以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成を説明する。
図1に示したように、第1の実施形態に係る情報処理システムは、1台以上(図では、2台)のデジタル複合機10と管理コンピュータ50とがネットワーク接続されたシステムである。また、情報処理システムは、インターネットルータ200,何台かのファイルサーバ210,何台か(図では、1台)のコンピュータ220等を含むネットワークに接続されるシステムとなっている。
情報処理システムが接続されるネットワーク上のインターネットルータ200は、各コンピュータ220等をインターネットに接続するための装置である。ファイルサーバ210は、共有フォルダが設定されているコンピュータである。コンピュータ220は、本情報処理システムの管理者や一般ユーザが使用するコンピュータ(Webブラウザがインストールされているコンピュータ)である。
情報処理システムの要素である管理コンピュータ50は、本情報処理システム用に開発された管理プログラム40をインストールしたコンピュータである。管理プログラム40の機能についての説明は後ほど行うが、この管理プログラム40は、インストール(セットアップ)時に、管理者名及びパスワードの設定や,作業フォルダ,メールサーバの設定が必要とされるプログラムとなっている。
デジタル複合機10は、図2,図3にそれぞれ示した外観,ハードウェア構成を有する装置である。すなわち、デジタル複合機10は、一般的なデジタル複合機/コピー機と同様の外観を有するように(図2参照)、制御ユニット11とスキャナ12とプリンタ13とを組み合わした装置となっている。
このデジタル複合機10に用いられているプリンタ13は、コンピュータの周辺装置として使用可能なプリンタに、デジタル複合機10を構成するための(制御ユニット11とプリンタ13とを接続するための)拡張ボードを装着した装置である。スキャナ12は、コンピュータの周辺装置として使用可能なスキャナに、デジタル複合機10を構成するための(制御ユニット11とスキャナ12とを接続するための)拡張ボードを装着した装置である。
制御ユニット11は、図3に示してあるように、CPU21,ROM22,RAM23,EEPROM24,通信制御回路25,画像処理回路26,LCD制御回路27,入力インタフェース回路(入力I/F)28,ネットワークインタフェース回路(NW−I/F)29,タッチスクリーン31,スイッチ部32等により構成されたユニットである。
この制御ユニット11に用いられているタッチスクリーン31は、液晶ディスプレイ(LCD)35上に透明な接触位置センサ36を重ねた素子である。このタッチスクリーン31は、図2及び図4に示してあるように、制御ユニット11の筐体上に設けられている。スイッチ部32(図3,図4参照)は、制御ユニット11の筐体上に設けられているジョブメモリボタン32m,スタートボタン32s,テンキー等の各種押しボタンスイッチと、それらの制御回路とで構成されたユニットである。
CPU21(図3)は、デジタル複合機10の各部(制御ユニット11内の各部、スキャナ12及びプリンタ13)を統合的に制御する制御回路である。ROM22は、CPU21の動作手順を規定するプログラムやCPU21(プログラム)が利用するデータが記録されている読み出し専用のメモリである。RAM23は、ROM22に記録されているプログラムが読み出されるメモリであると共に、CPU21(プログラム)の作業領域として用いられるメモリである。通信制御回路25は、CPU21が、スキャナ12或いはプリンタ13との間で情報交換(コマンドの送信、画像データの受信、印刷データの送信)を行うために使用する回路である。
LCD制御回路27は、タッチスクリーン31(LCD35)に、CPU21から指示された内容の画像(画面)を表示させる回路である。入力インタフェース回路28は、ユーザ(デジタル複合機10の操作者)がテンキー部32或いはタッチスクリーン31(接触位置センサ36)に対して行った操作内容を、CPU21に通知する回路である。ネットワークインタフェース回路29は、制御ユニット11をネットワークに接続するための回路である。
EEPROM24は、電源が落とされても保持しておくことが必要な各種の情報(後述する,装置IPアドレス,エージェントIPアドレス等)を記憶しておくために、制御ユニット11に搭載されている不揮発性の書き換え可能なメモリである。
次に、図5〜図14を用いて、本実施形態に係る情報処理システムの操作手順(制御ユニット11の見かけ上の動作)を、説明する。
制御ユニット11は、デジタル複合機10を、コピー機として動作させるための動作モード(以下、コピーモードと表記する)と、デジタル複合機10と管理コンピュータ50とからなるシステムを、スキャンデータ送信処理を実行可能なシステム(実際に機能する情報処理システム)として動作させるための動作モード(以下、スキャンモードと表記する)とを、有している。
ここで、スキャンデータ送信処理とは、スキャンtoメール処理及びスキャンtoファイル処理のいずれか一方,或いは双方が行われる処理のことである。また、スキャンtoメール処理とは、図5に模式的に示したように、スキャンデータ(スキャナ12によって生成された原稿の画像データ)がデジタル複合機10から管理コンピュータ50に送信され、スキャンデータを受信した管理コンピュータ50により、そのスキャンデータのファイルを添付したEメールが,ユーザが指定した何件かの宛先に宛てて送信される処理のことである。そして、スキャンtoファイル処理とは、スキャンデータがデジタル複合機10から管理コンピュータ50に送信され、スキャンデータを受信した管理コンピュータ50により、そのスキャンデータのファイルがユーザが指定した幾つかの場所(いずれかのファイルサーバ210内の共有フォルダ)に保存される処理のことである。
なお、スキャンtoメール処理及びスキャンtoファイル処理の双方が行われるスキャンデ
ータ送信処理時には、同一のスキャンデータに基づき双方の処理が行われる。また、このスキャンデータ送信処理は、制御ユニット11上のスタートボタン32s(図4)が押下されたときに開始される処理となっている。
制御ユニット11は、コピーモードで動作している場合は、通常、図6に示したコピー基本画面100をタッチスクリーン31上に表示している。
制御ユニット11にスキャンモードでの動作を開始させたい場合(スキャンデータ送信処理を情報処理システムに実行させたい場合)、ユーザは、このコピー基本画面100上のモード切替ボタン101を押下する。この操作が行われると、制御ユニット11は、スキャンモードでの動作を開始する。そして、タッチスクリーン31上には、図7に示したようなユーザ選択画面105が、表示される。
ユーザは、このユーザ選択画面105上の,自身の名前(情報処理システムに登録されている名前;"WATSON"等)が示されているユーザ名ボタン106を、押下する。なお、表示されたユーザ選択画面105上に自身に関するユーザ名ボタン106が存在していなかった場合、ユーザは、ボタン107nを押下する。ユーザがボタン107nを押下すると、タッチスクリーン31には、登録されている他のユーザに関するユーザ名ボタン106と有効なボタン107bと無効な(グレーアウト表示され、押下しても何も行われない)ボタン107nとを備えたユーザ選択画面105が表示されるので、ユーザは、そのユーザ選択画面105上の,自身に関するユーザ名ボタン106を押下する。
ユーザが、自身に関するユーザ名ボタン106を押下すると、当該ユーザがパスワード設定を行っていない者であった場合(押下されたユーザ名ボタン106が,パスワードが登録(設定)されているユーザに関するものであった場合;詳細は後述)には、タッチスクリーン31上に、図8に示したスキャン基本画面110が表示される。一方。当該ユーザがパスワード設定を行っている者であった場合には、タッチスクリーン31上にパスワード入力画面が表示され、登録されているものと一致するパスワード(4桁の数字)がユーザによって入力されたときに、図8に示したスキャン基本画面110が表示される。
スキャン基本画面110は、RAM(処理条件指定情報記憶手段に相当)上に記憶されているデフォルトの処理内容規定情報(スキャンデータ送信処理の、送信先以外の内容を規定する設定値の集合;処理条件指定情報に相当)の内容が示される画面である。
また、このスキャン基本画面110上のモード切替ボタン111は、その押下により、制御ユニット11がコピーモードでの動作を開始するボタンである。
スキャン先ボタン116は、その押下により、タッチスクリーン31上に図9に示したスキャン先選択画面120が表示されるボタンである。
このスキャン先選択画面120が備えるリスト領域121は、ユーザが予め登録しておいた各送信先規定情報の名称("FOLDER_1","USER_1"等:以下、送信先規定情報名とも表記する)が示される領域である。なお、送信先規定情報の設定法については後述するが、本情報処理システムは、送信先規定情報として、スキャンtoファイル処理用の送信先規定情報(フォルダパスを含むもの;以下、保存用送信先規定情報と表記する)と、スキャンtoメール処理用の,1つのメールアドレスを含む送信先規定情報(以下、メール用送信先規定情報と表記する)と、スキャンtoメール処理用の,複数のメールアドレスを含む送信先規定情報(以下、グループ用送信先規定情報と表記する)とを登録可能なシステムとして構成されている。そして、スキャン先選択画面120が備えるリスト領域121は、図9から明らかなように、各保存用送信先規定情報については、図形128とその名称("FOLDER_1")とが示され、各メール用送信先規定情報については、その名称("USER_1"等)のみが示され、各グループ用送信先規定情報については、図形129とその名称("GROUP_1"等)とが示される領域となっている。
このスキャン先選択画面120は、以下の操作により、任意数の送信先規定情報を選択できる画面となっている。
すなわち、ユーザは、或る送信先規定情報を選択したい場合、ボタン122u,ボタン122dを操作することにより、選択したい送信先規定情報名が表示されている部分に、選択枠126が表示されている状態を形成する。そして、ユーザは、"スキャン先に追加"ボタン123を押下する。
ユーザが"スキャン先に追加"ボタン123を押下すると、制御ユニット11は、選択枠126で囲まれている送信先規定情報名で識別される送信先規定情報が選択されたことを記憶する。また、制御ユニット11は、選択件数表示欄124内の数値を"1"インクリメントすると共に、選択枠126で囲まれていた送信先規定情報名をリスト領域121から消去する。
複数の送信先規定情報を選択する場合、ユーザは、上記のような操作を各送信先規定情報について行った後に、"決定"ボタン125を押下する。なお、スキャン先選択画面120上のスキャン先ボタン127は、その押下により、タッチスクリーン31上に図10に示したスキャン先確認・削除画面が表示されるボタンとなっているので、ユーザは、選択している送信先規定情報を確認したい場合等には、このスキャン先確認・削除画面を表示させてから、スキャン先確認・削除画面上の"決定"ボタン(或いは、スキャン先選択画面120上の"決定"ボタン125)を、押下する。
ユーザが"決定"ボタン125(或いは、スキャン先確認・削除画面上の"決定"ボタン)を押下すると、タッチスクリーン31上には、ユーザが選択した送信先規定情報に関する情報がスキャン先ボタン116内に示されたスキャン基本画面110が、表示される。
図8に戻って、スキャン基本画面110の説明を続ける。
スキャン基本画面110に設けられている設定値領域112は、現時点における,原稿サイズ,解像度,カラータイプ,ファイル形式に関する設定値が示される領域である。"原稿サイズ"ボタン、"解像度"ボタン、"カラータイプ"ボタン、"ファイル形式"ボタン113は、それぞれ、原稿サイズ,解像度,カラータイプ,ファイル形式に関する設定値を変更するためのボタンである。
"原稿タイプ"ボタン114は、原稿のタイプ(原稿が,印刷物、写真、その大部分が文字となっている原稿のいずれであるか)を指定するためのボタンである。この"原稿タイプ"ボタン114は、その内部に、その時点における設定値(図では、文字)が示されるボタンとなっている。片面/両面切替ボタン115は、原稿の両面を読み取るか片面を読み取るかを指定するためのボタンである。この片面/両面切替ボタン115も、その内部に、その時点における設定値(図では、片面)が示されるボタンとなっている。
そして、これらのボタンは、いずれも、その押下により、タッチスクリーン31上に、別画面が表示されるボタンとなっている。例えば、ファイル形式ボタン113は、その押下により、タッチスクリーン31上に図11に示したようなファイル形式選択画面が表示されるボタンとなっており、"原稿タイプ"ボタン114は、その押下によりは、タッチスクリーン31上に図12に示した原稿タイプ選択画面が表示されるボタンとなっている。
一方、スキャン濃度を調節するためのボタンである"うすく"ボタン、"こく"ボタンは、その押下により別画面が表示されないボタン(押下すると、濃度カーソル117の表示位置が移動するボタン)となっている。
要するに、本情報処理システムは、ユーザが、このスキャン基本画面110を利用して各種設定を行った後に、スタートボタン32sを押下すれば、スキャンデータ送信処理を開始させることが出来るシステムとなっている。
また、本情報処理システムは、過去に行ったスキャンデータ送信処理とファイルの生成条件(スキャン先以外の条件)が等しいスキャンデータ送信処理を行わせる場合には、ユーザが、スキャン基本画面110上の"用紙サイズ"ボタン等の操作を行わなくても良いシステムともなっている。
具体的には、この場合、ユーザは、スキャン基本画面110を表示させてから、ジョブメモリボタン32m(図4)を押下する。
ユーザがジョブメモリボタン32mを押下すると、タッチスクリーン31には、図13、図14に示したようなジョブメモリ選択画面130が、表示される。
これらの図に示した各ジョブメモリ選択画面130上の,内部に日時が示されている各ボタン131は、ユーザが過去に本情報処理システムに実行させたスキャンデータ送信処理の内容を示す情報(スキャン基本画面110上の,スキャン先ボタン116以外の各ボタンを押下することにより設定可能な情報の集合;以下、処理内容規定情報と表記する)に対応付けられたボタン(以下、履歴ボタン131とも表記する)である。また、ジョブメモリ選択画面130上の,その内部に"メモリ1"等が示されている各ボタン131は、管理者が設定した処理内容規定情報に対応付けられたボタン(以下、設定メモリボタン131とも表記する)となっている。
そして、本情報処理システムは、このジョブメモリ選択画面130上の或るボタン131(履歴ボタン131或いは設定メモリボタン131)が押下されると、そのボタン131に対応付けられている処理内容規定情報の内容が反映されたスキャン基本画面110が、タッチスクリーン31上に表示されるシステムとなっている。
以上のことを前提として、以下、本情報処理システムの動作を、さらに具体的に説明する。
本情報処理システムは、上記した処理内容規定情報や送信先規定情報が、管理コンピュータ50のHDD(情報記憶手段に相当)に、図15、図16に模式的に示したような形で記憶されるシステムとなっている。
すなわち、本情報処理システムは、管理コンピュータ50のHDDに、デジタル複合機10別に、複合機管理情報,或いは,複合機管理情報と幾つかの処理内容規定情報とが記憶されており、ユーザ別に、ユーザ管理情報と送信先規定情報と処理内容規定情報とが記憶されている状態で動作するシステムとなっている。
管理コンピュータ50内に、各デジタル複合機10(図では、複合機A,B)について記憶されている複合機管理情報は、対応するデジタル複合機10のIPアドレス、MACアドレス、管理用名称等からなる情報である。この複合機管理情報の管理コンピュータ50への登録は、デジタル複合機10に対する初期設定が行われたときに、自動的に行われる。
具体的には、制御ユニット11は、その設置時(ネットワークへの組込時)に、IPアドレス(以下、装置IPアドレスと表記する)を割り当てる作業と、エージェントコンピュータ50に割り当てられているIPアドレス(以下、エージェントIPアドレスと表記する)を記憶させる作業を行わなければならないユニットとなっている。なお、制御ユニット11は、それらの作業が、制御ユニット11上のテンキー,タッチスクリーン31を操作することにより行えるように、それらの作業により設定された装置IPアドレスとエージェントIPアドレスとがEEPROM24上に記憶されるように、構成されたユニットとなっている。
そして、制御ユニット11は、装置IPアドレス及びエージェントIPアドレスがEEPROM24に記憶されている状態で電源が投入された場合と、装置IPアドレス或いはエージェントIPアドレスが変更された場合とには、EEPROM24に記憶されているエージェントIPアドレスにて特定される装置(すなわち、エージェントコンピュータ50)に対して、装置IPアドレス、自ユニット(ネットワークインタフェース回路29)のMACアドレス、自ユニットの機種名、スキャナ12の機種名、スキャナ12のオプション装置(ADF)の装着状況を示す情報等からなるIPアドレス登録・確認要求を送信する処理を行うように、構成されている。
一方、管理プログラム40は、このIPアドレス登録・確認要求を受信した管理コンピュータ50に、図17に示した手順のIPアドレス登録・確認処理を実行させるプログラムとなっている。
すなわち、IPアドレス登録・確認要求を受信した管理コンピュータ50は、そのIPアドレス登録・確認要求に対応する複合機管理情報が、自コンピュータ内(自コンピュータが備えるHDD内の所定のフォルダ内)に記憶されているか否かを判断する(ステップS101)。なお、受信したIPアドレス登録・確認要求に対応する複合機管理情報とは、受信したIPアドレス登録・確認要求に含まれるMACアドレスと同じMACアドレスを含む複合機管理情報のことである。
そして、管理コンピュータ50は、受信したIPアドレス登録・確認要求に対応する複合機管理情報が、自コンピュータ内に記憶されていなかった場合(ステップS101;NO)には、そのIPアドレス登録・確認要求に含まれている制御ユニット11の機種名と、MACアドレスの一部とを組み合わせることにより、管理用名称を生成する(ステップS102)。次いで、管理コンピュータ50は、その生成した管理用名称と、受信したIPアドレス登録・確認要求に含まれていた各情報とを含む複合機管理情報を生成して自コンピュータ内に記憶する(ステップS103)。なお、ステップS102において実際に行われる処理は、管理用名称として、制御ユニット11の機種名に、MACアドレスの末尾4文字を続けた文字列を生成する処理である。また、ステップS103において実際に行われる処理は、HDD上に作成されている所定のフォルダ下に、MACアドレスと同じフォルダ名のフォルダを作成し、作成したフォルダ内に複合機管理情報のファイルを作成する処理である。
複合機管理情報の生成及び記憶(ステップS103)を終えた管理コンピュータ50は、IPアドレス登録・確認要求を正常に処理したことを示す情報を、そのIPアドレス登録・確認要求の送信元装置(デジタル複合機10/制御ユニット11)に返送する(ステップS106)。そして、管理コンピュータ50は、このIPアドレス登録・確認処理を終了する。
一方、受信したIPアドレス登録・確認要求に対応する複合機管理情報が、自コンピュータ内に記憶されていた場合(ステップS101;YES)、管理コンピュータ50は、その複合機管理情報に含まれている装置IPアドレスが、受信したIPアドレス登録・確認要求に含まれていた装置IPアドレスと一致しているか否かを判断する(ステップS104)。そして、管理コンピュータ50は、両IPアドレスが一致していた場合(ステップS104;YES)には、ステップS106以降の処理を実行する。また、管理コンピュータ50は、両IPアドレスが一致していなかった場合(ステップS104;NO)には、受信したIPアドレス登録・確認要求とMACアドレスが一致しているが装置IPアドレスが一致していない複合機管理情報内の装置IPアドレスを、そのIPアドレス登録・確認要求に含まれていた装置IPアドレスに変更(ステップS105)してから、ステップS106以降の処理を実行する。
図15、16に戻って、管理コンピュータ50内に記憶され情報の説明を続ける。
管理コンピュータ50内に各ユーザについて記憶されているユーザ管理情報は、管理コンピュータ50が提供する,図18に示したスキャンユーザ設定ページ65を用いて設定した情報(ユーザ名,メールアドレス、パスワードからなる情報)である。このスキャンユーザ設定ページ65は、管理者名とパスワードとを用いてログインを行った後に、表示させることが出来るWebページとなっている。すなわち、ユーザ管理情報は、管理者が設定する情報となっている。
管理コンピュータ50内に、各デジタル複合機10について記憶されている処理内容規定情報は、管理コンピュータ50が提供する,図19に示したジョブメモリ設定ページ70を用いて設定した情報である。このジョブメモリ設定ページ70も、管理者名とパスワードとを用いてログインを行った後に、表示させることが出来るWebページとなっている。
管理コンピュータ50内に、各ユーザについて記憶されている送信先規定情報は、ユーザ管理情報が設定された(ユーザ登録が完了した)ユーザが、図20〜図22にそれぞれ示したフォルダ設定ページ75、宛先設定ページ80、宛先グループ設定ページ85を利用して設定した情報である。これらの設定ページは、ユーザ名とパスワード(或いはユーザ名)を用いてログインを行った後に表示させることが出来るWebページとなっており、各設定ページに対して入力された情報は、ログインを行ったユーザの情報(保存用/メール用/グループ用送信先規定情報)として、管理コンピュータ50のHDDに記憶される。
管理コンピュータ50内に、各ユーザについて記憶されている処理内容規定情報は、既に行ったジョブメモリ選択画面130(図13、図14)の表示等に用いられる情報である。
そして、本情報処理システムでは、或るデジタル複合機10(制御ユニット11)に対してスキャンデータ送信処理を開始させるための操作が行われた場合、管理コンピュータ50内に記憶された各種情報が、以下のように利用されるシステムとなっている。
すなわち、図23に示したように、モード切替ボタン101(図6)が押下されたとき、制御ユニット11は、ユーザ名リスト要求を管理コンピュータ50(EEPROM24に記憶されているエージェントIPアドレスを有する装置)に対して送信する(S101)。なお、本情報処理システムは、制御ユニット11とエージェントコンピュータ50間の通信がHTTPにより行われるシステム(HTTPのリクエストボディとレスポンスボディで、制御ユニット11とエージェントコンピュータ50との間の各種情報の送受信が行われるシステム)となっている。
このユーザ名リスト要求を受信した管理コンピュータ50は、自コンピュータ内に記憶されているユーザ管理情報群から、ユーザ名リストを作成してデジタル複合機10に返送する(S301)。ここで、ユーザ名リストとは、各ユーザについて、そのユーザのユーザ名と、そのユーザがパスワードを設定している者であるか否かを示す情報とを含む情報のことである。
このユーザ名リストを受信した制御ユニット11は、そのユーザ名リストに含まれている各ユーザ名が示されたユーザ名ボタン106を備えたユーザ名選択画面105(図7)をタッチスクリーン31上に表示する(S202)。
そして、制御ユニット11は、ユーザ名選択画面105上の或るユーザ名ボタン106が押下された場合には、押下されたユーザ名ボタン106に対応するユーザ名を含むログイン要求を管理コンピュータ50に対して送信する(S203)。なお、押下されたユーザ名ボタン106が、パスワードを設定しているユーザに関するものであった場合、制御ユニット11は、パスワード入力画面をタッチスクリーン31上に表示することにより、ユーザにパスワードを入力させる。そして、制御ユニット11は、ユーザによって入力されたパスワードとユーザ名とを含むログイン要求を、管理コンピュータ50に対して送信する。
ログイン要求を受信した管理コンピュータ50は、ログイン要求に含まれる情報(ユーザ名、或いは、ユーザ名及びパスワード)と同じ情報を含むユーザ管理情報が存在することを確認した上で、ログイン要求を送信した制御ユニット11からの要求を、ログイン要求に含まれていたユーザ名で識別されるユーザ(以下、現ユーザと表記する)からの要求として取り扱う処理(図では、セッション管理)を開始する(S302)。また、管理コンピュータ50は、ログイン要求を受け付けたことを示す情報(図では、OK)をデジタル複合機10に返送する。
この情報を受信した制御ユニット11は、タッチスクリーン31上にスキャン基本画面110(図8)を表示する(S204)。そして、スキャン基本画面110上のスキャン先ボタン116が押下された場合、制御ユニット11は、スキャン先リスト要求を管理コンピュータ50に対して送信する(S205)。
このスキャン先リスト要求を受信したエージェントコンピュータ50は、現ユーザに対応づけられた形で自コンピュータ内に記憶されている各送信先規定情報について、その名称(送信先規定情報名)と、その送信先規定情報が保存用送信先規定情報、メール用送信先規定情報、グループ用送信先規定情報のいずれであるかを示す情報とを含むスキャン先リストを作成して制御ユニット11に返送する(S303)。
このスキャン先リストを受信した制御ユニット11は、スキャン先リスト内の送信先規定情報名等が示されたスキャン先選択画面120(図9)をタッチスクリーン31上に表示(S206)し、スキャン先(送信先)を選択する操作が完了した場合("決定"ボタン125が押下された場合等)には、スキャン基本画面110をタッチスクリーン31上に表示する(S207)。
そして、制御ユニット11は、スキャン先が設定されている状態でスタートボタン32sが押下された場合には、図24に示してあるように、その時点における処理内容規定情報(スキャン基本画面110上にその内容が表示されている処理内容規定情報)を含む処理開始要求を管理コンピュータ50に対して送信する(S211)。
この処理開始要求を受信した管理コンピュータ50は、それに含まれる処理内容規定情報を、現ユーザに関する,現在日時から生成した名称を有する処理内容規定情報としてHDDに記憶(追加)する(S311)。なお、この処理時、管理コンピュータ50は、現ユーザに関する既存の処理内容規定情報の中に、今回の処理内容情報と同じもの(名称のみが異なるもの)が存在していた場合には、今回の処理内容情報を、その処理内容規定情報の代わりに記憶する(既存の処理内容指定情報の名称を変更する)。また、現ユーザに関する既存の処理内容規定情報の中に、今回の処理内容情報と同じもの(名称のみが異なるもの)は存在しておらず、現ユーザに関する既存の処理内容規定情報の数が所定数であった場合には、最も古い処理内容規定情報(その名称が表す日時が最も過去の処理内容規定情報)を削除してから今回の処理内容情報を記憶する。
その後、管理コンピュータ50は、受信した処理内容規定情報に基づき、スキャナ制御情報を作成して制御ユニット11に返送する(ステップS312)。ここで、スキャナ制御情報とは、処理内容規定情報中の各情報を、スキャナ12を制御するための情報(コマンド)に変換した情報のことである。
スキャナ制御情報を受信した制御ユニット11は、そのスキャナ制御情報にて規定される内容の制御処理をスキャナ12に対して行う(S212)。要するに、制御ユニット11は、スキャナ12の動作を開始させる。
そして、制御ユニット11は、スキャナ12が送信してくるスキャンデータを管理コンピュータ50に転送する状態となる。
一方、スキャナ制御情報を制御ユニット11に対して返送した管理コンピュータ50は、制御ユニット11から送信されてくるスキャンデータを受信してHDDに記憶する処理を開始している(S313)。そして、管理コンピュータ50は、制御ユニット11から、全スキャンデータの送信が完了した旨を示す情報(図では、スキャン終了)が送信されてきたときには、受信が完了しているスキャンデータを用いて、現処理内容規定情報(処理開始要求に含まれていた処理内容規定情報)にて規定される内容の処理を行う(S314)。すなわち、管理コンピュータ50は、スキャンデータから、指定されているファイル形式のファイルを作成し、作成したファイルを指定されている送信先(ファイルサーバ210の共有フォルダ,メールボックス)に送信する処理を行う。
なお、このS314の処理は、指定されているファイル形式、カラータイプが、それぞれ、"TIFF"、"白黒"であった場合、MMR(G4)圧縮したTIFFファイルが作成され、指定されているファイル形式、カラータイプが、それぞれ、"TIFF"、"カラー"或いは"グレースケール"であり、スキャン先(ファイルの保存場所)が共有フォルダであった場合には、無圧縮のTIFFファイルが作成され、指定されているファイル形式、カラータイプが、それぞれ、"TIFF"、"カラー"或いは"グレースケール"であり、スキャン先(ファイルの保存場所)がメールボックスであった場合には、JPEG圧縮したTIFFファイルが作成される処理となっている。
また、制御ユニット11は、スキャン基本画面110が表示されている状態でジョブメモリボタン32mが押下された場合、図25に示したように、動作する。
すなわち、制御ユニット11は、処理内容規定情報リスト要求を管理コンピュータ50に対して送信する(S251)
この処理内容規定情報リスト要求を受信した管理コンピュータ50は、現ユーザに関する処理内容規定情報リストを作成して制御ユニット11に返送する(S351)。ここで、現ユーザに関する処理内容規定情報リストとは、処理内容規定情報リスト要求を送信したデジタル複合機10に対応づけられた形で自コンピュータ内に記憶されている各処理内容規定情報(管理者が登録した処理内容規定情報)の名称と、現ユーザに対応づけられた形で自コンピュータ内に記憶されている各処理内容規定情報の名称とを含む情報のことである。
この処理内容規定情報リストを受信した制御ユニット11は、受信した処理内容規定情報リスト内の処理内容規定情報名が示されたジョブメモリ選択画面130(図13、図14)をタッチスクリーン31上に表示する(S252)。なお、管理コンピュータ50が送信する処理内容規定情報リストは、管理者によって登録された処理内容規定情報名群(並びは、名称順)の後方に、現ユーザに対応づけられた形で自コンピュータ内に記憶されている各処理内容規定情報名を、その名称が示している日時が新しいものから順に並べた形の情報となっている。そして、制御ユニット11がS252で実行する処理は、管理コンピュータ50から得た各処理内容規定情報名を、処理内容規定情報リスト内での順番通りに利用して、ジョブメモリ選択画面130を表示する処理となっている。すなわち、管理者によって処理内容規定情報が登録されていない場合(図15参照)には、このS252の処理により、図13に示したようなジョブメモリ選択画面130が表示される。また、管理者によって処理内容規定情報が登録されている場合(図16参照)には、このS252の処理により、図14に示したようなジョブメモリ選択画面130が表示される。
ジョブメモリ選択画面130上のいずれかの設定メモリボタン131/履歴ボタン131が押下された場合、制御ユニット11は、選択された処理内容規定情報名(押下されたボタン名)を含む処理内容規定情報要求を管理コンピュータ50に対して送信する(S253)。
この処理内容規定情報要求を受信した管理コンピュータ50は、それに含まれる処理内容規定情報名にて特定される処理内容規定情報(管理者によって設定された処理内容規定情報/現ユーザがスキャンデータ送信処理を行わせた結果としてHDDに記憶されている処理内容規定情報)をHDDから読み出して、制御ユニット11に返送する(S352)。
そして、この処理内容規定情報を受信した制御ユニット11は、受信した処理内容規定情報に応じた内容のスキャン基本画面110をタッチスクリーン31上に表示する(S254)。
以上、説明したように、本実施形態に係る情報処理システムは、各ユーザが情報処理システムに実行させたスキャンデータ送信処理の処理条件を示す処理内容規定情報が、管理コンピュータ50内に自動的に記憶されるシステムであると共に、管理コンピュータ50内に記憶された処理内容規定情報を、システムを構成している各デジタル複合機10から、簡単な操作(ジョブメモリボタン32cを押下してからボタン131を押下する操作)で利用できるシステムとなっている。従って、この情報処理システムは、従来のデジタル複合機では、各デジタル複合機に対して、同じ処理条件を登録しなければ実現できない作業環境を、処理内容規定情報を登録する作業を全く行わなくても実現できるシステムとなっていると言うことが出来る。
<変形形態>
実施形態に係る情報処理システムは、各種の変形を行うことが出来る。例えば、上記した情報処理システムは、スキャンデータ送信処理を行うためのシステムであったが、各デジタル複合機10を単純なコピー機とし、管理コンピュータ50を、各コピー機から、実行されたコピーの内容を示すコピー条件情報を取得する装置であると共に、所定の要求を送信してきたコピー機に対して、記憶しているコピー条件情報を提供する装置としておいても良い。
また、処理内容条件情報の記憶がユーザ別に行われないように、情報処理システムを変形しておいても良い。さらに、管理者が、各デジタル複合機10で共通して利用できる処理内容規定情報を登録できるように、情報処理システムを変形しておいても良い。
次に、他の実施形態について説明する。本実施形態では、画像をスキャンして得た画像データのファイル名をユーザ自身が指定可能とする。以下、本実施形態について説明するが、上述した実施形態において説明した機能ないし構成と共通するものには同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図26に本実施形態に係る画像読み取りシステムの全体構成を示す。すなわち、本システムは、複数のデジタル複合機10と、管理コンピュータ51と、ファイルサーバ210と、コンピュータ220と、インターネットルータ200とがネットワークを介して接続されている。管理コンピュータ51には、管理プログラム52が搭載されていて、これが実行される。また、管理コンピュータ51は、後述する選択文字列を記憶するための記憶部53と、選択文字列の登録等を受け付ける登録画面に関する登録画面情報の記憶部54とを有する。
ここでは、本実施形態に固有の処理をスキャンtoファイルに適用した場合について説明するが、第1の実施形態で説明したスキャンtoメールに適用することも可能である。
本実施形態では、デジタル複合機10が画像をスキャンして生成した画像データのファイル名の設定を自動で行う(自動設定モード)他に、ユーザがファイル名を設定することができる。ユーザによるファイル名の設定方法には、ユーザが自由に文字列を入力してファイル名を指定するフリー設定モードと、ファイル名として使用する文字列を予め登録しておき、登録されている文字列から選択した文字列でファイル名を定める選択設定モードとがある。いずれのモードとするかは、ユーザが選択可能である。
ここで、選択設定モードの場合、選択される文字列を管理コンピュータ51に予め登録しておき、登録されている文字列に基づいてユーザインタフェース画面を表示させ、ユーザに文字列を選択させてファイル名を指定させる。従って、選択文字列を予め登録しておく必要があるので、まずこの選択文字列の登録について説明する。
選択文字列の登録は、管理プログラム51が登録画面情報記憶部54に記憶されている登録画面情報をコンピュータ220へ送信し、コンピュータ220において管理者及び各ユーザがWebブラウザを利用して行うことができる。管理者及びユーザは、コンピュータ220から管理コンピュータ51にログインした状態で、それぞれの登録画面から選択文字列を登録する。例えば、管理者が登録等を行うための管理者画面の一例を図27に示す。
管理者は、図27に示す管理者画面1000で種々の設定を行うことができる。選択文字列の登録を行うときは、「ファイル名設定」1001の「編集」1002を選択する。ここで「編集」1002が選択されると、図28に示す選択文字列の設定画面1100に遷移する。この画面1100の入力領域1101に管理者が文字列を入力して登録する。ここで、選択文字列として使用できる文字及び文字数を予め定めておいてもよい。文字列入力後、OKボタン1102が押されると、管理コンピュータ51の選択文字列記憶部53に、全ユーザが使用可能な選択文字列として登録される。
また、図27に示す管理者画面1000で「スキャンパラメータ初期設定」1003の「編集」1004が選択されると、図29に示すスキャンパラメータ初期設定画面1200に遷移する。この画面1200では、デジタル複合機10がスキャンモードで動作するときのパラメータの初期値を設定することができる。この画面1200の「ファイル名生成」1201の入力領域1202では、ファイル名の生成を「自動」、「項目選択」及び「フリー」のいずれにするかを指定できる。なお、スキャンパラメータ初期設定と同様にして、ジョブメモリの初期設定も行うことができる。
つぎに、図30に示すユーザ登録画面1300について説明する。ユーザ登録画面1300は、ユーザが各自で使用する選択文字列の登録を行うための画面である。ユーザ登録画面1300では、「基本設定」タグ1301が選択されているときに「選択文字列」の入力領域1302にユーザが文字列を入力する。文字列入力後、登録ボタン1303が押されると、当該ユーザが使用可能な選択文字列として管理コンピュータ51の選択文字列記憶部53に登録される。
上記のようにして管理コンピュータ51に選択文字列が登録されると、管理プログラム52が各デジタル複合機10に登録済みの選択文字列を送り、各デジタル複合機10において、これらの選択文字列を利用してファイル名を指定することができるようになる。以下、各デジタル複合機10が選択文字列を管理コンピュータ51から取得する手順について、図31を用いて説明する。なお、管理プログラム52は、既に説明した実施形態における管理プログラム40の機能を有し、さらに、以下に説明する機能を有する。
まず、デジタル複合機10がスキャンモードである場合、デジタル複合機10の表示部であるタッチスクリーン31には図32に示すようなスキャン基本画面1400が表示される(S501)。そして、例えば後述する所定のタイミングで、デジタル複合機10が管理コンピュータ51へ選択文字列リストを要求する。
管理コンピュータ51では、管理プログラム52がこの選択文字列リスト要求を受信すると、選択文字列記憶部53に予め登録されている選択文字列のリストを要求元のデジタル複合機10へ返送する(S502)。このとき、全ユーザに共通のものとして登録されている文字列と、ログイン済みの現ユーザに固有の文字列として登録されている文字列とをあわせて返送する。
デジタル複合機10は選択文字列のリストを受信し、受信した選択文字列のリストをRAM23等に保持する。そして、後述する図34に示す項目文字列選択画面1600において、選択候補文字列として選択文字列表示部1602に表示される(S503)。ユーザは、この画面1600で1つ以上の文字列を選択し、ファイル名を定めることができる。文字列の選択後、決定ボタン1603が押されると、図37に示すファイル名設定後のスキャン基本画面1400へ戻る(S504)。
なお、上記ステップS501−S504の処理は、例えば、図23のシーケンス図の処理後、図24のシーケンス図の処理前に行うようにしてもよい。また、この場合、ステップS302でログイン要求を受け付けたことを示す情報をデジタル複合機10へ返す代わりに、現ユーザに関するユーザ別設定情報を送信するようにしてもよい。そして、このユーザ別設定情報には、現ユーザが利用可能な、上記の選択文字列リストを含めてもよい。
次に、デジタル複合機10のタッチスクリーン31に表示される画面遷移に基づいて、本実施形態でのスキャンtoファイルの場合の操作手順について説明する。
まず、デジタル複合機10がスキャンモードである場合、表示部であるタッチスクリーン31には図32に示すようなスキャン基本画面1400が表示される。管理コンピュータ51からの選択文字列リストを取得は、例えば、この画面1400が表示されたタイミングでもよいし、あるいは、後述する項目文字列選択画面1600が表示されたタイミングでもよい。
スキャン基本画面1400には、画像をスキャンする場合にユーザが指定することが可能な種々のパラメータの入力を受け付けるためのメニューが表示されている。ここで、ユーザが「ファイル名」1401を選択すると、図33に示すようにスキャン基本画面1400においてファイル名入力領域1420が表示される。
ファイル名入力領域1420には、ファイル名の表示領域1421と、自動設定、項目選択設定、及びフリー設定の各設定モードの選択用のボタン1422〜1424とを有する。ファイル名の表示領域1421には、ファイル名が表示される。設定モード選択用のボタン1422〜1424のいずれかが選択されると、それぞれのファイル名の設定モードとなる。自動設定モードの場合、ファイル名が所定のルールに従って自動的に決定される。項目選択ボタン1423及びフリー設定ボタン1424が選択された場合について、以下に説明する。
まず、項目選択ボタン1423が選択されると、タッチスクリーン31に表示される画面が図34に示す項目文字列選択画面1600に遷移する。項目文字列選択画面1600は、ファイル名表示部1601と、選択文字列表示部1602とを備える。選択文字列表示部1602には、ユーザが管理コンピュータ51から取得した選択個補文字列のリストが表示される。そして、選択文字列表示部1602に表示されている候補の文字列の中からユーザが希望する文字列を選択すると、ファイル名表示部1601に選択された文字列が表示される。ユーザは複数の文字列を選択することも可能である。複数の文字列が選択されると、選択された文字列が選択された順に連結されてファイル名表示部1601に表示される。文字列の選択が終了し、決定ボタン1603が押されると、タッチスクリーン31には図35に示すようなスキャン基本画面1400へ戻る。このとき、ファイル名の表示領域1421には上記の処理で選択された文字列が表示されている。
また、図33でフリー設定ボタン1424が選択されると、タッチスクリーン31に表示される画面が図36に示すキーボード画面1700に遷移する。ユーザは、キーボード画面1700で自由にファイル名を入力することができる。ファイル名の入力終了後、決定ボタン1701が押されると、項目選択の場合と同様に、タッチスクリーン31には図35に示すようなスキャン基本画面1400へ戻る。
図35に示すようなスキャン基本画面1400において、閉じるボタン1425が押されると、図37に示す態様のスキャン基本画面1400に遷移する。すなわち、「ファイル名」領域1401が、ファイル名が設定済みであることを示す表示態様になっている。つまり、上記処理によりユーザによるファイル名設定が完了し、デジタル複合機10はスキャン実行可能な状態となっている。
なお、第2の実施形態では、デジタル複合機10が管理コンピュータ51からファイ名の設定のための文字列リストを取得しているが、これ以外にも各デジタル複合機10で共通に利用できる情報(共通情報)を管理コンピュータ51に保持し、必要に応じて各デジタル複合機10が取得するようにしてもよい。共通情報としては、例えば、スキャンtoファイルで、画像データを格納するファイルサーバ(及びそのフォルダ)の一覧、あるいは、スキャンtoメールで、送信先候補の電子メールアドレス一覧などでもよい。この場合もデジタル複合機10へ送信されたファイルサーバあるいは電子メールアドレスの一覧などの共通情報が、タッチスクリーン31上のユーザインタフェース画面に表示され、ユーザによって選択可能としてもよい。
上述したそれぞれの実施形態によれば、管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51が保持している共通情報は、すべてのデジタル複合機10で共通に利用することができるにもかかわらず、管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51で一元管理している。
一方、このような共通情報が各デジタル複合機10に個別に設定されている場合には、ファームウェアに格納されていることが多い。この場合、この共通情報のバージョンアップが必要になると、ファームウェアをバージョンアップしなければならず、作業が非常に面倒である。これに対して、本実施形態のように管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51が共通情報を保持していると、管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51に記憶されている共通情報のみをバージョンアップすればよく、作業も楽である。
また、スキャンtoファイルの場合、上述したいずれの実施形態であっても、管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51が画像データファイルを一旦取得した後、ファイルサーバ210にファイルを転送する。従って、デジタル複合機10と管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51との間のプロトコルと、管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51とファイルサーバとの間のプロトコルは異なるものを用いることができる。従って、例えば、前者のプロトコルは専用プロトコルとし、後者のプロトコルをオープンシステム対応の汎用プロトコル(例えばTCP/IPなど)とすることもできる。このようにすれば、デジタル複合機10は汎用プロトコルに対応する必要がないので、開発コストを抑えることができる。さらに、デジタル複合機10から管理コンピュータ50あるいは管理コンピュータ51へ画像データを転送する場合には、最適な転送方法を採用できる。