技においては、他のいずれの役にも当選していないとき(はずれ時)に、当選しているボーナス役を構成する図柄を入賞ラインNLに引き込むリール制御が可能となる。なお、「BIG」および「REG」のいずれかに当選している遊技においては、他のいずれの役にも当選していないとき(はずれ時)に限らず、例えば、所定の役に当選しているときであって当該役を取りこぼすときなどにおいても当選しているボーナス役を構成する図柄を入賞ラインNLに引き込むリール制御が可能となるようにしてもよい。
ボーナス役のうち「JAC」を構成する図柄は、図6に示すとおり、「リプレイ」および「ベル」から構成されている。「JAC」を構成する図柄「リプレイ」および「ベル」は、図3に示されるように、リール11L〜11R各々において引込み可能範囲内に存在する図柄である。また、「JAC」は、図7の「JACグループ」の役構成に示されるように、単独で当選する。このため、「JAC」に当選した遊技においては、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、入賞ラインに当選しているJACを構成する図柄を引き込むリール制御が行われ、当該JACが入賞する。JACを構成する図柄は、「セブン」や「バー」等のBIGやREGを構成するシンボル図柄ではなく、再遊技役や小役を構成する「リプレイ」および「ベル」である。このため、JACが入賞したときであっても、当該JACの入賞を遊技者に気付かせにくくすることができる。
「RP1」「RP2」などの再遊技役に関する役各々を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在する図柄である。このため、「RP1」を含む当選役グループ(例えば、「RPグループ1」)に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RP1」を入賞させることができる。また、「RP2」を含む当選役グループ(例えば、「RPグループ2」)に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず「RP2」を入賞させることができる。
小役のうち「CH」「BE」「WM」各々を構成する図柄は、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在する図柄である。このため、「CH」を含む当選役グループに当選したときには、CHを構成する図柄組合せを入賞ラインNL上に引き込むことができ、CHを入賞させることができる。また、「BE」を含む当選役グループに当選したときには、BEを構成する図柄組合せを入賞ラインNL上に引き込むことができ、BEを入賞させることができる。また、「WM」を含む当選役グループに当選したときには、WMを構成する図柄組合せを入賞ラインNL上に引き込むことができ、WMを入賞させることができる。
「CH」「BE」「WM」のすべてに当選することになるJAC状態中においては、図7(b)のリール制御欄に示すリール制御が行われる。具体的に、「RPグループ1」に当選しているときには「CH」を構成する図柄組合せを入賞ラインNL上に引き込みCHを入賞させ、「RPグループ2」に当選しているときには「WM」を構成する図柄組合せを入賞ラインNL上に引き込みWMを入賞させ、「RPグループ1」および「RPグループ2」のいずれにも当選しなかったはずれ時には「CH」を構成する図柄組合せを入賞ラインNL上に引き込みCHを入賞させるように、リール制御が行われる。
BIG状態中およびREG状態中においては、「CH」「BE」「WM」のうち役抽選により当選した役を構成する図柄組合せを、入賞ラインNL上に引き込み入賞させる。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。リール11L〜11Rすべてが停止すると、S400の出目判定処理に移行する。
(出目判定処理)
S400の出目判定処理では、賭数に応じて有効に設定されている入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて、当該図柄組合せに対応する処理を実行する。例えば、小役が入賞したときには、図6の備考欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。払出処理では、メダル払出あるいはクレジット加算により遊技者に付与されたメダル枚数(0枚を含む)を特定可能な払出コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においても1遊技の結果として遊技者に付与されたメダル枚数を特定可能となる。また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。出目判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、出目判定処理では、遊技の結果に応じて、役物比率等を更新してRAM65の所定領域に記憶する。出目判定処理が終了すると、S500の遊技状態設定処理に移行する。
(遊技状態設定処理)
S500の遊技状態設定処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図8には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態の遷移を説明するにあたり、以下では、一般遊技状態のうちNOM期間に制御されている状態から説明する。一般遊技状態のうちNOM期間においては、遊技を「3枚賭」または「2枚賭」により進行できる。一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「3枚賭」により進行させたときには、図7(a)で示すように、ボーナス役として「BIGグループ1」、「BIGグループ4」、「BIGグループ5」、「REGグループ1」、「REGグループ4」、および「REGグループ5」が役抽選の対象となる。「BIGグループ1」、「BIGグループ4」、「BIGグループ5」、「REGグループ1」、「REGグループ4」、および「REGグループ5」のいずれかに当選したときには、BIGF状態やREGF状態などの持越状態に制御され、当選しているBIGまたはREGに入賞したときには、BIG状態やREG状態に制御される。
BIG状態およびREG状態においては、1枚賭により遊技を進行でき、かつほぼ毎遊技において「CH」「BE」「WM」のいずれかに当選して入賞し、メダル(あるいはクレジット)が15枚付与される。BIG状態は、図6で示したように、225枚を超える払出で終了するため、遊技をほぼ15回(=225枚/15枚)行うことにより終了する。このため、BIG状態において払出されたメダル枚数から賭数設定に用いたメダル枚数を差し引いた純増枚数は、ほぼ210枚(=225枚−15枚)となる。BIG状態が終了した後においては、一般遊技状態のうちRT期間に制御される。
REG状態は、図6で示したように、105枚を超える払出で終了するため、遊技をほぼ7回(=105枚/15枚)行うことにより終了する。このため、REG状態において払出されたメダル枚数から賭数設定に用いたメダル枚数を差し引いた純増枚数は、ほぼ98枚(=105枚−7枚)となる。REG状態が終了した後においては、一般遊技状態のうちNOM期間に制御される。
以上のように、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「3枚賭」により進行させたときには、「BIGグループ1」、「BIGグループ4」、「BIGグループ5」、「REGグループ1」、「REGグループ4」、および「REGグループ5」が役抽選の対象となるため、BIG状態やREG状態に制御可能となる。これに対して、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「2枚賭」により進行させたときには、ボーナス役のうち「BIGグループ1」〜「REGグループ6」が役抽選の対象とならず、「JACグループ」が役抽選の対象となり、18898/65536という比較的高い確率で「JACグループ」に当選する。「JACグループ」に当選した遊技においては、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作態様にかかわらず、「JAC」に入賞してJAC状態に制御される。JAC状態に制御された後においても、再遊技役の当選確率にかかわる期間としてNOM期間が維持される。なお、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「2枚賭」により進行させた場合には、BIGに当選することがなく、その結果、RT期間に移行されることもない。
JAC状態においては、3枚賭により遊技を進行でき、かつ毎遊技において「CH」「BE」「WM」に当選して、「CH」または「WM」のいずれかに入賞する。JAC状態のうちNOM期間中の役抽選においては、図7(b)に示したように、「RPグループ1」に当選するか、はずれとなる。また、役抽選の結果がいずれとなっても、図7(b)のリール制御欄に示すように、「CH」に入賞してメダル(あるいはクレジット)が3枚付与されるに留まる。JAC状態は、図6で示したように、14枚を超える払出で終了する。このため、NOM期間におけるJAC状態は、遊技を5回(>14枚/3枚)行うことにより終了する。
ここで、図9を参照して、JAC状態中において払出されたメダル枚数から賭数設定に用いたメダル枚数を差し引いた純増枚数の例を説明する。図9(a)は、NOM期間におけるJAC状態中の純増枚数を説明するための図である。JAC状態のうちNOM期間中においては、図9(a)に示すように、1遊技の賭数として「3」を用い、当該1遊技の払出として「3」が付与され、このような遊技を5回繰り返すことになる。その結果、NOM期間におけるJAC状態中の純増枚数は、0枚(=(「−3枚」+「3枚」)×5回)となる。JAC状態が終了した後においては、NOM期間が維持されて、一般遊技状態のうちNOM期間に再び制御される。
以上のように、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「2枚賭」により進行させたときには、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「3枚賭」により進行させたときとは異なり、ボーナス役のうち「BIGグループ1」〜「REGグループ6」が役抽選の対象とならないためにBIG状態やREG状態に制御されることを期待できない。また、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「2枚賭」により進行させたときには、比較的高い確率で「JACグループ」に当選して「JAC」入賞しJAC状態に制御されるものの、当該JAC状態においてはNOM期間が維持されて「RPグループ2」に当選しないため、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作態様などにかかわらず純増枚数が増えることがない。このため、一般遊技状態のうちNOM期間において遊技を「2枚賭」により進行することに遊技者にとってのメリットはない。その結果、一般遊技状態のうちNOM期間においては、「2枚賭」ではなく「3枚賭」にて遊技を進行させるように遊技者を促すことができる。
次に、BIG状態が終了した後において一般遊技状態のうちRT期間に制御されている場合について説明する。RT期間は、BIG状態終了により開始条件が成立してから、遊技を所定回数(30回)消化するかあるいはBIGあるいはREGに当選することにより終了条件が成立するまで制御される。前述したように、RT期間は、前述した終了条件が成立するまで継続する。終了条件が成立するまでであれば、JAC当選してJAC状態に制御された後でも、当該JAC状態が終了した後でも、RT期間は維持される。
一般遊技状態においては、RT期間であっても、遊技を「3枚賭」または「2枚賭」により進行できる。一般遊技状態のうちRT期間において遊技を「3枚賭」により進行させたときには、図7(a)のRT期間の「3枚賭」の判定値に示されるように、一般遊技状態のうちNOM期間よりも高い確率で再遊技役に当選・入賞させつつ、一般遊技状態のうちNOM期間と同じ確率でBIG状態やREG状態に制御されることを目指すような遊技性を提供できる。しかし、一般遊技状態のうちRT期間においては、NOM期間と異なり、遊技を「2枚賭」により進行させることにより、遊技者にとって以下に説明するメリットが生じる。
一般遊技状態のうちRT期間において遊技を「2枚賭」により進行させたときには、一般遊技状態のうちRT期間において遊技を「3枚賭」により進行させたときとは異なり、ボーナス役のうち「BIGグループ1」〜「REGグループ6」が役抽選の対象とならない。しかし、前述したように、「JACグループ」が役抽選の対象となり、比較的高い確率(約1/3.4)で「JACグループ」に当選してJAC状態に制御される。また、JAC状態に制御された後においても、RT期間の終了条件が成立するまではRT期間が維持される。JAC状態のうちRT期間においては、図7(b)に示したように、45386/65536(約1/1.4)という高い確率で「RPグループ2」に当選し、当該「RPグループ2」に当選している遊技においては「WM」に入賞してメダル(あるいはクレジット)が15枚付与される。一方、JAC状態のうちRT期間においては、「RPグループ2」に当選せずにはずれとなった遊技においては「CH」に入賞してメダル(あるいはクレジット)が3枚付与される。このため、RT期間におけるJAC状態は、すべてはずれとなった場合に最大で5回遊技が行われ、このうち1回の遊技において「RPグループ2」に当選することにより14枚を超える払出となって終了する。
図9(b)は、RT期間におけるJAC状態中の1回目の遊技において「RPグループ2」に当選したときの純増枚数を説明するための図である。RT期間におけるJAC状態中においては、図9(b)に示すように、1遊技の賭数として「3」を用い、「RPグループ2」に当選したときには「WM」に入賞して当該1遊技の払出として「15」が付与されて、当該JAC状態が終了する。その結果、JAC状態中における純増枚数は、12枚(=「−3枚」+「15枚」)となる。
図9(c)は、RT期間におけるJAC状態中の1回目の遊技においてはずれとなり、2回目の遊技において「RPグループ2」に当選したときの純増枚数を説明するための図である。RT期間におけるJAC状態中においては、図9(c)に示すように、1回目の遊技の賭数として「3」を用い、当該遊技の払出として「3」が付与され、次の遊技(2回目の遊技)の賭数として「3」を用い、「RPグループ2」に当選したときには「WM」に入賞して当該1遊技の払出として「15」が付与されて、当該JAC状態が終了する。その結果、JAC状態中における純増枚数は、12枚(=「−3枚」+「3枚」+「−3枚」+「15枚」)となる。同様に、JAC状態の3遊技目〜5遊技目のいずれかにおいて「RPグループ2」に当選したときには、純増枚数が12枚となる。
また、JAC状態が終了した後においても、RT期間の終了条件が成立するまでは当該RT期間が維持される。その結果、RT期間における一般遊技状態中は、「2枚賭」により遊技を行うことにより、JAC状態に繰り返し制御させて、その都度高い割合でメダルを12枚増やすことができるメリットを生じさせることができる。その結果、一般遊技状態においてBIG終了後に制御されるRT期間中においては、「2枚賭」により遊技を行うように遊技者を誘導できる。
また、遊技状態設定処理では、遊技結果に応じて遊技状態を設定し、次回以降の遊技がいずれの遊技状態であるかなどを特定可能な状態コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、次回以降の状態に応じた演出を実行可能となる。遊技状態設定処理が終了すると、S100の賭数設定処理に移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S500の処理を繰り返し実行する。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生していると判定したときには当該エラーの種類を特定可能なエラーコマンドを出力する。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じて演出実行の有無および種類を乱数抽選により決定する演出抽選を行い、その抽選結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
演出制御処理では、当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。また、演出制御処理では、遊技結果コマンドを受信したときには、入賞した役の種類に応じた演出を実行可能となる。また、演出制御処理では、状態コマンドに応じた背景演出(例えば、液晶表示器27における背景画像など)を実行可能となる。各種演出は、所定画像を液晶表示器27に表示するとともに、当該表示に対応する態様で各種ランプが制御されるとともに、所定の効果音やBGMがスピーカ31L、31Rから出力される。
演出制御処理では、例えば、一般遊技状態のうちNOM期間においては通常演出(通常の背景画像)を実行するのに対し、一般遊技状態のうちRT期間においては特定演出(例えば、「追加加算ゾーン」といったメッセージが表示される背景画像、あるいは「2BETで遊技をしよう!」といったメッセージが表示される背景画像など)を実行する。また、演出制御処理では、例えば、ボーナス状態においては予め定められているボーナス中演出を実行する。
演出制御処理では、所定の条件が成立したときに示唆演出を実行可能である。所定の条件は、例えば、BIGやREGの当選など、遊技者にとって有利となる可能性が生じることにより成立する。示唆演出は、BIGやREGに当選している可能性を示唆する演出である。示唆演出は、複数回(例えば3回〜4回)の遊技に亘って所定の演出(ストーリー性を有する内容の演出など)を進行させた後に、当該演出の結末を報知することにより抽選結果(BIGやREGの当否)を報知する連続演出を含む。演出の結末とは、所定の演出の流れにおける最終的な結論であって、ストーリー性を有する演出の場合には当該ストーリー展開における最終的な結果を意味する。これにより、BIGやREGに当選していることに対する期待感を向上させて、遊技の興趣を向上させることができる。
<スロットマシン1により奏される効果の例>
上記実施形態におけるスロットマシン1においては、図7(a)に示すように、2枚賭されている遊技の役抽選においてボーナス役のうちのJAC(JACグループ)に当選したか否かが抽選され、3枚賭されている遊技の役抽選においてボーナス役のうちのBIG(BIGグループ1〜6)に当選したか否かが抽選される。このため、2枚賭により遊技を進行する限り、少なくともBIGに当選することはなくその結果RT期間にも制御されることはない。また、2枚賭されている遊技であるときにJACに当選させてJAC状態に制御できたとしても、BIG状態の終了後に開始されるRT期間中でないときには、図7(b)に示すように、RP2(RPグループ2)に当選しないため、WMに入賞しない。これに対して、3枚賭により遊技を進行させているときには、役抽選においてBIGに当選し、当該BIG状態終了後においてRT期間に制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、RT期間中においては、2枚賭により遊技を進行することで、JACに当選してJAC状態に制御させて、図9(b)などに示すようにRP2に当選しWMに入賞することに対する期待感を高めることができる。その結果、RT期間中でないときに2枚賭により遊技が進行されてしまうことをスロットマシンの設計段階において想定していないにもかかわらず、RT期間中でないときには3枚賭により遊技を進行させ、BIG終了後のRT期間中であるときには2枚賭により遊技を進行させるといったようにスロットマシン1本来の流れで遊技が行われるように遊技者を誘導でき、スロットマシン本来(設計通り)の遊技を遊技者に提供できる。
また、2枚賭とするか3枚賭とするかは、抽選などにより特定されるものではなく、遊技者の意思により特定される。このため、遊技者の意思が遊技状況に反映されるため、遊技をどのように進行させるかといった遊技への関与度合いが高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、最大ベットスイッチ17を操作することにより設定される賭数は、RT期間中であるか否かなど遊技状態に応じて異なる枚数が定められており、例えば、NOM期間における一般遊技状態においては規定数のうち最大となる3枚が定められている一方、RT期間における一般遊技状態においては規定数のうち2枚が定められている。このため、最大ベットスイッチ17を操作して賭数を設定して遊技を行う限りにおいて、RT期間中でないときに2枚賭により遊技が進行されてしまうことを防止し、RT期間中でないときには3枚賭により遊技を進行させ、RT期間中であるときには2枚賭により遊技を進行させることができる。
また、図9(a)で示したように、RT期間でないときのJAC状態中の純増枚数は0となる。このため、RT期間でないときには3枚賭により遊技を進行しようとする動機をより一層高めることができる。
また、BIGやREGの当選を持ち越している持越状態においては、図7(a)で示したように、JAC(JACグループ)に当選しないため、JAC入賞することがあり得ない。このため、3枚賭により遊技を進行することで、例えばBIG等に当選している可能性を示唆する連続演出中であっても、JACに当選しないためJAC入賞してしまうことが規制される。このため、連続演出中にJAC入賞してしまうことによりBIG等に当選していないことが間接的に報知されてしまうような不都合の発生を未然に防止できる。
また、BIG状態は、JAC状態よりも多くの純増枚数を期待できるため遊技者にとって有利な状態であるといえる。このような有利なBIG状態が終了することにより、RT期間に制御される。これにより、少なくともBIG当選するまでは3枚賭により遊技を進行させ、BIG状態終了後に継続してRT期間に制御されると2枚賭により遊技を進行させるといった遊技の流れを作ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、BIGに対しRT期間が付随するため、当該BIG入賞あるいはBIG状態に制御されることによる遊技者にとっての有利性を高めることができる。
また、JAC状態におけるRT期間中においてRP2(RPグループ2)に当選しているときには、図7(b)に示すように、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作態様にかかわらずWMが入賞する。このため、JAC状態におけるRT期間中におけるストップスイッチ21L〜21Rへの操作負担が軽減される。つまり、所定の押し順や所定のタイミングでストップスイッチ21L〜21Rを操作しなければWMに入賞しないといった負担を遊技者に生じさせてしまうことを防止できる。
また、図7(b)に示したように、JAC状態中であっても、RT期間でないとき(NOM期間中)にはRP2に当選することが期待できない。このため、RT期間中でないときには、JAC状態に制御することにメリットがない。その結果、RT期間中でないときには、3枚賭により遊技を進行しようとする動機をより一層高めることができる。
また、JAC状態中においてWMを入賞させる契機となる当選役グループは、小役ではなく再遊技役のRP2を含む。スロットマシン1では、再遊技役であるRP2に当選する確率を調整することにより、WMに入賞する割合を調整できるため、RT期間が設計し易くなる。
また、JAC状態は、14枚を超える払出により終了する。一方、JAC状態において入賞し得る役のうち、WMは、15枚の払出を伴う小役であるのに対し、CHは、1遊技に対するJAC状態の規定数(3)と同じ枚数の付与を伴う小役である。このため、JAC状態においてWMではなくCHが入賞したとしても、当該JAC状態中における純増枚数が増えることがない。また、JAC状態が開始されてからCHが1回〜4回まで入賞したとしても、当該JAC状態が終了してしまうことはなく次の遊技(2回〜5回)もJAC状態が継続する。このため、当該次の遊技においてRP2に当選してWMが入賞することに対する期待感を引き続き遊技者に抱かせることができる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
上記実施形態における特別状態としてのJAC状態においては、必ずいずれかの小役に入賞する例について説明したが、これに限らず、JAC入賞前(JAC状態に制御される前)よりも小役に入賞する確率が高い状態であればよく、例えば、特定の操作態様(所定の押し順や所定のタイミング)で停止操作されたときに小役に入賞する状態であってもよい。
上記実施形態における高確率期間としてのRT期間の開始条件は、BIGの入賞に応じて制御されるBIG状態の終了により成立する例について説明したが、これに限らず、複数の役のうちの予め定められた役の入賞に応じて成立するものであればよく、例えば、特定の役(例えば、CH)に入賞することにより成立し、当該特定の役に入賞した次の遊技から開始される期間などであってもよい。また、RT期間の開始条件は、役抽選の結果に応じて成立するものであれば、入賞せずとも役抽選において特定の役に当選することにより成立するものであってもよい。また、RT期間の開始条件は、役抽選の結果に応じて成立するものに替えてあるいは加えて、例えば第2遊技状況における遊技(3枚賭の遊技)を所定回数(例えば500回)消化することにより成立するものであってもよい。
上記実施形態における高確率期間としてのRT期間の終了条件は、当該RT期間において遊技を予め定められた回数(30)消化することにより成立する例について説明したが、これに限らず、特定の図柄組合せが停止されることや特定の役に入賞あるいは当選することにより成立するものであってもよい。
上記実施形態におけるJAC状態の純増枚数は、払出枚数がCHよりも多いWMが入賞したことを条件として、WMが入賞せずにCHしか入賞しなかったときよりも大きくなる例について説明した。しかし、例えば、JAC状態中においては、14枚払出を伴うWM1(特定付与役)と、14枚を超える15枚払出を伴うWM2とのいずれかに入賞するようにし、RT期間中にのみ役抽選の対象となるRP2(RPグループ2)当選時にのみWM1が入賞可能となるようにリール制御を行うことにより、JAC状態の1遊技目においてWM1が入賞したことを条件として、WM1が入賞せずにWM2に入賞してJAC状態が終了したときよりも純増枚数が大きくなるようにしてもよい。つまり、JAC状態における1遊技目においてRP2に当選せずにWM2に入賞したときには当該JAC状態の純増枚数が12(=15−3)となるのに対し、JAC状態における1遊技目においてRP2に当選してWM1に入賞したときには、次の遊技もJAC状態とし、2遊技目においてWM2を入賞させて終了することにより、当該JAC状態の純増枚数が23(=14−3+15−3)となるようにしてもよい。つまり、特別状態中において付与された遊技価値の量が、特別状態中において付与役のうちの特定付与役が入賞したことを条件として特定付与役が入賞しなかったときよりも大きくなりことにより、その結果、特別状態中における純増数が多くなるものであってもよい。なお、この場合におけるJAC状態を終了させる払出枚数は、14枚を超える枚数に限るものではなく、例えば、15枚×X−1となる枚数(X=10の場合、149枚)を超える枚数に定められているものであってもよい。
上記実施形態におけるNOM期間におけるJAC状態中の純増枚数は、0となる例について説明したが、これに限らず、NOM期間におけるJAC状態中において遊技者所有の遊技価値が増加しなければよく、例えば、負の数(遊技者所有の遊技価値が減る)となるものであってもよい。例えば、NOM期間におけるJAC状態中においては、所定の確率でしたCHに入賞しないようにリール制御が行われるものであってもよく、また、CHの払出枚数が賭数(3)未満に定められているものであってもよい。
上記実施形態における特定付与役としてのWMがJAC状態において入賞する確率は、RP2が当選していないときには0%であるのに対し、RP2が当選しているときには100%である例について説明したが、これに限らず、RP2に当選していないときよりもRP2が当選しているときの方が高くなるものであればよく、例えば、RP2が当選していないときにはストップスイッチへの操作態様が特定の操作態様(ビタ押し等、難しい操作)となることに応じてWMが入賞するのに対し、RP2が当選しているときにはストップスイッチへの操作態様にかかわらず(あるいは特定の操作態様となる割合よりも高くなる操作態様(簡単な操作)となることにより)入賞するようにリール制御が行われるものであってもよい。より具体的に、例えば、RP2が当選していないときであっても所定役(例えば、RP1)に当選しているときにはストップスイッチへの操作態様が特定の操作態様(ビタ押し等、難しい操作)となることに応じてWMが入賞するのに対し、RP2が当選しているときにはストップスイッチへの操作態様にかかわらず入賞するようにリール制御が行われるものであってもよい。なお、特定の操作態様は、RP2が当選しているときにWM入賞となる操作態様よりも遊技者にとって成立させることが困難となる操作態様であればよく、例えば、セブンなどのシンボル図柄(比較的大きな模様を伴う図柄)ではなく、ブランクなどの狙いにくい図柄をビタ押しすることにより成立する操作態様であることが望ましい。当該構成とすることにより、NOM期間におけるJAC状態中とRT期間におけるJAC状態中とで、WM入賞となる難易度を変えることが可能となる。
また、変形例として上述したように、JAC状態中においては、14枚払出を伴うWM1(特定付与役)と、14枚を超える15枚払出を伴うWM2とのいずれかに入賞するようにし、NOM期間におけるJAC状態中においては、特定の抽選結果(例えば、RPグループ1当選、またははずれ時等)においてビタ押し成功によりWM1を入賞させる(以降においてもJAC状態を継続)のに対し、特定の抽選結果とならずあるいは特定の抽選結果であったとしてもビタ押しに成功しなかったときにはWM2を入賞させる(JAC状態を終了)ようにする一方、RT期間におけるJAC状態中においては、例えば、RPグループ2当選時において操作態様にかかわらずWM1を入賞させる(以降においてもJAC状態を継続)ようにしてもよい。また、NOM期間におけるJAC状態中においては、特定の抽選結果(例えば、RPグループ1当選、またははずれ時等)においてWM2を入賞させる(JAC状態を終了)ようにする一方、RT期間におけるJAC状態中においては、例えば、RPグループ2当選時においてWM1を入賞させる(以降においてもJAC状態を継続)ようにし、さらに、NOM期間であるかRT期間であるかにかかわらず、JAC状態中においては、役抽選の結果がはずれとなりビタ押し成功によりWM1を入賞させるようにしてもよい。なお、前述のように、ビタ押しにより狙う図柄は、例えば、セブンなどのシンボル図柄(比較的大きな模様を伴う図柄)ではなく、ブランクなどの狙いにくい図柄であることが望ましい。当該構成とすることにより、NOM期間におけるJAC状態中とRT期間におけるJAC状態中とで、WM入賞となる難易度を変えることが可能となる。さらに、RPグループ1当選時にもビタ押し成功によりWM1を入賞させるようにしてもよい。さらにビタ押し成功によりWMやWM1を入賞させることが可能な遊技の場合、その旨を遊技者に報知するようにしてもよい。
上記実施形態においては、BIGやREG当選を目指す遊技をメイン遊技とし、RT期間中のJAC状態中の遊技をサブ遊技と位置付けたため、BIGやREGが役抽選の対象となる賭数を3枚賭とし、JACが役抽選の対象となる賭数を2枚賭とした例について説明した。しかし、RT期間中のJAC状態中の遊技をメイン遊技(RT期間に制御される期間が長い、例えば遊技を500回消化するまで継続)とし、BIGやREG当選を目指す遊技をサブ遊技と位置付けて、JACが役抽選の対象となる賭数を3枚賭とし、BIGやREGが役抽選の対象となる賭数を2枚賭となるようにしてもよい。
上記実施形態においては、RT期間中においてのみJAC状態中にWM入賞の契機となるRP2が役抽選において当選し、NOM期間中においてはRP2が役抽選において当選しない例について説明したが、これに限らず、RT期間中でないときにはRT期間中であるときよりもRP2に当選し難いものであればよく、例えば、RT期間中でないときには極めて低い確率(例えば1%)でRP2に当選するのに対し、RT期間中であるときには高い確率(例えば70%)でRP2に当選するようにしてもよい。
上記実施形態におけるJACは、ストップスイッチへの操作態様にかかわらず、入賞ラインNL上に必ず引き込み可能となる図柄から構成され、当選した遊技において必ず入賞する例について説明した。しかし、これに限らず、JACは、当選してもストップスイッチへの操作態様(押し順、タイミング)に応じて入賞する場合と入賞しない場合とが生じ得るようにしてもよい。
上記実施形態における小役のうちCHおよびBEの払出枚数は、図6に示すように、第1遊技状況(2枚賭)であるか第2遊技状況(3枚賭)であるかにかかわらず、同じ枚数が定められている例について説明したが、これに限らず、第1遊技状況(2枚賭)であるときには第2遊技状況(3枚賭)であるときよりも少ない枚数が定められているものであってもよい。これにより、RT期間中でないときには第2遊技状況において遊技を進行しようとする動機をより一層高めることができる。
上記実施形態においては、一般遊技状態のうちRT期間において特定演出を実行することにより、第1遊技状況(2枚賭)において遊技を進行すべきである旨を報知する例について説明した。しかし、RT期間の例えば終了条件が成立する30回目の遊技などにおいては、当該遊技においてJAC状態に制御されたとしても当該RT期間が終了してNOM期間に制御されているため、JAC状態に制御することに遊技者のメリットがない。このため、遊技者のメリットがない場合にまで、第1遊技状況(2枚賭)において遊技を進行させてしまうことを防止するために、例えば、RT期間の終了条件が成立する遊技(30回目の遊技)が開始されるまでの所定タイミング(例えば、RT期間における28回目の遊技が終了して29回目の遊技が開始(賭数設定操作時、あるいはスタート操作時)されたタイミング)において特定演出を終了するようにしてもよい。また、最大ベットスイッチ17を操作することにより設定される賭数は、RT期間における一般遊技状態においては規定数のうち2枚が定められているが、RT期間中であっても所定タイミング以降においては3枚が定められるようにしてもよい。
上記実施形態においては、BIG状態終了後にRP2の当選確率が所定確率に定められているRT期間に制御される例について説明したが、これに限らず、例えばREG状態終了後においてもRT期間に制御されるようにしてもよい。また、RT期間においてRP2に当選する確率は、BIG状態終了後に制御されるRT期間中であるときの方が、REG状態終了後に制御されるRT期間中であるときよりも高くなるように定められているものであってもよい。これにより、BIGに制御されるかREGに制御されるかに応じて、ボーナス状態中において付与される遊技価値の量に加えて、ボーナス状態終了後におけるJAC状態中において付与される遊技価値の量にも差を生じさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施形態における遊技機においては、有利状態としてBIG状態およびREG状態を例示し、特別状態としてJAC状態を例示したが、有利状態および特別状態は、これに限らず、例えば、特別状態としてJAC状態が設けられ、有利状態としてBIG状態またはREG状態のいずれか一方のみが設けられているものであってもよい。この場合、有利状態として設けられているBIG状態またはREG状態が終了した後において、高確率期間としてのRT期間に制御可能となるものであってもよい。
また、有利状態としては、小役の当選確率が通常時よりも向上するBIG状態やREG状態に限らず、これに替えてあるいは加えて、小役の入賞確率が通常時よりも向上する状態であって純増枚数が正の数(例えば、200枚等)となる遊技者にとって有利なチャレンジボーナス状態(CBB状態)に制御可能となるものであってもよい。有利状態としては、例えば、BIG状態およびCBB状態が設けられているものであってもよく、REG状態およびCBB状態が設けられているものであってもよく、BIG状態、REG状態、およびCBB状態が設けられているものであってもよく、また、CBB状態のみが設けられているものであってもよい。また、CBB状態が終了した後において、高確率期間としてのRT期間に制御可能となるものであってもよい。
役抽選の対象となる当選役グループとしては、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作態様(例えば押し順)に応じて、遊技者にとっての有利度合い(払出枚数、移行される遊技状態など)が異なる図柄組合せを停止させる当選役グループ(いわゆる、押し順ベル、押し順リプレイ、以下、押し順役ともいう)を設けてもよい。このような押し順役を設けた場合において、当該押し順役に当選したときに遊技者にとって有利度合いが高い図柄組合せを停止させる有利な操作態様を報知(いわゆる、ナビ演出)するようにしてもよい。また、有利状態としては、押し順役当選時における有利な操作態様の報知を所定期間に亘り実行する報知期間(いわゆる、AT)に制御するようにしてもよい。また、上記実施形態では、特定図柄組合せが停止されることにより制御可能な有利状態として、BIGやREGを例示したが、これに替えてあるいは加えて、前述した報知期間であってもよい。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして2本設定されている例について説明したが、入賞ライン数は、これに限らず、1本のみ設定されているものであってもよく、また、3本以上設定されているものであってもよい。