JP2004187887A - 遊技機 - Google Patents

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JP2004187887A
JP2004187887A JP2002358766A JP2002358766A JP2004187887A JP 2004187887 A JP2004187887 A JP 2004187887A JP 2002358766 A JP2002358766 A JP 2002358766A JP 2002358766 A JP2002358766 A JP 2002358766A JP 2004187887 A JP2004187887 A JP 2004187887A
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Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Masahito Tani
雅人 谷
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Abstract

【課題】データ圧縮された動画像データを用いた表示演出のための制御負担を軽減することができる遊技機を提供する。
【解決手段】可変表示制御手段101aは、動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御(リーチCの制御)と、動画像を含まない表示態様によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御(リーチA,Bの制御)とを行う。また、フェードイン切替表示手段101cは、フェードイン画像生成手段101caと、フェードイン処理手段101cbと、動画再生開始手段101ccとを含む。さらに、表示制御決定手段101adは、第2可変表示制御よりも第1可変表示制御による可変表示の表示結果が高確率で特定表示結果となるように、何れを行うかを決定する。よって、データ圧縮された動画像データを用いた表示演出のための制御負担を軽減することができる。
【選択図】 図69

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とするパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、主に、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口と呼ばれる特別電動役物を作動させ、大入賞口扉を開放状態とする。これによって、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
以下、特図ゲームにおいて大当りとなり、大入賞口扉が開放状態となることで、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態となることを特定遊技状態という。特定遊技状態となるためには、通常、特別図柄表示装置に表示される表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように、遊技者にとって特図ゲームでは、停止図柄態様が特定表示態様となって「大当り」となるか否かに最大の関心が払われることになる。このため、「大当り」となるか否かを判別することのできる停止図柄態様の確定までの間に、表示図柄の変動態様を異ならせる等の遊技興趣を高めるための様々な演出表示が行われる。
【0006】
このような遊技機では、一般に、遊技状態に応じて、可変表示装置に所定のキャラクタを登場させたり、そのキャラクタを変化させたり、ランプ・LED等の発光体を明滅させたりすることによって各種の遊技演出が行われている。また、可変表示装置に実写画像などの多色画像を表示させることによって遊技演出を行うものもある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0007】
通常、可変表示装置に多色画像による動画像を表示することによって演出表示を行う場合には、動画像データのデータ量が膨大なものとなるため、遊技演出に用いる動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)などの符号化技術によりデータ圧縮された状態で遊技機が備えるROMなどの記憶媒体に格納される。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−185088号公報
【特許文献2】
特開平9−149376号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、多色画像による動画像を用いた演出の出現頻度が多いと、データ圧縮された動画像データの伸張処理や再生処理などのための制御負担が大きくなってしまうという問題がある。
【0010】
また、動画像による演出を行う場合、静止画像による演出から動画像による演出に移行するときや、動画像による演出から静止画像による演出に移行するときに、表示されている画像が段々薄れてきてやがて消失するようなフェードアウト表示や、画面上に画像が段々現れてきてやがてはっきりと表示されるようなフェードイン表示を行うことによって表示画像を切り替えることがある。例えば、リーチ演出において、特別図柄の可変表示内容がリーチ表示に発展した後に、背景画面を静止画像から動画像に切り替える際、フェードアウト表示やフェードイン表示によって表示内容を切り替えるものがある。
【0011】
しかし、フェードアウト表示を行うために、フェードアウト表示用の動画像データが用いられ、同様に、フェードイン表示を行うために、フェードイン表示用の動画像データが用いられている。すなわち、フェードアウト表示用の動画像データとフェードイン表示用の動画像データを予め用意し、遊技演出を行うための動画像データの前後にフェードアウト表示用の動画像データやフェードイン表示用の動画像データをつなぎ、その動画像データを再生することで、フェードアウト表示やフェードイン表示を実現するようにしている。このため、フェードアウト表示やフェードイン表示を行うためには、膨大なデータ量の動画像データを必要としていた。従って、フェードアウト表示やフェードイン表示を行うためには、データ圧縮されてはいるが、多大なデータ量の動画像データを必要とするので、動画像データの総データ量が増大することになってしまい、動画像データを格納する記憶領域の必要容量が増大してしまうという課題があった。また、多大なデータ量の動画像データを必要とするので、データ圧縮された動画像データの伸張処理や再生処理などのための制御負担が増大するという問題もある。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、データ圧縮された動画像データを用いた表示演出のための制御負担を軽減することができる遊技機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば左中右図柄が同一の図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)とする遊技機であって、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置(例えば可変表示装置9)と、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段(例えばCGROM83)と、圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段(例えば動画圧縮・伸張部89におけるステップS208,ステップS212,ステップS216,ステップS223を実行する部分)と、画像表示装置上で識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段(例えばGCL81におけるステップS803を実行する部分)と、データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置に順次表示させることによって動画再生を行うデータ再生手段(例えばGCL81における図48に示す動画再生処理を実行する部分)と、段階的に画像を出現させるフェードイン処理を行うことで画像表示装置上の表示画像の切替表示を実行させるフェードイン切替表示手段(例えばGCL81におけるステップS232を実行する部分)とを備え、可変表示制御手段は、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御(例えばリーチCの動画像演出を行うための制御)と、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含まない表示態様(例えばスプライト画像を用いた動画像などの動画再生によらない動画像を含む表示態様をも含む概念である)によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御(例えばノーマルリーチ、リーチA、リーチBの演出を行うための制御)とを実行する機能を有し、識別情報の可変表示の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示が終了したときに成立する条件)の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段(例えば演出制御用CPU101におけるステップS56を実行する部分)と、特定表示結果決定手段の決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段(例えば演出制御用CPU101におけるステップS71〜ステップS77を実行する部分)とを含み、フェードイン切替表示手段は、データ再生手段による動画再生の再生開始時に使用されるフレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードイン画像(例えば図51(B)〜図51(D)に示す各画像)を生成するフェードイン画像生成手段(例えばGCL81におけるステップS252を実行する部分)と、フェードイン画像生成手段により生成された各フェードイン画像を、透過度が最も高められているフェードイン画像(例えば図50にてN=99とした数式を用いて生成したフェードイン画像。具体的には図51(A)に示す画像)から、透過度がより低いフェードイン画像に順次移行させ(例えば図51(B)、図51(C)に順次移行させる)、最終的にフレームデータの画像を表示させる(例えば図50にてN=0とした数式を用いて生成したフェードイン画像を表示させる。具体的には、例えば図51(D)に示す画像を表示させる)ことによってフェードイン処理を実行するフェードイン処理手段(例えばGCL81における図49に示す処理を実行する部分)と、フェードイン処理手段によるフェードイン処理が完了したあと、フェードイン処理の完了時に表示されているフレームデータの画像からデータ再生手段に動画再生を開始させる動画再生開始手段(例えばGCL81におけるステップS257にてフェードインフラグがオフされたあとにステップS245又はステップS246での表示処理を実行する部分)とを含み、表示制御決定手段は、第2可変表示制御による可変表示が実行されたときと比較して、第1可変表示制御による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データ(例えば図19に示すリーチ演出判定テーブルに設定されている比較値)が第1可変表示制御と第2可変表示制御とに割り振られている決定用データテーブル(例えば図19に示すリーチ演出判定テーブル)を用いて、第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れを行うかを決定する(例えば演出制御用CPU101におけるステップS72,ステップS75を実行する部分)ことを特徴とするものである。
【0014】
フェードイン切替表示手段が、フェードイン処理にて、所定の中間画像を介して段階的に画像を出現させる構成とされていてもよい。
【0015】
また、本発明による遊技機は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば左中右図柄が同一の図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)とする遊技機であって、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置(例えば可変表示装置9)と、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段(例えばCGROM83)と、圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段(例えば動画圧縮・伸張部89におけるステップS208,ステップS212,ステップS216,ステップS223を実行する部分)と、画像表示装置上で識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段(例えばGCL81におけるステップS803を実行する部分)と、データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置に順次表示させることによって動画再生を行うデータ再生手段(例えばGCL81における図48に示す動画再生処理を実行する部分)と、段階的に画像を消滅させるフェードアウト処理を行うことで画像表示装置上の表示画像の切替表示を実行させるフェードアウト切替表示手段(例えばGCL81におけるステップS234を実行する部分)とを備え、可変表示制御手段は、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御(例えばリーチCの動画像演出を行うための制御)と、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含まない表示態様(例えばスプライト画像を用いた動画像などの動画再生によらない動画像を含む表示態様をも含む概念である)によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御(例えばノーマルリーチ、リーチA、リーチBの演出を行うための制御)とを実行する機能を有し、識別情報の可変表示の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示が終了したときに成立する条件)の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段(例えば演出制御用CPU101におけるステップS56を実行する部分)と、特定表示結果決定手段の決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段(例えば演出制御用CPU101におけるステップS71〜ステップS77を実行する部分)とを含み、フェードアウト切替表示手段は、データ再生手段による動画再生を終了するときに、再生終了時に使用されるフレームデータの画像を表示する動画再生終了手段(例えばGCL81におけるステップS211にてフェードアウトフラグがオン状態とされたあとにステップS212にて復号化されたフレームデータを表示するときのステップS245又はステップS246の処理を実行する部分)と、フレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードアウト画像(例えば図54(B)〜図54(D)に示す各画像)を生成するフェードアウト画像生成手段(例えばGCL81におけるステップS262を実行する部分)と、フェードアウト画像生成手段により生成された各フェードアウト画像を、フレームデータの画像(例えば図53にてM=0とした数式を用いて生成したフェードアウト画像)から、透過度がより高められているフェードアウト画像に順次移行させ、最終的に透過度が最も高められているフェードアウト画像(例えば図53にてM=99とした数式を用いて生成したフェードアウト画像)を表示させることによってフェードアウト処理を実行するフェードアウト処理手段(例えばGCL81におけるステップS263を実行する部分)とを含み、表示制御決定手段は、第2可変表示制御による可変表示が実行されたときと比較して、第1可変表示制御による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データ(例えば図19に示すリーチ演出判定テーブルに設定されている比較値)が第1可変表示制御と第2可変表示制御とに割り振られている決定用データテーブル(例えば図19に示すリーチ演出判定テーブル)を用いて、第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れを行うかを決定する(例えば演出制御用CPU101におけるステップS72,ステップS75を実行する部分)ことを特徴とするものである。
【0016】
フェードアウト切替表示手段が、フェードアウト処理にて、段階的に画像を消滅させて所定の中間画像を表示させる構成とされていてもよい。
【0017】
動画像データは、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)と、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)と、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)とを含み、キーフレームデータは、動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられる構成とされていてもよい。
【0018】
動画像データが、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータである構成とされていてもよい。
【0019】
データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出を示す動画像(例えば、図66に示す動画再生によってキャラクタが動作する画像)を含む構成とされていてもよい。
【0020】
データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示態様がリーチ態様となることを予告するためのリーチ態様予告演出を示す動画像(例えば、図25に示す予告Bがリーチ予告として用いられる場合における予告Bとして表示されるムービー画像)を含む構成とされていてもよい。
【0021】
データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示結果が特定表示結果となることを予告するための特定表示結果予告演出を示す動画像(例えば、図25に示す予告Bが大当り予告として用いられる場合における予告Bとして表示されるムービー画像)を含む構成とされていてもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。
【0023】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
【0024】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
【0025】
遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部170を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。なお、可変表示部は固定的な領域であってもよいが、遊技進行中に、可変表示装置9の表示領域において移動したり大きさが変化してもよい。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞(始動入賞記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化させる(例えば青色表示から赤色表示に変化させる)始動記憶表示エリア18を1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリア18を1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。
【0026】
なお、図柄表示エリアと始動記憶表示エリア18とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリア18を図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリア18を可変表示装置9に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けるようにしてもよい。
【0027】
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0028】
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
【0029】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動入賞記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動入賞記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器10の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄と普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示部と普通可変表示部とは1つの可変表示装置で実現される。
【0030】
この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0031】
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
【0032】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音や音声を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。
【0033】
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50も示されている。
【0034】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0035】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0036】
可変表示装置9における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示態様)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0037】
停止時の可変表示装置9における特別図柄の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0038】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70および演出制御基板100も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aおよびクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
【0039】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。
【0040】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0041】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0042】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0043】
この実施の形態では、演出制御基板100に搭載されている演出制御手段が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41および飾りランプ25等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例であり、以下、ランプ・LEDと総称することがある。また、可変表示装置9の上部および左右部には、可変表示装置飾りLED(センター飾りLED)が設置され、大入賞口の内部には大入賞口内飾りLEDが設置され、大入賞口の左右には、大入賞口左飾りLEDおよび大入賞口右飾りLEDが設置されている。演出制御手段は、それらの発光体の制御も行う。
【0044】
なお、ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、遊技機に演出手段としての可動部材が設置されている場合には、可動部材を駆動するためのモータやソレノイド等の演出用駆動手段61を駆動するための駆動信号も、ランプドライバ基板35において作成される。
【0045】
また、特別図柄を可変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、演出制御基板100に搭載されている演出制御手段によって行われる。
【0046】
図4は、演出制御基板100、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板100は、表示制御部80と、表示制御部80や各基板35,70などの制御を行う演出制御用CPU101と、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM106と、ワークメモリとして使用されるRAM107とを含む。演出制御基板100において、演出制御用CPU101は、ROM106に格納されたプログラムに従って動作し、主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101からの指示に従って、表示制御部80は、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行うとともに、普通図柄表示器10の表示制御を行う。なお、表示制御部80の構成については、あとで詳しく説明する。
【0047】
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート104および出力ドライバ110を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。また、演出制御用CPU101に入出力するバス(アドレスバス、データバス、および書込/読出信号等の制御信号ラインを含む)はバスドライバ105を介してランプドライバ基板35まで延長されている。
【0048】
ランプドライバ基板35において、演出制御用CPU101に入出力するバスは、バスレシーバ351を介して出力ポート352および拡張ポート353に接続される。出力ポート352から出力される各ランプを駆動する信号は、ランプドライバ354で増幅され各ランプに供給される。また、出力ポート352から出力される各LEDを駆動する信号は、LED駆動回路355で増幅され各LEDに供給される。そして、演出用駆動手段61を駆動する信号は、駆動回路356で増幅され各ランプに供給される。
【0049】
この実施の形態では、遊技機に設けられているランプ・LEDおよび演出用駆動手段は、演出制御基板100に搭載されている演出用CPU101を含む演出制御手段によって制御される。また、可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御するためのデータがROM106に格納されている。演出用CPU101は、ROM106に格納されているデータにもとづいて可変表示装置9、普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプドライバ基板35に搭載されている出力ポート352および各駆動回路を介して、ランプ・LEDおよび演出用駆動手段が駆動される。従って、機種変更を行う場合に、演出制御基板100を新たな機種のものに交換すれば、ランプドライバ基板35を交換せずに機種変更を実現することができる。
【0050】
なお、演出制御基板100、ランプドライバ基板35および音声出力基板70は独立した基板であるが、それらは、例えば、遊技機裏面において、1つのボックスに収容された状態で設置される。また、拡張ポート353は、機種変更を行う場合に、ランプ・LED等の数が増加した場合を考慮して設置されるが、設置されていなくてもよい。演出用の可動部材等が存在しない場合には駆動回路356は設けられなくてもよいが、機種変更を行う場合に、演出用の可動部材等が設置された場合を考慮すると、演出用の可動部材等が存在しない場合にも設けられていることが好ましい。
【0051】
音声出力基板70において、演出制御基板100からの音番号データは、入力ドライバ702を介して、例えばデジタルシグナルプロセッサによる音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0052】
音声データROM704に格納されている音番号データに応じたデータは、所定期間(例えば特別図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、音番号データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータに従って音出力制御を行う。対応するデータに従った音出力制御は、次の音番号データを入力するまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音番号データを入力すると、新た入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータに従って音出力制御を行う。
【0053】
この実施の形態では、スピーカ27から出力される音声や効果音は演出制御用CPU101を含む演出制御手段によって制御されるのであるが、演出制御手段は、音声出力基板70に音番号データを出力する。音声出力基板70において、音声データROM704には、遊技の進行に伴って出現しうる音声や効果音を実現するための多数のデータが格納され、それらのデータは音番号データに対応付けられている。従って、演出制御手段は、音番号データを出力するだけで音出力制御を実現することができる。なお、音番号データは例えば1バイトデータであり、シリアル信号線またはパラレル信号線によって音声出力基板70に転送される。
【0054】
図5は、表示制御部80の回路構成を示すブロック図である。表示制御部80は、可変表示装置9や普通図柄表示器10の表示制御を行う。可変表示装置9の表示制御は、具体的には、演出制御コマンドに応じた指令をGCL(Graphics Controller LSI)81に与える。GCL81は、CGROM83等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM83には、使用頻度の高いキャラクタを示すデータが格納されている。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、可変表示装置9に表示される人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像や静止画像も含まれる。GCL81は、入力したデータに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号及び同期信号を可変表示装置9に出力する。可変表示装置9は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。本例では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、可変表示装置9は、GCL81からの指示に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0055】
表示制御部80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。また、表示制御部80は、GCL81と、普通図柄表示器10に信号を出力するための普通図柄駆動回路82とを備えている。
【0056】
GCL81は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットデータバッファ85や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ86等の各種の記憶媒体の他、描画制御部91と、可変表示装置9に信号を出力するための可変表示装置制御部87及びDAC(ディジタルアナログコンバータ)88と、動画圧縮処理や伸張処理を行う動画圧縮伸張部89とを含む。描画制御部91は、アトリビュート解析部81aと、VRAMアドレス生成部81bと、クリッピング部81cと、半透明輝度変調部81dとを含む。アトリビュート解析部81aは、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。このパラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。なお、動画圧縮伸張部89は、GCL81によって制御される構成としても、演出制御用CPU101によって制御される構成としてもよい。
【0057】
また、表示制御部80は、駆動回路90aと、増幅回路90bとを含む。この例では、発光部65a,65bを発光させるための駆動信号が、駆動回路90aを介して発光部65a,65bに出力される。また、受光部66a,66bからの信号は、図示しない入力ポートを介して表示制御部80に入力され、増幅回路90bにて増幅されたあとGCL81等に入力される。なお、受光部66a,66bの出力信号が人体センサの出力信号に相当する。
【0058】
図6(A)は、遊技者が選択入力を入力するための選択操作手段としての人体センサの作用を説明するための説明図である。人体センサを構成する発光部65a,65bからの光は、遊技用枠3に設置されたガラスを透過する。しかし、ガラスにおける発光部65a,65bからの光の透過部に、光を反射可能な遮蔽物があると、光は遮蔽物で反射され、受光部66a,66bに到達する。従って、例えば遊技者が遮蔽物としての指等をタッチ部(発光部65a,65bからの光を反射する部分)161a,161bに当てると、受光部66a,66bに光が到達する。すなわち、受光部66a,66bに光が到達したことによって指が当てられたことが検出される。なお、受光部66a,66bの感度は、ガラスの外からの光を感知せず、発光部65a,65bからの光の遮蔽物による反射光を感知するように設定される。
【0059】
タッチ部161a,161bは、後述するように、可変表示部170において選択画面(全画面のうちの一部であって、選択のための情報が表示される部分)に相当する位置になるように設定される。つまり、選択画面に相当する位置で光が反射するように、発光部65a,65bおよび受光部66a,66bの光軸が調整される。
【0060】
この実施の形態では、図1には表されていないが、図6(B)に示すように、遊技盤6には、可変表示部170の上方の2箇所に、光を出射する発光部65a,65bが設置され、可変表示部170の下方に、発光部65a,65bから出射され所定部位で反射された光を入射する受光部66a,66bが設けられている。なお、発光部65aと受光部66aとで1つの人体センサが構成され、発光部65bと受光部66bとで1つの人体センサが構成される。
【0061】
なお、図6(A)および図6(B)に示す構造の人体センサは一例であって、ガラスにおけるタッチ部161a,161bに遊技者の指等が当てられたことを検知できるのであれば、どのような構造の人体センサを用いてもよい。
【0062】
次に遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御手段(CPU56およびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0063】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。なお、割込みモード2は、遊技制御用マイクロコンピュータ56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
【0064】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0065】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0066】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0067】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0068】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0069】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。さらに、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板35および演出制御基板100)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板100に対して)や賞球ランプ51および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0070】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0071】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0072】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0073】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図8に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ24a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0074】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22)。CPU56は、さらに、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23,S24)。
【0075】
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄決定用(特別図柄左中右)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
【0076】
図8に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、および(6)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。
【0077】
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0078】
次いで、CPU56は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0079】
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0080】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0081】
そして、CPU56は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0082】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0083】
図10は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄プロセス処理は、図8のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0084】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0085】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0086】
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板100に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0087】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0088】
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0089】
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0090】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0091】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0092】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0093】
図11は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
【0094】
なお、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「ノーマルリーチ」とは、リーチ態様を伴うが変動結果(停止図柄)が大当りを生じさせるものとならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ等が現れることをいう。例えば、「ノーマル」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。
【0095】
また、「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。そして、「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なり、動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」では、大当りとなる場合と大当りとならない場合とがある。
【0096】
この実施の形態では、さらに、短縮表示パターンが用いられる。短縮表示パターンは、左中右の図柄の変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。
【0097】
なお、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中=通常状態)でも変動パターン1〜14の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と低確率時に用いられる変動パターン群とを別にしてもよい。
【0098】
図12は始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動入賞記憶数が最大値である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動入賞記憶数が4に達していなければ、始動入賞記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動入賞記憶数の値に対応した保存領域(特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS114では、図9に示された乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。そして、入賞時演出設定処理を実行する(ステップS115)。
【0099】
図13は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理において、CPU56は、まず、始動入賞があったことを示す入賞ありフラグをセットする(ステップS121)。入賞ありフラグは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理(ステップS31)で参照される。次いで、CPU56は、ランダム1(大当り判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム1を抽出し(ステップS122)、大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS123)。大当り判定モジュールにおいてランダム1の値にもとづいて大当りとなると判定された場合には(ステップS124)、確変大当りとなるか否か判定する(ステップS125)。
【0100】
この実施の形態では、左中右の特別図柄は、それぞれ、「0」〜「11」の12通りあって、可変表示装置9において「0」から順に特別図柄の表示が変化することによって特別図柄の変動が実現される。なお、特別図柄の変動中において、表示図柄の表示は非連続的に変化してもよい。また、特別図柄の最終停止図柄(確定図柄)が左中右揃った場合に大当りとなり、左右が揃った場合にリーチとなる。そして、大当りとなる場合において、奇数図柄で揃ったときには、大当り遊技終了後に高確率状態に移行する。また、高確率状態において、大当りが発生すると、または、所定回の特別図柄の変動が行われると高確率状態は終了し低確率状態に戻る。
【0101】
従って、ステップS124では、CPU56は、ランダム3(大当り図柄決定用乱数)を抽出し、抽出した乱数にもとづいて大当り図柄を判定し、判定結果が異数図柄であれば確変大当りとなると判定する。確変大当りとならないと判定した場合には、非特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS126)。確変大当りとなると判定した場合には、特定大当り入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS127)。
【0102】
ステップS124において大当りとしないと判定された場合には、ランダム5(リーチ判定用乱数)を生成するためのカウンタからランダム5を抽出し(ステップS131)、リーチ判定モジュールを実行する。すなわち、リーチ判定サブルーチンをコールする(ステップS132)。リーチ判定モジュールにおいてランダム5の値にもとづいてリーチとなると判定された場合には(ステップS133)、リーチ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS134)。リーチとならないと判定された場合には、はずれ入賞指定コマンドを示すデータを入賞コマンドとしてRAM55にセットする(ステップS135)。
【0103】
そして、RAM55に入賞コマンドとしてセットされたデータを、RAM55の入賞時演出用バッファとして定められている領域に格納する(ステップS136)。なお、入賞時演出用バッファに格納されたデータは、特別図柄プロセス処理の終了後に実行される記憶処理(ステップS31)で参照される。
【0104】
図14(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図14(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。図14(A)に示すように、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図14(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。
【0105】
図15は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図14(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0106】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0107】
図16は、リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図14(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。
【0108】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0109】
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0110】
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0111】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0112】
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の組み合わせのそれぞれに対応した左中右の図柄番号が設定されている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0113】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS65)。ここでは、リーチ判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム3の値すなわち乱数値バッファに格納されている値にもとづいてリーチとするか否かの決定が行われる(ステップS64)。また、ランダム2−1の値に従って左右図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定する(ステップS67)。ここで、決定された中図柄が左右図柄と一致した場合には、中図柄に対応した乱数の値に1加算した値に対応する図柄を中図柄の停止図柄として、大当り図柄と一致しないようにする。そして、ステップS63に移行する。
【0114】
ステップS66においてリーチしないことに決定された場合には、はずれの場合の停止図柄の決定を行う(ステップS68)。具体的には、ステップS53で読み出した値、すなわち抽出されているランダム2−1の値に従って左図柄を決定し、ランダム2−2の値に従って中図柄を決定するとともに、ランダム2−3の値に従って右図柄を決定する。なお、ここでは、左右図柄が一致した場合には右図柄を1図柄ずらし、リーチにもならないはずれとなるようにする。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0115】
図19(A)は、リーチ演出の判定処理(ステップS72,ステップS75参照)で用いられるリーチ演出判定テーブルの一例を示す説明図である。図19(A)に示すように、この実施の形態では、リーチ演出の内容を選択する際に、リーチ後にはずれとなるはずれ時では、100/150の確率で「ノーマルリーチ」、30/150の確率で「リーチA」、15/150の確率で「リーチB」、5/150の確率で「リーチC」が選択される。また、大当り時では、30/150の確率で「ノーマルリーチ」、20/150の確率で「リーチA」、30/150の確率で「リーチB」、70/150の確率で「リーチC」が選択される。具体的には、リーチ演出判定テーブルには、図19(A)に示すような確率で各リーチ演出が選択されるように、乱数(この実施の形態では変動パターン決定用乱数が用いられる)の抽出値と比較される各比較値が設定されている。
【0116】
図19(B)は、各リーチが出現したときの大当り信頼度(大当りとなる確率)を示す説明図である。なお、図19(B)に示す大当り信頼度は、各可変表示における大当りとなる確率を示す大当り確率が1/300であり、リーチ演出が出現する確率を示すリーチ出現率(ここでは結果としてはずれとなるリーチ演出の出現率であるとする)が1/10であるとして算出されたものである。図19(B)に示すように、ノーマルリーチが出現したあとの可変表示結果が大当り表示結果となる確率は1/101であり、リーチAが出現したあとの可変表示結果が大当り表示結果となる確率は2/92であり、リーチBが出現したあとの可変表示結果が大当り表示結果となる確率は1/16であり、リーチCが出現したあとの可変表示結果が大当り表示結果となる確率は7/22である。すなわち、本例では、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチCの順番で、徐々に大当り信頼度が高くなっている。従って、動画再生による動画像を含むリーチ演出(リーチC:図64参照)が出現したときは、動画再生による動画像を含まない各リーチ演出(ノーマルリーチ、リーチA、リーチB:図64参照)が出現したときと比較して、最も高確率で大当りが発生することになる。
【0117】
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS71)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り時リーチ演出判定テーブル(図19に示されている下段のテーブル)を用いて、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値(ステップS53において読み出したランダム4)に従ってリーチ態様を決定する(ステップS72)。この実施の形態では、大当り時リーチ演出判定テーブルにおいて、ランダム4の値と同じ値の比較値が設定されているリーチ態様が、演出にて用いられるリーチ態様に決定される。そして、決定されたリーチ態様に応じた変動パターンとすることに決定する(ステップS73)。すなわち、ステップS72にて決定されたリーチ態様のリーチ演出を含む演出態様を指定する変動パターン(変動パターン11〜14の何れか)を、可変表示演出にて出現させる変動パターンとして決定する。そして、ステップS78に移行する。
【0118】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、リーチとすることに決定されているか否か確認する(ステップS74)。この確認は、例えば、既に決定されている左右図柄が同一図柄であるか否かを確認することで実行される。リーチとすることに決定されていた場合には、はずれ時リーチ演出判定テーブル(図19に示されている上段のテーブル)を用いて、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値(ステップS53において読み出したランダム4)に従ってリーチ態様を決定する(ステップS75)。この実施の形態では、はずれ時リーチ演出判定テーブルにおいて、ランダム4の値と同じ値の比較値が設定されているリーチ態様が、演出にて用いられるリーチ態様に決定される。そして、既に決定されている停止図柄と、決定されたリーチ態様とに応じた変動パターンとすることに決定する(ステップS76)。すなわち、ステップS72にて決定されたリーチ態様のリーチ演出であって、既に決定されている停止図柄に合致する演出態様を指定する変動パターン(変動パターン2〜10の何れか)を、可変表示演出にて出現させる変動パターンとして決定する。例えば、ステップS72にてリーチCとすることに決定され、左中右図柄が「7」、「8」、「7」である場合には、変動パターン9とすることに決定される。そして、ステップS78に移行する。
【0119】
ステップS74においてリーチとすることに決定されていないことが確認された場合には、CPU56は、変動パターン1または変動パターン15とすることに決定する(ステップS77)。この実施の形態では、高確率状態であるときには変動パターン15とすることに決定され、低確率状態であるときには変動パターン1とすることに決定される。そして、ステップS78に移行する。
【0120】
ステップS73、ステップS76またはステップS77にて変動パターンを決定すると、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS78)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS79)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS80)。
【0121】
図21は、2msタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動入賞記憶カウンタのカウント値が前回始動入賞記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動入賞記憶数に変化が生じていれば、始動入賞記憶数に応じた始動入賞記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163)。そして、始動入賞記憶カウンタのカウント値を、前回始動入賞記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0122】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板100に送信される。この実施の形態では、演出制御手段に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0123】
また、入賞ありフラグがセットされている場合には(ステップS165)、入賞時演出用バッファに格納されている入賞コマンドに応じたデータに対応した入賞コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS166)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS167)。
【0124】
以上の処理によって、始動入賞記憶数が変化したときには、演出制御基板100に搭載されている演出制御手段に対して、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。また、始動入賞記憶数が増加したときには、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の演出制御コマンドが送信される(図12に示されたステップS112,S115、図13、および図21に示されたステップS166,S167参照)。なお、この実施の形態では、大当りではない場合には、リーチ入賞指定またははずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信されるが、大当りではない場合には常にはずれ入賞指定の表示制御コマンドが送信されるようにしてもよい。以下、特定大当り入賞指定、非特定大当り入賞指定、リーチ入賞指定およびはずれ入賞指定の演出制御コマンドを、入賞時判定結果コマンドまたは判定結果コマンドということがある。
【0125】
なお、始動入賞が発生した時点で判定される大当りおよびリーチ(ステップS123,S132参照)は、可変表示装置9における可変表示開始を開始させるための条件(実行条件であって開始条件ではない)の成立にもとづいて決定されたものである。可変表示装置9において可変表示を開始できる条件(開始条件)が成立したときには、あらためて、大当りとするか否か、またはずれリーチとするか否かが決定される(ステップS56,S65参照)。そして、その決定結果にもとづいて実際の可変表示の表示結果が導出される(ステップS62,S67,S68参照)。ただし、可変表示の開始条件が成立したときに用いられる乱数値は、可変表示の実行条件が成立したときに抽出され保存領域に保存された値である。従って、可変表示の開始条件が成立したときの確変大当りとするか否かと、非確変大当りとするか否かと、はずれリーチとするか否かの決定結果は、可変表示の実行条件が成立したときの決定結果と同じになる。
【0126】
なぜなら、可変表示の開始条件が成立したときに用いられる所定の数値データを抽出する処理であるステップS113の処理と、可変表示の実行条件成立時の判定に相当する入賞時演出設定処理とは1回のタイマ割込処理内で完了し、その間変化しないからである。
【0127】
また、遊技制御手段は、保留記憶数コマンドとしての始動入賞記憶数指定コマンドを判定結果コマンドよりも先に送信する(記憶処理においてステップS162,S163の処理をステップS166,S167の処理よりも先に実行)。よって、演出制御手段は、最新の保留記憶数にもとづいて連続予告に関する決定を行うことができる。
【0128】
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図22は、主基板31から演出制御基板100に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板100に送信される。また、主基板31と演出制御基板100との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図22には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板(この実施の形態では払出制御手段)への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0129】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0130】
図23に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板100に搭載されている演出制御手段は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる取込信号に相当する。
【0131】
演出制御コマンドは、演出制御手段が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図23に示された極性と逆極性であってもよい。
【0132】
図24は、演出制御基板100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24に示す例において、コマンド8000(H)〜800E(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド800E(H)は、短縮表示パターンを指定するコマンドである。
【0133】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する演出制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
【0134】
コマンド91XX(H)、92XX(H)および93XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドC000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄の変動および大当り遊技に関わらない可変表示装置9の表示状態に関する演出制御コマンドである。
【0135】
コマンドC3XX(H)は、始動入賞が生じたときに送信される判定結果コマンドである。C300(H)ははずれ入賞指定の演出制御コマンド(はずれ入賞指定コマンド)であり、C301(H)はリーチ入賞指定の演出制御コマンド(リーチ入賞指定コマンド)であり、C302(H)は非特定大当り入賞指定の演出制御コマンド(非特定大当り入賞指定コマンド)であり、C303(H)は特定大当り入賞指定の演出制御コマンド(特定大当り入賞指定コマンド)である。また、コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
【0136】
コマンドE0XX(H)は、可変表示装置9における始動入賞記憶数を表示する表示エリアにおいて、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数を示す演出制御コマンドである。例えば、演出制御手段は、各始動記憶表示エリア18のうち「XX(H)」で指定される個数の始動記憶表示エリア18の表示色を変化させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている表示エリアの制御を指示するコマンドである。なお、表示色を変化させる始動記憶表示エリア18の個数に関するコマンドが、表示色を変化させるエリアの個数の増減を示すように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、始動入賞記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかである。
【0137】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0138】
演出制御基板100の演出制御手段は、主基板31の遊技制御手段から上述した演出制御コマンドを受信すると図24に示された内容に応じて可変表示装置9および普通図柄表示器10の表示状態を変更するとともに、ランプ・LEDの表示状態を変更し、必要ならば音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図24に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。例えば、賞球ランプ51や球切れランプ52の表示状態、および普通図柄始動記憶表示器41の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段から演出制御手段に送信される。
【0139】
可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドは、変動パターン指定の演出制御コマンドで実現され、識別情報の表示結果を特定可能な識別情報指定コマンドは、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドで実現され、可変表示の終了を示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の演出制御コマンドで実現されている。また、この実施の形態では、変動パターン指定の演出制御コマンドが可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンドおよび可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にしてもよい。
【0140】
図25は、遊技機に設けられている可変表示装置9を用いて実行される予告演出(大当りとなる可能性があること、またはリーチとなる可能性があることを報知するための演出)の例を示す説明図である。図25(A)〜(B)に例示するように、この実施の形態では、可変表示装置9において、背景(図柄表示エリア以外の部分)に現れるキャラクタ等の表示による2種類の予告演出を行うことが可能である。図25(A)に示す予告Aおよび図25(B)に示す予告Bは、連続予告(保留予告:始動入賞発生時に実行される大当りとするか否かの抽選の結果にもとづいて、以後の複数回の特別図柄の可変表示において始動入賞記憶数を上限として連続的に実行される予告演出、但し、複数回の可変表示において連続的でなく間欠的であってもよい)以外の予告演出である。
【0141】
また、図26(A)〜(D)に示すような可変表示装置9を用いた4種類の連続予告の演出([表示態様A],[表示態様B],[表示態様C],[表示態様D])を行うことが可能である。すなわち、図26(A)〜(D)に示す連続予告演出は、演出手段としての可変表示装置9を用いた連続予告の演出態様である。
【0142】
なお、図示はしないが、本例では、発光体を用いた4種類の連続予告演出([発光体態様A],[発光体態様B],[発光体態様C],[発光体態様D])を行うことが可能である。この連続予告演出は、演出手段としての発光体(ランプ・LED)を用いた連続予告の演出態様である。[発光体態様A],[発光体態様B],[発光体態様C],[発光体態様D]は、例えば、発光体の点滅パターンが互いに異なっている。
【0143】
また、図示はしないが、本例では、スピーカ27を用いた4種類の連続予告演出([音態様A],[音態様B],[音態様C],[音態様D])を行うことが可能である。この連続予告演出は、演出手段としてのスピーカ27を用いた連続予告の演出態様である。[音態様A],[音態様B],[音態様C],[音態様D]は、例えば、スピーカ27からの音出力パターンが互いに異なっている。
【0144】
なお、図25,図26等の上述した予告演出の例は一例であって、より多くの種類の予告演出を行うようにしてもよい。なお、より多くの種類の連続予告演出を行う場合でも、いずれの演出手段を用いて連続予告を行うのかと、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかとは、演出制御手段が、判定結果コマンドと始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドの受信にもとづいて独自に決定する。
【0145】
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0146】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0147】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。
【0148】
そして、演出制御用CPU101は、所定の表示態様選択受付タイミングとなっている場合には、可変表示装置9に後述する表示態様選択画面(図62参照)を表示させ、表示態様の選択を受け付けるための表示態様選択受付処理を行う(ステップS707)。このステップS707での受付時に、人体センサからの信号入力があった場合には、演出制御用CPU101は、入力信号に応じて演出における表示態様の設定を変更しておく。なお、表示態様の設定を変更した場合には、演出制御用CPU101は、該当する演出が終了したあと、表示態様の設定を通常設定に戻す。表示態様選択受付タイミングは、例えば表示態様が複数用意されている演出を実行する前の所定のタイミングとされ、具体的には動画像によるリーチ演出を実行する前などが当該する。その後、ステップS702のタイマ割込みフラグの確認を行う処理に戻る。
【0149】
なお、この実施の形態では、4つの予告乱数カウンタがあり、予告乱数カウンタ1のカウント値は、連続予告を行わない場合に、予告AまたはBの予告演出(図25参照)を行うか否かと、いずれの予告演出を行うのかを決定するために用いられる。予告乱数カウンタ2のカウント値は、連続予告を行うか否かと、連続予告を行う場合の連続回数(何回の可変表示に亘って連続予告を行うのか)とを決定するために用いられる。予告乱数カウンタ3のカウント値は、いずれの演出手段(1つまたは複数)を用いて連続予告を行うのかを決定するために用いられる。予告乱数カウンタ4のカウント値は、いずれの演出態様で連続予告を行うのかを決定するために用いられる。
【0150】
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図28は、主基板31から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)のようなバッファ構成としてもよい。音声制御手段や、ランプ制御手段においても同様に、リングバッファ形式でないバッファ形式としてもよい。
【0151】
主基板31からの演出制御用のINT信号は演出制御用CPU101の割込端子に入力されている。例えば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用CPU101において割込がかかる。そして、演出制御用CPU101は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドデータを、コマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納する。
【0152】
図29および図30は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0153】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0154】
受信した演出制御コマンドが特別図柄左指定の演出制御コマンド(91XX(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される左図柄を示すデータを、RAMにおける左図柄格納領域に格納する(ステップS614)。また、特別図柄中指定の演出制御コマンド(92XX(H))であれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される中図柄を示すデータを、RAMにおける中図柄格納領域に格納する(ステップS617)。そして、特別図柄右指定の演出制御コマンド(93XX(H))であれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、「XX」で示される右図柄を示すデータを、RAMにおける右図柄格納領域に格納する(ステップS619)。
【0155】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS622)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS623)。
【0156】
受信した演出制御コマンドが始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動入賞記憶数を演出制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS632)。また、可変表示装置9において表示色が変化する始動記憶表示エリア18の数を更新する(ステップS633)。さらに、予告乱数カウンタ(予告乱数カウンタ1〜4)の値を+1する(ステップS634)。なお、予告乱数カウンタのカウント値が最大値を越えたら、その値を0に戻す。また、予告乱数カウンタ1〜4の歩進がなるべく同期しないように、例えば、予告乱数カウンタn(n=1〜3)のカウント値が0に戻されるときに、予告乱数カウンタn+1のカウント値を+1するようにしてもよい。
【0157】
また、受信した演出制御コマンドがはずれ入賞指定の演出制御コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、予告乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS636)、予告乱数カウンタのカウント値を読み出すことによって予告乱数(予告乱数カウンタ1〜4のカウント値である予告乱数1〜4)を抽出し(ステップS637)、連続予告の判定を行う(ステップS638)。受信した演出制御コマンドがリーチ入賞指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS639)、予告乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS640)、予告乱数を抽出し(ステップS641)、連続予告の判定を行う(ステップS642)。
【0158】
また、受信した演出制御コマンドが非特定大当り入賞指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS651)、予告乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS652)、予告乱数を抽出し(ステップS653)、連続予告の判定を行う(ステップS654)。さらに、受信した演出制御コマンドが特定大当り入賞指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS655)、予告乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS656)、予告乱数を抽出し(ステップS657)、連続予告の判定を行う(ステップS658)。
【0159】
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS659)。
【0160】
次に、連続予告の判定について説明する。図31は、上述した予告乱数カウンタ1〜4のカウント値の範囲の一例を示す説明図である。
【0161】
図32および図33は、始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。(A)は、はずれ入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告をする/しないおよび連続予告の実行回数との関係を示し、(B)は、リーチ入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告をする/しないおよび連続予告の実行回数との関係を示し、(C)は、非特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告をする/しないおよび連続予告の実行回数との関係を示す。そして、(D)は、特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合の始動入賞記憶数と連続予告をする/しないおよび連続予告の実行回数との関係を示す。なお、図32および図33に示す設定は、演出制御基板100に搭載されているROMにテーブルとして設定されている。このテーブルを連続予告実行回数テーブルと呼ぶ。また、連続予告実行回数テーブルに設定されている値を判定値と呼ぶ。
【0162】
図32および図33に示すように、この実施の形態では、はずれ入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が29または124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告を実行可能であり、リーチ入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が7、29、79または124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告を実行可能であり、非特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が7〜27または105〜124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。そして、特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合には、乱数の値が3〜67または85〜124(連続予告判定値)に一致すれば連続予告が実行可能である。
【0163】
図34は、予告乱数3にもとづく演出手段の選択方法と予告乱数4にもとづく演出態様の選択方法の一例を示す説明図である。図34(A)は、そのときの遊技状態が非特別遊技状態としての低確率状態(通常時)であるときの選択方法を示し、図34(B)は、そのときの遊技状態が特別遊技状態としての高確率状態(確変時)であるときの選択方法を示す。図34に示す設定は、演出制御基板100に搭載されているROMにテーブルとして設定されている。このテーブルを連続予告判定テーブルと呼ぶ。また、連続予告判定テーブルに設定されている値を判定値と呼ぶ。
【0164】
図34に示すように、予告乱数3の値に応じて、スピーカ27(図34では「音」として表されている。)、(1)ランプ・LED(発光体)、(2)可変表示装置9(図34では「表示」として表されている。)、(3)スピーカ27および可変表示装置9、(4)ランプ・LEDおよび可変表示装置9、(5)スピーカ27とランプ・LEDと可変表示装置9、のうちのいずれかが連続予告の演出を行うための演出手段として選択される。
【0165】
また、予告乱数4の値に応じて、態様A、態様B、態様C、態様Dのうちのいずれかが連続予告の演出態様として選択される。なお、態様A〜Dは、演出手段として可変表示装置9が選択されている場合には図26(A)〜(D)に示された表示態様A〜表示態様Dであり、演出手段としてランプ・LEDが選択されている場合には発光体態様A〜発光体態様Dであり、演出手段としてスピーカ27が選択されている場合には音態様A〜音態様Dである。なお、演出制御用CPU100は、特定大当り入賞指定の演出制御コマンドまたは非特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合には、連続予告判定テーブルのうちの大当りの部分を使用し、はずれ入賞指定の演出制御コマンドまたはリーチ入賞指定の演出制御コマンドを受信した場合には、連続予告判定テーブルのうちのはずれの部分を使用する。
【0166】
従って、図34に例示した選択方法では、演出制御手段は、判定結果コマンドにより判定結果が大当りと特定される場合には、はずれと判定される場合に比べて、高い割合で、可変表示装置9を連続予告の演出に用いる演出手段として選択する。すなわち、演出制御手段に含まれる演出決定手段は、判定結果コマンドにより所定の判定結果(この例では大当り)が特定される場合には、複数種類の演出手段のうち特定の演出手段(この例では可変表示装置9)を高い割合で選択する。
【0167】
また、演出制御手段は、判定結果コマンドにより判定結果が大当りと特定される場合には、はずれと判定される場合に比べて、高い割合で、態様Dを選択する。すなわち、演出決定手段は、判定結果コマンドにより所定の判定結果(この例では大当り)が特定される場合には、複数の演出態様のうち特定の演出態様(この例では態様D)を高い割合で選択する。
【0168】
さらに、判定結果コマンドにより判定結果が大当りと特定される場合には、はずれと判定される場合に比べて、複数の演出手段が選択される割合が高い。従って、遊技者は、複数の演出手段によって連続予告の演出が実行されるときには、実際に大当りが発生することを強く期待することができる。そして、判定結果コマンドにより判定結果がはずれと特定される場合には、全ての(この例では3つの)演出手段が選択される割合が極めて低い。従って、遊技者は、全ての演出手段によって連続予告の演出が実行されるときには、実際に大当りが発生することをさらに強く期待することができる。
【0169】
また、演出決定手段は、特別遊技状態であるか否かに応じて、図34(A)の説明図に対応したテーブルと図34(B)に対応したテーブルとを使い分ける。すなわち、特別遊技状態であるか否かに応じて、いずれの演出手段を用いるのかといずれの演出態様で所定の演出を実行するのかとを異なる割合で決定する。従って、遊技状態に応じて所定の演出の出現割合にめりはりをつけ、所定の演出に対する興趣の低下を防止することができる。
【0170】
なお、この実施の形態では、連続予告判定テーブルが、判定結果コマンドにより判定結果が大当りと特定される場合とはずれと特定される場合との2つに分かれているが、大当り、リーチ、はずれの場合の3つに分けてもよい。さらに、特定大当り、非特定大当り、リーチ、はずれの場合の4つに分けてもよい。
【0171】
図35は、ステップS638,S642,S654,S658で実行される連続予告の判定処理例を示すフローチャートである。連続予告の判定処理において、演出制御用CPU101は、連続予告を実行中であるか否か判定する(ステップS661)。実行中であるか否かは、実行中にセットされている内部フラグである連続予告実行中フラグによって判定できる。連続予告の実行中でなければ、連続予告を行うか否かを決定するための処理を行う。具体的には、演出制御用CPU101は、まず、そのときの遊技状態が高確率状態(確変状態)であるか否か判定する(ステップS662)。高確率状態であれば、図32および図33に示された情報が設定されている連続予告実行回数テーブルの右側部分を選択し(ステップS663)、高確率状態でなければ、テーブル全体を選択する(ステップS664)。
【0172】
テーブルの右側部分を選択するとは、図32(A)に示す例では、乱数値が29のときにのみ連続予告を可能にすることであり、テーブル全体を選択するとは、乱数値が29または124のときに連続予告を可能にすることである。図33(C)に示す例では、テーブルの右側部分を選択するとは、乱数値が7〜17または105〜115のいずれかのときに連続予告を可能にすることであり、テーブル全体を選択するとは、乱数値が7〜17、18〜27、105〜115または116〜126のときに連続予告を可能にすることである。
【0173】
すなわち、特別遊技状態としての高確率状態では、非特別遊技状態として低確率状態に比べて、所定の演出としての連続予告の演出が選択される割合が低くなっている。このような制御は、高確率時には変動パターン1〜14のそれぞれの変動時間を短くする場合や、特別遊技状態として特別図柄の変動時間を短縮する時短状態を採用している遊技機において効果的である。特別遊技状態において所定の演出としての連続予告の演出の出現割合を低くしておけば、変動時間が短い変動パターンによる演出が所定の演出によって煩わされることが防止されるからである。
【0174】
そして、演出制御用CPU101は、抽出されている予告乱数2の値と同じ判定値が連続予告実行回数テーブル(図32および図33参照)に設定されているか否か確認し(ステップS665)、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブルから対応する連続予告の実行回数を抽出する。実行回数が0でなければ(ステップS666)、いずれの演出手段を用いるのかの選択処理と、いずれの演出態様で連続予告を実行するのかの選択処理を行う。すなわち、抽出されている予告乱数3の値と同じ判定値が連続予告判定テーブルに設定されているか否か確認し、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブルから対応する演出手段の名称を抽出する(ステップS667)。また、抽出されている予告乱数4の値と同じ判定値が連続予告判定テーブルに設定されているか否か確認し、一致しているものがあれば、連続予告判定テーブルから対応する演出態様を抽出する(ステップS668)。
【0175】
そして、演出手段の名称をRAMにおける演出手段名バッファに格納し、連続予告の種類(演出態様)をRAMにおける演出態様バッファに格納し、実行回数をRAMにおける実行回数バッファに格納し(ステップS669)、連続予告抽選済フラグセットする(ステップS670)。
【0176】
以上の処理によって、乱数カウンタは、始動入賞記憶数指定、はずれ入賞指定、リーチ入賞指定、非特定大当り入賞指定、特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信する度に歩進し、はずれ入賞指定、リーチ入賞指定、非特定大当り入賞指定、特定大当り入賞指定の演出制御コマンドを受信すると連続予告を行うか否かの抽選が実行される。そして、連続予告を行うことに決定された場合には、そのときの始動入賞記憶数に応じてあらかじめ決められた実行回数が決定される。さらに、いずれの演出手段を用いて連続予告を行うのかと、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかとを演出制御用CPU101が決定する。従って、いずれの演出手段を用いて連続予告を行うのかと、いずれの演出態様によって連続予告を行うのかとは、演出制御手段が、判定結果コマンドと始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドの受信にもとづいて独自に決定することになる。
【0177】
なお、後述するように、演出制御用CPU101は、0回でない実行回数が決定された後、可変表示装置9において特別図柄の可変表示を行う場合には、実行回数分の特別図柄の可変表示期間において予告演出(連続予告)の制御を行う。
【0178】
なお、この実施の形態では、始動入賞記憶数が0である場合の決定結果も連続予告実行回数テーブルに設定されているが、始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドを判定結果コマンドよりも先に受信でき、かつ、始動入賞記憶数が0である場合には連続予告を行わないので、連続予告実行回数テーブルに始動入賞記憶数が0である場合のデータは設定されていなくてもよい。設定されていなくても、演出制御手段は、受信した始動入賞記憶数指定の演出制御コマンドにもとづいて、始動入賞記憶数が0である場合には連続予告を行わないと判断することができる。
【0179】
図36は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0180】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS623)。
【0181】
予告選択処理(ステップS801):予告演出(連続予告ではない予告演出)を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。
【0182】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。
【0183】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。
【0184】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0185】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0186】
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0187】
図37は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。演出制御実行データは、表示制御実行データとランプ制御実行データとを含む。表示制御実行データは、特別図柄の変動期間中における可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。例えば、表示制御実行データ1には、可変表示開始時の可変表示装置9の表示状態を示すデータが設定されている。また、ランプ制御実行データは、特別図柄の変動期間中におけるランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。例えば、ランプ制御実行データ1には、可変表示開始時のランプ・LEDの表示状態を示すデータが設定されている。そして、特別図柄の変動期間中において、表示状態を切り替えるタイミング(例えば可変表示装置9において新たなキャラクタが登場するタイミング、ランプ・LEDを点灯状態から消灯状態に切り替えるタイミング)が到来すると、演出制御手段は、プロセスデータにおける次の演出制御実行データに従って、可変表示装置9およびランプ・LEDの表示状態を制御する。プロセスタイマ設定値には、切替のタイミングに応じた時間が設定されている。
【0188】
このように、演出制御手段が、ROMに記憶されているプログラムおよびプロセスデータにもとづいて演出手段を制御し、複数の演出手段(この実施の形態では可変表示装置9およびランプ・LED)の制御に関わるプログラムが、演出制御基板100に搭載されているROMに格納されている。そして、それらのプログラムを格納するROMを1つのROMとして構成することができる。従って、部品点数を減らすことができる。また、ROMに記憶されているプロセスデータのうち、プロセスタイマ設定値が共通化されている。従って、演出制御手段のROM容量を節減することができる。なお、演出制御実行データについても、表示制御実行データとランプ制御実行データとを共通化できるのであれば、1つの演出制御実行データとしてもよい。このように、この実施の形態では、複数の演出手段の制御に関わるデータのうち少なくとも一部のデータ(この実施の形態では音声データROM704に格納されているデータを除くデータ)を同一ROMに格納することができる。
【0189】
図37に示すプロセスデータは、演出制御基板100におけるROMに格納されている。また、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。また、予告演出の種類に応じて用意されている。例えば、変動パターン10で予告Aの予告演出を実行する場合のプロセスデータは、変動パターン10で予告Bの予告演出を実行する場合のプロセスデータとは別に用意されている。従って、演出制御用CPU101は、変動パターンと予告演出の種類とに応じて、使用するプロセスデータを選択する。
【0190】
図38は、図36に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS873)。
【0191】
図39は、図36に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、連続予告を実行中であるか否か確認する(ステップS811)。実行中でなければ、連続予告抽選済フラグがセットされているか否か確認する(ステップS812)。連続予告抽選済フラグがセットされていれば、すなわち、連続予告を行うことに決定されていれば、連続予告抽選済フラグをリセットし(ステップS813)、実行回数バッファの内容を実行回数カウンタに設定する(ステップS814)。そして、連続予告実行中フラグをセットする(ステップS815)。
【0192】
また、決定した予告演出に対応した予告開始時間決定タイマをスタートする(ステップS816)。そして、演出制御プロセスフラグを全図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS817)。予告開始時間決定タイマは、可変表示装置9において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始するタイミングを決定するためのタイマである。
【0193】
ステップS811において連続予告実行中であると確認したら、演出制御用CPU101は、実行回数カウンタを−1し(ステップS821)、実行回数カウンタが0でなければステップS816に移行する(ステップS822)。実行回数カウンタが0になった場合には、決定された実行回数分の連続予告が既に完了していることになる。その場合には、ステップS825に移行する。
【0194】
ステップS812において、連続予告抽選済フラグがセットされていないことを確認した場合には、予告Aまたは予告Bによる予告演出を行う。あるいは、予告演出を行わないことにする。具体的には、予告乱数カウンタ1から乱数値を抽出して予告乱数1とし(ステップS825)、予告乱数1の値にもとづいて予告する/しないと、予告するならば予告Aと予告Bのうちのいずれの態様で予告演出を行うのかを決定する(ステップS826)。例えば、予告しない/予告A/予告Bのそれぞれに対応した判定値が設定されているテーブルをROMに用意しておき、予告乱数1の値と判定値とを比較することによって、予告する/しないと、予告するならば予告Aと予告Bのうちのいずれの態様で予告演出を行うのかを決定する。予告Aまたは予告Bの予告演出を行うことに決定した場合には(ステップS827)、ステップS816に移行する。
【0195】
図40は、演出制御プロセス処理における全図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。全図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、特別図柄の可変表示の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS881)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS882)。また、プロセスデータ中の表示制御実行データ1にもとづいてLCD制御を行う(ステップS883)。例えば、表示制御実行データ1の内容に応じた信号を、LCDによる可変表示装置9に与える。なお、表示制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってLCD制御を行うように構成してもよい。また、プロセスデータ中のランプ制御実行データ1にもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS884)。例えば、ランプ制御実行データ1の内容に応じた信号を各ランプ・LEDに与える。なお、ランプ制御実行データにはROMのアドレスが設定され、そのアドレスから始まる領域に、より詳細な制御データを格納しておき、それらの制御データに従ってランプ・LED制御を行うように構成してもよい。
【0196】
また、変動パターンに応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS885)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0197】
その後、変動時間タイマ(特別図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS886)、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS887)。
【0198】
図41は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS851)。タイムアウトしていたら、連続予告実行フラグがセットされているか否か確認する(ステップS852)。予告開始時間決定用タイマがタイムアウトし、かつ、連続予告実行フラグがセットされているということは、特別図柄の可変表示中に、連続予告の演出を開始すべきタイミングになったことを意味する。また、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトし、かつ、連続予告実行フラグがセットされていないということは、連続予告ではない予告演出すなわち予告Aまたは予告Bの演出を開始すべきタイミングになったことを意味する。
【0199】
演出制御用CPU101は、連続予告実行フラグがセットされている場合には、演出手段名バッファに設定されている演出手段すなわち連続予告演出を実行することに決定されている演出手段を示すデータと演出態様バッファに設定されている演出態様(態様A、B、CまたはD)とに対応したプロセスデータを選択する(ステップS854)。すなわち、以後、選択したプロセスデータを用いて演出手段の演出を制御することに決定する。また、連続予告の演出でスピーカ27を使用する場合には、連続予告の演出態様に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS855,S856)。音声出力基板70において、音声合成用IC703は、音番号データに応じたデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム707で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
【0200】
演出制御用CPU101は、連続予告実行フラグがセットされていない場合には、連続予告ではない予告Aまたは予告Bに対応したプロセスデータを選択する(ステップS853)。
【0201】
なお、演出制御手段は、予告演出の演出制御を、変動時間タイマがタイムアウトする前すなわち変動表示結果が確定する前に終了する。なお、この実施の形態では、変動パターン11〜14以外の変動パターン(変動パターン1〜10および15)による特別図柄の変動では変動表示結果が大当り図柄とならないので(図11参照)、変動パターン1〜10および15による特別図柄の変動中に実行される予告演出は、遊技制御手段から送信される指示コマンド(この例では変動パターン指定の演出制御コマンド)にもとづいて、変動表示結果が確定する前に実行される、リーチ演出表示態様となる旨のリーチ予告報知に相当する。また、変動パターン11〜14による特別図柄の変動中に実行される予告演出は、遊技制御手段から送信される指示コマンドにもとづいて、変動表示結果が確定する前に実行される、大当りとなる旨の大当り予告報知に相当する。さらに、リーチ予告報知に用いられる予告の種類と大当り予告報知に用いられる予告の種類とを別にし、変動パターン2〜変動パターン10(リーチとなるが左中右の確定図柄が揃わない変動パターン:図11参照)による特別図柄の変動中において、左右図柄が揃った後(リーチとなった後)の演出期間中で、大当り予告報知に用いられる種類の予告演出を行うようにしてもよい。そのような予告演出は実際には大当り遊技の発生を予告しているものではないが、遊技演出のバリエーションを豊富にするために効果的である。また、非確変大当り予告報知に用いられる予告の種類と確変大当り予告報知に用いられる予告の種類とを別にして、非確変大当り予告報知と確変大当り予告報知とを区別して実行するようにしてもよい。
【0202】
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS861)、プロセスデータにおける演出制御実行データの切り替えを行う(ステップS862)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS863)、次に設定されている表示制御実行データにもとづいてLCD制御を行う(ステップS864)。また、プロセスデータ中の次に設定されているランプ制御実行データにもとづいてランプ・LED制御を行う(ステップS865)。
【0203】
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS866)、特別図柄停止の表示制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS867)、演出制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS868)。
【0204】
図42は、演出制御プロセス処理における全図柄停止待ち処理(ステップS804)を示すフローチャートである。全図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU101は、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。全図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。
【0205】
そして、ステップS842で大当り図柄を表示した場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS844)。そして、連続予告の実行回数を示す実行回数カウンタの値をクリアしておくとともに(ステップS846)、連続予告実行中フラグをリセットする(ステップS847)。この結果、連続予告の実行回数分の連続予告が完了していなくても、この時点で、連続予告の制御は終了する。
【0206】
ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0207】
全図柄停止を指定する演出制御コマンドを受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS848)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、可変表示装置9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS849)。そして、ステップS843に移行する。
【0208】
この実施の形態では、静止画を用いた演出の他、リーチ演出などの各種の演出において実写画像などの多色画像による動画像を用いた演出が実行される。以下、動画像演出に関する構成や動作について説明する。
【0209】
図43は、遊技演出で使用される動画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。この動画像データは、本例では、演出制御基板100が備えるROMに格納されている。遊技演出で使用される動画像データは、本例では、MPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態で演出制御基板100が備えるCGROM83に格納されている。
【0210】
本例では、動画像データに基づく動画像演出が複数種類予め用意されている。すなわち、複数種類の動画像データが予め用意されてCGROM83に格納されている。なお、この例では、大当り遊技演出時に使用される動画像データ、リーチ演出時に使用される動画像データなど、使用される演出毎に区別されてCGROM83に格納されている。そして、例えば動画像演出を実行するときに、例えば乱数などを利用して使用する動画像データが選択され、選択された動画像データに基づく動画像演出が実行される。
【0211】
図43に示すように、動画像データは、シーケンスと呼ばれるストリームデータによって構成される。シーケンスは、画像の大きさを示す情報などのシーケンス全体に関連する情報が含まれているシーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終了する。このシーケンスは、例えば、動画像による1単位の遊技演出を実現するためのビデオプログラム全体の符号化データによって構成されている。すなわち、本例では、動画像による遊技演出の種類毎に予めシーケンスが用意され、動画像による遊技演出を実行するための動画像データは、1つのシーケンスによって構成されている。シーケンスは、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのGOP(Group Of Picture)とを含む。シーケンスに含まれているMPEG2機能拡張情報は、MPEG2に準拠した符号化データであることを示す情報などの各種の情報を含む。
【0212】
各GOPは、GOPヘッダと、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのうち少なくとも1つのピクチャとを含む。ここで、Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両方のフレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。
【0213】
各ピクチャは、ピクチャヘッダと、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのスライスとを含む。ピクチャヘッダには、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかを識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。ピクチャに含まれているMPEG2機能拡張情報には、例えば、フレーム構造やフィールド構造を設定するための情報などが含まれる。スライスは、分割フレーム内符号化を実現するためにピクチャが細分化された1つの単位を意味する。
【0214】
各スライスは、スライス情報と、少なくとも1つのマクロブロックとを含む。スライス情報は、スライス内で使用される符号化情報が含まれている。符号化情報には、例えば、量子化特性を示す情報が該当する。
【0215】
各マクロブロックは、マクロブロック情報と、複数のブロックとを含む。1つのマクロブロックには、例えば、4個の輝度信号ブロックと、2個(Cr信号、Cb信号各1個)の色差信号ブロックとが含まれる。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。各ブロックは、輝度信号、Cr信号、Cb信号のいずれかのDCT(離散コサイン変換)係数データ(離散コサイン変換によって得られる係数群)から構成される。なお、各ブロックは、EOB(End Of Block)コードで終了する。
【0216】
なお、本例では、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体が速い動きをする部分には、キーフレームとして用いられるIピクチャを多く用いるようにしている。また、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体の動きが少ない部分には、PピクチャやBピクチャを多く用いた構成とされている。特に表示物体の動きがない部分や、動きが特に少ない部分には、最もデータ量の少ないBピクチャを多く用いた構成とされている。
【0217】
上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、動きの速い物体が表示される動画像によって演出を行う場合であっても、情報の欠落がほとんどない良好な画像品質の画像を復号化によって得ることができ、そのような良質の画像によって動画像演出を行うことができる。よって、表示物体の動きが速い部分の画像品質を向上させることができる。
【0218】
また、上記のように、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)や双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、画像品質を劣化させることなく、動画像データのデータ量を削減することができる。このような効果は、データ圧縮率が向上するので、動画像データによって再生される動画像における表示物体の動きが速い部分が少ないほど著しい。
【0219】
つまり、上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータを多く用い、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータや双方向予測符号化フレームデータを多く用いるようにして動画像データを作成しているので、全体としての画像品質を向上させることができるとともに、動画像データのデータ総量を低減させることができるようになる。
【0220】
なお、この例では、動画像データは、可変表示部170の表示サイズ(例えば416×216)よりも大きい表示サイズ(例えば420×220)で作成されている。
【0221】
次に、演出制御基板100に搭載されているGCL81の機能について説明する。GCL81は、演出制御用CPU101からの指示に従って、動画像データを用いた動画像による各種の演出を実行する機能を有している。例えば、演出制御用CPU101は、GCL81に対して、1画面分ずつ、座標データと、各座標データが示す座標位置に表示させる色の情報が格納された画像アドレスとを指示する。この指示に従って、GCL81は、1画面ずつ順次表示していき、動画像の表示を行う。
【0222】
図44は、GCL81が実行する動画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。動画像表示領域設定処理は、例えば、動画像データにもとづく動画像による遊技演出が開始されるときに実行される。本例では、シーケンスによる一連の動画像演出が開始される毎に、動画像表示領域設定処理が実行されるものとする。動画像表示領域設定処理において、GCL81は、まず、CGROM86に格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)に領域指定データが設定されているか否かを確認する(ステップS281)。領域指定データは、例えば、各シーケンスにおけるシーケンスヘッダのあとのMPEG2機能拡張情報に含まれている。従って、GCL81は、演出に使用するシーケンスのMPEG2機能拡張情報を確認することで、領域指定データが設定されているか否かを判定することができる。
【0223】
演出に使用する動画像データに領域指定データが設定されていた場合には、GCL81は、領域指定データに従って動画像表示領域を設定する(ステップS282)。つまり、領域指定データには、その領域指定データが設定されているシーケンスにもとづく動画像の表示を行う動画像表示領域を特定するため情報が含まれている。なお、動画像表示領域については、あとで詳しく説明する。
【0224】
図45は、GCL81が実行する動画像表示領域解除処理の例を示すフローチャートである。動画像表示領域の設定を解除するための処理は、例えば、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を終了するときに実行される。本例では、動画像表示領域解除処理において、シーケンスによる一連の動画像演出を終了することを確認したときに、設定されている動画像表示領域を解除する処理が実行されるものとする。動画像表示領域解除処理において、GCL81は、まず、CGROM86に格納されている演出に使用されている動画像データ(シーケンス)において順次読み出されているデータが、シーケンスエンドであるか否かを確認する(ステップS285)。シーケンスエンドであることを確認すると、GCL81は、シーケンスによる一連の動画像演出が終了したものと判断して、動画像表示領域が設定されている場合には、その設定を解除する(ステップS286)。具体的には、例えば、上述したステップS282にてセットされる動画像表示領域の設定中であることを示すフラグをオフ状態とする。この例では、上述したステップS282にて、動画像表示領域の設定中であることを示すフラグのセットと、動画像表示領域の範囲の指定がなされる。
【0225】
図46は、GCL81が実行する復号化処理の例を示すフローチャートである。復号化処理において、GCL81は、まず、後述するフェードインフラグ、フェードアウトフラグ、及び静止表示フラグがいずれもオンでなければ(ステップS201のN)、CGROM86に格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)からピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS202)。ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番と復号化される順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャを復号化したあとに復号化される。
【0226】
読み出したピクチャデータが静止表示対象ピクチャであれば(ステップS203のY)、GCL81は、静止表示フラグをオン状態とし(ステップS204)、静止表示時間タイマをスタートさせる(ステップS205)。
【0227】
静止表示対象ピクチャとは、所定期間継続して静止表示させるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。静止表示対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャが静止表示対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0228】
静止表示フラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、静止表示処理(図46,図48に示す処理において、静止表示フラグがオン状態とされてからオフ状態とされるまでの一連の処理)の実行中であるか否かの判定に用いられるフラグである。
【0229】
静止表示時間タイマは、静止表示対象ピクチャによる静止表示処理を実行する期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、静止表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、静止表示時間を計測する。
【0230】
ステップS202にて読み出したピクチャデータがフェードイン対象ピクチャであれば(ステップS206のY)、GCL81は、フェードインフラグをオン状態とし(ステップS207)、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化して(ステップS208)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定のフェードイン対象静止画像格納エリアに格納する(ステップS209)。なお、復号化を行うときには、動画圧縮・伸張部89は、対象となるピクチャデータがIピクチャデータであるか、Pピクチャデータであるか、Bピクチャデータであるかに応じた復号化処理を実行する。
【0231】
フェードイン対象ピクチャとは、フェードイン処理に用いるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。フェードイン対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャがフェードイン対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0232】
フェードインフラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、フェードイン処理を実行するか否かの判定に用いられるフラグである。
【0233】
フェードイン対象静止画像格納エリアは、フェードイン対象静止画像であるフェードイン対象ピクチャをフレーム単位で格納するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。
【0234】
ステップS202にて読み出したピクチャデータがフェードアウト対象ピクチャであれば(ステップS210のY)、GCL81は、フェードアウトフラグをオン状態とし(ステップS211)、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化して(ステップS212)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定のフェードアウト対象静止画像格納エリアに格納する(ステップS213)。
【0235】
フェードアウト対象ピクチャとは、フェードアウト処理に用いるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。フェードアウト対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャがフェードアウト対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0236】
フェードアウトフラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、フェードアウト処理を実行するか否かの判定に用いられるフラグである。
【0237】
フェードアウト対象静止画像格納エリアは、フェードアウト対象静止画像であるフェードアウト対象ピクチャをフレーム単位で格納するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。
【0238】
ステップS202にて読み出したピクチャデータが合成表示対象ピクチャであれば(ステップS214のY)、GCL81は、連続復号化処理を実行する(ステップS215)。連続復号化処理については、後で詳しく説明する。
【0239】
ステップS202にて読み出したピクチャデータが、フェードイン対象ピクチャ、フェードアウト対象ピクチャ及び合成表示対象ピクチャの何れでもなければ(ステップS214のN)、GCL81は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化し(ステップS216)、展開領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に、復号化したピクチャデータをフレーム単位で展開する(ステップS217)。そして、GCL81は、展開領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、展開領域指定ポインタの値を更新する(ステップS218)。
【0240】
なお、画像メモリは、再生に用いる画像データをフレーム単位で展開するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。画像メモリには、フレーム単位で画像データを展開するための展開領域が複数設けられている。展開領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、復号化した画像データを展開する展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、展開領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、ステップS218にて、展開領域指定ポインタの値が、復号化された画像データが再生される順番で画像メモリに展開されるような値に更新される。そして、GCL81によって、次回の復号化処理のステップS217にて、展開領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が画像データを展開する領域として選択される。
【0241】
具体的には、例えばIピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャ、Pピクチャの順番で再生される場合には、Iピクチャ、Pピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャの順番で復号化されることになる。この場合、Iピクチャの画像データを画像メモリに展開したあと展開領域指定ポインタの値を3加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にPピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を2減算し、減算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB1ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を1加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB2ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を次に復号化されるピクチャに応じて更新するようにすればよい。なお、展開領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。
【0242】
図47は、GCL81が実行する連続復号化処理(ステップS215)の例を示すフローチャートである。連続復号化処理では、1つの合成画像を生成するための複数のピクチャを連続して復号化する処理が実行される。連続復号化処理において、GCL81は、先ず、合成表示実行残数を1加算し(ステップS221)、本例では処理数を3に設定する(ステップS222)。なお、合成表示実行残数や処理数は、本例では、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に記憶される。合成表示実行残数は、合成表示を行うための復号化処理がなされているが、合成表示が未だ完了していない画像の残数を示している。また、処理数は、本例では、合成画像の生成に用いられる画像の数に一致している。
【0243】
次いで、GCL81は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化して(ステップS223)、読み出したピクチャについての奥行表示位置情報を指定し(ステップS224)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定の合成対象画像保存領域に格納する(ステップS225)。
【0244】
合成表示対象ピクチャとは、合成画像を生成するための合成対象画像に予め定められているピクチャを意味する。合成表示対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャが合成表示対象ピクチャであるか否かを判定することができる。なお、本例では、互いに合成される複数のピクチャのうち、最初に読み出される合成表示対象ピクチャのMPEG2機能拡張情報にだけ、合成表示対象ピクチャであることを示す情報と、合成に用いられるピクチャの数を示す情報が格納される。そして、ステップS222にて設定される処理数は、MPEG2機能拡張情報に格納されている合成に用いられるピクチャの数を示す情報に応じて設定される。
【0245】
奥行表示位置情報は、LCD9に表示される際の奥行方向の座標を示す情報であり、合成に用いられる各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャについての奥行表示位置情報を取得することができる。ステップS224及びステップS225の処理では、復号化されたピクチャデータと、そのピクチャデータについての奥行表示位置情報とが、所定の合成対象画像保存領域に格納される。なお、奥行方向の座標とは、LCD9の表示画面の前後方向(前面側から背面側に向かう方向)に座標軸をとった場合におけるその座標軸上の値を意味し、例えば背面側に行くほど値が大きくなるように設定される。よって、合成画像が生成されるときには、より小さい値の奥行表示位置情報を有する画像が前面側に合成され、より大きい値の奥行表示位置情報を有する画像が背面側に合成される。また、奥行表示位置情報の値が大きくて背面側に合成される画像よりも奥行表示位置情報の値が小さくて前面側に合成される画像の方が優位であると言えることから、より小さい値の奥行表示位置情報を有する画像を「優先度が高い画像」ということがあり、より大きい値の奥行表示位置情報を有する画像を「優先度の低い画像」ということがある。
【0246】
本例では、合成に用いられるピクチャ数分の合成対象画像保存領域を有する合成対象画像保存領域群が設けられている。合成対象画像保存領域群は、例えばSDRAM84の所定の領域に所定数用意されている。本例では、各合成対象画像保存領域群に、処理数に対応する3つの合成対象画像保存領域が含まれている。ステップS225では、画像群保存領域指定ポインタが指す合成対象画像保存領域群中の現在の処理数に対応する合成対象画像保存領域に、復号化されたピクチャデータ等が格納される。
【0247】
画像群保存領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、1つの合成画像の生成に用いられる一群の合成対象画像データを格納するための合成対象画像保存領域群を指すポインタである。例えば、合成対象画像保存領域群が保存領域群0から保存領域群11までの12個設けられている場合には、画像群保存領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、後述するステップS229にて、画像群保存領域指定ポインタの値が、合成に用いられる次の一群のピクチャデータを格納する合成対象画像保存領域群を指す値に更新される。そして、GCL81によって、次回の連続復号化処理にて、更新後の画像群保存領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている合成対象画像保存領域群が、一群のピクチャデータを格納する領域として選択される。
【0248】
ステップS225の処理を終えると、GCL81は、処理数を1減算し(ステップS226)、処理数が0でなければ(ステップS227のN)、使用する動画像データから次のピクチャデータを読み出す(ステップS228)。そして、ステップS223〜ステップS227の処理を再度実行する。本例では、ステップS223〜ステップS227の処理が3回繰り返し実行され、1つの合成画像を生成するための3つのピクチャデータが読み出されて、復号化された合成対象画像データと奥行表示位置情報とが、合成対象画像保存領域群中の各合成対象画像保存領域にそれぞれ格納される。
【0249】
ステップS227の確認処理にて、処理数が0となっていれば(ステップS227のY)、GCL81は、次回の連続復号化処理で使用される合成対象画像保存領域群を指す値に変更するために、画像群保存領域指定ポインタの値を更新する(ステップS229)。
【0250】
上記のようにして、1枚の合成画像を生成するために用いられる複数の合成対象画像が、それぞれの奥行表示位置情報とともに、合成対象画像保存領域群中の各合成対象画像保存領域に格納される。
【0251】
図48は、GCL81が実行する動画再生処理の例を示すフローチャートである。動画再生処理において、GCL81は、フェードインフラグがオン状態であれば(ステップS231のY)、後述するフェードイン処理を実行する(ステップS232)。また、フェードアウトフラグがオン状態であれば(ステップS233のY)、後述するフェードアウト処理を実行する(ステップS234)。
【0252】
フェードインフラグ及びフェードアウトフラグがともにオン状態でなければ(ステップS233のN)、GCL81は、合成表示実行残数の値を確認し、合成表示実行残数が0でなければ(ステップS235のY)、処理数を設定する(ステップS236)。この例では、処理数として、上述したステップS222で設定される処理数と同数の値が設定される。従って、例えば、所定の合成対象画像保存領域にステップS222で設定された処理数を格納しておき、後述する半透明化処理に用いられるピクチャデータが格納されている合成対象画像保存領域を参照して処理数を設定するようにすればよい。
【0253】
処理数を設定すると、GCL81は、後述する半透明化処理を実行し(ステップS237)、処理数を1減算する(ステップS238)。そして、処理数が0になるまで、半透明化処理を繰り返し実行する(ステップS237〜ステップS239)。処理数が0になると、GCL81は、半透明化処理によって生成され合成実行画像格納領域に格納されている複数の合成実行画像データを合成した合成画像データを生成する(ステップS240)。なお、合成する際には、各合成実行画像データにおける奥行表示位置情報に基づいて、各合成実行画像を前面側とするか背面側とするかを決定する。そして、GCL81は、生成した合成画像データにもとづく合成画像をLCD9に表示するとともに(ステップS241)、合成表示実行残数を1減算し(ステップS242)、後述する合成対象画像群指定ポインタの値を更新する(ステップS243)。なお、本例では、ステップS241にて画像を表示する場合、GCL81は、後述するステップS244と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS245と同様にして、設定されている動画像表示領域に画像を表示する。
【0254】
ステップS235にて合成表示実行残数が0であれば(ステップS235のN)、GCL81は、動画像表示領域が設定されているか否かを確認する(ステップS244)。具体的には、動画像表示領域が設定されているか否かを示すフラグの状態を確認する。動画像表示領域が設定されていれば、GCL81は、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いて、LCD9の表示領域内に設定されている動画像表示領域に画像を表示する(ステップS245)。つまり、動画像データを用いた動画像による演出が開始されるときに上述したステップS282にて動画像表示領域が設定されている場合には、その設定された動画像表示領域に、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータに基づく画像を表示する。
【0255】
ステップS244にて動画像表示領域が設定されていなければ、GCL81は、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いてLCD9に画像を表示する(ステップS246)。
【0256】
次いで、GCL81は、静止表示フラグがオン状態であれば(ステップS247のY)、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理中であるので、静止表示時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS248)。静止表示時間タイマがタイムアウトしていた場合には、GCL81は、静止表示フラグをオフ状態とし(ステップS249)、再生領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、再生領域指定ポインタの値を更新する(ステップS250)。なお、静止表示時間タイマがタイムアウトしていなければ、静止表示処理を継続して実行するために、再生領域指定ポインタの値は更新しない。
【0257】
再生領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、動画再生を行うために次に用いられる画像データが展開されている展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、再生領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、ステップS250にて再生領域指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、再生領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。そして、GCL81によって、次回の動画再生処理のステップS245又はステップS246にて、再生領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が、動画再生のために次に使用する画像データが格納されている領域として選択される。
【0258】
なお、上述した動画再生処理は、例えば、上述した復号化処理のあとに続けて実行される。ただし、画像データが復号化される順番と再生される順番が異なるので、動画再生処理よりも復号化処理が少なくとも数回分先行して実行される必要がある。この復号化処理及び動画再生処理は、動画像による遊技演出が行われるときに呼び出されて繰り返し実行される。復号化処理及び動画再生処理が繰り返し実行されることで、LCD9の画面上に、圧縮されている動画像データに基づく動画像が表示され、遊技演出が実行される。
【0259】
次に、演出制御手段によるフェードイン処理について説明する。図49は、GCL81が実行するフェードイン処理の例を示すフローチャートである。フェードイン処理は、例えば、静止画像による演出と動画像による演出とが切り替わるときに実行される。ここでは、フェードイン処理として、静止画像による演出が終了して動画像による演出に切り替わる際に、フェードイン対象静止画像の透明度(透過度)を徐々に低下させていくようにして、フェードイン対象静止画像が徐々にはっきりと表れるようにするための処理が実行される。なお、フェードイン対象静止画像には、例えば、演出に用いられる動画像のうち最初に表示される画像とされる。この場合、シーケンスにおいて最初に再生されるピクチャがフェードイン対象静止画像とされる。
【0260】
フェードイン処理において、GCL81は、フェードイン対象静止画像格納エリアに格納されているフェードイン対象静止画像の画像データを読み出すとともに、中間画像として予め定められている画像データを読み出す(ステップS251)。中間画像には、例えば、青や白などの単一色の背景画像が用いられる。
【0261】
次いで、GCL81は、透明化演算処理を実行することによってフェードイン画像を作成する(ステップS252)。透明化演算処理として、本例では、図50に示すような演算を行う。透明化演算処理では、フェードイン対象静止画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図50に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値にフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードイン画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードイン対象静止画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、N=33であった場合には、その位置のフェードイン画像のピクセルデータは(R,G,B=200,140,140)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0262】
なお、図50に示す「N」は、フェードイン画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「N」が「0」であるときにフェードイン画像がフェードイン対象静止画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「N」が「99」であるときにフェードイン画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる図50に示す数式の「N」を「99」から「0」にかけて順次減算していくと、演算結果により得られるフェードイン画像は、中間画像がフェードイン対象静止画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「N」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図50に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0263】
また、図50に示す透明化演算処理に用いられる数式は、フェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図50に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値をフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0264】
この例では、フェードイン処理での透明化演算処理を、図50に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図50に示す数式を用いると、Nの値を小さくしていくに連れて、中間画像から直線的にフェードイン対象静止画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるようになるが、例えば、中間画像から曲線的にフェードイン対象静止画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0265】
透明化演算処理によってフェードイン画像を作成すると、GCL81は、作成したフェードイン画像をLCD9に表示させる処理を実行する(ステップS253)。なお、本例では、ステップS253にて画像を表示する場合、GCL81は、上述したステップS244と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS245と同様にして、設定されている動画像表示領域に画像を表示する。
【0266】
そして、GCL81は、図50に示す数式のNの値を確認し(ステップS254)、Nの値が0でなければ、次のタイミングで実行されるフェードイン処理によってフェードイン対象静止画像の透明度をさらに低下させるためにNの値を1減算した値に更新する(ステップS255)。一方、Nの値が0となっていれば、全く透明化されていない完全な状態でフェードイン対象静止画像がはっきりと表示された状態となっており、そのフェードイン対象静止画像を徐々に出現させていく一連のフェードイン処理が終了しているので、次回の一連のフェードイン処理を実行するときのために、Nの値を初期値である「99」に更新しておく(ステップS256)。さらに、一連のフェードイン処理が終了したので、フェードインフラグをオフ状態とする(ステップS257)。
【0267】
なお、上述したフェードイン処理は、例えば、演出制御プロセス処理内における図柄変動中処理にてコールされる。フェードイン処理が開始される所定のタイミングで最初にコールされ、その後は、所定期間毎(例えば、10ms毎)に所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返しコールされる。繰り返しコールされる度に減算されたNの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、フェードイン処理が繰り返し実行されることで、フェードイン対象静止画像の透明度が徐々に低下していくフェードイン表示がなされることになる。例えば、可変表示演出中に動画像による演出を開始するときに、フェードイン処理によって、フェードイン対象静止画像とされている動画像における最初の画像が徐々に出現してくるような表示がなされる。そして、最終的に、フェードイン対象静止画像が、透明度の低下していない完全な状態で表示される。その後、フェードイン対象静止画像を最初の画像とする動画像の再生が実行される。なお、繰り返し実行される一連のフェードイン処理を「フェードイン処理」という場合がある。
【0268】
図51は、フェードイン処理が実行されているときにおけるLCD9の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、フェードイン処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、フェードイン対象静止画像として、動画像演出に用いられる動画像における最初の画像である人物の画像が用いられ、中間画像として、例えば白の単一色の画像が用いられる。
【0269】
フェードイン画像による演出を実行する場合には、静止画像による表示演出が終了したあと、図51(A)に示すようにLCD9に中間画像が表示し、フェードイン処理が開始される。フェードイン処理が開始されると、中間画像から図51(B)に示すようにフェードイン対象静止画像が現れてきて、図51(C)に示すように徐々にはっきりと表示されていくフェードイン画像が表示される。そして、最終的には、図51(D)に示すように、フェードイン画像として、全く透明化されていない完全に不透明化された状態で人物の画像が表示される。なお、図51(A)に示すフェードイン画像は上述した透明化演算処理がN=99で実行されたことにより得られた画像であり、図51(B)は透明化演算処理が例えばN=66で実行されたことにより得られた画像であり、図51(C)は透明化演算処理が例えばN=33で実行されたことにより得られた画像であり、図51(D)は透明化演算処理が例えばN=0で実行されたことにより得られた画像である。
【0270】
図51(D)に示す不透明化された状態で人物の画像が表示されてフェードイン処理が終了すると、本例では、最終的に表示されているフェードイン画像を初期画像とする動画像による演出が開始される。すなわち、例えば、不透明化された状態で表示されている人物が動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD9に表示される。
【0271】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードイン表示を行う構成としたことで、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードイン表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。また、動画像データのデータ量が増大してしまうようなことがないため、フェードイン表示の実行期間を短くする必要がなくなり、演出期間が十分に確保されているフェードイン表示を行うことができる。よって、フェードイン表示を円滑に行うことができる。
【0272】
また、上述したように、フェードイン処理にて、所定の中間画像を介して段階的に画像を出現させるように構成されているので、徐々に画像が現れてくる様子を容易に視認することができるようなフェードイン表示を行うことができる。
【0273】
次に、演出制御手段によるフェードアウト処理について説明する。図52は、GCL81が実行するフェードアウト処理の例を示すフローチャートである。フェードアウト処理は、例えば、静止画像による演出と動画像による演出とが切り替わるときに実行される。ここでは、フェードアウト処理として、動画像による演出が終了して静止画像による演出に切り替わる際に、フェードアウト対象静止画像の透明度を徐々に高めていくようにして、フェードアウト対象静止画像が徐々に消失していくようにするための処理が実行される。なお、フェードアウト対象静止画像には、例えば、演出に用いられる動画像のうち最後に表示される画像とされる。この場合、シーケンスにおいて最後に再生されるピクチャがフェードアウト対象静止画像とされる。
【0274】
フェードアウト処理において、GCL81は、フェードアウト対象静止画像格納エリアに格納されているフェードアウト対象静止画像の画像データを読み出すとともに、中間画像として予め定められている画像データを読み出す(ステップS261)。中間画像には、例えば、青や白などの単一色の背景画像が用いられる。
【0275】
次いで、GCL81は、透明化演算処理を実行することによってフェードアウト画像を作成する(ステップS262)。透明化演算処理として、本例では、図53に示すような演算を行う。透明化演算処理では、フェードアウト対象静止画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図53に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値にフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードアウト画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、M=66であった場合には、その位置のフェードアウト画像のピクセルデータは(R,G,B=220,150,150)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0276】
なお、図53に示す「M」は、フェードアウト画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「M」が「0」であるときにフェードアウト画像がフェードアウト対象静止画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「M」が「99」であるときにフェードアウト画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる図53に示す数式の「M」を「0」から「99」にかけて順次加算していくと、演算結果により得られるフェードアウト画像は、フェードアウト対象静止画像が中間画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「M」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図53に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0277】
また、図53に示す透明化演算処理に用いられる数式は、フェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図53に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値をフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0278】
この例では、フェードアウト処理での透明化演算処理を、図53に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図53に示す数式を用いると、Mの値を大きくしていくに連れて、フェードアウト対象静止画像から直線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるようになるが、例えば、フェードアウト対象静止画像から曲線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0279】
透明化演算処理によってフェードアウト画像を作成すると、GCL81は、作成したフェードアウト画像をLCD9に表示させる処理を実行する(ステップS263)。なお、本例では、ステップS263にて画像を表示する場合、GCL81は、上述したステップS244と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS245と同様にして、設定されている動画像表示領域に画像を表示する。
【0280】
そして、GCL81は、図53に示す数式のMの値を確認し(ステップS264)、Mの値が99でなければ、次のタイミングで実行されるフェードアウト処理によってフェードアウト対象静止画像の透明度をさらに高めるためにMの値を1加算した値に更新する(ステップS265)。一方、Mの値が99となっていれば、完全に透明化されてフェードアウト対象静止画像による画像が消失した状態となっており、そのフェードアウト対象静止画像を徐々に消失させていく一連のフェードアウト処理が終了しているので、次回の一連のフェードアウト処理を実行するときのために、Mの値を初期値である「0」に更新しておく(ステップS266)。さらに、一連のフェードアウト処理が終了したので、フェードアウトフラグをオフ状態とする(ステップS267)。
【0281】
なお、上述したフェードアウト処理は、例えば、演出制御プロセス処理内における図柄変動中処理にてコールされる。フェードアウト処理が開始される所定のタイミングで最初にコールされ、その後は、所定期間毎(例えば、10ms毎)に所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返しコールされる。繰り返しコールされる度に加算されたMの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、フェードアウト処理が繰り返し実行されることで、フェードアウト対象静止画像の透明度が徐々に高められていくフェードアウト表示がなされることになる。例えば、可変表示演出中に動画像による演出が実行され、その動画像による演出が終了するときに、フェードアウト処理によって、フェードアウト対象静止画像とされている動画像における最後の画像が徐々に消失しているような表示がなされる。そして、最終的に、フェードアウト対象静止画像が完全に透明化され、中間画像が表示された状態となる。すると、動画像による遊技演出が終了し、例えば、静止画像による演出が開始される。なお、繰り返し実行される一連のフェードアウト処理を「フェードアウト処理」という場合がある。
【0282】
図54は、フェードアウト処理が実行されているときにおけるLCD9の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、フェードアウト処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、フェードアウト対象静止画像として、動画像演出に用いられる動画像における最後の画像である人物の画像が用いられ、中間画像として、例えば白の単一色の画像が用いられる。
【0283】
フェードアウト画像による演出を実行する場合には、図54(A)に示すように、再生されていた動画像の最後の画像が表示されたときに、フェードアウト処理が開始される。フェードアウト処理が開始すると、図54(B)に示すようにフェードアウト対象静止画像が徐々にぼやけてきて、図54(C)に示すように徐々に視認しにくい状態となっていく表示状態とされていくようなフェードアウト画像が表示される。そして、最終的には、図54(D)に示すように、フェードアウト画像として、完全に透明化されて人物の画像が消失した状態の画像であって、中間画像と同一の画像が表示される。なお、図54(A)に示すフェードアウト画像は上述した透明化演算処理がM=0で実行されたことにより得られた画像であり、図54(B)は透明化演算処理が例えばM=33で実行されたことにより得られた画像であり、図54(C)は透明化演算処理が例えばM=66で実行されたことにより得られた画像であり、図54(D)は透明化演算処理が例えばM=99で実行されたことにより得られた画像である。
【0284】
図54(D)に示す中間画像と同一のフェードアウト画像が表示されてフェードアウト処理が終了すると、例えば静止画像による演出など、その後の演出が開始される。なお、フェードアウト処理が終了したことによって演出が終了するようにしてもよい。
【0285】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードアウト表示を行う構成としたことで、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードアウト表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。また、動画像データのデータ量が増大してしまうようなことがないため、フェードアウト表示の実行期間を短くする必要がなくなり、演出期間が十分に確保されているフェードアウト表示を行うことができる。よって、フェードアウト表示を円滑に行うことができる。
【0286】
また、上述したように、フェードアウト処理にて、段階的に画像を消滅させて所定の中間画像を表示させるように構成されているので、徐々に画像が消失していく様子を容易に視認することができるようなフェードアウト表示を行うことができる。
【0287】
次に、演出制御手段による半透明化処理について説明する。図55は、GCL81が実行する半透明化処理の例を示すフローチャートである。半透明化処理は、動画像データとして予め用意されている合成対象画像から合成画像を生成するための合成実行画像を生成するための処理であり、合成対象画像の透明度(透過度)を奥行表示位置情報に基づいて低下させ、奥行表示位置情報に応じた透明度とした合成実行画像を生成するための処理が実行される。
【0288】
半透明化処理において、GCL81は、合成対象画像群指定ポインタが指す合成対象画像保存領域群の中の、処理数に応じた合成対象画像保存領域から合成対象画像の画像データを読み出すとともに、予め定められている背景画像の画像データを読み出す(ステップS271)。背景画像には、例えば、青や白などの単一色の画像が用いられる。
【0289】
合成対象画像群指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、今回の半透明化処理にて用いられる複数の合成対象画像が格納された合成対象画像保存領域群を指すポインタである。例えば、合成対象画像保存領域群0から合成対象画像保存領域群11までの12個の合成対象画像保存領域群が設けられている場合には、合成対象画像群指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、上述したステップS243にて合成対象画像群指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、合成対象画像群指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。
【0290】
次いで、GCL81は、合成対象画像データを読み出した合成対象画像保存領域に格納されている奥行表示位置情報が示す値を、半透明化演算処理で用いられる数式の変数P(図56参照)に設定し(ステップS272)、透明化演算処理を実行することによって合成実行画像を生成する(ステップS273)。次いで、GCL81は、生成した合成実行画像の画像データを、該当する奥行表示位置情報とともに、合成実行画像格納領域に格納する(ステップS274)。合成実行画像格納領域は、1つの合成画像を生成するための複数の合成実行画像がそれぞれ格納される格納領域であり、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。ステップS274では、合成実行画像格納領域中の処理数に対応した格納領域に、生成した合成実行画像データと奥行表示位置情報とが格納される。
【0291】
半透明化処理にて実行される透明化演算処理として、本例では、図56に示すような演算を行う。この透明化演算処理では、合成対象画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる背景画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図56に示すように、該当する背景画像のピクセルデータが示す値と合成対象画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とPとを乗算した値に合成対象画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、合成実行画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における背景画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置の合成対象画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、P=33であった場合には、その位置の合成実行画像のピクセルデータは(R,G,B=200,140,140)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0292】
なお、図56に示す「P」は、合成実行画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。本例では、合成実行画像の透明度を異ならせることによって、奥行き感が出るようにしている。従って、奥行表示位置情報が示す値によって、「P」の値すなわち合成実行画像の透明度が決定される。例えば、奥行表示位置情報が示す値が20であればPが20に設定されるようにすればよい。この例では、「P」が「0」であるときに合成実行画像が合成対象画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「P」が「99」であるときに合成実行画像が背景画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「P」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図56に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0293】
また、図56に示す透明化演算処理に用いられる数式は、合成対象画像のピクセルデータが示す値が背景画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、合成対象画像のピクセルデータが示す値が背景画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図56に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当する合成対象画像のピクセルデータが示す値と背景画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とPとを乗算した値を合成対象画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0294】
この例では、半透明化処理での透明化演算処理を、図56に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図56に示す数式を用いると、Pの値を小さくしていくに連れて、背景画像から直線的に合成対象画像に近づいていくような合成実行画像が得られるようになるが、例えば、背景画像から曲線的に合成対象画像に近づいていくような合成実行画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0295】
図57は、合成対象画像と合成実行画像とを示す説明図である。図58は、合成画像が表示されているときのLCD9の表示状態の例を示す説明図である。
【0296】
図57(A)〜図57(C)は、合成画像の生成に用いられる合成対象画像が示されている。例えば、ステップS237〜ステップS239のループ処理にて、奥行表示位置情報が示す値に基づく半透明化処理が繰り返し3回実行されることによって、図57(A)〜図57(C)に示す各合成対象画像から、図57(a)〜図57(c)に示す合成実行画像がそれぞれ生成される。
【0297】
この例では、図57(A)に示す合成対象画像の奥行表示位置情報が示す値が最も小さく(例えば「0」)、図57(C)に示す合成対象画像の奥行表示位置情報が示す値が最も大きい(例えば「50」)。すなわち、図57(A)に示す合成対象画像の優先度が最も高く、図57(C)に示す合成対象画像の優先度が最も低くなるように、各合成対象画像の奥行表示位置情報が設定されている。
【0298】
図57(A)に示す合成対象画像は奥行表示位置情報が示す値が「0」であるので、半透明化処理によって、図57(A)に示す合成対象画像から同一画像の図57(a)に示す合成実行画像が生成される。つまり、図57(a)に示す合成対象画像は、透明度が低下されていない図57(A)に示す合成対象画像と同一の画像となっている。
【0299】
また、半透明化処理によって、図57(B)に示す合成対象画像から透明度が低下された図57(b)に示す合成実行画像が生成され、図57(C)に示す合成対象画像から透明度がさらに低下された図57(c)に示す合成実行画像が生成される。
【0300】
そして、図57(a)〜図57(c)に示す各合成実行画像が、奥行表示位置情報が示す値に応じた優先度に基づいて合成されることによって、図58(A)に示す合成画像が生成される。この優先度は、奥行表示位置情報が示す値が小さいほど高く、奥行表示位置情報が示す値が大きいほど低い。すなわち、奥行表示位置情報が示す値は、LCD9の表示画面における奥行方向の座標軸を示す値とされており、最も手前の表示位置とするときに「0」とされ、奥側に行けば行くほど大きい値をとるように設定される。
【0301】
上記のような複数回の半透明化処理を繰り返し実行する動画再生処理が繰り返し実行されることで、合成画像による動画演出が行われる。具体的には、例えば、動画像演出にて、図58(A)に示す合成画像が表示されたあと、図58(B)や図58(C)に示す合成画像が表示されて、視点が徐々に左側にずれていくような動画像表示が実行される。
【0302】
なお、上記の例では、説明を簡単にするために、3本の木が前後方向に並んでいる合成画像を用いた動画像による遊技演出を行う例について説明したが、どのような動画像による遊技演出であってもよく、例えば、立体的な空間内で花びらや木の葉が散っていくような場面を表示する動画像を用いるようにしても、立体的な空間内で雨が降っているような場面を表示する動画像を用いるようにしてもよい。
【0303】
上記のように、表示制御手段が、奥行表示位置情報にもとづいて動画像データ内の合成対象画像データに半透明化処理を施して合成実行画像データを生成し、生成した合成実行画像データを合成した合成画像データを用いて動画像による遊技演出を実行する構成としたので、優先度の低い前後方向の後側に表示される画像の透過度と、手前側に表示される優先度の高い画像の透過度とを異ならせることで奥行感の高められた映像を表示することができ、立体感がより高められた臨場感のある演出表示を行うことができる。特に、上記の実施の形態では、優先度の低い前後方向の後側に表示される画像の透過度を、手前側に表示される優先度の高い画像の透過度よりも高くして、後側に合成される画像の透明度を高めるようにしているので、奥行感を強調させた現実の空間に近い画像を得ることができる。よって、優先度の低い前後方向の後側に表示される画像の透過度と、手前側に表示される優先度の高い画像の透過度の差を調整することによって、現実の空間を見ているかのようなリアルな映像を表示することができ、さらに立体感が高められた臨場感のある演出表示を行うことができる。
【0304】
本例の遊技機では、上述した復号化処理と動画再生処理とが実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行される。すなわち、動画像データに含まれている予め定められた1フレーム分の画像データにもとづく画像表示が繰り返し実行されることで、同一画像が所定期間継続して表示されることになり、動画像データに含まれている画像データを用いた静止表示が実現される。
【0305】
静止表示対象ピクチャは、例えば、演出に用いられる動画像において、表示画像の変化が所定期間ないような場面を示す画像とされる。静止表示対象ピクチャによる静止表示対象画像が所定期間表示されると、静止表示対象ピクチャのあとに設けられている各ピクチャによって動画表示が実行される。
【0306】
図59は、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行されるときのLCD9の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、静止表示対象ピクチャによる静止表示対象画像の静止表示処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、静止表示対象画像として、動画像演出における表示画像の変化が所定期間ない場面を構成する人物の画像が用いられる。
【0307】
静止表示対象画像による演出を実行する場合には、図59(A)及び図59(B)に示すように例えば人物が動作している動画象が表示されたあと、図59(C)に示すように動作していた人物が停止した画像が表示される。なお、図59(C)に示す画像は、静止表示対象画像である。
【0308】
図59(C)に示すように静止表示対象画像がLCD9に一旦表示されると、図59(D)及び図59(E)に示すように、静止表示時間タイマがタイムアウトするまで静止表示対象画像が繰り返し継続して表示される。そして、予め定められている所定期間が経過して静止表示時間タイマがタイムアウトすると、図59(F)及び図59(G)に示すように静止していた人物が動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD9に表示され、LCD9にて動画像演出が実行される。
【0309】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成としたことで、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に、そのような場面を表示させるための動画像データを用意しておく必要をなくすことができるので、静止表示を行うための動画像データを削減することができ、動画像データ全体のデータ量を低減させることができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。
【0310】
次に、動画像表示領域について説明する。図60は、ステップS282にて設定される動画像表示領域の例を示す説明図である。図60に示すように、本例では、動画像表示領域は、LCD9の表示領域の特別図柄表示領域内に設けられている。なお、特別図柄表示領域は、特別図柄の可変表示演出が実行される表示領域を意味する。この例では、特別図柄の可変表示演出が実行されている特別図柄表示領域中の動画像表示領域にて、動画像による演出表示が実行される。従って、例えば、可変表示あるいは停止表示している特別図柄の前面側に、動画像による表示キャラクタなどが表示される。
【0311】
図61は、動画像演出を実行しているときの動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、特別図柄表示領域にてリーチ表示がなされたあとのリーチ演出において、動画像による演出表示が実行される場合を例に説明する。動画像による演出表示を実行するか否かは、例えば、演出制御用CPU101が、演出制御プロセス処理において、変動パターンコマンドを受信したときに、受信した変動パターンコマンドの内容に応じて決定する。この決定は、例えば、乱数や、抽出された乱数と比較される動画演出決定用の判定値が設定されたテーブルなどを用いて行うようにすればよい。また、この場合、例えば、変動パターンコマンドが大当りとすることを示している場合やリーチとすることを示している場合には、高確率で動画像による演出表示を行うことに決定されるように、動画演出決定用の判定値が設定されたテーブルを複数用意するようにしてもよい。さらに、動画像による演出表示を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、例えば使用するシーケンスを選択するなどして演出態様を決定するとともに、動画像演出の実行開始タイミングを決定する。
【0312】
本例では、特別図柄の可変表示演出において、左右図柄が例えば「7」で揃ってリーチとなり、その後に変動表示されている中図柄が低速変動となって、中図柄の停止位置に「6」が近づいてきたときに動画像によるリーチ演出が開始されるものとする。また、本例では、動画像によるリーチ演出が終了したあと、大当り表示がなされるものとする。
【0313】
先ず、動画像によるリーチ演出を開始するときに、GCL81によって、リーチ演出に用いることに決定されている動画像データ中の領域指定データにもとづいて、動画像表示領域が設定される(ステップS282参照)。例えば、領域指定データにもとづいて、上述した図60に示されているように、中図柄の可変表示領域に動画像表示領域が設定される。
【0314】
この例では、特別図柄表示領域にて、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、最終停止図柄である中図柄が低速変動され、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「6」が表示されているときに(図61(A))、動画像データに基づく動画像演出が開始される。動画像演出が開始されると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されていた特別図柄の画像(図61(A))から、動画像演出における最初の画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最初の画像として、例えば図61(B)に示すような「6」を模したキャラクタ画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図61(A)に示すようなリーチ表示中に低速変動されてきた中図柄の「6」を示す画像が、図61(B)に示すような「6」を模したキャラクタを示す画像に切り替えられる。
【0315】
次いで、GCL81によって、動画像演出における最初の画像から、動画像データに基づく動画演出が実行される。例えば、図61(C)に示すような「7」を模したキャラクタが現れ、「6」を模したキャラクタを動画像表示領域から追い出していく映像が動画再生される。そして、「6」を模したキャラクタが動画像表示領域から完全に消失し、「6」を模したキャラクタを追い出した「7」を模したキャラクタが、動画像表示領域の中心位置(例えば特別図柄表示領域における図柄停止位置)に移動していくような映像が動画再生される。動画像演出において、最終的に、図61(D)に示すような、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示される。
【0316】
動画像データに基づく動画像のうちの最終画像(例えば図61(D)に示す画像)が表示され、動画像によるリーチ演出が終了すると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されている動画像演出における最後の画像(例えば図61(D)に示す画像)から、所定の特別図柄を示す画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最後の画像から切り替えられる特別図柄を示す画像として、例えば図61(E)に示すような「7」の中図柄を示す画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図61(D)に示すような「7」を模したキャラクタの画像が、図61(E)に示すような仮停止状態の中図柄としての「7」を示す画像に切り替えられる。そして、この例では、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。その後、大当り遊技に移行する。
【0317】
上記のように、特別図柄が表示される特別図柄表示領域の一部に、動画像を表示するための動画像表示領域を設定し、動画像表示領域に、キャラクタ等が登場する動画像の動画再生を行う構成としたので、動画像による演出を目立つようにすることができ、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、遊技者の注意を動画像による演出に向けさせることができるようになる。このように、遊技者の注意を動画像に引き付けさせることができるので、動画像による演出を有効なものとすることができ、動画像による演出を用いてリーチ演出などの様々な報知を行うことができる。
【0318】
また、上述したように、特別図柄表示領域の表示態様がリーチ表示態様となったあと最後に停止する図柄が低速変動状態となっているときに、特別図柄表示領域における動画像表示領域の表示を動画像による演出表示に切り替え、特別図柄表示領域の表示態様がリーチ表示態様となっている期間中に、リーチ演出として、動画像表示領域にてキャラクタ画像を用いた動画演出を実行するようにしたので、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、動画像によるリーチ演出を目立つようにすることができる。よって、動画像によるリーチ演出を有効なものとすることができる。
【0319】
図62は、可変表示装置9に表示される表示態様選択画面の例を示す説明図である。表示態様選択画面は、例えば、リーチ演出などの動画像による演出が開始されるとき(所定の表示態様選択受付タイミングとなったとき)に、GCL81の制御によって表示される。表示態様選択画面は、演出制御手段が遊技者に提示する複数の選択肢から一の選択肢を選択させたり、遊技者に提示する情報を選択するか否かを遊技者に決定させたりして、選択結果または決定結果に応じて、可変表示装置9、演出用のランプ・LED24およびスピーカ20L,20Rの全部または一部を用いて実行される演出である。
【0320】
この例では、リーチ演出などの動画像による演出が開始されるときに、図62に示すように、2種類の表示サイズ(例えば「通常」と「拡大」)が可変表示装置9に表示される。そのとき、特別図柄が表示されている図柄表示エリアは可変表示部170において右上方に移動しているものとする。また、可変表示部170には、選択有効期間を報知するための選択有効期間表示領域が表示されている。選択有効期間において遊技者がいずれかを選択すると、選択された方の表示サイズの輝度が上がるとともに、「これでよいですか?」の文字が可変表示部170の下方に表示される。また、いずれかが選択された後、他方の選択がなされると他方の輝度が上がるとともに、既に選択されていた方の輝度が元に戻る。また、再度「これでよいですか?」の文字が表示される。そして、選択有効期間が終了すると、最後に選択された表示サイズのみが、例えば可変表示領域の中心部分に表示されるようになる。
【0321】
なお、この実施の形態では、可変表示部170に選択有効期間表示領域を画像表示するが、例えば「表示サイズを選択して下さい」の表示開始時期(図62参照)から「これでよいですか?」の表示開始時期までを選択有効期間としてもよい。すなわち、選択有効期間終了時に、「これでよいですか?」の表示を行うようにしてもよい。いずれの方式を採用しても、演出制御手段は、限られた期間においてのみ、人体センサの検出信号を監視する処理を行えばよい。
【0322】
例えば選択有効期間が終了したときに、遊技者の選択に応じた表示サイズで動画像による表示演出が開始される。例えば、「通常」の表示サイズが選択されていた場合には、図63(A)に示すように、動画像データにもとづく通常の表示サイズで動画像が再生される。一方、「拡大」の表示サイズが選択されていた場合には、図63(B)に示すように、例えば通常の表示画像の中心部分の所定範囲に表示される部分を拡大させた画像によって、表示キャラクタのサイズが拡大された画像が表示される。すなわち、表示領域の大きさは共通であるが、一方は、表示キャラクタが動画像データにもとづく通常の大きさで表示され、他方は、表示キャラクタが動画像データにもとづく通常の大きさよりも拡大された状態で表示される。
【0323】
この場合、例えば、動画像データにもとづく各画面の一部のピクセルデータを用いて表示サイズを拡大させた画像データを生成し、その生成した画像データを用いて動画像を表示するようにしてもよい。また、通常の表示サイズで動画表示するための動画像データと、拡大サイズで動画表示するための動画像データとを別個に備えるようにしてもよい。
【0324】
なお、表示サイズの選択は、遊技者がタッチ部161a,162bに指等を当てることによってなされるが、具体的には、上述したように、発光部65a,65bと受光部66a,66bとによる人体センサの検出信号にもとづいて、GCL81がいずれの選択肢が選択されたのかを判断する。
【0325】
上記のように、人体センサを設けるようにして、遊技者からの指示に従って表示態様を異ならせる構成としたことで、遊技演出の種類を豊富なものとして、遊技演出の内容を多様化させることができるので、遊技の興趣を向上させることができるようになる。また、遊技者の意思によって表示態様を異ならせることができるので、各遊技者の好みに合った表示態様の動画像を表示させることができるようになる。
【0326】
なお、上記の実施の形態では、遊技者に選択させる表示態様として、表示サイズを例にしていたが、他の表示態様を遊技者に選択させるようにしてもよい。例えば、表示画面の視点を選択させる(例えば、通常の画面が正面から見た状態とし、上方から見た状態、下方から見た状態、右から見た状態、あるいは左から見た状態の何れかを選択させる)ようにしたり、色の明るさや濃さを選択させるようにしてもよい。人体センサを用いて、フェードイン表示を行うか否か、フェードアウト表示を行うか否か、静止表示を行うか否か、合成画像による動画演出を行うか否か、あるいは、動画像表示領域での演出表示を行うか否かを遊技者に選択させるようにしてもよい。また、特定のリーチ演出や予告演出などの遊技演出について、動画像データにもとづく動画像による演出と、動画像によらない演出とを予め用意しておき、人体センサを用いて、動画像による演出を行うか、動画像によらない演出を行うかを遊技者に選択させるようにしてもよい。さらに、人体センサを用いて、フェードイン表示を行うか否か、フェードアウト表示を行うか否か、静止表示を行うか否か、合成画像による動画演出を行うか否か、動画像表示領域での演出表示を行うか否かのうちの任意の組み合わせを遊技者に選択させるようにしてもよい。上記のように構成すれば、遊技演出の種類をさらに豊富なものとし、遊技演出の内容をさらに多様化させることができるので、遊技の興趣をより向上させることができるようになる。また、遊技者の意思によって演出や表示の内容を異ならせることができるので、各遊技者の好みに合った態様の動画像により演出を行うことができるようになる。
【0327】
また、上記の実施の形態では、動画像によるリーチ演出を開始するときに表示態様を選択するとしていたが、表示態様の選択を他のタイミングで行うようにしてもよい。例えば、デモンストレーション画面を表示しているときに、将来実行される遊技演出での表示態様をあらかじめ選択させておくようにしてもよい。また、演出の実行途中に選択させるようにしてもよい。
【0328】
また、上記の実施の形態では、遊技者にリーチ演出での表示態様を選択させる構成としていたが、大当り演出や予告演出などの他の演出における表示態様を選択させるようにしてもよい。
【0329】
なお、上述した実施の形態では、特別図柄の表示態様がリーチ表示態様となったあと最後に停止する図柄が低速変動状態となっているときに、動画像による演出を開始する構成としていたが、特別図柄の表示態様がリーチ表示態様となったあとであれば、どのようなタイミングで動画像による動画演出を開始するようにしてもよい。すなわち、特別図柄の表示態様がリーチ表示態様となったことにもとづくタイミングであれば、どのようなタイミングで動画像による演出への切替条件が成立するようにしてもよい。
【0330】
また、上述した実施の形態では、動画像表示領域が、特別図柄表示領域における中図柄の表示領域に設定される構成としていたが、特別図柄表示領域内の領域であれば、例えば特別図柄表示領域における中図柄及び右図柄の表示領域など、どのような領域に設定されるようにしてもよい。また、動画像データによって設定される動画像表示領域が異なる構成としてもよい。この場合、動画像データ内に設定される領域指定データを異ならせるようにすればよい。
【0331】
また、上述した実施の形態では、特別図柄の表示状態がリーチ状態となっているときに、動画像表示領域での動画像による演出表示が実行されるものとして説明していたが、特別図柄の表示状態が図柄変動中処理における他の状態となっているときに実行されるようにしてもよい。例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。また、図柄変動中処理以外の処理が実行されているときの演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。この場合、可変表示ゲームの実行中には限らないが、演出において特別図柄が表示されているときに、動画像表示領域にて動画像データに基づく動画像演出が実行されることが好ましい。
【0332】
図64は、この実施の形態で使用されるリーチ演出の演出態様の例を示す説明図である。図64に示すように、この例では、リーチ演出として、ノーマルリーチ、リーチA、リーチBおよびリーチCの4種類のリーチ演出が予め用意されている。ノーマルリーチは、特別図柄の表示状態がリーチ態様(左右図柄が同じ図柄で揃った状態)となったあとに、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)を通常の速さで回転させる演出である。すなわち、ノーマルリーチは、遊技者の大当りへの期待を高めるような特殊な演出ではない通常のリーチ演出である。リーチAは、ノーマルリーチの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)が通常の速さで回転し、所定期間が経過したときに、その特別図柄を高速回転させる演出である。リーチBは、ノーマルリーチの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)が通常の速さで回転し、所定期間が経過したときに、その特別図柄を逆回転させる演出である。すなわち、リーチBは、いわゆる戻り演出(図柄の停止位置を過ぎたあとに逆回転して図柄が停止位置に戻ってくるような表示による演出)を含む演出である。
【0333】
なお、リーチAおよびリーチBは、遊技者の期待を高めるために特別図柄の回転態様を変化させたものであれば、どのような演出であってもよく、例えば中図柄を低速回転させるものであっても、いわゆるすべり演出(通常速度での回転時に数図柄分高速回転を行うことによって実行される演出)であってもよい。
【0334】
リーチCは、リーチAの発展形であり、リーチ態様を維持したまま最後に停止する特別図柄(中図柄)が通常の速さで回転し、その特別図柄を高速回転させたあと、動画像演出が実行される演出である。すなわち、リーチCは、動画像データにもとづく動画像を用いた演出を含む演出である。具体的には、リーチCにて、例えば、人物や動物などのキャラクタが出現して動作を行う動画像がLCD9上に再生表示される。この例では、リーチCにて出現するキャラクタは、特別図柄の変動状態と同期した動作を行う。例えば、リーチ表示態様にて、所定の停止位置に到達した中図柄をキャラクタが蹴り飛ばすことによって、次の中図柄が表示されるような演出表示がなされる。すなわち、リーチCでの動画像を再生表示するための動画像データは、登場キャラクタが特別図柄の変動状態と同期して動作するようにあらかじめ作成されている。
【0335】
なお、この例では、ノーマルリーチ、リーチA、リーチB、リーチCの順番で、リーチ演出の出現に対する大当り発生確率が高くなっていくように構成される。具体的には、例えば、リーチCが出現したときには、大当りとなる確率が他のリーチ演出の出現時と比較して高くなるように構成されている。
【0336】
図65、図66は、リーチCによるリーチ演出が実行されたときの可変表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。可変表示の開始タイミングになると、図65(A)に示すような前回の可変表示結果を示す左中右図柄が回転を開始し、図65(B)に示すように高速回転された状態となる。所定期間高速回転が行われ、左図柄が数図柄分低速回転されたあと、左図柄の仮停止タイミングになると、図65(C)に示すように左図柄が仮停止状態となる。なお、仮停止状態とは、停止図柄が確定する前の段階で仮停止している状態をいい、例えば図柄の回転はしていないが上下あるいは左右に揺れた変動を行っている揺れ変動状態を意味する。
【0337】
次いで、右図柄が数図柄分低速回転されたあと、右図柄の仮停止タイミングになると、図65(D)に示すように右図柄が仮停止状態となる。この例では、図65(D)に示すように、左右図柄がともに「7」で仮停止したリーチ表示となっている。図65(D)に示すようなリーチ表示状態となったあと、この例ではリーチCによるリーチ演出が実行される。
【0338】
先ず、リーチCにおける通常速度回転による演出が実行される。具体的には、図65(E)に示すようなリーチ状態となったことを報知するための「リーチ」という表示がなされ、中図柄が数図柄分低速回転されたあと、中図柄の仮停止タイミングになると、図65(F)に示すように中図柄が仮停止状態となる。図65(F)に示すような中図柄の仮停止状態となったときに、通常速度回転による演出が終了する。
【0339】
通常速度回転による演出が終了すると、リーチCにおける高速回転による演出が実行される。具体的には、図65(G)に示すような高速回転によるリーチ演出を実行することを報知するための「高速リーチ」という表示がなされ、中図柄の高速回転を所定期間行ったあと、中図柄の仮停止タイミングになると、図65(H)に示すように中図柄が仮停止状態となる。図65(H)に示すような中図柄の仮停止状態となったときに、高速回転による演出が終了する。
【0340】
高速回転による演出が終了すると、リーチCにおける動画像演出が実行される。動画像演出において、図66(I)に示すように、高速回転による演出よりもさらに発展した演出を実行することを報知するための「スペシャルリーチ」という表示がなされるとともに、仮停止中の左右図柄が縮小されて画面下方に移動され、さらに中図柄が高速回転を開始する。次いで、動画像データにもとづく動画像表示が開始され、フェードイン処理が実行されることによって、図66(J)に示すように、キャラクタが徐々に表れてくるフェードイン表示がなされる。フェードイン表示が終了して図66(K)に示すようにキャラクタが完全に表示されたあと、中図柄の仮停止タイミングになると、中図柄が仮停止状態となる。すると、中図柄の仮停止状態において、図66(L)に示すように、キャラクタがハンマーを振り下ろす動画像表示が実行される。この例では、仮停止中の中図柄が位置する場所とハンマーを振り下ろす場所とが一致するように、キャラクタを動画表示するための動画像データが作成されているので、可変表示装置9の表示画面において、キャラクタがハンマーを振り下ろして仮停止中の中図柄を叩いたような演出表示が実現される。
【0341】
次いで、仮停止中の中図柄が画面外に消失し、図66(M)に示すように、消失した図柄の次に表示される中図柄(この例では「7」)が画面上方から降りてくる表示がなされる。図66(N)に示すように、画面上方から降りてきた中図柄が仮停止状態となったときに、動画像データにもとづいてキャラクタが右手を挙げたポーズをとるような動作を行う動画像が表示される。そして、フェードアウト処理が実行されることによって、図66(O)に示すように、キャラクタが徐々に消失していくフェードアウト表示がなされる。フェードアウト表示が終了してキャラクタが完全に消失すると、動画像データにもとづく動画像演出が終了するとともに、図66(P)に示すように左中右図柄が確定表示される。左中右図柄が確定表示されたときに動画像演出が終了し、リーチCが完了したことになる。
【0342】
上記のように、リーチCにおける動画像データにもとづく動画像表示と、特別図柄とが、可変表示装置9上に同期して表示されるように構成されている。従って、各特別図柄を含んだ動画像を再生させるための動画像データを作成しておく必要なく、動画像表示によるキャラクタを特別図柄の変動に対応させて動作させることができ、動画像データの容量を削減することができる。従って、動画像データを格納する記憶媒体の必要容量を削減することができる。
【0343】
また、上記のように、リーチCを、通常速度回転による演出、高速回転による演出、動画像による演出と、他のリーチ演出(ノーマルリーチ、リーチA)の演出内容を発展させたものとしているので、動画像表示の出現によって遊技者に大当りへの大きな期待を持たせることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0344】
なお、上記の例では、リーチCは、演出の一部を動画像により行うものであったが、演出全体にわたって動画像による演出を行うようにしてもよい。
【0345】
図67は、演出制御基板100から音声出力基板70に出力される音番号データの一例を示す説明図である。図42に示すように、音番号データには、特別図柄の変動パターンに応じた音番号データ、大当り遊技中における音番号データ、および連続予告の音態様A〜Dに応じた音番号データが含まれる。連続予告の音態様A〜Dに応じた音番号データは、上記のステップS856で演出制御基板100から音声出力基板70に出力される音番号データである。
【0346】
以上に説明したように、演出制御手段としての演出制御手段は、遊技制御手段が始動入賞時に判定した結果(始動入賞時に抽出した乱数の値にもとづいて大当りが発生するか否かとリーチするか否か)にもとづいて、判定結果に応じた判定結果コマンドが送信される起因となった可変表示の実行条件の成立にもとづく可変表示の開始条件が成立する前の段階から連続予告(保留予告)を実行するか否かを決定し、実行する場合には実行回数を決定する。また、連続予告の実行中では、予告Aおよび予告Bの態様での予告演出は行われない(ステップS811からS821に移行するので)。また、大当りが発生した場合には、実行回数分の連続予告が完了していなくても連続予告は終了する(ステップS847参照)。
【0347】
例えば、可変表示装置9において図柄の変動が行われている場合に、始動入賞記憶数が「4」であることを示す演出制御コマンドと、大当り入賞指定の演出制御コマンドとを受信した場合を想定する。そして、連続予告を行うか否かの判定において、連続予告することに決定され、実行回数が4であったとする。また、始動入賞記憶が1,2,3に対応する判定結果は大当りでなかったとする。その場合、現在行われている図柄の変動が終了した後、第4回目の図柄の変動の結果大当りが発生する。また、現在行われている図柄の変動が終了した後、第1回目〜第4回目の図柄の変動が行われているときに連続予告演出が実行される。そして、第4回目の図柄の変動の結果大当りが発生する。すなわち、第4回目の図柄の変動の結果大当りが発生することを、それ以前の回の図柄の変動中において、遊技者に報知する(すなわち予告演出を実行する)ことができる。
【0348】
なお、例えば、始動入賞記憶数が「4」であることを示す演出制御コマンドと、大当り入賞指定の演出制御コマンドとを受信した場合に、連続予告を行うか否かの判定において連続予告することに決定され、実行回数が4であり、始動入賞記憶が3に対応する判定結果は大当りであったときには、2回の連続予告が実行された後に大当りが発生するので、その時点で、連続予告は終了する。
【0349】
図32および図33に例示されたように、始動入賞が発生したときに大当りとなると決定された場合には、大当りとならない場合に比べて、高い確率で連続予告が行われることが決定され、かつ、実行回数も多い。従って、連続予告の信頼度(連続予告が実行された場合に、実際に大当りが発生する割合)は高く、遊技者は、連続予告の発生によって大当りの発生を強く期待することができる。さらに、非確変大当りとなる場合に比べて、確変大当りとなる場合には、より高い確率で連続予告が行われることが決定される。従って、確変大当りとなる場合には、連続予告が実行される確率も高くなり、遊技者にとってより信頼性の高い連続予告が実現される。すなわち、演出制御手段は、将来、大当りや確変大当りが出現することを示唆するような保留記憶数にもとづく演出を行うことができる。
【0350】
そして、演出制御手段は、判定結果コマンドおよび始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンドにもとづいて、独自に、連続予告を実行するか否かと実行回数を決定する。その際、いずれの演出手段(可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27)を用いるのかも独自に決定する。さらに、いずれの演出態様で連続予告を行うのかも独自に決定する。なお、演出用の可動部材が設けられている場合には、演出制御手段は、予告演出を実行する際に可動部材を用いるのか否かも独自に決定する。
【0351】
図68は、連続予告に関わる遊技制御手段および演出制御手段の制御、演出制御コマンドの送信タイミングおよび演出手段(可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27)の動作の関係の一例を示すタイミング図である。遊技制御手段は、始動入賞の発生を検出すると、入賞時演出設定処理において、その始動入賞にもとづく抽選結果(その始動入賞にもとづいて将来実行される特別図柄の変動の結果、大当りとなるか否か、リーチとなるか否か)を判定する。判定結果にもとづく判定結果コマンド(はずれ入賞コマンド、リーチ入賞コマンド、非特定大当り入賞コマンドまたは特定大当り入賞コマンド)が演出制御基板100の演出制御手段に送信される。なお、判定結果コマンドの送信前に、始動入賞記憶指定の演出制御コマンドが送信される。そして、特別図柄の可変表示の開始条件が成立すると、遊技制御手段から演出制御手段に、特別図柄の変動開始を示す変動パターン指定の演出制御コマンドが送信される。
【0352】
演出制御手段は、始動入賞記憶指定の演出制御コマンドを受信すると、自身が管理している始動入賞記憶数を更新するとともに、連続予告の判定を行う(図35参照)。そして、変動パターン指定の演出制御コマンドを受信すると、可変表示装置9において特別図柄の変動が開始されるように制御し、連続予告の判定の結果、連続予告を行うことに決定されている場合には、演出手段(可変表示装置9、ランプ・LED、スピーカ27)の一部または全部を用いて所定の演出態様で連続予告演出が実行されるように制御する。
【0353】
なお、この実施の形態では、特別図柄の変動が開始する前に複数回判定結果コマンドを受信した場合には、特別図柄の変動開始前の最後に受信した判定結果コマンドを用いて行った連続予告の判定結果にもとづいて、連続予告する/しないと、連続予告の種類および連続予告を行う演出手段とが決定されることになるが、そのようにしなくてもよい。例えば、複数回の判定結果コマンドのそれぞれを用いて行った連続予告の判定結果のうち、遊技者にとって最も好ましい結果を用いて連続予告する/しないと、連続予告の種類および連続予告を行う演出手段とを決定するようにしてもよい。
【0354】
図69は、本発明の概要を示す概念図である。図69に示すように、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置9Aと、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段83aと、圧縮データ格納手段83aに格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段89aと、画像表示装置9A上で識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段101aと、データ伸張手段89aにより伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置9Aに順次表示させることによって動画再生を行うデータ再生手段101bと、段階的に画像を出現させるフェードイン処理を行うことで画像表示装置9A上の表示画像の切替表示を実行させるフェードイン切替表示手段101cとを備えている。また、可変表示制御手段101aは、データ再生手段101bが行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御(ステップS101aa)と、データ再生手段101bが行う動画再生による動画像を含まない表示態様によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御(ステップS101ab)とを実行する機能を有し、識別情報の可変表示の開始条件の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段101acと、特定表示結果決定手段101acの決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段101adとを含む。また、フェードイン切替表示手段101cは、データ再生手段101bによる動画再生の再生開始時に使用されるフレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードイン画像を生成するフェードイン画像生成手段101caと、フェードイン画像生成手段101caにより生成された各フェードイン画像を、透過度が最も高められているフェードイン画像から、透過度がより低いフェードイン画像に順次移行させ、最終的にフレームデータの画像を表示させることによってフェードイン処理を実行するフェードイン処理手段101cbと、フェードイン処理手段101cbによるフェードイン処理が完了したあと、フェードイン処理の完了時に表示されているフレームデータの画像からデータ再生手段101bに動画再生を開始させる動画再生開始手段101ccとを含む。さらに、表示制御決定手段101adは、第2可変表示制御(ステップS101ab)による可変表示が実行されたときと比較して、第1可変表示制御(ステップS101aa)による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データが第1可変表示制御(ステップS101aa)と第2可変表示制御(ステップS101ab)とに割り振られている決定用データテーブルを用いて、第1可変表示制御(ステップS101aa)と第2可変表示制御(ステップS101ab)との何れを行うかを決定する。
【0355】
上記のような構成としたことで、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。すなわち、動画再生によって表示される動画像(ムービー画像)による可変表示演出と、動画再生によって表示される動画像によらない可変表示演出とを実行する構成とし、ムービー画像によらない可変表示演出が出現したあとよりも、ムービー画像による可変表示演出が出現したあとの方が、大当り遊技演出に移行する確率が高められた構成とされているので、大当りにならないときにムービー画像による可変表示演出が頻繁に実行されることを防止することができ、ムービー画像による可変表示演出の出現頻度を低下させている。よって、遊技全体におけるムービー画像による可変表示演出の出現頻度が低下され、動画像データを用いた動画再生のための制御が実行される機会を減らすことができるので、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。
【0356】
なお、動画再生によって表示される動画像によらない可変表示演出は、ムービー画像を用いない演出であるので、例えばスプライト画像を用いた動画演出も含まれる。すなわち、動画像データにもとづく動画再生によって画像表示を行う場合以外であれば、例えば、表示制御部80にVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)を搭載する構成とし、動画再生によって表示される動画像によらない表示演出として、VDPが、背景画像にスプライト画像を重ね合わせて表示制御し、そのスプライト画像を順次更新していくことで動画表示を行う構成としてもよい。なお、スプライトは背景画像上に重畳される画像を生成するためのものであるから、一般に画面サイズは小さく、図柄などの表示のための使用に適する。よって、VDPは、一般に、可変表示される特別図柄としての識別情報をスプライト画像として生成し、スプライト画像を背景画像上に重ねた画像を生成する。
【0357】
スプライト画像を用いて表示演出が行われる場合、例えば、リーチ演出などに用いられるキャラクタや識別情報を示すスプライト画像が、他のキャラクタや識別情報を示すスプライト画像の上側に重ね合わされる。そして、背景画像に、上記2つのスプライト画像を重ね合わせた画像をVRAM等に展開したのち、映像信号を生成してLCD6に出力する。すると、背景の前面に重畳された2つのスプライト画像が表示されるようになる。このように、VDPが有するスプライト画像重ね合わせ機能を用いて、動画像データにもとづく動画再生による演出表示以外の演出表示を行うようにしてもよい。
【0358】
また、上述したように、動画像データを用いた動画再生による動画像演出によって、リーチ演出を行う構成(図66参照)としたので、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像によるリーチ演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。
【0359】
なお、上述した実施の形態においては特にリーチ演出の出現頻度を調整することについて説明していたが、上述した予告演出の何れか(例えば図25に示す予告B)を動画像データを用いた動画再生による動画像演出(例えば図25に示す予告Bにて、木の葉が落下していく様子をムービー画像によって表示するようにすればよい)によって行うようにするとともに、予告演出の出現頻度を調整するようにしてもよい。この場合、動画像演出によらない予告演出(例えば図25に示す予告A)が出現したときよりも、動画像による予告演出が出現したときの方が、実際にリーチあるいは大当りとなる確率が高くなるように出現率を調整しておくようにすればよい。このように構成すれば、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像によるリーチ予告演出あるいは大当り予告演出を行う遊技機において、動画像による予告演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができるようになる。
【0360】
また、上述した実施の形態においては特にリーチ演出の出現頻度を調整することについて説明していたが、上述した連続予告演出の何れか(例えば図26に示す連続予告D)を動画像データを用いた動画再生による動画像演出(例えば図26に示す連続予告Dにて、雷が繰り返し落下する様子をムービー画像によって表示するようにすればよい)によって行うようにするとともに、連続予告演出の出現頻度を調整するようにしてもよい。この場合、動画像演出によらない連続予告演出(例えば図26に示す連続予告A〜C)が出現したときよりも、動画像による予告演出が出現したときの方が、実際にリーチあるいは大当りとなる確率が高くなるように出現率を調整しておくようにすればよい(上述した例ではそのように調整されている(図34参照))。このように構成すれば、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による連続予告演出を行う遊技機において、動画像による連続予告演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。
【0361】
また、上述したように、演出制御手段が、演出手段により所定の演出を実行するか否かを決定するだけでなく、いずれの演出手段により所定の演出を実行するのかと、いずれの演出態様により所定の演出を実行するのかも決定するので、遊技制御手段の負担を増すことなく、予告演出等のバリエーションを増やすことができる。
【0362】
すなわち、演出制御手段が、どの演出手段を用いるのか、または、複数の演出手段のうちのどれとどれを用いるのかを独自に決定するので、遊技制御手段が特に選択制御を行わなくても、予告演出等のバリエーションを増やすことができる。そして、演出制御手段が複数の演出手段を制御しているので、複数の演出手段による予告演出等のバリエーションを増やしても、遊技機において複数の演出手段を制御するための処理が複雑になるのを避けることができる。
【0363】
また、演出制御手段は、いずれの演出手段により所定の演出を実行するのかと、いずれの演出態様により所定の演出を実行するのかとを別個に決定しているので、演出手段と演出態様とを任意に組み合わせて連続予告演出を実現することができる。すなわち、演出手段と演出態様とをリンクさせて選択する場合に比べて、予告演出のバリエーションをより豊富にすることができる。
【0364】
さらに、1つの演出手段によって連続予告演出が行われる場合に比べて、複数の演出手段によって連続予告演出が行われる場合には、実際に大当りが発生することになる信頼度が高い。そして、全ての演出手段によって連続予告演出が行われる場合には、実際に大当りが発生することになる信頼度が極めて高い。従って、連続予告が行われている演出手段の数が多くなると、遊技者に与えられる期待感が高くなるので、遊技の興趣がより高くなっている。
【0365】
また、上記の実施の形態では、動画像演出としてのリーチ演出として、キャラクタが登場して特別図柄の変動と同期して動作を行うものを例示したが、その演出内容はどのようなものであってもよく、例えば特別図柄の形状や寸法が変化するような動作を行う演出とされていてもよい。
【0366】
なお、上述した各実施の形態では、手前、中間及び奥側の3枚の画像を合成して合成画像を生成するようにしていたが、他の数の画像を合成して合成画像を生成するようにしてもよい。例えば、奥側に合成される背景画像と手前側に合成されるキャラクタ等を示す画像との2枚の画像を合成することで合成画像を生成し、その合成画像を用いて動画像による演出を行うようにしてもよい。
【0367】
なお、上述した合成画像による演出は、例えば、図柄変動中処理において実行される。また、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出等の様々な演出において、上述した合成画像による演出を行うようにしてもよい。
【0368】
また、例えば、スーパーリーチと呼ばれる大当り信頼度の高いリーチへの発展時、デモンストレーション画像を表示するときなどに、上述した合成画像による演出を行うようにしてもよい。
【0369】
また、上述した実施の形態では、静止画像による演出から動画像による演出に切り替えるときにフェードイン表示を行う構成としていたが、逆に、動画像による演出から静止画像による演出に切り替えるときに、静止画像を徐々に出現させるフェードイン表示を行う構成としてもよい。
【0370】
また、上述した実施の形態では、動画像による演出から静止画像による演出に切り替えるときにフェードアウト表示を行う構成としていたが、逆に、静止画像による演出から動画像による演出に切り替えるときに静止画像を徐々に消失させるフェードアウト表示を行う構成としてもよい。
【0371】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、上述したフェードイン表示を行ったあとの動画像演出の際に上述した合成画像による演出を実行し、合成画像による演出の終了後にフェードアウト表示を行う構成としてもよい。この場合、合成画像がフェードイン表示されたりフェードアウト表示される演出が行われるようになる。従って、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、多彩な演出を行うことができる。
【0372】
また、上述した実施の形態において、1つのピクチャにもとづく静止表示を動画像表示領域にて行うようにしてもよい。この場合、例えば、図31(B)に示した画像を示すピクチャを静止対象ピクチャとし、図31(B)に示した画像が所定期間静止する静止表示がなされるようにすればよい。上記のように構成すれば、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、動画像表示領域に1つのピクチャを用いた静止表示を行うなどの多彩な演出を行うことができるようになる。
【0373】
また、上述したように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードイン表示を行う構成として動画像データのデータ量を増大させることなくフェードイン表示を行うようにし、かつ、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成として静止表示を行うための動画像データを削減するようにしたので、動画像データ全体のデータ量を大幅に低減させることができる。
【0374】
また、上述したように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードアウト表示を行う構成として動画像データのデータ量を増大させることなくフェードアウト表示を行うようにし、かつ、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成として静止表示を行うための動画像データを削減するようにしたので、動画像データ全体のデータ量を大幅に低減させることができる。
【0375】
また、上述した実施の形態では、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に静止表示対象画像による静止表示を実行する構成としていたが、変化は全くないときに限らず、例えば動画像演出中に表示画面の変化がほとんどないような場合に静止表示対象画像による静止表示を実行するようにしてもよい。
【0376】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、フェードイン表示、合成画像による演出、1つの画像(1つのピクチャによる画像または1つの合成画像)にもとづく静止表示による演出、フェードアウト表示の一連の演出や、合成画像がフェードイン表示されたりフェードアウト表示される演出を、動画像表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、動画像表示領域にて、フェードイン表示、合成画像による演出表示、1つの画像にもとづく静止表示による演出表示、フェードアウト表示が行われるようになる。
【0377】
具体的には、例えば、図71に示す合成画像などを用いた動画像表示領域での演出表示が実行される。図71(A)に示す合成画像は、例えば図70(A)〜図70(B)に示すような合成対象画像に半透明化処理を施した図70(a)〜図70(c)に示す各合成実行画像を前後方向に合成することで生成される。以下、フェードイン表示、合成画像による演出、フェードアウト表示の一連の動画像演出を動画像表示領域で実行する場合の動画像表示領域の表示状態の例について説明する。
【0378】
図72は、フェードイン表示、合成画像による演出、1つの画像にもとづく静止表示による演出表示、フェードアウト表示の一連の動画像演出を動画像表示領域にて実行しているときの動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、特別図柄表示領域にてリーチ表示がなされたあとのリーチ演出において、合成画像による動画像によって演出表示が実行される場合を例に説明する。すなわち、リーチCの他の例を示すものである。
【0379】
この例では、特別図柄の可変表示演出において、左右図柄が例えば「7」で揃ってリーチとなり、その後に変動表示されている中図柄が低速変動となって、中図柄の停止位置に「5」が近づいてきたときに動画像によるリーチ演出が開始されるものとする。また、この例では、動画像によるリーチ演出が終了したあと、大当り表示がなされるものとする。
【0380】
先ず、動画像によるリーチ演出を開始するときに、GCL81によって、リーチ演出に用いることに決定されている動画像データ中の領域指定データにもとづいて、動画像表示領域が設定される(ステップS282参照)。例えば、領域指定データにもとづいて、上述した図60に示されているように、中図柄の可変表示領域に動画像表示領域が設定される。
【0381】
この例では、特別図柄表示領域にて、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、最終停止図柄である中図柄が低速変動され、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「5」が表示されているときに(図72(A))、動画像データに基づく動画像演出が開始される。動画像演出が開始されると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されていた特別図柄の画像(図72(A))から、一旦所定の中間画像(例えば単色の背景画像)が表示されたあと、フェードイン表示によって動画像演出における最初の画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最初の画像として、例えば図72(B)に示すような「5」を模したキャラクタ画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図72(A)に示すようなリーチ表示中に低速変動されてきた中図柄の「5」を示す画像が、中間画像を挟んで図72(B)に示すような「5」を模したキャラクタを示す画像に切り替えられる。この図72(B)に示す画像は、フェードイン処理によって徐々に出現してくるように表示される。
【0382】
この例では、図72(B)に示す「5」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の前面側に合成される合成実行画像として用いられ、図72(C)に示すように、「5」を模したキャラクタの背面側に、「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタを出現させた合成画像が表示される。図72(C)に示す合成画像では、「6」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の中間に合成される合成実行画像として用いられ、「7」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の背面側に合成される合成実行画像として用いられている。
【0383】
「6」を模したキャラクタと「7」を模したキャラクタが出現すると、画面に表示されている各キャラクタが動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD9に表示され、LCD9にて動画像演出が実行される。この例では、「5」を模したキャラクタが前面側に移動して行き、やがては動画像表示領域から消失していくような動画像が表示され、図72(D)に示すように、「6」を模したキャラクタおよび「7」を模したキャラクタがともに前面側に移動してきたような合成画像が表示される。図72(D)に示す合成画像では、「6」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の前面側に合成される合成実行画像として用いられ、「7」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の中間に合成される合成実行画像として用いられている。なお、前後方向の背面側に合成される合成実行画像は、例えば単一色の背景画像であるようにすればよい。
【0384】
この例では、図72(D)に示す合成画像にもとづく静止表示が実行される。すなわち、図72(D)に示す合成画像を繰り返し表示することで、図72(D)に示す合成画像が所定期間静止しているかのような表示がなされる。
【0385】
図72(D)に示す合成画像の静止表示が終了すると、この例では、「6」を模したキャラクタが前面側に移動して行き、やがては動画像表示領域から消失していくような動画像が表示され、図72(E)に示すように、「7」を模したキャラクタが前面側に移動してきたような合成画像が表示される。図72(E)に示す合成画像では、「7」を模したキャラクタを示す画像が合成画像における前後方向の前面側に合成される合成実行画像として用いられている。なお、前後方向の中間及び背面側に合成される合成実行画像は、例えばそれぞれ単一色の背景画像であるようにすればよい。この例では、図72(E)に示す画像が動画像演出における最後の表示画像とされる。
【0386】
上記のように、「6」を模したキャラクタが動画像表示領域から完全に消失し、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置(例えば特別図柄表示領域における図柄停止位置)に移動していくような映像が動画再生され、動画像演出において、最終的に、図72(E)に示すような、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示される。
【0387】
動画像によるリーチ演出が終了すると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されている動画像演出における最後の画像(例えば図72(E)に示す画像)を用いてフェードアウト表示がなされ、中間画像を介して所定の特別図柄を示す画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最後の画像から切り替えられる特別図柄を示す画像として、例えば図72(F)に示すような「7」の中図柄を示す画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図72(E)に示すような「7」を模したキャラクタの画像がフェードアウト処理によって徐々に消失していく表示がなされたあと、所定の中間画像を表示され、その後に図72(F)に示すような仮停止状態の中図柄としての「7」を示す画像に切り替えられる。そして、この例では、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。その後、大当り遊技に移行する。
【0388】
上記のように、フェードイン表示、合成画像による演出、1つの画像にもとづく静止表示による演出、フェードアウト表示の一連の演出や、合成画像がフェードイン表示されたりフェードアウト表示されたり静止表示されたりする演出を、動画像表示領域で行う構成とすれば、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、多彩な演出を行うことができるとともに、遊技者が引き付けられるような位置に表示することができ、目立つ演出を行うことができるようになる。
【0389】
また、上述した実地の形態では、フェードイン表示、合成画像による演出、1つの画像にもとづく静止表示による演出、フェードアウト表示の一連の演出や、合成画像がフェードイン表示されたりフェードアウト表示されたり静止表示されたりする演出の際に、表示態様選択画面(例えば図62参照)を用いて遊技者に表示態様を選択させることができるので、遊技者に意思によって選択された表示態様でフェードイン表示などの各種の演出を行うことができる。また、この場合の演出を、動画像表示領域で行うようにしてもよい。
【0390】
また、上述した実施の形態では、例えば図柄変動中処理等に動画像による演出が実行され、フェードイン処理やフェードアウト処理が実行されるものとして説明していたが、例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出等の様々な演出において、上述したフェードイン処理やフェードアウト処理によるフェードイン表示やフェードアウト表示を用いた演出を行うようにしてもよい。
【0391】
例えば、スーパーリーチと呼ばれる大当り信頼度の高いリーチへの発展時にフェードイン表示を実行し、フェードイン表示の後に動画像による演出を実行し、その動画像による演出の終了時にフェードアウト表示を行うようにしてもよい。また、例えば、デモンストレーション画像を表示するときにフェードイン表示を実行し、フェードイン表示の後に動画像によるデモンストレーション演出を実行し、その動画像による演出の終了時にフェードアウト表示を行うようにしてもよい。
【0392】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、動画像データは、動画撮影装置によって撮影された実写画像を動画再生するためのデータであっても、アニメーションによる動画を再生するためのデータであってもよく、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって描画されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いたCG画像を動画再生するためのデータであってもよい。実写画像による動画像データを用いる構成とした場合には、人物や動物などの動きをリアルに表現することができるようになる。また、CG画像による動画像データを用いる構成とした場合には、コンピュータグラフィクスによって自由に画像を作成することができるので、実写によっては得ることが困難な画像であっても簡単に作成することができ、必要とする動画像を含めた動画像データを容易に作成することができるようになる。なお、実写画像とCG画像とを組み合わせて動画像データを作成するようにしてもよい。
【0393】
また、上述した実施の形態では、動画像による遊技演出が特別図柄の可変表示が実行される可変表示装置9で行われるものとして説明していたが、特別図柄の可変表示が実行される表示装置とは別個の画像表示装置にて動画像による遊技演出が実行される構成としてもよい。
【0394】
また、上述した実施の形態では、遊技機の例として、識別情報を可変表示する可変表示装置としての機能と演出画像を表示する画像表示装置としての機能とを併せ持つ可変表示装置9を備えたパチンコ遊技機を用いて説明したが、パチンコ遊技機に限られず、可変表示装置と画像表示装置とを別個に備えたスロット機等の他の遊技機においても、本発明を適用することができる。以下、本発明を、他の遊技機の一例であるスロット機に適用した場合の例について説明する。
【0395】
図73はスロット機(スロットマシン)500を正面から見た正面図である。図73に示すように、スロット機500は、中央付近に遊技パネル501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置502が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール502a,502b,502cが設けられている。
【0396】
遊技パネル501の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ521、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、及びコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
【0397】
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526c及びコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、効果音等を出力するスピーカ530が設けられている。
【0398】
遊技パネル501の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)540が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置540に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。本例では、この画像表示装置540に動画像データにもとづく動画像(例えばパチンコ遊技機におけるリーチ演出や予告演出などに類する演出を行うための動画像)が再生表示される。すなわち、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に復号化処理や動画再生処理が実行されるとともにフェードイン処理やフェードアウト処理による遊技演出が実行されて、画像表示装置540の表示領域にフェードイン表示やフェードアウト表示を含む動画像による各種の表示がなされる。また、上述したパチンコ遊技機1と同様に、この画像表示装置540に、1又は2以上の動画像データに基づく複数の画像を合成することによって生成された合成画像による動画像が再生表示される。例えば、複数の画像が合成された合成画像による動画像を用いた遊技演出がなされる。また、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に復号化処理や動画再生処理が実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理に遊技演出が実行されて、画像表示装置540の表示領域に静止表示対象ピクチャを用いた静止表示など、動画像データによる各種の表示がなされる。さらに、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に動画像表示領域設定処理、復号化処理及び動画再生処理が実行されるとともに、設定された動画像表示領域にて動画像による遊技演出が実行されて、画像表示装置540に設定された動画像表示領域に飾り図柄の可変表示におけるリーチ演出に類する演出などの動画像による各種の演出が行われる。また、画像表示装置540の左右には、効果音を発する2つのスピーカ541L,541Rが設けられている。
【0399】
また、この例では、図示はしていないが、画像表示装置540の上下に、上述したパチンコ遊技機1と同様に、発光部と受光部とを含む人体センサが設置されている。また、選択操作手段(タッチ部)を確保するために、画像表示装置540の手前側にガラスが配されているものとする。
【0400】
なお、スロット機500で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機500の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール502a〜502cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール502a〜502cが制御される。
【0401】
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。
例えば、コイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521又はMAXBETスイッチ522が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ525の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、可変表示装置502に設けられている各図柄表示リール502a〜502cが回転を始める。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置540に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
【0402】
各図柄表示リール502a〜502cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール502a〜502cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール502a〜502cが自動的に停止する。
【0403】
すべての図柄表示リール502a〜502cが停止した時点で、可変表示装置502に表示されている各図柄表示リール502a〜502cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置502における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0404】
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置540の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
【0405】
図74は、スロット機500に備えられる主基板(遊技制御基板)600の回路構成の一例を示すブロック図である。図74には、演出制御基板630及びリールユニット650も示されている。なお、主基板600には電源基板や中継基板等の他の基板も接続されるが、図74には示されていない。主基板600は、プログラムに従って制御動作を行うCPU602、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM603、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM604及びI/Oポート部605を含む構成とされている。
【0406】
リールユニット650には、リールモータ651と、リールランプ652と、リールセンサ653とが格納されている。リールモータ651は、各リール502a〜502cを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リール502a〜502cの内部に設けられ、各リール502a〜502cに描かれた図柄のうち、可変表示装置502にて視認される図柄をリールの内側から照らすためのランプである。リールセンサ653は、各リール502a〜502cの回転状態や回転数等を感知するためのセンサである。
【0407】
この実施の形態では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段が、スロット機500に設けられている画像表示装置540の表示制御や、リールランプ652の点灯制御を行う。画像表示装置540には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。この例では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段には、演出制御用のCPUやGCL等が含まれる。したがって、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、上述したパチンコ遊技機と同様に、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を実行することができる構成とされている。なお、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、スロット機500に設けられている各種の遊技効果ランプ550,551,552,553の点灯制御、及びスロット機500に設けられているスピーカ501,541L,541Rの音出力制御を行う。
【0408】
この例では、演出制御基板630は、主基板600から受信した制御コマンドに基づく演出パターンに従って、画像表示装置540や、遊技効果ランプ550等や、スピーカ530等を制御する。画像表示装置540では、所定の画像表示パターン(演出パターンの一例)に従って、飾り図柄の変動表示がなされる。飾り図柄の変動表示演出では、例えば、パチンコ機における特別図柄の変動表示のような図柄組合せ演出表示や、リール502a〜502cの変動表示のような図柄組合せ演出等の演出が実行される。この図柄組合せ演出において、リーチ演出や予告演出に類する演出が実行される。また、動画像による演出がなされたときは、動画像によらない演出がなされたときよりも、図柄組合せ演出の結果が特定結果(図柄が揃った状態)となる確率が高くなるように設定される。予め複数設けられている演出パターンから何れの演出パターンを用いるかについては、例えば、スタートスイッチ525が操作されたタイミングで、CPU602によって決定される。
【0409】
なお、上述したスロット機500では、動画像データにもとづく動画像による演出等がなされるが、それらの演出は、例えば、入賞していない通常の遊技期間中、レギュラーボーナス入賞によってレギュラーボーナスゲームが行われている期間中、ビッグボーナス入賞によるビッグボーナスゲームが行われている期間中等に実行されるようにすればよい。
【0410】
この例では、例えば、フェードイン処理やフェードアウト処理等によって、画像表示装置540に表示される動画像演出の最初や最後において、動画像データに含まれている画像データを用いたフェードイン表示やフェードアウト表示が実行される。また、合成画像を生成する処理等によって、画像表示装置540に表示される合成画像による動画像演出が実行される。また、例えば、動画像データに含まれている静止対象ピクチャを用いた動画再生処理等によって、画像表示装置540に静止状態の画像を表示する処理が実行される。さらに、この例では、例えば、画像表示装置540に設定された動画像表示領域に動画像データに基づく動画像を表示する処理が実行される。
【0411】
以上説明したように、本発明をスロット機に適用することができ、スロット機に適用した場合であっても上述した各実施の形態における効果を得ることができる。
【0412】
上述した各遊技機は、可変表示装置における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値を遊技者に与える構成とされている。遊技価値とは、例えば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0413】
また、上記のように、複数の選択肢を提示する構成としているので、遊技者にとっては、表示態様の指示内容や指示方法を容易に把握することができるというメリットがある。すなわち、遊技者は、提示された選択肢を目視することで、操作方法や操作結果を容易かつ迅速に把握することができるようになる。このように、表示態様を選択するための操作をわかりやすく簡単なものとすることができる。
【0414】
また、上記の実施の形態では、入賞時判定結果コマンドにもとづいて、演出制御手段が連続予告演出を実行したが、連続予告演出に限らず、他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、可変表示装置9において可変表示の開始から表示結果を表示するまでの全体の演出、大当り遊技中の演出(例えば、大当り遊技中の演出がストーリー展開するもので、演出制御手段において抽選を行って、大当り遊技中にストーリーの内容を複数のストーリーの中から抽選して決定する)や、確変や時短を選択する演出などの各種の演出を実行するようにしてもよい。
【0415】
また、上記の実施の形態では、連続予告演出は、実行回数分だけ、複数回の特別図柄の可変表示に亘って連続的に実行されたが、複数回の特別図柄の可変表示に亘って間欠的(例えば3回の可変表示における1回目と3回目)に実行されるようにしてもよい。
【0416】
また、上記の実施の形態では、始動入賞記憶数を最大4個であるとしていたが、他の数であってもよい。
【0417】
また、上記の実施の形態では、始動口スイッチ通過処理(図12参照)における入賞時演出設定処理(ステップS115)が、始動入賞口への入賞があった場合に事項されたが、遊技機が、例えば複数個の入賞がなければ可変表示が開始されない構成である場合には、複数個の入賞があったことを条件に入賞時演出設定処理を実行するようにしてもよい。また、所定の可変入賞装置(例えば第2種可変入賞球装置)が有利な状態となっている期間(例えば開放動作を実行したときから所定期間が経過するまでの期間)にのみ入賞が認められるような場合には、その期間中に遊技球が入賞したことを条件に入賞時演出設定処理を開始するようにしてもよい。
【0418】
また、上記の実施の形態では、発光体制御に関して演出用CPU101とバス接続されるランプドライバ基板35を設け、音制御に関してデータROMが搭載されている音声出力基板70に対して演出用CPU101からデータ(音番号データ)を出力するように構成したが、双方を同様の構成にしてもよい。すなわち、発光体制御に関しても音制御に関しても演出用CPU101とバス接続されるそれぞれのドライバ基板を設けたり、発光体制御に関しても音制御に関してもそれぞれの基板にデータROMを搭載して演出用CPU101からデータ(制御データ番号を指定するデータ)を出力するように構成してもよい。
【0419】
さらに、上記の実施の形態にでは、以下のような特徴的態様も開示されている。
【0420】
演出制御手段を搭載した演出制御基板(例えば演出制御基板100)と、演出制御基板から出力される信号にもとづいて、演出手段を動作させるための動作信号を生成するドライバ基板(例えばランプ・LED、スピーカ27、可動部材を駆動する駆動信号)とを別個に備えた構成の遊技機。そのような遊技機では、双方の基板のうち演出制御基板のみを交換するだけで機種変更を行うことが可能である。
【0421】
演出制御手段は演出制御用CPUを含み、ドライバ基板(例えばランプドライバ基板35)には演出制御用CPUとバス接続される出力ポート(例えば出力ポート352)が搭載されている遊技機。そのような遊技機では、ドライバ基板の汎用性をより高めることができる。
【0422】
ドライバ基板に、演出手段としての音出力手段(例えばスピーカ27)から出力される音を生成するためのデータを記憶した音データROM(例えば音声データROM704)と、演出制御手段から出力される音指定データ(例えば音番号データ)にもとづいて音データROMに記憶されているデータを選択し、選択したデータにもとづいて音出力手段を制御する音声合成用ICとが搭載された遊技機。そのような遊技機では、演出制御基板に搭載された演出制御手段の負担を軽減することができる。
【0423】
所定の演出(例えば連続予告演出)の実行回数を決定するためのテーブル(例えば図32および図33に示す連続予告実行回数テーブル)と、所定の演出を実行する演出手段を決定するためのテーブル(例えば図34に示す連続予告判定テーブルのうち予告乱数3に対応した部分)と、所定の演出の演出態様を決定するためのテーブル(例えば図34に示す連続予告判定テーブルのうち予告乱数4に対応した部分)とが設けられた遊技機。そのような遊技機では、所定の演出の実行回数と、所定の演出を実行する演出手段と、所定の演出の演出態様とを、容易に、別個に決定することができる。
【0424】
演出決定手段が、判定結果コマンドにより所定の判定結果(例えば大当り)が特定される場合には、所定の判定結果にならないことが特定される場合に比べて、所定の演出(例えば連続予告演出)を実行可能な複数種類の演出手段のうち複数の演出手段を選択する割合を、1つの演出手段を選択する割合よりも高くする遊技機。そのような遊技機では、所定の演出を実行する演出手段の数が多くなると、遊技者に高い期待感を与えることができる。
【0425】
演出決定手段が、判定結果コマンドにより所定の判定結果が特定される場合には、所定の判定結果にならないことが特定される場合に比べて、所定の演出を実行可能な複数種類の演出手段のうちの特定の演出手段および所定の演出の複数の演出態様のうち特定の演出態様の組み合わせ(例えば図34に示す「全て」と態様Dの組み合わせ)を選択する割合を、他の演出手段および他の演出態様を選択する割合よりも高くする遊技機。そのような遊技機では、特定の演出手段および特定の演出態様の組み合わせにより所定の演出が実行されると、遊技者に高い期待感を与えることができる。
【0426】
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機1は、始動入賞にもとづいて可変表示装置9に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1種パチンコ遊技機であり、かつ、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機であったが、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。さらに、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続する第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
【0427】
また、上述した実施の形態において、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」は、例えば、特別図柄が大当り図柄で揃う確率が高確率状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態などの大当りとなる確率が高められている高確率状態である。なお、時短状態は、可変入賞球装置15の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置15の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。
【0428】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、可変表示制御手段が、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御と、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含まない表示態様によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御とを実行する機能を有し、識別情報の可変表示の開始条件の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段と、特定表示結果決定手段の決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段とを含み、フェードイン切替表示手段が、データ再生手段による動画再生の再生開始時に使用されるフレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードイン画像を生成するフェードイン画像生成手段と、フェードイン画像生成手段により生成された各フェードイン画像を、透過度が最も高められているフェードイン画像から、透過度がより低いフェードイン画像に順次移行させ、最終的にフレームデータの画像を表示させることによってフェードイン処理を実行するフェードイン処理手段と、フェードイン処理手段によるフェードイン処理が完了したあと、フェードイン処理の完了時に表示されているフレームデータの画像からデータ再生手段に動画再生を開始させる動画再生開始手段とを含み、表示制御決定手段は、第2可変表示制御による可変表示が実行されたときと比較して、第1可変表示制御による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データが第1可変表示制御と第2可変表示制御とに割り振られている決定用テーブルを用いて、第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れを行うかを決定することを特徴とするので、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができるとともに、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードイン表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。さらに、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による演出の実行に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0429】
請求項2記載の発明では、フェードイン切替表示手段が、フェードイン処理にて、所定の中間画像を介して段階的に画像を出現させるように構成されているので、容易に視認される状態でフェードイン表示を実行することができる。
【0430】
また、請求項3記載の発明では、可変表示制御手段は、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御と、データ再生手段が行う動画再生による動画像を含まない表示態様によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御とを実行する機能を有し、識別情報の可変表示の開始条件の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段と、特定表示結果決定手段の決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段とを含み、フェードアウト切替表示手段が、データ再生手段による動画再生を終了するときに、再生終了時に使用されるフレームデータの画像を表示する動画再生終了手段と、フレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードアウト画像を生成するフェードアウト画像生成手段と、フェードアウト画像生成手段により生成された各フェードアウト画像を、フレームデータの画像から、透過度がより高められているフェードアウト画像に順次移行させ、最終的に透過度が最も高められているフェードアウト画像を表示させることによってフェードアウト処理を実行するフェードアウト処理手段とを含み、表示制御決定手段が、第2可変表示制御による可変表示が実行されたときと比較して、第1可変表示制御による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データが第1可変表示制御と第2可変表示制御とに割り振られている決定用テーブルを用いて、第1可変表示制御と第2可変表示制御との何れを行うかを決定することを特徴とするので、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができるとともに、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードアウト表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。さらに、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による演出の実行に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
【0431】
請求項4記載の発明では、フェードアウト切替表示手段が、フェードアウト処理にて、段階的に画像を消滅させて所定の中間画像を表示させるように構成されているので、容易に視認される状態でフェードアウト表示を実行することができる。
【0432】
請求項5記載の発明では、動画像データは、キーフレームデータと、前方向予測符号化フレームデータと、双方向予測符号化フレームデータとを含み、キーフレームデータは、動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられる構成とされているので、再生される動画像の画像品質を向上させることができるとともに、動画像データのデータ量を削減することができる。
【0433】
請求項6記載の発明では、動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータであるとされているので、コンピュータグラフィクスによって構成される動画像データを使用することができ、必要とする動画像を含めた動画像データを容易に作成することができるようになる。
【0434】
請求項7記載の発明では、データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出を示す動画像を含むので、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像によるリーチ演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。
【0435】
請求項8記載の発明では、データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示態様がリーチ態様となることを予告するためのリーチ態様予告演出を示す動画像を含むので、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像によるリーチ態様予告演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。
【0436】
請求項9記載の発明では、データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示結果が特定表示結果となることを予告するための特定表示結果予告演出を示す動画像を含むので、圧縮データを含む動画像データにもとづく動画像による特定表示結果予告演出の出現頻度を低下させることができ、動画像データを用いた動画再生のための制御負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板、ランプドライバ基板および音声出力基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】演出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図6】人体センサの作用を説明するための説明図である。
【図7】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図8】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図9】各乱数を示す説明図である。
【図10】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである
【図11】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図12】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図13】入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。
【図14】大当り判定テーブルおよびリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図15】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図16】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図17】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図18】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図19】リーチ演出判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図20】変動パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図21】記憶処理を示すフローチャートである。
【図22】演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図23】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図24】演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図25】予告演出の例を示す説明図である。
【図26】可変表示装置を用いた連続予告演出の例を示す説明図である。
【図27】演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図28】コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図29】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図30】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図31】予告乱数カウンタを示す説明図である。
【図32】始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。
【図33】始動入賞記憶数と連続予告の実行回数の関係の一例を示す説明図である。
【図34】連続予告判定テーブルの構成例を示す説明図である。
【図35】連続予告の判定処理を示すフローチャートである。
【図36】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図37】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図38】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図39】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図40】全図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図41】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図42】全図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図43】動画像データのデータ構造の例を示す説明図である。
【図44】動画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図45】動画像表示領域解除処理の例を示すフローチャートである。
【図46】復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図47】連続復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図48】動画再生処理の例を示すフローチャートである。
【図49】フェードイン処理の例を示すフローチャートである。
【図50】フェードイン処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図51】フェードイン処理により作成されるフェードイン画像の表示状態を示す説明図である。
【図52】フェードアウト処理の例を示すフローチャートである。
【図53】フェードアウト処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図54】フェードアウト処理により作成されるフェードイン画像の表示状態を示す説明図である。
【図55】半透明化処理の例を示すフローチャートである。
【図56】半透明化処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図57】合成対象画像と合成実行画像の例を示す説明図である。
【図58】合成画像の表示状態を示す説明図である。
【図59】静止表示対象画像の表示状態等を示す説明図である。
【図60】動画像表示領域の設定位置の例を示す説明図である。
【図61】動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。
【図62】表示態様切替画面の例を示す説明図である。
【図63】表示態様が切り替えられた状態の例を示す説明図である。
【図64】リーチ演出態様の例を示す説明図である。
【図65】リーチCによるリーチ演出が実行されたときの可変表示装置の表示状態の例を示す説明図である。
【図66】リーチCによるリーチ演出が実行されたときの可変表示装置の表示状態の例を示す説明図である。
【図67】音番号データの一例を示す説明図である。
【図68】連続予告に関わる遊技制御手段および演出制御手段の制御、演出制御コマンドの送信タイミングおよび演出手段の動作の関係の一例を示すタイミング図である。
【図69】本発明の概要を示す概念図である。
【図70】合成対象画像と合成実行画像の他の例を示す説明図である。
【図71】合成画像の表示状態の他の例を示す説明図である。
【図72】動画像表示領域の表示状態の他の例を示す説明図である。
【図73】スロット機を正面から見た正面図である。
【図74】スロット機に搭載されている主基板の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
9 可変表示装置
31 主基板
56 CPU
80 表示制御部
81 GCL
100 演出制御基板
101 演出制御用CPU

Claims (9)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、前記識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機であって、
    遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置と、
    動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段と、
    前記圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段と、
    前記画像表示装置上で前記識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段と、
    前記データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を前記画像表示装置に順次表示させることによって動画再生を行うデータ再生手段と、
    段階的に画像を出現させるフェードイン処理を行うことで前記画像表示装置上の表示画像の切替表示を実行させるフェードイン切替表示手段とを備え、
    前記可変表示制御手段は、前記データ再生手段が行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御と、前記データ再生手段が行う動画再生による動画像を含まない表示態様によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御とを実行する機能を有し、
    識別情報の可変表示の開始条件の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段と、
    前記特定表示結果決定手段の決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を前記第1可変表示制御と前記第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段とを含み、
    前記フェードイン切替表示手段は、
    前記データ再生手段による動画再生の再生開始時に使用されるフレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードイン画像を生成するフェードイン画像生成手段と、
    前記フェードイン画像生成手段により生成された各フェードイン画像を、透過度が最も高められているフェードイン画像から、透過度がより低いフェードイン画像に順次移行させ、最終的に前記フレームデータの画像を表示させることによって前記フェードイン処理を実行するフェードイン処理手段と、
    前記フェードイン処理手段によるフェードイン処理が完了したあと、フェードイン処理の完了時に表示されている前記フレームデータの画像から前記データ再生手段に動画再生を開始させる動画再生開始手段とを含み、
    前記表示制御決定手段は、前記第2可変表示制御による可変表示が実行されたときと比較して、前記第1可変表示制御による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データが前記第1可変表示制御と前記第2可変表示制御とに割り振られている決定用データテーブルを用いて、前記第1可変表示制御と前記第2可変表示制御との何れを行うかを決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. フェードイン切替表示手段は、フェードイン処理にて、所定の中間画像を介して段階的に画像を出現させる
    請求項1記載の遊技機。
  3. 各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、前記識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機であって、
    遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置と、
    動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段と、
    前記圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段と、
    前記画像表示装置上で前記識別情報の可変表示の制御を行う可変表示制御手段と、
    前記データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を前記画像表示装置に順次表示させることによって動画再生を行うデータ再生手段と、
    段階的に画像を消滅させるフェードアウト処理を行うことで前記画像表示装置上の表示画像の切替表示を実行させるフェードアウト切替表示手段とを備え、
    前記可変表示制御手段は、前記データ再生手段が行う動画再生による動画像を含む表示態様によって識別情報の可変表示を行う第1可変表示制御と、前記データ再生手段が行う動画再生による動画像を含まない表示態様によって識別情報の可変表示を行う第2可変表示制御とを実行する機能を有し、
    識別情報の可変表示の開始条件の成立にもとづく可変表示が開始される以前に、表示結果を特定表示結果とするか否かをあらかじめ決定する特定表示結果決定手段と、
    前記特定表示結果決定手段の決定結果にもとづいて、識別情報の可変表示を前記第1可変表示制御と前記第2可変表示制御との何れにより行うかを決定する表示制御決定手段とを含み、
    前記フェードアウト切替表示手段は、
    前記データ再生手段による動画再生を終了するときに、再生終了時に使用されるフレームデータの画像を表示する動画再生終了手段と、
    前記フレームデータから透過度を段階的に高めていった複数のフェードアウト画像を生成するフェードアウト画像生成手段と、
    前記フェードアウト画像生成手段により生成された各フェードアウト画像を、前記フレームデータの画像から、透過度がより高められているフェードアウト画像に順次移行させ、最終的に透過度が最も高められているフェードアウト画像を表示させることによって前記フェードアウト処理を実行するフェードアウト処理手段とを含み、
    前記表示制御決定手段は、前記第2可変表示制御による可変表示が実行されたときと比較して、前記第1可変表示制御による可変表示が実行されたときの方が高確率で特定表示結果となるように、決定用データが前記第1可変表示制御と前記第2可変表示制御とに割り振られている決定用データテーブルを用いて、前記第1可変表示制御と前記第2可変表示制御との何れを行うかを決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  4. フェードアウト切替表示手段は、フェードアウト処理にて、段階的に画像を消滅させて所定の中間画像を表示させる
    請求項3記載の遊技機。
  5. 動画像データは、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータとを含み、
    前記キーフレームデータは、前記動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられる
    請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
  6. 動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータである
    請求項1から請求項5のうちのいずれかに記載の遊技機。
  7. データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出を示す動画像を含む
    請求項1から請求項6のうちのいずれかに記載の遊技機。
  8. データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示態様がリーチ態様となることを予告するためのリーチ態様予告演出を示す動画像を含む
    請求項1から請求項7のうちのいずれかに記載の遊技機。
  9. データ再生手段が行う動画再生による動画像には、識別情報の表示結果が特定表示結果となることを予告するための特定表示結果予告演出を示す動画像を含む
    請求項1から請求項8のうちのいずれかに記載の遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006204613A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Sankyo Kk 遊技機
JP2013121548A (ja) * 2013-02-15 2013-06-20 Sankyo Co Ltd 遊技機

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