JP2006187162A - ステータおよびその製造方法 - Google Patents

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裕 小松
Hiroyuki Imanishi
啓之 今西
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Kazutsugu Kusabetsu
和嗣 草別
Shinichiro Yamamoto
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Abstract

【課題】ステータコアにつば部を有するステータを、容易に製造できる技術を提供する。
【解決手段】本発明に係るステータは、つば部を含むつば形成部材30が、コア本体10とは別体に成形される。このため、コア本体10とつば形成部材30は、それぞれ簡易な形状となり、容易に成形することができる。また、つば形成部材30をコイル20に取り付けた後、それをコア本体10へ外挿することができるため、コイル20の装着時にステータコアのつば部が障害となることはない。以上より、ステータコアにつば部を有するステータを、容易に製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータのステータおよびその製造方法に関する。
図8は、モータの構成要素であるステータの部分的な構成を示した断面図である。従来より、ステータ100はステータコア110とコイル120とを備え、ステータコア110のティース部111にコイル120を巻回した構成となっている。
このようなステータ100は、ロータ200との間で磁気回路を形成し、トルクを発生させる役割を果たす。そして、コイル120により生成される磁場を効率よくロータ200側へ誘導するために、ティース部111は、その先端に外側へ突き出したつば部112を有している。
このような従来のステータの構成については、たとえば、特許文献1に開示されている。
特開2004−40871号公報
上記のように、従来のステータコア110は、ティース部111の先端につば部112を有している。しかしながら、このような複雑な形状を有するステータコア110をばらつきなく製造するためには、高度な成形技術が必要となる。また、このようなステータコア110にコイル120を装着するときに、つば部112が障害となって装着困難となる場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、ステータコアにつば部を有するステータを、容易に製造できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、モータのステータであって、つば部を有するステータコアと、前記ステータコアに巻回されるコイルと、を備え、前記ステータコアのうち、前記つば部を含む一部分が、他の部分と別体に成形されたものであることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のステータであって、前記一部分は、前記ステータコアの先端部分であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のステータであって、前記コイルと、前記ステータコアの前記一部分とは、樹脂によりモールド固定されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3までのいずれかに記載のステータであって、前記コイルは、平角線により構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1から4までのいずれかに記載のステータであって、前記ステータコアは、圧粉磁性体により形成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1から5までのいずれかに記載のステータであって、モータの周方向に配列された複数の分割ステータにより構成されることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のステータであって、隣接する前記分割ステータの間に樹脂を充填して固定したことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、つば部を有するステータコアと前記ステータコアに巻回されるコイルとを備えるステータの製造方法であって、前記つば部を含む前記ステータコアの一部分と前記コイルとを接合してつば付きコイルを形成する第1の工程と、前記つば付きコイルを前記ステータコアの他の部分に装着する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
請求項1〜8に記載の発明によれば、ステータコアのうち、つば部を含む一部分と他の部分とを、それぞれ簡易な形状とすることができる。このため、ステータコアの各部分を容易に成形することができる。また、コイルにつば部を含む一部分を取り付けた後、それを他の部分へ装着することができるため、コイルの装着時にステータコアのつば部が障害となることはない。以上より、ステータコアにつば部を有するステータを、容易に製造することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、ステータコアのうち、成形困難なつば部を含む先端部分のみを、他の部分と別体に成形するため、さらに成形容易となる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、ステータコアのつば部を含む一部分とコイルとの接合を樹脂モールドにより行うため、コイルとステータコア先端との間に空間が確保され、ステータの磁場を均一化することができる。
特に、請求項4に記載の発明によれば、丸線を利用する場合と比較して、コイルの占積率が向上する。
特に、請求項5に記載の発明によれば、ステータコアの成形がさらに容易となり、形状の自由度が高くなる。また、圧粉磁性体の粒子間を電気的に絶縁可能であるため、渦電流の発生を防止し、エネルギーロスを低減できる。
特に、請求項6に記載の発明によれば、ステータを分割ステータごとに製造することができるので、ステータをさらに容易に製造することができる。
特に、請求項7に記載の発明によれば、複数の分割ステータを強固かつ容易に固定することができる。
<1.ステータの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るステータの部分的構成を示した断面図である。このステータは、モータの周方向に沿って円環状に配列された複数の分割ステータ1により構成されている。
各分割ステータ1は、コア本体10、コイル20、およびつば形成部材30を備えている。これらのコア本体10、コイル20、およびつば形成部材30は、あらかじめ別個に成形されたものであり、これらを結合させて分割ステータ1が構成されている。
図2(a)は、コア本体10の正面図である。また、図2(b)は、コア本体10を図2(a)のA−A線で切断した断面図である。コア本体10は、モータの外周を構成するヨーク部11と、ヨーク部11からモータの内方へ向かって突き出した四角柱状のティース部12とを有している。このコア本体10は、金属磁性粉末(たとえば、鉄粉)、または所定の被膜(たとえば、燐酸化合物被膜)で覆った金属磁性粉末を、樹脂で結合した圧粉磁性体により形成されている。圧粉磁性体の結合用樹脂としては、たとえばポリフェニレンサルファイド、可溶性ポリイミド、もしくは他の樹脂、またはこれらの混合物が用いられる。コア本体10は、圧粉磁性体材料を所定の型に充填して加圧、圧縮した後、加熱処理して成形する。
図3(a)は、コイル20の正面図である。また、図3(b)は、コイル20を図3(a)のB−B線で切断した断面図である。コイル20は、平角形の銅線21を螺旋状に巻回したものであり、コア本体10のティース部12に外挿される。銅線21は、その抵抗値を一定とするために断面積は一定であるが、分割ステータ1内におけるコイル20の占積率を確保するために、モータの外方ほど幅が広く扁平な断面形状となっている。したがって、コイル20は、全体として略切頭四角錐状の外形となる。一方、コイル20の内側は、コア本体10のティース部12の外側面と略同一寸法の四角柱形の空間となっている。なお、本発明は、このコイル20のように、断面形状が変化する場合に限定されるものではない。たとえば、コイルの断面形状は一定であってもよい。
図4(a)は、つば形成部材30の正面図である。また、図4(b)は、つば形成部材30を図4(a)のC−C線で切断した断面図である。つば形成部材30は、コア本体10と同一の圧粉磁性体を、略四角環形状に成形したものである。つば形成部材30の内側面は、コア本体10のティース部12の外側面と略同一の寸法に形成されている。また、つば形成部材30は、外側面のうちロータに近い部分に、外側へ突き出したつば部31を有している。
<2.ステータの製造手順>
このような構成を有するステータを製造するときには、まず、上記のコア本体10、コイル20、およびつば形成部材30を、それぞれ別体で成形する。
次に、図5に示したように、コイル20につば形成部材30を取り付けて、つば付きコイル40を形成する。つば付きコイル40は、コイル20の収束側の一端とつば形成部材30のつば部31のない一端とが接触され、かつ、コイル20とつば形成部材30とが同軸となるように取り付ける。そして、コイル20とつば形成部材30の全体を樹脂41によりモールド固定して接合する。
その後、図6に示したように、コア本体10のティース部12へ、つば付きコイル40を外挿する。つば付きコイル40は、つば形成部材30を背にしてコイル20側からティース部12へ外挿される。ティース部12の軸心方向の長さは、少なくともコイル20よりも長い。このため、つば付きコイル40が外挿された状態において、つば形成部材30の内側面はティース部12の外側面に対向または接触し(図1の状態)、つば形成部材30とティース部12とは、磁気的に一体となる。このようにして、1つの分割ステータ1が形成される。
さらに、複数の分割ステータ1を全周分並べ、隣接する分割ステータ1の間にも樹脂を充填して固定し、図1のステータが完成する。このように樹脂を充填して固定すれば、複数の分割ステータ1を強固かつ容易に固定することができる。なお、図1においては、モールド固定用の樹脂を省略している。複数の分割ステータの固定には、焼きバメなどの他の方法を利用してもよい。
このように、本実施形態のステータは、ステータコアの先端部分となるつば形成部材30が、コア本体10とは別体に成形される。このため、コア本体10とつば形成部材30は、それぞれ簡易な形状となり、容易に成形することができる。また、つば形成部材30をコイル20に取り付けた後、それをコア本体10へ外挿することができるため、コイル20の装着時にステータコアのつば部31が障害となることはない。以上より、ステータコアにつば部31を有するステータを、容易に製造することができる。
<3.変形例>
上記の実施形態においては、ステータコアの先端部分となるつば形成部材30を、コア本体10と別体に成形する場合について説明したが、図7に示したように、つば部51を含む略筒状のコア側面部分50を、コア本体60と別体に成形するようにしてもよい。この場合におけるコア本体60のティース部62は、上記コア本体10のティース部12よりも、コア側面部分50の厚み分だけ細くなる。製造の際には、まず、コア側面部分50に、つば部51の逆側からコイル20を外挿し、つば付きコイル70を形成する。そして、つば付きコイル70を、コア本体60のティース部62に外挿して、分割ステータ2を形成する。この場合にも、コイル20の装着時にステータコアのつば部51が障害となることはなく、ステータを容易に製造することができる。
すなわち、ステータコアのティース部のうち、つば部を含む一部分を、他の部分と別体に成形すれば、各部分の形状は比較的簡易なものとなり、成型が容易となる。また、つば部を含む一部分をコイルに取り付けた後に、それを他の部分に装着することができるので、つば部が障害となることはなく、ステータの製造が容易となる。
上記の分割ステータ1,2では、コア本体10,60、つば形成部材30、コア側面部分50は、いずれも、圧粉磁性体により構成されていた。しかしながら、コア本体10、60,つば形成部材30,コア側面部分50は、電磁鋼板を複数枚積層して構成したものであってもよい。ただし、上記の分割ステータ1,2のように、圧粉磁性体を利用すれば、成形が容易であり、形状の自由度が高くなる利点がある。また、圧粉磁性体を利用すれば、粉末粒子間を電気的に絶縁可能であるため、渦電流の発生を防止し、エネルギーロスを低減できる利点もある。
ステータの部分的構成を示した断面図である。 コア本体の構成を示した図である。 コイルの構成を示した図である。 つば形成部材の構成を示した図である。 つば付きコイルを示した図である。 コア本体へ、つば付きコイルを外挿する様子を示した図である。 変形例に係るステータの構成を示した断面図である。 従来のステータの部分的構成を示した断面図である。
符号の説明
1,2 分割ステータ
10,60 コア本体
12,62 ティース部
20 コイル
21 銅線
30 つば形成部材
31,51 つば部
40,70 つば付きコイル
41 樹脂
50 コア側面部分

Claims (8)

  1. モータのステータであって、
    つば部を有するステータコアと、
    前記ステータコアに巻回されるコイルと、
    を備え、
    前記ステータコアのうち、前記つば部を含む一部分が、他の部分と別体に成形されたものであることを特徴とするステータ。
  2. 請求項1に記載のステータであって、
    前記一部分は、前記ステータコアの先端部分であることを特徴とするステータ。
  3. 請求項1または2に記載のステータであって、
    前記コイルと、前記ステータコアの前記一部分とは、樹脂によりモールド固定されていることを特徴とするステータ。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載のステータであって、
    前記コイルは、平角線により構成されていることを特徴とするステータ。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載のステータであって、
    前記ステータコアは、圧粉磁性体により形成されていることを特徴とするステータ。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載のステータであって、
    モータの周方向に配列された複数の分割ステータにより構成されることを特徴とするステータ。
  7. 請求項6に記載のステータであって、
    隣接する前記分割ステータの間に樹脂を充填して固定したことを特徴とするステータ。
  8. つば部を有するステータコアと前記ステータコアに巻回されるコイルとを備えるステータの製造方法であって、
    前記つば部を含む前記ステータコアの一部分と、前記コイルとを接合してつば付きコイルを形成する第1の工程と、
    前記つば付きコイルを前記ステータコアの他の部分に装着する第2の工程と、
    を備えることを特徴とするステータの製造方法。
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