JP2004259326A - 光ディスク原盤の製造方法および光ディスク原盤作製用露光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピット列構造を有する光ディスクを作製するための光ディスク原盤の製造方法であって、原盤を作製する基板1上に形成されたフォトレジスト層2に対する露光工程にあって、ピットを記録するための記録露光パワー、すなわち目的とする光ディスクにおける記録ピットを形成するための露光ピットを形成するための記録露光パワーを、ピットの長さに応じて変化させ、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク原盤の製造方法および光ディスク原盤作製の露光装置
特に少なくとも一部に、再生専用のピット列領域が形成される光ディスクの作製に用いられる光ディスク原盤いわゆるマスタリング原盤の製造方法と原盤作製の露光装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
ピット列領域を有する光ディスクの作製は、そのディスク基板の成形をピット列の成形と同時に形成する射出成形法によるとか、ディスク基板上に塗布された例えば紫外線硬化樹脂に、ピット列を押圧成形するいわゆる2P法(Photopolymerization 法) によって形成することが一般になされている。
これらいずれの方法においても、そのピット列の形成は、スタンパによってなされる。このスタンパの形成は、光ディスク原盤いわゆるマスタリング原盤を作製し、これの転写、あるいはその繰り返し転写によってスタンパの形成がなされる。
【0003】
光ディスク原盤は、表面性にすぐれた平坦面を有するガラス基板上にフォトレジスト層を塗布形成し、このフォトレジスト層に対し、ピット列、すなわち記録情報に基づいたパターン露光を行い、その後、このフォトレジスト層に対する現像処理と、硬化処理を行って、フォトレジスト層が排除された部分によるピットが形成されたマスタリング原盤を得るという方法が採られる。
【0004】
例えば図6Aに光ディスクのピット列の模式的平面図を例示するように、ピット長を異にするピットPT1,PT2,PT3,PT4・・・のピット列が形成された光ディスクを製造する場合、通常、そのピット列PT1,PT2,PT3,PT4・・・を形成するための、原盤作製におけるフォトレジスト層に対する記録露光パワー、すなわち露光の記録パルスP1 ,P2 ,P3 ,P4 ・・・の電圧は、図6Bに示すように、一定とされ、各ピットPT1,PT2,PT3,PT4・・・のピット長(クロック数)に対応してパルス幅のみを変える。
【0005】
これに対し、例えば記録可能な光ディスクにおいて、信号の記録・再生時の案内溝となるグルーブ構造とともに、アドレス情報や、ディスク固有情報のTOCのピットが形成される。この場合、グルーブ幅とピット幅との最適値が異なることに対処して、ピットの幅Wpとグルーブの幅Wgとの関係が、Wg>Wpであるとき、記録光を変調するための記録信号パルスの立ち上がりおよび立ち下がりの電圧Vpと、パルスの中間の少なくとも一部の電圧Vmとの関係をVm<Vpとすることの提案がなされている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
一方、光ディスクにおいて、いわゆるBlu−ray Discと呼称される短波長の青紫レーザを用い、開口数N.A.の大きな対物レンズによって再生がなされより高密度記録が図られ、また、高密度化のために、トラックピッチが、狭められると、そのピット幅は、トラックピッチの半分以下に抑えることが、クロストーク、これによるノイズの増加、すなわちS/Nの低下、ジッター等の問題を回避する上で要求される。
【0007】
ところで、通常、上述したマスタリング原盤の作製に用いられるフォトレジストとしては、ノボラックタイプあるいは化学増幅タイプのフォトレジストが用いられるが、特に、短波長で近接場露光を行う上で、吸収率の低い化学増幅タイプのフォトレジストを用いることが望まれる。ところが、この化学増幅型のフォトレジストは、ガンマ値が高いことから、ある閾値以上のパワーの露光がなされると、急激に感光が進む。このため、短いピット長を形成することができる最小限のパワーを投入しても、図6で説明したように、長いピットについても同一信号電圧、すなわち同一の記録露光パワーでの露光(記録)を行っても、図6Aで示すように、長いピットに関しては、ピット幅が極端に幅広となり、上述したトラックピッチの半分以上の幅を生じさせる。また、このような不都合を回避するために、信号電圧を低めると、ピット長の短い微小ピットに関しては露光不足となって、所望の微小ピットを高い精度をもって形成できないという問題が起きる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−150621号公報(特許請求の範囲の欄、および段落番号〔0035〕等)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、光ディスク原盤の作製において、上述したような化学増幅タイプのフォトレジスト層を用いる場合においても、また、トラックピッチの狭小化を図っても、ピット長の相違するピットを、所定の形状寸法で確実に形成することができるようにし、ノイズないしはジッターの回避、クロストークの回避を図ることができる光ディスクを得る光ディスク原盤の製造方法および光ディスク原盤作製の露光装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による光ディスク原盤の製造方法は、ピット列構造を有する光ディスクを作製するための光ディスク原盤の製造方法であって、原盤を作製する基板上に形成されたフォトレジスト層に対する露光工程における原盤ピットの記録露光パワーを、目的とする光ディスクにおけるピットの長さに応じて変化させ、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくする。
【0011】
本発明による露光装置は、ピット列構造を有する光ディスクを作製するための光ディスク原盤作製用露光装置であって、表面にフォトレジスト層が被着形成された上記原盤を作製する基板の配置部と、フォトレジスト層に対する露光光源と、露光光源からの露光ビ−ムの記録露光パワーを変調する光変調器と、光変調器を制御する変調信号発生器と、光変調器によって変調された露光ビ−ムを基板上のフォトレジスト層に集光照射する対物レンズとを有する。
そして、特に、そのフォトレジスト層に対する原盤ピットの記録露光パワーを、目的とする光ディスクにおけるピットの長さに応じて変化させ、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくする構成とする。
【0012】
すなわち、本発明においては、光ディスクを形成するいわゆるマスタリング原盤を作製するフォトレジスト層に対する露光において、最終的に得る記録ピットの長さに応じてこのピットを記録、すなわち形成するための記録露光パワーを、変更して、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくするものであり、このようにすることによって、ピット長が長いピットに関しても、その露光長が長いことによって、例えばトラックピッチの1/2を越えることが回避され、一方、短いピットに関しては、長いピットに関する露光に制約されることなく、必要十分な記録露光パワーとすることができることから、確実に微小ピットを形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による光ディスク原盤の製造方法は、その露光作業において特殊性を有するものの、その手順の大綱は、通常の方法を採ることができる。
すなわち、例えば図1にその工程図を示すように、原盤を構成する基板1、例えばガラス基板の平滑面によって構成された1主面1a上に、化学増幅タイプのフォトレジスト層2を回転塗布法等によって形成する(図1A)。
このフォトレジスト層2に対し、最終的に形成する光ディスクの記録ピットに対応するパターンの露光を行う。この露光は、後述する本発明特有の方法によってなされる。
【0014】
フォトレジスト層2に対するパターン露光後に、現像処理を行って、フォトレジスト層2を最終的に形成する光ディスクの記録ピットに対応するパターンとし、このフォトレジスト層2によって原盤ピットの凹凸パターンを形成して、光ディスク原盤3を作製する(図1B)。
次に、この原盤3上に、例えば無電解メッキおよび電気メッキによる例えばNiメッキ層4を形成する(図1C)。
このメッキ層4を原盤3から剥離して、スタンパ5もしくスタンパを得るためのマスタスタンパを得る。そして、マスタスタンパとする場合は、これに、更に例えばメッキ層を形成し、剥離してマザースタンパ(図示せず)を転写形成し、この上に、更に例えばメッキ層を形成して、スタンパ5を転写形成する。
【0015】
このようにして形成したスタンパ5を用いて、例えばポリカーボネート(PC)等を用いた射出成形によって、スタンパ5の凹凸パターンが反転した記録ピットPT が形成された光ディスク基板11を成形する。あるいは基板上に形成した例えば紫外線硬化樹脂層に対し、上述した原盤3から得たスタンパ5を押圧して、記録ピットの形成を行う2P法(Photopolymerization 法) によってピット列構造を有する光ディスク基板11を得る(図1D)。
【0016】
そして、本発明は、上述したピット列構造を有する光ディスクを作製するための光ディスク作製の原盤作製の、上述した基板1に形成されたフォトレジスト層2に対する露光工程にあって、露光ピットの記録露光パワーを、記録するピットの長さを勘案して選定して、図2Aおよび図3Aにそれぞれ模式的に示す記録ピットPT1,PT2,PT3,PT4・・・のあらゆる長さの記録ピットについて、その幅を、これらピットのうちの最短ピット、図示の例では、ピットPT2のピット幅Wmin 未満とする。
すなわち、例えば、Blu−ray Discにおいては、そのフォーマットにおける最短ピットは、ピット長が2T(Tはクロック1周期分の時間)のPT2であることから、この2T分の記録ピットのPT2幅Wmin が最大幅となるようにする。
【0017】
次に、本発明による光ディスク原盤の製造方法における露光方法の、実施の形態を説明する。
〔露光方法の第1の実施の形態〕
この実施の形態においては、例えばピットPT2が、最短の2Tであり、PT3,PT4,PT1が、3T,4T,5Tであるとすると、図2Bに、これらピットPT2,PT3,PT4,PT1のピット長に対応してそのパルス幅は、大とするが、その記録露光パワーすなわち記録信号電圧は、最短ピット長の記録露光パワーすなわち記録信号電圧より小さくする。しかしながら、この小なる記録露光パワーにおいて、最短ピットより長い記録ピットを記録するための記録露光パワーは、この長い記録ピットより短い記録ピットを記録するための記録露光パワーより小もしくは同じに選定するものである。
【0018】
つまり、図2において、最短のピットPT2と、これに比して長いピット長を有するPT3,PT4,PT1の各ピット長を、L2 と、L3 ,L4 ,L1 とするとき、これらピットを記録する記録パワーすなわち記録信号パルス、P3 ,P4 については、そのピット長が長いほど各パルスの振幅すなわち記録露光パワーは、小さく選定するものの、ある程度長いピット長例えば5Tの記録ピットPT1 に関しては、これより短い4Tの記録ピットに関する記録露光パワーと同等にする。すなわち、記録ピットPT4 と記録ピットPT1の各ピット長をそれぞれL4 とL1 とし、これらの記録のための記録露光パワーをPW4とPW1とするとき、両ピットの長さL1 ,L4 は、L1 >L4 であるが、これらの記録露光パワーPW1,PW4との関係は、PW1=PW4とする。
【0019】
すなわち、記録ピットが露光スポットサイズに比べて充分長くなると、ピット中心付近でのピット幅は、ピット長に依存せず、露光パワーのみに依存する。同時に、ピット長が再生スポットサイズより充分大きくなると、再生スポットが、ピット中心付近を再生しているときの信号振幅(再生反射光の低下量)は、ピット幅のみに依存する。ここで、より長いピットのパワーを下げると、より長いピットの幅が狭くなり、再生信号振幅が小さくなってしまう。そこで、上述したように、4T以上の記録ピットにおいては、同一パワーとし、上述した例では、PW1=PW4とした。
例えば、PW3をPW2の70%とし、PW1およびPW4をPW2の80%とする。
【0020】
ところで、この露光において、記録ピットの形成を、図2Bで示すように、単純な矩形波による記録信号とする場合、その立ち上がり、立ち下がりに相当する記録ピット、すなわち露光ピットの両端部に、図2Bで模式的に示すように、露光量が不足することによる細りが生じるピット形状を示す場合がある。このような形状となる場合、再生出力波形の歪、ジッターの原因となるおそれがある。
【0021】
このような不都合を回避することのできる実施の形態を、第2の実施の形態として例示する。
〔露光方法の第2の実施の形態〕
この実施の形態においても、基本的には、第1の実施の形態と同様の露光パワーの選定が成されるが、この実施の形態おいては、図3Aに、各PT1,PT2,PT3,PT4のピット形状を模式的に示すように、そのピット幅が、殆ど全長に渡って一様な幅を有する形状とするものである。
【0022】
この場合、図3Bに示すように、各ピットを記録する記録信号電圧、すなわち記録露光パワーを、図3Bに示すように、最短ピットPT2の記録信号パルスP2 以外の、3T以上のパルス幅が大なるパルスP1 ,P3 ,P4 に関してそのピット長方向の両端領域を除く中央部においては、第1の実施の形態で説明した電圧関係すなわち記録露光パワーに選定する。すなわち、ピットの前後両端、すなわちパルスの立ち上がりと立ち下がりの両肩部については、従来におけると同様に、最短記録ピットPT2に対する記録信号P2 の振幅と同一振幅(同一電圧)とし、その電圧すなわち記録露光パワーを下げない波形とする。
【0023】
具体的には、3T以上のピットに関しては、その前後両端を、それぞれ2T未満の範囲で記録露光パワーを下げない。これは、この範囲が2T以上となる場合、それに続く露光の影響で、ピット幅が、最短ピットPT2の幅Wmin より大きくなることに因る。一方、電圧を下げない領域が余り短いと、ピット端の切り立ちが悪くなるため、この実施の形態例においては、ピット両端の1T分の領域は、電圧を下げない領域とし、3TピットPT3での中央部の電圧は両端の80%に、4T以上のピットPT4およびPT1での中央部の電圧は両端の60%に選定した。
このとき、ピット端の切り立ちが悪化する様子はみられず、ピット長が長くなってもピット幅が増大することもなく、かつ、図3Aで示したように、全長に渡って一様な幅を保持することが確認できた。
因みに、前述した第1の実施の形態においては、PT3の電圧PW3を、PW2の70%とし、PT4およびPT1の電圧PW1およびPW4を、PW2の85%としたが、この第2の実施の形態の例においては、各電圧波形の中央部の電圧を、それぞれ、これらより低い電圧の60%および80%とするものであるが、これは、この第2の実施の形態においては、両端のパワーを持ち上げることによるかぶり露光の影響を回避することから、上述したように、中央部の電圧を、より低めているものである。
【0024】
ところで、上述した各実施の形態におけるピットの幅の設定値は、再生時のスポット径にも依存する。再生スポット中に占めるピットの面積が、再生スポットの面積の半分以上になると、長いピットを再生したときに検出光量が、一旦最小となった後に若干持ち上がる折り返しの影響が出る。これは検出信号のエラーレートを増大させる原因となる。そのため、再生スポット中に占めるピットの面積が常に再生スポットの半分以下とする必要がある。
【0025】
更に、クロストークによるノイズの影響を小さくするためには、細いピットにするのが望ましい。
逆に、ピットが細過ぎた場合には再生信号の振幅が小さくなる。つまり、再生信号の変調度が小さくて再生ジッターを悪化させる原因となる。
そのため、再生信号においてクロストークノイズによる再生ジッター増加と変調度増による再生ジッター減少の両効果により発生するジッター値の合計が最低となるようピット幅を設定し、それに見合う記録露光パワーを選択することになる。
【0026】
また、前後のピット長や、それらのピット間の間隔によって符号間干渉により同じ記録信号電圧でも、ピット幅が変わることがある。そこで、それらの前後のピット長や、間隔に応じて記録信号の電圧を微調整することにより、ピット幅の大小変化を抑えることができる。
すなわち、例えば図4に模式的に示すように、ピット長方向に隣り合う任意の対の記録ピット1Pfと1Prとによる第1の組1Gと、2Pfと2Prとによる第2の組2Gとを抽出したとき、図4Aに示すように、第1の組1Gの対の記録ピット1Pfと1Prとの間の無露光領域が、第2の組2Gの記録ピット2Pfと2Prとの間の無露光領域より小であって、両組の一方の記録ピット1Pfと2Pf同士、および他方の記録ピット1Prと2Pr同士が同一ピット長である場合においては、第1の組1Gの一方および他方の各記録ピット1Pfと1Prの記録パワーを、第2の組2Gの一方および他方の各記録ピット2Pfと2Prの記録パワーと同一または小とする。
【0027】
また、図4Bに示すように、第1および第2の組1Gおよび2Gの記録ピット1Pfと1Prとの間、および2Pfと2Pr間の各無露光領域の長さが同じで、両組の各一方の記録ピット1Pfと2Pfのうち、第1の組1Gの記録ピット1Pfが、第2の組の記録ピット2Pfに対比して長く、各他方の記録ピット1Prと2Prとが、同一ピット長である場合においては、第1の組の長い記録ピット1Pfの記録パワーをこれに対比する第2の組の記録ピット2Pfの記録パワーと同一または小とする。
また、図4Cに示すように、第1および第2の組1Gおよび2Gの記録ピット間の無露光領域の長さが同じで、両組の各一方の記録ピット1Pfと2Pf同士、各他方の記録ピット1Prと2Pr同士にあって、共に第1の組の記録ピットが、第2の組の記録ピットに対比して長い場合において、第1の組の記録ピット1Pfと1Prの各記録パワーを、対比する第2の記録ピット2Pfと2Prの各記録パワーと同一または小とする。
【0028】
図4D、E、Fは、図4A、B、Cで説明した例と、ピット長、もしくは、無露光領域の長さの関係が逆の関係である場合で、図4D、E、Fにおいて、図4A、B、Cと対応する部分には同一符号を付して示す。
すなわち、図4Dの場合は、記録ピット1Pfと1Prの記録パワーを、記録ピット2Pfと2Prの記録パワーと同一または大とする。
また、図4Eの場合は記録ピット1Pfの記録パワーをこれに対比する第2の組の記録ピット2Pfの記録パワーと同一または大とする。
また、図4Fの場合は、記録ピット1Pfと1Prの各記録パワーを、対比する記録ピット2Pfと2Prの各記録パワーと同一または大とする。
【0029】
具体的には、記録するピットの前または後のいずれかで無露光領域が短く、それに続くピットの長さが長い場合には、符号間干渉が大きく、記録ピットが大きくなる傾向にあるため、記録ピットの記録露光パワーを相対的に小さくする。逆に前後共に無露光領域が長くそれに続くピットが短い場合は、符号間干渉が小さく、記録ピットが小さくなる傾向にあるので、記録ピットの記録露光パワーを相対的に大きくする。例えば、前または後のいずれかで、無露光領域の長さが、2T、それに続くピットの長さが5T以上の場合には、記録露光パワーを標準より5%小さくする。また、逆に、前後共に無露光領域が5T以上で、それに続くピットが、2Tの場合には、記録露光パワーを標準より5%大きくする。このようにすることによって符号間干渉の影響によるピット幅変動を抑えることができる。
【0030】
また、最終的に作製されたディスクからの再生信号のジッターを抑えるために、記録信号の長さも微調整することが望まれる。
すなわち、各ピットにおいて、その前後にあるピットが長い場合と、短い場合とでは、ピット端での再生信号の切り立ちが若干異なり、これが原因で、再生信号が、クロックに対してもつ時間的な揺らぎ、つまりジッターの増加が発生する。この影響を相殺するように記録ピット信号の立ち上がり、または立ち下がりのタイミングを露光ピット前後のピットの長さに応じて変化させることで、ジッターを低減させることができる。このタイミングのずれ量は、記録ピット長や、前後のピット長だけでなく、前後の無記録領域の長さによっても微妙に変化するため、それぞれの組み合せにおいて再生信号から得られるマトリクス情報をもとにフィードバックをかけて追い込んで行く。傾向としては、前後に長いピットがあり、無露光領域が短い場合には、注目するピットの再生信号は、切り立ちが良く実質的ピット長が長くなるので、ピットを短くする方向にエッジのタイミングを調整する場合が多い。
【0031】
上述した本発明露光方法においては、ピット端の電圧を落とさない構成としたことで、特に、化学増幅レジストを用いて小さいピットを露光した場合において、周囲のピットの露光による漏れこみ光で敏感にピットサイズが変化するのを防止できるものである。すなわち、ピット端が不安定にならないように充分大きなパワーを投入する。しかし、このようにすると、アシンメトリが、オーバーになることから、これを補正するためにピットエッジ位置を補正するものであり、これらの組み合わせにより、エッジ位置の安定化を図ることができ、しかもアシンメトリの良好な再生信号を得ることができるものである。
【0032】
次に、本発明による光ディスク原盤作製用露光装置について、その実施の形態例を挙げて説明するが、言うまでもなく、本発明装置はこれに限定されるものではない。
〔露光装置の実施の形態〕
この光ディスク原盤作製用露光装置は、図5にその概略構成図を示すように、前述したように化学増幅型のフォトレジスト層2が表面に被着形成された原盤を作製する基板1の基板配置部20が設けられる。この基板配置部20は、例えばターンテーブルによって構成される。
一方、フォトレジスト層2に対する露光光源21例えばi線(波長365nm)得るレーザ光源と、露光光源21からの露光ビ−ム22の記録露光パワーを変調する光変調器23と、この光変調器23を制御する変調信号発生器24と、光変調器23によって変調された露光ビ−ムを基板1上のフォトレジスト層2に集光照射する対物レンズ25とを有する。
【0033】
この構成において、レーザ光源21から取り出されたレーザビームは、例えば電気光学変調素子(EOM)と、検光子と、フォトディテクタとによって構成るパワーコントローラ26によって、所定のパワーに制御される。すなわち、EOMによって偏光面を制御することによって、検光子を通過するレーザ光を制御し、このレーザ光をフォトディテクタによって検出して、その検出信号をEOMにフィードバックしてこれを制御して、所定のパワーに制御する。
そして、この所定のパワーにコントロールされたレーザビームは、例えば音響光学変調素子(AOM)による光変調器23に導入される。この光変調器23は、変調信号発生器24からの例えばFEM変調信号によってオン・オフ変調されるのみならず、そのピット長に応じて、上述した本発明による光ディスク原盤の製造方法における露光方法で説明した所要の電圧変化がされた記録信号に基く変調信号によって、レーザビームすなわち露光ビーム22の露光パワーを変調する。
このようにして変調されたレーザビームは対物レンズ25によって集光されて、フォトレジスト層2に照射され、上述したピット列パターンの露光がなされる。
【0034】
27は、それぞれ露光ビ−ムの光路を選定するミラーで、例えば対物レンズ25とその前段のミラーを、基板配置部20のターンテーブル上のフォトレジスト層2に、例えば基板1の半径方向に平行方向に移動させることによって、この移動と、ターンテーブルの回転とによって、フォトレジスト層2に対し、例えばスパイラル状、あるいは同心円状に走査することができるようにされている。
このようにして、本発明製造方法における上述した露光処理を行うことができる。
【0035】
尚、本発明による光ディスク原盤の製造方法および光ディスク原盤作製用露光装置によって形成する目的とする光ディスクは、ピット列構造部を有するディスク基板によるものであるが、このピット列構造部を有する基板上には、目的とする光ディスクに応じて、更に光記録層、保護層、誘電体層、反射膜等が形成される。
【0036】
【発明の効果】
本発明においては、光ディスクを形成するいわゆるマスタリング原盤を作製するフォトレジスト層に対する露光において、最終的に得る光ディスクの記録ピットの長さに応じてこのピットを記録、すなわち形成するための記録露光パワーを変更して、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくするものであり、このようにすることによって、ピット長が長いピットに関しても、その露光長が長いことによって、例えばトラックピッチの1/2を越えることが回避され、一方、短いピットに関しては、長いピットに関する露光に制約されることなく、必要十分な記録露光パワーとすることができることから、確実に微小ピットを形成することができる。そして、長いピットの幅が大となることによって隣合うトラックのピット間のクロストーク、これによるノイズ、ジッターの増大を回避できるものである。
すなわち、本発明によれば、高密度記録、大容量のすぐれた再生特性を有する光ディスクを得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ディスク原盤の製造方法の一例の工程図である。
【図2】本発明による光ディスク原盤の製造方法の一例の説明図で、そのAは、記録ピットの模式的平面図、Bは記録信号波形図である。
【図3】本発明による光ディスク原盤の製造方法の他の一例の説明図で、そのAは、記録ピットの模式的平面図、Bは記録信号波形図である。
【図4】A〜Fは、本発明の説明に供する記録ピットの組の関係を模式的に示した図である。
【図5】本発明による光ディスク原盤作製用露光装置の一例の構成図である。
【図6】Aは、従来の光ディスク原盤の製造方法の説明に供するピット配列の模式的平面図である。Bは、その原盤作製における露光の信号電圧図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・フォトレジスト層、3・・・原盤、4・・・メッキ層、5・・・スタンパ、11・・・光ディスク基板、 20・・・基板配置部、21・・・露光光源、22・・・露光ビ−ム、23・・・光変調器、24・・・変調信号発生器、25・・・対物レンズ、26・・・パワーコントローラ、27ミラー、PT , PT1, PT2,PT3,PT4・・・記録ピット
Claims (12)
- ピット列構造を有する光ディスクを作製するための光ディスク原盤の製造方法であって、
上記原盤を作製する基板上に形成されたフォトレジスト層に対する露光工程における原盤ピットの記録露光パワーを、目的とする光ディスクにおけるピットの長さに応じて変化させ、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくすることを特徴とする光ディスク原盤の製造方法。 - 上記記録露光パワーは、
最短ピットより長いピットの記録露光パワーを、上記最短ピットの記録露光パワーより小とし、
該小なる記録露光パワーにおいて、その長いピットの記録露光パワーが、これより短いピットの記録露光パワーより小、もしくは同じとすることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク原盤の製造方法。 - 上記最短ピットの記録露光パワーより小とする記録露光パワーは、ピット長方向の前後両端の領域以外の領域とし、
上記前後両端の領域は、2クロック未満の範囲とすることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク原盤の製造方法。 - 上記記録露光パワーの選定は、光ディスクにおけるピットの面積が、該光ディスクに対する再生光スポット中の面積の半分以下を占める面積となり、かつ再生信号において、いずれの長さのピットの変調度も最短ピットの変調度以上となるピット幅を形成する記録露光パワーに選定されて成ることを特徴とする請求項1、2、または3に記載の光ディスクの原盤の製造方法。
- ピット長方向に隣り合う任意の対の記録ピットを組とする第1および第2の組において、
上記第1の組の対の記録ピット間の無露光領域が、第2の組の記録ピット間の無露光領域より小であって、両組の一方の記録ピット同士、および他方の記録ピット同士が同一ピット長である場合においては、上記第1の組の上記一方および他方の各記録ピットの記録パワーを、第2の組の上記一方および他方の各記録ピットの記録パワーと同一または小とし、
上記第1および第2の組の記録ピット間の無露光領域の長さが同じで、両組の各一方の記録ピット同士のうち、上記第1の組の記録ピットが第2の組の記録ピットに対比して長く、各他方の記録ピット同士が、同一ピット長である場合においては、上記第1の組の上記長い記録ピットの記録パワーをこれに対比する上記第2の組の記録ピットの記録パワーと同一または小とし、
上記第1および第2の組の記録ピット間の無露光領域の長さが同じで、両組の各一方の記録ピット同士、および各他方の記録ピット同士にあって、共に上記第1の組の記録ピットが、上記第2の組の記録ピットに対比して長い場合において、上記第1の組の両記録ピットの記録パワーを、対比する上記第2の記録ピットの記録パワーと同一または小とすることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の光ディスクの原盤の製造方法。 - 記録するピットの長さに依存して、相対的に長いピットはより短く、短いピットはより長く露光時間を微小変化させることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の光ディスクの原盤の製造方法。
- ピット列構造を有する光ディスクを作製するための光ディスク原盤作製用露光装置であって、
表面にフォトレジスト層が被着形成された上記原盤を作製する基板の配置部と、
上記フォトレジスト層に対する露光光源と、
該露光光源からの露光ビ−ムの記録露光パワーを変調する光変調器と、
該光変調器を制御する変調信号発生器と、
上記光変調器によって変調された露光ビ−ムを上記基板上のフォトレジスト層に集光照射する対物レンズとを有し、
上記フォトレジスト層に対する原盤ピットの記録露光パワーは、目的とする光ディスクにおけるピットの長さに応じて変化し、あらゆる長さのピットの幅を最短ピットのピット幅より小さくされることを特徴とする光ディスク原盤作製用露光装置。 - 上記記録露光パワーは、
最短ピットより長いピットの記録露光パワーを、上記最短ピットの記録露光パワーより小とし、
該小なる記録露光パワーにおいて、その長いピットの記録パワーが、これより短いピットの記録露光パワーより小、もしくは同じとすることを特徴とする請求項7に記載の光ディスク原盤の製造装置。 - 上記ピットを記録する記録露光パワーの変化は、該ピットの前後両端における2クロック未満の範囲で記録露光パワーを下げないようにしたことを特徴とする請求項8に記載の光ディスク原盤作製用露光装置。
- 上記記録露光パワーの選定は、光ディスクにおけるピットの面積が、該光ディスクに対する再生光スポット中の面積の半分以下を占める面積となり、かつ再生信号において、いずれの長さのピットの変調度も最短ピットの変調度以上となるピット幅を形成する記録露光パワーに選定されて成ることを特徴とする請求項7、8、または9に記載の光ディスク原盤作製用露光装置。
- ピット長方向に隣り合う任意の対の記録ピットを組とする第1および第2の組において、
上記第1の組の対の記録ピット間の無露光領域が、第2の組の記録ピット間の無露光領域より小であって、両組の一方の記録ピット同士、および他方の記録ピット同士が同一ピット長である場合においては、上記第1の組の上記一方および他方の各記録ピットの記録パワーを、第2の組の上記一方および他方の各記録ピットの記録パワーと同一または小とし、
上記第1および第2の組の記録ピット間の無露光領域の長さが同じで、両組の各一方の記録ピット同士のうち、上記第1の組の記録ピットが第2の組の記録ピットに対比して長く、各他方の記録ピット同士が、同一ピット長である場合においては、上記第1の組の上記長い記録ピットの記録パワーをこれに対比する上記第2の組の記録ピットの記録パワーと同一または小とし、
上記第1および第2の組の記録ピット間の無露光領域の長さが同じで、両組の各一方の記録ピット同士、および各他方の記録ピット同士にあって、共に上記第1の組の記録ピットが、上記第2の組の記録ピットに対比して長い場合において、上記第1の組の両記録ピットの記録パワーを、対比する上記第2の記録ピットの記録パワーと同一または小とすることを特徴とする請求項7,8,9または10に記載の光ディスクの原盤作製用露光製造。 - 記録するピットの長さに依存して、相対的に長いピットはより短く、短いピットはより長く露光時間を微小変化させることを特徴とする請求項7、8、9、10または11に記載の光ディスク原盤作製用露光装置。
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