JP2009146515A - 記憶媒体製造方法、情報記憶原盤製造装置 - Google Patents
記憶媒体製造方法、情報記憶原盤製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009146515A JP2009146515A JP2007323653A JP2007323653A JP2009146515A JP 2009146515 A JP2009146515 A JP 2009146515A JP 2007323653 A JP2007323653 A JP 2007323653A JP 2007323653 A JP2007323653 A JP 2007323653A JP 2009146515 A JP2009146515 A JP 2009146515A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- master
- inorganic resist
- recording
- storage medium
- information storage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Ceased
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03B—APPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
- G03B27/00—Photographic printing apparatus
- G03B27/32—Projection printing apparatus, e.g. enlarger, copying camera
- G03B27/52—Details
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y40/00—Manufacture or treatment of nanostructures
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/0002—Lithographic processes using patterning methods other than those involving the exposure to radiation, e.g. by stamping
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Nanotechnology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
- Holo Graphy (AREA)
Abstract
【解決手段】原盤のレジスト材として、レーザ光照射に伴う熱反応により感光する無機レジスト、好ましくは遷移金属の不完全酸化物を用いる。この原盤に対し、入力情報に基づいてパワーを少なくとも3段階以上に変化させてレーザ光照射を行って、上記無機レジストにおける熱反応部分の深さに差を与えることで、情報の記録を行う。この原盤を現像することで、入力情報が複数段の溝によって記録された原盤を生成することができる。
【選択図】図4
Description
このようなホログラム記憶媒体として、例えば画像としてのホログラムを記憶させる場合には、曲線の滑らかさ等、画像のディテールを再現するために、より細かい階調表現が要求される。具体的には、少なくとも16階調程度に深さ方向の変調が可能であればよいとされている。
図8(a)に示されるように、この場合は先ず基板上にレジスト層を成膜し、該レジストにマスクをした上で露光(現像)を行う。その後、図8(b)に示すようにしてドライエッチングを行って1層目における溝を形成する。この手法において、1層目は最深層となるものであり、よって該1層目では、最深の溝が形成される部分についてのみ露光が行われるものとなる。
さらに、図8(c)のように2層目のレジスト層を重ね付けし、マスクをした上で露光を行う。その後、図8(d)のようにエッチングを行う。このような工程を繰り返すことで多段階の溝を形成することができる。
図9は、この手法の概要を示している。
この手法では、図9(a)に示されるようにしてシリコン(Si)基板上にSOG(Spin On Glass)レジスト膜を成膜した原盤を用いるものとされる。そして、このようなSOG原盤に対し、加速電圧を変化させて露光を行い(図9(b))、露光後の原盤に対し現像を行う(図9(c))。この場合の現像は、フッ酸緩衝溶液を用いて行われる。
この手法において、電子ビームは、加速電圧の変化に応じてSOGへの侵入深さが変化する。よって、現像後の原盤上には、露光時の加速電圧の変化に応じた複数段の溝が形成されることになる。
なお、この図9に示す手法の詳細については、例えば下記の参考文献を参照されたい。
参考文献・・・MATERIAL STAGE Vol6,No.8 2006:谷口 淳「ナノインプリントを用いたホログラム作成技術の概要と今後の展望」
例えば、特許文献1に記載の従来技術では、それぞれ感度の異なるレジストを多数積層して成膜する必要があるが、スパッタ成膜により、多段階に成膜条件を変えるのはプロセス的に非常に困難であり、数層程度を得るのが限度である。
また、たとえ成膜が可能となったとしても、積層する膜の感度差を極端に変えることは非常に困難である。
何れにしても特許文献1に記載の手法では、レジスト層を複数層成膜しなければならず、その分、工程数の増加を招くものとなってしまう。
また、この手法は工程数が多くなるため、製造装置のイニシャルコスト、及び装置製造のランニングコスト・人件費が嵩むものとなる。また、多工程より、製造に要する装置稼動時間も長時間化し、環境負荷が大きくなってしまうという問題もある。
また、図9の手法の問題点としては、原盤の製造にあたって、SOG膜としての液を塗布後300℃の高温で焼き固めなければならない点、また、露光部の現像液にフッ酸緩衝溶液という危険な薬品を用いなければならない点を挙げることができる。
フッ化水素酸は、人体の健康や環境への負荷が大きいものとされ、その使用は多くの適用法令によって厳しく規制される。なお適用法令としては、毒劇法(毒物)、特化則、水濁法、大気汚染防止法、下水道法、化学物質管理促進法(PRTR法)を挙げることができる。
また、SOG膜は、主成分が二酸化ケイ素(SiO2)であるため、金属製の原盤を作製する際には、導電膜を形成しなければならない。すなわち、この点で余分な工程を要する。
つまり、レーザ光照射に伴う熱反応により感光する無機レジスト層を基板の上層に成膜して無機レジスト原盤を生成する無機レジスト原盤生成工程を備える。
また、上記情報記憶媒体に記憶させるべき情報を入力すると共に、該入力情報に基づいて上記無機レジスト原盤に対して照射するレーザ光のパワーを少なくとも3段階以上に変化させ、上記無機レジスト層における熱反応部分の深さに差を与えることで、上記無機レジスト原盤に対する記録を行う記録工程を備える。
また、上記記録工程により記録を行った上記無機レジスト原盤を現像して、上記無機レジスト層に凹凸パターンが形成された情報記憶原盤を生成する情報記憶原盤生成工程を備える。
また、上記情報記憶原盤に基づき、上記無機レジスト層に形成された凹凸パターンを転写したスタンパを生成するスタンパ生成工程を備える。
また、上記スタンパ生成工程により生成した上記スタンパを用いて上記情報記憶媒体を生成する記憶媒体生成工程を備えるものである。
[1.ディスク製造工程]
[2.原盤製造装置の構成]
[3.原盤記録部の構成]
[4.変調処理例]
[5.変形例]
先ず、図1の模式図を参照して、情報記憶媒体の製造工程について説明する。
ここで、本明細書において、情報記憶媒体とは、凹凸パターンにより情報が記憶された記憶媒体を指す。
本実施の形態において、情報記憶媒体を製造する工程としては、原盤製造工程・記録工程(露光工程)・現像工程・金型(スタンパ)作製工程・記憶媒体生成工程に大別することができる。
なお、実施の形態において、情報記憶媒体はディスク状であるものとする。また、以下の説明では、このようなディスク状の情報記憶媒体として、例えば音楽コンテンツや映像コンテンツなど所定のデータが記憶され、記憶されたデータが光の照射によって読み出される光ディスクを製造する場合を例に挙げる。
なお、無機レジスト層101の露光感度の改善のために基板100とレジスト層101との間に所定の中間層99を形成しても良く、図1(b)ではその状態を示している。何れにしても、レジスト層101としては、露光時のレーザ光照射に応じて感光できるように、基板100の上層において外部に表出するようにして成膜されればよい。
また、この場合、上記原盤形成基板100としては、Siウエハ基板を用い、上記レジスト層101の成膜は、スパッタリングにより行う。この場合、成膜方法としてはDC又はRFスパッタを用いる。
なお、この露光工程は、後述する原盤製造装置(情報記憶原盤製造装置1)を利用して行われるものとなるが、本例の原盤製造装置1が行う露光(記録)動作については後述する。
現像液については、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等の有機アルカリ現像液、KOH,NaOH、燐酸系等の無機アルカリ現像液などを用いる。
離型性の改善は、ディスク原盤103に対して例えば以下に示す何れかの処理を施すことで行う。
1) 40〜60℃に加温したアルカリ液に数分浸漬する。
2) 40〜60℃に加温した電解アルカリ液に数分浸漬したまま電解酸化させる。
3) RIEなどを用いて酸化膜を形成する。
4) 成膜装置を用いて金属酸化膜を成膜する。
或いは、離型性の改善は、予め無機レジスト材料として、メタル原盤に対してより離型しやすい酸素組成比率を持つ組成の材料を選定することでも実現できる。
その後、スタンパ104を剥離し(図1(h))、樹脂製ディスク基板105の凹凸面にAg合金などの反射膜106(図1(i))と、膜厚0.1mm程度の保護膜107とを成膜することにより、光ディスクを生成する(図1(j))。すなわちこれにより、凹凸パターンにより情報が記憶された情報記憶媒体が得られる。
本明細書において、「遷移金属の不完全酸化物」とは、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より酸素含有量が少ない方向にずれた化合物のこと、すなわち遷移金属の不完全酸化物における酸素の含有量が、上記遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成の酸素含有量より小さい化合物のことと定義する。
例えば、遷移金属の酸化物として化学式MoO3を例に挙げて説明する。化学式MoO3の酸化状態を組成状態を組成割合Mo1-xOxに換算すると、x=0.75の場合が完全酸化物であるのに対して、0<x<0.75で表される場合に化学量論組成より酸素含有量が不足した不完全酸化物であるといえる。
また、遷移金属では1つの元素が価数の異なる酸化物を形成可能なものがあるが、この場合には、遷移金属のとりうる価数に応じた化学量論組成より実際の酸素含有量が不足している場合とする。例えばMoは、先に述べた3価の酸化物(MoO3)が最も安定であるが、その他に1価の酸化物(MoO)も存在する。この場合には組成割合Mo1-xOxに換算すると、0<x<0.5の範囲内であるとき化学量論組成より酸素含有量が不足した不完全酸化物であるといえる。なお、遷移金属酸化物の価数は、市販の分析装置で分析可能である。
上述のようにレジスト材料を構成する具体的な遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Nb、Cu、Ni、Co、Mo、Ta、W、Zr、Ru、Ag等が挙げられる。この中でも、Mo、W、Cr、Fe、Nbを用いることが好ましく、紫外線又は可視光により大きな化学的変化を得られるといった見地から特にMo、Wを用いることが好ましい。
例えば、PTM方式を用いない従来において、CD(Compact Disc)方式やDVD(Digital Versatile Disc)方式などのディスクを製造する際には、まずフォトレジスト(有機レジスト)を塗布した原盤を用意し、マスタリング装置(原盤製造装置)によって原盤上にガスレーザ等の光源からレーザを照射し、ピットに応じた露光パターンを形成するものとされている。この場合、連続発振レーザであるレーザ光源からのレーザ光を、例えばAOM(Acousto-Optical Modulator)で光強度変調し、強度変調されたレーザ光を光学系によって原盤に導き、露光する。すなわち、AOMにはピット変調信号である例えばNRZ(Non Return to Zero)変調信号を与え、このAOMによってレーザ光がピットパターンに対応した強度変調を受けることで、原盤上ではピット部分のみが露光されていく。
この場合、フォトレジストの露光はいわゆる光記録であるため、レーザにより露光された部分がそのままピットとなる。つまり、レーザスポット径がそのままピット幅を左右するものとなる。
このPTM方式では、原盤のレジスト材料として上述した遷移金属の不完全酸化物を用いる。上述もしたように、この遷移金属の不完全酸化物は、紫外光や可視光に対する吸収を示すものとなる。この点で、露光源として例えば電子ビームやイオンビームなどの特殊な光源を用いる必要がなく、例えば従来の光ディスク装置で用いられているレーザダイオードを流用することが可能である。
また、遷移金属の不完全酸化物は、熱の集中する部分で顕著な化学的性質変化を示すものとなり、形成される溝の幅は、レーザスポット径に直接的に左右されるものとはならない。つまり、この点でPTM方式は、従来手法とする場合よりも微細な溝形成を行うことができる。
PTM方式でマスタリングを行う本例の情報記憶原盤製造装置1の構成例を図2に示す。この情報記憶原盤製造装置1は、先の図1(c)(d)のマスタリング工程において、無機レジスト層101を形成した無機レジスト原盤102に対し、レーザ光照射による熱記録動作により記録マークの形成を行う。
先ず、無機レジスト原盤生成部1Aは、先の図1(b)に示したレジスト層形成工程により無機レジスト原盤102を生成する。
この無機レジスト原盤生成部1Aには、外部より原盤形成基板100としてのSiウエハが装填され、該Siウエハに対し、レジスト層101の材料としての遷移金属の不完全酸化物を例えばスパッタリングにより成膜する。
なお、先に述べた中間層99を形成するとした場合には、上記Siウエハに対し中間層99としての材料を成膜後、その上層にレジスト層101を成膜する。
なお、この原盤記録部1Bの内部構成、及び本実施の形態としての記録(露光)動作については後述する。
この現像処理により、露光された記録マーク部分に凹状の溝部が形成されることになる。
図3は、図2に示した原盤記録部1Bの内部構成例を示している。
図3において、原盤記録部1Bには、ピックアップヘッド10として、一点鎖線部で示す構成を備える。ピックアップヘッド10内において、半導体レーザとしてのレーザ光源11は、例えば波長405nmの青紫レーザ光を出力するものとされる。
レーザ光源11から出射したレーザ光は、コリメータレンズ12で平行光とされた後、アナモルフィックプリズム13でスポット形状が例えば円形に変形され、偏光ビームスプリッタ14に導かれる。
そして偏光ビームスプリッタ14を透過した偏光成分は、λ/4波長板14,ビームエキスパンダ16を介して対物レンズ26に導かれ、この対物レンズ26で集光されて無機レジスト原盤102(無機レジスト層101が形成された原盤形成基板100)上に照射される。
この作用により、溝部による露光パターンが無機レジスト層101上に形成されていく。
フォトディテクタ20の受光面は、例えば4分割受光面を備え、非点収差によるフォーカスエラー信号を得ることができるようにされている。
フォトディテクタ20の各受光面では、受光光量に応じた電流信号を出力して反射光演算回路21に供給する。
反射光演算回路21は、4分割の各受光面からの電流信号を電圧信号に変換すると共に、非点収差法としての演算処理を行ってフォーカスエラー信号FEを生成し、該フォーカスエラー信号FEをフォーカス制御回路22に供給する。
フォーカス制御回路22は、フォーカスエラー信号FEに基づいて、対物レンズ26をフォーカス方向に移動可能に保持しているアクチュエータ29のサーボ駆動信号FSを生成する。そしてアクチュエータ29がサーボ駆動信号FSに基づいて、対物レンズ26を無機レジスト原盤102に対して接離する方向に駆動することで、フォーカスサーボが実行される。
スライダ7は、スライドドライバ6によって駆動され、無機レジスト原盤102が積載された、スピンドル機構を含む基台全体を移動させる。すなわち、スピンドルモータ8で回転されている状態の無機レジスト原盤102は、スライダ7で半径方向に移動されながら上記光学系によって露光されていくことで、無機レジスト層101に形成される溝部(ピット列:トラック)がスパイラル状に形成されていくことになる。
スライダ7による移動位置、すなわち無機レジスト原盤102の露光位置(ディスク半径位置:スライダ半径位置)はセンサ9によって検出される。センサ9による位置検出情報SSはコントローラ2に供給される。
ここで、この変調部3による入力データに応じた上記変調処理は、無機レジスト原盤102に対してどのような情報を記録するかによって異なるものとなる。この変調処理の具体例については後に改めて説明する。
なお、レーザドライバ4に対しては、モニタディテクタ17からの光強度モニタ信号SMも供給される。レーザドライバ4は、この光強度モニタ信号SMと基準値とを比較した結果に基づくレーザ発光制御も併せて行うことができる。
また、図4(b)において、深さDpt0はランド部分を表すものであり、以降深さDpt1→Dpt2→Dpt3の順で形成される溝部の深さが深いことを表している。
図中に示すプロット点は、パワーPwを100%、96%、92%、88%としたときの結果を表している。具体的な結果として、パワーPw=100%のとき溝深さDpt=65.0nm、パワーPw=96%のとき溝深さDpt=56.4nm、パワーPw=92%のとき溝深さDpt=41.6nm、パワーPw=88%のとき溝深さDpt=17.4nmという結果が得られた。
この実験結果より、溝深さDptは、パワーPwにほぼ比例して変化していることが理解できる。つまりこの結果より、溝の深さは、照射するレーザ光のパワーに応じて段階的に制御でき、なおかつ、パワー変化に対しほぼリニアな特性で変化させることができることがわかる。
このように深さ方向においても情報記録を行うことができることで、情報記憶媒体としての光ディスクの記憶容量拡大を図ることができる。
具体的に、実施の形態では、レーザ光の波長λ=405nm、対物レンズ26の開口数NA=0.85程度という条件によりレーザ光照射を行うものとしており、溝の幅については現状のBD(Blu-ray Disc)と同等のサイズに抑えることができる。
例えば、先の図9にて説明した従来手法では、無機系のレジスト材としてSOGを用いるものとしているが、このSOGは主成分が二酸化ケイ素(SiO2)であるため導電性を有さず、従って金属製スタンパの作製にあたっては、導電膜を形成しなければならない。すなわち、このような従来手法では金属製スタンパの生成にあたり余分な工程を要していたものを、本例の手法ではこれを省略することができる。
ここで、溝深さによる情報記録によって記憶容量の拡大を図るようにする場合、従来の光ディスクについての記録手法とは異なる手法によって入力データを変調する必要がある。
溝深さに差を設けることができれば、多値符号による記録が可能となる。従って入力データに対する変調処理としては、2値→多値の変換を行うものとすればよい。すなわち、入力データとしての0,1による2値の符号の組み合わせによるデータ列を、3値以上の多値による符号の組み合わせによるデータ列に変換すればよい。
このような2値4ビット1シンボルの場合の、2値の符号の組み合わせ数は42より16通りとなる。
4値符号を用いて16通りのパターンを得るためには、1シンボルは2ビットとすればよい。つまり、このように4値2ビット1シンボルとすれば、同様に42により16通りのパターンを表現できる。
このことからも理解されるように、複数段の溝深さによる記録で少なくとも3値以上の多値記録ができれば、同じ容量の入力データを記録するにあたって必要なビット数を抑えることができ、その結果、ピット/ランドのみの従来の2値記録を行う場合と比較して、記憶容量の拡大化が図られる。
記憶容量の拡大を図るにあたっては、少なくとも回転駆動される無機レジスト原盤102に対するレーザ光の照射位置を順次半径方向にシフトさせながら、レーザ光のパワーを入力データに応じて多段階に変化させて記録を行うものとすればよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明では、溝深さに差を与えることで多値記録を行う場合を例示したが、溝深さに段差を与えることができれば、ホログラムとしての画像を記録することもできる。
このようにホログラム画像の記録を行う場合、変調部3に対しては、入力データとして2次元の画像データを入力する。この画像データとしては、画素単位でその階調値を表したデータを入力すればよい。先にも述べたように、ホログラム画像を記録するにあたっては、例えば16段階程度の階調が表現できればよいものとされており、変調部3に入力する上記画像データの各画素の階調値としても、例えば16段階前後の階調値とされているとする。
この場合、画像データの記録にあたっては、画像データの1ラインごとにレーザ光を順次走査させる。このため変調部3では、画像データの1ラインごとに、各画素の階調値に応じて順次振幅レベルを変化させた記録駆動信号を生成する。
ここで、ホログラムメモリとする場合には、形成される溝部の段差が再生時の入射光に対する光路長差を生み、該光路長差による位相差によって、記憶された値が識別されることになる。すなわち、ホログラムメモリの場合、少なくとも深さdpt=0,1,2の3段階以上で画素間の位相差を与えることで、情報の記録が行われればよい。
この場合、変調部3に対しては、記憶されるべき情報としての2値データ列が入力される。そして、変調処理としては、2値データ列に対し、先に説明した多値データ列への変換を行う。そして、多値データ列の各値を、所要画素サイズによるホログラムページの各画素値としてマッピングして、ホログラム画像としてのデータを生成する。このようにホログラム画像が得られた以降は、上記により説明したホログラム画像の記録動作と同様の記録動作を行えばよい。
この場合、SLMとしては、例えば液晶パネルを用いる。SLMとしては、少なくとも上記ホログラムページをカバーできる(表示できる)サイズ(画素数)を有するものを用いる。
この場合のレーザ光のパワー制御は、レーザドライバ4に対する記録駆動信号による制御ではなく、上記SLMの各画素の透過率を制御することで行う。すなわち、変調部3は、上記変調処理で生成したホログラム画像に基づき、SLMを駆動制御(表示制御)し、無機レジスト原盤102に対して、該SLMの光強度変調(すなわちレーザパワー制御)により生成された画像が照射されるようにする。これによって、画素単位での光強度が3段階以上に制御されたレーザ光を照射することができ、その結果、深さ方向に多段階に形成された凹凸によって表現される画像を記録することができる。
なお、確認のために述べておくと、このような構成とした場合も、記録時(露光時)には、入力データに応じて3段階以上にパワーを変化させたレーザ光を照射していることに変わりはない。
Claims (6)
- 凹凸パターンにより情報が記憶された情報記憶媒体を製造するための記憶媒体製造方法であって、
レーザ光照射に伴う熱反応により感光する無機レジスト層を基板の上層に成膜して無機レジスト原盤を生成する無機レジスト原盤生成工程と、
上記情報記憶媒体に記憶させるべき情報を入力すると共に、該入力情報に基づいて上記無機レジスト原盤に対して照射するレーザ光のパワーを少なくとも3段階以上に変化させ、上記無機レジスト層における熱反応部分の深さに差を与えることで、上記無機レジスト原盤に対する記録を行う記録工程と、
上記記録工程により記録を行った上記無機レジスト原盤を現像して、上記無機レジスト層に凹凸パターンが形成された情報記憶原盤を生成する情報記憶原盤生成工程と、
上記情報記憶原盤に基づき、上記無機レジスト層に形成された凹凸パターンを転写したスタンパを生成するスタンパ生成工程と、
上記スタンパ生成工程により生成した上記スタンパを用いて上記情報記憶媒体を生成する記憶媒体生成工程と、
を備えることを特徴とする記憶媒体製造方法。 - 上記無機レジスト原盤生成工程は、
上記無機レジスト層として遷移金属の不完全酸化物を成膜することを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体製造方法。 - 上記記録工程は、
上記レーザ光として青紫レーザ光を照射することを特徴とする請求項2に記載の記憶媒体製造方法。 - 上記記録工程は、
回転駆動される上記無機レジスト原盤に対し、上記レーザ光の照射位置を順次半径方向にシフトさせながら記録を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体製造方法。 - 上記記録工程は、
上記情報として画像データを入力すると共に、
入力される上記画像データのライン順次に上記レーザ光を走査させるようにして記録を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶媒体製造方法。 - レーザ光照射に伴う熱反応により感光する無機レジスト層が基板の上層に成膜されて形成された無機レジスト原盤を用いて、凹凸パターンにより情報が記憶された情報記憶媒体を製造するための情報記憶原盤を製造する情報記憶原盤製造装置であって、
上記無機レジスト原盤の上記無機レジスト層に対してレーザ光照射を行うレーザ照射手段と、
上記情報記憶媒体に記憶させるべき情報を入力すると共に、該入力情報に基づいて上記レーザ光のパワーを少なくとも3段階以上に変化させ、上記無機レジスト層における熱反応部分の深さに差を与えることで、上記無機レジスト原盤に対する記録を行う記録手段と、
上記記録手段により記録が行われた上記無機レジスト原盤を現像して、上記無機レジスト層に凹凸パターンが形成された上記情報記憶原盤を生成する情報記憶原盤生成手段と、
を備えることを特徴とする情報記憶原盤製造装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007323653A JP2009146515A (ja) | 2007-12-14 | 2007-12-14 | 記憶媒体製造方法、情報記憶原盤製造装置 |
US12/323,220 US20090155730A1 (en) | 2007-12-14 | 2008-11-25 | Method for manufacturing storage medium and apparatus for manufacturing information storage master disc |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007323653A JP2009146515A (ja) | 2007-12-14 | 2007-12-14 | 記憶媒体製造方法、情報記憶原盤製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009146515A true JP2009146515A (ja) | 2009-07-02 |
Family
ID=40753736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007323653A Ceased JP2009146515A (ja) | 2007-12-14 | 2007-12-14 | 記憶媒体製造方法、情報記憶原盤製造装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090155730A1 (ja) |
JP (1) | JP2009146515A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2284252A1 (en) * | 2009-08-13 | 2011-02-16 | Sony DADC Austria AG | Surface-structured device for life-science applications |
JP6651768B2 (ja) * | 2015-09-28 | 2020-02-19 | 株式会社ニコン | パターン描画装置 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0229955A (ja) * | 1988-07-18 | 1990-01-31 | Nec Corp | 光ディスク製造方法 |
JPH06124450A (ja) * | 1992-10-12 | 1994-05-06 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体 |
JPH0944850A (ja) * | 1995-07-25 | 1997-02-14 | Pioneer Electron Corp | 光ディスク再生方法 |
JP2002092979A (ja) * | 2000-09-19 | 2002-03-29 | Ricoh Co Ltd | 光ディスク原盤露光装置、光ディスク原盤作製方法および光ディスク |
JP2006024299A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Sony Corp | 光ディスク原盤、光記録媒体および光記録媒体の再生方法 |
JP2006338828A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Sony Corp | 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法 |
JP2007035232A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Sony Corp | 光ディスク原盤およびその製造方法、ならびに光ディスクスタンパの製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5705246A (en) * | 1994-10-21 | 1998-01-06 | Nec Corporation | Master disc for an optical disc and method for manufacturing the master disc |
CN1890733B (zh) * | 2003-12-01 | 2011-09-14 | 索尼株式会社 | 光盘用母盘的制造方法以及光盘用母盘 |
JP2006202352A (ja) * | 2005-01-18 | 2006-08-03 | Sony Corp | 原盤製造装置、原盤製造方法、光記録媒体 |
JP4872423B2 (ja) * | 2006-04-11 | 2012-02-08 | ソニー株式会社 | 光ディスク原盤製造方法、光ディスク製造方法、光ディスク原盤製造装置 |
-
2007
- 2007-12-14 JP JP2007323653A patent/JP2009146515A/ja not_active Ceased
-
2008
- 2008-11-25 US US12/323,220 patent/US20090155730A1/en not_active Abandoned
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0229955A (ja) * | 1988-07-18 | 1990-01-31 | Nec Corp | 光ディスク製造方法 |
JPH06124450A (ja) * | 1992-10-12 | 1994-05-06 | Toshiba Corp | 情報記憶媒体 |
JPH0944850A (ja) * | 1995-07-25 | 1997-02-14 | Pioneer Electron Corp | 光ディスク再生方法 |
JP2002092979A (ja) * | 2000-09-19 | 2002-03-29 | Ricoh Co Ltd | 光ディスク原盤露光装置、光ディスク原盤作製方法および光ディスク |
JP2006024299A (ja) * | 2004-07-09 | 2006-01-26 | Sony Corp | 光ディスク原盤、光記録媒体および光記録媒体の再生方法 |
JP2006338828A (ja) * | 2005-06-03 | 2006-12-14 | Sony Corp | 光記録媒体、光ディスク原盤およびその製造方法 |
JP2007035232A (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-08 | Sony Corp | 光ディスク原盤およびその製造方法、ならびに光ディスクスタンパの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20090155730A1 (en) | 2009-06-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1749298B1 (en) | Process for producing stamper of multi-valued rom disc, apparatus for producing the same, and resulting disc | |
JP2008176902A (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2006039303A (ja) | 光情報記録媒体およびその記録方法と製造方法 | |
JP4329208B2 (ja) | 記録媒体の製造方法、記録媒体製造用原盤の製造方法、記録媒体の製造装置、および記録媒体製造用原盤の製造装置 | |
JP2006202352A (ja) | 原盤製造装置、原盤製造方法、光記録媒体 | |
CN100440347C (zh) | 光记录介质、光记录方法、光再生方法及其装置 | |
JP2007502511A (ja) | 複数層構造体、及びこの構造体への微細構造の描画方法 | |
JP4484785B2 (ja) | 記録方法 | |
JP2009146515A (ja) | 記憶媒体製造方法、情報記憶原盤製造装置 | |
TW200414183A (en) | Method of manufacturing original disk for optical disks, and method of manufacturing optical disk | |
JP2001250280A (ja) | 記録媒体、記録媒体の製造方法、記録媒体製造用原盤の製造方法、記録媒体の製造装置、および記録媒体製造用原盤の製造装置 | |
JP4705530B2 (ja) | 光記録媒体とその基板、及び該基板の成形用スタンパ | |
JP2006215052A (ja) | 細溝形成方法及びそれによって得られた細溝基板 | |
JP2006259271A (ja) | ホログラム記録媒体及び記録方法 | |
WO2001063607A1 (fr) | Procede de production d'un support d'enregistrement, procede de production d'une matrice de pressage de support d'enregistrement, appareil de production d'un support d'enregistrement et appareil de production d'une matrice de pressage de support d'enregistrement | |
JP2006244551A (ja) | 光磁気記録再生装置 | |
JP2004342216A (ja) | 光記録媒体、光記録媒体製造用原盤、記録再生装置および記録再生方法 | |
JP4702419B2 (ja) | ディスク製造方法、スタンパ製造方法 | |
JP4611944B2 (ja) | 溝形成方法 | |
JP2009509285A (ja) | デュアルビームのレーザビーム記録器及びデュアルビームのレーザビーム記録器を制御する方法 | |
Gorbov et al. | High-density data recording via laser thermo-lithography and ion-beam etching | |
JP2006351174A (ja) | ドライブ記録可能なマスター媒体 | |
JP2005258280A (ja) | ディスク原盤製造方法、製造装置およびディスク原盤 | |
JP4687782B2 (ja) | 記録媒体の製造方法、および記録媒体製造用原盤の製造方法 | |
JP4687783B2 (ja) | 記録媒体の製造装置、及び記録媒体製造用原盤の製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120208 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120214 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120409 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121204 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130121 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130813 |
|
A045 | Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment] |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045 Effective date: 20131224 |