JP2006192192A - 配膳車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本体の上面側の載置用や作業用のスペースを拡大する。
【解決手段】 本体10の天板14上の一端側には、走行操作用のハンドル15が設けられる。本体10の左右の側面10L,10Rには、それぞれ補助用のテーブル50が回動可能に支持され、両テーブル50は、常には側面10L,10Rに沿った垂下姿勢に畳まれる一方、支え部材70を介して天板14の上面と面一の水平姿勢に支持可能とされる。両テーブル50の奥行は、天板14のそれと同じに設定される。天板14の上面と両テーブル50の上面とには、手前及び奥の縁部に沿って、落下防止用の突条18,51が形成される。本体10の上面側に、ホテルパンPを載せたり料理を食器に盛り付けたするための広いスペースが確保される。テーブル50を起こした場合も畳んだ場合も、本体10の手前と奥の面とほぼ面一となるから、外観もすっきりとまとまる。
【選択図】 図1
Description
これに対して近年、背の低い小型の配膳車が老人ホーム等を中心に供されるようになった。これは、例えば10食分程度の温食、冷食をそれぞれホテルパン等の大皿に載せて本体内に収容し、保温、保冷した状態で食堂等の食事をする場所に搬送し、本体の上面に大皿を取り出したのち、個別に食器に盛り付けるようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、本体の上面側の載置用や作業用のスペースを拡大するところにある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記テーブルが前記本体の両側面に設けられているとともに、前記本体の上面における間口方向の一端側に、当該配膳車の走行操作用のハンドルが設けられているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載のものにおいて、前記ハンドルが着脱可能に設けられているところに特徴を有する。
配膳車が走行移動する際には、テーブルは垂下姿勢に畳まれており、食事をする場所に移動して配膳する場合には、テーブルが起こされて、支え部材により本体の上面と面一の水平姿勢に支持される。これにより本体からテーブルの上面にわたって、トレイを載せたり、料理を食器に盛り付けるためのスペースが確保されるが、特にテーブルの奥行が本体の上面のそれとほぼ同じに設定されているから、より広いスペースが確保できる。また、テーブルを起こした場合も畳んだ場合も、本体の手前と奥の面とほぼ面一となるから、外観もすっきりとした見栄えの良いものにできる。
突条が引っ掛かりとなって、トレイや食器等が不用意に落下することが防止される。
<請求項3の発明>
配膳車を走行させる場合は、ハンドルを持って押しまたは引き操作されるが、ハンドルを本体の上面に配置したことで、ハンドルを設けた側面側にも、本体と同じ奥行を持ったテーブルを折り畳み可能に設けることができる。これにより、見栄えの良さを維持したままで、作業用等のスペースをさらに拡大することができる。また、両テーブルを同一形状に形成可能であるから、安価に対応することができる。
ハンドルを手前と奥との端部に離して設けたから、ハンドルを設けた側面側でも、本体の上面とテーブルの上面とを、広い領域にわたって途中に邪魔の無い面一状態とすることができ、使い勝手に優れたものとなる。
<請求項5の発明>
配膳時にはハンドルを外すことによって、本体の上面と両テーブルの上面にわたって面一の面が確保でき、トレイを載せたり食器に盛り付ける作業がよりしやすくなる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。本実施形態では、温冷蔵タイプの配膳車を例示しており、基本的には、10食分程度の温食、冷食をそれぞれホテルパンP等のトレイ(大皿)に入れ分けて庫内に収容し、保温、保冷した状態で食堂等の食事をする場所に搬送し、上面に大皿を取り出したのち、個別に食器に盛り付けるようになっている。
配膳車は、図1ないし図4に示すように、方形の箱状をなす本体10が、車輪11を備えた移動台12上に載置される一方、本体10の上面に天板14が張られた構造となっている。天板14の一端側(正面から見た右側)には、ハンドル15が設けられている。このハンドル15は、天板14の奥行よりやや短い長さで、背の低い門形に形成されており、天板14の一端側において奥行方向に沿うように、かつ上端側を外方に少し斜めに傾けた姿勢で取り付けられている。当該配膳車は、ハンドル15を握りつつ、押しまたは引き操作して走行させるようになっている。移動台12におけるハンドル15が設けられた側の端縁には、踏圧式のブレーキ16が装備されている。
本体10の前面における両扉24の間にはオペレーションパネル27が装着され、温蔵室20や冷蔵室21の室内温度を設定する操作部や、温度表示部等が設けられている。
先に冷蔵構造を説明すると、上記した機械室22内には、圧縮機、凝縮器等からなる冷凍装置35が設置されている一方、冷蔵室21の内壁面21Aのうちの左右の側面と天井面の裏面にわたって、銅パイプ等からなる蒸発パイプ36がジグザク状に密着して配管され、この蒸発パイプ36が冷凍装置35と冷媒配管によって循環接続されることで冷凍サイクルが構成されている。
この仕切板44とヒータパネル40との間には吹出流路45が形成され、その下端に続くヒータパネル40の下端に吹出口45Aが形成されている。また、仕切板44の裏側には、吸込口46Aから吸い込んだ空気をファン43に向ける吸込流路46が形成されている。なお、温蔵室20の左右の側面には、それぞれ手前と奥の位置に、後記するようにホテルパンP(図1参照)を支持するための棚柱が設けられているが、そのうち冷蔵室21に隣接した左側面に設けられた両棚柱では、受け金を止めるために列設された係止孔が、空気の吸引孔を兼ねていて、この係止孔から引かれた空気がダクトを通って加熱ファン室42の吸込口46Aに導かれるようになっている。
冷蔵室21の左右の側面にも手前と奥に棚柱86(図3に一部が図示)が設けられていて、複数段(温蔵室20側よりも少ない)にわたって左右一対ずつの断面コ字形のレールが前後の棚柱86の間に差し渡されて装着され、冷食を入れたホテルパンPが同じく左右のフランジを左右のレールに嵌めつつ、複数段にわたって収容できるようになっている。
ドレンパン90は、図11,12に示すように、底面を波形とした浅皿状をなす合成樹脂製のプレート91を有し、その周面を金属板製のフレーム92で囲って変形防止を図った構造である。フレーム92は左右一対を備え、プレート91の側面を覆う部分では、図11に示すように、下縁が直角曲げされて同側面の下端部を受ける一方、上縁に鋭角に折り返された折曲部93が形成されて、同側面の上端に掛けられている。また、両フレーム92の前後に設けられた前面板94と後面板95とが、プレート91の前面と後面とに、それらの面の下端を受けつつ折り曲げられ、両前面板94は、プレート91の前面を挟んで取手96に対してリベット98で固定され、両後面板95はプレート91の後面を挟んで裏板97に対してリベット98で固定されている。
すなわちドレンパン90は、左右の側面にリベットのような突起物がない構造であり、したがって特にドレンパン90を入れる際に、突起物がガイドレール87に当たるおそれがないために、スムーズに入れることができる。
このテーブル50の一端側が、本体10の左側面10Lの上端部に回動可能に支持されている。そのため本体10の左側面10Lにおける手前と奥の位置には、一対の軸受板52が縦向きの姿勢で突設されている。この軸受板52の上端は、天板14の高さ位置まで突出しており、両軸受板52の上方突出端には、軸受用の上ブッシュ53が嵌着されている。
テーブル50が水平姿勢を取った場合には、その上面が上記した天板14の上面と面一となるように設定され、このテーブル50の上面が、ホテルパンP等の載置面や盛り付けの作業面の補助面として利用されるようになっている。従って、テーブル50の上面にも、その手前と奥の端縁に、落下防止用の突条51が形成されている。この突条51は、天板14の突条18と同じ断面形状でかつ同じ高さとなっている。
また、後記するようにテーブル50が水平姿勢で保持された場合に、天板14との間にできる隙間は極力小さいことが望ましく、そのためにテーブル50における天板14と隣接する側の端面の裏面側の角部には丸みが付けられ、回動時に天板14と干渉することが回避されるようになっている。
従って、支え部材70の両軸部73が、軸受板52の下ブッシュ54に嵌合されることで、支え部材70は、軸部73を中心として回動可能に支持されており、常には自重により垂下姿勢を取るようになっている。
ここで、テーブル50が垂下姿勢に勢い良く回動された場合に、本体10の左側面10Lに当たるおそれがあるが、その時の衝撃力を緩和するために、テーブル50の回動端に近い位置の裏面にクッション56が設けられているとともに、テーブル50を垂下姿勢でがたつき無く保持するために、テーブル50、詳細には受けユニット60の本体板61の回動端寄りの位置に、本体10の左側面10Lに吸着するマグネットキャッチ57が設けられている。また、支え部材70が本体10の左側面10Lに衝撃的に当たるのを緩和するために、支え部材70または本体10の左側面10Lにクッションシール58を設けてもよい。
詳細にはストッパ75は、小幅の金属板によって形成され、図8に示すように、一端側には係止部76が形成されている。この係止部76は、下半分がストッパ75から上面側に直角に立ち上がった垂直面76Aで、上側が斜め姿勢で折り返された傾斜面76Bとされている。また、上面側に直角曲げされた屈曲部78が設けられた他端側が、操作部77となっている。なお、ストッパ75における長さ方向の中央部から少し操作部77側に寄った位置に、開口79が形成されている。
そしてストッパ75は、受け部65における逃がし凹部66を形成した位置において、係止部76をテーブル50の回動基部側(図8の右側)に、操作部77を回動端側(同図の左側)に向けた姿勢で配され、蝶番80の一方の開閉板81Aが、ストッパ75の下面における開口79の右側の口縁にねじで固定されるとともに、他方の開閉板81Bが、開口79を通して取付板67の傾斜面に同じくねじで固定されることにより、ストッパ75は、図8に示すように、蝶番80の軸82を中心として回動可能に支持されている。このとき、ストッパ75の係止部76は、受け部65の突出部65Bにおける逃がし凹部66の外側を回動し得るようになっており、また操作部77は、テーブル50の回動端に近い部分に位置している。
上記したストッパ75の反時計回り方向の回動は、ストッパ75における係止部76を設けた側の端部が受け部65の突出部65Bに当たることで停止され、これがストッパ75の係止位置であって、このときストッパ75はテーブル50とほぼ平行な姿勢を取り、係止部76が受け部65の外側をほぼ覆うようになっている。なお、操作部77側の屈曲部78は、受けユニット60の本体板61との間に、所定の隙間を開けた状態にある。
ストッパ75は常には上記の係止位置にあるが、テーブル50の回動端側を掴むことと併せて操作部77を押し上げると、ストッパ75は、ねじりコイルばね84の弾力に抗して、図8の時計回り方向に回動し、同図の鎖線に示すように、屈曲部78が本体板61に当たることによりそれ以上の回動が規制される。これがストッパ75の解除位置であって、このとき係止部76は受け部65の外側を開放し、かつ支え部材70の当接部71の軌道の外側に外れるようになっている。
なお、上記したように、本体10の右側面10Rに設けられたテーブル50についても、その構造並びに回動操作態様は、左側と同様である。
食事の時間となったら、ハンドル15を持って押しまたは引き操作することで、当該配膳車が食堂等の食事をする場所に移動される。この間、左右のテーブル50は垂下姿勢を取り、すなわち畳んだ状態とされる。
テーブル50が水平姿勢に戻されると、図8に示すように、支え部材70の当接部71が本体板61の裏面を滑りつつ、受け部65における垂下部65Aの付け根部分に当てられ、これによりテーブル50は天板14の上面と面一の水平姿勢に支持される。そののち、テーブル50の回動端を掴んだ手を離すと、操作部77への押圧力も除去されることで、同図の実線に示すように、ストッパ75が付勢力で係止位置に回動し、係止部76が支え部材70の当接部71の外側に係止した状態となる。
これによりテーブル50が正規にセットされていないことが判別できるが、この場合は、テーブル50を水平姿勢に向けて押し下げると、支え部材70の当接部71は、ストッパ75を付勢力に抗して解除位置に回動させつつ傾斜面76Bの外面に沿って滑って係止部76の内側に入り込み、テーブル50が水平姿勢まで押されたところで、図8に示すように、当接部71が受け部65に当たってテーブル50が支持されるとともに、ストッパ75が係止位置に戻って係止することになる。
右側のテーブル50も同様に起こされて、支え部材70により同様に水平姿勢で支持され、かつストッパ75で外れ止めされる。
特にテーブル50の奥行が天板14の上面のそれと同じに設定されているから、広いスペースが確保できる。また、天板14並びに両テーブル50の上面の手前と奥の端縁には、突条18,51が形成されているから、それらの突条18,51が引っ掛かりとなって、ホテルパンPや食器等が不用意に落下することが防止される。
テーブル50を畳む場合は、図8の状態から、ストッパ75の操作部77を押して鎖線に示す解除位置に回動させつつ、テーブル50の回動端側を掴んで所定角度引き上げると、このときはストッパ75の係止部76が受け部65の外側を開放しているから、支え部材70の当接部71が受け部65から外れたのち係止部76の外側を通って、自重により垂下姿勢に戻る。引き続いてテーブル50の回動端を掴んだ手を離すと、テーブル50も垂下姿勢に畳まれる(図7)。
さらに、天板14並びに両テーブル50の上面の手前と奥の端縁には、突条18,51が形成されているから、それらの突条18,51が引っ掛かりとなって、ホテルパンPや食器等が不用意に落下することが防止される。
次に、本発明の実施形態2を図13ないし図15によって説明する。この実施形態2は、上記実施形態1に対して、走行操作用のハンドルの形状並びにその配設位置に変更を加えたものである。以下、主に変更部分を中心に説明し、実施形態1と同一機能を有する部位については、同一符号を付すことで重複した説明は省略する。
実施形態2のハンドル100は、金属パイプを曲げ加工することで、長さが短く、かつ比較的背の高い門形に形成され、左右一対が備えられている。また、ハンドル100の角部には丸みが付けられているとともに、両脚部102の下端には取付板103が固着されている。
配膳時には、左右のテーブル50が起こされて支持されるが、図15に示すように、ハンドル100が手前と奥との端部に離して設けられているから、ハンドル100を設けた右側面10Rでも、天板14の上面とテーブル50の上面とを、広い領域にわたって途中に邪魔の無い面一状態とすることができ、ホテルパンPや食器を滑らせて移動できる等、使い勝手に優れたものとなる。
図16は本発明の実施形態3を示す。この実施形態3では、上記実施形態2に例示したと同様のハンドル100Aを着脱可能としたものであって、ハンドル100Aの取付板103の下面にはマグネット板105が貼着されている。そして走行時には、マグネット板105を天板14の上面に吸着させて固定し、一方配膳時にはハンドル100Aを外すと、天板14の上面と両テーブル50の上面の全域にわたって面一の面が確保でき、ホテルパンPを載せたり食器に盛り付ける作業がよりしやすくなる。
図17に示す実施形態4は、別のハンドルの着脱構造を示したものである。ハンドル100Bの両脚部102の下端には取付棒110が突設され、その途中に径方向の貫通孔111が形成されている。一方天板14の上面には、上記した取付棒110が嵌合される取付孔112が穿設され、その周面に貫通孔111と整合する挿通孔113が形成されて、天板14の側面若しくは前後の面に開口している。
すなわち、走行時には、ハンドル100Bの取付棒110を取付孔112に挿入したのち、係止ピン114を、挿通孔113から取付棒110の貫通孔111に差し込むことで固定する。配膳時には、係止ピン114を抜いてハンドル100Bを外す。外した跡の取付孔112は、ゴム栓115等で塞ぐ。
図18に示す実施形態5は、着脱の手段としてワンタッチ継手の構造を利用したものであって、ハンドル100Cの脚部102の下端にプラグ120が突設される一方、天板14の上面に、ベアリング122や操作リング123を備えたソケット121が立てられており、操作リング123を付勢ばね124に抗して下げつつプラグ120がソケット121に抜き差しされて、ハンドル100Cが着脱できるようになっている。
なお、上記実施形態3ないし実施形態5に示したハンドルの着脱構造は、上記実施形態1に示したような、天板14の一端側において奥行方向に沿うように、1個のハンドル15を設ける形式のものにも適用可能である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)左右両側に設けられたテーブルは、個々に回動(折り畳み)操作が可能であるから、配膳時に片側のテーブルのみを起こしたり、あるいは両テーブルとも畳んだままの使用形態を取ることは自由に行える。
(2)本発明は、テーブルが本体の一方の側面のみに設けられたものにも、同様に適用可能である。
(3)なお、温蔵室から冷蔵室にわたって、内外の箱内に発泡ウレタンからなる断熱材を充填してなる断熱箱体により形成するようにしてもよい。
(4)本発明は、保温または保冷のいずれか一方のみの機能を備えたもの、あるいはいずれも備えなくて単にホテルパンを庫内に収容できるようにした配膳車全般に広く適用することができる。
Claims (5)
- ホテルパン等のトレイを収容する貯蔵室を内部に設けて走行可能とされた本体の側面には、テーブルが回動可能に支持され、このテーブルは、常には前記本体の側面に沿った垂下姿勢に畳まれる一方、支え部材を介して前記本体の上面と面一の水平姿勢に支持可能となっており、かつこのテーブルの奥行が、前記本体の上面の奥行とほぼ同じに設定されていることを特徴とする配膳車。
- 前記本体の上面と前記テーブルの上面とには、手前及び奥の縁部に沿って突条が形成されていることを特徴とする請求項1記載の配膳車。
- 前記テーブルが前記本体の両側面に設けられているとともに、前記本体の上面における間口方向の一端側に、当該配膳車の走行操作用のハンドルが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配膳車。
- 前記ハンドルが、前記本体の上面における手前の端部と奥の端部とに分かれて設けられていることを特徴とする請求項3記載の配膳車。
- 前記ハンドルが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の配膳車。
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