JP2004201858A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】データ圧縮された動画像データを用いた表示演出中に障害によって表示が不能となった場合に、その影響を極力抑えた遊技機を提供する。
【解決手段】動画像データにもとづく動画再生が実行されている場合において、GOP1内のピクチャデータを復号化したデータが破壊されているなどの障害が発生すると、GOP1内の他のピクチャデータが正常に復号化されず、動画再生画像の表示を行うことができない再生不能状態となる。その後、GOP1にもとづく動画再生が終了し、次に用いられるGOP8にもとづく動画再生が開始されると、障害が発生したGOP1内の復号化データの影響を受けることなく、GOP8内のピクチャデータが復号化され、動画再生画像の表示が再開される。よって、GOP8にもとづく動画再生の処理開始タイミングから、動画再生が再開される。
【選択図】 図26
【解決手段】動画像データにもとづく動画再生が実行されている場合において、GOP1内のピクチャデータを復号化したデータが破壊されているなどの障害が発生すると、GOP1内の他のピクチャデータが正常に復号化されず、動画再生画像の表示を行うことができない再生不能状態となる。その後、GOP1にもとづく動画再生が終了し、次に用いられるGOP8にもとづく動画再生が開始されると、障害が発生したGOP1内の復号化データの影響を受けることなく、GOP8内のピクチャデータが復号化され、動画再生画像の表示が再開される。よって、GOP8にもとづく動画再生の処理開始タイミングから、動画再生が再開される。
【選択図】 図26
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とするパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、主に、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口と呼ばれる特別電動役物を作動させ、大入賞口扉を開放状態とする。これによって、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
以下、特図ゲームにおいて大当りとなり、大入賞口扉が開放状態となることで、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態となることを特定遊技状態という。特定遊技状態となるためには、通常、特別図柄表示装置に表示される表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように、遊技者にとって特図ゲームでは、停止図柄態様が特定表示態様となって「大当り」となるか否かに最大の関心が払われることになる。このため、「大当り」となるか否かを判別することのできる停止図柄態様の確定までの間に、表示図柄の変動態様を異ならせる等の遊技興趣を高めるための様々な演出表示が行われる。
【0006】
このような遊技機では、一般に、遊技状態に応じて、可変表示装置に所定のキャラクタを登場させたり、そのキャラクタを変化させたり、ランプ・LED等の発光体を明滅させたりすることによって各種の遊技演出が行われている。また、可変表示装置に実写画像などの多色画像を表示させることによって遊技演出を行うものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
通常、可変表示装置に多色画像による動画像を表示することによって演出表示を行う場合には、動画像データのデータ量が膨大なものとなるため、遊技演出に用いる動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)などの符号化技術によりデータ圧縮された状態で遊技機が備えるROMなどの記憶媒体に格納される。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−184524号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、遊技演出に用いる動画像データは、各遊技演出毎に設けられている。すなわち、特定の遊技演出を行う場合には、対応する特定の動画像データが用いられ、その動画像データにもとづいて所定期間分の動画像を再生させることによって動画像による演出がなされる。
【0010】
上記のように動画像データによって所定期間分の遊技演出が実行されるため、圧縮されている動画像データの伸張が適正になされなかったなどの何らかの障害によって動画像が正常に表示されないような事態が遊技演出中に発生し、動画像の再生が一旦できなくなると、遊技演出の残り期間すべてについて再生表示することができなくなってしまうという課題があった。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、データ圧縮された動画像データを用いた表示演出中に何らかの障害によって表示が不能となった場合に、その影響を極力抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を実行可能であり、所定の遊技の結果として特定結果が得られたとき(例えば、左中右図柄が同一の図柄となったとき、第2種パチンコ遊技機において遊技機に設けられているいわゆる可変入賞球装置に流入した遊技球が所定の入賞領域に入賞したとき)に遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)とする遊技機であって、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置(例えば可変表示装置6)と、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段(例えばCGROM83)と、圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段(例えば動画圧縮・伸張部89におけるステップS218,ステップS222,ステップS224を実行する部分)と、データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置に順次表示させることによって動画再生処理を行うデータ再生手段(例えばGCL81における図16に示す動画再生処理を実行する部分)とを備え、動画像による一連の表示演出を行うための動画像データは、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データ(例えば図12(A)参照)として圧縮データ格納手段に格納されており、データ再生手段が、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミング(例えば、ステップS229cにて障害発生フラグがオフされたあとの図16に示す動画再生処理が実行されるタイミング)で当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開することを特徴とする。
【0013】
所定の遊技として、画像表示装置において各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示が複数の可変表示領域にて行われ、識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば左中右図柄が同一の図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)となる遊技機であり、データ再生手段が、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における識別情報の可変表示演出(例えばステップS803の図柄変動中処理内、あるいは図柄変動中処理にてコールされた復号化処理および動画再生処理にて実行されるリーチ演出を含む可変表示演出)を動画再生処理によって行うように構成されていてもよい。
【0014】
各部分動画像データは、それぞれ、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)と、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)と、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)とを含み、各部分動画像データには、それぞれ複数のキーフレームデータが含まれている構成とされていてもよい。
【0015】
キーフレームデータが、部分動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられるように構成されていてもよい。
【0016】
動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータである構成とされていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置(可変表示装置)により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明する。しかし、適用対象となる遊技機は、これに限るものではなく、例えば、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機にも適用可能である。また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類される遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカード(将来的にはICコイン等も含む価値媒体)によって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、特図ゲームに相当する演出表示を行うことが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0018】
まず、CR式第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2が着脱可能に取り付けられる遊技機用枠3とで構成される。遊技盤2の前面には遊技領域4が形成されている。なお、遊技機1の前面側の下部右側には、打球を発射するハンドル5が設けられている。
【0019】
遊技領域4の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置6が設けられている。可変表示装置6は、LCDによって構成され、「左」、「中」、「右」の3つ特別図柄が表示される図柄表示エリア(可変表示部)が設けられている。図柄表示エリアには、変動表示の表示結果が大当り表示態様であるか否かを特定するための有効ラインが予め設定されている。有効ライン上で最終的に停止した各特別図柄の組合せによって大当り表示態様であるか否かが特定され、有効ライン上に各特別図柄が同一図柄で揃っている場合に大当り表示態様であることが特定される。したがって、遊技者は可変表示装置6における有効ライン上の表示態様を確認することで、大当りとなったか否かを容易に認識することができる。
【0020】
また、可変表示装置6には、始動入賞口7に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(以下、始動記憶表示エリア)8が設けられている。始動記憶表示エリアには、始動入賞記憶数が4未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的には、通常青色表示であった表示を赤色表示に変化させる。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリア8とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。なお、始動記憶表示エリア8を図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この例では、始動記憶表示エリア8を可変表示装置6に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置6とは別個に設けるようにしてもよい。
【0021】
可変表示装置6の下方には、開閉動作を行う普通電動役物9を兼用する始動入賞口7と、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド等を駆動することで開状態とされる大入賞口10とが上下に並んで配設されており、始動入賞口7の左側には、ゲート13が配設されている。大入賞口10は、大入賞口扉11を開閉することによって開状態あるいは閉状態とされる。ゲート13に遊技球が入賞すると、普通図柄表示装置14において表示状態が変化する可変表示が開始される。普通図柄表示装置14の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器15が設けられている。また、遊技盤2には、複数の入賞口16,17,18,19が設けられている。
【0022】
遊技機用枠3の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ20L,20Rが設けられている。また、遊技領域4の外周には、天枠ランプ21a、左枠ランプ21b及び右枠ランプ21cが設けられている。さらに、図示はしないが、遊技領域4における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾用LEDが設置されている。天枠ランプ21a、左枠ランプ21b及び右枠ランプ21c及び装飾用LEDは、遊技機に設けられている発光体の一例である。
【0023】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。図2に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置6等を制御する演出制御基板100、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)30が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板40が設置されている。また、所定の電源電圧を供給するための電源回路が搭載された電源基板150や発射制御基板91が設けられている。さらに、主基板30からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた盤用外部端子基板50と、賞球個数や球貸し個数等の各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた枠用外部端子基板51とが設置されている。
【0024】
図3は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)150と、遊技制御部(主基板)30と、入力部52と、出力部53と、演出制御部(演出制御基板)100と、払出制御部(払出制御基板)40と、盤用外部端子基板50と、枠用外部端子基板51とを備えている。
【0025】
遊技制御部30は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM31、ワークメモリとして使用されるRAM32、プログラムに従って制御動作を行うCPU33及びI/Oポート部34を含む。なお、CPU33はROM31に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU33が実行する(又は、処理を行う)ということは、CPU33がプログラムに従って制御を実行することをいう。このことは、主基板30以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、図示はしないが、遊技制御部30は、入力部52からの信号入力を受け付けるスイッチ回路と、出力部53に向けて駆動信号の出力を行うソレノイド回路とを備えている。なお、遊技制御部30は、遊技に用いられる各種の乱数を生成する機能、演出制御部100や払出制御部40に制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等の各種の機能を有している。
【0026】
入力部52は、始動入賞口7への入賞球を検出する始動口スイッチ7a、ゲート13への入賞球を検出するゲートスイッチ13a、大入賞口10から遊技盤2の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球を検出する特定領域スイッチ22、大入賞口10からの入賞球を検出するカウントスイッチ23、各入賞口16,17,18,19への入賞球を検出する入賞口スイッチ16a,17a,18a,19a等の各種の検出手段によって構成される。上記の各スイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球の検出等の、各種の検出を行うことができる検出手段であれば、その名称を問わない。
【0027】
出力部53は、可変入賞球装置9を開閉するための普通電動役物ソレノイド9a、開閉板11の開閉に用いられる大入賞口扉ソレノイド11a及び大入賞口10内の経路の切り換えに用いられる大入賞口内誘導板ソレノイド12a等の各種の駆動手段によって構成される。
【0028】
図3に示すように、演出制御部100は、可変表示装置6や普通図柄表示装置14等の表示に関する制御を行う表示制御部80と、スピーカ20L,20R等の音に関する制御を行う音制御部70と、天枠ランプ21a等の発光体に関する制御を行うランプ制御部60とを備えている。演出制御部100は、遊技制御部30からの制御コマンドに基づいて、特別図柄を可変表示する可変表示装置6及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示装置14の表示制御、音声出力制御、ランプ表示制御をそれぞれ実行する。
【0029】
払出制御部40は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を実行する機能を有している。また、盤用外部端子基板50及び枠用外部端子基板51は、各種遊技関連情報を外部に出力する役割を果たす。さらに、電源部150は、パチンコ遊技機1内の各回路に、所定の電源電圧を供給するために設けられている。
【0030】
ここで、本例のパチンコ遊技機1における遊技の様子について説明する。打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域4に入り、その後、遊技領域4を下りてくる。打球が始動入賞口7に入り始動口スイッチ7aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置6において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0031】
可変表示装置6における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時における有効ライン上の特別図柄の組合せが大当り表示態様であると、大当り遊技状態に移行する。具体的には、大入賞口10が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口10の開放中に打球がV入賞領域に入賞し特定領域スイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口10が再度開放される。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
【0032】
停止時の可変表示装置6における特別図柄の組合せが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0033】
なお、可変表示装置6上に表示される特別図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動パターン指定コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、演出制御部100は、変動パターンコマンドを受け取ったタイミングから、可変表示装置6上における特別図柄の変動、スピーカ20L,20Rからの音声出力及びランプ・LED21a等の明滅表示が連動して行われるように制御を実行する。
【0034】
図4は、演出制御基板100の回路構成を示すブロック図である。演出制御基板100は、表示制御部80と、音制御部70と、ランプ制御部60と、各制御部60,70,80の制御を行う演出制御用CPU101と、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM102と、ワークメモリとして使用されるRAM103とを備えている。なお、図示はしないが、演出制御基板100には、演出制御コマンドの受信に用いられるコマンド受信回路が設けられている。
【0035】
演出制御用CPU101は、ROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板30からの演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従って、可変表示装置6の表示制御や、発光体の点灯/消灯制御、音出力制御、可動演出装置の駆動制御等の各種制御を行う。
【0036】
可変表示装置6の表示制御は、具体的には、演出制御コマンドに応じた指令をGCL(Graphics Controller LSI)81に与える。GCL81は、CGROM83等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM83には、使用頻度の高いキャラクタを示すデータが格納されている。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、可変表示装置6に表示される人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像や静止画像も含まれる。GCL81は、入力したデータに従って可変表示装置6に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号及び同期信号を可変表示装置6に出力する。可変表示装置6は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。本例では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、可変表示装置6は、GCL81からの指示に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0037】
表示制御部80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。また、表示制御部80は、GCL81と、普通図柄表示装置14に信号を出力するための普通図柄駆動回路82とを備えている。
【0038】
GCL81は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットデータバッファ85や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ86等の各種の記憶媒体の他、描画制御部と、可変表示装置6に信号を出力するための可変表示装置制御部87及びDAC(ディジタルアナログコンバータ)88と、動画圧縮処理や伸張処理を行う動画圧縮伸張部89とを含む。描画制御部は、アトリビュート解析部81aと、VRAMアドレス生成部81bと、クリッピング部81cと、半透明輝度変調部81dとを含む。アトリビュート解析部81aは、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。このパラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。なお、動画圧縮伸張部89は、GCL81によって制御される構成としても、演出制御用CPU101によって制御される構成としてもよい。
【0039】
音制御部70は、遊技制御部30からの制御コマンドに従って音声や効果音を発生する音声IC71と、音声データ等を記憶する音声ROM72と、音声信号を増幅してスピーカ20L,20Rに出力するための低周波増幅回路73と、低周波増幅回路73から出力される音声信号の出力レベルを設定されている音量に応じたレベルにするディジタルボリューム74とを備えている。
【0040】
ランプ制御部60は、ランプ・LED24に含まれている遊技状態飾りランプ24aに信号を出力するためのランプ駆動回路61と、ランプ・LED24に含まれている遊技状態飾りLED24bに信号を出力するためのLED駆動回路62とを備えている。
【0041】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板30における遊技制御手段(CPU33及びROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU33は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU33は、まず、必要な初期設定を行う。
【0042】
初期設定処理において、CPU33は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0043】
この実施の形態で用いられるCPU33は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0044】
この実施の形態で用いられているCPU33には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU33は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0045】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)又はCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU33は、RST命令に対応したアドレス又はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU33は自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1又は割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1又は割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0046】
割込みモード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0047】
割込みモード2:CPU33の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。したがって、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込み処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0048】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設置することが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU33は割込みモード2に設定される。
【0049】
次いで、CPU33は、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU33は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS12)。クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU33は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0050】
バックアップありを確認したら、CPU33は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0051】
初期化処理では、CPU33は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う。さらに、サブ基板(演出制御基板100、払出制御基板40)を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS11)。初期化コマンドとして、可変表示装置6に表示される初期図柄を示すコマンドや、払出可能状態であることを示す払出可能状態指定コマンド等がある。
【0052】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCPU33に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS12)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0053】
初期化処理の実行(ステップS10〜S12)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS14)及び初期値用乱数更新処理(ステップS15)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされ(ステップS13)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込み許可状態とされる(ステップS16)。表示用乱数とは、可変表示装置6に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0054】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込み処理でも実行されることから、タイマ割込み処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS14の処理中にタイマ割込みが発生してタイマ割込み処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS14の処理中では割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0055】
タイマ割込みが発生すると、CPU33は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図6に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU33は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12a、始動口スイッチ7a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ16a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0056】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU33は、さらに、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0057】
この例では、大当りを発生させるか否かの決定に用いられる大当り判定用乱数、特別図柄の左中右のはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄決定用乱数、大当りを発生させる際の特別図柄の組合せを決定する際に用いられる大当り図柄決定用乱数、特別図柄の変動パターンの決定に用いられる変動パターン決定用乱数、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かの決定に用いられる普通図柄当り判定用乱数、各乱数の初期値の決定に用いられる初期値決定用乱数等の各種の乱数が用意されている。
【0058】
ステップS23では、CPU33は、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、及び普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数又は初期値用乱数である。
【0059】
さらに、CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置14の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0060】
次いで、CPU33は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM32の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0061】
さらに、CPU33は、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0062】
また、CPU33は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS30)。可変入賞球装置9又は開閉板11を開状態又は閉状態としたり、大入賞口10内の遊技球通路を切り替えたりするために、主基板30が備えるソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド9a,11a,12aを駆動する。
【0063】
そして、CPU33は、入賞口スイッチ16a,17a,18a,19aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ16a,17a,18a,19aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板40に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板40に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込み許可状態に設定する(ステップS33)。
【0064】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込み処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込み処理では例えば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0065】
この実施の形態では、左図柄、中図柄及び右図柄として、それぞれ「1」〜「12」の図柄が、可変表示装置6において可変表示(変動)される。「1」〜「12」の図柄には、図柄番号0〜11の図柄番号が付されている。また、可変表示装置6における最終停止図柄(確定図柄)がそろった場合に大当りが発生する。そして、奇数の図柄でそろった場合に、大当りが発生する確率が向上した状態である高確率状態(確変状態)に変化する。
【0066】
図7は、CPU33が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)及び入賞確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS301〜S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0067】
入賞確認処理(ステップS311):始動入賞口7に打球入賞して始動口スイッチ7aがオンするのを待つ。始動口スイッチ7aがオンすると、始動入賞記憶数が満タン(この実施の形態での最大値である4に達している状態)でなければ、始動入賞記憶数を1加算するとともに、大当り決定用乱数等の各乱数を抽出する。そして、それらを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する。また、加算した後の始動入賞記憶数を指定する始動入賞記憶指定のコマンドを送信するための処理を行う。
【0068】
特別図柄通常処理(ステップS301):特別図柄の可変表示を開始できる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合)になるのを待つ。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合とは、可変表示装置6において図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0069】
停止図柄設定処理(ステップS302):始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値(大当り判定用乱数の値等)に基づいて、大当り、ハズレ、リーチとするか等を判定し、その判定結果や可変表示開始時の制御状態等に基づいて、左中右図柄の停止図柄を決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0070】
変動パターン設定処理(ステップS303):停止図柄設定処理にて決定された停止図柄や変動パターン決定用乱数の値に基づいて、図柄の変動パターンを決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0071】
全図柄変動処理(ステップS304):可変表示装置6において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、演出制御基板100に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報(演出制御コマンド)とが送信される。具体的には、遊技制御手段は、可変表示を開始させるときに、変動パターン指定の演出制御コマンドを送信し、続いて、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドを送信する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0072】
全図柄停止処理(ステップS305):所定時間(ステップS304でタイマにセットされる値に応じた時間)が経過すると、左右中図柄を最終停止(確定)させるために全図柄の停止を指示する演出制御コマンドを送信する。この演出制御コマンドの受信に基づいて、可変表示装置6において表示される全図柄が停止される。そして、遊技制御手段は、停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0073】
大入賞口開放前処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、大入賞口扉ソレノイド11aを駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0074】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドデータを演出制御基板100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0075】
特定領域有効時間処理(ステップS308):特定領域スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、又は、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0076】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を指示する演出制御コマンドの送信を行う。その表示期間が終了したら、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0077】
本例では、遊技制御手段から各電気部品制御手段に対する指示等の情報伝達は、制御コマンドによって行われる。制御コマンドは、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。演出制御基板100に搭載されている演出制御手段は、INT信号(取込信号)が立ち上がったことを検知して、割込み処理によって1バイトのデータ(MODEデータ)の取り込み処理を開始し、その後の割込み処理によって1バイトのデータ(EXTデータ)の取り込み処理を開始する。
【0078】
次に、演出制御手段の動作を説明する。図8は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込みフラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、割込み処理内でタイマ割込みフラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込みフラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0079】
この実施の形態では、タイマ割込みは2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込み処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込み処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0080】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、演出制御基板100で用いられる各種の乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出制御用CPU101は、遊技演出装置25A,25B,25Cによる演出を行う場合に、可動役物制御部100が備える図示しないソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS707)。遊技演出装置25A,25B,25Cを動作させるために、可動役物制御部100が備える図示しないソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド25a,25b,25cを駆動する。その後、ステップS702のタイマ割込みフラグの確認を行う処理に戻る。
【0081】
ここで、主基板30からの演出制御コマンドの受信について説明する。演出制御基板100は、図示はしないが、主基板30から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファを備えている。例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。演出制御手段は、変動パターン等の格納領域に格納される最新のコマンドに基づき制御される。これにより、主基板30からの指示に迅速に対応することができる。演出制御用CPU101は、主基板30からのINT信号がオン状態になると割込みがかかり、演出制御コマンドを受信するための処理を実行し、受信した演出制御コマンドをコマンド受信バッファに格納する。
【0082】
そして、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容がコマンド解析処理(ステップS704)で確認され、受信コマンドに対応するフラグのセット等の処理がなされる。例えば、コマンド受信バッファに受信コマンドが左中右の図柄を指定する図柄指定コマンドであれば、そのコマンドに含まれている指定図柄を特定可能なデータを停止図柄格納エリアに格納し、対応する有効フラグをセットする。また、例えば、コマンド受信バッファに受信コマンドが演出パターンを指定する変動パターンコマンドであれば、そのコマンドに含まれている変動パターンを特定可能なデータを変動パターン格納エリアに格納し、変動パターン受信フラグをセットする。
【0083】
図9は、図8に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0084】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理にて、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターン受信フラグがセットされていれば、表示制御プロセスフラグの値をリーチ予告処理に対応した値にする。
【0085】
リーチ予告処理(ステップS801):リーチ予告演出を行うか否か、及び、リーチ予告を行うことに決定した場合におけるリーチ予告演出の内容を決定する。決定したら、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処理に対応した値にする。
【0086】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
【0087】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。処理を終えると、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする。
【0088】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。そして、大当り表示態様とする場合には表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値にし、はずれとする場合には表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値にする。
【0089】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示又は通常大当り表示の制御を行う。表示期間が終了すると、表示制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値にする。
【0090】
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技中の制御を終えると、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値にする。
【0091】
図10は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行テーブルの組合せが複数集まったデータで構成されている。各演出制御実行テーブルには、それぞれ、可変表示演出9等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている表示制御実行データと、ランプ・LED等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されているランプ制御実行データと、スピーカ27等の音声出力制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている音制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ演出制御実行テーブルに設定されている変動態様で図柄を変動表示させたり、発光体を点灯/消灯させたり、スピーカ27から音声出力させたりする制御を行う。
【0092】
図10に示すプロセスデータは、演出制御基板100におけるROMに格納されており、全図柄変動開始処理(ステップS802)にて、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6、ランプ・LED24及びスピーカ20L,20Rの制御が開始され、図柄変動中処理(ステップS803)にて、制御実行データに応じた制御が順次実行される。なお、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
【0093】
図11は、遊技演出で使用される動画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。この動画像データは、本例では、演出制御基板100が備えるROMに格納されている。遊技演出で使用される動画像データは、本例では、MPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態で演出制御基板100が備えるCGROM83に格納されている。
【0094】
本例では、動画像データに基づく動画像演出が複数種類予め用意されている。すなわち、複数種類の動画像データが予め用意されてCGROM83に格納されている。なお、この例では、大当り遊技演出時に使用される動画像データ、リーチ演出時に使用される動画像データなど、使用される演出毎に区別されてCGROM83に格納されている。そして、例えば動画像演出を実行するときに、例えば乱数などを利用して使用する動画像データが選択され、選択された動画像データに基づく動画像演出が実行される。
【0095】
図11に示すように、動画像データは、シーケンスと呼ばれるストリームデータによって構成される。シーケンスは、画像の大きさを示す情報などのシーケンス全体に関連する情報が含まれているシーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終了する。このシーケンスは、例えば、動画像による1単位の遊技演出を実現するためのビデオプログラム全体の符号化データによって構成されている。すなわち、本例では、動画像による遊技演出の種類毎に予めシーケンスが用意され、動画像による遊技演出を実行するための動画像データは、1つのシーケンスによって構成されている。シーケンスは、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのGOP(Group Of Picture)とを含む。シーケンスに含まれているMPEG2機能拡張情報は、MPEG2に準拠した符号化データであることを示す情報などの各種の情報を含む。
【0096】
各GOPは、GOPヘッダと、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのうち少なくとも1つのピクチャとを含む。ここで、Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両方のフレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。
【0097】
各ピクチャは、ピクチャヘッダと、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのスライスとを含む。ピクチャヘッダには、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかを識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。ピクチャに含まれているMPEG2機能拡張情報には、例えば、フレーム構造やフィールド構造を設定するための情報などが含まれる。スライスは、分割フレーム内符号化を実現するためにピクチャが細分化された1つの単位を意味する。
【0098】
各スライスは、スライス情報と、少なくとも1つのマクロブロックとを含む。スライス情報は、スライス内で使用される符号化情報が含まれている。符号化情報には、例えば、量子化特性を示す情報が該当する。
【0099】
各マクロブロックは、マクロブロック情報と、複数のブロックとを含む。1つのマクロブロックには、例えば、4個の輝度信号ブロックと、2個(Cr信号、Cb信号各1個)の色差信号ブロックとが含まれる。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。各ブロックは、輝度信号、Cr信号、Cb信号のいずれかのDCT(離散コサイン変換)係数データ(離散コサイン変換によって得られる係数群)から構成される。なお、各ブロックは、EOB(End Of Block)コードで終了する。
【0100】
なお、本例では、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体が速い動きをする部分には、キーフレームとして用いられるIピクチャを多く用いるようにしている。また、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体の動きが少ない部分には、PピクチャやBピクチャを多く用いた構成とされている。特に表示物体の動きがない部分や、動きが特に少ない部分には、最もデータ量の少ないBピクチャを多く用いた構成とされている。
【0101】
上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、動きの速い物体が表示される動画像によって演出を行う場合であっても、情報の欠落がほとんどない良好な画像品質の画像を復号化によって得ることができ、そのような良質の画像によって動画像演出を行うことができる。よって、表示物体の動きが速い部分の画像品質を向上させることができる。
【0102】
また、上記のように、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)や双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、画像品質を劣化させることなく、動画像データのデータ量を削減することができる。このような効果は、データ圧縮率が向上するので、動画像データによって再生される動画像における表示物体の動きが速い部分が少ないほど著しい。
【0103】
つまり、上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータを多く用い、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータや双方向予測符号化フレームデータを多く用いるようにして動画像データを作成しているので、全体としての画像品質を向上させることができるとともに、動画像データのデータ総量を低減させることができるようになる。
【0104】
次に、演出制御基板100に搭載されているGCL81の機能について説明する。GCL81は、演出制御用CPU101からの指示に従って、動画像データを用いた動画像による各種の演出を実行する機能を有している。
【0105】
図12(A)は、動画像による一連の遊技演出に用いられる動画像データを構成する部分動画像データの例を示す説明図である。図12(B)は、動画像による一連の遊技演出に用いられる動画像データの例を示す説明図である。本例では、動画像による特定の場面を再生させるための部分動画像データとして、図12(A)に示すようにGOPが予め複数種類設けられている。そして、図12(B)に示すように、動画像による遊技演出を実行するための動画像データであるシーケンスは、予め設けられている複数のGOPを所定の順番に配列させた構成とされている。すなわち、本例の動画像演出で用いられる動画像データとしての各シーケンスは、特定の場面を再生させるための部分動画像データであるGOPの一部又は全部が所定の順番に配列されている部分を含む構成とされている。従って、各シーケンスは、シーケンスヘッダ、MPEG2機能拡張情報、シーケンスエンドに、予め設けられているGOPを1又は2以上組み込むことによって生成される。このような各シーケンスは、例えば、複数のGOPや配列順番に関する情報等をCGROM86に格納しておき、遊技演出を実行するときにGCL81の機能によって生成するようにすればよい。
【0106】
上記のように構成すれば、GCL81が、遊技演出を実行するときに、当該遊技演出を実行するためのシーケンスを生成し、生成したシーケンスに配された各GOPに基づいて、各GOPが示す場面を順次再生する。このように再生処理を行うことで、動画像による一連の表示演出が実行される。上記のように構成しているので、1つの部分動画像データを複数種類の動画像による遊技演出に使用することができるようになり、CGROM86に格納される動画像データ全体のデータ量を削減することができる。
【0107】
また、この例では、図12(A)に示す各部分動画像データ(GOP)は、例えば、1つのキーフレームデータと、1又は複数の前方向予測符号化フレームデータと、1又は複数の双方向予測符号化フレームデータとで構成される。すなわち、各部分動画像データは、再生に用いる最初のピクチャが常にIピクチャとされ、その次以降にBピクチャやPピクチャが用いられる。各ピクチャのピクチャヘッダには、ピクチャの種類を識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。よって、動画像データの必要容量を抑制することができる。
【0108】
なお、各部分動画像データに、複数のキーフレームデータが含まれる構成とされていてもよい。このように構成すれば、キーフレーム毎に分割して部分動画像データを構成する場合と比較して、各ピクチャのピクチャヘッダに格納されている各ピクチャの表示順序に関する情報量を少なくすることができる。
【0109】
図13は、GCL81が実行する動画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。動画像表示領域設定処理は、例えば、動画像データにもとづく動画像による遊技演出が開始されるときに実行される。本例では、シーケンスによる一連の動画像演出が開始される毎に、動画像表示領域設定処理が実行されるものとする。動画像表示領域設定処理において、GCL81は、まず、CGROM86に格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)に領域指定データが設定されているか否かを確認する(ステップS201)。領域指定データは、例えば、各シーケンスにおけるシーケンスヘッダのあとのMPEG2機能拡張情報に含まれている。従って、GCL81は、演出に使用するシーケンスのMPEG2機能拡張情報を確認することで、領域指定データが設定されているか否かを判定することができる。
【0110】
演出に使用する動画像データに領域指定データが設定されていた場合には、GCL81は、領域指定データに従って動画像表示領域を設定する(ステップS202)。つまり、領域指定データには、その領域指定データが設定されているシーケンスにもとづく動画像の表示を行う動画像表示領域を特定するため情報が含まれている。なお、動画像表示領域については、あとで詳しく説明する。
【0111】
図14は、GCL81が実行する動画像表示領域解除処理の例を示すフローチャートである。動画像表示領域の設定を解除するための処理は、例えば、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を終了するときに実行される。本例では、動画像表示領域解除処理において、シーケンスによる一連の動画像演出を終了することを確認したときに、設定されている動画像表示領域を解除する処理が実行されるものとする。動画像表示領域解除処理において、GCL81は、まず、CGROM86に格納されている演出に使用されている動画像データ(シーケンス)において順次読み出されているデータが、シーケンスエンドであるか否かを確認する(ステップS205)。シーケンスエンドであることを確認すると、GCL81は、シーケンスによる一連の動画像演出が終了したものと判断して、動画像表示領域が設定されている場合には、その設定を解除する(ステップS206)。具体的には、例えば、上述したステップS202にてセットされる動画像表示領域の設定中であることを示すフラグをオフ状態とする。この例では、上述したステップS202にて、動画像表示領域の設定中であることを示すフラグのセットと、動画像表示領域の範囲の指定がなされる。
【0112】
図15は、GCL81が実行する復号化処理の例を示すフローチャートである。復号化処理において、GCL81は、まず、後述するフェードインフラグ、フェードアウトフラグ及び静止表示フラグのいずれかがオンであれば(ステップS211aのY)、後述するフェードイン表示時間タイマ、フェードアウト表示時間タイマ、及び静止表示時間タイマのうち、オンしていたフラグに対応するタイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS211b)。タイムアウトしていれば、後述する障害発生フラグと、ステップS211aにてオン状態を確認したフラグとをオフ状態とする(ステップS211c)。
【0113】
一方、GCL81は、後述するフェードインフラグ、フェードアウトフラグ及び静止表示フラグの全てがオフであれば(ステップS211aのN)、CGROM86に格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)からピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS212)。ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番と復号化される順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャを復号化したあとに復号化される。
【0114】
読み出したピクチャデータが静止表示対象ピクチャであれば(ステップS213のY)、GCL81は、静止表示フラグをオン状態とし(ステップS214)、静止表示時間タイマをスタートさせる(ステップS215)。
【0115】
静止表示対象ピクチャとは、所定期間継続して静止表示させるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。静止表示対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャが静止表示対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0116】
静止表示フラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、静止表示処理(図15及び図16に示す処理において、静止表示フラグがオン状態とされてからオフ状態とされるまでの一連の処理)の実行中であるか否かの判定に用いられるフラグである。
【0117】
静止表示時間タイマは、静止表示対象ピクチャによる静止表示処理を実行する期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、静止表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、静止表示時間を計測する。
【0118】
ステップS212にて読み出したピクチャデータがフェードイン対象ピクチャであれば(ステップS216のY)、GCL81は、フェードインフラグをオン状態とし(ステップS217)、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化する(ステップS218)。なお、復号化を行うときには、動画圧縮・伸張部89は、対象となるピクチャデータがIピクチャデータであるか、Pピクチャデータであるか、Bピクチャデータであるかに応じた復号化処理を実行する。
【0119】
復号化すると、GCL81は、復号化したピクチャデータが正常であるか否か確認する(ステップS227a)。具体的には、例えば、復号化されたピクチャデータが1フレーム分存在しない場合や、復号化されたデータの一部または全部が破壊されている場合には、正常でないと判断する。復号化したピクチャデータが正常でないと判断した場合には、GCL81は、障害発生フラグをオン状態とするとともに、フェードイン表示時間タイマをスタートさせる(ステップS228a)。一方、復号化したピクチャデータが正常であった場合には、GCL81は、障害発生フラグがオン状態であればオフ状態とするとともに(ステップS229a)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定のフェードイン対象静止画像格納エリアに格納する(ステップS219)。
【0120】
フェードイン対象ピクチャとは、フェードイン処理に用いるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。フェードイン対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャがフェードイン対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0121】
フェードインフラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、フェードイン処理を実行するか否かの判定に用いられるフラグである。
【0122】
フェードイン対象静止画像格納エリアは、フェードイン対象静止画像であるフェードイン対象ピクチャをフレーム単位で格納するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。
【0123】
フェードイン表示時間タイマは、障害が発生していなければ実行されていたフェードイン対象ピクチャにもとづくフェードイン表示の実行期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、フェードイン表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、フェードイン表示時間を計測する。
【0124】
障害発生フラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、ピクチャデータの復号化が正常に行われなかったときにオン状態とされ、復号化が正常に行われるようになったときにオフ状態とされるフラグである。
【0125】
ステップS212にて読み出したピクチャデータがフェードアウト対象ピクチャであれば(ステップS220のY)、GCL81は、フェードアウトフラグをオン状態とし(ステップS221)、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化する(ステップS222)。
【0126】
復号化すると、GCL81は、復号化したピクチャデータが正常であるか否か確認する(ステップS227b)。具体的には、例えば、復号化されたピクチャデータが1フレーム分存在しない場合や、復号化されたデータの一部または全部が破壊されている場合には、正常でないと判断する。復号化したピクチャデータが正常でないと判断した場合には、GCL81は、障害発生フラグをオン状態とするとともに、フェードアウト表示時間タイマをスタートさせる(ステップS228b)。一方、復号化したピクチャデータが正常であった場合には、GCL81は、障害発生フラグがオン状態であればオフ状態とするとともに(ステップS229b)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定のフェードアウト対象静止画像格納エリアに格納する(ステップS223)。
【0127】
フェードアウト対象ピクチャとは、フェードアウト処理に用いるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。フェードアウト対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャがフェードアウト対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0128】
フェードアウトフラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、フェードアウト処理を実行するか否かの判定に用いられるフラグである。
【0129】
フェードアウト対象静止画像格納エリアは、フェードアウト対象静止画像であるフェードアウト対象ピクチャをフレーム単位で格納するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。
【0130】
フェードアウト表示時間タイマは、障害が発生していなければ実行されていたフェードアウト対象ピクチャにもとづくフェードアウト表示の実行期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、フェードアウト表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、フェードアウト表示時間を計測する。
【0131】
ステップS212にて読み出したピクチャデータが、静止表示フラグ、フェードイン対象ピクチャ又はフェードアウト対象ピクチャの何れでもなければ(ステップS220のN)、GCL81は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化する(ステップS224)。
【0132】
復号化すると、GCL81は、復号化したピクチャデータが正常であるか否か確認する(ステップS227c)。具体的には、例えば、復号化されたピクチャデータが1フレーム分存在しない場合や、復号化されたデータの一部または全部が破壊されている場合には、正常でないと判断する。復号化したピクチャデータが正常でないと判断した場合には、GCL81は、障害発生フラグをオン状態とする(ステップS228c)。一方、復号化したピクチャデータが正常であった場合には、GCL81は、障害発生フラグがオン状態であればオフ状態とするとともに(ステップS229c)、展開領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に、復号化したピクチャデータをフレーム単位で展開する(ステップS225)。そして、GCL81は、展開領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、展開領域指定ポインタの値を更新する(ステップS226)。
【0133】
なお、画像メモリは、再生に用いる画像データをフレーム単位で展開するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。画像メモリには、フレーム単位で画像データを展開するための展開領域が複数設けられている。展開領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、復号化した画像データを展開する展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、展開領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、ステップS226にて、展開領域指定ポインタの値が、復号化された画像データが再生される順番で画像メモリに展開されるような値に更新される。そして、GCL81によって、次回の復号化処理のステップS225にて、展開領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が画像データを展開する領域として選択される。
【0134】
具体的には、例えばIピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャ、Pピクチャの順番で再生される場合には、Iピクチャ、Pピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャの順番で復号化されることになる。この場合、Iピクチャの画像データを画像メモリに展開したあと展開領域指定ポインタの値を3加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にPピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を2減算し、減算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB1ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を1加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB2ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を次に復号化されるピクチャに応じて更新するようにすればよい。なお、展開領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。
【0135】
上記のように、ピクチャデータを復号化したときにデータ破壊などの障害が発生した場合には、正常に復号化されるようになるまで、障害発生フラグをオン状態とする構成とされている。なお、障害が発生したピクチャデータが、静止表示対象ピクチャ、フェードイン対象ピクチャ、あるいはフェードアウト対象ピクチャであった場合には、それぞれ、障害が発生していなかったとしたら静止表示、フェードイン表示、あるいはフェードイン表示が実行されていたはずであった期間中は障害発生フラグをオフ状態とする構成とされている。
【0136】
図16は、GCL81が実行する動画再生処理の例を示すフローチャートである。動画再生処理において、GCL81は、障害発生フラグがオン状態でなければ、その後の各処理を実行する(ステップS250)。すなわち、フェードインフラグがオン状態であれば(ステップS251のY)、後述するフェードイン処理を実行する(ステップS252)。また、フェードアウトフラグがオン状態であれば(ステップS253のY)、後述するフェードアウト処理を実行する(ステップS254)。
【0137】
フェードインフラグ及びフェードアウトフラグがともにオン状態でなければ(ステップS253のN)、GCL81は、動画像表示領域が設定されているか否かを確認する(ステップS255)。具体的には、動画像表示領域が設定されているか否かを示すフラグの状態を確認する。動画像表示領域が設定されていれば、GCL81は、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いて、LCD6の表示領域内に設定されている動画像表示領域に画像を表示する(ステップS256)。つまり、動画像データを用いた動画像による演出が開始されるときに上述したステップS202にて動画像表示領域が設定されている場合には、その設定された動画像表示領域に、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータに基づく画像を表示する。
【0138】
ステップS255にて動画像表示領域が設定されていなければ、GCL81は、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いてLCD6に画像を表示する(ステップS257)。
【0139】
次いで、GCL81は、静止表示フラグがオン状態であれば(ステップS258のY)、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理中であるので、静止表示時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS259)。静止表示時間タイマがタイムアウトしていた場合には、GCL81は、静止表示フラグをオフ状態とし(ステップS260)、再生領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、再生領域指定ポインタの値を更新する(ステップS261)。なお、静止表示時間タイマがタイムアウトしていなければ、静止表示処理を継続して実行するために、再生領域指定ポインタの値は更新しない。
【0140】
再生領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、動画再生を行うために次に用いられる画像データが展開されている展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、再生領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、ステップS261にて再生領域指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、再生領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。そして、GCL81によって、ステップS256またはステップS257にて、再生領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が、動画再生のために次に使用する画像データが格納されている領域として選択される。
【0141】
なお、上述した動画再生処理は、例えば、上述した復号化処理のあとに続けて実行される。ただし、画像データが復号化される順番と再生される順番が異なるので、動画再生処理よりも復号化処理が少なくとも数回分先行して実行される必要がある。この復号化処理及び動画再生処理は、動画像による遊技演出が行われるときに呼び出されて繰り返し実行される。復号化処理及び動画再生処理が繰り返し実行されることで、LCD6の画面上に、圧縮されている動画像データに基づく動画像が表示され、遊技演出が実行される。
【0142】
上記のように、障害発生フラグがオン状態とされているときには、動画再生のための画像表示を行う処理が実行されない構成とされている。従って、復号化されたピクチャデータが不正常であり正常な画像表示ができないにもかかわらず、動画再生のための画像表示に関する処理が実行されてしまうことが防止される。すなわち、障害が発生しているのにもかかわらず無駄な動作が実行されることが防止される。
【0143】
次に、演出制御手段によるフェードイン処理について説明する。図17は、GCL81が実行するフェードイン処理の例を示すフローチャートである。フェードイン処理は、例えば、静止画像による演出と動画像による演出とが切り替わるときに実行される。ここでは、フェードイン処理として、静止画像による演出が終了して動画像による演出に切り替わる際に、フェードイン対象静止画像の透明度(透過度)を徐々に低下させていくようにして、フェードイン対象静止画像が徐々にはっきりと表れるようにするための処理が実行される。なお、フェードイン対象静止画像には、例えば、演出に用いられる動画像のうち最初に表示される画像とされる。この場合、シーケンスにおいて最初に再生されるピクチャがフェードイン対象静止画像とされる。
【0144】
フェードイン処理において、GCL81は、フェードイン対象静止画像格納エリアに格納されているフェードイン対象静止画像の画像データを読み出すとともに、中間画像として予め定められている画像データを読み出す(ステップS231)。中間画像には、例えば、青や白などの単一色の背景画像が用いられる。
【0145】
次いで、GCL81は、透明化演算処理を実行することによってフェードイン画像を作成する(ステップS232)。透明化演算処理として、本例では、図18に示すような演算を行う。透明化演算処理では、フェードイン対象静止画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図18に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値にフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードイン画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードイン対象静止画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、N=33であった場合には、その位置のフェードイン画像のピクセルデータは(R,G,B=200,140,140)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0146】
なお、図18に示す「N」は、フェードイン画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「N」が「0」であるときにフェードイン画像がフェードイン対象静止画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「N」が「99」であるときにフェードイン画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる図18に示す数式の「N」を「99」から「0」にかけて順次減算していくと、演算結果により得られるフェードイン画像は、中間画像がフェードイン対象静止画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「N」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図18に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0147】
また、図18に示す透明化演算処理に用いられる数式は、フェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図18に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値をフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0148】
この例では、フェードイン処理での透明化演算処理を、図18に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図18に示す数式を用いると、Nの値を小さくしていくに連れて、中間画像から直線的にフェードイン対象静止画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるようになるが、例えば、中間画像から曲線的にフェードイン対象静止画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0149】
透明化演算処理によってフェードイン画像を作成すると、GCL81は、作成したフェードイン画像をLCD6に表示させる処理を実行する(ステップS233)。なお、本例では、ステップS233にてフェードイン画像を表示する場合、GCL81は、上述したステップS255と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS256と同様にして、設定されている動画像表示領域にフェードイン画像を表示する。
【0150】
そして、GCL81は、図18に示す数式のNの値を確認し(ステップS234)、Nの値が0でなければ、次のタイミングで実行されるフェードイン処理によってフェードイン対象静止画像の透明度をさらに低下させるためにNの値を1減算した値に更新する(ステップS235)。一方、Nの値が0となっていれば、全く透明化されていない完全な状態でフェードイン対象静止画像がはっきりと表示された状態となっており、そのフェードイン対象静止画像を徐々に出現させていく一連のフェードイン処理が終了しているので、次回の一連のフェードイン処理を実行するときのために、Nの値を初期値である「99」に更新しておく(ステップS236)。さらに、一連のフェードイン処理が終了したので、フェードインフラグをオフ状態とする(ステップS237)。
【0151】
なお、上述したフェードイン処理は、例えば、演出制御プロセス処理内における図柄変動中処理にてコールされる。フェードイン処理が開始される所定のタイミングで最初にコールされ、その後は、所定期間毎(例えば、10ms毎)に所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返しコールされる。繰り返しコールされる度に減算されたNの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、フェードイン処理が繰り返し実行されることで、フェードイン対象静止画像の透明度が徐々に低下していくフェードイン表示がなされることになる。例えば、可変表示演出中に動画像による演出を開始するときに、フェードイン処理によって、フェードイン対象静止画像とされている動画像における最初の画像が徐々に出現してくるような表示がなされる。そして、最終的に、フェードイン対象静止画像が、透明度の低下していない完全な状態で表示される。その後、フェードイン対象静止画像を最初の画像とする動画像の再生が実行される。なお、繰り返し実行される一連のフェードイン処理を「フェードイン処理」という場合がある。
【0152】
図19は、フェードイン処理が実行されているときにおけるLCD6の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、フェードイン処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、フェードイン対象静止画像として、動画像演出に用いられる動画像における最初の画像である人物の画像が用いられ、中間画像として、例えば白の単一色の画像が用いられる。
【0153】
フェードイン画像による演出を実行する場合には、静止画像による表示演出が終了したあと、図19(A)に示すようにLCD6に中間画像が表示し、フェードイン処理が開始される。フェードイン処理が開始されると、中間画像から図19(B)に示すようにフェードイン対象静止画像が現れてきて、図19(C)に示すように徐々にはっきりと表示されていくフェードイン画像が表示される。そして、最終的には、図19(D)に示すように、フェードイン画像として、全く透明化されていない完全に不透明化された状態で人物の画像が表示される。なお、図19(A)に示すフェードイン画像は上述した透明化演算処理がN=99で実行されたことにより得られた画像であり、図19(B)は透明化演算処理が例えばN=66で実行されたことにより得られた画像であり、図19(C)は透明化演算処理が例えばN=33で実行されたことにより得られた画像であり、図19(D)は透明化演算処理が例えばN=0で実行されたことにより得られた画像である。
【0154】
図19(D)に示す不透明化された状態で人物の画像が表示されてフェードイン処理が終了すると、本例では、最終的に表示されているフェードイン画像を初期画像とする動画像による演出が開始される。すなわち、例えば、不透明化された状態で表示されている人物が動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD6に表示される。
【0155】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードイン表示を行う構成としたことで、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードイン表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。また、動画像データのデータ量が増大してしまうようなことがないため、フェードイン表示の実行期間を短くする必要がなくなり、演出期間が十分に確保されているフェードイン表示を行うことができる。よって、フェードイン表示を円滑に行うことができる。
【0156】
また、上述したように、フェードイン処理にて、所定の中間画像を介して段階的に画像を出現させるように構成されているので、徐々に画像が現れてくる様子を容易に視認することができるようなフェードイン表示を行うことができる。
【0157】
次に、演出制御手段によるフェードアウト処理について説明する。図20は、GCL81が実行するフェードアウト処理の例を示すフローチャートである。フェードアウト処理は、例えば、静止画像による演出と動画像による演出とが切り替わるときに実行される。ここでは、フェードアウト処理として、動画像による演出が終了して静止画像による演出に切り替わる際に、フェードアウト対象静止画像の透明度を徐々に高めていくようにして、フェードアウト対象静止画像が徐々に消失していくようにするための処理が実行される。なお、フェードアウト対象静止画像には、例えば、演出に用いられる動画像のうち最後に表示される画像とされる。この場合、シーケンスにおいて最後に再生されるピクチャがフェードアウト対象静止画像とされる。
【0158】
フェードアウト処理において、GCL81は、フェードアウト対象静止画像格納エリアに格納されているフェードアウト対象静止画像の画像データを読み出すとともに、中間画像として予め定められている画像データを読み出す(ステップS241)。中間画像には、例えば、青や白などの単一色の背景画像が用いられる。
【0159】
次いで、GCL81は、透明化演算処理を実行することによってフェードアウト画像を作成する(ステップS242)。透明化演算処理として、本例では、図21に示すような演算を行う。透明化演算処理では、フェードアウト対象静止画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図21に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値にフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードアウト画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、M=66であった場合には、その位置のフェードアウト画像のピクセルデータは(R,G,B=220,150,150)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0160】
なお、図21に示す「M」は、フェードアウト画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「M」が「0」であるときにフェードアウト画像がフェードアウト対象静止画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「M」が「99」であるときにフェードアウト画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる図21に示す数式の「M」を「0」から「99」にかけて順次加算していくと、演算結果により得られるフェードアウト画像は、フェードアウト対象静止画像が中間画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「M」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図21に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0161】
また、図21に示す透明化演算処理に用いられる数式は、フェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図21に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値をフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0162】
この例では、フェードアウト処理での透明化演算処理を、図21に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図21に示す数式を用いると、Mの値を大きくしていくに連れて、フェードアウト対象静止画像から直線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるようになるが、例えば、フェードアウト対象静止画像から曲線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0163】
透明化演算処理によってフェードアウト画像を作成すると、GCL81は、作成したフェードアウト画像をLCD6に表示させる処理を実行する(ステップS243)。なお、本例では、ステップS243にてフェードアウト画像を表示する場合、GCL81は、上述したステップS255と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS256と同様にして、設定されている動画像表示領域にフェードアウト画像を表示する。
【0164】
そして、GCL81は、図21に示す数式のMの値を確認し(ステップS244)、Mの値が99でなければ、次のタイミングで実行されるフェードアウト処理によってフェードアウト対象静止画像の透明度をさらに高めるためにMの値を1加算した値に更新する(ステップS245)。一方、Mの値が99となっていれば、完全に透明化されてフェードアウト対象静止画像による画像が消失した状態となっており、そのフェードアウト対象静止画像を徐々に消失させていく一連のフェードアウト処理が終了しているので、次回の一連のフェードアウト処理を実行するときのために、Mの値を初期値である「0」に更新しておく(ステップS246)。さらに、一連のフェードアウト処理が終了したので、フェードアウトフラグをオフ状態とする(ステップS247)。
【0165】
なお、上述したフェードアウト処理は、例えば、演出制御プロセス処理内における図柄変動中処理にてコールされる。フェードアウト処理が開始される所定のタイミングで最初にコールされ、その後は、所定期間毎(例えば、10ms毎)に所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返しコールされる。繰り返しコールされる度に加算されたMの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、フェードアウト処理が繰り返し実行されることで、フェードアウト対象静止画像の透明度が徐々に高められていくフェードアウト表示がなされることになる。例えば、可変表示演出中に動画像による演出が実行され、その動画像による演出が終了するときに、フェードアウト処理によって、フェードアウト対象静止画像とされている動画像における最後の画像が徐々に消失しているような表示がなされる。そして、最終的に、フェードアウト対象静止画像が完全に透明化され、中間画像が表示された状態となる。すると、動画像による遊技演出が終了し、例えば、静止画像による演出が開始される。なお、繰り返し実行される一連のフェードアウト処理を「フェードアウト処理」という場合がある。
【0166】
図22は、フェードアウト処理が実行されているときにおけるLCD6の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、フェードアウト処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、フェードアウト対象静止画像として、動画像演出に用いられる動画像における最後の画像である人物の画像が用いられ、中間画像として、例えば白の単一色の画像が用いられる。
【0167】
フェードアウト画像による演出を実行する場合には、図22(A)に示すように、再生されていた動画像の最後の画像が表示されたときに、フェードアウト処理が開始される。フェードアウト処理が開始すると、図22(B)に示すようにフェードアウト対象静止画像が徐々にぼやけてきて、図22(C)に示すように徐々に視認しにくい状態となっていく表示状態とされていくようなフェードアウト画像が表示される。そして、最終的には、図22(D)に示すように、フェードアウト画像として、完全に透明化されて人物の画像が消失した状態の画像であって、中間画像と同一の画像が表示される。なお、図22(A)に示すフェードアウト画像は上述した透明化演算処理がM=0で実行されたことにより得られた画像であり、図22(B)は透明化演算処理が例えばM=33で実行されたことにより得られた画像であり、図22(C)は透明化演算処理が例えばM=66で実行されたことにより得られた画像であり、図22(D)は透明化演算処理が例えばM=99で実行されたことにより得られた画像である。
【0168】
図22(D)に示す中間画像と同一のフェードアウト画像が表示されてフェードアウト処理が終了すると、例えば静止画像による演出など、この後の演出が開始される。なお、フェードアウト処理が終了したことによって演出が終了するようにしてもよい。
【0169】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードアウト表示を行う構成としたことで、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードアウト表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。また、動画像データのデータ量が増大してしまうようなことがないため、フェードアウト表示の実行期間を短くする必要がなくなり、演出期間が十分に確保されているフェードアウト表示を行うことができる。よって、フェードアウト表示を円滑に行うことができる。
【0170】
また、上述したように、フェードアウト処理にて、段階的に画像を消滅させて所定の中間画像を表示させるように構成されているので、徐々に画像が消失していく様子を容易に視認することができるようなフェードアウト表示を行うことができる。
【0171】
本例の遊技機では、上述した復号化処理と動画再生処理とが実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行される。すなわち、動画像データに含まれている予め定められた1フレーム分の画像データにもとづく画像表示が繰り返し実行されることで、同一画像が所定期間継続して表示されることになり、動画像データに含まれている画像データを用いた静止表示が実現される。
【0172】
静止表示対象ピクチャは、例えば、演出に用いられる動画像において、表示画像の変化が所定期間ないような場面を示す画像とされる。静止表示対象ピクチャによる静止表示対象画像が所定期間表示されると、静止表示対象ピクチャのあとに設けられている各ピクチャによって動画表示が実行される。
【0173】
図23は、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行されるときのLCD6の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、静止表示対象ピクチャによる静止表示対象画像の静止表示処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、静止表示対象画像として、動画像演出における表示画像の変化が所定期間ない場面を構成する人物の画像が用いられる。
【0174】
静止表示対象画像による演出を実行する場合には、図23(A)及び図23(B)に示すように例えば人物が動作している動画象が表示されたあと、図23(C)に示すように動作していた人物が停止した画像が表示される。なお、図23(C)に示す画像は、静止表示対象画像である。
【0175】
図23(C)に示すように静止表示対象画像がLCD6に一旦表示されると、図23(D)及び図23(E)に示すように、静止表示時間タイマがタイムアウトするまで静止表示対象画像が繰り返し継続して表示される。そして、予め定められている所定期間が経過して静止表示時間タイマがタイムアウトすると、図23(F)及び図23(G)に示すように静止していた人物が動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD6に表示され、LCD6にて動画像演出が実行される。
【0176】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成としたことで、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に、そのような場面を表示させるための動画像データを用意しておく必要をなくすことができるので、静止表示を行うための動画像データを削減することができ、動画像データ全体のデータ量を低減させることができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。
【0177】
次に、動画像表示領域について説明する。図24は、ステップS202にて設定される動画像表示領域の例を示す説明図である。図24に示すように、本例では、動画像表示領域は、LCD6の表示領域の特別図柄表示領域内に設けられている。なお、特別図柄表示領域は、特別図柄の可変表示演出が実行される表示領域を意味する。この例では、特別図柄の可変表示演出が実行されている特別図柄表示領域中の動画像表示領域にて、動画像による演出表示が実行される。従って、例えば、可変表示あるいは停止表示している特別図柄の前面側に、動画像による表示キャラクタなどが表示される。
【0178】
図25は、動画像演出を実行しているときの動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、特別図柄表示領域にてリーチ表示がなされたあとのリーチ演出において、動画像による演出表示が実行される場合を例に説明する。動画像による演出表示を実行するか否かは、例えば、演出制御用CPU101が、演出制御プロセス処理において、変動パターンコマンドを受信したときに、受信した変動パターンコマンドの内容に応じて決定する。この決定は、例えば、乱数や、抽出された乱数と比較される動画演出決定用の判定値が設定されたテーブルなどを用いて行うようにすればよい。また、この場合、例えば、変動パターンコマンドが大当りとすることを示している場合やリーチとすることを示している場合には、高確率で動画像による演出表示を行うことに決定されるように、動画演出決定用の判定値が設定されたテーブルを複数用意するようにしてもよい。さらに、動画像による演出表示を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、例えば使用するシーケンスを選択するなどして演出態様を決定するとともに、動画像演出の実行開始タイミングを決定する。
【0179】
本例では、特別図柄の可変表示演出において、左右図柄が例えば「7」で揃ってリーチとなり、その後に変動表示されている中図柄が低速変動となって、中図柄の停止位置に「6」が近づいてきたときに動画像によるリーチ演出が開始されるものとする。また、本例では、動画像によるリーチ演出が終了したあと、大当り表示がなされるものとする。
【0180】
先ず、動画像によるリーチ演出を開始するときに、GCL81によって、リーチ演出に用いることに決定されている動画像データ中の領域指定データにもとづいて、動画像表示領域が設定される(ステップS202参照)。例えば、領域指定データにもとづいて、上述した図24に示されているように、中図柄の可変表示領域に動画像表示領域が設定される。
【0181】
この例では、特別図柄表示領域にて、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、最終停止図柄である中図柄が低速変動され、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「6」が表示されているときに(図25(A))、動画像データに基づく動画像演出が開始される。動画像演出が開始されると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されていた特別図柄の画像(図25(A))から、動画像演出における最初の画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最初の画像として、例えば図25(B)に示すような「6」を模したキャラクタ画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図25(A)に示すようなリーチ表示中に低速変動されてきた中図柄の「6」を示す画像が、図25(B)に示すような「6」を模したキャラクタを示す画像に切り替えられる。
【0182】
次いで、GCL81によって、動画像演出における最初の画像から、動画像データに基づく動画演出が実行される。例えば、図25(C)に示すような「7」を模したキャラクタが現れ、「6」を模したキャラクタを動画像表示領域から追い出していく映像が動画再生される。そして、「6」を模したキャラクタが動画像表示領域から完全に消失し、「6」を模したキャラクタを追い出した「7」を模したキャラクタが、動画像表示領域の中心位置(例えば特別図柄表示領域における図柄停止位置)に移動していくような映像が動画再生される。動画像演出において、最終的に、図25(D)に示すような、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示される。
【0183】
動画像データに基づく動画像のうちの最終画像(例えば図25(D)に示す画像)が表示され、動画像によるリーチ演出が終了すると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されている動画像演出における最後の画像(例えば図25(D)に示す画像)から、所定の特別図柄を示す画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最後の画像から切り替えられる特別図柄を示す画像として、例えば図25(E)に示すような「7」の中図柄を示す画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図25(D)に示すような「7」を模したキャラクタの画像が、図25(E)に示すような仮停止状態の中図柄としての「7」を示す画像に切り替えられる。そして、この例では、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。その後、大当り遊技に移行する。
【0184】
上記のように、特別図柄が表示される特別図柄表示領域の一部に、動画像を表示するための動画像表示領域を設定し、動画像表示領域に、キャラクタ等が登場する動画像の動画再生を行う構成としたので、動画像による演出を目立つようにすることができ、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、遊技者の注意を動画像による演出に向けさせることができるようになる。このように、遊技者の注意を動画像に引き付けさせることができるので、動画像による演出を有効なものとすることができ、動画像による演出を用いてリーチ演出などの様々な報知を行うことができる。
【0185】
また、上述したように、特別図柄表示領域の表示態様がリーチ表示態様となったあと最後に停止する図柄が低速変動状態となっているときに、特別図柄表示領域における動画像表示領域の表示を動画像による演出表示に切り替え、特別図柄表示領域の表示態様がリーチ表示態様となっている期間中に、リーチ演出として、動画像表示領域にてキャラクタ画像を用いた動画演出を実行するようにしたので、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、動画像によるリーチ演出を目立つようにすることができる。よって、動画像によるリーチ演出を有効なものとすることができる。
【0186】
図26は、動画再生中に障害が発生した場合の動画再生状態の例を示す説明図である。図26に示すように、動画像データにもとづく動画再生が実行されている場合において、GOP1内のピクチャデータを復号化したデータが破壊されているなどの障害が発生すると、GOP1内の他のピクチャデータが正常に復号化されなくなる事態が生じ、動画再生画像の表示を行うことができない再生不能状態となる。その後、GOP1内の各ピクチャデータが正常に復号化できない状態が継続する。GOP1にもとづく動画再生が終了し、次に用いられるGOP8にもとづく動画再生が開始されると、動画再生画像の表示が再開される。すなわち、GOP8内のピクチャデータを復号化する際には、GOP1内の復号化データを用いることがないため、障害が発生したGOP1内の復号化データの影響を受けることなく、GOP8内のピクチャデータが復号化される。また、GOP8内の各ピクチャデータのうち、最初に表示が実行されるピクチャデータには、キーフレームデータが設定されているので、キーフレームデータの使用タイミングを把握することができる。そのキーフレームデータの使用タイミングが、動画再生の再開タイミングとなる。よって、GOP8にもとづく動画再生の処理開始タイミングから動画再生が再開されることになる。
【0187】
図27は、本発明の概要を示す概念図である。図27に示すように、遊技機は、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置9Aと、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段83aと、圧縮データ格納手段83aに格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段89aと、データ伸張手段89aにより伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置9Aに順次表示させることによって動画再生処理を行うデータ再生手段101bとを備える。動画像による一連の表示演出を行うための動画像データは、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データとして圧縮データ格納手段83aに格納されている。また、データ再生手段101bは、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開する。
【0188】
以上説明したように、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データによって動画像データを構成し、部分動画像データの復号化の際に障害が発生したことにより動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開するように構成されているので、データ圧縮された動画像データを用いた画像表示の実行中に何らかの障害が発生して表示が不能となったときでも、動画像データに基づく動画再生を所定のタイミングで再開させることができるようになる。よって、障害の発生した場合であっても、一連の表示演出の全てが実行不能となってしまうことを回避することができ、障害の発生によって受ける影響を極力軽減させることができる。
【0189】
すなわち、複数の部分動画像データに分割することなく、一連の表示演出を実行する動画像データによって動画再生を行う場合には、ピクチャデータの復号化の際にデータ破壊などの障害が発生すると、その後は、ピクチャヘッダの格納情報によってもキーフレームの再生時期を特定することができなくなり、次に用いられるキーフレームから動画再生を再開するといった処理を行うことは不可能となる。上述した実施の形態では、部分動画像データが切り替わる時期を特定することで、障害発生後におけるキーフレームの再生時期を特定することができる。従って、障害発生後の部分動画像データの切替時において、その部分動画像データに含まれているキーフレームから動画再生を再開することができるようになる。
【0190】
なお、上述した実施の形態では、図柄変動中処理(ステップS803)にて動画像データにもとづく動画像による演出が実行されるとしていたが、具体的には、例えば、可変表示演出、リーチ演出、予告演出などにおいて、動画像による演出が実行される。リーチ演出や予告演出を動画再生によって実行する構成とした場合には、遊技者の関心が高いリーチ演出や予告演出にて動画像による演出を行うことができ、動画像による遊技演出を効果的に使用することができるようになる。
【0191】
また、リーチ演出における特別図柄の可変表示演出が動画像による演出によって行われるように構成されていてもよい。このように構成されていれば、遊技者の関心が高いリーチ演出を含む可変表示演出にて動画像による演出を行うことができ、動画像による遊技演出を効果的に使用することができるようになる。
【0192】
また、上述した実施の形態では、障害が発生して障害発生フラグがオン状態とされたあとは、所定期間が経過したとき(例えばステップS211bのY)、あるいは正常に復号化がなされたとき(例えばステップS227cのY等)に、障害発生フラグをオフ状態として動画再生を再開させる構成としていたが、障害発生時の後、次のGOPを用いるときに障害発生フラグをオフ状態とするようにしてもよい。この場合、例えば、障害が発生して障害発生フラグがオン状態とされたあと、GOPヘッダを読み出したときに障害発生フラグをオフ状態とするようにすればよい。
【0193】
また、上述した実施の形態では、動画像表示領域が、特別図柄表示領域における中図柄の表示領域に設定される構成としていたが、特別図柄表示領域内の領域であれば、例えば特別図柄表示領域における中図柄及び右図柄の表示領域など、どのような領域に設定されるようにしてもよい。また、動画像データによって設定される動画像表示領域が異なる構成としてもよい。この場合、動画像データ内に設定される領域指定データを異ならせるようにすればよい。
【0194】
また、上述した実施の形態では、特別図柄の表示状態がリーチ状態となっているときに、動画像表示領域での動画像による演出表示が実行されるものとして説明していたが、特別図柄の表示状態が図柄変動中処理における他の状態となっているときに実行されるようにしてもよい。例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。また、図柄変動中処理以外の処理が実行されているときの演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。この場合、可変表示ゲームの実行中には限らないが、演出において特別図柄が表示されているときに、動画像表示領域にて動画像データに基づく動画像演出が実行されることが好ましい。
【0195】
また、上述したように、フェードイン表示やフェードアウト表示を動画像表示領域にて行うようにしてもよい。この場合、例えば、図25(A)に示した画像が中間画像に差し替えられたあと、図25(B)に示した画像が徐々に出現してくるようなフェードイン表示がなされるようになる。また、例えば、図25(D)に示した画像が徐々に消失していくようなフェードアウト表示がなされて中間画像が表示されたあと、その中間画像から図25(E)に示した画像に差し替えられるような表示がなされるようになる。上記のように構成すれば、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、フェードイン表示やフェードアウト表示を動画像表示領域に表示するなどの多彩な演出を行うことができるようになる。
【0196】
また、上述した実施の形態において、1つのピクチャにもとづく静止表示を動画像表示領域にて行うようにしてもよい。この場合、例えば、図25(B)に示した画像を示すピクチャを静止対象ピクチャとし、図25(B)に示した画像が所定期間静止する静止表示がなされるようにすればよい。上記のように構成すれば、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、動画像表示領域に1つのピクチャを用いた静止表示を行うなどの多彩な演出を行うことができるようになる。
【0197】
また、上述したように、複数の部分動画像データによって一の演出を実行するための動画像データが構成されるようにしているので、CGROM86に格納される動画像データ全体のデータ量を削減することができる。また、上述した実施の形態では、そのような複数の部分動画像データによって構成される動画像データを用いて、上述したフェードイン表示、フェードアウト表示、および1のピクチャにもとづく静止表示を実行するようにしているので、動画像データのデータ量を大幅に削減することができる。さらに、上述した実施の形態では、上記のような複数の部分動画像データによって構成される動画像データを用いて動画像表示領域での演出表示を実行するようにしているので、データ量が削減された動画像データを用いて目立つ演出を実行することができるようになる。
【0198】
また、上述したように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードイン表示を行う構成として動画像データのデータ量を増大させることなくフェードイン表示を行うようにし、かつ、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成として静止表示を行うための動画像データを削減するようにしたので、動画像データ全体のデータ量を大幅に低減させることができる。
【0199】
また、上述したように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードアウト表示を行う構成として動画像データのデータ量を増大させることなくフェードアウト表示を行うようにし、かつ、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成として静止表示を行うための動画像データを削減するようにしたので、動画像データ全体のデータ量を大幅に低減させることができる。
【0200】
なお、上述した実施の形態では、静止画像による演出から動画像による演出に切り替えるときにフェードイン表示を行う構成としていたが、逆に、動画像による演出から静止画像による演出に切り替えるときに、静止画像を徐々に出現させるフェードイン表示を行う構成としてもよい。
【0201】
また、上述した実施の形態では、動画像による演出から静止画像による演出に切り替えるときにフェードアウト表示を行う構成としていたが、逆に、静止画像による演出から動画像による演出に切り替えるときに静止画像を徐々に消失させるフェードアウト表示を行う構成としてもよい。
【0202】
また、上述した実施の形態では、例えば図柄変動中処理等に動画像による演出が実行され、フェードイン処理やフェードアウト処理が実行されるものとして説明していたが、例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出等の様々な演出において、上述したフェードイン処理やフェードアウト処理によるフェードイン表示やフェードアウト表示を用いた演出を行うようにしてもよい。
【0203】
例えば、スーパーリーチと呼ばれる大当り信頼度の高いリーチへの発展時にフェードイン表示を実行し、フェードイン表示の後に動画像による演出を実行し、その動画像による演出の終了時にフェードアウト表示を行うようにしてもよい。また、例えば、デモンストレーション画像を表示するときにフェードイン表示を実行し、フェードイン表示の後に動画像によるデモンストレーション演出を実行し、その動画像による演出の終了時にフェードアウト表示を行うようにしてもよい。
【0204】
また、上述した実施の形態では、例えば図柄変動中処理等に動画像による演出が実行され、静止表示処理が実行されるものとして説明していたが、例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出、デモンストレーション演出等の様々な演出において、上述した静止表示処理による静止表示を用いた演出を行うようにしてもよい。
【0205】
また、上述した実施の形態では、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に静止表示対象画像による静止表示を実行する構成としていたが、変化は全くないときに限らず、例えば動画像演出中に表示画面の変化がほとんどないような場合に静止表示対象画像による静止表示を実行するようにしてもよい。
【0206】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、動画像データは、動画撮影装置によって撮影された実写画像を動画再生するためのデータであっても、アニメーションによる動画を再生するためのデータであってもよく、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって描画されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いたCG画像を動画再生するためのデータであってもよい。実写画像による動画像データを用いる構成とした場合には、人物や動物などの動きをリアルに表現することができるようになる。また、CG画像による動画像データを用いる構成とした場合には、コンピュータグラフィクスによって自由に画像を作成することができるので、実写によっては得ることが困難な画像であっても簡単に作成することができ、必要とする動画像を含めた動画像データを容易に作成することができるようになる。なお、実写画像とCG画像とを組み合わせて動画像データを作成するようにしてもよい。
【0207】
また、上述した実施の形態では、動画像による遊技演出が特別図柄の可変表示が実行される可変表示装置9で行われるものとして説明していたが、特別図柄の可変表示が実行される表示装置とは別個の画像表示装置にて動画像による遊技演出が実行される構成としてもよい。
【0208】
また、上述した実施の形態では、遊技機の例として、識別情報を可変表示する可変表示装置としての機能と演出画像を表示する画像表示装置としての機能とを併せ持つ可変表示装置6を備えたパチンコ遊技機を用いて説明したが、パチンコ遊技機に限られず、可変表示装置と画像表示装置とを別個に備えたスロット機等の他の遊技機においても、本発明を適用することができる。以下、本発明を、他の遊技機の一例であるスロット機に適用した場合の例について説明する。
【0209】
図28はスロット機(スロットマシン)500を正面から見た正面図である。図28に示すように、スロット機500は、中央付近に遊技パネル501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置502が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール502a,502b,502cが設けられている。
【0210】
遊技パネル501の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ521、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、及びコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
【0211】
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526c及びコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、効果音等を出力するスピーカ530が設けられている。
【0212】
遊技パネル501の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)540が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置540に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。本例では、この画像表示装置540に動画像データにもとづく動画像が再生表示される。すなわち、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に復号化処理や動画再生処理が実行されるとともにフェードイン処理やフェードアウト処理による遊技演出が実行されて、画像表示装置540の表示領域にフェードイン表示やフェードアウト表示を含む動画像による各種の表示がなされる。また、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に復号化処理や動画再生処理が実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理に遊技演出が実行されて、画像表示装置540の表示領域に静止表示対象ピクチャを用いた静止表示など、動画像データによる各種の表示がなされる。さらに、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に動画像表示領域設定処理、復号化処理及び動画再生処理が実行されるとともに、設定された動画像表示領域にて動画像による遊技演出が実行されて、画像表示装置540に設定された動画像表示領域に飾り図柄の可変表示におけるリーチ演出に類する演出などの動画像による各種の演出が行われる。なお、画像表示装置540の左右には、効果音を発する2つのスピーカ541L,541Rが設けられている。
【0213】
なお、スロット機500で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機500の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール502a〜502cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール502a〜502cが制御される。
【0214】
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。
例えば、コイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521又はMAXBETスイッチ522が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ525の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、可変表示装置502に設けられている各図柄表示リール502a〜502cが回転を始める。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置540に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
【0215】
各図柄表示リール502a〜502cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール502a〜502cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール502a〜502cが自動的に停止する。
【0216】
すべての図柄表示リール502a〜502cが停止した時点で、可変表示装置502に表示されている各図柄表示リール502a〜502cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置502における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0217】
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置540の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
【0218】
図29は、スロット機500に備えられる主基板(遊技制御基板)600の回路構成の一例を示すブロック図である。図29には、演出制御基板630及びリールユニット650も示されている。なお、主基板600には電源基板や中継基板等の他の基板も接続されるが、図29には示されていない。主基板600は、プログラムに従って制御動作を行うCPU602、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM603、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM604及びI/Oポート部605を含む構成とされている。
【0219】
リールユニット650には、リールモータ651と、リールランプ652と、リールセンサ653とが格納されている。リールモータ651は、各リール502a〜502cを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リール502a〜502cの内部に設けられ、各リール502a〜502cに描かれた図柄のうち、可変表示装置502にて視認される図柄をリールの内側から照らすためのランプである。リールセンサ653は、各リール502a〜502cの回転状態や回転数等を感知するためのセンサである。
【0220】
この実施の形態では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段が、スロット機500に設けられている画像表示装置540の表示制御や、リールランプ652の点灯制御を行う。画像表示装置540には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。この例では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段には、演出制御用のCPUやGCL等が含まれる。したがって、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、上述したパチンコ遊技機と同様に、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を実行することができる構成とされている。なお、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、スロット機500に設けられている各種の遊技効果ランプ550,551,552,553の点灯制御、及びスロット機500に設けられているスピーカ501,541L,541Rの音出力制御を行う。
【0221】
この例では、演出制御基板630は、主基板600から受信した制御コマンドに基づく演出パターンに従って、画像表示装置540や、遊技効果ランプ550等や、スピーカ530等を制御する。画像表示装置540では、所定の画像表示パターン(演出パターンの一例)に従って、飾り図柄の変動表示がなされる。飾り図柄の変動表示演出では、例えば、パチンコ機における特別図柄の変動表示のような図柄組合せ演出表示や、リール502a〜502cの変動表示のような図柄組合せ演出等の演出が実行される。予め複数設けられている演出パターンから何れの演出パターンを用いるかについては、例えば、スタートスイッチ525が操作されたタイミングで、CPU602によって決定される。
【0222】
なお、上述したスロット機500では、動画像データにもとづく動画像による演出等がなされるが、それらの演出は、例えば、入賞していない通常の遊技期間中、レギュラーボーナス入賞によってレギュラーボーナスゲームが行われている期間中、ビッグボーナス入賞によるビッグボーナスゲームが行われている期間中等に実行されるようにすればよい。
【0223】
この例では、例えば、フェードイン処理やフェードアウト処理等によって、画像表示装置540に表示される動画像演出の最初や最後において、動画像データに含まれている画像データを用いたフェードイン表示やフェードアウト表示が実行される。また、例えば、動画像データに含まれている静止対象ピクチャを用いた動画再生処理等によって、画像表示装置540に静止状態の画像を表示する処理が実行される。さらに、この例では、例えば、画像表示装置540に設定された動画像表示領域に動画像データに基づく動画像を表示する処理が実行される。
【0224】
以上説明したように、本発明をスロット機に適用することができ、スロット機に適用した場合であっても上述した各実施の形態における効果を得ることができる。
【0225】
上述した各遊技機は、可変表示装置における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値を遊技者に与える構成とされている。遊技価値とは、例えば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0226】
また、上述した各実施の形態では、第1種に分類される遊技機やスロットマシンについて説明したが、上述したように、所定の遊技の結果として特定結果が得られたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機であって、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類される遊技機などの他の遊技機であってもよい。具体的には、例えば第2種に分類される遊技機として、遊技領域に発射された遊技媒体が入賞しやすい第1の状態と、入賞しない、または入賞しがたい第2の状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、いわゆる可変入賞球装置)を備え、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、遊技球を検出する検出手段が配されている領域)を遊技媒体が通過したことにもとづいて所定の始動態様(例えば、可変入賞球装置が備える大入賞口を1回または2回開放する始動動作を行っている状態や様子を意味する。)にて可変入賞装置を第1の状態に制御し、可変入賞装置に入賞した遊技媒体が複数の領域のうちの特定の領域(例えば、特定の遊技球を検出する検出手段が配されている領域)に進入したことにもとづいて始動態様より遊技者に有利な特定態様で可変入賞装置が第1の状態に制御されるラウンドを所定の上限回数(例えば15回)実行可能な特定遊技状態(例えば、大当り状態)が発生するとともに、ラウンド中において可変入賞装置に入賞した遊技媒体が、特定の領域に進入したことにもとづいて当該ラウンドの終了のあとに次回のラウンドに移行可能となる遊技機であってもよい。
【0227】
なお、上述した実施の形態において、「リーチ態様」とは、複数の可変表示領域の一部の可変表示が停止され、表示された識別情報が特定表示結果の一部を満たしている態様をいう。「リーチ表示状態」とは、可変表示装置において最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定表示態様と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している表示状態、又は、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している表示状態をいう。また、リーチ表示状態において行われる演出をリーチ演出という。さらに、リーチ表示状態やその様子をリーチ表示態様あるいは単にリーチ態様という。
【0228】
また、「特定遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技状態」は、例えば、可変入賞球装置の状態が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態等の、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0229】
さらに、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」は、例えば、特別図柄が大当り図柄でそろう確率が高確率状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置9の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態等の大当りとなる確率が高められている高確率状態である。なお、時短状態は、可変入賞球装置9の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置9の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。
【0230】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、動画像による一連の表示演出を行うための動画像データが、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データとして圧縮データ格納手段に格納されており、データ再生手段が、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開することを特徴とするので、データ圧縮された動画像データを用いた画像表示中に何らかの障害が発生して表示が不能となったときでも、動画再生を再開することができるようになる。よって、障害の発生によって受ける影響を極力軽減させることができる。
【0231】
請求項2記載の発明では、データ再生手段が、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における識別情報の可変表示演出を動画再生処理によって行うように構成されているので、遊技者の関心が高いリーチ演出にて動画像による演出を行うことができ、動画像による遊技演出を効果的に使用することができるようになる。
【0232】
請求項3記載の発明では、各部分動画像データが、それぞれ、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータとを含み、各部分動画像データには、それぞれ複数のキーフレームデータが含まれているので、動画像データの必要容量を抑制することができる。
【0233】
請求項4記載の発明では、キーフレームデータは、部分動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられる構成とされているので、再生される動画像の画像品質を向上させることができるとともに、動画像データのデータ量を削減することができる。
【0234】
請求項5記載の発明では、動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータであるとされているので、コンピュータグラフィクスによって構成される動画像データを使用することができ、必要とする動画像を含めた動画像データを容易に作成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】遊技機を裏面から見た背面図である。
【図3】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】2msタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図8】演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図10】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図11】動画像データのデータ構造の例を示す説明図である。
【図12】動画像データと部分動画像データとの関係を示す説明図である。
【図13】動画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図14】動画像表示領域解除処理の例を示すフローチャートである。
【図15】復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図16】動画再生処理の例を示すフローチャートである。
【図17】フェードイン処理の例を示すフローチャートである。
【図18】フェードイン処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図19】フェードイン処理により作成されるフェードイン画像の表示状態を示す説明図である。
【図20】フェードアウト処理の例を示すフローチャートである。
【図21】フェードアウト処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図22】フェードアウト処理により作成されるフェードイン画像の表示状態を示す説明図である。
【図23】静止表示対象画像の表示状態等を示す説明図である。
【図24】動画像表示領域の設定位置の例を示す説明図である。
【図25】動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。
【図26】動画再生中に障害が発生した場合の動画再生状態の例を示す説明図である。
【図27】本発明の概要を示す概念図である。
【図28】スロット機を正面から見た正面図である。
【図29】スロット機に搭載されている主基板の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
6 可変表示装置(画像表示装置)
30 主基板
33 CPU
60 ランプ制御部
70 音制御部
80 表示制御部
81 GCL
100 演出制御基板
101 演出制御用CPU
500 スロット機
540 画像表示装置
600 主基板
630 演出制御基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とするパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置上に所定の識別情報(以下、表示図柄)を更新表示させることで変動表示を行い、その表示結果により所定の遊技価値を付与するか否かを決定する、いわゆる可変表示ゲームによって遊技興趣を高めたものが数多く提供されている。
【0003】
可変表示ゲームには、主に、前述した表示装置を画像表示装置として用いることにより行うもの(以下、特図ゲーム)がある。特図ゲームは、所定領域を通過する遊技球の検出に伴って表示図柄の更新表示を行い、表示図柄の更新表示が完全に停止した際の停止図柄態様が特定表示態様となっている場合を「大当り」とするゲームである。特図ゲームにおいて「大当り」となると、大入賞口と呼ばれる特別電動役物を作動させ、大入賞口扉を開放状態とする。これによって、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態を一定時間継続的に提供する。
【0004】
以下、特図ゲームにおいて大当りとなり、大入賞口扉が開放状態となることで、遊技者に対して遊技球の入賞が極めて容易となる状態となることを特定遊技状態という。特定遊技状態となるためには、通常、特別図柄表示装置に表示される表示図柄の停止図柄態様が予め定められた特定表示態様となること(一般的には表示図柄が同一図柄で揃うこと)が条件となる。
【0005】
このように、遊技者にとって特図ゲームでは、停止図柄態様が特定表示態様となって「大当り」となるか否かに最大の関心が払われることになる。このため、「大当り」となるか否かを判別することのできる停止図柄態様の確定までの間に、表示図柄の変動態様を異ならせる等の遊技興趣を高めるための様々な演出表示が行われる。
【0006】
このような遊技機では、一般に、遊技状態に応じて、可変表示装置に所定のキャラクタを登場させたり、そのキャラクタを変化させたり、ランプ・LED等の発光体を明滅させたりすることによって各種の遊技演出が行われている。また、可変表示装置に実写画像などの多色画像を表示させることによって遊技演出を行うものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
通常、可変表示装置に多色画像による動画像を表示することによって演出表示を行う場合には、動画像データのデータ量が膨大なものとなるため、遊技演出に用いる動画像データは、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)などの符号化技術によりデータ圧縮された状態で遊技機が備えるROMなどの記憶媒体に格納される。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−184524号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、遊技演出に用いる動画像データは、各遊技演出毎に設けられている。すなわち、特定の遊技演出を行う場合には、対応する特定の動画像データが用いられ、その動画像データにもとづいて所定期間分の動画像を再生させることによって動画像による演出がなされる。
【0010】
上記のように動画像データによって所定期間分の遊技演出が実行されるため、圧縮されている動画像データの伸張が適正になされなかったなどの何らかの障害によって動画像が正常に表示されないような事態が遊技演出中に発生し、動画像の再生が一旦できなくなると、遊技演出の残り期間すべてについて再生表示することができなくなってしまうという課題があった。
【0011】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、データ圧縮された動画像データを用いた表示演出中に何らかの障害によって表示が不能となった場合に、その影響を極力抑えることができる遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による遊技機は、遊技者が所定の遊技を実行可能であり、所定の遊技の結果として特定結果が得られたとき(例えば、左中右図柄が同一の図柄となったとき、第2種パチンコ遊技機において遊技機に設けられているいわゆる可変入賞球装置に流入した遊技球が所定の入賞領域に入賞したとき)に遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)とする遊技機であって、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置(例えば可変表示装置6)と、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段(例えばCGROM83)と、圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段(例えば動画圧縮・伸張部89におけるステップS218,ステップS222,ステップS224を実行する部分)と、データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置に順次表示させることによって動画再生処理を行うデータ再生手段(例えばGCL81における図16に示す動画再生処理を実行する部分)とを備え、動画像による一連の表示演出を行うための動画像データは、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データ(例えば図12(A)参照)として圧縮データ格納手段に格納されており、データ再生手段が、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミング(例えば、ステップS229cにて障害発生フラグがオフされたあとの図16に示す動画再生処理が実行されるタイミング)で当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開することを特徴とする。
【0013】
所定の遊技として、画像表示装置において各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示が複数の可変表示領域にて行われ、識別情報の表示結果が特定表示結果(例えば左中右図柄が同一の図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技状態)となる遊技機であり、データ再生手段が、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における識別情報の可変表示演出(例えばステップS803の図柄変動中処理内、あるいは図柄変動中処理にてコールされた復号化処理および動画再生処理にて実行されるリーチ演出を含む可変表示演出)を動画再生処理によって行うように構成されていてもよい。
【0014】
各部分動画像データは、それぞれ、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)と、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)と、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)とを含み、各部分動画像データには、それぞれ複数のキーフレームデータが含まれている構成とされていてもよい。
【0015】
キーフレームデータが、部分動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられるように構成されていてもよい。
【0016】
動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータである構成とされていてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置(可変表示装置)により特図ゲームを行う遊技機であり、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明する。しかし、適用対象となる遊技機は、これに限るものではなく、例えば、LCDを搭載したスロットマシン等の遊技機にも適用可能である。また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類される遊技機や、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。さらには、プリペイドカード(将来的にはICコイン等も含む価値媒体)によって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有し、特図ゲームに相当する演出表示を行うことが可能な遊技機であれば、どのような形態のものであっても構わない。
【0018】
まず、CR式第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2が着脱可能に取り付けられる遊技機用枠3とで構成される。遊技盤2の前面には遊技領域4が形成されている。なお、遊技機1の前面側の下部右側には、打球を発射するハンドル5が設けられている。
【0019】
遊技領域4の中央付近には、それぞれが識別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置6が設けられている。可変表示装置6は、LCDによって構成され、「左」、「中」、「右」の3つ特別図柄が表示される図柄表示エリア(可変表示部)が設けられている。図柄表示エリアには、変動表示の表示結果が大当り表示態様であるか否かを特定するための有効ラインが予め設定されている。有効ライン上で最終的に停止した各特別図柄の組合せによって大当り表示態様であるか否かが特定され、有効ライン上に各特別図柄が同一図柄で揃っている場合に大当り表示態様であることが特定される。したがって、遊技者は可変表示装置6における有効ライン上の表示態様を確認することで、大当りとなったか否かを容易に認識することができる。
【0020】
また、可変表示装置6には、始動入賞口7に入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(以下、始動記憶表示エリア)8が設けられている。始動記憶表示エリアには、始動入賞記憶数が4未満のときの有効始動入賞に対応して、入賞表示が行われる。具体的には、通常青色表示であった表示を赤色表示に変化させる。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリア8とが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動入賞記憶数が表示された状態とすることができる。なお、始動記憶表示エリア8を図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動入賞記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この例では、始動記憶表示エリア8を可変表示装置6に設けるようにしているが、始動入賞記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置6とは別個に設けるようにしてもよい。
【0021】
可変表示装置6の下方には、開閉動作を行う普通電動役物9を兼用する始動入賞口7と、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド等を駆動することで開状態とされる大入賞口10とが上下に並んで配設されており、始動入賞口7の左側には、ゲート13が配設されている。大入賞口10は、大入賞口扉11を開閉することによって開状態あるいは閉状態とされる。ゲート13に遊技球が入賞すると、普通図柄表示装置14において表示状態が変化する可変表示が開始される。普通図柄表示装置14の近傍には、普通図柄始動入賞記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器15が設けられている。また、遊技盤2には、複数の入賞口16,17,18,19が設けられている。
【0022】
遊技機用枠3の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ20L,20Rが設けられている。また、遊技領域4の外周には、天枠ランプ21a、左枠ランプ21b及び右枠ランプ21cが設けられている。さらに、図示はしないが、遊技領域4における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾用LEDが設置されている。天枠ランプ21a、左枠ランプ21b及び右枠ランプ21c及び装飾用LEDは、遊技機に設けられている発光体の一例である。
【0023】
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。図2に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置6等を制御する演出制御基板100、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)30が設置されている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板40が設置されている。また、所定の電源電圧を供給するための電源回路が搭載された電源基板150や発射制御基板91が設けられている。さらに、主基板30からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた盤用外部端子基板50と、賞球個数や球貸し個数等の各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた枠用外部端子基板51とが設置されている。
【0024】
図3は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部(電源基板)150と、遊技制御部(主基板)30と、入力部52と、出力部53と、演出制御部(演出制御基板)100と、払出制御部(払出制御基板)40と、盤用外部端子基板50と、枠用外部端子基板51とを備えている。
【0025】
遊技制御部30は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM31、ワークメモリとして使用されるRAM32、プログラムに従って制御動作を行うCPU33及びI/Oポート部34を含む。なお、CPU33はROM31に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU33が実行する(又は、処理を行う)ということは、CPU33がプログラムに従って制御を実行することをいう。このことは、主基板30以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、図示はしないが、遊技制御部30は、入力部52からの信号入力を受け付けるスイッチ回路と、出力部53に向けて駆動信号の出力を行うソレノイド回路とを備えている。なお、遊技制御部30は、遊技に用いられる各種の乱数を生成する機能、演出制御部100や払出制御部40に制御コマンドを出力する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等の各種の機能を有している。
【0026】
入力部52は、始動入賞口7への入賞球を検出する始動口スイッチ7a、ゲート13への入賞球を検出するゲートスイッチ13a、大入賞口10から遊技盤2の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球を検出する特定領域スイッチ22、大入賞口10からの入賞球を検出するカウントスイッチ23、各入賞口16,17,18,19への入賞球を検出する入賞口スイッチ16a,17a,18a,19a等の各種の検出手段によって構成される。上記の各スイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球の検出等の、各種の検出を行うことができる検出手段であれば、その名称を問わない。
【0027】
出力部53は、可変入賞球装置9を開閉するための普通電動役物ソレノイド9a、開閉板11の開閉に用いられる大入賞口扉ソレノイド11a及び大入賞口10内の経路の切り換えに用いられる大入賞口内誘導板ソレノイド12a等の各種の駆動手段によって構成される。
【0028】
図3に示すように、演出制御部100は、可変表示装置6や普通図柄表示装置14等の表示に関する制御を行う表示制御部80と、スピーカ20L,20R等の音に関する制御を行う音制御部70と、天枠ランプ21a等の発光体に関する制御を行うランプ制御部60とを備えている。演出制御部100は、遊技制御部30からの制御コマンドに基づいて、特別図柄を可変表示する可変表示装置6及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示装置14の表示制御、音声出力制御、ランプ表示制御をそれぞれ実行する。
【0029】
払出制御部40は、遊技球の貸出や賞球等の払出制御を実行する機能を有している。また、盤用外部端子基板50及び枠用外部端子基板51は、各種遊技関連情報を外部に出力する役割を果たす。さらに、電源部150は、パチンコ遊技機1内の各回路に、所定の電源電圧を供給するために設けられている。
【0030】
ここで、本例のパチンコ遊技機1における遊技の様子について説明する。打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域4に入り、その後、遊技領域4を下りてくる。打球が始動入賞口7に入り始動口スイッチ7aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、可変表示装置6において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
【0031】
可変表示装置6における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時における有効ライン上の特別図柄の組合せが大当り表示態様であると、大当り遊技状態に移行する。具体的には、大入賞口10が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口10の開放中に打球がV入賞領域に入賞し特定領域スイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口10が再度開放される。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。
【0032】
停止時の可変表示装置6における特別図柄の組合せが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0033】
なお、可変表示装置6上に表示される特別図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動パターン指定コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、演出制御部100は、変動パターンコマンドを受け取ったタイミングから、可変表示装置6上における特別図柄の変動、スピーカ20L,20Rからの音声出力及びランプ・LED21a等の明滅表示が連動して行われるように制御を実行する。
【0034】
図4は、演出制御基板100の回路構成を示すブロック図である。演出制御基板100は、表示制御部80と、音制御部70と、ランプ制御部60と、各制御部60,70,80の制御を行う演出制御用CPU101と、演出制御用のプログラムや図柄表示・発光・音声出力等の各種の演出パターン等を記憶するROM102と、ワークメモリとして使用されるRAM103とを備えている。なお、図示はしないが、演出制御基板100には、演出制御コマンドの受信に用いられるコマンド受信回路が設けられている。
【0035】
演出制御用CPU101は、ROM102に格納されたプログラムに従って動作し、主基板30からの演出制御コマンドを受信する。そして、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従って、可変表示装置6の表示制御や、発光体の点灯/消灯制御、音出力制御、可動演出装置の駆動制御等の各種制御を行う。
【0036】
可変表示装置6の表示制御は、具体的には、演出制御コマンドに応じた指令をGCL(Graphics Controller LSI)81に与える。GCL81は、CGROM83等から必要なデータを読み出す。なお、CGROM83には、使用頻度の高いキャラクタを示すデータが格納されている。CGROM83に格納されている使用頻度の高いキャラクタとは、例えば、可変表示装置6に表示される人物、動物、又は、文字、図形もしくは記号等からなる画像である。なお、キャラクタには、実写による動画像や静止画像も含まれる。GCL81は、入力したデータに従って可変表示装置6に表示するための画像データを生成し、R(赤),G(緑),B(青)信号及び同期信号を可変表示装置6に出力する。可変表示装置6は、例えば、多数の画素(ピクセル)を用いたドットマトリクス方式による画面表示を行う。本例では、R,G,B信号がそれぞれ8ビットで表される。したがって、可変表示装置6は、GCL81からの指示に従って、R,G,Bそれぞれが256階調であり、約1670万色の多色表示を行うことができる。なお、R,G,B信号のビット数は8ビット以外のビット数であってもよく、また、R,G,B信号の各ビット数が互いに異なる数であってもよい。
【0037】
表示制御部80には、CGROM83やSDRAM(VRAM)84等の各種の記憶媒体が備えられている。SDRAM84には、フレームバッファ、キャラクタのソースデータ、表示色の特定や変更等のために用いられるパレットデータ等の表示画像に関するデータが格納される。また、表示制御部80は、GCL81と、普通図柄表示装置14に信号を出力するための普通図柄駆動回路82とを備えている。
【0038】
GCL81は、所定のパレットデータを一時的に保存するためなどに用いられるパレットデータバッファ85や、所定のCGデータを一時的に保存するためなどに用いられるCGデータバッファ86等の各種の記憶媒体の他、描画制御部と、可変表示装置6に信号を出力するための可変表示装置制御部87及びDAC(ディジタルアナログコンバータ)88と、動画圧縮処理や伸張処理を行う動画圧縮伸張部89とを含む。描画制御部は、アトリビュート解析部81aと、VRAMアドレス生成部81bと、クリッピング部81cと、半透明輝度変調部81dとを含む。アトリビュート解析部81aは、キャラクタを描画する際に使用されるパラメータの解析を行う。このパラメータには、画像の描画順序、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標等を指定するための情報が設定されている。なお、動画圧縮伸張部89は、GCL81によって制御される構成としても、演出制御用CPU101によって制御される構成としてもよい。
【0039】
音制御部70は、遊技制御部30からの制御コマンドに従って音声や効果音を発生する音声IC71と、音声データ等を記憶する音声ROM72と、音声信号を増幅してスピーカ20L,20Rに出力するための低周波増幅回路73と、低周波増幅回路73から出力される音声信号の出力レベルを設定されている音量に応じたレベルにするディジタルボリューム74とを備えている。
【0040】
ランプ制御部60は、ランプ・LED24に含まれている遊技状態飾りランプ24aに信号を出力するためのランプ駆動回路61と、ランプ・LED24に含まれている遊技状態飾りLED24bに信号を出力するためのLED駆動回路62とを備えている。
【0041】
次に遊技機の動作について説明する。図5は、主基板30における遊技制御手段(CPU33及びROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU33は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU33は、まず、必要な初期設定を行う。
【0042】
初期設定処理において、CPU33は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0043】
この実施の形態で用いられるCPU33は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0044】
この実施の形態で用いられているCPU33には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU33は、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0045】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)又はCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU33は、RST命令に対応したアドレス又はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU33は自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1又は割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1又は割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0046】
割込みモード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0047】
割込みモード2:CPU33の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。したがって、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込み処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0048】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設置することが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU33は割込みモード2に設定される。
【0049】
次いで、CPU33は、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU33は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS12)。クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU33は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0050】
バックアップありを確認したら、CPU33は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS9)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0051】
初期化処理では、CPU33は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う。さらに、サブ基板(演出制御基板100、払出制御基板40)を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS11)。初期化コマンドとして、可変表示装置6に表示される初期図柄を示すコマンドや、払出可能状態であることを示す払出可能状態指定コマンド等がある。
【0052】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるようにCPU33に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS12)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0053】
初期化処理の実行(ステップS10〜S12)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS14)及び初期値用乱数更新処理(ステップS15)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされ(ステップS13)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込み許可状態とされる(ステップS16)。表示用乱数とは、可変表示装置6に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0054】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込み禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が後述するタイマ割込み処理でも実行されることから、タイマ割込み処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS14の処理中にタイマ割込みが発生してタイマ割込み処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS14の処理中では割込み禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0055】
タイマ割込みが発生すると、CPU33は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図6に示すステップS21〜S31の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU33は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ12a、始動口スイッチ7a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ16a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0056】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU33は、さらに、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0057】
この例では、大当りを発生させるか否かの決定に用いられる大当り判定用乱数、特別図柄の左中右のはずれ図柄の決定に用いられるはずれ図柄決定用乱数、大当りを発生させる際の特別図柄の組合せを決定する際に用いられる大当り図柄決定用乱数、特別図柄の変動パターンの決定に用いられる変動パターン決定用乱数、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かの決定に用いられる普通図柄当り判定用乱数、各乱数の初期値の決定に用いられる初期値決定用乱数等の各種の乱数が用意されている。
【0058】
ステップS23では、CPU33は、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、及び普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数又は初期値用乱数である。
【0059】
さらに、CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置14の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0060】
次いで、CPU33は、特別図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM32の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0061】
さらに、CPU33は、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0062】
また、CPU33は、所定の条件が成立したときにソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS30)。可変入賞球装置9又は開閉板11を開状態又は閉状態としたり、大入賞口10内の遊技球通路を切り替えたりするために、主基板30が備えるソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド9a,11a,12aを駆動する。
【0063】
そして、CPU33は、入賞口スイッチ16a,17a,18a,19aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(ステップS32)。具体的には、入賞口スイッチ16a,17a,18a,19aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板40に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板40に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS32)、割込み許可状態に設定する(ステップS33)。
【0064】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込み処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込み処理では例えば、割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0065】
この実施の形態では、左図柄、中図柄及び右図柄として、それぞれ「1」〜「12」の図柄が、可変表示装置6において可変表示(変動)される。「1」〜「12」の図柄には、図柄番号0〜11の図柄番号が付されている。また、可変表示装置6における最終停止図柄(確定図柄)がそろった場合に大当りが発生する。そして、奇数の図柄でそろった場合に、大当りが発生する確率が向上した状態である高確率状態(確変状態)に変化する。
【0066】
図7は、CPU33が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図6のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU33は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)及び入賞確認処理(ステップS311)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS301〜S309のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
【0067】
入賞確認処理(ステップS311):始動入賞口7に打球入賞して始動口スイッチ7aがオンするのを待つ。始動口スイッチ7aがオンすると、始動入賞記憶数が満タン(この実施の形態での最大値である4に達している状態)でなければ、始動入賞記憶数を1加算するとともに、大当り決定用乱数等の各乱数を抽出する。そして、それらを始動入賞記憶数の値に対応した乱数値格納エリアに格納する。また、加算した後の始動入賞記憶数を指定する始動入賞記憶指定のコマンドを送信するための処理を行う。
【0068】
特別図柄通常処理(ステップS301):特別図柄の可変表示を開始できる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合)になるのを待つ。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合とは、可変表示装置6において図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0069】
停止図柄設定処理(ステップS302):始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値を読み出すとともに、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各乱数値格納エリアの値をシフトする。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する乱数値格納エリアに格納されている各値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する乱数値格納エリアに格納する。次いで、始動入賞記憶数=1に対応する乱数値格納エリアに格納されている値(大当り判定用乱数の値等)に基づいて、大当り、ハズレ、リーチとするか等を判定し、その判定結果や可変表示開始時の制御状態等に基づいて、左中右図柄の停止図柄を決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0070】
変動パターン設定処理(ステップS303):停止図柄設定処理にて決定された停止図柄や変動パターン決定用乱数の値に基づいて、図柄の変動パターンを決定する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
【0071】
全図柄変動処理(ステップS304):可変表示装置6において全図柄が変動開始されるように制御する。このとき、演出制御基板100に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報(演出制御コマンド)とが送信される。具体的には、遊技制御手段は、可変表示を開始させるときに、変動パターン指定の演出制御コマンドを送信し、続いて、左図柄指定、中図柄指定、右図柄指定の演出制御コマンドを送信する。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。
【0072】
全図柄停止処理(ステップS305):所定時間(ステップS304でタイマにセットされる値に応じた時間)が経過すると、左右中図柄を最終停止(確定)させるために全図柄の停止を指示する演出制御コマンドを送信する。この演出制御コマンドの受信に基づいて、可変表示装置6において表示される全図柄が停止される。そして、遊技制御手段は、停止図柄が大当り図柄の組合せである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0073】
大入賞口開放前処理(ステップS306):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、大入賞口扉ソレノイド11aを駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当りフラグ(大当り中であることを示すフラグ)のセットを行う。処理を終えると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。
【0074】
大入賞口開放中処理(ステップS307):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドデータを演出制御基板100に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最終的な大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0075】
特定領域有効時間処理(ステップS308):特定領域スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS306に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、又は、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS309に移行するように更新する。
【0076】
大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するための表示を指示する演出制御コマンドの送信を行う。その表示期間が終了したら、内部状態をステップS301に移行するように更新する。
【0077】
本例では、遊技制御手段から各電気部品制御手段に対する指示等の情報伝達は、制御コマンドによって行われる。制御コマンドは、例えば、2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。演出制御基板100に搭載されている演出制御手段は、INT信号(取込信号)が立ち上がったことを検知して、割込み処理によって1バイトのデータ(MODEデータ)の取り込み処理を開始し、その後の割込み処理によって1バイトのデータ(EXTデータ)の取り込み処理を開始する。
【0078】
次に、演出制御手段の動作を説明する。図8は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込みフラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、割込み処理内でタイマ割込みフラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込みフラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0079】
この実施の形態では、タイマ割込みは2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込み処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込み処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0080】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS704)。次いで演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、演出制御基板100で用いられる各種の乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。さらに、演出制御用CPU101は、遊技演出装置25A,25B,25Cによる演出を行う場合に、可動役物制御部100が備える図示しないソレノイド回路に駆動指令を行う(ステップS707)。遊技演出装置25A,25B,25Cを動作させるために、可動役物制御部100が備える図示しないソレノイド回路は、駆動指令に応じてソレノイド25a,25b,25cを駆動する。その後、ステップS702のタイマ割込みフラグの確認を行う処理に戻る。
【0081】
ここで、主基板30からの演出制御コマンドの受信について説明する。演出制御基板100は、図示はしないが、主基板30から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファを備えている。例えば、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。演出制御手段は、変動パターン等の格納領域に格納される最新のコマンドに基づき制御される。これにより、主基板30からの指示に迅速に対応することができる。演出制御用CPU101は、主基板30からのINT信号がオン状態になると割込みがかかり、演出制御コマンドを受信するための処理を実行し、受信した演出制御コマンドをコマンド受信バッファに格納する。
【0082】
そして、受信コマンドバッファに格納されているコマンドの内容がコマンド解析処理(ステップS704)で確認され、受信コマンドに対応するフラグのセット等の処理がなされる。例えば、コマンド受信バッファに受信コマンドが左中右の図柄を指定する図柄指定コマンドであれば、そのコマンドに含まれている指定図柄を特定可能なデータを停止図柄格納エリアに格納し、対応する有効フラグをセットする。また、例えば、コマンド受信バッファに受信コマンドが演出パターンを指定する変動パターンコマンドであれば、そのコマンドに含まれている変動パターンを特定可能なデータを変動パターン格納エリアに格納し、変動パターン受信フラグをセットする。
【0083】
図9は、図8に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0084】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理にて、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターン受信フラグがセットされていれば、表示制御プロセスフラグの値をリーチ予告処理に対応した値にする。
【0085】
リーチ予告処理(ステップS801):リーチ予告演出を行うか否か、及び、リーチ予告を行うことに決定した場合におけるリーチ予告演出の内容を決定する。決定したら、表示制御プロセスフラグの値を全図柄変動開始処理に対応した値にする。
【0086】
全図柄変動開始処理(ステップS802):左中右図柄の変動が開始されるように制御する。そして、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする。
【0087】
図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行う。処理を終えると、表示制御プロセスフラグの値を全図柄停止待ち処理に対応した値にする。
【0088】
全図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、全図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。そして、大当り表示態様とする場合には表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値にし、はずれとする場合には表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値にする。
【0089】
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示又は通常大当り表示の制御を行う。表示期間が終了すると、表示制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値にする。
【0090】
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技中の制御を終えると、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値にする。
【0091】
図10は、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行テーブルの組合せが複数集まったデータで構成されている。各演出制御実行テーブルには、それぞれ、可変表示演出9等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている表示制御実行データと、ランプ・LED等の表示制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されているランプ制御実行データと、スピーカ27等の音声出力制御の変動パターンを構成する各変動態様が記載されている音制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ演出制御実行テーブルに設定されている変動態様で図柄を変動表示させたり、発光体を点灯/消灯させたり、スピーカ27から音声出力させたりする制御を行う。
【0092】
図10に示すプロセスデータは、演出制御基板100におけるROMに格納されており、全図柄変動開始処理(ステップS802)にて、使用テーブルとして選択された変動パターンテーブルに設定されているプロセスデータに基づく可変表示装置6、ランプ・LED24及びスピーカ20L,20Rの制御が開始され、図柄変動中処理(ステップS803)にて、制御実行データに応じた制御が順次実行される。なお、プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
【0093】
図11は、遊技演出で使用される動画像データのデータ構造の一例を示す説明図である。この動画像データは、本例では、演出制御基板100が備えるROMに格納されている。遊技演出で使用される動画像データは、本例では、MPEG2と呼ばれる符号化技術によりデータ圧縮された状態で演出制御基板100が備えるCGROM83に格納されている。
【0094】
本例では、動画像データに基づく動画像演出が複数種類予め用意されている。すなわち、複数種類の動画像データが予め用意されてCGROM83に格納されている。なお、この例では、大当り遊技演出時に使用される動画像データ、リーチ演出時に使用される動画像データなど、使用される演出毎に区別されてCGROM83に格納されている。そして、例えば動画像演出を実行するときに、例えば乱数などを利用して使用する動画像データが選択され、選択された動画像データに基づく動画像演出が実行される。
【0095】
図11に示すように、動画像データは、シーケンスと呼ばれるストリームデータによって構成される。シーケンスは、画像の大きさを示す情報などのシーケンス全体に関連する情報が含まれているシーケンスヘッダで始まり、シーケンスエンドで終了する。このシーケンスは、例えば、動画像による1単位の遊技演出を実現するためのビデオプログラム全体の符号化データによって構成されている。すなわち、本例では、動画像による遊技演出の種類毎に予めシーケンスが用意され、動画像による遊技演出を実行するための動画像データは、1つのシーケンスによって構成されている。シーケンスは、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのGOP(Group Of Picture)とを含む。シーケンスに含まれているMPEG2機能拡張情報は、MPEG2に準拠した符号化データであることを示す情報などの各種の情報を含む。
【0096】
各GOPは、GOPヘッダと、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのうち少なくとも1つのピクチャとを含む。ここで、Iピクチャは、フレーム内符号化によって符号化されているピクチャである。Pピクチャは、過去のフレームのみを用いて前方向の動き補償予測を行うピクチャである。Bピクチャは、過去及び未来の両方のフレームを用いて双方向の動き補償予測を行うピクチャである。
【0097】
各ピクチャは、ピクチャヘッダと、MPEG2機能拡張情報と、少なくとも1つのスライスとを含む。ピクチャヘッダには、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャのいずれかを識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。ピクチャに含まれているMPEG2機能拡張情報には、例えば、フレーム構造やフィールド構造を設定するための情報などが含まれる。スライスは、分割フレーム内符号化を実現するためにピクチャが細分化された1つの単位を意味する。
【0098】
各スライスは、スライス情報と、少なくとも1つのマクロブロックとを含む。スライス情報は、スライス内で使用される符号化情報が含まれている。符号化情報には、例えば、量子化特性を示す情報が該当する。
【0099】
各マクロブロックは、マクロブロック情報と、複数のブロックとを含む。1つのマクロブロックには、例えば、4個の輝度信号ブロックと、2個(Cr信号、Cb信号各1個)の色差信号ブロックとが含まれる。マクロブロック情報には、マクロブロック単位で符号化制御を行うための情報などが含まれる。各ブロックは、輝度信号、Cr信号、Cb信号のいずれかのDCT(離散コサイン変換)係数データ(離散コサイン変換によって得られる係数群)から構成される。なお、各ブロックは、EOB(End Of Block)コードで終了する。
【0100】
なお、本例では、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体が速い動きをする部分には、キーフレームとして用いられるIピクチャを多く用いるようにしている。また、各シーケンスは、再生時に表示されるキャラクタなどの表示物体の動きが少ない部分には、PピクチャやBピクチャを多く用いた構成とされている。特に表示物体の動きがない部分や、動きが特に少ない部分には、最もデータ量の少ないBピクチャを多く用いた構成とされている。
【0101】
上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータ(例えばIピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、動きの速い物体が表示される動画像によって演出を行う場合であっても、情報の欠落がほとんどない良好な画像品質の画像を復号化によって得ることができ、そのような良質の画像によって動画像演出を行うことができる。よって、表示物体の動きが速い部分の画像品質を向上させることができる。
【0102】
また、上記のように、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータ(例えばPピクチャデータ)や双方向予測符号化フレームデータ(例えばBピクチャデータ)を多く用いて動画像データを構成しているので、画像品質を劣化させることなく、動画像データのデータ量を削減することができる。このような効果は、データ圧縮率が向上するので、動画像データによって再生される動画像における表示物体の動きが速い部分が少ないほど著しい。
【0103】
つまり、上記のように、表示物体の動きが速い部分にはキーフレームデータを多く用い、表示物体の動きが遅い部分には前方向予測符号化フレームデータや双方向予測符号化フレームデータを多く用いるようにして動画像データを作成しているので、全体としての画像品質を向上させることができるとともに、動画像データのデータ総量を低減させることができるようになる。
【0104】
次に、演出制御基板100に搭載されているGCL81の機能について説明する。GCL81は、演出制御用CPU101からの指示に従って、動画像データを用いた動画像による各種の演出を実行する機能を有している。
【0105】
図12(A)は、動画像による一連の遊技演出に用いられる動画像データを構成する部分動画像データの例を示す説明図である。図12(B)は、動画像による一連の遊技演出に用いられる動画像データの例を示す説明図である。本例では、動画像による特定の場面を再生させるための部分動画像データとして、図12(A)に示すようにGOPが予め複数種類設けられている。そして、図12(B)に示すように、動画像による遊技演出を実行するための動画像データであるシーケンスは、予め設けられている複数のGOPを所定の順番に配列させた構成とされている。すなわち、本例の動画像演出で用いられる動画像データとしての各シーケンスは、特定の場面を再生させるための部分動画像データであるGOPの一部又は全部が所定の順番に配列されている部分を含む構成とされている。従って、各シーケンスは、シーケンスヘッダ、MPEG2機能拡張情報、シーケンスエンドに、予め設けられているGOPを1又は2以上組み込むことによって生成される。このような各シーケンスは、例えば、複数のGOPや配列順番に関する情報等をCGROM86に格納しておき、遊技演出を実行するときにGCL81の機能によって生成するようにすればよい。
【0106】
上記のように構成すれば、GCL81が、遊技演出を実行するときに、当該遊技演出を実行するためのシーケンスを生成し、生成したシーケンスに配された各GOPに基づいて、各GOPが示す場面を順次再生する。このように再生処理を行うことで、動画像による一連の表示演出が実行される。上記のように構成しているので、1つの部分動画像データを複数種類の動画像による遊技演出に使用することができるようになり、CGROM86に格納される動画像データ全体のデータ量を削減することができる。
【0107】
また、この例では、図12(A)に示す各部分動画像データ(GOP)は、例えば、1つのキーフレームデータと、1又は複数の前方向予測符号化フレームデータと、1又は複数の双方向予測符号化フレームデータとで構成される。すなわち、各部分動画像データは、再生に用いる最初のピクチャが常にIピクチャとされ、その次以降にBピクチャやPピクチャが用いられる。各ピクチャのピクチャヘッダには、ピクチャの種類を識別するための情報や、各ピクチャの表示順序を指定する情報などが含まれている。よって、動画像データの必要容量を抑制することができる。
【0108】
なお、各部分動画像データに、複数のキーフレームデータが含まれる構成とされていてもよい。このように構成すれば、キーフレーム毎に分割して部分動画像データを構成する場合と比較して、各ピクチャのピクチャヘッダに格納されている各ピクチャの表示順序に関する情報量を少なくすることができる。
【0109】
図13は、GCL81が実行する動画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。動画像表示領域設定処理は、例えば、動画像データにもとづく動画像による遊技演出が開始されるときに実行される。本例では、シーケンスによる一連の動画像演出が開始される毎に、動画像表示領域設定処理が実行されるものとする。動画像表示領域設定処理において、GCL81は、まず、CGROM86に格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)に領域指定データが設定されているか否かを確認する(ステップS201)。領域指定データは、例えば、各シーケンスにおけるシーケンスヘッダのあとのMPEG2機能拡張情報に含まれている。従って、GCL81は、演出に使用するシーケンスのMPEG2機能拡張情報を確認することで、領域指定データが設定されているか否かを判定することができる。
【0110】
演出に使用する動画像データに領域指定データが設定されていた場合には、GCL81は、領域指定データに従って動画像表示領域を設定する(ステップS202)。つまり、領域指定データには、その領域指定データが設定されているシーケンスにもとづく動画像の表示を行う動画像表示領域を特定するため情報が含まれている。なお、動画像表示領域については、あとで詳しく説明する。
【0111】
図14は、GCL81が実行する動画像表示領域解除処理の例を示すフローチャートである。動画像表示領域の設定を解除するための処理は、例えば、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を終了するときに実行される。本例では、動画像表示領域解除処理において、シーケンスによる一連の動画像演出を終了することを確認したときに、設定されている動画像表示領域を解除する処理が実行されるものとする。動画像表示領域解除処理において、GCL81は、まず、CGROM86に格納されている演出に使用されている動画像データ(シーケンス)において順次読み出されているデータが、シーケンスエンドであるか否かを確認する(ステップS205)。シーケンスエンドであることを確認すると、GCL81は、シーケンスによる一連の動画像演出が終了したものと判断して、動画像表示領域が設定されている場合には、その設定を解除する(ステップS206)。具体的には、例えば、上述したステップS202にてセットされる動画像表示領域の設定中であることを示すフラグをオフ状態とする。この例では、上述したステップS202にて、動画像表示領域の設定中であることを示すフラグのセットと、動画像表示領域の範囲の指定がなされる。
【0112】
図15は、GCL81が実行する復号化処理の例を示すフローチャートである。復号化処理において、GCL81は、まず、後述するフェードインフラグ、フェードアウトフラグ及び静止表示フラグのいずれかがオンであれば(ステップS211aのY)、後述するフェードイン表示時間タイマ、フェードアウト表示時間タイマ、及び静止表示時間タイマのうち、オンしていたフラグに対応するタイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS211b)。タイムアウトしていれば、後述する障害発生フラグと、ステップS211aにてオン状態を確認したフラグとをオフ状態とする(ステップS211c)。
【0113】
一方、GCL81は、後述するフェードインフラグ、フェードアウトフラグ及び静止表示フラグの全てがオフであれば(ステップS211aのN)、CGROM86に格納されている演出に使用する動画像データ(シーケンス)からピクチャを示すピクチャデータを読み出す(ステップS212)。ピクチャデータは、動画像データにて配列されている順番に従って再生することができるような順番で読み出される。なお、再生される順番と復号化される順番は必ずしも一致しない。例えば、Bピクチャは、その後に配されているIピクチャ又はPピクチャを復号化したあとに復号化される。
【0114】
読み出したピクチャデータが静止表示対象ピクチャであれば(ステップS213のY)、GCL81は、静止表示フラグをオン状態とし(ステップS214)、静止表示時間タイマをスタートさせる(ステップS215)。
【0115】
静止表示対象ピクチャとは、所定期間継続して静止表示させるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。静止表示対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャが静止表示対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0116】
静止表示フラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、静止表示処理(図15及び図16に示す処理において、静止表示フラグがオン状態とされてからオフ状態とされるまでの一連の処理)の実行中であるか否かの判定に用いられるフラグである。
【0117】
静止表示時間タイマは、静止表示対象ピクチャによる静止表示処理を実行する期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、静止表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、静止表示時間を計測する。
【0118】
ステップS212にて読み出したピクチャデータがフェードイン対象ピクチャであれば(ステップS216のY)、GCL81は、フェードインフラグをオン状態とし(ステップS217)、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化する(ステップS218)。なお、復号化を行うときには、動画圧縮・伸張部89は、対象となるピクチャデータがIピクチャデータであるか、Pピクチャデータであるか、Bピクチャデータであるかに応じた復号化処理を実行する。
【0119】
復号化すると、GCL81は、復号化したピクチャデータが正常であるか否か確認する(ステップS227a)。具体的には、例えば、復号化されたピクチャデータが1フレーム分存在しない場合や、復号化されたデータの一部または全部が破壊されている場合には、正常でないと判断する。復号化したピクチャデータが正常でないと判断した場合には、GCL81は、障害発生フラグをオン状態とするとともに、フェードイン表示時間タイマをスタートさせる(ステップS228a)。一方、復号化したピクチャデータが正常であった場合には、GCL81は、障害発生フラグがオン状態であればオフ状態とするとともに(ステップS229a)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定のフェードイン対象静止画像格納エリアに格納する(ステップS219)。
【0120】
フェードイン対象ピクチャとは、フェードイン処理に用いるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。フェードイン対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャがフェードイン対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0121】
フェードインフラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、フェードイン処理を実行するか否かの判定に用いられるフラグである。
【0122】
フェードイン対象静止画像格納エリアは、フェードイン対象静止画像であるフェードイン対象ピクチャをフレーム単位で格納するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。
【0123】
フェードイン表示時間タイマは、障害が発生していなければ実行されていたフェードイン対象ピクチャにもとづくフェードイン表示の実行期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、フェードイン表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、フェードイン表示時間を計測する。
【0124】
障害発生フラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、ピクチャデータの復号化が正常に行われなかったときにオン状態とされ、復号化が正常に行われるようになったときにオフ状態とされるフラグである。
【0125】
ステップS212にて読み出したピクチャデータがフェードアウト対象ピクチャであれば(ステップS220のY)、GCL81は、フェードアウトフラグをオン状態とし(ステップS221)、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化する(ステップS222)。
【0126】
復号化すると、GCL81は、復号化したピクチャデータが正常であるか否か確認する(ステップS227b)。具体的には、例えば、復号化されたピクチャデータが1フレーム分存在しない場合や、復号化されたデータの一部または全部が破壊されている場合には、正常でないと判断する。復号化したピクチャデータが正常でないと判断した場合には、GCL81は、障害発生フラグをオン状態とするとともに、フェードアウト表示時間タイマをスタートさせる(ステップS228b)。一方、復号化したピクチャデータが正常であった場合には、GCL81は、障害発生フラグがオン状態であればオフ状態とするとともに(ステップS229b)、復号化したピクチャデータをフレーム単位で所定のフェードアウト対象静止画像格納エリアに格納する(ステップS223)。
【0127】
フェードアウト対象ピクチャとは、フェードアウト処理に用いるピクチャとして予め定められているピクチャを意味する。フェードアウト対象ピクチャであるか否かを示す情報は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報に格納されている。従って、GCL81は、各ピクチャのMPEG2機能拡張情報を確認することで、読み出したピクチャがフェードアウト対象ピクチャであるか否かを判定することができる。
【0128】
フェードアウトフラグは、例えば、演出制御基板100が備えるRAM103の所定の領域に設けられており、フェードアウト処理を実行するか否かの判定に用いられるフラグである。
【0129】
フェードアウト対象静止画像格納エリアは、フェードアウト対象静止画像であるフェードアウト対象ピクチャをフレーム単位で格納するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。
【0130】
フェードアウト表示時間タイマは、障害が発生していなければ実行されていたフェードアウト対象ピクチャにもとづくフェードアウト表示の実行期間(例えば3秒、5秒などの期間)を計測するためのタイマである。例えば、フェードアウト表示時間タイマは、カウンタを含む演出制御用CPU301によって構成される。具体的には、演出制御用CPU301は、所定期間(例えば2ms)毎にカウントアップしていくカウンタのカウント値を監視し、計測開始後に所定回数(例えば3秒を計測する場合には1500回)カウントされたことを確認したときに計測時間が経過したものと判定することで、フェードアウト表示時間を計測する。
【0131】
ステップS212にて読み出したピクチャデータが、静止表示フラグ、フェードイン対象ピクチャ又はフェードアウト対象ピクチャの何れでもなければ(ステップS220のN)、GCL81は、動画圧縮・伸張部89を制御して読み出したピクチャデータを復号化する(ステップS224)。
【0132】
復号化すると、GCL81は、復号化したピクチャデータが正常であるか否か確認する(ステップS227c)。具体的には、例えば、復号化されたピクチャデータが1フレーム分存在しない場合や、復号化されたデータの一部または全部が破壊されている場合には、正常でないと判断する。復号化したピクチャデータが正常でないと判断した場合には、GCL81は、障害発生フラグをオン状態とする(ステップS228c)。一方、復号化したピクチャデータが正常であった場合には、GCL81は、障害発生フラグがオン状態であればオフ状態とするとともに(ステップS229c)、展開領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に、復号化したピクチャデータをフレーム単位で展開する(ステップS225)。そして、GCL81は、展開領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、展開領域指定ポインタの値を更新する(ステップS226)。
【0133】
なお、画像メモリは、再生に用いる画像データをフレーム単位で展開するために、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられている。画像メモリには、フレーム単位で画像データを展開するための展開領域が複数設けられている。展開領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、復号化した画像データを展開する展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、展開領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとる。そして、ステップS226にて、展開領域指定ポインタの値が、復号化された画像データが再生される順番で画像メモリに展開されるような値に更新される。そして、GCL81によって、次回の復号化処理のステップS225にて、展開領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が画像データを展開する領域として選択される。
【0134】
具体的には、例えばIピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャ、Pピクチャの順番で再生される場合には、Iピクチャ、Pピクチャ、B1ピクチャ、B2ピクチャの順番で復号化されることになる。この場合、Iピクチャの画像データを画像メモリに展開したあと展開領域指定ポインタの値を3加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にPピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を2減算し、減算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB1ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を1加算し、加算後の展開領域指定ポインタが指す展開領域にB2ピクチャの画像データを展開したあと展開領域指定ポインタの値を次に復号化されるピクチャに応じて更新するようにすればよい。なお、展開領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。
【0135】
上記のように、ピクチャデータを復号化したときにデータ破壊などの障害が発生した場合には、正常に復号化されるようになるまで、障害発生フラグをオン状態とする構成とされている。なお、障害が発生したピクチャデータが、静止表示対象ピクチャ、フェードイン対象ピクチャ、あるいはフェードアウト対象ピクチャであった場合には、それぞれ、障害が発生していなかったとしたら静止表示、フェードイン表示、あるいはフェードイン表示が実行されていたはずであった期間中は障害発生フラグをオフ状態とする構成とされている。
【0136】
図16は、GCL81が実行する動画再生処理の例を示すフローチャートである。動画再生処理において、GCL81は、障害発生フラグがオン状態でなければ、その後の各処理を実行する(ステップS250)。すなわち、フェードインフラグがオン状態であれば(ステップS251のY)、後述するフェードイン処理を実行する(ステップS252)。また、フェードアウトフラグがオン状態であれば(ステップS253のY)、後述するフェードアウト処理を実行する(ステップS254)。
【0137】
フェードインフラグ及びフェードアウトフラグがともにオン状態でなければ(ステップS253のN)、GCL81は、動画像表示領域が設定されているか否かを確認する(ステップS255)。具体的には、動画像表示領域が設定されているか否かを示すフラグの状態を確認する。動画像表示領域が設定されていれば、GCL81は、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いて、LCD6の表示領域内に設定されている動画像表示領域に画像を表示する(ステップS256)。つまり、動画像データを用いた動画像による演出が開始されるときに上述したステップS202にて動画像表示領域が設定されている場合には、その設定された動画像表示領域に、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータに基づく画像を表示する。
【0138】
ステップS255にて動画像表示領域が設定されていなければ、GCL81は、再生領域指定ポインタが指す画像メモリの展開領域に展開されているフレームデータを用いてLCD6に画像を表示する(ステップS257)。
【0139】
次いで、GCL81は、静止表示フラグがオン状態であれば(ステップS258のY)、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理中であるので、静止表示時間タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS259)。静止表示時間タイマがタイムアウトしていた場合には、GCL81は、静止表示フラグをオフ状態とし(ステップS260)、再生領域指定ポインタが次に使用される展開領域を指すようにしておくために、再生領域指定ポインタの値を更新する(ステップS261)。なお、静止表示時間タイマがタイムアウトしていなければ、静止表示処理を継続して実行するために、再生領域指定ポインタの値は更新しない。
【0140】
再生領域指定ポインタは、例えばSDRAM84の所定の領域に設けられ、動画再生を行うために次に用いられる画像データが展開されている展開領域を指すポインタである。例えば、画像メモリに展開領域0から展開領域11までの12個の展開領域が設けられている場合には、再生領域指定ポインタは、0〜11までの範囲の値をとり、ステップS261にて再生領域指定ポインタの値が1加算されるように構成される。なお、再生領域指定ポインタの値が12となった場合には0に戻される。そして、GCL81によって、ステップS256またはステップS257にて、再生領域指定ポインタの値と同一の値が設定されている展開領域が、動画再生のために次に使用する画像データが格納されている領域として選択される。
【0141】
なお、上述した動画再生処理は、例えば、上述した復号化処理のあとに続けて実行される。ただし、画像データが復号化される順番と再生される順番が異なるので、動画再生処理よりも復号化処理が少なくとも数回分先行して実行される必要がある。この復号化処理及び動画再生処理は、動画像による遊技演出が行われるときに呼び出されて繰り返し実行される。復号化処理及び動画再生処理が繰り返し実行されることで、LCD6の画面上に、圧縮されている動画像データに基づく動画像が表示され、遊技演出が実行される。
【0142】
上記のように、障害発生フラグがオン状態とされているときには、動画再生のための画像表示を行う処理が実行されない構成とされている。従って、復号化されたピクチャデータが不正常であり正常な画像表示ができないにもかかわらず、動画再生のための画像表示に関する処理が実行されてしまうことが防止される。すなわち、障害が発生しているのにもかかわらず無駄な動作が実行されることが防止される。
【0143】
次に、演出制御手段によるフェードイン処理について説明する。図17は、GCL81が実行するフェードイン処理の例を示すフローチャートである。フェードイン処理は、例えば、静止画像による演出と動画像による演出とが切り替わるときに実行される。ここでは、フェードイン処理として、静止画像による演出が終了して動画像による演出に切り替わる際に、フェードイン対象静止画像の透明度(透過度)を徐々に低下させていくようにして、フェードイン対象静止画像が徐々にはっきりと表れるようにするための処理が実行される。なお、フェードイン対象静止画像には、例えば、演出に用いられる動画像のうち最初に表示される画像とされる。この場合、シーケンスにおいて最初に再生されるピクチャがフェードイン対象静止画像とされる。
【0144】
フェードイン処理において、GCL81は、フェードイン対象静止画像格納エリアに格納されているフェードイン対象静止画像の画像データを読み出すとともに、中間画像として予め定められている画像データを読み出す(ステップS231)。中間画像には、例えば、青や白などの単一色の背景画像が用いられる。
【0145】
次いで、GCL81は、透明化演算処理を実行することによってフェードイン画像を作成する(ステップS232)。透明化演算処理として、本例では、図18に示すような演算を行う。透明化演算処理では、フェードイン対象静止画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図18に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値にフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードイン画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードイン対象静止画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、N=33であった場合には、その位置のフェードイン画像のピクセルデータは(R,G,B=200,140,140)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0146】
なお、図18に示す「N」は、フェードイン画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「N」が「0」であるときにフェードイン画像がフェードイン対象静止画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「N」が「99」であるときにフェードイン画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる図18に示す数式の「N」を「99」から「0」にかけて順次減算していくと、演算結果により得られるフェードイン画像は、中間画像がフェードイン対象静止画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「N」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図18に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0147】
また、図18に示す透明化演算処理に用いられる数式は、フェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図18に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とNとを乗算した値をフェードイン対象静止画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0148】
この例では、フェードイン処理での透明化演算処理を、図18に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図18に示す数式を用いると、Nの値を小さくしていくに連れて、中間画像から直線的にフェードイン対象静止画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるようになるが、例えば、中間画像から曲線的にフェードイン対象静止画像に近づいていくようなフェードイン画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0149】
透明化演算処理によってフェードイン画像を作成すると、GCL81は、作成したフェードイン画像をLCD6に表示させる処理を実行する(ステップS233)。なお、本例では、ステップS233にてフェードイン画像を表示する場合、GCL81は、上述したステップS255と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS256と同様にして、設定されている動画像表示領域にフェードイン画像を表示する。
【0150】
そして、GCL81は、図18に示す数式のNの値を確認し(ステップS234)、Nの値が0でなければ、次のタイミングで実行されるフェードイン処理によってフェードイン対象静止画像の透明度をさらに低下させるためにNの値を1減算した値に更新する(ステップS235)。一方、Nの値が0となっていれば、全く透明化されていない完全な状態でフェードイン対象静止画像がはっきりと表示された状態となっており、そのフェードイン対象静止画像を徐々に出現させていく一連のフェードイン処理が終了しているので、次回の一連のフェードイン処理を実行するときのために、Nの値を初期値である「99」に更新しておく(ステップS236)。さらに、一連のフェードイン処理が終了したので、フェードインフラグをオフ状態とする(ステップS237)。
【0151】
なお、上述したフェードイン処理は、例えば、演出制御プロセス処理内における図柄変動中処理にてコールされる。フェードイン処理が開始される所定のタイミングで最初にコールされ、その後は、所定期間毎(例えば、10ms毎)に所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返しコールされる。繰り返しコールされる度に減算されたNの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、フェードイン処理が繰り返し実行されることで、フェードイン対象静止画像の透明度が徐々に低下していくフェードイン表示がなされることになる。例えば、可変表示演出中に動画像による演出を開始するときに、フェードイン処理によって、フェードイン対象静止画像とされている動画像における最初の画像が徐々に出現してくるような表示がなされる。そして、最終的に、フェードイン対象静止画像が、透明度の低下していない完全な状態で表示される。その後、フェードイン対象静止画像を最初の画像とする動画像の再生が実行される。なお、繰り返し実行される一連のフェードイン処理を「フェードイン処理」という場合がある。
【0152】
図19は、フェードイン処理が実行されているときにおけるLCD6の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、フェードイン処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、フェードイン対象静止画像として、動画像演出に用いられる動画像における最初の画像である人物の画像が用いられ、中間画像として、例えば白の単一色の画像が用いられる。
【0153】
フェードイン画像による演出を実行する場合には、静止画像による表示演出が終了したあと、図19(A)に示すようにLCD6に中間画像が表示し、フェードイン処理が開始される。フェードイン処理が開始されると、中間画像から図19(B)に示すようにフェードイン対象静止画像が現れてきて、図19(C)に示すように徐々にはっきりと表示されていくフェードイン画像が表示される。そして、最終的には、図19(D)に示すように、フェードイン画像として、全く透明化されていない完全に不透明化された状態で人物の画像が表示される。なお、図19(A)に示すフェードイン画像は上述した透明化演算処理がN=99で実行されたことにより得られた画像であり、図19(B)は透明化演算処理が例えばN=66で実行されたことにより得られた画像であり、図19(C)は透明化演算処理が例えばN=33で実行されたことにより得られた画像であり、図19(D)は透明化演算処理が例えばN=0で実行されたことにより得られた画像である。
【0154】
図19(D)に示す不透明化された状態で人物の画像が表示されてフェードイン処理が終了すると、本例では、最終的に表示されているフェードイン画像を初期画像とする動画像による演出が開始される。すなわち、例えば、不透明化された状態で表示されている人物が動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD6に表示される。
【0155】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードイン表示を行う構成としたことで、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードイン表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。また、動画像データのデータ量が増大してしまうようなことがないため、フェードイン表示の実行期間を短くする必要がなくなり、演出期間が十分に確保されているフェードイン表示を行うことができる。よって、フェードイン表示を円滑に行うことができる。
【0156】
また、上述したように、フェードイン処理にて、所定の中間画像を介して段階的に画像を出現させるように構成されているので、徐々に画像が現れてくる様子を容易に視認することができるようなフェードイン表示を行うことができる。
【0157】
次に、演出制御手段によるフェードアウト処理について説明する。図20は、GCL81が実行するフェードアウト処理の例を示すフローチャートである。フェードアウト処理は、例えば、静止画像による演出と動画像による演出とが切り替わるときに実行される。ここでは、フェードアウト処理として、動画像による演出が終了して静止画像による演出に切り替わる際に、フェードアウト対象静止画像の透明度を徐々に高めていくようにして、フェードアウト対象静止画像が徐々に消失していくようにするための処理が実行される。なお、フェードアウト対象静止画像には、例えば、演出に用いられる動画像のうち最後に表示される画像とされる。この場合、シーケンスにおいて最後に再生されるピクチャがフェードアウト対象静止画像とされる。
【0158】
フェードアウト処理において、GCL81は、フェードアウト対象静止画像格納エリアに格納されているフェードアウト対象静止画像の画像データを読み出すとともに、中間画像として予め定められている画像データを読み出す(ステップS241)。中間画像には、例えば、青や白などの単一色の背景画像が用いられる。
【0159】
次いで、GCL81は、透明化演算処理を実行することによってフェードアウト画像を作成する(ステップS242)。透明化演算処理として、本例では、図21に示すような演算を行う。透明化演算処理では、フェードアウト対象静止画像における各ピクセルデータ(各ピクセルの表示色を特定するためのR,G,Bデータ)のそれぞれについて、表示位置が同一となる中間画像における各ピクセルデータを用いた演算処理が行われる。具体的には、透明化演算処理は、図21に示すように、該当する中間画像のピクセルデータが示す値とフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値にフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値を加算する。透明化演算処理によって得られた各ピクセルデータは、フェードアウト画像のピクセルデータとして用いられる。例えば、ある表示位置における中間画像のピクセルデータが(R,G,B=240,160,160)で、同じ位置のフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが(R,G,B=180,130,130)であり、M=66であった場合には、その位置のフェードアウト画像のピクセルデータは(R,G,B=220,150,150)となる。なお、演算結果が整数にならない場合には、小数点以下を切り捨てるなどの処理を行うことによって整数になるようにすればよい。
【0160】
なお、図21に示す「M」は、フェードアウト画像の透明度を特定するための値であり、本例では100段階に透明度を異ならせることができるように、0から99までの整数をとるようにしている。この例では、「M」が「0」であるときにフェードアウト画像がフェードアウト対象静止画像と同一となり(すなわち、透明度が0%となる)、「M」が「99」であるときにフェードアウト画像が中間画像と同一となる(すなわち、透明度が100%となる)。さらに具体的には、この例では、透明化演算処理に用いる図21に示す数式の「M」を「0」から「99」にかけて順次加算していくと、演算結果により得られるフェードアウト画像は、フェードアウト対象静止画像が中間画像に徐々に近づいていくようになる。なお、この例では、透明度を100段階にしているが、他の複数段階とするようにしてもよい。その場合、「M」の取り得る値を変更(200段階であれは0から199を取るようにすればよい)するとともに、その値に合わせて図21に示す分母の「99」を変更(200段階であれば「199」に変更すればよい)するようにすればよい。
【0161】
また、図21に示す透明化演算処理に用いられる数式は、フェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも小さい場合に用いられる式であり、フェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値が中間画像のピクセルデータが示す値よりも大きい場合には、図21に示す数式の「+」を「−」にするとともに、分数で表されている部分の分子の各項を入れ替えた数式を用いるようにすればよい。すなわち、該当するフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値と中間画像のピクセルデータが示す値との差を99で割り、その値とMとを乗算した値をフェードアウト対象静止画像のピクセルデータが示す値から減算するようにすればよい。
【0162】
この例では、フェードアウト処理での透明化演算処理を、図21に示した数式等を用いることで行うようにしているが、他の演算処理を行うようにしてもよい。図21に示す数式を用いると、Mの値を大きくしていくに連れて、フェードアウト対象静止画像から直線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるようになるが、例えば、フェードアウト対象静止画像から曲線的に中間画像に近づいていくようなフェードアウト画像が得られるような数式を用いるようにしてもよい。
【0163】
透明化演算処理によってフェードアウト画像を作成すると、GCL81は、作成したフェードアウト画像をLCD6に表示させる処理を実行する(ステップS243)。なお、本例では、ステップS243にてフェードアウト画像を表示する場合、GCL81は、上述したステップS255と同様の判定処理を実行し、動画像表示領域が設定されていると判定した場合には、上述したステップS256と同様にして、設定されている動画像表示領域にフェードアウト画像を表示する。
【0164】
そして、GCL81は、図21に示す数式のMの値を確認し(ステップS244)、Mの値が99でなければ、次のタイミングで実行されるフェードアウト処理によってフェードアウト対象静止画像の透明度をさらに高めるためにMの値を1加算した値に更新する(ステップS245)。一方、Mの値が99となっていれば、完全に透明化されてフェードアウト対象静止画像による画像が消失した状態となっており、そのフェードアウト対象静止画像を徐々に消失させていく一連のフェードアウト処理が終了しているので、次回の一連のフェードアウト処理を実行するときのために、Mの値を初期値である「0」に更新しておく(ステップS246)。さらに、一連のフェードアウト処理が終了したので、フェードアウトフラグをオフ状態とする(ステップS247)。
【0165】
なお、上述したフェードアウト処理は、例えば、演出制御プロセス処理内における図柄変動中処理にてコールされる。フェードアウト処理が開始される所定のタイミングで最初にコールされ、その後は、所定期間毎(例えば、10ms毎)に所定回数(例えば、初回を入れて100回)繰り返しコールされる。繰り返しコールされる度に加算されたMの値を用いた透明化演算処理が実行されるので、フェードアウト処理が繰り返し実行されることで、フェードアウト対象静止画像の透明度が徐々に高められていくフェードアウト表示がなされることになる。例えば、可変表示演出中に動画像による演出が実行され、その動画像による演出が終了するときに、フェードアウト処理によって、フェードアウト対象静止画像とされている動画像における最後の画像が徐々に消失しているような表示がなされる。そして、最終的に、フェードアウト対象静止画像が完全に透明化され、中間画像が表示された状態となる。すると、動画像による遊技演出が終了し、例えば、静止画像による演出が開始される。なお、繰り返し実行される一連のフェードアウト処理を「フェードアウト処理」という場合がある。
【0166】
図22は、フェードアウト処理が実行されているときにおけるLCD6の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、フェードアウト処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、フェードアウト対象静止画像として、動画像演出に用いられる動画像における最後の画像である人物の画像が用いられ、中間画像として、例えば白の単一色の画像が用いられる。
【0167】
フェードアウト画像による演出を実行する場合には、図22(A)に示すように、再生されていた動画像の最後の画像が表示されたときに、フェードアウト処理が開始される。フェードアウト処理が開始すると、図22(B)に示すようにフェードアウト対象静止画像が徐々にぼやけてきて、図22(C)に示すように徐々に視認しにくい状態となっていく表示状態とされていくようなフェードアウト画像が表示される。そして、最終的には、図22(D)に示すように、フェードアウト画像として、完全に透明化されて人物の画像が消失した状態の画像であって、中間画像と同一の画像が表示される。なお、図22(A)に示すフェードアウト画像は上述した透明化演算処理がM=0で実行されたことにより得られた画像であり、図22(B)は透明化演算処理が例えばM=33で実行されたことにより得られた画像であり、図22(C)は透明化演算処理が例えばM=66で実行されたことにより得られた画像であり、図22(D)は透明化演算処理が例えばM=99で実行されたことにより得られた画像である。
【0168】
図22(D)に示す中間画像と同一のフェードアウト画像が表示されてフェードアウト処理が終了すると、例えば静止画像による演出など、この後の演出が開始される。なお、フェードアウト処理が終了したことによって演出が終了するようにしてもよい。
【0169】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードアウト表示を行う構成としたことで、動画像データのデータ量を増大させることなく、フェードアウト表示を行うことができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。また、動画像データのデータ量が増大してしまうようなことがないため、フェードアウト表示の実行期間を短くする必要がなくなり、演出期間が十分に確保されているフェードアウト表示を行うことができる。よって、フェードアウト表示を円滑に行うことができる。
【0170】
また、上述したように、フェードアウト処理にて、段階的に画像を消滅させて所定の中間画像を表示させるように構成されているので、徐々に画像が消失していく様子を容易に視認することができるようなフェードアウト表示を行うことができる。
【0171】
本例の遊技機では、上述した復号化処理と動画再生処理とが実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行される。すなわち、動画像データに含まれている予め定められた1フレーム分の画像データにもとづく画像表示が繰り返し実行されることで、同一画像が所定期間継続して表示されることになり、動画像データに含まれている画像データを用いた静止表示が実現される。
【0172】
静止表示対象ピクチャは、例えば、演出に用いられる動画像において、表示画像の変化が所定期間ないような場面を示す画像とされる。静止表示対象ピクチャによる静止表示対象画像が所定期間表示されると、静止表示対象ピクチャのあとに設けられている各ピクチャによって動画表示が実行される。
【0173】
図23は、静止表示対象ピクチャを用いて静止表示処理が実行されるときのLCD6の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、大当り遊技状態中の遊技演出において、静止表示対象ピクチャによる静止表示対象画像の静止表示処理が実行された場合を例に説明する。また、この例では、静止表示対象画像として、動画像演出における表示画像の変化が所定期間ない場面を構成する人物の画像が用いられる。
【0174】
静止表示対象画像による演出を実行する場合には、図23(A)及び図23(B)に示すように例えば人物が動作している動画象が表示されたあと、図23(C)に示すように動作していた人物が停止した画像が表示される。なお、図23(C)に示す画像は、静止表示対象画像である。
【0175】
図23(C)に示すように静止表示対象画像がLCD6に一旦表示されると、図23(D)及び図23(E)に示すように、静止表示時間タイマがタイムアウトするまで静止表示対象画像が繰り返し継続して表示される。そして、予め定められている所定期間が経過して静止表示時間タイマがタイムアウトすると、図23(F)及び図23(G)に示すように静止していた人物が動き出して各種の動作を行うような動画像がLCD6に表示され、LCD6にて動画像演出が実行される。
【0176】
上記のように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成としたことで、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に、そのような場面を表示させるための動画像データを用意しておく必要をなくすことができるので、静止表示を行うための動画像データを削減することができ、動画像データ全体のデータ量を低減させることができる。よって、動画像データの格納領域の必要容量を抑えることができる。
【0177】
次に、動画像表示領域について説明する。図24は、ステップS202にて設定される動画像表示領域の例を示す説明図である。図24に示すように、本例では、動画像表示領域は、LCD6の表示領域の特別図柄表示領域内に設けられている。なお、特別図柄表示領域は、特別図柄の可変表示演出が実行される表示領域を意味する。この例では、特別図柄の可変表示演出が実行されている特別図柄表示領域中の動画像表示領域にて、動画像による演出表示が実行される。従って、例えば、可変表示あるいは停止表示している特別図柄の前面側に、動画像による表示キャラクタなどが表示される。
【0178】
図25は、動画像演出を実行しているときの動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。ここでは、特別図柄表示領域にてリーチ表示がなされたあとのリーチ演出において、動画像による演出表示が実行される場合を例に説明する。動画像による演出表示を実行するか否かは、例えば、演出制御用CPU101が、演出制御プロセス処理において、変動パターンコマンドを受信したときに、受信した変動パターンコマンドの内容に応じて決定する。この決定は、例えば、乱数や、抽出された乱数と比較される動画演出決定用の判定値が設定されたテーブルなどを用いて行うようにすればよい。また、この場合、例えば、変動パターンコマンドが大当りとすることを示している場合やリーチとすることを示している場合には、高確率で動画像による演出表示を行うことに決定されるように、動画演出決定用の判定値が設定されたテーブルを複数用意するようにしてもよい。さらに、動画像による演出表示を実行することに決定した場合には、演出制御用CPU101は、例えば使用するシーケンスを選択するなどして演出態様を決定するとともに、動画像演出の実行開始タイミングを決定する。
【0179】
本例では、特別図柄の可変表示演出において、左右図柄が例えば「7」で揃ってリーチとなり、その後に変動表示されている中図柄が低速変動となって、中図柄の停止位置に「6」が近づいてきたときに動画像によるリーチ演出が開始されるものとする。また、本例では、動画像によるリーチ演出が終了したあと、大当り表示がなされるものとする。
【0180】
先ず、動画像によるリーチ演出を開始するときに、GCL81によって、リーチ演出に用いることに決定されている動画像データ中の領域指定データにもとづいて、動画像表示領域が設定される(ステップS202参照)。例えば、領域指定データにもとづいて、上述した図24に示されているように、中図柄の可変表示領域に動画像表示領域が設定される。
【0181】
この例では、特別図柄表示領域にて、左右図柄が「7」で仮停止されてリーチ表示がなされ、最終停止図柄である中図柄が低速変動され、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に中図柄「6」が表示されているときに(図25(A))、動画像データに基づく動画像演出が開始される。動画像演出が開始されると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されていた特別図柄の画像(図25(A))から、動画像演出における最初の画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最初の画像として、例えば図25(B)に示すような「6」を模したキャラクタ画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図25(A)に示すようなリーチ表示中に低速変動されてきた中図柄の「6」を示す画像が、図25(B)に示すような「6」を模したキャラクタを示す画像に切り替えられる。
【0182】
次いで、GCL81によって、動画像演出における最初の画像から、動画像データに基づく動画演出が実行される。例えば、図25(C)に示すような「7」を模したキャラクタが現れ、「6」を模したキャラクタを動画像表示領域から追い出していく映像が動画再生される。そして、「6」を模したキャラクタが動画像表示領域から完全に消失し、「6」を模したキャラクタを追い出した「7」を模したキャラクタが、動画像表示領域の中心位置(例えば特別図柄表示領域における図柄停止位置)に移動していくような映像が動画再生される。動画像演出において、最終的に、図25(D)に示すような、「7」を模したキャラクタが動画像表示領域の中心位置で正面を向いたような画像が表示される。
【0183】
動画像データに基づく動画像のうちの最終画像(例えば図25(D)に示す画像)が表示され、動画像によるリーチ演出が終了すると、GCL81によって、特別図柄表示領域中の動画像表示領域に表示されている動画像演出における最後の画像(例えば図25(D)に示す画像)から、所定の特別図柄を示す画像に切り替えられる。本例では、動画像演出における最後の画像から切り替えられる特別図柄を示す画像として、例えば図25(E)に示すような「7」の中図柄を示す画像が用いられる。すなわち、動画像表示領域にて、図25(D)に示すような「7」を模したキャラクタの画像が、図25(E)に示すような仮停止状態の中図柄としての「7」を示す画像に切り替えられる。そして、この例では、左中右図柄が「7」で確定表示され、大当り表示とされる。その後、大当り遊技に移行する。
【0184】
上記のように、特別図柄が表示される特別図柄表示領域の一部に、動画像を表示するための動画像表示領域を設定し、動画像表示領域に、キャラクタ等が登場する動画像の動画再生を行う構成としたので、動画像による演出を目立つようにすることができ、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、遊技者の注意を動画像による演出に向けさせることができるようになる。このように、遊技者の注意を動画像に引き付けさせることができるので、動画像による演出を有効なものとすることができ、動画像による演出を用いてリーチ演出などの様々な報知を行うことができる。
【0185】
また、上述したように、特別図柄表示領域の表示態様がリーチ表示態様となったあと最後に停止する図柄が低速変動状態となっているときに、特別図柄表示領域における動画像表示領域の表示を動画像による演出表示に切り替え、特別図柄表示領域の表示態様がリーチ表示態様となっている期間中に、リーチ演出として、動画像表示領域にてキャラクタ画像を用いた動画演出を実行するようにしたので、たとえ特別図柄が表示されていたとしても、動画像によるリーチ演出を目立つようにすることができる。よって、動画像によるリーチ演出を有効なものとすることができる。
【0186】
図26は、動画再生中に障害が発生した場合の動画再生状態の例を示す説明図である。図26に示すように、動画像データにもとづく動画再生が実行されている場合において、GOP1内のピクチャデータを復号化したデータが破壊されているなどの障害が発生すると、GOP1内の他のピクチャデータが正常に復号化されなくなる事態が生じ、動画再生画像の表示を行うことができない再生不能状態となる。その後、GOP1内の各ピクチャデータが正常に復号化できない状態が継続する。GOP1にもとづく動画再生が終了し、次に用いられるGOP8にもとづく動画再生が開始されると、動画再生画像の表示が再開される。すなわち、GOP8内のピクチャデータを復号化する際には、GOP1内の復号化データを用いることがないため、障害が発生したGOP1内の復号化データの影響を受けることなく、GOP8内のピクチャデータが復号化される。また、GOP8内の各ピクチャデータのうち、最初に表示が実行されるピクチャデータには、キーフレームデータが設定されているので、キーフレームデータの使用タイミングを把握することができる。そのキーフレームデータの使用タイミングが、動画再生の再開タイミングとなる。よって、GOP8にもとづく動画再生の処理開始タイミングから動画再生が再開されることになる。
【0187】
図27は、本発明の概要を示す概念図である。図27に示すように、遊技機は、遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置9Aと、動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段83aと、圧縮データ格納手段83aに格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段89aと、データ伸張手段89aにより伸張された動画像データに基づいて生成される画像を画像表示装置9Aに順次表示させることによって動画再生処理を行うデータ再生手段101bとを備える。動画像による一連の表示演出を行うための動画像データは、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データとして圧縮データ格納手段83aに格納されている。また、データ再生手段101bは、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開する。
【0188】
以上説明したように、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データによって動画像データを構成し、部分動画像データの復号化の際に障害が発生したことにより動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開するように構成されているので、データ圧縮された動画像データを用いた画像表示の実行中に何らかの障害が発生して表示が不能となったときでも、動画像データに基づく動画再生を所定のタイミングで再開させることができるようになる。よって、障害の発生した場合であっても、一連の表示演出の全てが実行不能となってしまうことを回避することができ、障害の発生によって受ける影響を極力軽減させることができる。
【0189】
すなわち、複数の部分動画像データに分割することなく、一連の表示演出を実行する動画像データによって動画再生を行う場合には、ピクチャデータの復号化の際にデータ破壊などの障害が発生すると、その後は、ピクチャヘッダの格納情報によってもキーフレームの再生時期を特定することができなくなり、次に用いられるキーフレームから動画再生を再開するといった処理を行うことは不可能となる。上述した実施の形態では、部分動画像データが切り替わる時期を特定することで、障害発生後におけるキーフレームの再生時期を特定することができる。従って、障害発生後の部分動画像データの切替時において、その部分動画像データに含まれているキーフレームから動画再生を再開することができるようになる。
【0190】
なお、上述した実施の形態では、図柄変動中処理(ステップS803)にて動画像データにもとづく動画像による演出が実行されるとしていたが、具体的には、例えば、可変表示演出、リーチ演出、予告演出などにおいて、動画像による演出が実行される。リーチ演出や予告演出を動画再生によって実行する構成とした場合には、遊技者の関心が高いリーチ演出や予告演出にて動画像による演出を行うことができ、動画像による遊技演出を効果的に使用することができるようになる。
【0191】
また、リーチ演出における特別図柄の可変表示演出が動画像による演出によって行われるように構成されていてもよい。このように構成されていれば、遊技者の関心が高いリーチ演出を含む可変表示演出にて動画像による演出を行うことができ、動画像による遊技演出を効果的に使用することができるようになる。
【0192】
また、上述した実施の形態では、障害が発生して障害発生フラグがオン状態とされたあとは、所定期間が経過したとき(例えばステップS211bのY)、あるいは正常に復号化がなされたとき(例えばステップS227cのY等)に、障害発生フラグをオフ状態として動画再生を再開させる構成としていたが、障害発生時の後、次のGOPを用いるときに障害発生フラグをオフ状態とするようにしてもよい。この場合、例えば、障害が発生して障害発生フラグがオン状態とされたあと、GOPヘッダを読み出したときに障害発生フラグをオフ状態とするようにすればよい。
【0193】
また、上述した実施の形態では、動画像表示領域が、特別図柄表示領域における中図柄の表示領域に設定される構成としていたが、特別図柄表示領域内の領域であれば、例えば特別図柄表示領域における中図柄及び右図柄の表示領域など、どのような領域に設定されるようにしてもよい。また、動画像データによって設定される動画像表示領域が異なる構成としてもよい。この場合、動画像データ内に設定される領域指定データを異ならせるようにすればよい。
【0194】
また、上述した実施の形態では、特別図柄の表示状態がリーチ状態となっているときに、動画像表示領域での動画像による演出表示が実行されるものとして説明していたが、特別図柄の表示状態が図柄変動中処理における他の状態となっているときに実行されるようにしてもよい。例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。また、図柄変動中処理以外の処理が実行されているときの演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出として、動画像データに基づく動画像演出を行うようにしてもよい。この場合、可変表示ゲームの実行中には限らないが、演出において特別図柄が表示されているときに、動画像表示領域にて動画像データに基づく動画像演出が実行されることが好ましい。
【0195】
また、上述したように、フェードイン表示やフェードアウト表示を動画像表示領域にて行うようにしてもよい。この場合、例えば、図25(A)に示した画像が中間画像に差し替えられたあと、図25(B)に示した画像が徐々に出現してくるようなフェードイン表示がなされるようになる。また、例えば、図25(D)に示した画像が徐々に消失していくようなフェードアウト表示がなされて中間画像が表示されたあと、その中間画像から図25(E)に示した画像に差し替えられるような表示がなされるようになる。上記のように構成すれば、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、フェードイン表示やフェードアウト表示を動画像表示領域に表示するなどの多彩な演出を行うことができるようになる。
【0196】
また、上述した実施の形態において、1つのピクチャにもとづく静止表示を動画像表示領域にて行うようにしてもよい。この場合、例えば、図25(B)に示した画像を示すピクチャを静止対象ピクチャとし、図25(B)に示した画像が所定期間静止する静止表示がなされるようにすればよい。上記のように構成すれば、動画像データのデータ量を多大なものとすることなく、動画像表示領域に1つのピクチャを用いた静止表示を行うなどの多彩な演出を行うことができるようになる。
【0197】
また、上述したように、複数の部分動画像データによって一の演出を実行するための動画像データが構成されるようにしているので、CGROM86に格納される動画像データ全体のデータ量を削減することができる。また、上述した実施の形態では、そのような複数の部分動画像データによって構成される動画像データを用いて、上述したフェードイン表示、フェードアウト表示、および1のピクチャにもとづく静止表示を実行するようにしているので、動画像データのデータ量を大幅に削減することができる。さらに、上述した実施の形態では、上記のような複数の部分動画像データによって構成される動画像データを用いて動画像表示領域での演出表示を実行するようにしているので、データ量が削減された動画像データを用いて目立つ演出を実行することができるようになる。
【0198】
また、上述したように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードイン表示を行う構成として動画像データのデータ量を増大させることなくフェードイン表示を行うようにし、かつ、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成として静止表示を行うための動画像データを削減するようにしたので、動画像データ全体のデータ量を大幅に低減させることができる。
【0199】
また、上述したように、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いてフェードアウト表示を行う構成として動画像データのデータ量を増大させることなくフェードアウト表示を行うようにし、かつ、動画像データに含まれている1フレーム分の画像データを用いて表示画像を所定期間静止させる静止表示を行う構成として静止表示を行うための動画像データを削減するようにしたので、動画像データ全体のデータ量を大幅に低減させることができる。
【0200】
なお、上述した実施の形態では、静止画像による演出から動画像による演出に切り替えるときにフェードイン表示を行う構成としていたが、逆に、動画像による演出から静止画像による演出に切り替えるときに、静止画像を徐々に出現させるフェードイン表示を行う構成としてもよい。
【0201】
また、上述した実施の形態では、動画像による演出から静止画像による演出に切り替えるときにフェードアウト表示を行う構成としていたが、逆に、静止画像による演出から動画像による演出に切り替えるときに静止画像を徐々に消失させるフェードアウト表示を行う構成としてもよい。
【0202】
また、上述した実施の形態では、例えば図柄変動中処理等に動画像による演出が実行され、フェードイン処理やフェードアウト処理が実行されるものとして説明していたが、例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出等の様々な演出において、上述したフェードイン処理やフェードアウト処理によるフェードイン表示やフェードアウト表示を用いた演出を行うようにしてもよい。
【0203】
例えば、スーパーリーチと呼ばれる大当り信頼度の高いリーチへの発展時にフェードイン表示を実行し、フェードイン表示の後に動画像による演出を実行し、その動画像による演出の終了時にフェードアウト表示を行うようにしてもよい。また、例えば、デモンストレーション画像を表示するときにフェードイン表示を実行し、フェードイン表示の後に動画像によるデモンストレーション演出を実行し、その動画像による演出の終了時にフェードアウト表示を行うようにしてもよい。
【0204】
また、上述した実施の形態では、例えば図柄変動中処理等に動画像による演出が実行され、静止表示処理が実行されるものとして説明していたが、例えば、リーチや大当りとなることを予告報知するための予告演出、大当り遊技状態における大当りラウンド中や大当りラウンド間に実行される大当り演出、デモンストレーション演出等の様々な演出において、上述した静止表示処理による静止表示を用いた演出を行うようにしてもよい。
【0205】
また、上述した実施の形態では、動画像演出中に表示画面の変化がない場面が存在する場合に静止表示対象画像による静止表示を実行する構成としていたが、変化は全くないときに限らず、例えば動画像演出中に表示画面の変化がほとんどないような場合に静止表示対象画像による静止表示を実行するようにしてもよい。
【0206】
また、上述した実施の形態では特に言及していないが、動画像データは、動画撮影装置によって撮影された実写画像を動画再生するためのデータであっても、アニメーションによる動画を再生するためのデータであってもよく、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって描画されたコンピュータグラフィクス(CG)を用いたCG画像を動画再生するためのデータであってもよい。実写画像による動画像データを用いる構成とした場合には、人物や動物などの動きをリアルに表現することができるようになる。また、CG画像による動画像データを用いる構成とした場合には、コンピュータグラフィクスによって自由に画像を作成することができるので、実写によっては得ることが困難な画像であっても簡単に作成することができ、必要とする動画像を含めた動画像データを容易に作成することができるようになる。なお、実写画像とCG画像とを組み合わせて動画像データを作成するようにしてもよい。
【0207】
また、上述した実施の形態では、動画像による遊技演出が特別図柄の可変表示が実行される可変表示装置9で行われるものとして説明していたが、特別図柄の可変表示が実行される表示装置とは別個の画像表示装置にて動画像による遊技演出が実行される構成としてもよい。
【0208】
また、上述した実施の形態では、遊技機の例として、識別情報を可変表示する可変表示装置としての機能と演出画像を表示する画像表示装置としての機能とを併せ持つ可変表示装置6を備えたパチンコ遊技機を用いて説明したが、パチンコ遊技機に限られず、可変表示装置と画像表示装置とを別個に備えたスロット機等の他の遊技機においても、本発明を適用することができる。以下、本発明を、他の遊技機の一例であるスロット機に適用した場合の例について説明する。
【0209】
図28はスロット機(スロットマシン)500を正面から見た正面図である。図28に示すように、スロット機500は、中央付近に遊技パネル501が着脱可能に取り付けられている。また、遊技パネル501の前面の中央付近には、複数種類の図柄が可変表示される可変表示装置502が設けられている。この実施の形態では、可変表示装置502には、「左」、「中」、「右」の3つの図柄表示エリアがあり、各図柄表示エリアに対応してそれぞれ図柄表示リール502a,502b,502cが設けられている。
【0210】
遊技パネル501の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、コインを1枚ずつBETする(かける)ためのBETスイッチ521、1ゲームでかけることのできる最高枚数(本例では3枚)ずつコインをBETするためのMAXBETスイッチ522、精算スイッチ523、及びコイン投入口524が設けられている。コイン投入口524に投入されたコインは、図示しない投入コインセンサによって検知される。
【0211】
操作テーブル520の手前側には、スタートスイッチ525、左リールストップスイッチ526a、中リールストップスイッチ526b、右リールストップスイッチ526c及びコイン詰まり解消スイッチ527が設けられている。操作テーブル520の手前左右には、それぞれランプ528a,528bが設けられている。操作テーブル520の下部には、効果音等を出力するスピーカ530が設けられている。
【0212】
遊技パネル501の上部には、遊技者に遊技方法や遊技状態等を報知する画像表示装置(LCD:液晶表示装置)540が設けられている。例えば、入賞発生時に、キャラクタが所定動作を行う画像を画像表示装置540に表示することで、後述する当選フラグが設定されていることを遊技者に報知する。本例では、この画像表示装置540に動画像データにもとづく動画像が再生表示される。すなわち、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に復号化処理や動画再生処理が実行されるとともにフェードイン処理やフェードアウト処理による遊技演出が実行されて、画像表示装置540の表示領域にフェードイン表示やフェードアウト表示を含む動画像による各種の表示がなされる。また、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に復号化処理や動画再生処理が実行されることで、静止表示対象ピクチャを用いた静止表示処理に遊技演出が実行されて、画像表示装置540の表示領域に静止表示対象ピクチャを用いた静止表示など、動画像データによる各種の表示がなされる。さらに、スロット機500にて、上述したパチンコ遊技機と同様に動画像表示領域設定処理、復号化処理及び動画再生処理が実行されるとともに、設定された動画像表示領域にて動画像による遊技演出が実行されて、画像表示装置540に設定された動画像表示領域に飾り図柄の可変表示におけるリーチ演出に類する演出などの動画像による各種の演出が行われる。なお、画像表示装置540の左右には、効果音を発する2つのスピーカ541L,541Rが設けられている。
【0213】
なお、スロット機500で発生する入賞役には、小役入賞と、リプレイ入賞と、ビッグボーナス入賞と、レギュラーボーナス入賞とがある。スロット機500では、スタートスイッチ525を操作したタイミングで乱数が抽出され、上記いずれかの入賞役による入賞の発生を許容するか否かを決定する。入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」という。内部当選した場合、その旨を示す当選フラグがスロット機500の内部で設定される。当選フラグが設定された状態でのゲームでは、その当選フラグに対応する入賞役を引き込むことが可能なようにリール502a〜502cが制御される。一方、当選フラグが設定されていない状態でのゲームでは、入賞が発生しないようにリール502a〜502cが制御される。
【0214】
次に、スロット機により提供されるゲームの概要について説明する。
例えば、コイン投入口524からコインが投入されBETスイッチ521又はMAXBETスイッチ522が押下される等してかけ数が設定されると、スタートスイッチ525の操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートスイッチ525が操作されると、可変表示装置502に設けられている各図柄表示リール502a〜502cが回転を始める。また、スタートスイッチ525を操作したタイミングで、レギュラーボーナス入賞又はビッグボーナス入賞が内部当選した場合には、例えば、画像表示装置540に所定のキャラクタが所定の動作を行っている画面を表示する等して、内部当選した旨が遊技者等に報知される。
【0215】
各図柄表示リール502a〜502cが回転を始めてから所定時間が経過すると、各リールストップスイッチ526a〜526cの操作が有効となる。この状態で、遊技者が各リールストップスイッチ526a〜526cのいずれかを押下すれば、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。なお、各図柄表示リール502a〜502cを停止させずに、所定期間以上放置した場合には、各図柄表示リール502a〜502cが自動的に停止する。
【0216】
すべての図柄表示リール502a〜502cが停止した時点で、可変表示装置502に表示されている各図柄表示リール502a〜502cの上段、中段、下段の3段の図柄中、かけ数に応じて定められる有効な入賞ライン上に位置する図柄の組合せによって入賞したか否かが定められる。かけ数が1の場合には、可変表示装置502における中段の横1列の入賞ラインのみが有効となる。かけ数が2の場合には、可変表示装置502における上段、中段、下段の横3列の入賞ラインが有効となる。かけ数が3の場合には、可変表示装置502における横3列と斜め対角線上2列の合計5本の入賞ラインが有効ラインとなる。
【0217】
有効ライン上の図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、画像表示装置540の表示等によって所定の遊技演出がなされ、入賞の発生に応じたゲームが開始される。
【0218】
図29は、スロット機500に備えられる主基板(遊技制御基板)600の回路構成の一例を示すブロック図である。図29には、演出制御基板630及びリールユニット650も示されている。なお、主基板600には電源基板や中継基板等の他の基板も接続されるが、図29には示されていない。主基板600は、プログラムに従って制御動作を行うCPU602、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM603、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM604及びI/Oポート部605を含む構成とされている。
【0219】
リールユニット650には、リールモータ651と、リールランプ652と、リールセンサ653とが格納されている。リールモータ651は、各リール502a〜502cを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リール502a〜502cの内部に設けられ、各リール502a〜502cに描かれた図柄のうち、可変表示装置502にて視認される図柄をリールの内側から照らすためのランプである。リールセンサ653は、各リール502a〜502cの回転状態や回転数等を感知するためのセンサである。
【0220】
この実施の形態では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段が、スロット機500に設けられている画像表示装置540の表示制御や、リールランプ652の点灯制御を行う。画像表示装置540には、演出制御手段の制御によって、飾り図柄の変動表示や、遊技状態や遊技方法を報知するための表示等の様々な情報が表示される。この例では、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段には、演出制御用のCPUやGCL等が含まれる。したがって、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、上述したパチンコ遊技機と同様に、動画像データにもとづく動画像による遊技演出を実行することができる構成とされている。なお、演出制御基板630に搭載されている演出制御手段は、スロット機500に設けられている各種の遊技効果ランプ550,551,552,553の点灯制御、及びスロット機500に設けられているスピーカ501,541L,541Rの音出力制御を行う。
【0221】
この例では、演出制御基板630は、主基板600から受信した制御コマンドに基づく演出パターンに従って、画像表示装置540や、遊技効果ランプ550等や、スピーカ530等を制御する。画像表示装置540では、所定の画像表示パターン(演出パターンの一例)に従って、飾り図柄の変動表示がなされる。飾り図柄の変動表示演出では、例えば、パチンコ機における特別図柄の変動表示のような図柄組合せ演出表示や、リール502a〜502cの変動表示のような図柄組合せ演出等の演出が実行される。予め複数設けられている演出パターンから何れの演出パターンを用いるかについては、例えば、スタートスイッチ525が操作されたタイミングで、CPU602によって決定される。
【0222】
なお、上述したスロット機500では、動画像データにもとづく動画像による演出等がなされるが、それらの演出は、例えば、入賞していない通常の遊技期間中、レギュラーボーナス入賞によってレギュラーボーナスゲームが行われている期間中、ビッグボーナス入賞によるビッグボーナスゲームが行われている期間中等に実行されるようにすればよい。
【0223】
この例では、例えば、フェードイン処理やフェードアウト処理等によって、画像表示装置540に表示される動画像演出の最初や最後において、動画像データに含まれている画像データを用いたフェードイン表示やフェードアウト表示が実行される。また、例えば、動画像データに含まれている静止対象ピクチャを用いた動画再生処理等によって、画像表示装置540に静止状態の画像を表示する処理が実行される。さらに、この例では、例えば、画像表示装置540に設定された動画像表示領域に動画像データに基づく動画像を表示する処理が実行される。
【0224】
以上説明したように、本発明をスロット機に適用することができ、スロット機に適用した場合であっても上述した各実施の形態における効果を得ることができる。
【0225】
上述した各遊技機は、可変表示装置における変動表示の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに所定の遊技価値を遊技者に与える構成とされている。遊技価値とは、例えば、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態となるための権利を発生させたりすることや、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
【0226】
また、上述した各実施の形態では、第1種に分類される遊技機やスロットマシンについて説明したが、上述したように、所定の遊技の結果として特定結果が得られたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機であって、画像表示装置を有するものであれば、例えば、第2種あるいは第3種に分類される遊技機などの他の遊技機であってもよい。具体的には、例えば第2種に分類される遊技機として、遊技領域に発射された遊技媒体が入賞しやすい第1の状態と、入賞しない、または入賞しがたい第2の状態とに変化可能な可変入賞装置(例えば、いわゆる可変入賞球装置)を備え、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、遊技球を検出する検出手段が配されている領域)を遊技媒体が通過したことにもとづいて所定の始動態様(例えば、可変入賞球装置が備える大入賞口を1回または2回開放する始動動作を行っている状態や様子を意味する。)にて可変入賞装置を第1の状態に制御し、可変入賞装置に入賞した遊技媒体が複数の領域のうちの特定の領域(例えば、特定の遊技球を検出する検出手段が配されている領域)に進入したことにもとづいて始動態様より遊技者に有利な特定態様で可変入賞装置が第1の状態に制御されるラウンドを所定の上限回数(例えば15回)実行可能な特定遊技状態(例えば、大当り状態)が発生するとともに、ラウンド中において可変入賞装置に入賞した遊技媒体が、特定の領域に進入したことにもとづいて当該ラウンドの終了のあとに次回のラウンドに移行可能となる遊技機であってもよい。
【0227】
なお、上述した実施の形態において、「リーチ態様」とは、複数の可変表示領域の一部の可変表示が停止され、表示された識別情報が特定表示結果の一部を満たしている態様をいう。「リーチ表示状態」とは、可変表示装置において最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定表示態様と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している表示状態、又は、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している表示状態をいう。また、リーチ表示状態において行われる演出をリーチ演出という。さらに、リーチ表示状態やその様子をリーチ表示態様あるいは単にリーチ態様という。
【0228】
また、「特定遊技状態」とは、所定の遊技価値が付与された遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特定遊技状態」は、例えば、可変入賞球装置の状態が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態(大当り遊技状態)、遊技者にとって有利な状態となるための権利が発生した状態、景品遊技媒体払出の条件が成立しやすくなる状態等の、所定の遊技価値が付与された状態である。
【0229】
さらに、「特別遊技状態」とは、大当りとなりやすい遊技者にとって有利な状態を意味する。具体的には、「特別遊技状態」は、例えば、特別図柄が大当り図柄でそろう確率が高確率状態とされる確変状態、単位時間あたりの普通図柄の変動回数が高められる時短状態、可変入賞球装置9の開成期間や開成回数が高められる開放延長状態等の大当りとなる確率が高められている高確率状態である。なお、時短状態は、可変入賞球装置9の開放回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。また、同様に、開放延長状態は、可変入賞球装置9の開成期間や開成回数が高められていることから単位時間あたりの入賞回数が増加し、単位時間あたりの特別図柄の可変表示回数が高められるので、大当りとなる確率が高められている状態といえる。
【0230】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、動画像による一連の表示演出を行うための動画像データが、一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データとして圧縮データ格納手段に格納されており、データ再生手段が、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、一連の表示演出を再開することを特徴とするので、データ圧縮された動画像データを用いた画像表示中に何らかの障害が発生して表示が不能となったときでも、動画再生を再開することができるようになる。よって、障害の発生によって受ける影響を極力軽減させることができる。
【0231】
請求項2記載の発明では、データ再生手段が、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における識別情報の可変表示演出を動画再生処理によって行うように構成されているので、遊技者の関心が高いリーチ演出にて動画像による演出を行うことができ、動画像による遊技演出を効果的に使用することができるようになる。
【0232】
請求項3記載の発明では、各部分動画像データが、それぞれ、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータとを含み、各部分動画像データには、それぞれ複数のキーフレームデータが含まれているので、動画像データの必要容量を抑制することができる。
【0233】
請求項4記載の発明では、キーフレームデータは、部分動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられる構成とされているので、再生される動画像の画像品質を向上させることができるとともに、動画像データのデータ量を削減することができる。
【0234】
請求項5記載の発明では、動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータであるとされているので、コンピュータグラフィクスによって構成される動画像データを使用することができ、必要とする動画像を含めた動画像データを容易に作成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】遊技機を裏面から見た背面図である。
【図3】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図4】演出制御基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図5】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図6】2msタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図7】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図8】演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図10】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図11】動画像データのデータ構造の例を示す説明図である。
【図12】動画像データと部分動画像データとの関係を示す説明図である。
【図13】動画像表示領域設定処理の例を示すフローチャートである。
【図14】動画像表示領域解除処理の例を示すフローチャートである。
【図15】復号化処理の例を示すフローチャートである。
【図16】動画再生処理の例を示すフローチャートである。
【図17】フェードイン処理の例を示すフローチャートである。
【図18】フェードイン処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図19】フェードイン処理により作成されるフェードイン画像の表示状態を示す説明図である。
【図20】フェードアウト処理の例を示すフローチャートである。
【図21】フェードアウト処理に用いられる数式の例を示す説明図である。
【図22】フェードアウト処理により作成されるフェードイン画像の表示状態を示す説明図である。
【図23】静止表示対象画像の表示状態等を示す説明図である。
【図24】動画像表示領域の設定位置の例を示す説明図である。
【図25】動画像表示領域の表示状態の例を示す説明図である。
【図26】動画再生中に障害が発生した場合の動画再生状態の例を示す説明図である。
【図27】本発明の概要を示す概念図である。
【図28】スロット機を正面から見た正面図である。
【図29】スロット機に搭載されている主基板の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
6 可変表示装置(画像表示装置)
30 主基板
33 CPU
60 ランプ制御部
70 音制御部
80 表示制御部
81 GCL
100 演出制御基板
101 演出制御用CPU
500 スロット機
540 画像表示装置
600 主基板
630 演出制御基板
Claims (5)
- 遊技者が所定の遊技を実行可能であり、所定の遊技の結果として特定結果が得られたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態とする遊技機であって、
遊技演出に用いられる画像を表示する画像表示装置と、
動き補償予測符号化による圧縮データを含む動画像データを格納する圧縮データ格納手段と、
前記圧縮データ格納手段に格納されている動画像データを伸張するデータ伸張手段と、
前記データ伸張手段により伸張された動画像データに基づいて生成される画像を前記画像表示装置に順次表示させることによって動画再生処理を行うデータ再生手段とを備え、
動画像による一連の表示演出を行うための動画像データは、前記一連の表示演出を複数部分に分割した部分動画像データとして前記圧縮データ格納手段に格納されており、
前記データ再生手段は、各部分動画像データによる動画再生を順次実行することで前記一連の表示演出を行い、障害の発生により動画像データに基づく画像表示が不能となった場合には、次に使用される部分動画像データの実行タイミングで当該部分動画像データによる動画再生を実行し、前記一連の表示演出を再開する
ことを特徴とする遊技機。 - 所定の遊技として、画像表示装置において各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示が複数の可変表示領域にて行われ、前記識別情報の表示結果が特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機であり、
データ再生手段は、識別情報の表示態様がリーチ態様となったことにもとづいて実行されるリーチ演出における識別情報の可変表示演出を動画再生処理によって行う
請求項1記載の遊技機。 - 各部分動画像データは、それぞれ、フレーム内符号化により圧縮されたキーフレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータを用いて符号化する前方向予測符号化により圧縮された前方向予測符号化フレームデータと、再生時に先に使用されるフレームデータと後に使用されるフレームデータとを用いて符号化する双方向予測符号化により圧縮された双方向予測符号化フレームデータとを含み、
前記各部分動画像データには、それぞれ複数のキーフレームデータが含まれている
請求項1または請求項2記載の遊技機。 - キーフレームデータは、部分動画像データにおいて、動画像中に現れる表示物体が遅く動作する動画像を再生するためのデータ部分よりも、当該表示物体が速く動作する動画像を再生するためのデータ部分に多く用いられる
請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の遊技機。 - 動画像データは、実写画像及びコンピュータグラフィクスの少なくともいずれか一方を含む多色画像を動画再生するためのデータである
請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
Priority Applications (1)
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2002
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