JP2006065942A - 光ディスク原盤および光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 高密度ディスクに形成された最小ピットのピット形状をお碗型とすることによって再生時のアシンメトリを良好とする。
【解決手段】 1−7PP変調方式の場合では、チャンネルクロック周期をTとすると、最小ピットは、最短ピット長2Tを有する。図4Aは、最小ピット以外のピットを径方向で切断した断面の形状を示す。所定のピット上部幅W1および所定のピット深さd1を有する。図4Bは、ピット上部幅をW2(<W1)と小さくしたものを示す。図4Cは、ピット上部幅W2を有し、ピット深さをd2(<d1)と浅くしたものを示す。図4Cに示すお碗型のピット形状の変調度および平均振幅が最長ピット(例えば8Tピット)の変調度および平均振幅とバランスがとれたものとなり、再生信号波形のアシンメトリを小とすることができる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、高密度光ディスクに対して適用可能な光ディスク原盤および光ディスクに関する。
光ディスクとして、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)Video等の読み出し専用ディスクが知られている。これらの光ディスクでは、記録ディジタル信号に対応して所定のトラックピッチでピット列が形成されている。チャンネルクロック周期をTで表すと、CDの場合では、EFM(Eight to Fourteen Modulation)変調が使用され
、(3T,4T,5T,6T,7T,8T,9T,10T,11T)の9種類の離散的な長さのピットが形成される。DVDの場合では、EFMPlus変調が使用され、9種類の長さに加えて14Tの長さのピットが形成される。これらの複数種類のピット長の中で、最短ピット長を持つピットが最小ピットまたは最短ピットと称される。例えばCDの場合では、線速度が1.25m/sの場合で、最小ピットが0.87μmのピット長となる。ピット幅は、0.5μmである。
図1は、DVDのディスク基板を射出成型で成形するためのニッケルスタンパのピットを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した写真を示す。倍率は、5万倍である。
従来から光ディスク上のピットの形は、図2に示すように、いわゆるサッカースタジアム形状で近似されている。すなわち、ピット上面の開口と、ピット底面と、底面から開口に向かって広がる傾斜部とからなる。図2は、ピット列の延長方向、すなわち、トラックの延長方向をx方向とし、ディスクの径方向をy方向としている。y方向でピットを切断した断面において、上部ピット幅Wuと下部ピット幅Wlが規定され、x方向において、ピット長Lpが規定される。また、ピット深さdが再生レーザ光の波長をλとしたときに、λ/4とされている。したがって、ピットからの戻り光は、ランドからの戻り光に比して強度がより低いものとなる。
下記の特許文献1には、DVDにおいて、再生用光ビームのビームスポット径よりトラックピッチやピットピッチを小さく設定しても隣接トラック間のクロストークを小さくできるように、ピッチの上部幅および下部幅を所定のものに規定することが記載されている。
特開平7−210872号公報
従来のCD、DVD程度の記録密度のピットでは、ピット形状をいわゆるサッカースタジアム形状で近似したときに、ピット列を構成する全てのピット長において、ピット幅とピット深さ、ピットの傾斜を同一として、ピット長のみを違えることが普通であった。ピット長のバラツキは、ディスク再生時のジッタ(時間軸変動)の原因となるので、各ピット長のバラツキを抑えるようになされていた。
最近では、トラックピッチと最小ピット長の両者を小さくして、さらなる高密度を目指した次世代高密度光ディスクが提案され、実用化されるに至っている。その一つであるBlu−ray Disc(商品名、以下、BDディスクと適宜表記する)は、片面単層で約25Gバイト、片面2層で約50Gバイトの記録容量を有する高密度光ディスクである。BD規格では、ビームスポット径を小とするために、光源波長を405nmとし、対物レンズの開口数NA(Numerical Aperture)を0.85と大きくしている。
CD規格では、光源波長:780nm、NA:0.45、スポット径:2.11μmであり、DVD規格では、光源波長:650nm、NA:0.6、スポット径:1.32μmである。BD規格では、スポット径を0.58μmまで絞ることができ、DVDと比して、約1/5とすることができる。
BD規格では、記録符号化方式として1−7PP(Parity Preserve/Prohibit RMTR)と
呼ぶ方式が使用されている。この方式では、"1"と"1"の間に"0"を1つ以上含むというル
ールにしたがって符号化がなされる。上述したEFMまたはEFMPlusでは、"1"と"1"の間に"0"を2つ以上含むというルールにしたがって符号化がなされる。したがって、BD
規格では、ピット長として、(2T,3T,4T,5T,6T,7T,8T)と、一部で存在する9Tの8種類の長さのピットが形成される。
ここで、変調度およびアシンメトリの定義について図3を参照して説明する。図3Aに示す曲線100は、光ピックアップで検出した再生信号波形を示す。この再生信号波形は、図3Bに示すように、1−7PP変調方式でディスク上に記録されたパターンにレーザ光を照射したときの反射光に対応するものである。
記録パターンは、8Tピット、2Tランド、2Tピット、8Tランド、3Tピット、3Tランド、4Tピットがこの順で形成されているものである。再生信号において、I8Hは、最長ランド、すなわち、8Tランドの戻り光量に対応するレベルであり、I8Lは、最長ピット、すなわち、8Tピットの戻り光量に対応するレベルであり、I2Hは、最短ランド、すなわち、2Tランドの戻り光量に対応するレベルであり、I2Lは、最短ピット、すなわち、2Tピットの戻り光量に対応するレベルである。
再生信号波形において、ピットレベルは、ランドレベルに比してより低いレベルとなる。(ランドレベル−ピットレベル)が変調振幅と呼ばれる。変調度は、(I8H−I8L)/I8Hで定義される。アシンメトリは、光ディスクの再生波形における最長ピットのランド/ピットの変調レベルの平均値(I8H+I8L)/2と最短ピットのランド/ピットの変調レベルの平均値(I2H+I2L)/2の差を最長ピットの変調振幅で規格化したパラメータのことであり、下記の式で定義される。
〔(I8H+I8L)−(I2H+I2L)〕/〔2×(I8H−I8L)〕
最短ピットのサイズが大きくてその変調レベルの平均値が最長ピットの変調レベルの平均値より低くなる方向を、アシンメトリ(+)と定義する。勿論、これらの平均値が等しくてアシンメトリが0であることが好ましい。
BDディスクのような高密度光ディスクの場合、全ての長さのピットにおいてピット幅とピット深さを同一とすると、再生装置においてピットを読み出したときに、最短ピット長(2T)のピットの変調度が実効的に大きくなり、再生信号のいわゆるアシンメトリが大きくなり、正しく信号を再生できなくなるという問題が生じる。これは、ピット幅と最小ピット長のバランスの問題である。
高密度ディスクの最小ピットのピットサイズでは、実効的なピット幅よりも最短ピット長が小さくなるケースが起こりうる。光ディスク記録装置は、ビームスポットでレジストに光を照射して行うので限界に近い最短ピット長のピット形状は上部から見ると円形に近くなる。よって最短ピット長が短いということは、このピット幅も最短ピット長と同等とならざるを得ない。さらに、この状態で最短ピット長のピットの底(サッカースタジアムの競技場部分に相当)が表れている状態であれば、最短ピット長の変調度が大きくなるので、アシンメトリも大きくなってしまう。ある程度のアシンメトリは、再生装置が備えるアシンメトリ補正装置によって補正可能であるが、アシンメトリが大きすぎると補正することができなくなり、良好な再生ができなくなる。
したがって、この発明の目的は、高密度ディスクにおいて、最小ピットのピット幅および/またはピット長を他のピット長のピットに比して小とすることによって、アシンメトリが増大することを防止することが可能な光ディスク原盤および光ディスクを提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明の第1の態様は、所定のトラックピッチで、且つ複数の離散的な長さのピットの組み合わせで形成されたピット列として情報が記録され、対物レンズを介して光ビームがピット列に対して照射されることによって情報が再生される光ディスクを作製するための光ディスク原盤において、
チャンネルクロック周期Tのn倍(nは、0以外の整数)でもってピット長が規定され、
アシンメトリを小とするように、最小ピットのピット長および最小ピットのピット深さの少なくとも一方を規定の値よりも小さくしたことを特徴とする光ディスク原盤である。
この発明の第2の態様は、所定のトラックピッチで、且つ複数の離散的な長さのピットの組み合わせで形成されたピット列として情報が記録され、対物レンズを介して光ビームがピット列に対して照射されることによって情報が再生される光ディスクにおいて、
チャンネルクロック周期Tのn倍(nは、0以外の整数)でもってピット長が規定され、
アシンメトリを小とするように、最小ピットのピット長および最小ピットのピット深さの少なくとも一方を規定の値よりも小さくしたことを特徴とする光ディスクである。
この発明によれば、最短ピット長を有する最小ピットのピットサイズ(幅および深さの少なくとも一方)を規定の値よりも小さく形成することで、アシンメトリを小とできる。最小ピット長以外のピット形状はいわゆるサッカースタジアム形状であるが、最小ピット形状はサイズが小さいためお椀型となる。光ディスクの成型の際にスタンパから射出成型されてピット形状が転写されるときは、ピット深さが浅い方が、また、サッカースタジアム型よりもお椀型の方が転写しやすいので、成型が容易となる。最小ピットは、出現頻度が最も高く、また変調度が小さいので、S/N比が一番小さくなる。したがって、ディスク再生信号の品質は最小ピットの出来具合が寄与する割合が高いので、ピット深さが浅くてお椀型の最短ピット形状は、トータルにディスク品質を向上させるのに非常に効果的である。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図4は、最小ピットのピット形状を説明するものである。1−7PP変調方式の場合では、チャンネルクロック周期をTとすると、最小ピットは、最短ピット長2Tを有するものである。図4Aは、最小ピット以外のピットを径方向で切断した断面の形状を示す。一例として、トラックピッチが0.32μmとすると、ピット上部幅W1が所定の幅(約160nm)とされ、ピット深さd1がλ/4に対応する値に選定されている。
最小ピットのピット上部幅が図4Bに示すように、W1より小のW2とされる。このようにすると、ピットに対応する戻り光の強度がW1の上部幅の場合に比して低下する程度が小となり、変調度が低下し、また、変調レベルの平均値〔(I2H+I2L)/2〕が上昇する。さらに、変調度を小とし、変調レベルの平均値を上昇させるために、図4Cに示すように、ピット深さをd1より小のd2とする。この場合の最少ピットの形状がお碗型となる。このピットサイズにおける変調度および平均振幅が最長ピット(例えば8Tピット)の変調度および平均振幅とバランスがとれたものとなり、再生信号波形のアシンメトリを小とすることができる。
図5および図6を参照して、光ディスク製造用原盤および光ディスクの製造工程の一例を説明する。
図5Aにおいて、参照符号1は、例えばシリコンからなる基板を示し、厚みが0.725mmとされている。図5Bに示すように、先ず、単結晶シリコンを焼結して作ったターゲットを用いて、スパッタリングによってアモルファスシリコン層2を例えば80nmの厚みに基板1上に成膜する。次に遷移金属の不完全酸化物を焼結して作ったターゲットを用いて、スパッタリングによってレジスト層3を例えば70nmの厚みに成膜し、レジスト原盤4を得る。これらの厚みは、一例であり、レジスト層3の露光ビームに対する感度やディスクピット、グルーブの変調度などを考慮して各層の最適な厚みを選べばよい。
レジスト層3のレジストは、遷移金属の不完全酸化物を含み、該不完全酸化物は、酸素の含有量が遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より小さいものであるようなレジスト材からなる。アモルファスシリコン層2は、レジスト層3の記録感度の改善のために設けられた中間層である。
次に、レーザ露光装置にてカッティングが行われる。図7は、露光装置の一例の概略を示す。レジスト原盤4がスピンドルテーブル21上にチャッキングされ、スピンドルモータ22によって、スピンドルテーブル21およびレジスト原盤4が回転される。レジスト原盤4に対して、ピックアップユニット23からのレーザ光が照射される。
スピンドルテーブル21およびスピンドルモータ22は、スライダ24に取り付けられている。スライダ24は、スライダ送り軸25の回転によって移動し、水平な一方向に精度良く位置制御される。
ピックアップユニット23は、光源、フォトディテクタ、フォーカス機構等を有し、対物レンズを介してレーザ光をレジスト原盤4上に照射する。原盤4にフォーカシングしながら記録信号に対応してレーザ光のレーザパワーを切り替えることが可能とされている。露光光源は、405nmの波長の青色半導体レーザで構成される。対物レンズの開口率NA=0.85とされる。
レーザ露光装置は、内側から外側へのスパイラル状トラックにより半径位置R=24mmから58mmのエリア(データエリア)にカッティングを行う。所定の変調によるピットを線速度一定(4.92m/s)で、トラックピッチ(0.32μm)で書き込む。変調方式は、1−7PPとし、チャンネルクロック周波数を66MHzとした。1−7PP変調は、チャンネルクロック周期をTとするとき、2T〜8Tの長さのピットと、2T〜8Tの長さのランドの組合せによりなる変調方式である。この条件で25GB相当の密度が得られる。最短ピットである2Tの長さは150nmである。
レジスト層3を露光するためのレーザ変調信号として間欠パルスを用いられる。nTの長さのピットを記録するときに、(n−1)個のパルスによってレーザ光源を直接変調により発光させて露光を行う。いわゆるライトストラテジと呼ぶ方式である。再生信号が最適になるようにレーザ変調信号の各パルスの高さ(レーザパワーに相当)と各パルス幅(発光時間に相当)を最適化する。
図8は、例えば5Tの長さのピットを形成する場合のレーザ変調信号を示し、4個のパルス信号が発生する。図8中で、Ppは、ピークパワー値を示し、Piは、中間パワー値を示し、Pbは、ボトムパワー値を示す。例えばPp=10.0mW、Pi=1.0mW、Pb=0.5mWに設定される。
各パルスの調整において、特に最短ピット長2Tの最小ピットを形成する場合において注意を要する。2Tの露光には、1個のパルスによるレーザ発光を用いるが、光ディスクの再生波形において、最短ピットと最長ピットのバランスが取れるようにパルス高さと幅を調整する。すなわち、図4を参照して説明したように、最小ピットのピットサイズが規定のものより小となるようにされる。
レーザ光が照射されると、無機レジストがアモルファス状態から結晶状態へ遷移するが、このとき露光部分が変形して膨張する。この膨張ピットを走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した写真を図9に示す。
この膨張の度合いを、低いレーザパワーの反射光でモニタすることができる。カッティング装置において、所定の回転数でスピンドルモータ22を回転させて、送り軸25による送りを静止させた状態で、スピンドルモータの1回転分の時間だけ書き込み(カッティング)を行い、そのまま、十分に低いレーザパワー(リードパワー)にて膨張ピットからの反射光をフォトディテクタでモニタすることで、露光された膨張ピットの状態を読み出すことができる。
このようにして得られたモニタ信号のアイパターンの波形をみて、十分な開口を有する綺麗なアイパターンが得られるように、且つ、アシンメトリ=0%となるように、ライトストラテジを調整することが望ましい。すなわち、最小ピットを形成する場合のレーザ変調信号のパルスの高さ(レーザパワーに相当)とパルス幅(発光時間に相当)が調整される。高周波重畳をかけて平均パワー0.5mWにてモニタしたときのアイパターンを図10の写真に示す。
このようにカッティングを行うと、現像、メッキ、成型の工程を経て作製されたディスクのアシンメトリが5〜10%となるように露光状態すなわちピット形状が最適化される。アシンメトリとは、上述したように、光ディスク再生波形における最長ピットのランド/ピットの変調レベルの平均値から、最短ピットのランド/ピットの変調レベルの平均値の差を、最長ピットの変調振幅で規格化したパラメータのことである。
最長ピット形状は、いわゆるサッカースタジアム形状を呈している。各ピット長のピットは、最長ピットと同様のピット幅とピット深さを有してピット傾斜(サッカースタジアムの観客席の傾斜角度)も同等となり、ピット長のみが異なる。しかしながら、最小ピットのみは、図4Cを参照して説明したように、ピット傾斜がよりなだらかになり、いわゆるサッカースタジアムの競技場部分が現れず、お椀型の形状となることから、ピット上部幅およびピット深さが他のピットよりも小さくなる。
レーザ露光装置によって、記録信号に対応して記録用レーザ光による選択的露光を行うと、レジスト材を構成する遷移金属の不完全酸化物は、紫外線または可視光に対して吸収を示し、紫外線または可視光が照射されることで、アモルファス状態から結晶状態へ変化する。
露光を行ったレジスト原盤4を現像する。アルカリ溶液の現像液で10分間の現像を行う。図5Dに示すように、所定の凹凸パターンが形成されたマスター原盤5が得られる。例えばレジスト層3として、いわゆるポジ型のレジストを用いたので、露光された部分が溶解して位相ピットが形成される。このピットを走査型電子顕微鏡で観察した写真を図11に示す。
次に、図5Eに示すように、電鋳法によって、マスター原盤5の凹凸パターン上に金属ニッケルメッキ層6が形成される。
図6Aに示すように、メッキ層6をマスター原盤5から剥離し、所定の加工を施すことによって、マスター原盤5の凹凸パターンが転写された厚さ0.3 mmのニッケルスタンパ7が得られる。ニッケルスタンパ7のピットを走査型電子顕微鏡で観察した写真を図12に示す。
図6Bおよび図6Cに示すように、成型用ニッケルスタンパ7を用いて射出成型法を行いて、表面にピット形状が転写された厚さ1.1mmのポリカーボネートからなるディスク基板8が成型される。なお、厚みは1.1mmに限られない。
次に、図6Dに示すように、ディスク基板8に対して例えば銀合金の反射膜9が40nmの厚みで成膜される。
さらに、図6Eに示すように、反射膜9上に0.1mm厚さの透明な保護カバー10が配されて光ディスクが作製される。保護カバー10は、厚み90μmのポリカーボネートシートを紫外線硬化樹脂層10μmを介して貼り合わせることで形成される。また、保護カバー10は、紫外線硬化樹脂のみをスピンコートして形成しても良い。さらに、基板表面上に紫外線硬化型シートの中間層を配し、別のスタンパからピットを転写して、半透明反射膜をつけてから、さらに保護カバーを配するような2層構造にしてもよい。また、3層以上の多層構造としても良い。また、0.1mm程度のシート状の樹脂たとえばポリカーボネートシートにスタンパからピットを直接転写して反射膜をつけたものを、1.1mmの基板に貼り合わせて積層構造としても良い。
上述したレジスト層3に適用されるレジスト材料は、遷移金属の不完全酸化物である。ここで、遷移金属の不完全酸化物とは、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より酸素含有量が少ない方向にずれた化合物のこと、すなわち、遷移金属の不完全酸化物における酸素の含有量が上記遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より小さい化合物と定義する。この材料からなるレジスト層3は、その遷移金属の完全酸化物の状態では透過してしまう紫外線または可視光の光エネルギーを吸収することが可能となり、無機レジスト材料の化学的な状態変化を利用した信号パターンの記録が可能となる。また、光エネルギーによって熱的な記録がなされるので、記録用レーザビームのスポットの中心部の比較的温度が高い部分のみが記録に寄与し、スポット径より微細な記録を行うことができる。
レーザ材料を構成する具体的な遷移金属としては、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Nb,Cu,Ni,Co,Mo,Ta,W,Zr,Ru,Ag等が挙げられる。この中でも、Mo,W,Cr,Fe,Nbを用いることが好ましく、紫外線または可視光により大きな化学的変化が得られるといった点からは、特に、Mo,Wを用いることが好ましい。
以上のようにして作製された光ディスクが再生装置で再生される。再生装置の光学系は、対物レンズのNA=0.85であり、光源の波長が405nmの青色半導体レーザを用いた構成とされる。読み取りのレーザは、高周波重畳を行い、平均パワー=0.35mWとした。
このように試作した単層光ディスクを再生した結果、図13の写真で示すアイパターンの波形と以下のような十分に良好な結果を得た。
変調度(I8H−I8L)/I8H=0.74
最短ピットの解像度(I2H−I2L)/(I8H−I8L)=0.07
アシンメトリ〔(I8H+I8L)−(I2H+I2L)〕/〔2×(I8H−I8L)〕=0.09
ジッター = 5.7%
(ジッター測定には、リミットイコライザを使用し、ブーストゲイン=5.1dBとした。)
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、ポジ型の無機レジストに限らず、ネガ型の無機レジストを使用しても良い。
DVDの作製に使用されるスタンパの顕微鏡写真である。 ピット形状を説明するための略線図である。 変調度およびアシンメトリを説明するための略線図である。 この発明の一実施形態における最小ピットのピットサイズを説明するための略線図である。 この発明が適用された光ディスクの製造工程の一部を示す部分拡大断面図である。 この発明が適用された光ディスクの製造工程の一部を示す部分拡大断面図である。 この発明が適用された光ディスクの製造工程で使用されるカッティング装置の構成を示す略線図である。 カッティング装置におけるレーザ変調信号を説明するための波形図である。 露光後のレジスト原盤の顕微鏡写真である。 カッティング装置における露光後のモニター時のアイパターンの写真である。 現像後のレジスト原盤の顕微鏡写真である。 ニッケルスタンパの顕微鏡写真である。 作製された光ディスクを再生した時のアイパターンの写真である。
符号の説明
1・・・シリコン基板
3・・・レジスト層
4・・・レジスト原盤
5・・・露光後のレジスト原盤
7・・・ニッケルスタンパ
8・・・ディスク基板
9・・・反射膜
10・・・保護カバー
22・・・スピンドルモータ
23・・・ピックアップユニット

Claims (5)

  1. 所定のトラックピッチで、且つ複数の離散的な長さのピットの組み合わせで形成されたピット列として情報が記録され、対物レンズを介して光ビームがピット列に対して照射されることによって情報が再生される光ディスクを作製するための光ディスク原盤において、
    チャンネルクロック周期Tのn倍(nは、0以外の整数)でもってピット長が規定され、
    アシンメトリを小とするように、最小ピットのピット長および最小ピットのピット深さの少なくとも一方を規定の値よりも小さくしたことを特徴とする光ディスク原盤。
  2. 請求項1において、
    上記最小ピット以外のピットが底面、上部開口および上記底面から上記上部開口に向かう傾斜面とを有するピット形状であり、上記最小ピットがお椀型の形状を呈していることを特徴とする光ディスク原盤。
  3. 請求項1において、
    基板に対して無機レジストが塗布されたレジスト原盤に対して可視光あるいは紫外光で情報を記録し、
    露光後の上記レジスト原盤を現像し、
    現像後の上記レジスト原盤に対して電鋳処理を行うことによって形成された光ディスク原盤。
  4. 所定のトラックピッチで、且つ複数の離散的な長さのピットの組み合わせで形成されたピット列として情報が記録され、対物レンズを介して光ビームがピット列に対して照射されることによって情報が再生される光ディスクにおいて、
    チャンネルクロック周期Tのn倍(nは、0以外の整数)でもってピット長が規定され、
    アシンメトリを小とするように、最小ピットのピット長および最小ピットのピット深さの少なくとも一方を規定の値よりも小さくしたことを特徴とする光ディスク。
  5. 請求項4において、
    上記最小ピット以外のピットが底面、上部開口および上記底面から上記上部開口に向かう傾斜面とを有するピット形状であり、上記最小ピットがお椀型の形状を呈していることを特徴とする光ディスク。
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