JP2006202352A - 原盤製造装置、原盤製造方法、光記録媒体 - Google Patents

原盤製造装置、原盤製造方法、光記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱記録方式としてレーザをパルス発光させる原盤露光方式において、ピットエッジを制御し付加的な情報を記録できるようにする。
【解決手段】ピットエッジ位置制御をレーザのパルスタイミングで調整するのではなく、レーザ光源からは通常のエッジ変化の無いパルス変調によりレーザを発光させ、出力されたレーザを光強度制御手段によってピット両端のみの露光パワーを変化させる。このとき、ピットエッジ部分の光強度の変化は、ピット長の変化(つまりピットのエッジ位置の変化)として記録される。光強度制御手段としては、音響光学素子(AOM)を用いて回折効率を制御することでAOMの0次回折光における光強度変化量を制御し、さらに0次回折光を空間周波数フィルタで整形する。又は、電気光学素子(EOM)を用いて偏光を制御し、偏光ビームスプリッタ(PBS)等の偏光成分分離素子で偏光成分分離することにより光強度変化量を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は光ディスク等の光記録媒体を製造するための光記録媒体原盤の製造装置、製造方法に関し、またその光記録媒体原盤から製造される光記録媒体に関するものである。
特開2002−150621号公報 特開2003−45030号公報 特開平9−185849号公報 特開平10−302322号公報 国際公開2004/034391号
一般に再生専用光記録媒体では、基準単位時間であるクロックに同期して再生信号のHigh Level(H)とLow Level(L)が切り替わり、このHとLの長さの組み合わせにより情報が記録されている。再生専用光ディスクでは、このHとLは、通常、トラック上に並ぶピット列により表現される。即ち、ピットと、ピット間のランド部分によるピット列がレーザ光によって再生走査されることで、再生信号としてのHとLが得られる。
いわゆるエンボスピットによるピット列が形成された再生専用光ディスクについては、マスタリング工程として、記録データに応じたピット列を形成するために、レーザによる露光を行い、ディスク原盤が製造される。そしてディスク原盤からスタンパが作成され、スタンパを用いて光ディスクが大量に製造される。ディスク原盤の製造やピット形成に関する各種の技術は、上記特許文献1〜5などに開示されている。
ところで、ピット列から読み出された再生信号が、HからLまたはLからHに切り替わるタイミングがクロックからずれると、読み取りエラーとなる確率が高くなる。但し、公知のようにエラー訂正処理を行うことにより、10-3〜10-4程度の比率まではエラーを訂正することができ、正確な情報を復元することができる。
これを逆に利用すると、エラー訂正可能な範囲内で、意図的にクロックからわずかに前後にずらしてHとLを切り替える、つまり信号エッジのタイミングをずらすことにより、ずらす方向やずらす量という情報として、記録できる情報量を増加させることができる。即ちピット形成時に、ピットのエッジ位置を制御すれば、ピット列自体で表現される第1の情報に加えて、各ピットのエッジ位置で第2の情報を表現できると考えることができる。
従来、CD(Compact Disc)方式やDVD(Digital Versatile Disc)方式などのROMディスクを製造する際には、まずフォトレジストを塗布したディスク原盤を用意し、マスタリング装置(原盤露光装置)によってディスク原盤上にガスレーザ等の光源からレーザーを照射し、ピットに応じた露光パターンを形成していった。
この場合、連続発振レーザーであるレーザ光源からのレーザ光を、例えばAOM(Acousto-Optical Modulator)で光強度変調し、強度変調されたレーザ光を光学系によってディスク原盤に導き、露光する。即ち、AOMにはピット変調信号である例えばNRZ(Non Return to Zero)変調信号を与え、このAOMによってレーザ光がピットパターンに対応した強度変調を受けることで、原盤上ではピット部分のみが露光されていく。例えば図11(b)には1つのピットを示しているが、AOMで変調されたレーザ発光強度は図11(c)のようになる。原盤上のフォトレジストの露光はいわゆる光記録であるため、図11のようなレーザにより露光された部分が、そのままピットとなる。
このように光ディスク原盤への露光を行う場合には、上記のようにピットのエッジ位置を制御しようとすると、AOMに対して入力するNRZ変調信号のエッジタイミングに変動を与えればよい。
通常、露光時のクロック周波数は、10〜70MHz程度であるため、クロック周期はおよそ15〜100ns程度となる。さらにRLL(1−7)ppやEFM等のランレングスリミテッド変調信号では、最低でもそれぞれ2周期および3周期は同じレベルを維持するため、H/Lのレベルの切り替わり時間は30〜200nsまたは45〜300nsとなり、NRZ変調信号のエッジタイミングを制御する信号発生回路を作製する上で比較的余裕ができる。
つまり、レーザーからの出射光をAOM等の外部変調器で変調する場合には、NRZ変調信号にエッジ変動を付加するだけでよく、信号発生器のエッジ位置精度は必要なものの、切り替わり周期が桁違いに早くなることは無く、実現は比較的容易と考えることができる。
一方、近年、PTM(Phase Transition Mastering)として知られているように、無機レジストを塗布した原盤に対して、半導体レーザからのレーザ光を照射し、熱記録を行う露光方式が開発されている。上記特許文献5にはPTMについての技術が記載されている。
この場合、レーザ照射による熱の蓄積を抑圧してピット幅の均一化を計るために、通常図11(a)に示すようなパルス光で露光する。即ちこの場合には、一般にクロックに同期したNRZ変調信号が、そのHレベルの長さに応じてクロック周期より短い時間幅のパルス信号へ変換され、変換されたパルス変調信号に同期して直接変調可能な半導体レーザーへ電力供給される。これによって図11(a)のような与熱用のパルス発光Ppと、ピット長に応じた加熱用のパルス発光P1〜Pnとしてのレーザ出力が行われる。
従ってこのような熱記録方式の場合、NRZ変調信号へのエッジ変動を付加するだけではピットエッジの摂動が付加されない。ピットエッジを制御しようとするなら、NRZ変調信号を、レーザ光源に与えるパルス変調信号へ変換する時にエッジ変動信号を考慮するよう変更を行う必要がある。
ところが、光ディスクの高密度化が進むにつれ、露光時のクロック周期も非常に短くなる。またパルス発光時のパルス幅はクロック周期の20〜50%程度であるため、エッジ制御のためにパルス発光されているレーザの光強度を制御しようとすると、非常に高速にパルスレベルやパルス期間を切り替えることが可能な信号発生回路を必要とすることになる。
さらに正確なタイミングでエッジ変動を加えるための変換回路は非常に複雑で緻密なものが必要となる。また、通常、エッジタイミングをずらすためにディレーラインと呼ばれる信号遅延素子を用いるが、高速なディレーラインの精度と分解能を上げることも非常に困難である。
本発明はこのような問題に鑑みて、熱記録方式としてレーザをパルス発光させる原盤露光方式において、比較的容易にピットエッジを制御し、このエッジ制御によって付加的な情報が記録できるようにすることを目的とする。
本発明の原盤製造装置は、レーザ光照射による熱記録方式で光記録媒体原盤に記録データに基づいたピット列を形成する原盤製造装置において、第1の記録データに基づいたタイミングでピット形成のためのレーザ発光が行われるレーザ光源手段と、上記レーザ光源手段から出力されたレーザ光に対して、第2の記録データに基づいて光強度を制御する光強度制御手段と、上記光強度制御手段を介したレーザ光を光記録媒体原盤に導いて露光する光学系手段とを備える。
また上記レーザ光源手段から出力されるレーザ光は、1つのピットを形成する期間においてパルス発光制御されているとともに、上記光強度制御手段は、上記パルス発光における一部の発光パルス期間について、光強度を制御する。
また上記光強度制御手段は、音響光学素子(AOM:Acousto-Optical Modulator)によって回折効率を制御し、空間周波数フィルタ(例えばピンホール)によって特定の回折光のみを通過させることで、光強度を制御する。
また上記光強度制御手段は、電気光学素子(EOM:Electro-Optical Modulator)によって偏光制御し、偏光成分分離素子によって特定の偏光成分のみを通過させることで、光強度を制御する。
本発明の原盤製造方法は、レーザ光照射による熱記録方式で光記録媒体原盤に記録データに基づいたピット列を形成するための原盤製造方法であり、第1の記録データに基づいたタイミングでピット形成のためのレーザ発光を行なうレーザ発光ステップと、上記レーザ発光ステップで出力されたレーザ光に対して、第2の記録データに基づいて光強度を制御する光強度制御ステップと、上記光強度制御ステップで光強度制御されたレーザ光を光記録媒体原盤に導いて露光する露光ステップとを備える。
また本発明の光記録媒体は、上記原盤製造装置又は原盤製造方法によって製造される光記録媒体原盤から製造される光記録媒体であり、第1の記録データに基づいたピット列が形成されているとともに、上記ピット列を形成する各ピットの全部又は一部は、そのピット列方向のエッジ位置が、第2の記録データに基づいて設定されているものである。
即ち本発明では、ピットのエッジ位置制御(エッジの変動制御)をレーザーのパルスタイミングで調整するのではなく、レーザ光源からは通常のエッジ変動の無いパルス変調によりレーザーを発光させ、レーザー光源から出力されたレーザーを光強度制御手段によって、ピット両端での露光パワーのみを変動させる。このとき、ピットエッジ部分の光強度の変動は、ピット長の変化(つまりピットのエッジ位置の変化)として記録される。
光強度制御手段としては、例えば音響光学素子(AOM)を用いて回折効率を制御することでAOMの0次回折光における光強度変動量を制御し、さらに0次回折光を空間周波数フィルターで整形する(つまり0次回折光以外を遮断する)ことで実現できる。又は、電気光学素子(EOM)を用いて偏光を制御し、偏光ビームスプリッター(PBS)等の偏光成分分離素子で偏光成分分離することにより光強度変動量を制御することができる。
本発明によれば、ピットのエッジ位置制御をレーザーのパルスタイミングで調整するのではなく、レーザ光源からは通常のエッジ変動の無いパルス変調によりレーザーを発光させ、レーザー光源から出力されたレーザーを光強度制御手段によって、ピット両端での露光パワーのみを変動させることで実現する。従って、レーザ駆動のためのパルス変調信号の発生回路系に大きな変更を加えることなく、AOM又はEOM等を用いた光強度制御手段を設け、それに対して第2の記録データに基づく制御信号を発生させることで、ピットエッジ位置により第2の記録データを表現する情報記録を実現できる。
通常、ピットのエッジ位置そのものに変動を与える場合、ディレーラインの時間分解能によりエッジ変動の時間分解能が制限されるが、熱記録においては、露光する光強度(レーザパワー)の大小によりエッジ変動を与えることができる。そしてその光強度の制御は、電圧による制御とすることができるため、より緻密な分解能で制御することができる。
もちろんレーザ光源に対するパルス発光駆動信号自体を制御するものではないため、第1の記録データに基づいてレーザ発光駆動信号を形成する回路系として高速且つ複雑な回路系は必要ない。
従って、熱記録のためにパルス発光を行う露光装置として、第1の記録データによるピット列を形成し、かつピットのエッジ位置により第2の記録データを形成する露光動作を容易に実現できる。
またこのようにして作成された光記録媒体原盤から作成される光記録媒体としては、主たる第1のデータがピット列により記録され、付加情報その他の第2のデータがピットのエッジ位置により記録された記録媒体を実現でき、記録容量の向上や、ピット自体で多様な情報を記録したメディアを実現できる。
以下、本発明の実施の形態としてPTM方式により光ディスクの原盤を製造する原盤製造装置について説明するが、まず先に、原盤製造を含め、光ディスクの製造までの手順を図10を参照しながら説明する。
図10(a)はディスク原盤を構成する基板100を示している。先ず、この基板100の上に、スパッタリング法により所定の無機系のレジスト材料からなるレジスト層102を均一に成膜する(レジスト層形成工程、図10(b))。レジスト層102に提供される材料の詳細は後述する。なお、レジスト層102の露光感度の改善のために基板100とレジスト層102との間に所定の中間層101を形成しても良く、図10(b)ではその状態を示している。レジスト層102の膜厚は任意に設定可能であるが、10nm〜80nmの範囲内が好ましい。
次に、後述する本実施の形態の原盤製造装置を利用してレジスト層102に信号パターンとしてのピット列に対応した選択的な露光を施し感光させる(レジスト層露光工程、図10(c))。そしてレジスト層102を現像することによって所定の凹凸パターン(ピット列)が形成されたディスク原盤103が生成される(レジスト層現像工程、図10(d))。
続いて、上記のように生成したディスク原盤103の凹凸パターン面上に金属ニッケル膜を析出させ(図10(e))、これを原盤103から剥離させた後に所定の加工を施し、原盤103の凹凸パターンが転写された成型用スタンパ104を得る(図10(f))。
その成型用スタンパ104を用いて射出成型法によって熱可塑性樹脂であるポリカーボネートからなる樹脂製ディスク基板105を成形する(図10(g))。
その後、スタンパ104を剥離し(図10(h))、その樹脂製ディスク基板の凹凸面にA1合金などの反射膜106(図10(i))と、膜厚0.1mm程度の保護膜107とを成膜することにより光ディスクを得る(図10(j))。
このような製造工程において、原盤103の製造に用いられるレジスト層102に適用されるレジスト材料は、遷移金属の不完全酸化物である。ここで、遷移金属の不完全酸化物は、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より酸素含有量が少ない方向にずれた化合物のこと、すなわち遷移金属の不完全酸化物における酸素の含有量が、上記遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より小さい化合物のことと定義する。
例えば、遷移金属の酸化物として化学式MoO3を例に挙げて説明する。化学式MoO3の酸化状態を組成状態を組成割合Mo1-xxに換算すると、x=0.75の場合が完全酸化物であるのに対して、0<x<0.75で表される場合に化学量論組成より酸素含有量が不足した不完全酸化物であるといえる。
また、遷移金属では1つの元素が価数の異なる酸化物を形成可能なものがあるが、この場合には、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より実際の酸素含有量が不足している場合とする。例えばMoは、先に述べた3価の酸化物(MoO3)が最も安定であるが、その他に1価の酸化物(MoO)も存在する。この場合には組成割合Mo1-xxに換算すると、0<x<0.5の範囲内であるとき化学量論組成より酸素含有量が不足した不完全酸化物であるといえる。なお、遷移金属酸化物の価数は、市販の分析装置で分析可能である。
このような遷移金属の不完全酸化物は、紫外線又は可視光に対して吸収を示し、紫外線又は可視光を照射されることでその化学的性質が変化する。この結果、無機レジストでありながら現像工程において露光部と未露光部とでエッチング速度に差が生じる、いわゆる選択比が得られる。また、遷移金属の不完全酸化物からなるレジスト材料は、膜材料の微粒子サイズが小さいために未露光部と露光部との境界部のパターンが明瞭なものとなり、分解能を高めることができる。
ところで、遷移金属の不完全酸化物は、酸化の度合いによってそのレジスト材料としての特性が変化するので、適宜最適な酸化の度合いを選択する。例えば、遷移金属の完全酸化物の化学量論組成より大幅に酸素含有量が少ない不完全酸化物では、露光工程で大きな照射パワーを要したり、現像処理に長時間を有したりする等の不都合を伴う。このため、遷移金属の完全酸化物の化学量論組成より僅かに酸素含有量が少ない不完全酸化物であることが好ましい。
レジスト材料を構成する具体的な遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Nb、Cu、Ni、Co、Mo、Ta、W、Zr、Ru、Ag等が挙げられる。この中でも、Mo、W、Cr、Fe、Nbを用いることが好ましく、紫外線又は可視光により大きな化学的変化を得られるといった見地から特にMo、Wを用いることが好ましい。
本例の原盤製造装置は、このような無機レジストを塗布した原盤103に対してレーザ照射による熱記録動作により、ピットパターンの露光を行う。
図1は本例の原盤製造装置の露光光学系を示している。
半導体レーザとしてのレーザ光源11は、例えば波長405nmのレーザーを出力するものとされる。このレーザ光源11には、例えばRLL(1−7)pp等のNRZ変調信号が信号変換回路でパルス変調信号に変換されたレーザ駆動信号DL1が供給され、このレーザ駆動信号DL1に則って発光する。
レーザ光源11から出射したレーザー光は、コリメータレンズ12で平行光とされた後、レンズ13により集光され、AOM14に導かれる。
AOM14には、後述する光強度制御信号Spが供給される。AOM14の配置は、光強度制御信号Spの入力が無い場合には0次光のみが透過し、光強度制御信号Spとしての所定電圧レベル(後述する電圧V2)の入力がある場合には0次光が減衰され±1次回折光が最も大きく発生するようにしている。なお、この後の露光には0次光を用いるが、こうすることにより、AOM14でのレーザーパワーの損失を最小限に抑えることが出来る。
AOM14を通過したレーザ光(0次光及び他の回折光)はコリメータレンズ15で平行光とされた後、レンズ16で集光され、空間周波数フィルタとして機能するピンホール17に達する。このピンホール17は、0次回折光のみを通過させ、0次回折光以外を遮蔽するように配置されている。
即ちAOM14で0次光を減衰させた場合、1次以上の回折光が発生し、迷光となるが、この迷光成分がピンホール17で遮蔽される。ピンホール17の穴径はレーザ光のスポット径の1.5〜3倍程度としてよい。これより大きいと迷光成分が透過してしまい、また、小さいと光透過効率が急激に低下する。
ピンホール17では1次以上の回折光が除去されると同時に、半導体レーザービーム特有の回折パターンも低減される。
ピンホール17を通過したレーザ光(0次光)は、コリメータレンズ18で平行光とされた後、ビームスプリッタ19に達する。
そしてビームスプリッタ19において、透過光成分と反射光成分が分離され、透過光成分は、レンズ20を介してフォトディテクタ21に照射される。
フォトディテクタ21では、受光した光量レベル(光強度)に応じた光強度モニタ信号SM1を出力する。
ビームスプリッタ19で反射された反射光成分はダイクロイックミラー25に達する。この場合、ダイクロイックミラー25は405nmを含む波長域の光を反射し、680nmを含む波長域の光を透過するものとされている。従ってビームスプリッタ19を反射したレーザ光は、ダイクロイックミラー25で反射され、無限系の対物レンズ26を介して原盤103の無機レジスト面に照射される。つまり、レーザ光源11からのレーザ光による熱記録で、ピット列としての露光パターンが原盤103上に形成されていく。
一方、レーザ光源22は、離軸法によるフォーカス制御用のためのレーザ光を出力するレーザ光源とされ、例えば波長680nmのレーザ光を出力する半導体レーザとされる。このレーザ光源22はレーザ駆動信号DL2に基づいてレーザ光を連続発光する。
出力された波長680nmのレーザ光は、レンズ32,偏光ビームスプリッタ(PBS)23を通過し、さらにλ/4波長板24を介してダイクロイックミラー25に達する。そしてダイクロイックミラー25を通過し、対物レンズ26から原盤103に照射される。
原盤103からの戻り光は、対物レンズ26,ダイクロイックミラー25、λ/4波長板24を通過して偏光ビームスプリッタ23に達する。この場合、λ/4波長板24を往路と復路で2回通過していることで偏光面が90°回転されており、偏光ビームスプリッタ23で反射されることになる。偏光ビームスプリッタ23で反射された戻り光はポジションセンサダイオード27に受光される。
ポジションセンサダイオード27は、フォーカスオン、つまり対物レンズ26が正しいフォーカス位置に制御されている場合に、戻り光がその中心に照射されるように設定されているとともに、その受光位置の情報となる信号SM2を出力する。つまりこのポジションセンサダイオード27上の受光位置の中心からのズレ量を示す信号SM2は、それがフォーカスエラー信号となる。ポジションセンサダイオード27は、そのフォーカスエラー信号をフォーカス制御回路28に供給する。
フォーカス制御回路28は、フォーカスエラー信号としての信号SM2に基づいて、対物レンズ26をフォーカス方向に移動可能に保持しているアクチュエータ29のサーボ駆動信号FSを生成する。そしてアクチュエータ29がサーボ駆動信号FSに基づいて、対物レンズ26を原盤103に対して接離する方向に駆動することで、フォーカスサーボが実行される。
このとき、上記のように対物レンズ29を介して原盤103に照射される波長405nmのレーザ光源11からの露光用レーザービームは、露光原盤103上で焦点を結ぶことになる。原盤103はシリコンウェハー上に金属酸化物からなる無機レジストを成膜したもので、405nmのレーザービームを吸収することで、照射部の特に中心付近の高温に加熱された部分が多結晶化する。そして図10(d)で述べたように、露光された原盤をNMD3等のアルカリ現像液で現像することにより、露光した部分のみが溶出し、所望のピット形状が形成される。
一方フォーカス制御用のレーザ光は、露光感度を持たない例えば波長680nmとされているため、露光に関する影響はない。
図2は、レーザ光源11に対してレーザ駆動信号DL1を供給し、またAOM14に対して光強度制御信号Spを供給する回路系を示している。
主データ発生部41は、原盤103にピット露光パターンとして記録する主たるデータを出力する。例えば映像信号を記録したディスクを制作するシステムとした場合、主データ発生部41は、映像信号をRLL(1−7)ppエンコードしたNRZデータとしてのデータDT1を出力する。この場合、データDT1は、ピットを形成するタイミングで「H」、ピットとピット間のランドのタイミングで「L」となるデータパルスである。
エッジタイミング検出部42は、データDT1についてのエッジタイミングを検出し、エッジタイミング信号ETを光強度制御信号発生部46に供給する。エッジタイミング信号ETは、データDT1の立ち上がりタイミング及び立ち下がりタイミングを示す信号となる。
またデータDT1は、レーザ駆動パスル発生部43に供給される。レーザ駆動パスル発生部43は、データDT1に基づいて、実際にレーザ光源11をパルス発光駆動するためのレーザ駆動パルスを生成する。即ち図11(a)に示したように、形成するピット長に応じて、予熱用パルスPpとパルスP1〜Pnとしてのタイミング及び光強度でレーザ発光が行われるようにするためのパルス波形を生成する。
このレーザ駆動パルスはレーザドライバ44に供給される。レーザドライバ44は、レーザ駆動パスルに基づいてレーザ光源11としての半導体レーザに対して駆動電流を印加する。これによって、レーザ駆動パルスに応じた発光強度でのレーザのパルス発光が行われることになる。
一方、付加データ発生部45は、付加データとしてのデータDT2を出力する。付加データDT2としては、特に限定されないが、例えば上記主データ発生部41から映像信号を出力する場合は、それに応じた音声信号としてもよいし、或いは管理情報、ディスクの物理情報、アドレス情報などとしてもよい。テキストデータ、サムネイル等の画像データなどとしてもよい。つまり、主データ発生部41からの主データと共に、ディスクに記録したいデータであればどのようなデータでも良い。
本例では、付加データDT2は、光強度制御信号発生部46で3値のデータ「+1,0,−1」にエンコードされ、その3値が、レーザ光源11からパルス発光されるレーザの、所定のパルスエッジタイミングで、光強度制御信号Spとして出力される。
即ち光強度制御信号発生部46は、エッジタイミング信号ETに基づいて、レーザ光源11から出力されるパルス光におけるパルスP1とパルスPnのタイミングを算出する。そして、そのパルスP1、Pnのタイミングのそれぞれにおいて、+1,0,−1のいずれかに応じた電圧値を発生させる。
なお、「0」に応じた電圧値は、0Vから所定のオフセットを持った電位V1とされる。
図3(a)(b)には、レーザ光源11からのレーザ発光波形と光強度制御信号Spを示しているが、例えばここでは、パルスP1、Pnのタイミングでそれぞれ「+1」の情報を与えるために、光強度制御信号SpとしてパルスP1、Pnのタイミングで電圧V2(V2>V1)が与えられている状態を示している。
また図4(a)(b)も同様に、レーザ光源11からのレーザ発光波形と光強度制御信号Spを示しているが、例えばここでは、パルスP1、Pnのタイミングでそれぞれ「−1」の情報を与えるために、光強度制御信号SpとしてパルスP1、Pnのタイミングで電圧V3(V3<V1)が与えられている状態を示している。
さらに図6(a)(b)も同様に、レーザ光源11からのレーザ発光波形と光強度制御信号Spを示しているが、例えばここでは、パルスP1のタイミングで「+1」、パルスPnのタイミングで「0」の情報を与えるために、光強度制御信号SpとしてパルスP1のタイミングで電圧V2が与えられ、パルスPnのタイミングでは電圧V1のままとされている状態を示している。
図2の光強度制御信号発生部46から出力された光強度制御信号Spは、遅延回路47で遅延タイミングが調整された後、AOM14に入力される。AOM14は、光強度制御信号Spとしての電圧レベルに応じて回折効率を制御する。即ち、±1次回折光の光量レベルを制御する。
また図1に示したフォトディテクタ21から得られた光強度モニタ信号SM1は、光強度モニタ部48に供給され、その光強度が観測される。この光強度モニタ部48の観測結果によって、光強度制御信号Spのタイミング(電圧V2,V3を与えるタイミング)が、レーザ光源11からのレーザ光のパルスP1,Pnのタイミングと合致しているか否かが判別される。それに基づいて遅延回路47での遅延時間が調整されることで、光強度制御信号SpとパルスP1、Pnのタイミングが一致するようにされる。
なお、光強度モニタ部48は、表示モニタとして作業者がタイミングズレを観察できるようにし、遅延回路47の遅延時間は手動調整されるようにしても良いし、或いは光強度モニタ部48は光強度のパルス形状からタイミングズレ量を信号として出力するようにし、遅延回路47の遅延時間を、タイミングが一致するように自動制御するようにしてもよい。
このような図1,図2の構成による原盤製造装置の動作は次のようになる。
上述のようにレーザ光源11からパルス発光されるレーザ光はAOM14に集光されて入射されるが、レーザー発光パルスのうち、ピットの先頭と最後尾を形成する光パルスP1,Pnに同期して電圧を制御した光強度制御信号SpがAOM14に入力される。
このとき図3(a)(b)に示すように、パルスP1及びPnに同期して光強度制御信号Spが電圧V2とされたとする。すると、このパルスP1及びPnのタイミングでAOM14において回折効率が高くなり、0次光の減衰量が大きくなる。そして±1次回折光のような0次光以外はピンホール17で遮蔽されるため、ビームスプリッタ19、ダイクロイックミラー25、対物レンズ29を介して原盤103に照射されるレーザ光の光強度は図3(c)のようになり、即ちパルスP1,Pnのタイミングで光強度が低下する。
パルスP1の光強度は、ピットの先頭エッジ位置に影響する。またパルスPnの光強度はピットの終端エッジ位置に影響する。
図3(c)のようにパルスP1の光強度が低下されるように変調された場合、ピット先頭側での熱蓄積量が低減するため、図3(d)のようにピットの先頭エッジ位置は、ピットが短くなる方向に移動されることになる。なお破線は光強度変調を受けない場合に通常に形成されるピットエッジ位置、実線が、光強度変調を受けた場合に形成されるピットエッジ位置を示している。
また、この図3(c)の場合、パルスPnの光強度も低下されるように変調されている。すると、ピット終端側での熱蓄積量が低減するため、同じく図3(d)のようにピットの終端エッジ位置は、ピットが短くなる方向に移動されることになる。
図4(a)(b)は、パルスP1及びPnに同期して光強度制御信号Spが電圧V3とされた場合を示している。この場合、パルスP1及びPnのタイミングでAOM14において回折効率が低くなる。つまり0次光の減衰量が少なくなり、換言すれば、0次光が最も多くAOM14を透過する状態となる。なお、電圧V3≧0Vである。
すると、ピンホール17で遮蔽されない0次光成分が相対的に増大することとなるため、対物レンズ29を介して原盤103に照射されるレーザ光の光強度は図4(c)のようになり、即ちパルスP1,Pnのタイミングで光強度が増大する(光強度変調を受けない場合に比較して大きなレベルとなる)。
このため、ピット先頭側及びピット終端側での熱蓄積量は共に増大し、図4(d)のようにピットの先頭エッジ位置、終端エッジ位置は共に、ピットが長くなる方向に移動されることになる。
図5(a)(b)は、パルスP1に同期して光強度制御信号Spが電圧V2とされ、パルスPnに同期して光強度制御信号Spが電圧V3とされた場合を示している。この場合、AOM14ではパルスP1のタイミングで回折効率が高くなり、パルスPnのタイミングで回折効率が低くなる。
すると対物レンズ29を介して原盤103に照射されるレーザ光の光強度は図5(c)のように、パルスP1のタイミングで光強度が低下し、パルスPnのタイミングで光強度が増大する。
このため図5(d)のように、ピット先頭側では熱蓄積量が低下して、ピットの先頭エッジ位置はピットが短くなる方向に移動され、一方ピット終端側では熱蓄積量が増大し、ピットの終端エッジ位置はピットが長くなる方向に移動されることになる。
図6(a)(b)は、パルスP1に同期して光強度制御信号Spが電圧V2とされ、パルスPnに同期しては電圧V1のままとされた場合を示している。この場合、AOM14ではパルスP1のタイミングで回折効率が高くなり、パルスPnのタイミングでは通常の回折効率となる。
すると対物レンズ29を介して原盤103に照射されるレーザ光の光強度は図6(c)のように、パルスP1のタイミングで光強度が低下し、パルスPnのタイミングでは光強度は通常どおりとなる。
このため図6(d)のように、ピット先頭側では熱蓄積量が低下して、ピットの先頭エッジ位置はピットが短くなる方向に移動され、一方ピット終端側では熱蓄積量は通常レベルであるため、ピットの終端エッジ位置は通常の位置となる。
図7(a)(b)は、パルスP1に同期しては電圧V1のままとされ、パルスPnに同期して光強度制御信号Spが電圧V3とされた場合を示している。この場合、AOM14ではパルスP1のタイミングでは通常の回折効率となり、パルスPnのタイミングでは回折効率が低下する。
すると対物レンズ29を介して原盤103に照射されるレーザ光の光強度は図7(c)のように、パルスP1のタイミングでは通常どおりで、パルスPnのタイミングでは光強度は増大する。
このため図7(d)のように、ピット先頭側では熱蓄積量が通常レベルであるため、ピットの先頭エッジ位置は通常の位置となり、一方ピット終端側では熱蓄積量は増大してピットの先頭エッジ位置はピットが長くなる方向に移動される。
つまり本例では、以上のことからわかるように、付加データDT2に応じて、ピットP1及びPnのタイミングでAOM14に与える光強度制御信号Spの電圧レベルをV1,V2,V3に制御することで、露光形成されるピットの先頭エッジと終端エッジの位置を微小に変動させることができる。
そして言うまでもなく、パルスP1,Pnのタイミングでの電圧レベルV1,V2,V3を、例えば付加データDT2としての「0,+1,−1」に対応して発生させることで、ピットの先頭エッジの位置で「0,+1,−1」の3値が記録でき、またピットの終端エッジの位置で同じく「0,+1,−1」の3値が記録できる。
もちろん、この先頭エッジ及び終端エッジの変動量は、データDT1に基づくピット列についての再生に影響を与えない範囲とされる。即ち再生信号上のジッターレベルが、エラー訂正能力で訂正可能な範囲内となるような変動量である。
以上のように本例では、形成するピットのエッジ位置制御をレーザ光源11に与えるレーザ駆動信号DL1としてのパルスタイミングで調整するのではなく、レーザ光源11からは通常のエッジ変動の無いパルス変調によりレーザー発光させ、レーザー光源11から出力されたレーザーを光強度制御手段であるAOM14〜ピンホール17によって、ピット両端での露光パワーのみを変動させる。このピットエッジ部分の光強度の制御により、ピットのエッジ位置の変化を与えることで、付加情報を記録する。
従って図2のレーザ駆動パスル発生部43等で特別な構成偏光を必要としない。
また、レーザ駆動パスル発生部43でレーザ駆動パスルのエッジ位置そのものに変動を与える場合、ディレーラインの時間分解能によりエッジ変動の時間分解能が制限されるが、本例のようにAOM14に与える光強度制御信号Spの大小によりエッジ変動を与える場合、電圧による制御とすることができることで、より緻密な分解能で制御することができる。また仮に、例えば光強度制御信号発生部46内でのD/A変換における電圧分解能が制限されたとしても、電圧を減衰させたり別の電圧の信号を加算することでより緻密な電圧変化を発生させることが可能となる。従って、高密度記録化、高速記録化が進んでも、比較的容易に本例は実現できるものとなる。
そして、このような本例の原盤製造装置によってピットパターンが露光され、作成された原盤103から、図10で説明した工程を経て製造されたディスク(再生専用光ディスク)は、主データがピット列により記録され、付加データが各ピットのエッジ位置により記録されたディスクとなる。
なお、上述のように光強度制御信号Spでは、通常レベルとして0Vよりオフセットを与えた電圧V1としており、この電圧V1を基準として電圧値を上下させて電圧V2,V3としている。これは、光パルスは増光できないためである。
つまり、電圧V1は、或る程度、光強度を減光させるレベルとし、それを基準として減光量を上げ下げすることで、光強度レベルを制御するものである。
従って、レーザ光源11のレーザ出力パワーは、電圧V1での回折効率で減光されたレベルによって、通常のピット形成がなされるレベルに設定される。
図8は他の実施の形態の原盤製造装置を示している。これは、光強度制御手段をAOM14とピンホール17を用いて構成することに代えて、EOM30と偏光ビームスプリッタ31で構成する例である。図1と同一部分は同一符号を付し説明を省略する。
この図8の例では、レーザ光源11からのパルス発光されるレーザ光は、コリメータレンズ12で平行光とされた後、EOM30に入射する。
EOM30には、上記例のAOM14に対するものと同様に、パルスP1、Pnに対応するタイミングで電圧値が制御された光強度制御信号Spが供給される。
EOM30では、レーザ光が、光強度制御信号Spの電圧に応じて偏光制御される。EOM30で偏光制御されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ31に達する。そして偏光ビームスプリッタ31で偏光成分分離され、一部は壁Wに達する(つまり捨てられる)。そして一部は透過してビームスプリッタ19に達し、その後上記図1と同様にダイクロイックミラー25,対物レンズ26を介して原盤103に照射される。
つまり、この例ではパルスP1、PnのタイミングでEOM30での偏光を可変制御し、偏光ビームスプリッタ31で反射されて捨てられる光成分の量を増減させることで、パルスP1、Pnにおける光強度を制御することになる。従って、上記図1の場合と同様に、露光形成されるピットの先頭エッジ、終端エッジの位置を調整し、これによって付加データDT2としての情報を与えることができる。
ところで上記図3〜図7で説明した例では、ピットのエッジ位置として「0,+1,−1」の3値を与える例を説明したが、より多値の情報を与えることも可能である。
例えば図9は付加データDT2を5値のデータに変換し、「−2,−1,0,1,2」の5値に対応してピットのエッジ位置を制御する例を示している。
光強度制御信号Spとしては、パルスP1、Pnのタイミングで「−2,−1,0,1,2」の各値に対応して電圧V5,V3,V1、V2,V4をAOM14(又はEOM30)に与える。
図9(a)は、光強度制御信号Spを、パルスP1のタイミングで電圧V2とし、パルスPnのタイミングで電圧V3とした状態を示しており、この場合、図示するようにレーザ光のパルスP1,Pnの光強度が変調され、ピットの先頭エッジは、ピットが短くなる方向に、また終端エッジはピットが長くなる方向に、それぞれ変動される。
また図9(b)は光強度制御信号Spを、パルスP1のタイミングで電圧V4とし、パルスPnのタイミングで電圧V5とした状態を示しており、この場合、図示するようにレーザ光のパルスP1,Pnの光強度が図9(a)の場合より大きく変調され、ピットの先頭エッジは、ピットがさらに短くなる方向に、また終端エッジはピットがさらに長くなる方向に、それぞれ変動される。
つまり、ピットの先頭エッジ、終端エッジの位置を、それぞれ5段階に制御できるようにしている。
このようにエッジ位置により表現される情報をより多値とすることで、付加データDT2としての記録容量を増大できることは言うまでもない。
なお、付加データDT2を3値、5値、或いはそれ以上の多値とする以外に、もちろん2値で記録してもよい。例えば上記電圧V2,V3によるピットエッジ位置で「0」「1」を表現してもよいし、電圧V1とV2又は電圧V1とV3によるピットエッジ位置で「0」「1」を表現してもよい。
また、本例のようにピットのエッジ位置を制御して付加データDT2を記録することは、原盤103に露光する全てのピット(つまり原盤103から作成される再生専用光ディスク上の全てのピット)を対象として行っても良いし、ディスク上の一部のピットにのみ、そのエッジ位置を制御して付加データDT2を記録するようにしてもよい。
また、上記実施の形態ではパルス発光したレーザー光について本発明を適用したが、NRZ変調されたレーザー光に対しても本発明を応用することができる。
さらに対物レンズ26のフォーカス制御方法として、離軸法を用いたが、レーザ光源11からの露光ビームの原盤103からの反射光を用いた非点収差法等によりフォーカス制御を行うようにしても良い。
本発明の実施の形態の原盤製造装置の露光光学系のブロック図である。 実施の形態の原盤製造装置のデータ変調系のブロック図である。 実施の形態のピットエッジ制御の説明図である。 実施の形態のピットエッジ制御の説明図である。 実施の形態のピットエッジ制御の説明図である。 実施の形態のピットエッジ制御の説明図である。 実施の形態のピットエッジ制御の説明図である。 本発明の実施の形態の原盤製造装置の他の露光光学系のブロック図である。 実施の形態のピットエッジ制御による5値記録の説明図である。 ディスク製造工程の説明図である。 レーザ発光強度とピット形状の説明図である。
符号の説明
11,22 レーザ光源、14 AOM、17 ピンホール、19 ビームスプリッタ、21 フォトディテクタ、23,31 偏光ビームスプリッタ、25 ダイクロイックミラー、26 対物レンズ、27 ポジションセンサダイオード、28 フォーカス制御回路、29 アクチュエータ、30 EOM、41 主データ発生部、42 エッジタイミング検出部、43 レーザ駆動パルス発生部、44 レーザドライバ、45 付加データ発生部、46 光強度制御信号発生部、47 遅延回路、48 光強度モニタ

Claims (9)

  1. レーザ光照射による熱記録方式で光記録媒体原盤に記録データに基づいたピット列を形成する原盤製造装置において、
    第1の記録データに基づいたタイミングでピット形成のためのレーザ発光が行われるレーザ光源手段と、
    上記レーザ光源手段から出力されたレーザ光に対して、第2の記録データに基づいて光強度を制御する光強度制御手段と、
    上記光強度制御手段を介したレーザ光を光記録媒体原盤に導いて露光する光学系手段と、
    を備えたことを特徴とする原盤製造装置。
  2. 上記レーザ光源手段から出力されるレーザ光は、1つのピットを形成する期間においてパルス発光制御されているとともに、
    上記光強度制御手段は、上記パルス発光における一部の発光パルス期間について、光強度を制御することを特徴とする請求項1に記載の原盤製造装置。
  3. 上記光強度制御手段は、音響光学素子によって回折効率を制御し、空間周波数フィルタによって特定の回折光のみを通過させることで、光強度を制御することを特徴とする請求項1に記載の原盤製造装置。
  4. 上記光強度制御手段は、電気光学素子によって偏光制御し、偏光成分分離素子によって特定の偏光成分のみを通過させることで、光強度を制御することを特徴とする請求項1に記載の原盤製造装置。
  5. レーザ光照射による熱記録方式で光記録媒体原盤に記録データに基づいたピット列を形成するための原盤製造方法として、
    第1の記録データに基づいたタイミングでピット形成のためのレーザ発光を行なうレーザ発光ステップと、
    上記レーザ発光ステップで出力されたレーザ光に対して、第2の記録データに基づいて光強度を制御する光強度制御ステップと、
    上記光強度制御ステップで光強度制御されたレーザ光を光記録媒体原盤に導いて露光する露光ステップと、
    を備えたことを特徴とする原盤製造方法。
  6. 上記レーザ発光ステップでは、レーザ光を、1つのピットを形成する期間においてパルス発光制御して出力するとともに、
    上記光強度制御ステップでは、上記パルス発光における一部の発光パルス期間について、光強度を制御することを特徴とする請求項5に記載の原盤製造方法。
  7. 上記光強度制御ステップでは、音響光学素子によって回折効率を制御し、空間周波数フィルタによって特定の回折光のみを通過させることで、光強度を制御することを特徴とする請求項5に記載の原盤製造方法。
  8. 上記光強度制御ステップでは、電気光学素子によって偏光制御し、偏光成分分離素子によって特定の偏光成分のみを通過させることで、光強度を制御することを特徴とする請求項5に記載の原盤製造方法。
  9. 第1の記録データに基づいたピット列が形成されているとともに、上記ピット列を形成する各ピットの全部又は一部は、そのピット列方向のエッジ位置が、第2の記録データに基づいて設定されていることを特徴とする光記録媒体。
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