(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(Electro Luminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間や1.8秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口が開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数(15回や2回)に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
[特徴部17TMに関する説明]
次に特徴部17TMのパチンコ遊技機1において実行される先読み予告演出の具体例を説明する。以下の特徴部17TMの形態では、先読み予告演出の一例として、先読み予告演出の対象となる可変表示(所謂ターゲット変動)よりも前に実行される1以上の可変表示に関して、可変表示結果として所定の飾り図柄の組み合わせであるチャンス目を停止表示させるチャンス目停止演出を実行する。遊技者にとっては、飾り図柄の組み合わせとしてチャンス目が停止表示されることにより、以降に実行される可変表示の表示結果が大当りとなることを期待することになるため、チャンス目停止演出は、大当りが発生することを遊技者に示唆する示唆演出の一例である。
ここで、本実施形態では、示唆演出としてチャンス目停止演出が実行される際に、飾り図柄の視認性を変化させる特別演出と、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する変更演出と、を実行可能である。
本実施形態における特別演出は、後述するように、チャンス目停止演出が実行される際に画像表示装置5に表示されている背景画像を左右から圧縮して縦長の背景画像に変化させ、それに応じて飾り図柄を縦長に伸張して表示することで飾り図柄の視認性を変化させる演出である。また、本実施形態における変更演出は、後述するように、チャンス目停止演出が実行される際に画像表示装置5に表示されている背景画像を左右から圧縮して縦長の背景画像に変化させると共に、それに応じて飾り図柄の周囲に表示されている情報(保留表示、アクティブ表示、アクティブ表示ガイド等)のレイアウトを変更する演出である。
本実施形態において、演出制御用CPU120は、図6のコマンド解析処理(ステップS75)において、演出制御コマンドとして、1セットの始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数指定コマンド)を受信する。
ここで、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に抽出した大当り判定用乱数が大当り判定用テーブルにおける大当り判定値に一致するか否かを判定する。そして、大当り判定値と一致しなければ、始動入賞時の判定結果がはずれであることを指定する図柄指定コマンドをセットする。一方、大当り判定値と一致する場合には、当該始動入賞時に抽出した大当り種別判定用乱数が大当り種別判定用テーブルにおける何れの大当り種別(例えば、通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)の判定値に一致するかを判定する。そして、一致した判定値に対応する大当り種別を、始動入賞時の判定結果として指定する図柄指定コマンドをセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時の判定結果がはずれである場合には、始動入賞時に抽出した変動カテゴリ判定用乱数が、はずれ用変動カテゴリ判定用テーブルにおける何れの変動カテゴリ(例えば、非リーチはずれ、ノーマルリーチはずれ、スーパーリーチはずれ)の判定値に一致するかを判定する。そして、一致した判定値に対応する変動カテゴリを、始動入賞時の判定結果として指定する変動カテゴリコマンドをセットする。一方、始動入賞時の判定結果が大当りである場合には、始動入賞時に抽出した変動カテゴリ判定用乱数が、大当り用変動カテゴリ判定用テーブルにおける何れの変動カテゴリ(例えば、ノーマルリーチ大当り、スーパーリーチ大当り)の判定値に一致するかを判定する。そして、一致した判定値に対応する変動カテゴリを、始動入賞時の判定結果として指定する変動カテゴリコマンドをセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、更新後の第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンド、及び、更新後の第1保留記憶数と第2保留記憶数との合算値を指定する合算保留記憶数指定コマンドをセットし、第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、更新後の第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンド、及び、第1保留記憶数と更新後の第2保留記憶数との合算値を指定する合算保留記憶数指定コマンドをセットする。
遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞が発生したときに、このようにしてセットした図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数指定コマンド(第1保留記憶数指定コマンド又は第2保留記憶数指定コマンド、及び、合算保留記憶数指定コマンド)を1セットの始動入賞時のコマンドとして演出用制御用CPU120に送信する。
演出制御用CPU120は、受信した始動入賞時のコマンドに基づいて、チャンス目停止演出の実行の有無と、チャンス目停止演出を実行する場合の演出態様(停止させる飾り図柄の組み合わせ)を決定する。
(チャンス目停止演出における停止図柄の決定)
図8−1は、チャンス目停止演出の実行の有無、及び、チャンス目停止演出を実行する場合における停止図柄を決定するためのテーブルを示す説明図である。図8−1(1)は、始動入賞により第1保留記憶数が2となった場合に使用するテーブルであり、図8−1(2)は始動入賞により第1保留記憶数が3となった場合に使用するテーブルであり、図8−1(3)は、始動入賞により第1保留記憶数が4となった場合に使用するテーブルである。
図8−1(1)は、第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数が2の場合に用いられるテーブルであり、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが「非リーチはずれ」である場合、「スーパーリーチはずれ」である場合、及び「スーパーリーチ大当り」である場合について、それぞれ「青」(偶数図柄揃い)、「赤」(奇数図柄揃い)、及び「チャンス目停止演出実行せず」に関する判定値が割り振られているものとする。
演出制御用CPU120は、始動入賞時のコマンドを受信したときに抽出した停止図柄決定用乱数が、何れかの停止図柄パターンの判定値に含まれるか、あるいは何れの停止図柄パターンの判定値にも含まれないかを判定することで、「青」及び「赤」のいずれかの停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行するか否か、及び、いずれかの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出を実行する場合には「青」及び「赤」のいずれの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出を実行するか、を決定する。
演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドが「非リーチはずれ」を示している場合には、4%の割合で「青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の1つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、96%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチはずれ」を示している場合には、4%の割合で「青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、10%の割合で「赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の1つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、86%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示している場合には、4%の割合で「青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、20%の割合で「赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、76%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
図8−1(2)は、第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数が3の場合に用いられるテーブルであり、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが「非リーチはずれ」である場合、「スーパーリーチはずれ」である場合、及び「スーパーリーチ大当り」である場合について、それぞれ「青→青」(偶数図柄揃い→偶数図柄揃い)、「赤→赤」(奇数図柄揃い→奇数図柄揃い)、「青→赤」(偶数図柄揃い→奇数図柄揃い)、及び「チャンス目停止演出実行せず」に関する判定値が割り振られているものとする。
演出制御用CPU120は、始動入賞時のコマンドを受信したときに抽出した停止図柄決定用乱数が、何れかの停止図柄パターンの判定値に含まれるか、あるいは何れの停止図柄パターンの判定値にも含まれないかを判定することで、「青→青」、「赤→赤」、及び「青→赤」のいずれかの停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行するか否か、及び、いずれかの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出を実行する場合には「青→青」、「赤→赤」、及び「青→赤」のいずれの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出を実行するか、を決定する。
演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドが「非リーチはずれ」を示している場合には、4%の割合で「青→青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の2つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、96%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチはずれ」を示している場合には、4%の割合で「青→青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、8%の割合で「赤→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の2つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、12%の割合で「青→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の2つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、76%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示している場合には、4%の割合で「青→青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、12%の割合で「赤→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、24%の割合で「青→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、60%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
図8−1(3)は、第1保留記憶数指定コマンドが指定する第1保留記憶数が4の場合に用いられるテーブルであり、変動カテゴリコマンドで示される変動カテゴリが「非リーチはずれ」である場合、「スーパーリーチはずれ」である場合、及び「スーパーリーチ大当り」である場合について、それぞれ「青→青→青」(偶数図柄揃い→偶数図柄揃い→偶数図柄揃い)、「赤→赤→赤」(奇数図柄揃い→奇数図柄揃い→奇数図柄揃い)、「青→赤→赤」(偶数図柄揃い→奇数図柄揃い→奇数図柄揃い)、「青→青→赤」(偶数図柄揃い→偶数図柄揃い→奇数図柄揃い)、及び「チャンス目停止演出実行せず」に関する判定値が割り振られているものとする。
演出制御用CPU120は、始動入賞時のコマンドを受信したときに抽出した停止図柄決定用乱数が、何れかの停止図柄パターンの判定値に含まれるか、あるいは何れの停止図柄パターンの判定値にも含まれないかを判定することで、「青→青→青」、「赤→赤→赤」、「青→赤→赤」、及び「青→青→赤」のいずれかの停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行するか否か、及び、いずれかの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出を実行する場合には「青→青→青」、「赤→赤→赤」、「青→赤→赤」、及び「青→青→赤」のいずれの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出を実行するか、を決定する。
演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドが「非リーチはずれ」を示している場合には、4%の割合で「青→青→青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の3つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、2つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、96%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチはずれ」を示している場合には、4%の割合で「青→青→青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、6%の割合で「赤→赤→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の3つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させ、2つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、8%の割合で「青→赤→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の3つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、2つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、10%の割合で「青→青→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し(即ち、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の3つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、2つ前の可変表示において、青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示させ、1つ前の可変表示において、赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示させることに決定し)、72%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示している場合には、4%の割合で「青→青→青」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、8%の割合で「赤→赤→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、12%の割合で「青→赤→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、20%の割合で「青→青→赤」の停止図柄パターンでチャンス目停止演出を実行することに決定し、56%の割合でチャンス目停止演出を実行しないことに決定する。
図8−1の(1)〜(3)に示すように、この実施の形態では、始動入賞時の判定結果がスーパーリーチはずれやスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれとなる場合と比較して、最終的に(チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示の直前に実行される可変表示において)、赤色の奇数図柄の組み合わせが停止表示される割合が高い。また、この実施の形態では、始動入賞時の判定結果がスーパーリーチ大当りとなる場合には、非リーチはずれやスーパーリーチはずれとなる場合と比較して、最終的に、赤色の奇数図柄の組み合わせが停止表示される割合が高い。即ち、チャンス目停止演出において、赤色の奇数図柄の組み合わせが停止表示される場合には、青色の偶数図柄の組み合わせが停止表示される場合よりも、スーパーリーチとなる期待度が高く、大当りとなる期待度が高い。
また、この実施の形態では、図8−1の(2)及び(3)に示すように、複数回の可変表示にわたってチャンス目停止演出が実行される場合において(即ち先読み連続演出としてのチャンス目停止演出が実行される場合において)、青色の偶数図柄の組み合わせから赤色の奇数図柄の組み合わせに変化する場合には(「青→赤」、「青→赤→赤」、「青→青→赤」)、青色の偶数図柄の組み合わせから変化しない場合(「青→青」、「青→青→青」)、及び、赤色の奇数図柄の組み合わせから変化しない場合(「赤→赤」、「赤→赤→赤」)と比較して、大当りとなる割合が高い。
また、この実施の形態では、図8−1の(3)に示すように、複数回の可変表示にわたってチャンス目停止演出が実行される場合において、青色の偶数図柄の組み合わせから赤色の奇数図柄の組み合わせに変化するタイミングが遅い場合(「青→青→赤」)には、青色の偶数図柄の組み合わせから赤色の奇数図柄の組み合わせに変化するタイミングが早い場合(「青→赤→赤」)と比較して、大当りとなる割合が高い。
このように、いずれの停止図柄パターンによりチャンス目停止演出が実行されるかに応じて、大当り期待度が異なることから、停止表示される飾り図柄の組み合わせに遊技者を注目させて、興趣を向上させることができる。
なお、図8−1の(3)に示した例に限らず、複数回の可変表示にわたってチャンス目停止演出が実行される場合において、青色の偶数図柄の組み合わせから赤色の奇数図柄の組み合わせに変化するタイミングが早い場合(「青→赤→赤」)には、青色の偶数図柄の組み合わせから赤色の奇数図柄の組み合わせに変化するタイミングが遅い場合(「青→青→赤」)と比較して、大当りとなる割合が高いようにしても良い。
(チャンス目停止演出の具体例)
次に、チャンス目停止演出の具体例について説明する。
図8−2は、先読み連続予告としてのチャンス目停止演出の実行タイミングを示すタイムチャートであり、後述するように、始動入賞が発生して第1保留記憶数が4になり、第1保留記憶数が3の状態から変動1回目のチャンス目停止演出が実行される例を示している。
図8−3及び図8−4は、示唆演出としてのチャンス目停止演出が実行されるときに、飾り図柄の視認性を低下させる特別演出が実行されると共に、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する変更演出が実行される具体例を示す説明図であり、本例では、チャンス目停止演出の停止図柄パターンとして「青→青→赤」が決定されている。また、図8−3(1)に示すように、チャンス目停止演出が実行される前の画像表示装置5においては、背景画像17TM010が表示されている。飾り図柄が可変表示及び停止表示されるエリアを左から図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、図柄表示エリア5Rとする。また、画像表示装置5の左上に表示される、飾り図柄よりも小さな図柄であって、飾り図柄が可変表示されているか否か及び飾り図柄の表示結果を示す図柄を小図柄と称する。
小図柄の可変表示は、飾り図柄の可変表示と並行して実行可能であり、小図柄の停止表示も、飾り図柄の停止表示と並行して実行可能である。ここで、小図柄は、飾り図柄とは異なり、可変表示中及び停止表示中の何れの状態でもキャラクタ等の装飾情報を含まず、識別情報である数字のみによって構成される。従って、小図柄は、飾り図柄と比較して装飾性が低い。また、本実施形態において、奇数の小図柄は、奇数の飾り図柄と同様に赤色(即ち確変大当り図柄を構成する図柄の表示色)で表示され、偶数の小図柄は、偶数の飾り図柄と同様に青色(即ち非確変大当り図柄を構成する図柄の表示色)で表示されるものとする。但し、これに限らず、小図柄に関しては、飾り図柄とは異なり、図柄によらず共通の表示色(例えば、白色や黒色等の単色)で表示させるようにしても良い。そして、小図柄が可変表示及び停止表示されるエリアを左から小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rとする。また、開始条件が成立していない可変表示に対応した保留表示及び開始条件が成立した可変表示に対応したアクティブ表示を、それぞれ、可変表示対応表示17TM002とする。
まず、第1保留記憶数が3の状態で、新たに入賞球装置6Aへの始動入賞が発生し(図8−2に示すT1のタイミング)、演出制御用CPU120が、チャンス目停止演出を実行することを決定したものとする(本例では、変動1回目で青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示し、変動2回目で青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示し、変動3回目で赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示することに決定したものとする)。また、このとき第1保留記憶数が4であることに基づいて、先読みカウンタの値として4をセットする。即ち、先読みカウンタの値は、チャンス目停止演出のターゲットとなる可変表示が実行されるまでの残りの可変表示回数を示している。
T1の始動入賞時に実行されていた特別図柄表示装置による特別図柄の可変表示が終了して表示結果が停止表示されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドとして、特別図柄の表示結果が確定したことを指定する図柄確定指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて(また、変動パターンコマンドで指定された変動時間が経過したことに応じて)、予め決定していた飾り図柄の組み合わせを一定期間(例えば、0.6秒の図柄確定停止期間)確定停止させる。
演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から、特別図柄表示装置による特別図柄の可変表示が開始されるときに、変動パターンコマンドを受信したことに応じて、また、当該可変表示の表示結果(大当りとなるか否か、及び、大当りとなる場合の大当り種別)を指定する表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−3(1)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留記憶数減算指定コマンドを受信したことに応じて保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を4から3に減少させ、先読みカウンタの値を4から3に更新する(図8に示すT2のタイミング)。
図8−3(1)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT2のタイミングで開始された変動1回目)を実行している状態を示している。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT2のタイミングで開始された変動1回目)も実行している。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−3(2)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「B」を含む青色の偶数図柄である数字「2」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「F」を含む青色の偶数図柄である数字「6」)を停止表示させる。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−3(3)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が停止表示するタイミング(図8−2に示すT3のタイミング)で、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(青色の偶数図柄である数字「4」)を停止表示させることにより、1回目のチャンス目停止演出を実行する。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「2,4,6」となる青色の偶数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。
このとき演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010を、背景画像17TM010を左右から圧縮して縦長の態様とした背景画像17TM010aに変化させる。また、これに対応して、図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Rに表示されていた、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001を、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aに変化させる。このとき、チャンス目を構成する中図柄(本例では「4」)も、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aとなる。変化後の飾り図柄17TM001aは、変化前の飾り図柄17TM001を左右から圧縮して縦長に伸張した態様となっている。即ち、飾り図柄17TM001aは、飾り図柄17TM001と比較して、キャラクタを含まず、且つ、数字部分に関して横幅が狭くなり縦長に伸長表示される変形が施されることにより、視認性が低いものとなっている。また、変化後の飾り図柄17TM001aは、変化前の飾り図柄17TM001と比較して、飾り図柄の表示間隔が狭まっている(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔が縮小されている)ため視認性が低いものとなっている。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、1回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の視認性を変化させる1回目の特別演出を実行するものである。
このように、示唆演出としてのチャンス目停止演出が実行されるときに、飾り図柄の視認性を変化させる(本例では、飾り図柄を左右から圧縮する変形を施すことにより視認性を低下させる)特別演出を実行することにより、飾り図柄による演出効果を高めて、興趣を向上させることができる。
また、チャンス目停止演出が実行されるときには、チャンス目を構成する各飾り図柄を、キャラクタを含まない数字のみからなる図柄とすることで、飾り図柄における数字に注目させるようにする。これにより、チャンス目を構成する飾り図柄の組み合わせ(本例では、青色の偶数図柄の組み合わせ)が停止表示されたことを遊技者に強調することができ、興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、背景画像の変化に対応して、保留表示及びアクティブ表示としての可変表示対応表示17TM002と、アクティブ表示の表示位置を示すアクティブ表示ガイド17TM004を、左右から圧縮して縦長に伸張した態様(可変表示対応表示17TM002a、アクティブ表示ガイド17TM004a)に変化させる。ここで、変化後の可変表示対応表示17TM002aは、変化前の可変表示対応表示17TM002と比較して、各表示(保留表示及びアクティブ表示)の表示間隔が狭まっており、レイアウトが変更されている。また、各保留表示は、変化前と比較して画面中央寄りに表示されているという点でも、レイアウトが変更されている。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、1回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する1回目の変更演出を実行するものである。
このように、示唆演出としてのチャンス目停止演出が実行されるときに、飾り図柄の周囲に表示されている情報(背景画像17TM010、可変表示対応表示17TM002、及びアクティブ表示ガイド17TM004)のレイアウトを変更する(それぞれ、背景画像17TM010a、可変表示対応表示17TM002a、アクティブ表示ガイド17TM004aに変化させる)変更演出を実行することにより、演出効果の向上を図ることができ、興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、示唆演出としてのチャンス目停止演出が実行されるときに、飾り図柄の表示間隔を狭める(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔を縮小させる)ことにより、飾り図柄自体のレイアウトを変更している。このように、変更演出において、飾り図柄自体のレイアウト、及び、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを、何れも変更することにより、演出効果を一層向上させることができる。
ここで、演出制御用CPU120は、図8−3(3)に示すように、特別図柄が停止表示されたことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される図柄確定指定コマンドを受信するまでは、チャンス目(「2」、「4」、及び「6」)を構成する左、中、右の各飾り図柄を完全には停止させておらず、レイアウト変更後の図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて各飾り図柄を揺動表示させている。また、図柄確定指定コマンドを受信するまでは、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rで、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が揺動表示されている図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、同じく図柄表示エリア5Cに対応した小図柄表示エリア5c、同じく図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−3(4)に示すように(図8−2に示すT4のタイミングで)、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、特別演出及び変更演出を終了すると共に、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。これと共に、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおける各小図柄の可変表示を終了させて、各小図柄を確定表示(完全停止)させる。このとき確定表示される小図柄17TM003は、確定表示された各飾り図柄を構成する数字の組み合わせ(本例では「2」、「4」、及び「6」の組み合わせ)である。
即ち、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄の視認性を低下させる1回目の特別演出を終了させ、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する1回目の変更演出を終了させる。本例では、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010aを、左右から圧縮しておらず縦長でもない変化前の態様の背景画像17TM010に戻すと共に、飾り図柄17TM001aを、左右から圧縮しておらず縦長に伸長していない変化前の態様の飾り図柄17TM001に戻す。これに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されていた、キャラクタを含まず数字のみから構成される飾り図柄(「2」、「4」、及び「6」の組み合わせ)を、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄(キャラクタ「B」及び数字「2」、キャラクタ「D」及び数字「4」、及びキャラクタ「F」及び数字「6」の組み合わせ)に変化させる。従って、左、中、右の各飾り図柄が確定表示されるときには、各飾り図柄は、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001となる。
また、背景画像を変化前の背景画像17TM010に戻すことに伴い、可変表示対応表示及びアクティブ表示ガイドも、左右から圧縮しておらず縦長に伸長していない変化前の態様の可変表示対応表示17TM002及びアクティブ表示ガイド17TM004に戻す。なお、飾り図柄の表示間隔を狭めた表示(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔を縮小した表示)が終了することにより、飾り図柄の表示間隔(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔)は、特別演出及び変更演出の実行前と同様に広くなる。
これらの表示制御により、飾り図柄の視認性を回復させると共に、飾り図柄及び飾り図柄の周囲に表示される情報のレイアウトを元に戻すようにしている。このように、飾り図柄が確定表示される以前に、飾り図柄の視認性を低下させる特別演出を終了させると共に、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する変更演出も終了させることで、飾り図柄が確定表示されるときの飾り図柄の視認性(及び飾り図柄の周囲に表示されている情報の視認性)を確保することができ、興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU120は、図柄確定停止期間が経過すると、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−3(5)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留記憶数減算指定コマンドを受信したことに応じて保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を3から2に減少させ、先読みカウンタの値を3から2に更新する(図8に示すT5のタイミング)。
図8−3(5)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT5のタイミングで開始された変動2回目)を実行している状態を示している。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT5のタイミングで開始された変動2回目)も実行している。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−3(6)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「D」を含む青色の偶数図柄である数字「4」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「H」を含む青色の偶数図柄である数字「8」)を停止表示させる。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−3(7)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が停止表示するタイミング(図8−2に示すT6のタイミング)で、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(青色の偶数図柄である数字「6」)を停止表示させることにより、2回目のチャンス目停止演出を実行する。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「4,6,8」となる青色の偶数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。
このとき演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010を背景画像17TM010aに変化させる。また、これに対応して、図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Rに表示されていた、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001を、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aに変化させる。このとき、チャンス目を構成する中図柄(本例では「6」)も、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aとなる。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、2回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の視認性を変化させる2回目の特別演出を実行するものである。
また、演出制御用CPU120は、背景画像の変化に対応して、可変表示対応表示17TM002、アクティブ表示ガイド17TM004を、それぞれ、可変表示対応表示17TM002a、アクティブ表示ガイド17TM004aに変化させる。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、2回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する2回目の変更演出を実行するものである。
ここで、演出制御用CPU120は、図8−3(7)に示すように、特別図柄が停止表示されたことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される図柄確定指定コマンドを受信するまでは、チャンス目(「4」、「6」、及び「8」)を構成する左、中、右の各飾り図柄を完全には停止させておらず、レイアウト変更後の図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて各飾り図柄を揺動表示させている。また、図柄確定指定コマンドを受信するまでは、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rで、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が揺動表示されている図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、同じく図柄表示エリア5Cに対応した小図柄表示エリア5c、同じく図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−3(8)に示すように(図8−2に示すT7のタイミングで)、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、特別演出及び変更演出を終了すると共に、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。これと共に、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおける各小図柄の可変表示を終了させて、各小図柄を確定表示(完全停止)させる。このとき確定表示される小図柄17TM003は、確定表示された各飾り図柄を構成する数字の組み合わせ(本例では「4」、「6」、及び「8」の組み合わせ)である。
即ち、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄の視認性を低下させる2回目の特別演出を終了させ、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する2回目の変更演出を終了させる。本例では、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010aを、変化前の態様の背景画像17TM010に戻すと共に、飾り図柄17TM001aを、変化前の態様の飾り図柄17TM001に戻す。これに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されていた、キャラクタを含まず数字のみから構成される飾り図柄(「4」、「6」、及び「8」の組み合わせ)を、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄(キャラクタ「D」及び数字「4」、キャラクタ「F」及び数字「6」、及びキャラクタ「H」及び数字「8」の組み合わせ)に変化させる。従って、左、中、右の各飾り図柄が確定表示されるときには、各飾り図柄は、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001となる。
また、背景画像を変化前の背景画像17TM010に戻すことに伴い、可変表示対応表示及びアクティブ表示ガイドも、変化前の態様の可変表示対応表示17TM002及びアクティブ表示ガイド17TM004に戻す。なお、飾り図柄の表示間隔を狭めた表示(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔を縮小した表示)が終了することにより、飾り図柄の表示間隔(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔)は、特別演出及び変更演出の実行前と同様に広くなる。
演出制御用CPU120は、図柄確定停止期間が経過すると、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−4(9)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留記憶数減算指定コマンドを受信したことに応じて保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を2から1に減少させ、先読みカウンタの値を2から1に更新する(図8に示すT8のタイミング)。
図8−4(9)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT8のタイミングで開始された変動3回目)を実行している状態を示している。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT8のタイミングで開始された変動3回目)も実行している。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−4(10)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「C」を含む赤色の奇数図柄である数字「3」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「G」を含む赤色の奇数図柄である数字「7」)を停止表示させる。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−4(11)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が停止表示するタイミング(図8−2に示すT9のタイミング)で、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(赤色の奇数図柄である数字「5」)を停止表示させることにより、3回目のチャンス目停止演出を実行する。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「3,5,7」となる赤色の奇数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。
このとき演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010を背景画像17TM010aに変化させる。また、これに対応して、図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Rに表示されていた、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001を、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aに変化させる。このとき、チャンス目を構成する中図柄(本例では「5」)も、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aとなる。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、3回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の視認性を変化させる3回目の特別演出を実行するものである。
また、演出制御用CPU120は、背景画像の変化に対応して、可変表示対応表示17TM002、アクティブ表示ガイド17TM004を、それぞれ、可変表示対応表示17TM002a、アクティブ表示ガイド17TM004aに変化させる。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、3回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する3回目の変更演出を実行するものである。
ここで、演出制御用CPU120は、図8−4(11)に示すように、特別図柄が停止表示されたことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される図柄確定指定コマンドを受信するまでは、チャンス目(「3」、「5」、及び「7」)を構成する左、中、右の各飾り図柄を完全には停止させておらず、レイアウト変更後の図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて各飾り図柄を揺動表示させている。また、図柄確定指定コマンドを受信するまでは、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rで、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が揺動表示されている図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、同じく図柄表示エリア5Cに対応した小図柄表示エリア5c、同じく図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−4(12)に示すように(図8−2に示すT10のタイミングで)、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、特別演出及び変更演出を終了すると共に、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。これと共に、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおける各小図柄の可変表示を終了させて、各小図柄を確定表示(完全停止)させる。このとき確定表示される小図柄17TM003は、確定表示された各飾り図柄を構成する数字の組み合わせ(本例では「3」、「5」、及び「7」の組み合わせ)である。
即ち、演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄の視認性を低下させる3回目の特別演出を終了させ、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する3回目の変更演出を終了させる。本例では、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010aを、変化前の態様の背景画像17TM010に戻すと共に、飾り図柄17TM001aを、変化前の態様の飾り図柄17TM001に戻す。これに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されていた、キャラクタを含まず数字のみから構成される飾り図柄(「3」、「5」、及び「7」の組み合わせ)を、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄(キャラクタ「C」及び数字「3」、キャラクタ「E」及び数字「5」、及びキャラクタ「G」及び数字「7」の組み合わせ)に変化させる。従って、左、中、右の各飾り図柄が確定表示されるときには、各飾り図柄は、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001となる。
また、背景画像を変化前の背景画像17TM010に戻すことに伴い、可変表示対応表示及びアクティブ表示ガイドも、変化前の態様の可変表示対応表示17TM002及びアクティブ表示ガイド17TM004に戻す。なお、飾り図柄の表示間隔を狭めた表示(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔を縮小した表示)が終了することにより、飾り図柄の表示間隔(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔)は、特別演出及び変更演出の実行前と同様に広くなる。
演出制御用CPU120は、図柄確定停止期間が経過すると、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−4(13)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示(チャンス目停止演出のターゲットとなった可変表示)及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留記憶数減算指定コマンドを受信したことに応じて保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を1から0に減少させ、先読みカウンタの値を1から0に更新する(図8に示すT11のタイミング)。演出制御用CPU120は、先読みカウンタの値が0となったことに基づいて、チャンス目停止演出のターゲットとなった可変表示が開始されることを特定可能となっている。
図8−4(13)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT11のタイミングで開始されたターゲット変動)を実行している状態を示している。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT11のタイミングで開始されたターゲット変動)も実行している。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−4(14)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「G」を含む赤色の奇数図柄である数字「7」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「G」を含む赤色の奇数図柄である数字「7」)を停止表示させることにより、リーチ状態とする。そして、リーチ状態の成立に伴い、画像表示装置5の上部に「リーチ!!」という文字を表示する。このとき、飾り図柄によりリーチ状態が成立しているにもかかわらず、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
(飾り図柄の確定停止後も特別演出及び変更演出を継続する例)
前述した図8−3及び図8−4に示した例(チャンス目停止演出に関する第1の例と称する)では、演出制御用CPU120が、特別演出及び変更演出を実行しているときに図柄確定指定コマンドを受信すると、実行中の特別演出及び変更演出を終了させて飾り図柄を確定表示させる例を示した(図8−3の(3)及び(4)、図8−3の(7)及び(8)、及び、図8−4の(11)及び(12)を参照)。このような形態に限らず、特別演出及び変更演出を実行しているときに図柄確定指定コマンドを受信しても、特別演出及び変更演出を終了させることなく継続して実行可能としても良い。
以下に示す図8−5及び図8−6に示す例(チャンス目停止演出に関する第2の例と称する)では、1回目のチャンス目停止演出に伴う特別演出及び変更演出を実行すると、チャンス目停止のターゲットとなる可変表示が開始されるまでは、特別演出及び変更演出が終了することなく継続して実行している。
まず、第1保留記憶数が3の状態で、新たに入賞球装置6Aへの始動入賞が発生し(図8−2に示すT1のタイミング)、演出制御用CPU120が、チャンス目停止演出を実行することを決定したものとする(本例では、変動1回目で青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示し、変動2回目で青色の偶数図柄の組み合わせを停止表示し、変動3回目で赤色の奇数図柄の組み合わせを停止表示することに決定したものとする)。また、このとき第1保留記憶数が4であることに基づいて、先読みカウンタの値として4をセットする。
T1の始動入賞時に実行されていた特別図柄表示装置による特別図柄の可変表示が終了して表示結果が停止表示されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドとして、図柄確定指定コマンドを演出制御用CPU120に送信する。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて(また、変動パターンコマンドで指定された変動時間が経過したことに応じて)、予め決定していた飾り図柄の組み合わせを一定期間(例えば、0.6秒の図柄確定停止期間)確定停止させる。
演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から、特別図柄表示装置による特別図柄の可変表示が開始されるときに、変動パターンコマンドを受信したことに応じて、また、表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−5(1)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を4から3に減少させ、先読みカウンタの値を4から3に更新する(図8に示すT2のタイミング)。
図8−5(1)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT2のタイミングで開始された変動1回目)を実行している状態を示している。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT2のタイミングで開始された変動1回目)も実行している。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−5(2)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「B」を含む青色の偶数図柄である数字「2」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「F」を含む青色の偶数図柄である数字「6」)を停止表示させる。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−5(3)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が停止表示するタイミング(図8−2に示すT3のタイミング)で、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(青色の偶数図柄である数字「4」)を停止表示させることにより、1回目のチャンス目停止演出を実行する。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「2,4,6」となる青色の偶数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。
このとき演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010を、背景画像17TM010を左右から圧縮して縦長の態様とした背景画像17TM010aに変化させる。また、これに対応して、図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Rに表示されていた、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001を、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aに変化させる。このとき、チャンス目を構成する中図柄(本例では「4」)も、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aとなる。変化後の飾り図柄17TM001aは、変化前の飾り図柄17TM001を左右から圧縮して縦長に伸張した態様となっている。即ち、飾り図柄17TM001aは、飾り図柄17TM001と比較して、キャラクタを含まず、且つ、数字部分に関して横幅が狭くなり縦長に伸長表示される変形が施されることにより、視認性が低いものとなっている。また、変化後の飾り図柄17TM001aは、変化前の飾り図柄17TM001と比較して、飾り図柄の表示間隔が狭まっている(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔が縮小されている)ため視認性が低いものとなっている。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、1回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の視認性を変化させる1回目の特別演出を実行するものである。
また、演出制御用CPU120は、背景画像の変化に対応して、保留表示及びアクティブ表示としての可変表示対応表示17TM002と、アクティブ表示の表示位置を示すアクティブ表示ガイド17TM004を、左右から圧縮して縦長に伸張した態様(可変表示対応表示17TM002a、アクティブ表示ガイド17TM004a)に変化させる。ここで、変化後の可変表示対応表示17TM002aは、変化前の可変表示対応表示17TM002と比較して、各表示(保留表示及びアクティブ表示)の表示間隔が狭まっており、レイアウトが変更されている。また、各保留表示は、変化前と比較して画面中央寄りに表示されているという点でも、レイアウトが変更されている。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、1回目のチャンス目停止演出と対応させて、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する1回目の変更演出を実行するものである。
ここで、演出制御用CPU120は、図8−5(3)に示すように、特別図柄が停止表示されたことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される図柄確定指定コマンドを受信するまでは、チャンス目(「2」、「4」、及び「6」)を構成する左、中、右の各飾り図柄を完全には停止させておらず、レイアウト変更後の図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて各飾り図柄を揺動表示させている。また、図柄確定指定コマンドを受信するまでは、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rで、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が揺動表示されている図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、同じく図柄表示エリア5Cに対応した小図柄表示エリア5c、同じく図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−5(4)に示すように(図8−2に示すT4のタイミングで)、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。これと共に、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおける各小図柄の可変表示を終了させて、各小図柄を確定表示(完全停止)させる。このとき確定表示される小図柄17TM003は、確定表示された各飾り図柄を構成する数字の組み合わせ(本例では「2」、「4」、及び「6」の組み合わせ)である。
ここで、チャンス目停止演出に関する第2の例において、演出制御用CPU120は、第1の例とは異なり、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、飾り図柄の視認性を低下させる1回目の特別演出を終了させることなく継続し、また、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する1回目の変更演出を終了させることなく継続する。本例では、画像表示装置5に表示されていた変化後の背景画像17TM010a(左右から圧縮されて縦長となった態様の背景画像)を、元の背景画像17TM010に戻すことなく継続して表示させる。また、変化後の飾り図柄17TM001a(左右から圧縮されて縦長に伸長された態様の飾り図柄)を、元の飾り図柄17TM001に戻すことなく、継続して表示させる。このとき、第1の例とは異なり、図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示されていた、キャラクタを含まず数字のみから構成される飾り図柄(「2」、「4」、及び「6」の組み合わせ)を、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄(キャラクタ「B」及び数字「2」、キャラクタ「D」及び数字「4」、及びキャラクタ「F」及び数字「6」の組み合わせ)に変化させることなく、継続して表示させる。従って、左、中、右の各飾り図柄が確定表示されるときには、各飾り図柄は、キャラクタを含まず数字のみから構成される飾り図柄17TM001aのままである。
また、背景画像を変化後の背景画像17TM010aのまま継続して表示することに伴い、可変表示対応表示及びアクティブ表示ガイドも、左右から圧縮されて縦長に伸長した態様の可変表示対応表示17TM002a及びアクティブ表示ガイド17TM004aのまま、継続して表示させる。なお、飾り図柄の表示間隔を狭めた表示(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔を縮小した表示)も継続されることになる。即ち、変更演出が実行されたときには、変更演出による変更後のレイアウトにより、飾り図柄の可変表示結果が確定表示されることになる。
このように、飾り図柄が確定表示された後も、飾り図柄の視認性を低下させる特別演出を継続させると共に、飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する変更演出を継続させることで、特別演出及び変更演出が開始されたことにより生じた興趣を継続することができる。
また、チャンス目停止演出に関する第2の例では、飾り図柄の表示結果が確定表示されたときに、飾り図柄の視認性を低下させたままの状態とする(特別演出を継続させる)一方で、小図柄に関しては、特別演出が実行されていないときと比較して、視認性を低下させていない。即ち、小図柄の表示領域(又は表示レイヤ)に関しては、伸長等の視認性低下処理の対象外となるように制御している。図8−5の(4)等に示すように、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおいて各小図柄を確定表示(完全停止)させた状態では、特別演出が実行されていない場合(例えば、図8−3の(4)に示した場合)と同様に、各小図柄(「2」、「4」、及び「6」)を明確に視認可能となっている。
このように、飾り図柄の表示結果が確定表示されたときに、飾り図柄の視認性を低下させたままの状態とすることが可能である一方、小図柄の視認性は低下させないようにすることで、遊技者は、小図柄を介して飾り図柄の可変表示状況と飾り図柄の表示結果を容易に把握することができる。このような飾り図柄と小図柄との関係によって、以下に示すように、飾り図柄の視認性を複数回の可変表示にわたって継続して低下させるような演出構成を採ったとしても、遊技者が飾り図柄の表示結果を確認し難くなるという事態が生じない。これにより、特別演出の演出態様を多様化して、飾り図柄を用いた演出の演出効果を高め、興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU120は、図柄確定停止期間が経過すると、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−5(5)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を3から2に減少させ、先読みカウンタの値を3から2に更新する(図8に示すT5のタイミング)。
図8−5(5)は、特別演出及び変更演出が継続されている状態において、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT5のタイミングで開始された変動2回目)を実行している状態を示している。従って、可変表示される飾り図柄の間隔は、特別演出が実行されていないとき(例えば、図8−5(1)に示される間隔)より狭くなっている。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT5のタイミングで開始された変動2回目)も実行している。可変表示される小図柄の間隔は、特別演出が実行されていないとき(例えば、図8−5(1)に示される間隔)と同様であり、特別演出が実行されていないときと比較して視認性は低下していない。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−5(6)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含まない飾り図柄17TM001a(青色の偶数図柄である数字「4」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含まない飾り図柄17TM001a(青色の偶数図柄である数字「8」)を停止表示させる。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−5(7)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が停止表示するタイミング(図8−2に示すT6のタイミング)で、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(青色の偶数図柄である数字「6」)を停止表示させることにより、2回目のチャンス目停止演出を実行する。このとき、チャンス目を構成する中図柄(本例では「6」)も、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aとなる。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「4,6,8」となる青色の偶数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、2回目のチャンス目停止演出を実行するものである。
ここで、演出制御用CPU120は、図8−5(7)に示すように、特別図柄が停止表示されたことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される図柄確定指定コマンドを受信するまでは、チャンス目(「4」、「6」、及び「8」)を構成する左、中、右の各飾り図柄を完全には停止させておらず、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて各飾り図柄を揺動表示させている。また、図柄確定指定コマンドを受信するまでは、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rで、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が揺動表示されている図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、同じく図柄表示エリア5Cに対応した小図柄表示エリア5c、同じく図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−5(8)に示すように(図8−2に示すT7のタイミングで)、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。これと共に、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおける各小図柄の可変表示を終了させて、各小図柄を確定表示(完全停止)させる。このとき確定表示される小図柄17TM003は、確定表示された各飾り図柄を構成する数字の組み合わせ(本例では「4」、「6」、及び「8」の組み合わせ)である。
演出制御用CPU120は、図柄確定停止期間が経過すると、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−6(9)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を2から1に減少させ、先読みカウンタの値を2から1に更新する(図8に示すT8のタイミング)。
図8−6(9)は、特別演出及び変更演出が継続されている状態において、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT8のタイミングで開始された変動3回目)を実行している状態を示している。従って、可変表示される飾り図柄の間隔は、特別演出が実行されていないとき(例えば、図8−5(1)に示される間隔)より狭くなっている。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT8のタイミングで開始された変動3回目)も実行している。可変表示される小図柄の間隔は、特別演出が実行されていないとき(例えば、図8−5(1)に示される間隔)と同様であり、特別演出が実行されていないときと比較して視認性は低下していない。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−6(10)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含まない飾り図柄17TM001a(赤色の奇数図柄である数字「3」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含まない飾り図柄17TM001a(赤色の奇数図柄である数字「7」)を停止表示させる。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−6(11)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにおいて飾り図柄が停止表示するタイミング(図8−2に示すT9のタイミング)で、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(赤色の奇数図柄である数字「5」)を停止表示させることにより、3回目のチャンス目停止演出を実行する。このとき、チャンス目を構成する中図柄(本例では「5」)も、キャラクタを含まず数字のみからなる飾り図柄17TM001aとなる。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「3,5,7」となる赤色の奇数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。演出制御用CPU120は、このような表示制御を行うことにより、3回目のチャンス目停止演出を実行するものである。
ここで、演出制御用CPU120は、図8−6(11)に示すように、特別図柄が停止表示されたことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される図柄確定指定コマンドを受信するまでは、チャンス目(「3」、「5」、及び「7」)を構成する左、中、右の各飾り図柄を完全には停止させておらず、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて各飾り図柄を揺動表示させている。また、図柄確定指定コマンドを受信するまでは、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rで、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が揺動表示されている図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、同じく図柄表示エリア5Cに対応した小図柄表示エリア5c、同じく図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
そして、演出制御用CPU120は、図8−6(12)に示すように(図8−2に示すT10のタイミングで)、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。これと共に、小図柄表示エリア5l、5c、5rにおける各小図柄の可変表示を終了させて、各小図柄を確定表示(完全停止)させる。このとき確定表示される小図柄17TM003は、確定表示された各飾り図柄を構成する数字の組み合わせ(本例では「3」、「5」、及び「7」の組み合わせ)である。
演出制御用CPU120は、図柄確定停止期間が経過すると、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを受信したことに応じて、図8−6(13)に示すように、画像表示装置5において次の飾り図柄の可変表示(チャンス目停止演出のターゲットとなった可変表示)及び小図柄の可変表示を開始すると共に、保留表示(可変表示対応表示17TM002のうちの保留表示)の数を1から0に減少させ、先読みカウンタの値を1から0に更新する(図8に示すT11のタイミング)。演出制御用CPU120は、先読みカウンタの値が0となったことに基づいて、チャンス目停止演出のターゲットとなった可変表示が開始されることを特定可能となっている。
ここで、演出制御用CPU120は、チャンス目停止演出のターゲットとなった可変表示が実行されるときに、継続していた特別演出及び変更演出を終了させる制御を実行する。即ち、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM010aを、左右から圧縮しておらず縦長でもない変化前の態様の背景画像17TM010に戻すと共に、可変表示させる飾り図柄を、左右から圧縮しておらず縦長に伸長していない態様の飾り図柄とする。これに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rに停止表示させる飾り図柄を、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001とする。従って、左、中、右の各飾り図柄が確定表示されるときには、各飾り図柄は、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄17TM001となる。
また、背景画像を変化前の背景画像17TM010に戻すことに伴い、可変表示対応表示及びアクティブ表示ガイドも、左右から圧縮しておらず縦長に伸長していない変化前の態様の可変表示対応表示17TM002及びアクティブ表示ガイド17TM004に戻す。なお、飾り図柄の表示間隔を狭めた表示(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔を縮小した表示)が終了することにより、飾り図柄の表示間隔(図柄表示エリア5L、5C、5Rの間隔)は、特別演出及び変更演出の実行前と同様に広くなる。これらの表示制御により、飾り図柄の視認性を回復させると共に、飾り図柄及び飾り図柄の周囲に表示される情報のレイアウトを元に戻すようにしている。
図8−6(13)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示(図8−2に示すT11のタイミングで開始されたターゲット変動)を実行している状態を示している。このとき、特別演出及び変更演出は終了しているため、飾り図柄の視認性、並びに、飾り図柄及び飾り図柄の周囲に表示される情報のレイアウトは、特別演出及び変更演出が実行される前(図8−5の(1))と同様である。このとき、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、小図柄表示エリア5rにおいて、小図柄の可変表示(図8−2に示すT11のタイミングで開始されたターゲット変動)も実行している。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−6(14)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「G」を含む赤色の奇数図柄である数字「7」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「G」を含む赤色の奇数図柄である数字「7」)を停止表示させることにより、リーチ状態とする。そして、リーチ状態の成立に伴い、画像表示装置5の上部に「リーチ!!」という文字を表示する。このとき、飾り図柄によりリーチ状態が成立しているにもかかわらず、小図柄表示エリア5l、小図柄表示エリア5c、及び小図柄表示エリア5rでは、小図柄の可変表示を継続している。即ち、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Lに対応した小図柄表示エリア5l、及び、飾り図柄が停止表示された図柄表示エリア5Rに対応した小図柄表示エリア5rにおいても、小図柄を停止表示させることなく継続して可変表示させている。
(チャンス目停止演出の変形例)
(1)上記の実施形態では、チャンス目停止演出が実行されるときに、キャラクタ及び数字により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる第1の例と、キャラクタを含まず数字のみにより構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる第2の例と、を説明したが、キャラクタ及び数字により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる演出パターンと、キャラクタを含まず数字のみにより構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる演出パターンと、の何れの演出パターンによりチャンス目停止演出が実行されるかに応じて、大当り期待度が異なるようにしても良い。
例えば、図8−7に示すように、演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドが「非リーチはずれ」を示している場合には、チャンス目停止演出において、80%の割合で、「数字のみ」により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させ、20%の割合で「キャラクタ+数字」により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる。また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチはずれ」を示している場合には、60%の割合で、「数字のみ」により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させ、40%の割合で「キャラクタ+数字」により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる。また、受信した変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示している場合には、20%の割合で、「数字のみ」により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させ、80%の割合で「キャラクタ+数字」により構成される飾り図柄の組み合わせを確定表示させる。
(2)上記の実施形態では、チャンス目停止演出が実行されるときに、キャラクタを消去することで数字の視認性を高くする例を示したが、これに限らず、チャンス目停止演出が実行されるときに、キャラクタを表示させるもののキャラクタ全体の輝度を低下させる暗転表示を行うことで、数字部分の視認性を高くする構成としてもよい。
(3)また、図8−3及び図8−4に示したように、チャンス目停止演出において、キャラクタ及び数字を含む飾り図柄の組み合わせを最終的に確定表示させるときに、一旦は、キャラクタを含まず数字のみから構成される飾り図柄の組み合わせを画面中央部に停止表示させ、その飾り図柄の組み合わせを下方(画面下部)に移動させると共に、その飾り図柄の組み合わせの上方(画面上部)に、各飾り図柄に対応したキャラクタを出現させる演出(例えば、後述する図9−13の変動停止時図柄アクション)を実行するようにしても良い。
(4)また、演出制御用CPU120は、チャンス目停止演出を実行するときに、飾り図柄を停止表示させる領域を含む画像が視認困難となるように特殊画像を表示させるようにしても良い。
図8−8は、チャンス目停止演出が実行されるときに特殊画像を表示する例を示す説明図である。図8−8(1)は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行している状態を示している。本例では、可変表示される飾り図柄の背景画像として、山の画像を含む背景画像17TM011が表示されている。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の図柄表示エリア5L、図柄表示エリア5C、及び図柄表示エリア5Rにおいて、飾り図柄の可変表示を実行し、図8−8(2)に示すように、図柄表示エリア5Lにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「B」を含む青色の偶数図柄である数字「2」)を停止表示させ、図柄表示エリア5Rにキャラクタを含む飾り図柄17TM001(キャラクタ「F」を含む青色の偶数図柄である数字「6」)を停止表示させる。
次いで、演出制御用CPU120は、図8−8(3)に示すように、画像表示装置5の図柄表示エリア5Cにチャンス目を構成する残りの飾り図柄(青色の偶数図柄である数字「4」)を停止表示させることにより、1回目のチャンス目停止演出を実行する。即ち、左、中、右の飾り図柄の組み合わせが「2,4,6」となる青色の偶数図柄の組み合わせをチャンス目として停止表示させる。
このとき演出制御用CPU120は、画像表示装置5に表示されていた背景画像17TM011よりも表示優先度が高く(表示レイヤが上位であり)、飾り図柄よりも表示優先度が低い(表示レイヤが低い)特殊画像17TM020を、飾り図柄が表示されている領域(図柄表示エリア5L、5C、5R)に重畳表示させる。これにより、図8−8(3)に示すように、背景画像17TM011のうち、特殊画像17TM020と表示範囲が重複する部分(山の画像部分)に関しては、特殊画像17TM020により視認不能となる。一方、飾り図柄に関しては、特殊画像17TM020との関係で、表示優先度が高い(表示レイヤが上位である)ため、視認可能である。そのため、遊技者から見ると、最も手前に飾り図柄が表示され、その奥のレイヤに特殊画像17TM020が表示され、最も奥のレイヤに背景画像17TM011が表示されているように見える。
そして、演出制御用CPU120は、図8−8(4)に示すように、図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて、図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける各飾り図柄の揺動表示を終了させて、各飾り図柄を確定表示(完全停止)させる。
このように、飾り図柄が表示されている領域(図柄表示エリア5L、5C、5R)に、背景画像17TM011の一部領域(山の画像部分)の視認性が低下する特殊画像17TM020を表示させることにより、飾り図柄の視認性を変化させて、チャンス目停止演出の演出効果を一層向上させることができる。
(5)上記の実施形態では、示唆演出が、先読み予告演出としてのチャンス目停止演出である例を示したが、このような形態に限らず、示唆演出は、飾り図柄の1回の可変表示期間において、所定の擬似連図柄を仮停止(揺動停止)させた後に飾り図柄を再度可変表示させる(所謂再変動演出を行う)ことにより、あたかも複数回の飾り図柄の可変表示が実行されているかのように見せる擬似連演出における、所定の擬似連図柄の仮停止であっても良い。例えば、飾り図柄の1回の可変表示期間において、所定の擬似連図柄が仮停止(揺動停止)する回数(再変動回数)が多いほど、大当り期待度が高いように構成される。このような構成においては、所定の擬似連図柄が仮停止(揺動停止)する毎に、飾り図柄の視認性を変化させる特別演出、及び、飾り図柄及び飾り図柄の周囲に表示されている情報のレイアウトを変更する変更演出が実行されることにより、擬似連演出の興趣を一層向上させることができる。
(6)上記の実施形態では、示唆演出(チャンス目停止演出)により大当りを示唆する例を示したが、このような形態に限らず、示唆演出によりノーマルリーチからスーパーリーチへの発展を示唆するようにしても良い。例えば、ノーマルリーチが成立している状態において、スーパーリーチへの発展を示唆する特殊図柄が停止表示されたときに、特別演出及び変更演出を実行するようにしても良い。
(7)また、小当りとなる飾り図柄の組み合わせと、突然確変大当りとなる飾り図柄の組み合わせが同じである場合に、小当りとなるときには、飾り図柄が停止表示するときに特別演出及び変更演出を実行せず、突然確変大当りとなるときには、飾り図柄が停止表示するときに特別演出及び変更演出を実行するようにしても良い。即ち、特別演出及び変更演出によって、小当りであるか又は突然確変大当りであるかを示唆するようにしても良い。
(8)また、確変大当りとなる場合に、一旦は、ゾロ目となる偶数図柄の組み合わせ(例えば、「2,2,2」)を停止表示させた後に、ゾロ目となる奇数図柄の組み合わせ(例えば、「7,7,7」)に変化させる昇格演出を実行する場合がある。このような構成において、非確変大当り(通常大当り)となる場合には、ゾロ目となる偶数図柄の組み合わせ(例えば、「2,2,2」)を停止表示させるときに、特別演出及び変更演出を実行せず、確変大当りとなる場合には、昇格演出において、ゾロ目となる偶数図柄の組み合わせ(例えば、「2,2,2」)を一旦停止表示させるときに、特別演出及び変更演出を実行するようにしても良い。
(9)上記の実施形態では、示唆演出における飾り図柄の特定態様として、青い偶数図柄の組み合わせ、又は、赤い奇数図柄揃いの組み合わせ(所謂同色出目)、を停止表示させる例を示したが、このような形態に限らず、例えば、図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Rには、偶数図柄又は奇数図柄を停止表示させると共に、図柄表示エリア5Cには偶数図柄及び奇数図柄の何れでもない特殊図柄(例えば、再変動が実行されることを示唆する擬似連図柄)を停止表示させるようにしても良い。また、有効ライン上に飾り図柄が揃っていない所謂ズレ目の状態としても良い。例えば、図柄表示エリア5L及び図柄表示エリア5Cには、偶数図柄又は奇数図柄を停止表示させ、図柄表示エリア5Rには、可変表示方向(縦方向)に並んでいる飾り図柄の中間に表示されたブランク部分(例えば、「・」と表示されている部分)を停止表示させ、このようなズレ目の状態から再変動を行うようにしても良い。
(10)上記の実施形態において、飾り図柄の視認性変化の度合いに応じて、大当り期待度が異なるようにしても良い。例えば、上記の例では、飾り図柄を左右から圧縮させることにより視認性を変化させる例を示したが、圧縮率によって大当りの期待度を異ならせるようにしても良い。例えば、変化後の縦横比が5:1である場合には、変化後の縦横比が2:1である場合よりも大当り期待度が高い(即ち、変化の度合いが高くなるほど大当り期待度が高くなる)ようにしても良い。また、縦方向と横方向の何れの方向に圧縮されるかに応じて大当りとなる期待度が異なるようにしても良く、例えば、横方向に圧縮される場合(飾り図柄が縦長になる場合)には、縦方向に圧縮される場合(飾り図柄が横長になる場合)よりも大当り期待度が高くなるようにしても良い。
(11)また、飾り図柄の視認性を変化させるために、飾り図柄の周囲に配置された発光部を発光させるようにしても良い。さらに、このときの発光色に応じて大当り期待度が異なるようにしても良く、例えば、飾り図柄と同系色で発光部を発光させる(飾り図柄が視認し難くなる)場合には、大当り期待度が高くなるようにしても良い。また、画面全体の輝度を低下させるブラックアウト演出や、画面全体の輝度を向上させるホワイトアウト演出等によって、飾り図柄の視認性を低下させるようにしても良い。ここで、ブラックアウト演出実行時の輝度の低下度合いに応じて大当り期待度が異なるようにしても良く、例えば、輝度が最低値まで低下した場合には、大当り期待度が最も高くなるようにしても良い。また、ホワイトアウト演出実行時の輝度の向上度合いに応じて大当り期待度が異なるようにしても良く、例えば、輝度が最高値まで向上した場合には、大当り期待度が最も高くなるようにしても良い。
(12)また、飾り図柄の視認性を変化させるために、画面に表示されている画像全体を上下又は左右に高速で動かすことにより、あたかも画像表示装置5自体が揺れているかのような印象を与える演出を実行しても良い。このとき画像が動く速度や動きの幅(揺れ幅)等に応じて大当り期待度が異なるようにしても良い。また、画像全体を傾けたり回転させることで、あたかも画像表示装置5自体が傾いたり回転しているかのような印象を与える演出を実行しても良い。このとき画像が傾く角度や回転速度に応じて大当り期待度が異なるようにしても良い。
(13)上記の実施形態では、変更演出において、飾り図柄、背景画像、保留表示及びアクティブ表示、並びにアクティブ表示ガイドのレイアウトを変更する例を示したが、このような形態に限らず、例えば、保留表示が表示されるべき位置を示す保留表示ガイドのレイアウトを変更する(例えば、各保留表示ガイドの幅を狭める)ようにしても良い。また、飾り図柄の下方に装飾情報が表示されているような場合には、変更演出において装飾情報を表示させないようにしても良く、装飾情報の表示位置を飾り図柄の上方に移動させるようにしても良い。
[特徴部17TMに関する第2形態]
以下、特徴部17TMに関する第2形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
以下、遊技機の第2実施形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機P1の全体の構成について説明する。図9−1はパチンコ遊技機P1を正面からみた正面図である。図9−2は当り種別表である。
パチンコ遊技機P1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域P7に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機P1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機P1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠P2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤P6を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機P1では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠P2の下部表面には打球供給皿(上皿)P3がある。打球供給皿P3の下部には、打球供給皿P3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿P4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)P5等が設けられている。また、ガラス扉枠P2の背面には、遊技盤P6が着脱可能に取付けられている。遊技盤P6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤P6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域P7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)P4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラP122が取付けられている。なお、スティックコントローラP122には、遊技者がスティックコントローラP122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタンP125(図9−3参照)が設けられ、スティックコントローラP122の操作桿の内部には、トリガボタンP125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサP121(図9−3参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラP122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットP123(図9−3参照)が設けられている。また、スティックコントローラP122には、スティックコントローラP122を振動動作させるためのバイブレータ用モータP126(図9−3参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)P3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラP122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタンP120が設けられている。プッシュボタンP120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタンP120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタンP120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサP124(図9−3参照)が設けられていればよい。図9−1に示す構成例では、プッシュボタンP120とスティックコントローラP122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタンP120及びスティックコントローラP122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタンP120とスティックコントローラP122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域P7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置P9が設けられている。識別情報としての演出図柄は、第1情報としての数字情報(たとえば数字)と、第2情報としての装飾情報(たとえばキャラクタ)から構成される。第1識別情報や第2識別情報は、変動表示に対応して表示態様が変化する。遊技領域P7における演出表示装置P9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)P8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)P8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器P8aおよび第2特別図柄表示器P8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置P9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器P8aと第2特別図柄表示器P8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器P8a,P8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器P8aおよび第2特別図柄表示器P8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置P9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器P8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置P9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器P8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置P9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口P13または第2始動入賞口P14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器P8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器P8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置P9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置P9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置P9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置P9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置P9の下方には、第1始動入賞口P13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口P13に入賞した遊技球は、遊技盤P6の背面に導かれ、第1始動口スイッチP13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)P13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口P14を有する可変入賞球装置P15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)P14に入賞した遊技球は、遊技盤P6の背面に導かれ、第2始動口スイッチP14aによって検出される。可変入賞球装置P15は、ソレノイドP16によって開状態とされる。可変入賞球装置P15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口P14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置P15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口P13よりも、第2始動入賞口P14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置P15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口P14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置P15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口P14よりも、第1始動入賞口P13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置P15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口P13と第2始動入賞口P14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器P8bの上方には、第2始動入賞口P14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器P18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器P18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器P8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器P18bのさらに上方には、第1始動入賞口P13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器P18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器P18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器P8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドルP5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域P7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域P7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域P7に入り、その後、遊技領域P7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口P13に入り第1始動口スイッチP13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器P8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置P9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口P13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口P14に入り第2始動口スイッチP14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器P8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置P9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口P14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置P9は、第1特別図柄表示器P8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器P8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器P8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置P9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器P8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置P9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器P8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器P8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置P9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置P9の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器P18a、第2特別図柄保留記憶表示器P18b、および、演出表示装置P9のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図9−1に示すように、可変入賞球装置P15の下方には、特別可変入賞球装置P20が設けられている。特別可変入賞球装置P20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器P8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器P8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイドP21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチP23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置P20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置P20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置P9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器P10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器P10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器P10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲートP32を通過しゲートスイッチP32aで検出されると、普通図柄表示器P10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器P10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置P15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器P10の近傍には、ゲートP32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器P41が設けられている。ゲートP32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチP32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器P41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器P10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置P9の上方には、役物P12が設けられている。役物P12は、遊技盤P6と演出表示装置P9との間に位置し、役物モータP17によって位置を変位することが可能である。役物P12は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置P9の前方の位置)に移動する。
遊技盤P6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口P26がある。また、遊技領域P7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカP27が設けられている。遊技領域P7の外周には、前面枠に設けられた枠LED(P28)が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機P1に隣接して設置される(図示せず)。
図9−2の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置P20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置P20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置P15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置P15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置P15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置P15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置P15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置P15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口P14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器P8a,P8bや演出表示装置P9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口P14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口P14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置P15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置P15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図9−2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図9−3は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図9−3には、払出制御基板P37等も示されている。主基板P31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機P1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータP560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM(P54)、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM(P55)、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU(P56)およびI/Oポート部P57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータP560は、ROM(P54)およびRAM(P55)が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータP560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路P503が内蔵されている。
また、RAM(P55)は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM(P55)の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータP560においてCPU(P56)がROM(P54)に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータP560(またはCPU(P56))が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU(P56)がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板P31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路P503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路P503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータP560は、乱数回路P503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチP32a、第1始動口スイッチP13a、第2始動口スイッチP14a、カウントスイッチP23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータP560に与える入力ドライバ回路P58も主基板P31に搭載されている。また、可変入賞球装置P15を開閉するソレノイドP16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置P20を開閉するソレノイドP21を遊技制御用マイクロコンピュータP560からの指令にしたがって駆動する出力回路P59も主基板P31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータP560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器P8a、第2特別図柄表示器P8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器P10、第1特別図柄保留記憶表示器P18a、第2特別図柄保留記憶表示器P18bおよび普通図柄保留記憶表示器P41の表示制御を行なう。
演出制御基板P80は、演出制御用マイクロコンピュータP100、ROM(P102)、RAM(P103)、VDP(P109)、および、I/Oポート部P105等を搭載している。ROM(P102)は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM(P103)は、ワークメモリとして使用される。ROM(P102)およびRAM(P103)は、演出制御用マイクロコンピュータP100に内蔵されてもよい。VDP(P109)は、演出制御用マイクロコンピュータP100と共動して演出表示装置P9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータP100は、主基板P31から演出制御基板P80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板P77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータP560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置P9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板P35を介して、枠側に設けられている枠LED(P28)の表示制御を行なうとともに、音声出力基板P70を介してスピーカP27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU(P101)は、スティックコントローラP122のトリガボタンP125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサP121から、I/Oポート部P105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU(P101)は、プッシュボタンP120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサP124から、I/Oポート部P105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU(P101)は、スティックコントローラP122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニットP123から、I/Oポート部P105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU(P101)は、I/Oポート部P105の出力ポートを介してバイブレータ用モータP126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラP122を振動動作させる。また、演出制御用CPU(P101)は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータP17を駆動して役物P12を動作させる。
図9−4は、各乱数を示す説明図である。図9−4においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図9−5は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図9−5(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM(P54)に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図9−5(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9−5(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU(P56)は、所定の時期に、乱数回路P503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図9−5(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図9−5(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図9−5(B),(C)は、ROM(P54)に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図9−5(B)は、遊技球が第1始動入賞口P13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図9−5(C)は、遊技球が第2始動入賞口P14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図9−5(B)、および、図9−5(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図9−5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図9−5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図9−5(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU(P56)は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図9−5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図9−5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図9−5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図9−5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図9−5(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図9−5(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図9−6を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータP560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図9−6は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図9−6には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図9−6(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM(P54)に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図9−6に示す判定テーブルは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図9−6の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図9−6の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」(SPリーチ)は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図9−6(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図9−6のテーブルで「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図9−6(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図9−6(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図9−6のテーブルで「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図9−6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図9−6(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図9−6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図9−6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図9−6(a),図9−6(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図9−6(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図9−6(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図9−6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図9−6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図9−6(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図9−6(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図9−6(a)および図9−6(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図9−6(c)および図9−6(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図9−6(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図9−6(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図9−7は、遊技制御用マイクロコンピュータP560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータP560においては、図9−7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータP100へ送信する。
図9−7のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置P9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図9−6に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU(P101)は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置P9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口P13または第2始動入賞口P14への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータP100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータP100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータP100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口P13または第2始動入賞口P14への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータP560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータP100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータP100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータP100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータP560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM(P55)に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
第1始動入賞口P13または第2始動入賞口P14への入賞に基づいて、CPU(P56)は、乱数回路P503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口P13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口P14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口P13または第2始動入賞口P14への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板P31から演出制御基板P80へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータP100のRAM(P103)に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機P1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機P1の動作について説明する。パチンコ遊技機P1においては、主基板P31における遊技制御用マイクロコンピュータP560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路P503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図9−8は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU(P56)は、図9−8に示すステップST(以下、単に「ST」と示す)20〜ST34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ST20)。次いで、入力ドライバ回路P58を介して、ゲートスイッチP32a、第1始動口スイッチP13a、第2始動口スイッチP14aおよびカウントスイッチP23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ST21)。
次に、CPU(P56)は、第1特別図柄表示器P8a、第2特別図柄表示器P8b、普通図柄表示器P10、第1特別図柄保留記憶表示器P18a、第2特別図柄保留記憶表示器P18b、普通図柄保留記憶表示器P41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(ST22)。第1特別図柄表示器P8a、第2特別図柄表示器P8bおよび普通図柄表示器P10については、ST32,ST33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:ST23)。CPU(P56)は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ST24,ST25)。
さらに、CPU(P56)は、特別図柄プロセス処理を行なう(ST26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器P8a、第2特別図柄表示器P8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(ST27)。普通図柄プロセス処理では、CPU(P56)は、普通図柄表示器P10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU(P56)は、演出制御用マイクロコンピュータP100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:ST28)。さらに、CPU(P56)は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(ST29)。
また、CPU(P56)は、第1始動口スイッチP13a、第2始動口スイッチP14aおよびカウントスイッチP23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(ST30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU(P56)は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ST31:出力処理)。
また、CPU(P56)は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(ST32)。
さらに、CPU(P56)は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(ST33)。また、CPU(P56)は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ST22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器P10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ST34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図9−9は、特別図柄プロセス処理(ST26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器P8aまたは第2特別図柄表示器P8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(ST312)。そして、内部状態に応じて、ST300〜ST307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータP560において、RAM(P55)には、前述したように、第1始動入賞口P13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口P14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチP13aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路P503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチP14aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路P503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
ST300〜ST307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(ST300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(ST301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(ST302)は、演出制御用マイクロコンピュータP100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(ST303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(ST304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器P8aまたは第2特別図柄表示器P8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(ST305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置P20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(ST306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータP100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(ST305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(ST307)に移行する。大当り終了処理(ST307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータP100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータP100の動作を説明する。図9−10は、演出制御基板P80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータP100(具体的には、演出制御用CPU(P101))が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU(P101)は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(ST701)。その後、演出制御用CPU(P101)は、タイマ割込フラグの監視(ST702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU(P101)は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU(P101)は、そのフラグをクリアし(ST703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU(P101)は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM(P103)に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:ST704)。次いで、演出制御用CPU(P101)は、演出制御プロセス処理を行なう(ST705)。演出制御プロセス処理では、ST704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置P9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータP100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ST706)。このような乱数SR1−1〜SR1−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(ST707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータP100では、遊技制御用マイクロコンピュータP560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置P9、各種ランプ、および、スピーカP27L,P27R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図9−11は、図9−10に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ST705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU(P101)は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(ST700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてST800〜ST807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置P9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(ST700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ST800)は、遊技制御用マイクロコンピュータP560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(ST801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(ST802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(ST803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(ST804)は、変動時間の終了後、演出表示装置P9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(ST805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(ST806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(ST807)は、演出表示装置P9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU(P101)は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM(P102)に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置P9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置P9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU(P101)は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[識別情報について]
次に、本実施の形態で用いられる識別情報について説明する。本実施の形態では、演出表示装置P9において、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄が変動表示される。識別情報としての演出図柄は、第1情報としての数字情報(数字)と、第2情報としての装飾情報(キャラクタ)から構成される。第1情報としての数字を示す画像と第2情報としてのキャラクタを示す画像とは、それぞれ1対1に対応付けられている。なお、第1情報は、漢字、英字、所定のマークやシンボル等であってもよい。また、第2情報は、キャラクタ以外のエフェクト表示等でもよく、第1情報のモチーフに合った装飾表示であればよい。
図9−12は、第1情報と第2情報との関係を示す図である。図9−12に示すように、数字の「1」に対応して「キャラクタA」が対応付けられ、数字の「2」に対応して「キャラクタB」が対応付けられ、数字の「3」に対応して「キャラクタC」が対応付けられ、数字の「4」に対応して「キャラクタD」が対応付けられ、数字の「5」に対応して「キャラクタE」が対応付けられ、数字の「6」に対応して「キャラクタF」が対応付けられ、数字の「7」に対応して「キャラクタG」が対応付けられ、数字の「8」に対応して「キャラクタH」が対応付けられ、数字の「9」に対応して「キャラクタI」が対応付けられている。
識別情報の表示パターンには、装飾情報(キャラクタ)を表示せず数字情報(数字)を表示する第1表示パターンと、数字情報(数字)および装飾情報(キャラクタ)を表示する第2表示パターンとが設けられている。第1情報としての数字情報(数字)および、第2情報としての装飾情報(キャラクタ)は、変動表示において第1表示パターンや第2表示パターンに変化することにより、表示態様が変化するようになっている。変動表示における第1情報としての数字および第2情報としてのキャラクタの表示態様の変化について、以下に説明する。
[変動表示の表示態様について]
図9−13は、変動表示の態様を示す図である。特に図9−13では、短縮変動時の表示態様を示している。短縮変動時には3つの全図柄が一斉に変動を開始するとともに、短い変動時間内に全図柄が一斉に変動を停止する。それに対し、通常の変動時には3つの図柄一斉に変動を開始するとともに、左図柄、右図柄、中図柄の順番で変動を停止する。なお、短縮変動時に、通常の変動時と同じ図柄の停止順としてもよく、変動開始時に図柄が1つずつ動き出すようにしてもよい。
図9−13では、図9−13(a)〜(e)の順に変動表示における時間の経過を示している。図9−13(a)は、変動開始時の演出表示装置P9の表示画面を示している。図9−13(a)に示す変動開始時とは、演出図柄が停止しており、これから変動表示が開始される直前の状態を示す。演出表示装置P9の表示画面には、数字とキャラクタとから形成される識別情報としての演出図柄が表示される。数字とキャラクタとで形成される演出図柄は、演出表示装置P9の表示画面に対して広い表示範囲に表示される。また、数字とキャラクタとでは、キャラクタの方が表示範囲が広い。
図9−13(a)のように数字とキャラクタとで形成されていた演出図柄が、変動開示時図柄アクションとして図9−13(b)のように、数字のみとなる。このように、変動開始時には、演出図柄が下方向へ変動を開始した後に、第1表示パターンである数字による変動表示が開始される。図9−13(a)から図9−13(b)においては、キャラクタが拡大する等、変動開始時の動作を実行した後、消去され、数字が変動開始前よりも大きくなり、下方向への数字のみによる変動表示が実行される。図9−13(c)は、変動中の演出図柄の表示態様を示している。下向きの矢印は、数字が下方向に変動している様子を示している。
図9−13(d)は、演出図柄の変動表示時が停止するときの図柄アクションを示している。変動停止時には、高速で変動していた3つの数字が表示画面の中央の停止位置に停止する動作が実行される。その後、3つの数字図柄が図柄の停止位置よりも下方向へ移動する。このときの変動停止時図柄アクションとして、図9−13(e)の点線で示す停止位置の図柄を下方向に押下げるように、キャラクタB,C,Hが演出表示装置P9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に向かって飛出すように表示される演出が実行される。その演出に伴い、数字が下方向へさらに移動し縮小した表示態様で表示される。
その後、図9−13(f)のように、変動停止時においては、演出図柄が数字とキャラクタとからなる第2表示パターンにより表示される。ここで、変動開始時図柄アクションとして数字とキャラクタとからなる第2表示パターンから数字のみからなる第1表示パターンへ変化するときの表示態様と、変動停止時図柄アクションとして数字のみからなる第1表示パターンから数字とキャラクタとからなる第2表示パターンへ変化するときの表示態様とは、異なっている。たとえば、変動開始時にキャラクタが前方へ拡大表示され、消去されるときの動きと、変動停止時にキャラクタが演出表示装置P9の画面を正面から見たときの奥行き方向(後方)から前方へ出現し、数字を押下げる動きとで表示態様が異なっている。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
なお、変動停止時の動作は、キャラクタA〜キャラクタIにより各々異なるが、変動開始時に数字のみになるときの動作は、全図柄で共通となるようにしてもよい。このようにすれば、変動開始時には、3つの図柄が同時に動き出すので、図柄アクションの統一がとれて見栄えをよくすることができる。
また、図9−13に示すように、第2表示パターンにより表示するときの数字の大きさと第1表示パターンにより表示するときの数字の大きさが異なっている。たとえば、第2表示パターンにより表示される変動開始時や変動停止時に表示される数字の大きさは、第1表示パターンにより表示される変動中の数字の大きさより表示範囲が小さい。このようにすれば、変動開始時や変動停止時には、数字とキャラクタとからなる表示態様に遊技者を注目させることができるとともに、変動表示中は、変動停止時よりも大きな表示範囲で数字のみによる変動表示を実行することで、変動表示中の演出図柄の移り変わりを認識させやすくすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図9−13に示すように、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行される。このようにすれば、数字とキャラクタとを表示するときの表示態様に面白みを持たせ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図9−13に示すように、変動表示を停止するときに、キャラクタを停止前の数字の表示範囲より広くして出現させる表示を行なう表示を実行する。このようにすれば、第1表示パターンから第2表示パターンに変化するときの違和感を軽減することができる。よって、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図9−13(d),(e)に示すように、変動停止時図柄アクションとして、キャラクタが演出表示装置P9を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出すように表示する演出が実行される。このようにすれば、キャラクタを用いた迫力のある表示を行なうことができる。
また、図9−12に示すような数字とキャラクタとの対応関係があり、図9−13に示すように、数字に応じたキャラクタを表示するパターンで変動表示が停止される。このようにすれば、数字に応じて各々別々のキャラクタが出現することとなるので、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
[非リーチはずれ時図柄表示パターンについて]
図9−14は、非リーチはずれ時図柄表示パターンのタイミングチャートである。図9−13に示す変動表示が図9−14に示すようなタイミングで実行される。時間t0において、変動表示が開始される(図9−13(a)参照)。次いで、時間t0〜t1にかけて変動開始時アクションが実行される(図9−13(b)参照)。変動開始時アクションでは、数字とキャラクタとから成る演出図柄が数字のみとなり、数字が下方向に動く変動表示が実行される。その後、T1の期間において、数字のみによる変動表示が実行される(図9−13(c)参照)。
T1の後のt2〜t3にかけて、変動停止時図柄アクションが実行される(図9−13(d),(e)参照)。変動停止時図柄アクションでは、数字のみで表示されていた図柄が変動を停止するときに停止位置よりも下方に移動し、その空いた空間にキャラクタが演出表示装置P9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出す演出が実行される。また、変動停止時図柄アクションでは、数字が下に移動したときにキャラクタを数字よりも大きく表示する。そして、t3において、変動表示が数字とキャラクタとから成る第2表示パターンにより停止する(図9−13(f)参照)。
図9−14に示すように、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1変更演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する。第1変更演出と第2変更演出とでは、実行態様が異なっている。第1変更演出として実行される変動停止時図柄アクションでは、キャラクタが演出表示装置P9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出し、数字が下に移動し、数字よりもキャラクタを大きく表示し、第2変更演出として実行される変動開始時図柄アクションでは、数字とキャラクタからキャラクタが消去され変更前より大きく表示された数字のみが下方向に変動する。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
[SPリーチ大当り時図柄表示パターンについて]
次に、スーパーリーチ(SPリーチ)が発生し、大当りとなるときの図柄表示パターンについて説明する。図9−15は、SPリーチ大当り時図柄表示パターンのタイミングチャートである。時間t0において、変動表示が開始される。次いで、時間t0〜t1にかけて変動開始時アクションが実行される。変動開始時アクションでは、数字とキャラクタとから成る演出図柄が数字のみとなり、数字が下方向に動く変動表示が実行される。その後、T1の期間において、数字のみによる変動表示が実行される。
その後、t2において、左図柄変動停止時図柄アクションとして、演出図柄が数字のみから成る第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとなり、仮停止した状態(完全に図柄が停止せずに、上下に僅かに動く状態)となる。このときの数字とキャラクタの動きは、前述した変動停止時アクションと同様である。ついで、t3において、右図柄変動停止時アクションとして、演出図柄が数字のみから成る第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとなり、仮停止した状態となる。このときの数字とキャラクタの動きも、前述した変動停止時アクションと同様である。
そして、t3の状態からt4にかけてリーチ形成時アクションが実行される。リーチ形成時アクションでは、第2表示パターンとして表示されるキャラクタを大きく動く演出が実行される。たとえば、リーチ状態となった後にキャラクタが横方向に回転する演出が実行されることにより、キャラクタの前面および背面を見せる演出が実行される。なお、キャラクタのリーチ形成時アクションの動作は、各キャラクタ毎に異なるようにすればよい。また、キャラクタの動きを大当り期待度により異ならせてもよい。また、リーチ状態となるまでのt2およびt3の段階では数字図柄のままとし、t4のタイミングにおいて左右の数字図柄(リーチ図柄)を数字とキャラクタとから成る第2表示パターンとしてもよい。
その後、数字図柄のみで実行される通常のリーチ演出から中図柄が高速スクロールし、t5において、SPリーチへとリーチが発展する。SPリーチへ発展するときに、数字で示される演出図柄が演出表示装置P9の画面の隅(たとえば、右隅)で縮小した表示態様の縮小図柄として表示される。縮小図柄は、数字のみから成る第1表示パターンの飾り図柄を縮小表示させた図柄であり、前述した小図柄とは異なり、飾り図柄の可変表示と並行して縮小図柄の可変表示が行われるものではなく、飾り図柄の停止表示と並行して縮小図柄の停止表示が行われるものでもない。
SPリーチへ発展した後のT2における期間では、小図柄アクションパターンが実行される。小図柄アクションパターンの期間では、SPリーチ演出が実行され、小図柄が激しく動く演出が実行される。たとえば、小図柄アクションパターン中は、SPリーチ演出において流れる演出音に合わせて小図柄が上下に飛び跳ねる演出や縦方向および横方向に回転する演出が実行されればよい。そして、t6において、SPリーチが終了し大当りとなったことが、小図柄から拡大され通常の大きさとなった数字のみの図柄揃いにより表示される。
なお、SPリーチの種類(第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチ等)により、小図柄アクションのパターンが変化するようにしてもよい。また、SPリーチ中に流れる曲の種類により小図柄の動作が異なるようにしてもよい。また、SPリーチ中の途中で小図柄の動作が変化するようにしてもよい。また、大当り期待度により小図柄の動作態様を異ならせてもよい。また、SPリーチに発展する前に小図柄を表示してもよく、SPリーチの種類により、SPリーチ発展前と発展後とで、小図柄の動作態様が異なるようにしてもよい。このようにすれば、小図柄の動作態様が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
その後、t7において、SPリーチの背景から通常背景に戻る演出が実行される。さらに、その後、図柄が変動を停止し、確定表示(完全に図柄が停止した状態)となるまでに、数字のみの第1表示パターンから数字とキャラクタとから成る第2表示パターンで表示され、キャラクタが決め動作を実行する。キャラクタの決め動作としては、たとえば、キャラクタがVサインをして大当り表示結果となる数字が確定したことが示される演出が実行される。
図9−15に示すように、リーチ形成時アクションとしてキャラクタが大きく動く表示が行われるので、キャラクタの動きに注目させることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図9−15に示すように、SPリーチ終了時に数字のみで図柄揃いし、通常背景に戻った後の確定表示時に数字とキャラクタで決め動作をする。このようにすれば、演出の各場面に適した演出図柄の表示態様とすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
また、図9−15に示すように、小図柄アクションパターンBとしてSPリーチ中の演出音に応じて小図柄を激しく動かす演出が実行される。このようにすれば、縮小させて表示さした小図柄としての数字を好適に表示することができる。
なお、SPリーチ前は、小図柄を表示させないようにしてもよい。具体的には、SPリーチへ発展する前は、簡単に数字のみでリーチはずれとする演出を実行し、その後SPリーチ発展したときに数字図柄を小図柄で表示するようにしてもよい。
次に図柄表示パターン等を決定するための処理について説明する。図9−16は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ST801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU(P101)は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(ST601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(ST602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM(P102)に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(ST604)、ST616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
ST604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
ST602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(ST605)、ST616へ進む。ST605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、ST601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(ST601のN)、演出制御用CPU(P101)は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(ST603)、ST616へ進む。
ST603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理を行なう演出設定処理(ST616)を実行した後、ST617に進む。演出設定処理では、ST603〜ST605において決定された図柄の種類に基づいて図柄表示パターン等を決定する。図柄表示パターンの決定の際には、今回の変動表示が通常変動はずれであるか、短縮変動はずれであるか、リーチを伴うものであるか、SPリーチへ発展するものであるか等により、演出図柄の表示パターンや表示態様を決定する。なお、これらの情報は、RAM(P103)の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている変動パターン指定コマンドにより判定されるようにすればよい。
ST617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。ST617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、ST616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM(P102)に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、ST616の処理で決定された演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置P9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および、予告演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、ST617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ST618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(ST619)。
ST619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置P9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカP27)の制御を開始する(ST620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置P9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP(P109)に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板P35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカP27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板P70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ST621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ST802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(ST622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
[その他の演出について]
前述した実施の形態において、次のような演出を実行してもよい。たとえば、全画面予告演出を実行してもよい。全画面予告演出とは、変動開始時に演出表示装置P9の表示画面の全域に暗転画像DGなどの被覆画像を表示して飾り図柄(演出図柄)の表示態様を視認困難とするブラックアウト演出といった全画面を覆う予告演出のことである。なお、被覆画像は、暗転画像DGや黒画像に限るものではなく、発光態様の画像やフリーズ態様の画像など、所定の色や模様などの画像であってもよく、飾り図柄の表示形態(特に飾り図柄の表示内容)が視認困難または視認不可能になる画像であればよい。また、全画面予告演出などの所定の予告演出は、パネル型(パネル表示形式)のステップアップ予告、カットイン予告、ストーリー予告、ミニゲーム予告、発展予告などであってもよく、表示画面の全域または部分(少なくとも飾り図柄を隠すことが可能な部分)に表示される予告演出であって、少なくとも飾り図柄(たとえば、飾り図柄の表示形態または表示内容など)が全く見えない(透過性がゼロ)などの視認不可能とする予告演出や、表示画面や飾り図柄が透けて見える(透過性が低い)などの視認困難とする予告演出であってもよい。
図9−17、図9−18を参照して、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出と逆変動が表示される場合の一例を説明する。図9−17は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出の実行が無く、(B)では全画面予告演出の実行が有る場合を示す。図9−18は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図9−17に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図9−18(A)、(B1)〜(E1)は図9−17(A)の場合の演出実行例であり、図9−18(A)、(B2)〜(E2)は図9−17(B)の場合の演出実行例である。
図9−17(A)に示すように、飾り図柄の変動表示についてみれば、その変動開始時(タイミングT01)に全ての飾り図柄の逆方向変動が開始され、逆方向変動の終了時(タイミングT03)に飾り図柄の順方向への変動が開始されてから高速変動となり、その後に左右の飾り図柄の変動が減速され、リーチの表示態様となり(リーチ成立)、リーチ演出が実行される。また、各予告演出などについてみれば、図9−17(A)では、全画面予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示と図柄予告演出とが開始される。図柄予告演出はタイミングT02にて終了し、逆方向変動はタイミングT03に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図9−18(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図9−18(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始されるとともに、図9−18(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(たとえば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。そして、図9−17(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図9−18(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図9−18(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図9−18(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向へ変動表示されていく。
これに対して、図9−17(B)では、全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図9−18(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図9−18(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図9−18(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図9−18(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図9−18(B1)に示す変動開始時ではなく、図9−18(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は変更なく実行されているが、図9−18(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは見えない。また、図9−18(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図9−18(D2)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から図柄予告演出を開始しているが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から図柄予告演出を実行するようにしてもよい。また、図柄予告演出の実行期間は、図9−17(A)に示すように逆方向変動の実行期間よりも短いが、逆方向変動の実行期間と同じまたはそれよりも長くしてもよい。図9−17(B)のように開始がタイミングT03に変更された場合も、前記と同様である。
次に、図9−19、図9−20を参照して、図柄予告演出の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合において逆変動が表示される場合の一例を説明する。図9−19は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では図柄予告演出と全画面予告演出との実行が無く逆変動が実行される場合、(B)では図柄予告演出の実行が無く全画面予告演出と逆変動が実行される場合を示す。図9−20は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図9−19に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図9−20(A)、(B1)、(C1)、(D)、(E)は図9−19(A)の場合の演出実行例、図9−20(A)、(B2)、(C2)、(D)、(E)は図9−19(B)の場合の演出実行例である。
図9−19(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図9−17(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図9−19(A)では、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が無しに決定されており、タイミングT01において飾り図柄の逆方向始動表示が開始され、逆方向変動はタイミングT03にて終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図9−20(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図9−20(B1)に示すように順方向(下方向)とは反対の逆方向(上方向)変動が開始され、図9−19(A)に示す逆方向変動の終了時(タイミングT03)にて、図9−20(C1)に示すように飾り図柄の逆変動が停止し、図9−20(D1)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始され、図9−20(E1)に示す基準位置Refを越えて飾り図柄が順方向に変動表示されていく。
これに対して、図9−19(B)では、図柄予告演出の実行が無しに決定され、全画面予告演出と逆方向変動の実行が有りに決定されており、全画面予告演出と逆方向変動とが変動開始時(タイミングT01)に開始され、タイミングT03にて共に終了する。この逆方向変動の終了時(タイミングT03)には飾り図柄の順方向への変動が開始される。このときの演出実行例を見てみると、図9−20(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図9−20(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図9−20(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図9−20(D)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されている。なお、飾り図柄の逆方向始動表示は実行されているが、図9−20(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の背後に隠れているため、遊技者からは逆方向変動が見えない。また、図9−20(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。また、図9−20(D)に示すように飾り図柄が基準位置Refに到達する前から順方向への変動表示が視認可能であるが、一点鎖線矢印で示すように、飾り図柄が基準位置Refに戻った状態から順方向への変動表示が視認可能としてもよい。
ここで、図9−21、図9−22を参照して、逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出の有無の場合における図柄予告演出が実行される場合の一例を説明する。図9−21は飾り図柄の変動と各予告演出等の関係を示すタイミングチャートであって、(A)では全画面予告演出と逆方向変動の実行が無く、(B)では逆方向変動の実行が無く、全画面予告演出と図柄予告演出の実行が有る場合を示す。図9−22は、スーパーリーチ変動表示の開始期間において図9−21に示す場合の演出実行例を示している。具体的には、図9−22(A)、(B1)は図9−21(A)の場合の演出実行例であり、図9−22(A)、(B2)、(C2)、(D2)は図9−21(B)の場合の演出実行例である。
図9−21(A)に示す飾り図柄の変動表示は、前述の図9−17(A)と同じであるためここでの説明を省略する。また、各予告演出などについてみれば、図9−21(A)では、全画面予告演出と飾り図柄の逆方向変動との実行が無しに決定されており、変動開始時(タイミングT01)において図柄予告演出が開始される。図柄予告演出はその後のタイミングT02にて終了する。なお、飾り図柄の順方向への変動も変動開始時(タイミングT01)に開始される。このときの演出実行例を見てみると、図9−22(A)に示すように前回の変動表示において飾り図柄が基準位置Refに確定表示された状態から、図9−22(B1)に示すように順方向(下方向)への変動が開始されるとともに、図9−22(B1)に示すような図柄予告演出、つまり、飾り図柄の周囲に所定色(たとえば、青色、緑色、赤色など)のオーラ(後光)の画像Gが表示される予告演出も開始される。
これに対して、図9−21(B)では、図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定されているので、図柄予告演出が、初期値としてのタイミングT01からタイミングT03に変更される。このときの演出実行例を見てみると、図9−22(B2)に示すように全画面予告演出(ブラックアウト演出)が開始され、図9−22(C2)に示すように全画面予告演出に含まれる「チャンス!」などの報知画像が表示され、図9−22(C2)の全画面予告演出の終了後、つまり、図9−22(D2)に示すように飾り図柄の順方向変動が開始されたときに図柄予告演出が開始されるように変更されている。つまり、図柄予告演出の開始が、図9−22(B1)に示す変動開始時ではなく、図9−22(D2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の終了後に変更されている。これにより、図柄予告演出が全画面予告演出に隠れて非表示となることを防止できる。なお、図9−21(B)に示すように図柄予告演出と全画面予告演出の実行が有りに決定され、飾り図柄の逆方向変動の実行無しに決定されているので、図9−22(B2)、(C2)に示す全画面予告演出(ブラックアウト演出)の実行期間中では、図9−21(B)に示すように飾り図柄の揺動が実行されているが、全画面予告演出の背後に隠れているため、遊技者からは飾り図柄の揺動が見えない。飾り図柄の順方向への変動開始は、全図柄予告演出の実行期間の終了後に変更されている。また、図9−22(C2)に示す報知画像は、全画面予告演出に含まれるとしているが、全画面予告演出とは別途に実行される予告としてもよいし、報知画像を表示しないとしてもよい。
(1) 上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機P1など)であって、
識別情報(たとえば、飾り図柄など)を所定方向へと変動表示する変動表示手段(たとえば、演出表示装置P9など)と、
所定の予告演出(たとえば、全画面予告演出など)を実行可能な予告演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU(P101)など)と、
を備え、
前記所定の予告演出は、変動表示の開始時に識別情報の表示態様を視認不可または視認困難とするように実行され(たとえば、図9−18(B2)、図9−20(B2)または図9−22(B2)に示すような飾り図柄が視認不可になるブラックアウト演出など)、
識別情報は、前記所定の予告演出が実行される際に、該所定の予告演出の実行期間の経過後に前記所定方向への変動表示の開始が可能である(たとえば、図9−18(B2)、図9−20(B2)または図9−22(B2)に示すブラックアウト演出の実行期間の経過後に図9−18(D2)、(E2)、図9−20(D)、(E)または図9−22(D2)に示すように飾り図柄の順方向への変動が開始されるなど)。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止でき、遊技の興趣を向上できる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記所定方向は通常方向である(たとえば、図9−18(D1)、(D2)、(E1)、(E2)に示すように飾り図柄の順方向など)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記所定の予告演出は、有利状態となる期待度を示唆する演出であって、識別情報の一部分または全体を隠す態様で実行される演出である(たとえば、全画面予告演出は、はずれの場合よりも大当りの場合の方が表示されやすく、飾り図柄の全体を隠す態様の演出(図9−18(B2)参照)であるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報の動き出しがわかりにくくなってしまうことを防止できる。
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記変動表示手段は、識別情報を前記所定方向とは異なる特定方向(たとえば、逆方向など)へと変動表示することが可能である(たとえば、図9−18(B1)、図9−20(B1)に示すように飾り図柄が順方向とは異なる逆方向へと変動表示されるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、変動表示の方向が多様になり、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記変動表示手段は、少なくとも前記所定の予告演出の実行期間中において、識別情報を前記特定方向へ変動表示する(たとえば、図9−17(B)、に示すように少なくとも全画面予告演出の実行期間において、飾り図柄を逆方向へ変動表示することなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報を特定方向に変動表示させてから、特定方向とは異なる所定方向に変動表示させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記所定方向への変動表示の開始時に識別情報予告が実行可能である(たとえば、演出制御用CPU(P101)により、図9−18(B1)、図9−22(B1)に示すように図柄予告演出が実行可能であるなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報予告を実行することにより、遊技の興趣を向上できる。
(7) 上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、
前記識別情報予告と前記所定の予告演出とを実行するときには、前記所定の予告演出の終了後に前記識別情報予告を実行する(たとえば、図9−18(C2)、図9−22(C2)に示す全画面予告演出の終了後に、図9−18(D2)、図9−22(D2)に示すように図柄予告演出を実行するなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、識別情報予告と所定の予告演出とが同時期に重複して実行されることを防止でき、識別情報予告が所定の予告演出によって視認不可または視認困難になることを防止できる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図9−13に示すように、第2表示パターンにより表示するときの数字の大きさと第1表示パターンにより表示するときの数字の大きさが異なっている。たとえば、第2表示パターンにより表示される変動開始時や変動停止時に表示される数字の大きさは、第1表示パターンにより表示される変動中の数字の大きさより表示範囲が小さい。このようにすれば、変動開始時や変動停止時には、数字とキャラクタとからなる表示態様に遊技者を注目させることができるとともに、変動表示中は、変動停止時よりも大きな表示範囲で数字のみによる変動表示を実行することで、変動表示中の演出図柄の移り変わりを認識させやすくすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(2) 図9−12に示すような数字とキャラクタとの対応関係があり、図9−13に示すように、数字に応じたキャラクタを表示するパターンで変動表示が停止される。このようにすれば、数字に応じて各々別々のキャラクタが出現することとなるので、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(3) 図9−13に示すように、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行される。このようにすれば、数字とキャラクタとを表示するときの表示態様に面白みを持たせ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(4) 図9−15に示すように、リーチ形成時アクションとしてキャラクタが大きく動く表示が行われるので、キャラクタの動きに注目させることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(5) 図9−14に示すように、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1変更演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する。第1変更演出と第2変更演出とでは、実行態様が異なっている。第1変更演出として実行される変動停止時図柄アクションでは、キャラクタが演出表示装置P9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出し、数字が下に移動し、数字よりもキャラクタを大きく表示し、第2変更演出として実行される変動開始時図柄アクションでは、数字とキャラクタからキャラクタが消去され変更前より大きく表示された数字のみが下方向に変動する。このようにすれば、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(6) 図9−15に示すように、SPリーチ終了時に数字のみで図柄揃いし、通常背景に戻った後の確定表示時に数字とキャラクタで決め動作をする。このようにすれば、演出の各場面に適した演出図柄の表示態様とすることができ、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(7) 図9−13に示すように、変動表示を停止するときに、キャラクタを停止前の数字の表示範囲より広くして出現させる表示を行なう表示を実行する。このようにすれば、第1表示パターンから第2表示パターンに変化するときの違和感を軽減することができる。よって、数字とキャラクタとを好適に表示することができる。
(8) 図9−13(d),(e)に示すように、変動停止時図柄アクションとして、キャラクタが演出表示装置P9の画面を正面から見たときの奥行き方向から前方に飛出すように表示する演出が実行される。このようにすれば、キャラクタを用いた迫力のある表示を行なうことができる。
(9) 図9−15に示すように、小図柄アクションパターンBとしてSPリーチ中の演出音に応じて小図柄を激しく動かす演出が実行される。このようにすれば、縮小させて表示さした小図柄としての数字を好適に表示することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、確変大当り状態と通常大当り状態とが設けられていた。また、演出図柄としては、確変大当りに対応して奇数図柄、通常大当りに対応して偶数図柄が設けられていた。ここで、第2表示パターンで表示されるのは、確変大当りに対応した数字のみであってもよい。たとえば、確変大当りに対応した数字においてのみ、数字とキャラクタとで表示し、通常大当りに対応した数字は、キャラクタを表示させず数字のみを表示するようにしてもよい。このようにすれば、確変大当りに対応した奇数図柄について特別感を出すことができ、有利度の高い奇数図柄に特別な印象を与えることができる。なお、奇数図柄のうち、「3」図柄や「7」図柄のみを確変図柄としてもよく、第2表示パターンで表示する図柄の数は、適宜変更可能である。
(2) 前述した実施の形態では、大当りの終了後の変動表示100回転までは、時短状態(高ベース状態)となっていた。このような時短状態においては、数字のみで変動を開始するとともに数字のみで変動を停止するようにしてもよい。時短状態においては、変動時間が通常状態よりも短いので、動作を伴うキャラクタが表示されると、キャラクタを表示したり消去したりすることで、図柄の動きが慌ただしくなり、変な見え方となってしまい、変動表示が見え難くなる虞がある。そこで、時短状態においては、通常状態と異なり数字のみの第1表示パターンにより変動表示を実行するようにしてもよい。このようにすれば、時短状態において、好適に数字を表示することができる。
(3) 前述した実施の形態では、数字のみで表示する第1表示パターンと、数字とキャラクタとで表示する第2表示パターンとで、数字の表示態様が異なる場合として数字の大きさが異なる場合を説明した。しかしながら、数字の表示態様が異なる場合としては、数字の大きさではなく、数字の位置や数字の色、数字の種類等であってもよく、また、いずれか2つ以上の組合せで合ってもよい。また、大当り期待度により、数字の表示態様が異なるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、小図柄を演出表示装置P9の画面の隅に表示する場合を示した。しかしながら、リーチとなっている小図柄のうち、一方を画面の左上隅、他方を画面の右上隅に表示するようにしてもよい。また、小図柄アクションパターンとして、小図柄を上下に動かす場合等を説明した。小図柄の動きはこれらに限定されるものではなく、音楽に合わせて図柄を揺らしたり、横方向に回転させたり、ダンスを踊るように跳ねる動作をしてもよい。また、小図柄の周囲にエフェクト画像(たとえば、炎の画像)を付加するようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、変動停止時図柄アクションとして数字を下方向に移動させることによりキャラクタを数字より大きく表示するパターンにより変動表示を停止する演出が実行されていた。しかしながら、変動停止時の図柄アクションとしては、数字を下方向に動かすのではなく、斜め方向に動かすものであってもよい。具体的には、変動表示の停止時に、左図柄に関しては右斜めに動かし、中図柄に関しては真下に動かし、右図柄に関しては、左斜めに動かしてもよい。このようにすれば、変動停止時に小さく表示される数字図柄が中央に集まるように表示されて見栄えがよい。なお、変動停止時の図柄アクションの動きは、これらに限定されず、どのような方向に動かすものでもよい。
(6) 前述した実施の形態では、数字とキャラクタとが1対1に対応するものを示した。しかしながら、数字とキャラクタとは、1対1に対応していなくてもよい。たとえば、複数の数字に対して同一のキャラクタが対応するようにしてもよいし、背景によって、対応するキャラクタが変化するものでもよい。また、先読み予告を実行する場合に先読みの対象となるターゲットの変動表示が実行されるまでの複数回の変動表示について特殊なステージへ変更するようにしてもよい。この場合には、通常は表示されない特別な数字やキャラクタを表示するようにしてもよい。また、このときの数字やキャラクタの表示パターンは、通常時とは異なるものとすることが望ましい。なお、数字のみで変動表示が実行されるステージを設けるようにしてもよい。
(7) 前述した実施の形態では、変動表示中は、数字のみで図柄を変動させることで、遊技者に変動表示中か否かを認識できるようにしていた。このような変動表示中の数字は、変動開始時や変動停止時の表示態様よりも薄く表示させることが望ましい。このようにすれば、変動開始時等と同様の濃さとすることで、背景で実行される演出が視認困難となることを防ぐことができる。そして、数字およびキャラクタで表示するよりも数字のみで表示することにより、図柄の表示面積を小さくすることができ、図柄を変動していることを示しつつ、他の予告の妨げになることを低減することができる。
(8) 前述した実施の形態では、リーチ中の図柄は、変動表示中の第1表示パターンで示される図柄と同じであってもよい、第1表示パターンで示される図柄とは異なる図柄であってもよい。
(9) 前述した実施の形態では、変動停止時アクションとして数字のみから数字とキャラクタとに変更する第1演出を実行し、変動開始時アクションとして数字とキャラクタとから数字のみに変更する第2変更演出を実行する場合について説明した。変更演出の実行時には、キャラクタが動作したが、別のエフェクト画像が追加されるようなものであってもよく。表示態様に対し、何らかの変更が加えられるものであってもよい。
(10) 前述した実施の形態では、変動停止時図柄アクションとして、停止する数字を一旦前方に拡大表示させ、その後縮小させるようにしてもよい。そして、拡大された数字の後ろからキャラクタを出現させるようにしてもよい。このようにすれば、拡大された数字の後ろからキャラクタがいきなり大きな表示態様で示されるように表示されるので、より迫力のあるキャラクタの表示とすることができ、遊技者に驚きを与えることができる。
(11) 前述した実施の形態では、SPリーチの種類を複数設けるようにしてもよい。そして、SPリーチの種類により小図柄アクションが異なるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、1つの数字に対して1人のキャラクタが表示される場合を示した。しかしながら、1つの数字に対してキャラクタ以外の画像が付加されるようにしてもよい。たとえば、変動停止時アクションとして、数字が停止するときにキャラクタとともに保留表示が変化することを示す画像(大当り期待度の高い保留表示に変化することを示す画像)が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、変動停止時アクションにより注目させることができる。そして、当該画像が表示されることにより保留表示が変化する先読み予告とすることができる。
(13) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(14) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板P80、音声出力基板P70およびランプドライバ基板P35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置P9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカP27R,P27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(15) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータP560は、演出制御用マイクロコンピュータP100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータP560が他の基板(たとえば、図9−3に示す音声出力基板P70やランプドライバ基板P35等、または音声出力基板P70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板P35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板P80における演出制御用マイクロコンピュータP100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板P70、ランプドライバ基板P35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置P9を制御する演出制御用マイクロコンピュータP100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータP100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータP560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板P70、ランプドライバ基板P35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。このような構成の場合には、前述した実施の形態で演出制御用マイクロコンピュータP100が行なっていた各種決定については、同様に演出制御用マイクロコンピュータP100が行なうようにしてもよく、または、音声出力基板P70、ランプドライバ基板P35、または、音/ランプ基板に搭載したマイクロコンピュータ等の制御手段が行なうようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。ここで擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(17) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機P1の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(18) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(19) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(20) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(21) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置P20における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(22) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。