JP2006193654A - 有機顔料微粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分散剤を少なくとも一つ含有する水性媒体に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、その溶液のpH調整用溶液とを流路(チャンネル)中を層流として接触流通させ、その流通過程で有機顔料溶液の水素イオン指数(pH)を変化させるとともに、前記分散剤の含有量を調節して目的のサイズの微粒子を得る有機顔料微粒子の製造方法。
【選択図】図1−1
Description
(1)分散剤を少なくとも一つ含有する水性媒体に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、その溶液のpH調整用溶液とを流路(チャンネル)中を層流として接触流通させ、その流通過程で有機顔料溶液の水素イオン指数(pH)を変化させるとともに、前記分散剤の含有量を調節して目的のサイズの微粒子を得ることを特徴とする有機顔料微粒子の製造方法。
(2)前記有機顔料溶液がアルカリ性であることを特徴とする(1)に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(3)前記有機顔料溶液が、水と有機溶媒の均一混合溶媒に有機顔料を溶解した均一溶液であることを特徴とする(1)または(2)記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(4)前記流路の等価直径が10mm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(5)前記分散剤が高分子分散剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(6)有機顔料微粒子が、その分散液として得られる(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(7)前記流路の等価直径が1mm以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(8)層流の流路がマイクロ反応場であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(9)有機顔料溶液および水性媒体の少なくとも一方が分散剤を有し、これら両者を等価直径1mm以下の流路中で接触させるとともに、前記分散剤の含有量を変えることにより微粒子のサイズを制御することを特徴とする顔料分散液の製造方法。
(10)前記有機顔料溶液がアルカリ性であることを特徴とする(9)に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
(11)前記分散剤が高分子分散剤であることを特徴とする(9)または(10)に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
すなわち、層流流路を用いるフロー反応で反応時間を制御し、さらに狭い空間での反応温度制御の精密さを利用し、好ましくない副反応を抑えることができる。また、微粒子化顔料調製、特に顔料分散液調製において、従来のスケールアップとは異なり、製造プロセスをナンバリングアップ(装置の並列化)できることから製品化にかかる検討時間を激減できる。
また本発明の製造方法により、有機顔料微粒子のより精密な単分散状態を実現でき、粒径、粒子形状の制御を可能とし、広い範囲で目的のサイズの微粒子を得ることができる。得られる分散液、またはそこに含まれる微粒子に新たな機能やより高い機能を発現させることも期待できる。
等価直径(equivalent diameter)は相当(直)径、とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意断面形状の配管(本発明では流路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の断面積、p:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、一辺aの正四角形管ではdeq=4a2/4a=a、一辺aの正三角形管では、
管の中に水を流し、その中心軸状に細い管を挿入し着色した液を注入すると、水の流速が遅い間は、着色液は一本の線となって流れ、水は管壁に平行にまっすぐに流れる。しかし、流速を上げ、ある一定の流速に達すると急に水流の中に乱れが生じ、着色液は水流と混じって全体が着色した流れになる。前者の流れを層流(laminar flow)、後者を乱流(turbulent flow)という。
流れが層流になるか乱流になるかは流れの様子を示す無次元数であるレイノルズ数(Reynolds number)が、ある臨界値以下であるかによって決まる。レイノルズ数が小さいほど層流を形成しやすい。管内の流れのレイノルズ数Reは次式で表される。
Dは管の等価直径、<υx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。この式からわかるように等価直径が小さいほどレイノルズ数は小さくなるので、μmサイズの等価直径の場合は安定な層流を形成しやすくなる。また、密度や粘度の液物性もレイノルズ数に影響し、密度が小さく、粘度が大きいほどレイノルズ数は小さくなるので層流を形成しやすいことがわかる。
Re<2300 層流
Re>3000 乱流
3000≧Re≧2300 過渡状態
流路の等価直径が小さくなるにつれ、単位体積あたりの表面積(比表面積)は大きくなるが、流路がマイクロスケールになると比表面積は格段に大きくなり、流路の器壁を通じた熱伝達効率は非常に高くなる。流路を流れる流体中の熱伝達時間(t)は、t=deq 2/α(α:液の熱拡散率)で表されるので、等価直径が小さくなるほど熱伝達時間は短くなる。すなわち、等価直径が1/10になれば熱伝達時間は1/100になることになり、等価直径がマイクロスケールである場合、熱伝達速度は極めて速い。
前記レイノルズ数の説明で示したように、層流の形成は等価直径の大きさだけでなく粘度および密度という液物性を含めた流動条件にも大きく影響される。よって、本発明では流路を層流にできれば、流路の等価直径は限定されないが、容易に層流が形成できるサイズが好ましい。好ましくは10mm以下であり、より好ましくはマイクロ反応場を形成する1mm以下である。更に好ましくは10μm〜1mmであり、特に好ましくは20〜300μmである。
前記一般のマイクロリアクターには、その断面を円形に換算した場合の等価直径が数μm〜数百μm程度の複数本のマイクロ流路、及びこれらのマイクロ流路と繋がる混合空間が設けられており、このようなマイクロリアクターでは、複数本のマイクロ流路を通して複数の溶液をそれぞれ混合空間へ導入することで、複数の溶液を混合し、又は混合と共に化学反応を生じさせる。
本発明の製造方法における流体制御方法は、その目的によって適宜選ばれるが、好ましくは連続流動方式の圧力駆動方式である。
本発明に用いられる流路の数は、反応装置により適宜そなえられればよく、1つでも構わないが、必要に応じて流路を何本も並列化し(ナンバリングアップ)その処理量を増大させることが出来る。
図1−1はY字型流路を有する反応装置10の説明図であり、図1−2はそのI−I線の断面図である。流路の長さ方向に直交する断面の形は使用される微細加工技術により異なるが、台形または矩形に近い形である。流路幅・深さ(特にC,H)がマイクロサイズにて作られている場合、導入口11及び導入口12からポンプなどにより注入された溶液は導入流路13aまたは導入流路13bを経由して流体合流点13dにて接触し、安定な層流を形成して反応流路13cを流れる。そして層流として流れる間に層流間の界面における分子拡散により互いの層流に含まれる溶質の混合または反応が行われる。拡散の極めて遅い溶質は、層流間での拡散混合が起きず、排出口14に達した後に初めて混合する場合もある。注入される2つの溶液がフラスコ中で容易に混合するような場合には、流路長Fを長く取れば排出口では液の流れは均一な流れになりうるが、流路長Fが短い時には排出口まで層流が保たれる。注入される2つの溶液がフラスコ中で混合せず層分離する場合は、当然ながら2つの溶液は層流として流れて排出口14に到達する。
さらに、円筒管を多重に挿通して多重層流を形成する装置とすることもできる(例えば、導入流路23bの内側に、より小径の円筒管を挿通し、3重の層流を形成することができる)。
使用される酸の量は、顔料を均一に溶解可能な量であり、特に限定されないが、塩基に比べて過剰量用いられる場合が多い。無機酸および有機酸の場合を問わず、好ましくは顔料に対して3〜500モル当量であり、より好ましくは10〜500モル当量であり、さらに好ましくは30〜200モル当量である。
イオンを含むから、そのpHは7で中性である。pH<7の水溶液は酸性、pH>7の水溶液はアルカリ性である。pHの値を測定する方法としては、電位差測定法および比色測定法がある。
顔料微粒子を製造する場合の流路内を流れる流体の速度(流速)は、流体制御装置の制約、もしくは得られる微粒子のサイズにより適宜設定することができるが、好ましくは0.1mL/hr〜300L/hr、0.2mL/hr〜30L/hrがより好ましく、0.5mL/hr〜15L/hrがさらに好ましく、1mL/hr〜6L/hrが特に好ましい。
本発明の製造方法において、流路を流れる基質(有機顔料やその反応成分)の濃度範囲は、通常0.5〜20質量%が好ましく、1.0〜10質量%がより好ましい。
本発明では、高分子分散剤とともに含有させる分散剤として、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の、低分子もしくは高分子分散剤を使用することができる。なお、高分子分散剤の分子量は溶液に均一に溶解できるものであれば制限なく用いることができるが、好ましくは分子量1,000〜2,000,000であり、5,000〜1,000,000がより好ましく、10,000〜500,000がさらに好ましく、10,000〜100,000が特に好ましい。(本発明においては、特に断りのない限り、分子量とは重量平均分子量を意味する。高分子化合物は多分散系であり、必ずしも同一の分子量または粒子量を持たない。したがって、分子量を測定すると得られた値はなんらかの形で平均された平均分子量になる。その主なものは次の3種類である。すなわち、1)数平均分子量Mn、2)重量平均分子量Mw、3)Z平均分子量Mzであり、Mn<Mw<Mzの関係が成立する。)顔料の分散に用いる分散剤に関しては、「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」(化学情報協会、2001年12月発行)の29〜46頁に詳しく記載されている。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤は、顔料の均一分散性および保存安定性をより一層向上させる。本願発明の製造方法によれば、有機顔料溶液に含有させる分散剤の量を増やすと、得られる有機顔料微粒子のサイズをより小さくすることができる。含有させる分散剤の量は、顔料100質量部に対して0.01〜20質量部の範囲で変化させることが好ましく、0.05〜10質量部の範囲で変化させることがより好ましく、0.1〜5質量部の範囲で変化させることが特に好ましい。さらに、本願発明の製造方法によれば、粒径を大きく、また小さくするという相対的な制御のみならず、高分子分散剤の含有量を調節して、具体的に目的とする粒子サイズの微粒子を得ることができる。
好ましい態様として、例えば、高分子分散剤の添加量を3倍量としたときに粒径200nmの顔料微粒子が得られる条件下において、添加量を1倍量にすれば200〜300nmの微粒子とすることができ、5倍量にすれば100〜150nmの微粒子とすることができる。その他の好ましい態様として、例えば、高分子分散剤の添加量を3倍量としたときに粒径50nmの顔料微粒子が得られる条件下において、添加量を1倍量にすれば80〜120nmの微粒子とすることができ、5倍量にすれば10〜20nmの微粒子とすることができる。
少なすぎると有機顔料微粒子の分散安定性が向上しない場合があり、多すぎると粘度が上昇して顔料を得る操作が困難になる場合がある。
本発明の製造方法によれば、1μm以下という微小な粒径にもかかわらず、顔料微粒子(もしくはその分散液)を所望の粒子サイズで得ることができ、さらに単分散性も有するため、光学濃度が高く、画像表面の均一性に優れ、彩度が高く鮮明なインクとすることができる。
空気または酸素などの気体を酸化剤として反応に関与させる場合、それらは反応流体に溶解させるか、または流路内に気体として導入する方法を取ることができ、気体として導入する方法が好ましい。
顔料の純度の測定は、例えばキナクリドンの場合、キナクリドンを取り出して洗浄、十分乾燥した後に、次の方法により決定することができる。キナクリドンを精秤して(例えば、2mg程度)、濃硫酸(例えば、10℃以下で100mLの95%濃硫酸)に溶解させ、UV吸収を測定し、吸収値を求め(例えば、606nmでの吸収値)、標準品の同波長での吸収値と比較して純度とすることができる。また、置換キナクリドンについては、無置換のものと比較して波長がシフトするので、測定すべき置換キナクリドンの標準品の最適波長を調節して同様に決定することができる。
ジスアゾ縮合顔料の純度の測定は、ジスアゾ縮合顔料を取り出して洗浄、十分乾燥し、水酸化ナトリウム−ジメチルスルホキシド混合溶媒などにより可溶化させた顔料溶液と純度の定まっている標準品との吸収スペクトルを比較することにより決定することができる。
実施例に示すpHは、東亜電波工業(株)のガラス電極式水素イオン濃度計HM−40V(測定範囲pH0〜14)で測定した。
2,9−ジメチルキナクリドン0.075g(クラリアント社、HOSTAPERM PINK E)をジメチルスルホキシド6.675mL、0.8mol/L水酸化カリウム水溶液 0.825mL、分散剤ポリビニルピロリドン(和光純薬(株)製、K15、分子量10,000) 0.0375g(顔料に対して0.5倍量)に室温で溶解した(IA液)。IA液のpHは測定限界(pH14)を超えていた。
分散剤N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム塩0.75gと蒸留水90mLを混合した(IIA液)。IIA液のpHは6.9であった。
これらを0.45μmのミクロフィルター(富士写真フイルム(株)製)を通すことでごみ等の不純物を除いた。次に、図1−1の反応装置を用いて下記の手順で反応を行った。等価直径500μmを有するテフロン(登録商標)製Y字コネクターの二つの入り口に長さ50cm、等価直径1mmのテフロン(登録商標)チューブ2本をコネクタにより接続し、その先にそれぞれIA液とIIA液を入れたシリンジを繋ぎ、ポンプにセットした。コネクタの出口には長さ1m、等価直径500μmを有するテフロン(登録商標)チューブを接続した。Y字コネクターを氷水で5℃に冷却し、IA液を1mL/h、IIA液を6mL/hの送液速度にて送り出すと流路内は層流(レイノルズ数;約5.0)となり、2,9−ジメチルキナクリドンの分散液が得られたのでこれをチューブの先端より捕集した。捕集した分散液のpHは12.4であった。得られた分散液中の微粒子の粒径を動的光散乱粒径測定装置により測定したところ、メジアン径(体積表示)418nmであった。
実施例1におけるIA液中に添加するポリビニルピロリドンの添加量を顔料に対して3倍量または5倍量にした以外は実施例1と同様にして微粒子分散液の製造を行い、得られた微粒子のメジアン径(体積表示)を測定した。結果を実施例1の結果と合わせて表1に示した。なお、いずれの場合にも流路中の溶液は層流を形成していた。
実施例1におけるIA液に添加するポリビニルピロリドンの分子量を360,000(和光純薬(株)製、K90)に替え、添加量を顔料に対して1倍量、3倍量、5倍量、または10倍量とした以外は実施例1と同様にして微粒子分散液の製造を行い、得られた微粒子のメジアン径(体積表示)を測定した。結果を表2に示した。なお、いずれの場合にも流路中の溶液は層流を形成していた。
ピグメントイエロー128(チバスペシャリティケミカル社、CROMOPHTAL YELLOW 8GN)0.375gを、ジメチルスルホキシド6.675mL、8mol/L水酸化カリウム水溶液 0.23mL、分散剤ポリビニルピロリドン(和光純薬(株)製、K30、分子量40000) 0.375g(顔料に対して1.0倍量)に室温で溶解した(IB液)。IB液のpHは測定限界(pH14)を超えていた。
分散剤N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム塩0.75gと蒸留水90mLを混合した(IIB液)。IIB液のpHは6.9であった。
これらを0.45μmのミクロフィルター(富士写真フイルム(株)製)を通すことでごみ等の不純物を除いた。次に、図1−1の反応装置を用いて下記の手順で反応を行った。等価直径500μmを有するテフロン(登録商標)製Y字コネクターの二つの入り口に長さ50cm、等価直径1mmのテフロン(登録商標)チューブ2本をコネクタにより接続し、その先にそれぞれIB液とIIB液を入れたシリンジを繋ぎ、ポンプにセットした。コネクタの出口には長さ1m、等価直径500μmを有するテフロン(登録商標)チューブを接続した。室温下でIB液を1mL/h、IIB液を6mL/hの送液速度にて送り出すと流路内は層流(レイノルズ数;約5.0)となり、ピグメントイエロー128の分散液が得られたのでこれをチューブの先端より捕集した。捕集した分散液のpHは12.6であった。得られた分散液中の微粒子の粒径を動的光散乱粒径測定装置により測定したところ、メジアン径(体積表示)47.1nmであった。
実施例4におけるIB液中に添加するポリビニルピロリドンの添加量を顔料に対して3倍量または5倍量にした以外は実施例4と同様にして微粒子分散液の製造を行い、得られた微粒子のメジアン径(体積表示)を測定した。結果を実施例4の結果と合わせて表3に示した。なお、いずれの場合にも流路中の溶液は層流を形成していた。
実施例1で用いたIIA液6mLをビーカーに用意し、撹拌子を用いて撹拌しながら、5℃の温度下で、IA液中に添加するポリビニルピロリドンの分子量を360,000(和光純薬(株)製、K90)に替え、その添加量を顔料に対して1倍量、3倍量、5倍量、または10倍量とした溶液1mLを添加して2,9−ジメチルキナクリドンの微粒子分散液を得た。それぞれ得られた分散液中の微粒子の粒径を動的光散乱粒径測定装置により測定したところ、メジアン径(体積表示)は約10〜15nmの範囲でばらつき、IA液中のポリビニルピロリドンの添加量(顔料に対して1倍量、3倍量、5倍量、および10倍量)と粒径の間に相関性はみられなかった。
実施例1で用いたIA液において、分散剤ポリビニルピロリドンのみを除いた溶液を調製しIC液とした。IA液に替えてIC液を用いた以外、実施例1と同様にして分散液の捕集をした。得られた分散液中の微粒子の粒径を動的光散乱粒径測定装置により測定したところ、メジアン径(体積表示)740nmであった。
IA液に替えてIC液を用い、IIA液に替え水を用いた以外、実施例1と同様にして分散液の捕集を試みた。しかしながら、しばらくして流路が閉塞してしまった。この結果は明らかに粒子サイズが大きくなったことを意味しており、分散剤存在下で反応させることが必要であるといえる。
11、12、21、22、31、32、41、42 導入口
13、33 流路
13a、13b、23a、23b、33a、33b、43a、43b 導入流路
13c、23c、33c、43c 反応流路
13d、23d、33d、43d 流体合流点
33e、43e 流体分流点
33f、33g、43f、43g 排出流路
14、24、34、35、44、45 排出口
Claims (11)
- 分散剤を少なくとも一つ含有する水性媒体に有機顔料を溶解した有機顔料溶液と、その溶液のpH調整用溶液とを流路(チャンネル)中を層流として接触流通させ、その流通過程で有機顔料溶液の水素イオン指数(pH)を変化させるとともに、前記分散剤の含有量を調節して目的のサイズの微粒子を得ることを特徴とする有機顔料微粒子の製造方法。
- 前記有機顔料溶液がアルカリ性であることを特徴とする請求項1に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 前記有機顔料溶液が、水と有機溶媒の均一混合溶媒に有機顔料を溶解した均一溶液であることを特徴とする請求項1または2記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 前記流路の等価直径が10mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 前記分散剤が高分子分散剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 有機顔料微粒子が、その分散液として得られる請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 前記流路の等価直径が1mm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 層流の流路がマイクロ反応場であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 有機顔料溶液および水性媒体の少なくとも一方が分散剤を有し、これら両者を等価直径1mm以下の流路中で接触させるとともに、前記分散剤の含有量を変えることにより微粒子のサイズを制御することを特徴とする顔料分散液の製造方法。
- 前記有機顔料溶液がアルカリ性であることを特徴とする請求項9に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
- 前記分散剤が高分子分散剤であることを特徴とする請求項9または10に記載の有機顔料微粒子の製造方法。
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